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ルノーによるロータス F1 買収が正式発表

ルノーF1復活、ロータス買収の基本合意を発表 – AUTOSPORT web

しばらく前から噂になっていた、ルノーによるロータス F1 チームの買収が正式に発表されました。

ロータスは昨年あたりから深刻な財政難にあり、特にここ数戦はレースごとに参戦できるかどうか微妙な状況という、撤退直前のスーパーアグリやケータハムに匹敵する危機に陥っていました。開幕以来まともに開発が進まず、せっかくのメルセデス製 PU を活かし切れないマシンながらも、ベルギーでグロジャンが表彰台獲得、鈴鹿ではダブル入賞、とレースではいいところを見せていたので、なんとかチーム消滅だけは避けてほしい…と祈るような気持ちで見守ってきましたが、ようやく救済の手が差し伸べられたことになります。

イギリスはエンストンにファクトリーを置くロータス F1 チームは、言わずと知れた元「ルノー F1 チーム」。さらに遡ればトールマン~ベネトンを前身とし、セナやシューマッハー、アロンソを輩出した名門チームです(かつて中嶋悟が在籍したロータスとは全くの別チーム)。ルノーがレッドブルとのジョイントに軸足を移して自前チームから手を引き、ロシア資本が入って現在のロータス・チームになりましたが、結果的にルノーがこのチームを買い戻した格好になりました。
ルノーとしては、レッドブルと組んで勝ちまくっている間はチームと車体ばかりが脚光を浴び、レギュレーションが変わって勝てなくなったとたんに「パワーユニットのせい」というバッシングを一身に背負うことに我慢がならなくなった、ということでしょうが、そこで F1 そのものから撤退という選択肢を採らないあたりが、ルノーにとって F1 がまだまだマーケティングツールとして有効であることの証左であるように思います。

ここ数年の F1 の状況を見ると、ワークス・ホンダ撤退後にレッドブルと組んで F1 を席巻したルノーが、ホンダがマクラーレンとのジョイントで復帰した後にワークスチームに戻る、というのはなかなか皮肉なものがあります。フェラーリ、メルセデスに続く第三の自動車メーカー系コンストラクターの復活ということになるわけで、もし今後アウディが噂になっているレッドブル買収で参戦してきたりしたら、2008 年以来の自動車メーカーの代理戦争という構図になってきます(まあ、アウディ・グループは VW の排ガス規制逃れ問題でそれどころではなくなりそうですが)。


ドライバーは現在の P. マルドナドの残留が発表済みですが、現チームメイトの R. グロジャンは離脱が濃厚。明日にも新興チームのハース F1 への移籍が発表されるとも言われています。フランス系チームになるのにフランス人ドライバーが離脱するというのも皮肉な話ですが、グロジャンにしてみればいつ消滅してもおかしくないチームと命運を共にするより、早く来年のシートを確定させたかったということでしょう。ルノーとしても近年の F1 参戦では特にフランス人ドライバー起用にはこだわっておらず、順当にいけば現ロータスのリザーブドライバーであるジョリオン・パーマーあたりが昇格してきそうです。

個人的には、ルノーのパワーユニット開発責任者は徳永直紀氏(最近名前を聞きませんがまだ更迭されてませんよね)、現ロータスのチーフエンジニアは小松礼雄氏と、それぞれ現在の体制から変わらなければ来季は二人の日本人がトップエンジニアとして活躍するチームになるはずで、そういう意味でも応援したいチームです。

チーム体制に関して言えば、ルノーが引き上げるレッドブル/トロロッソの PU がどこになるかにも注目。レッドブルはメルセデス PU の獲得話が破談になってフェラーリでほぼ確定っぽいですが、トロロッソにはホンダが PU を供給する、という噂も妙に現実味を帯びてきました。実現すればホンダ PU の開発スピードもこれまで以上に上がってくるはずで、そのあたりもストーブリーグ向けの話題としては見逃せそうにありません。

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