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2018/05/24 (Thu.)

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

フォトヨド本のソニー E マウント版が発売されていたので、買ってみました。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

二年前のキヤノン/ニコン版のときに比べると話題になっていない(?)ようで、私は発売されてから知りました。
純正・サードパーティ併せて 90 本のレンズが掲載されています。キヤノン版は 157 本掲載されていたのに比べると少ないですが、マウントの歴史からすればかなり健闘していると言って良いでしょう。しかもこのムックにはマウントアダプタの話は一切入っていませんからね。E マウントならキヤノン/ニコン版に掲載されているほぼ全てのレンズがアダプタ経由で使えてしまうわけで。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

フォトヨド本なので例によって印象的な作例にポエティックな解説が添えられています。
ネガティブ評価が基本なし、どれでもとりあえずオススメする内容なのはさすが販売店の販促コンテンツといったところ(褒めてます)。あくまで「プロ写真家ではない人が撮った作例」という身近さがありながらこちらの物欲を鷲掴みにしてきます。自分も G MASTER レンズを買ったらこんな写真が撮れるんじゃないか、そんな錯覚に陥ってとりあえずカートに入れてしまいそうになりますが、紙媒体だからその場でポチれない安心感があります(ぉ。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

いや待てよ相手はフォトヨドバシだ、奴らは初代 NEX-5 のキットレンズでこんな写真撮る奴らだぜ...。この写真を見ると否応なしに我に返ります(;´Д`)ヾ。

長年の E マウントユーザーとしては既に所有しているレンズも少なくないわけで、同じレンズを使って何故こうも写真の出来が違うのか、自分も手持ちの機材でもっと撮りようがあるんじゃないか。じっと手を見る。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

E マウントはアダプタ経由で使えるレンズの選択肢は死ぬほど多いですが、E マウントネイティブのレンズはまだ純正とツァイス(Batis、Loxia)が中心で最近 SAMYANG が精力的にリリースしてきている、という感じ。でもシグマが Art ラインの短焦点レンズを E マウントネイティブ化し始めたところですし、タムロンやトキナーも注力し始めました。今でこそこのムックに掲載されているのは 90 本にすぎませんが、半年後・一年後にはまた全然違う状況になっているのではないでしょうか。

それはそれとして、Batis はやっぱり欲しいなあ...。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

そういえばキヤノン版にはフォトヨドバシ制作裏話的なコラムが書き下ろされていましたが、今回のソニー版にはありませんでした。代わりにソニーのレンズ開発者インタビューにけっこうページを割いていて、これはこれで面白かったのですが、販促色が強くなってしまってどうも。個人的にはむしろ Web には書かなかったフォトヨド担当者の想い的なものが読みたかったです。

私のカメラ機材欲は一段落したつもりでいたのに、こういう熱量の高いムックで機材情報をまとめ読みするとまた欲しくなってきてしまいますね(;´Д`)ヾ。とりあえず写真撮りに出かけて気を紛らわすか...。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

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2018/05/16 (Wed.)

飛びこめ!!沼 04

シグマの優先度の高い重要書類の委託販売が始まったので入手しました。今回はたまたま新宿に行く用事があったため、初めてコミック ZIN のリアル店舗で購入。

安倍吉俊 / 飛びこめ!!沼 04

飛びこめ!!沼 04

おお、今回はなんか表紙の雰囲気が違いますね。過去三巻は表紙から濃さ全開だったのに、今回は恋愛ものかというような柔らかさがあります。手にしてるカメラは sd Quattro だけど。

でもページをめくると

飛びこめ!!沼 04

「直感でピンと来たレンズに有り金全部ぶっ込む!!」

はい、これテストに出ます(ぉ
冗談抜きで、シグマユーザーでなくてもこんな感覚で機材買ってる人は少なくないんじゃないでしょうか(←

ま、私も 85mm F1.4 は去年買いましたが、まさに「直感でピンと来たレンズに有り金全部ぶっ込む」に近い状態だったと言えます。昔は「自分の持っているレンズと撮りたい被写体を考えながら、持っていない焦点距離のレンズから選ぶ」という買い方だったのが、ある程度揃って来ると「このレンズはどんな描写なんだろう」という見方になってスペックや作例をチェックした挙げ句最後は直感でエイヤッと買う、という感じになりがち。もう手元に 35・50・85mm 付近のレンズが何本あるかも分かりません(ぉ

飛びこめ!!沼 04

でも 85mm F1.4 は描写性能だけで言えば私が持っている全てのレンズの中で最高と言って良く、後悔はしてません。重いから使用頻度それほど高くないけど。
シグマ山木社長が言う「85mm はツァイス Otus をベンチマークにした」というコンセプトは伊達ではありません。描写のために小ささ軽さを捨てたという意味ではシグマの [Art] 単焦点シリーズはツァイスレンズに通じるところがあり、まさに「一般人でも買える Otus」だと思います。まあ普通の一般人は Otus 欲しいと思わないだろうし安くてもこの鈍器の如きレンズを買う人は既に一般人ではなくなっているのかもしれませんが(ぉ

飛びこめ!!沼 04

そして「FOVEON 物件」。全然別の被写体撮りに行ってるはずなのにメインそっちのけで錆とか葉脈とか撮る人、身の回りで何人も心当たりある(笑)シグマのカメラボディを買った人がほぼ例外なく浸かっていく方向です。
逆に言えば、そっちにだけは行かないと決めている私はシグマユーザーの中では邪道なのかもしれません。

あ、でも「写真が好き」と「カメラが好き」の比重は人それぞれ、全員が尊重されるべきだと思っているので、そっちの沼を覗き込んでいる人がいたら私は迷わず背中を押しますよ(ぉ

飛びこめ!!沼 04

「ドイツ製のレンズには『ズミター』とか『ビオター』みたいなかっちょいい名前があるのに、シグマ(を含む日本メーカー)のレンズにはそういうのないよね」というカメラユーザーなら誰もが一度は抱くであろう疑問への、シグマの回答が「ボケマスター」(違

最近のシグマは新製品に「ライト・バズーカ」とか「ボケマスター」といった微妙にカッコ良くないニックネームをつけて売り出すことが増えてきていますが、この絵↑のように彫り込まれたらちょっとイヤだ(;´Д`)ヾ。

このシリーズ、巻を重ねて正直少し勢いがなくなってきたかな?と感じていたのですが、シグマの新製品群に煽られる形で再びパワーを取り戻したと感じた 4 巻でした。
新生「カミソリマクロ」も間もなく発売されるし(ちょっと気になってる)、「ボケマスター」も店頭に並ぶまでもう少しかかりそうなので、今年はまだしばらくシグマ製品の話題が続きそうですね。

シグマ / [Art] 85mm F1.4 DG HSM

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2018/05/15 (Tue.)

ミライのつくり方 2020-2045 僕が VR に賭けるわけ

GOROman(近藤義仁)、西田宗千佳 / ミライのつくり方 2020-2045 僕が VR に賭けるわけ

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おそらく国内で最も影響力のある VR エヴァンジェリスト GOROman こと近藤義仁氏による「VR のこれまでとこれから」についてまとめられた本です。本書の構成とライティングはおなじみ西田宗千佳氏が担当。内容的には GOROman 氏がご本人の Twitter でここ数年発言されている内容を網羅したものですが、発言頻度も高い上にハイコンテクストな同氏のツイートを追いかけるよりも一冊の本として分かりやすく整理されているのはさすが西田さんといったところ。

本書の内容は大きく分けて「マイコンオタク少年がいかにして GOROman になったか」「VR との出会いとオキュラス・ジャパン入社から退社までの顛末」「これから VR が社会に与えるインパクト」の三部構成になっていると言って良いでしょう。第一部の「父親が買ってきたマイコンで『タダでコンピュータゲームを遊ぶため』に雑誌に書かれていた BASIC を意味も分からずに打ち込んでゲームを作った」とか「インターネットと出会って世界中の人とコミュニケーションを取り、マイナーな趣味でも世の中にこれだけ同好の士と繋がることができることを知って人生が変わった」というくだりは、IT に関わっている四十代の方なら(中でもたぶんこの blog の読者の方は特に)同様の体験をしてきているのではないでしょうか。
ちなみに本書を読んで初めて知ったのですが、GOROman 氏がかつて NTT 製のターミナルアダプタ「MN128-SOHO」用のユーティリティ「SOHOman」(シェアウェア)を開発していた人だったとは!私は当時ヤマハ製の ISDN ルータを愛用していましたが、それでも SOHOman の名前は知っているくらいメジャーなシェアウェアでした。この経緯を知ったことで、なんかいろいろと繋がった気がしました。

第二部とも言える同氏がクラウドファンディング時代の Oculus と出会い、日本からラブコールを送る形でオキュラス・ジャパン社を立ち上げてから退社までの流れは、私も Twitter でフォローしていたのである程度知っているつもりでしたが、ちゃんと時系列にまとめて(かつ当時は書けなかったことも)書かれていることで、ようやく経緯が理解できました。と同時に、VR プラットフォームとしては先駆者でありながら、こと日本での展開を見る限り商業面では完全に HTC の後塵を拝する状況になっている理由についても解った気がしました。Oculus と言えばこの GW 頃にスタンドアロン型 HMD「Oculus Go」を発売し、これまでの PC ベース VR から裾野を広げようとしているのがどう世の中に影響を与えるかは興味深いところです。Facebook 傘下としての Oculus ならば PC ベースよりも安価なスタンドアロン HMD でとにかくユーザーの裾野を広げ体験の底上げをすることが重要なはずで、その意味では正しい方向性と言えます。一方で Oculus が B2B のビジネスをほぼ無視している点はネックになるのでは...とも思っていますが。

第三部はいわば VR/AR がもたらす未来のあり方について。タイトルにもある「2045」という数字は、まさに映画『レディ・プレイヤー1』の舞台となっている時代。あの世界観が念頭にあって、現代から四半世紀後にあたる 2045 年までに何が起きるかを予言する内容になっています。ある意味、1980 年代のコンピュータやゲーム、アニメに触れて育ち VR 世界に浸っている GOROman 氏のあり方は『RP1』の OASIS 創始者であるジェームズ・ハリデーと通ずるところがあるし、それが本書に説得力をもたらしているようにも感じます。
現時点での VR 機器が体験の質や大きさ重さの点でまだまだ黎明期のデバイスであることは間違いがないですし、仮にそれが誰でも日常的に身につけられるように技術/デザインが進化して(その場合は VR に限らず AR 機器として使い物になるようになっているはず)、現在のスマホの代替になったとしたら。拡張現実(≒AR)と仮想現実(≒VR)の比率を任意に切り換えて使うことができるようになったとしたら。我々の生活は間違いなく変わるだろうし、情報入手やコミュニケーションのあり方も変わってくるでしょう。
その意味で視覚の VR/AR と切っても切り離せなくなってくるのが音声情報と「アバター」です。「音の AR」については私も以前から何度か書いているとおり、今後 1~2 年のうちに Bluetooth イヤホンのトレンドとして VR 機器よりも早く一般化する技術だと予測しています。そしてアバターに関してはバーチャル YouTuber(Vtuber)の表現技術がまさに日進月歩で進化しているところ。現時点では Vtuber は YouTuber の延長線上で見られることも多く、VR と関連付けて語られることは少ないですが、ネットを介したコミュニケーションの軸ではいずれスマホで自撮りを「盛る」のと同じような感覚で使われるようになるはずだし、VR/AR と組み合わせることでコミュニケーションの円滑化に貢献することでしょう。これは今でも MMORPG 内の友人を持ったり何らかの形で「ネットで仲良くなったけどリアルではまだ会ったことがない人」という経験があれば、想像がつくのではないでしょうか。

VR はまだまだ「3D と同じような一過性のブーム」とみられることも多いですが、GOROman 氏と同じく私も次世代のコミュニケーションプラットフォームとして定着していく可能性を感じています。画像認識や音声認識といった周辺技術もちょうどいいタイミングで出揃ってきているし、ほんの三年後でも今とは随分違った未来が訪れているのではないでしょうか。『RP1』同様に 1980~2000 年頃のマイコン/パソコン時代を知らないと読みにくいくだりもありますが(笑)コンピュータがもたらす「技術が世の中を変えていく感じ」に熱狂した経験がある人ならば、読んでおいて損はない一冊だと思います。

投稿者 B : 22:45 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2018/04/06 (Fri.)

孤独のグルメ 巡礼ガイド 3

いよいよ今夜からドラマ『孤独のグルメ Season7』の放送が始まりますが、それに合わせて巡礼ガイドの新刊も発売されました。

孤独のグルメ 巡礼ガイド 3

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巡礼ガイド 2』から実に二年半ぶりの続刊です。
表紙は初代巡礼ガイドではコミック 1 巻のイラスト流用、2 冊目では谷口ジロー先生の描き下ろし(と思われる)でしたが、3 冊目にしていよいよ松重ゴローが登場。昨年谷口ジロー先生が他界されて新規作画がもうないためでしょうが、いよいよ『孤独のグルメ』がドラマ単体で回っていく時代になったことを象徴しています。

収録されている「聖地」はドラマ Season5 および 6 の全店。去年の Season6 はともかく、Season5 については既に二年半前になるわけで、ほぼリアルタイムで巡っていた私としてはむしろ懐かしくさえあります。
登場店舗については基本的に全店巡礼済みな私としては、本書の本編たる聖地解説は情報量が少なすぎて物足りないのですが、毎回買っているのはむしろそれ以外に収録されているインタビューが面白いから。

孤独のグルメ 巡礼ガイド 3

巻頭インタビューは番組のメインスタッフ(吉見 P、菊池 P、溝口監督、井川監督)への、主にお店探しにまつわるエピソードから。松重さんや久住さんへのインタビューは割とあちこちで目にしますが、スタッフの裏話的なエピソードはあまり目に触れる機会がなく、せいぜい Blu-ray BOX にメイキングとして収録されている程度でした。店探しの苦労はそういった素材からも十分に伝わっていたけど、改めてこのインタビューを読んでみると「店探しの期間は 20kg ぐらい太って、終わったら体重を戻してを繰り返している」というのがあり、その壮絶さにおののきました(;´Д`)。

また店選びはこれまで「街かぶり」(これまでの回に登場した街が再登場すること)をタブーとしていましたが、それを「解禁するかって話もなくはない」という発言も飛び出していました。私が今のところキャッチしている Season7 の撮影目撃情報によると、以前にも登場したことのある街が今回は再登場するっぽい?と疑問に思っていたのが一件あったので、どうやらそれが「当たり」になるのかもしれません。

孤独のグルメ 巡礼ガイド 3

二本目のインタビューは久住先生と、漫画『孤独のグルメ』の連載を起ち上げた編集者・壹岐氏への対談型インタビュー。谷口ジロー先生をどう口説いてどのように連載が始まったのか、から海外でも愛される漫画版『孤独のグルメ』の話、果てはドラマまでと話題が多岐にわたっています。漫画の第一話の資料として山谷の写真を撮る必要があったけど、街の怪しい雰囲気に怖じ気づいて自分では撮れずに後から若手に撮りに行かせたとか(笑)、現地の雰囲気を思い起こすと理解できる気がします(現在は当時と比べて随分とクリーンな街になっているようですが)。

孤独のグルメ 巡礼ガイド 3

巻末インタビューは満を持して松重さん。Season5・6 を中心に、撮影に行った中でも特にお気に入りのお店について語られています。松重さんが特に気に入った店や放送前に自分で再訪した店は私も二回以上行った店や遠くて行けないけどいつかまた行こうと思っている店ばかりで、自分の味覚が松重ゴローさんと近いことが分かって嬉しくなりますね。今まで行った中でおいしくなかった店はないけど、各シーズンで個人的にベストな一店を選ぶなら、Season5 はせんげん台の厨 Sawa、Season6 は茗荷谷の豊栄かな。どちらも、思い出すだけで涎が分泌されてきます。

孤独のグルメ 巡礼ガイド 3

それから、松重さんがプライベートで台湾に行ったときに聖地で巡礼者に会ったというエピソードがとても好き(笑)。私も台湾のにはそれぞれ二回行ったけど、二回とも自分以外にも日本人のお客さん(見ればだいたい巡礼者と察しがつく雰囲気の)がいたので、放送後も継続的に日本人の巡礼者が訪れているのだと思います。

というわけで、あと数時間で Season7 の放送が始まります。私もぼちぼち新たなる巡礼の計画を立てなくては。

■関連リンク
【Season6巡礼完了】『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~6&原作 - NAVER まとめ

投稿者 B : 21:56 | Book | コメント (0) | トラックバック

2018/03/29 (Thu.)

『ブランディング』 顧客体験で差がつく時代の新しいルール

私の友人であり、尊敬するマーケッターの一人でもある山口義宏さんの新著を献本いただきました。まあいただかなくても購入するつもりだったので、自分で Kindle 版を買って移動時間や空き時間を使って読了。

山口義宏 / デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール

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仕事で携わったことがない人からすると「ブランディング」と「マーケティング」って実際何をやっているか分からない仕事の上位に入る業務ではないでしょうか。ブランディングといえばロゴやタグラインの作成、あるいは半分 CSR みたいな活動のイメージが強いし、マーケティングも市場調査と販促・キャンペーン程度に捉えられていることが少なくありません。長年マーケティングに携わってきた私からしても、「ブランド●●」と名のつく部署の仕事は何をやっているか分からない(本書で言われるブランディング活動とは少しずれている)ことも多い。でもブランディングもマーケティングも実際はどちらも営業活動や値引きをあまりしなくても自発的に商品が選ばれるようになるための企業活動全般に関わるという意味では近い概念だし、カバーする業務範囲もかなり広い。個人的には「ブランディング≒マーケティング」あるいは「ブランディング⊂マーケティング」だと理解しています。

本書の内容は山口氏の前著『プラットフォーム ブランディング』の趣旨と大きく変わるものではありませんが、内容的にはよりやさしく、かつ現場担当者の実践ベースを中心に書かれているので、非常に読みやすい。文章もセクションも短めにまとめられていて図も多く、ややこしく感じることなくスッと腹に落ちてきます。
中小企業や個人事業主で「ブランディングなんてウチには関係ないや」という話ではなく、そういう企業でもマーケット内で特定のポジションを築く上では口コミ等による局所的なブランディングが功を奏することは珍しくない。企業ブランディングや CI(コーポレートアイデンティティ)のような主語の大きい話はあえて割愛し、サブブランドやプロダクトブランドレベルでの施策の話が中心なので、中小企業の商品戦略やマーケティング担当者こそ読むべき内容になっています。だって「ブランド戦略の成功には関係者の巻き込みが重要」とか「広告代理店に依頼をする際の注意点」とかまで書いてあるブランディングの本なんてそうそうないと思いますよ(笑。そういう意味では「ブランディング」というタイトルではありながら、商品の認知や共感を軸としたマーケティング活動について基礎から教えてくれる一冊になっていると言えます。入門書的なためもうちょっと突っ込んで読みたい部分もありますが、そのあたりは知識として取り入れるよりも実戦経験との両輪が必要なんだろうなあ。

本書の内容については MarkeZine に掲載されていた山口氏のインタビュー記事がまさのイントロダクションの役割を果たしているので、購入する前に一読する価値はあると思います。

ブランディングは法則さえ覚えれば難しくない――CI・デザイン論ではないブランディングとは:MarkeZine(マーケジン)

個人的にはここに書かれていることは常に意識しているつもりではありますが、改めて自分の理解を整理させてくれる一冊でした。マーケティング経験者がときどき原点に立ち返って現在値を確認するのによくまとまったテキストだと思いますし、これからマーケティングやブランディング、商品企画に携わりたいという人には必読と言って良いでしょう。
私は Kindle 版を自分で買ったので、献本いただいた書籍は会社のマーケティング部署の担当者に読ませることにします。

投稿者 B : 23:29 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2018/03/22 (Thu.)

NHK 基礎英語テキストのかしこい買い方

来月から長女が中学校に進学するわけですが、入学案内の中で英語教材として NHK ラジオの「基礎英語 1」を買ってください、というのがありました。
NHK の基礎英語って私は利用したことがないのですが、私の身の回りではこれで英会話の基礎を身につけたという人は少なくなく、長年やっているだけあって定評の高い教材と言えそうです。しかし、いざ教材を買おうと思ったらけっこうバリエーションが多くてどれを買うべきか判りづらい。

NHK テキスト / ラジオ 基礎英語 1 CD 付き 2018 年 4 月号

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テキストだけでも

の三種類が存在します。その上、音声の選択肢がさらに多く、これがまた選びにくい。
お金がかからないのはラジオや radiko ですが、リアルタイムに縛られるのはイヤだし、かといって今どきラジオを録音できる機材とか持ってないし(´д`)、繰り返し聴くなら多少お金を払ってでも音声データが手に入る方式にしておきたい。でも、調べてみたら手段によって値段が微妙に違う。これはちゃんと比べないと決められないわ、と思って表にしてみました。

販路種類価格月あたり+書籍+Kindle
書店書籍+CD¥1,720¥1,720¥1,720N/A
NHK出版音声 DL チケット¥972¥972¥1,458¥1,382
NHK DLストアまとめて 3 ヶ月¥2,550¥850¥1,336¥1,260
NHK DLストアまとめて 6 ヶ月¥4,800¥800¥1,286¥1,210

最も高いのは紙版テキスト+CD セット。物理媒体同士のセットだから致し方ありません。最も安いのは、NHK ダウンロードストアで音声データを半年分まとめて購入し、テキストは電子版を買うやり方。この両社を比べると毎月 ¥510、年間で ¥6,120、三年だと ¥18,360 も違ってきます。紙版テキスト+CD セットは一回の購入で両方揃ってしまう手軽さはあるけど、例えばスマホに入れて通学中に聴こうと思ったらリッピングが必要だし、何かと手間がかかります。基本はダウンロードデータまとめ買いとして、テキストを書き込みできるよう紙版にするか、電子版で Kindle にまとめておけるようにするか。まあ学校に Kindle は持ち込み禁止だろうし当面は紙版で様子を見るかなあ...。

と思っていたら、長女の進学先に子どもを通わせている親御さんに話を聞いたところ、とりあえず春休みの宿題+α 程度として課題は出るけど入学後は他のテキストがメインになるから授業で継続的に使うことはないとのこと。えー、三年間買うつもりで真剣に調べちゃったよ(´д`)。でもせっかく調べたし、これから NHK 基礎英語で勉強を始めようという方に向けて調査結果を公開しておくことにします。

ウチは春休みの宿題だけなら移動中に聴くこともないだろうし、手っ取り早く紙版テキスト+CD を買うことにしました。

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2018/02/19 (Mon.)

オールドレンズ・ベストセレクション

澤村徹 / オールドレンズ・ベストセレクション

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こないだ『オールドレンズ・ライフ』の最新刊を出したばかりの澤村徹さんがまた新しいオールドレンズ本を発売されました。
その名も『オールドレンズ・ベストセレクション』ということで、これまでの『オールドレンズ・ライフ』に作例を追加しつつ内容をアップデートして一冊にまとめた、ある意味オールドレンズガイドブックとしての完全保存版的な位置づけになっています。

私も澤村徹さんの blog や最初のオールドレンズ本『オールドレンズ パラダイス』に出会い、沼に片足を取られてからそろそろ 10 年が経とうとしています。思い起こせば、当初はオールドレンズに最適なデジタルボディは EOS であり、M42 マウントや Y/C マウントを中心に限られたレンズを使うものだったのが、ミラーレスカメラの登場によってそれまで日の目を見なかったレンジファインダー用レンズが脚光を浴び、AF 対応や縮小光学系搭載などの変態マウントアダプタ(誉め言葉)が発売され、フルサイズミラーレスの登場に至って世の中にあるほとんどの交換レンズをデジタルで使えるまで、オールドレンズを取り巻く環境は変化しました。当時の自分に「10 年後には CONTAX G レンズをフルサイズボディで AF で使っている」と言っても、にわかには信じないのではないでしょうか(笑。

そんなわけで、7 年前に発売された『オールドレンズ・ライフ Vol.1』からの時間の経過を考えれば、同じレンズの紹介でもまた見え方が違ってくるわけです。当時は制限事項だったことが状況の変化によって今では制限ではなくなっているものもあるし、平凸レンズを使った補正フィルタのようなものだって出てきました。そういうアップデートをふまえて過去に紹介されたレンズをもう一度見直せるという点でも、本書は非常に貴重な資料と言えます。
また、『オールドレンズ・ライフ』では各号のテーマごとに味付けされて紹介されていたレンズもフラットに並べ直して紹介されており、流行りのテーマに惑わされずに自分に合った一本が見つけられる作りになっているのも重要。カテゴリとしては「一眼レフ用レンズ」「レンジファインダー用レンズ」「シネレンズ」「改造レンズ」に分類され、総ページ数はなんと 368 ページ(!)。ページをめくってもめくっても終わる気配がありません(笑。全部読むのも大変だけど、これ作るの相当大変だったろうなあ...。

紙のムックだとかなり分厚く重くなりそうな一冊ですが、今回は発売日から電子版(少なくとも Kindle 版)が発売されているのがありがたいところ。ただこれ作例のサイズを考えるとスマホや 8inch タブレットではなく最低でも 10inch 級のタブレットで読みたいですね。
私もまださわり程度しか読めていませんが、時間をかけてじっくり読み込みたいと思います。ああ、またレンズが欲しくなってしまう。

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2018/01/13 (Sat.)

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

長女がお年玉でなんか買ってると思ったら、これでした。

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

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『スプラトゥーン 2』のコンセプトアートや設定資料を収録したムックです。ちょっとした電話帳くらいの分厚さで、全ページカラー印刷という豪華本。私もちょっと気にはなっていたけどまさか長女が買うとは(笑)。そういえば私も同じくらいの年頃のときにドラクエのグッズや小説を蒐集していたので、血は争えないということか...。

表紙からして既にイカしてますが、中身も相当に濃い。

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

キャラクター関係では、髪型のボツ案なんかもあり。「ちょーあたまわるいコ」「やべえかかわりたくない」とか、デザイナーさんの手書きコメントひとつひとつまで面白い。
ゲームのキャラクターデザインの過程を垣間見れたような感覚で、こういう資料すごく好きです。

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

ブキも外観デザインだけでなく構造図まで!しかも「この図は趣味なのであまり気にしなくていいです。」(笑
きっと銃器マニアなデザイナーさんが楽しみながらデザインしたんだろうなあ。きっとそういう雰囲気がゲーム画面を通じて感じられるからこそ、あの世界観が楽しいと思えるんでしょう。

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

ギアの設定資料も。アロメッシュっててっきりメレルのカメレオン 2 が元ネタだと思っていたら、トレッキングじゃなくて超軽量ランニングシューズのカテゴリなんですね。まあそのへんまで含めてデザイナーのアレンジということなのかもしれませんが。
ちなみに私はリーボックのポンプフューリーをモチーフにした、ヤコのアローズシリーズがお気に入り。自分じゃちょっと着れない履けない派手目のコーディネートで対戦ステージに出るのが楽しい。

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

スプラトゥーンの世界観を語る上で欠かせないのが「ブランド」。ブランドごとにデザインや性能に特長がつけられているわけですが、ゲーム内ではなんとなくその雰囲気を感じることくらいしかできません。でも実在のファッションやブランドを意識しながらちゃんと作り込まれたギアブランドの背景を知ると、コーディネートの楽しみがさらに広がるわけです。そしてギアの組み合わせで今まで以上に「性能を取るか見た目を取るか」に悩まされるという(笑

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

タイトルが「イカすアートブック」というだけあって、こういうコンセプトアート的な手描きイラストこそが本書の真骨頂だと思います。ファッション誌っぽくもあるこういうイラストをしげしげと眺めているだけで楽しめる。

スプラトゥーン 2 イカすアートブック

大作ゲームの設定資料集でかなり分厚いものも珍しくはないですが、アートワーク部分だけ抜き出してこれだけの物量をもつゲーム関連書籍はそうそうないんじゃないでしょうか。今週末はちょうどフェス期間だし、Pro コンも買ったのでゼルダは置いといてスプラトゥーン 2 をやっているわけですが、やればやるほど奥深いゲームだと思います。発売からそろそろ半年経ちますが、まだまだ飽きずに楽しませてもらえそう。

スプラトゥーン 2

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投稿者 B : 22:22 | Book | コメント (0) | トラックバック

2017/12/07 (Thu.)

飛びこめ!!沼 03

そろそろ定番となりつつあるシグマの重要書類、遅ればせながら私も読みました。

安倍吉俊 / 飛びこめ!!沼 03

飛びこめ!!沼 03

安倍吉俊先生はこの夏から『こどものグルメ』の連載も始まっていて、私の中ではすっかり人気作家の印象。私は『飛びこめ!!沼』で初めて知りましたが、複数作を読んでみると先生の持ち味が分かってきますね。イイ感じに力の抜けたタッチと独特の「間」がクセになります。

内容的にはいつもの通り、

飛びこめ!!沼 03

シグマユーザーの自虐ネタ満載。

シグマメインじゃないけど、明るい物を暗く撮る構図の達人なら知ってた(ぉ。いや、私はすごく好きですよ彼の写真。

飛びこめ!!沼 03

ここにきて唐突なガンダムネタ!「心のランバ・ラル」、なんというパワーワード。

今回のポイントは、シグマユーザーが α6000 を使ってみるシーンがある、というところでしょうか。シグマと α(中でも特に α6000)は対照的なカメラと言って良く、両方を使うと互いの良さと悪さが痛いほど解る組み合わせだと思います。しかし MC-11 が出たことで sd Quattro をメインで使いつつ、夕方以降の撮影やレンズ本来の画角を楽しみたいときには α7 シリーズに付け替えるという使い分けもでき、実はそれってすごく写真やカメラの世界観を広げてくれることだろうとも思うわけです。私は今からシグマのカメラボディに手を出す予定はありませんが(笑)、それでも MC-11(EF-E 版)を買ったおかげでボディとレンズの組み合わせが倍増し、撮影の自由度と機材選びの悩みが増えました。

本作も面白かったです。あえて物足りない点を挙げるとすれば、三巻目ともなると主人公(後輩くん)がだんだんカメラに慣れてきて、一巻の頃の「初心者を生温かい目で見守る気分」が少し薄れたことと、従来よりもページ数がちょっと減ってしまったことかな。
いずれにしても、ここまで突き抜けた特定メーカー愛を凝縮して本に出せるのは同人誌ならではだし、これだけ愛されるシグマというメーカーが羨ましくもあります。

自分が満足する写真さえ撮れれば機材なんて何でもいい、とは思っているけれど、こういう本を読むと好きな機材をうまく使えた悦びを味わうために撮るのもまた写真の楽しみなんだよなあ。そういうのも含めて「好きなものを好きなように撮る」ってことだと思うんです。

ああ、写真を撮りに出かけたくなりました。

投稿者 B : 23:33 | Book | Comic | コメント (0) | トラックバック

2017/09/29 (Fri.)

オールドレンズ・ライフ 2017-2018

澤村徹 / オールドレンズ・ライフ 2017-2018

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毎年秋恒例、澤村徹さんの「オールドレンズ・ライフ」最新刊が発売されました。
今回のキャッチコピーは「本物のレンズ沼へようこそ」。ここまでストレートかつ挑戦的なコピーを使ってきたのはシリーズ初ではないでしょうか。

「沼」解禁: metalmickey's blog
がんばって特色使ってます!【オールドレンズ・ライフ2017-2018】: metalmickey's blog

私もさっそく購入しました。年イチとはいえけっこう嵩張るムック本を毎年物理で買い続けるのも本棚を圧迫するし、今年から電子版にしようかなあ...と思っていたところに「表紙のタイトルに特色使っちゃった(てへぺろ)」とか言われたらみんな紙版を購入するしかないじゃない(;´Д`)ヾ。

今回のメイン特集は、キャッチコピーにもあるとおり「本物のレンズ沼へようこそ」。私もこれまでにいろんなオールドレンズを見てきましたが(ま、自分で買ってるのはツァイスを中心にオールドの中でも「無難な」レンズばかりですが)、パクテッセ、アーガス、ヴェラ...自分が見たことのないレンズがまだまだこんなにあったのか!と改めて沼の深さを思い知りました。人はいま、戸口に立っている。この沼の彼方に、道は続いている...。

マウントアダプタでは先日私もレビューさせていただいた K&F Concept 製品が紹介されており、日本でも急速に定番マウントアダプタの一つとして起ち上がってきている印象があります。

沼にもいろんな種類があることが解るのが第 3 特集「隠れクセ玉属性レンズを探せ!」。オールドレンズといえば独特の描写で、フレアやソフトフォーカスによる描写の味だったり、グルグルボケや六芒星ボケなど「現代の評価基準では失格だけど、その描写にハマる人は虜になる」というものが少なくありません。中でも今回強烈なインパクトがあったのは、絞り羽根が二枚で真四角にボケるロシアレンズ MC Zenitar-ME1 50/1.7。四角くボケる背景はさながらドット絵のようで、このボケをどう活かせるかはさっぱり想像がつかないけど一度撮ってみたい!と感じさせる引力があります。

レンズ沼的視点で言うと「もうひとつの選択肢 オルタネイティブ MF レンズ」。新品で入手できる現行マウント向け MF レンズということで「オールド」ではありませんが、ミラーレスカメラ向けにマニアックなレンズ選びをする上では確実に選択肢に入ってきます。定番のツァイス Loxia、フォクトレンダーに加えてトキナーからも FiRIN シリーズが出ましたし、最近では中国メーカーの勢いも無視できなくなってきています。しかも少し前までならマウントアダプタを介すのが当然だったのが、今では E マウントネイティブな新品 MF レンズの選択肢が増えているという。これを新たなる沼と言わずに何と言うのでしょうか(汗。

しかも今年は富士フイルムの GFX が発売され、中判向けオールドレンズの多くが本来に近い画角で使えるようになった、というのもオールドレンズ的には大きな話。私はさすがにそこまで手を出す気はありませんが(笑)、そろそろブームも一段落してネタが切れてくる頃だろう...ということもなく、沼は広さも深さも増すばかりです。
私は昨年シグマ MC-11 を入手してからオールドレンズではなく α7 に EF マウントレンズをつけることのほうに熱中してしまっていますが、久しぶりにこっちに戻ってみようかなあ。

投稿者 B : 22:17 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック