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グラン・プリ [AIV]

グラン・プリ

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F1 の 2015 年シーズンもいよいよ開幕、オーストラリア GP の予選が終わったところですが、こちらは約 50 年前の F1 をモチーフにした映画です。1960 年代、まだ F1 マシンが葉巻型だった頃、ホンダが第 1 期 F1 参戦中だった頃のお話。

最近いろんな VOD サービスを試してみていますが、今回は何かの BD を買ったときのクーポンがあったので、Amazon Instant Video にて鑑賞。

昔の F1 を扱った映画としては昨年のドキュメンタリー作品『ラッシュ』もありますが、『グラン・プリ』はフィクション。とはいえフェラーリや BRM、ブラバム、ロータスといった名門チームは実名で登場し、撮影も本物のサーキットで行われているので、かなりリアリティ高い作品に仕上がっています。近代化される前のスパやモナコ、そして現在は使われていないモンツァのオーバルコースなどの映像は必見と言っていいでしょう。また、現代では滅多に見られないフェラーリのファクトリー内での撮影まで行われているという豪華さ。当時の F1 の映像(特に動画)はかなり古びたものしか残っていないので、映画用のフィルムで撮影された高画質な 1960 年代 F1 の様子が見られるという意味でも、貴重な作品と言えます。


舞台はおそらく 1965 年前後、4 人のドライバーが最終戦までチャンピオン争いを繰り広げる、熱戦のシーズン。主人公の一人であるピート・アロンは BRM を解雇され、日本から参戦している「ヤムラ」チームに移籍します。この「ヤムラ」はもちろん第 1 期 F1 参戦当時のホンダをモチーフとしたもので、本田宗一郎をモデルとしたチームオーナー「矢村」を演じるのはなんと三船敏郎(ちなみにこれが三船敏郎のハリウッドデビュー作)。和服が似合うダンディな日本人実業家のイメージで、本田宗一郎としてはちょっと美化しすぎな気もしますが(笑)我らがホンダ・チームをここまで大きく扱ってくれると嬉しい。名前が似ていることもあって「ヤムラのアロンが優勝」というのを、つい「ホンダのアロンソが優勝」とダブらせてしまいます。

映画はなんと 3 時間近い長さで、インターミッションまで設けられている大作。とはいえ演出は古いヨーロッパ映画的なゆったりした感覚で、ドラマシーンはちょっと眠くなります。
しかしそれとは対照的に、レースシーンの映像は圧巻。当時はなかったはずのオンボード映像を先取りしていて、現代 F1 の国際映像に勝るとも劣らない迫力があります。まるで本当のレース映像を観ているようで、つい力が入ってしまいました。現代とは違って空力をほとんど考慮しない葉巻型のマシンの走る姿はシンプルで、むしろ力強ささえ感じます。が、安全性も現代とは比べものにならず、常に死と隣り合わせという恐怖も伝わってきます。

古い映画なので正直あまり期待していませんでしたが、映像の良さもあって深く堪能できました。『ラッシュ』と並び、F1 ファンなら一度観ておくべき映画と言えるでしょう。

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