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F1 マレーシア GP 2012

マレーシアGP決勝 アロンソがウェットレースを制す! – GPUpdate.net

雨で始まったマレーシア GP は、赤旗中断を挟む大雨でのレースとなり、案の定の波乱が起きました。ウェットコンディションに滅法強いバトンが今回もタイヤマネジメントで勝利をもぎ取るのでは・・・とも予想したのですが、それとは大きく異なるリザルトが待っていました。

勝ったのはアロンソ。いくつもの幸運が重なったとはいえ、とても優勝争いができるとは思えない戦闘力しかない F2012 で勝ってしまうのはアロンソの地力としか言いようがありません。僚友マッサは 15 位止まり、本来ならこのあたりがこのクルマのポジションと言っても過言ではないはずです。
このリザルトの立役者はチームメイトのマッサと、あと一人は間違いなく HRT のカーティケヤンでしょう。セーフティカー明け早々のピットインラッシュでアロンソの直後にマッサがピットインしてきたことにより、先にピットインしていたはずのハミルトンが出られずアロンソが先行。その直後にはバトンがカーティケヤンに接触してフロントウィングを壊され、緊急ピットイン。アロンソはこれで労せず事実上のトップを得ました。カーティケヤンは終盤にもヴェッテルと絡み、彼のタイヤをパンクさせて表彰台争いから引きずり下ろしてしまうという、故意にではないにせよチャンピオン候補二人のポイントをフイにするアクシデントに介在することになりました。これがシーズン終盤にどういう意味を持ってくるのか、今から憶えておきたいと思います。


そしてこのレースにおけるアロンソ以上のヒーローは間違いなくザウバーのセルジオ・ペレス。小林可夢偉のチームメイトであります。
スタート直後にピットインしてインターミディエイト→ウェットにタイヤ交換したのが功を奏し、ヘビーレインコンディションで最速ラップをたたき出して 3 位に浮上。赤旗中断→SC 先導での再スタート後もポジションをキープし、ラップリーダーを記録した周回も。今回はマシンバランスが非常に良く、中盤以降はインターミディエイトタイヤでファステストラップを連発し、首位のアロンソと 5 秒以上あった差を一気に詰めます。しかし一つめのターニングポイントは終盤のドライタイヤへの交換時期で、1 秒差まで迫ったところでアロンソが先にミディアムタイヤへチェンジ、ペレスは 1 周ステイアウト後にハードタイヤへチェンジ。結果的にタイヤ選択は間違っていなかったものの、ここで同時にピットに入っていれば結果は違ったかもしれません。そして二つめのターニングポイントは残り 6 周となったところ。DRS を使用してテールトゥノーズとなり、次周の DRS ゾーンでは・・・!と思った瞬間、コーナリングでミスをして大きくコースオフ。復帰はでき、その後も追い上げを続けたものの、事実上ここで優勝は決まってしまいました。

正直なところ、ペレスは勝てるレースを落としたと言っても間違いではないと思います。いくつかのポイントで間違った選択をしていなければ、あのペース差があれば勝てていたはず。その壁を越えられるかどうかが勝てるドライバーになれるかどうかの境目でもありますが、逆に言えば、アロンソはああいった状態で絶対にミスをしないドライバー。だからこそ、今回だけでなく 2008 年のルノーや昨年のフェラーリのような勝てないマシンでも、チャンスがあれば力強くもぎ取る。そういう意味では、今回ペレスではなくアロンソが勝ったのは必然と言えるのかもしれません。
しかしながら、レースペースはウェットでもドライでもザウバーのほうが確実に速かったのも事実。ただセットアップ屋台や管理に失敗した可夢偉と F2012 を乗りこなせていないマッサがともに下位に沈んだとおり、同じマシンでも少し歯車が狂っただけで大きく落ち込んでしまうのが、チーム間の戦力差が僅少な今シーズンの傾向でもあります。でも少なくともシーズン中の開発力の差が現れない序盤戦ならば、可夢偉にも十分にチャンスはある、とも言えるはず。ペレスの表彰台獲得にペーター・ザウバーおじさんは涙していましたが、もっと泣かせる結果を目指してほしいところ。

残念ながらペレスは今回勝ちにつなげられませんでしたが、2006 年のバトンの初優勝、2008 年のクビサそしてヴェッテルの初優勝、2009 年のブラウン GP の初優勝など、新しいチームやドライバーが初めて勝ちそうな瞬間というのはドキドキするものです。私も可夢偉よりも先にペレスに表彰台に乗られるのは悔しいと思いつつ、中盤以降は完全にペレスを応援してしまっていました(笑。これで間違いなくティフォシの間ではマッサ降ろしの論調に勢いがつくでしょう。

それにしても今季は誰がまだ勝つか分からなくて面白いですね。パーマネントサーキットである今回のセパンでもう少し見えてくるかと思ったら、雨のおかげで結局分からなかったし。現時点での戦力としてはやはり 2 戦連続フロントロウ独占のマクラーレンに分がありそうですが、ヴェッテルは間違いなく何度か勝つでしょうし、ライコネンもそのうちズバッと優勝しちゃいそうだし(やっぱり得意のスパは注目でしょう)、グロジャンとマルドナドも表彰台には絡んでくる可能性が高い。メルセデス W03 のレースペースがイマイチなのがちょっと残念ではありますが、今シーズンはしばらくレースごとに表彰台の顔ぶれが入れ替わってもおかしくなく、毎度ワクワクしながら観戦できそうです。

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