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2017/09/29 (Fri.)

オールドレンズ・ライフ 2017-2018

澤村徹 / オールドレンズ・ライフ 2017-2018

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毎年秋恒例、澤村徹さんの「オールドレンズ・ライフ」最新刊が発売されました。
今回のキャッチコピーは「本物のレンズ沼へようこそ」。ここまでストレートかつ挑戦的なコピーを使ってきたのはシリーズ初ではないでしょうか。

「沼」解禁: metalmickey's blog
がんばって特色使ってます!【オールドレンズ・ライフ2017-2018】: metalmickey's blog

私もさっそく購入しました。年イチとはいえけっこう嵩張るムック本を毎年物理で買い続けるのも本棚を圧迫するし、今年から電子版にしようかなあ...と思っていたところに「表紙のタイトルに特色使っちゃった(てへぺろ)」とか言われたらみんな紙版を購入するしかないじゃない(;´Д`)ヾ。

今回のメイン特集は、キャッチコピーにもあるとおり「本物のレンズ沼へようこそ」。私もこれまでにいろんなオールドレンズを見てきましたが(ま、自分で買ってるのはツァイスを中心にオールドの中でも「無難な」レンズばかりですが)、パクテッセ、アーガス、ヴェラ...自分が見たことのないレンズがまだまだこんなにあったのか!と改めて沼の深さを思い知りました。人はいま、戸口に立っている。この沼の彼方に、道は続いている...。

マウントアダプタでは先日私もレビューさせていただいた K&F Concept 製品が紹介されており、日本でも急速に定番マウントアダプタの一つとして起ち上がってきている印象があります。

沼にもいろんな種類があることが解るのが第 3 特集「隠れクセ玉属性レンズを探せ!」。オールドレンズといえば独特の描写で、フレアやソフトフォーカスによる描写の味だったり、グルグルボケや六芒星ボケなど「現代の評価基準では失格だけど、その描写にハマる人は虜になる」というものが少なくありません。中でも今回強烈なインパクトがあったのは、絞り羽根が二枚で真四角にボケるロシアレンズ MC Zenitar-ME1 50/1.7。四角くボケる背景はさながらドット絵のようで、このボケをどう活かせるかはさっぱり想像がつかないけど一度撮ってみたい!と感じさせる引力があります。

レンズ沼的視点で言うと「もうひとつの選択肢 オルタネイティブ MF レンズ」。新品で入手できる現行マウント向け MF レンズということで「オールド」ではありませんが、ミラーレスカメラ向けにマニアックなレンズ選びをする上では確実に選択肢に入ってきます。定番のツァイス Loxia、フォクトレンダーに加えてトキナーからも FiRIN シリーズが出ましたし、最近では中国メーカーの勢いも無視できなくなってきています。しかも少し前までならマウントアダプタを介すのが当然だったのが、今では E マウントネイティブな新品 MF レンズの選択肢が増えているという。これを新たなる沼と言わずに何と言うのでしょうか(汗。

しかも今年は富士フイルムの GFX が発売され、中判向けオールドレンズの多くが本来に近い画角で使えるようになった、というのもオールドレンズ的には大きな話。私はさすがにそこまで手を出す気はありませんが(笑)、そろそろブームも一段落してネタが切れてくる頃だろう...ということもなく、沼は広さも深さも増すばかりです。
私は昨年シグマ MC-11 を入手してからオールドレンズではなく α7 に EF マウントレンズをつけることのほうに熱中してしまっていますが、久しぶりにこっちに戻ってみようかなあ。

投稿者 B : 22:17 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2016/08/31 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.6

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.6

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今年もこの季節がやってきました。澤村徹さんのムック『オールドレンズ・ライフ』の第 6 弾。こんなマニアックなムック本を年に一冊ペースで出し続けられるのにはただただ敬意を表します。

さすがにデジタル一眼市場も成熟の域に入り、これからオールドレンズ沼に足を踏み入れようという人はもうそれほど多くないはず。だから(一応今回もマウントアダプタの基礎知識コーナーはあるものの)初心者向け記事はそこそこに、どちらかというと中級者以上がより深みにはまるため(ぉ)のコンテンツが主軸になってきた印象を受けます。毎年新製品が出続ける現行レンズと違って、オールドレンズは急激に増えるということがないので、ともするとネタが枯渇して同じことを繰り返し言い続けるだけになりがち。ですが、本書はそういうワンパターンに陥らず、多種多様なオールドレンズの中から自分好みの一本に巡り合うための特集を中心に据えています。

第一特集は「マイ・ベスト・オールドレンズ」。著名なカメラマンや業界関係者(ユリシーズの魚住氏が登場されていたのには驚いた)がお気に入りの一本を紹介してくれています。ありがちなレンズメーカー別やマウント別といった選び方ではなく、描写の好みから選ぶための特集というのは今までありそうでなかったもの。とても興味深い内容になっています。
第二特集は「フィルムメーカー製レンズの彩り」。オールドレンズというとライカやツァイス、アンジェニューは定番中の定番。オールド ZUIKO や Takumar といったレンズ、あるいはロシアレンズあたりまではよく語られますが、フィルムメーカー製レンズというのは今まであまり語られることがありませんでした。が、近年では富士フイルムの現行 X マウントレンズが高く評価されていたり、フィルムメーカー製レンズも馬鹿にできません。フィルムで出したい表現から逆算して作られたレンズは、各メーカーの「フィルムの色」がデジタルのボディで使っても見えてくるもの。この特集では富士フイルムに加えて AGFA、Kodak、ILFORD のレンズが紹介されていますが、私も富士フイルムのオールドレンズは一度試してみたいなあ。

第三特集は「ゼロからはじめるレンズ構成概論」。ある程度カメラの知識がある人でも、レンズ構成の細かい部分までは理解できていないことが少なくありません。かくいう私も「ガウスタイプ」「レトロフォーカス」あるいは「プラナー構成」など代表的なものなら知っていますが、体系的に理解できているとは言いがたい。この特集は、オールドレンズでよく出てくるレンズ構成について、その成り立ちから特性まで網羅的にまとめられていて、とても勉強になります。現代のレンズは群も枚数も多くなりすぎて構成図を見ただけでは性格が分かりづらいことが多いですが、基礎知識を持っているだけでも多少は類推が効くというもの。

そして第四特集は「これが噂のボケモンスター」。ちょっと時流に乗ればいいってもんじゃないでしょというサブタイトルですが(笑)、いわゆる「スムーズなボケ」とは対照的にクセのあるボケ方をするレンズの特集です。バブルボケ、リングボケ、ぐるぐるボケといった通常ならば「汚い」と言われがちなボケも、使いようによっては幻想的な写真に演出するための武器になります。こういうのを好み始めるのは、日本酒で言えば純米酒や吟醸酒に飽きて癖の強い二級酒に手を出す呑兵衛の心境と似ていると思いますが(ぉ)究極の嗜好品としてのオールドレンズの楽しみ方なら、それもありかと。

近年ではオールドレンズだけでなく現行マウント向けの MF レンズがリリースされるなど、この世界もかなり成熟してきました。デジタルカメラ自体の販売はもう頭打ちになり、新製品は全体的に値上がり傾向だったりもして先行きに不安感はありますが、少なくともオールドレンズは逃げない(笑。長く楽しめる趣味として、今後も携わっていきたいと思います。

投稿者 B : 22:36 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2016/06/18 (Sat.)

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

フォトヨドバシのレンズレビューが本(別名:ヨドバシ版悪魔全書)になったよ!ということで、思わず買ってしまいました。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

今までも我々の物欲を幾度となく刺激してきたフォトヨドバシ。レンズを購入検討する際には必ず参考にするサイトの一つであり、むしろこのレビューがきっかけで買ってしまったレンズも何本かあります(笑。メーカー公式作例のように「わざわざそこに行く労力をかけないと撮れない写真」ではなく、基本的には日常生活の延長線上で撮れるスナップが中心という点でユーザーの実使用感に近く、そういう意味でもとても参考になります。まあ現像で追い込んでるんだろうなと感じる部分もあるし、そもそも自分との撮影センスの決定的な差は感じますけどね!(泣
今でこそ、大手カメラ店が自社サイトにカメラやレンズの実写レビューを掲載する手法は一般的になりましたが、フォトヨドバシは掲載される写真の良さと文章のエモーショナル度で群を抜いていると思います。

これまで掲載されてきた膨大な作例の中には、「これはモニタじゃなくてプリントで見たい」と思うほどクオリティが高いものも数多くありましたが、まさかこれを本当に本にしてしまうとは。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

しかし、これまでの膨大なレビューの数々を全て掲載できるわけでもなく。総ページ数 272 という分厚いムックながら、ほとんどのレンズについては写真・テキストともに抜粋版での掲載となっています。その結果、レンズの紹介ムックとしてはごく一般的な構成になってしまっているのはやや残念なところ。それでも一部のレンズに関しては数ページを費やして大判の作例が掲載されており、そうそうこうやって写真をじっくり眺めたかったんだよ、という欲求に応えてくれます。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

ムックのタイトルからしてキヤノン製の EF/EF-S レンズしか掲載されていないのかと思ったら、EF/EF-S マウントに対応したツァイス、シグマ、タムロンなどの他社レンズまで網羅されている充実度。同スペックのレンズの中でどれが自分の好みに合っているかを見比べられるのはいいですね。チャートを撮ったり逆光性能をテストしたりしているわけではないのであくまで感覚として好みに近いものを、という感じですが、ヨドバシの担当者が「このレンズにはこういう被写体がいいと思うよ」というのを選んで載せているわけで、スペックで比べるよりも購入後の満足度は高そう。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

このムックの内容自体は普段からフォトヨドバシを見ている人にとってはあまり新しいネタはありませんが、各章の間に挟まれているコラムは今回のための書き下ろし(たぶん)。フォトヨドバシの編集部メンバーがどのようにあのサイトを作っているかの断片が読み取れて、本編以上に興味深い(笑。

個人的には英語版サイトの翻訳担当者さんのコラムが面白かった。日本語版ではオーディオの評論にも似た抽象的な表現が多用されますが、英語版では海外のレビューサイトのようにストレートな言葉に変換されているようです。確かに、海外サイトに掲載されている「○○はこれまでで最もシャープなレンズのひとつ」みたいな表現って、国内のレビューサイトではまず見ないですからね。言われてみれば、海外では(まあ日本でも一部雑誌はそうだけど)とにかくチャートやベンチマークを使って解像度とシャープネス一辺倒なのに対して、日本は案外そうでもない、という違いはあるように思います。アマチュアの機材選びなんて結局は趣味なんだから、自分が使っていて気持ちいいと思えるものを選んだらええねん。

ちなみに今ならこのムック、EOS ユーザーだけでなく MC-11 持ちの α ユーザーにとっても、深遠な沼の入口となってくれるのではないでしょうか(笑

私もまだざっとしか読めていないので、この週末で読み込んでみたいと思います。きっと機材買ったり写真撮ったりしたくなるんだろうなあ。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

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投稿者 B : 14:09 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2015/09/02 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.5

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.5

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前作からちょうど一年、澤村 徹さんのムック『オールドレンズ・ライフ』の最新刊が発売されたので、さっそく購入。このシリーズも気がつけばもう 5 冊目ですが、未だとどまるところを知らない勢いを感じます。

Vol.4 の時点で α7 シリーズによる「35mm 判レンズ本来の画角での撮影」および縮小光学系マウントアダプタによる「APS-C ボディでの擬似 35mm 判画角での撮影」が可能になっており、オールドレンズ本としては一旦行き着くところまで行った感がありました。オールドレンズって毎年新製品が出てくるものでもないし(笑)、さすがにそろそろネタが枯渇してきたのでは、と思っていたら、今回の主なトピックは

  • 旧東独・ロシアレンズ特集
  • 中判オールドレンズ特集
  • 現行 MF レンズ特集
  • まだまだ出てくる新型マウントアダプタ
という、かなり上級者路線を攻めてきました。

オールドレンズの入り口といえば旭光学やオリンパスの旧ズイコー、あるいはヤシカ/コンタックス用ツァイスレンズあたりが定番ですが、ツァイス・イエナを中心とした旧東ドイツレンズや安価なツァイスコピー品であるロシアレンズ側にも、広く深い沼が広がっています。特にイエナ製レンズはオールドレンズとは思えない安定した描写を誇っており、ツァイスにしては安価なこともあって入門用として比較的手を出しやすいのも事実。私もイエナ製の MC Sonnar 135/3.5 は一本持っていたりします。
とはいえ入手性がも情報も限られているこのあたりのレンズにいきなり手を出す初心者もいないでしょう。この『オールドレンズ・ライフ』シリーズは初心者をあまり考慮せずにいきなり沼の深いところから始まることが多いですが(笑)、それでも今回のは今までよりもさらに深淵からスタートしている、と言えます。私もさすがに、中判オールドレンズに手を出す予定は今のところないかな(笑。

個人的注目はやはり現行 MF レンズ特集。少し前までは新品で買える MF レンズといえばライカかコシナ製ツァイス/フォクトレンダーくらいしか選択肢がありませんでしたが、オールドレンズブームのもとで新規に MF レンズを発売するメーカーが複数現れてきました。中でも、今回のムックは富岡光学(ヤシカ/コンタックス用ツァイスレンズを OEM 生産していたメーカー)の Tominon 55mm F1.2 の復刻版にあたる木下光学「Kistar 55mm F1.2」、そしてマウントアダプタメーカーとして有名な Hawk's Factory が Tsubasa ブランドで開発したレンズ第一弾「Swallow 35mm F2」の発表の場を兼ねています。それほど重要な媒体になったと考えると、初期の頃から応援してきたファンとしても嬉しい限り。
一口に現行 MF レンズと言っても、過去の名玉の描写を再現することにこだわったものから既存レンズにないスペックを目指したもの、そして MF でありながら現代的な高解像度を実現しようとしたものまでバラエティに富んでいます。オールドレンズはアジア方面の需要増で年々値上がり傾向にありますが、現行 MF レンズであれば価格が安定しており入手しやすいという利点もあり。いきなりオールドレンズ、ではなくまずは現行 MF レンズから始める、という選択肢もあると言えます。

個人的にはやっぱり東独かなあ。イエナの Flektogon 20/4、35/2.4 は以前から手に入れたいレンズではありました。最近、AF でラクをしてばかりだったけど、AF レンズはめぼしいところはだいたい揃えてしまったので、改めてオールドレンズ収集に走りたくなってきました。

投稿者 B : 21:55 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2014/10/30 (Thu.)

ザ・レンズマニアックス

澤村 徹 / ザ・レンズマニアックス ~ミラーレスと一眼レフで陶酔するオールドレンズの世界~

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デジタル一眼カメラにおけるオールドレンズ使用の第一人者・澤村徹さんの最新の著作が発売されたので、すかさず買ってきました。ここ数年、1 年に 1 冊以上のペースでオールドレンズ本を刊行し続けるペースの高さには脱帽します。

この書籍は、「日本カメラ」誌に掲載されていた同名の連載を単行本としてまとめたもの。そのため、今までのムック系の冊子とは少し毛色の違う書籍に仕上がっています。今までのムックは、ほとんどが入門書としての役割も兼ねていて、レンズマウントやマウントアダプタの解説、オールドレンズをデジタルボディにつけて撮影する手順から書かれていたので、そういうページは「うん知ってる」と思いながら読み飛ばしていました。むしろ「そういうのはいいからレンズ紹介や作例掲載にもっとページを割いてよ」と思っていたのも事実です。それに対して、今回の書籍は初心者向けの解説は最小限に留め、レンズと作例に最大限のページを割く構成になっています。
そういう意味では、今までのムックは「オールドレンズの間口を広げるために企画から練られた本」だったのに対して、この書籍はその名の通り「レンズマニアに向けて作られた本」ですね。なんたって、いきなり冒頭から CONTAX G 用 Hologon を掲載するというマニアックさなわけですから(笑。

オリジナルの連載が掲載されていたのが 2011/1~2013/12 のちょうど 3 年間。ミラーレスカメラの台頭によるオールドレンズ人気の高まりから、α7 シリーズの登場によるオールドレンズフルサイズ時代の到来まで、まさにひとつの時代をまとめた格好になります。掲載されているレンズも、メーカー・マウントともにバリエーション豊富で、ミラーレスに限らず DSLR 向きのレンズも含め実に豊富な 39 本。「なぜイエナ三兄弟(東独 Zeiss Jena の Flektogon 20mm、同 35mm、Sonnar 135mm の 3 本)を集めてしまうのか?」など、オールドレンズ好きならばニヤリとしてしまう切り口で紹介されていて、実に楽しい。でも、Jena はオールドレンズ沼でいえばまだまだ淵のほうにすぎず、Jena とか CONTAX G あたりで踏みとどまっている私はまだまだ甘いと言わざるを得ません。まあ、だってコシナ製フォクトレンダーみたいな、新品で買えて味もあるのに描写にハズレがないレンズが普通に買えてしまうと、そこだけで十分楽しかったりもしますからね。

レンズの解説としては、「昭和初期の日本文学に登場するような、深窓の令嬢がイメージだ」とか「さながら、真実だけを刻む速記者のようだ」とか、まるでワインの味や高級オーディオの音を評価するような表現で、思わず笑ってしまいますが、最近の解像度一辺倒、MTF 曲線やらチャート実写やらでレンズ性能を評価する業界やユーザーの傾向もどうかな、と思っていたので、逆に新鮮(笑。まあ、解像性能が至上であればわざわざオールドレンズに手を出す必要はないわけで、レンズのクセまで含めて愉しむ本道に鑑みれば、こういう情緒的な表現のほうが合っているのかもしれません。それぞれのレンズに対する澤村さんご本人の出会いや思い入れを絡めて書かれているので、共感も持てますね。

買ったばかりでまだあまり読み込めていませんが、じっくり読む価値のあるレンズ本だと思います。私はとりあえずイエナ三兄弟でまだ持っていない Flektogon の 2 本から物色していきますかね...。

投稿者 B : 23:28 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2014/08/24 (Sun.)

オールドレンズ・ライフ Vol.4

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.4

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1 年ぶりの発刊となる、澤村 徹さんの『オールドレンズ・ライフ』最新号が発売されました。年に 1 冊ペースでの刊行が続いていて、澤村さんのオールドレンズにかける情熱に感心するとともに、こういうムックが定期的に発売できる市場の熱も実感しますね。

前号のテーマは「オールドレンズ・フルサイズ宣言」でしたが、当時はフルサイズでオールドレンズを堪能できるレンズは実質的に EOS フルサイズ機かライカ M くらいしかなく、Speed Booster のような特殊マウントアダプタを用いて APS-C 機でフルサイズ相当の画角を得る、というほうが現実的だったように思います。それが今は α7 シリーズの登場により、オールドレンズを本来の画角で使える環境がぐっと身近になりました。そういう意味では、時代がこのムック創刊の志にようやく追いついた、と言えるのかもしれません。

今号は大口径オールドレンズ、特に各社のフラッグシップである F1.4 以下のものを中心に取り上げています。とはいえいずれもそうそう手が出る価格帯のレンズではありませんが、別特集として廉価な大口径オールドレンズもまとめられています。特に国産オールドレンズや望遠系レンズでは大口径であっても比較的入手しやすいものが多く、現実的にはこちらのほうが狙い目かも。1980 年のタムロン 300mm F2.8 なんかも取り上げられていて驚きましたが(笑)、超望遠系レンズの被写体は MF だと辛いことが多いので、個人的には 135mm~200mm 級の大口径レンズのほうが良さそうだなと思います。

ボディ側で取り上げられているのは α7 シリーズとニコン Df。α7 シリーズは α7S の登場によってついに Hologon が実用レベルになりました。35mm カメラ用のほぼ全てのレンズが装着できると言って良く、去年の夏までに α7 シリーズが発売されていれば、前号の内容はもっと違ったものになっていたかも。
ニコン F マウントはフランジバックの関係でレンズの選択肢が少なく、ニコンのオールドレンズか M42 マウント、あるいは Y/C やライカ R のマウント改造くらいしかありません。EOS よりも選択肢が限られるわけですが、非 Ai ニッコールレンズが自動絞り/Exif 連動で使えるのがメリットなので、実質的にはニコンのオールドレンズをデジタルで愉しむためのボディ、ということになります。

また、巻末には主要なカメラアクセサリメーカーとマウントアダプタメーカーの特集記事が掲載されています。これがまた、ちゃんとそれぞれのメーカーに取材を実施しての記事という気合いの入りよう。工房の取材や代表へのインタビューなど、それぞれを別途数ページの記事に独立して掘り下げてほしいほどの充実度です。また、マウントアダプタに関しては、各メーカーごとに発売済みのアダプタ一覧表が掲載されているのも実用度高し。

最新のカメラやレンズと違って、オールドレンズはどんどん新しいものが出てくる世界ではありませんが、技術の進歩によって次々に新しい愉しみ方が開発されていく、という状況は非常に興味深いものです。今号は同シリーズの中でも、集大成的な内容の濃さと言って良いでしょう。
私は、MF の単焦点レンズは純粋なオールドレンズよりもむしろコシナの現行フォクトレンダーのコストパフォーマンスの高さに気を取られがちでしたが、これを読んで、久しぶりに中古カメラ屋巡りをしてみたくなりました。

投稿者 B : 20:40 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2013/09/14 (Sat.)

オールドレンズ・ライフ Vol.3

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.3

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Vol.2 以来 1 年 3 ヶ月ぶりに発売された、澤村 徹さんのオールドレンズムックの第 3 弾。オールドレンズ好きとしては迷わず手に入れました。

今回のキーワードは「オールドレンズ・フルサイズ宣言」。ライカ M、昨年一気に低価格化したフルサイズ一眼レフ、さらに Speed Booster のようなマウントアダプタを使った APS-C 機での疑似フルサイズ撮影など、この 1 年で「フルサイズ画角でオールドレンズを使う」というカメラの楽しみ方が、急に身近になってきました。この流れは今後もしばらく続くでしょうが、そういうトレンドの渦中に出た、決定版のようなムックです。

巻頭特集はライカ M Typ 240 で主に M マウントレンズを楽しむ内容ですが、本書の見どころはむしろそれ以降にあります。フルサイズ EOS で使う個性的なオールドレンズ群、METABONES Speed Booster で改めて楽しむオールドレンズ群、というパートもさることながら、「『2 万円』ではじめるオールドレンズ」特集と「ベストマウントアダプターを探せ!」特集が、初心者には初心者なりにやさしく、でも既にオールドレンズを使っているユーザーが読んでもそれなりにマニアックにまとまっているという絶妙な深さで、とても興味深く読ませていただきました。あと、ありそうでなかった「オールドレンズに効く RAW 現像テクニック」。RAW 現像を使えばオールドレンズでもそれなりに現代レンズらしくも現像できるし、あるいはレンズの「味」を残して描写上気に入らない部分だけを補正することも比較的容易。今このタイミングでオールドレンズに手を出そうというユーザーであれば、それなりに深みに入る覚悟はできているはずで(笑)、そういう人にはかなり読み応えがある一冊ではないでしょうか。

私はここまでオールドレンズといってもツァイス中心に揃えてきましたが、国産オールドレンズも安価な割になかなか面白そうなんですよね。ひさびさに中古カメラ屋を覗きたくなる、そんな一冊です。

投稿者 B : 00:29 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2013/02/13 (Wed.)

オールドレンズの奇跡

上田 晃司 / オールドレンズの奇跡

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久しぶりにオールドレンズ本を買いました。最近は本で読むよりも気になった方向のレンズ群について Web で自分で調べたり、実際に店頭に行って手に取ってみたり、と自ら沼の中を突き進んでいくほうが楽しいんですが、この本は今まであまり書籍で取り上げられてこなかったオールドレンズについて触れられているようだったので。

今まであったオールドレンズ本の多くが各マウントのレンズを 1~2 本紹介する程度でどちらかというと間口の広さを重視した内容だったのに対して、この本はどちらかというと深い方向、例えば他のオールドレンズ本にはないほど多くのライツ、あるいはキヤノンでも Serenar だったり、ミノルタではなく千代田光学時代の SUPER ROKKOR だったり、本当の意味での「オールドレンズ」が多く紹介されています。これに比べたら YASHICA/CONTAX なんて全然現代のレンズですよ、と言いたくなってくるほど。
この書籍の元ネタは玄光社の『フォトテクニック デジタル』誌における同名の連載で、登場する機材(ボディ)にはちょっと旧いものもあります。また、単行本のために吟味されたレンズチョイスではないためか、レンズ選びにまつわる失敗談も多く、そういう点ではこれからオールドレンズの深い沼に足を踏み入れようとする人には注意点が分かって参考になる反面、純粋にそのオールドレンズの実力を知りたいを思っている人には向かないかもしれません(まあ、オールドレンズである時点で個体差は少なからず存在するもので、真の実力値というのは定義しづらいのも事実ですが)。

個人的には、今まであまり深掘りしてこなかった方面のオールドレンズに関する情報がいろいろ得られたのが良かったいっぽうで、レンズの評価に使われる語彙が乏しく、「空気感まで写す」みたいな表現が多用されすぎていたのがイマイチ。「レンズの味」とか「空気感」と言ってしまうと、結局主観的に好みかどうか(そこには書き手がそのレンズに払った対価に対して自己肯定したいというバイアスも含まれる)に収斂してしまって客観的な分析ができなくなってしまうので、オールドレンズ選びの参考にしたい人向けの読み物としてはどうかなあ、と思うわけです。ま、そもそもオールドレンズなんて現代的な解像力を求めて買うものじゃなし、そういう楽しみ方でいいんでしょ、という考えもアリですが。

ちなみに本書の内容は、抜粋バージョンが「Lite 版」として雑誌オンライン他で試し読みできるようになっているので、興味のある方はどうぞ。

オールドレンズの奇跡 Lite 版 (雑誌オンライン+BOOKS)

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2012/09/25 (Tue.)

『ツァイス 激動の 100 年』、購入

アーミン・ヘルマン 著、中野 不二男 訳 / ツァイス 激動の 100 年

ツァイス 激動の 100 年

以前図書館で借りて読んだ本を、今さらながら購入。最近、あまり紙の本の在庫を増やしたくなくて、できるだけ電子版で買うようにしているんですが、さすがにこういう数の出ない旧著の電子化はあまり期待できるものではないですね。でもツァイスファン的にはこの本は持っていても良いかなと思いました。1995 年刊でとっくに絶版になっている書物ですが、古本でも良ければ Amazon マーケットプレイスにはかなりの数の出品がありました。

ツァイス 激動の 100 年

注文したのは「良い」状態の中古品。どの程度の状態なのか若干不安ではありましたが、ものすごくきれいというわけではないにせよ、まあきれいかな、と思える品でした。少なくともブックオフの棚に並んでいろんな人の手垢がついたものよりは良いでしょうし、梱包も丁寧で好感が持てました。届くまで現物が見られないデメリットはあるものの、絶版本を探して古本屋を巡る必要がないという点では、良い時代になったものです。

この本の内容については以前書いたので割愛しますが、改めて現代の、これからの日本企業のありようについて考えさせられる一冊ですね。知財とブランドだけ残れば良いとは思いませんが、何を自社の本質価値と認識して高めていくか。ツァイスが追求したこの品質をどのように自社で実現していくべきか。やはり何度読んでも、この一文が胸に刺さります。

「ずるがしこさではなく、徹底した正確さと信頼性、もういっぽうでは、商品の投げ売りではなく、安定した価格と、顧客に対する専門的アドバイスとサービス、そしていつも同じようにもうしぶんない応対」

そういえば、来年にはツァイス自身がミラーレスカメラ向けレンズ市場への参入を予定していますが、ソニーやコシナ経由ではない製造・販売がどのような形態になるのか、そしてそこからどのように上記の哲学を感じることができるのか、今から楽しみです。

投稿者 B : 23:09 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2012/06/20 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.2

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.2

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デジタル一眼におけるオールドレンズの第一人者・澤村 徹氏の最新のオールドレンズ本が発売されたので、さっそく読んでみました。1 年前に発売された玄光社のムック『オールドレンズ・ライフ』の続編にあたる本です。

同氏の著作としてはその間に『オールドレンズ レジェンド』を挟んではいますが、この 1 年の間にオールドレンズのベースに相応しいボディも NEX-7/5N、フジ X-Pro1、GXR MOUNT A12、OM-D、Nikon 1、PENTAX Q、とかなりのバリエーションが広がりました。センササイズも APS-C や m4/3 に始まって 1inch サイズや 1/2.3inch など、オールドレンズが本来想定していたフォーマットに近いボディを選べる時代になっています。個人的には、過去の名だたる 35mm フィルム一眼レフやレンジファインダ用レンズを本来のイメージサークルに近い APS-C ボディで使ってこそとは思っていますが、実用ではなく趣味の領域としてのオールドレンズならでは、性能本位ではないレンズの「味」というものや、思い入れのあるオールドレンズの再利用という意味で、他のフォーマットにもそれなりの楽しみはあるでしょう。

ということでここ 1 年の間にボディの選択肢も広がり、かつマウントアダプタも単にマウントを変換するだけでなくティルト対応絞り内蔵AF 対応絞り・AE 連動かつ手ブレ補正対応、など信じられないほどバリエーションも豊富になっています。ネタは豊富だけどテーマを絞るのが難しい時代になってきたよなあ・・・と思っていたら、今回のムックではシネレンズにフォーカスが当たっています。シネレンズといえば、高性能にも関わらずフランジバックが短くイメージサークルが小さいせいで従来の一眼レフには使用できず、フランジバックの短いミラーレス一眼(中でもイメージサークルの小さい m4/3 以下のフォーマット)が登場して初めて脚光を浴びたカテゴリ。m4/3 に加えて Nikon 1、PENTAX Q などの小型センサを搭載したボディが増えてきた今は、そこに注目する絶好のタイミングと言えるでしょう。
ま、軽く興味を持った程度の人でもオールドレンズの世界の概要を知れる、間口の広かった前作に対して、2 冊目でいきなりこのディープな世界に誘い込むというのは、このムックのシリーズ構成としてどうなんだ?とは思わざるを得ませんが(笑。

私は APS-C 派なので個人的にシネレンズにはそれほど興味を持っていませんが、まだ見ぬ沼の淵を覗き込むことができた、という意味ではなかなか楽しめる特集ではないかと思います。ホンネを言えばもっと他のオールドレンズについても書いてほしかったところですが、代表的なマウントと銘レンズに関しては、同氏のこれまでのオールドレンズ本である程度網羅されてきた気もするので、現時点を切り取った特集としては、うまくまとまっているのではないでしょうか。逆にこれ以上深掘りしようとすると、底なしの M42 沼やライカ M マウント沼に足を踏み入れることになるので、今くらいの深さで適当に浮かんでいるほうが幸せなのかもしれないなあ・・・とも思います(^^;;

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