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2013/09/14 (Sat.)

オールドレンズ・ライフ Vol.3

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.3

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Vol.2 以来 1 年 3 ヶ月ぶりに発売された、澤村 徹さんのオールドレンズムックの第 3 弾。オールドレンズ好きとしては迷わず手に入れました。

今回のキーワードは「オールドレンズ・フルサイズ宣言」。ライカ M、昨年一気に低価格化したフルサイズ一眼レフ、さらに Speed Booster のようなマウントアダプタを使った APS-C 機での疑似フルサイズ撮影など、この 1 年で「フルサイズ画角でオールドレンズを使う」というカメラの楽しみ方が、急に身近になってきました。この流れは今後もしばらく続くでしょうが、そういうトレンドの渦中に出た、決定版のようなムックです。

巻頭特集はライカ M Typ 240 で主に M マウントレンズを楽しむ内容ですが、本書の見どころはむしろそれ以降にあります。フルサイズ EOS で使う個性的なオールドレンズ群、METABONES Speed Booster で改めて楽しむオールドレンズ群、というパートもさることながら、「『2 万円』ではじめるオールドレンズ」特集と「ベストマウントアダプターを探せ!」特集が、初心者には初心者なりにやさしく、でも既にオールドレンズを使っているユーザーが読んでもそれなりにマニアックにまとまっているという絶妙な深さで、とても興味深く読ませていただきました。あと、ありそうでなかった「オールドレンズに効く RAW 現像テクニック」。RAW 現像を使えばオールドレンズでもそれなりに現代レンズらしくも現像できるし、あるいはレンズの「味」を残して描写上気に入らない部分だけを補正することも比較的容易。今このタイミングでオールドレンズに手を出そうというユーザーであれば、それなりに深みに入る覚悟はできているはずで(笑)、そういう人にはかなり読み応えがある一冊ではないでしょうか。

私はここまでオールドレンズといってもツァイス中心に揃えてきましたが、国産オールドレンズも安価な割になかなか面白そうなんですよね。ひさびさに中古カメラ屋を覗きたくなる、そんな一冊です。

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2013/08/17 (Sat.)

真夏の方程式

東野 圭吾 / 真夏の方程式

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先日劇場版を観てきたところですが、やっぱり原作も読んでおかないといけないでしょう。とはいえ、そろそろ本棚に紙の本を増やすのは文庫本であっても躊躇します。というわけで、以前の『聖女の救済』に続いて、図書館で借りてきました(笑。これでも予約して 3~4 ヶ月くらい待たされましたが...。電子書籍さえ出してくれれば喜んでお金を払うんですけどね。この際、本棚を逼迫したくなければ新品で買って読んだらブックオフに、というのは考えませんでした。

映画館で一度観ているので、犯人とトリックを知った上で読んだことになりますが、そういう視点で読むと、あの映画は原作にかなり忠実に作られていたということが分かります。前作『容疑者 X の献身』もそうでしたが、原作に敬意を払っている証拠ですかね。架空の海岸「玻璃ヶ浦」の映像をスクリーンに合わせてイメージどおりに表現した、という点では、この作品はむしろ映像作品のほうを映画館で観るのが真の楽しみ方ではないか、とさえ思います。
とはいえ、掘り下げ方はやはり小説に分があり、原作は被害者と容疑者、そしてその家族の想いと過去、それから警察側の捜査にまつわるエピソードを丹念に描写しています。事件発生の瞬間と種明かしは逆にあっさりしていて、ちょっと拍子抜けだったほど。まあ、今回は物理法則を用いた凝ったトリックもさほどなく、人間関係の描写に重きを置いた作品なので、これでいいような気もしますが、ますますガリレオシリーズではなく加賀恭一郎シリーズでも良かったのでは...と感じました。
対して映画は湯川と少年の信頼関係や川畑家との関わりにフォーカスしている印象。2 時間という映画の枠に収めるにはちょうどいい絞り方だったと思いますが、容疑者が死体遺棄に至る動機と、そもそもの環境問題と事件との関わりに必然性が薄くなってしまった感はあります。事件と川畑家に関わる重要人物を一人まるごとカットしていますからね...。

個人的には、作中で「変人」と評される湯川学のキャラクターには共感するところが大きいです。それは、とにかく理屈で物事を考え、実践で証明していくから。これだけロジカルに物事を考える人というのは現実社会には意外なほど少ないものです(だからこそ人には湯川が「変人」に見える)。
そんな湯川の考え方を象徴するような台詞が、今までのシリーズ以上に物語の要所要所に鏤められているのが印象的でした。

「理科嫌いは結構だ。でも覚えておくことだな。わかんないものはどうしようもない、などといっていては、いつか大きな過ちを犯すことになる」
「両立させたいというのなら、双方について同等の知識と経験を有している必要がある。一方を重視するだけで十分というのは傲慢な態度だ。相手の仕事や考え方をリスペクトしてこそ、両立の道も拓けてくる」
「この世に完璧なものなどない。存在しないものを要求するのは難癖以外の何物でもない」
...科学や技術、に限らず、この社会のありようを正しく認識し、より良い社会を目指していくためには必要な態度ではないでしょうか。私はこれを読んだとき、これはもしかして東日本大震災をふまえて書かれた話なのかな、と思ったのですが、雑誌に連載されていた当時は震災前。それだけ、この言葉が真理を突いている、ということなのでしょう。

あえて不平のひとつでも言わせてもらうならば、こういう認識ができる東野圭吾氏ならば、著作の電子流通にもっと前向きになってくれてもいいんじゃないか、ということでしょうか(笑。

投稿者 B : 00:00 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2013/06/04 (Tue.)

機動戦士ガンダム UC メカニック&ワールド ep4-6

機動戦士ガンダム UC メカニック&ワールド ep4-6

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グレートメカニック DX」誌の増刊号、ガンダム UC 特集の続編が発売されたので、さっそく確保しました。

ep1-3 の発売から 1 年足らずでのリリースというのはちょっと驚きましたが、この号には最新の ep6 までの内容が含まれています。作品の基本的な部分については前号である程度網羅されていたので、この号ではそこまでネタないんじゃないの?と思っていたら、いやいやそんなことはなく。特に ep4 では旧作のモビルスーツ夢の共演状態だったので(笑)、ネタには困らなかったでしょうね...。出典が違うモビルスーツを集めて、最新の『ガンダム UC』という作品世界に登場させるにあたり、オリジナルの設定を忠実に守りながら作中での見え方を統一する、というところにかなり苦心されているのが伝わってきました。
また、映像や設定が中心になりがちなムックでありながら、SE(サウンドエフェクト)を担当したフィズサウンドの西村氏へのインタビュー記事が掲載されていたのも、こだわりの強い本書ならではだなあと感じました。内容的には ep6 Blu-ray 初回限定版の特典ディスクに収録されていた話と一部重複していますが、宇宙世紀ガンダムという世界観の表現には音も重要な役割を担っているんですね。

個人的には、ep4 に登場した旧作の MS に考証を付け加えてディテールアップしている様子が事細かに理解できるだけでも大満足。熟読すると数時間はゆうにかかってしまうであろう、非常に読み応えのある一冊になっています。UC のメカ要素のファンなら買って損はないでしょう。
でもこれ、次の ep7 で完結のはずなんですが、ep7 だけで一冊作る予定なんですかね?小説版ではこの後新しいメカは登場しないし、アニメ版でも今のところ判明しているのはフル・フロンタル用の新 MS(もしくはシナンジュの大改修版)くらいしかないはず...。まあ、それでも新メカをいろいろ登場させたがるのが UC のスタッフのやることですし、一冊作れるだけの大作に仕上がることを、今から期待してやみません。

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2013/04/25 (Thu.)

プラットフォーム ブランディング

川上 慎市郎、山口 義宏 / プラットフォーム ブランディング

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共著者の山口義宏氏から献本いただきました。

いただいたから誉めるわけではありませんが(笑)、山口氏とは今まで一緒に仕事をしたことはないながら、「日本の産業を再び競争力があり、かつ、消費者から憧れられる状態にしたい」という点で、同じ夢を持つ同志だと一方的に思っています。

「顧客体験」「UX」。Apple の iPhone が市場を席巻し始めた頃から多くの企業やメディアで盛んに使われ始め、言葉としてはそろそろ陳腐化して「ユビキタス」「CGM」「クラウド」といった単語と同様に「そういえばそんな実態のない言葉が流行ったよね」というワードの仲間入りをしようか、という段階にあると言えます。しかし、「ユビキタス」「CGM」「クラウド」といったものが、技術やインフラの進化により流行語ではなく現在では空気のような当たり前の存在として利用されているように、「UX」も単語としての流行の段階を終え、企業活動に必須な概念として定着しつつあるように見えます(企業によって温度差が激しいとは感じますが)。
いっぽうで「ブランド」という言葉の解釈にも幅があって、日本においてはバブル時代の高級ブランド・DC ブランドといった「ブランド」の印象や、トヨタに対するレクサス、あるいはファッションブランドのセカンドライン戦略、CI やタグライン...といったように「高級品の代名詞」や「デザインや外観、あるいは企業イメージに関わるもの」と理解されることが多いのではないでしょうか。私も「ブランド●●」と名のつく部署の人と仕事をすることはままありますが、そういう仕事ほど表面的で、企業ブランドに直接関与するようなものではないよなあ...というのが実感だったりします。

しかし「ブランド(商標)」は、「牛に焼き印を施し、他者が育てた牛と区別し、品質を保証するもの」が起源だと言われているとおり、その商品やサービスが提供する品質や安心感を担保する証、企業と顧客との約束とも言えるようなものです。企業側が一方的に「このロゴマークがついているものは高品質だ」と言うだけでも駄目で、消費者の側にもある程度共通した認識が必要。他者との関わりの中ではじめて「自己」というアイデンティティが確立し得るのと同様に、「ブランド」というのも顧客や見込み客との関係の中で成立するものです。とはいえ、企業の側が消費者の認識に対して何もできないわけではなくて、商品の品質を確保したりステートメントを発信することで、ある程度の方向性をつけることはできる。それが「UX によってもたらされるブランディング」というものだ、と理解しています。

そういう意味では、本書が「ブランド」という単語に与えた「顧客体験をデザインするプラットフォーム」という定義は、ブランドの本質を現代に即した形で的確に表現した言葉だなあ、と腑に落ちるわけです。

ただ、あえて本書が画竜点睛を欠く点を挙げるとすれば、この「プラットフォーム」の話と「ブランディング」の話に断絶があり、うまく連結し切れていないなあ、と感じたところでしょうか。「プラットフォーム」に関しては Amazon や楽天のような EC プラットフォームや、Facebook や GREE のようなソーシャルプラットフォームを例に挙げ、事業をプラットフォーム化して、自社の強みを活かしつつ弱みは他社の価値を取り込んで補うことで体験価値を最大化し、ブランド価値を高めることを説いています。それに対して「ブランディング」の話は、ブランドを戦略レベルから戦術、施策レベルまで落とし込み、どうやって事業関係者の上から下までにブランドを意識させながら効果的に事業を推進するか、というブランド戦略の考え方・進め方の教科書のような内容。共著者の二人の専門領域の違いがこのギャップに表れているということなのでしょうが、この二つをブリッジするための章があったほうが良かったのではないか、と感じました。
とはいえ、ブランディングに関する書籍の多くが参考になるんだかならないんだかよく判らない単なる成功事例集(こういう事例って、個別の事象ではなく成功・失敗の要因を抽象化して理解しないと意味がないと思っています)でしかない中、これだけブランド戦略の推進の手順について大真面目にブレイクダウンした書籍は稀有なのではないでしょうか。「ブランディングってヘッドクォーターのブランド担当部門が考えること」みたいな誤解もありがちですが、本書はむしろ(企業価値を高めたいと考えているならば)企業の商品・サービス企画やマーケティング、あるいは直接の顧客接点となる部門の実務担当者こそ熟読し、定期的に回帰すべき原点のような戦略書だと思います。やるべきことや手順、どういう構造で理解・分析すべきか、が図表で解りやすくまとめられているというだけでも価値があります。

ひとつ、本書の共著者に突っ込んで質問してみたいことは、前半のプラットフォームに関する記述の中で「事業をプラットフォーム化すること」について書かれていましたが、プラットフォーム化できるほどの事業規模や市場ポジションにない企業や事業カテゴリについてはどうすれば良いのか?ということです。皆が皆プラットフォーマーになれるわけではなく、App Store にアプリを提供するだけ、楽天のモールに店舗を出店するだけ、の規模の企業のほうが圧倒的に多い。あるいは自社プラットフォームを持ちたいけど OS や SNS をゼロから作ってもすぐにエコシステムができあがるわけではない。そういった場合に、自社がすがっているプラットフォーマーに価値を包含されずに強みを発揮し続ける、または逆に包含を狙っていくためには何をすれば良いのか。Amazon、Apple、Google、Facebook、Twitter といった米国発のメガプラットフォーマーに自分たちのビジネスを換骨奪胎されないためにすべきことは何か、といったことはぜひ問うてみたいですね。

最後に、終章に書かれていた内容は、個人的には 1~2 年前から悶々と思い悩んでいたことに対してヒントとなるようなメッセージをもらえたような気分です。いや、そうなんですよ。ブランドというのは「高い代金を正当化するためのマーク」ではなくて「企業価値の源泉の、その象徴」なわけです。私も特定企業という組織体のために働いているつもりはなくて、「自分を含む顧客に感動的な体験を提供してくれる存在」の価値を高めたいと思って働いているつもり。だからこそ、その価値の源泉は何で、顧客に対してその価値を高めるために何を強化しなくてはならないか、を常に考えていなければならないのです。この書籍は、私がそんな想いのよりどころにしていきたい、と思える一冊です。

投稿者 B : 23:59 | Book | Business | コメント (0) | トラックバック

2013/03/27 (Wed.)

Kindle で『電子書籍リーダー女子 人生を楽しくする電子書籍の始め方』を読んでみた

家電女子.net » 家電女子、初めての電子書籍を出版してしまいましたの巻(前篇)
家電女子.net » 家電女子、初めての電子書籍を出版してしまいましたの巻(後篇)

blog 仲間ののぽりんさんが、Kindle で電子書籍を出版されたので、読んでみました。
彼女は「家電女子」を自称しつつも、モノの選び方や買い方、blog にかける情熱はそこらへんのガジェット男子よりもはるかに漢らしく(←誉め言葉)、中でも最近熱中されている電子書籍についての電子書籍(笑)ということで、これは期待。

のぽりん / 電子書籍リーダー女子 人生を楽しくする電子書籍の始め方

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Kindle なら以前ジョブズ本を原語で読むだけのために買って絶賛放置中(ぉ)の Kindle 4 があるし、久々に充電していざ購入!

...と思ったら、

Kindle ストア

配信先端末の選択肢で、Kindle 4 がなんかグレーアウトしてるんですけど(;´Д`)ヾ。

調べてみたら、どうも Amazon.co.jp の Kindle ストアが対応しているのは Kindle Paperwhite 以降の世代の端末と、iOS/Android 用の Kindle アプリのみで、Kindle 4 以前のハードウェアでは日本語書籍は読めない模様(´д`)。まあ、日本でサービスが始まる前に Amazon.com から輸入した端末なのでここで文句言うのも筋違いですが、半分これを期待して Kindle 4 を買った部分もあったので、残念...。

仕方がないので、iOS/Android アプリ版 Kindle に転送して、通勤中にスマートフォンとタブレットを使って読書。
ほんの 1 時間もあれば読めてしまう、とても読みやすい本でしたが、かといって内容が薄いわけではなく、2013 年現在の電子書籍界隈をユーザー視点でとてもよく総括していると感じました。だてに現存する国内向け電子書籍端末をほぼコンプしているわけじゃない(^^;;

ご本人の電子書籍端末に対する先入観からそれが拭い去られて電子書籍マニアに至るまでの顛末、電子書籍への入門のしかた、端末の種類やサイズの選びかた、今までありそうでなかった「家族で電子書籍を共用する方法」など、どちらかというとこれから電子書籍を買ってみようか、と考えている人に勧められる内容になっています。E-Ink とかクラウドとか DRM とか、とかく専門用語満載になりがちなこの手の解説書にあって、やさしくやわらかい言葉遣いでまとめられているのも、女性ならではでしょう(←冒頭で「漢らしい」とか言っちゃったのでここでフォロー(ぉ))。タイトルこそ『電子書籍リーダー女子』で表現も平易ですが、かといって特別に女性向けというわけでもなく、これから電子書籍を始めてみたい人や電子書籍を始めたばかりの人であれば、多くの人にフィットする解説書だと思います。私も電子書籍については知っているつもりでいましたが、私が持っていない視点での発見も多く、ついつい引き込まれてしまいました。

また、「電子書籍の『いま』を切り取った電子書籍」という意味では、タイミングよくこちらも読了しました。

西田 宗千佳 / 加速する日本の電子書籍 -Kindle、kobo上陸。2012年、日本になにが起きたのか

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こちらは私が以前から購読している MAGon『西田宗千佳のRandom Analysis』に掲載されてきた電子書籍関連記事を加筆した上で一冊の電子書籍にまとめたもの(今月いっぱい限定、特別価格 500 円で販売中)。これまでも、同氏の類い稀なる取材力で業界のキーパーソンから録られたインタビューは業界の本質を深く突いていましたが、散発的な記事(この EPUB マガジンは、同氏の書籍やコラム向けの取材成果をタイムリーに読者に提供する、という側面を持っているため、業界総括というよりは特定の企業に対するインタビュー記事の体裁になっていることが多い)ではなく業界を俯瞰する形でまとめることで、日本における電子書籍の現状を的確に記録していると言えます。

のぽりんさんの著書と西田さんの著書は、奇しくも同じタイミングで電子書籍の現状をユーザーの立場と業界・市場の観点でまとめた、ある意味対称的な電子書籍だと思います。その意味で、両方の書籍をまとめ読みすることで、2013 年以降の電子書籍が向かっていくべき方向が、なんとなく見えるのではないでしょうか。

電子書籍リーダー女子 人生を楽しくする電子書籍の始め方

投稿者 B : 22:41 | Book | eBook | コメント (0) | トラックバック

2013/03/22 (Fri.)

孤独の散歩マンガ『散歩もの』

Sony Reader を新調したことだし、『孤独のグルメ』原作の電子版でも買うか、と Reader Store を覗いていたら、関連コンテンツとしてこんなものを発見しました。久住昌之・谷口ジローといえば『孤独のグルメ』の黄金コンビじゃないですか!というわけで、まとめて購入。まあ、Sony Reader の SVGA 解像度な E-Ink ではコミックを読むには物足りないので、私は Reader Store で買ったコミックは基本的にタブレットのほうで読んでいますが。

久住 昌之、谷口 ジロー / 散歩もの

散歩もの

タイトルは『散歩もの』。『孤独のグルメ』も中年オヤジがメシを求めて独り東京を彷徨い歩く、というコンセプトですが、本作はその「彷徨い歩く」の部分にフォーカスした、さらにシュールな作風になっています。掲載誌が「通販生活」だったというあたりが、さらにマニアック(笑

主人公の名前は「上野原譲二」。井之頭五郎と違って既婚者で、それなりの企業に勤める管理職、という設定ですが、やはり久住昌之氏本人のキャラクターが反映されているのか、どことなく近い、いやむしろさらに濃い性格(笑。「井之頭五郎」に「上野原譲二」、苗字がやけに凝っているところも似ています。

散歩もの

本作の主役は「街」ですが、やはりこのコンビだからか、ところどころに食事のシーンも登場します。これがまた『孤独のグルメ』っぽくてまたいい。でも、この作品の本質はやはり上野原譲二の散歩にかける異様なまでの情熱と、古いものへのこだわりでしょう。道すがら古い電球とか草履とか衝動買いするし(笑

今まで『孤独のグルメ』は山もないオチもない地味なマンガで、だがそれがいいと思っていましたが、この作品に比べればなんと盛り上がりのあることか(笑。日々のことだけど、食事って一日三回のちょっとしたイベントなんだなあ、というのを改めて感じます。だからこそ、一食たりとも無駄にせず、美味しいと思えるものを美味しいと思いながら食べたい。

散歩もの

「テレビや雑誌で見た場所へ出かけていく散歩は 散歩ではない」

...ドラマに感化されてこどグルの聖地巡礼なんかやってて本当にすいませんでした(ぉ

でも、こういういかにも名所って場所じゃないところをあてもなくぶらつく散歩もいいですよね。カメラを持って歩くとさらにいい。
この作品は、聖地巡礼とかやるのは却って作品に失礼な気がするので、自分なりの場所と散歩ルートを見つけてぶらぶらする、というのが本当のリスペクトなんでしょう。『孤独のグルメ』も、それを意識しながらその辺の地味なお店に足を向けてこそ真のファン、なんだと思います。

この『散歩もの』についてさらに詳しくは、『孤独のグルメ』のときにもその面白さを存分に伝えてくれた以下の blog にて。

孤独のグルメテイストな究極散歩マンガ 「散歩もの」:a Black Leaf

久住 昌之、谷口 ジロー / 散歩もの

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投稿者 B : 22:12 | Book | Comic | eBook | コメント (0) | トラックバック

2013/03/21 (Thu.)

Sony Reader PRS-G1

これ買いました。

ソニー / Reader RPS-G1 (ホワイト)
ソニー / ブックカバー PRSA-SC22 (ホワイト)

PRS-G1

年明けに奥さん用に買った PRS-T2 を見ていたら、私の PRS-350 が古くさく見えてきたので、値段が下がっていた PRS-G1 に買い換え。T2 よりも旧型ですが、中身はほとんど変わらないマイナーチェンジだし、3G 搭載モデルながら T2 よりも安かったので。

PRS-G1

最近の私はモバイル機器は意識的にブラック以外を買っているので、今回もホワイトにしてみました。が...白が白すぎて、ちょっと目が痛い(;´Д`)ヾ。ブックカバーは読むときには折り返すから良いんですが、本体のフレームがまぶしいのと、E-Ink の地色が白くないのが却って気になってしまうので、微妙(´д`)。おとなしくブラックを買っておけば良かったか、とちょっと後悔。フレーム部分を覆うデザインの他社製カバーでも買おうかと思案中です。

PRS-G1

T2 と並べてみると、G1 のほうが明らかにコストかかってますが、ボタンは T2 のほうが押しやすいし、T2 もコスト抑えてるわりに質感がんばってるなあ...と感じます。

でもハードは買ったものの、今のところ読みたいコンテンツが特にないんですよね(ぉ。『ガンダム UC』の小説版があれば改めて読み返してみたい今日この頃なんですが、まだ取り扱っていないようだし。東野圭吾作品が電子書籍であれば片っ端から読むところですが、当人は電子書籍反対派らしいので、当面電子化は期待できなさそうだしなあ。前から気になっていたススキノ探偵シリーズでも読んでみるかなあ...。

投稿者 B : 23:59 | Book | eBook | コメント (0) | トラックバック

2013/02/15 (Fri.)

ガンダム UC 虹にのれなかった男

ブライト主役の「機動戦士ガンダムUC」NTエースで新連載 | ホビー | マイナビニュース

『逆襲のシャア』から『機動戦士ガンダム UC』に至るまでのブライト・ノアを描いた作品、と言われたら気になるわけで。アムロを喪ってからブライトがどう生き、何を考えて、UC でのバナージにああいう言葉をかけたのか。知りたいじゃないですか。しかも脚本が UC と同じく福井晴敏、と来たら内容はもう折り紙付きと言っていいレベル。

で、読んでみましたが...、

正直、えーそこから始まって初回はそこで終わり!?

なわけですよ。ネタバレ防止のために詳細は書きませんが、初回に限っては新しいエピソードがほとんどないので、読む意味ない(;´Д`)ヾ。ニュータイプエースはこれを読むためだけに買ったので(漫画雑誌を買ったの自体、『THE ORIGIN』の最終回以来)、580 円がほぼ無駄に...あと強いて読みたいものと言ったら美樹本マクロスくらいのものだし。

まあ、作画が残念なことになりがちなこの手のコミカライズの中にあって、この作品は画はしっかりしている(少なくともアニメ版 UC の世界観をうまく踏襲している)ので、今後続いていけば面白くなっていきそうな雰囲気はあります。単行本はいずれ電子版でもリリースされるでしょうし、そしたら買っても良いかな。でもニュータイプエースはもう買わないと思う(´д`)。

ガンダム UC と言えば episode 6 の公開が近づいてきて、プラモ関連もいろいろと出てきますね。

MG 1/100 MSN-06N シナンジュ・スタイン Ver.Ka

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目玉の一つはこれでしょう。フル・フロンタルの愛機「シナンジュ」の原形。もともとユニコーンガンダム開発のためのテスト機としてアナハイムが開発していた「スタイン」を袖付きが強奪・擬装してフロンタル専用機に仕立てた、という設定です。そのあたりのお話は PS3 ゲームの特典小説で描かれていますが、このタイミングでこれの MG 化が来るとは思っていませんでした。
キットとしては MG シナンジュのフレームをベースに、私が今作っている MG v ガンダム Ver.Ka 当たりの技術をフィードバックしているようなので、完成度はかなり高そう。マイナーな機体ではありますが、組んでみたいキットではあります。あと、来月には MG ジェスタも控えているし、UC ファンモデラーとしては悩ましい時期が続きますね...去年は欲しいキットが数えるほどしか出なかったのに...。

ちなみにプレミアムバンダイ限定のこのキット↓も、実は初回ロットを発注済みだったり。

RG 1/144 MSZ-006-3 ゼータガンダム 3 号機

まあこのあたりは現実的には GW のしゅくだい、になりますかね...。

投稿者 B : 00:18 | Book | Comic | GUNPLA | Hobby | コメント (0) | トラックバック

2013/02/13 (Wed.)

オールドレンズの奇跡

上田 晃司 / オールドレンズの奇跡

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久しぶりにオールドレンズ本を買いました。最近は本で読むよりも気になった方向のレンズ群について Web で自分で調べたり、実際に店頭に行って手に取ってみたり、と自ら沼の中を突き進んでいくほうが楽しいんですが、この本は今まであまり書籍で取り上げられてこなかったオールドレンズについて触れられているようだったので。

今まであったオールドレンズ本の多くが各マウントのレンズを 1~2 本紹介する程度でどちらかというと間口の広さを重視した内容だったのに対して、この本はどちらかというと深い方向、例えば他のオールドレンズ本にはないほど多くのライツ、あるいはキヤノンでも Serenar だったり、ミノルタではなく千代田光学時代の SUPER ROKKOR だったり、本当の意味での「オールドレンズ」が多く紹介されています。これに比べたら YASHICA/CONTAX なんて全然現代のレンズですよ、と言いたくなってくるほど。
この書籍の元ネタは玄光社の『フォトテクニック デジタル』誌における同名の連載で、登場する機材(ボディ)にはちょっと旧いものもあります。また、単行本のために吟味されたレンズチョイスではないためか、レンズ選びにまつわる失敗談も多く、そういう点ではこれからオールドレンズの深い沼に足を踏み入れようとする人には注意点が分かって参考になる反面、純粋にそのオールドレンズの実力を知りたいを思っている人には向かないかもしれません(まあ、オールドレンズである時点で個体差は少なからず存在するもので、真の実力値というのは定義しづらいのも事実ですが)。

個人的には、今まであまり深掘りしてこなかった方面のオールドレンズに関する情報がいろいろ得られたのが良かったいっぽうで、レンズの評価に使われる語彙が乏しく、「空気感まで写す」みたいな表現が多用されすぎていたのがイマイチ。「レンズの味」とか「空気感」と言ってしまうと、結局主観的に好みかどうか(そこには書き手がそのレンズに払った対価に対して自己肯定したいというバイアスも含まれる)に収斂してしまって客観的な分析ができなくなってしまうので、オールドレンズ選びの参考にしたい人向けの読み物としてはどうかなあ、と思うわけです。ま、そもそもオールドレンズなんて現代的な解像力を求めて買うものじゃなし、そういう楽しみ方でいいんでしょ、という考えもアリですが。

ちなみに本書の内容は、抜粋バージョンが「Lite 版」として雑誌オンライン他で試し読みできるようになっているので、興味のある方はどうぞ。

オールドレンズの奇跡 Lite 版 (雑誌オンライン+BOOKS)

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2013/01/12 (Sat.)

Sony Reader PRS-T2

年末年始は帰省しなかったので、ゆったりと過ごしていました。『ハリー・ポッター』シリーズの Blu-ray を最初から全部観直すとか、そういう長期休みでもないとできないことをやってみたりして(笑。

BD を観ていたら、ウチの奥さんが「原作を読みたい」と言い出したんですが、あの分厚い本を全巻収める余裕は我が家の本棚にはなく(『ガンダム THE ORIGIN』を全巻愛蔵版で買ってるお前が言うな、というツッコミはナシで(ぉ))、それなら電子書籍がいいんじゃない?ということで、Sony Reader を買ってきました。私が持っている PRS-350 は自分でときどき使っているので、奥さん用に。
ひとつの小説を読むためにわざわざハードウェアを買うのももったいないと言われそうですが、ハリポタのハードカバーを全巻揃えるよりも電子ブックリーダと電子版を買った方が安上がり、という結論に達し(文庫版を買え、というツッコミはナシで(ぉ))。1 月末までなら Sony Reader を買えば『賢者の石』が一冊無料というキャンペーンをやっていたことに背中を押された感じです。

ソニー / Reader RPS-T2 (レッド)icon
ソニー / ブックカバー PRSA-SC22 (レッド)icon

PRS-T2

文字を読むことを考えると本体は白か黒のほうが読書に集中できていいかな、と思っていたんですが、実物を見ると白も黒もどうも安っぽくて愛着が持てなさそうな気がしたので、赤をチョイス。カバーも同色にしました。

PRS-350 と比べると、現行機種は Android ベースになっているので UI がけっこう変わっていますね。全体的なレスポンスも PRS-350 より俊敏になっているように感じます。E-Ink ディスプレイは PRS-350 よりも一回り大きい 6inch ですが、解像度は変わらず 600×800 なので、読みやすさという点ではそれほど変わりません。もう少し解像度が向上してくれれば、私もそろそろ買い換えたかったりはするんですが。
Kindle Paperwhite だと解像度は 758×1024 だし、フロントライト内蔵なのでハードウェア的には Paperwhite のほうが魅力的ですが、肝心のコンテンツフォーマットの互換性が...。

PRS-T2

最近は電子書籍というと雑誌やコミック、有料メルマガを液晶系のデバイスで読むことが増えましたが、長編の文学はやっぱり E-Ink のほうが読みやすいですね。

子どもに触られて傷がつく可能性が高いので、保護フィルムも買ってみました。

サンワサプライ / 液晶保護指紋防止光沢フィルム PDA-FRD3KFP

PDA-FRD3KFP

ヨドバシで本体を買ったついでに、店頭に並んでいたものを適当に。

E-Ink デバイスなのに、商品名が「液晶保護~」になっていると、なんだかむずむずしますね(笑。

PRS-T2

この保護フィルム、光沢タイプなのでけっこう盛大に反射します(´д`)。でも店頭では他に選択肢がなくて...。妥協せずにいつもの OverLay Plus(ノングレアタイプ)を発注すべきだったと少し後悔。

『ハリー・ポッター』シリーズの電子書籍は Reader Store からではなく、Pottermore Shop で購入・決済する仕組みになっています。Pottermore Shop で購入して、Pottermore の ID と Reader Store(を含む各種電子書籍ストア)の ID を紐付け、購入情報を 電子書籍ストアに送るとその電子書籍ストアから対応したフォーマットのデータがダウンロードできる、という仕掛け。「読む権利」を版元から直接購入することで、異なるプラットフォームや機器をまたいで読めるとか、仮に使っている電子書籍ストアが潰れても他のストア経由で読める、というのはメリットですが、読めるようになるまでの手順が煩雑で面倒ではありますね(´д`)。Pottermore Shop から直接ダウンロードできるのが理想でしょうが、Pottermore 自体が各種のプラットフォームに直接対応するということも考えにくいので、これ以上の改善はなかなか難しそうにも見えます。

ともあれ、ハリポタは特に後半の作品が映画の尺ではいろいろなことを省略しすぎな印象を受けたので、原作を読んでみたいと思ってはいました。電子書籍はデータの貸し借りができませんが、ハードウェアごと借りてしまえばいいわけで(笑。奥さんの合間に私も読ませてもらおうかな。

ソニー / Reader RPS-T2 (レッド)icon

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