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2014/08/25 (Mon.)

F1 ベルギー GP 2014

ベルギーGP決勝 リチャルドが優勝、ロズベルグは2位

夏休み明けの F1 サーカス、ロズベルグ vs ハミルトンの戦いの漁夫の利を得たのはまたしてもダニエル・リカルド――。

F1 グランプリ屈指のドライバーズサーキットであるベルギー、スパ・フランコルシャン。とはいっても現在はかなりの高速サーキットであり、マシン特性からいってもほぼ確実にメルセデスの 2 台の優勝争いになるだろう、大穴的にはトップスピードに優れるウィリアムズのボッタス初優勝の目もあるか、と見ていました。が、蓋を開けてみるとフロントロウを占めたメルセデスの 2 台がスタート 2 周目にして接触。ロズベルグがフロントウィングを交換している隙にトップに立ったリカルドが後続を寄せ付けず、前戦ハンガリーに続く 2 連勝をマークしました。

従来、レッドブルのマシンは高いダウンフォースに支えられたコーナリングスピードを武器としていて、逆にストレートはさほど速くなかったのが、今回はトップスピード重視のセッティング。メルセデスエンジン勢にストレートで追いつかせないほどの速さを得ていたのが、勝因のひとつだと思われます。それも、単にリカルドが速かっただけでなく、リカルドの後ろについたヴェッテルが最高速を活かして後続を抑え込んだことが、強力なアシストになりました。
とはいえ、トップに立ってからほとんど国際映像に映りさえしなかったリカルドの安定した速さはさすが。去年までのヴェッテルを見ているような勝ち方で、いよいよその大器を開花させつつあるようです。メルセデスの同士討ちがあったにせよ、そういうときに勝ちに行けるチーム力はさすがチャンピオンチーム、ですね。とはいっても、レッドブルが今季 3 勝、それもヴェッテルではなくリカルドが 3 勝するとは思ってもみませんでしたが。

メルセデスは...レース後に早速「ロズベルグがぶつけたのは故意かどうか」という論戦が始まっているようです。前後のロズベルグの動きには若干怪しい部分もあったものの、起きた状況だけ見ればレーシングインシデント。ただ、今季これまでに発生した二人のドライバー間の確執、特にハンガリーでのハミルトンのチームオーダー無視が尾を引いていることも事実で、チーム側が明確なルールを決めて線を引かない限り、レース中の「事件」は今後も収束することはないでしょう。
とはいえ、フロントウィング破損・壊れたタイヤ繊維のコクピット前方への付着・左前輪のフラットスポット発生といったアクシデントが重なっても 2 位を獲れてしまうメルセデスの速さには、改めて驚かされましたが。

チャンピオンシップはこれで再び 29pt 差。とはいえ今回のようなことがある限り、今後のレースもメルセデスの二人がクリーンに戦うとは限らないわけで、まだまだ何が起こるか分かりません。特に、今季は最終戦がポイント二倍となれば、現在トップから 64pt 差のリカルドも、残りレースで 50pt 差以内に縮めることができれば「奇跡の大逆転」もあり得ます。むしろそれくらい混戦になってくれたほうが面白いのですが(笑)、それもこれもメルセデスのチームガバナンス如何にかかっていると言えるでしょう。個人的には、混乱に乗じてでもいいから、ボッタスが 1 勝くらいしてくれないかなあ、と思っていたり。

それから可夢偉がレースシートを喪ったケータハム。替わったロッテラーは決勝が始まって数周でリタイアするという残念な結果に。これではロッテラーのみならず、シートを譲った可夢偉も浮かばれません。ケータハムチーム自身は、もう継続的な開発とかリザルトの向上を志向していないのでしょうが、何ともやりきれませんね。
いろいろ流れてきている情報によると、次戦モンツァでも可夢偉の復帰は厳しく、別のペイドライバーに置き換えられる可能性が高いようです。となると、現実的には可夢偉が次に走れるのは日本グランプリということになるでしょうか。もはや完全に手詰まりの状況にも思えますが、せめて出走するチャンスでは来季につながる走りを見せてほしいですね...。

投稿者 B : 22:45 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/08/21 (Thu.)

可夢偉がベルギー GP のレースシートを喪失

ケータハム 可夢偉に替えてロッテラーをベルギーGPに起用
可夢偉 「ファンに申し訳ない」 - GPUpdate.net

今週に入ってから不穏な噂が流れ始め、とてもとても不安でしたが、ベルギー GP の開幕を目前にしてケータハムがベルギー GP で小林可夢偉に替えてアンドレ・ロッテラーをレースドライバーに起用することを正式に発表しました...。

正直、この人事には「なぜ」という疑問がいろいろと拭えません。まあチーム自体がトニー・フェルナンデスから謎の投資グループに売却され、当初のドライバー契約がいつ反故にされてもおかしくない状況ではありました。それに、チームとしても持参金つきのドライバーを確保したい思惑もあったことでしょう。が、ロッテラーといえば日本の国内レースで活躍するベテランドライバーですよ?年齢的にもこれから F1 にステップアップしようという時期じゃないだろうし、記念レース的なスポット参戦のための資金持ち込みだとすると、どうにも釈然としないものがあります。

ケータハムチーム的には夏休みを挟んでようやくシーズン初めてのまともなマシンアップデートが実施され、以前のマシンを知るドライバーとともに煮詰めていかなくてはならないタイミング。新人のエリクソンでは荷が重いだろうに、マシン開発よりも資金持ち込みを優先するということは、もはや今シーズンの成績向上は捨ててかかっているとしか思えません。今からマルシャに追いつくことは不可能に近いですが、同じくノーポイントのザウバーであれば、レース展開次第では逆転はあり得ます。ロッテラーは今回のみの出走になる可能性が高いため、次のモンツァでは再び可夢偉がレースシートに座るのかもしれませんが、また別の持参金つきドライバーが現れないとも限らないわけで。

結局、まともなマネジメント体制も持たずに F1 チームとの交渉を続けて、シーズン当初から売却を前提としていたチームに無償奉仕の形で加入した時点から間違っていたということでしょう。少なくともこれまで、中堅以上のチームからテールエンダーに移籍して再び日の目を見たドライバーは、F1 には皆無。ケータハムの来季のシートはもう考えない方が良さそうだし、ポジティブな要素が浮かびませんね。ひとまずは、モンツァ以降でもう一度走るチャンスを掴み、鈴鹿に戻ってきてくれることを祈るばかりです。

投稿者 B : 23:11 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/27 (Sun.)

F1 ハンガリー GP 2014

ハンガリーGP決勝 波乱のレースでリチャルド2勝目!

夏休み前最後のレースであるハンガリー GP。比較的初優勝を生みやすい、荒れやすいサーキットであり、低速でマシン性能の差が出にくいサーキットでもあるので、何か波乱があるんじゃないかと期待していました。

波乱の予兆は予選 Q1。フリー走行全セッションでトップタイムを記録していたハミルトンが、Q1 の序盤にマシンから発火してノータイム。ダメージが大きかったためほぼ「全取っ替え」での決勝を余儀なくされ、ピットレーンからのスタートとなりました。今季ここまで、マシントラブルはハミルトンの側に集中していて、ツキに見放されている印象を受けます。とはいえ、前戦も 20 番手スタートからの 3 位、今回もピットレーンスタートからの 3 位なので、最も悪運が強いという見方もできますが...。
逆に PP から圧勝かのように思われたロズベルグ。序盤はまさに独走の様相を呈していましたが、セーフティカー導入による混乱でトップを明け渡し、その後もしばらくはペースに伸び悩んでアロンソに抜かれるなど、苦しいレースになりました。ヴェルニュをなかなか抜けず、早めのピットインでアンダーカットには成功したものの、その後はタイヤ交換を引っ張っていたハミルトンに数周にわたって抑え込まれ、リカルドとアロンソを追撃するチャンスを奪われます。ハミルトンとしてはロズベルグに 1pt でも多く与えたくなかったためにチームの指示を無視して僚友を抑え続けたのでしょうが、結果的にはここでハミルトンが譲っていたら、最後にはロズベルグに先行されていた可能性が高いので、ハミルトン個人にとっては正しい選択をしたと言えます。まあ、これでロズベルグやチームとの溝がさらに深くなったことも間違いないでしょうが。

2 位のアロンソは、最後フレッシュタイヤで勢いのあるオーバーテイクを仕掛けてきたリカルドには勝てなかったものの、ハミルトンがアロンソへの攻撃よりもロズベルグへの防御を優先したこともあり、今季最高位をゲット。アロンソは常にマシン性能以上のリザルトを持ち帰ってきますが、今回もその能力を遺憾なく発揮したと言えます。マシン性能に劣り、タイヤライフも尽きた状況でリカルドにしか抜かれなかった走りは現代 F1 随一のテクニック。ピット戦略も、フェラーリにしては珍しくギャンブルに出ましたが、それが功を奏した形になりました。現在の戦力では逆立ちしたって勝てないんだから、いつもの杓子定規な戦い方じゃなくて、こういう奇策こそ今のフェラーリには必要なんですよ。そして、アロンソにはその奇策を実行できるだけの能力があります。
ライコネンも、その杜撰なストラテジーのせいでまたしても Q1 落ちの憂き目に遭いましたが、久しぶりにライコネンらしい走りを披露して 6 位入賞。マシンのセットアップもようやくまとまり始め、ライコネン自身が今季のブレーキシステムにも馴染んできたのか、フェラーリチーム自体にようやく上昇傾向が見えてきました。

そして素晴らしかったのはやはりリカルドですよ。初優勝のカナダといい、このハンガリーといい、オーバーテイクが難しく SC が導入されやすいサーキット。言い換えれば「何かが起きたときにいいポジションにいないと勝てないサーキット」でもあります。こことモナコで勝てるドライバーは底力があり、かつ「持ってる」ドライバーだと思うわけで、そういう意味ではリカルドは間違いなく「持ってる」。終盤にハミルトンとアロンソを立て続けに料理したオーバーテイクは、じつに創造性に溢れていました。
今季ここまで、完全にチャンピオン・ヴェッテルを食ってしまっていますが、この流れを維持すればチームからもエースドライバーと見なしてもらえる可能性も高いのでは。今季のチャンピオンシップはもうほぼ目がない状況ですが、来季は十分にチャンピオンシップに絡める資質を持っています。そうなったときに、僚友ヴェッテルとの関係がどうなるか、というのも興味深いところ。

F1 はこれから 3 週間あまりの夏休みに入ります。とはいえこの間にもマシン開発は続くわけで、明けたベルギーでどう勢力図が書き換わっていることでしょうか。そして、この間にメルセデスは二人のドライバーの関係をどう修復するのか、あるいは何もしないのか。同門対決となったときにドライバーの人間関係が泥沼化するのはもう避けようもないことは歴史が証明していますが、一時のマクラーレンやレッドブルのような後味の悪い状況にだけはならないでほしいものです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/21 (Mon.)

F1 ドイツ GP 2014

ドイツGP決勝 ロズベルグが優勝、ボタスが2位、ハミルトンは3位

サッカーワールドカップの優勝に次いで、自国 GP で自国チームの自国人ドライバーが優勝というのは、母国民にとっては何物にも代えがたい喜びではないでしょうか。もし日本でそういうことが起きたとすると、自分自身も勇気をもらえるだろうし、国そのものの活気にさえ影響しそうです。

というわけで、ロズベルグは母国グランプリを PP からいつも通り危なげなく初勝利。前戦ではマシントラブルによりハミルトンの母国優勝を許してしまいましたが、その次のレースで雪辱を果たしました。
このドイツから、メルセデスの技術的優位性のひとつとされてきた FRIC サスペンション(前後のサスペンションを連動させることでクルマの姿勢を調整して、ブレーキング中は前傾姿勢を強めてダウンフォースを増し、逆にストレートではフラットな姿勢にすることでドラッグを抑制して最高速を伸ばす仕組み)が突如禁止されました。それに各チームのテクニカルアップデートもあって、予選タイムを見る限りではメルセデスと他チームとの差は少し埋まったようには見えますが、スタート直後から誰にも脅かされることなく勝ったロズベルグや最後尾から 3 位に食い込むハミルトンの走りを見ると、やはり今後もそうそう他チームが追いつけるとは思えません。結局、最終戦までロズベルグとハミルトンの一騎打ちの構図は変わらないでしょうね。

イギリス GP での勝利により、ロズベルグに 4pt 差まで迫ったハミルトンには、予選 Q1 で今回もハミルトンだけにトラブルが発生。コーナリング時にリヤのブレーキが抜けてしまい、ウォールに激しく激突して Q2 出走ならず、ギヤボックス交換からの 20 番手スタートとなりました。しかも途中接触により手負いのマシンとなりながらも 3 位という結果は、W05 の速さとハミルトンのアグレッシブな走りによって達成された、優勝にも等しい敢闘でしょう。ただし中盤のピットタイミングがもう少し良かったり、接触によるエアロバランスの悪化がなければ 2 位も十分あり得たので、そういう意味ではもっとやりようが合ったのでは...とも思います。
ロズベルグとの差はまた 14pt に開いてしまいましたが、まだ中盤戦だし、最終戦ポイント 2 倍というクイズ番組のような今季ルールを鑑みれば、この差はほぼないも同然。個人的に、F1 では勝っているドライバーよりも追いかけているドライバーを応援したくなってしまう性分なので(笑)、ハミルトンが今後どのようにロズベルグに挑んでいくか、非常に興味深く見ています。

そのハミルトンを抑えて 2 位を獲得したのはウィリアムズのボッタス。デビュー 2 年目にして 3 戦連続の表彰台というだけでも立派ですが、さらに今回はメルセデスの一角がリタイアしたわけではなく、終盤ハミルトンを抑えきっての 2 位なので、ここまで 3 回の表彰台で最も価値があると言えます。そろそろ持ち前の速さに安定感が備わり始め、表彰台争いをする走り方が解ってきた印象。メルセデス W05 の速さが圧倒的なので、実力だけで勝つことは難しいでしょうが、このポジションを今後もキープできれば、メルセデス側にトラブルがあったときの棚ぼたは十分にあり得ます。早ければ今季中にも初優勝の目はあるんじゃないですかね。
同郷のライコネンが今季まったく精彩を欠いているので、「フライング・フィン」の称号はそろそろボッタスのもの、と言って良いんじゃないかな。

今回はハミルトンがテールエンドからのスタートになったことで優勝争いとしては退屈なレースでしたが、各チームのクルマが煮詰まり始めたのか、中盤の争いが激しくなってきて、たいへん見応えがありました。特に 3 位以下でのヴェッテル、アロンソ、ライコネン、バトンをハミルトンが追い上げていくワールドチャンピオン同士の戦い、そこにボッタス、リカルド、ヒュルケンベルグあたりも絡んで手に汗握るオーバーテイク合戦。サイドバイサイドのみならず、3 台が横並びでコーナーに突入していく駆け引きとか、世界最高レベルのバトルはさすが F1。来季はレギュレーションの変更が大きくないためマシン開発は継続的に行われるでしょうし、この状況が続けば終盤戦まで飽きずに楽しめそうです。

夏休み前最後のレースは来週のハンガリー。F1 屈指の低速サーキットで、初優勝が生まれやすい場所でもあります。個人的にはそろそろボッタスの初優勝が見たいところですが、ストレートスピードが物を言うコースではないので、やっぱりメルセデスのどちらかかなあ...。

投稿者 B : 10:37 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/07 (Mon.)

F1 イギリス GP 2014

イギリスGP決勝 ハミルトンが波乱のレースを制し地元優勝を果たす

ロズベルグが 29pt リードで迎えた伝統のイギリス GP。このままシーズンがロズベルグの流れになるか、ハミルトンが反撃の狼煙を上げるかの分かれ目になると言えたレースでしたが、予選の雨が波乱を呼びました。

予選 Q1 は雨、出走のタイミングの関係で何とウィリアムズとフェラーリが Q1 落ち。そしてマルシャの 2 台が Q2 に進むという、驚くべき結果となりました。マルシャはさらに Q3 進出の一歩手前(ビアンキが 12 番グリッドを獲得)という番狂わせ。まあ、ビアンキは若手の中でも実力のあるドライバーですし、昨年パット・シモンズが作り上げたチームの地力が高まってきてテールエンダーから脱しつつあるとはいえ、これにはさすがに驚き。
そして、PP ロズベルグとハミルトンの間にはヴェッテル、バトン、ヒュルケンベルグ、マグヌッセンの 4 人が入り、ハミルトン 6 番手。これも Q3 中のピットインタイミングの読み誤りが原因ですが、これで今回もロズベルグのレースになり、シーズンの流れを決定づけるのかとこの時点では思っていました。

が、決勝は予選以上に波乱の展開に。スタート直後の混戦でライコネンがコースアウト→スピンし、その事故にマッサも巻き込まれる形で 2 台がリタイア。その後 1 時間以上の赤旗中断を挟んでレースが再開するわけですが、中断した時点で 4 位までポジションを上げていたハミルトンが、リスタート後に難なく 2 位にジャンプアップ。その後はいつもの 2 台のマッチレースになりました。
今シーズンここまでの流れからいくと、メルセデス W05 同士であれば基本的には前を走っているほうが空力的に有利でなかなか抜くことは難しく、また信頼性の問題から本気のバトルはさせないチーム方針であることも考えると、このままの体勢でゴールまで進むのか、と思いました。が、中盤にギヤボックストラブルでロズベルグが突然のスローダウン!そのままリタイアとなり、ハミルトンがロズベルグとの差を一気に 25pt 詰める結果になりました。

いやあ、前戦終了時点での 29pt 差が「1 レース無得点で終えても、まだトップを守っている状態」とは書きましたが、それが次戦でいきなり 4pt 差にまで縮まるとは。これこそがレース、何が起こるか判らないものです。
特に、今季はここまでハミルトンの側にトラブルが発生する率が高く、ロズベルグは比較的トラブルフリーで来ていたのが、ここに来ての単独トラブル。こういうときに勢いに乗るのがハミルトンというレーサーだし、こういう展開に焦りそうなのがこれまでのロズベルグのキャリア。ロズベルグのホームグランプリとなる次のドイツでハミルトンが勝ったとすれば、大きなアドバンテージを築くことができそうです。二人の心理戦、という意味では、実に面白い状況になってきました。

今回は 2 位以下のバトルもなかなか熱かったですね。前戦で初表彰台を獲得したボッタスが、自身の最高位を更新する 2 位表彰台。3 位にも今季気を吐いているリカルドが入り、今後この二人は表彰台の常連になっていきそうな気配を感じます。残念ながら母国でのポディウムはならなかったバトンも、なかなか速くならないクルマ(空力の良し悪しもあるけど、他のメルセデスユーザーとは違ってメルセデス側から必要な技術提供やソフトウェアアップデートを受けられていない、という話も聞きます)で健闘し、4 位フィニッシュ。5-6 位のヴェッテルとアロンソの鍔迫り合いも熱かった。最終的にヴェッテルが勝ったとはいえ、アロンソらしい「いやらしい」(誉め言葉)ブロッキングでヴェッテルを翻弄しました。が、接触すれすれでありながらもクリーンでレベルの高い丁々発止が見られたのは、現役最高のドライバー二人のバトルであったからこそと言えるでしょう。

現代的なティルケサーキットもいいけど、やっぱりレースはドライバーの力量が問われるクラシカルサーキットや公道サーキットが面白いんだなあ、というのを改めて実感したイギリス GP でした。

投稿者 B : 01:01 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/03 (Thu.)

ケータハム F1 チームが身売り

フェルナンデス ケータハムF1チームを売却

ああ...orz

開幕前からチームオーナーのトニー・フェルナンデスが「今季結果が出なければ撤退する」と明言しての参戦だったので、その可能性は十分にあったケータハムのチーム売却。シーズンの折り返し地点を待たず、チームの本拠地であるイギリス GP を控えての発表となりました。
まあ、直近のライバルであるマルシャが荒れたモナコ GP で 9 位入賞、現在のチーム力を考えるとこれからの逆転は絶望的という状況にあっては、まだ来季に向けた準備が本格化する前の売却決定は、チームの来シーズンにとっては良い判断と言えます。が、これから今季の成績を上げるために資金を注入してくれる人がいない(新しい経営陣も投資は来季のためにするでしょうし)という状況は、今季がおそらく最後の勝負の年となる可夢偉にとっては絶望でしかありません。

新しいチームオーナーはスイスと中東の投資家グループ。投資家に買われた F1 チームが成功した試しはなく(短期的には、ジェニイ・キャピタルに買収された現在のロータスが過去 2 年は悪くない成績を残したものの、今季は資金難で売却間近とさえ言われている)、さらにアドバイザーとして元スパイカー/HRT のコリン・コレス、チーム代表は 2005~2007 年にミナルディ~MF1~スパイカーのドライバーだったクリスチャン・アルバース。顔ぶれからしても、どうにも成功する気がしません(´д`)。

今季ここまでで最も意気消沈するニュースにがっかりしていますが、コンストラクターズ的にはマルシャはともかくザウバーの尻尾は見えている状況。実力でオーバーテイク、はそれでも難しいですが、レース展開次第では上回れる可能性もあります。イギリス GP での可夢偉の発奮に期待したいと思います...。

投稿者 B : 23:26 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/06/23 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2014

オーストリアGP決勝 ロズベルグが優勝、ボタスが3位表彰台を獲得

11 年ぶりの開催となったオーストリア GP。結果だけ見ればメルセデスの 1-2 といういつも通りのリザルトではありますが、内容的には前戦カナダに並ぶ面白いレースになりました。

波乱はまず予選から。今季の直線番長・ウィリアムズ FW36 とレッドブル・リンクの相性が良く、フリー走行から上位タイムを占めていました。が、メルセデス有利は変わらず...と思いきや、メルセデスの 2 台がお互いを意識するあまりか、ハミルトンが予選 Q3 ノータイム(1st アタックが白線越えででタイム抹消、2nd アタックではブレーキトラブル?でスピン)、ロズベルグがハミルトンのスピンの煽りを喰って 2nd アタック時にタイムを出せない、というアクシデントが発生。その結果、ウィリアムズがフロントロウを独占する、という予想だにしなかったグリッド順に。まさに、カナダで起きた「メルセデスの二台が競った結果、他者が漁夫の利を得る」という状況の再現になりました。

決勝は、3 番グリッドからスタートでボッタスをかわし、1st スティントでアンダーカットを成功させたロズベルグが難なく勝利。予選ノータイムで 9 番手スタートとなったハミルトンもスタートでジャンプアップし、最終的にはロズベルグの背後にまで迫ったものの、2 位フィニッシュ。そして、ボッタスがキャリア初となる 3 位表彰台を獲得しました。ボッタス、おめでとう!
ウィリアムズは 3-4 フィニッシュを果たし、メルセデスだけ別カテゴリに近い力関係の中では実質優勝にも等しい健闘と言えます。が、ピット戦略を間違えなければ勝てる可能性は十分にあったし、悪くても 2 位は獲れていた可能性は高く、その意味で課題の残るレースだったと思います。中継の中で森脇さんが仰っていたように、ロズベルグがアンダーカットに来たときに、ポジションキープのために同時にピットに入れていたら、そのまま優勝の目はあっただろうし、仮にどこかで抜かれていたとしても、メルセデスに食らいついていくことで前戦のリカルドのように相手のトラブルを誘発していたかもしれません。ウィリアムズの現在の課題は、勝つための思考をもってレース戦略の組み替えができないことにあります。前戦でも、メルセデスの 2 台にトラブルが発生したときに焦ってマッサをピットに入れていなければ、リスクもあったけど勝てるチャンスではあった。メルセデスがいるから 3-4 位でいい、ではなく、勝てるときに勝ちに行かなくては、この上はありません。まあ、ウィリアムズがメルセデスエンジンユーザーであり、かつチームの主要株主の一人がメルセデスチーム CEO のトト・ウォルフである、という事情が何かを遠慮させているのかもしれませんが...、かつての名門復活の最大のチャンスが来ている状況でこれ、というのはいかにも残念。

話をメルセデスに移すと、ハミルトンは予選 9 位から 2 位フィニッシュ、というのは優勝が同じマシンに乗るチームメイトであることを考えれば、望むべき最高の結果を得られたと言えます。しかし、チャンピオンシップにおけるロズベルグとの差が 29pt に開き、ロズベルグにとっては 1 回ノーポイントに終わってもまだ首位をキープできる、という状況が精神的な余裕を生むはず。私はこの先のロズベルグとハミルトンの戦いは最後まで冷静さを失わなかったほうが勝つとみているので、この状況の変化は興味深いですね。今回のグランプリでは、予選 3 番手でのインタビュー時にも、優勝後のポディウムでも終始ニコニコしていたロズベルグの余裕ぶりが印象的でした。

シーズン全勝が消えてもメルセデスの圧倒的優位は変わらないのが明らかになったオーストリア GP でしたが、ハミルトンとロズベルグの競り合いにより「付け入る隙がある」ことが、カナダ GP に続いて証明された形になりました。次のシルバーストンは高速サーキットなので、引き続きウィリアムズにも勝ち目があると言えそう。チームにとってのホームレースで、今回のような消極的なレースではなく、勝ちに行く戦略を見せてほしいところです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/06/16 (Mon.)

ミハエル・シューマッハーの容態が快方へ

シューマッハ 昏睡状態を脱して退院 - GPUpdate.net

昨年末にスキー事故で意識不明の重体となっていたミハエル・シューマッハーが半年ぶりに昏睡状態を脱し、事故以来入院していたグルノーブル大学病院を退院したとのニュースが。
本人のコメントが出ていないので、どの程度コミュニケーション可能な状態なのか、そもそも後遺症がどれくらい残っているかも分からない状況ですが、とにかく良かった!

事故後、過熱する報道で不正確な情報もかなり出回ったものの、その後のご家族やマネージャーサイドの意向によって公式な発表以外の報道がシャットアウトされてきたこともあり、その後の経過がほとんど分からない状況が続いていました。最近では容態に関する報道もほとんどなくなり、その代わりにグランプリのたびに先頭をひた走るメルセデス W05 のコクピット周辺に掲げられた "#KeepFightingMichael" のハッシュタグを見るたびに、快復への祈りを新たにする...という日々でした。

ヘルメットが割れて脳の手術を余儀なくされ、半年間も意識を失うような事故だったので、ミハエルが完全に以前のような体調を取り戻す、ということももしかしたら難しいのかもしれませんが、それでも、一日も早く世界中のファンの前に再び姿を見せてくれる日が来ることを、改めて祈っています。

投稿者 B : 21:25 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2014/06/10 (Tue.)

F1 カナダ GP 2014

カナダGP決勝 荒れたレースでリチャルド初優勝!

おめでとうリカルド!!!

カナダ・モントリオールといえば、「荒れたレース」になりやすいサーキット特性で、アレジ、ハミルトン、クビサなど伝統的に初優勝者を生みやすいサーキットでもあります。とはいえ、今シーズンここまでの流れから言って、メルセデスの二人以外から勝者が出るとは、素直に驚き。終盤はめまぐるしい展開で、今季もっとも面白いレースになったと言えます。

オープニングラップにセーフティカーが入り、ファイナルラップもまたセーフティカー導入でそのままチェッカー、という荒れたレース。完走扱い 14 台、うち実際にチェッカーフラッグを受けられたのは 11 台というサバイバルぶりで、下位チームにとっては前戦モナコ以上に絶好の入賞チャンスでした。が...、ケータハム、マルシャともに 2 台ともリタイア。可夢偉は相変わらず走らないマシンをプッシュして健闘していましたが、左リヤのトラックロッド破損によりリタイア。他のサーキットに比べ縁石の段差が大きいサーキットなので縁石乗り越え時にダメージがあったのかもしれませんが、F1 マシンの信頼性としてあり得ないレベルですよね...。ケータハムには、シーズンの進行に伴い落胆させられることばかりです。

さておき、上位陣の話。今回のリカルドの勝因は...こう言ってしまうと身も蓋もありませんが(笑)、メルセデスの 2 台が競い合ったこと、にあります。グリップレベルが低いにもかかわらずストップ&ゴーでブレーキに厳しいサーキットで、2 台が本気でバトルを繰り広げた結果、MGU-K(回生ブレーキ)の耐久値の限界を超えてしまった、というのが、メルセデス失速の原因かと思われます。いかにこれまでのレースでは余力を残していたかと考えると恐るべきポテンシャルと言わざるを得ませんが、逆に、2 台ともにほぼ同時に同じトラブルが出たことで、メルセデスの品質コントロールレベルの高さも思い知らされました(笑。
それでも、同じマシンを駆るチャンピオンよりも速く走り、ストレートスピードに勝るフォースインディアを抑えきったのは間違いなくリカルドの実力なわけで、そこには素直に賞賛を送りたいですね。現役 F1 ドライバーの中でも最も嫌みの少ないキャラクターで、以前から応援していましたが、屈託のない笑顔が中央に立った表彰台は、今シーズンの他のレースとは違う爽やかさに満ちていました。

とはいえ、今後もリカルドに優勝のチャンスが巡ってくるかというと、そうそう甘い話でもないでしょう。今回のようなトラブルが出ない限り、メルセデスの 2 台がスピードも信頼性も群を抜いていることは間違いなく、メルセデスは今後技術的な改善、あるいはリミッター等の設定、もしくは 2 台の直接対決を避けるルール(かつてのマクラーレンのように、オープニングラップをリードした者に優先権を与えるなど)といった対策で、同様のトラブルを回避してくるのではないかと思います。今回のようなチャンスはモントリオールという特殊なサーキットならでは、と考えるべきかと。

今回のロズベルグ 2 位・ハミルトンノーポイントというリザルトにより、ドライバーズチャンピオンシップはロズベルグがハミルトンに 22pt の差をつけました。ハミルトンの 4 連勝により一時は精神的に追い詰められている感のあったロズベルグも、これで少し余裕ができたというところでしょうか。おそらく純粋な速さやレースでの強さという点ではハミルトンに優位があるはずなので、ロズベルグがチャンピオンを狙って行くにはこの点差を背にきっちり 2 位以上を獲っていく着実なレース運びと、できるだけハミルトンが嫌がるレース運びをするクレバーさが求められます。ハミルトンは精神的に安定していれば滅法強いけど、ひとたびネガティブ思考に入ると乱れ始めるドライバーなので。一方のハミルトンは、多少のことでは動じない芯の太さ、あるいは周囲の騒音から護ってくれる信頼関係をレースチームとの間に築くこと、そしてロズベルグをねじ伏せる力強い走り、これに尽きるでしょう。ハミルトン 4 勝、ロズベルグ 3 勝と拮抗してきて、チャンピオン争いはいよいよまた分からなくなってきました。

次のレースはまた 2 週間後、11 年ぶりの開催となるオーストリア GP。レッドブルの初めてのホームレースとなります。とはいえ、これまでのレースを見る限り、RB10 はレッドブルリンクのような高速サーキットよりもストップ&ゴータイプを得意としているようなので、レッドブル有利...ということもなさそうですが。またちょっと混戦気味になってくれると面白いのですが、どうでしょうか。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/05/26 (Mon.)

F1 モナコ GP 2014

モナコGP決勝 ロズベルグが8台リタイアの荒れたレースを制する

F1 界のお祭り、モナコ GP。ドライバーの実力が試されるテクニカルサーキットでありながら、ロズベルグのポールタイムは 3 位のリカルドに対して約 0.4 秒差(しかもモナコは他のサーキットに比べると 1 周が短いのに!)。ロズベルグやハミルトンの実力を疑うものではありませんが、マシンよりもドライバーの比重が大きなこのサーキットで、ここまでマシン性能の差がタイムに現れてしまうと、他チームにとってはもう今シーズンは絶望と言って良い状況ではないでしょうか。

予選は 2006 年のミハエル・シューマッハーによる「ラスカス事件」を彷彿とさせるロズベルグのストップでハミルトンのラストアタックが妨害され、ロズベルグが得意のモナコで PP 獲得。決勝はデッドヒートになったものの、終盤にハミルトンの目にゴミが入り、半ば片目が使えない状態でのレースを強いられたこともあって、ロズベルグが 2 年連続の優勝を飾りました。

3 位以下では相変わらずリカルドが元気だったり、ヴェッテルやライコネンが復活の相を見せていたり(どちらもトラブルで上位には残れなかったものの)、中団の争いが激化していたり、と「抜けないレース」にも関わらず見どころはありました。が、ここまで 6 戦をメルセデスが圧倒的優位で全勝、とあっては、さすがの私でもレースが面白くなくなってきたのは事実です。私が F1 を見始めたのは 1990 年ですが、1988 年のマクラーレン・ホンダ圧勝時代もマクラーレンファン以外は同じような気持ちだったんですかね...。

それよりも、今回のレースで何が悔しいって、これですよ。

可夢偉の決勝:「ペナルティどうなってんねん!」 - F1ニュース ・ F1、スーパーGT、SF etc. モータースポーツ総合サイト AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

リタイア 8 台という今季ここまでで最も荒れたレース。コース上に残ってさえいれば入賞の目もある、という意味ではケータハムの 2 台はちゃんとチェッカーを受けたところまでは良かったですが、それ以上にマルシャにやられてしまいました。序盤は可夢偉が走らないマシンを何とか走らせて、一時は入賞圏に手が届くか...というところまで行っていました。が、中盤にビアンキに当てられ、マシンに大きなダメージを受けて後退。一方のビアンキは 5 秒ストップペナルティを無視して走り続け(まあ、レギュレーション上は 5 秒ストップは必須ではなく、その場合レース後に 5 秒タイム加算される)結果的に 9 位入賞ですよ...。
実際のところ、ぶつけ方はけっこうえげつなかったですし、その後もペナルティを受けない姿勢はレースを見ている間は頭にも来ましたが、それよりもケータハムがマルシャにここまで差をつけられてしまったこと自体が、たいへん悔しい。あのインシデントがなかったとしても、マシン性能の差で可夢偉はビアンキに抜かれていた可能性は高いですし、可夢偉もそのまま走り続けていても 10 位に入れた可能性は必ずしも高くありません。そして、もはやザウバーを射程圏に捉えたマルシャ(実際に今回の 2pt でザウバーを抜いてコンストラクターズ 9 位に浮上)に対して、さっぱり向上の見られないケータハムのマシン。この先のグランプリで可夢偉が 9 位以上に入賞できるとしたら、公道サーキットで今回以上の荒れた展開になる以外にはもうあり得ないのではないでしょうか。
ケータハムはオーナーのトニー・フェルナンデスが「今季結果が出なかったら撤退」と名言し、ある意味そのためのチームリーダーとして抜擢されたのが小林可夢偉です。可夢偉の奮闘もむなしく、このまま行けばケータハムが今季限りで F1 を撤退してしまう可能性は限りなく高い。そして、上位チームから移ってきた他のドライバーと同様に、可夢偉にとってこの先に F1 のシートが残されている可能性も低い、と言わざるを得ないのではないでしょうか。

もちろん最後まで諦めはしませんが、暗澹たる気持ちしか残らなかったモナコ GP でした。

投稿者 B : 23:06 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック