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2016/08/31 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.6

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.6

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今年もこの季節がやってきました。澤村徹さんのムック『オールドレンズ・ライフ』の第 6 弾。こんなマニアックなムック本を年に一冊ペースで出し続けられるのにはただただ敬意を表します。

さすがにデジタル一眼市場も成熟の域に入り、これからオールドレンズ沼に足を踏み入れようという人はもうそれほど多くないはず。だから(一応今回もマウントアダプタの基礎知識コーナーはあるものの)初心者向け記事はそこそこに、どちらかというと中級者以上がより深みにはまるため(ぉ)のコンテンツが主軸になってきた印象を受けます。毎年新製品が出続ける現行レンズと違って、オールドレンズは急激に増えるということがないので、ともするとネタが枯渇して同じことを繰り返し言い続けるだけになりがち。ですが、本書はそういうワンパターンに陥らず、多種多様なオールドレンズの中から自分好みの一本に巡り合うための特集を中心に据えています。

第一特集は「マイ・ベスト・オールドレンズ」。著名なカメラマンや業界関係者(ユリシーズの魚住氏が登場されていたのには驚いた)がお気に入りの一本を紹介してくれています。ありがちなレンズメーカー別やマウント別といった選び方ではなく、描写の好みから選ぶための特集というのは今までありそうでなかったもの。とても興味深い内容になっています。
第二特集は「フィルムメーカー製レンズの彩り」。オールドレンズというとライカやツァイス、アンジェニューは定番中の定番。オールド ZUIKO や Takumar といったレンズ、あるいはロシアレンズあたりまではよく語られますが、フィルムメーカー製レンズというのは今まであまり語られることがありませんでした。が、近年では富士フイルムの現行 X マウントレンズが高く評価されていたり、フィルムメーカー製レンズも馬鹿にできません。フィルムで出したい表現から逆算して作られたレンズは、各メーカーの「フィルムの色」がデジタルのボディで使っても見えてくるもの。この特集では富士フイルムに加えて AGFA、Kodak、ILFORD のレンズが紹介されていますが、私も富士フイルムのオールドレンズは一度試してみたいなあ。

第三特集は「ゼロからはじめるレンズ構成概論」。ある程度カメラの知識がある人でも、レンズ構成の細かい部分までは理解できていないことが少なくありません。かくいう私も「ガウスタイプ」「レトロフォーカス」あるいは「プラナー構成」など代表的なものなら知っていますが、体系的に理解できているとは言いがたい。この特集は、オールドレンズでよく出てくるレンズ構成について、その成り立ちから特性まで網羅的にまとめられていて、とても勉強になります。現代のレンズは群も枚数も多くなりすぎて構成図を見ただけでは性格が分かりづらいことが多いですが、基礎知識を持っているだけでも多少は類推が効くというもの。

そして第四特集は「これが噂のボケモンスター」。ちょっと時流に乗ればいいってもんじゃないでしょというサブタイトルですが(笑)、いわゆる「スムーズなボケ」とは対照的にクセのあるボケ方をするレンズの特集です。バブルボケ、リングボケ、ぐるぐるボケといった通常ならば「汚い」と言われがちなボケも、使いようによっては幻想的な写真に演出するための武器になります。こういうのを好み始めるのは、日本酒で言えば純米酒や吟醸酒に飽きて癖の強い二級酒に手を出す呑兵衛の心境と似ていると思いますが(ぉ)究極の嗜好品としてのオールドレンズの楽しみ方なら、それもありかと。

近年ではオールドレンズだけでなく現行マウント向けの MF レンズがリリースされるなど、この世界もかなり成熟してきました。デジタルカメラ自体の販売はもう頭打ちになり、新製品は全体的に値上がり傾向だったりもして先行きに不安感はありますが、少なくともオールドレンズは逃げない(笑。長く楽しめる趣味として、今後も携わっていきたいと思います。

投稿者 B : 22:36 | Book | Camera Mook

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