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2009/04/10 (Fri.)

定番カメラの名品レンズ

フィルムαを使い始めてから興味がどんどん古いほうに行っていて、マウントアダプタ本やクラシックカメラ本を読み漁っている私(;´Д`)ヾ。今度はこんな本を読んでみました。

赤城 耕一 / 定番カメラの名品レンズ

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娘の絵本を返却に行った図書館で見つけて借りてみた本です。図書館を覗いてみて気づいたんですが、一般的な書店にはあまり並んでいないようなクラカメ本が充実していたりして、意外と図書館は穴場かも。たまたま近所の図書館のライブラリアンがカメラ好きなだけかもしれませんが。

オールドレンズ パラダイス』のほうはマウントアダプタで主に東西ドイツやフランス、ロシアといった舶来オールドレンズを楽しむ本でしたが、こちらはライカ以外はほぼ国産のクラシックカメラが中心。初版がちょっと古い(2000 年)こともあり、DSLR でオールドレンズを楽しもう!ではなくて、レンズから入るボディ選びにまで一部踏み込んだ、ストレートなレンズ本です。
最近のカメラ雑誌あたりはとかく MTF 曲線やシャープネス、ボケの大きさ、逆光性能といったスペック偏重の風潮がありますが、この本はその真逆を行く、言ってみれば著者の純粋な趣味による「レンズの味を楽しむ」ための本です。私はどちらかというとカメラを描写性能よりも趣味性の高さで楽しんでいるほうだと思うので、このスタンスがなかなか心地よく、楽しんで読むことができました。だんだん銀塩沼のほうにも興味が出てきて、手持ちの Distagon を起点に CONTAX のボディにも手を出してみようかと妄想する始末(ぉ。

でも見方によってはマウントアダプタ前提で DSLR のためのオールドレンズ本的な読み方もできる本だと思います。特にニコン、CONTAX、ペンタックス(TAKUMAR)あたりは割と普通に DSLR でも使えるし。α使いとしてはミノルタの Rokkor とかも使ってみたいんですが、フランジバックの関係上ミノルタ MD をまともに使えるマウントアダプタがあるのはフォーサーズくらいしかないのが、残念でなりません。

うーん手を出すならやっぱり Zeiss Jena かな(ぉ。

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2009/03/23 (Mon.)

オールドレンズ パラダイス

さらなる沼の入り口。

澤村 徹 / オールドレンズ パラダイス EOS DIGITAL とマウントアダプタで遊ぶ

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PCfan などに連載を持つ澤村 徹氏(というか個人的には GR DIGITAL や Leica M8 をひたすらカスタマイズする metalmickey 氏、といったほうが馴染みがある)のオールドレンズ本。EOS DIGITAL にマウントアダプタをつけてオールドレンズを楽しもう!という本です。

私も既に M42、Y/C マウントアダプタを使っていますが、その他のレンズに関する知識がないので、勉強になりました。実際に自分で使うことを考えると、レンズの入手性やマウントアダプタの価格から、やっぱり M42 か Y/C に落ち着くと思いますが・・・。
でも沼を超えて「M42 星雲」とすら呼ばれる M42 マウントの世界はやっぱり広いですねー。特に東独やロシアレンズがおもしろそうです。Y/C だと事実上 EOS でしか使えないので、今度非互換レンズを買うときがあれば M42 マウントのものを買ってαでも使ってみたいと思っています。ツァイス信者としては、やっぱり狙い目は Carl Zeiss Jena のレンズかなあ。MC Flektogon や MC Sonnar あたりは、かなり惹かれます。あと、使用頻度が低い割に高価な魚眼レンズなんかは、ロシアレンズで安くあげるという手もありそう。

ということで、銀塩ボディに続きレンズも深い沼にハマりつつある最近の私(;´Д`)ヾ。

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2009/02/27 (Fri.)

V 字回復の経営 ――2 年で会社を変えられますか

上司の薦めで読んでみました。

三枝 匡 / V 字回復の経営 ――2 年で会社を変えられますか

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「赤字事業を短期間でいかに建て直すか」にフォーカスした経営術の本。組織改革のメソドロジーをモデルケースで描いた書物で、ある企業の経営改革をサクセスストーリー的読み物としてまとめつつ、合間に要点を差し込む形で編集されているので、とても読みやすいです。

経営の本というと、ちょっと身構えなくては読めない小難しさを感じてしまいますが、この本が示す道は非常にシンプル。いかに社員の共感を得て、モチベーションを高めて改革を成功させるかに至るリーダー論と、そのためにはシンプルで明快なプロセスが示される必要があることを繰り返し述べています。
同じようなことでも、ロジックが通っていないと単なる浪花節になったり、体育会的な精神論だけに終始して実効は何もない・・・みたいなことは、ちょっと周りを見渡してみただけでも溢れかえっていますが、そういうケースは得てして「誰にでも納得できて実行可能な改革プランの提示」がないものです。

実話をもとにしたというモデルケースはちょっとあまりにもフィクション的展開すぎて、「できすぎ」と突っ込みたくなる部分も多少ありますが、大事なのはこの例で示されている考え方。この考え方をいかに自分の中で消化して、自分の会社に適用できるかという目線で読むと、たくさんのヒントが隠されています。あと、自分がいる組織の現状のダメさ加減も(汗。また、同時にそれを他人事ととらえるのではなくて、翻って自分自身に落ち度はなかったのか、を省みることができなければ、何も変えられないのも事実。

私は転職するときに、外部からの改革者のつもりで今の職場に飛び込んだつもりでしたが、いつの間にか単なる「状況の一部」となっていないか?正しいと信じていたことが、本当は全く間違っていたのではないか?
経済環境的には、ここ数年の不況なんて戯れ言に過ぎなかったくらい「未曾有の危機」が訪れている状況だから、もっと、あらゆることを根本から疑ってかかるくらいの気持ちで、根本的な改革を考える必要があるのだと思います。
いろんな企業で「お客様目線」が叫ばれる近年ですが、たぶんそれだけでは足りなくて、いち社員に至るまで、経営者視点と顧客視点の両方をもってひとつひとつの状況に対処する必要があるのだと思います。でも、口先だけでなく意識の根底にその考えを徹底させるには、多少のショック療法は免れないだろうなあ・・・。

この本に書かれていることは「至極まっとうなこと」ばかりですが、シンプルにわかりやすくまとまっているというだけで、ここまで多くの気づきを与えてくれる、という点では、ビジネスの世界に身を置く人間であれば一読して損はないと思います。

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2009/02/16 (Mon.)

次世代マーケティングプラットフォーム

最近、目先の大きな仕事がようやく一段落したので、次への仕込みを始めつつ、また自分の頭の養分を吸収するべくいろいろ勉強中。タイトルに惹かれてこんな本を読んでみました。

湯川 鶴章 / 次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの

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うーん・・・ちょっと物足りないというか何というか。「マーケティング」という企業活動の認識の違いですかね?
著者は新聞社の方らしいので、どうしても広告宣伝の側面が主になっているのだと思いますが、一般的に言っても「マーケティング」を「広告宣伝・販促関連だけに関わる仕事」と定義している企業もおそらく少なくないのでしょうね。むしろ、国内における一般論としてはそちらの認識のほうが多そうな気もします。ただ、個人的には、この内容ならばタイトルは『次世代マーケティングプラットフォーム』ではなくて、『次世代 Web アド・プロ・セールスプラットフォーム』としてくれたほうが、すんなり飲み込めたと思います。

内容的には、少し前に流行った Google・Apple 礼賛本に近い勢いで Omniture すげー、Salesforce.com すげー、Amazon すげー、というものです。具体例が多いので、既存のフレームワークを応用した Web セールス/プロモーションプラットフォームをこれから立ち上げよう、あるいは改善しよう、という人にはかなり参考になるような気はします。まだあまり日本には導入されていないアメリカでの事例が主なので、目新しいものも多いですし。

でも私が求めていたものはもうちょっと違って、どちらかというと、もっと全体を俯瞰した意味での「マーケティング・プラットフォーム」を期待したので、そういう意味ではあまり参考になりませんでした。具体的には、Web と既存媒体、マスコミュニケーションとカンバセーショナルコミュニケーション、イノベーターからラガードまでといったマーケット全体をより体系的にとらえて、どうクロスコミュニケートしていくか、そのときのプラットフォームや(もっと言うと)企業のあり方はどうあるべきか・・・みたいな内容を求めていたのですが、ちょっと大きすぎましたかね。

でも、参考になった話もいくつかあって、特にそれは序章と終章に集約されていました。序章の「イノベーションは周縁から起こる」という話は、まあ一般論ではあるのですが、確かにどんな世界でも革命というのはその世界のど真ん中ではなくて周縁から起こり、真ん中にいる人たちはそのイノベーションを受け入れようとせず、気がつけば立場が逆転している、という話。業界や社会の常識に縛られず、フラットな視点で流れを読む力を磨きたいものです。
また、終章の

ターゲットメディアになるということは、一方通行のマスメディアとは異なり、ターゲットとなる顧客と向き合うということでもある。(中略)一対多の関係であっても、一方的に情報を出すのではなく、メディア側が出す情報を核にユーザーが情報を交換し合うようなコミュニティを作る営みなのだ。
には、個人的に激しく同感。でも、それを実現するのがとてつもなく高い壁だったりもするので、むしろその壁を越えるヒントを書いてくれよ!!!と思いましたが・・・。

そういう意味では、全般的に至極もっともな話ばかりなのですが、もう一つ高いレイヤーであったり、もう一歩踏み込んでほしいところがことごとくその手前で止まってしまっているのが非常に残念でした。既存の事例や小手先の手法じゃなく、もっと普遍的な考え方について「共感」して「納得」しつつ、さらに「発見」がある書物こそ読みたいのです。何か良い本ないかなー。変に書物に頼るより、同じような分野で活躍している人と議論するほうが、最近は得るものが多いとは思っていますが。

投稿者 B : 23:35 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2008/11/30 (Sun.)

白夜行

東野 圭吾 / 白夜行

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ガリレオシリーズに続いて、東野圭吾の代表作を読んでみました。ガリレオのほうは新刊が出ていますが、ハードカバーの本を置くスペースがあまりないので(笑、文庫でこちらを。ガリレオとはだいぶ印象が違う作風ですが、それぞれの事件にちゃんと東野圭吾らしいトリックも仕込まれています。

予備知識全くなし(以前に山田孝之主演でテレビドラマ化されたことだけは知っていた)で読んだんですが、この物語すごいですね・・・。壮絶で救いようのない話を壮大なスケールで描いていますが、途中で嫌になることなく最後まで一気に読んでしまいました。
約 20 年前に発生したひとつの殺人事件、その被害者の息子と容疑者の娘。その後約 20 年にわたり、二人の周囲で巻き起こるいくつもの不可解な事件。接点がないように見えながら、どこかで奇妙な交わりをもつ二人の人生・・・。ガリレオシリーズではそれぞれの事件に明確な解が用意されていましたが、この作品では全てが推理や状況証拠にすぎず、真実は最後まで謎のまま。主人公であるはずの二人の主観では一切描かれず、すべて彼らに関わる誰かの視点で語られるという手法が、その印象を強烈に残しています。
結局二人の目的は何だったのか?それすらも分からない結末ではありますが、それもすべて読者の想像に任されています。深読みすればするだけ読める、実に深いミステリー。ちょっと軽い気持ちで読み始めた作品でしたが、良い意味で裏切られました。

投稿者 B : 23:59 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2008/11/15 (Sat.)

容疑者 X の献身

東野 圭吾 / 容疑者 X の献身

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探偵ガリレオ』『予知夢』ときて、一気に読んでしまったガリレオシリーズの三作目。短編が基本だと思っていたこのシリーズで、初の長編になっています。一作目を読んだときに、

個人的にはもっと犯人との駆け引きや、犯人側の心理も描いたような作風のほうが好きなのですが、

と書きましたが、いきなりその想いが叶ってしまいました^^;
それまでの短編からするとかなり長い作品ですが、湯川の親友であり最大のライバルでもある数学者が犯人、という、ガリレオシリーズらしいといえばらしいストーリー。ガリレオが主人公でありながら、常に犯人や草薙刑事の目線で物語が描かれるというこのシリーズの作り方のせいか、むしろこの作品の主人公は犯人である石神の方ではないかと感じたほど、犯人側をしっかり描写しているのが、私好み。

絶対こういう作品は冒頭に最大の伏線が張られているのだろう、と先読みしながら読んでいったんですが、えーそういうオチなの!というすさまじいトリックにしてやられました。最後まで読まないとそのトリックが解けないようになっているというのは推理小説としてはちょっと反則っぽいけど、目から鱗。で、トリックが明らかになったら唐突に物語も終わる、というあっさり感も、却って読後の余韻を煽っています。

まちがいなくここまで三作のベストはこれ。続編としてはつい最近新刊が二冊出たばかりらしいですが、文庫になるまで待つか否か、迷うところ・・・。

投稿者 B : 01:52 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2008/11/09 (Sun.)

予知夢

探偵ガリレオ』から、続けて一気に読んじゃいました。

東野 圭吾 / 予知夢

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福井晴敏も好きなんですが、大作が多いので読むのにそれなりに体力が要るのと、独特の歴史観・戦争観を受け止めなくてはならないので、ちょっと構えてしまうんですね。それに対してこのガリレオシリーズは、頭は使うけどどんどん読み進めていけるので、けっこう気に入りました。
前作に比べると、扱う内容が「難事件」から「オカルト事件」に寄ってきていて、より『トリック』然としてきた(初出はガリレオシリーズのほうが先ですが)ような気がします。いや、個人的にはどっちも好きなんですが。

非科学的と思われる事件を科学的もしくは論理的な推理によって解決する、がこのシリーズの醍醐味だと思いますが、最後のエピソード「予知る(しる)」の結びでは必ずしもそうではない(事件の解決そのものには論理的な説明がつけられているが、予知能力の実在を想起させるような)神秘的な表現がされていたり、こういうのもけっこう好み。

東野圭吾の作品、気に入ったので、あといくつか読んでみたいと思います。

投稿者 B : 23:13 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2008/11/08 (Sat.)

探偵ガリレオ

流行りだからってわけじゃないですが、富士に行くときに道中の暇つぶしに何となく買った小説。結局行きも帰りも待ち時間ゼロだったので、読む機会がなかったんですが、最近の通勤で読破しました。

東野 圭吾 / 探偵ガリレオ

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推理小説=長編という先入観があったので、読んでみて短編だったのにはちょっと驚きました。でも、それが却ってとっつきやすく、かつ簡潔な内容や文体にも似合っていると思います。テレビドラマのほうは、1 回だけ(しかも途中まで)しか見ておらず、『トリック』的な謎解きと『古畑任三郎』的な変キャラ主人公の話かと高を括っていたら、原作に良い意味で裏切られましたね。

東野圭吾は理系の技術者出身らしく無駄な表現のない(というか私は理系出身なのに文章が無駄に長すぎだ)あっさりとした文体で、物語もさほど抑揚なく淡々と進むし、犯人や犯行の描写も客観的であっさりしているので、小説としてはあまりドラマチックではない(そのわりに、犯行現場やタネ明かしの映像的表現は秀逸)ですが、この淡々とした描き方によって、逆に人はこんなに単純なことで人を殺せてしまう、という生々しさが浮き彫りになっている気がします。
個人的にはもっと犯人との駆け引きや、犯人側の心理も描いたような作風のほうが好きなのですが、でも、それは科学的なトリックを主役に据えたこの作品には相応しくないのかもしれません。

巻末の解説によると、ガリレオのモデルは佐野史郎だとか(!)。ドラマの福山雅治とは全然イメージが違いますが・・・。

投稿者 B : 22:45 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2008/11/01 (Sat.)

私塾のすすめ

齋藤 孝、梅田 望夫 / 私塾のすすめ ──ここから創造が生まれる

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最近よく読んでいる梅田望夫氏の著作、4 冊目。ここらで一段落かな。今回は齋藤孝氏との対談ですが、基本的に論旨は今までの 3 冊と大きくは変わりません。それに加えて教育論、リーダー論、みたいなものが付加された内容になっています。

何かを勉強しようと思うときに、その領域の本を全部入手して、あっちに行ったりこっちに行ったりしながら自分のスタイルで勉強したいと思うタイプの人は、ウェブの世界を、たいへんな能力の増幅器だと認識していると思います。

私はどちらかといえば、紙媒体を与えられると最後まで精読しようとしてしまうタイプなのですが、Web だと逆だったりします。Wikipedia なんかが良い例ですが、途中で他に知るべき情報があったり、興味を惹かれる話があったりすると、果てしなく寄り道して寄り道したほうを突き詰めてしまうタイプかもしれません。
そういう意味では、Web は人の学びのスタイルをも変える可能性を持ったツールだと言えますね。

インターネットがわれわれの能力の増幅器であるということですよね。蒸気機関や自動車が人間の筋肉の能力を増強したように、ネットが脳とか人間関係を増幅する。距離と時間と無限性の概念をゆるがしているわけです。リアルの限定されたコミュニティだけにとらわれず、未知との遭遇のありようががらりと変わってくると、いろいろな可能性が出てきます。

もはや言うまでもない話かもいれませんが、こういう話には深く共感します。インターネット上の誰かの知識や考えが、自分の知や学びの加速器になるという話。場合によっては、知識だけではなく精神的な救いにもなってくれたりする。まあ、必ずしもバーチャルでの出会いだけで全てが完結するわけではなく、リアルのやりとりとの補完によって成り立つものも多いですが。でも、それを体験したことのない人にはなかなか理解されない話であるのも事実だったり。

「ここにチャンスがあるんだし、一生懸命努力すれば・・・」と言ったときに、「そんなこと俺にはできないよ」「興味ないよ」という人のところまで下りていって、「さあやろうよ」とまで自分にはできないなと感じました。ウェブに取り組む態度でも、受動的にユーチューブをただボーっと見ているだけの人ではなく、じゃあブログを書いてやってみようという人、好きなことに能動的に取り組んでなにかをやっていこう、という人たち。そういう人たちなら、学校の勉強ができるできないにかかわらず、つきあっていけると思いました。

これは近年の私がかなり悩んでいることの一つ。最近は「そういうものだ」と少し諦めもつきましたが、興味のない他人を引っ張り上げることがいかに難しいか・・・そうしないと自分(たち)の目標が達成できない、となると特に。
こういう話は Web という大海を自分なりに流浪れて、自らと志向性を同じくする誰かと出会った人ならではの物言いだと思うので、そうでない人にとって見方によってはその気がない人は切り捨ててもやむなし、という話に聞こえてしまいそうですが、そこは志向性の違いなので自分の価値観を誰かに強制するのもどうかと思うし。だからこそ、そこで共感して一緒に何かを目指そうという人に出会えたときに、強い力になる実感を得られるものだとも思うので、最近はどちらかというと無理して手近な誰かに過剰な期待をかけるより「共感してもらえる仲間を見つける」ことのほうが重要なのだろうな、と考えるようにしています(もちろん、近くにいる人に同じ志向性を持ってもらえるよう、ある程度の種まきまでは自分がやる前提で)。

だから僕は、大組織にせよ、組織以外での仕事にせよ、自分とぴったりあったことでない限り、絶対に競争力が出ない時代になってきていると思います。朝起きてすぐに、自分を取り巻く仕事のコミュニティと何かやりとりすることを面白いと思える人でなければ、生き残れない。これが幸せな仕事人生になるのか、不幸なのかは一概に言えないのだけれど、いま、過渡状態で起きていることというのは、そういうことだと思う。自分の志向性とぴったりあったことをやっている人は、自然にすごい長時間仕事をするものだから、会社でもコミュニティでも重宝されるというか、「いい仕事しているな」ということになる。
僕が「好きなことを貫く」ということを、最近、確信犯的に言っている理由というのは、「好きなことを貫くと幸せになれる」というような牧歌的な話じゃなくて、そういう競争環境のなかで、自分の志向性というものに意識的にならないと、サバイバルできないのではないかという危機感があって、それを伝えたいと思うからです。

このあたりにも深く共感。近年の高度に複雑化した世の中では、様々なことが単純な数字やデータだけでは読み取れなくなってきており、同時にその仕事に対してどれだけ気持ちが込められているか、を世の中が敏感に感じ取るようになってきているのではないかと感じています。そういう世の中で、いかに知識や技術だけを身につけようと、「想い」を持たなければ人も企業も生き残れない時代になっているのだと思っています。
そうはいっても会社/社会はそういう人たちだけで回っているわけではない、というのも真理なのですが、自分の理想と現実に折り合いをつけるだけではダメで、少しでも現実を自分の理想に近づけようと足掻く、時にはポジションを変える諦めの悪さを、少なくとも持っていなくてはならないのでしょうね。それでも、転職する前の私であったら、そんなことを言われたら「そう言われても・・・」と言っていたか、「そうか、じゃあそういうことなら」となっていたか、判らないわけですが。

まとめとして、従来読んだ 3 冊と基本的な内容は変わっていないので特に新しく得るものはありませんでしたが(『フューチャリスト宣言』と同様に、人と違う生き方をしてきて成功した人同士の対談なので、志向性の異なる人が読んだらむしろネガティブな感想を抱くかもしれません)、今までと同じく自分が今やっていることについて自信を深めさせてくれる書物でした。対談ものはそろそろお腹いっぱいですが(脱線気味に展開する話も多いので・・・)、梅田氏の書き下ろしが発売されたらまた読んでみたいと思います。ってしばらく本出さないんでしたっけ・・・。

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2008/10/06 (Mon.)

ランチェスター戦略「一点突破」の法則

福永 雅文 / ランチェスター戦略「一点突破」の法則

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こないだ読んだ『「弱者逆転」の法則』の続編。「弱者逆転」のためのカギとなる「一点突破」の必勝法を伝授する・・・という内容を期待して読んでみたら、基本的な論旨は前著と大差なく、一部事例を最近のものに差し替えたアップデート版的な内容になっていました。
大筋は前著と同じなので、個人的にはちょっと期待外れ。事例としても「後付けで何とでも言えるよねー」と前から思っていたので、そういう意味でも目からウロコ的な発見は特にありませんでした。最初に手に取る一冊としてなら良いと思いますが、続編・掘り下げ編的な内容を期待すると、裏切られるかもしれません。

ただ、このくだりには少し勇気づけられましたね。

さらにもうひとつ、究極の差別化の方法を伝授しましょう。それは理念です。私は理念こそが究極の差別化方法、すなわち最強の武器であると主張しています。
理念とは企業経営の原点であり根幹です。何のために事業をなし自社は存在するのか、社会に対しての存在意義を表明するものです。顧客に対しても存在価値を伝え、愛され尊敬され信頼される企業になる。社員に対しても心の拠り所となり自信と誇りを与え使命感をもって働く"錦の御旗"になる。経営者にとっては創業の原点。(中略)
このように重要な理念はライバルに対しても最強の競争力となり、真似のされない本質的な差別化戦略となるのです。
多くの企業では、どうしても「儲かるかどうか」という観点ばかりでビジネス戦略が語られがちだと思いますが、企業価値とか企業としての存在意義みたいなもの(広報アピール的なものではなく、もっと根源的欲求みたいなもの)がもっとフォーカスされても良いと思うんですよ。少なくとも私はそういうことを求めて転職したつもりでいるので、カイシャでは実際には歯がゆい思いをすることも少なくない。なので、そういう考えを持って良いんだ、それこそが真実には差異化ための武器になるんだ、と言ってもらえたことで、ちょっと勇気がもらえた気がしました。

とりあえずもうちょっとそれを信じてやってみることとします。でも、まだまだいろいろ勉強しないとなあ。ただ、最近は自分の弱点を補うようなスキルを身につけていこうとしていますが、ランチェスター的に考えるとむしろ強みを伸ばす方向に舵を取り直したほうが良いのか、悩みどころだったりします(笑。

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