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F1 日本 GP 2011 決勝

バトンが鈴鹿を初制覇! ベッテル3位でタイトル獲得! | 日本GP | F1ニュース | ESPN F1

日本グランプリ決勝。私の予想としては鈴鹿と相性が良いマシン、鈴鹿が大好きなヴェッテルの組み合わせが PP から逃げを打ってチャンピオン獲得に華を添える・・・という展開を予想していました。が、レースはタイヤに優しいバトンが巧みなタイヤ戦略によりヴェッテルをピットの間に交わし、そのまま最後まで走りきりました。
クラシックコースであり、高速サーキットでもある鈴鹿はタイヤに厳しい性格。ブリヂストンタイヤだったら今年もヴェッテルが完勝していた可能性は高かったでしょうが、今年のピレリタイヤとのマッチングという意味ではマクラーレン&バトンに分があった、ということでしょうか。思えば、予選でバトンがヴェッテルの 9/1,000 秒差に迫っていたところ、いやもっと言えば FP1 でバトンがトップタイムを出したところから、その兆候はありました。

スタートで成功したものの、すぐにタイヤを駄目にして最後まで伸びが見られず、また今回もバックミラーを見ていなかったことでマッサと接触したハミルトンとは対照的な、バトンの巧いレース。チャンピオンこそ逃したけれど、今季ここまでヴェッテルを追い詰めるレースをいくつも演出し、天候の読みやタイヤの扱いが難しいレースではしっかり勝つ。半ばマシン性能のおかげでチャンピオンを獲得できた 2009 年と比べても、今年のバトンは脂が乗っていて、今最も面白いドライバーだと思います。
マクラーレンというチームは伝統的に 2 人のドライバーをイコールコンディションで競わせる方針だし、昨年のバトン加入時はどちらかというとハミルトン寄りのチーム体制だったのは事実でしょうが、今季ここまでの実績、ハミルトンの落ち着かなさ、チームと複数年契約を結んだ事実などを考慮すると、バトンが現時点~来季における実質的なチームリーダーとして認められたとみて間違いないでしょうね。

2 位のアロンソは終盤まであまり中継に映ってきませんでしたが、例によってしぶといレース運びで気がつけば表彰台。ヴェッテルはピットの隙に交わしたようですが、最後まで RB7 を抑えきっただけでなく、ラスト数周はバトンを脅かす走りすら見せていたのは、ヴェッテルのひとつ前のダブルチャンピオンの意地とすら感じました。やはり、来季もチャンピオンシップはこの 3 人を中心に回っていくのでしょうか。


3 位のヴェッテルは楽なレースとはなりませんでしたね。まあこれまでも数字だけ見ればヴェッテルの圧勝シーズンでしたが、それぞれのレース内容を見ると接戦の末に勝ったグランプリも少なくなく、結局最後までライバル達とバトルを繰り広げることになりました。今回は序盤からリードを広げていくヴェッテルのスタイルと、タイヤに優しい走りを活かして尻上がりにペースを上げていくバトンとの比較で、後者に軍配が上がったということでしょうが、いっぽうで「クリーンエアで走れていないと本領を発揮できない」という RB7 唯一の弱点にはまってしまった側面もあるように思います。
ともあれ、2 人の先輩チャンピオンとともにポディウムに上がっての連覇達成は、文句のつけようがありません。昨年とは違ってミスらしいミスもほとんどなく、自分と周囲の状況がよく見えている。アロンソもバトンも最初のチャンピオンを獲ってから雰囲気が変わりましたが、やはり「勝ち方が分かる」とレーサーとしてはひとつ上のステージに行けるものなのかもしれませんね。ハミルトンは相変わらず周りが見えていませんが、あの年は最大のライバルがマッサだったしなあ(笑

で、我らが可夢偉。7 番手スタートで得意の鈴鹿、というこれ以上ない状況からのレースでしたが、スタートでストールしかけるという大失態。中団から追い上げる展開となり、一度は昨年を彷彿とさせるヘアピンでのオーバーテイクも見せてくれましたが、最終スティントで履いたプライムタイヤが早々にタレてしまい、そこでレース終了。ポイント圏からズルズルとポジションを落とし、期待外れのノーポイントレースとなってしまいました。
今回はスタート失敗という本人のミスに加えて、タイヤ交換時のピットのミス、そしてピット戦略の読み誤りなど、決勝レースではやることなすこと裏目に出てしまいました。が、一方で 17 番グリッドのペレスがプライムスタートから良い走りを見せ、終盤にオプションタイヤを履いて好タイムを連発して 8 位フィニッシュという、昨年の可夢偉ばりのレースを見せてくれたことを考えると、可夢偉のリザルトが残念でなりません。まあ、ルノーやメルセデスに後ろを脅かされる 7 番手スタートだった時点で、スタート時にオプションを履いて抑え込む戦略しか採りようがなかったのは理解しますが、もう少し臨機応変さがあっても良かったかなと。
可夢偉とザウバーは来季も契約が残っていて、それ以前に他チームに移る選択肢自体もほとんどなかったことを考えると、ザウバーチームには特に戦略のオプションの持ち方についてもっとがんばっていただきたい。また可夢偉にも「マシンが駄目でも走りで何とかする」だけでなく、「戦略が駄目でも走りでカバーする」ようなところをもっと見せてほしいですね。昨年終盤~今年前半の活躍に対して、今年後半は存在感が薄かったので、このままでは再来年のシートが不安になってきます。まあ、その前に今季の残り 4 戦ですが。

今季の残り 4 戦は、来季のテストを兼ねた消化試合という側面もありますが、今季ここまでの各レースが非常に面白かったことを考えると、まだまだひとつひとつのレースとして純粋に楽しめると思います。しかし鈴鹿が終わってまだ 4 戦も残っているとは、かつて鈴鹿が最終戦近辺にあった時代には、ちょっと想像ができなかった事態です。また近年は終盤までチャンピオンが決定しないことが多いので、鈴鹿でチャンピオンが決まるのもこれでほぼ見納めかなあ・・・と考えると、現役チャンピオン 3 人の接戦の末にチャンピオンが決まった今年の鈴鹿は、とても素晴らしいレースだあったなあ、と改めて感慨に耽ったりして。

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