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2001 年宇宙の旅 [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

この映画が劇場で、しかも IMAX で観られるとあれば行くしかないじゃないですか。

2001 年宇宙の旅

2001 年宇宙の旅

今年はこの映画が公開されてちょうど五十年という節目にあたります。今月前半にはオリジナルネガからのアンレストア・ニュープリント版が限定上映されましたが、残念ながらそちらには行けず。この IMAX 版も短期間限定での上映になるようですが、この機を逃すな!とばかりに行ってきました。劇場は当然都内の IMAX シアターではベストと言える T・ジョイ PRINCE 品川。
今回のために起こされたポスターの「五十年前、一つの映画が全ての映画を変えた」というコピーにジーンと来ます。

IMAX 版は 70mm ニュープリント版ではなく来月発売される UHD Blu-ray と共通のマスターを使用しているとのことで、残念ながら 70mm フィルム版の「五十年前と同じ状態での上映」ではありませんが、4K リマスターを経たフィルム版以上の高画質が IMAX グレードのシアターで堪能できます。

映画の内容は今さらなので割愛しますが、何よりも IMAX の巨大スクリーンで『2001 年』の世界に没入することができ、自宅では難しい大音量で音響を堪能できるというのはやはり他ではできない体験。現代の音質に慣れた耳には録音はダイナミックレンジが狭いし、映像も高画質・大画面になった結果合成のアラが見えてしまうところはありましたが、何よりもあの宇宙空間や宇宙ステーション、ディスカバリー号に自分がいると錯覚するかのような体験にはお金を払う価値があると言えます。哲学的で難解と言われがちな映画ですが、きっと当時の観客の多くは内容以上に「宇宙に行ける体験」としてこの作品を受け止めたんじゃないか、と思いました。


私はこれまで、テレビ・DVD・BD と幾度となく『2001 年』を観てきましたが、映画館で鑑賞するのはこれが初めて。IMAX での上映方式はフィルム時代のお作法に倣ったもので、上映前に客電が薄く点いた状態で音楽のイントロが流れ始め、三分ほどかけて徐々にシアター内が暗くなり、真っ暗になったところで『ツァラトゥストラはかく語りき』と共に上映が始まります。また DVD 等では「INTERMISSION」と表示されるだけだった休憩時間もちゃんと 15 分の休憩が設けられていました。デジタル上映になりフィルムの掛け替えが不要になった現在では休憩を挟む必要はありませんが、そこまで再現してくれると逆に気分が高まるというものです。特に本作は二時間半にわたる大作でもあり、途中で一度トイレに立てるという意味でもありがたい(笑)。近年の大作映画も三時間近くあるものが少なくないですが、途中休憩を挟んでほしいと思っていたりします。
また終映後もエンドロールの後に『美しく青きドナウ』が流れ続ける中で客電がつき、まだ音楽が鳴っている中を退出する…というのも現代の映画ではまずない体験。五十年前の人たちはこういうスタイルで映画を楽しんでいたのか、という新鮮な感動がありました。

古い映画ということもあって空席が目立ち、他のお客さんはいかにも SF 映画好きそうなおじさんばかり(←オマエだって完全にその一人だ)でしたが、本作のファンの一人としては感激する、幸せな時間を過ごせました。この体験は UHD BD 版を買ったとしてもそうそう再現できるものではありません。『2001 年』に思い入れのある人なら期間中に観に行っておくべきだと思います。

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