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WILLCOM CORE って何だ

免許交付されたにもかかわらず WiMAX の情報がなかなか出てこないな、という以上に進んでるのかなんだかよく分からなかったウィルコムの次世代 PHS の情報が、最近になってやっとぽつぽつ出てきました。

次世代PHSのサービス名は「WILLCOM CORE」──新幹線内でもブロードバンドを実現 (ITmedia)

と言いつつ、今週発表になったのはサービス名称のみ。同日に発表された、狙いどころは分かるけどそこにユーザーがいるかどうかさっぱり見えない WILLCOM 03 は正直どうでもよくて(ぉ、個人的に気になるのは WILLCOM CORE のほう。
でもこちらもとりあえず名前の発表だけ、でニュースになっているようで、技術概要等がどこにも取り上げられていません。仕事柄、こういうリリース文やマーケティングメッセージの裏を読む癖がついてしまった目で見ると、「ウィルコムがすでに保有しているPHS用の16万局のマイクロセルネットワークを活用」「総務省から割り当てを受けた30MHz幅をフルに使い、MIMO技術を活用することで上りと下りでそれぞれ最大100Mbps以上の通信速度を実現」「時速300キロ以上で移動中でも通信が可能」というのはとりあえず理論的に言える最大限の夢物語と「ウィルコムの既存施設を使うからサービスの立ち上げが速そう」という期待値と「16 万局のマイクロセルネットワーク」というよく分からないけどなんかすごそうな数字と名前を並べて、虚勢を張ることしかできなかったんじゃないかと思います。技術ベースの話をしなくてもとりあえず新聞にこれらの数字が載れば OK、みたいな。来年の 3~4 月にサービス開始といってもそれは総務省が免許交付の条件にしたからそこで(試験でも何でも)サービス開始せざるを得ないだけだったりするし、具体的にどんなスケジュールでサービスが始まって、その後のサービスエリアやサービスレベルがどのように拡張されていくかが分からないと、何とも言えません。


ということで結局よく分からない WILLCOM CORE ですが、今のところその実態については ITmedia のこの記事が最もよくまとまっているんですかね。

“ウィルコムのWiMAX”とモバイルWiMAXの違い (ITmedia)

技術ベースや使用するモジュールとしてはやっぱり WiMAX にかなり近いみたいですね。でも、デファクトスタンダード(になるかどうかまだ分かりませんが)の技術をベースにしながら最終的には独自仕様にまとめる、って自分たちを含む国内のケータイキャリアが犯してきた失敗から何も学んでないってことなんじゃないでしょうか。結局、この ITmedia の記事中に語られている、この言葉に尽きると思う。

次世代PHSのグローバル展開についてウィルコムの平澤氏は「実力を示すしかない。われわれとしては次世代PHSが技術的に優れていると信じている」と話すが、やはり心許ない。技術的優位は、その技術が普及する要因の一部でしかないからだ。

一方の WiMAX も(個人的に期待はしてますが)まだちゃんとサービスが立ち上がるのか不透明な部分はあるし、イー・モバイルのがんばりで HSPA が伸びてきていてその先に LTE も控えているし、でモバイル通信はちょうど過渡期にある状態だとは思いますが、よっぽどのことがない限り私が WILLCOM CORE に手を出すことはないかなあ。せめてイー・モバイルよりも早い時期に Mbps クラスのサービスが開始できていれば。まあ、それも ISDN ベースの技術である PHS を引っ張り続けてきた以上、期待できたことではなかったんですが。

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