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レディ・プレイヤー 1 [IMAX3D] @T・ジョイ PRINCE 品川

一部界隈で「オレはガンダムで行く!」が今年の流行語大賞にノミネートされそうな勢いの話題作をようやく観てくることができました。

レディ・プレイヤー 1

READY PLAYER ONE

スティーブン・スピルバーグといえば近年は史実をベースとした映画ばかりですっかり社会派になってしまった感がありましたが、本作は久しぶりにど真ん中のエンタテインメント作品。スピルバーグ作品で劇場公開を心待ちにしたのなんて『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』以来十年ぶりだし、感覚的には『ジュラシック・パーク』以来のスピルバーグが戻ってきてくれたのでは、という期待さえありました。またテーマは VR 世界での冒険ということで社会的にはタイムリーなネタであり、またスピルバーグらしい映像のアミューズメントパーク感が存分に発揮されそうな分野でもあります。

以下、若干のネタバレを含むのでこれから観に行く方はこのままそっと閉じて後日閲覧されることを推奨します。


本作の「仮想世界の創造主が残した謎を解くために主人公を含むスーパープレイヤー達が立ち上がる」「仮想世界の支配を企む悪者と、仮想と現実を行き来しながら丁丁発止やり合う」というストーリーは、近年の創作で比較的よく見る手法。『マトリックス』『サマーウォーズ』『ソードアート・オンライン』あたりを観たことがあればそろそろ使い古された話にも見えてくるでしょう。でもこの原作となった小説『READY PLAYER ONE(邦題:ゲームウォーズ)』は 2011 年であり、Oculus Rift も HTC Vive もこの世になかったタイミングで発表されたものであり、逆に本作(と『SAO』)が Oculus の原点のひとつになったという点で、重要な意味をもつ作品であると言えます。現実の未来というのは時折、小説や映像などの創作を起点として形作られるものです。

VR を体験していると、ふとした瞬間に「つまらない現実よりも、このまま VR の世界にずっと没頭していたい」と感じる瞬間がありますが、本作のスタート地点はまさにそこ。そこから、現在は技術的な制約により実現できていないけど将来的にこうなったら楽しいよね、と語られている VR が実現した未来の映像へと引きずり込まれていきます。

主に 1970~80 年代のポップカルチャーやサブカルチャーを過剰なほどにまぶした映像で、その時代をリアルタイムに過ごした世代にとってはたまらない作品でしょう。「あのキャラが一瞬映ってた!」「ああ、これはあの映画へのオマージュだな」という細かいネタが随所に隠されていて、ストーリーの本筋を忘れてそっちにのめり込みそうになります(笑。逆に言えば非常にハイコンテクストな映像でもあり、今の十~二十代がこれ観て楽しめるのだろうか?と疑問に思ったほど。まああまり深く考えずに「昔そういうのがいろいろあったのね」という理解で止めても楽しめる作品ではありますが。私も ATARI とかリアルタイムで知らないし…。
とにかくそれくらい、日米の人気 IP をカネとスピルバーグの影響力で引っ張ってきたかのような豪華映像が繰り広げられるわけですが、真性のガノタとしてはガンダムの扱いがどうにも気になりました。ファーストガンダムなのに登場シーンではダブルゼータの決めポーズを取るし、ビームサーベルの構え方が「アバンストラッシュ持ち」だし、スピルバーグ本当にガンダム観たことある?と突っ込みたくてしょうがなかった。他のキャラクターの扱いについてもその筋のマニアから見れば微妙なのかもしれないし、「仮想世界の創始者ハリデーの 1970~80 年代カルチャーへの愛を表現した世界」の割には詰めが甘いのでは…というのをガンダムを見て思ってしまいました。とはいえ、THE ORIGIN のプロジェクト完結により一年戦争編のリメイクが叶わなくなった今、CG ベースの RX-78-2 ガンダムがグリグリ動く姿をスピルバーグが見せてくれたというだけで感涙モノでしたけどね!(ぉ

ツッコミどころはいろいろあるけど、それでもとにかくスペクタクル・エンタテインメントとしては圧巻の 140 分でした。楽しかった。
もう一つ残念な点を挙げるとすれば、終盤で示された「リアルにこそ、仮想世界で得られない大切なものがある」というメッセージが、伏線がなさすぎてあまりにも取って付けた感があったことでしょうか。このあたりはさすがに原作小説を読んで補完するしかないのかなあ。電子書籍版も出ているようだし、とりあえず GW を使って読んでみるかなあ…。

アーネスト・クライン / ゲームウォーズ(上)(下) [Kindle]

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