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いいひと。

以前から電子版のリリースを待っていた漫画が、いつの間にか電子化されていたのに気がついたので買ってみました。

高橋しん / いいひと。 (1)

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もう二十年以上前の作品なので、今さら感はありますが。ビッグコミックスピリッツで連載されていて、高校~大学にかけてリアルタイムで読んでいました。今でもコミックは全巻持っているんですけどね、電子版ならどこにいても読み返せるじゃないですか。

架空の大手スポーツ用品メーカー・ライテックスに勤める若手サラリーマン、北野優二(ゆーじ)のお話。ゆーじが社内のさまざまな部署を異動しながら、多様な仕事に携わっていく話…なのですが、ゆーじは主人公でありながらあくまで狂言回しにすぎません。本当にスポットが当たるのはゆーじの仕事先で出会う多くの人々、会社の同僚や先輩後輩、顧客であり、仕事や人生について何らかの悩みを持っている彼らが、ゆーじとの仕事を通じて大切なものを見つけ、あるいは取り戻していく物語です。

漫画だけにご都合主義的な展開は多いながらも、登場人物の多くがただのお金儲けではなく働く意味や生き甲斐に悩みながら働いているのが印象的。ほわんと緩いタッチの画も作風も『島耕作』や『サラリーマン金太郎』といった典型的なビジネス漫画とは全く異なりますが、社会人として生きていく上で必要なポジティブさを、少し青臭いながらもストレートに伝えてくれます。
企業における女性社員の位置づけの違いや携帯電話が普及していないこと、代表的な野球選手がドジャース時代の野茂英雄など、今読むとさすがに時代を感じてしまう描写も少なくありませんが(笑、本質的な部分は現代でも変わっていません。私も、社会人になってからも悩んだときや岐路に立ったときになると読み返して、自分が働くことの意味を再確認しています。ある種、私が日々働く上での原点となっている作品、と言っても過言ではありません。そして、年齢や経験を経て環境や立場が変わるとまた違った見え方をしてきます。

この機会に数年ぶりに最初から読み返そうと思います。

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