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2016/02/24 (Wed.)

F1 2016 ウィンターテストが開始

マクラーレン・ホンダ、『MP4-31』を正式に発表 - AUTOSPORT web

先週末からどわわっと各チームの新車が発表され、今週より F1 2016 年のプレシーズンテストが始まりました。

今季はルノー・チーム復活、ハースの新規参戦、いくつかのチームでのパワーユニットサプライヤーの変更(ルノー:メルセデス→ルノー、トロロッソ:ルノー→フェラーリ、マノー:フェラーリ→メルセデス)など注目点はいろいろありますが、やっぱり一番気になるのはマクラーレンの新車とホンダ製 PU の完成度ですよ。
マクラーレン・ホンダ MP4-31 は、パッと見は昨年の MP4-30 の後期型から大きく変わっていないように見えます。少なくとも昨年の「サイズ・ゼロ」パワーユニットのコンセプトは踏襲しているようです。が、じっくり見ていくとリヤサスペンションの構成が全く違うものになっていたり、昨年は当初ロングノーズ用に開発されていたシャシーを途中からショートノーズに変更したために最適化できていなかったのが最初からショートノーズ前提で設計されていたり、いろいろと変わっていますね。またサイドポンツーン後部の絞り込みが昨年よりも少しだけ緩和されているように見えるのも、PU 開発との妥協点を見出そうという意図の現れではないでしょうか。
昨年型との比較は、F1 Fanatic の記事にある比較画像がめちゃめちゃ見やすいのでオススメ。

Compare McLaren's new MP4-31 with their 2015 car · F1 Fanatic

あと、冬季テスト開始に合わせてホンダ側のプロジェクト体制の変更も発表され、F1 総責任者の新井康久氏の交代が明らかになりました。

新井氏が退任、ホンダF1プロジェクト新体制を発表 - AUTOSPORT web
新ホンダF1総責任者が新井氏と会見「夜も眠れない」 - AUTOSPORT web

ホンダの第四期 F1 プロジェクトを当初から率いてきた新井氏がこのタイミングで退任することには賛否あるでしょうが、昨年のあの成績ではホンダとして誰かが責任を取らなくてはならなかった、というのはやむを得ない話。新井氏のマクラーレン側との軋轢は以前から指摘されていた部分ですし、また開発状況に関して誇大的にコメントして実際のパフォーマンスが伴わないケースも多々あり(このへんは国内メディアが煽りすぎた側面もあると思いますが)、いろんな意味で風通しを良くし、現状を乗り越えていく上では必要な人事だったと思うことにします。
新リーダーの長谷川氏は、ホンダの第三期 F1 にエンジニアとして参加し、撤退がなければ中本修平氏の後任として責任者となる予定だった人物とのこと。ホンダの PU はすでに昨年とは違うと言えるだけの状況が整ってきているだけに、このまま開発を加速させてくれることを期待したいですね。

ホンダ84周、フェラーリ&ベッテルが首位発進 - AUTOSPORT web
ウルトラソフトのベッテルが2日連続で最速タイム - AUTOSPORT web
で、テストのほうは

  • フェラーリの新車が好調
  • レッドブルも昨年に比べれば大きく改善
  • メルセデスカスタマー勢は団子状態
  • 新規参入ハース&PU 変更組(ルノー&トロロッソ)はまだ信頼性不足
という感じでしょうか。メルセデスだけは昨年同様パフォーマンスランよりもロングランに重点を置き、他チームとは違う次元のテストをしているようなので、よーいドンで走ったらまた圧倒的に速いのではないか、と思われます。

そしてマクラーレン・ホンダ。
とりあえず初日だけで昨年のバルセロナテスト四日間の走行距離を超えており、二日目も順調にマイルを稼いでいるようなので、今年はまず初期の信頼性については問題なさそうです。さほど良いタイムが出ているわけではないのが気になりますが、テストプログラムも違うので何とも言えません。いずれにしても昨年最大の問題のひとつだった ERS のデプロイメントの問題は大きく改善しているようですし、去年の「走れないから何が問題なのかさえ分からない」状態に比べれば、開発のベースラインが見つけられる現状は遙かにマシと言えます。正直もっと悪い地点からのスタートだと思っていましたからね...。

実際のところはオーストラリア GP が開幕してみないことには分かりませんが、マノーと最下位争いだった昨年と違い、今年は序盤からメルセデスカスタマー勢とレースができるくらいの戦闘力には仕上げてきてほしいところです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2015/12/04 (Fri.)

F1 ルノーワークス復活が(ようやく)正式発表

ルノー、F1ワークス参戦を発表。ロータスを買収 - AUTOSPORT web

昨日、ロータスの小松礼雄エンジニアがハースに移籍する話を書いたところですが、今日はルノーによるロータス買収がようやく確定したことが発表されました。両チームの間で基本合意がなされたのがもう二ヶ月以上前のことなので、そうとう待たされた感があります。ルノーがロータスの株価がギリギリまで下がるのを待っていたという噂もありますが、どうなんですかね。
ルノーは 2010 年末に手放した自らのワークス・チームを買い戻し、5 年ぶりにオール・ルノー体制で F1 に参戦することになります。とはいえ、ロータス・チームが資金難にあえいでいたここ 2~3 年はスタッフの離脱も激しく、チーフデザイナーだったジェームズ・アリソン(フェラーリに移籍)や小松礼雄エンジニアなど、主要レベルの人員すら当時とは変わってしまっているという。そもそもパワーユニットの性能も現時点ではアレだし、戦闘力まで含めた意味でのルノー F1 復活は、ずいぶん先のことになる可能性が高いです。で、ドライバーは 2015 年はまともに完走さえできなかったマルドナドと新人のパーマーですからね。不安な船出ではあります。

レッドブル、ルノー製『タグ・ホイヤー』PUを発表 - AUTOSPORT web

で、2015 年までルノーのワークスチーム扱いだったレッドブルは、結局来季もルノー製パワーユニットの継続が決定。結局、ルノー以外のどのサプライヤーからも供給を取り付けることができず、消去法での確定となりました。でもルノー自身がワークス参戦する以上、カスタマー扱いでの供給となり、また両企業間の関係が決定的なまでに壊れてしまった今、ルノーや関連企業のブランドでエンジンを搭載することさえもかなわず、なぜか「タグ・ホイヤー」ブランドをつけたルノー製 PU を使う、という。
時計メーカーのバッジをつけた PU で走るのはちょっと違和感ありますが、かつてはマクラーレンが TAG ブランド(後年ホイヤー社を買収してタグ・ホイヤーとなる会社)のポルシェエンジンで走っていたこともあるくらいなので、妙に縁はあります。個人的には、長年マクラーレンをサポートしてきたタグ・ホイヤーがついにマクラーレンを見限るということのほうが残念に感じますね。

いずれにせよ、これでようやく来季体制もほぼ固まり、F1 は改めて冬休みに入ります。次は新車発表と冬季テストの時期まであまりニュースもないと思いますが、冬の間も開発は続く。ホンダが少しでも戦闘力を身につけてくれることを、今は願っています。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2015/12/03 (Thu.)

ロータス 小松礼雄エンジニアがハース F1 に移籍

小松エンジニア、ロータスからハースへ移籍 - AUTOSPORT web

アブダビ GP 開催週のニュースになりますが、ロータスの小松礼雄チーフエンジニアが来季の振興チームであるハース F1 に移籍することが明らかになりました。

ハースと言えば、2014~2015 年にロータスのエースドライバーを務めたロマン・グロジャンが移籍することが決まっているチームでもあり、長年にわたってタッグを組んできた小松エンジニア&グロジャンのコンビが新天地でも継続することになります。新チームのポテンシャルは未知数ですが、技術的にはフェラーリのバックアップを受けることも決まっているため、初年度からそれなりの戦闘力を発揮する可能性があります(まあ、この 10 年に新規参戦したチームの多くも開幕前には同じように言われていたことが多いのも事実ですが)。

いっぽうでロータスはというと、いったんは内定したはずのルノーによるチーム買収がまだ実行に移されておらず、来シーズンの体制は未だ不透明。その上エースドライバーは 2015 年ろくに完走すらできなかったマルドナドとくれば、大きく期待できそうにありません。不安定なチームに居続けるよりも小松エンジニア&グロジャンを追ってハースに移籍するスタッフも少なくないと思われるので、来季はむしろハースがロータスを食う展開を見せてほしいほどです。その前に、ルノーがロータスを見捨てる可能性もまだ残っているわけですが...。

2015 年シーズンが終わり、ストーブリーグ自体もほぼ確定した状況ではありますが、両チームを巡る状況の変化には、冬休みの間もアンテナを張っておきたいところです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

F1 アブダビ GP 2015

アブダビGP決勝 ロズベルグが3連勝! - GPUpdate.net

2015 年の F1 最終戦アブダビ GP。例によって忙しく、ようやく録画視聴できました。

最終戦もメキシコ・ブラジルと同様に、ロズベルグが PP からポジションを譲らずに優勝。終盤戦に関して言えば、ロズベルグは 6 連続 PP に 3 連勝と、今季のチャンピオンを獲っていてもおかしくない成績を上げています。まあ、裏を返せば PP からの勝率が 50% というのが、ここ二年のロズベルグの敗因でもあるわけですが。
後半戦、特にピレリのタイヤ内圧設定が変更されて以降のハミルトンはピリッとせず、逆にロズベルグのほうが新しいタイヤ内圧に適応できていた印象で、このアブダビでもハミルトンは精彩を欠いていました。それでも、オープニングラップを制した者にそのレースの勝利券が与えられる(と言われる)メルセデスのチーム内ルールによって「管理された」レースでは、いかに中団の争いが白熱していようと、レースそのものに緊迫感が欠ける感は否めず。終盤戦は退屈なレースが続きました。まあ、パワーユニット制が導入されてからの 2 シーズンは、ヴェッテルが 4 連覇していた頃以上にワンサイドゲームが続き、退屈だったのは事実ですが。

とはいえ、ロズベルグが自信喪失したまま来シーズンに突入していてはまた退屈な今年の繰り返しにしかならないし、現時点で(マシンも含めてという意味で)ハミルトンに唯一勝てる可能性があるロズベルグに自信を持たせることはとても重要。メルセデスはラスト 3 戦の面白さを棒に振ってでも、来シーズンを盛り上げるために尽力した、とポジティブに解釈しておくことにします(ぉ

マクラーレン・ホンダも、結局最後まで戦闘力を上げることは叶わず。実際には進歩しているのでしょうが、どんなに悪くてもシーズン終盤にはポイント争いの常連になっていてほしいという願いも空しく、予選 Q3 進出すら一度も叶わないまま終戦。ライバルチームも進化しているので、ライバル以上に進歩しないと相対的にはポジションが上がらないわけですよ。今回のレースは大本営発表としてはポジティブな内容になっているようですが、とても素直には受け取れませんね。アブダビで走っていたマシンには来季の先行開発パーツが数多く取り付けられていたとしても。結局、今季をまるまる費やした実戦テストがうまくいったかどうかは、来季のチャンピオンシップが開幕してみないことには判らないでしょう。

今季は予想通りのワンサイドゲームだったし、資金力に乏しいロータスやザウバーが後半戦に失速するのも予想できた話。番狂わせと言えばフェラーリがここまで復活してくるとは思わなかったことと、マクラーレン・ホンダが最後まで戦闘力を身につけられなかったことくらいでしょうか。ドライバーに関しては、マックス・フェルスタッペンが予想以上に活躍したことと、後半戦にペレスがとても成長したことがポイントでした。
マクラーレン・ホンダは、来季は「サイズ・ゼロ」コンセプトを見直して、まずは空力よりもパワーユニットの性能を引き出せる設計にすることと、車体・PU ともに信頼性を高めることが急務でしょうね。空力優先で PU を疎かにしたという点では昨年のフェラーリやレッドブルとよく似た状況でしたし、少なくとも PU 開発を優先したフェラーリに関しては、今年は躍進できたので。空力重視はレギュレーションが大きく変わる 2017 年以降でいいと思います。

ひとまずはこれにてシーズン終了。引き続きアブダビで行われているオフシーズンテストではマクラーレン・ホンダが最速タイムを記録したというニュースも流れているので、あまり期待しすぎない程度に期待して(笑)来季を待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:45 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/11/20 (Fri.)

F1 ブラジル GP 2015

ブラジルGP決勝 ロズベルグが優勝 - GPUpdate.net

転職したら急に忙しくなってしまい、ようやくブラジル GP の録画観戦を完了しました。

メキシコからの好調を維持するロズベルグが、ブラジルも予選から決勝まで席巻して完勝。といってもロズベルグがハミルトンを完全に上回ったというよりは、チーム方針によって勝たせてもらったという意味合いの強い勝利でした。もともと、昨シーズンに二人の関係が悪化したあたりから「オープニングラップを制したドライバーが勝利の権利をもつ」という暗黙のルールがメルセデス・チーム内にはあるように見受けられます。今季はチャンピオン争いの間はそれでもハミルトン側からの仕掛けがいろいろとあり、結果ロズベルグがそのプレッシャーに負けて自滅、というレースが多かったですが、アメリカ GP でドライバーズタイトルが確定して以来、いよいよこのルールが厳格に適用されるようになった...言い換えれば、ロズベルグに優先権のあるレースでハミルトンが勝とうとすることが許されなくなったようです。

チームとしては、現在のハミルトン+ロズベルグが理想的な布陣であり、ロズベルグがチームに対する不満を溜めて離脱するような状況は避けたいため(代わりに来るのがヴェッテルやアロンソクラスだったとしてもロズベルグ以上の確執の種になるし、明確なセカンド級ドライバーだと現在よりチーム力が下がってしまう)、ここでロズベルグのガス抜きをしつつ自信を取り戻させたい、といったところでしょうか。
ハミルトン的には勝てる可能性のあるレースで何もさせてもらえず、ロズベルグが勝つのを見ているだけ、というのはフラストレーションが溜まるでしょう。チャンピオン獲得決定後であってもレースはレース、とにかく勝ちたいというのはレーサーとしては当然の欲求だし、理解できます。でもそれ以上にいち F1 ファンとして、こういうレースは面白くない。現時点でメルセデスに対抗し得るマシンはメルセデスだけであり、その二台のデッドヒートこそ観たいわけですよ。
中団はコンストラクターズランク争いが佳境に入り、今回もヒュルケンベルグやグロジャン、フェルスタッペンらのポイント争いは見応えがありましたが、全体的には動きの少ない、単調なレースでした。

マクラーレン・ホンダは今回も...orz。終盤戦向けに投入したパワーユニット「スペック 4」も大きなパフォーマンスアップを果たしたとは言いにくく、信頼性に関する問題も相変わらず出続けているという八方塞がり。せめて、レースごとに少しずつパフォーマンスが上がり、それに伴ってときどき信頼性トラブルが発生する、というようなサイクルであればまだ希望も持てるというものですが、信頼性もパフォーマンスもずっと低いまま、では今後の展望もへったくれもないわけです。最終戦アブダビ...も辛いんだろうなあ...。

投稿者 B : 23:23 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/11/03 (Tue.)

F1 メキシコ GP 2015

メキシコGP決勝 ロズベルグが復活のレースを制す

23 年ぶりに復活したメキシコ GP。前回のレースは 1992 年、あのナイジェル・マンセルがウィリアムズ・ルノーで勝ちまくり、初戴冠した年(さらに言えば第二期ホンダ F1 の最終年)なわけで、そうとう久しぶりにメキシコでの F1 が復活したことになります。メキシコからペレスやグティエレスを F1 に送り込んだ大富豪、カルロス・スリムさまさまといったところですね...。
あまりに久しぶりすぎてどんなサーキットだったかも忘れていたんですが、そうそう、一部をオーバルコースと共有した、直線主体のサーキットでした。レイアウトとしてはイタリアのモンツァに近い高速サーキットですが、路面がバンピーだったり、高地ゆえに空気が薄く、エンジンにも厳しいなど、難しさもあります。

今回は久しぶりにロズベルグのためのレースでした。ポールトゥフィニッシュは実に半年前のスペイン GP 以来で、今季のロズベルグがいかに PP を優勝に結びつけられなかったか(しかもそれがワールドチャンピオンを逸した大きな原因となった)を物語っています。シーズンのもっと早い時期にこういうレースができていればと思いますが、残り二戦でもこういう走りを続けて、来季改めてハミルトンに挑戦していってほしいところ。終盤、トップ走行中に一度コースオフする場面があり、また自滅してハミルトンに抜かれるか?というシーンがありましたが、直後にハミルトンもコースオフしたことで救われました。それだけ路面が読みづらく、またブレーキに厳しいサーキットだということでしょう。
対するハミルトンの走りも悪くはありませんでしたが、レース中にある程度以上ロズベルグに近づくことができないまま 2 位フィニッシュ。自分と同じマシンをオーバーテイクするのは本来とても難しいということを、久しぶりに見せつけられた気がします。

一方で、どうしちゃったの?という感じだったのがフェラーリの二台。ヴェッテルはスタート直後にリカルドと接触し、タイヤをパンクさせて緊急ピットイン。その後はなんとか追い上げを見せていたものの、18 周目に単独スピン、52 周目にもコントロールを失ってウォールに激突。ブレーキや路面の問題かもしれないし、来季向けの開発パーツを投入したことでバランスが狂ったという可能性もありますが、ヴェッテルにしては珍しいミスの連発だったのが気になります。
また、ライコネンは 22 周目にボッタスと接触。後ろからインに入り込んできたボッタスに対して、ちょっと無理にドアを閉めすぎたために起きたクラッシュで、ライコネンはそのままリタイア。フェラーリ残留が決まったイタリア GP あたりからしばらく好調だったライコネンですが、ここ数戦は若手ドライバーとの接触が続いていて、何か焦ってるの?と感じるような落ち着きのない走りなのが気になります。両ドライバーともにチャンピオン経験のあるベテランらしくないミスが目立ったレースでした。

マクラーレン・ホンダはトラブル続きで全くいいところなしのグランプリでした。まず予選ではバトンがパワーユニットのトラブルで Q1 に出走できず、最後尾からのスタートが確定。アロンソも Q1 突破ならず、16 番手からのスタートとなります。決勝も決勝で、スタート前からアロンソ車のパワーユニットに問題があることが発覚、スタートして 1 周だけ走ってそのままガレージに格納...という残念な結果に。バトンのほうも、決勝はほとんど良いところがなく、マノーの前という定位置でのフィニッシュ。トラブル続きだったにも関わらずなんとか完走できた、というのが唯一の「いいニュース」でしょうか。
性能向上のために PU に手を加えるということは、一時的には信頼性を犠牲にすることなので仕方ないとはいえ、改良を加えてもトラブルが多発するばかりでそれほどパフォーマンスが向上していかない、という厳しい状況に陥っているのが今のホンダ。残り 2 戦を来季の先行開発と割り切るにしても、ここまでトラブル続きだとその開発も覚束ないわけで。期待したかった来季についても、現時点で黄信号が灯っているのでは...と悲観的になってしまいますね。

今季の残り 2 戦は、ブラジル~アブダビとあまり一般的ではないタイプのサーキットが続きます。いずれも波乱の起きやすいサーキットなのでマクラーレンの入賞にも期待がかかりますが、それよりもきっちりとテストをし、データを蓄積することを優先してほしいですね...。

投稿者 B : 17:30 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/10/26 (Mon.)

F1 アメリカ GP 2015

アメリカGP決勝 ハミルトン優勝で3度目タイトル獲得!

2015 年シーズンも終盤にさしかかった F1、最後のアメリカ大陸遠征ラウンド初戦でハミルトンがついに三度目のドライバーズチャンピオンを確定させました。

ハリケーンの上陸でフリー走行から荒れに荒れた、オースティンの天候。土曜日には予選が実施できず、日曜日の午前中に順延。その上 Q3 までもが中止され、Q2 でのタイム順でスターティンググリッドが決まる、というなかなかシビレる展開。そこで PP を射止めたのはロズベルグでしたが、スタート直後のデッドヒートでハミルトンにコース外に押し出され、ハミルトンが首位に。
その後はなかなか回復しない路面状況において、ダウンフォースとメカニカルグリップに優れるレッドブルの二台がレースを面白くします。濡れた路面での回頭性が明らかにメルセデスよりも高く、クビアトとリカルドが交互にハミルトンを攻め立てた結果、リカルドがトップに。しかし路面が乾き始めると形勢逆転し、あっという間にメルセデスが逆転。前半と後半で、まるで異なるレースを観ているかのようでした。結局ドライコンディションなら戦略もテクニックもなくパワーユニットの優劣でレースが決まってしまうのね、というのが如実に見えて、なんだかなあ、という。

中盤はロズベルグがレースを引っ張ったものの、自らのミスによってハミルトンに逆転を許してからは、完全にハミルトンのレース。その後は後続に影を踏ませることなく、いつものような余裕を持ってチェッカーを受けました。とはいえ、ハミルトンにとっては前半が苦しみに苦しんだレースであり、実力で勝ち取った勝利。やはり、今シーズンのチャンピオンは文句なしにハミルトンだと言えます。個人的にはこういう悪天候のレースならもっと順位にシャッフルがあってほしかったところですが、ポディウムに立った三人はいずれも今季の優勝経験者であり、結果として勝つべき人が勝ったレースでした。

マクラーレン・ホンダに関しては、まずは今季ベストリザルトとなる 6 位入賞おめでとう!と言いたいです。
この週末の戦い方としては、まずは前戦ロシアで動作チェックまで済ませた新スペックのエンジンをアロンソ車だけに本格投入。その成果もあってか、アロンソは今季予選ベストの 11 番グリッドを獲得。スタートもうまく決め、一気に順位を上げたかに見えましたが、ウェット路面が苦手なマッサ()にぶつけられてほぼ最後尾にまで後退。それでも何とか順位を上げて、一時は 5 位を走行したりもしましたが、最後はタイヤがもたずにポイント圏外の 11 位フィニッシュがやっと。とはいえ、終盤にセーフティカーが導入された際にアロンソとバトンで戦略を分け、アロンソをステイアウトさせた結果(、バトンが 6 位入賞できた)なのでこれはやむを得ません。
バトンに関しては、初優勝の 2006 年ハンガリー GP の例を出すまでもなく、現在の F1 界随一のウェットの達人。路面状況の変化に合わせていち早くドライタイヤを試し、半濡れの路面でコントロールしきったことが入賞を引き寄せたと言えます。新型パワーユニットのアロンソではなく旧型のバトンが入賞したことはちょっと皮肉ですが、予選・決勝ともに今季最高の結果を残せたことは、このシーズン終盤にあっては来季に向けた好材料でしょう。

コンストラクター・ドライバーの両タイトルが確定したことで、残り 3 レースは消化試合となってしまいましたが、逆に言えばここから 3 戦は来季に向けた先行テストを兼ねるわけで。来シーズンの勢力図の変化を占う意味では、引き続き見逃せないレースです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/10/12 (Mon.)

F1 ロシア GP 2015

ロシアGP決勝 ハミルトンが優勝、PPスタートのロズベルグはリタイア
最終ラップのクラッシュでライコネンにペナルティ
マクラーレン 運も味方してポイント獲得 - GPUpdate.net

二年目の開催となったロシア GP。鈴鹿から 2 戦連続でロズベルグがポールポジションを奪い、チャンピオンシップ争いでハミルトンに一矢報いるか...と思われましたが、スタートこそ良かったものの序盤でロズベルグ車にスロットルペダルのトラブルが発生。あっけなくハミルトンに首位を譲り、本人はそのままスローダウンしてリタイア...という、何とも残念な結果になりました。
一方のハミルトンは、ロズベルグからトップを奪ってからは危なげないレース。1 ストップ作戦を採ったペレスにも追いつかれることなく、最後までレースをコントロールしきってヴェッテルに並ぶ通算 42 勝目を挙げました。

勢いに乗っているドライバーにはシーズンを通してほとんどノートラブル、逆にチームメイトの方にばかりトラブルやアクシデントが続く、というのは F1 ではよくあること。最近ではレッドブルのヴェッテルとウェバーの関係だったり、フェラーリでのシューマッハーとバリチェロの関係だったり。それもレースだし勝負であるのが非情なところです。
結果として、残り 4 戦でハミルトンとロズベルグは 73pt 差。むしろ今回 2 位に入ったヴェッテルがロズベルグを逆転して、ハミルトンと 66pt 差、という状況になりました。ロズベルグは残り 4 戦中 3 勝してハミルトンがノーポイントでようやく逆転できるようなポイント差がついてしまいましたし、ヴェッテルにしてももはや自力チャンピオンはない(残り全勝してもハミルトンが全て 2 位だったら逆転はできない)という、もはや「誰がチャンピオンになるか」ではなく「ハミルトンがどのグランプリでチャンピオン防衛を確定させるか」に移った、と言って良いでしょう。ちなみに、コンストラクターズ部門は今回のライコネンへのペナルティにより、本グランプリでメルセデスの連覇が確定しました。

今回は(今回も)国際映像がハミルトンを映すことがほぼないくらいの独走状態でしたが、むしろ面白かったのは中団争い。フェラーリとウィリアムズの争いに、1 ストップ作戦を採ったペレスが絡んでくるなど、久しぶりにタイヤ戦略に違いによる駆け引きを堪能できたレースだと思います。接触も多かったですが、それだけ拮抗していたことの裏返しでしょう。

マクラーレン・ホンダに関しては...まず予選はバトンが Q2 進出して 13 位グリッドを獲得。これ自体は凡庸な結果ですが、これでも今季の予選結果の中ではかなり出来が良いほう。順位よりも良かったのはタイムのほうで、Q1 突破タイムでは 10 番手タイムのコンマ 1 秒落ち、というのは希望の持てる内容です。
アロンソは Q1 敗退だったものの、フリー走行では最後の開発トークンを投入したパワーユニットを持ち込んでおり(予選~レースでは不使用)、チームとしてもこの新 PU の手応えは掴めたということなので、これまた期待が持てます。まあ、期待が持てるといっても今季の残りレースではなく、来季に向けてではありますが(泣
決勝は、スタートでうまく順位を上げたバトンが一時ポイント圏内を走行したものの、例によってアロンソと共にズルズルと後退。これはもう今季見慣れた展開になってしまったので何も言いませんが、根気強く走り続けた結果、(他車のリタイア等にも助けられて)バトンが 9 位 2pt を獲得。アロンソもコース上では 10 番手フィニッシュをしたものの、レース後のペナルティで 5 秒加算されて残念ながら 11 位。目先のマシン状況は相変わらず苦しいものの、今後に向けていろいろと希望が持てるレースだった、と言えるでしょう。

次からはアメリカ、メキシコ、ブラジルのアメリカ大陸三連戦。リアルタイム観戦が厳しいレースが続きますが、録画視聴するまでできるだけ情報をシャットアウトして臨みたいと思います(汗。

投稿者 B : 22:36 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/10/02 (Fri.)

F1 グロジャンのハース入りが正式発表

ハース レースドライバーにグロージャンを起用

ルノーによるロータス買収発表時にチーム離脱が濃厚視されていた R. グロジャンが、来季新規参戦するハース F1 チームへの移籍を発表しました。

グロジャンにしてみれば、長年サポートしてくれた母国の石油企業トタルとの関係もあるし、もちろんフランス人ドライバーとしてはオール・ルノーチームで走りたい思いはあったはずですが、いつ消滅してもおかしくないチームへの残留に望みをかけるよりは来季のシートを確保することを優先したのでしょう。一度居場所を失ったらカムバックは並大抵のことではできない、というのは小林可夢偉の先例を見ても明らかですし。

もちろん、グロジャン自身が言及しているとおり、ハースはチーム設立当初からフェラーリの支援を受けており、事実上フェラーリの B チームと言ってもいい体制で、マシンも多くの部分にフェラーリ製コンポーネントを搭載予定、などポジティブな要素は数多くあります。1~2 年後にやってくるであろうライコネンの引退を見据えてフェラーリ・ファミリーに加わっておきたい、という目論見もあるはず。その際にはヒュルケンベルグやグティエレスとシートを争うことになるでしょうが、確かにこの三人の中であれば、今はグロジャンが駆る紅いマシンを見てみたい気はします。

ただ、いずれにしても参戦初年度は苦労するでしょう。フェラーリのパーツが使えると言っても、例えば今はなきケータハムだって、エンジンとギヤボックス、リヤサスペンションあたりまでの主要コンポーネントが当時の最強レッドブルと同等(型落ちのものもあったんでしょうが)だったにも関わらずあの体たらくでした。結局は、マシン全体の開発が最適化できて、レースでのセットアップまで含めて仕上げられなければポテンシャルを活かし切れない、ということかと。それならば、来季メルセデス製 PU にスイッチするマノーのほうがよほど健闘するんじゃないかと思います。
B チーム化という意味ではマノーも事実上メルセデスの B チームとなる可能性が高く、近年何度か浮かんでは消えている「カスタマーシャシー制」が事実上解禁になる日も近いのかもしれません。そうすると、先日の日本 GP 前夜祭で鈴木亜久里氏が言っていた「次は(佐藤)琢磨がチーム作れ。名前は『スーパータクマ』で」という冗談が、マクラーレン B チームとして実現する可能性が(ない

さておき、ルノーによるロータス買収決定以降、いろいろなことが玉突き的に決まってきました。ということで、現時点で分かっていることをまとめてみました。

チームパワーユニットドライバー
2015201620152016
メルセデスメルセデスL. ハミルトン、N. ロズベルグ
フェラーリフェラーリS. ヴェッテル、K. ライコネン
ウィリアムズメルセデスF. マッサ、V. ボッタス
レッドブルルノー○フェラーリD. リカルド、D. クビアト
フォースインディアメルセデスN. ヒュルケンベルグ、S. ペレス
ロータスメルセデス◎ルノーR. グロジャン、P. マルドナド◎P. マルドナド、△J. パーマー
トロロッソルノー△ホンダM. フェルスタッペン、C. サインツ
ザウバーフェラーリM. エリクソン、F. ナッサ
マクラーレンホンダF. アロンソ、J. バトン
マノーフェラーリ◎メルセデスW. スティーブンス、R. メリ/A. ロッシ△P. ウェーレイン、?
ハース未参戦◎フェラーリ未参戦◎R. グロジャン、○E. グティエレス
◎:確定、○:濃厚、△:可能性あり

もう来季の体制はほとんどが決まってきましたね。あと注目はレッドブル陣営の PU がどこになるかと、ルノーのセカンドドライバーくらいでしょうか。
レギュレーション的には来季までは大きな変更はない見込みで、自ずと勢力図も今季と大きくは変わらないはず。そうなると、やっぱりレッドブル陣営がどこの PU を採用して、それがシャシーとの組み合わせでどの程度のパフォーマンスを発揮してくるか、がシーズンの行方を左右しそうです。トロロッソ・ホンダ、もしかするとマクラーレンよりもうまく PU を使いこなしてくれそうで、面白そうなんだけどなあ。

投稿者 B : 21:45 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/09/28 (Mon.)

ルノーによるロータス F1 買収が正式発表

ルノーF1復活、ロータス買収の基本合意を発表 - AUTOSPORT web

しばらく前から噂になっていた、ルノーによるロータス F1 チームの買収が正式に発表されました。

ロータスは昨年あたりから深刻な財政難にあり、特にここ数戦はレースごとに参戦できるかどうか微妙な状況という、撤退直前のスーパーアグリやケータハムに匹敵する危機に陥っていました。開幕以来まともに開発が進まず、せっかくのメルセデス製 PU を活かし切れないマシンながらも、ベルギーでグロジャンが表彰台獲得、鈴鹿ではダブル入賞、とレースではいいところを見せていたので、なんとかチーム消滅だけは避けてほしい...と祈るような気持ちで見守ってきましたが、ようやく救済の手が差し伸べられたことになります。

イギリスはエンストンにファクトリーを置くロータス F1 チームは、言わずと知れた元「ルノー F1 チーム」。さらに遡ればトールマン~ベネトンを前身とし、セナやシューマッハー、アロンソを輩出した名門チームです(かつて中嶋悟が在籍したロータスとは全くの別チーム)。ルノーがレッドブルとのジョイントに軸足を移して自前チームから手を引き、ロシア資本が入って現在のロータス・チームになりましたが、結果的にルノーがこのチームを買い戻した格好になりました。
ルノーとしては、レッドブルと組んで勝ちまくっている間はチームと車体ばかりが脚光を浴び、レギュレーションが変わって勝てなくなったとたんに「パワーユニットのせい」というバッシングを一身に背負うことに我慢がならなくなった、ということでしょうが、そこで F1 そのものから撤退という選択肢を採らないあたりが、ルノーにとって F1 がまだまだマーケティングツールとして有効であることの証左であるように思います。

ここ数年の F1 の状況を見ると、ワークス・ホンダ撤退後にレッドブルと組んで F1 を席巻したルノーが、ホンダがマクラーレンとのジョイントで復帰した後にワークスチームに戻る、というのはなかなか皮肉なものがあります。フェラーリ、メルセデスに続く第三の自動車メーカー系コンストラクターの復活ということになるわけで、もし今後アウディが噂になっているレッドブル買収で参戦してきたりしたら、2008 年以来の自動車メーカーの代理戦争という構図になってきます(まあ、アウディ・グループは VW の排ガス規制逃れ問題でそれどころではなくなりそうですが)。

ドライバーは現在の P. マルドナドの残留が発表済みですが、現チームメイトの R. グロジャンは離脱が濃厚。明日にも新興チームのハース F1 への移籍が発表されるとも言われています。フランス系チームになるのにフランス人ドライバーが離脱するというのも皮肉な話ですが、グロジャンにしてみればいつ消滅してもおかしくないチームと命運を共にするより、早く来年のシートを確定させたかったということでしょう。ルノーとしても近年の F1 参戦では特にフランス人ドライバー起用にはこだわっておらず、順当にいけば現ロータスのリザーブドライバーであるジョリオン・パーマーあたりが昇格してきそうです。

個人的には、ルノーのパワーユニット開発責任者は徳永直紀氏(最近名前を聞きませんがまだ更迭されてませんよね)、現ロータスのチーフエンジニアは小松礼雄氏と、それぞれ現在の体制から変わらなければ来季は二人の日本人がトップエンジニアとして活躍するチームになるはずで、そういう意味でも応援したいチームです。

チーム体制に関して言えば、ルノーが引き上げるレッドブル/トロロッソの PU がどこになるかにも注目。レッドブルはメルセデス PU の獲得話が破談になってフェラーリでほぼ確定っぽいですが、トロロッソにはホンダが PU を供給する、という噂も妙に現実味を帯びてきました。実現すればホンダ PU の開発スピードもこれまで以上に上がってくるはずで、そのあたりもストーブリーグ向けの話題としては見逃せそうにありません。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック