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Le’Jit / New Beginning

Le’Jit / New Beginning

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Black Messiah” を買ったときに、久しぶりに R&B の CD を物色していたら発見してしまい、反射的に買ったアルバム。D’Angelo の新譜が 2015 年に聴けるとは思っていませんでしたが、それ以上にこれは出てくると思わなかった。

Le’Jit は1990 年代終盤にデビューした、男性三人組のヴォーカルグループ。兄弟で結成したグループなので、コーラスの美しさには間違いがありません。
当時もインディーズレーベルからの発売で、かつ早いうちに廃盤になってしまいましたが、マニアの間で熱狂的な支持を受け、CD にはプレミアがついたという「知る人ぞ知る」グループです。私も R&B マニアの友人から CD を借りてツボにハマったものの、結局 CD は入手できずじまいでした(ちなみにデビューアルバムには今でも Amazon で 2 万円近い値段がついています)。

もはやもう聴くことはできないと思っていた彼らの音楽が、かれこれ 15 年の時を経て復活していたとは。「新しい始まり」というタイトルに、何か決意めいたものを感じます。


CD を再生すると、もう冒頭のベースラインから「エロい」音。続く音楽は、ほとんどがミディアム~スローナンバーですが、だからこそ腰を据えてじっくり聴ける内容。全般的に、現代的な音というよりは 1970~80 年代、せいぜい 90 年代までの R&B を基盤にしたような、非常にオーソドックスな楽曲、アレンジ揃い。まさに R&B 好きのど真ん中にストレートを投げ込んでくるような作品です。
#9 “It Won’t Work” なんてその結晶とも言える楽曲で、これは Marvin Gaye の “Sexual Healing” へのオマージュですね。作り手自身が R&B が好きで仕方がない、というのがそれぞれの曲の端々から伝わってきます。R&B マニアの R&B マニアによる R&B マニアのためのアルバム、と言っても良いかもしれません。

楽曲、アレンジ、コーラスワーク、シャウト、どれを取っても隙がない。2010 年代のアルバムにもかかわらず、往年の名作を聴いているかのような、骨太な王道感。いつまでも浸っていたい深さを持った作品だと思います。これは長く聴き続けられる傑作と言えるでしょう。

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