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F1 アブダビ GP 2014

アブダビGP決勝 ハミルトンが完璧な勝利でチャンピオンに輝く

2014 年の最終戦、アブダビ GP。ハミルトンが圧倒的有利な状況で迎えはしたものの、最終戦ダブルポイント制のおかげでロズベルグの大逆転は「あり得る」状態。ハミルトン的には 2 位以上であれば自動的にチャンピオンが確定するとはいえ、最終戦までハミルトンとロズベルグの優勝をかけた一騎打ちになるんだろうなと思っていましたが、もう予選からその通りの戦いになりました。

今シーズン、予選ではハミルトンに勝ち越しているロズベルグ。ここアブダビでは、予選から有利な状況を作りに行くという戦いが今まで以上に明確で、結果ハミルトンを抑えて PP 獲得。しかし、ハミルトンもしっかり 2 番手につけます。ロズベルグとしてはウィリアムズの少なくともどちらかに割って入ってほしかったところでしょうが、それすら許さないのが今年のメルセデスの速さです。

で、決勝。今季幾度となくスタートでハミルトンの先行を許しているロズベルグですが、今回もスタートで出遅れ…というより、ハミルトンのラウンチが素晴らしすぎて、ターン 1 では完全にロズベルグを置き去りにしていました。以後は見た目上のラップリーダーを譲ったことはあっても、実質的なトップを最後まで譲ることなく、ハミルトンがトップチェッカー。
対するロズベルグはなんと中盤に MGU-H にトラブルが発生してペースダウン。なんとか粘ろうとしてはいたものの、回生エネルギーの大半を担う MGU-H(さらにはメルセデス製パワーユニットのアドバンテージはこの MGU-H にあると言われている)がまともに使えなくては、さすがの W05 でも速さは維持できません。最終的には 14 位フィニッシュでノーポイントという結果に終わりました。

終わってみれば、最終戦ダブルポイントもあってハミルトン 384pt:ロズベルグ 317pt、でハミルトンが大差をつけてドライバーズチャンピオンを獲得。最終戦まで争ったとはいえ、19 戦中 11 勝を挙げたドライバーがチャンピオンに輝くのは当然の結果とも言えます。特に後半戦のハミルトンはメンタルも戦い方も落ち着いていて、今やアロンソに勝るとも劣らない「強いドライバー」に成長したと言えるでしょう。2007 年のデビューから昨年までは「一発の速さは現役 F1 ドライバー中でベストだけど波があるドライバー」という印象だったのが、今年後半は「レースウィークエンド全体を見渡して、日曜日に勝つための戦いをするドライバー」になったように思います。来季の勢力図がどうなるかはまだ分かりませんが、レギュレーションが大きく変わらない中でハミルトン+メルセデスという最速パッケージに変更がないことは、そのまま来季もハミルトンがチャンピオン最右翼であることを意味します。


このアブダビ GP はフェラーリのアロンソ、レッドブルのヴェッテル、そしておそらくケータハムの小林可夢偉にとっての最終戦という意味で、例年以上に感傷的なレースになりました。特にアロンソとヴェッテルに関しては長年所属したチームであり、チームとともに成長してきた側面もあるだけに、様々な思いが交錯したと思います。来季はハミルトン+メルセデスのタッグに挑戦状を叩きつけることになるのか、それとも体制固めで終わってしまうのか。特にマクラーレンはホンダとの初年度でもあり、どこまでのパフォーマンスが出せるかは未知数。明日からのアブダビテストもシステムチェックレベルに留まる見通しとのことなので、ポテンシャルが計れるのは新シャシーが登場する年明け以降、ということになるでしょう。
小林可夢偉の最終戦は…やっぱり残念でしたね。チームはなんとか最終戦への参戦にこぎつけたものの、チームメイトはエリクソンではなく資金持ち込みのウィル・スティーブンス。新パーツがスティーブンス側にあてがわれる状況はチームが管財人の管理下に置かれても変わりませんでしたが…、序盤からブレーキトラブルに見舞われ、中盤にはバイブレーションが発生。そのままリタイアという不完全燃焼なレースになってしまいましたが、可夢偉本人としては「これで F1 最後かもしれないから、しっかり走って終えたい」という思いでチームからの招集に応えたとのこと。来季のシートがほぼ絶望的な状況というのは、自身が過去にシートを喪失した際や、かつて佐藤琢磨がスーパーアグリ撤退時に置かれたときよりもさらに厳しいです。年齢的にももう三十代が見え始め、潤沢な持ち込み資金を持つ若手ドライバーとシート争いをするのも辛い状況。八方塞がりですが、来季はせめてリザーブドライバーのシートを確保して、なんとか再来年に望みを繋いでほしいところです。

とにかく、2014 年シーズンはこれにて終了。それは同時に 2015 年シーズンの始まりも意味します。まずはドライバーラインアップが未確定なマクラーレン・ホンダがどういう結論を出してくるのか。雰囲気的にはバトンにとって良い状況ではなさそう、ということですが、おそらくあと 1 週間もすれば正式発表があることでしょう。まずはそれを待ちたいと思います。

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