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2014/09/29 (Mon.)

探偵は吹雪の果てに

しばらく止まっちゃってましたが、「ススキノ探偵シリーズ」の読書を再開しました。

東 直己 / 探偵は吹雪の果てに

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前作にあたる『探偵はひとりぼっち』での驚きのラストを読んで、

人生最大の変化を経て、自作の「俺」がどう変わっていくのか、続きが早く読みたくて仕方がありません。
と書きましたが、本作ではそのオチに対するいきなりのちゃぶ台返しから始まっていて、再び度肝を抜かれました(;´Д`)ヾ。まあ、「俺」の性格からいって家族のあるまともな生活を送れそうにないことは判っていましたが、ここまで潔く設定を切り捨ててくるとは。そりゃ映画もヒロインを固定しない『男はつらいよ』方式を採ってくるわけだわ。 さらには時代設定も一気に 15 年流れていて、「俺」がいきなり四十代半ばのおっさんになっています。向こう見ずな正義漢という性格は変わらないまま、歳だけ食って無理が利かなくなった「俺」。ハードボイルドさよりも中年の悲哀が前面に出てき始めました(笑。

今回のストーリーは、20 年ぶりに再会した、かつて心から愛した恋人からの依頼で、斗己誕(作品オリジナルの架空の地名で、旭川より少し北くらいの設定だと思われる)に住むある人に手紙を渡してほしい、という話から始まります。その場所は少し前に少年犯罪が起き、その犯人とみられる少年は現在も行方不明のままで...というところからストーリーがからまっていくわけですが、今回の話がまた『探偵はひとりぼっち』以上に「俺」がひとりぼっち。相棒の高田は序盤にちょっと出てくるだけだし、あとは途中で桐原(映画では松重豊演じる「相田」を部下にしていたヤクザの組長)が助け船を出してくれるくらいで、斗己誕を舞台におっさんになった「俺」が一人で謎に立ち向かう話になっています。
人の出入りのほとんどない田舎では住人の全てが顔見知りというだけでなく、ほぼ全員が何らかの利害関係で繋がっていて、その利害に波風を立てる余所者は排除される...というのはよくある話です。本作では、その人間関係のすべてがちゃんと伏線になっていて、クライマックスで芋づる式に謎が解けていく、という推理小説のお手本的気持ちよさがありました。最後は例によってなんとも救われない話でしたが、構成の巧みさはここまでのシリーズで随一じゃないでしょうか。そして、ラストシーンは切ない終わり...若気の至りとは違う、歳をとってからのどうにもならない切なさ、ってのも悪くないですね。

期待以上に面白かったので、このまま続きも一気に読んでいきたいところです。でも気になるのは既に続編の製作が決まっているという映画のほう。『2』が『探偵はひとりぼっち』からの映画化だったので、そのまま引き継ぐとこの『吹雪の果てに』が次の原作ということになります。大泉洋がいきなりおっさんになってしまうのか(といっても、ご本人の実年齢は既にこの作品に近づいていますが)、もう少し若い設定のまま本作を映画化するのか、あるいは未映像化の『バーにいる』『消えた少年』のどちらかを引っ張ってくるのか。映画オリジナルストーリーだとしたら、ちょっとやだなあ。

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2014/04/24 (Thu.)

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

ガンダム UC ep7 の公開が近づいてきましたが、先日『虹にのれなかった男』を読んだら、UC の後のブライト関連の話ってどうなったんだっけ?というのが気になったので、電子版で『閃ハサ』を読んでみました。

富野 由悠季 / 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

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富野氏の小説は『ベルチル』を読んだことがあるんですが、この作品も相変わらず読みづらいですね...。文章が分かりやすい分かりにくいというより、台本のト書きを読まされている感。まあもともと小説家ではないので、文学的なものを求めてはいけないんでしょうが。

ストーリー的にはほぼ全編にわたって宇宙にも上らず、オーストラリア大陸だけで物語が完結してしまうこと、モビルスーツ戦のシーンが少ないこと、そしてガンダムシリーズの中で最も悲惨なラスト、といったあたりで...読後の感想としては、何とも微妙。面白くないわけではありませんが、モヤモヤしてしまいますね。
まあ、先日も書いたとおり、Ζ 以降は自らの手でガンダムを壊そうとし続けてきた富野氏だからこそ、ファーストガンダムの登場人物が出てくる最後の物語をこういう終わりにしたことは、いかにも富野由悠季のやりそうなことね(←富野節)、という気もします。

それにしても、『虹にのれなかった男』を読んだ後では、『UC』の役回りが例外的だっただけで、結局ブライトは最後まで若者をよい方向に導けないまま軍務を終えることになったのだなあ、と思わずにはいられません。

タイミングのいいことに、今度の『ガンダム UC episode 7』では恒例のゲスト MS として、この『閃ハサ』に登場した連邦軍の量産機「グスタフ・カール」が登場するらしいじゃないですか。まだ正式発表ではなくて雑誌の早売りからのリークのようですが、ほかにもゼータプラスも登場するらしいし、これは期待。
まあ『閃ハサ』は『UC』の 9 年後の物語なので、ちょっと時間軸的におかしいというツッコミはありますが。ジェガンの派生機種的な位置づけなので、先行試作というような設定で出てくるんですかね。

ep7 にはもしかしたら他にも『閃ハサ』への繋ぎになるような設定が出てくるかもしれないので、そのへんも注目して鑑賞したいと思います。

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2014/03/28 (Fri.)

向う端にすわった男

東 直己 / 向う端にすわった男

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探偵はひとりぼっち』に続いて読了。物語的には前後していますが、あまりそういうことを気にせずに読める短編集になっています。『向こう端にすわった男』『調子のいい奴』『秋の終わり』『自慢の息子』『消える男』の 5 作を収録。
「ススキノ探偵シリーズ」では、主人公の「俺」が関わる事件の合間に、飲み屋のツケを回収したり、強請られて困っている人を助けたり、人捜しをしたり、知り合いのホステスの子どもの面倒を見たり、ゲームセンターでペンゴに興じたり、賭場で日銭を稼いだり、山奥で大麻を栽培したり(ダメだろ(笑))という日常を送っています。この短編集は、ある意味でそういう「俺」の日常であったり、長編にするほどではないちょっとした事件をまとめた作品。どうにも救われないオチ、がこのシリーズに共通する読後感で、本作も基本的にはそういう手触りの短編ばかりですが、悲壮感よりも軽いタッチの作品が多いのが、重い話の続く本シリーズの中にあって、少しホッとさせてくれます。たまには、こういうスタイルの作品もいい。

このシリーズ、個人的には今まで「俺」の行動理由がもうひとつ解らない部分があったのが、実は純粋に正義感や人情という部分に動かされての話なんだなあ、というのが、この短編集を読んでよく解りました。ススキノを愛し、ススキノの街で困っている人がいたら助けずにはいられないのが「俺」であり、同じ気持ちでススキノを見つめ続けているのが東直己という作家なんだろうなあ、ということです。短いエピソードの集まりだけに、そういうエッセンスが凝縮されていて、なかなか良かった。

ううむ、また、ススキノで飲みたくなってきました。

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2014/03/19 (Wed.)

探偵はひとりぼっち

東 直己 / 探偵はひとりぼっち

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「ススキノ探偵シリーズ」、電子版でちまちま読み進めています。今回は、映画『探偵は BAR にいる 2 ススキノ大交差点』の原作となったお話。本当は、刊行順的にはこれの前に短編集『向こう端にすわった男』というのがありますが、前作からの繋がりでは続けてこの『探偵はひとりぼっち』を読んだ方がいいという話を聞いて、順番を入れ替えてみました。

映画を観た後に原作を読んで思うのは、原作と映画では話のプロットは同じだけど、作品としての作りが随分違うこと。犯人の登場の仕方からして、原作ではある程度流れがあるのに対して、映画では伏線はあるもののいきなり現れています。それに、物語の鍵を握る女性キャラクターも原作は初老の占い師なのに対して、映画ではヒロインという扱い。やはり、映画は『寅さん』のように毎回ヒロインを代える形での長期シリーズ化を企図しているんでしょう。ただ、原作の占い師に関しても、途中からさっぱり存在感がなくなってしまい、役割が中途半端。原作も映画も、形は違えど広げた風呂敷をたたみ切れていない、という点では共通しているな、というのが私の感想です。

タイトルの『探偵はひとりぼっち』は、政治絡みの事件に首を突っ込み、自分の庭と言えるススキノで孤立していく「俺」を的確に表現していて、映画のサブタイトル『ススキノ大交差点』よりも内容に合っていると思います。また、今まではススキノの人脈を駆使して事件解決していた「俺」が、半ば孤立無援状態で謎に挑んでいくスタイルは、今までの 3 作とは随分感触が違って、真犯人を知っていても手に汗を握るものがありました。そういう従来とのスタイルの違いこそ顕著ですが、それ以外にも「俺」が徐々に歳を取って精神的・身体的に変わっていく様子や、人との出会いによってもスタンスに変化が顕れる様子が、シリーズものにありがちなマンネリ化を防いでいます。スーパーマンではなく、ちょっと喧嘩が強く、向こう見ずで熱血漢なだけの「普通の人間」が主人公だからこそ、我々もこういう変化に共感できるのでしょう。

それにしてもオチには本当に驚かされました。確かに、映画の作り的にはこういうエピソードは入れていきづらいだろうなあ、という製作サイドの大人の事情が分かる気がしました(笑)。人生最大の変化を経て、自作の「俺」がどう変わっていくのか、続きが早く読みたくて仕方がありません。

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2014/03/01 (Sat.)

禁断の魔術

東野 圭吾 / 禁断の魔術 ガリレオ 8

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前作『虚像の道化師』に続いて、図書館の貸出順番待ちが回ってきたので、借りてきて読了。

今回も短編集で、収録されているのは「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の 4 編。うち、ドラマ化されたのは「曲球る」「念波る」ですが...今回は、これまで以上に事件解決に物理学が関係ない話が多いです。最近の作品を読むと、東野圭吾という作家は本来の『ガリレオ』シリーズ的な謎解きのミステリーよりも、犯人や被害者の人物像に焦点を当てた物語の方が本筋なのだろうなあ、と実感します。

前の三話は、正直微妙だなあ...と思いながら読んでいたんですが、最終話「猛射つ」が良かった。書籍の約半分のボリュームがある、長編とまではいかないけどセミ長編(なんだそれ)になっていて、著者の力の入れ具合が分かります。それもそのはず、テーマは「科学や発明は使い方次第で人類を豊かにする道具にもなれば、殺傷性を伴う恐ろしい武器にもなる」という、常に科学者に突きつけられている表裏一体の理に、真正面から向き合っているから。最後の解決の仕方がいかにもガリレオらしくて(それも、福山ガリレオをイメージして書かれたんだろうな、という体で)なかなか痺れました。これ、ボリューム的には映画にはならないけれど、ドラマの 2 時間スペシャルくらい製作されてもおかしくない話。

最後の締め方が、ちょっと完結っぽいテイストだったのも少し気になりました。テレビ的にはもう少しシリーズを引っ張りたいところでしょうが、シリーズ的に避けては通れないテーマを扱ってしまったこともあり、ネタ的にはそろそろこのへんが引き際という気も。なかなか難しいですね。

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2014/02/21 (Fri.)

消えた少年

東 直己 / 消えた少年

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バーにかかってきた電話』に続くススキノ探偵シリーズ第 3 弾。前作でもののついでに助け、〈ケラー・オオハタ〉のマッチを渡した女性からの依頼で始まる物語。

タイトルにあるとおり、行方不明になった少年を探す話ですが、これが前 2 作とは違ったスリルに満ちた展開で、ハラハラしながらも一気に読み進めずにはいられないくらいに没頭しました。今までは、誰かが殺されてその真相に迫っていく...という展開だったのに対して、本作は行方不明の少年の安否が分からず、仮に生きていたとしてもいつ殺されるか分からない、そして犯人の正体も分からない...という、手に汗握るストーリー。映像化されておらず、小説で初めて読むエピソードだったこともあり、最後まで緊張感を持って読み切りました。

3 作目ということもあって、物語の常連である相棒の高田(映画でのキャストは松田龍平)、桐原組組長(同、片桐竜次)と相田(井之頭松重豊)、新聞記者の松尾(田口トモロヲ)あたりのキャラがだいぶ定着してきました。それぞれのキャラが、どういったタイミングでどう絡んでくるか、が掴めてきた感じ。

最初の被害者の殺され方だったり、真犯人の性癖だったり、クライマックスのアクションシーンだったり、文字を読んでいるだけでも気分が悪くなってしまいそうな、なかなか凄惨な話でした。映画化にあたり、このエピソードがスキップされたのも納得がいきます(笑。そして、犯人の殺人の理由が救いようのないほど身勝手なものだというのも、このシリーズに共通する要素ではありますが、それにしても狂気だなあ。だからこそ、最後まで止められずに読んでしまったわけですが。

このシリーズの文体は、辺におどけたり、皮肉ってみたり、無駄な言い回しが妙に多いのが特徴ですが、逆にその特徴こそがこのシリーズの雰囲気を作っているのだと思います。読んでいる相田は、気がつけば自分も周囲の状況をシニカルな感覚で受け止めたくなるし、人混みの中では背後からならず者の集団が襲ってくるのではないか、というありもしない緊張感に包まれがちになります(笑。
今までのシリーズとは違い、ヒロインとのロマンスの要素が入ってきているのも印象的でした。もし実写で安西春子をキャスティングするとしたら、どの女優さんがいいかなあ...。

この次は、映画『探偵は BAR にいる 2』の原作となったエピソード。むしろ結末を知らない話のほうがワクワクが持続することを今回実感しましたが、これはこれでさらっと読んでしまいたいと思います。

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2014/01/19 (Sun.)

虚像の道化師

東野 圭吾 / 虚像の道化師 ガリレオ 7

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真夏の方程式』を観たと思ったら、以前図書館で予約しておいた本の順番がようやく回ってきたとの連絡があったので、借りてきました。というか予約したの『真夏の方程式』の原作と同時なんですけど、こっちのほうが 5 ヶ月も遅いとは(;´Д`)ヾ。

映画の原作とは違って本作はこのシリーズらしい短編集。とはいえ昨年のドラマ 2 期で映像化されてしまっているため、ストーリーとしては既に知っているものばかりです。大沢たかおが新興宗教の教祖を演じた「幻惑す」、ゲストに大島優子を迎えた「幻聴る」、同じく香椎由宇がヒロインを演じた「偽装う」、蒼井優が女優役を怪演した「演技る」の 4 編。以前のドラマ化に比べて 2 期はかなり原作を改編した脚本になっているのね、というのが改めて原作を読んだ感想で、特に「偽装う」はトリック以外は全く別の話だし、「演技る」も原作とドラマではオチが正反対。映像化にあたっては簡略化したりメリハリをつけるために多少ストーリーをいじることはあると思いますが、「演技る」は原作のほうがぜんぜん良かったなあ。ドラマでは蒼井優の芝居の迫力に圧倒されてしまいましたが、原作を読むとドラマ版の設定はただの狂人...。

原作のほうに話を戻すと、やはりシリーズを重ねるごとに物理学との関連性が薄くなり、次第に単なる推理小説になってきているのを感じます。物理学縛り、というのはネタ的に厳しいのかもしれませんが、これなら加賀恭一郎シリーズで良いのでは、という作品の割合は高まっているし、何よりも湯川学というキャラクターが初期の「変人」から、ドラマ版の福山ガリレオに近づいているのが気になるところ。
まあ面白いし文章のテンポが良いので一気に読んでしまったわけですが。ちなみに同じく図書館で予約中の続編『禁断の魔術』は、いつになったら順番が回ってくるのでしょうか(笑。

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2014/01/05 (Sun.)

小説『清須会議』

冬休みの間に読破しました。

三谷 幸喜 / 清須会議

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映画を観たときから、これの小説版ってどんな感じなんだろう?そういえば三谷幸喜の文章って読んだことないなあ、というのがずっと気になっていて、電子版で読了。

ストーリーは当然映画と同じわけですが、描き方がずいぶん違う。読む前は、台本がそのまま文章になっているような小説だったらどうしよう、という心配もありましたが(笑)そんな心配は無用でした。
物語は、基本的に登場人物の誰かのモノローグまたは手記という形で綴られていきます。それ故に、細かな場面描写よりも登場人物のその時点での心情描写に重きが置かれていて、映画で「あのときこの人物が何を考えていたのか」がより鮮明に浮かび上がってきます。羽柴秀吉のどこかとぼけた中にある狡猾さ、柴田勝家の想像以上の直情さ、丹羽長秀の苦悩、お市の恨みの深さ、そういった人物の、映画の中では描かれなかった「行間」が読めて実に面白い。読みながら、これは「小説」というよりもむしろ俳優陣に本読みの前に各キャラクターの心情を理解させるために書いた資料なのではないか、という気分にさえなりました。三谷幸喜は脚本を当て書き(配役を見て、その役者をイメージしながら書くこと)することで有名ですが、いかにもそういうキャラクター設定になっていて、読みながら役者の顔や身振りが想像できてしまう上に、にやりとさせられる場面も数多く。芝居やアニメ、漫画ならともかく、活字を読んで吹き出してしまう経験なんて滅多にないものです(笑。

映画単体でもとても面白かった作品ですが、小説を併せて読むことでより深まったように思います。もしまだ映画しか観ていないなら、これから原作も読んでみることをオススメ。

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2013/12/23 (Mon.)

バーにかかってきた電話

東 直己 / バーにかかってきた電話

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前作『探偵はバーにいる』に続いて、電子版で読了。
本作は映画『探偵は BAR にいる』の原作となった作品なので、ストーリーはひととおり把握していましたが、これが活字になったらどう見えるんだろう、というのは気になっていました。

このけっこう長い話(まあ、主人公「俺」のモノローグの中には本筋にあまり関係ない与太話も多いけど)を 2 時間の枠に収めるとあって、原作からみると映画版ではストーリー展開や人間関係を解りやすくする方向に、大胆にデフォルメされていたんですね。特に、映画では「俺」と高田が手がかりを見つけたらとにかくそこに突撃、という感じだったのが(笑)小説ではちゃんと探偵らしく、いろいろ調べたり、聞き込みに廻ったり、重要人物に揺さぶりをかけるエピソードが書き込まれていて、話の展開としては面白かったです。依頼人である「コンドウキョウコ」の正体を映画で観て知ってしまっているのでオチに至る高揚感はありませんでしたが(ただしクライマックスの大泉洋と小雪の芝居は良かった)、原作から読んでいたら騙されていたかもしれません。逆に言えば、映画版は観客にはどうしても声色で依頼人の目星がついてしまうし、そもそもキャストを見ればほぼ判ってしまうので(笑)あえて謎解きよりもそこに至るプロセスに焦点を当てたのでしょうね。

バーにかかってきた電話

話としては原作のほうが面白かったですが、映画は映画で各キャストの演技が良かった。映画版は「映画らしさ」を意識して作っているんだろうなあ。原作つきの映画って、原作を読んでしまうと映画版がどうにもチープに見えてがっかりすることが少なくないですが、このシリーズはうまく映像化を成功させていることを、原作を読んで改めて実感しました。冬休みは続編も読み進めて、映画『探偵は BAR にいる 2』とも比べてみたいと思います。

投稿者 B : 22:22 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

2013/11/23 (Sat.)

探偵はバーにいる

東 直己 / 探偵はバーにいる

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映画版を観るたびに原作が読みたくなるシリーズがこれ。でも、何となく今までタイミングを逸してきていて、結局読めていませんでした。が、先日すすきので写真を撮ってきた勢いで、Reader Store で電子版を購入。Sony Reader と Xperia を乗り継ぎながら、通勤や出張の移動時間を使って読破しました。

映画第 1 弾の「コンドウキョウコ事件」は本作ではなく、2 作目の『バーにかかってきた電話』が原作になっています。なので、シリーズ 1 作目のこれは映画と同タイトルでありながら、全く別のお話。主人公「俺」の大学の後輩の恋人が行方不明になり、同時期に発生した風俗店での殺人事件との関わりに気づいた「俺」が事件の周りを洗い始める...というストーリー。と書くと、わりとオーソドックスな探偵モノに見えますが、そこは大泉洋主演で映画化する作品ですからね。常にどこかおちゃらけていて、少し下品で、そしてニヒルで、という文体で最初から最後まで通してくれます。「俺」の一人称視点で書かれている文体ですが、映画から入った私にとってはもう地の文からして大泉洋の声で脳内再生されてしまいます。それくらい、「俺」は大泉洋のハマリ役だったと言えるでしょう。

ここまで映画 2 作、小説 1 作を読み(観)終えて感じるのは、このシリーズの被害者役は、この世の汚さを身をもって知りながらも、自分なりの信念に基づいてひたむきに生きていたところを、誰かの私利私欲や嫉妬のために残酷にも殺されてしまう、というパターンのようだ、ということ。そして、事件が解決あるいは終結したところで、何かが変わるわけではなく、被害者の存在が喪われてしまった事実だけが残る...という無情さです。いや、現実の殺人事件なんて実際そんなものなんだろうと思いますが、小説としては東野圭吾の加賀恭一郎シリーズのように、クライマックスで強烈なカタルシスがもたらされる推理小説もあるだけに、対照的だなあと。でも、「俺」のシニカルな一人称視点で語られる物語としては、これでいい。

それにしても、北海道に行ってきた直後に読んだ(正確には、帰りの飛行機の中から読み始めた)のは正解でした。ちょうど写真を撮りながらぶらついていたすすきのや大通、北大キャンパスあたりが主な舞台になっていたので、具体的にイメージしながら読むことができました。そして、読んでいる間にはやっぱり道を歩いていてもどこかからならず者が襲ってくるんじゃないかという気分になるし、ついつい強い酒を飲みたくなる。自宅ではもっぱらバランタイン 12 年ですが、スーパーニッカを買ってきて 12 オンス・タンブラァになみなみと注いでロックで飲みたくなるし、久々にバーに行ってラスティ・ネイルを頼みたくなります(笑。とりあえずスーパーニッカは買ってこようそうしよう。

このままの勢いで次の『バーにかかってきた電話』も読もうと思います。
Reader Store ではここのところ月イチでポイントをくれるキャンペーンが続いているので、月に一冊ペースであれば、多少安く読んでいくことができそう。

投稿者 B : 00:25 | Book | Novel | コメント (0) | トラックバック

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