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Management By Objectives through Self Control

一夜明けましたが、南ア W 杯の予選リーグ最終戦。日本代表、勝ちましたね。
日本全体が興奮状態になった一日が過ぎて少し落ち着いた今、ちょっと思ったことなどを。

基本的に 4 年に 1 度のにわかサッカーファンなので、サッカー自体にはあまり詳しくないのですが。

正直なところ、今まであまり日本代表のサッカーは好きではありませんでした。
というのも、相手ゴール前に至ってもパス回しばかりで、「点を入れよう」という意志が感じられないサッカーだったから。
もしかしたら、技術、戦術などの理由があるのかもしれませんが、少なくとも私には「点を入れるという結果」よりも「シュートを外すというリスク」を皆が恐れているように見えて仕方がなかったのです。まるでリスクばかり口にして停滞してしまった企業の中を見ているような気分ですらありました。

でも、今回の W 杯予選を見る限り、日本代表のサッカーからは意志が感じられた。点を取って勝つという意志、何が何でも守りきるという意志。

デンマーク戦直後の本田選手のインタビューが、現在の日本代表のマインドを最も端的に表しているんじゃないでしょうか。

「目標はまだ、はるか先にある。満足できないです。」

普通ならば、日本代表として初めてのアウェイでの決勝トーナメント進出。その決定直後とあれば、悦びを爆発させて多少浮ついた言葉が出てきてもおかしくはなかった。でもそこでこんな台詞が出てくるということは、口先だけでなく本気でもっと高い目標を見据えているということ。

私もつい仕事や生き方に当てはめて考えてみざるを得ませんでした。
MBO(目標による管理)を導入している企業は少なくないですが、企業もその企業に働く社員も短期的成果を求められる風潮の強い昨今の経済環境にあって、評価を意識して「比較的容易に達成可能な目標」を設定して、自分に課すハードルを意図的に下げてはいないか。企業も個人も本来ならばもっと高い目標を設定すべきで、目標の達成度だけではなく高い目標を設定したことそのものも評価されるべきではないのか。

戦後から高度成長期の日本には、おそらく飢餓感からくるとてつもなく高い目標が日本人全体で共有されていたのだろうと思います(メディアに選択肢がなかったので、価値観の統一が図られやすかったという背景もありそうです)。
でも、高度成長期の終盤から最近までは、リスクを取らずに実現可能範囲の目標設定をする無難な日本人が出来上がっていった。テクノロジーが進み、経済が伸張している中では、それでも成長はあったのでしょうが、それらが停滞し始めると、途端に全てが伸び悩み、リスクを取らない弊害ばかりが目立ってくる。

練習でできないことは本番ではできないのと同じように、実現可能範囲の目標しか設定しなければ、まずそれ以上の成果を出せることはない。自分の現在位置よりも高い目標を持てる者だけが、真の目的を果たせる。
成長にしても同じことで、自分ができる範囲のことばかりやっていても成長はなく、従来の自分の限界を超えたところにだけ成長の余地がある。

大切なのは「自分は何ができるか」ではなくて「自分は何がしたいか」。
その目的への行き方を考えて、目標は、そこから逆引きして設定すべき。
自己統制による各人の成果や成長も、それで初めて実現されるもの。

それがちゃんとチーム全員で共有できている今大会の日本代表は、全力で応援したい。
次、勝てる確証はどこにもないけど、勝つことを願ってます。

どうやら仮に日本が勝ち進んだとして、準々決勝以降は全戦明け方 3:30 のキックオフになるらしいけど、喜んで観戦しますよ(笑。

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