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F1 モナコ GP 2019

F1モナコGP決勝:ハミルトン、”ニキ”に捧げる今季4勝目。ホンダPU車は初の4台入賞|motorsport.com日本版

先週ニキ・ラウダが逝去し、全体的な追悼ムードの中で開催された伝統のモナコ GP。今回のレースは今シーズンの F1 の中で最もエキサイティングなレースだったと言えます。

波乱は予選から。自身のホームレースであるシャルル・ルクレールが予選でまさかの Q1 敗退。これはチーム側が一回目のアタックのタイムで十分と判断して二回目を出走させなかったのが原因。今季のフェラーリはほぼ毎レースで何らかの戦略ミスやマシントラブルを発生させていて、情けないことこの上ない。個人的には、チャンピオンシップをつまらなくしているのはメルセデスが強すぎることではなくフェラーリのチーム運営がダメすぎることが最大の要因ではないかと思っています。ルクレールは決勝で後方から序盤は追い上げたもののルノーをオーバーテイクする際に接触、タイヤをバーストさせた挙句マシンへのダメージが大きくて最終的にリタイヤ。予選から全ての歯車が正しく回っていれば優勝争いもあり得ただけに残念でなりません。

予選は結局メルセデスがまたしてもフロントロウを独占したものの、レースを面白くしたのはヴェッテルを抑えて 3 番グリッドを獲得した我らがレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンでした。


決勝スタートは上位陣の蹴り出しがいずれも良くポジションの変動がないまま始まったものの、ルクレールのクラッシュにより 9 周目にセーフティカーが導入されたタイミングでレースが動きます。メルセデスの二台がダブル・ピットストップで若干の時間を要する間にフェルスタッペンがボッタスに並びかけ、ピットロードで軽く接触しながらも 2 番手にポジションアップ。このときのレッドブルの対応がアンセーフリリースと裁定されフェルスタッペンは 5 秒ペナルティを課せられましたが、ここでピットアウトを待っていたらヴェッテルにも先行されて結局 4 位止まりだった可能性は高いし、ペナルティ覚悟で勝ちを狙いに行ったチームの判断は正しく、またレッドブルチームらしい戦い方だったと思います。

このピットアウトにより暫定 2 位を獲得したフェルスタッペンは、そこから約 68 周にわたってハミルトンを追い回します。ミディアムタイヤとマシンとの相性の悪さに手こずるハミルトンに対して、レッドブルとハードタイヤとのコンビネーションは悪くなく、フェルスタッペンのほうがペースが良い状況。0.5〜1.0 秒のギャップでハミルトンにプレッシャーをかけ続ける姿は、あの 1992 年のモナコ GP(マクラーレン・ホンダのセナがマシン性能に優るウィリアムズ・ルノーのマンセルを抑え続けた)を彷彿とさせるものがありました。しかしここは「絶対に抜けない」モナコ・モンテカルロ、ハミルトンは苦しみながらもフェルスタッペンに隙を見せず、またメルセデス PU のトラクションの良さもあってフェルスタッペンも仕掛けるに仕掛けられない。
ハミルトンのタイヤがいよいよ終わりかけたラスト 2 周、唯一の抜きどころとも言えるヌーベル・シケインでフェルスタッペンが軽く接触しながら仕掛けるも決められず、万事休す。ハミルトンに抑え続けられた結果後続のヴェッテル/ボッタスとの差も詰まっており、2 番手でチェッカーフラッグを受けたフェルスタッペンは 5 秒加算によって 4 位という結果になりました。

リザルトだけ見るといつもの定位置にすぎませんが、もし残り 10 周くらいでオーバーテイクに成功していたらその後 5 秒以上のギャップを広げて優勝していた可能性もあるくらい、今回はレッドブル・ホンダ初優勝に最も近いレースであったと言えます。トロロッソまで含めると 4-5-7-8 フィニッシュ+ガスリーのファステストラップポイントという今季ホンダ勢最高のリザルト。参戦する 4 台全てがトップ 8 でフィニッシュしたのは 1991 年イギリス GP のマクラーレン+ティレル時代以来(ただし当時は 6 位までが入賞扱い)、4 台入賞という意味では 1987 年にマクラーレン+ロータスが 1-2-3-4 フィニッシュを決めて以来という歴史的なもの。これはこれでフェルスタッペンが惜しくも逃した優勝に匹敵する価値があると言えます。
ここモナコでのレースは他のサーキットに比べてシャシーやパワーユニットの性能差が出にくいとはいえ、十分な性能と信頼性を発揮できたことはホンダと両チームにとって非常にポジティブな状況。今やレッドブル・ホンダ(のフェルスタッペン車)はフェラーリに匹敵する速さがあると言って良いし、ガスリーがコンスタントに 5〜6 位に入り始めたこともあってコンストラクターズ 2 位が現実的な目標として見えてきました。それでもメルセデスとの差は(他のサーキットでは)大きいとはいえ、今回の結果から「メルセデスに何かあったら勝ちを狙いに行ける」と実感できたことは今後のレースに前向きな影響を与えるはず。

まあ、この次のレースはまたしてもメルセデス+ハミルトンが滅法強いカナダ GP なわけですが。でもカナダは数年に一度は波乱が起き、初優勝や伏兵の優勝というレースになることもあるから分かりません。モナコでの健闘をふまえてレッドブル/トロロッソが一段上の戦いしてくれることを期待しています。

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