b's mono-log

2017/01/17 (Tue.)

F1 ボッタスのメルセデス入りが正式発表

【正式発表】メルセデスがボッタスと契約。マッサは引退取りやめ、ウイリアムズに復帰

新チャンピオン・ロズベルグの突然の引退発表を受けて、誰がその空席に座るのか注目されていたメルセデス F1 レースドライバーの座。私が予想していたとおり、メルセデスとの関係も深く実力もある V. ボッタスがそのポジションを射止めました。まあ最も高い可能性が選ばれた結果ではありますが、この裏にはウィリアムズ側の

  • エステバン・オコンのチームメイトとして経験あるドライバーを据えたい
  • 引退(?)するパット・シモンズの後任 TD としてメルセデスからパディ・ロウを引き抜きたい
という意向があり、政治的な調整の結果
  • 昨年限りで引退したマッサが引退撤回し、今年もウィリアムズでレースをする
  • パディ・ロウがガーデニング休暇なしでウィリアムズに移籍する
という形でボッタスの移籍が実現しました(パディ・ロウの件は未確定ですが、発表秒読み段階とみられる)。実質的に両チーム間でボッタスとパディ・ロウがトレードされたような格好になりますね。 マッサの復帰に関しては、あの去年のブラジル GP での感動は何だったんだ(;´Д`)ヾ、と思っている人が全世界に 10 万人くらいいそうですが(笑)、とりあえずは関係者全員が納得できる結論に落ち着いたのではないでしょうか。

ボッタスは間違いなく現在の F1 でもトップドライバーの一人であり、チャンピオンを獲得できる可能性を秘めています。ハッキネン以来のフィンランド人贔屓な私の目を抜きにしても、早く勝てるマシンに乗せたいドライバーでした。現代最強のマシン(まあ、今年はレギュレーションが大きく変わるけど)に乗ることでその真価が問われることになりますが、ハミルトンを焦らせるくらいの活躍を見せてほしいところです。まずは早期の 1 勝に期待します。

投稿者 B : 21:17 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2016/12/03 (Sat.)

ニコ・ロズベルグが突如 F1 引退を発表

F1新チャンピオンのロズベルグが5日後に電撃引退。「説明するのは難しい」

先週の最終戦で悲願の初戴冠を成し遂げたばかりのニコ・ロズベルグが、突如として F1 からの引退を発表しました。まじかー!

本人のコメントからは引退の真意については語られていませんが、やっぱり「疲れた」のかなあ、と。
少年時代から長年チームメイトとして、同時にライバルとしてルイス・ハミルトンと走ってきて、今は同じチームにいながら F1 の頂点をかけて互いに口もきかないような関係で争うというのは、想像以上に精神をすり減らす生活なんだろうと思います。ハミルトンならばそれでもチャンピオンを獲得することを最優先しそうですが、「いい人」ロズベルグにはそろそろ限界が来ていたとしても不思議はありません。このままだと来季も同じ状況が続くことは間違いなく、また今季はハミルトンに不運が続いたこともロズベルグ戴冠の要因の一つだった(つまりトラブルがなければハミルトンがチャンピオンだった可能性が高い)ことを考えれば、大願を成就させた今季を節目にクルマから降りるという決断は、理解できる気がします。

でも個人的にはとても残念。一度だけのチャンピオンであれば、さまざまな要因が重なることで「運良く獲れてしまう」こともあるでしょうが、複数回シーズンを制覇できるドライバーこそ「真のチャンピオン」だと私は思っています。ロズベルグの速さを否定するわけではありませんが、現役ドライバーだとアロンソやハミルトン、ヴェッテルとライコネンの違いを見ても分かるとおり、状況の異なる複数のシーズンで勝てるドライバーは、実力もメンタルも強い。特にロズベルグはここまでハミルトンを「ねじ伏せて」勝ったレースがないだけに、来季はチャンピオンとしてハミルトンと正面からぶつかってほしかったなあ。
とはいえキャリアの絶頂期でスパッと引退というのはなかなかできることではなく、その潔い決断もそれはそれで素晴らしいものだと思います。本当にお疲れさまでした。F1 は辞めるもののレースをやめるわけではないようなので、次は DTM かル・マンか、というキャリアなのでしょうか。

で。

唐突に「最強チーム」のシートに一つ空きが出たことになりますが、その後釜には誰が収まるんでしょうね?メルセデスとしては育成ドライバーのウェーレインかオコンを乗せたいところでしょうが、メルセデスのコンストラクターズ四連覇を託すにはまだちょっと経験が足りていないし、何よりハミルトンに潰されてしまうのではないかと思います。とはいえトップドライバーは既に来季シートを確定させており、契約解除込みで改めてシャッフルが発生するのか、それともフリーなドライバーから最良の選択肢を選ぶのか。今ごろマッサやバトンが「引退するなんて言わなければ良かったー!」と後悔している可能性もありますね(笑。
個人的には、実力とメルセデスとの関係からいって、トト・ウォルフが支援しているバルテリ・ボッタスの契約をウィリアムズから買い取ってメルセデスに乗せる、という可能性があるんじゃないかと思っています。ウィリアムズ的には今季のドライバーが二人とも抜けてしまうことになるので阻止したいところでしょうが...。あるいは、大逆転で小林可夢偉、とかないですかね(笑

Spark / 1/43 Mercedes F1 W07 Hybrid Australian GP 2016 N. Rosberg

B01MCWOH54

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/29 (Tue.)

F1 アブダビ GP 2016

F1アブダビGP:新ワールドチャンピオン誕生。ロズベルグが父ケケに続く親子制覇

2016 年の F1 最終戦アブダビ GP。最低でも 3 位に入ればハミルトンの結果に関わらずチャンピオン確定、という圧倒的優位でレースに臨んだロズベルグが、今回も着実に 2 位を獲得して初戴冠という結果になりました。

この終盤戦におけるハミルトンの集中力はめざましく、今回も予選からロズベルグに 0.3 秒差をつけて PP 獲得。間違いなく今年最強のマシンで、同じクルマに乗りながらこれだけの差がつくというのは、ハミルトンの「仮にチャンピオンを逃したとしても最速はオレだ」という主張のように感じました。
決勝でもスタートで躓くこともなく、いつものレースならばこのまま逃げ切り完勝パターン。が、今回は勝つだけではチャンピオンになれない、ということでロズベルグに「仕掛けに」行くレースとなりました。

追うロズベルグは無難に走るだけでも 2 位になれるのは、今季ここまでのレースで嫌と言うほど見せつけられてきました。ただ、チャンピオン決定戦でそういう消極的なレースは見たくない。どうせならコース上でハミルトンを抜き去って実力を見せてほしい、というのが個人的な思いでした。最終的にそれは叶わなかったものの、1 ストップ戦略でロズベルグの前を走っていたフェルスタッペンに対してやや強引なオーバーテイクを仕掛け、3 位ではなく 2 位を勝ち取った今回の走りなら、確かにチャンピオンに相応しいと思えます。何しろフェルスタッペンはこれまで幾度となく他のドライバーと交錯するレースをしてきているので、ロズベルグとしては「最悪のケース」もあり得たオーバーテイク。去年のロズベルグが同じ状況だったら、そこで守りに入っていたのではないかと思います。

しかしレース後半、ロズベルグが 2 位に上がったところでハミルトンがあからさまなスローダウン。先頭集団のペースをコントロールし、後続のヴェッテルやフェルスタッペンが「追いつける」状況を作って何とかロズベルグを 4 位以下に落としたい、というのが見え見えの行為でした。まあハミルトンとしてはチャンピオン獲得のためには自分が勝つだけでは足りず、それ以外に選択肢がなかったのは事実。ハミルトンの性格を考えてもまあそうするよね、と思う一方で、フェアじゃないなあ、とも思ってしまいました。結果的にファイナルラップまでハラハラするレースを見せてもらいましたが(笑。
4 台がほぼ数珠つなぎになりながらもフェラーリやレッドブルにはメルセデスをオーバーテイクできるだけの速さがなく、結局そのままチェッカー。「ペースを上げろ」というチームの再三にわたる指示を無視したハミルトンの策略は不発に終わり、ハミルトンは王座とチームの信頼を同時に失う結果となりました。

ただまあ、コンストラクターズタイトルはとうの昔に確定し、ドライバーズタイトルもこの二人のどちらかにしか可能性がない、という状況であのチームオーダーを出す必要が本当にあったのかどうか。ハミルトンが最後まで苦しんだのも、今季はハミルトン車に信頼性を担保できなかったチームの責任でもあるわけだし、今回のチームオーダーはロズベルグ贔屓の結果という誹りは免れないのではないでしょうか。明確に二人の競争ルールを決めるでもなく、イコールコンディションを保証するでもない状況で、ジョイントナンバーワン体制はこれ以上続けられないと思うなあ。

ともかく、ロズベルグにはおめでとうと言いたいです。今季最速は間違いなくハミルトンでしたが、安定感があったのはロズベルグでした。年間賞理数はハミルトンのほうが 1 回多いけど、それでも年間 9 勝・2 位 5 回という実績はチャンピオンに相応しい。でもチャンピオン 1 回は運もあるけど、2 回以上獲るのが真のチャンピオン。来季、精神的にさらに強くなって戻ってくるだろうハミルトンと互角以上に戦えるかどうか、真価が問われます。

今回がラストレースとなったベテラン二人は明暗の分かれる結果になりました。マッサは国際映像にこそあまり映らなかったものの、安定感のある走りで 9 位フィニッシュ。コンストラクターズポイントでは残念ながらフォースインディアに及びませんでしたが、マッサ個人としては満足のいくレースだったのではないでしょうか。
一方バトンはレース序盤に縁石乗り上げ時のダメージと思われるサスペンション破損により、あえなくリタイア。しかしピットに帰っていく表情は晴れ晴れとしており、自分自身でもう F1 ではやりきったという思いなのだろうな、と見ているこちらの目頭が熱くなりました。

マクラーレン・ホンダはバトンが序盤でリタイアしたのに対してアロンソは粘り強く走り、10 位入賞。終盤戦はフォースインディアとウィリアムズに太刀打ちできない苦しいレースが続いていましたが、それでも終わってみればコンストラクターズポイントではトロロッソを上回る 6 位。上を見れば切りがありませんが、去年のことを考えればこの結果は躍進と言って良いでしょう。しかし課題がターボを含むエンジンパワーと空力にあることは明らかで、来季はそれをどこまで改善できるか、がカギになりそうです。

現行レギュレーションになって三年目、結局この三年はメルセデスが完勝でした。が、来季はシャシーレギュレーションが大きく変わり、よりエアロダイナミクスの重要性が高まるシーズンとなりそうです。そこで伸びてきそうなのは何と言ってもレッドブル。今一番元気が良い二人のドライバーとの相乗効果でメルセデスに歯止めをかけてほしい。車体の仕上がり次第では、フェルスタッペンの最年少戴冠もあり得るのでは、と思っています。
そしてマクラーレンは一にも二にも車体。このまま空力が向上できなければ、今年以上に厳しいシーズンになるはずです。しかしマクラーレンもホンダもレギュレーション大改定のある 2017 年をターゲットにしていた部分はあるでしょうから、その仕込みがどれくらい進んでいるか、に期待したいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/26 (Sat.)

ジェンソン・バトンが事実上の F1 引退宣言

バトン「これがF1ラストレース」と引退を示唆。復帰の意向は「今のところ」なし

今シーズン終了をもって一年間の休養期間を設け、来季は他カテゴリへの参戦とマクラーレン・ホンダのアンバサダー兼リザーブドライバーを務めるとしていたジェンソン・バトンが、最終戦アブダビを前にして事実上の引退を発表しました。おそらくこのアブダビが F1 での最後のレースになるだろう、とのこと。契約上は 2017 年でのレースドライバー復帰の可能性が残ってはいますが、本人としてはもうそれを行使する意志はない、ということのようです。

来季でマクラーレン・ホンダとアロンソとの契約が終了する後釜を狙っていたのかと思いましたが、本人は年齢的にももう十分、と判断したのでしょうか。B・A・R ホンダ時代からバトンの走りを見続け、ホンダ撤退後のブラウン GP での戴冠に心から喜んだ一人としては寂しいものがあります。長年ホンダとマクラーレンで走ってきたドライバーとして、マクラーレン・ホンダの復活を自身の走りで引き寄せてほしかった。
来季もマクラーレン・ホンダのパドックに姿を見せることはあるでしょうが、それがドライバーとしてではないというのは何とも残念。

今季はマッサとバトンという、2000 年代中盤から F1 のトップドライバーであり続けた二人がまとめて引退してしまうということで、寂しいですね。でも本当に今までありがとう、お疲れさまと言いたいです。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/18 (Fri.)

ロン・デニスがマクラーレン CEO を辞任

【正式発表】マクラーレンの顔、ロン・デニスが解任。「誤った決断」とデニスが怒りの声明

ブラジル GP の週末に話題になっていた、ロン・デニスのマクラーレン・グループの会長兼 CEO 解任の件が、ブラジル後に正式に発表されました。

ロン・デニスと共同株主であるマンスール・オジェおよびバーレーン王室との確執は数年前から伝えられていましたが、それがいよいよ白日の下に晒されたことになります。いったんは F1 の現場から身を引いたロン・デニスでしたが、二年前に後継者マーティン・ウィットマーシュを解任して強引に現場復帰し、次は株式買い増しによって経営の主導権を奪い返そうと目論んでいました。そこへ株主決定としての解任、しかも契約満了を待たずして即刻解任という強硬な決定。かなりの急展開であったことが想像されます。

ロン・デニスは 1981 年に自身の F2 チーム「プロジェクト 4」と合併する形でマクラーレン入りし、その後長年にわたってチームを率いてきました。TAG ポルシェ、ホンダ、(フォードやプジョーを経て)メルセデスというエンジンサプライヤーとの提携により F1 界で輝かしい実績を積み上げてきたことは、今さら言うまでもありません。また F1 のみならずロードカーの生産や自動車関連のテクノロジー企業(多くのレースカテゴリ向けに ECU(エンジン制御コンピュータ)を供給していたりする)の立ち上げ、近年では医療分野にも進出するなど、マクラーレンを一大テクノロジー企業へと進化させた張本人でもあります。
それが、今回のクーデター。まあ、近年のロンは今の F1 の現場を知らないのにチームに余計な口出しをしすぎるとか、マクラーレン F1 になかなかタイトルスポンサーがつかないのはロンに責任があるとか、そろそろ限界説が囁かれていたことも事実。それ以前にあまりにも厳しい完璧主義のせいで F1 ムラの中に敵が多かった、という話もよく耳にします。確かにそろそろ潮時であったのかもしれません。

でも、個人的には F1 に興味を持ったときに憧れていたチームの代表者であり、一抹の寂しさも感じます。実は先日の日本 GP の週に、スポンサー企業での講演でサーキットでも滅多に目にすることができない生ロン・デニスを初めて見てきましたが、まさかあれが事実上最後の機会になるとは。

F1 チームとしては今年夏にフォルクスワーゲンから招聘したヨースト・カピートがチーム CEO に就任したばかりですが、そこへの人事的な波及があるのかどうか。レギュレーションが大幅改定される来季こそは飛躍を図りたいマクラーレン・ホンダですが、この体制変更はちょっと影響が大きいんじゃないですかね...。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/15 (Tue.)

F1 ブラジル GP 2016

F1ブラジルGP:大雨、SC、赤旗......大荒れのレースをハミルトンが制し、逆転王座獲得へ望みをつなぐ

ハミルトンが最終ラップでの逆転チャンピオンを決めた 2008 年を筆頭に、波乱のレースになることが多いブラジル GP。しかし今年は近年まれに見る大雨で、大荒れのレースとなりました。
フルウェットでセーフティカー先導のスタートから、幾度となく黄旗、赤旗中断を挟んだ決勝。さすがに録画観戦だったのですが、まさかの放送時間延長で録画が途中で切れており、フジテレビ NEXT での再放送を改めて観ている途中何度寝落ちしたことか(;´Д`)ヾ。それだけ長く、中断も多いレースでした。

しかしこんなコンディションでもメルセデス、特にハミルトンは盤石。今回も予選は完璧、スタートでの失敗もなく、終わってみれば完勝。まあここまでのウェットであれば水煙の影響を受けないトップランナーが最も有利であることは事実ですが、この終盤戦で集中力を高めていけるメンタルはさすがの現役チャンピオンですね。逆に言えば夏休み明けから鈴鹿までのあのスランプは何だったんだろう、とさえ思います。数字上の不利には変わりはありませんが、何とかタイトル防衛への望みをアブダビへと繋ぎました。
対するロズベルグは、2 番手スタートから一度はフェルスタッペンに見事なオーバーテイクを決められてしまいましたが、最終的にはポジションを戻して難なく 2 位フィニッシュ。今回もしっかり選手権ポイントにおけるダメージコントロールを成功させ、最終戦アブダビでは「3 位以内に入れば自動的にチャンピオン確定」という状況に持ち込みました。ロズベルグは夏休み明けのベルギー以降の全戦で 3 位以内に入っていて、この安定感があればマシントラブルがない限り初戴冠は盤石、と言えるのではないでしょうか。不確定要素があるとすれば、レッドブルが 2 台揃ってトップ争いに絡めるほどの競争力を発揮できるか否か、がカギになりそうです。

しかし今回の MVP はフェルスタッペンを置いて他にないでしょう。序盤でロズベルグを大外から抜き去ったオーバーテイクを筆頭に、終盤まで見事なオーバーテイクの連発で、ここまでエキサイティングなレースは久しぶりに観た、という気分。これだけコンディションが悪い中での激走という意味では、アイルトン・セナのデビューイヤーである 1984 年のモナコ GP を思い出しました。とはいっても私もリアルタイムで観ていたわけではありませんが(笑)、今のフェルスタッペンにはそういう偉大なチャンピオンに重ねて見てしまうだけの才能を感じます。シューマッハーやヴェッテル、ハミルトンにも負けないポテンシャルを改めて感じました。
それだけに、今回のレッドブルのタイヤ戦略は惜しい。レース中に先んじてウェットタイヤからインターミディエイトタイヤに変更した(それも赤旗中断を挟んで二度も)アグレッシブな戦略は、その時点では面白い選択だと思いましたが、結果的にはタイヤ無交換を選択した(赤旗中断中に新品ウェットに交換)メルセデスの戦略が正しかった、ということになります。逆にフェルスタッペンも同じ戦略を採っていれば、あのペース差ならばフェルスタッペンが勝っていてもおかしくはなかったし、少なくともメルセデス二台に割って入ることでチャンピオンシップがさらに面白くなったことは確実でしょう。結果論ではありますが、レッドブルは二台の戦略を分けた方が良かったのでは、と思います。

そして今回は最後の母国 GP となったマッサが印象的でした。昔から雨に弱いドライバーでしたが、母国最終戦でも濡れた路面に足を取られてクラッシュ、という終わり方がいかにもマッサらしい(笑。まあ今季のウィリアムズはダウンフォースがないためウェットコンディションではその弱点が露呈しやすい点は差し引いて考えなくてはなりませんが、クルマを降りてから雨の中を涙を流しながら歩き、ファンやスタッフ(他チームも含む!)、そして家族に迎えられる姿がとても印象的でした。ブラジル GP の開催週には毎年チームを問わずカート大会を主催するなど、F1 自体のムードメーカーでもあったマッサだけに、パドックの人々から愛されていたんだなあ、というのがよく分かるレースでした。近年のドライバーで、引退に際してここまで惜しまれるドライバーというのも珍しいのではないでしょうか。

さておき、二週間後のアブダビが泣いても笑っても今季の最終戦となりました。今の流れだとロズベルグかな、というのが私の予想ですが、最後まで何があるか分からないのがレース。最終戦での逆転も珍しいことではありません。最強チームのどちらが勝つのか、見届けたいと思います。

投稿者 B : 22:20 | F1 | Season 2016 | コメント (2) | トラックバック

2016/11/03 (Thu.)

F1 メキシコ GP 2016

F1メキシコGP決勝:ハミルトンがタイトル獲得に望みをつなぐ2連勝、怒りのベッテルは3位表彰台
ベッテル、3位表彰台を失う。リカルドへの防御に違反行為ありとの裁定

メキシコ GP といえば、1965 年に第一期のホンダ F1 がリッチー・ギンサーの駆る RA272 で初優勝を挙げた記念すべきサーキット。長らくの休止期間を経て昨年から復活したグランプリですが、こういう場所ではマクラーレン・ホンダの奇跡を夢見ずにはいられません。
が、現実はそう甘くはなく。予選こそ 11・13 番手を確保し、前戦アメリカに続くダブル入賞に向けて幸先が良く見えましたが、決勝ではまったく振るわず 12・13 位フィニッシュがやっと。やはり空気の薄い高地での戦いは、パワーユニットの中でも特に内燃機関(エンジン)の燃焼効率が物を言うだけに、エネルギー回生はともかくエンジン性能で劣る今のホンダには厳しかったです。もちろんシャシーの性能に足を引っ張られている部分もあるわけで、結局今季のマクラーレン・ホンダはドライバー比重の高いサーキットでは競争力があっても、マシン比重の高いサーキットでは厳しいという特性が最後まで改善できないままでしたね。最終戦アブダビはともかく、次のブラジルはマシンの性能差が出にくいサーキットなので、今シーズン最後の期待がかけられるレースになると思います。

チャンピオン争いのほうは、まるで一週間前のオースティンの再現を見るかのような、ハミルトンにとって完璧な週末でしたね。予選から決勝までパーフェクト。鈴鹿での敗戦で後がなくなってから、ようやくハミルトン本来の集中力が戻ってきたように感じます。
対するロズベルグも堅実に 2 位を確保し、必要な仕事をこなしました。とはいえ一時はフェルスタッペンにあわやオーバーテイクされそうになる場面もあり、ロズベルグとしては肝を冷やしたのではないでしょうか。残り 2 戦、チャンピオンシップの行方はレッドブルの二台がどれだけトップ争いに絡んでくるかが握っていると言えます。フェラーリはそこには絡んでこれないでしょうが(笑

そして 3 位は...コース上でチェッカーを受けたのはフェルスタッペン。でも、表彰台に上ったのはヴェッテル。なのに、リザルトとして 3 位に記録されたのはリカルド、という前代未聞の状況が発生しました。終盤、ヴェッテルにオーバーテイクを仕掛けられたフェルスタッペンがコースオフし、コーナーをショートカットする格好でポジションを守ったことと、その直後にリカルドにオーバーテイクを仕掛けられたヴェッテルがリカルドに接触する形でポジションを守ったこと、がそれぞれレース後審議で 5 秒ペナルティ対象となったのが、その原因。フェルスタッペンはあそこは一旦ポジションを譲るべきでしたがそのまま行ったのは「若気の至り」としか言いようがない。ヴェッテルの接触に関しては、フェルスタッペンとのバトルからの一連の流れでの出来事のため単なるレーシングインシデントではないかとも思いますが、その後無線でスチュワードへの暴言を吐いたことが FIA の心証を悪くした側面もあったはず。結局はどっちもどっちであり、ミスをせずクリーンに戦ったリカルドに 3 位が転がり込むのは納得ではありますが、それがレース後の表彰式が終わった後、というのにどうにも消化不良感が残ります。近年の F1 はアクシデントに対してレース後審議で処分を下すことが多すぎる。観客にとって分かりにくいレースになってしまっては元も子もないので、もっと明確な基準を設けてレース中にペナルティを執行し、少なくともチェッカーを受けた順位が入れ替わるということがないようにすべきでしょう。こういうのが、近年の F1 をつまらなくしている一因なんだよなあ。

さておき、チャンピオン争いは 2 レースを残して 19 ポイントに詰まりました。それでもロズベルグは残りのレースを最低でも 2 位+3 位で終えればチャンピオン確定、ハミルトンの自力戴冠がない状況は変わっていません。個人的には、今年はどちらがチャンピオンを獲っても文句はありませんが、リカルド&フェルスタッペンがもうちょっと状況をかき回してくれることを期待しています(笑。

投稿者 B : 20:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/26 (Wed.)

F1 アメリカ GP 2016

F1アメリカGP決勝:ハミルトンが完勝、マクラーレン・ホンダは鈴鹿の不振を払拭するダブル入賞

チャンピオンシップにおいてロズベルグ圧倒的優位で迎えたアメリカ GP は、なかなか見応えのあるレースになりました。

追うハミルトンはこの週末はほぼ完璧。予選 Q3 では一人だけ 1 分 34 秒台をマークするという驚異的な速さで PP を獲得。今年後半戦は決勝のスタートで躓くことが多かったですが、今回はスタートダッシュまで完璧に決め、そのまま後続の追撃を許さず完勝。夏休み前を思い出させるような、強いハミルトンが帰ってきました。窮地に陥ったときに比類なき集中力を発揮するハミルトンの真価を見た気がします。鈴鹿での敗戦の後、嫌いなシミュレータを使って徹底的にスタートの練習をしたとのことで、いよいよ本気で逆襲の狼煙を上げた、というところでしょうか。
ロズベルグも決して悪くはありませんでしたが、今回はハミルトンが強すぎた。まあ、スタートでリカルドに先行されながら最終的に 2 位に戻ってきたのは(VSC 導入のタイミングに助けられたとはいえ)メルセデス+ロズベルグの実力なんでしょうし、今のロズベルグには消極的な理由ではなくチャンピオン獲得のために納得ずくで「2 位キープ」を優先しているようにも見えますから、これでいいのだと思います。

チャンピオンを争う二人がそれぞれ狙ったとおりの順位を持ち帰った結果、ポイント差は 26 に縮まって残り 3 戦。タイトル争いは最終戦までもつれ込むに違いありません。

レッドブルとフェラーリによる二番手ポジション争いですが、引き続きアグレッシブに攻めるレッドブルに対して、フェラーリは今回も消極的なレースでした。チーム内に最強のライバル・フェルスタッペンを迎えたダニエル・リカルドの今年の成長は目覚ましく、もはやメルセデスの二人と並んで表彰台に立つのが当たり前になった感すらあります。これでパワーユニットの性能がもっと高ければ、今年のタイトルはリカルドも加えた三つ巴の争いになっていたに違いない。残念ながらエンジントラブルで止まってしまったフェルスタッペンも完走できていれば 4 位は確実だったはずで、もはや完全にフェラーリを置き去りにした印象。
対するフェラーリは、今年ずっとこんな感じですがマシンもイマイチならば戦略にも積極性がなく、挙げ句の果てには全く焦る必要のないピット作業でライコネン車のタイヤを留め切らないまま発車させてしまい、4 位フィニッシュできたところをノーポイントという体たらく。ヴェッテルが代わりに 4 位を獲得したものの、アグレッシブに行っていればもっと多くのポイントを獲得できていたはずで、あまりにももったいない。個人的に今のフェラーリの二人は好きなドライバーだけど、今のチーム状況だとあまり応援しようという気になれませんね。

鈴鹿で今季最悪のレースをしてしまったマクラーレン・ホンダは、今回はあれが「たまたま悪い状況が重なっただけだった」ということを証明する健闘を見せてくれました。予選こそバトンが Q1 敗退という結果だったものの(でもあれはコースインのタイミングさえ悪くなければ Q2 進出できていたと思う)、決勝ではアロンソ・バトンともにベテランらしいスタートと闘志あふれるオーバーテイクを連発し、アロンソ 5 位・バトン 9 位という今季のほぼベストリザルトを記録。フェルスタッペンとライコネンのリタイアに助けられたとはいえ、フォースインディア・ウィリアムズ・トロロッソという直接のライバルを退けての 5 位入賞は評価に値すると思います。ドライバーがアロンソでなければあのワンチャンスをモノにしてオーバーテイクはできなかったでしょうが、あそこで自信を持って仕掛けられるだけのマシンに仕上がってきたということでしょう。

今週末開催されるメキシコ GP は、第一期ホンダ F1 が初優勝を飾ったサーキットでもあり、今回以上のミラクルを期待してしまいます。まあ高地で酸素が薄く、エンジン性能による差が出やすい場所ではあるので、ホンダ的にはちょっと厳しいところかもしれませんが...。

投稿者 B : 21:21 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/09 (Sun.)

F1 日本 GP 2016 決勝

F1日本GP鈴鹿はロズベルグが他を寄せ付けず圧勝。スタート失敗のハミルトンは3位に終わる

日本 GP 決勝。抜きにくいサーキットだけに、フロントロウに並んだ二台のメルセデスの勝負はスタートで趨勢が決するだろうと思っていましたが、果たしてその通りのリザルトになりました。ロズベルグが問題なくスタートを切った一方で、ハミルトンは蹴り出しに大失敗。一気に 2 位から 8 位までポジションを落とし、この時点でハミルトンの逆転勝利は絶望的になりました。
ロズベルグはそのままレースを支配し、2 位以下とのギャップを完璧にコントロールして優勝。完全に自分の勝ちパターンに持って行くことができたレースでした。

対するハミルトンはそれでも諦めず、先行するマシンを一台一台料理していったものの、終盤に争ったフェルスタッペンが手強かった。フェルスタッペンはスペイン GP で初優勝した走りを思わせる見事な防御でハミルトンに並びかけることさえ許しませんでした。ハミルトンはトップスピードの速さを活かしてターン 1 でのオーバーテイクを何度か試みたものの、フェルスタッペンは徹底的にターン 1 での防御に集中したドライビング。残り 2 周でハミルトンは戦略を変え、130R 後のシケイン飛び込みを狙ったものの抜ききれずオーバーラン、そこで万事休すとなりました。
抜けない鈴鹿で 8 位から表彰台まで戻ってきたハミルトンの速さも賞賛に値しますが、今回はそれ以上にフェルスタッペンが素晴らしかった。今回のマン・オブ・ザ・レースはフェルスタッペンでしょうね。

予選 3-4 番手を得たフェラーリでしたが、ヴェッテルが前戦で受けたペナルティで 3 グリッド降格、ライコネンもギヤボックス交換ペナルティで 5 グリッド降格と厳しいスタートとなりました。が、ヴェッテルが 3 位を走行していたところで不可解にもピットインタイミングを引き延ばし、その間にハミルトンに易々とアンダーカットを決められるなど、今回も微妙な采配で表彰台を逃してしまいました。まああのピットインが早かったとしても最終的に抜かれていた可能性は高いでしょうが、それ以前に戦わずして負けた印象。近年のフェラーリはこういうピット判断の拙さで失っているポイントが多すぎる。来季はトラックエンジニアを交代させたほうが良いんじゃないですかね。

というわけで、夏休み前の 4 連勝で流れを味方につけたハミルトンでしたが、対するロズベルグは夏休み明けの 5 戦で既に 4 勝をマークしており、チャンピオンシップは完全にロズベルグ有利。
ポイント差もこの時点で 33pt まで開き、残り 4 戦でハミルトンが全勝してもロズベルグが全て 2 位に入れば逆転は叶わない、つまりハミルトンの自力戴冠がなくなったことになります。シーズン前半のロズベルグには精神的な脆さも見えましたが、後半は安定感が光り、これを維持できれば確かにロズベルグにもチャンピオンの資格があると言えるでしょう。ハミルトンはとにかく全勝を狙い、あとは運を天に任せるしかありません。まあ 2008 年に最終戦の最終コーナーで初戴冠をもぎ取ったハミルトンの運の強さもまた侮れないものがありますが...。

我らがマクラーレン・ホンダですが、今週末は予選から決勝まで全く良いところなしのグランプリとなりました。予選は 15-17 番手、Q1 突破できなかったバトンは次戦投入予定だった新パワーユニットを先行投入し、パワフルなエンジンで最後尾から追い上げる戦略を採ります。しかし二台とも結局最後まで見せ場を作れないまま、16-18 位でフィニッシュ。順位だけ見れば「GP2 エンジン」を搭載していた去年よりも悪い結果です。つい最近までフォースインディアやウィリアムズと中団のトップを争っていたのに、本拠地鈴鹿でザウバーと良い勝負...というところまで落ちたのではちょっと救われませんね。ホンダの PU にまだまだ戦闘力がないのも事実だと思いますが、鈴鹿は車体が生み出すダウンフォースへの依存度が高く、マシン全体のパッケージングが問われるサーキット。改めて、マクラーレン製シャシーに競争力がないことが露わになった結果と言えるでしょう。ホンダ製 PU ばかり槍玉に挙げられてますが、実際マクラーレンもパディ・ロウがメルセデスに引き抜かれた 2013 年以降、速いマシンが全く作れていませんからね。
とはいえ今シーズンのマクラーレン・ホンダは尻上がりに競争力をつけてきていることは事実。コンストラクターズポイントでは 5 位のウィリアムズにはもう届かないでしょうが、トロロッソとの間の 15pt 差を守って 6 位でシーズンを終えられる可能性は十分にあります。残り 4 戦はそれぞれ性格の異なるサーキットが続きますが、手持ちの武器を最大限に使って入賞をもぎ取っていってほしいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/08 (Sat.)

F1 日本 GP 2016 予選

F1日本GP予選は僚友との争い制したロズベルグが3年連続でポールポジション獲得

今年も日本 GP の週末がやって来ました。アロンソに「GP2 エンジン」と言われた昨年と違い、今年はシーズンを通じてホンダ製パワーユニットの性能も随分向上して入賞の常連となりつつあるだけに、期待していました。私はまたしても子どもの運動会とかぶってしまいテレビ観戦ですが(泣)、それがなければ本当は現地で応援したかったところ。

マクラーレン・ホンダの予選はなんとバトンがいきなりの Q1 落ち。アロンソも 15 位に沈み、久しぶりに二台揃って後方グリッドからのスタートになります。鈴鹿と同じく高速テクニカルサーキットであるベルギーで好成績を収めていたため今回も期待していたんですが、やっぱり鈴鹿がマシンに求めるレベルは高かったかー。上位ではフェラーリの二台が久しぶりにレッドブル勢を抑える予選タイムをたたき出していることもあり、現在の鈴鹿は想像以上にパワーユニット依存度の高いサーキットになっているようです。
決勝では二人とも得意なスタートダッシュを決めて早いうちに順位を上げるなり、大胆なタイヤ戦略を採って上位を狙ってほしいところ。まあ言われなくてもホンダ的にはホームグランプリなわけで、入賞を狙う戦いを仕掛けてくれるでしょうが。

それにしても驚いたのはハースですよ。開幕から数戦は入賞もあって良かったものの、中盤以降はマシンの相対的な戦闘力が落ち、ポイント圏に名前を見かけることも減ってきていました。それが今回のマシンアップデートがうまく当たったにしても、二台揃っての Q3 進出にはさすがに驚き。でも、この鈴鹿はかつてグロジャンと現チーフエンジニアである小松礼雄氏が 2013 年に(当時はロータスに所属)同じコンビで 3 位表彰台を獲得したサーキット。マシン性能のアップ以上に、小松さんなりの鈴鹿攻略法があったに違いありません。今年の小松さんはもうドライバー担当ではありませんが、久しぶりに小松&グロジャンで鈴鹿を引っかき回すレースを見せてほしいところです。

熾烈なポールポジション争いは、1/100 秒差でロズベルグが制しました。夏休み明けてからのロズベルグは予選で滅法速い。ハミルトンがミスを犯したわけではないようなので、一昨年のロズベルグの一発の速さが戻ってきたようです。鈴鹿は抜きにくくグリッド順が物を言うサーキットだけに、決勝はスタートからターン 1 までを守り切ればロズベルグ有利な状況が生まれるでしょう。
いっぽうでハミルトンは鈴鹿は絶対に落とせないレース。ここでロズベルグに優勝されてしまうと、自力でのチャンピオン獲得が消える(残り 4 戦をハミルトンが全勝しても、ロズベルグは全て 2 位に入ればロズベルグのチャンピオンが確定)だけに大事な一戦となります。かつてのセナ・プロのようなアクシデントが起こってしまう可能性も否定できませんが、是非ともクリーンなレースで勝負をつけてほしいところ。

明日の鈴鹿はどうやら午前中は雨、そしてお昼から晴れていくという天気になる模様。スタート時点での路面がまだウェットなのか乾いているのか、によってもレース展開は全然変わってきます。一昨年のビアンキの事故のようなことは起きてほしくないけど、何かしら番狂わせが起きてくれることは期待してしまいますね。
来季の休養が決まっているバトンにとっても今回がいったん鈴鹿ラストランになるわけで、思い出に残るレースを見せてほしいと思います。

投稿者 B : 21:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック