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2009/05/30 (Sat.)

増補改訂 フィールドベスト図鑑

フィールドベスト図鑑の増補改訂版がまた刊行されていたので、すかさず購入しました。

矢野 亮 / 日本の野草 夏 (増補改訂 フィールドベスト図鑑)

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既に夏の草花が咲き始めているので、若干後追い気味ですが。

ただこれだけではツツジやアジサイなどのポピュラーな花木が含まれていないので、こちらも。

西田 尚道 / 花木・庭木 (増補改訂 フィールドベスト図鑑)

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ツツジって意外と種類が多いのね・・・。

秋口には『日本の野草 秋』も増補改訂版に切り替わるはずなので、そしたらまた買おう。

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2009/05/27 (Wed.)

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略

シャーリーン・リー、ジョシュ・バーノフ / グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略

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この分野で私淑する人たちが挙って奨めていたので、前々から気になっていた一冊です。2 月に買っていたんですが、流し読みではなく熟読が必要な内容だと感じたので、時間がかかってしまいました。
「グランズウェル」といっても何のこっちゃ、という人も多いと思いますが、Web 2.0 とか CGM/WOM と呼ばれているものをテクノロジーでもなく、「いわゆる」マーケティングでもなく、もっと企業活動全体に影響する大きなうねりとしてとらえる、といったあたりの意味です。

私もここ 2 年ほどこの分野の書籍を読み漁っていますが、単純な事例紹介のサマリーでお金を取る本が多くてうんざりしたのは事実。でもこの書籍は事例から抽象化して「企業はどうあるべきか」ということを、グランズウェル活用/共存の各局面に対してまとめてくれている、とても良いテキストだと思います。この種の書物の中では、『ウェブ進化論』と同じくらい共感し、勇気づけられたような気がします。自分自身で経験してきたことも多いので、ものすごく新しい発見があったというわけではありませんが(むしろその経験が間違っていなかったことを再確認した感じ)、企業人として会社のプロセスにどうやってグランズウェルを融合していったらいいか、ということについては、保証をもらえたような気がしています。個人的には、数年で陳腐化する技術の話よりも、経営的観点でどうグランズウェルと向き合うか・・・的な言論を読みたいと思っていたので、とてもためになりました。

分厚いハードカバーで内容も多岐にわたるため、個別の引用なんかは行いませんが、この分野について真剣に取り組む覚悟がある人なら、読んでみて損はないと思います。私も自分で貼った付箋をつけたまま、職場のマネージャー陣に回したいくらいの書物です。

投稿者 B : 23:45 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2009/05/01 (Fri.)

野鳥・野草図鑑を購入

さて、GW。私はあくまでカレンダーどおりのお休みなのですが、このご時世、仕事があるだけでありがたいというもので、5 連休もあれば十分。今年は帰省の予定もないんですが、近場でも普段行かないような場所に写真でも撮りに行きたいと思っています。
で、それに先だって以前から買おうと思っていた野鳥図鑑・野草図鑑を購入しました。

小宮 輝之 / 日本の野鳥 (フィールドベスト図鑑)

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図鑑といっても種類はたくさんあってどれを選んだらいいか迷ったのですが、最近の写真仲間である daizo さんがお使いの「フィールドベスト図鑑」シリーズが使いやすそうだったので、同じのにしてみました。
この図鑑、生息地別・大きさ別になっているので、検索性がすこぶる良いのが長所だと思います。一般的な図鑑は種類別に分類されているものがほとんどだと思いますが、勉強するにはそっちのほうが体系立てて読めるから良いにしても、野鳥撮影の中で「この鳥なんていうんだっけ」と調べるならこっちの方が便利。
図鑑なんて買ったの小学生以来だと思いますが、やっぱりこういう知的好奇心を満たしてくれる文献は好きですね。写真もけっこうキレイなので、野鳥撮りのアングルの参考にもなりそうです。

で、野草図鑑はこちら。

矢野 亮 / 日本の野草 春 (増補改訂 フィールドベスト図鑑)

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この「フィールドベスト図鑑」シリーズ、去年から少しずつ改訂しているらしく、春の野草は新装版になっていました。こちらも花の色別に分類されているので、とても実用的。
季節的にはちょうど春から夏の野草に移り変わる時期なので、早めに夏版も欲しいんですが、こっちはまだ改訂版が出てないんですよね。ニーズがありそうな夏に向けて出るんじゃないかと思っているので、ちょっと待ち中。

連休はこれらの図鑑とカメラを持って出かけたいと思います。図鑑を読んでみて、私はけっこうヒタキ系の鳥が好きかも、と気づいたので、ヒタキに出会えないかなあ。

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2009/04/22 (Wed.)

世界の M42 マウントレンズ

さらなる沼の深淵。

写真工業出版社 / 世界の M42 マウントレンズ

世界の M42 マウントレンズ

最近またレンズが欲しい病なんですが、先日の 70-300G で資金を出し切ってしまったので、レンズ本で気を紛らわせています(ぉ。

オールドレンズ パラダイス』がマウントアダプタを前提としたあらゆるマウントの名レンズカタログ兼マウントアダプタ入門書、『定番カメラの名品レンズ』がマウントアダプタ愛好家も応用できる銀塩時代の名レンズカタログだとすれば、この本はまさしくマウントアダプタマニアにとっての最大の沼である「M42 沼」の深さを物語った本といって良いでしょう。M42 ならほとんどの DSLR で使え、なおかつレンズの種類も膨大なので、マウントアダプタ遊びに興味があるならとても参考になる資料だと思います。
内容も 50 年以上前のヴィンテージレンズから最新のコシナ製ツァイス ZS マウントシリーズまでの 70 本を幅広く揃え、『世界の~』の名に恥じない厚い内容と言えます。アサヒペンタックス全盛期の日本、Zeiss Jena 時代の東独、現在でも製造が続けられているロシアンレンズが M42 の三大勢力だと思いますが、第二次大戦から東西ドイツ分割、ロシアへの光学技術流出とそれに巻き込まれた Zeiss、Voigtländer、Rollei の変遷についてはこの本ではあまり深く触れられていませんが、そのあたりの歴史を改めて紐解いてみるだけでもまた面白そうです。

最近中古カメラ屋巡りが趣味になりつつあるキケンな私ですが、先立つものはなくても M42 のオールドレンズなら一万円以下で買えるものもゴロゴロあるので、そういう楽しみ方もアリかも。でも、これを読んでたらレンズよりもむしろ Bessaflex あたりのボディが欲しくなってきて、それもそれでキケンな限り(;´Д`)。

投稿者 B : 22:42 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2009/04/10 (Fri.)

定番カメラの名品レンズ

フィルムαを使い始めてから興味がどんどん古いほうに行っていて、マウントアダプタ本やクラシックカメラ本を読み漁っている私(;´Д`)ヾ。今度はこんな本を読んでみました。

赤城 耕一 / 定番カメラの名品レンズ

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娘の絵本を返却に行った図書館で見つけて借りてみた本です。図書館を覗いてみて気づいたんですが、一般的な書店にはあまり並んでいないようなクラカメ本が充実していたりして、意外と図書館は穴場かも。たまたま近所の図書館のライブラリアンがカメラ好きなだけかもしれませんが。

オールドレンズ パラダイス』のほうはマウントアダプタで主に東西ドイツやフランス、ロシアといった舶来オールドレンズを楽しむ本でしたが、こちらはライカ以外はほぼ国産のクラシックカメラが中心。初版がちょっと古い(2000 年)こともあり、DSLR でオールドレンズを楽しもう!ではなくて、レンズから入るボディ選びにまで一部踏み込んだ、ストレートなレンズ本です。
最近のカメラ雑誌あたりはとかく MTF 曲線やシャープネス、ボケの大きさ、逆光性能といったスペック偏重の風潮がありますが、この本はその真逆を行く、言ってみれば著者の純粋な趣味による「レンズの味を楽しむ」ための本です。私はどちらかというとカメラを描写性能よりも趣味性の高さで楽しんでいるほうだと思うので、このスタンスがなかなか心地よく、楽しんで読むことができました。だんだん銀塩沼のほうにも興味が出てきて、手持ちの Distagon を起点に CONTAX のボディにも手を出してみようかと妄想する始末(ぉ。

でも見方によってはマウントアダプタ前提で DSLR のためのオールドレンズ本的な読み方もできる本だと思います。特にニコン、CONTAX、ペンタックス(TAKUMAR)あたりは割と普通に DSLR でも使えるし。α使いとしてはミノルタの Rokkor とかも使ってみたいんですが、フランジバックの関係上ミノルタ MD をまともに使えるマウントアダプタがあるのはフォーサーズくらいしかないのが、残念でなりません。

うーん手を出すならやっぱり Zeiss Jena かな(ぉ。

投稿者 B : 00:33 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2009/03/23 (Mon.)

オールドレンズ パラダイス

さらなる沼の入り口。

澤村 徹 / オールドレンズ パラダイス EOS DIGITAL とマウントアダプタで遊ぶ

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PCfan などに連載を持つ澤村 徹氏(というか個人的には GR DIGITAL や Leica M8 をひたすらカスタマイズする metalmickey 氏、といったほうが馴染みがある)のオールドレンズ本。EOS DIGITAL にマウントアダプタをつけてオールドレンズを楽しもう!という本です。

私も既に M42、Y/C マウントアダプタを使っていますが、その他のレンズに関する知識がないので、勉強になりました。実際に自分で使うことを考えると、レンズの入手性やマウントアダプタの価格から、やっぱり M42 か Y/C に落ち着くと思いますが・・・。
でも沼を超えて「M42 星雲」とすら呼ばれる M42 マウントの世界はやっぱり広いですねー。特に東独やロシアレンズがおもしろそうです。Y/C だと事実上 EOS でしか使えないので、今度非互換レンズを買うときがあれば M42 マウントのものを買ってαでも使ってみたいと思っています。ツァイス信者としては、やっぱり狙い目は Carl Zeiss Jena のレンズかなあ。MC Flektogon や MC Sonnar あたりは、かなり惹かれます。あと、使用頻度が低い割に高価な魚眼レンズなんかは、ロシアレンズで安くあげるという手もありそう。

ということで、銀塩ボディに続きレンズも深い沼にハマりつつある最近の私(;´Д`)ヾ。

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2009/02/27 (Fri.)

V 字回復の経営 ――2 年で会社を変えられますか

上司の薦めで読んでみました。

三枝 匡 / V 字回復の経営 ――2 年で会社を変えられますか

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「赤字事業を短期間でいかに建て直すか」にフォーカスした経営術の本。組織改革のメソドロジーをモデルケースで描いた書物で、ある企業の経営改革をサクセスストーリー的読み物としてまとめつつ、合間に要点を差し込む形で編集されているので、とても読みやすいです。

経営の本というと、ちょっと身構えなくては読めない小難しさを感じてしまいますが、この本が示す道は非常にシンプル。いかに社員の共感を得て、モチベーションを高めて改革を成功させるかに至るリーダー論と、そのためにはシンプルで明快なプロセスが示される必要があることを繰り返し述べています。
同じようなことでも、ロジックが通っていないと単なる浪花節になったり、体育会的な精神論だけに終始して実効は何もない・・・みたいなことは、ちょっと周りを見渡してみただけでも溢れかえっていますが、そういうケースは得てして「誰にでも納得できて実行可能な改革プランの提示」がないものです。

実話をもとにしたというモデルケースはちょっとあまりにもフィクション的展開すぎて、「できすぎ」と突っ込みたくなる部分も多少ありますが、大事なのはこの例で示されている考え方。この考え方をいかに自分の中で消化して、自分の会社に適用できるかという目線で読むと、たくさんのヒントが隠されています。あと、自分がいる組織の現状のダメさ加減も(汗。また、同時にそれを他人事ととらえるのではなくて、翻って自分自身に落ち度はなかったのか、を省みることができなければ、何も変えられないのも事実。

私は転職するときに、外部からの改革者のつもりで今の職場に飛び込んだつもりでしたが、いつの間にか単なる「状況の一部」となっていないか?正しいと信じていたことが、本当は全く間違っていたのではないか?
経済環境的には、ここ数年の不況なんて戯れ言に過ぎなかったくらい「未曾有の危機」が訪れている状況だから、もっと、あらゆることを根本から疑ってかかるくらいの気持ちで、根本的な改革を考える必要があるのだと思います。
いろんな企業で「お客様目線」が叫ばれる近年ですが、たぶんそれだけでは足りなくて、いち社員に至るまで、経営者視点と顧客視点の両方をもってひとつひとつの状況に対処する必要があるのだと思います。でも、口先だけでなく意識の根底にその考えを徹底させるには、多少のショック療法は免れないだろうなあ・・・。

この本に書かれていることは「至極まっとうなこと」ばかりですが、シンプルにわかりやすくまとまっているというだけで、ここまで多くの気づきを与えてくれる、という点では、ビジネスの世界に身を置く人間であれば一読して損はないと思います。

投稿者 B : 23:59 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2009/02/16 (Mon.)

次世代マーケティングプラットフォーム

最近、目先の大きな仕事がようやく一段落したので、次への仕込みを始めつつ、また自分の頭の養分を吸収するべくいろいろ勉強中。タイトルに惹かれてこんな本を読んでみました。

湯川 鶴章 / 次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの

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うーん・・・ちょっと物足りないというか何というか。「マーケティング」という企業活動の認識の違いですかね?
著者は新聞社の方らしいので、どうしても広告宣伝の側面が主になっているのだと思いますが、一般的に言っても「マーケティング」を「広告宣伝・販促関連だけに関わる仕事」と定義している企業もおそらく少なくないのでしょうね。むしろ、国内における一般論としてはそちらの認識のほうが多そうな気もします。ただ、個人的には、この内容ならばタイトルは『次世代マーケティングプラットフォーム』ではなくて、『次世代 Web アド・プロ・セールスプラットフォーム』としてくれたほうが、すんなり飲み込めたと思います。

内容的には、少し前に流行った Google・Apple 礼賛本に近い勢いで Omniture すげー、Salesforce.com すげー、Amazon すげー、というものです。具体例が多いので、既存のフレームワークを応用した Web セールス/プロモーションプラットフォームをこれから立ち上げよう、あるいは改善しよう、という人にはかなり参考になるような気はします。まだあまり日本には導入されていないアメリカでの事例が主なので、目新しいものも多いですし。

でも私が求めていたものはもうちょっと違って、どちらかというと、もっと全体を俯瞰した意味での「マーケティング・プラットフォーム」を期待したので、そういう意味ではあまり参考になりませんでした。具体的には、Web と既存媒体、マスコミュニケーションとカンバセーショナルコミュニケーション、イノベーターからラガードまでといったマーケット全体をより体系的にとらえて、どうクロスコミュニケートしていくか、そのときのプラットフォームや(もっと言うと)企業のあり方はどうあるべきか・・・みたいな内容を求めていたのですが、ちょっと大きすぎましたかね。

でも、参考になった話もいくつかあって、特にそれは序章と終章に集約されていました。序章の「イノベーションは周縁から起こる」という話は、まあ一般論ではあるのですが、確かにどんな世界でも革命というのはその世界のど真ん中ではなくて周縁から起こり、真ん中にいる人たちはそのイノベーションを受け入れようとせず、気がつけば立場が逆転している、という話。業界や社会の常識に縛られず、フラットな視点で流れを読む力を磨きたいものです。
また、終章の

ターゲットメディアになるということは、一方通行のマスメディアとは異なり、ターゲットとなる顧客と向き合うということでもある。(中略)一対多の関係であっても、一方的に情報を出すのではなく、メディア側が出す情報を核にユーザーが情報を交換し合うようなコミュニティを作る営みなのだ。
には、個人的に激しく同感。でも、それを実現するのがとてつもなく高い壁だったりもするので、むしろその壁を越えるヒントを書いてくれよ!!!と思いましたが・・・。

そういう意味では、全般的に至極もっともな話ばかりなのですが、もう一つ高いレイヤーであったり、もう一歩踏み込んでほしいところがことごとくその手前で止まってしまっているのが非常に残念でした。既存の事例や小手先の手法じゃなく、もっと普遍的な考え方について「共感」して「納得」しつつ、さらに「発見」がある書物こそ読みたいのです。何か良い本ないかなー。変に書物に頼るより、同じような分野で活躍している人と議論するほうが、最近は得るものが多いとは思っていますが。

投稿者 B : 23:35 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2008/11/30 (Sun.)

白夜行

東野 圭吾 / 白夜行

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ガリレオシリーズに続いて、東野圭吾の代表作を読んでみました。ガリレオのほうは新刊が出ていますが、ハードカバーの本を置くスペースがあまりないので(笑、文庫でこちらを。ガリレオとはだいぶ印象が違う作風ですが、それぞれの事件にちゃんと東野圭吾らしいトリックも仕込まれています。

予備知識全くなし(以前に山田孝之主演でテレビドラマ化されたことだけは知っていた)で読んだんですが、この物語すごいですね・・・。壮絶で救いようのない話を壮大なスケールで描いていますが、途中で嫌になることなく最後まで一気に読んでしまいました。
約 20 年前に発生したひとつの殺人事件、その被害者の息子と容疑者の娘。その後約 20 年にわたり、二人の周囲で巻き起こるいくつもの不可解な事件。接点がないように見えながら、どこかで奇妙な交わりをもつ二人の人生・・・。ガリレオシリーズではそれぞれの事件に明確な解が用意されていましたが、この作品では全てが推理や状況証拠にすぎず、真実は最後まで謎のまま。主人公であるはずの二人の主観では一切描かれず、すべて彼らに関わる誰かの視点で語られるという手法が、その印象を強烈に残しています。
結局二人の目的は何だったのか?それすらも分からない結末ではありますが、それもすべて読者の想像に任されています。深読みすればするだけ読める、実に深いミステリー。ちょっと軽い気持ちで読み始めた作品でしたが、良い意味で裏切られました。

投稿者 B : 23:59 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2008/11/15 (Sat.)

容疑者 X の献身

東野 圭吾 / 容疑者 X の献身

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探偵ガリレオ』『予知夢』ときて、一気に読んでしまったガリレオシリーズの三作目。短編が基本だと思っていたこのシリーズで、初の長編になっています。一作目を読んだときに、

個人的にはもっと犯人との駆け引きや、犯人側の心理も描いたような作風のほうが好きなのですが、

と書きましたが、いきなりその想いが叶ってしまいました^^;
それまでの短編からするとかなり長い作品ですが、湯川の親友であり最大のライバルでもある数学者が犯人、という、ガリレオシリーズらしいといえばらしいストーリー。ガリレオが主人公でありながら、常に犯人や草薙刑事の目線で物語が描かれるというこのシリーズの作り方のせいか、むしろこの作品の主人公は犯人である石神の方ではないかと感じたほど、犯人側をしっかり描写しているのが、私好み。

絶対こういう作品は冒頭に最大の伏線が張られているのだろう、と先読みしながら読んでいったんですが、えーそういうオチなの!というすさまじいトリックにしてやられました。最後まで読まないとそのトリックが解けないようになっているというのは推理小説としてはちょっと反則っぽいけど、目から鱗。で、トリックが明らかになったら唐突に物語も終わる、というあっさり感も、却って読後の余韻を煽っています。

まちがいなくここまで三作のベストはこれ。続編としてはつい最近新刊が二冊出たばかりらしいですが、文庫になるまで待つか否か、迷うところ・・・。

投稿者 B : 01:52 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック