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2017/09/15 (Fri.)

F1「マクラーレン・ルノー」「トロロッソ・ホンダ」誕生へ

ホンダとマクラーレン、F1におけるパートナーシップを2017年シーズンで解消 - Car Watch
ホンダ、2018年シーズンからF1「トロ・ロッソ」へパワーユニット供給 - Car Watch

今シーズンに入ってからずっと燻っていた「マクラーレンとホンダの離婚問題」がついに決着。かねてからの噂通り、トロロッソと PU 供給契約をスワップすることで、来季は「マクラーレン・ルノー」「トロロッソ・ホンダ」という体制で戦うことになりました。

まあ今季マクラーレン側が公然とホンダ批判を繰り返してきた状況からすると、ファンとしても「もうこんなチームと一緒にやってられっか」という心境だったので、これでスッキリしました。アロンソにしてもそうで、ドライバーとしての力量は F1 史上でもトップクラスだとは思うし、アロンソ自身が日本のファンであることを嬉しくも思うけど、フェラーリ在籍時代のアロンソに対してティフォシたちはこういう気持ちでいたんだろうなあ...というのがよく分かりました。ホンダ自体が不甲斐ないのがそもそもの原因とはいえ、レースってチーム戦ですからね。

マクラーレンはもはやどうでもいいとして(ぉ、来季はトロロッソ・ホンダ。トップチームとは言えないチームとワークス契約になるのは複雑な心境ですが、メルセデスカスタマーのスイッチは考えられないし、ザウバーからも切られた今となっては事実上唯一の選択肢でした。ルノーとの信頼関係が壊れているレッドブルにしてみれば、セカンドチームのトロロッソでホンダの開発力を値踏みしつつ、早ければ 2019 年にもレッドブル本体でもホンダを採用しようというシナリオを想定しているはず。メルセデス・フェラーリ・ルノーがそれぞれ自前チームを持っている以上、ワークス PU で勝てる体制を築こうと思ったら今はホンダしか選択肢がありませんからね。ホンダには是非とも来季はトロロッソと共に入賞の常連ポジションを確立して、2019 年の飛躍に繋げてほしいところ。
ただ心配なのは、三年やっても成果が出なかった現在の開発体制を続けていて本当に前進が望めるのか。栃木(HRD Sakura)で開発・製造してイギリスの拠点で組み立てという体制だけど、レースするためにロードカーを売ってるフェラーリだけでなく、メルセデスもルノーも「レースのプロ」たちが開発をしているわけで。ホンダももっと現場に近いところで開発からすべきなんじゃないかとか(まあ、今や F1 もシーズンの半分はヨーロッパ以外ですが)、異動のあるサラリーマンエンジニアではなくレース部門専任で開発させるべきなんじゃないかとか、いろいろ思います。

あと気になるのはドライバーですね。現在のトロロッソのドライバーのうち、カルロス・サインツ Jr. はルノー製 PU 契約解消のカタとしてルノー F1 への移籍が確実視されていますし、ダニール・クビアトも今季の成績を見ると首あとレッドブルから見限られてもおかしくありません。ホンダ的には今季 F2 に参戦している松下信治を昇格させたいところでしょうが微妙な状況(F2 でシーズン総合成績 3 位以上が必要)。少なくとも一人はレッドブルの育成ドライバーであり昨年の GP2 チャンピオン、ピエール・ガスリーが当確とみられます。奇しくもガスリーは今季、日本のスーパーフォーミュラにレッドブルカラーのチーム無限ホンダから参戦していて、そこからトロロッソ・ホンダへというのは運命的でもあります。レッドブルの育成ドライバーはヴェッテル、リカルド、フェルスタッペン、サインツという異様な当たり率を誇っていて、ガスリーにも機体は高まります。
タイミングが絶妙なことに昨日佐藤琢磨がインディのアンドレッティチームから離脱することが発表されており、そういえば琢磨がインディ転向前に最後にテストを受けたのはトロロッソだったし、これはトロロッソ・ホンダからの F1 復帰ワンチャンあるか?と思ったけど、さすがに 40 歳を超えてからの F1 復帰はないか(´д`)。

まあ、とにかく今季のホンダのことは早く忘れてしまいたいです。マクラーレンでの残り 7 戦(もあるのか...)は来季に向けた開発と割り切って、伸び伸びとやってほしいですね。

投稿者 B : 21:18 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/09/05 (Tue.)

F1 イタリア GP 2017

F1イタリアGP決勝:フェラーリの地元でハミルトンが圧勝、ホンダPUは再びパワーを失う

前戦ベルギー GP では、メルセデスが圧勝するのではないかという予想を覆してフェラーリ(ヴェッテル)が健闘しました。それを受けて、ホームレースで勝てば今シーズンはまだまだ分からないし、負ければこのままメルセデスに勢いづかせてしまうだろう...と見ていました。

予選は降雨による二時間半の中断を含む荒れたセッション。Q3 では終盤にコンディションが回復し、誰が PP を獲ってもおかしくない状況下でハミルトンが圧倒的な速さを見せ、大逆転で PP 獲得。ミハエル・シューマッハーを抜いて F1 史上最多 PP となる大記録を樹立しました。続いたのはレッドブルの二台でしたが共にペナルティで降格、決勝のスタートはなんと 2 番手にストロール(ウィリアムズ)、3 番手にオコン(フォースインディア)という驚きのグリッドに。フェラーリの二台は 5・6 番手スタートに沈みました。
それにしても今回は予選順位確定後にパワーユニットやギヤボックス交換ペナルティで 20 人中 9 人がグリッド降格対象となり、予選結果とは全く異なる順位でスタートが切られるという前代未聞のレースでした。コスト削減を目的とした PU やギヤボックスの年間台数規制は理解できなくはないのですが、ドライバーと直接関係ないところでグリッドが操作され、見ている側にとってあまりにも分かりづらい現行レギュレーションはやはりひどい。現在はホンダが特にその影響を受けることが多いせいもありますが、こういうのが続くと F1 そのものが分かりづらくて面白くないという感覚になっていってしまうので、早急に何とかしてほしい。

決勝はハミルトンが好スタートを決め、直後にボッタスが 2 番手をキープしたことで盤石の態勢となりました。ヴェッテルは何とか 3 位には食い込んだもののボッタスにさえ 30 秒以上の大差をつけられてのフィニッシュで、全く歯が立たず。終盤は 4 位リカルドのほうが速く、レースがあと 3 周もあればポジションを守れなかったことでしょう。
結果的にハンガリーとベルギーではセットアップの成功もあってフェラーリがメルセデスといい戦いができたものの、やはり力関係で言えば今はメルセデスの方が明らかに速く、シーズン後半戦は有利な状況で戦っていけるということが改めて明らかになったレースでした。ドライバーズチャンピオンシップもついにハミルトンがヴェッテルを逆転し、残りのサーキットを考慮してもこのままメルセデスが連勝しそうな雰囲気もあります。フェラーリはどこまで反撃できるのか。

今回良かったのは、メルセデスを除けば 2・3 番手グリッドを獲得したストロールとオコンでしょう。結果的にそれぞれ 7 位・6 位でチェッカーを受け、予選順位からすると残念な結果ではありましたが、三強の次に今季デビューのルーキーがつけた事実は、F1 の今後を考えても明るいニュースです。ストロールはアゼルバイジャンでも表彰台を獲得しているし、オコンもアゼルバイジャンではチームメイト同士の接触がなければそこに近い位置につけられていたわけで。二人とも今回の結果でさらに自信を深めたでしょうし、今後が楽しみなドライバーたちです。
まあ、オコンはともかく、ストロールは開幕までは完全にお金でシートを買ったただのお坊ちゃんだと思ってたよ...本当に申し訳ない(ぉ

マクラーレン・ホンダに関しては、そろそろ語る言葉もありません。予選はバンドーンが奮闘して Q3 進出を果たしたものの、二人揃って PU 交換によるグリッド降格ペナルティでほぼ最後尾スタート。レース中は入賞争いに絡むポジションにつけながら、結局二人とも終盤にリタイア(アロンソのはトラブルではなく意図的に「やめた」可能性が高いですが)。スペック 4 の PU 投入も果たせず、良いところ無しのレースでした。
まあ最近のマクラーレン・ホンダはレース内容よりも「来季のパワーユニット供給契約がどうなるのか」のほうに注目が移っている状況。早ければ今週にも、トロロッソ・ルノーとの PU 契約スワップが決定するのでは...というのが大方の噂ですが、どうなるんでしょうね。ハッキリ言ってホンダは技術的にも政治的にも不甲斐ないけれど、公然とパートナーを批判(むしろ、罵詈雑言)するチームやドライバーと一緒に仕事をする必要もないのでは。FIA の後ろ盾を得て復帰する算段がつくのであれば、来季は一度欠場して再来年に別チームと契約して戻ってくる、でもいいように思います。

投稿者 B : 21:47 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/08/29 (Tue.)

F1 ベルギー GP 2017

F1ベルギーGP決勝:終盤ベッテルの猛追をしのぎハミルトンが優勝、アロンソはリタイア

夏休み明けの F1 グランプリ。前半戦は 6 月以降は完全にメルセデス優勢で、ハンガリーでフェラーリの逆襲があったものの、サーキットとの相性からいって後半戦もメルセデス有利のまま進むのではないか、と予想していました。ここスパでは結果だけ見ればハミルトンが勝ったものの、終盤までどちらが勝つか分からないデッドヒートが繰り広げられ、今シーズンはまだまだ分からないぞ、というのを実感するレースになりました。

フェラーリは今回フリー走行から好調で、夏休み中のアップデートがうまくハマった模様。それでも予選は「最後にコンマ 5 秒を絞り出す」ハミルトンのアタックが見事に決まって PP。メルセデス 1-2 かと思われたところにヴェッテルが割り込んだのは見事でしたが、そこまで。
決勝もハミルトンがスタートを成功させてトップを快走しますが、そこにヴェッテルが喰らいついていけていたのが印象的でした。一方ボッタスもライコネンも優勝争いに絡むこともサポートさえもできず、完全に二人のタイマン勝負。セーフティカー明けにヴェッテルがハミルトンの背後にピッタリ付けた瞬間がハイライトで、ソフトタイヤのハミルトンに対してウルトラソフトのヴェッテルが襲いかかるか...というところまでは良かったのですが、残念ながらレースはそこまで。オーバーテイクが難しいスパのオールドコースでは、やはり前を走る者が圧倒的に有利でした。

これで二人のポイント差は 7。次戦モンツァでもう一度同じリザルトだったとすると同点になる計算です。正直、フェラーリの速さが後半戦まで残っているとは思わなかっただけに、これは嬉しい誤算。今季はまだまだ楽しめそうです。

そして今季激しくやり合っているフォースインディアの二台。アゼルバイジャンでの同士討ちに続いて、今回もスタート直後に一度接触、さらに 29 周目にはオーバーテイクを仕掛けたオコンにペレスが幅寄せした結果接触、ペレスは右リヤタイヤを切られて最終的にリタイア、オコンもフロントウィングを失ってポジションを落とす(最終的に 9 位フィニッシュ)というリザルトに。二度目の潰し合いでまた大量のポイントを失ったとなればチームも黙っておらず、今後はチームオーダーを出す可能性を否定していません。まあ、そうなるよな...と思う一方で、それでも三度目がない保証はなく、今シーズン末でどちらかのドライバーが放出されるのでは(それはおそらくメルセデスのバックアップを受けていないペレスである可能性が高い)とみています。ペレス、ここ 2~3 年は安定感のあるドライバーに成長していただけに残念。でもまあ、それを脅かすくらいにオコンの速さと安定感が光っている、ということでもありますが。

マクラーレン・ホンダはこの夏休み明けに新しい PU を仕込んできました。アロンソがスペック 3.5、バンドーンが 3.6 というバージョン。でも本来狙っていたスペック 4 が間に合わなかった結果でもあり、微妙なところ。
予選でこそアロンソが惜しくも Q3 進出を逃す 11 番グリッドを獲得、スタートにも成功して一時は入賞圏内を走るものの、みるみるうちに抜かれてポイント圏外に脱落。そこでアロンソのモチベーションが削がれたのか、PU トラブルを理由にリタイアしてしまいました。パワーサーキットであるスパでは最初から厳しい戦いになることは分かっていましたが、ここまで太刀打ちできないとなるとやはり残念だし、アロンソのモチベーションがここまで落ちているというのもあまりに寂しい話。シーズン終盤までにはそこそこ戦えるパフォーマンスになってほしいと願っていますが、今の状況だとあまり期待できなさそうですかね...。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/07/31 (Mon.)

F1 ハンガリー GP 2017

F1ハンガリーGP決勝:ベッテルが今季4勝目、マクラーレン・ホンダはダブル入賞

2017 F1 前半戦のラスト、ハンガリー GP。ここをどう折り返せるかが後半戦を占う上で重要なレースになるだけに、各チームの戦い方が注目されるレースでした。

それまでの予想とは裏腹に、予選から優位に立ったのはフェラーリ。メルセデスとは僅差の戦いながらもフロントロウを独占し、ここのところ危うかったスタートも無事決めることに成功しました。ターン 1 でライコネンがヴェッテルに並びかけた結果メルセデスが割り込むスペースを塞いだ格好にはなりましたが、フェラーリ的には結果オーライ。一方メルセデスはハミルトンがスタートで順位を落とし、序盤はフェラーリの二台が逃げを打ちます。
しかしピットストップ以降は全体的にメルセデス有利。タイヤ交換後にヴェッテルはサスペンションかタイヤの問題でコーナリング時に縁石が使えず、2 位ライコネンよりも遅いペースでしか周回できなくなってしまいます。逆にメルセデスはタイヤ交換後のペースで勝り、特に速さのあったハミルトンがチームオーダーによりポジションを譲られて約 15 周にわたりフェラーリに攻撃を仕掛けます。対するフェラーリはチームオーダーを出さず、ライコネンに防御役を任せる戦略。ライコネンとしてはたまったものではなかったでしょうが、そこはトラックポジションが物を言うハンガロリンクだけあって、ちょっとくらいペースが良くても簡単には抜けない。結局ヴェッテル-ライコネンのフェラーリ 1-2 でレースは幕を閉じました。メルセデスは「抜けなかったらポジションを返す」という約束通り最終コーナーでボッタスにポジションを戻し(直後にフェルスタッペンが迫ってきている危ない状況ではあった)、ボッタス-ハミルトンの順でフィニッシュ。

カナダ GP 以降ここまでのレースは完全にメルセデスに分があり、このままの勢いで後半戦はワンサイドゲームになるのではないかとも想像していましたが、今回ばかりは嬉しい誤算でした。路面温度の高さがフェラーリに味方した可能性もありますが、果たして今回のフェラーリの強さが単発なのか、それとも体質改善によるものなのか。それによって後半戦の状況は変わってくることでしょう。
またフェラーリがあくまでヴェッテル優先の戦略なのに対して、メルセデスとハミルトンがボッタスを尊重しているという違いも興味深い。メルセデスやハミルトンとしてはロズベルグの二の舞は避けたいでしょうし、ボッタスとの関係を保つことで今後もアシストを期待できるということでしょうが、このハンガリーでヴェッテルが手にしたのは 18pt ではなく 25pt、対するハミルトンは 15pt ではなく 12pt。これが最後に効いてくるのをよく知っているフェラーリだからこそヴェッテルの勝ちにこだわったに違いありません。チームの総合力としては依然としてハミルトン有利、しかしヴェッテルが 14pt 差で首位に立って夏休みに入ったこの状況。メルセデスが勝ってサマーブレイク、だったらきっと後半戦はつまらなかっただけに、これは改めて面白くなってきました。

今回残念だったのはレッドブルですよ。チームメイト同士の接触で 1 周目にリカルドがリタイア、それに対する 10 秒ストップペナルティを受けたフェルスタッペンも 5 位フィニッシュがやっと。あれがなければフェルスタッペンは 4 位だった可能性もあるだけに、二人が失ったポイントは非常に大きいものがあります。まああの接触は故意ではなくフェルスタッペンのミスによるものですが、今季のフェルスタッペンはスタート直後に他車と絡むアクシデントが多すぎます。アグレッシブさは素晴らしいと思うし、近い将来のチャンピオン候補であることも間違いないのですが、真のチャンピオンとなるためにはそのあたりの巧さを身につける必要があります。

そしてマクラーレン・ホンダ。今季初ダブル入賞おめでとう!!しかもアロンソは三強に次ぐ 6 位、これは誇って良い結果だと思います。バンドーンも 7~8 位は狙えていたのにピットイン時の自身のブレーキミスで 10 位というのはちょっと残念ですが、それでも今季初入賞。これでコンストラクターズランキングはようやくザウバーを抜いて 9 位に浮上。本来はこんなポジションで喜んでいいものではありませんが、来季のホンダ PU 供給の話を反故にしたザウバーを見返すことができました。
まあハンガリーはエンジン依存度の低いサーキットだけに最初から狙えていた結果ではありますし、後半戦の高速サーキット連戦ではまたどうなるか分かりませんが、少なくともポジティブな感触を持って夏休みには入れることをまずは喜びたいと思います。

次は 4 週間空いてベルギー・スパ。これまたパワーユニット性能が試されるサーキットですが、マクラーレン・ホンダはここからどれだけ伸ばしていくことができるか。厳しいことには違いありませんが、今回のようなレースがまた見られることに期待しています。

投稿者 B : 21:33 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/07/29 (Sat.)

ザウバー F1 へのホンダ製 PU 供給が白紙撤回

ホンダ、ザウバーF1との技術提携契約を白紙撤回。「双方の目指す方向性に相違が生じた」

4 月に発表されていたホンダの来季からのザウバー F1 へのパワーユニット供給が白紙撤回になってしまいました。ザウバーは昨年チーム株主となったロングボウ・ファイナンスが先月チーム代表のモニシャ・カルテンボーンを更迭して以来きな臭い雰囲気になっていましたが、株主の意向としては戦闘力の上がってこないホンダ製 PU よりも他社製(仮にそれが一年落ちのフェラーリだったとしても)のほうがマシという判断なのでしょう。カルテンボーンとしてはホンダの 2 チーム目の供給先となって育成ドライバーも受け入れることで金銭的なメリットを受けたかったのでしょうが、それは却下されたということになります。

F1 速報などの国内誌では「ザウバーの技術陣がホンダのファクトリーを視察に来ている状況を考えると、これから契約が覆されることは考えにくい」という論調で報じられていましたが、過去にも琢磨や可夢偉のシート喪失時、あるいはスーパーアグリの撤退時等にも同様に日本側関係者の証言などの限られた状況証拠に基づく楽観論中心で海外報道とのギャップが大きかったので、そういう報じられ方をしている今回もヤバそうだなあ...と個人的には思っていました。なのでやっぱりこうなっちゃったか、という思いの方が強いわけですが、いずれにしても残念です。

結果的にホンダは来年もマクラーレンへの 1 チーム供給体制が続くことになります。が、当のマクラーレンもメルセデスへのスイッチを画策していることは公然の秘密となっており、予断は許さぬ状況。国内誌ではこれも「ホンダがマクラーレンの活動資金の大半を提供していることや、歴史上カスタマーエンジンでチャンピオンを獲得したチームはほぼないため、マクラーレンの離脱はあり得ない」としていますが、そういう論調自体がヤバい証拠。最終的に供給先チームがなくなることで撤退に追い込まれるケースも十分あり得ると思っています。
第二期ホンダ F1 でも FIA 等のヨーロッパ至上主義者からは敬意のない扱いを受けていたホンダですが、現在の状況はそのとき以上に厳しいと言わざるを得ません。所詮この世界は結果が全て、レースでアピールしていくしかありません。遅くとも秋口までにはフォースインディアやウィリアムズとマトモに戦える状態になっている必要があると思います。状況は苦しいですが、なんとかがんばってほしい。

投稿者 B : 12:02 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/07/18 (Tue.)

F1 イギリス GP 2017

F1イギリスGP決勝:母国GPでハミルトンが圧巻の4連覇。フェラーリ2台はパンクに泣く

チャンピオン候補が二人揃って二連敗した状況で迎えた伝統のイギリス GP。ハミルトンの母国であり、メルセデスチームのホーム(チーム国籍はドイツだけど元々がワークス・ホンダのファクトリーだったブラックレーを本拠地としているため)でもあるシルバーストンでもあるという、メルセデスにとって地の利のあるグランプリ。だからというわけではありませんが、メルセデス勢に大きく風が吹いたレースでした。

予選はハミルトンの圧勝。で、決勝もそのまま好スタートを決め、最後までポジションを脅かされることなくゴール。付け入る隙のない週末で、まさにハミルトンのための母国レースだったと言っても過言ではありません。
チームメイトのボッタスは予選 4 番手のところギヤボックス交換ペナルティが課せられて 9 番グリッドからのスタート。しかし決勝では序盤のうちに 5 位までポジションを上げてフェラーリを追撃。結果的にボッタスの追い上げがフェラーリ二台のタイヤにダメージを与え、終盤の波乱を呼び込んだと言えます。9 番手からの 2 位フィニッシュはマシンの戦闘力を差し引いてもボッタスの功績と言え、見事にハミルトンをアシストできたことになります。対するフェラーリのライコネンがあまりチームに貢献できていないことを考えると、ドライバーズ・コンストラクターズともに今季のチャンピオンシップの鍵を握っているのはこのボッタスかもしれません。

対するフェラーリは散々でしたね。ヴェッテルはスタートに失敗し、ハミルトンと争うどころか序盤はフェルスタッペンに抑え込まれてしまい、最後までハミルトンに迫る機会は与えられませんでした。終盤にはボッタスの猛攻に圧されてタイヤを傷めて抜かれた挙げ句、残り 2 周で左フロントタイヤがバースト。ライコネンも残り 4 周で左前輪のラバーが剥がれて緊急ピットイン、最終的にライコネン 3 位・ヴェッテル 7 位でのゴールがやっとでした。

シーズン序盤はタイヤの使いこなしに苦しんだメルセデスでしたが、当時予想したとおりカナダ GP を契機にパフォーマンスが安定してきた印象があります。一方でフェラーリはここにきて完全にパフォーマンスが伸び悩み、メルセデスとまともに勝負ができていません。そこにきてチャンピオンシップはヴェッテルとハミルトンが 1 点差で振り出しに戻り、コンストラクターズは 55pt 差という大差でメルセデス。次戦ハンガリーでも状況は大きく変わらないでしょうし、夏休み中にフェラーリが体勢を立て直せるか否かで後半戦の勢力図が大きく変わるに違いありません。今のままだと、チャンピオン争いはメルセデス勢の同門対決になる可能性だって十分にあると思います。

マクラーレン・ホンダはバンドーンが Q3 に進出して 9 番グリッドを獲得するなど、「スペック 3」パワーユニットの性能という点でもポジティブな部分はありました。アロンソが Q2 敗退し、さらに PU 交換で最後尾からのスタートとなったのは、イギリスを捨ててよりポイント獲得の高いハンガリー GP に賭けるための戦略的措置。しかし燃料系の問題(PU 本体ではない模様)でアロンソはリタイア、バンドーンも純粋なスピード不足で 11 位フィニッシュがやっとというのは何とも寂しい結果。シーズンの半分を終えてアロンソが獲得した 9 位 2 ポイントのみ、コンストラクターズ最下位という状況はさすがに受け入れがたいものです。次回ハンガリーでは何としてもポイントを持ち帰り、ザウバーを上回って夏休みを迎えてほしいところ。

それにしても今回のレースはチームメイトバトルが熱かったですね。特にトロロッソやザウバー、フォースインディアといった中団グループの争いが激しい。夏休みを前にしてストーブリーグを意識した戦いに移ってきたということなのでしょうが、チームメイト同士でさえ接触してしまうようなバトルは見応えがありますし(大事故に繋がるようなのは勘弁してほしいですが)、フェラーリ二台のタイヤトラブルにしても「これぞレース」という感じ。去年までは予想外のアクシデントが起きるレースが少なかっただけに、やはり久々に熱いバトルが観れるレースというのは燃え上がります。シーズン終盤までこの炎を消さないよう、各チームがんばっていただきたいです。

投稿者 B : 23:17 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/07/11 (Tue.)

F1 オーストリア GP 2017

F1オーストリアGP決勝:ボッタスがポール・トゥ・ウイン、アロンソは追突されリタイア

大波乱のアゼルバイジャンから、レッドブルのお膝元オーストリア GP。チャンピオンを争う二人がともに二戦続けて優勝を逃すレースで、選手権はやや先が見えなくなってきました。

フリー走行からハミルトンが好タイムを連発、予選もこのまま PP を獲得するのかと思ったら、Q3 の最終アタック中にグロジャンが黄旗を出したことでハミルトンとヴェッテルのタイムアタックが不発。結果的にその時点でトップタイムを出していたボッタスが今季二度目の PP となりました。またハミルトンはギヤボックス交換ペナルティで 5 グリッドダウン、8 番手からのスタート。これで決勝は事実上のボッタス vs. ヴェッテル対決に。
決勝はボッタスが見事なスタートを決め、そのまま首位をキープ。ジャンプスタート(フライング)の疑惑も出たものの、審議の結果シロ。終盤ペースを上げたヴェッテルがボッタスのポジションを脅かしたものの、ボッタスは最後まで首位を譲ることなくキャリア 2 勝目を挙げました。
レースを通じて安定感のある走りで勝つ、というのは初優勝したロシア GP と同様の展開で、これがボッタスの勝ちパターンなんでしょうね。リカルドやフェルスタッペンのような「キレのある若手」という印象はありませんが、この渋みのある安定感もいい。今季 9 戦中表彰台 6 回、うち優勝 2 回というのはロズベルグの代役として十分すぎる成績で、メルセデスとの契約延長がほぼ確定したというのも納得できる状況です。

ヴェッテルはボッタスには追いつけなかったもののハミルトンを上回る 2 位フィニッシュ、ハミルトンも 8 番手スタートから挽回しての 4 位フィニッシュで、ともにチャンピオンシップ上のダメージを最小限に抑えたレースだったと言えます。ただ、カナダ GP 以降のレースでメルセデスがタイヤの使い方を掴んできたのか二台揃って安定したリザルトを残しているのに対して、フェラーリのリザルトが安定せず、特にライコネンのポイントの取りこぼしが多いのが気になります。コンストラクターズ争いはもちろんのこと、ライコネンがヴェッテルの援護射撃をできていない状況では、ドライバーズチャンピオンシップでもメルセデス有利の状況に傾いていく可能性もあります。
まあメルセデスはメルセデスでハミルトンとボッタスのポイント差が 15 まで縮まり(勝利数も 3 対 2 で拮抗)、チームとしてハミルトンを優先する状況ではないことがヴェッテルとの戦いにどう影響するか、は興味深いところ。個人的にはこのままボッタスが終盤までチャンピオン争いに絡んできてくれた方が嬉しいし、面白いことは間違いありません。

マクラーレン・ホンダはここでようやく「スペック 3」のパワーユニットを実戦投入できたようです。それで予選 12・13 番手というのグリッドは悪くなく、アロンソの力をもってすれば入賞も難しくないはず...と思ったら、決勝ではスタート直後にクビアトに追突されてジ・エンド。バンドーンは入賞圏手前からなかなか順位を上げられないうちに青旗無視のドラブスルーペナルティを受けて 12 位フィニッシュがやっと。なかなか結果が出ないことにやきもきしますが、アゼルバイジャン~オーストリアという流れで見ると少しずつ基礎体力が上がってきているのかな?という感触はあります。今季中に表彰台争いまで上ってくることは無理でしょうが、せめてコンスタントにポイント獲得できるようになってくれ...と切に願います。

次は連戦でイギリス・シルバーストン。これまたパワーユニットに厳しい高速サーキットですが、マクラーレン・ホンダはどこまでがんばれるのか。あまり過大な期待はせずに見守りたいと思います。

投稿者 B : 21:08 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/06/26 (Mon.)

F1 アゼルバイジャン GP 2017

F1アゼルバイジャンGP:大荒れの決勝を制したリカルドが今季初優勝!アロンソは9位入賞

初開催から二年目にして「ヨーロッパ GP」から改称されたアゼルバイジャン GP は、大荒れのレースになりました。なんたってヴェッテルもハミルトンも表彰台にいないグランプリというのが今季初めて。それもレース中盤まで二人で優勝争いを繰り広げておきながら、しょうもないトラブルとペナルティで揃って優勝争いから脱落するという...でもこれこそがレース。優勝したリカルドは安定した走りと、最後のセーフティカーからのリスタート時に二台をごぼう抜きした見事なオーバーテイクがウィナーに相応しい。あのターン 1 でギリギリまで突っ込むブレーキング、久々にリカルドの真骨頂を見ました。

あまりにもアクシデントやペナルティが多いレースだったので個別のは割愛しますが、ハミルトンとヴェッテルのやり合いは目に余るものがありました。ハミルトンがセーフティカー明け直前に急激な減速をかけてヴェッテルの追突を誘発したのは故意ではなかったかもしれませんが、それに激怒したヴェッテルがハミルトンに並びかけ、タイヤ同士をぶつけるという抗議はいくらなんでも危険。4 回のチャンピオン経験者としてあるまじき行為で、10 秒のストップ&ゴーペナルティとペナルティポイント 3pt は妥当かやや甘い裁定だったのではないかと。まあ、それくらい熱くなるのもレーサーの気質だし、ヴェッテルらしいなとは思いますが。
一方のハミルトンは赤旗中断からのリスタート時にマシンのヘッドレストが固定できておらず、パーツ交換のために予定外のピットストップを強いられました。これもチャンピオンチームとしてはいかにもお粗末。結局両者ともに一時はポイント圏外までポジションを落とし、最終的にヴェッテル 4 位、ハミルトン 5 位まで戻すのがやっとというレースでした。ドライバーズランキングを争う二人が揃ってこんなレースというのは情けなくもありますが、おかげで面白いレースが見られたのも事実(笑。

もう一つ残念だったのはフォースインディア。セーフティカーからのリスタート時に、微かに隙のあったペレスのコーナリングに対して後続のオコンが強引に仕掛け、チームメイト同士で接触。オコンは 6 位でフィニッシュできたものの、ペレスはマシンにダメージが残り完走も果たせませんでした。あのオコンの無理なオーバーテイクは、間違いなく前戦カナダでのペレスのチームオーダー無視が禍根として残っており「抜けるときに強引にでも抜いておかないと」という心理に結びついたものではないでしょうか。フォースインディアは昨年に続いて三強の次につける速さを持っていて、しかも二人のドライバーの速さが拮抗しているだけに、今後も同様のトラブルは続く予感。チームがちゃんとコントロールできればいいんですが...。

気がつけば初表彰台を獲得していた、驚きの新人ランス・ストロール。完全にウィリアムズのペイドライバーだと思っててゴメン(ぉ。チェッカーフラッグ直前でボッタスに捕まり 2 位はなりませんでしたが、それでもデビューイヤーとしては史上最年少の表彰台記録を樹立(二年目以降も含めばレッドブルのフェルスタッペンが最年少表彰台記録保持者)。終盤はボッタスに追い立てられながらもペースを乱さず、ノーミスでマシンをゴールまで運ぶことができたし、母国カナダでの初入賞から続いての表彰台なわけで、案外いいドライバーなのでは?と見直しました。これは素直におめでとうと言いたいです。
また 2 位に食い込んだボッタスも、オープニングラップでライコネンと接触して一時は最後尾付近までポジションを落としておきながら、見事なリカバリーでした。幾度とないセーフティカーや赤旗中断に助けられた面はあるとはいっても、終盤に毎周 1 秒以上ストロールとの間隔を詰めていった走りはさすが。ライコネンとの接触がなければ優勝できていた可能性もありますが、個人的にはこの「最終コーナー明けからのオーバーテイクで 2 位」という走りを見ることができて満足です。

マクラーレン・ホンダは悲願の今季初表彰台。上位の脱落で一時はすわ表彰台か、という場面もありましたが、終盤で順当に抜かれて(泣)9 位フィニッシュ。それでもバンドーンが一年落ちの PU を搭載するザウバーを最後まで抜きあぐねてポイント圏外だったことを思えば、この 9 位はやっぱりアロンソの実力の賜物でしょう。特にパワーユニット性能が物を言うこのバクーで望外の入賞ができたというのはチームにとっては朗報じゃないでしょうか。なかなか本番投入できない「スペック 3」のパワーユニットの一日も早い完成を祈るばかりです。

いやー、燃費レースではなくコース上での競争が見られる F1 って面白いですね。特に今回は今季ここまでの中で最もエキサイティングなレースだったと思います。

投稿者 B : 22:13 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/06/14 (Wed.)

F1 カナダ GP 2017

F1カナダGP決勝:ポイント目前のアロンソがエンジンブロー、優勝はポールから独走のハミルトン

カナダ GP。ここはハミルトンがキャリア初優勝を含め過去 9 回中 5 勝しているという大得意のサーキットで、順当に行けばハミルトンが勝つ可能性が最も高いはず。しかしこのサーキットでのメインとなるウルトラソフトタイヤを今季メルセデスは使いこなせておらず、今季ここまで公道・半公道サーキットでフェラーリが勝っていることを考えても、どっちが勝ってもおかしくないレースと思えました。

が、予選からハミルトンが盤石の速さを見せつけ、PP からほぼ誰にも影さえ踏ませない独走で圧勝。やっぱりここはハミルトンのサーキットだったか、という感想。チームメイトのボッタスも 2 位に入り、メルセデスチームとしては意外にも今季初の 1-2 フィニッシュを果たしました。
フェラーリは予選でこそヴェッテルが 2 番手につけたものの、2 台揃ってスタートに失敗。ヴェッテルに至ってはスタート直後の混戦でフェルスタッペンにフロントウィングを踏まれ、緊急ピットインで一時は最後尾までポジションを落とすなど散々な出足でした。最終的には 4 位まで挽回し、チャンピオン争いにおけるダメージを最小限に留めたものの、ヴェッテルが表彰台から落ちたのは今季初。ここまでのシーズンの流れから見れば惨敗と言って良いでしょう。

前戦モナコで大きく開いたヴェッテルとハミルトンのドライバーズポイント差はこれで 12pt へと再び縮まり、また分からなくなってきました。ただ、メルセデスが今季最大の弱点であったウルトラソフトの使い方を今回でモノにした可能性もあり、そうだとすると今後のパワーバランスはまた変わってくるのかもしれません。

今回のレースを面白くした(と同時につまらなくもした)のはフォースインディアの 2 台。チーム内バトルを繰り広げながらダニエル・リカルドを追走し、展開次第では表彰台に食い込める好走を見せました。2 台のピンク色のマシンが並んでサーキットを駆ける様子は異様ですらありました(笑。が、タイヤ戦略の違いによりペースに勝るオコンを先行させようというチームオーダーにペレスが反逆、これによってオコンはリカルドに仕掛けるチャンスを奪われて最終的には 5-6 位でフィニッシュ。オコンはリカルドに仕掛けられさえしていれば 3 位フィニッシュしていた可能性もあったわけで、今回ばかりはペレスの横暴が目立った印象。というかモナコでも終盤に無茶なオーバーテイクがあったし、渋く安定感あるドライバーに成長したと思っていたペレスも、最近は速い若手の台頭にちょっと焦ってきたのか?という挙動が出てきましたね。

さて...マクラーレン・ホンダ。もはや期待するのも辛くなってきましたが(´д`)、今回はインディ 500 参戦を終えて復帰したアロンソが終盤までポイント圏内を走るなど、明るい兆しが見えました。が、ラスト 3 周でアロンソのマシンがエンジンブロー、万事休す...。ただでさえパワーのないマシンに不利なサーキットで苦戦が予想されてはいましたが、善戦した挙げ句に信頼性不足でポイントを失う、というのは本当に辛い。パワーユニットのアップデートも次戦アゼルバイジャンにも間に合うかどうかという状況のようですし、なかなか光明が見いだせませんね。
かといってマクラーレンのザック・ブラウン、エリック・ブーリエ、アロンソの三人がメディアに対して公然とホンダ批判を繰り返すのは、それはそれで見るに堪えない。確かに今季のホンダの不甲斐なさも大概だし、日本人と欧州人の態度の違いなのかもしれませんが、こういう態度はパートナーとして信頼が置けない、と思います。マクラーレンの運営資金の多くをホンダが負担している状況でいきなり契約解消ということもないのでしょうが、個人的にはもう来季はマクラーレンと離れてザウバー一本になっても別に悔いはないや、という気持ちになってきていたりします。

投稿者 B : 21:18 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/05/30 (Tue.)

F1 モナコ GP 2017

F1モナコGP決勝:ピット戦略で明暗、ベッテルが逆転し今季3勝目。マクラーレンは全滅

伝統のモナコ GP。同じく世界三大レースのひとつであるインディ 500 での佐藤琢磨優勝のニュースにかき消された感がありますが(笑)、こちらはミハエル・シューマッハー時代以来 16 年ぶりのフェラーリ 1-2 フィニッシュで幕を閉じました。

フリー走行からフェラーリ優勢だったのに加えて、Q2 ではラストアタック一発に賭けたハミルトンの計測ラップがまさかのバンドーンのクラッシュによる黄旗でフイに。Q3 ではボッタスが 2 位ヴェッテルに 2/1,000 秒差まで迫ったものの、フェラーリが久しぶりのライコネン PP を含むフロントロウ独占で決勝に臨みます。

決勝ではグリッド順的にハミルトン優勝の可能性は低く、スタートでボッタスに先行されさえしなければフェラーリ楽勝ムード。ライコネンは難なくホールショットを決め、このままゴールまで行くかと思われました。
しかし状況が変わったのが初回ピットインのタイミング。ライコネンはほぼ予定通りにタイヤ交換を済ませたのに対して、2 位のヴェッテルが 2 周多く引っ張り、その間にファステストラップを連発することでオーバーカット成功。ライコネンとしてはピットアウト後にバックマーカーに引っかかるタイミングでのタイヤ交換でもあったわけで、これは事実上のチームオーダーではないかと勘繰りたくなります。ライコネンは納得しないでしょうが、ヴェッテルとハミルトンのチャンピオン争いが今後熾烈を極めそうな中、フェラーリ的には勝てるときにできるだけポイント差を稼いでおきたかったのでしょうし...。

個人的には、このドライバーズサーキットで久々にライコネンの勝利が見たかったので非常に残念。まあ今年はマシンの仕上がりが良いのでまだ勝てるチャンスもあるでしょうし、大得意なサーキットであるスパでの発奮に期待です。

アロンソの代役としてバトンが出走したマクラーレン・ホンダは、予想通り予選から非常に好調で 9・10 番手を獲得。しかしバンドーンは Q2 でのクラッシュにより Q3 出走できず、さらにスペイン GP で受けたペナルティで 3 グリッド降格。バトンに関しては実力で 9 番手を獲っておきながら PU 換装ペナルティで最後尾という厳しいレースになりました。

バトンは結局 1 周目にタイヤ交換を済ませることでトラフィックを逃れる戦略を採りますが、目の前のウェーレインが全く同じ戦略を採ったために不発。そのうえ 60 周目には業を煮やしてウェーレインへのオーバーテイクを仕掛けたところ接触、そのまま両車リタイア。あの狭いポルティエでインを刺すこと自体がちょっと無茶だったとは思いますが、ウェーレインもミラーを見ている素振りが全くなかったなあ、と。
バンドーンのほうは前車を抜けないまでも堅実に 10 位を走行し、チームに今シーズン初ポイントを持ち帰るかと思ったら...バトンの事故からのセーフティカー明けに後続のペレスにオーバーテイクを仕掛けられ、コーナーでアウトに膨らんだところでマシンコントロールを失ってクラッシュ。ペレスはこの少し後にもクビアトに強引に仕掛けて撃墜しているし、今回の走りはちょっとひどいんじゃないかと。

結果だけ見れば失望しかないレースでしたが、前回のスペイン GP でのアロンソ Q3 進出と今回のダブル Q3 進出、ポイント獲得まであと一歩という内容を見ると、徐々にではあるけど進歩しているのかな、と前向きに考えることはできます。パワーユニットの大規模アップデートは次戦カナダには間に合わなさそうという話ですが、シャシー性能も合わせて今よりも少しでも改善することを期待したいですね...。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック