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2012/11/20 (Tue.)

シグマ山木社長が語る、新コンセプトレンズ群に込めた想い

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昨日に続いて、シグマの新コンセプトレンズのイベントレポートをお届けします。

SIGMA

山木社長は「製品には明確なコンセプトを設定することが重要」と言います。実際、「今ある技術の組み合わせでこういうのができた」というよりは、「こう使ってほしい」「こういうモノがつくりたい」という作り手の意志がなければ、モノの良さは伝わらない時代。まあモノだけ良くてもちゃんと伝え方を練らないと伝わらないものですが、まずは商品企画、コンセプトが明確でないことには話になりません。
そこでそれぞれのレンズのコンセプトを明確にするために「Contemporary」「Art」「Sports」という 3 ラインに製品を分類したのが今回の新しいアプローチなわけですが、別に大口径望遠レンズで芸術写真が撮れないわけじゃないし、Art ラインの単焦点レンズを日常使いにするのが悪いわけじゃない。山木社長も「別にコンセプト外の用途に使えないという意味じゃない」とは何度も仰っていましたが、まあある程度カメラを知っている人であればスペックから自分の用途に合ったレンズは選べるでしょうし、この区分はどちらかというと開発・商品化途上でのコンセプトのブレを抑えることと、ラインアップを分かりやすくすることでエントリーユーザーへの間口を広げよう、という意図で作られているように思います。

■Contemporary | 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM

SIGMA

まずは「Contemporary」シリーズの 17-70mm から。「現代的な」という意味を与えられたレンズの第 1 弾は、現在のシグマを代表する(性能的に、というよりは、ポピュラーな、という意味で)標準ズームレンズのリニューアルとなりました。17-70mm(28-105mm 相当)という広いズーム域に F2.8-4 という明るめのスペック、それに手ブレ補正と簡易マクロ機能までついた欲張りなレンズで、個人的にはカメラメーカー純正の APS-C 標準ズームよりもこっちを選んだ方が幸せになれるのではないかと思っています。実際、私も初めての 1 本はこれの初代モデルを買いましたし。

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「Contemporary」が意味するところは「光学性能」+「利便性」。絶対的な光学性能ではなく必要十分な性能と利便性を兼ね備えた製品バランスを追求していて、普段使いやスナップ、旅行など幅広く使ってほしいとのこと。機能的に欲張りなのも利便性の追求ゆえんでしょう。利便性としては「できるだけコンパクトで軽い」という意味合いも含まれていて、この新 17-70mm は旧モデル比で 30% の小型化を実現しています。このシリーズは年々機能が増えていくトレードオフで少しずつ大型化していましたが、ここで一回り以上コンパクトになった意味は大きい。私はもう APS-C 機をメインでは使っていないので買うことはないでしょうが、まだ 7D がメイン機だったら初代 17-70mm からそろそろ買い換えを考えただろうな、と思います。

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鏡筒のデザインもずいぶん垢抜けましたね。今回の新コンセプトレンズ群のデザインには社外のデザイナーを起用しているとのことでしたが、このデザインを手がけているのは日本を代表する工業デザイナーの一人、岩崎一郎氏だそうです。最近では au の携帯電話「G11」などが記憶に新しいところですが、シグマ製品への採用のきっかけはかつて山木社長ご本人がインテリアショップを訪れた際、韓国の MUTECH 製電話機のデザインに一目惚れし、お店でデザイナーの名前を聞いて直接電話でアプローチした、とのこと。MUTECH の電話機は 10 年くらい前ですかね?私もインテリアショップで一目惚れし、ほとんど買いそうなところまで行った記憶があります。そして調べてみたらこの岩崎一郎氏が元ソニーのデザイナーだったことを知り、そりゃあ私の琴線に触れるわ、と妙に納得したという(笑。
ともあれ、一見穏やかな山木社長のこんなに熱いエピソードが聞けるとは、意外でしたね(^^;;。

さておき、当初「社外のデザイナーを採用」と聞いたときにはちょっと不安にもなりましたが、単なるアーティスト志向のデザイナーではなく、ちゃんと経験のある工業デザイナーを採用した、というのを聞いてとても安心しました。工業デザイナーというのは単に「カタチがカッコイイから」ではなく、設計的な都合とか合理性とか製造面での必要性まで考慮して、設計者と一緒に落としどころを見つける能力が求められるものなので。だって "design" ってもともと「設計」って意味なんですよ。

あと、細かいところではレンズ前面の円周に刻まれているスペックの文字が従来は白い印字だったところが、今回から黒いエンボスに変更されています。これは簡易マクロ機能が強力(フードをつけると被写体がフードに触れてしまいそうなくらい寄れる)なレンズ故に、被写体に刻印が映り込まないための配慮だとか。それほど単価が高いわけではないレンズなのに、こだわってますね...。

■Art | 35mm F1.4 DG HSM

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そして今回の新レンズの大本命がこれ、「Art」シリーズに属する 35mm F1.4 DG HSM。シグマとして(私が知る限り)初めての 35mm F1.4 で、30mm F1.4 DC にはじまるシグマの単焦点 F1.4 レンズシリーズのトリをつとめるレンズでしょう。もうね、見た目からしてソソります。

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「Art」シリーズが標榜するのは「最高の光学性能」+「アーティスティックな表現」。MTF(だけじゃないですが)などのスペック的な光学性能を極限まで追求した上で、単なるスペックではない芸術的な表現に生かせるレンズの味も兼ね備える、ということを目指しています。用途としては風景、ポートレート、静物、接写など、主に芸術として撮られる写真のためのレンズ。だからこそデジタル設計でソツのない写りをするだけでなく、そのレンズでしか出せない表現というのも狙っているのでしょう。

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鏡筒デザインは、今回の新レンズ群で基本的には共通のイメージながら、Contemporary ラインとは微妙に異なる意匠が施されていたり、素材も部分的に変えてあったり(17-70mm はマウント部以外はプラスチック)、この鏡筒を見ているだけで欲しくなってしまいます。でも、今回のデザインコンセプトは「極力デザインしないデザイン」。確かに、余計なものをゴテゴテ付けて華美にしたわけではなく、ボディラインの繋ぎかたや素材の使い方、マットと半光沢のコンビネーション、そしてできるだけシンプルな線や円でまとめることで、長く使っても飽きの来ないデザインに仕上がっていると思います。そしてこれを見ると、今まで良いとも悪いとも思わなかった従来のシグマレンズのデザインが、急に野暮ったく見えてくるという(^^;;。デザインは好き好きなので賛否両論はあるでしょうが、私はこのデザイン、好きです。

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F1.4 の大きな前玉の、このえも言われないような曲面と紫色がかったコーティング。これだけでご飯三杯はイケル(ぉ

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レンズマウント付近の底面には「012」の刻印が。これは実物を見るまで全く知らなかった部分ですが、レンズの発売年を表しているのだとか。どのレンズもカメラの性能やレンズの製造技術の進歩に合わせて数年おきにリニューアルするものですが、その際に「何年に発売されたレンズか」で区別ができるように、とのこと。レンズの性能は基本的に新しい設計のものほどいいものですが、描写の味という点であえて古いレンズを使う、というオールドレンズ的な楽しみ方がいずれできるように、という想いが込められています。

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レンズフードも、スペックが刻まれている部分だけゴムが使われていたり、こういうところにまで凝っています。

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フードを付けるとただでさえ大きなレンズがさらに存在感を増してきます(汗。これ振り回すのはなかなか大変だわ...。

まあ大口径レンズというのは画質が良くてナンボ、外観や大きさ重さなんて二の次ですよ!というのが本音。じゃあ肝心の画質のほうはどうなのかというと、今回は軸上色収差の低減にこだわったそう。近年はカメラ内収差補正技術が進歩したこともあり、倍率色収差(画面の周辺部での色ズレ)はソフトウェア的に補正する技術が確立されていますが、軸上色収差(絞りを開いたときに、コントラストの高い部分で発生する色ズレ)は光学的に解決するしかないそう。それを極限まで抑えたのが今回の 35mm F1.4 だとか。

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比較対象としてまず見せられたのは、他社(どこのメーカーかは不明)の 35mm F1.4 レンズで撮影された解像力チャート。確かに絞り開放では軸上色収差が発生し、白のエッジにマゼンタやグリーンが乗ってしまっているのが見えます。F2.8 まで絞ればほぼ解消されるとはいえ、これでは F1.4 を使う場合には、保険としてちょっと絞って 1、2 枚...という撮り方になるでしょう。
これは他社比較だけでなく、同社の現行 F1.4 レンズ(50mm や 85mm)でも発生しており、特に他社のレンズの性能が悪いというわけではありません。逆に言えば、MTF 曲線などの性能で比較しても、キヤノンやニコンの 35mm F1.4 と極端な差はなく、差異化するために軸上色収差の補正にこだわった、とのこと。

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で、これがその 35mm F1.4 DG HSM で撮影された同じチャート。先ほどの画像と比べると、F1.4 でも大幅に収差が抑えられているのが分かります。これなら積極的に絞り開放から使っていけそうですね。

とはいっても、我々は別にチャートを撮影するのが趣味じゃないので、実際の被写体を撮るとどうなるのか、が重要です。そのあたりについては、また追って(という引き延ばし

■Sports | 120-300mm F2.8 DG OS HSM

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「Sports」シリーズを代表するのは 120-300mm F2.8。スポーツ撮りレンズの代名詞と言えば「サンニッパ」、つまり 300mm F2.8 ですが、このレンズはそれを 120mm スタートのズームレンズにして撮影領域を広げようという超意欲的なレンズです。しかもズーム全域で F2.8、それでいて他社のサンニッパの半額近い価格なので、驚くしかありません(それでも一般人に買える価格ではありませんが)。

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このシリーズのポイントは「光学性能」+「高い運動性能」。近年発売されている同社の望遠ズームレンズ群は光学性能が高いものが多いですが、それに加えて高い運動性能(光学手ブレ補正やフォーカスリミッター機能など)でスポーツ撮影の厳しい要求に応えることを目指しています。さらに、このシリーズのレンズには基本的に防塵防滴機能と後述するカスタムファンクションを持たせるとか。スポーツや飛行機、野鳥などが被写体となる望遠ズームレンズの用途では、天候に左右される屋外での使用が多いため、防塵防滴機能を求める向きが多いです。今年のオリンピックではプロカメラマン内のカメラシェアでキャノンとニコンのどちらが勝っているかが話題になりましたが、このプロ仕様のレンズで、プロのスポーツ撮影にシグマレンズがどの程度食い込めるでしょうか。このあたりは、単なるレンズスペックだけでなく、カメラ側の AF 機構とのマッチングも重要になるだけに、そう簡単ではないと思いますが、期待はしたいです。

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サンニッパでさらにズームなんだから前玉だってモンスター級にデカいですよ。105mm 径のフィルタなんて滅多に売ってるものじゃないし、MC プロテクタ 1 枚買うだけでも 1 万円コースですよ(;´Д`)ヾ。

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なお、カスタムファンクションですが、このレンズではフォーカスリミッターのカスタム設定機能が用意されるとのこと。今回の展示品は試作機だったのでスイッチがありませんでしたが、フォーカスリミッタースイッチに「CUSTOM 1」「CUSTOM 2」の 2 つの設定が用意され、ユーザーが PC 経由で設定した 2 種類のフォーカスレンジを覚えさせることができるとか。まあメーカー側が用意しているフォーカスリミッター機能なんて、あくまで「一般的によく使うであろうフォーカスレンジ」として設定されているだけなので、被写体や撮影場所によって変わって当然。それを 2 種類覚えさせておけば、デフォルト値と合わせてあらかじめ 3 パターン準備しておけるので、これなら多くのシチュエーションでより的確な撮影ができるでしょう。

SIGMA

まあ、これだけ長くて重い(レンズだけで約 3kg!)ので、いくら長玉を振り回し慣れている私でも、これはちょっと腰が引けてしまいますが(´д`)、より撮影領域の広がったサンニッパ、と考えれば、とても魅力的ではあるんですよね。

ちなみにこのレンズの現行品はまだ 1 年半前に発売されたばかりなので、今回のリニューアルにあたって光学仕様は変更されていないそうです。作り直しても現時点ではこれ以上の性能になる見込みが薄いため、今回は防塵防滴やカスタムファンクションの付与にとどめた、とのこと。でも同様の考え方で他の望遠レンズ群もリニューアルされてくるとしたら、これはまた魅力的なものになりそうです。

■USB Dock

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今回の新レンズ群のカスタムファンクション機能などを使うために必要なのがこの USB Dock です。これを介してレンズを PC に USB 接続することでいくつかの操作が行えるとのことですが、ほぼレンズに直接 USB ケーブルが刺さっているように見える外観は、ちょっと異常(笑。

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この USB Dock を介してできることは、(レンズによって異なる可能性はありますが)AF の微調整、上述のフォーカスリミッターの設定、AF の動作モードを合焦速度優先/スタンダード/精度優先の切り替え、それからレンズファームウェアのアップデート、が現時点では想定されています。AF 微調整に関しては、中級機以上であればカメラ側に機能が用意されていることも多いですが、カメラ側の設定では「レンズの全焦点域に対して AF 位置を前後にずらす」ことしかできないのに対して、このツールを使えば焦点域ごとに細かく AF 位置の調整ができること。まあそこまで自分でいじれる人は稀でしょうから、通常であればメーカーのサービスセンターが使っているツールをユーザーに開放するようなものでしょうか。
この USB Dock に対応する調整ツールは「SIGMA Optimization Pro」という名称のソフトウェアとして、年明けには無償ダウンロード提供されるとのことです。まあ USB Dock がないと使えないとは思いますが...って、そういえばレンズは各社マウント用が発売されていますが、USB Dock もマウント別に発売されるということですかね?質問してくるのを忘れていました...。

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さておき。これらの新レンズ群のうち、真っ先に発売日が決定した(SA マウント用が 11/23、EF マウント用が 11/30)「Art」シリーズの 35mm F1.4 DG HSM を、このイベントの中で試用することができました。おそらく国内において一般ユーザーがこのレンズを試写するのは初めてになるんじゃないかと思いますが...写りのほどは、待て次回(ぉ。

■関連エントリー
シグマ山木社長が語る、同社のものづくりのフィロソフィー

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投稿者 B : 00:16 | Camera | DSLR | Minpos Review | コメント (0) | トラックバック

2012/11/19 (Mon.)

シグマ山木社長が語る、同社のものづくりのフィロソフィー

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ずいぶん久しぶりに「みんぽす」のイベントに参加してきました。

今回参加してきたイベントは、近年レンズメーカーとしてだけでなくカメラメーカーとしての存在感も増してきたシグマ。私はもともとシグマのレンズを好きで(価格の割に性能が良く、またかりっとした描写も好みで)使っていましたが、ちょうど 2 年前のイベントに参加して以来、すっかり同社のファンになってしまいました。特に近年発売されているレンズはいわゆる「互換レンズメーカー」のイメージを払拭する高画質なものやマニアックなスペックを突いたものが多く、中でも私が実際に購入した超望遠ズーム 50-500OS は大のお気に入りとなっています。

そんなシグマの「今」を、ふたたび山木社長自ら語っていただきました。

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山木社長には 2 年前のイベント以来、CP+ ではもれなくお会いできていますが、この 2 年の間に起きた震災や円高、そして創業者である山木道広氏の逝去といった困難を乗り越え、苦労されてきたんだろうなというのが窺える顔立ちになっていました。でも、一見社長とは思えない柔らかさ、腰の低さというのは変わらずで、我々にも気さくに声をかけてくださいます。

そんな山木社長のみならず、シグマの考える「写真」とは、『写真はレンズで決まる』ということ。

一眼レフには毎年のように新しい製品が発売されますが、基本的にはボディの進化は撮影領域を広げる(AF の高速化だったり高感度対応だったり連写性能の強化だったり操作性の向上だったり Wi-Fi などの付加機能だったり)ことがほとんどで、イメージャの性能で画質や解像度は確かに変わるとはいえ、描写を決めるのはあくまでレンズ。そういう意味で、『「写真」はレンズで決まる』というのは間違いないでしょう。むしろ「このレンズを使いたいからこのボディ(マウント)を選ぶ」というほうが、カメラ選びの順序としては正しいのではないかと思うほどです。実際、私も EOS や NEX を選んだのは、フランジバックやセンササイズなどの要素がオールドレンズと相性が良い、というのが大きかったですし。

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では、そのレンズの良し悪しを決めるポイントは何かというと、三つ。

SIGMA

「良い設計」「良い品質管理」「良い製造」。

当たり前すぎて何を今さら言っているのか分からない、と言われるかもしれませんが、製造業において、この三つは当たり前のように最も大事で、なおかつこの三つすべてを完璧にこなすことがいかに難しいか。政治的なものや営業的なものだったり、従業員の教育だったり、部品ベンダーのクオリティだったり、そもそもの経営戦略だったり、いろんな要素に影響されるもので、おそらく製造業で「この三つすべて完璧にこなせています」と誰に対しても胸を張れる企業ってほとんどないのではないでしょうか。すべての顧客を 100% 満足させることはまずできないし、工業製品である以上不良をゼロにすることはできません。でもそれに限りなく近づける努力は当然するのが企業なので、それをどういう哲学とアプローチで実現しようとしているか、が重要なわけです。

■「良い設計」とは

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良い設計とは、「経験豊かな技術者」と「明確な商品コンセプト」のもとで商品開発が行われていること。これも製造業的には自明と言えば自明な話ですが、シグマには長年、職人芸的にレンズ設計を続けている設計者が多くいるそうです。山木社長のご幼少の頃は、シグマの会社の上に山木家の自宅があったそうで、今ではベテランとなっている設計者の方から当時は「カズちゃん」と呼ばれていたのだとか。そのくらい古くから在籍している設計者さんの技術を受け継いできたものが、今のシグマの画質に繋がっているのでしょう。コンピュータ設計全盛の今、最新のレンズを買えばどれも破綻のない描写で、普通に使う分には何の不満もない(逆に言えば、面白みに欠ける)のですが、シグマのレンズ設計はこの継続性によってそこに「シグマらしさ」を足されているのではないかと思います。

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それから「明確な商品コンセプト」。これは先日の Photokina で発表されたとおり、今後の同社のレンズは「Contemporary」「Art」「Sports」のいずれかのシリーズとして発売する、既存レンズもこの枠組みに当てはめていく形で順次リニューアルする、というものです。若干、乱暴な整理の仕方にも見えますが、少なくとも「だいたいこのくらいのスペックのレンズをこれくらいの価格で」みたいな作り方よりも、こういう枠組みを適用することで「どんなユーザーがどういうシチュエーションで何を撮るためのレンズか」ということを最初に定義して、それを商品企画や設計、製造、あるいは営業担当まで共有することでブレない商品開発ができ、顧客にもレンズを選んでもらいやすくなる、ということかと思います。
続いて、この新コンセプトに基づく 3 本の新レンズの解説がありましたが、そうとう長くなるのでその話は次回に(笑

■「良い品質管理」とは

SIGMA

ニコン D800 の 3,600 万画素に代表されるように、近年はイメージセンサの高解像度がまた進んでいます。ほんの 5 年前ならば 1,200 万画素、高くても 1,400 万画素というところだったのが、最近では最低でも 1,600 万画素。2,400 万画素クラスも当たり前になりつつあって、最上位は 3,600 万画素、となれば、レンズもそのイメージャで使われることを前提にしなくてはならない。最近、各社が 24-70/F2.8 や 70-200/F2.8 のようなメインどころのレンズを相次いでリニューアルしてきているのも、そのあたりに背景があるのでしょう。が、イメージャの性能が上がり、レンズの性能が上がったのに、そのレンズを検査する MTF 測定器はレンズの性能を超えられているのか?というと、シグマが導入している検査機器は一般的な業務用機器(ベイヤー型センサ搭載)で、レンズ側の限界が見えていなかったとのこと。
そこで着目したのが同社が SD1、DP1/2 Merrill に搭載している Foveon X3 センサ。APS-C サイズで 4,600 万画素相当という解像度を持っているセンサであれば、当面はどのメーカーのボディよりも高精細なので、じゅうぶんに検査機器としての役割を果たせます。ということで、SD1 のセンサを応用してフルスクラッチで開発した MTF 測定器「A1」(「A」は会津の「A」)を用い、製品は全数検査にかけられているとのこと。

ちなみに、SD1 のセンサは APS-C サイズ、でも同社のレンズの多くはフルサイズ対応だよね?...という推論で「フルサイズ対応の Foveon X3 センサの開発がもう完了しているのではないか」ということを聞かれることがあるそうなのですが、現時点ではまだそういうことはないとのこと(笑。フルサイズ用レンズは、この APS-C サイズの Foveon X3 をセンサシフトさせながら計測することで、検査を実施しているそうです。

■「良い製造」とは

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以前のイベントのときにも書きましたが、シグマのレンズはすべて会津工場で一貫生産されています。現時点で、すべてのレンズを国内のみで製造しているのは、シグマとコシナ(長野県)の 2 社だけだそうです(他のメーカーは、国内生産と海外生産を併用、または完全に海外生産)。国内製造の利点については以前書いたとおりですが、やっぱり設計と製造が近くにいる、というのは生産効率と品質を高める上では非常に大きな意味を持つはずです。

そしてまた、現社長自身が創業者一家に生まれ育ち、会社を家族の一員として認識していることも、会津工場での一貫生産にこだわり、地元の雇用創出を目指す、という方針につながるのでしょう。同じ「雇用を守る」という言葉でも、他の企業や政治家が口にするのとは微妙にニュアンスが違う。そういう印象を受けました。まあ、上場企業でそういうアプローチが取れるかというと、株式というシステム上そう簡単ではないのも事実なのですが。

そう考えると、「良いレンズをつくること」そのものがシグマの経営方針と密接に繋がっているんだなあ、というのがよくわかります。それはいたずらに規模を追わない企業形態をとっているからできること、でもありますが。

SIGMA

ここで今回のゲスト、写真家の塙真一氏が登場。実際に今回の 35mm F1.4 を試してみての感想(EF35mm F1.4L と使い比べてみてどうか、という誰もが知りたい突っ込んだ話まで!)や、レンズにまつわるよもやま話を山木社長と二人で話してくださいました。塙さんは今回初めてお会いしましたが、ユーモアがあってとても楽しい方ですね。自分自身が本当に写真やカメラが好きで、我々アマチュアカメラマンをある意味仲間だと思って接してくださっているのがよく伝わってきました。そして、人にカメラやレンズを勧めるのがとてもうまい(笑
個人的には、最近特にポートレートの撮り方を重点的に勉強中なので、ポートレートに強い塙さんのお話をいろいろ聞けたのは嬉しかったです。

SIGMA

でも今回は山木社長のこの表情に尽きますよ。商品をまるで自分の子どものような視線で見つめ、嬉しそうに話す表情。商品のいち担当者が商品に深い愛を注いでいる例はいままでたくさん見てきましたが、経営トップがひとつひとつの商品にこういう顔をするのは、私はほかに見たことがありません。製品の画質がいいのはもちろんなんですが、この方の「家族」がつくったレンズだからこそ、使いたい。そう感じさせるだけのものが、この表情にはあると思います。

そして、最近のシグマには、画質や製品バランスの方向性だけでなく、企業のフィロソフィーとして、カール・ツァイス社に流れるこの哲学と通じるものを感じます。

「ずるがしこさではなく、徹底した正確さと信頼性、もういっぽうでは、商品の投げ売りではなく、安定した価格と、顧客に対する専門的アドバイスとサービス、そしていつも同じようにもうしぶんない応対」

あらゆるものがソフトウェア化され、ものの価値がクラウドやサービスに吸い込まれていく中、カメラという商品ジャンルは実直な「ものづくり」が今でも比較的通用する数少ないジャンルのひとつだと思います。長い目で見れば、カメラも平準化する価値観に飲み込まれていく時代が来るのかもしれませんが、少なくとも最後まで「光学というアナログ技術」は残る。国内に産業を残すことにこだわり、技術力と品質で勝負するシグマという会社を、ひとりの日本人として今後も応援したいと思います。

というわけで、レンズの話は明日に続きます。

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投稿者 B : 01:24 | Camera | DSLR | Minpos Review | コメント (0) | トラックバック

2012/11/16 (Fri.)

NEX-5R

買いました。来ました。

ソニー / NEX-5Ricon

NEX-5R

この 3 年の間に数々のカメラを買ってきましたが、その中で最も稼動率が高かったのは間違いなく NEX-5 でした。撮影枚数だけで言えば EOS 7D もかなり撮っていますが、NEX-5 は普段使いとしてほぼ常に持ち歩いていたと言って良いでしょう。この blog 用のブツ撮りだったり飲み食い写真だったり、あとはオールドレンズ遊びだったり、実に幅広く活躍してくれました。購入金額分はじゅうぶんにモトは取ったと思います。発売から 2 年半が経ち、さすがに最近の機種に対して見劣りするようになってきていたこともあって、満を持して後継機種に買い換え。
ハードウェアに関しては既に素晴らしいレビュー記事が各所にアップされ始めているのでここではあえて書きませんが、とりあえず購入報告。

買ったのはパワーズームレンズキット NEX-5RL のシルバー。NEX-6 でないことに少なからず意外だと言われますが、全部入りの安心感よりも機能を削ぎ落として新しい価値観の創造をストイックに追求した製品、というのは昔から私の琴線に触れるんです。

NEX-5R

2 年半活躍してくれた初代 NEX-5 と並べてみると、外観は大きな変更がないながらも中身は全く別物といって良いくらいに進化しています。

とはいえ、NEX-5 の画質も blog 用のブツ撮り程度ならば今でも全然不満はないんですよね。というわけで、おそらく今後は 30mm Macro をつけっぱなしにしてブツ撮り機として余生を送ってもらうことになると思います(笑。

NEX-5R

電源スイッチの位置変更、Fn ボタン、コントロールホイール。これだけのことで操作性もずいぶん変わるものです。NEX-5 発売当時の使い勝手を思い出すと、今の状態は夢のようです(笑。

NEX-5R

先日入手したばかりの Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA。これがあるから、ボディはブラックにしようかともちょっと思ったんですが、初志貫徹でシルバーにしました。
このレンズ、画質には文句ないし画角的にも活躍の場が広いので引き続き私のメイン E マウントレンズになるでしょうが、新標準ズームレンズのコンパクトさも捨てがたいので、カバンの容積や撮りたいものに合わせて使い分けていこうと思います。

NEX-5R

そして Sonnar を入手してから稼動率下がりがちな(笑)CONTAX G レンズと。このレンズ群があるからボディをシルバーにしたようなものなので、引き続き愛用していきます。オールドレンズというとどうしてもクラシカルなデザインのボディと合わせて、という話になりがちですが、こういうミスマッチがあっていいと思うし、こういう組み合わせの妙を楽しむほうが現代的だと思うんですよね。まあ、せっかく AF 性能が向上してマニュアル操作もやりやすくなったボディに買い換えたのに、MF で実絞りなレンズを使ってたらあまり意味ないんですが(笑。

このカメラを持って何を撮りに行きましょうかね。まずは先日の人形町写真の続きを撮りに行きたいです。ああいう街でスナップを撮るなら、仰々しい一眼レフよりも、ミラーレスで自分自身が群衆の一員に溶け込んでしまったほうが、ナチュラルな写真が撮りやすい。そう思います。
そろそろ仕事も一山越えて、写真を撮りに行く時間くらいは作れるようになりそうなので、行きたいところと撮りたいものをリストアップしておきましょうか。

ソニー / NEX-5RLicon

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投稿者 B : 20:55 | Camera | My Equipment | コメント (2) | トラックバック

2012/11/10 (Sat.)

TiANyA の激安サーキュラー PL フィルタを買ってみた

一眼カメラ用のサーキュラー PL(円偏光)フィルタを買ってみました。

TiANyA / XS-Pro1 Digital CPL 62mm
TiANyA / XS-Pro1 Digital CPL 49mm

TiANyA CPL

「TiANyA」という、初めて聞くブランドのフィルタです。以前、goma さんのエントリーで紹介されていたのを読んで、買ってみようと思った次第。

激安のPLフィルターが欲しい人、「TIANYA Slim XS-Pro1 Digital」が狙い目っす(n00bs)

サーキュラー PL フィルタってけっこう高いじゃないですか。そんなに頻繁に使うわけではないにせよ、たまーに必要に迫られるんですが、使用頻度を考えるとなかなか買おうという踏ん切りがつかない。私の中では、CPL フィルタはそういうカメラグッズの代表格です。それが 1,000 円やそこらで買えてしまうんだから、仮に失敗したと思っても惜しくない、そういうつもりでポチりました。α でよく使う 62mm 径と、NEX でよく使う 49mm 径の 2 枚を買っても 2,000 円程度なんだから安いものです。EOS 用は手持ちのレンズ径がバラけているので、いったん見送り(^^;;

TiANyA CPL

フィルタは蛍光灯に晒してみると、けっこう派手に反射していて微妙に心配になりました。普段、ツァイスやケンコーの比較的高級なマルチコートフィルタばかり使っていて贅沢になっているからかもしれませんが、見てくれからして光学的に優秀とは言えなさそうな雰囲気。

TiANyA CPL

レンズにつけてみたところ。厚みはあまりありません。枠はアルミっぽいですが、刻印のフォントが微妙なせいか、少なくとも高級感はありませんね。まあ 1,000 円の製品に求める部分ではありませんが。

というわけで、どんな感じに撮れるか試してみましょう。

フィルタなし

まずはフィルタなしの写真。まあ、普通です(笑。

TiANyA CPL

サーキュラー PL フィルタを使って、画面の左上から右下に向かってグラデーションが薄くなるように撮ってみました。フィルタを回した角度によって、グラデーションの付き方が変わるので、

TiANyA CPL

角度次第では、こうやって右上からグラデーションするようにも撮れます。空の色だけでなく、ガラスへの映り込みの色だとか、「不二家」のネオンの左にある青色の出方だとかがずいぶん違うのが分かります。
ちなみに、サーキュラー PL フィルタは順光のときに最も効果が高く、逆光だとほとんど効果が出ないので、太陽との位置関係に気を配りながら使う必要があります。

ただちょっと気になったのは、フィルタを付けない状態と比べて、このフィルタを付けると微妙に黄色みが強くなってしまうこと。PL フィルタは時間の経過とともに劣化して黄ばんでくる、という話を聞いたことがありますが、新品でこの状態、というのはちょっとどうなんですかね...。まあ安いので、後からホワイトバランスをいじる前提ならば使い物になりますが、撮って出しだとちょっと厳しいかもしれません。

続いて、ガラスへの映り込み比較。

TiANyA CPL

これがフィルタなしの状態。防湿庫のガラス扉に映り込んだ CD/DVD ラックが見えていますね。

TiANyA CPL

CPL フィルタをつけて前枠を回していくと、映り込みが抑えられてガラス扉の奥にある交換レンズ群がグッと引き立ってきます。

TiANyA CPL

前枠をさらに回していくと、今度は逆に透過光が減って映り込みが逆に目立ってきます。

個人的には、CPL フィルタを使いたい場面は、夏の青空を美しいグラデーションで表現したいとき...というよりは、CEATEC や CP+ などの展示会でガラスケース越しの展示物を撮影しようとするときに欲しくなることのほうが多いです(笑。なので、こういう使い方(映り込みを消す)がメインになるでしょう。

TiANyA CPL

ほかには、実用性はあまりありませんが、フィルタの角度によっては

TiANyA CPL

ディスプレイが真っ暗に写ったり(笑。理屈では分かっているつもりでも、実際にこう写ると不思議なものです。

というわけでこの CPL フィルタ、色味的にちょっと難ありなものの、何と言っても安いし、用途次第では買って損はしないでしょう。私はとりあえず展示会を見に行くときにはバッグに忍ばせて行きます。

TiANyA / XS-Pro1 Digital CPL 62mm
TiANyA / XS-Pro1 Digital CPL 49mm

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投稿者 B : 00:11 | Camera | Camera Accessory | コメント (0) | トラックバック

2012/11/09 (Fri.)

VF-49MPAM

Sonnar E24/1.8 用の MC プロテクタを購入しました。

ソニー / VF-49MPAM

VF-49MPAM

純正のツァイスフィルタです。手持ちの E マウントレンズは 3 万円程度のものばかりなので、それに数千円もするフィルタをつけるのももったいないと思い、今までのレンズには基本的にケンコーの PRO1D をつけていました。が、10 万円近くするレンズならこのフィルタを奢っても良いだろうと思って購入。

VF-49MPAM

このプロテクタは 62mm 径の「VF-62MPAM」を持っていますが、これとは径が違うだけで内容は同じ。ツァイスのロゴ入りフィルタケースもついていて、所有間があります。まあパッケージはいくらなんでも過剰包装だと思いますが(笑。

VF-49MPAM

この枠のところにある「T*」の刻印がイイ。

VF-49MPAM

やっぱりこのレンズにはフィルタもツァイスで合わせてやりたくなりますね。¥5,000 ほどもしてしまうので買うのに勇気が必要なフィルタではありますが、ケンコーの廉価なフィルタのマルチコートに比べれば、T* コーティングだけあって反射は一段少ないように見えます。

あとはこのレンズを使って写真撮りに行く時間を作らないとな(´д`)...。

ソニー / VF-49MPAM

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2012/11/08 (Thu.)

SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

シグマ、大口径広角レンズ「35mm F1.4 DG HSM」を正式発表 - デジカメWatch

キヤノンの EF24-70/F4L、EF35/F2 IS に続いて、シグマもリークが出回り始めた直後に正式発表がきました。新コンセプトのひとつ「Art」シリーズの第一弾として、35mm F1.4 DG HSM。

近年シグマが力を入れている大口径単焦点シリーズとして 30mm F1.4 DC、50mm F1.4 DG、85mm F1.4 DG ときたら、次は 35mm F1.4 DG というのが順当なところでしょう。「Art」シリーズの嚆矢としてこれ以上相応しいレンズもないと思います。描写に関しては既存の大口径単焦点シリーズで折り紙付きなので、これもかなり期待が持てるレンズ。一日も早く実機に触ってみたいところです。明らかにこのクラスとしてはデカくて重そうだけど(笑。

そして驚いたのが、標準価格約 12 万円というところに対して、キタムラ価格で早くも 9 万円を切っているところ。まあカメラメーカー純正のレンズに比べてレンズメーカー(シグマをレンズメーカーと限定していいか、という定義の問題はさておき)のレンズは安めに販売されやすいとはいえ、8 万円台となれば話は違います。EF35/F2 IS が同じくキタムラ価格で 6 万円台後半、EF35/F1.4L で 15 万円付近なので、画質さえ良ければ異常なほどのバーゲン価格。個人的にはまずフルサイズ対応標準ズームレンズが欲しいところですが、同じ金額出すならシグマの 35mm F1.4 と 50mm F1.4 を買ったほうが私の嗜好的には幸せになれるんじゃね?という本末転倒なことさえ考え始めています(ぉ。

シグマの新レンズ群はせいぜい年明けの CP+ で正式発表かな、と思っていろいろ算段していたので、ちょっと予定が狂ってしまいました(;´Д`)ヾ。実機はできるだけ早く触る機会を作りに行くとして、予算取りをどうするか(汗。

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2012/11/07 (Wed.)

EF24-70/F4L IS、EF35/F2 IS 正式発表

キヤノン、ハイブリッドIS・マクロ機能搭載の「EF 24-70mm F4 L IS USM」 - デジカメWatch

EF24-70mm F4L IS USM

昨日突然リークが出回り始めたと思ったら、いきなり正式発表がきました。EF24-70/F4L と EF35/2 IS。

やっぱりフルサイズユーザーとしてはこの EF24-70/F4L は魅力的なスペックで、F4 通し、手ブレ補正内蔵、なおかつ最短撮影距離 20cm/0.7 倍のマクロ撮影機能とくれば、普段使いの標準ズームレンズとしてこれ以上求めるものはありません。
このレンズ、私の中では既に次に欲しいレンズの筆頭なんですが、定価が 15 万円超。キタムラ価格でも 13 万円強と、EF24-105/F4L の白箱を狙っていた身としてはさすがに予算オーバー。それでも EF24-70/F2.8L に比べれば 2/3 程度の価格ではあるんですが、おいそれと買える値段ではありません。ちょっと購入の算段を作り直さなくてはならなくなりました(´д`)。

キヤノン、22年ぶりにリニューアルした「EF 35mm F2 IS USM」 - デジカメWatch

EF35mm F2 IS USM

そして EF35/F2 IS。現在でも定評の高い旧 EF35/F2 を現代の技術でリニューアルすれば画質が良いのは当然、それに IS がつく、というのは魅力的ではありますが、やっぱりいくら IS がついたとはいえこのスペックで定価 8 万、というのはどういうユーザーを想定しているのかイマイチよく分かりません。旧 EF35/F2 なら 3 万円そこそこで買えてしまうのに...。やっぱり、旧 EF35/F2 の役割は EF40/F2.8 STM が受け継いだ、と考えるのが自然でしょうか。

そんなことよりも(ぉ)今回まず買おうと思ったのはこれ。

キヤノン / レンズキャップ E-67II

キヤノンのレンズフロントキャップがようやくリニューアルされ、ツマミがキャップの中央寄りになりました。今までの外周についているツマミは正直使いにくくて(´д`)。この方式、どうやら近年まで他社のパテントがあったようですが、特許の期限が切れたとのことでここ数年でじわじわと各メーカーが採用し始めましたね。キヤノンはその中でも最後発でしたが、ようやく切り替えてきてくれました。私は手持ちのレンズで使用頻度の高いものについては、一通り置き換えてしまおうと思っています。

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2012/11/06 (Tue.)

キヤノンとシグマの新レンズの話

EF 24-70 f/4L IS & EF 35 f/2 IS « Canon Rumors

キヤノンの新レンズの噂が出てきました。それも単なる噂じゃなくて製品画像つきのスペック情報。コラでなければこれはほぼ確定情報とみていいんじゃないでしょうか?スマホと違ってカメラ系の噂サイトでそういうコラ画像が出回ることって少ないし(笑。

まずは何と言っても EF24-70mm F4L IS USM でしょう。今まで、F2.8L が買えない一般人向けのフルサイズ対応標準ズームレンズと言えば EF24-105mm L IS USM がその代名詞でした。でもこれもかれこれ発売から 7 年が経過し、最近の高画素機にはちょっと力不足だとか、いやいや最近のロットは画質が改善されてるとか、いろいろ言われるようになっていました。とはいえ、24-105mm という広いズーム域と F4 通しという(ズームとしては、の)明るさ、そして何より威力を発揮する光学手ブレ補正、というがんばりすぎたスペックは魅力で、EOS 5D Mark III の標準ズームレンズとして近々手に入れてやろうと企んでいました。そこにこれですよ。

EF24-105 に比べればテレ端はずいぶん短くなるけど 5D3 を持ち歩くときはたいてい EF70-200mm F4L USM も携行しているから焦点距離的にはカバーできるし、何より最新設計による画質と、100mm マクロ譲りのハイブリッド IS が魅力的。実売価格が EF24-105 とどういう関係になるか分かりませんが、今買うなら 24-70 のほうかな。これは正式発表が楽しみなレンズです。

あとは EF35mm F2 IS。長らくリニューアルが待望されていたレンズですが、ようやく登場、しかも IS つきになりました。今年の CP+ で発表された EF24mm F2.8、EF28mm F2.8 に続いての広角単焦点レンズの IS 化になります。が...いくら IS がついたからといって高そう、というのがネック。最近のボディは高感度性能が向上したから夜景も手持ちで...というニーズが増えてきたことは分かりますが、そこそこの値段でなければちょっと買いにくい。その点、40mm STM のバランスはなかなか気に入っています。

新製品ニュース | シグマ SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO

そしてこちらはシグマの新レンズの話。シグマからの正式発表の前に、玄光社のサイトに掲載されてしまった模様。Photokina で発表された新コンセプト製品群のこけら落としは 35mm F1.4 になるようです。価格帯が違いそうですが、同じ 35mm ならば EF35mm F2 IS よりはこっちのほうが試してみたいかな。

EF40mm STM は 5D3 で愛用しているし、こないだ買った Sonnar も換算 36mm 相当だし、最近 35~40mm 周辺の画角の面白さに目覚めつつあるので、ぜひ一度使ってみたいレンズです。おそらく近々(一両日中にも?)正式発表がありそうなので、楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 00:42 | Camera | DSLR | コメント (0) | トラックバック

2012/10/30 (Tue.)

Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA

つ・い・に、来ました。

T*

買いたくても買いたくてもなかなか買えなかったこのレンズ。

ソニー / Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAicon

Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA

E マウント用の Sonnar 24mm F1.8 です。今までにも何度か使ったことのあるレンズで、ツァイスのエンブレムがついているだけあって、おそらく描写だけなら現状の E マウントレンズの中でもベストだろうな、と思い、買えるようになるのを何ヶ月も待っていました(´д`)。以前なら苦手としていた画角(36mm 前後)ですが、EF40mm F2.8 STM をフルサイズで使ってこの付近の画角の感覚が身についてきたことと、ミラーレスでスナップ的にとるならさらに扱いやすいとも思えたので、清水の舞台から飛び降りる覚悟で(^^;;

Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA

このレンズ、シャープさやコントラストの高さもさることながら、気に入っているのは最短撮影距離が 16cm と、けっこう寄れること。マクロレンズほどではありませんがそれなりの近接撮影ができるので、テーブルフォトやごはん写真に使って良し、親しい間柄とのポートレートに使って良し、さらにパースの付け方次第で広角っぽくも標準っぽくも撮れるので、重宝します。場合によっては他のレンズを持たずにこれ 1 本で勝負できてしまうくらい、使いではあります。

Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA

シルバーの NEX-5 につけると...若干違和感はありますが、まあ無しではないかな。Sonnar の描写をミニマムサイズで持ち歩けるので、これはこれで気に入っています。まあ似たような焦点距離で同じく Sonnar でもっとちっちゃいという意味では DSC-RX1 という選択肢もありますが、そうそう手が出せる価格帯じゃないので(´д`)。

Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA

...やっぱりこっちのほうがしっくり来ますね(^^;;。

おそらくこのレンズが手持ちの E マウントレンズの中で最も稼動率が高いレンズになりそうです。標準ズームよりも出番が増えそう。最近、じっくり写真を撮りに行く時間が減ってきているので、このレンズで普段のシャッターチャンスを逃さないようにしていきたいと思います。

ソニー / Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAicon

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2012/10/24 (Wed.)

OverLay Magic for EOS 5D Mark III

先日の NEX 用に続いて、ミヤビックスから OverLay Magic の EOS 5D Mark III 用がリリースされました。

ミヤビックス / OverLay Magic for Canon EOS 5D Mark III

OverLay Magic for EOS 5D Mark III

5D3 の液晶保護シートというと、上面液晶の微妙な凸アールのせいで貼ったはずのフィルムが浮いてきてしまうという問題があり、ケンコーのフィルムはいったん発売した商品を回収して対策品を再発売とか、ハクバのフィルムも結局わずかに浮いてきてしまうとか、間違えて 5D Mark II 用を買ってきてしまう人とか、なかなか満足いく品質のものが得られないという状況でした。私もハクバのフィルムを購入して使っており、今のところ上面の浮きは出ていませんでしたが、OverLay シリーズで発売されるなら使ってみないわけにはいきません。

なお、今回は発売直後にミヤビックスさんからサンプルのご提供をいただきました。ミヤビックスさんどうもありがとうございました。

OverLay Magic for EOS 5D Mark III

製品に含まれる保護シートは 2 枚。背面液晶用と、上面液晶用です。この中で「OverLay Magic」であるキズ修復・耐指紋タイプのシートは背面液晶用のみで、上面液晶用は通常の高光沢タイプ(OverLay Brilliant 相当と思われる)になっています。というのも、やはりミヤビックスでもこの上面液晶のアール対策には苦心したそうで、数多く試作した中から最も浮きの出にくい素材を採用したためとのこと。確かに他社の 5D3 用保護シートを見ても、上面液晶用は長辺を液晶のサイズよりも短めにしていたり、背面液晶用よりも薄手のフィルムを使ったりしていますからね。

OverLay Magic for EOS 5D Mark III

まずは背面。バシッといつもの OverLay Magic クオリティでジャストサイズに決まっています。5D3 はタッチパネルではないので OverLay Magic である必要性はさほどありませんが、ハードに使われることの多いカメラなので、キズ修復機能は嬉しいところ。
5D3 の背面液晶は表面のアンチグレアコーティングがなかなか優秀なのか、保護シートを貼ると却って反射が少し気になってしまうレベルです。でもまあこれは他社の保護シートでも大差ないかな。

OverLay Magic for EOS 5D Mark III

上面液晶用はこんな感じ。いつもなら寸法をピッチピチに攻めるミヤビックスらしくもなく(笑)保護シートのサイズはディスプレイ表面よりも一回り小さめですが、表示部はひととおりカバーされています。通常よりもしなやかな素材を使って、かつ少し小さめに作っておかないと対応しきれないくらい、この微妙なアールは厳しいということでしょうか。

上面液晶の浮きが発生するかどうかはしばらく使ってみないことには分かりませんが、試行錯誤した末の発売なので、そこは期待していきたいと思います。他社の保護シートもケンコーのように改善品を発売したりしているかもしれないので、現在の状況はよく分かりませんが、これで浮いてこなければ 5D3 用保護シートの決定版となるか。今のところ、しっかり食いついているように見えるので、しばらく見守ってみましょう。

ミヤビックス / OverLay Magic for Canon EOS 5D Mark III

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