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2014/07/24 (Thu.)

孤独のグルメ 巡礼ガイド

巡礼ガイド!そういうのもあるのか。

というわけで、さっそく買ってきました。

孤独のグルメ 巡礼ガイド

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ちゃあんと、コミック版(新装版)と同じ判型で作ってあるところが憎いじゃないか。

まあ、Season3 までの聖地は既に巡礼コンプしてしまった私にとっては今さらガイドなんて必要ないぜ!と思っていたら、

た、確かに...(;´Д`)ヾ。

このガイドには、Season1~3 の中で特に人気の高かったお店から中心に、登場店の半分強のお店が取り上げられています。

孤独のグルメ 巡礼ガイド

写真はドラマの映像だけじゃなくて、(全てではないものの)改めてお店に取材をしたと思われる写真がたくさん使われているのが嬉しい。
ところで、Season1 に登場した東長崎の「せきざわ食堂」、最近ついに閉店されてしまったんですね...お疲れさまでした&ごちそうさまでした。

孤独のグルメ 巡礼ガイド

コンテンツはお店の紹介だけでなく、久住さん&松重さんのインタビューも掲載。松重さんのインタビューは先日の「SPA!」からの再掲でしたが、久住さんのは今回新録なのかな。
過去のドラマでの登場店で久住さんが特に気に入っているお店の話とか、それぞれの店主とのエピソードとか、「こどグルっぽい」お店の条件とか、そういうお話。

孤独のグルメ 巡礼ガイド

ファンの反響についてもけっこう言及されていて、やっぱりご本人自ら Twitter や Facebook でファンとの交流を積極的にやっているだけあって、いろいろ見てくれているんだなあ、というのを実感しますね。

孤独のグルメ 巡礼ガイド

あと、ドラマのお店だけでなく、原作に登場したモデル店に触れられているのもポイント。しかも、ここにもちゃんと取材に行っているのがエライ(笑。
漫画とドラマは基本的に別物、というスタンスでありながら、ドラマ側に原作の設定を細かく絡ませているのが本作のマニアックポイントなので(笑、より深く楽しむには原作への理解は欠かせません。

基本的にはこれから行こうと思っている人向けのガイドですが、ひととおり巡礼した後に読むのも、それぞれのお店の味が脳裏に蘇ってくる感じで、これはこれで罪作り。二巡目を巡りたくなってきてしまいます。ああ、腹が減った...。

さあ、次はどの店に、何を入れに行こうか。

投稿者 B : 21:56 | Book | コメント (0) | トラックバック

2014/06/03 (Tue.)

SPA! に『孤独のグルメ』最新作が掲載

「新橋へ ガード下ゆき ナポリタン」

ドラマ『孤独のグルメ Season4』の放送開始まであと 1 ヶ月余りとなりました。それに伴ったクロスメディア展開として、今日発売の週刊 SPA! に原作コミック『孤独のグルメ』の最新作が掲載されています。東大本郷キャンパスの学食が舞台となった前作から約 10 ヶ月ぶり、今回の舞台は:

SPA! 2014 年 6/10 号

有楽町ガード下の韓国料理

なんと有楽町ガード下!

有楽町~新橋へと続く JR ガード下といえば、サラリーマンの飲みの聖地とも言える場所。ある意味、最も「こどグルらしい」場所であるにも関わらず、これまでこの場所が舞台となることはありませんでした。ドラマ Season4 の開始に合わせて、満を持しての登場というわけです。

有楽町ガード下の韓国料理

私もいちサラリーマン、この界隈で飲むことは少なくありません。個人的には、ドイツビールがうまい「JS レネップ」がお気に入り。

でも、今回の登場店は最も飲み屋さんが密集しているこのエリアではありません。このガード下に入り、線路の真下に伸びる薄暗い通路を新橋に向かって歩いて行くと、

有楽町ガード下の韓国料理

...シャッターが並ぶ異様な光景が出現します。
このあたり、よく歩いているのに、ここに足を踏み入れたことはありませんでした。というより、入っていい場所という認識がなかった(汗

ここからさらに歩いたところに、作品のモデルとなったお店が営業しています。

有楽町ガード下の韓国料理

ゴローのこの顔ですよ!(笑

続きは、ぜひ週刊 SPA! 本誌にて(扶桑社の回し者ではありません

孤独のグルメ

本誌にはマンガ以外にも、ドラマに絡めて松重豊さんへのインタビューも掲載されています。

なるほど、Season4 のネクタイはグレードットか(意味深

孤独のグルメ

他には、マンガ・ドラマ両方の登場店で行きたいお店ランキングとか。私はだいたい行ったので、軽く優越感に浸りながら読みました(笑
上位店にはちゃんと取材が入っています。また、『孤独のグルメ』のファンブロガーさん何名かのコメントも掲載されていました。えっとウチには取材依頼来てないんですけど(←

なお、続けて来週号にも最新作がまた掲載されるということなので、忘れずに買おうと思います。

SPA! 2014 年 6/10 号

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投稿者 B : 23:17 | Book | Comic | コメント (0) | トラックバック

2014/04/24 (Thu.)

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

ガンダム UC ep7 の公開が近づいてきましたが、先日『虹にのれなかった男』を読んだら、UC の後のブライト関連の話ってどうなったんだっけ?というのが気になったので、電子版で『閃ハサ』を読んでみました。

富野 由悠季 / 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

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富野氏の小説は『ベルチル』を読んだことがあるんですが、この作品も相変わらず読みづらいですね...。文章が分かりやすい分かりにくいというより、台本のト書きを読まされている感。まあもともと小説家ではないので、文学的なものを求めてはいけないんでしょうが。

ストーリー的にはほぼ全編にわたって宇宙にも上らず、オーストラリア大陸だけで物語が完結してしまうこと、モビルスーツ戦のシーンが少ないこと、そしてガンダムシリーズの中で最も悲惨なラスト、といったあたりで...読後の感想としては、何とも微妙。面白くないわけではありませんが、モヤモヤしてしまいますね。
まあ、先日も書いたとおり、Ζ 以降は自らの手でガンダムを壊そうとし続けてきた富野氏だからこそ、ファーストガンダムの登場人物が出てくる最後の物語をこういう終わりにしたことは、いかにも富野由悠季のやりそうなことね(←富野節)、という気もします。

それにしても、『虹にのれなかった男』を読んだ後では、『UC』の役回りが例外的だっただけで、結局ブライトは最後まで若者をよい方向に導けないまま軍務を終えることになったのだなあ、と思わずにはいられません。

タイミングのいいことに、今度の『ガンダム UC episode 7』では恒例のゲスト MS として、この『閃ハサ』に登場した連邦軍の量産機「グスタフ・カール」が登場するらしいじゃないですか。まだ正式発表ではなくて雑誌の早売りからのリークのようですが、ほかにもゼータプラスも登場するらしいし、これは期待。
まあ『閃ハサ』は『UC』の 9 年後の物語なので、ちょっと時間軸的におかしいというツッコミはありますが。ジェガンの派生機種的な位置づけなので、先行試作というような設定で出てくるんですかね。

ep7 にはもしかしたら他にも『閃ハサ』への繋ぎになるような設定が出てくるかもしれないので、そのへんも注目して鑑賞したいと思います。

投稿者 B : 00:33 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2014/03/28 (Fri.)

向う端にすわった男

東 直己 / 向う端にすわった男

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探偵はひとりぼっち』に続いて読了。物語的には前後していますが、あまりそういうことを気にせずに読める短編集になっています。『向こう端にすわった男』『調子のいい奴』『秋の終わり』『自慢の息子』『消える男』の 5 作を収録。
「ススキノ探偵シリーズ」では、主人公の「俺」が関わる事件の合間に、飲み屋のツケを回収したり、強請られて困っている人を助けたり、人捜しをしたり、知り合いのホステスの子どもの面倒を見たり、ゲームセンターでペンゴに興じたり、賭場で日銭を稼いだり、山奥で大麻を栽培したり(ダメだろ(笑))という日常を送っています。この短編集は、ある意味でそういう「俺」の日常であったり、長編にするほどではないちょっとした事件をまとめた作品。どうにも救われないオチ、がこのシリーズに共通する読後感で、本作も基本的にはそういう手触りの短編ばかりですが、悲壮感よりも軽いタッチの作品が多いのが、重い話の続く本シリーズの中にあって、少しホッとさせてくれます。たまには、こういうスタイルの作品もいい。

このシリーズ、個人的には今まで「俺」の行動理由がもうひとつ解らない部分があったのが、実は純粋に正義感や人情という部分に動かされての話なんだなあ、というのが、この短編集を読んでよく解りました。ススキノを愛し、ススキノの街で困っている人がいたら助けずにはいられないのが「俺」であり、同じ気持ちでススキノを見つめ続けているのが東直己という作家なんだろうなあ、ということです。短いエピソードの集まりだけに、そういうエッセンスが凝縮されていて、なかなか良かった。

ううむ、また、ススキノで飲みたくなってきました。

投稿者 B : 00:06 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2014/03/26 (Wed.)

機動戦士ガンダム UC 虹にのれなかった男

福井 晴敏、葛木 ヒヨン / 機動戦士ガンダム UC 虹にのれなかった男

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そういえば、一年前に一話目だけ読んでそのまま忘れていたガンダム漫画が単行本化されていたことに気づき、今さらながら読んでみました。既に電子版が発売されていたので、電子版で読了。
単行本化、というより、単行本一冊で完結。もともとそういうボリュームを前提として原作が用意されていたんでしょうね。

まず大事なことをネタバレしてしまうと、本作にはガンダム UC の登場人物は(ブライト以外)出てきません!これでタイトルに『機動戦士ガンダム UC』を冠するのはちょっと狡いんじゃないの、と思いますが、UC に至るまでのブライトの生き方と後悔の念を回想した作品という意味では、UC の世界観を裏付けることができていると言えるでしょう。歴代のガンダムパイロットと同じ艦に乗っていながら、必ずしも彼らを正しい方向に導けたことばかりではないブライトの、どちらかといえば悔恨のほうが強い想い。

「かつてガンダムに乗った者たちと同じく、君もガンダムに選ばれたのだと思いたい。いつもそれは、結果的に必然だった...良くも悪くも、だがな」
「状況に潰されるな。絶望を退ける勇気を持て。君がガンダムのパイロット――ニュータイプであるなら」

UC episode 5 でバナージ・リンクスにかけたこれらの言葉がどういう気持ちから出てきた言葉か、ということの裏を読めただけでも、この作品を読んだ意味はあったと言えます。

本作の原作は『ガンダム UC』と同じく福井晴敏氏。作品の登場人物が、半ば独白に近い形で作中に描かれなかった想いを語る、というスタイルで言えば、UC に関連して開催された朗読劇『赤の肖像 ~シャア、そしてフロンタルへ~』や『機動戦士ガンダム UC FILM&LIVE 2012 Reader's Theater "hand in hand"』(いずれも ANIMAX でたまに放送されています。後者は UC ep6 の BD 初回限定版の特典ディスクにも含まれていました)に似たようなやり方をコミックという形態で表現したもの、と言えるでしょう。文字で読むと長ったらしくて苦痛な福井節(笑)も、朗読劇や漫画だとスッと入ってきてしまうから不思議なものです。

Kindle だと明日(27 日)まで半額セールをやっているので、読むなら今のうちに(^^;;。

投稿者 B : 00:00 | Book | Comic | コメント (0) | トラックバック

2014/03/21 (Fri.)

漫画版 野武士のグルメ

久住 昌之、土山 しげる / 漫画版 野武士のグルメ

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『孤独のグルメ』原作者・久住昌之氏が関わったグルメマンガの新作単行本が発売されたので、すかさず読んでみました。
久住氏による同名のエッセイ集に基づいたコミカライズで、幻冬舎の Web サイトに連載されている作品 5 作+新規書き下ろし 4 作で構成されています。

『野武士のグルメ』試し読み第1話 九月の焼きそビール - 幻冬舎plus

Web で読んでいたから単行本はいいか...と思っていましたが、半分近くが書き下ろしとあっては、買わないわけにはいきません。電子版がないようなので、紙で購入。
原作のほうはエッセイなので久住さんご本人の話として書かれているようですが、漫画版は「香住武」という定年退職した 60 代男性が主人公。漫画版『孤独のグルメ』の井之頭五郎は個人事業主ということもあって自由人、どこかプレイボーイっぽさも漂わせたおじさんでしたが、香住武はあくまで普通の元サラリーマン。キャラの濃さはありませんが(笑)こちらのほうが、より身近に感じられます。

漫画版 野武士のグルメ

でも、台詞回しはやっぱり久住流。これこれ、これですよ!

でも、全体的にゴローよりもモノローグの口数が多い(笑。まあゴローも最近の作品ではだんだん口数が増えてきたので、ドラマを経てこれが最近の久住流、ということなのかもしれません。

漫画版 野武士のグルメ

そして『孤独のグルメ』と違って飲酒シーンが出てくるのも、いいところ。白い飯もいいけど、やっぱり酒飲みとしてはうまい肴にうまい酒。それを主人公と共感し合えるのがいい。料理の画も『孤独のグルメ』に負けず劣らず、うまそうです。
漫画版 野武士のグルメ

この飲みっぷりの良さときたら!「さぁ殺せ!!」ときましたよ(笑

でもうまい店ばかりじゃなくて、がっかりした話や失敗した話も少なくなく、やっぱりこれも『孤独のグルメ』と根っこが同じ話なんだなあ、と思います。

井之頭五郎はなかなか内面を見せない(まれに登場する小雪がらみのエピソードくらいか)うえに意外性のある言動が多いファンタジスタ(笑)ですが、香住武は「定年退職した初老オヤジの独白」という感じで内面をどんどん見せてくるので、読んでいて気持ちが入り込みやすいのが『孤独のグルメ』とは異なる『漫画版 野武士のグルメ』ならではの魅力だと思います。こどグル好きなら、一読して損はないのでは。

投稿者 B : 00:12 | Book | Comic | コメント (0) | トラックバック

2014/03/19 (Wed.)

探偵はひとりぼっち

東 直己 / 探偵はひとりぼっち

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「ススキノ探偵シリーズ」、電子版でちまちま読み進めています。今回は、映画『探偵は BAR にいる 2 ススキノ大交差点』の原作となったお話。本当は、刊行順的にはこれの前に短編集『向こう端にすわった男』というのがありますが、前作からの繋がりでは続けてこの『探偵はひとりぼっち』を読んだ方がいいという話を聞いて、順番を入れ替えてみました。

映画を観た後に原作を読んで思うのは、原作と映画では話のプロットは同じだけど、作品としての作りが随分違うこと。犯人の登場の仕方からして、原作ではある程度流れがあるのに対して、映画では伏線はあるもののいきなり現れています。それに、物語の鍵を握る女性キャラクターも原作は初老の占い師なのに対して、映画ではヒロインという扱い。やはり、映画は『寅さん』のように毎回ヒロインを代える形での長期シリーズ化を企図しているんでしょう。ただ、原作の占い師に関しても、途中からさっぱり存在感がなくなってしまい、役割が中途半端。原作も映画も、形は違えど広げた風呂敷をたたみ切れていない、という点では共通しているな、というのが私の感想です。

タイトルの『探偵はひとりぼっち』は、政治絡みの事件に首を突っ込み、自分の庭と言えるススキノで孤立していく「俺」を的確に表現していて、映画のサブタイトル『ススキノ大交差点』よりも内容に合っていると思います。また、今まではススキノの人脈を駆使して事件解決していた「俺」が、半ば孤立無援状態で謎に挑んでいくスタイルは、今までの 3 作とは随分感触が違って、真犯人を知っていても手に汗を握るものがありました。そういう従来とのスタイルの違いこそ顕著ですが、それ以外にも「俺」が徐々に歳を取って精神的・身体的に変わっていく様子や、人との出会いによってもスタンスに変化が顕れる様子が、シリーズものにありがちなマンネリ化を防いでいます。スーパーマンではなく、ちょっと喧嘩が強く、向こう見ずで熱血漢なだけの「普通の人間」が主人公だからこそ、我々もこういう変化に共感できるのでしょう。

それにしてもオチには本当に驚かされました。確かに、映画の作り的にはこういうエピソードは入れていきづらいだろうなあ、という製作サイドの大人の事情が分かる気がしました(笑)。人生最大の変化を経て、自作の「俺」がどう変わっていくのか、続きが早く読みたくて仕方がありません。

投稿者 B : 01:25 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2014/03/15 (Sat.)

PlayStation 4 ができるまで -日本発売までの 367 日間

西田 宗千佳 / PlayStation 4 ができるまで -日本発売までの 367 日間

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ジャーナリスト西田宗千佳氏の新著を読みました。とはいっても前著『顧客を売り場に直送する』と同様、インプレス AV Watch の連載『西田宗千佳のRandomTracking』および MAGon『西田宗千佳のRandom Analysis』に掲載された記事の再編集で構成されたものです。電子版のみの販売で、主要な電子書籍ストアでの取り扱いがありますが、私は発売元のインプレス MAGon から直接購入。MAGon は DRM フリーの EPUB で配信してくれるので、取り回しが良いんですよね。

基本的には既出記事の焼き直しなので、MAGon を購読していればわざわざお金を払って買うほどのこともないのですが、私は去年あまりにも忙しくて IT 系のニュースを拾い切れていなかったし、MAGon もほぼ斜め読み状態だったので、改めてまとめ読みできるのはありがたい。
製品発表から日本発売までの 367 日間に、西田氏が SCE のアンドリュー・ハウス社長や PS4 アーキテクトのマーク・サーニー氏、ワールドワイドスタジオのプレジデント吉田修平氏らに対して取材したインタビューを中心に、時系列にまとめたものです。IT 系ジャーナリストの西田氏らしく、PS4 のプラットフォームやアーキテクチャ、ビジネスモデルなどが軸で、ゲーム内容に触れた話が少ないため、ゲーム好きな人よりもテクノロジー好きや業界関係者向けの内容と言えるでしょう。後半には MS の Xbox 関係者への取材も交え、PS4 と Xbox One が目指すものの共通点と相違点を整理してあるあたりも、業界が向かっていこうとする方向を把握するという点で興味深い。

PlayStation にしても Xbox にしても、PS3/Xbox 360 世代までは結局は「いかにゲーム機単体のハードウェア性能を高めてゲーム体験を向上させるか」の競争だったのに対して、スマートデバイス/ソーシャルゲームの隆盛とコンソールゲーム市場の縮小をふまえ、PS4/Xbox One では「いかにゲームを遊んでもらうまでの敷居を下げるか」「ビッグタイトル以外でもビジネスが成立するようなエコシステムを作るか」「ソーシャルネットワークをどう巻き込むか」「クラウド技術をどう利用するか」といった点に、各プラットフォームの工夫と差異化の軸が変化してきているのは事実でしょう。ソーシャルゲームに代表されるフリーミアムモデル中心のライトゲームからコンソールらしいコアゲームへのブリッジをどう架け、裾野自体は広がっているゲーム人口をいかにピラミッドの上の方に引っ張り上げるか、の戦いと言ってもいいのかもしれません。そういう意味では、プラットフォームやビジネスモデルの視点から俯瞰することで、ゲーム業界の次の未来を占う材料になる一冊と言えます。
また、既に PS4 が手許で動かせる状況で、この著書を読みながら PS4 を触ることで、発売前に示されていたビジョンがどういう形で具現化されたか、を改めて確認してみるのも面白い。

ただ、そうは言ってもまだまだ国内受けする PS4 のゲームタイトルが少ないことは事実なんですよね。買ってプレイした人たちは異口同音に『龍が如く 維新!』が面白い、と言っていたりするのですが、私は既にゲーマーでなくなって久しいからなあ...。PS4 がプラットフォームとして挑戦的であればあるほど、「自分にとってのキラータイトル」がまだ存在しないことが惜しい。ここはやはり、無料体験版や Live from PlayStation で自分が楽しいと思えるゲームを探してみるかな...。

投稿者 B : 00:40 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2014/03/01 (Sat.)

禁断の魔術

東野 圭吾 / 禁断の魔術 ガリレオ 8

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前作『虚像の道化師』に続いて、図書館の貸出順番待ちが回ってきたので、借りてきて読了。

今回も短編集で、収録されているのは「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の 4 編。うち、ドラマ化されたのは「曲球る」「念波る」ですが...今回は、これまで以上に事件解決に物理学が関係ない話が多いです。最近の作品を読むと、東野圭吾という作家は本来の『ガリレオ』シリーズ的な謎解きのミステリーよりも、犯人や被害者の人物像に焦点を当てた物語の方が本筋なのだろうなあ、と実感します。

前の三話は、正直微妙だなあ...と思いながら読んでいたんですが、最終話「猛射つ」が良かった。書籍の約半分のボリュームがある、長編とまではいかないけどセミ長編(なんだそれ)になっていて、著者の力の入れ具合が分かります。それもそのはず、テーマは「科学や発明は使い方次第で人類を豊かにする道具にもなれば、殺傷性を伴う恐ろしい武器にもなる」という、常に科学者に突きつけられている表裏一体の理に、真正面から向き合っているから。最後の解決の仕方がいかにもガリレオらしくて(それも、福山ガリレオをイメージして書かれたんだろうな、という体で)なかなか痺れました。これ、ボリューム的には映画にはならないけれど、ドラマの 2 時間スペシャルくらい製作されてもおかしくない話。

最後の締め方が、ちょっと完結っぽいテイストだったのも少し気になりました。テレビ的にはもう少しシリーズを引っ張りたいところでしょうが、シリーズ的に避けては通れないテーマを扱ってしまったこともあり、ネタ的にはそろそろこのへんが引き際という気も。なかなか難しいですね。

投稿者 B : 00:30 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2014/02/21 (Fri.)

消えた少年

東 直己 / 消えた少年

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バーにかかってきた電話』に続くススキノ探偵シリーズ第 3 弾。前作でもののついでに助け、〈ケラー・オオハタ〉のマッチを渡した女性からの依頼で始まる物語。

タイトルにあるとおり、行方不明になった少年を探す話ですが、これが前 2 作とは違ったスリルに満ちた展開で、ハラハラしながらも一気に読み進めずにはいられないくらいに没頭しました。今までは、誰かが殺されてその真相に迫っていく...という展開だったのに対して、本作は行方不明の少年の安否が分からず、仮に生きていたとしてもいつ殺されるか分からない、そして犯人の正体も分からない...という、手に汗握るストーリー。映像化されておらず、小説で初めて読むエピソードだったこともあり、最後まで緊張感を持って読み切りました。

3 作目ということもあって、物語の常連である相棒の高田(映画でのキャストは松田龍平)、桐原組組長(同、片桐竜次)と相田(井之頭松重豊)、新聞記者の松尾(田口トモロヲ)あたりのキャラがだいぶ定着してきました。それぞれのキャラが、どういったタイミングでどう絡んでくるか、が掴めてきた感じ。

最初の被害者の殺され方だったり、真犯人の性癖だったり、クライマックスのアクションシーンだったり、文字を読んでいるだけでも気分が悪くなってしまいそうな、なかなか凄惨な話でした。映画化にあたり、このエピソードがスキップされたのも納得がいきます(笑。そして、犯人の殺人の理由が救いようのないほど身勝手なものだというのも、このシリーズに共通する要素ではありますが、それにしても狂気だなあ。だからこそ、最後まで止められずに読んでしまったわけですが。

このシリーズの文体は、辺におどけたり、皮肉ってみたり、無駄な言い回しが妙に多いのが特徴ですが、逆にその特徴こそがこのシリーズの雰囲気を作っているのだと思います。読んでいる相田は、気がつけば自分も周囲の状況をシニカルな感覚で受け止めたくなるし、人混みの中では背後からならず者の集団が襲ってくるのではないか、というありもしない緊張感に包まれがちになります(笑。
今までのシリーズとは違い、ヒロインとのロマンスの要素が入ってきているのも印象的でした。もし実写で安西春子をキャスティングするとしたら、どの女優さんがいいかなあ...。

この次は、映画『探偵は BAR にいる 2』の原作となったエピソード。むしろ結末を知らない話のほうがワクワクが持続することを今回実感しましたが、これはこれでさらっと読んでしまいたいと思います。

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