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2018/10/02 (Tue.)

オールドレンズ・ライフ 2018-2019

澤村徹 / オールドレンズ・ライフ 2018-2019

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毎年この時期の風物詩となった澤村徹さんの『オールドレンズ・ライフ』最新刊が発売されたので、購入しました。

オールドレンズ・ライフ2018-2019 本日発売です!: metalmickey's blog

澤村さんのオールドレンズ本としては春先に総集編的な位置づけの『オールドレンズ・ベストセレクション』が出たところでもあり、今回はなんかスパンが短い感覚。しかし今回のは完全新作で、ここ一年のオールドレンズ界隈の動向を反映した最新刊。まあ、直前にニコン・キヤノンの参入に加えて L マウントアライアンスの発表と、この秋以降フルサイズミラーレスの選択肢が一気に増えた状況はさすがに反映されていませんが、そのあたりは本体と対応マウントアダプタが発売され、ある程度の検証が進んだ来年度版に楽しみを取っておくことにしましょう。それにしても十年前はデジタルカメラでのオールドレンズ遊びと言えば EOS(フルサイズは初代 5D くらいしかなかった)にマウントアダプタをつけて Y/C か M42 のレンズを楽しむのが関の山だったのが、今やほとんどのメーカーの最新ボディでフィルム時代のあらゆるレンズが使える時代が来ようとは、驚くべきことです。

第一特集は「キャラ立ちする中望遠オールドレンズ」。近年オールドレンズでのポートレート撮影が一部でブームになっているとのことで、それをふまえた特集です。最新のレンズはとにかく解像度重視でポートレート撮影には絞り開放からディテールまで写りすぎるとかボケが固い/うるさいといったデメリットも抱えがちで、あえてオールドレンズで撮った方が雰囲気が出ることも逆にあります。Y/C Planar 85/1.4 や New FD 85/1.2L のような超定番レンズから、ぐるぐるボケの出る Helios-40-2 85/1.5 のようなクセ玉まで。私も人物を撮るときにシグマ 85Art ではなくあえて Planar を使うことがあるので、とても腹落ちする特集です。ポートレートでぐるぐるボケはどうかと思うけど(笑。

第二特集は「復刻オールドレンズで撮ろう」。近年では主に趣味用として MF レンズ新製品のリリースも増えていますが、中でもかつての名レンズをメーカー自ら、あるいは元関係者が復刻するパターンも増えています。旧刊でも紹介されたことのある Kistar 55/1.2 なんかはその代表作だと思いますが、それ以外にもリリースされている復刻レンズに関して新旧の比較つきで紹介されている、かなり気合いの入った特集。

また私が個人的に興味を持っていたトピックについて二点掲載されていたのも嬉しい。一つは平凸レンズを使った G Biogon の周辺像流れ補正の件で、澤村さん自身の blog にも書かれている話ではありますが、正式に『オールドレンズ・ライフ』に収録される形となりました。これは α7 シリーズで G Biogon を使っている人は全員やるべきというくらい効果のある DIY テクで私も強烈にオススメ。
もうひとつは α7 III・II での広角系オールドレンズ色かぶり比較検証。私も α7 III への買い換えを機に G Biogon 28mm・21mm と SUPER WIDE-HELIAR 15mm Asph. II で試してみましたが、他の広角系オールドレンズだとどうなるのかは気になっていたところでした。ここではなんと 10 本ものレンズを使って α7 III・II の比較が行われており、自分が持っている/気になっている広角オールドレンズが α7 III でどうなるのか知ることができる貴重な特集です。
ちなみに広角系オールドレンズの相性という点では、同じ裏面照射型 CMOS を搭載するニコン Z 7・6 は α7 III と似たような傾向を示すでしょうが、表面照射型 CMOS と思われる EOS R や RGB 積層型センサを採用するシグマの L マウント機ではこの色かぶり問題に直面する可能性があります。そういう意味では、フルサイズミラーレス機の選択肢が大きく広がる今後においても、オールドレンズのベースボディとしては α7 III に引き続きアドバンテージがあると言えそうです。

また今までとはちょっと趣の違う特集「オールドレンズマニアかく語りき」はなかなか面白かった。写真メインではなく、オールドレンズマニアとしての澤村さんが撮影や機材選びに関して持っている哲学がちょっとポエティックな文体で読み物として綴られています。オールドレンズ遊びって実用ではなく情緒だと思うので、性能がどうとかじゃなく「誰がどう感じ、考えてこのレンズを使っているか」が重要だし、「レンズありきで被写体を選ぶ」ような本末転倒も楽しみの範疇。自分以外の人がどういう観点でレンズを選び、何を考えながら写真を撮っているのか...そういうのが垣間見れるのが面白い。こういうコーナー、もっとあってもいいんじゃないですかね。

「現行レンズより安いから」でも「ミラーレスのレンズの選択肢が少ないから」でもなく完全に趣味の領域を深めに来ているのが今のオールドレンズ界隈。一方で、一部インスタ女子の間でデジタルフィルタ的な位置づけとしてスーパータクマーが流行っているという噂も聞きます。以前はオールドレンズ初心者の道標的な役割も担っていた『オールドレンズ・ライフ』シリーズですが、ここにきて細分化するオールドレンズ沼の水先案内人になってきたなあ、と感じる一冊でした。私も最近はあまりレンズを買わなくなりましたが、買うつもりがなくても読んでいるだけでワクワクする、そんなムックだと思います。

投稿者 B : 22:18 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

F1 ロシア GP 2018

F1ロシアGP決勝:ハミルトン、ボッタスの"サポート"で今季8勝目。ベッテル、タイトル争い崖っぷち|motorsport.com日本版

今シーズンもいよいよ佳境を迎えたロシア GP。ここにきてメルセデスが本当に強い!フロントロウ独占からの 1-2 フィニッシュで三連勝を飾り、ハミルトンがヴェッテルとのポイント差を 50 にまで広げました。

予選は Q1 からメルセデスが圧倒的に速く、「マシン性能ではフェラーリの方が上」という今季の評判を完全に覆すほどの差。Q3 はボッタスが僅差でハミルトンを抑えて PP を獲得。ボッタスは昨年メルセデスでの初優勝をここロシアで挙げるなど得意とするサーキットで、今季初優勝も期待できます。
決勝はスタート直後にハミルトンとの競り合いがあったものの守り切り、中盤までは実質的なトップをキープ。しかしピットストップのタイミングでヴェッテルがハミルトンに対してオーバーカットを成功させたことでシナリオが崩れます。その後ハミルトンはコース上でヴェッテルをオーバーテイクしポジションを戻したものの、ハミルトンとヴェッテルのポイント差を確実に広げたいトト・ウォルフがチームオーダーを発令。ボッタスとハミルトンの順位を入れ換え、ボッタスをヴェッテルに対する壁として使います。
レースはこの状態で膠着し、終盤に再度ハミルトンとボッタスのポジションを入れ換えるオーダーが出ることもなく、ハミルトン首位のままフィニッシュ。ボッタスは実力的には勝てていたレースを譲り、ハミルトンはヴェッテルに対してレース 2 勝分のポイント差をつけることに成功しました。

メルセデスは今季ドイツ GP でハミルトンとボッタスのバトルをやめさせるチームオーダーを発令し、その次のハンガリーではトト・ウォルフがボッタスのことを「ウィングマン(補佐役)」と発言、イタリア GP でもボッタスにライコネンを抑え込ませてハミルトン逆転の地ならしをさせるなど、チーム戦略が徹底しています。だからこそフェラーリにこれだけの差をつけていられるのでしょうが、今回ばかりはちょっと冷徹すぎるんじゃないの...とも思います。ハミルトンの戴冠を確実にすることも重要ですが、勝てることを証明する機会を与えないとボッタスも自信を失っていくだろうし、長期的に見てこれが正しいのかどうか。今のメルセデスにはシューマッハー全盛期のフェラーリに似たものを感じますね...。

対するフェラーリは 3-4 位フィニッシュがやっと。予選で完敗し、レースではピット戦略を成功させていったんハミルトンの前に出たところまでは良かったですが、コース上で抜かれてはどうしようもない。珍しく失策がなかったのに勝てないというのが、メルセデスとの差が歴然としてしまったことを表しています。残り 5 レースで 50pt を巻き返すのは困難と言わざるを得ず、趨勢は決した感がありますね。
5-6 位はいつも通りレッドブルの二台。といっても彼らは PU とギヤボックス交換ペナルティでほぼ最後尾からスタートしていたわけで、そこから簡単にこのポジションに戻ってくるあたり、中団以下のチームとはもはや別カテゴリくらいの差があることを痛感します。それでもフェルスタッペンがソフトタイヤスタートでタイヤ交換を引っ張り、中盤まで暫定トップを守り続けたのには驚きましたが。

トロロッソ・ホンダは土曜日に PU を旧型に再交換し、それでも悪くないペースで走れていたことから期待していましたが、スタート直後にブレーキトラブルが発覚して二台ともに早々のリタイア。もうその瞬間にレースを見る気が半分くらい失せてしまったのですが(´д`)、とにかく残念です。新型 PU はかなりポテンシャルが高そうで、さらなる調整を加えて迎える鈴鹿でどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみではありますが、もう今週末に迫った日本 GP までに今回のブレーキトラブルを根治できるのか?いくらなんでも不安になってきました。過去 4 年のホンダ F1 の中で最も結果が出せそうな状況だけに、チームには頑張ってもらいたいところ。

投稿者 B : 21:30 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック

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