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豊島区駒込の煮魚定食

「音、匂い、雰囲気。どれをとっても懐かしい気がする。駒込、この街に郷愁を感じてしまうのは何故だろう」

和食亭

和食亭

というわけで、ドラマ・こどグル聖地巡礼も佳境に入ってまいりました。今回は、第 2 話の舞台となった駒込の「和食亭」にやってきました。ちなみに私はずっと南東京に住んでいるので、山手線の北側にはとんと縁がなく、駒込にも初めて降りたのではないでしょうか・・・。ドラマにおける井之頭五郎も「駒込駅にはほとんど降りたことがない」と言っていましたが、それでも郷愁を感じてしまうのは、おそらく山手線でもこのあたりの地域が東京ローカルな雰囲気を醸し出しているからでしょうか。

駒込駅のほど近くにあるこの「和食亭」は、カウンターとテーブル 2 席程度しかない、本当にこぢんまりとしたお店。一見さんではなかなか入りにくい、地元に密着した感のある「こどグルらしい」店構えと言えます。

店内に入ると、四本木さんを職人肌にしたような雰囲気の、とても柔和な印象の店主(と言っても直接会ったことがある人しか分からないでしょうが(笑))が出迎えてくれました。こういうお店だと、いかにも初老のおやじさんが厨房に立っていそうなイメージがありますが、思いのほか若くて驚きました。
ちなみに、席についてカウンターにコンデジを置いておいたら「すみませんが、店内の撮影は遠慮していただけますか」と言われたので、残念ながら今回は写真ナシ。文章だけで料理を表現するのって本当に厳しいんですが(´д`)、店に入っては店に従え。こどグルツアー初の写真なしエントリーで行きます(汗。


今回いただいたのは煮魚定食+刺身セット。私は港町で生まれ育ったので、どうも東京で魚を食べる気にはならず、外食で煮魚や刺身を頼むことはまずありません。が、今回はゴローちゃんに敬意を表して煮魚にしてみました。とても腰が低くて丁寧な店主が、嫌いな食材はないか、煮魚や刺身にする魚は何がいいか、などをひとつひとつ聞いてきます。今日の煮魚は鰤と鱈から選べましたが、鰤は今は旬ではないし、ゴローちゃんと同じく鱈に。まあ、鱈も旬ではありませんが(ぉ。刺身は今日は光りものがおすすめということで、店主にお任せしました。

まずは小皿に品良く盛られた前菜が運ばれてきました。劇中では前菜にシチューが選べるとありましたが(笑)、冬季限定なのか、今回は選択肢はなく前菜の盛り合わせが出てきました。ごぼうと鰯の生姜煮、かぼちゃの煮付け、イカ大根煮、じゃがいもといんげんの煮物、海老と胡瓜とオクラの柚子のおひたし、の五点盛り。ちょっとずつではありますが、いかにもおばんざい的な取り合わせで、思わず日本酒を頼んでしまいました。手取川の大吟醸冷酒、このキンと冷えた辛口がまた前菜によく合います。こういういぶし銀のおかずが、よく働くんだ。

前菜をつまみながら冷酒をちびちびと飲んでいると、刺身が運ばれてきました。大ぶりに切られた鮪の赤身に平目、そしてとても良く脂の乗った鰯。鰯の刺身って好きなんですよね。光りものの中では鰺や鯖よりも好きかもしれません。さらに、今日は縞鰺もおすすめとのことで、番外編ながらサービスで縞鰺の刺身の切れ端までいただいてしまいました。これがまた、脂が乗っていながらもぷりっとした弾力性があって、いい縞鰺でした。
刺身をいただきながら、出てきた白飯と味噌汁をいただきます。しじみがたっぷり入ってよくだしの出た味噌汁に、白いごはん。刺身に白いごはん、というのが、子どもの頃の夕食を思い起こされて、懐かしい。

そしてメインの煮魚。大ぶりな生鱈の切り身を二きれ使ったボリュームのある煮魚で、鱈と一緒に煮込まれた長葱が添えられて出てきました。鱈といえば柔らかく崩れやすい肉質のイメージがありますが、この鱈は身が締まっていて意外と食べ応えがあり、味がよくしみていて、心に沁みる味でした。こんなに美味しい鱈の煮物を食べたのは初めてかもしれません。東京でうまい煮魚が食べられるとは思っていなかったので、ちょっと感動。

さらに最後にはまた店主からのサービスで、平目の縁側のポン酢漬けを小皿に少々いただいてしまいました。これがまた珍味中の珍味というお味で、歯ごたえがありながらも舌の上でとろーっととろける脂身の甘みと、それを引き締めるポン酢の酸味が相まって、今思い出しても唾液の分泌が止まりません。これがまた日本酒に合うんだ・・・。

とても美味しくいただきました。写真が撮れなかったこと以外に、ひとつだけ残念だったのは、地元の人とおぼしきお客さん同士が、店内の端と端に対角線で向き合って大声で会話していたこと。地元密着のお店だからこういうのも許される雰囲気、というのもあるでしょうが、個人的には

モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由で なんというか 救われてなきゃあ ダメなんだ 独りで静かで豊かで・・・

と説教のひとつも垂れたくなる気分でしたね・・・。あれがなければ、もっと美味しくいただけていただろうと思うと、悔やまれます。

魚のチョイスとか、食べることのできなかったシチューとか、冬になったら改めてまた来てみたいお店かもしれません。ごちそうさまでした。

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