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PlayStation 4

【西田宗千佳のRandomTracking】ついに登場したPS4。PlayStation Meeting 2013レポート -AV Watch

DUALSHOCK 4

PS4、出ましたね。概要は事前の噂通りで、x86-64 ベースの CPU、RADEON ベースの GPU、SCE が買収した Gaikai の技術を利用したクラウドベースのゲーミングプラットフォームの提供、ゲームと SNS との連携、PS Vita やスマートフォン/タブレットによるリモートプレイ対応、といったところ。

「サプライズがない」という見当外れの批判も出ているようですが、少なくとも大規模半導体の開発と製造によって圧倒的なパフォーマンスを実現し、プラットフォームとしての魅力を高めることで利益に結びつけていくハイリスク・ハイリターンのビジネスモデルはコンシューマゲーム機としてはもう過去の話。ハイクオリティなゲームを提供するために必要な CPU/GPU パワーも既に PC ベースのアーキテクチャで十分事足りるし、それよりもむしろ PS3 等で提供できなかった「開発しやすい環境」を提供することでデベロッパを惹きつけるほうが、プラットフォームの魅力(=魅力的なゲームタイトルの豊富さ)に繋がる、ということでしょう。PS3/Xbox360 世代で大作ゲームタイトルのクロスプラットフォーム化が進んだことも、この流れを後押ししたのだろうと思います。
PC アーキテクチャベースといっても現時点で既に PS3 の性能は遙かに凌駕していますし、これ以上パフォーマンスが上がったところでその恩恵を受けるのは FPS やレースゲームなど、リアル志向の CG を多用したタイトルばかりで、日本的なテイストのゲームタイトルにそこまでの性能が必要だろうか?とも思うわけで。そう考えると、性能面での PS4 の進化は、もはや日本ではなく欧米を主眼に置いたものであり、ゲーム業界にとっては日本はもはや特殊すぎる市場になってしまったのかな、という気もします。PC や据え置きコンソールでのゲームがまだまだ主流な欧米(特に米国)と、ポータブル機やケータイ/スマホが主戦場な日本、という構図が象徴的ではないでしょうか。PS4 は完全にコアゲーマー向け、みたいな状況になる可能性も十分に高いと思います。

ただ、今回の発表を見る限りは、主役はハードウェアではなくて「これでどんなゲームやエンタテインメントがどのようにできるか」であったと思います。ゲーム機をスペックで語るのではなく、エンタテインメントそのものに目を向けてほしい、というのが、今回あえてハードウェアの外観を明かさなかったことのメッセージなのではないでしょうか。一方で、「本体デザインまだー?」という声がタイムライン上に踊っていたことが、いくら体験やコンテンツこそが価値、と言われるようになった世の中にあっても、やはりその象徴としてのハードウェアの存在の重要性を物語っているなあ、とも感じましたが。


とはいえ、個人的に PS4 に注目しているポイントは、サスペンド・レジュームに対応したこと。ポータブルゲーム機が当たり前のようにゲームの中断/再開に対応しているのに、据置機はいまだに電源を入れたら本体が起動するのを待って、さらにゲームが起動するのを待って、みたいな旧態依然とした「よっこらしょ感」が、ただでさえ時間がなく娯楽の選択肢が多い現代人から「わざわざテレビの前に座ってゲームをしよう」という気分を奪っていたのは事実だと思います。また、おそらく日本で唯一、デジタルレコーダの単一商品として 100 万台を売り上げた torne が、PS3 のように本体の起動を待たずにすぐに使えるというのも、考えようによってはとても面白い。世界的に見れば日本のゲーム市場は特殊でしょうが、逆にこの特殊性に PS4 の突破口があるのかもしれないなあ、とも思います。少なくとも私は PS4 を買ったら torne の稼動率が上がりそう。

でも私が今 PS4 を欲しいか?と聞かれれば、このハードを買ってやりたいゲームは今のところないな、というのが正直なところ。まあ米国での発表会で、米国で強いデベロッパやゲームタイトルが目立っていたから、というのはあるでしょうが。PS3 でさえゲーム機としてよりもむしろ次世代 AV 機器として買った意味合いのほうが強く、過去の PlayStation シリーズの中で最も稼動時間が短かったほどなので、PS4 でまともにゲームをやるかといったら、たぶん数えるほどしかやらないと思います。個人的には、もはやメインのゲーム機はポータブル機に移ってしまっていますし。ただ、クラウドとの連携や Vita 等でのリモートプレイ、あるいはソーシャル対応でどの程度エンタテインメントを変えてくるか、にはとても興味があります。もしかしたらこれが私が買う最後の据置型ゲーム機になるかもしれないなあ、と思いながらも、ひとまず発売日の購入の算段を整えているのでした。

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