b's mono-log

2016/11/03 (Thu.)

F1 メキシコ GP 2016

F1メキシコGP決勝:ハミルトンがタイトル獲得に望みをつなぐ2連勝、怒りのベッテルは3位表彰台
ベッテル、3位表彰台を失う。リカルドへの防御に違反行為ありとの裁定

メキシコ GP といえば、1965 年に第一期のホンダ F1 がリッチー・ギンサーの駆る RA272 で初優勝を挙げた記念すべきサーキット。長らくの休止期間を経て昨年から復活したグランプリですが、こういう場所ではマクラーレン・ホンダの奇跡を夢見ずにはいられません。
が、現実はそう甘くはなく。予選こそ 11・13 番手を確保し、前戦アメリカに続くダブル入賞に向けて幸先が良く見えましたが、決勝ではまったく振るわず 12・13 位フィニッシュがやっと。やはり空気の薄い高地での戦いは、パワーユニットの中でも特に内燃機関(エンジン)の燃焼効率が物を言うだけに、エネルギー回生はともかくエンジン性能で劣る今のホンダには厳しかったです。もちろんシャシーの性能に足を引っ張られている部分もあるわけで、結局今季のマクラーレン・ホンダはドライバー比重の高いサーキットでは競争力があっても、マシン比重の高いサーキットでは厳しいという特性が最後まで改善できないままでしたね。最終戦アブダビはともかく、次のブラジルはマシンの性能差が出にくいサーキットなので、今シーズン最後の期待がかけられるレースになると思います。

チャンピオン争いのほうは、まるで一週間前のオースティンの再現を見るかのような、ハミルトンにとって完璧な週末でしたね。予選から決勝までパーフェクト。鈴鹿での敗戦で後がなくなってから、ようやくハミルトン本来の集中力が戻ってきたように感じます。
対するロズベルグも堅実に 2 位を確保し、必要な仕事をこなしました。とはいえ一時はフェルスタッペンにあわやオーバーテイクされそうになる場面もあり、ロズベルグとしては肝を冷やしたのではないでしょうか。残り 2 戦、チャンピオンシップの行方はレッドブルの二台がどれだけトップ争いに絡んでくるかが握っていると言えます。フェラーリはそこには絡んでこれないでしょうが(笑

そして 3 位は...コース上でチェッカーを受けたのはフェルスタッペン。でも、表彰台に上ったのはヴェッテル。なのに、リザルトとして 3 位に記録されたのはリカルド、という前代未聞の状況が発生しました。終盤、ヴェッテルにオーバーテイクを仕掛けられたフェルスタッペンがコースオフし、コーナーをショートカットする格好でポジションを守ったことと、その直後にリカルドにオーバーテイクを仕掛けられたヴェッテルがリカルドに接触する形でポジションを守ったこと、がそれぞれレース後審議で 5 秒ペナルティ対象となったのが、その原因。フェルスタッペンはあそこは一旦ポジションを譲るべきでしたがそのまま行ったのは「若気の至り」としか言いようがない。ヴェッテルの接触に関しては、フェルスタッペンとのバトルからの一連の流れでの出来事のため単なるレーシングインシデントではないかとも思いますが、その後無線でスチュワードへの暴言を吐いたことが FIA の心証を悪くした側面もあったはず。結局はどっちもどっちであり、ミスをせずクリーンに戦ったリカルドに 3 位が転がり込むのは納得ではありますが、それがレース後の表彰式が終わった後、というのにどうにも消化不良感が残ります。近年の F1 はアクシデントに対してレース後審議で処分を下すことが多すぎる。観客にとって分かりにくいレースになってしまっては元も子もないので、もっと明確な基準を設けてレース中にペナルティを執行し、少なくともチェッカーを受けた順位が入れ替わるということがないようにすべきでしょう。こういうのが、近年の F1 をつまらなくしている一因なんだよなあ。

さておき、チャンピオン争いは 2 レースを残して 19 ポイントに詰まりました。それでもロズベルグは残りのレースを最低でも 2 位+3 位で終えればチャンピオン確定、ハミルトンの自力戴冠がない状況は変わっていません。個人的には、今年はどちらがチャンピオンを獲っても文句はありませんが、リカルド&フェルスタッペンがもうちょっと状況をかき回してくれることを期待しています(笑。

投稿者 B : 20:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/26 (Wed.)

F1 アメリカ GP 2016

F1アメリカGP決勝:ハミルトンが完勝、マクラーレン・ホンダは鈴鹿の不振を払拭するダブル入賞

チャンピオンシップにおいてロズベルグ圧倒的優位で迎えたアメリカ GP は、なかなか見応えのあるレースになりました。

追うハミルトンはこの週末はほぼ完璧。予選 Q3 では一人だけ 1 分 34 秒台をマークするという驚異的な速さで PP を獲得。今年後半戦は決勝のスタートで躓くことが多かったですが、今回はスタートダッシュまで完璧に決め、そのまま後続の追撃を許さず完勝。夏休み前を思い出させるような、強いハミルトンが帰ってきました。窮地に陥ったときに比類なき集中力を発揮するハミルトンの真価を見た気がします。鈴鹿での敗戦の後、嫌いなシミュレータを使って徹底的にスタートの練習をしたとのことで、いよいよ本気で逆襲の狼煙を上げた、というところでしょうか。
ロズベルグも決して悪くはありませんでしたが、今回はハミルトンが強すぎた。まあ、スタートでリカルドに先行されながら最終的に 2 位に戻ってきたのは(VSC 導入のタイミングに助けられたとはいえ)メルセデス+ロズベルグの実力なんでしょうし、今のロズベルグには消極的な理由ではなくチャンピオン獲得のために納得ずくで「2 位キープ」を優先しているようにも見えますから、これでいいのだと思います。

チャンピオンを争う二人がそれぞれ狙ったとおりの順位を持ち帰った結果、ポイント差は 26 に縮まって残り 3 戦。タイトル争いは最終戦までもつれ込むに違いありません。

レッドブルとフェラーリによる二番手ポジション争いですが、引き続きアグレッシブに攻めるレッドブルに対して、フェラーリは今回も消極的なレースでした。チーム内に最強のライバル・フェルスタッペンを迎えたダニエル・リカルドの今年の成長は目覚ましく、もはやメルセデスの二人と並んで表彰台に立つのが当たり前になった感すらあります。これでパワーユニットの性能がもっと高ければ、今年のタイトルはリカルドも加えた三つ巴の争いになっていたに違いない。残念ながらエンジントラブルで止まってしまったフェルスタッペンも完走できていれば 4 位は確実だったはずで、もはや完全にフェラーリを置き去りにした印象。
対するフェラーリは、今年ずっとこんな感じですがマシンもイマイチならば戦略にも積極性がなく、挙げ句の果てには全く焦る必要のないピット作業でライコネン車のタイヤを留め切らないまま発車させてしまい、4 位フィニッシュできたところをノーポイントという体たらく。ヴェッテルが代わりに 4 位を獲得したものの、アグレッシブに行っていればもっと多くのポイントを獲得できていたはずで、あまりにももったいない。個人的に今のフェラーリの二人は好きなドライバーだけど、今のチーム状況だとあまり応援しようという気になれませんね。

鈴鹿で今季最悪のレースをしてしまったマクラーレン・ホンダは、今回はあれが「たまたま悪い状況が重なっただけだった」ということを証明する健闘を見せてくれました。予選こそバトンが Q1 敗退という結果だったものの(でもあれはコースインのタイミングさえ悪くなければ Q2 進出できていたと思う)、決勝ではアロンソ・バトンともにベテランらしいスタートと闘志あふれるオーバーテイクを連発し、アロンソ 5 位・バトン 9 位という今季のほぼベストリザルトを記録。フェルスタッペンとライコネンのリタイアに助けられたとはいえ、フォースインディア・ウィリアムズ・トロロッソという直接のライバルを退けての 5 位入賞は評価に値すると思います。ドライバーがアロンソでなければあのワンチャンスをモノにしてオーバーテイクはできなかったでしょうが、あそこで自信を持って仕掛けられるだけのマシンに仕上がってきたということでしょう。

今週末開催されるメキシコ GP は、第一期ホンダ F1 が初優勝を飾ったサーキットでもあり、今回以上のミラクルを期待してしまいます。まあ高地で酸素が薄く、エンジン性能による差が出やすい場所ではあるので、ホンダ的にはちょっと厳しいところかもしれませんが...。

投稿者 B : 21:21 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/09 (Sun.)

F1 日本 GP 2016 決勝

F1日本GP鈴鹿はロズベルグが他を寄せ付けず圧勝。スタート失敗のハミルトンは3位に終わる

日本 GP 決勝。抜きにくいサーキットだけに、フロントロウに並んだ二台のメルセデスの勝負はスタートで趨勢が決するだろうと思っていましたが、果たしてその通りのリザルトになりました。ロズベルグが問題なくスタートを切った一方で、ハミルトンは蹴り出しに大失敗。一気に 2 位から 8 位までポジションを落とし、この時点でハミルトンの逆転勝利は絶望的になりました。
ロズベルグはそのままレースを支配し、2 位以下とのギャップを完璧にコントロールして優勝。完全に自分の勝ちパターンに持って行くことができたレースでした。

対するハミルトンはそれでも諦めず、先行するマシンを一台一台料理していったものの、終盤に争ったフェルスタッペンが手強かった。フェルスタッペンはスペイン GP で初優勝した走りを思わせる見事な防御でハミルトンに並びかけることさえ許しませんでした。ハミルトンはトップスピードの速さを活かしてターン 1 でのオーバーテイクを何度か試みたものの、フェルスタッペンは徹底的にターン 1 での防御に集中したドライビング。残り 2 周でハミルトンは戦略を変え、130R 後のシケイン飛び込みを狙ったものの抜ききれずオーバーラン、そこで万事休すとなりました。
抜けない鈴鹿で 8 位から表彰台まで戻ってきたハミルトンの速さも賞賛に値しますが、今回はそれ以上にフェルスタッペンが素晴らしかった。今回のマン・オブ・ザ・レースはフェルスタッペンでしょうね。

予選 3-4 番手を得たフェラーリでしたが、ヴェッテルが前戦で受けたペナルティで 3 グリッド降格、ライコネンもギヤボックス交換ペナルティで 5 グリッド降格と厳しいスタートとなりました。が、ヴェッテルが 3 位を走行していたところで不可解にもピットインタイミングを引き延ばし、その間にハミルトンに易々とアンダーカットを決められるなど、今回も微妙な采配で表彰台を逃してしまいました。まああのピットインが早かったとしても最終的に抜かれていた可能性は高いでしょうが、それ以前に戦わずして負けた印象。近年のフェラーリはこういうピット判断の拙さで失っているポイントが多すぎる。来季はトラックエンジニアを交代させたほうが良いんじゃないですかね。

というわけで、夏休み前の 4 連勝で流れを味方につけたハミルトンでしたが、対するロズベルグは夏休み明けの 5 戦で既に 4 勝をマークしており、チャンピオンシップは完全にロズベルグ有利。
ポイント差もこの時点で 33pt まで開き、残り 4 戦でハミルトンが全勝してもロズベルグが全て 2 位に入れば逆転は叶わない、つまりハミルトンの自力戴冠がなくなったことになります。シーズン前半のロズベルグには精神的な脆さも見えましたが、後半は安定感が光り、これを維持できれば確かにロズベルグにもチャンピオンの資格があると言えるでしょう。ハミルトンはとにかく全勝を狙い、あとは運を天に任せるしかありません。まあ 2008 年に最終戦の最終コーナーで初戴冠をもぎ取ったハミルトンの運の強さもまた侮れないものがありますが...。

我らがマクラーレン・ホンダですが、今週末は予選から決勝まで全く良いところなしのグランプリとなりました。予選は 15-17 番手、Q1 突破できなかったバトンは次戦投入予定だった新パワーユニットを先行投入し、パワフルなエンジンで最後尾から追い上げる戦略を採ります。しかし二台とも結局最後まで見せ場を作れないまま、16-18 位でフィニッシュ。順位だけ見れば「GP2 エンジン」を搭載していた去年よりも悪い結果です。つい最近までフォースインディアやウィリアムズと中団のトップを争っていたのに、本拠地鈴鹿でザウバーと良い勝負...というところまで落ちたのではちょっと救われませんね。ホンダの PU にまだまだ戦闘力がないのも事実だと思いますが、鈴鹿は車体が生み出すダウンフォースへの依存度が高く、マシン全体のパッケージングが問われるサーキット。改めて、マクラーレン製シャシーに競争力がないことが露わになった結果と言えるでしょう。ホンダ製 PU ばかり槍玉に挙げられてますが、実際マクラーレンもパディ・ロウがメルセデスに引き抜かれた 2013 年以降、速いマシンが全く作れていませんからね。
とはいえ今シーズンのマクラーレン・ホンダは尻上がりに競争力をつけてきていることは事実。コンストラクターズポイントでは 5 位のウィリアムズにはもう届かないでしょうが、トロロッソとの間の 15pt 差を守って 6 位でシーズンを終えられる可能性は十分にあります。残り 4 戦はそれぞれ性格の異なるサーキットが続きますが、手持ちの武器を最大限に使って入賞をもぎ取っていってほしいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/08 (Sat.)

F1 日本 GP 2016 予選

F1日本GP予選は僚友との争い制したロズベルグが3年連続でポールポジション獲得

今年も日本 GP の週末がやって来ました。アロンソに「GP2 エンジン」と言われた昨年と違い、今年はシーズンを通じてホンダ製パワーユニットの性能も随分向上して入賞の常連となりつつあるだけに、期待していました。私はまたしても子どもの運動会とかぶってしまいテレビ観戦ですが(泣)、それがなければ本当は現地で応援したかったところ。

マクラーレン・ホンダの予選はなんとバトンがいきなりの Q1 落ち。アロンソも 15 位に沈み、久しぶりに二台揃って後方グリッドからのスタートになります。鈴鹿と同じく高速テクニカルサーキットであるベルギーで好成績を収めていたため今回も期待していたんですが、やっぱり鈴鹿がマシンに求めるレベルは高かったかー。上位ではフェラーリの二台が久しぶりにレッドブル勢を抑える予選タイムをたたき出していることもあり、現在の鈴鹿は想像以上にパワーユニット依存度の高いサーキットになっているようです。
決勝では二人とも得意なスタートダッシュを決めて早いうちに順位を上げるなり、大胆なタイヤ戦略を採って上位を狙ってほしいところ。まあ言われなくてもホンダ的にはホームグランプリなわけで、入賞を狙う戦いを仕掛けてくれるでしょうが。

それにしても驚いたのはハースですよ。開幕から数戦は入賞もあって良かったものの、中盤以降はマシンの相対的な戦闘力が落ち、ポイント圏に名前を見かけることも減ってきていました。それが今回のマシンアップデートがうまく当たったにしても、二台揃っての Q3 進出にはさすがに驚き。でも、この鈴鹿はかつてグロジャンと現チーフエンジニアである小松礼雄氏が 2013 年に(当時はロータスに所属)同じコンビで 3 位表彰台を獲得したサーキット。マシン性能のアップ以上に、小松さんなりの鈴鹿攻略法があったに違いありません。今年の小松さんはもうドライバー担当ではありませんが、久しぶりに小松&グロジャンで鈴鹿を引っかき回すレースを見せてほしいところです。

熾烈なポールポジション争いは、1/100 秒差でロズベルグが制しました。夏休み明けてからのロズベルグは予選で滅法速い。ハミルトンがミスを犯したわけではないようなので、一昨年のロズベルグの一発の速さが戻ってきたようです。鈴鹿は抜きにくくグリッド順が物を言うサーキットだけに、決勝はスタートからターン 1 までを守り切ればロズベルグ有利な状況が生まれるでしょう。
いっぽうでハミルトンは鈴鹿は絶対に落とせないレース。ここでロズベルグに優勝されてしまうと、自力でのチャンピオン獲得が消える(残り 4 戦をハミルトンが全勝しても、ロズベルグは全て 2 位に入ればロズベルグのチャンピオンが確定)だけに大事な一戦となります。かつてのセナ・プロのようなアクシデントが起こってしまう可能性も否定できませんが、是非ともクリーンなレースで勝負をつけてほしいところ。

明日の鈴鹿はどうやら午前中は雨、そしてお昼から晴れていくという天気になる模様。スタート時点での路面がまだウェットなのか乾いているのか、によってもレース展開は全然変わってきます。一昨年のビアンキの事故のようなことは起きてほしくないけど、何かしら番狂わせが起きてくれることは期待してしまいますね。
来季の休養が決まっているバトンにとっても今回がいったん鈴鹿ラストランになるわけで、思い出に残るレースを見せてほしいと思います。

投稿者 B : 21:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/03 (Mon.)

F1 マレーシア GP 2016

マレーシアGP決勝 波乱のレースでレッドブル1ー2!

鈴鹿の前哨戦、マレーシア GP。そろそろチャンピオンシップも佳境に入り、ハミルトンとロズベルグがどのような戦いを繰り広げるのか...と思っていたら、まさかの伏兵レッドブルが 1-2 フィニッシュ!これにはちょっと驚きました。

予選は完全にハミルトンのターン。ロズベルグもレッドブル勢に脅かされながら何とか二番手につけましたが、スタート直後の混乱でヴェッテルがロズベルグに追突。ヴェッテルはそのままリタイア、ロズベルグも後方からの追い上げを余儀なくされます。
そのままハミルトンが楽勝か、と思いきや、残り 15 周で突然ハミルトン車のエンジンがブロー!目前にしていた 25 ポイントがゼロに。今季のハミルトンはとことんパワーユニットの信頼性に恵まれていませんね...。

勝ったのはその時点で 2 位につけていたリカルド。レッドブルの二台はタイヤ戦略の違いで、途中フレッシュタイヤを履いたフェルスタッペンがリカルドを抜きにかかる場面がありましたが、リカルドがそれをブロック。チーム的にはここでフェルスタッペンに先行させたほうがまだ優勝の可能性があるのでは、と思いましたが、リカルドにとっては結果的にそれが幸運を呼び込みました。チームとしても今季スペイン GP・モナコ GP でリカルドに与えられたはずの優勝をみすみす逃してしまった経緯があるだけに、最後はポジションをキープさせる選択をした側面もあったのでしょう。いずれにしてもレッドブルの二台の攻防はモータースポーツとして気持ちの良いもので、毎戦こういう優勝争いが繰り広げられてほしいものだ、と感じました。

3 位に入ったのは追い上げてきたロズベルグ。今季のメルセデスは後方からの追い上げでも必ず表彰台付近まで上がってきますね。もはや 1 チームだけ別カテゴリのレースを戦っていると言って良い状況。
チャンピオンシップは残り 5 戦で 23pt 差となりました。ハミルトンがあのまま勝っていればまたほとんどポイント差のない状況が生まれていただけに、ハミルトンとしては悔やんでも悔やみきれない結果でしょう。まだ 5 戦あれば十分再逆転できる差ではあるけれど、ハミルトンが改めて強さを見せるのか、ロズベルグがこの差を守り切るのか。いよいよ面白くなってきました。

マクラーレン・ホンダは今季三度目のダブル入賞で、鈴鹿に向けていい勢いがつきました。バトンは予選 9 位から一時は 4 位を走行していたにもかかわらず、バーチャルセーフティカー導入のアヤで順位を失いグリッド通りの 9 位というのが悔しいところではありますが、対照的にアロンソが素晴らしかった。翌週の日本 GP に向けて、いわば「鈴鹿スペシャル」とも言える最新アップデート版の PU をフリー走行に投入。しかしマイレージ節約のため予選では旧 PU に戻し、PU 交換ペナルティを受けて最後尾スタートとなります。決勝ではいつものようにジャンプスタートを決めて一気にポイント圏まで上がり、バトンとは逆にバーチャルセーフティカーのタイミングもうまくハマって 7 位入賞。あまり国際映像に映らなかったので気がついたらバトンの前にいたときには驚きましたが、最終的には二台ともフォースインディアと渡り合っての 7-9 フィニッシュは健闘したと言えます。今回のアロンソは旧 PU での結果ですが、鈴鹿ではさらに戦闘力が高まった PU で走れるのがさらに期待を持たせます(バトンは PU ローテーションの関係で鈴鹿の次、アメリカで新 PU 投入予定)。

波乱もあり、とても面白いレースでした。
そしてマクラーレン・ホンダにとってもう一つの母国 GP となる鈴鹿はもう今週末。既に今日から各チームは日本入りしているようなので、都内では明日~明後日あたりドライバーやチーム関係者に遭遇する機会があるかもしれません(笑。

投稿者 B : 22:56 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/09/20 (Tue.)

F1 シンガポール GP 2016

シンガポールGP決勝 ロズベルグ優勝、ランキングトップに

F1 はヨーロッパラウンドを終え、アジア方面への終盤戦フライアウェイに突入しました。ナイトレースのシンガポール GP、こういう公道コースはハミルトンが大得意とするところ。完勝でランキングトップを盤石のものにするかと思いきや、予想とは全く逆の結末になりました。

今回のレースは予選からロズベルグが速かった。Q3 ではハミルトン自身のミスもあり、かつストレートが少ないコース特性もあってレッドブルやフェラーリが健闘。ロズベルグ PP にリカルドが 2 番手につけ、ハミルトンは 3 番グリッドからのスタートになります。
決勝スタートはロズベルグもハミルトンも大きな失敗なく蹴り出したものの、後方でクラッシュがありスタート早々にセーフティカー導入。結果、上位のトラックポジションはスタート時のまま固定されます。そこへメルセデスの二台にブレーキの冷却トラブルが発生し、思った通りにペースが上げられないという問題に見舞われます。クリーンエアを受けながら走れる首位ロズベルグはまだしも、追い上げ展開となったハミルトンにこの状況は厳しい。中盤までこのまま膠着状態が続き、いっぽう後方からは予選でのマシントラブルでほぼ最後尾スタートとなったヴェッテルが猛烈なペースで追い上げてきています。
33 周目、ずっとチャンスをうかがっていたライコネンがハミルトンのミスを見逃さずに乾坤一擲のオーバーテイク!ハミルトンは 4 位に順位を落とします。このままでは表彰台すら逃してしまうハミルトンはピット戦略を変更し、その時点で履いていたタイヤを使い切るまでペースアップした後にスーパーソフトに交換。ポジションを守りたいフェラーリは、ギリギリまでタイヤ交換を迷った挙げ句ピットインしたところ、結果的にハミルトンにアンダーカットを許してしまいました。これは完全にフェラーリの判断が遅すぎた。今季のフェラーリ不振はマシン開発の停滞もさることながら、こういうオペレーションの拙さで落としているポイントがあまりにも多いことに原因があると思います。

終盤はリカルドが魅せてくれました。残り 13 周でピットインしスーパーソフトタイヤに交換すると、怒濤の追い上げで 1 周 2~3 秒ずつロズベルグとの差を詰めていきます。ロズベルグもタイヤ交換をして合わせに行くかと思われましたが、そのままステイアウト。これはもしかするとフェラーリのように判断が裏目に出るのでは...と思われましたが、リカルドが追いつくよりも先にスーパーソフトタイヤのパフォーマンスが落ち始め、わずか 0.5 秒差を守ったロズベルグがそのままトップチェッカー。
結果的にはメルセデスの 1-3 フィニッシュだったとはいえ、メルセデスがこうしてフェラーリにオーバーテイクされたりレッドブルに追い立てられたりするレースは久しぶりで、非常に見応えがありました。メルセデスのブレーキに不安があったのが一因ではありますが、これだけ面白いレースを魅せてくれたライコネンとリカルドには拍手を送りたい。

このレースの結果、チャンピオンシップでは再びロズベルグがランキングトップに返り咲きました。この期に及んでまだロズベルグがハミルトンを直接対決で下したと言えるレースがないのは気になりますが、いよいよ残り 6 戦、ロズベルグが今回のように予選から決勝まで完璧なレースを組み立てることができれば、彼岸のチャンピオン獲得の可能性は十分にあり得ます。いっぽうのハミルトンはまだ全く自信を失っていないでしょうから、トラブルなく自分らしい走りに集中できるかどうかにかかっていると言えます。

マクラーレン・ホンダは、予選は最近の定位置付近と言える 9・12 番手。マシン性能の差が出にくく、またセーフティカーがほぼ確実に導入されるレースで上位入賞が期待されましたが、バトンはスタート直後の接触が原因でほとんど走らない間にリタイア。アロンソは得意のジャンプスタートを決め中盤まで 5 番手を走行するなど、安定感ある速さを見せてくれました。その後ヴェッテルとフェルスタッペンに交わされたものの、後続を寄せ付けず 7 位フィニッシュ。6 位までは「三強」が順当に二台ずつ収まったことを考えると、確実に中堅チームのトップを争える実力がついていることが確認できたと言えます。さすがにこれから 50pt 差のあるフォースインディアやウィリアムズに追いつくことは難しいかもしれませんが、トロロッソを抑えてコンストラクターズ 6 位の座は確実なものにしてほしいところ。

次は 16 年ぶりの秋開催となるマレーシア GP。さらにその翌週には日本 GP が控えていることもあり、マクラーレン・ホンダのさらなる躍進に期待したいところです。

投稿者 B : 00:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/09/06 (Tue.)

F1 マッサが引退、バトンが一年休養へ

例年、いくつかのチームが来季の体制発表を行う F1 イタリア GP。今年はフェラーリが現行体制キープということでそのへんの動きはありませんでしたが、他チームのベテランドライバーによる発表がありました。

マッサ 今季限りでF1引退 - GPUpdate.net

まずはフェリペ・マッサ。長年フェラーリドライバーとして活動してきた思い入れが強いのか、M. シューマッハーが 10 年前に一度目の引退を発表したイタリア GP の場で、自信の引退を発表。数年前からシート喪失の噂があったので、思ったより長く現役でいられたなという印象の方が強いですが...若手の期待株としてフェラーリに抜擢された頃のことを思えば、長い年月が経ったんだなあと実感します。
ザウバーから「シューマッハーの弟子」的な位置づけでフェラーリ入りし、2008 年にハミルトンと最終戦最終ラップまでチャンピオン争いを演じた頃までがマッサのピークだったでしょうか。2009 年にレース中のアクシデントで一時休養したあたりから、速さよりも弱さが目立ちました。フェラーリにアロンソが加入してからは完全にセカンドドライバー扱い、ウィリアムズに移籍してからはしばらくチームの牽引役を担ってはいたものの、近年はボッタスの引き立て役になってしまっていることも多く、同郷の先輩バリチェロ同様にエースにはなりきれなかった星回りが不幸でした。それでもトルコ GP を三連覇するなど「ハマれば速い」のもマッサの印象でした。
思い返せばこの 10 年、トップチームのシートに座り続けたドライバーも二桁もいないわけで、そういう意味では近年の F1 を支えたドライバーの一人だったと思います。お疲れさまでした。

マクラーレン ファンドーネ昇格、バトンはリザーブに

続いてジェンソン・バトン。少し前までの噂では引退するマッサの後釜としてウィリアムズに移籍、空いたマクラーレンのシートにはストフェル・バンドーンが昇格すると言われてきましたが、意外にもバトンはウィリアムズには行かず、一年間のサバティカル(休暇)を取るとのこと。以前からバトンは「競争力のあるチームでなければ移籍はしない」と発言しており、去年までのウィリアムズならばマクラーレン・ホンダよりも条件は良かったと言えるでしょうが、今季のウィリアムズを見るとその速さに継続性があるかは疑問。マクラーレンはバンドーンにシートを与えたく、アロンソにはまだ契約があるとなれば、自ずと選択肢は限られてきます。イタリア GP の解説で川井ちゃんが「プライベートな問題もあって自分の時間を作りたいようだ」とコメントしていましたが、道端ジェシカさんと結婚してスピード離婚したのも、もしかするとそのプライベートの時間のなさに原因があるのかもしれません。
バトンは休暇中もマクラーレン・ホンダのリザーブドライバーとして契約を継続するとのことで、今年のバーレーン GP のようにレギュラードライバーに不慮の事態があった際には再びステアリングを握ることになります。また、アロンソのマクラーレンとの契約は 2017 年末までのため、競争力のあるチームで走りたいバトンとしては、三強以外のチームに移籍するくらいならアロンソ離脱後のシートに収まったほうがまだ勝てる可能性がある、と見ている可能性もあります。いずれにしても、長年ホンダとともに走ってきたドライバーがマクラーレン・ホンダの復活を見届けずに引退してしまうのは寂しい話なので、もうしばらくホンダのロゴを胸に掲げたバトンの姿が見られるというのは嬉しいところ。

これで来季のストーブリーグはメルセデス/レッドブル/フェラーリ/マクラーレンのシートが確定。ウィリアムズ/フォースインディア/トロロッソ/ハース/ザウバーは片方のシートが空いていると言われており、ルノー/マノーは白紙に近い状態。カギを握るのはペレスがどのチームに移籍するか、そして若手ホープであるウェーレインをメルセデスがどのチームに押し込むか、あたりから芋づる式にパズルのピースがはまっていきそうです。

投稿者 B : 22:10 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/09/05 (Mon.)

F1 イタリア GP 2016

イタリアGP決勝 ロズベルグ優勝、ハミルトンが2位

F1 きってのパワーサーキットであるイタリア・モンツァ。レース前から完全にメルセデスのためのグランプリになることは見えていましたが、結果的にそのとおりのワンサイドゲームになりました。

予選はハミルトンがこのサーキットとの相性の良さを見せつけて PP。2 番手にロズベルグがつけます。が、決勝のスタートでハミルトンが久々に失敗、ロズベルグに首位を奪われたばかりか、その間にフェラーリやウィリアムズが割り込んできてしまいます。前を走るウィリアムズのボッタスを料理するのに数周を要する間にロズベルグは大きなギャップを構築。他チームとは明らかにペースの異なるメルセデスのマシンとタイヤ戦略の違いもあって、ハミルトンは難なくフェラーリを交わして 2 番手に戻ったものの、最後までロズベルグとのギャップを詰め切れず。レース自体もオーバーテイクの少ない単調な展開のまま、1 位ロズベルグ・2 位ハミルトンでフィニッシュ。これでチャンピオンシップは 2pt 差、みたび振り出しに戻ったと言えます。
振り出しに戻るといえば、ハミルトンは前戦ベルギーで 55 グリッド分という莫大なペナルティ(ただし 1 戦のみでペナルティは消滅)を受けてフレッシュエンジン 3 基を手に入れ、残りレースを戦うためのパワーユニット数という点ではロズベルグとほぼ同条件。スタートのシステムに不安があるという点でも両者に差はないので、残り 7 戦という時点でほぼ完全にイコールコンディションでのチャンピオン争いとなります。残るレースもドライバーの実力が試されるサーキット揃いで、本当に強いドライバーはどちらか、直接対決を制したほうがチャンピオンを獲得することになります。ロズベルグが今度こそハミルトンというライバルを精神的に克服できるのか、改めてハミルトンが強さを見せつけるのか。

いっぽう、ベルギーで印象的な速さを見せたマクラーレン・ホンダですが、これだけパワーユニットへの依存度が高いサーキットではそこまでの力は示せませんでした。予選は 12・14 位、決勝はバトンとアロンソの順番が入れ替わったものの同じく 12・14 位。今のホンダ製 PU はデプロイメント(エネルギー回生)の効率はかなり向上しているため複合サーキットであればそれなりに実力を発揮できますが、こういうストレートスピードが物を言うサーキットではターボ性能でライバルに敵わない弱点が露呈しますね。
しかし決勝では終盤、アロンソが目先の順位を捨てて狙いに行った一発アタックで決勝レース中のファステストラップを記録!絞り出せばそれだけのポテンシャルがある PU であることを証明してみせました。アロンソは以前からこうやって単に完走するだけではないレースの戦い方を模索してきていましたが、これは終盤戦に向けてチームとファンを鼓舞するパフォーマンスだったと思います。少なくとも今のマシンであれば次のシンガポールは期待ができるし、ベルギーの状況を考えれば鈴鹿やテキサスのようなサーキットでもいい戦いができるはず。

二週間後のシンガポール GP はセーフティカーが入る確率が高く、番狂わせもあり得るサーキット。何が起きるか、見てみたいと思います。

投稿者 B : 22:19 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/08/30 (Tue.)

F1 ベルギー GP 2016

ベルギーGP決勝 ロズベルグ優勝、ハミルトン3位

F1 も夏休みが明けていよいよ後半戦。いきなりハイレベルなテクニカルサーキットであるベルギーからの再開となりました。

夏休み前についにチャンピオン争いでトップに立ったハミルトンですが、今回のレースでは今季 6 基目のパワーユニットを投入して、いきなりの 10 グリッドダウンペナルティが予選前から確定。予選も早々に Q1 からマイレージを温存する戦略で、ほぼ最後尾スタートが確定します。対するロズベルグは、レッドブルやフェラーリの猛攻に圧されながらも PP 獲得。しかしレッドブルもフェラーリもマシンの仕上がりは良く、決勝は激しい争いが予想されます。

が、スタート直後から波乱がありました。スタートに失敗した 2 番手のフェルスタッペンと、ロズベルグを追いかけたいフェラーリの二台が 1 コーナーでスリーワイドの競り合いの末に接触。あの狭いコーナーを二台で回ったら(しかも両端の二台は真ん中のライコネンの向こう側はほぼ見えていない)そりゃ行き場もなくなるよねという感じでしたが、これでこの三台は早々にトップ争いから脱落。三台はその後も因縁があるかのようにレース中ずっと競り合っている状況でしたが、みんな頭に血が上っているようで、それはそれで面白かった(笑
これで楽になったのはロズベルグ。ハミルトンもさすがに優勝争いに絡んで来れない状況では、難なくチェッカーまでクルマを運ぶだけの仕事でした。ロズベルグにとってはこういうときにちゃんとポイントを稼ぐことが大事。でも、直接対決でハミルトンを下さない限り、チャンピオンの資格は満たさないとも思いますが。

21 番グリッドからのスタートとなったハミルトンですが、こういうレースで運が回ってくるのがチャンピオンのチャンピオンたる所以なんですよね。スタートでガッツリ順位を上げつつ、6 周目のマグヌッセンの事故に伴うセーフティカー導入時にステイアウトした結果、赤旗中断となったために 5 位でタイヤ交換を済ませてリスタートできる状況に。その後も攻め続け、途中不可解なピットストップ(残り 22 周、ミディアムタイヤで走り切れそうなところを一回ソフトを挟んでミディアムに交換)はあったものの、なんと 21 番手から 3 位表彰台を獲得。ロズベルグとのポイント差は 10 点詰まって「9」となったものの、PU 交換のペナルティとしては最小限のダメージで食い止めた、と言って良いと思います。

フェルスタッペンとフェラーリ二台のバトルは面白かったけど、こういうレースでしっかり 2 位に食い込めるリカルドの実力も大したもの。今季はフェルスタッペンのインパクトにやや陰が薄れがちですが、持ち前の勝負強さに安定感が伴ってきて、このリカルドとフェルスタッペンというレッドブルのコンビは今の F1 で一番面白いですね。
そして見逃せないのは 4-5 位に入ったフォースインディア。終盤のハミルトンの追い上げにはさすがに敵わなかったものの、現時点で三強の次は間違いなくこのチームでしょう。気がつけば確実にポイント圏内を走り、ほぼ開発の止まったウィリアムズやトロロッソよりも明らかに競争力があると言えます。コンストラクターズポイントでもついに 4 位に浮上し、チーム設立以来最高のシーズンを形にしつつあります。

マクラーレン・ホンダは、望みうる最高の形ではなかったものの、トークンを使用したパワーユニットの大幅アップデートを実施。アロンソは Q1 でトラブルのためタイム計測さえできずに終わってしまいましたが、この高速サーキットでバトンが 9 番グリッドを獲得する大健闘。
決勝では、逆にバトンがオープニングラップでウェーレインに追突されてリタイアという残念な結果でしたが、今度はアロンソが最後尾スタートから 7 位フィニッシュ。一時は 4 番手を走行し、前を走る誰かにマシントラブルが発生したら表彰台か!?とさえ期待させてくれました。結局ハミルトンとフォースインディアのペースにはついて行けず順位を落としましたが、去年までは優勝を争っていたウィリアムズの二台を抑え込んだのは実力とみて良さそうです。これで予選のアロンソと決勝のバトンそれぞれのアクシデントがなければもっと上を狙えていたと思うと、今季の残りのレースには期待せざるを得ません。

とはいえ次は F1 で最もトップスピード依存度の高いイタリア GP なので過度な期待はできませんが(笑)、もしこのモンツァで今回のような結果が出せればいよいよこの速さは本物、ということになります。ちょっと期待せずにはいられません。

投稿者 B : 22:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/08/02 (Tue.)

F1 ドイツ GP 2016

ドイツGP決勝 ハミルトンが優勝、レッドブル2台が続く

夏休み前最後のレースとなったドイツ GP。昨年は開催されなかったため、二年ぶりにドイツの地で F1 が走ることになりました。

今回の焦点はハミルトンがここ数戦の勢いを継続させるのか、それともロズベルグがホームレースの利を活かして逆襲に待ったをかけるのか、でしたが、今回も完全にハミルトンのレースでした。まるでハンガリーのリプレイを見ているかのように、PP のロズベルグがスタートに失敗してハミルトンが先行逃げ切りという、チャンピオン争い的には盛り上がりに欠ける内容でした。

前半戦ではマシントラブルやスタート時のクラッチミート失敗が多く、流れを掴めずにいたハミルトンですが、ここに来てマシンの信頼性も高まり、スタートのシステム調整と本人の感覚がうまくリンクするようになったようで、昨年のような手のつけられない速さを再び発揮するようになりました。パワーユニットはレギュレーションで定められた年間 5 基を使い切ってしまっており、次の PU 投入時にはペナルティが科せられることになりますが、今回のレースではあえてパワーユニットを労って後続との差をキープしても余裕で勝てる、という面さえ見せつけられた感があります。今のハミルトンにはむしろ、この PU の状況さえちょうど良いハンディキャップになっているのかも。
ロズベルグはスタートに失敗しただけでなく、その後レッドブルの二台を抜きあぐねた結果、コーナリングの飛び込みでフェルスタッペンを押し出してしまい、5 秒のピットストップペナルティを科せられます。運の悪いことに、そのペナルティ実行時にストップウォッチが作動せず、10 秒近いストップになってしまった結果、レッドブルの後塵を拝す 4 位フィニッシュ。あそこで焦らずに落ち着いて対処していれば 2 位フィニッシュでダメージを最小限に抑えられた可能性が高かっただけに残念です。もはや完全に去年までのロズベルグに戻ってしまった印象ですが、よく考えればロズベルグ自身は何も変わっておらず、ハミルトンが本来の強さを取り戻しただけのようにも思えてきます。

ロズベルグの失策があったとはいえ、2-3 位を占めたレッドブルは賞賛されるべきでしょう。ハンガリーでもリカルド vs ヴェッテル、フェルスタッペン vs ライコネンのレッドブル vs フェラーリ対決をともに制しましたが、今回も二台揃ってフェラーリに先行し、ついにコンストラクターズランキングでフェラーリを逆転しました。正直、出力でフェラーリに劣るルノー製 PU を搭載してここまで健闘するとは開幕前には思ってもいませんでした。が、ルノー製 PU の性能向上もさることながら、シャシーを含めたマシン全体のパッケージングが優れていることと、若い二人のドライバーが切磋琢磨していることの効果が大きいのだと思います。片や、来季にフォーカスを移したかのように見えるフェラーリ。来年どうなるかは分かりませんが、少なくとも今年のレースを面白くしてくれているのはレッドブルだと思います。

ハンガリー GP で初のダブル Q3 進出を果たしたマクラーレン・ホンダ。とはいえハンガリーはマシン性能よりもドライバーの力が物を言うサーキットであり、これが今のチームの実力だとは思っていません。実際、全開率の高いここホッケンハイムでは、12-13 番グリッドを確保するのがやっとであり、これが順当な「一発の速さ」でみたマシン性能といったところでしょう。が、レースペースは決して悪くなく、終盤まで二台で 9-10 位をキープしたまま走り続けていました。先にタイヤがタレてきたアロンソが残り 3 周で残念ながらペレスに交わされ入賞圏外へと落ちてしまいましたが、バトンは逆に残り 2 周でボッタスをパスして 8 位にポジションアップし、チェッカーを受けました。従来ならホンダが苦手としてきたパワーサーキットで、終盤にウィリアムズをオーバーテイクできたのは、実力がついてきた証拠と言えます。
ホンダのパワーユニットは予選モードで走らせるとトップ 10 にはまだ一歩届かないパフォーマンスしかありませんが、レースペースと信頼性に関しては一定のレベルに達したと言えます。そして、昨年から今年序盤までなかなか上がってこなかったシャシー性能も、ここに来てようやく上向き、PU の性能向上と咬み合ってきました。マクラーレンは昔からシーズン中盤以降の開発力には定評があり、かつ他チームが来年を見据えて開発の手を止め始めたタイミングもあって、総合的なパフォーマンスではウィリアムズ、フォースインディアあたりと互角以上の戦いができるようになってきましたね。ウィリアムズもフォースインディアもマシン開発はもう止まってきているように見えますし、脅威だったトロロッソもフェルスタッペンをレッドブルに引き抜かれてからはあまり冴えていません。コンストラクターズポイントでは 6 位のトロロッソに 3pt 差と、完全に背中が見えた状態。夏休み明けのベルギー GP では内燃機関を刷新した PU の投入が確実視されていますし、ここからどれだけパフォーマンスを伸ばせるか。ウィリアムズやフォースインディアとの差はまだ大きいですが、最終的に「三強の次」のポジションを三つ巴で争える位置まで上がってきてほしいところです。

次は今月末のベルギーまで、F1 は少し短い夏休み。この間にマクラーレン・ホンダがどこまで開発を進められるか、期待して見守りたいと思います。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック