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2010/12/23 (Thu.)

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

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先日のイベントの際、シグマさんからみんぽす経由でレビュー用にレンズを一本貸していただきました。

シグマ / APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

50-500mm という高倍率超望遠ズームレンズ。被写体に関してはかなり雑食な私ですが、年に一度くらいサーキットに行ったり、たまに野鳥撮影に行ったりするたびに超望遠レンズが欲しくなる。だいぶ前からシグマの 120-400OS、150-500OS とキヤノンの 100-400L のどれかをそのうち買いたいなーと思っていました。
そんな折、シグマさんからこのレンズを借りられるとのことで、迷いなく応募した次第。本当は 150-500OS のほうを試したかったんですが、貸し出しリストになかったので。でも、150-500OS よりもこの 50-500OS のほうが描写が良いという噂もあり、また先日のイベントでは山木社長自ら「レンズメーカーはカメラ誌などの評価を意識してテレ端とワイド端の MTF を重視して設計するので、ズームの中間域では苦手な焦点距離があることが少なくないが、この 50-500mm はテレ端からワイド端まで 10mm ごとの MTF を取ってみても特性がほぼ一定」というくらい自信のあるレンズらしく、逆にこれを借りられて良かったかもしれません。今回のレビューで高倍率=使い勝手重視で画質はイマイチ、という先入観を過去のものとできるか。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

しかしこのレンズ、最大の弱点は大きくて重いこと。全長 219mm、重量 1,970g というサイズは私が持っているどのレンズよりも大きくて重いんです。イベント会場から自宅まで持って帰る途中、何度か後悔したほど(´д`)。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

私が持っているレンズの中で最も全長の長い EF70-200mm F4L USM と比較してみるとこんな感じ。二回りくらい長くて太く、重さは 3 倍弱。70-200mm F2.8L あたりと比べても一回り弱くらい違います。これはちょっと気合いを入れないと持ち運べないかな・・・。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

テレ端(500mm)にするとレンズ全長は 2 倍くらいに伸びます。カメラを構えながら「狙い撃つぜ!」とでも言いたくなる長さ(ぉ。
ズームリングはレンズ前方、フォーカスリングは後方になります。これだけ重いレンズなのでズームリングの感触もかなり重め。物理的に仕方ないのだとは思いますが、咄嗟の切り替えが必要なシチュエーションでは、キヤノンの一部望遠ズームで採用されているような直進ズーム方式のほうが扱いやすいかもしれません。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

フィルタ径は驚愕の 95mm。これだけ大きいとレンズフィルタ代もばかになりませんね・・・。
見ての通りフロントヘビーなバランスなので、ボディにつけると首からストラップで提げているのもちょっと辛い感じに。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

鏡筒の側面にはスイッチ類があります。AF/MF 切り替えスイッチ、OS(Optical Stabilizer:手ブレ補正)のモード切替スイッチ(OFF/通常補正/流し撮り用補正)、前方にはズームロックレバー。前述の通り前玉が重いので、ズームロックしていないとレンズを下向きに持ったときに鏡筒がずるずると伸びてきてしまいます。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

フィルタ径 95mm ともなると、レンズフードもかなり巨大です。参考までにΦ49mm な NEX の標準ズームレンズ用フードと比較してみました(完全にネタです。どうもあり(ry

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

さらに、APS-C 機で使う場合はイメージサークルが狭まるため、より効果的に遮光できるよう APS-C 用のフードアダプタを使ってフードを延長します(レンズとフードの間に入っている、少し質感の違う筒がアダプタ)。これをつけるとフードの全長が 2 倍くらいになるので、かなり効果は高そうですが、威圧感も増してしまいますね(笑。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

シグマの望遠レンズにはほぼ決まってセミソフトタイプのレンズケースが付属しますが、このレンズにもそれはそれは巨大なものが付属しています。私がこのレンズを買うとしても普段はカメラバッグに入れると思うので、このケースは使っても旅行のときくらいかなあ・・・。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

ということで手持ちのカメラバッグに入るかどうか?を試してみました。写真は CLUMPLER の 7 Million Dollar Home ですが、APS-C 用フードアダプタをつけなければギリギリ入ります。ただ、このレンズを入れただけで約 2kg なので、他のレンズはちょっと重量を考えながら入れていかないと担げないことになりそう(汗。
あと、一回り小ぶりな ARTISAN & ARTIST の ACAM-3000 には、縦入れでは全然入りませんでした。横向きには入るんですが、それだとほぼ他のものが入らなくなってしまうので、ダメですね・・・。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

ボディにつけてみました。APS-C 機としては大ぶりなはずの EOS 7D が小さく見える(笑。バッテリグリップを装着してようやく少しバランスが良くなるくらいなので、このレンズを使おうと思ったらある程度大きめなボディは必須でしょうか(ちなみに 7D のバッテリグリップとこのレンズの三脚座の高さは同じでした)。
バランス的にはフルサイズ機のほうが合いそうですが、EOS 7D ならば 500mm×1.6=800mm 相当(!)の超望遠ズームとして使えるので、それはそれでメリットがあると思います。しかしこの状態(バッテリグリップ+バッテリ 2 本)で総重量は 3,290g!新生児一人分より重いものを振り回すのは、かなり体力を必要としそうですね・・・。

あいにくモータースポーツシーズンも終わってしまっているので何を撮ろうか、という時期ですが、これから冬休みに入ることもあるので、いろいろ撮ってみます。

シグマ / APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM (キヤノン用)

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2010/12/20 (Mon.)

SD1:Foveon X3 センサの解像感の秘密 -シグマ モノフェローズイベントレポート (2)

このレビューはWillVii株式会社が運営する国内最大級家電・ゲームレビューサイト「みんぽす」のモノフェローズイベントに参加して書かれています。本レビュー掲載によるブロガーへの報酬の支払いは一切ありません。レビューの内容につきましてはみんぽすやメーカーからの関与なく完全に中立な立場で書いています。(唯一事実誤認があった場合のみ修正を行います)「モノフェローズ」に関する詳細はこちら。(WillViii株式会社みんぽす運営事務局)
みんぽす

昨日に引き続き、シグマのイベントレポートをお送りします。今回は、先日の Photokina で開発が発表された、シグマ製デジタル一眼レフカメラの新製品「SD1」について。

シグマ、約4,600万画素・防塵防滴ボディの「SD1」 - デジカメWatch

SIGMA

レンズ開発に関するお話から、シグマという会社がとにかく品質と他社がやらないことをやる差異化戦略についてはよく理解できましたが、この SD1 をはじめとしたシグマ製デジタルカメラも、良くも悪くも非常に独自性の強い製品となっています。

シグマ製のカメラを語るときには、そのイメージセンサである「Foveon」(フォビオン)を抜きにしては語れないでしょう。

現在のデジタルカメラのイメージセンサのメーカーは限られていて、キヤノン、ソニー、パナソニック、富士フイルム、米 Kodak(昨年撤退)、そして Foveon くらいしかありません(ニコンもフルサイズセンサは自社製)。そして、これらの中でキヤノンとソニーの 2 社が圧倒的な市場シェアを誇っており、デジタルカメラで Foveon を採用しているのはシグマのみ。
また、Foveon 以外のイメージセンサは「ベイヤー配列」と呼ばれる一般的な原理を採用しているのに対して、Foveon は構造からして全く異なる、独自性の強いセンサになっています。

Foveon の歴史に関しては、シグマの公式コンテンツが分かりやすくまとまっています。

SDシリーズの誕生 | SIGMA SD15 : スペシャルコンテンツ

SIGMA

Foveon の創設者の一人が、カーバー・ミードという名前のこのおじいさん。CIT(カリフォルニア工科大学)の物理工学・情報工学の教授で、Foveon 以前には PC や iPod のタッチパッドのメーカーとして知られる Synaptics という企業の創始者の一人でもあるそうです。このほか、情報工学の世界ではとても有名なゼロックスのパロアルト研究所(現在の Windows や Mac OS で使われている、マウス操作を中心とした GUI の基礎を発明したことで有名)にも所属していたことがあるそうで、コンピュータ業界とは切っても切れない縁があります。

SIGMA

社名でありセンサの製品名である「Foveon」は、生物学用語である「Fovea Centralis(網膜中心窩)」を語源とした造語。何を言っているのかさっぱり分からないと思いますが(笑、

SIGMA

シグマの公式サイトの説明によると「人間の網膜の中心に位置し、視力と色に対する感度が最も高い部位」のこと。具体的には上の画像にあるとおり、人間の目の球体において、水晶体(レンズ)と正対する位置にある部位のことです。まさにカメラのレンズとイメージセンサの関係になぞらえた名称で、「最も感度が高い」という Foveon センサの特性にそれだけの自信を持っているわけです。

ちなみに、Foveon は数年前までは「Foveonics」という社名だったのが、Canon も Nikon も「~on」で終わる名前なので、カメラ関連の企業であることが分かりやすいように「Foveon」に改名したそうです。って言われるまで気がつかなかったよ!(ぉ
戦後の日本のカメラメーカーがこぞって Leica を意識した「~カ」というメーカー/ブランド名をつけたり、ニコンという名称が Zeiss Ikon を意識したものであると言われていたり(かつての社名であった日本光学のもじり、以外に「Nein Ikon(=Not Ikon)」の意味が込められているという説もある)、というようにドイツメーカーが日本メーカーに大きな影響を与えていたのと同じことが、今逆に起きているということなのかもしれません。

SIGMA

Foveon センサそのものの発明者は、ナショナルセミコンダクタという半導体メーカー(かつて PC 用の「Cyrix」という Pentium 互換 CPU を開発製造していたメーカー)の技術者であったディック・メリルという人物。しかしこの人も、理論的には Foveon センサでベイヤー型センサよりも高い画質が実現できるはず、ということを考えて特許まで取っていたものの、実際にセンサを製造するのは困難だと考えていたそうです。そこに、Foveon 社の当時の画像処理エンジニアであったディック・ライアン(現在は Google に移籍)が協力し、ついに Foveon X3 センサの実用化に成功しました。

SIGMA

Foveon X3 センサと一般的なベイヤー型センサとの違いは露光方式。ベイヤー型センサは輝度のみを検出するモノクロセンサであり、その上に R/G/B 各色のカラーフィルタを被せることで色情報として検出しています。
それに対して、Foveon X3 は「半導体は厚みによって吸収する光の波長が異なる」というシリコンの特性を応用し、センサの表面で青、中深度で緑、高深度で赤の光を捉えるという仕組みになっています。人間の身体も紫外線(短波長の光)は皮膚の表面が反応するために日焼けし、赤外線(長波長の光)は身体の芯から温まる、ということがありますが、それと同じような話です。

ベイヤー型センサが各画素で 1 色しか受けられないのに対して、Foveon X3 は 1 画素で 3 色を検出できるため、ベイヤー型センサと比べるとセンサの画素数の 3 倍相当の解像度が得られると言われています(実際にはシリコンの深部に行くに従って光が拡散してしまうため、理論ほどきれいにはいかないようですが)。
ビデオカメラでは、従来もプロ機などを中心に 3 板式(3CCD・3CMOS)の機種があり、カメラ内部でプリズムを使って光を 3 原色に分解し、R/G/B それぞれ専用のイメージセンサで受光することで解像度を高める、という手法が採られてきましたが、Foveon X3 はイメージセンサ 1 枚でこれと同じ役割を担っていると言えます。

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また、ベイヤー型センサでは 1 ピクセルごとに R/G/B いずれかのカラーフィルタが貼り付けられていますが、フィルタの構成比は R:G:B で 1:2:1 になっています。これは人間の眼がグリーンに対する感度が高いため(モニタで R:100%、G:100%、B:100% それぞれを表示して見比べてみるとグリーンが一番明るく見えますよね?)、グリーンを優先的に処理したほうが見た目上の解像度が高く感じられる、という事実に基づいています。が、人間の感度が低いというだけで、光にはレッドとグリーンの要素も含まれるわけだから、それらもちゃんと解像してあげたほうが美しく見えるよね、というのが Foveon の考え方。
確かに、音楽でも MD や MP3 などの圧縮音源は音響心理学的に「人間の耳にはほとんど聞こえない周波数の音を間引くことでデータ量を減らす」というアプローチでデータを圧縮していますが、ちゃんと聴き比べるとやっぱり非圧縮音源のほうが音色が良く、再現性が高く感じられます。それと同じようなことを視覚に対して言っているのがベイヤーと Foveon の違い、と言えば分かりやすいでしょうか。

また、先述の通りベイヤー型センサではピクセルごとにカラーフィルタの色が異なるため、各ピクセルについているフィルタ以外の色が検出できません。そのため、イメージセンサの前面にローパスフィルタを置いて画像を「ぼかし」、各ピクセルが隣り合う別色のピクセルを(そのぼけた光の情報をもとに)類推して補完する処理を入れています。これにより、1,000 万画素のイメージセンサであればそのままフルカラーで 1,000 万画素相当の画像が得られるわけですが、実際にはいくら高性能なレンズを通ってきた光であっても、記録される直前にぼかし処理が入ることで「微妙に眠い」画質に劣化していることになります。
が、Foveon X3 であれば全ピクセルで RGB 全てを露光するその構造上ローパスフィルタが不要なため、レンズ本来の画質がそのまま得られる、というわけです。

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こういうアプローチで開発された Foveon X3 センサですが、従来は同世代の他社製イメージセンサに比べて絶対的な解像度が見劣りするという弱点がありました。カタログスペック上は 1 ピクセルで 3 画素相当という計算で、現行の SD15 ならば 1,406 万画素相当と謳われていますが、実際のピクセル数は約 470 万画素。見た目の解像感が高いとはいえ、画素数は所詮 470 万画素相当では、Foveon の長所と短所を理解してくれるユーザー以外にはなかなか支持されなかったのも事実だと思います(そもそもカメラメーカーとしてのシグマの知名度など、他にも理由はあるでしょうが)。

が、来年発売される SD1 では Foveon X3 センサそのものの解像度を一気に 1,530 万画素に引き上げ、色解像度約 4,600 万画素相当という謳い文句だけでなく、センサ自体の解像度でも他社の現行製品と遜色ないレベル(APS-C で現在最高画素数となる EOS 7D でも 1,800 万画素)に並べた上で、画質で勝負しようとしています。これはもしかしたら初めて Foveon センサ搭載機を購入の選択肢に挙げて良いかもしれません。

SD1 は来春の発売に向けて目下開発中ということで、今回は残念ながら実機に触ることはできませんでしたが(欲を言えば試作機かモックにでも良いから触りたかった)、SD1 の試作機で撮影されたという写真のプリント(A0 判だったかな)を何枚か見せていただけました。

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えー、Foveon で撮った写真のプリントをベイヤー型のカメラで撮った画像じゃ分からないと思いますが(ぉ)、雰囲気だけでも分かるかと。確かに非常に解像感が高く、

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大判のデジタルカメラで撮影したわけでも、マクロレンズを使ったわけでもないのに、これだけ大きなプリントで産毛や毛穴、肌のきめまで克明に再現されています。写真の空気感が伝わってくるというか、大げさな話ではなく「立体感を持った写真」とでも言えばいいのでしょうか。
正直言って、今まで自分が使ってきたデジタル一眼レフの画質がぼやけていると感じたことがありませんでしたが、何か根本的に違うものを見てしまったような気がします。よく「シャープな描写」と表現されるシグマ製交換レンズ群の真の性能を活かせる Foveon X3 こそ、シグマのレンズに相応しい組み合わせなのかもしれません。個人的には、ツァイスレンズを Foveon で使ったらどんな画になるか・・・を一度試してみたかったりします。

なお、SD1 ではなく現行の SD15 ではありますが、ニューヨークの写真家 Bill Sullivan とシグマとのコラボレーション写真集 "Duane Park" で Foveon X3 のポテンシャルの高さを感じることができると思うので、ぜひご覧ください。

Duane

ちなみに、この SD1 の価格は現時点ではまだ未定ですが、「APS-C のデジタル一眼レフカメラとして非常識ではない価格」を目標としているとのこと。Foveon センサを付加価値と考えるならば、おそらく APS-C のハイエンド機である EOS 7D やニコン D300S クラスを狙ってくるのではないでしょうか。20 万円を超えるとフルサイズ機が見えてきてしまうので、量販店での実勢価格で 18 万円前後・・・あたりを予想します。
ただ、価格に関しては山木社長も言葉を濁しがちだったので、まだまだ新しい Foveon X3 センサの歩留まりが見えていないのかな、という気がします。量産性がコストに直結する半導体において、特殊なセンサにもかかわらず供給先が自社のみ、というのは、正直厳しいかと。だからこそ、歩留まりの問題さえクリアできれば強力な差異化に繋がるわけですが。
あとはファームウェアの仕上がり次第ですかね。DP1 あたりは正直使い勝手が悪く、じゃじゃ馬を乗りこなす愉しみを見出せなければ辛いカメラだったので、動作速度や操作性という点で当初からブラッシュアップされたものであることを期待します。

SD1 の国内お披露目は来年の CP+ あたりでしょうか?私も今から楽しみにしていたいと思います。

■関連エントリー
山木社長が自ら語る、シグマの歴史と今 -シグマ モノフェローズイベントレポート (1)

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投稿者 B : 23:59 | Camera | DSLR | Minpos Review | コメント (0) | トラックバック

2010/12/19 (Sun.)

山木社長が自ら語る、シグマの歴史と今 -シグマ モノフェローズイベントレポート (1)

このレビューはWillVii株式会社が運営する国内最大級家電・ゲームレビューサイト「みんぽす」のモノフェローズイベントに参加して書かれています。本レビュー掲載によるブロガーへの報酬の支払いは一切ありません。レビューの内容につきましてはみんぽすやメーカーからの関与なく完全に中立な立場で書いています。(唯一事実誤認があった場合のみ修正を行います)「モノフェローズ」に関する詳細はこちら。(WillViii株式会社みんぽす運営事務局)
みんぽす

みんぽす」のイベントで、日本を代表する撮影機器メーカーのひとつであるシグマさんのセミナー兼撮影会に参加してきました。

SIGMA 株式会社シグマ

今回はシグマの山木和人社長から直接お話を伺えるまたとない機会、ということで、楽しみにしていました。

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山木社長はときどきカメラ誌などのインタビュー(最近だと東洋経済誌の特集など)に登場されていますが、そういった媒体でお見かけするスーツ姿とは違い、今回はカジュアルウェアでのご登場。第一印象は「若い!」一般的なカメラメーカーの社長さんより随分お若いことは知っていましたが(現在 42 歳とのこと)、服装のせいもあってか本当に若々しく、かつ柔和な方でした。

シグマの創業者は山木社長のお父さんにあたる山木道広・現会長とのことで世襲制にあたります。世襲制には賛否両論ありますが、山木社長から私が受けた印象は「幼少の頃からカメラやシグマという会社に触れ、カメラ文化への理解と創業者精神をしっかりと受け継いでいる人」というもの。言葉の端々からそれが感じられ、会社の規模があまり大きくないからというのもあるでしょうが、サラリーマン社長じゃこうはいかないだろうな、というシグマの製品展開にとても納得できた気がしました。

SIGMA

シグマの創業は 1961 年。一般的な企業の年齢で言えば十分歴史ある会社ですが、国内のレンズメーカーとしては最後発。最大のライバルであるタムロンが今年 60 周年なので、それに比べると 10 年くらい若いことになります。

日本のカメラ/レンズメーカーは戦後、雨後の竹の子のように立ち上がり、それぞれが主にドイツのカメラメーカーを追いかけて(場合によっては模倣して)たくさんのカメラやレンズを発売してきました。オールドレンズを趣味にしていると今では名前も聞かないようなメーカーのレンズに、星の数ほど出会います。ペトリ、トプコン、コーワ、ヤシカ・・・ヤシカは CONTAX のおかげで今でも知っている人が多いですが(一応現在はエグゼモードがヤシカブランドのカメラを発売していますね)、コーワなんて今では「キューピーコーワゴールド」を作っているあの会社が昔はカメラ作っていたんですよ・・・。
そんな感じで大量に生まれたカメラ・レンズメーカーも次第に淘汰され、現在ではカメラメーカーはキヤノン、ニコン、ペンタックス、オリンパスの 4 社(に最近ソニーとパナソニックが加わりましたが)、レンズ(ほぼ)専業メーカーとしてはシグマ、タムロン、ケンコー/トキナー、コシナが生き残っているという状況です。でも、淘汰されたとはいえオリジナルだったはずのドイツを完全に追い抜いて、日本のカメラとレンズが世界中の市場で圧倒的なシェアを持っている、という状況に、日本人はもっと誇りを持って良いと思います。

ちょっと話が逸れたので元に戻して(笑)シグマの事業戦略がこちら。

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「自社ブランド中心(=OEM ビジネスに頼らない)の事業展開」「他社との差別化」「内製化の徹底」。つまり、完全なる垂直統合モデルであり、国内生産にとにかくこだわっているということです。事業のコアとなる部分を自社で創り上げ、それを社会貢献と利益の源泉とする。企業にとって最も重要でありながら、特に昨今では最も難しいこと。オーナー経営だからこそ、ブレずにそれを追求できるのかもしれません。

そんなシグマの歴史はこの製品から始まりました。

SIGMA

いわゆるテレコンバーターです。当時はテレコンというとレンズ前玉の前に装着する「テレコンバージョンレンズ」が一般的だったらしく、それだとレンズのフィルタ径に依存してしまうので、もっと汎用性のある後玉とマウント間に装着するタイプのテレコンバーター(同じマウントであれば、原理的にはどのレンズにも使用できる)ができないか・・・という発想でした。
このテレコンはかなり売れたらしいですが、どうやら特許を取っていなかったらしく、今やどのメーカーからもテレコンバーターが発売されるという状況に(笑。

中古カメラ屋巡りが趣味だと、シグマのかなり古いレンズも目にする機会はあるのですが、歴史の始まりがテレコンバーターだとはさすがに知りませんでした・・・。

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もうひとつ、変わり種はこちら。「Filtermatic シリーズ」という、レンズ内にカラーフィルタを内蔵して、フィルタ外付けを不要にしてしまったレンズ。今でこそカラーフィルタはデジタル処理してしまうので、レンズフィルタはプロテクタや円偏光フィルタ以外には特殊フィルタくらいしか使う機会がありませんが、当時はカラーフィルタの使用が今よりもポピュラーだったようです。3 種類のカラーフィルタが内蔵されていて、内部でターレット式に切り替えるギミックが内蔵されているらしいので、一つ買って分解してみたい(笑。

他にもいくつか代表的な過去のレンズの紹介がありましたが、徹底的な「他社との差別化」が、シグマという企業の血に流れているのだろうと感じました。

SIGMA

そんなシグマのレンズ製造拠点は、福島県の会津工場。最近ではほとんどのカメラ/レンズメーカーが海外工場での生産を行っていますが(例えばキヤノンは台湾やマレーシアでも生産。もちろん L レンズなどを中心に日本製もある)、シグマは完全に国内での生産で一貫しています。
確かコシナは長野に工場がありますが、やっぱりレンズの生産には水と空気がきれいじゃないと・・・というのがあるんですかね?

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多くのメーカーが生産拠点の海外移転を進めているとは言っても、レンズは加工精度が命。いくらカメラがデジタルになり、設計がコンピュータシミュレーション中心になっても、製造プロセスはアナログ技術の塊です。おそらく、図面上で設計はできても生産技術がなければ狙った性能が出ないとか、そもそも作れないとか、そういうハードルがあるのだろうと想像します。
特に、削り出しで製造する試作品は職人芸の世界だそうで、普段は滅多に OEM を手がけない同社がまれに OEM の仕事を請けたときに削り出しの試作を持って行ったところ、「これ金型品ですよね?」と訊かれたことが一度ならずあるとのこと。それだけシグマの製造技術者は高い技術を持っているようです。

単に製造技術を国内に持っているというだけではなく、企画設計者と製造設計者が近くにいるということも重要で、OEM や海外生産だと設計者は「設計図を投げて終わり」なので多少性能に妥協しても作りやすい設計でないといけないところ(だから他メーカーでも海外生産は普及品クラスがほとんどで、高級レンズは国内で生産している)、設計と製造が近くにあるということは、そこで設計者と製造者が一緒に試行錯誤しながら性能と生産性を両立できる、ということです。

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シグマという会社の転機は 1995 年、急激な円高が進んだ時期に訪れたそうです。現在のように世界中のカメラの大半が日本メーカー製という状況では、レンズメーカーのシグマもビジネスの大半は日本以外の国における販売によるもの。それが全て国内生産のまま円高になれば、製造原価は変わらずに利益だけが相場変動の分少なくなるということ。
この頃にほとんどの他メーカーが生産拠点の海外移転を推し進めましたが、シグマ(とコシナ)だけは国内にこだわる決断を下しました。
それはもちろん品質へのこだわりや総内製による利益率の確保、という側面もあるのでしょうが、おそらくはオーナー企業ならではの、創業者一族を中心とした「社員は家族のようなもの」という意識が働いたんじゃないか・・・と推測します。製造コストが即利益に直結する製造業では、こういう状況下では非常に困難な判断なだけに、ある意味うらやましい。

その「国内にとどまる」という決断を下すにあたり、改めて確認された内容がこちら。

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やっぱり国内で製造する以上は「品質」しかないんですよ。1995 年に続き、ここ数年の日本企業が改めて直面しているのもこの問題です。海外の工場やメーカーではどうやっても実現できない品質で差異化を図り、それを付加価値として値下げ競争に巻き込まれないようにする。そんなことは誰もが分かっていることで、口で言うのは簡単ですが、実行するのはそう容易じゃない。そもそも、元から品質に絶対的な自信を持っていなければ採れない戦略です。
これをきっかけにレンズ設計・製造の評価基準を自ら上げ、品質改善系の取り組みにも力を入れることで、従来以上に高い品質のレンズを作るという方針を採ったそうです。具体的には「同時期に世に出ている他社製レンズと同等以上であること」を条件にしているとか。競合他社だって適当に作っているわけではないので、これは相当な覚悟だと思います。

そういえば、昔は「レンズメーカー製のレンズ=安物」というイメージだったのが、最近、特にシグマのレンズは「レンズメーカーにはない機能やスペックを持った、積極的に検討に値するレンズ」になっているような気がします。現に、私が EOS 30D のボディと一緒に買ったのもシグマの 17-70mm DC MACRO(OS・HSM なし)で、当時選択肢に挙げていたキヤノンの標準ズーム群と比較して「ズーム域が広い」「明るい」「簡易マクロとして使える」「質感も悪くない」「それでいて比較的安い」という、ほぼこれしかないというくらいに光っていたレンズでした。今では OS・HSM つきの後継機種が出ていますが、私は今でもこのレンズを EOS 7D の標準レンズとして愛用しています。

私はレンズメーカーではコシナとシグマが好きなのですが、コシナはツァイスレンズを出しているというだけではなく「カメラ文化というものが分かっている」というのがよく伝わってくるメーカーだから、というのがありました。シグマに対しては今まではどちらかというとレンズのスペックやシャープな描写に惹かれて、だと思っていたのですが、それにはちゃんと裏打ちされたものがあったのだなあ、と初めて知り、改めてこのメーカーが好きになりました。

ちなみにシグマといえば 200-500mm F2.8 という超弩級レンズや、150-500mm などのように超望遠ズームのリリースが相次いでいることもあって望遠系にこだわりのあるメーカーなのかな、と思っていたら、実際そうでもないんですね。

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もともとシグマのレンズは 1970 年代後半に、当時としてはかなり珍しかったワイドズームレンズを手がけてから、広角レンズにかなりこだわりがあるとのこと。「他社と同等以上」をターゲットに、広角レンズではワイド端を業界最広でありつづけるよう開発を行っているとか。
シグマが今年発売したこの 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM は、6 年前のカメラグランプリを受賞した 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSM と同じ技術者が設計しているとのことで、画質には折り紙付き。レンズ設計者、ってあまり名前が世に出ることはありませんが、「設計者の名前を信頼して買う」みたいな買い方もありかもしれないなあ、と思いました。

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そして超定番、どのメーカーも威信をかけて開発してくるために性能競争が激しい 70-200mm も今年リニューアルされました。このレンズ、実際には「当時発売されていた他社の 70-200mm F2.8 級レンズ」をベンチマークに、それらよりも 1 ランク高い性能をターゲットに開発され、一度設計が完了していたにも関わらず、去年登場した他社の 70-200mm F2.8 があまりにも高性能だったために、一度設計をやり直したとか(!)。設計をやり直す、ということは即ちそれが発売されるまでに 2 台分の開発コストがかかり、なおかつ新製品の発売が遅れる(=売り上げが立つのがそれだけ遅れる)ということなので、経営判断的にはかなり苦しかっただろうと想像しますが、それができてしまうのも、コンパクトなオーナー企業ならではですかね。
確かに去年発売されたニコンの AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II も、今年発売されたキヤノンの EF70-200mm F2.8L IS II USM も旧型を超える非常に高い評価を得ているレンズですが、「それらと同等以上」を目標に開発されたというのであれば、これもかなり期待ができそうなレンズです。70-200mm は(F4 ですが)私もかなり使用頻度が高いレンズなので、これよりも明らかに良い描写だったりしたら、やばいなあ・・・。

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2010/11/05 (Fri.)

LUMIX GF2

パナソニック、ストロボ内蔵で世界最小・最軽量の「LUMIX DMC-GF2」を海外発表 - デジカメWatch

パナソニックがマイクロフォーサーズ機の新製品「GF2」を海外で発表しています。おそらく国内も間もなくだと思いますが。

コンデジ系デザインを採用した「GF1」の後継機で、サイズは GF1 よりも一回り小型化。「世界最小・最軽量(The World's Smallest & Lightest)」とありますが、体積・質量ともに NEX-5 より少しだけ大きく重い。よく読んでみたらあくまで「ストロボ内蔵のレンズ交換式デジタルカメラとして」とのこと。なんじゃそりゃ(´д`)。まあ、どちらにしても NEX-5 に匹敵するくらい小さくて軽いのは事実のようですが。

本体の高さをレンズマウントの直径よりも小さくすることでボディを小型化したり、モードダイヤルや操作ボタンを減らして小型化と操作系の簡略化を両立させる、という発想は NEX そのもの。まあ、極限まで小さく作るには機構的には他のアプローチは考えにくいので「真似した」というつもりはありませんが、後追い感は正直否めません。あとは APS-C 機よりもレンズを小型軽量化しやすいマイクロフォーサーズのメリットをどう今後のレンズラインアップに活かして差異化できるか、かな。

私は NEX の登場以降、それまでけっこう持っていたマイクロフォーサーズに対する興味がすっかり薄れてしまったのですが、この GF2 で、ボディの小型化という点ではようやく「マイクロフォーサーズの本領」と言える領域に達したかなと思います。ただ、オールドレンズファンの立場からすると、画角が半分(焦点距離 2 倍相当の画角)になってしまうマイクロフォーサーズは使いにくく、マウントアダプタ遊びに向かないのが残念なところ。

NEX ユーザー的には、これに刺激されてより完成度の高い NEX の新製品に結びついてくれることに期待です。

投稿者 B : 00:22 | Camera | DSLR | コメント (0) | トラックバック

2010/10/16 (Sat.)

NEX で A マウントレンズの AF を使う

本体に引き続き、マウントアダプタ LA-EA1 のファームウェアもアップデートしてみました。

マウントアダプター「LA-EA1」をご愛用のお客様へ ファームウェアアップグレードのお知らせ

LA-EA1 Ver.02

マウントアダプタのファームウェアは本体とは別なんですね。しかも、このマウントアダプタ内にちゃんとファームウェアが格納されているとは思いませんでした。しかも、アップデートには NEX 本体に LA-EA1 だけでなく A マウントレンズを装着していないとアップデートができないという仕様。まあレンズまで装着されていなければアダプタに通電しないということなんでしょうが、最初、出先でアップデートしようとして、A マウントレンズを持ち歩いておらず撃沈しました(´д`)。

アップデート後のアダプタのファームウェアは「Ver.02」になります。

Sony 70-300mm F4.5-5.6 G SSM

事前情報で「もともと位相差 AF 用に作られたレンズをコントラスト AF で動かすので、AF には平均 3~4 秒かかる」という噂を聞いていましたが、実際にもだいたいそんな感じ(公式リリースには 2~7 秒程度、という表記もあります)。私はそれほど過大な期待をしていなかったこともありますが、まあこんなもんか、という感想。動作としては一度行きすぎてから戻ってきて、ピント付近で微調整を 3~4 回繰り返して合焦、という感じで、EOS 7D のライブビュー時のコントラスト AF に比べると、挙動は似ていますが、EOS のほうが一段速いです。

A マウントαで使うのに比べても、NEX+E マウントレンズに比べても明らかに遅いですが、個人的には「用途によってはアリ」だと思いました。間違いなく動きモノや子どもの撮影には向きませんが、静物や風景、マクロレンズを使ったブツ撮りならば、使い物になるでしょう。運動会とかなら間違いなく E 18-200mm を買ったほうが良いです(というかそもそも動きモノには NEX はお勧めしませんが)。

Sony DT 35mm F1.8 SAM

また、某所で SSM/SAM レンズの AF をいくつか試させてもらいました(写真は発売になったばかりの DT 35mm F1.8 SAM)。

AF 速度はレンズによってもけっこう差があって、SSM レンズは SAM レンズに比べて一段速い印象。あとはレンズの明るさにも影響を受けるように感じました。とはいえ、基本的には「遅い」という範囲内での差ではありますが。
私が試した範囲では、DT 30mm マクロが一番遅いかな、と思いましたが、もともとマクロレンズは一般的に AF が遅いですし、じっくり AF を合わせる使い方になるので、問題にならないでしょう。私はリコー GX100/200 のマクロモードのとても遅い AF を使い慣れているので、マクロ的な使い方をする限りにおいては、これならまあ許容範囲かな、と感じました。

NEX でのブツ撮りは今のところ標準ズーム+クローズアップレンズを使っていますが、クローズアップレンズはけっこうクセがあるので、やっぱりマクロレンズが欲しいと思っていたところ。AF が遅いことを承知の上で 30mm マクロに気持ちが揺らいでいます。ただ、ロードマップ上では来年 E マウントのマクロレンズが出てくることになっているんですよね・・・悩むなあ。

ソニー / DT 30mm F2.8 MACRO SAMicon

iconicon

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2010/10/15 (Fri.)

NEX-5 ファームウェア Ver.03

予告されていた NEX-5 のファームウェアアップデートがようやくキタ!ので、私も早速アップデートしました。

デジタル一眼カメラ「NEX-3」、「NEX-5」をご愛用のお客様へ ファームウェアアップグレードのお知らせ

NEX-5 Ver.03

NEX-5 のファームアップは 7 月以来、2 度目。ボディのファームウェアバージョンはこれで「03」になりました(マウントアダプタのファームアップに関しては後日また詳しく)。

今回のボディ側のアップデートのポイントは、操作性の向上。何と言っても私が以前から言い続けてきたソフトウェアボタンのアサインがカスタマイズ可能になったこと!3 つ(上下とコントロールホイール中央)あるうちの 2 つ(中央と下)のボタンアサインが変更可能になっています。

NEX-5 Ver.03

ソフトキー B(下側のボタン)はデフォルトでは撮影アドバイスが割り当てられていますが、中級者以上であれば無用の長物以外の何者でもないので、真っ先に設定変更します。

NEX-5 Ver.03

アサインできる機能は、撮影モード/撮影アドバイス/デジタルズーム/ISO 感度/WB/測光モード/調光補正/DRO/オート HDR/クリエイティブスタイル/MF アシスト のいずれか。
ソフトキー B は MF 専用レンズを装着した場合は自動的に MF アシストボタンとして動作するので、できるだけ AF レンズ使用時にも同じ動作になっていたほうが間違いが少ない。だから MF アシストに割り当てたいところですが、E マウントレンズだとあまり MF したいと思わないので(´д`)、DRO/HDR か ISO、WB あたりが妥当かなあ。そういう意味では、MF レンズ使用時のみ MF アシストが自動オンになるこのボタンアサインはヘビーユーザーの立場でよく考えられてるなー、と改めて感心してしまいました。

NEX-5 Ver.03

いっぽう、従来 PASM モード時には「撮影モード」ボタンとして動作していたソフトキー C(中央ボタン)には、最大で 3 つの機能を割り当てることができます。選択肢は、AF エリア/ISO 感度/WB/測光モード/調光補正/DRO/オート HDR/クリエイティブスタイル。ソフトキー B とは微妙に選択肢が異なるのが気になります。

NEX-5 Ver.03

それぞれアサイン変更したところ。右側のソフトキーガイドの中央が「カスタム」、下が「クリエイティブスタイル」に変更されているのが確認できると思います。「カスタム」のほうは一度押してからコントロールホイールの左右ボタンで 3 つの機能を切り替えながら設定変更する、という使い方になります。

私の設定としては、まだ試行錯誤中ではありますが、ソフトキー B は DRO/HDR(MF レンズ使用時は MF アシスト)、ソフトキー C は ISO 感度/WB/クリエイティブスタイル に割り当てて当面使ってみようと思っています。撮影するシチュエーションによっては AF エリアや測光モードを割り当てたいときもありますが、そういう場合でも設定変更で対応できる柔軟性はある意味ソフトウェアボタンならではと言えるでしょう。

NEX-5 Ver.03

他にもいくつか操作性向上の変更が加えられていて、MF アシスト時の拡大表示時間が切/2 秒/5 秒/無制限 から選択できるようになりました。MF 専用レンズ使用時には自動的に「無制限」になりますが、AF レンズの場合はここでの設定値が適用されます。

NEX-5 Ver.03

また、メニュー呼び出し時の初期カーソル位置も階層ごとに記憶しておいてくれるようになりました。これもある意味最初から実装しておいてほしかった機能ではありますが、これでソフトキーに割り当てていない、多少深い階層にある機能でも、メニューから呼び出すのがラクになりました。
あと、カーソルもメニューの最後まで行ったら最初に戻ってくれるループ式になったので、これもラクに。

私にとって今回のアップデートはソフトウェアボタンのアサイン変更機能が最大のメリット。ただ、AF モード変更はアサインできなかったり、いじっているうちにもう一つくらいハードウェアボタンが欲しくなってしまったり、あと少しだけ痒いところに手が届かないもどかしさを感じてしまったのは事実です。でも、今までよりも確実にやりたいことがダイレクトにできる操作感になったことは間違いなく、これまで操作性がネックで NEX に手を出さなかった人も再検討する余地はあるのでは、と思いました。

自由度とターゲットユーザーと設計思想ってバランスが難しいところだと思いますが、開発チームにはこれで終わらずに今後もアップデートを続けてほしいところ。

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2010/09/22 (Wed.)

α/NEX @photokina 2010

ドイツ・ケルンで photokina が始まっていますね。

やっぱり photokina イヤーは各社ともに気合いが入っていて、カメラファンとしては楽しい限り。特に富士フイルムの X100 あたりはいろんな意味で興味深いモデルですが、そのあたりは先日 Twitter でツイートしたので省略(人はそれを手抜きという

いろいろなニュースがあった photokina ですが、キヤノン・ニコンに目新しいニュースがなかったこともあり、私が最も興味を引かれたのはα/NEX でした。

ソニー、フォトキナ2010でEマウントレンズ7本を参考出品 - デジカメWatch
進化する"α"Eマウントシリーズの世界 | デジタル一眼カメラ"α"(アルファ) [Eマウント] | ソニー

主なトピックはこんな感じ。

■レンズロードマップの公開

2011 年に 4 本、2012 年に 3 本の E マウントレンズが予定されているとのこと。待望の Carl Zeiss、G レンズも含まれているのに激しく期待!
ただ、ちょっと残念なのはどのレンズもあまりコンパクトではなさそうなこと(それでも A マウントレンズよりは小型だけど)。モックを見る限り、マクロらしきレンズ以外はどれも E 18-55mm と同等かそれ以上の長さがありそうで、せっかくの小型ボディとのバランスを考えるともっと小さく作ってほしいところです。まあ、いくらボディがコンパクトでも APS-C センサなので、画質を考慮すると光学的にはある程度のサイズが必要なのだろうとは思いますが。

いずれにしても、今までのα(A マウント)ではレンズのモックアップが公開されても発売時期までは言及されないことがほとんどだったので、年単位でも具体的な時期が明らかにされたのはポジティブに受け止めたいです。

■カラーバリエーションの参考出品

NEX-5・NEX-3 それぞれに 4 色ずつのカラーバリエーションが参考出品されています。このまま全部出てくるということは考えにくいですが、反応の良かった色に関して後から 1~2 種類くらい追加で発売、ということはありそう。
というか NEX-5 に CONTAX G 用ツァイスレンズにピッタリなシャンパンゴールドっぽいカラーがあるよ!!!これは出たら追加で買ってしまいそう。でもレンズロードマップ上のツァイス・G レンズはブラック鏡筒になるようなので、これはブラックボディも買えということか(ぉ

■ファームアップによる操作性の向上

キタ!!!

ソフトキーのカスタムアサインは絶対に欲しいと思っていた機能ですが、これがようやく実現されます。また、カーソルキーの回り込み(メニューの一番下←→一番上の行き来)ができるようになったり、ラストカーソル記憶設定が可能になったり、むしろ発売時点から当然実装しておくべきじゃないの?というものも見受けられますが(笑)、操作性の改善は素直に歓迎したいです。これで操作上のイライラが軽減されることを期待。

■ファームアップによる A マウントレンズの AF 対応

これもキタ!!!!!

長らく待望していた A マウントレンズ(マウントアダプタ LA-EA1 経由)の AF 対応。SSM/SAM レンズに限られますが、これで A マウントレンズも積極的に NEX で使ってやることができるようになります。
私の手元にある SSM/SAM レンズは今のところ 70-300G のみですが、私は E マウントの望遠レンズを持っていないので、これが使えるだけでも非常に助かります(手ブレ補正がない、という弱点はあれど)。

あと、AF 対応したら A マウントのマクロレンズを買おうと思っていたけど、ロードマップで E マウントのマクロレンズが予告されてしまったので、どうしようかと(´д`)。

■α700 後継機の続報

今年の CP+ でモックが出品されていた中級機の情報が少しだけアップデート。噂されていたとおり APS-C 機であることとα55/33 同様の透過ミラー方式であることが確定情報となりました。あとは縦位置グリップのモックが登場したことと、もしかしたら DT の標準レンズがモデルチェンジする可能性もあるようです。少なくとも名称は「α77」で決まりっぽいなー。
α55/33 の EVF は実機に触ってみて十分実用になると感じましたが、同時にまだまだ弱点もあることは間違いないので、この中級機のリリースまでに EVF をどこまでブラッシュアップできるかがカギでしょう。発売時期は来年の PMA で正式発表→春発売となるか、来年末まで引っ張るか。

私はそろそろα700 のリプレースが欲しいと思っていますが、仮にα77 を買うとしても、光学ファインダを覗きたいときにはα700 も引き続き使うと思います。新機種が出たからといって、機能的に陳腐化はしても旧型の画質が悪くなるわけではないですし。

ということで、相変わらず勢いの止まらない NEX はすごいですね。噂されていた NEX-7 やフルサイズ機の話が出てこなかったのはちょっと残念ですが、それでも今回の新情報は十分注目に値すると思います。早く来い来いファームアップ!!

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2010/09/19 (Sun.)

Distagon 24/2 ZA を見てきた

銀座ソニービルに行って、発売になったばかりの Distagon 24mm を少し触ってきました。

ソニー / Carl Zeiss Distagon T* 24mm F2 ZA SSMicon

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

でぃすたごーん!(いみふめ

Planar 85mm と同じ金属製の鏡筒で、高級感がありながらも、開放 F 値が 2.0 とそこまで無理をしていないため、αの高級レンズにしてはコンパクトなほうだと思います(笑。

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

ツァイスの単焦点レンズというと、最近発売されるものは特に前玉が大きくて迫力があるイメージがあるので、前玉とフィルタ径にこれだけ差があるのもちょっと珍しいです。が、手にしてみると金属製鏡筒と相まって、ズッシリくる重さ。私は機材は軽い方が良い派ですが、ツァイスレンズのこの「レンズの塊」とでも言いたくなる重量感だけは何故か許せてしまう(笑。

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

私が使っているα700 を持ち込んで、ボディに装着してみたら、思っていた以上に収まりが良くてびっくり。α700 の標準ズームレンズとして使っている Vario-Sonnar DT 16-80mm に近いサイズ感で、Distagon のほうが少しだけ短めです。

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

俯瞰で見るとこんな感じ。
レンズ自体は Planar 85mm をそのままスケールダウンしたような形をしていますが、径が細いぶんα700 との組み合わせではバランスが良いように思います。MF でもピントリングの太さ、感触ともに良く、特にヘリコイドの感触は Planar よりも気持ち良いほど。Planar は MF だと滑らかには動くけどちょっとスカスカした感触なのに対して、Distagon は程良い抵抗感があり、細かい調整に向いている印象です。積極的に MF で使いたいレンズだと思いました。

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

無茶だと知りつつ(ぉ)NEX-5 にも装着してみました。サイズバランス的には無しではないけど、重量バランス的にはあまりにもフロントヘビーになりすぎで、あまり使いやすいとは言えませんね。
そういえば SSM/SAM レンズの AF に対応するファームアップの噂も出てきていますが、もし実現されればこのレンズも対象になるはずなので、期待大。上で「積極的に MF で使いたい」とか言いながら自己矛盾してますが(ぉ。

α700+Distagon でちょっと撮らせてもらいました。発売日を迎えたのでショールームで撮影したデータは持ち帰り可能になりましたが、展示品はあくまで試作機なので・・・とのことなので、いつもよりも小さめにリサイズした画像を貼っておきます(いずれも絞り開放で撮影)。

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

近くに置いてあったα55 を接写してみました。D24/2 ZA は最短撮影距離が 19cm なので、このクラスのレンズにしてはかなり寄ることができます。目安は「レンズフードをつけたときに、被写体がフードに触れるくらい」まで寄れるとのこと。
レンズ自体のディストーションが少ないこともあり、APS-C フォーマットでの 36mm 相当の画角ならばこれだけ自然な画になるので、簡易マクロ的にも使えてしまいそう。かなり使い勝手は良いレンズだと感じました。

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

でも元は 24mm の広角レンズだけあって、広角っぽく撮るとこんな感じ(α700 で撮ったので画角は 36mm 相当)。開放だと少し周辺光量落ちがありますが、それは広角レンズの宿命というか味なので、それをうまく活かすか少し絞ってやると良いと思います。

この写真と下の写真を見比べると、

Distagon T* 24mm F2 ZA SSM

同じ被写体、同じ焦点距離でもここまで寄れる、というのがよく分かると思います。
Distagon といえば私が持っているのは Y/C の 35mm F2.8 MM なので、「カリッとシャープでよく写り、ハズレは少ないけどびっくりするほどの画が出ることも少ない」という印象だったのですが、この 24mm F2 はふわっとした感じの良い描写をしてますね。

ちなみに、α900 に装着した状態でもファインダを覗かせてもらいましたが、本来の 24mm を広くて明るいファインダで覗けるのは本当に幸せで、このままずっとファインダを覗いていたいとすら感じたほどでした(ぉ。

このレンズ、αツァイスにしてはコンパクトだし、最短撮影距離が短くて使い勝手が良いし、描写は良いし、で非常に良いレンズ。広角系が苦手な私ですが、このレンズは気に入ってしまいました。定評の高い 35mm F1.4 G よりも先に買うべきレンズかもしれません。同じ 24mm ならば Vario-Sonnar 24-70mm F2.8 とは絞り 1 段分しか明るさは違わないし、使い勝手を考えれば先に買うべきは Vario-Sonnar!と思っていましたが、これはちょっと考えを改めなくてはならないかもしれません。

これはちょっと見ない方が良かったレンズかもしれません(;´Д`)ヾ。まあ、当面これを買う資金もないわけですが・・・。

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2010/09/03 (Fri.)

EOS 60D を見てきた

EOS 60D の先行展示が始まっているので、品川のキヤノン S タワーまで触りに行ってきました。

キヤノン / EOS 60D

Canon EOS 60D

第一印象は「あれ?なんか今までの二桁系 EOS とちょっと違う?」というもの。私が 30D→7D と乗り換えて中級機に抱いているイメージが少し高くなったからかもしれませんが、なんか佇まいが 50D までと比べてエントリー機然としているように感じました。全体的に撫で肩になったり、ペンタ部、特に Canon ロゴのあたりが EOS Kiss っぽい形状になったりしているからかもしれません。あと、ボディの面の取り方とか、モードダイヤルのあたりとか、EOS よりもむしろニコンっぽくなった印象も受けます。

持ってみた感覚では想像以上に軽い。まあ、私が最近使っているのは EOS 7D+バッテリグリップと比較的長いレンズ中心で、素の 60D と EF18-55IS の組み合わせではそりゃ軽くて当然ですが(笑、これ案外 7D や 5D2 のサブに 60D ってアリじゃない?と思ってしまいました。

Canon EOS 60D

EF-S18-135IS を装着した展示機も並んでいました。18-55 との組み合わせだとどうにもエントリー機でしたが、18-135 くらい存在感のあるレンズならちゃんと中級機に見えますね(笑。でもどうせ組み合わせるなら 15-85 がいいとは思いますが・・・。

Canon EOS 60D

背面は今までの二桁系 EOS とは大きく印象が変わりました。やっぱりバリアングル液晶の存在感が大きいですね。私はこの横開き式のバリアングル液晶は、上下のアングルでのライブビュー時にはレンズの光軸と画面が横にずれるので、ちょっと気持ちが悪い気がします。まあ縦開き式だと光軸が縦にずれるし、NEX のような屏風式だと縦位置撮影に弱いので、一長一短ではありますが。

Canon EOS 60D

ボタン類のレイアウトも大幅に変わりました。従来であれば液晶の左に縦並びに(機種によっては下に横並びに)配置されていた各種ボタンが、バリアングル液晶の機構に追われてサブ電子ダイヤルの周辺に散りばめられるように配置されています。
それぞれのボタン配置にはまあそんなに不満はないのですが、このボタンたちの異形さはちょっといただけないなあ・・・。
マルチコントローラ(十字キー)も従来のスティック型からサブ電子ダイヤルと同軸のディスク型ボタンに変わりました。こいつのおかげでサブ電子ダイヤルが回しにくくなっている気がするんですが、慣れで解決するものなのでしょうか・・・?

あとファインダ/ライブビュー切り替えボタンも単機能になっていて、静止画/動画の切り替えスイッチがなくなっていますが、これはモードダイヤルに吸収されたようです。動画撮影時にはモードを切り替えて、ということですが、最近のカメラは静止画も動画もシームレスに扱えるのが売りの一つだったりもするので、これは吉と出るか凶と出るか。

Canon EOS 60D

軍艦部、そのモードダイヤルの中央には謎のボタンが。最初何か分からなかったんですが、モードダイヤルのロック解除ボタンのようです(これを押しながらでないとモードダイヤルが回せない)。確かに、不意に何かに触れてモードが切り替わっていて、それに気づかないまま撮影していて設定が変・・・ということはまれにあるので、これは助かるかも。

サブ液晶の前についているボタンも従来とは違い、1 ボタン 1 機能に簡略化されています。今までは例えば測光モード/ホワイトバランス、AF モード/ドライブモードなどのように 2 機能が割り当てられていて、ボタンを押した後にメイン電子ダイヤルを回すかサブ電子ダイヤルを回すかで変更される設定値が違う、という仕様でした。これはこれで慣れれば素早く操作できるのですが、慣れないとメイン電子ダイヤルを回すべきところでサブ電子ダイヤルを回してしまってあああ・・・ということが起きがちなので(私は今でもしょっちゅう)、これはこれでわかりやすくて良いと思います。

でもいっぽうで、ボタンに割り当てられている機能が削られたのに総ボタン数はほとんど変わっていないので、つまりはボタンで直接操作できる機能が減ったということ。あまり深く使い込んでいないので分かりませんが、ホワイトバランス・ISO 感度・ストロボ調光補正は割り当てられているボタンがなくなったので、(ユーザーカスタマイズができないとすれば)それらの調整はメニュー経由になるか、オート任せということになります。
最近はフルオートでも外れることはかなり少なくなってきているので「任せる」という割り切りはアリだとは思いますが、それはイコールこの機種が従来の二桁系 EOS に比べてエントリー寄りに位置づけられていることの発露である、とも言えるので、中級機ユーザーとしてはいろいろと考えさせられるところ。7D 持ってるからいいんですけどねー(棒読み

Canon EOS 60D

バッテリグリップを装着した個体も置いてあったので、これも触ってみました。
ついていたレンズは 70-300IS・・・だけど、残念ながら新型の L レンズではなく、従来型。

Canon EOS 60D

αも使っている身としては、αの縦位置グリップと比べると EOS のバッテリグリップは角材を握っているような使い勝手で正直好きじゃないんですが、この 60D 用のバッテリグリップは悪くないかも。30D や 7D 用のバッテリグリップはかなり直線的な形状でお世辞にも握りやすいとは言えないのですが、60D 用のこれは比較的 1D 系の縦位置グリップのように曲線的で指掛かりが良く、レリーズボタンの下も抉れたような形状になっていて、従来よりもずいぶん握りやすくなっているように感じました。

Canon EOS 60D

背面側もバッテリの形状から制限はありながらも、多少は配慮して曲線的な形状になっています。マルチコントローラがメインダイヤルに一体化されたことは、縦位置を考えると親指がなんとか届くようになったぶん、メリットと言えるかもしれません。
αの縦位置グリップに比べるとまだまだではありますが、EOS のバッテリグリップとしてはよく頑張ったと思います。できれば 7D 用もこの仕様で II 型を出してほしいくらい。

続いて、軽くですが撮影の快適さについて。
ショールームで展示品の鉄道模型を撮ってみた程度ですが、AF は二桁系 EOS らしく高速で、安心して任せられそう。ファインダは視野率 96%・倍率 0.95 倍のペンタプリズムなので可もなく不可もなくといったところですが、7D を使ってしまうとさすがにちょっと物足りないですね。広くてピン山が掴みやすいだけでなく、ファインダを覗きながら両目を開いてフレーミングできる快適さは視野率 100%・倍率 1.0 倍のファインダでなければできないこと。これに慣れてしまうと、もう 100% 等倍でないファインダは使いたくないとすら思ってしまう、魔性のファインダです(ぉ。
画質についてはメディア持ち出し不可だったので語れませんが、サンプルを見る限り 7D や KX4 で十分に枯れたイメージャを使っているおかげで、画質的には 7D すら凌駕する部分があるようです。

総じて従来の二桁系 EOS から 7D や 5D にステップアップしてしまったユーザーにはちょっと物足りないと思いますが、コンデジや Kiss からのステップアップには十分魅力的なカメラだと思いました。ただ、開発思想がどうしても従来の中級機よりはエントリー寄りになっているので、いずれさらなるステップアップを目指したい人にはちょっとがんばって 7D をオススメします。Kiss でもそんなに不満はないけどもう少しシャッターチャンスに強いボディに買い換えたい場合や、あるいは今はコンデジだけど一眼にステップアップしたい人(でこだわりたい人)のエントリー機として、であればけっこう文句なくオススメできると思います。
そういう意味では、結果的に 60D という名前はついていますが、50D までとは明らかに狙いが違うカメラなので、違うネーミングルールで名付けても良かったんじゃないかと思いました。

ということで 7D いいですよー 7D(まて

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2010/08/31 (Tue.)

α55/α33 も見てきた

先週金曜日、NEX-VG10 と一緒にα55/33 も見てきました。

α33

さすがに先行展示開始から間もない金曜の夜だけあって、人だかりとまではいかないものの常に 2~3 人が集まっている状況で、あまりじっくり触れませんでしたが、軽く感想を。

まず本体ですが、一瞬モックかと思うほど、ちょっとびっくりするほど軽いです。感覚的にはオリンパスの E-510/410 を初めて触ったときの感覚に近い。でもグリップの形状がいいのか、持った感じは意外と手にしっくり馴染みます。
ただ、さすがに高級感はあまり感じませんね。まあ、両肩の素材の質感がどうしても好きになれなかったα550/330 系よりは好みではあります。

外観的な特徴はそんなところ。できれば透過ミラーがどんな感じになっているか確認したかったんですが、レンズがテープで固定されていて外すことができませんでした。

EVF はどうだろう、パナ G1 の EVF を初めて覗いたときには「こんな酔いそうなファインダ使えたもんじゃない」と思いましたが、かなりマトモに使えそうに感じました。若干の遅延はあるもののコマ落ちは少なく、個人的には苦しいと思った NEX-VG10 より良いかも。これなら、そろそろヘタな光学ファインダより EVF のほうが良い、と感じるユーザーも(用途によるでしょうが)出てくるかもしれません。ただ、展示機の EVF は表示が青白く、正しい色が出ていないように感じたので、そこはちょっと不満。
色の問題を除けば、総じてこの EVF はピクセルの大きさがあまり気にならない程度に精細で好印象。でもこの EVF で MF ができるかというと、そこまで高精細な印象も受けず、まだ少し厳しいような気がします。もしかしたら装着されていたキットレンズ(テープ固定されていて外せず)の性能のせいもあるかもしれないので、明るくピン山の掴みやすいレンズであればまた印象は違うかもしれません。

あ、そういえば EVF で NEX のような「MF アシスト」ができるかどうか、確認してくるの忘れた・・・(´д`)。

いっぽうで AF 時の操作性ですが、操作インターフェースが減ってマルチセレクタがなくなり、Cyber-shot ライクなコントロールボタン(デフォルトでは ISO 感度や WB 変更に割り当てられている)と共用になったので、測距点の切り替えには一度「AF」ボタンを押してからコントロールボタンを操作しなくてはならなくなりました。今まではマルチセレクタ一発で測距点を変更できていたので、これでは撮影のスピードがスポイルされてしまう・・・。ターゲットユーザー的にワイド AF(測距点自動選択)でカメラ任せがキホン、ということなのかもしれませんが、私的にはこれはちょっといただけません。

噂の 10 連写にはちょっとビビりました。α33 の 7 連写程度ならば EOS 7D(8 コマ/秒)のほうが速いのでそれほど驚きもしないのですが、α55 の 10 コマ/秒しかも AF 追従、という今までのαでは考えられなかったスペック(ぉ)は実際のシャッター音を聞くと衝撃を受けます。
とはいえミラーが固定式なので、シャッター音はミラーショックのない NEX のそれによく似た種類の音。私はこの音は嫌いじゃないです。

そんなところですかね。長所/短所ともにありますが、今年のエントリークラスのレンズ交換式カメラとしては出色の仕上がりじゃないでしょうか。私は NEX と中級機があれば良いのでこのカメラを買うことはないと思いますが、これから一眼レフを始めてみたい人で、でもミラーレス機よりもステップアップしたい意欲がある人であれば、現時点ならば私は EOS Kiss よりもこちらを勧めたいと思います。

α55/33 は現時点では透過ミラーや EVF といった技術的側面が注目を浴びていますが、このカメラが今後市場に受け入れられていくかどうかは、「技術的にどうなっているか」よりもむしろ「こういう新しい技術によって得られるメリットを(相反するデメリットまで含めて)ユーザーが受け入れるかどうか」にかかっているので、このカメラの真価が問われるのは、発売して少し時間が経った頃、年末商戦本番あたりではないかと考えています。
そうはいってもキヤノンやニコンといった老舗メーカーは当面コンベンショナルなエントリー機を出してくるでしょうから、しばらくはさまざまなアプローチで各メーカーしのぎを削っていってほしいところ。今後はここにカムコーダやコンデジも渾然となってくるでしょうし、久しぶりにカメラが面白い時代に突入したと言えます。

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