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父親たちの星条旗

父親たちの星条旗

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帰省の電車の中で観ました。といっても 5 月に BS で放送していたものの録画ですが。

私は学生の頃までは「戦争はいけないこと」という当たり前のことを文字通りに受け止めすぎていて、どちらかというと戦争に関する物事を見聞きすることすらタブーに近い感覚で忌避してきました。が、社会に出てから、(「戦争はいけないこと」という前提は持ちつつも)戦争が起こる背景やいち経済人として経済に与えるさまざまな影響を知っておきたい、そして日本人の尊厳が問われる近年では一人の日本人として「自分なりの歴史観」を持っておく必要がある、という考えから、戦争にまつわる書物や情報、芸術に目を逸らさないでおこうと意識しています。

この映画も先日『グラン・トリノ』を観てからイーストウッド作品に興味を持ったのがきっかけでしたが、昔の私ならば避けていた類の作品だったかもしれません。特にアメリカ映画は戦争を肯定するような内容のものが多く、それが私が戦争映画を避ける理由の一つでもあったのですが、この映画はそんなアメリカの戦争映画とは一線を画していると感じました。
結局、戦争に大義が必要なのは戦争を始めよう/続けようとする層の人に過ぎず、多くの兵士にとっては「自分と仲間の生命を守ること」こそが戦争の中で目的とすることである。正義なんて主観の問題に過ぎない・・・ということを、この映画は静かに、雄弁に語ってくれています。イーストウッドらしく重い語り口ではありますが、確かに観て良かった。

このままの流れで『硫黄島からの手紙』も観ようと思います。

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