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2016/07/12 (Tue.)

F1 イギリス GP 2016

イギリスGP決勝 ハミルトンが母国グランプリを制す - GPUpdate.net
ロズベルグに10秒ペナルティ - GPUpdate.net

2016 年シーズンの折り返し地点、イギリス GP。モナコ GP 以降はハミルトンのためのシーズンと思えるようなレースが続いていますが、ホームグランプリであるシルバーストンでも彼の強さが際立っていました。

予選から他者を寄せ付けない速さで PP。ウェットコンディションでセーフティカー先導によるローリングスタートとなった決勝も、最後までほぼ影をも踏ませない圧倒的な強さを見せつけて完勝。得意なコースにマシンが完璧に合い、一人だけ違うカテゴリのレースを走っているかのようでした。
対照的だったのがロズベルグ。予選こそハミルトンの後ろにつけたものの、決勝では濡れた路面でハミルトンのペースについて行けず、中盤には一度フェルスタッペンにオーバーテイクされる場面さえありました。最後はギヤボックストラブルで 7 速を失い、なんとか 2 位をキープしてチェッカーフラッグを受けたものの、ギヤボックストラブル発生時のピットとの無線通信がレギュレーション違反(今シーズンより、ドライバーは運転について無線による援助を受けてはいけない)と判定され、タイムペナルティを科されて 3 位に転落。その結果、ドライバーズチャンピオンシップはついにロズベルグとハミルトンが 1 ポイント差にまで近づきました。

個人的には、現行レギュレーションの無線規定はちょっと厳しすぎるし、制限を課すならチームオーダーを禁止したほうが F1 のショーアップのためには面白いんじゃないのとさえ思いますが、ルールはルール。負け始めると冷静さを欠くのがロズベルグの弱いところですが、もはや精神的にはハミルトンのほうが上位にいるんじゃないですかね。

いっぽうで見事だったのはフェルスタッペン。今シーズンのメルセデスをまともにオーバーテイクしたのはフェルスタッペンが初めてじゃないですかね。スペイン GP での初優勝後、ハミルトン以外のドライバーの中で最も勢いを感じるのがフェルスタッペンです。速いし冷静だしブロックも巧い。若さゆえのミスも時折見られますが、今のフェルスタッペンをメルセデスに乗せたらハミルトンすら凌ぐんじゃないか、とさえ思います。最終的に 2 位が転がり込んできたのは、最後まで諦めずにロズベルグを追いかけ続けた彼自身の成果でしょう。マシン性能も今やフェラーリを完全に超えているように見えますし、今季中にあと 1 勝しても不思議はありません。僚友リカルドも十分健闘しているはずですが、今のフェルスタッペンの勢いの前には霞んでしまいます。

マクラーレン・ホンダは残念なことにノーポイントフィニッシュ。予選では「もう大丈夫」という判断が早すぎてバトンが Q1 落ちという情けないピット判断もありましたが、マシンの総合力が問われるシルバーストンでアロンソが Q3 進出したことは、着実に速さがついてきている証拠でしょうし、Q1 での判断ミスもその自身の裏返しという見方もできます。そしてレース内容自体も決して悪くなかった。メルセデス製 PU を搭載したウィリアムズをオーバーテイクするなど、十分にバトルができていましたし、ピット戦略で奇襲をかけていればポイント争いにも絡めたはず。近年のマクラーレンはレース戦略がコンサバすぎて、どうせ失うものなんてないのになんでここで攻めないのか...というレースが少なくありませんが、今回はその悪い面が顕著に出てしまいました。
でも、この内容ならば鈴鹿でも 2 台揃っての Q3 進出やダブル入賞は狙えるポジションだと思うので、今後のさらなる伸びに期待です。

次戦ハンガリーは久しぶりの低速サーキット。マクラーレン・ホンダ的にもポイント獲得の可能性がさらに高まるサーキットですし、チャンピオンシップ面でもシーズンの半分を過ぎて「リセット」された状態で臨むグランプリ。波乱が起きることが少なくないサーキットですし、何か面白いことが起きてほしいところです。

投稿者 B : 22:01 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/07/04 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2016

オーストリアGP決勝 ハミルトン優勝、最終ラップでドラマ

レッドブルのホームレースであるオーストリア GP。とはいえメルセデス最速は変わらないだろう、という予想通りのレースにはなりましたが、それでも見所の多いグランプリでした。

まずは予選、Q2 の終わりに降り出した雨によりウェットからドライに変わっていくコンディションとなった Q3。こういう状況下で滅法強いのが、バトンとヒュルケンベルグです。バトンは初優勝を挙げた 2006 年のハンガリー GP がこんな天候だったし、ヒュルケンベルグはデビューイヤーの 2010 年ブラジル GP の予選で同様の状況下で初 PP 獲得。今回も、二人がそれを彷彿とさせる見事な戦略とドライビングで、戦闘力に劣るマシンながらヒュルケンベルグが 3 位、バトンが 5 位を獲得。しかもロズベルグとヴェッテルのギヤボックス交換ペナルティによりヒュルケンベルグが 2 番手、バトンが 3 番手グリッドを獲得するという金星を挙げました。
PP は例によってハミルトンでしたが、この時点で決勝への期待は高まります。

決勝はハミルトンが今回はスタートをうまく決め、トップのまま 1 周目を走破。しかしスタート時に履いていたウルトラソフトはライフが短く、一足先にピットインして代わりにヴェッテルが首位に立ちます。が、ヴェッテルもトップ走行中の 27 周目、突然のタイヤバーストでそのまま戦線離脱。今回のレースではおそらく勝てるペースはなかったにせよ、十分に表彰台を狙えるパフォーマンスはあっただけに残念です。今季のフェラーリはとにかく安定して上位入賞を続けられないですね...。
その後はロズベルグがトップを走り、タイヤ交換後に追い上げてきたハミルトンが後ろにつける序列に。とはいえ、ピット戦略的にはハミルトンはそのままゴールまで走りきれるライフのタイヤを履いており、ロズベルグのタイヤ交換の間に順序が入れ替わる計算。...かと思ったら、ロズベルグがタイヤ交換する 1 周前にハミルトンが 2 度目のピットイン!タイヤライフに自信がなかったのか、先にピットインしてアンダーカットを決めようという算段だったのか分かりませんが、結果的にこのピット戦略は失敗に終わり、共に最後のピットインを終えた段階でロズベルグが前。しかしその後のペースはハミルトンのほうが速く、どこで仕掛けるか手に汗握る展開となります。

そして事件が起きたのはファイナルラップ。ハミルトンがオーバーテイクを仕掛けたところでロズベルグと交錯し、ハミルトンがコース外に弾き飛ばされます。が、戻ってきたハミルトンとロスベルグが再度接触。ハミルトンは深刻なダメージもなくそのままチェッカーを受けられましたが、一方のロズベルグはフロントウィングが脱落してペースダウン、4 位でゴールがやっとでした。

これまでのレースではハミルトンがロズベルグをコース外に押し出した印象が強く、逆にロズベルグはハミルトンとあまり接触しないか、接触してもダメージを受ける側であったことが多いように思います。そういう意味では(故意だったかはさておき)「相手を押し出してでも勝つんだ」という意志を見せたことは進歩だと思いますが、結果的に自分がダメージを受けてしまうあたりがやっぱりロズベルグだなあ、と思います。やるなら素ポーティングレギュレーションに抵触しない範囲で相手にダメージを与えないと(笑。もちろん純粋な速さで勝つのが本来あるべき姿ですが、こういう接近戦になったときの強さもチャンピオンの器の一つであり、ハミルトンにはそれがあってロズベルグにはやっぱりない、というのが改めて明らかになったレースだったと思います。ロズベルグはまだ 11pt 差で首位を守ってはいますが、メンタル的にはもうハミルトンに負けているんじゃないですかね...。
しかし、むしろこの接触の原因を作ったのはドライバーではなくメルセデスチームではないかと。ハミルトンの二度目のピットストップは必要なかったはずで、あそこでハミルトンをステイアウトさせていれば問題なく 1-2 フィニッシュが飾れていたのではないか。もしかしたら実際にハミルトンのタイヤに問題が生じていた可能性もありますが、チームとしてはマネジメントすべきところだったんじゃないですかね。まあいちファンとしては、シーズンが荒れてくれたほうが面白いのですが(ぉ

今回は久しぶりに国際映像もトップ争いを中心に写していて、中団以下の状況が分かりにくかったですが、それでも再び表彰台に立ったフェルスタッペン、下位チームからのデビューイヤーで初ポイントを獲得したウェーレイン、そして何より自身の今季最高位である 6 位入賞を果たしたバトンなど、いつもとは違うレース内容で非常に楽しめました。特にマクラーレン・ホンダはアロンソこそマシントラブルで完走できなかったものの、バトンの 6 位というのが素晴らしい。3 位スタートで 6 位なのは通常ならポジティブではないかもしれませんが、これだけの高速サーキットで特にデプロイ切れもなく、他社と渡り合っての 6 位は立派だと言えます。まあこの前のカナダやアゼルバイジャンでも、同様に高速サーキットで入賞一歩手前の 11 位だったので、もはやパワーが足りないというわけではない(トップ争いできるレベルではないにしても)ということなのかもしれません。

次はマクラーレンのホームサーキット、イギリス・シルバーストン。引き続き高速サーキットになりますが、コース特性的には鈴鹿でのマクラーレン・ホンダのパフォーマンスが推測できる場所でもあります。またシーズンもちょうど折り返しとなり、ここでチャンピオン争いが再びイーブンに戻るのか否か。要注目のレースです。

投稿者 B : 23:33 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/06/20 (Mon.)

F1 ヨーロッパ GP 2016

ヨーロッパGP決勝 ロズベルグが優勝、3位にペレスが入る

モナコ~カナダでハミルトンが完全に勢いを取り戻し、チャンピオンシップの行方が分からなくなった状況で迎えたヨーロッパ GP。ヨーロッパといいつつ初開催のアゼルバイジャン、立地的には西アジアとか中東と言った方が正確な場所です。

しかし今回は F1 の決勝スタート直前にフィニッシュを迎えたル・マン 24 時間耐久レースが、初優勝に向けてひた走っていたトヨタが残り 3 分でストップという衝撃的な結末だったため、F1 観戦のほうにどうも集中できなかったという...。前半は呆然とした気持ちでテレビ画面を見つめていました(´д`)。

展開次第では今回のレースでハミルトンとロズベルグの選手権順位逆転もあり得る中ではありましたが...今回は珍しく予選からハミルトンがとっちらかっていました。今季のハミルトンは予選でマシントラブルが出るか決勝のスタートに失敗して順位を落とす、ということが多かったですが、予選 Q3 でクラッシュというのは今季初。初開催のサーキットだし、確かにモナコ以上に難しそうなコーナーも少なくなかったですが、こんなミスを犯すとは近年のハミルトンには珍しい。CS の解説では「プライベートで何かあったんじゃないですかね」というコメントも出ていましたが、まさにそんな感じの落ち着かなさでした。
これで圧倒的優位に立ったロズベルグが、果敢に挑んできたフェラーリやレッドブルを難なく退けて優勝。ハミルトンとのポイント差を再び 24 にまで広げました。まあ、まだシーズンは半分以上残っており、このくらいの差ならばないも同然ですが、ロズベルグ的にはこれで少しホッとできたんじゃないでしょうか。

レース前半はそんな感じで気もそぞろだったし、後半は後半でロズベルグが独走していると最近の私は寝落ちしそうになるのですが(ぉ)、フェラーリがメルセデスとまともに戦いに行っている姿勢は印象に残りました。ヴェッテルが果敢にリカルドをパスしてロズベルグを追撃する態勢に入ったり、ピット戦略の異なるライコネンがヴェッテルを先攻させるシーンがあったり、マシンがある程度まとまってきてパワーサーキットでもそれなりにメルセデストレースができる状況というのは、見ていて面白い。今季はここまでレッドブルの健闘が目立っていますが、そろそろフェラーリにも勝利のチャンスが訪れてもおかしくないんじゃないでしょうか。
それと 3 位に入ったペレス。彼はモナコでも 3 位に入っていて、市街地レースとの相性の良さをいかんなく発揮していますね。特に今季はチームメイトのヒュルケンベルグよりも光る走りを見せているレースが多く、パドック内での評価が高まってきているように思います。

マクラーレン・ホンダは、バトンが久々の予選 Q1 敗退。これが「久々の」と形容できるあたり、去年の今頃の状況を考えれば遙かにマシな状況ではありますが、それにしても悔しい。決勝では二台ともペースが上がらず、アロンソはギヤボックストラブルでリタイア。バトンがペースが悪いながらもなんとか 11 位につけたことは健闘と言えるでしょうが、それでもポイントを獲れる速さがなかったことには違いない。カナダでの PU 改良で出力は上がっているはずですが、やはりまだまだパワーサーキットで戦える速さはないようで...道のりは遠いですね。

次はオーストリア、その次はシルバーストン、と高速サーキットが続きます。マクラーレン・ホンダには我慢のときとなりそうです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/06/14 (Tue.)

F1 カナダ GP 2016

カナダGP決勝 ハミルトンが2連勝 - GPUpdate.net

カナダ GP といえば、ハミルトンが F1 初優勝を飾ったサーキットであり、自身が最も得意とするサーキットのひとつ。加えてパワーサーキットであり、マシン特性やタイヤとの相性を考えても、年間を通じてメルセデスのハミルトンが勝つ可能性が最も高いグランプリ、と言えます。

ハミルトンは予選からロズベルグを抑えて PP 獲得。そのままトップから逃げるかと思ったら、今季何度目か分からないスタート失敗!その隙にヴェッテルがトップを奪います。ハミルトンは 1~2 コーナーでロズベルグと交錯し、ロズベルグのほうがコースアウトして一気にポジションダウン。ハミルトンはそのままヴェッテルを追い、レースペースこそヴェッテルとほぼ互角だったものの、モナコ GP 同様にライバルよりも少ないピット回数で逆転。鮮やかに二連勝を決めました。序盤こそ盛り上がったものの、ハミルトンがトップを奪い返してからは比較的単調なレースでした。
パワーユニットの性能差が物を言うサーキットで、かつタイヤ戦略の自由度も高いメルセデスの本領が発揮されたレースだったと言えるでしょう。

2 位のヴェッテルは残念でしたが、マシンとの相性的に最初から勝てる可能性の低いレースだっただけに、序盤にハミルトンから首位を奪い、最終的に 2 位フィニッシュというのは上々の結果と言って良いと思います。しかしカナダ GP でこれだけハミルトンに迫れたということは、想像以上にメルセデスと他チーム...といってもフェラーリとレッドブルくらいですが...の差が縮まっているということではないでしょうか。この先 9 月のイタリア GP まで、ハンガリーを除くほとんどがパワーサーキット寄りのレイアウトですが、ハンガリー以外でメルセデス以外のチームが勝つ可能性も十分に考えられます。正攻法でなく、タイヤ戦略で奇襲をかけられるかどうかがカギになるでしょう。

5 位のロズベルグは惨敗と言っても過言ではない内容でした。1~2 コーナーでのコースオフはハミルトンに押し出されたという側面はもちろんありますが、そこで負けちゃうのがやっぱりロズベルグなんだよなあ。途中、マシンの不調でなかなかペースが上がらなかったりスローパンクチャーで予定外のピットインを強いられたり、挙げ句終盤にフェルスタッペンにオーバーテイクを仕掛けてスピン。トップを独走しているときは滅法強いけど、コース上でのポジションの取り合いには弱いのは相変わらずですね。ハミルトンのように強引にインにねじ込んでいくくらいの強さがなければ、今年も彼の上に王冠は輝かないと思います。
一時は 43pt 開いていたドライバーズポイントも、早くも 9pt 差。まだなんとかロズベルグが首位ではあるものの、ハミルトンとのポイント差はもうない、と考えて良いでしょう。ハミルトンにマシントラブルがなければ、次であっさり逆転という目もあるんじゃないでしょうか。

マクラーレン・ホンダには厳しいレースになるだろうと思っていましたが、予想通りの難しい結果に。予選はアロンソがギリギリ Q3 に進出できたものの、ここ数戦の定位置となっている 10-12 番グリッドからのスタート。決勝も序盤はポイント争いをしていましたが、バトンが序盤にエンジンブローして戦線離脱。アロンソもペースを上げることができず、ポイントまであと一歩の 11 位フィニッシュ。やはりパワーユニットへの依存度が高いサーキットでは苦しい戦いを強いられますし、他車のリタイアが少なければギリギリ入賞圏外というのが今のマクラーレン・ホンダの実力なんでしょう。今回はトークンを消費してターボユニットのアップデートと新しい燃料を投入したとのことですが、相対的なパフォーマンス向上が見られなかったのは残念というほかありません。次のレースではもう少しセットアップを煮詰めて、新ターボのポテンシャルが引き出されることを祈るしかありませんね...。

次のレースは早くも今週末、新規開催のアゼルバイジャン/バクー市街地コース。波乱が起きる要素は揃っているので、予想通りのレースにならないことに期待しましょう(笑。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/31 (Tue.)

F1 モナコ GP 2016

モナコGP決勝 雨のモナコをハミルトンが制する

スペインでのマックス・フェルスタッペンの劇的な初優勝を受けての、伝統のモナコ GP。全開率が低くパワーユニット性能の差が出にくいコース特性だけに、今回もレッドブル、あるいはフェラーリ勢にワンチャンあるんじゃと予想されましたが、そのとおり予選からとても面白い展開となりました。

予選では Q1 でフェルスタッペンがまさかのクラッシュを喫しノックアウト。初優勝の直後にこれ、というギャップが激しいですが、良くも悪くもこれが若さでしょう。一方でチームメイトのダニエル・リカルドが渾身のアタックを決め、メルセデスの 2 台を抑えて PP 獲得。スペインでもピット戦略に失敗しなければ自分が勝っていたはず、という思いもあったに違いありません。コクピットに収まっている間の表情からして鬼気迫るモノがありました。
リカルドの予選はタイヤ戦略も完璧で、Q2 をスーパーソフトで通過し(Q3 進出者は Q2 でベストタイムを記録したタイヤでスタートする決まり)、ウルトラソフトタイヤ勢に対して PP から長めのファーストスティントで逃げる構え。

しかし決勝はウェットコンディションとなり、リカルドの予選でのタイヤ戦略は不発に終わります。が、リカルドは決勝でも見事なスタートダッシュに成功。2 番手スタートのロズベルグのペースが上がらず、3 番手のハミルトンが抜きあぐねている間に独走態勢を築きます。
その状況が変わったのがレース中盤。雨が上がり、タイヤをウェットからインターミディエイト、そしてドライタイヤに交換していくタイミングが問われます。リカルドはメルセデスに先んじてインターに交換、しかし追うハミルトンはウェットタイヤを引っ張って一気にドライに交換することで、ピットインを 1 回減らす作戦に出ます。問題はコンディション変化によってウェットタイヤが相対的に遅くなることと、履き替えたウルトラソフトが 1 ストップでチェッカーまでもつか、の 2 点。リスクを取った選択でした。

いっぽうのリカルドはウェットからインター→ドライへの 2 ストップ戦略でも、1 ストップのハミルトンにポジションを奪われることなくレースを進められる、はずでした。が、インターからドライへの変更の際に、ピットインした時点で交換用のタイヤ準備が間に合っていないというアクシデントが発生。どうやら当初ウルトラソフトを準備していたのが、ハミルトンの動きを見てスーパーソフトに変更しようとしたところ、タイヤが準備できる前にリカルドが飛び込んできてしまった...というのが顛末らしいですが、これが痛恨のミス。結局リカルドがピットアウトするよりも一瞬早くハミルトンが目前をすり抜けます。その後、リカルドは幾度となくハミルトンの背後を脅かし、得意のビッグブレーキングで仕掛ける場面もありましたが、しかしここはモナコ・モンテカルロ、絶対に抜けない。最終的にはハミルトンを責め続けたリカルドのタイヤが先に音を上げ、ハミルトンは念願の今季初優勝を挙げました。

リカルドはこれで 2 戦続けて勝てていたはずのレースをピット戦略で落としているわけで、報われないでしょうねー。特に今のレッドブルはメルセデスに勝負を挑めるサーキットが限られているだけに、今季最も勝てる可能性が高かったモナコを落としたのは悔しいはずです。しかし今のレッドブルのリカルド&フェルスタッペンというコンビはフェラーリよりも面白いのは確かなので、今後もレースをかき回していってほしいところ。フェルスタッペンのほうもこの抜けないモナコで最後尾スタートから入賞圏に上がってきているあたり、スペインでの優勝がまぐれでないことを証明していると言えます。
いっぽうのフェラーリはパッとしませんね...。メルセデスとチャンピオンシップを争うなら、モナコでリカルドの位置にいるべきはヴェッテルでなくてはならなかったはず。しかし今回の戦略にはフェラーリにしては珍しくリスクを取る姿勢も見えたので、今後に期待です。

マクラーレン・ホンダは見事ダブル入賞。しかもアロンソが昨シーズンから通算しての最高位である 5 位フィニッシュ、というのはとても喜ばしい結果と言えます。しかしドライバーコメントによるとマシンの仕上がりは誉められたものではなかったようで、昨年同様にドライバーの頑張りでもぎ取ったダブル入賞、といったところでしょう。スペインに続いてアロンソが Q3 進出したのもポジティブですが、次からはそろそろ 2 台揃っての Q3 進出と 5 位前後の争いをコンスタントに繰り広げられるようになっていってほしいですね。

チャンピオンシップは引き続きロズベルグが首位ですが、点差は一気に詰まって 24pt。ハミルトンには今回も予選 Q3 でのマシントラブルがあり、信頼性に関する不安は尽きないところですが、そろそろ反攻に出るに違いありません。次のカナダはメルセデス優位なサーキットだけに、久しぶりにハミルトンとロズベルグによるガチの優勝争いを見たいですね。それが実現すれば、二人のどちらが真に今季のチャンピオンに相応しいかが分かるのではないでしょうか。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/16 (Mon.)

F1 スペイン GP 2016

スペインGP決勝 18歳フェルスタッペン初優勝!!
フェルスタッペン 「信じられない」初優勝

おめでとうマックス!!!

ヨーロッパラウンドの開幕戦、スペインの地で F1 の新たな歴史を目撃するとは、誰が予想したでしょうか。
今回からクビアトとの入れ替えでレッドブルに昇格したばかりのマックス・フェルスタッペンが、移籍初戦でいきなりの優勝。これまでヴェッテルが保持していた F1 最年少優勝記録を大幅に塗り替える 18 歳での初優勝。今季からスーパーライセンスの発給条件が 18 歳以上に引き上げられたため、おそらく今後この記録が破られることはないでしょう。

スペイン GP は予選から熱い戦いが繰り広げられていました。
久しぶりに土曜日までノートラブルだったハミルトンが、Q3 で圧倒的な速さを見せて PP 獲得。いよいよハミルトンの逆襲が始まるか、という気配を感じさせます。
その後方ではレッドブルの 2 台が気を吐き、フェラーリを抑えてセカンドロウを確保。しかも、レッドブルは Q1 から Q3 の途中までフェルスタッペンがリカルドを凌ぐ速さを見せていたのが、Q3 のラストアタックでリカルドが意地の好タイムを出し 3 番手。マシンの仕上がり以上に強力なチームメイトの加入がレッドブルとリカルドのポテンシャルを絞り出したのでしょう。
メルセデスの独走は今回も変わらないまでも、その後方ではレッドブルとフェラーリによる熾烈な表彰台争いが繰り広げられるのだろう...と思っていました。

それが、ですよ。

メルセデスがスタート直後に 1991 年の鈴鹿を思わせる同士討ち。ハミルトンのスタートは悪くなかったものの、ロズベルグを意識しすぎたあまり 1 コーナーの飛び込みで先行を許し、その後抜き返そうとしたところで接触。
映像を見る限りではどちらが悪いとは言い難いレーシングインシデントだとは思いますが、ハミルトンにもロズベルグにも焦りがあったのでしょう。どちらにも余裕が感じられなかった一昨年を見るようなアクシデントで、この 2 台が 1 周ともたずに戦線離脱。

その後レースをリードしたのはリカルド。後ろにフェルスタッペンーサインツーヴェッテルーライコネンと続き、レッドブル勢が逃げる展開に。
フェラーリの 2 台はその後サインツを交わしたものの、レッドブルーフェラーリのオーダーは変わらず。
すると中盤にレッドブルは 2 台のタイヤ戦略を分け、リカルドを 3 ストップ、フェルスタッペンを 2 ストップとして展開します。それをカバーするかのようにフェラーリもライコネン 2、ヴェッテル 3 に分割。
このピット戦略は 2 ストップが正解で、リカルドの後退でトップに立ったフェルスタッペンがロングスティントでライコネンを抑えきる見事なドライビングで初優勝を挙げました。

フェルスタッペンは昨年のデビュー以来非凡な才能を見せ続けてきましたが、その実力が早くも証明されましたね。インパクトの強さで言えばまさにヴェッテル以来の逸材と言えるでしょう。
勝てはしなかったもののライコネンの最後まで緩めなかった追撃も、リカルドを抑えたヴェッテルの巧いブロッキングも、リカルドの果敢なオーバーテイクもどれも素晴らしかった。今の F1 もメルセデスがいなければこんなにエキサイティングな接戦が見られることを再確認しました(ぉ。

いっぽうでマクラーレン・ホンダは昨年の参戦以来初めての予選 Q3 進出を果たしました。
残念ながら 2 台揃ってとはいかなかったものの、ある程度スピードと信頼性の両立を果たして実力で中団を勝ち抜ける力がついてきたと言えます。
決勝ではアロンソ車にソフトウェアトラブルが発生してしまいましたが、バトンが粘ってなんとか 9 位入賞。いきなり表彰台争いは難しいと思うけど、この調子でコンスタントに入賞を重ね、後半戦に向けてさらに力を蓄えていってほしいところです。

次のレースは伝統のモナコ。パワーユニットの性能差が出にくいコースだけに、レッドブルには再度優勝のチャンスもあるでしょうし、マクラーレンも昨年の 8 位を上回るリザルトを残せる可能性が高い。どんなレースになるのか、今から楽しみです。

投稿者 B : 22:41 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/02 (Mon.)

F1 ロシア GP 2016

ロシアGP決勝 ロズベルグが開幕4連勝、ハミルトンが2位

ロズベルグの開幕 3 連勝から、そろそろハミルトンの巻き返しがあるかと期待されたロシア GP。
なんと今回も、ハミルトンに中国と同様の PU トラブルが発生して予選 Q3 に出走ならず。ここ数年、大事なときのトラブルは決まってロズベルグにばかり発生していましたが、今シーズンはハミルトンに集中していますね...。

レースのほうは結局ロズベルグが今回も難なく勝ち、開幕からの連勝を 4 に伸ばしました。ハミルトンも 10 番グリッドから追い上げたものの、ボッタスを交わして 2 番手に上がりロズベルグを追撃し始めたところで今度はエンジン冷却水にトラブル発生、あとはポジションを守ってマシンをチェッカーまで持って行くことに傾注。とりあえずダメージを最小限にとどめた格好になりました。
中国 GP までは、ハミルトンとロズベルグの実力差を考えるとこれくらいのポイント差はちょうど良いハンデだと思っていましたが、この時点で 43 ポイントの差がついてはハミルトンとしてもそろそろ余裕がなくなってきましたね。とはいえ今季は全 21 戦、まだまだ何が起きるか分かりません。ハミルトンの逆襲が始まったときに、ロズベルグが落ち着いた対処ができるかがポイントになりそうです。

3 位には今季好調のライコネンが入りましたが、僚友ヴェッテルはスタート直後にまたしてもクビアトに追突され、1 周もできないうちにレースを終えてしまいました。フェラーリが今季チャンピオン争いに絡んでいくとしたら、全戦でメルセデスの後ろにつけて、メルセデスにトラブルが発生したときに必ず 2 位、1 位を奪いに行くというやり方しかありません。今回は完全にもらい事故なので仕方がないとはいえ、今季メルセデス以外で唯一チャンピオン争いに絡めたはずのヴェッテルがここまで 4 戦で 2 リタイアときては、早くも挑戦権を失ったと言っても過言ではないかなあ。残念ですが、今季は「フェラーリがどれだけレースを面白くしてくれるか」に注目する方針に変更したいと思います(笑。

そしてマクラーレン・ホンダ、今季初ダブル入賞おめでとう!!
正直今回はパワーが物を言うサーキットなのであまり期待していませんでした。それが、1 ストップ戦略が功を奏したとはいえ、中団でちゃんとバトルを繰り広げながらアロンソ 6 位、バトン 10 位という成績は立派。マシン性能はまだまだ満足いくレベルではないものの、それなりに戦えることがこれで証明されました。過去 3 戦はセットアップやタイヤ戦略のまずさでマシンのポテンシャルを引き出せていなかったという部分もありましたからね。
今のところ、まだ一発の速さが身についていないようで Q3 の壁が厚いですが、ベテラン二人のスタート直後の混乱を抜けるうまさや変則的なピット戦略にも対応できる柔軟性が活きれば、こういうレースはできるということですね。モナコやハンガリーといった低速コースでなくても勝負できたというのは、マクラーレン・ホンダのスタッフにとっても自信になったことでしょう。

次はいよいよヨーロッパラウンドに突入。各チームがマシンに大規模アップデートを持ち込み、サーキットも総合力が試されるカタロニア。マクラーレン・ホンダにはもう一段の飛躍を期待したいです。

投稿者 B : 22:22 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/04/19 (Tue.)

F1 中国 GP 2016

中国 GP決勝 ロズベルグが3連勝 - GPUpdate.net

ロズベルグの開幕 2 連勝からの第 3 戦、中国 GP。ここでハミルトンの巻き返しがあるか...と思いきや、まずはハミルトン車のギヤボックス交換によりグリッドダウンペナルティが適用されることが、予選を待たずして確定していました。予選ではさらにそこへ Q1 からパワーユニットトラブルが発生し、出走すらできずに最後尾が決定、結果的に PU 交換でピットスタートという形になります。この時点でロズベルグの楽勝は決まったようなものでしたが、泣きっ面に蜂とはこのことで、スタート直後にハミルトンが他車と接触してマシンを破損しノーズ交換。その後もダメージの残るマシンで走り続け、7 位入賞がやっとという有様でした。
まあそれでも手負いのマシンで最後尾から追い上げて 7 位というのが今のメルセデスの強さを証明していると言えますが、それにしても今週のハミルトンにはつくづく運がありませんでしたね。

いっぽうロズベルグにはハミルトンの分の運までもが転がり込んできたんじゃないかと思えるほどの強運続きで、まず最大のライバルであるハミルトンが予選時点で脱落し、悠々 PP。スタートこそレッドブルのダニエル・リカルドに奪われますが、脅威と思われたフェラーリがスタート直後の同士討ち(まあ不可抗力でしたが)で早々に二台とも優勝争いから脱落、オープニングラップを制したリカルドについても DRS が解禁された 3 周目にあっさりオーバーテイクしてロズベルグがトップを奪い返し、さらには直後にリカルドのタイヤがバーストというおまけつき。セーフティカーの導入でいったんはリードを失ったものの、その後は 2 位に 30 秒差をつける圧倒的な速さで開幕 3 連勝を挙げました。
レースペースの差を見る限り、仮にフェラーリやレッドブルにアクシデントが起きていなくてもロズベルグが簡単に勝っていたことは間違いありませんが、それだけにハミルトンとの直接対決にならなかったことが残念でなりません。今季ここまでロズベルグが 3 連勝しているとはいってもハミルトンを直接対決で下して勝っているレースはなく、以降のグランプリでロズベルグが惑わずに自分の走りを貫けるのか、あるいはハミルトンとテールトゥノーズの争いになったときに再び馬脚を現すのか、次戦ロシアそしてヨーロッパラウンドに突入するスペインあたりが一つの正念場でしょう。過去二年間のハミルトンとロズベルグの力の差を見る限り、現時点で 36 ポイント差がついているくらいがハミルトンにとってはちょうどいいハンディキャップとも言えるわけで(笑)、これで今季は終盤戦までダレずに楽しめそうです。

今回は序盤にセーフティカーも入り、接触も多いレースでしたが、それでも全車完走という奇妙なレースでした。序盤の SC 導入で順位がシャッフルされた結果オーバーテイクも所々で見られ、見応えのある内容だったと言えます。ただでさえ中団の実力が拮抗しているシーズンでこういう状況が発生すると、面白いレースになりますね。また、今季は 3 種類のコンパウンドから選択可能になったタイヤレギュレーションが、さらに駆け引きを面白くしています。

しかしその波乱を味方につけられなかったのがマクラーレン・ホンダ。予選も Q2 で最後のアタックをかけようかというタイミングでイエローフラッグが発生し、アロンソの渾身のアタックがフイにされ二台揃って Q2 敗退。それでもダブル入賞は十分に狙えるポジションからのスタートでしたが、ベテラン二人のテクニック頼みでミディアムタイヤを軸とした 2 ストップ戦略が全くハマらず、ペースを上げることができずに結局スタート時と同じ 12・13 位でゴール。入賞争いはできるポテンシャルがありながらも、誰もリタイアしなければこのあたりなのがマクラーレン・ホンダの現在の実力、という現実は直視せざるを得ないでしょう。
それでも、昨年は最初から最後まで「エンジンパワーがー」「ERS のデプロイがー」「信頼性がー」という惨状だったことを考えれば、(依然としてライバルに比べてパワーで負けている側面があるとはいえ)車体側やセッティング、戦略まで含めた課題を議論することができることは、今後それだけ伸びしろがあるということでもあります。まずはアロンソが肋骨骨折からなんとか復帰し、二台揃ってちゃんと戦えるレースができたことを今は喜びたい。

次のロシア GP はコース特性的に中国やオーストラリアに似ているので引き続き厳しいレースになるでしょうが、その次のスペイン GP は比較的バランス型のサーキットだし、大規模アップデートも入るはずなので、そこに向けてチーム力を高めていってほしいところです。

投稿者 B : 23:38 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/04/06 (Wed.)

F1 バーレーン GP 2016

バーレーンGP決勝 ロズベルグが2連勝 - GPUpdate.net

第 2 戦バーレーン GP。開幕戦でのロズベルグ勝利からハミルトンがどう巻き返してくるか、が見物でしたが、予選は開幕戦に続きハミルトンが圧巻の走りで PP 獲得。予選の結果を見るに、マシン性能的にはやはりメルセデスが頭一つ抜けていて次にフェラーリが続き、その後はけっこう団子状態なのがハッキリと分かりますね。

決勝レースは、まずはフォーメーションラップ中に 3 番手のヴェッテルがパワーユニットから白煙を上げ、スターティンググリッドにすら並べずにリタイア。確実に表彰台に上がり続けることがヴェッテルにとって終盤戦までチャンピオンの可能性を残す唯一の手段だけに、2 戦目で後れを取ってしまったことは痛いと言わざるを得ません。まああと 19 戦あるので、それをどれだけ落とさずにポイントを稼ぐかが鍵になってくるでしょうが、年間 5 基制限のパワーユニットのうち 1 基をここで失ってしまったことは、後々響いてくるでしょうね。

スタートは前戦同様にハミルトンが蹴り出しに失敗し、大きく順位を落とします。その間にロズベルグが悠々と奪首、そのまま後続にポジションを脅かされることなくゴールし、二連勝を挙げました。これで昨年の終盤戦から数えて五連勝、いくらロズベルグといえどそろそろハミルトンを気にせず自分の走りができるようになっても良い頃でしょう。これがいい自信に繋がれば、今年のチャンピオンシップは面白くなるはずです。
出遅れたハミルトンはスタート後のボッタスとの接触でマシンにダメージを負いながらも猛烈な追い上げを見せ、なんとか 3 位フィニッシュでポディウムに登壇しました。これだけポジションを落としても表彰台に戻ってくるあたりが今のメルセデスの強さを表しています。ここ二戦ともに予選から決勝にかけて失敗しているのはスタートのみであり、それ以外はほぼ完璧な週末を過ごしているだけに、今年のチャンピオン候補筆頭の座は揺るがないと言えます。

また、ライコネンの走りにも光るものがありました。ハミルトン同様にスタートに失敗してポジションを落としたものの、その後はメルセデスに匹敵するレースペースを維持。全盛期を思わせる鋭いオーバーテイクも披露して 2 位表彰台。マシンとドライバーがガッチリ咬み合った結果でしょうが、ライコネンがこれだけ良かったのなら、ヴェッテルのマシンが壊れていなければどうなっていたか...とは考えてしまいますね。実力ではメルセデスに勝ちきれないまでも隙さえ突けばチャンスは十分にある今年のフェラーリ、信頼性と戦略を今後どれだけ高めていくことができるか。

そして、またしてもハースがやってくれました。グロジャンが開幕戦を上回る 5 位入賞!これは素晴らしい。前回は 1 ストップ戦略のちょうどいいところで赤旗中断が入り、記録上はピットストップなしで完走という運に助けられての入賞という側面がありましたが、今回は特に波乱もないレースでつかみ取った実力の 5 位。どうやら、予選ではあえて Q3 進出にこだわらずに新品のスーパーソフトタイヤを 2 セット温存して決勝に懸けていたとのことで、ちゃんと自分たちの実力を把握した上での勝負だったのでしょう。ハースをフェラーリのセカンドチームと揶揄する向きもありますが、クルマのポテンシャルが高いだけではこうはいきません。なんたって何もないチームにも関わらず昨年のスパで表彰台に上ったタッグ(グロジャン&小松礼雄)が引っ張っているわけですから、もはやハースを新規参入チームと思わない方が良さそうです。

マクラーレン・ホンダに関しては、前戦で大クラッシュを演じたアロンソが、実は肋骨を折っていたとのことでドクターストップ。リザーブドライバーのストフェル・バンドーンがスーパーフォーミュラのテストから急遽バーレーンに呼ばれ、レースシートに収まりました。予選ではバトンが 13 番手、バンドーンはそれを上回る 12 番手のグリッドを獲得。
決勝ではバトンがわずか 8 周でパワーユニットにトラブルが発生し、マシンを止めます。昨年に比べれば大きくパフォーマンスを向上させたホンダですが、やはりパフォーマンスアップと信頼性問題は表裏一体。まだダブルリタイアがないのがせめてもの救いで、このままパフォーマンスと信頼性を平行して高めていってほしいところです。
で、バンドーン。決勝ではあまり派手なシーンはなかったものの、安定したペースで周回を重ね、途中にはパワーユニットのパワーに勝るフォースインディアをオーバーテイクするシーンも見せて、最後は 10 位完走。なんと初出走にしてマクラーレン・ホンダの今季初ポイントを持ち帰ってしまいました。個人的にはいきなり入賞までは期待していなかったので、これは驚き。まあマシンも良かったのでアロンソが走れていたら、バトン車がトラブルに見舞われていなかったら...と妄想はしてしまいますが、少なくとも今回のバンドーンはアロンソの代役以上の結果を残したと言えるでしょう。バトンの今年限りでの現役引退も取り沙汰されていますが、その後任として当確に相応しい仕事だったと思います。

それにしても今年のバーレーンは 4 位以下のポジション争いが熾烈で、とても見応えのあるレースでした。やはり、レギュレーションが枯れてくるとチーム間の実力が拮抗して面白くなりますね。マクラーレン・ホンダにとってはようやく 1 ポイントを獲ったにすぎませんが、この競争が激しい中団においてポイントを争える実力が確認できただけでも御の字。中国では、ダブル入賞を狙っていってほしいところです。

投稿者 B : 22:36 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/03/22 (Tue.)

F1 オーストラリア GP 2016

オーストラリアGP決勝 ロズベルグが入賞、ハースが8ポイント獲得

2016 年の F1 世界選手権がいよいよ開幕。マクラーレン・ホンダとしては失意の再参入初年度を経て、改めて勝負をかけていくシーズンになります。

まずは予選。今回から新しい予選方式が導入され、90 秒ごとに最下位のマシンが脱落していくルールになりました。観ている方としては、Q1 の最初から本気のアタックが見られ、タイムリミットとの関係でハラハラドキドキするルールで、悪くないのではと思っています。が、90 秒ごとというリミットが厳しく、タイムアタックに入る前に時間切れになってしまうクルマが続出。また Q3 では早々にアタックをやめてしまうチームがほとんどで Q3 がつまらない、という状況に陥りました。そのため、次戦バーレーンからさっそく昨年のルールに戻すことになったとのこと。この辺は運営やチームの慣れの問題もあるし、Q3 だけ昨年のルールにする等、もう少し工夫すれば今までより面白い予選にできるのでは?と個人的に思うので、残念なところ。まあ今季は直前でこのルールが導入された経緯もあるし、来季仕切り直しで再導入される可能性もあるので、それまでの楽しみにしておきましょうか。
その予選はメルセデスが余裕のフロントロウ独占。その後にフェラーリが続くところまで大方の予想通りでした。マクラーレンは 12・13 番手ということで、本当は一桁グリッドを期待したところではありますが、これだけ中団以下の実力が拮抗したシーズンでそう簡単にいく話でもないでしょう。

決勝はなんとハミルトンがスタートに大失敗し、フェラーリが序盤の 1-2 体制を築き上げます。初回ピットインのタイミングでロズベルグがライコネンの前に出ましたが、ヴェッテルはなんとか首位をキープ。いくらメルセデスといえど今年のフェラーリをコース上で抜くのは難しいぞ、と思っていた 19 周目、グティエレスとそれをオーバーテイクしようとしたアロンソが激しくクラッシュ!レースは赤旗中断となります。
アロンソの MP4-31 はモノコック以外がグシャグシャになるくらいの大破でしたが、アロンソ自身はほぼ無傷で、現代 F1 マシンの安全性が改めて証明された形となりました。良かった...。

レース再開時のタイヤはヴェッテルが中古のスーパーソフト、追うロズベルグが新品のミディアム。2 台のギャップがゼロに戻った状態からのリスタートになるので、このままではヴェッテルがロズベルグに交わされるのは時間の問題と言えます。こういうとき勝負をかけに行かないフェラーリの体質というのは、見ていてもどかしいですね...。
まあ予想通りヴェッテルのほうが先にタイヤ寿命が尽きてピットイン、その間にロズベルグが悠々と首位奪取し、そのままゴール。ヴェッテルはピットインの間にハミルトンにも交わされ、終盤にこそ怒濤の追い上げを見せたものの、ファイナルラップ直前のコースオフで自滅し、3 位フィニッシュ。

リザルトだけ見れば、ロズベルグ-ハミルトン-ヴェッテルというポディウムは昨年と変わらず、ロズベルグが勝ったという点だけが昨年の序盤と違うところ。フェラーリにしてみれば赤旗がなければ勝てたかもしれないだけに、悔しいところでしょう(タイヤ戦略はやりようがあったと思いますが)。
しかし注目すべき点はたくさんあったレースだと思います。フェラーリがうまく出し抜きさえすればメルセデスと勝負ができそうだということもわかったし、今季の新タイヤルールのおかげで戦略的にも見所が増えました。特に昨年までは二人のドライバーを全く同じ戦略で戦わせていたメルセデスが、今季は別々の戦略も認めている、というのは大きな違いではないでしょうか。これでロズベルグにチャンピオン獲得の目が生まれたと言えますし、逆に去年「勝たせてもらえなかった」ようなレースでハミルトンが勝ち、楽々チャンピオンになる可能性もあると言えます。

そして今回のレースで殊勲賞をあげたいのは新規参入のハース。グロジャンがあまり目立たないながらも安定感のあるレース運びを見せ、参入初戦でいきなり 6 位入賞ですよ!ハースはフェラーリの技術支援が大きく、新規参入チームとは思えない完成度のマシンを持ち込んでいますが、それでも最後までノートラブルで入賞圏を走り続けたのは立派。大人のレースができるようになったグロジャンはもちろんのこと、小松礼雄氏をはじめとしたチームスタッフに最大限の賛辞を送りたいです。

マクラーレン・ホンダに関しては、アロンソの事故があったり、バトンに関してもピット戦略の不運(初回ピットイン直後に赤旗が入ったことで大きく順位を落とした)もあって、初戦をノーポイントで終えることになってしまいました。1 台のみ完走で 14 位というのは数字だけ見れば去年の開幕戦よりも悪いですが、少なくとも Q3 進出と入賞を争ってレースができる速さが今年はあることは確認できたと言えるでしょう。次戦以降もコンスタントにポイントを争い、終盤戦までには表彰台を狙うレースができるように進歩させていってほしいところです。

第 2 戦は暑いバーレーン。気温の関係で今回は出なかったトラブルが出てくる可能性もあり、まだまだいろいろありそうです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック