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2016/08/31 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.6

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.6

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今年もこの季節がやってきました。澤村徹さんのムック『オールドレンズ・ライフ』の第 6 弾。こんなマニアックなムック本を年に一冊ペースで出し続けられるのにはただただ敬意を表します。

さすがにデジタル一眼市場も成熟の域に入り、これからオールドレンズ沼に足を踏み入れようという人はもうそれほど多くないはず。だから(一応今回もマウントアダプタの基礎知識コーナーはあるものの)初心者向け記事はそこそこに、どちらかというと中級者以上がより深みにはまるため(ぉ)のコンテンツが主軸になってきた印象を受けます。毎年新製品が出続ける現行レンズと違って、オールドレンズは急激に増えるということがないので、ともするとネタが枯渇して同じことを繰り返し言い続けるだけになりがち。ですが、本書はそういうワンパターンに陥らず、多種多様なオールドレンズの中から自分好みの一本に巡り合うための特集を中心に据えています。

第一特集は「マイ・ベスト・オールドレンズ」。著名なカメラマンや業界関係者(ユリシーズの魚住氏が登場されていたのには驚いた)がお気に入りの一本を紹介してくれています。ありがちなレンズメーカー別やマウント別といった選び方ではなく、描写の好みから選ぶための特集というのは今までありそうでなかったもの。とても興味深い内容になっています。
第二特集は「フィルムメーカー製レンズの彩り」。オールドレンズというとライカやツァイス、アンジェニューは定番中の定番。オールド ZUIKO や Takumar といったレンズ、あるいはロシアレンズあたりまではよく語られますが、フィルムメーカー製レンズというのは今まであまり語られることがありませんでした。が、近年では富士フイルムの現行 X マウントレンズが高く評価されていたり、フィルムメーカー製レンズも馬鹿にできません。フィルムで出したい表現から逆算して作られたレンズは、各メーカーの「フィルムの色」がデジタルのボディで使っても見えてくるもの。この特集では富士フイルムに加えて AGFA、Kodak、ILFORD のレンズが紹介されていますが、私も富士フイルムのオールドレンズは一度試してみたいなあ。

第三特集は「ゼロからはじめるレンズ構成概論」。ある程度カメラの知識がある人でも、レンズ構成の細かい部分までは理解できていないことが少なくありません。かくいう私も「ガウスタイプ」「レトロフォーカス」あるいは「プラナー構成」など代表的なものなら知っていますが、体系的に理解できているとは言いがたい。この特集は、オールドレンズでよく出てくるレンズ構成について、その成り立ちから特性まで網羅的にまとめられていて、とても勉強になります。現代のレンズは群も枚数も多くなりすぎて構成図を見ただけでは性格が分かりづらいことが多いですが、基礎知識を持っているだけでも多少は類推が効くというもの。

そして第四特集は「これが噂のボケモンスター」。ちょっと時流に乗ればいいってもんじゃないでしょというサブタイトルですが(笑)、いわゆる「スムーズなボケ」とは対照的にクセのあるボケ方をするレンズの特集です。バブルボケ、リングボケ、ぐるぐるボケといった通常ならば「汚い」と言われがちなボケも、使いようによっては幻想的な写真に演出するための武器になります。こういうのを好み始めるのは、日本酒で言えば純米酒や吟醸酒に飽きて癖の強い二級酒に手を出す呑兵衛の心境と似ていると思いますが(ぉ)究極の嗜好品としてのオールドレンズの楽しみ方なら、それもありかと。

近年ではオールドレンズだけでなく現行マウント向けの MF レンズがリリースされるなど、この世界もかなり成熟してきました。デジタルカメラ自体の販売はもう頭打ちになり、新製品は全体的に値上がり傾向だったりもして先行きに不安感はありますが、少なくともオールドレンズは逃げない(笑。長く楽しめる趣味として、今後も携わっていきたいと思います。

投稿者 B : 22:36 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2016/06/18 (Sat.)

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

フォトヨドバシのレンズレビューが本(別名:ヨドバシ版悪魔全書)になったよ!ということで、思わず買ってしまいました。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

今までも我々の物欲を幾度となく刺激してきたフォトヨドバシ。レンズを購入検討する際には必ず参考にするサイトの一つであり、むしろこのレビューがきっかけで買ってしまったレンズも何本かあります(笑。メーカー公式作例のように「わざわざそこに行く労力をかけないと撮れない写真」ではなく、基本的には日常生活の延長線上で撮れるスナップが中心という点でユーザーの実使用感に近く、そういう意味でもとても参考になります。まあ現像で追い込んでるんだろうなと感じる部分もあるし、そもそも自分との撮影センスの決定的な差は感じますけどね!(泣
今でこそ、大手カメラ店が自社サイトにカメラやレンズの実写レビューを掲載する手法は一般的になりましたが、フォトヨドバシは掲載される写真の良さと文章のエモーショナル度で群を抜いていると思います。

これまで掲載されてきた膨大な作例の中には、「これはモニタじゃなくてプリントで見たい」と思うほどクオリティが高いものも数多くありましたが、まさかこれを本当に本にしてしまうとは。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

しかし、これまでの膨大なレビューの数々を全て掲載できるわけでもなく。総ページ数 272 という分厚いムックながら、ほとんどのレンズについては写真・テキストともに抜粋版での掲載となっています。その結果、レンズの紹介ムックとしてはごく一般的な構成になってしまっているのはやや残念なところ。それでも一部のレンズに関しては数ページを費やして大判の作例が掲載されており、そうそうこうやって写真をじっくり眺めたかったんだよ、という欲求に応えてくれます。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

ムックのタイトルからしてキヤノン製の EF/EF-S レンズしか掲載されていないのかと思ったら、EF/EF-S マウントに対応したツァイス、シグマ、タムロンなどの他社レンズまで網羅されている充実度。同スペックのレンズの中でどれが自分の好みに合っているかを見比べられるのはいいですね。チャートを撮ったり逆光性能をテストしたりしているわけではないのであくまで感覚として好みに近いものを、という感じですが、ヨドバシの担当者が「このレンズにはこういう被写体がいいと思うよ」というのを選んで載せているわけで、スペックで比べるよりも購入後の満足度は高そう。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

このムックの内容自体は普段からフォトヨドバシを見ている人にとってはあまり新しいネタはありませんが、各章の間に挟まれているコラムは今回のための書き下ろし(たぶん)。フォトヨドバシの編集部メンバーがどのようにあのサイトを作っているかの断片が読み取れて、本編以上に興味深い(笑。

個人的には英語版サイトの翻訳担当者さんのコラムが面白かった。日本語版ではオーディオの評論にも似た抽象的な表現が多用されますが、英語版では海外のレビューサイトのようにストレートな言葉に変換されているようです。確かに、海外サイトに掲載されている「○○はこれまでで最もシャープなレンズのひとつ」みたいな表現って、国内のレビューサイトではまず見ないですからね。言われてみれば、海外では(まあ日本でも一部雑誌はそうだけど)とにかくチャートやベンチマークを使って解像度とシャープネス一辺倒なのに対して、日本は案外そうでもない、という違いはあるように思います。アマチュアの機材選びなんて結局は趣味なんだから、自分が使っていて気持ちいいと思えるものを選んだらええねん。

ちなみに今ならこのムック、EOS ユーザーだけでなく MC-11 持ちの α ユーザーにとっても、深遠な沼の入口となってくれるのではないでしょうか(笑

私もまだざっとしか読めていないので、この週末で読み込んでみたいと思います。きっと機材買ったり写真撮ったりしたくなるんだろうなあ。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

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投稿者 B : 14:09 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2015/09/02 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.5

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.5

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前作からちょうど一年、澤村 徹さんのムック『オールドレンズ・ライフ』の最新刊が発売されたので、さっそく購入。このシリーズも気がつけばもう 5 冊目ですが、未だとどまるところを知らない勢いを感じます。

Vol.4 の時点で α7 シリーズによる「35mm 判レンズ本来の画角での撮影」および縮小光学系マウントアダプタによる「APS-C ボディでの擬似 35mm 判画角での撮影」が可能になっており、オールドレンズ本としては一旦行き着くところまで行った感がありました。オールドレンズって毎年新製品が出てくるものでもないし(笑)、さすがにそろそろネタが枯渇してきたのでは、と思っていたら、今回の主なトピックは

  • 旧東独・ロシアレンズ特集
  • 中判オールドレンズ特集
  • 現行 MF レンズ特集
  • まだまだ出てくる新型マウントアダプタ
という、かなり上級者路線を攻めてきました。

オールドレンズの入り口といえば旭光学やオリンパスの旧ズイコー、あるいはヤシカ/コンタックス用ツァイスレンズあたりが定番ですが、ツァイス・イエナを中心とした旧東ドイツレンズや安価なツァイスコピー品であるロシアレンズ側にも、広く深い沼が広がっています。特にイエナ製レンズはオールドレンズとは思えない安定した描写を誇っており、ツァイスにしては安価なこともあって入門用として比較的手を出しやすいのも事実。私もイエナ製の MC Sonnar 135/3.5 は一本持っていたりします。
とはいえ入手性がも情報も限られているこのあたりのレンズにいきなり手を出す初心者もいないでしょう。この『オールドレンズ・ライフ』シリーズは初心者をあまり考慮せずにいきなり沼の深いところから始まることが多いですが(笑)、それでも今回のは今までよりもさらに深淵からスタートしている、と言えます。私もさすがに、中判オールドレンズに手を出す予定は今のところないかな(笑。

個人的注目はやはり現行 MF レンズ特集。少し前までは新品で買える MF レンズといえばライカかコシナ製ツァイス/フォクトレンダーくらいしか選択肢がありませんでしたが、オールドレンズブームのもとで新規に MF レンズを発売するメーカーが複数現れてきました。中でも、今回のムックは富岡光学(ヤシカ/コンタックス用ツァイスレンズを OEM 生産していたメーカー)の Tominon 55mm F1.2 の復刻版にあたる木下光学「Kistar 55mm F1.2」、そしてマウントアダプタメーカーとして有名な Hawk's Factory が Tsubasa ブランドで開発したレンズ第一弾「Swallow 35mm F2」の発表の場を兼ねています。それほど重要な媒体になったと考えると、初期の頃から応援してきたファンとしても嬉しい限り。
一口に現行 MF レンズと言っても、過去の名玉の描写を再現することにこだわったものから既存レンズにないスペックを目指したもの、そして MF でありながら現代的な高解像度を実現しようとしたものまでバラエティに富んでいます。オールドレンズはアジア方面の需要増で年々値上がり傾向にありますが、現行 MF レンズであれば価格が安定しており入手しやすいという利点もあり。いきなりオールドレンズ、ではなくまずは現行 MF レンズから始める、という選択肢もあると言えます。

個人的にはやっぱり東独かなあ。イエナの Flektogon 20/4、35/2.4 は以前から手に入れたいレンズではありました。最近、AF でラクをしてばかりだったけど、AF レンズはめぼしいところはだいたい揃えてしまったので、改めてオールドレンズ収集に走りたくなってきました。

投稿者 B : 21:55 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2014/10/30 (Thu.)

ザ・レンズマニアックス

澤村 徹 / ザ・レンズマニアックス ~ミラーレスと一眼レフで陶酔するオールドレンズの世界~

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デジタル一眼カメラにおけるオールドレンズ使用の第一人者・澤村徹さんの最新の著作が発売されたので、すかさず買ってきました。ここ数年、1 年に 1 冊以上のペースでオールドレンズ本を刊行し続けるペースの高さには脱帽します。

この書籍は、「日本カメラ」誌に掲載されていた同名の連載を単行本としてまとめたもの。そのため、今までのムック系の冊子とは少し毛色の違う書籍に仕上がっています。今までのムックは、ほとんどが入門書としての役割も兼ねていて、レンズマウントやマウントアダプタの解説、オールドレンズをデジタルボディにつけて撮影する手順から書かれていたので、そういうページは「うん知ってる」と思いながら読み飛ばしていました。むしろ「そういうのはいいからレンズ紹介や作例掲載にもっとページを割いてよ」と思っていたのも事実です。それに対して、今回の書籍は初心者向けの解説は最小限に留め、レンズと作例に最大限のページを割く構成になっています。
そういう意味では、今までのムックは「オールドレンズの間口を広げるために企画から練られた本」だったのに対して、この書籍はその名の通り「レンズマニアに向けて作られた本」ですね。なんたって、いきなり冒頭から CONTAX G 用 Hologon を掲載するというマニアックさなわけですから(笑。

オリジナルの連載が掲載されていたのが 2011/1~2013/12 のちょうど 3 年間。ミラーレスカメラの台頭によるオールドレンズ人気の高まりから、α7 シリーズの登場によるオールドレンズフルサイズ時代の到来まで、まさにひとつの時代をまとめた格好になります。掲載されているレンズも、メーカー・マウントともにバリエーション豊富で、ミラーレスに限らず DSLR 向きのレンズも含め実に豊富な 39 本。「なぜイエナ三兄弟(東独 Zeiss Jena の Flektogon 20mm、同 35mm、Sonnar 135mm の 3 本)を集めてしまうのか?」など、オールドレンズ好きならばニヤリとしてしまう切り口で紹介されていて、実に楽しい。でも、Jena はオールドレンズ沼でいえばまだまだ淵のほうにすぎず、Jena とか CONTAX G あたりで踏みとどまっている私はまだまだ甘いと言わざるを得ません。まあ、だってコシナ製フォクトレンダーみたいな、新品で買えて味もあるのに描写にハズレがないレンズが普通に買えてしまうと、そこだけで十分楽しかったりもしますからね。

レンズの解説としては、「昭和初期の日本文学に登場するような、深窓の令嬢がイメージだ」とか「さながら、真実だけを刻む速記者のようだ」とか、まるでワインの味や高級オーディオの音を評価するような表現で、思わず笑ってしまいますが、最近の解像度一辺倒、MTF 曲線やらチャート実写やらでレンズ性能を評価する業界やユーザーの傾向もどうかな、と思っていたので、逆に新鮮(笑。まあ、解像性能が至上であればわざわざオールドレンズに手を出す必要はないわけで、レンズのクセまで含めて愉しむ本道に鑑みれば、こういう情緒的な表現のほうが合っているのかもしれません。それぞれのレンズに対する澤村さんご本人の出会いや思い入れを絡めて書かれているので、共感も持てますね。

買ったばかりでまだあまり読み込めていませんが、じっくり読む価値のあるレンズ本だと思います。私はとりあえずイエナ三兄弟でまだ持っていない Flektogon の 2 本から物色していきますかね...。

投稿者 B : 23:28 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2014/08/24 (Sun.)

オールドレンズ・ライフ Vol.4

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.4

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1 年ぶりの発刊となる、澤村 徹さんの『オールドレンズ・ライフ』最新号が発売されました。年に 1 冊ペースでの刊行が続いていて、澤村さんのオールドレンズにかける情熱に感心するとともに、こういうムックが定期的に発売できる市場の熱も実感しますね。

前号のテーマは「オールドレンズ・フルサイズ宣言」でしたが、当時はフルサイズでオールドレンズを堪能できるレンズは実質的に EOS フルサイズ機かライカ M くらいしかなく、Speed Booster のような特殊マウントアダプタを用いて APS-C 機でフルサイズ相当の画角を得る、というほうが現実的だったように思います。それが今は α7 シリーズの登場により、オールドレンズを本来の画角で使える環境がぐっと身近になりました。そういう意味では、時代がこのムック創刊の志にようやく追いついた、と言えるのかもしれません。

今号は大口径オールドレンズ、特に各社のフラッグシップである F1.4 以下のものを中心に取り上げています。とはいえいずれもそうそう手が出る価格帯のレンズではありませんが、別特集として廉価な大口径オールドレンズもまとめられています。特に国産オールドレンズや望遠系レンズでは大口径であっても比較的入手しやすいものが多く、現実的にはこちらのほうが狙い目かも。1980 年のタムロン 300mm F2.8 なんかも取り上げられていて驚きましたが(笑)、超望遠系レンズの被写体は MF だと辛いことが多いので、個人的には 135mm~200mm 級の大口径レンズのほうが良さそうだなと思います。

ボディ側で取り上げられているのは α7 シリーズとニコン Df。α7 シリーズは α7S の登場によってついに Hologon が実用レベルになりました。35mm カメラ用のほぼ全てのレンズが装着できると言って良く、去年の夏までに α7 シリーズが発売されていれば、前号の内容はもっと違ったものになっていたかも。
ニコン F マウントはフランジバックの関係でレンズの選択肢が少なく、ニコンのオールドレンズか M42 マウント、あるいは Y/C やライカ R のマウント改造くらいしかありません。EOS よりも選択肢が限られるわけですが、非 Ai ニッコールレンズが自動絞り/Exif 連動で使えるのがメリットなので、実質的にはニコンのオールドレンズをデジタルで愉しむためのボディ、ということになります。

また、巻末には主要なカメラアクセサリメーカーとマウントアダプタメーカーの特集記事が掲載されています。これがまた、ちゃんとそれぞれのメーカーに取材を実施しての記事という気合いの入りよう。工房の取材や代表へのインタビューなど、それぞれを別途数ページの記事に独立して掘り下げてほしいほどの充実度です。また、マウントアダプタに関しては、各メーカーごとに発売済みのアダプタ一覧表が掲載されているのも実用度高し。

最新のカメラやレンズと違って、オールドレンズはどんどん新しいものが出てくる世界ではありませんが、技術の進歩によって次々に新しい愉しみ方が開発されていく、という状況は非常に興味深いものです。今号は同シリーズの中でも、集大成的な内容の濃さと言って良いでしょう。
私は、MF の単焦点レンズは純粋なオールドレンズよりもむしろコシナの現行フォクトレンダーのコストパフォーマンスの高さに気を取られがちでしたが、これを読んで、久しぶりに中古カメラ屋巡りをしてみたくなりました。

投稿者 B : 20:40 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2013/09/14 (Sat.)

オールドレンズ・ライフ Vol.3

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.3

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Vol.2 以来 1 年 3 ヶ月ぶりに発売された、澤村 徹さんのオールドレンズムックの第 3 弾。オールドレンズ好きとしては迷わず手に入れました。

今回のキーワードは「オールドレンズ・フルサイズ宣言」。ライカ M、昨年一気に低価格化したフルサイズ一眼レフ、さらに Speed Booster のようなマウントアダプタを使った APS-C 機での疑似フルサイズ撮影など、この 1 年で「フルサイズ画角でオールドレンズを使う」というカメラの楽しみ方が、急に身近になってきました。この流れは今後もしばらく続くでしょうが、そういうトレンドの渦中に出た、決定版のようなムックです。

巻頭特集はライカ M Typ 240 で主に M マウントレンズを楽しむ内容ですが、本書の見どころはむしろそれ以降にあります。フルサイズ EOS で使う個性的なオールドレンズ群、METABONES Speed Booster で改めて楽しむオールドレンズ群、というパートもさることながら、「『2 万円』ではじめるオールドレンズ」特集と「ベストマウントアダプターを探せ!」特集が、初心者には初心者なりにやさしく、でも既にオールドレンズを使っているユーザーが読んでもそれなりにマニアックにまとまっているという絶妙な深さで、とても興味深く読ませていただきました。あと、ありそうでなかった「オールドレンズに効く RAW 現像テクニック」。RAW 現像を使えばオールドレンズでもそれなりに現代レンズらしくも現像できるし、あるいはレンズの「味」を残して描写上気に入らない部分だけを補正することも比較的容易。今このタイミングでオールドレンズに手を出そうというユーザーであれば、それなりに深みに入る覚悟はできているはずで(笑)、そういう人にはかなり読み応えがある一冊ではないでしょうか。

私はここまでオールドレンズといってもツァイス中心に揃えてきましたが、国産オールドレンズも安価な割になかなか面白そうなんですよね。ひさびさに中古カメラ屋を覗きたくなる、そんな一冊です。

投稿者 B : 00:29 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2013/02/13 (Wed.)

オールドレンズの奇跡

上田 晃司 / オールドレンズの奇跡

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久しぶりにオールドレンズ本を買いました。最近は本で読むよりも気になった方向のレンズ群について Web で自分で調べたり、実際に店頭に行って手に取ってみたり、と自ら沼の中を突き進んでいくほうが楽しいんですが、この本は今まであまり書籍で取り上げられてこなかったオールドレンズについて触れられているようだったので。

今まであったオールドレンズ本の多くが各マウントのレンズを 1~2 本紹介する程度でどちらかというと間口の広さを重視した内容だったのに対して、この本はどちらかというと深い方向、例えば他のオールドレンズ本にはないほど多くのライツ、あるいはキヤノンでも Serenar だったり、ミノルタではなく千代田光学時代の SUPER ROKKOR だったり、本当の意味での「オールドレンズ」が多く紹介されています。これに比べたら YASHICA/CONTAX なんて全然現代のレンズですよ、と言いたくなってくるほど。
この書籍の元ネタは玄光社の『フォトテクニック デジタル』誌における同名の連載で、登場する機材(ボディ)にはちょっと旧いものもあります。また、単行本のために吟味されたレンズチョイスではないためか、レンズ選びにまつわる失敗談も多く、そういう点ではこれからオールドレンズの深い沼に足を踏み入れようとする人には注意点が分かって参考になる反面、純粋にそのオールドレンズの実力を知りたいを思っている人には向かないかもしれません(まあ、オールドレンズである時点で個体差は少なからず存在するもので、真の実力値というのは定義しづらいのも事実ですが)。

個人的には、今まであまり深掘りしてこなかった方面のオールドレンズに関する情報がいろいろ得られたのが良かったいっぽうで、レンズの評価に使われる語彙が乏しく、「空気感まで写す」みたいな表現が多用されすぎていたのがイマイチ。「レンズの味」とか「空気感」と言ってしまうと、結局主観的に好みかどうか(そこには書き手がそのレンズに払った対価に対して自己肯定したいというバイアスも含まれる)に収斂してしまって客観的な分析ができなくなってしまうので、オールドレンズ選びの参考にしたい人向けの読み物としてはどうかなあ、と思うわけです。ま、そもそもオールドレンズなんて現代的な解像力を求めて買うものじゃなし、そういう楽しみ方でいいんでしょ、という考えもアリですが。

ちなみに本書の内容は、抜粋バージョンが「Lite 版」として雑誌オンライン他で試し読みできるようになっているので、興味のある方はどうぞ。

オールドレンズの奇跡 Lite 版 (雑誌オンライン+BOOKS)

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2012/09/25 (Tue.)

『ツァイス 激動の 100 年』、購入

アーミン・ヘルマン 著、中野 不二男 訳 / ツァイス 激動の 100 年

ツァイス 激動の 100 年

以前図書館で借りて読んだ本を、今さらながら購入。最近、あまり紙の本の在庫を増やしたくなくて、できるだけ電子版で買うようにしているんですが、さすがにこういう数の出ない旧著の電子化はあまり期待できるものではないですね。でもツァイスファン的にはこの本は持っていても良いかなと思いました。1995 年刊でとっくに絶版になっている書物ですが、古本でも良ければ Amazon マーケットプレイスにはかなりの数の出品がありました。

ツァイス 激動の 100 年

注文したのは「良い」状態の中古品。どの程度の状態なのか若干不安ではありましたが、ものすごくきれいというわけではないにせよ、まあきれいかな、と思える品でした。少なくともブックオフの棚に並んでいろんな人の手垢がついたものよりは良いでしょうし、梱包も丁寧で好感が持てました。届くまで現物が見られないデメリットはあるものの、絶版本を探して古本屋を巡る必要がないという点では、良い時代になったものです。

この本の内容については以前書いたので割愛しますが、改めて現代の、これからの日本企業のありようについて考えさせられる一冊ですね。知財とブランドだけ残れば良いとは思いませんが、何を自社の本質価値と認識して高めていくか。ツァイスが追求したこの品質をどのように自社で実現していくべきか。やはり何度読んでも、この一文が胸に刺さります。

「ずるがしこさではなく、徹底した正確さと信頼性、もういっぽうでは、商品の投げ売りではなく、安定した価格と、顧客に対する専門的アドバイスとサービス、そしていつも同じようにもうしぶんない応対」

そういえば、来年にはツァイス自身がミラーレスカメラ向けレンズ市場への参入を予定していますが、ソニーやコシナ経由ではない製造・販売がどのような形態になるのか、そしてそこからどのように上記の哲学を感じることができるのか、今から楽しみです。

投稿者 B : 23:09 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2012/06/20 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.2

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.2

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デジタル一眼におけるオールドレンズの第一人者・澤村 徹氏の最新のオールドレンズ本が発売されたので、さっそく読んでみました。1 年前に発売された玄光社のムック『オールドレンズ・ライフ』の続編にあたる本です。

同氏の著作としてはその間に『オールドレンズ レジェンド』を挟んではいますが、この 1 年の間にオールドレンズのベースに相応しいボディも NEX-7/5N、フジ X-Pro1、GXR MOUNT A12、OM-D、Nikon 1、PENTAX Q、とかなりのバリエーションが広がりました。センササイズも APS-C や m4/3 に始まって 1inch サイズや 1/2.3inch など、オールドレンズが本来想定していたフォーマットに近いボディを選べる時代になっています。個人的には、過去の名だたる 35mm フィルム一眼レフやレンジファインダ用レンズを本来のイメージサークルに近い APS-C ボディで使ってこそとは思っていますが、実用ではなく趣味の領域としてのオールドレンズならでは、性能本位ではないレンズの「味」というものや、思い入れのあるオールドレンズの再利用という意味で、他のフォーマットにもそれなりの楽しみはあるでしょう。

ということでここ 1 年の間にボディの選択肢も広がり、かつマウントアダプタも単にマウントを変換するだけでなくティルト対応絞り内蔵AF 対応絞り・AE 連動かつ手ブレ補正対応、など信じられないほどバリエーションも豊富になっています。ネタは豊富だけどテーマを絞るのが難しい時代になってきたよなあ・・・と思っていたら、今回のムックではシネレンズにフォーカスが当たっています。シネレンズといえば、高性能にも関わらずフランジバックが短くイメージサークルが小さいせいで従来の一眼レフには使用できず、フランジバックの短いミラーレス一眼(中でもイメージサークルの小さい m4/3 以下のフォーマット)が登場して初めて脚光を浴びたカテゴリ。m4/3 に加えて Nikon 1、PENTAX Q などの小型センサを搭載したボディが増えてきた今は、そこに注目する絶好のタイミングと言えるでしょう。
ま、軽く興味を持った程度の人でもオールドレンズの世界の概要を知れる、間口の広かった前作に対して、2 冊目でいきなりこのディープな世界に誘い込むというのは、このムックのシリーズ構成としてどうなんだ?とは思わざるを得ませんが(笑。

私は APS-C 派なので個人的にシネレンズにはそれほど興味を持っていませんが、まだ見ぬ沼の淵を覗き込むことができた、という意味ではなかなか楽しめる特集ではないかと思います。ホンネを言えばもっと他のオールドレンズについても書いてほしかったところですが、代表的なマウントと銘レンズに関しては、同氏のこれまでのオールドレンズ本である程度網羅されてきた気もするので、現時点を切り取った特集としては、うまくまとまっているのではないでしょうか。逆にこれ以上深掘りしようとすると、底なしの M42 沼やライカ M マウント沼に足を踏み入れることになるので、今くらいの深さで適当に浮かんでいるほうが幸せなのかもしれないなあ・・・とも思います(^^;;

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2011/11/25 (Fri.)

オールドレンズ レジェンド

オールドレンズレジェンド 本日発売です!: metalmickey's blog
澤村 徹 / オールドレンズ レジェンド

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最近、けっこう定期的に刊行されている澤村 徹氏著のオールドレンズ本の最新刊。既刊『オールドレンズ パラダイス』『オールドレンズ パラダイス 2』『オールドレンズ・ライフ』あたりが比較的オールドレンズ初心者向けに、「沼の入り口」へと誘う書物だったのに対して、本書は沼の深みに引きずり込もうと言うのか!というマニアックな一冊になっています(笑。

従来は EOS、m4/3、NEX など書籍ごとにテーマとするマウントを決めて、それに適合するレンズを紹介する、という体裁だったのが、今回はどちらかというとレンズ軸で語っていく内容。メーカーや発売時期が異なるほぼ同スペックのレンズ同士を比較してどう違うのか?という切り口でオールドレンズを比較する、今までにありそうでなかった切り口のオールドレンズ本です。

本家 Sonnar 対「ゾナーコピー」であるロシアの Jupiter、Flektogon(モノコート)対 Flektogon(マルチコート)、Zeiss 対 Zeiss Jena といえる Distagon 対 Flektogon(ただし中判用での比較)、Zeiss T* コーティング対 Rollei HFT コーティングがキモな究極の Planar 50mm 対決、同じ Y/C マウント内での Distagon 25mm 対ヤシカ ML 24mm、など、比較してみたかったけど自腹じゃ無理だったツァイスファンにはたまらない対決が多く、非常に読み応えアリ。他にも Summicron 対 Rikenon、Elmarit 対 Rokkor といったライカレンズと国産レンズの比較や、ミラーレス機の流行で注目の高まるシネレンズ比較など、ツァイスマニアでなくとも楽しめるのではないでしょうか。個人的には、今まで買ったオールドレンズ本の中で最も写欲と物欲をくすぐられた一冊でした。

私はここのところさっぱりカメラをいじる時間が取れていませんが、これを読んで久々に中古カメラ屋巡りをしたくなりました。欲しいけど保留にしていたレンズがいっぱいあるんだよなあ・・・。

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2011/06/10 (Fri.)

オールドレンズ・ライフ

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ

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オールドレンズ パラダイス』『オールドレンズ パラダイス 2』の澤村 徹氏の新刊。『パラダイス』はほぼ EOS ユーザーのための本、『パラダイス 2』はマイクロフォーサーズの本だったのに対して、今回の『オールドレンズ・ライフ』は NEX とマイクロフォーサーズをターゲットに書かれています。今まで、他の企画本の中で NEX+マウントアダプタも扱った本、というのはありましたが、もしかしてオールドレンズのための本で NEX をメインに扱っているのは本書が初めてではないでしょうか?というか、最近オールドレンズ本で新刊を出してくれるのは澤村氏くらいしかいないわけですが(笑。

本書を読むと現時点でこんなにあったのか!と驚くほど幅広いバリエーションのマウントアダプタが E マウント、マイクロフォーサーズマウント向けにリリースされていることが分かります。以前、CP+ で KIPON の Ivan Zhang CEO にお話を伺ったときにはマウントアダプタのメイン市場は米中欧とのことだったので、ミラーレス機の登場により世界的にマウントアダプタ遊びが流行しているのでしょう。

なお、これまでのオールドレンズ本はどちらかというと「このレンズをデジタルで使いたい!」というモノ寄りのアプローチで書かれていて、写真よりもカメラをガジェットとして楽しむカメラ好き向けの本という印象が強かったと思います。が、本書は A4 判ということもあり作例中心の作りになっていて、「このレンズを使いたいから」ではなく「こんな写真を撮りたいから、オールドレンズを使う」というレンズ選びの一助となっているところが、従来のオールドレンズ本とは一線を画しています。私はメカからでも入れますが(笑)やっぱりこれが本来のレンズ選びの順序ですよね。仮にオールドレンズに手を出さないまでも、クッキリカッチリしたデジタル向けレンズの画作りとは違う、こんな世界もあるんだーということを眺めて知るだけでも、読んでみる価値はあるんじゃないでしょうか。

という感じで、オールドレンズ初心者にもお勧めな間口の広い本だとは思いますが、既にミラーレス機でマウントアダプタ遊びをしているユーザーもなかなか侮れない深さも本書は併せ持っています(笑。ミラーレスがなかった頃は、マウントアダプタ遊びといっても EOS に Y/C マウントのツァイスレンズをつけるか、あるいは広大な M42 星雲に足を踏み入れるか、の事実上二択に近い状況でしたが、フランジバックの極端に短いミラーレス機の登場によって、私も愛する CONTAX G、あるいはキヤノン FD、ミノルタ MD という名だたる死蔵レンズ、誰もがあこがれるライカ L・M マウントレンズ、そしてマニアックなシネレンズの世界・・・など、沼の広さも深さも格段に大きくなっています(笑。そんな世界へと誘ってくれる、恐ろしい一冊でもあったりします。

友人関係を誘ってもなかなかこっちの世界に来てくれる人がいないんですが(ぉ)、ミラーレスを買って純正レンズに飽き足らなくなったら、この本をパラパラとめくってみるだけでも面白いかもしれませんよ・・・!

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2010/10/25 (Mon.)

フォクトレンダー VM & カールツァイス ZM レンズ WORLD

フォクトレンダー VM & カールツァイス ZM レンズ WORLD

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コシナから発売されている Voigtländer と Carl Zeiss の Leica M マウント互換レンズについてまとめたムック本が発売されたので、買ってみました。

まさにミラーレス機人気の高まっている今だからこそ出せた企画だと思います。ちょっと前であれば銀塩のレンジファインダカメラやエプソンの R-D1 シリーズでマニアな方々が細々と楽しんでいた M マウントレンズの世界が、マイクロフォーサーズと NEX の登場で一気に注目を浴びるようになっています。このムックも、一応 Leica M8/M9 や R-D1 も押さえてありますが、どちらかというとミラーレスデジタルを主眼に置いて書かれている印象を持ちました。

最近のレンズは性能(主にシャープさ)が重視され、コンピュータ設計になったこともあって個性的な製品が少なくなっています(おかげでレンズ購入時の失敗が少なく、間口が広がっているのも事実ですが)。でも Carl Zeiss や Voigtländer のブランドを受け継ぎ、カメラに対する趣味性や愛の部分を大切にしているコシナには、性能だけでなく哲学を感じるレンズがラインアップされていると思います。とはいえ今までは一眼レフ用レンズにしか興味がなかった私は、これらの VM/ZM レンズ群はバリエーションが多かったこともあり、今まであまり気にしていませんでした。が、改めてこうやって一つ一つを見ていくと、なんと個性的なレンズが揃っていることか。
また、M マウントは一眼レフ用に比べてレンズ自体が小さいせいか、スペックが高い製品でも一眼レフ用に比べれば高価くないことも重要です(笑)。例えば同じ 35mm F1.4 でも、EF マウントでは定価¥205,000 するところが、NOKTON classic なら¥75,000 しかしません。VM/ZM マウントは MF レンズだし一眼レフにはつけられないのでその点は割り引いて考える必要がありますが、明るいレンズを安く使えるというのは、サラリーマン的には非常に重要。まあ、¥75,000 のレンズを「安い」と言ってしまう感覚がすでにオカシイことは自覚しています(´д`)。

とはいえ、NEX で使える MF レンズとしては CONTAX G 用レンズのコストパフォーマンスが高すぎる(安いだけじゃなくて正真正銘の Zeiss だし、スペックも悪くない)ので、代表的な焦点距離は CONTAX G で揃えて、マニアックなスペックや独特の描写をするもの、CONTAX G には存在しない焦点距離のレンズが欲しいときに VM/ZM レンズを選ぶ、というのが NEX ユーザー的には正しいような気がします。

あと、本書で特筆すべきは単にレンズについて説明しているだけでなく、コシナのレンズ製造工場の取材記事に多くのページを割いているということ。コシナは最近ときどき工場見学を開放しているようですが、長野まではなかなか行けるものでもないので、こうやってバーチャル工場見学ができるだけでも非常に貴重だと思います。

もし、NEX やマイクロフォーサーズでレンズ沼に片足を突っ込んでいて、Zeiss や Voigtländer に興味があるなら、ご一読をオススメします。

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2010/08/17 (Tue.)

オールドレンズ パラダイス 2

澤村 徹 / オールドレンズ パラダイス 2

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澤村 徹氏のオールドレンズ本の新著が発売されたので、読んでみました。

フォーマット的には前作『オールドレンズ パラダイス』のそれを踏襲しており、今回はマイクロフォーサーズ機で使えるオールドレンズとマウントアダプタについての解説が網羅されています。紹介されているレンズは従来の DSLR ではフランジバックの都合で使用できなかったミノルタ MD やキヤノン FD、あるいは各社のレンジファインダー機やシネレンズ、マニアックなところではオリンパス PEN F やペンタックス auto110 といった「マイクロフォーサーズならでは」のオールドレンズ群にフォーカスしており、M42 や Y/C などの代表的なオールドレンズマウントについては省略されているため、前作と併せて読むのが良いかと。
個人的には NEX では CONTAX G レンズをひととおり試してから他のレンズに手を出してみたいと思っていますが、MC ROKKOR-PG 58mm F1.2 とか New FD85mm F1.2 あたりのレンズは試してみたいところ。レンズの「味」がオールドレンズの醍醐味ではありますが、逆に最近ではなかなか製品化されない・あるいは発売されていても高くて手が出ないスペックのレンズが比較的安価に楽しめるのも、オールドレンズの良さじゃないかと思います。
あとは NEX で使うならミノルタの M-ROKKOR(ミノルタが Leitz と共同開発したレンジファインダー機「ライツミノルタ CL」用の M マウントレンズ)を使うのも粋かもしれません。

澤村氏にはこの勢いで旬の NEX を題材に『パラダイス 3』を執筆してほしいところではありますが、レンズチョイスが m4/3 とかなりかぶるので、難しいかなあ。

投稿者 B : 01:00 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2010/08/01 (Sun.)

ソニー NEX-5 NEX-3 ナビゲーションガイド

ソニー NEX-5 NEX-3 ナビゲーションガイド

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NEX のムックはソニースタイルでの購入特典でもらったのが 1 冊あるので買わないつもりでいましたが、ちょっと異色とも言える興味深いムックが出たので買ってみました。

デジタルカメラのムックというと、たいていは使い方の解説とプロカメラマンによる作例、そして純正レンズ(まれにレンズメーカー製の互換レンズ)の紹介、というつくりが典型的で、私も新しいカメラを買ったら 1 冊記念買いする程度でした。
でもこのムックは、通常とはやや異なった構成で、初心者向けの内容も押さえてはあるものの、作例はより具体的に実際のシチュエーション(使いかた)を想定したもので既にカメラをある程度知っている人でも参考になるし、なんといっても後半のオールドレンズ特集が圧巻。

オールドレンズ特集はもはや今この人を置いてオールドレンズは語れないという澤村 徹氏の監修で、単にオールドレンズの紹介に留まらず、オールドレンズ+カメラドレスアップを組み合わせたデジカメ Watch の連載「デジカメドレスアップ主義」の出張拡大版といった雰囲気になっています。
ここで紹介されているマウントアダプタは現在国内で正規流通している製品に限られるので、残念ながら KIPON の CONTAX G-NEX マウントアダプタ(現時点ではネットオークション等でしか入手できない)が掲載されていないのが残念ですが、それでも現状の NEX でのマウントアダプタ遊びの概要を把握するには十分な内容じゃないかと。一部デジカメ Watch の連載と重複している内容もありますが、サードパーティ製のストラップ/ケースも数多く紹介されているので、買って損はないと思います。
このムックの実に約 1/3 の分量がオールドレンズ+ドレスアップに割かれているのには正直恐れ入りました(笑。

NEX でのオールドレンズ遊びのために近々発売される『オールドレンズ パラダイス 2』も購入するつもりでいますが、こちらも楽しみ。

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2010/06/27 (Sun.)

ツァイス 激動の 100 年

アーミン・ヘルマン 著、中野 不二男 訳 / ツァイス 激動の 100 年

ツァイス 激動の 100 年

ツァイスファンなら読んでおかないと、というこの書物。それでも正直「重そう」なイメージが強かったのでここまで避けてきましたが、ふくいのりすけ氏の blog で紹介されていたので、改めて読んでみようと思い、手に取ってみました。とはいえ書籍はもう絶版になっているので、図書館で借りてきました。

カール・ツァイスとエルンスト・アッベによって設立された Carl Zeiss。その光学工場の設立から第二次世界大戦に伴う受難、東西ドイツの分割からベルリンの壁崩壊後の統一までの長い長い、それこそ激動の歴史を綴った書物です。と書いただけでも「重い内容」っぽいですが、冒頭がドイツ敗戦後の米軍のツァイス本社への進駐から始まるあたり、気合い入れないと読めません(笑。

この書物には残念ながらカメラ好きが期待するようなカメラの話はほとんど出てきませんが(Zeiss Ikon や Voigtländer、Tessar といった固有名詞は一応出てくるけど、それらについて深く解説されることはない)、逆に Carl Zeiss という企業がその長い歴史の中で、光学技術をもって科学や医学、工業や軍需産業といった産業に多大な貢献をしてきたことが述べられています。例えばコッホの結核菌の発見には Zeiss の顕微鏡が使われたことや、現代のプラネタリウムの原理は Zeiss が開発したものであること、という例を出すだけでも、Carl Zeiss という企業の偉大なる実績が分かることでしょう。
また、研究や製品だけでなく、現代企業の雇用制度の多くは Zeiss の創始者の一人であるエルンスト・アッベが長い時間をかけて作り上げた定款を参考にしており、雇用や厚生といった制度面でも社会の近代化に大きな影響を与えたのも事実です。

私が Zeiss というブランドに惹かれる最大の理由はそのレンズが描く画ですが、その背景にあるのはやはり企業全体として科学者や技術者に最大限の敬意を払っていることに、元いちエンジニアとして共感できるからではないでしょうか。かつての Zeiss の役員であるショーメルスの言葉にあるとおり、

「ずるがしこさではなく、徹底した正確さと信頼性、もういっぽうでは、商品の投げ売りではなく、安定した価格と、顧客に対する専門的アドバイスとサービス、そしていつも同じようにもうしぶんない応対」
を実直に実践しようとする姿勢そのものに、賛同できるからだと思います。
もちろん、この書物の中で書かれていることには多少の美化は含まれているでしょうし、最近ではコンデジだけでなくケータイや PC 用の Web カメラにも「Carl Zeiss」の名が入ったものが存在するように、分野においては名ばかりの存在になっている側面も否定はできません。が、訳者の中野不二男氏もあとがきで触れているように、日本の産業の直面する状況をも示唆しています。
この本に描かれているツァイスの姿は、そういう紆余曲折を経て成熟した技術立国になりつつある現在の日本の姿と、オーバーラップする部分があまりに多い。科学と、そして技術という、まさに名前だけの「無形の価値」で世界のトップを走りつづけてきたツァイスが、コンタックス製造の場を日本に移したように、日本の産業の海外移転が各分野ですすんでいるのもその一例だ。
今日のツァイスの姿は、もしかしたら明日の日本の工業界の姿なのかもしれない。しかし、かりにそうであるとするならば、日本には名前だけで残すことのできるものが、はたしてどれだけあるのだろうか。
この書物(日本語版)が出版されて 15 年もの歳月が経った今、それがより現実のものとして突きつけられています。単にカメラ好きがきっかけで読み始めた書物でしたが、日本の産業に携わるいち企業人として、価値のありようというものを深く考えさせられた一冊でした。

投稿者 B : 23:55 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2010/03/08 (Mon.)

写真派のためのパソコンがよく分かる本

こんな本を買いました。

澤村 徹 / 写真派のためのパソコンがよく分かる本

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オールドレンズとかカメラの外観カスタマイズといった私好みのマニアックネタを提供し続けてくださっている(笑)澤村 徹氏の著。

この本自体は銀塩からデジタルに移行したばかりの人とか、今までデジタル一眼を使っていたけどプリントはお店任せにしていてこれから PC を買って自分でプリントしてみようという人に向けて書かれた本のようです。私は真逆で写真素人、PC プロ級を自認しているので(笑)まったく対象からは外れるのですが、これを買った目的は 6 章「見た目通りにプリントしたい」が全て。PC によるカラーマネジメントを自分で試したり、場合によっては人に教えたりしなくてはならないことがあるんですが、分かりやすく伝えるのが案外難しく、また自分でも狙った色がちゃんと出せず混乱することもしばしば。そういうことが整理できると良いな、と思って買ってみたというわけです。

本書での解説のしかたは「カラーマネジメント」(色の管理)ではなく「カラーマッチング」(モニタと印刷物での色の一致)に主眼を置いたもので、確かにそこに論点を絞れば考え方はずっとシンプル。また、モニタ(RGB かつ自発光)と印刷物(CMYK かつ反射光)ではそもそもの表現方法が違うので完全に色を合わせることはまず不可能、という前提に立った上でできる限り目に見える色味を合わせる、という意識であれば、なかなか完璧に色が揃わずイライラすることも減りそうです。

モニタのキャリブレーションやプリンタのカラーマネジメント印刷も、メーカーごとに手順が解説されていて非常に親切。とはいえ PC 初心者がどこまでついていけるかは疑問ですが、逆にこの章は PC のスキルがそこそこある人こそ読む価値があるように思いました。
ただ、残念なのはキャリブレータ等についてもう少し突っ込んだ解説が欲しかったところ。カラマネに関しては難しい割に文献が少ないので、個人的にはこの 6 章だけ抜粋追補した書物が欲しいです。

でもこの機会に私も重い腰を上げてちょっとちゃんとカラマネやってみるか。

投稿者 B : 22:00 | Book | Camera Mook | コメント (2) | トラックバック

2009/04/22 (Wed.)

世界の M42 マウントレンズ

さらなる沼の深淵。

写真工業出版社 / 世界の M42 マウントレンズ

世界の M42 マウントレンズ

最近またレンズが欲しい病なんですが、先日の 70-300G で資金を出し切ってしまったので、レンズ本で気を紛らわせています(ぉ。

オールドレンズ パラダイス』がマウントアダプタを前提としたあらゆるマウントの名レンズカタログ兼マウントアダプタ入門書、『定番カメラの名品レンズ』がマウントアダプタ愛好家も応用できる銀塩時代の名レンズカタログだとすれば、この本はまさしくマウントアダプタマニアにとっての最大の沼である「M42 沼」の深さを物語った本といって良いでしょう。M42 ならほとんどの DSLR で使え、なおかつレンズの種類も膨大なので、マウントアダプタ遊びに興味があるならとても参考になる資料だと思います。
内容も 50 年以上前のヴィンテージレンズから最新のコシナ製ツァイス ZS マウントシリーズまでの 70 本を幅広く揃え、『世界の~』の名に恥じない厚い内容と言えます。アサヒペンタックス全盛期の日本、Zeiss Jena 時代の東独、現在でも製造が続けられているロシアンレンズが M42 の三大勢力だと思いますが、第二次大戦から東西ドイツ分割、ロシアへの光学技術流出とそれに巻き込まれた Zeiss、Voigtländer、Rollei の変遷についてはこの本ではあまり深く触れられていませんが、そのあたりの歴史を改めて紐解いてみるだけでもまた面白そうです。

最近中古カメラ屋巡りが趣味になりつつあるキケンな私ですが、先立つものはなくても M42 のオールドレンズなら一万円以下で買えるものもゴロゴロあるので、そういう楽しみ方もアリかも。でも、これを読んでたらレンズよりもむしろ Bessaflex あたりのボディが欲しくなってきて、それもそれでキケンな限り(;´Д`)。

投稿者 B : 22:42 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2009/04/10 (Fri.)

定番カメラの名品レンズ

フィルムαを使い始めてから興味がどんどん古いほうに行っていて、マウントアダプタ本やクラシックカメラ本を読み漁っている私(;´Д`)ヾ。今度はこんな本を読んでみました。

赤城 耕一 / 定番カメラの名品レンズ

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娘の絵本を返却に行った図書館で見つけて借りてみた本です。図書館を覗いてみて気づいたんですが、一般的な書店にはあまり並んでいないようなクラカメ本が充実していたりして、意外と図書館は穴場かも。たまたま近所の図書館のライブラリアンがカメラ好きなだけかもしれませんが。

オールドレンズ パラダイス』のほうはマウントアダプタで主に東西ドイツやフランス、ロシアといった舶来オールドレンズを楽しむ本でしたが、こちらはライカ以外はほぼ国産のクラシックカメラが中心。初版がちょっと古い(2000 年)こともあり、DSLR でオールドレンズを楽しもう!ではなくて、レンズから入るボディ選びにまで一部踏み込んだ、ストレートなレンズ本です。
最近のカメラ雑誌あたりはとかく MTF 曲線やシャープネス、ボケの大きさ、逆光性能といったスペック偏重の風潮がありますが、この本はその真逆を行く、言ってみれば著者の純粋な趣味による「レンズの味を楽しむ」ための本です。私はどちらかというとカメラを描写性能よりも趣味性の高さで楽しんでいるほうだと思うので、このスタンスがなかなか心地よく、楽しんで読むことができました。だんだん銀塩沼のほうにも興味が出てきて、手持ちの Distagon を起点に CONTAX のボディにも手を出してみようかと妄想する始末(ぉ。

でも見方によってはマウントアダプタ前提で DSLR のためのオールドレンズ本的な読み方もできる本だと思います。特にニコン、CONTAX、ペンタックス(TAKUMAR)あたりは割と普通に DSLR でも使えるし。α使いとしてはミノルタの Rokkor とかも使ってみたいんですが、フランジバックの関係上ミノルタ MD をまともに使えるマウントアダプタがあるのはフォーサーズくらいしかないのが、残念でなりません。

うーん手を出すならやっぱり Zeiss Jena かな(ぉ。

投稿者 B : 00:33 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2009/03/23 (Mon.)

オールドレンズ パラダイス

さらなる沼の入り口。

澤村 徹 / オールドレンズ パラダイス EOS DIGITAL とマウントアダプタで遊ぶ

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PCfan などに連載を持つ澤村 徹氏(というか個人的には GR DIGITAL や Leica M8 をひたすらカスタマイズする metalmickey 氏、といったほうが馴染みがある)のオールドレンズ本。EOS DIGITAL にマウントアダプタをつけてオールドレンズを楽しもう!という本です。

私も既に M42、Y/C マウントアダプタを使っていますが、その他のレンズに関する知識がないので、勉強になりました。実際に自分で使うことを考えると、レンズの入手性やマウントアダプタの価格から、やっぱり M42 か Y/C に落ち着くと思いますが・・・。
でも沼を超えて「M42 星雲」とすら呼ばれる M42 マウントの世界はやっぱり広いですねー。特に東独やロシアレンズがおもしろそうです。Y/C だと事実上 EOS でしか使えないので、今度非互換レンズを買うときがあれば M42 マウントのものを買ってαでも使ってみたいと思っています。ツァイス信者としては、やっぱり狙い目は Carl Zeiss Jena のレンズかなあ。MC Flektogon や MC Sonnar あたりは、かなり惹かれます。あと、使用頻度が低い割に高価な魚眼レンズなんかは、ロシアレンズで安くあげるという手もありそう。

ということで、銀塩ボディに続きレンズも深い沼にハマりつつある最近の私(;´Д`)ヾ。

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