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2016/11/07 (Mon.)

『Invasion!』と『Allumette』

PSVR、買ったはいいけどなかなか遊べていません。忙しいのもあるんですが、疲れているときに『DRIVECLUB VR』なんてやろうものなら覿面に VR 酔いしてしまってその後 30 分くらい立ち直れなくなるから、平日夜とかにはなかなかやれないんですよね。
VR 酔いに関しては、ボトムズ VR で酔ったりした経験からすると、物理的な移動を伴わない水平方向の視界の移動量が多いと酔いやすい印象。垂直方向へは浮揚感や落下感はあってもあまり酔わないので(それほど長時間の上下移動を伴うコンテンツがないからかもしれませんが)、不思議なものです。一般的には表示遅延や低フレームレートなんかも VR 酔いの要因と言われていますが、私は水平移動系が最も酔いますね。

ともあれ、あまりたくさん遊べていないながらも、「これは」と思ったのが『Invasion!』と『Allumette』。非ゲーム系の VR コンテンツです。

『Invasion!』は、地球(?)侵略にやってきた宇宙人をかわいいウサギが撃退するというストーリー。
これ自体は↑の YouTube で 360° ムービーとしても配信されているので、スマホ VR ゴーグルを持っていれば見ること自体はできてしまいますが、表示のクオリティという意味では専用機を使ったほうが良いでしょう(ちなみに Vive や Oculus 向けにも配信されている模様)。ウサギが目の前に近づいてきた瞬間につい手を伸ばしたくなる実在感は、2D 映像ではなかった体験です。VR 越しに自分の身体を見ると自分自身もウサギの一匹になってはいるものの、そこはゲームではないので自分が物語に関与することはできません。

面白いと思ったのは、エンドクレジット(いわゆるスクロール型ではなくて画面上にスタッフ名の文字がついては消えて切り替わる方式)が自分の視点に追従してきて、360° どこを見ていても視界の中にクレジットが表示されること。本編とは関係のないちょっとした演出ではありますが、仮想空間内で見たいものが見れるのが VR の良さでもあり(製作者側にとっての)制限事項でもあるいっぽうで、こういう「見せ方」もあるのかと感心させられました。

そして『Allumette』。

『マッチ売りの少女』をモチーフとした、少女の物語。雲の上に立体的に作られた街で、三本のマッチを持つ少女が母親のことを思い出す話です。

これがまた...最初、何の気なしに座って見ていたら、目の前にある自分の身長よりちょっと小さいくらいの街の中で小人たちが演技しているようにしか見えなかったのですが、スタート画面に出ていた指示に従って立ち上がり、おもむろに目の前の街に近づいていって見ると...離れて見ていたときよりも解像度が上がり、自分の視界いっぱいで登場人物たちの演技を見ることができる。物語のキーになる「船」の外装を突き抜けて中を覗き込むことだってできます。そうすると、目の前で落下しそうになっている物を受け止めようと、無意識に現実世界の自分の手が動いていたりします。ああ、没入感ってきっとこういうことなんだな、と実感させられる瞬間。
こればっかりは言葉で表現しても伝わらないし、YouTube で公開されている 2D のトレーラーだってこの体験の 10% も伝えられていないと思う。実際に自分で体験してみないと解らない、VR って何でもそうですが、『Allumette』は特に体験する前と後では感覚が全く異なる作品でしょう。

同時にこれの面白いところは、メインのストーリーを無視して、無関係な街の人の動きをずっと観察していたっていいという点でもあります。哀しいストーリーや映像的な演出ももちろん素晴らしいのですが、全く本筋とは違う楽しみ方ができて、そのためにディテールまで作り込まれている、というのが衝撃的でした。本来関係ない登場人物を見ることだって、視点を変えることで「重大な事故によって、ありふれた日常が突如として奪い去られてしまうかもしれなかった恐ろしさ」を感じることができる。単にディテールのためのディテールではなくて、構成要素がちゃんと全体として意味がある形になっているという点も含めて、よく計算されています。

これを見てしまうと『Invasion!』が単なる 360° ムービーの延長線上にあるものでしかなかったことに気がつきます。今までの映像作品というものは、作り手の主張をただ受け止めるものだった(360° ムービーでさえ、四角いディスプレイを単に全天球スクリーンに置換したものに過ぎない)のが、VR では立体的な映像空間の中を受け手が自由に視点を変えて、好きなものを見ることができる。映像製作者にとってはクリエイティビティが試される世界であると同時に、実に面倒な時代になったなあ、とも思うわけです(笑。

これをもって今後の映像の世界は全てこれになるとは言わないし、今までの表現手法とは共存していくものなんだろうと思います。でもこれは一度見ておいたほうがいい。どちらも無償提供されていますし、PSVR を買ったら『サマーレッスン』よりもまず先にダウンロードすべきコンテンツではないでしょうか(笑。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント / PlayStation VR icon

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投稿者 B : 22:00 | Game | PS4

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