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2017/07/18 (Tue.)

F1 イギリス GP 2017

F1イギリスGP決勝:母国GPでハミルトンが圧巻の4連覇。フェラーリ2台はパンクに泣く

チャンピオン候補が二人揃って二連敗した状況で迎えた伝統のイギリス GP。ハミルトンの母国であり、メルセデスチームのホーム(チーム国籍はドイツだけど元々がワークス・ホンダのファクトリーだったブラックレーを本拠地としているため)でもあるシルバーストンでもあるという、メルセデスにとって地の利のあるグランプリ。だからというわけではありませんが、メルセデス勢に大きく風が吹いたレースでした。

予選はハミルトンの圧勝。で、決勝もそのまま好スタートを決め、最後までポジションを脅かされることなくゴール。付け入る隙のない週末で、まさにハミルトンのための母国レースだったと言っても過言ではありません。
チームメイトのボッタスは予選 4 番手のところギヤボックス交換ペナルティが課せられて 9 番グリッドからのスタート。しかし決勝では序盤のうちに 5 位までポジションを上げてフェラーリを追撃。結果的にボッタスの追い上げがフェラーリ二台のタイヤにダメージを与え、終盤の波乱を呼び込んだと言えます。9 番手からの 2 位フィニッシュはマシンの戦闘力を差し引いてもボッタスの功績と言え、見事にハミルトンをアシストできたことになります。対するフェラーリのライコネンがあまりチームに貢献できていないことを考えると、ドライバーズ・コンストラクターズともに今季のチャンピオンシップの鍵を握っているのはこのボッタスかもしれません。

対するフェラーリは散々でしたね。ヴェッテルはスタートに失敗し、ハミルトンと争うどころか序盤はフェルスタッペンに抑え込まれてしまい、最後までハミルトンに迫る機会は与えられませんでした。終盤にはボッタスの猛攻に圧されてタイヤを傷めて抜かれた挙げ句、残り 2 周で左フロントタイヤがバースト。ライコネンも残り 4 周で左前輪のラバーが剥がれて緊急ピットイン、最終的にライコネン 3 位・ヴェッテル 7 位でのゴールがやっとでした。

シーズン序盤はタイヤの使いこなしに苦しんだメルセデスでしたが、当時予想したとおりカナダ GP を契機にパフォーマンスが安定してきた印象があります。一方でフェラーリはここにきて完全にパフォーマンスが伸び悩み、メルセデスとまともに勝負ができていません。そこにきてチャンピオンシップはヴェッテルとハミルトンが 1 点差で振り出しに戻り、コンストラクターズは 55pt 差という大差でメルセデス。次戦ハンガリーでも状況は大きく変わらないでしょうし、夏休み中にフェラーリが体勢を立て直せるか否かで後半戦の勢力図が大きく変わるに違いありません。今のままだと、チャンピオン争いはメルセデス勢の同門対決になる可能性だって十分にあると思います。

マクラーレン・ホンダはバンドーンが Q3 に進出して 9 番グリッドを獲得するなど、「スペック 3」パワーユニットの性能という点でもポジティブな部分はありました。アロンソが Q2 敗退し、さらに PU 交換で最後尾からのスタートとなったのは、イギリスを捨ててよりポイント獲得の高いハンガリー GP に賭けるための戦略的措置。しかし燃料系の問題(PU 本体ではない模様)でアロンソはリタイア、バンドーンも純粋なスピード不足で 11 位フィニッシュがやっとというのは何とも寂しい結果。シーズンの半分を終えてアロンソが獲得した 9 位 2 ポイントのみ、コンストラクターズ最下位という状況はさすがに受け入れがたいものです。次回ハンガリーでは何としてもポイントを持ち帰り、ザウバーを上回って夏休みを迎えてほしいところ。

それにしても今回のレースはチームメイトバトルが熱かったですね。特にトロロッソやザウバー、フォースインディアといった中団グループの争いが激しい。夏休みを前にしてストーブリーグを意識した戦いに移ってきたということなのでしょうが、チームメイト同士でさえ接触してしまうようなバトルは見応えがありますし(大事故に繋がるようなのは勘弁してほしいですが)、フェラーリ二台のタイヤトラブルにしても「これぞレース」という感じ。去年までは予想外のアクシデントが起きるレースが少なかっただけに、やはり久々に熱いバトルが観れるレースというのは燃え上がります。シーズン終盤までこの炎を消さないよう、各チームがんばっていただきたいです。

投稿者 B : 23:17 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/07/11 (Tue.)

F1 オーストリア GP 2017

F1オーストリアGP決勝:ボッタスがポール・トゥ・ウイン、アロンソは追突されリタイア

大波乱のアゼルバイジャンから、レッドブルのお膝元オーストリア GP。チャンピオンを争う二人がともに二戦続けて優勝を逃すレースで、選手権はやや先が見えなくなってきました。

フリー走行からハミルトンが好タイムを連発、予選もこのまま PP を獲得するのかと思ったら、Q3 の最終アタック中にグロジャンが黄旗を出したことでハミルトンとヴェッテルのタイムアタックが不発。結果的にその時点でトップタイムを出していたボッタスが今季二度目の PP となりました。またハミルトンはギヤボックス交換ペナルティで 5 グリッドダウン、8 番手からのスタート。これで決勝は事実上のボッタス vs. ヴェッテル対決に。
決勝はボッタスが見事なスタートを決め、そのまま首位をキープ。ジャンプスタート(フライング)の疑惑も出たものの、審議の結果シロ。終盤ペースを上げたヴェッテルがボッタスのポジションを脅かしたものの、ボッタスは最後まで首位を譲ることなくキャリア 2 勝目を挙げました。
レースを通じて安定感のある走りで勝つ、というのは初優勝したロシア GP と同様の展開で、これがボッタスの勝ちパターンなんでしょうね。リカルドやフェルスタッペンのような「キレのある若手」という印象はありませんが、この渋みのある安定感もいい。今季 9 戦中表彰台 6 回、うち優勝 2 回というのはロズベルグの代役として十分すぎる成績で、メルセデスとの契約延長がほぼ確定したというのも納得できる状況です。

ヴェッテルはボッタスには追いつけなかったもののハミルトンを上回る 2 位フィニッシュ、ハミルトンも 8 番手スタートから挽回しての 4 位フィニッシュで、ともにチャンピオンシップ上のダメージを最小限に抑えたレースだったと言えます。ただ、カナダ GP 以降のレースでメルセデスがタイヤの使い方を掴んできたのか二台揃って安定したリザルトを残しているのに対して、フェラーリのリザルトが安定せず、特にライコネンのポイントの取りこぼしが多いのが気になります。コンストラクターズ争いはもちろんのこと、ライコネンがヴェッテルの援護射撃をできていない状況では、ドライバーズチャンピオンシップでもメルセデス有利の状況に傾いていく可能性もあります。
まあメルセデスはメルセデスでハミルトンとボッタスのポイント差が 15 まで縮まり(勝利数も 3 対 2 で拮抗)、チームとしてハミルトンを優先する状況ではないことがヴェッテルとの戦いにどう影響するか、は興味深いところ。個人的にはこのままボッタスが終盤までチャンピオン争いに絡んできてくれた方が嬉しいし、面白いことは間違いありません。

マクラーレン・ホンダはここでようやく「スペック 3」のパワーユニットを実戦投入できたようです。それで予選 12・13 番手というのグリッドは悪くなく、アロンソの力をもってすれば入賞も難しくないはず...と思ったら、決勝ではスタート直後にクビアトに追突されてジ・エンド。バンドーンは入賞圏手前からなかなか順位を上げられないうちに青旗無視のドラブスルーペナルティを受けて 12 位フィニッシュがやっと。なかなか結果が出ないことにやきもきしますが、アゼルバイジャン~オーストリアという流れで見ると少しずつ基礎体力が上がってきているのかな?という感触はあります。今季中に表彰台争いまで上ってくることは無理でしょうが、せめてコンスタントにポイント獲得できるようになってくれ...と切に願います。

次は連戦でイギリス・シルバーストン。これまたパワーユニットに厳しい高速サーキットですが、マクラーレン・ホンダはどこまでがんばれるのか。あまり過大な期待はせずに見守りたいと思います。

投稿者 B : 21:08 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/06/26 (Mon.)

F1 アゼルバイジャン GP 2017

F1アゼルバイジャンGP:大荒れの決勝を制したリカルドが今季初優勝!アロンソは9位入賞

初開催から二年目にして「ヨーロッパ GP」から改称されたアゼルバイジャン GP は、大荒れのレースになりました。なんたってヴェッテルもハミルトンも表彰台にいないグランプリというのが今季初めて。それもレース中盤まで二人で優勝争いを繰り広げておきながら、しょうもないトラブルとペナルティで揃って優勝争いから脱落するという...でもこれこそがレース。優勝したリカルドは安定した走りと、最後のセーフティカーからのリスタート時に二台をごぼう抜きした見事なオーバーテイクがウィナーに相応しい。あのターン 1 でギリギリまで突っ込むブレーキング、久々にリカルドの真骨頂を見ました。

あまりにもアクシデントやペナルティが多いレースだったので個別のは割愛しますが、ハミルトンとヴェッテルのやり合いは目に余るものがありました。ハミルトンがセーフティカー明け直前に急激な減速をかけてヴェッテルの追突を誘発したのは故意ではなかったかもしれませんが、それに激怒したヴェッテルがハミルトンに並びかけ、タイヤ同士をぶつけるという抗議はいくらなんでも危険。4 回のチャンピオン経験者としてあるまじき行為で、10 秒のストップ&ゴーペナルティとペナルティポイント 3pt は妥当かやや甘い裁定だったのではないかと。まあ、それくらい熱くなるのもレーサーの気質だし、ヴェッテルらしいなとは思いますが。
一方のハミルトンは赤旗中断からのリスタート時にマシンのヘッドレストが固定できておらず、パーツ交換のために予定外のピットストップを強いられました。これもチャンピオンチームとしてはいかにもお粗末。結局両者ともに一時はポイント圏外までポジションを落とし、最終的にヴェッテル 4 位、ハミルトン 5 位まで戻すのがやっとというレースでした。ドライバーズランキングを争う二人が揃ってこんなレースというのは情けなくもありますが、おかげで面白いレースが見られたのも事実(笑。

もう一つ残念だったのはフォースインディア。セーフティカーからのリスタート時に、微かに隙のあったペレスのコーナリングに対して後続のオコンが強引に仕掛け、チームメイト同士で接触。オコンは 6 位でフィニッシュできたものの、ペレスはマシンにダメージが残り完走も果たせませんでした。あのオコンの無理なオーバーテイクは、間違いなく前戦カナダでのペレスのチームオーダー無視が禍根として残っており「抜けるときに強引にでも抜いておかないと」という心理に結びついたものではないでしょうか。フォースインディアは昨年に続いて三強の次につける速さを持っていて、しかも二人のドライバーの速さが拮抗しているだけに、今後も同様のトラブルは続く予感。チームがちゃんとコントロールできればいいんですが...。

気がつけば初表彰台を獲得していた、驚きの新人ランス・ストロール。完全にウィリアムズのペイドライバーだと思っててゴメン(ぉ。チェッカーフラッグ直前でボッタスに捕まり 2 位はなりませんでしたが、それでもデビューイヤーとしては史上最年少の表彰台記録を樹立(二年目以降も含めばレッドブルのフェルスタッペンが最年少表彰台記録保持者)。終盤はボッタスに追い立てられながらもペースを乱さず、ノーミスでマシンをゴールまで運ぶことができたし、母国カナダでの初入賞から続いての表彰台なわけで、案外いいドライバーなのでは?と見直しました。これは素直におめでとうと言いたいです。
また 2 位に食い込んだボッタスも、オープニングラップでライコネンと接触して一時は最後尾付近までポジションを落としておきながら、見事なリカバリーでした。幾度とないセーフティカーや赤旗中断に助けられた面はあるとはいっても、終盤に毎周 1 秒以上ストロールとの間隔を詰めていった走りはさすが。ライコネンとの接触がなければ優勝できていた可能性もありますが、個人的にはこの「最終コーナー明けからのオーバーテイクで 2 位」という走りを見ることができて満足です。

マクラーレン・ホンダは悲願の今季初表彰台。上位の脱落で一時はすわ表彰台か、という場面もありましたが、終盤で順当に抜かれて(泣)9 位フィニッシュ。それでもバンドーンが一年落ちの PU を搭載するザウバーを最後まで抜きあぐねてポイント圏外だったことを思えば、この 9 位はやっぱりアロンソの実力の賜物でしょう。特にパワーユニット性能が物を言うこのバクーで望外の入賞ができたというのはチームにとっては朗報じゃないでしょうか。なかなか本番投入できない「スペック 3」のパワーユニットの一日も早い完成を祈るばかりです。

いやー、燃費レースではなくコース上での競争が見られる F1 って面白いですね。特に今回は今季ここまでの中で最もエキサイティングなレースだったと思います。

投稿者 B : 22:13 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/06/14 (Wed.)

F1 カナダ GP 2017

F1カナダGP決勝:ポイント目前のアロンソがエンジンブロー、優勝はポールから独走のハミルトン

カナダ GP。ここはハミルトンがキャリア初優勝を含め過去 9 回中 5 勝しているという大得意のサーキットで、順当に行けばハミルトンが勝つ可能性が最も高いはず。しかしこのサーキットでのメインとなるウルトラソフトタイヤを今季メルセデスは使いこなせておらず、今季ここまで公道・半公道サーキットでフェラーリが勝っていることを考えても、どっちが勝ってもおかしくないレースと思えました。

が、予選からハミルトンが盤石の速さを見せつけ、PP からほぼ誰にも影さえ踏ませない独走で圧勝。やっぱりここはハミルトンのサーキットだったか、という感想。チームメイトのボッタスも 2 位に入り、メルセデスチームとしては意外にも今季初の 1-2 フィニッシュを果たしました。
フェラーリは予選でこそヴェッテルが 2 番手につけたものの、2 台揃ってスタートに失敗。ヴェッテルに至ってはスタート直後の混戦でフェルスタッペンにフロントウィングを踏まれ、緊急ピットインで一時は最後尾までポジションを落とすなど散々な出足でした。最終的には 4 位まで挽回し、チャンピオン争いにおけるダメージを最小限に留めたものの、ヴェッテルが表彰台から落ちたのは今季初。ここまでのシーズンの流れから見れば惨敗と言って良いでしょう。

前戦モナコで大きく開いたヴェッテルとハミルトンのドライバーズポイント差はこれで 12pt へと再び縮まり、また分からなくなってきました。ただ、メルセデスが今季最大の弱点であったウルトラソフトの使い方を今回でモノにした可能性もあり、そうだとすると今後のパワーバランスはまた変わってくるのかもしれません。

今回のレースを面白くした(と同時につまらなくもした)のはフォースインディアの 2 台。チーム内バトルを繰り広げながらダニエル・リカルドを追走し、展開次第では表彰台に食い込める好走を見せました。2 台のピンク色のマシンが並んでサーキットを駆ける様子は異様ですらありました(笑。が、タイヤ戦略の違いによりペースに勝るオコンを先行させようというチームオーダーにペレスが反逆、これによってオコンはリカルドに仕掛けるチャンスを奪われて最終的には 5-6 位でフィニッシュ。オコンはリカルドに仕掛けられさえしていれば 3 位フィニッシュしていた可能性もあったわけで、今回ばかりはペレスの横暴が目立った印象。というかモナコでも終盤に無茶なオーバーテイクがあったし、渋く安定感あるドライバーに成長したと思っていたペレスも、最近は速い若手の台頭にちょっと焦ってきたのか?という挙動が出てきましたね。

さて...マクラーレン・ホンダ。もはや期待するのも辛くなってきましたが(´д`)、今回はインディ 500 参戦を終えて復帰したアロンソが終盤までポイント圏内を走るなど、明るい兆しが見えました。が、ラスト 3 周でアロンソのマシンがエンジンブロー、万事休す...。ただでさえパワーのないマシンに不利なサーキットで苦戦が予想されてはいましたが、善戦した挙げ句に信頼性不足でポイントを失う、というのは本当に辛い。パワーユニットのアップデートも次戦アゼルバイジャンにも間に合うかどうかという状況のようですし、なかなか光明が見いだせませんね。
かといってマクラーレンのザック・ブラウン、エリック・ブーリエ、アロンソの三人がメディアに対して公然とホンダ批判を繰り返すのは、それはそれで見るに堪えない。確かに今季のホンダの不甲斐なさも大概だし、日本人と欧州人の態度の違いなのかもしれませんが、こういう態度はパートナーとして信頼が置けない、と思います。マクラーレンの運営資金の多くをホンダが負担している状況でいきなり契約解消ということもないのでしょうが、個人的にはもう来季はマクラーレンと離れてザウバー一本になっても別に悔いはないや、という気持ちになってきていたりします。

投稿者 B : 21:18 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/05/30 (Tue.)

F1 モナコ GP 2017

F1モナコGP決勝:ピット戦略で明暗、ベッテルが逆転し今季3勝目。マクラーレンは全滅

伝統のモナコ GP。同じく世界三大レースのひとつであるインディ 500 での佐藤琢磨優勝のニュースにかき消された感がありますが(笑)、こちらはミハエル・シューマッハー時代以来 16 年ぶりのフェラーリ 1-2 フィニッシュで幕を閉じました。

フリー走行からフェラーリ優勢だったのに加えて、Q2 ではラストアタック一発に賭けたハミルトンの計測ラップがまさかのバンドーンのクラッシュによる黄旗でフイに。Q3 ではボッタスが 2 位ヴェッテルに 2/1,000 秒差まで迫ったものの、フェラーリが久しぶりのライコネン PP を含むフロントロウ独占で決勝に臨みます。

決勝ではグリッド順的にハミルトン優勝の可能性は低く、スタートでボッタスに先行されさえしなければフェラーリ楽勝ムード。ライコネンは難なくホールショットを決め、このままゴールまで行くかと思われました。
しかし状況が変わったのが初回ピットインのタイミング。ライコネンはほぼ予定通りにタイヤ交換を済ませたのに対して、2 位のヴェッテルが 2 周多く引っ張り、その間にファステストラップを連発することでオーバーカット成功。ライコネンとしてはピットアウト後にバックマーカーに引っかかるタイミングでのタイヤ交換でもあったわけで、これは事実上のチームオーダーではないかと勘繰りたくなります。ライコネンは納得しないでしょうが、ヴェッテルとハミルトンのチャンピオン争いが今後熾烈を極めそうな中、フェラーリ的には勝てるときにできるだけポイント差を稼いでおきたかったのでしょうし...。

個人的には、このドライバーズサーキットで久々にライコネンの勝利が見たかったので非常に残念。まあ今年はマシンの仕上がりが良いのでまだ勝てるチャンスもあるでしょうし、大得意なサーキットであるスパでの発奮に期待です。

アロンソの代役としてバトンが出走したマクラーレン・ホンダは、予想通り予選から非常に好調で 9・10 番手を獲得。しかしバンドーンは Q2 でのクラッシュにより Q3 出走できず、さらにスペイン GP で受けたペナルティで 3 グリッド降格。バトンに関しては実力で 9 番手を獲っておきながら PU 換装ペナルティで最後尾という厳しいレースになりました。

バトンは結局 1 周目にタイヤ交換を済ませることでトラフィックを逃れる戦略を採りますが、目の前のウェーレインが全く同じ戦略を採ったために不発。そのうえ 60 周目には業を煮やしてウェーレインへのオーバーテイクを仕掛けたところ接触、そのまま両車リタイア。あの狭いポルティエでインを刺すこと自体がちょっと無茶だったとは思いますが、ウェーレインもミラーを見ている素振りが全くなかったなあ、と。
バンドーンのほうは前車を抜けないまでも堅実に 10 位を走行し、チームに今シーズン初ポイントを持ち帰るかと思ったら...バトンの事故からのセーフティカー明けに後続のペレスにオーバーテイクを仕掛けられ、コーナーでアウトに膨らんだところでマシンコントロールを失ってクラッシュ。ペレスはこの少し後にもクビアトに強引に仕掛けて撃墜しているし、今回の走りはちょっとひどいんじゃないかと。

結果だけ見れば失望しかないレースでしたが、前回のスペイン GP でのアロンソ Q3 進出と今回のダブル Q3 進出、ポイント獲得まであと一歩という内容を見ると、徐々にではあるけど進歩しているのかな、と前向きに考えることはできます。パワーユニットの大規模アップデートは次戦カナダには間に合わなさそうという話ですが、シャシー性能も合わせて今よりも少しでも改善することを期待したいですね...。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/05/29 (Mon.)

佐藤琢磨がインディ 500 制覇!

今日書くべきはモナコ GP の話じゃなくて絶対こっちでしょう!おめでとう琢磨!!!

【速報】佐藤琢磨が歴史的快挙。日本人初のインディ500制覇を成し遂げる

↑YouTube にアップされている動画は権利関係が怪しいものばかりなので、とりあえずインディの公式チャンネルにあったレース後会見の動画を貼っておきます。これはこれで、琢磨自身のレース人生を振り返る内容でジーンと来る内容です。

今年のインディ 500 は F1 からアロンソがスポット参戦するということもあり、例年以上に注目が集まっていたレースであることは確かです。また、琢磨が昨年まで所属していた A.J. フォイトが今季からシボレーエンジンにスイッチしたことに伴い、ホンダの支援を受ける琢磨が今季はトップチームの一つであるアンドレッティに移籍したことも「今年は 2013 年のロングビーチ以来のワンチャンある」と思わせる要素でもありました。が、まさかインディの年間最大のレースであるインディ 500 で優勝するとは!私はさすがにリアルタイムで観戦はできず後からダイジェスト的に観ただけですが、それでも目頭が熱くなりました。F1 で日本人がモナコ GP を制するのと同等の価値があることです。これで佐藤琢磨は名実共に歴代最高の日本人レーシングドライバーになったと言えるでしょう。それ以前から、世界のトップフォーミュラで優勝経験のある唯一の日本人ドライバーではあったわけですが。

レース自体はコーションとリスタートを繰り返す内容で琢磨自身も激しく順位を上下させながらも、最後のコーション後のリスタートでトップ 3 につけ、かつてマルシャ F1 で走っていたマックス・チルトンと 2010 年のインディ・ジャパンで圧勝したエリオ・カストロネベスとの激しいデッドヒートの末、ラスト 5 周でトップを奪取。そのままカストロネベスを抑え込んでチェッカー、という手に汗握るレースでした。それにしても終盤のオーバーテイクは圧巻で、ほとんど追い抜きらしい追い抜きがなかった直前のモナコ GP とは対照的。いいものを見せてもらいました。

考えてみると、琢磨は 2010 年のインディ参戦以来 8 年目のシーズンを過ごしているわけで、2002~2008 年の参戦だった F1(しかも 2003 年はテストドライバー契約で、2008 年はチームがシーズン中に撤退した)よりもインディでのキャリアの方が既に長くなっており、すっかりベテランドライバーの一人なわけです。それだけの経験を積み、トップチームからの出走ということで、ある意味勝つべくして勝ったレースだったのかもしれません。同世代の私としても、40 歳になってもまだ夢って叶えられるんだなあ...と勇気づけられました。

今季の F1 はマクラーレン・ホンダが不甲斐ないこともあり、久しぶりに他カテゴリのレースを観てみようかなと改めて思っています。インディ 500 で琢磨&ホンダが勝ったなら、次に期待したいのはル・マン 24 時間。トヨタは昨年トップを快走しながら残り 6 分でリタイアという辛酸を嘗める結果になりましたが、今年こそは結果に結びつけてほしいところです。

投稿者 B : 23:56 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2017/05/15 (Mon.)

F1 スペイン GP 2017

F1スペインGP決勝:ベッテルとの一騎打ちを制しハミルトンが今季2勝目、接触のアロンソはノーポイント

F1 ヨーロッパラウンドの初戦スペイン GP。ドライビングスキルよりもマシン性能の差が如実に出るサーキットで、通常はオーバーテイクも難しい。フロントロウを獲ったドライバーの優勝率も異常に高く、昨年のフェルスタッペンの初優勝がごく例外的な波乱、というのがスペイン GP の特徴でした。が、今年は近年稀に見る好レースが展開されました。

今回も予選から伯仲していて、メルセデスとフェラーリの四人のうち誰が PP を獲得してもおかしくない力関係から、最終的にトップをもぎ取ったのはハミルトン。しかしヴェッテルもしぶとく 2 番手につけ、3 番手のボッタスまで誰にもチャンスがある状況。
スタートではヴェッテルが見事なダッシュを決めて、ターン 1 までの間にトップを奪います。バルセロナの暑さがメルセデスよりもフェラーリに合っていたのか、フェラーリがジワジワ差を広げていきそのまま展開が固まるかと思ったら。両チームのタイヤ戦略の違いにより、ヴェッテルがソフト→ソフト→ミディアム、ハミルトンがソフト→ミディアム→ソフトという順番でタイヤを使っていきます。その上、ドライバーによってピット戦略を分けたメルセデスがボッタスのピットインを引っ張り、しばらくの間ヴェッテルを抑える役割を担わせます。これによってヴェッテルとハミルトンのギャップが必要以上に開かなくなり、第 3 スティントでソフトタイヤを履くハミルトンがヴェッテルをコース上で攻略、今シーズン 2 勝目を挙げました。
ボッタスは中盤にパワーユニットのトラブルでリタイアを余儀なくされますが、最終的にハミルトンの勝因の一つを作ったわけで、チームとしてはよくやってくれたというところでしょう。
決勝は残念ながらスタート直後にマッサと接触してしまい、その後もペースが上がらずに 12 位止まりでしたが、それでもアロンソとしては今季初完走。信頼性もスピードもまだまだながら、ようやくマクラーレン・ホンダの 2017 年シーズンが始まったという感じです。

こういう良いニュースがあった後にも関わらず、アロンソは次のモナコを欠場してインディ 500 に出走してしまうんですよね...。この感じならばモナコでは入賞も夢ではないだけに残念ですが、バトンとバンドーンの好走に期待することにしましょう。

これでヴェッテルとハミルトンのポイント差は 6。コンストラクターズでもメルセデスとフェラーリの差が 8pt となり、ヨーロッパラウンドに入っても理想的なデッドヒートが続いています。メルセデスとフェラーリのどちらが勝つか分からない、今季の F1 は本当に面白い。
リザルトだけでなく、スペイン GP においてコース上でこんなに激しいバトルが繰り広げられたのも久しぶり。チームラジオを聞いていてもハミルトンの息が切れていたり、マシンコントロールがシビアなのか「しばらく話しかけないでくれ」というドライバーが複数いたり、こんなにドライバーの体力的にキツいレースも久々ではないでしょうか。1990 年前後にはレース後にドライバーがへたり込むシーンもしばしば見られましたが、今回のレースはそれに近いものがあり、これでこそスポーツだ!と強く感じました。やっぱりモータースポーツはこうでないと。去年までの F1 は、いかにペースと燃費を守るかの競争だったんだなあと改めて思います。

マクラーレン・ホンダですが、今回も FP1 からアロンソ車がトラブルでほとんど走れないという状況でした。が、予選では見違えるような走りを見せ、なんとアロンソが今季初の Q3 進出だけでなく、なんと 7 番手グリッドを獲得。アロンソは過去にもスペインの予選では信じられないパフォーマンスを発揮する傾向にあり、レースでは全然ダメでも予選だけ PP、みたいな年が何度かありました。きっと地元のアロンソしかしらない「一発だけ速く走れるライン」みたいなのがあるんでしょうが、それにしてもあのマシンで、それもドライバーよりマシン性能の差が出るバルセロナで 7 番手というのはすごい。

投稿者 B : 22:23 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/05/01 (Mon.)

F1 ロシア GP 2017

F1ロシアGP決勝:ベッテルとの攻防を制したボッタスがF1初優勝!アロンソはスタートできず

おめでとうボッタス!!!!

ロシア GP はメルセデス移籍 4 戦目のボッタスが危なげない走りで F1 初優勝を遂げました。やっぱり、新しいウィナー誕生の瞬間はワクワクしますね。

今回も予選から面白いグランプリでした。メルセデスとフェラーリが拮抗するタイムを刻み、結果的にはフェラーリがフロントロウ独占!という何年ぶりか思い出せないくらいの快挙を達成。その後ろに僅差でボッタス、ハミルトンと続きます。
セットアップも決まっていそうだし決勝もこのままヴェッテルが逃げるか、と思ったらスタートで大どんでん返し。フェラーリの二台もそんなに悪くはないスタートだったと思うんですが、とにかくボッタスの蹴り出しが良く、ターン 1 で既にボッタスが先行。グリップが悪い偶数列スタートだったハミルトンは出遅れ、ボッタスとハミルトンの間にフェラーリの二台が挟まれる格好になりました。
あとはセーフティカー導入等のハプニングもなく、ボッタスが最後までポジションを守り抜きました。終盤のヴェッテルの追い上げはかなりハラハラしたものの、落ち着いて守り切ったあたりがボッタスらしい。最終ラップで周回遅れとなったマッサがヴェッテルに簡単には抜かせなかったのは、元チームメイトの初優勝を援護したい気持ちがあったからではと勘繰りたくなりましたが(笑)それがなくてもボッタスが逃げ切っていた可能性は高いと思います。

個人的には F1 デビュー当時からのボッタス贔屓だったのでかなり嬉しい。フィンランド人の寡黙さって妙に共感できるところがあるんですよね。マシンは十分に勝てる性能を持っているだけに、早めに一勝を挙げて勝ち方を覚えてほしいと思っていましたが、4 戦目にして勝利を掴み取ったとあっては、今後にも期待が持てそうです。
チームメイトのハミルトンは今回精彩を欠いていましたが、ボッタスとフェラーリの二台のタイムが良かったことを考えると、サーキットとマシン+ドライビングスタイルが合ってなかったということですかね。元々タイヤへの入力の強いメルセデスとタイヤに負荷をかけつつ速く走るハミルトンという組み合わせは、サーキットとの相性とセッティングがハマれば手を着けられない速さを見せつけてきますが、タイヤに厳しいサーキットの場合はボッタスのようなスムーズなドライビングスタイルのほうが適しているということなのかもしれません。

ポイントランキング上は、コンストラクターズがフェラーリとメルセデスが 1 点差、ドライバーズのほうもまだトップの 4 人ともに十分チャンスがある状況。ハミルトンとヴェッテルの一騎打ちかなと予想をしていましたが、このまま四つ巴で終盤戦までもつれてくれると面白いシーズンになります。これほど展開が読めないシーズンもそうとう久しぶり、テレビ観戦してて寝落ちしそうにならないって素晴らしい(ぉ

マクラーレン・ホンダですが...前戦のバンドーンに続いて、今回はアロンソがフォーメーションラップ中に ERS トラブルでストップし、グリッドにもつけずにリタイアする羽目になりました。これでホンダの PU トラブルは二戦つづいたことになります。レースでもバンドーンが最初から最後までザウバーと最後尾争いをするという失意の週末。ポジティブなニュースを見つけることすら難しい状況なのが残念です。
ホンダと言えば来季からザウバーへの PU 供給を発表したところですが、CS 中継の最後に川井チャンが言っていた一言が気がかり。「エディ・ジョーダンが『マクラーレンが来季メルセデスにスイッチすることが決まった』と発言して大問題になった」とのことですが、今のマクラーレン・ホンダの状況を考えると信憑性が高い話に思えてくるから怖い。スペイン GP 前に正式発表があるかもなんて噂も飛び交っていますが、来季ザウバー・ホンダの 1 チーム体制、という状況だけは何としても避けてほしいところです...。

投稿者 B : 23:20 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/04/30 (Sun.)

F1 ホンダがザウバーへの PU 供給を正式発表

【正式発表】『ザウバー・ホンダ』誕生。マクラーレンに加え、2018年からのF1パワーユニット供給契約を締結

今日のロシア GP 決勝を前にして、ホンダが 2018 年シーズンからのザウバーへのパワーユニット供給契約を交わしたことを正式に発表しました。

昨シーズンから噂だけあったホンダのカスタマーチーム構想がついに白日の下に晒されたことになります。当初はレッドブルへの供給なんかも噂されてきましたが、最終的にはザウバー。ルノーの性能改善によりレッドブルとルノーの間の関係が修復された結果、消去法でザウバーしかなかったという現実はありそうですが、それでもようやく 2 チーム目への供給が決定したことは前向きに受け止めたいです。
これでパワーユニットの供給関係は

メルセデス: メルセデス、フォースインディア、ウィリアムズ
フェラーリ: フェラーリ、ハース
ルノー: ルノー、レッドブル、トロロッソ
ホンダ: マクラーレン、ザウバー

とそれなりにバランスの取れたものに。
とはいえ今シーズンの状況としてはマクラーレンとザウバーがテールエンダーを争っているわけで、弱小チーム同士の組み合わせでどれほど開発のシナジーが出るかは疑問符がつくところではあります。まあ今は速さも信頼性もない状況なだけに、とりあえずテストもレースも倍走れるようになることで、少なくとも信頼性の向上には繋がることと思いますが...。

そしてカスタマーチーム供給ということになれば、期待されるのはザウバーに日本人ドライバーが乗る可能性でしょう。一番近いところにいるのはホンダが F2(旧 GP2)で走らせている松下信治でしょうし、ザウバー自体も以前は小林可夢偉をエースドライバーとして据えていた、日本人に馴染みが深いチームでもあります。ただ松下信治は名門 ART に在籍 3 年目ながらなかなか結果が出し切れず、ホンダの看板を背負って F1 で走るにはちょっと力不足感が漂うんですよね...。今季大化けするようなら期待したいですが、そうでない場合は日本人を乗せることよりも PU 開発のほうを優先してほしいなあ。

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2017/04/18 (Tue.)

F1 バーレーン GP 2017

F1バーレーンGP決勝:ライバルを寄せつけずベッテルが今季2勝目、アロンソはエンジントラブル

今年の F1 も早くも第 3 戦。バーレーン GP はとても面白いレースになりました。

まずは予選、メルセデスのボッタスがハミルトンを抑えて自身初の PP を獲得!前戦までは期待したような結果が出ずにやきもきしましたが、ようやくチームにもマシンにも慣れ始め、これから本領発揮といってくれるでしょうか。個人的に「多くを語らず走りで証明する」タイプの多いフィンランド人ドライバーは共感するところが多く、今年はハミルトンよりもボッタス贔屓な目で見てしまっているだけにがんばってほしい。

決勝はスタートこそボッタスが難なく決めたものの、レースペースは明らかにフェラーリのほうが上。どうもボッタスのマシンはタイヤの内圧が高めに出ていて本来の性能を出せていなかったようですが、以前からメルセデスのマシンは高温時にタイヤがタレやすく、逆にフェラーリのマシンはタイヤに優しい(逆に言えば寒い条件下ではメルセデスのほうがタイヤを作動温度領域に入れやすく、フェラーリはタイヤが温まりにくい)という性格の違いがあります。今回はボッタスのタイヤ内圧以上にその特性差が出ており、予選はともかく決勝ではヴェッテルのほうが安定して速かったと言えます。
結果だけ見れば初回のセーフティカーが導入されたタイミングの関係でヴェッテルがアンダーカットを成功させた格好になりましたが、それがなくてもコース上でヴェッテルがボッタスを交わしていた可能性は高い。去年までのフェラーリならば、大抵は(失うものもないくせに)保守的なピット戦略で勝ちを捨てに行くか勝負を賭けても裏目に出るかしかありませんでしたが、今年のフェラーリには思い切りの良さと強さを感じます。逆にメルセデスはハミルトンがピットイン時に意図的なスロー走行でペナルティを取られ、その時点で逆転優勝の目がほぼなくなってしまうなど、自滅した感が強い。まだ 3 戦目ではありますが、去年とは明らかに違う状況となっています。

ボッタスはレース終盤にチームオーダーでハミルトンに順位を譲り、3 位フィニッシュ。タイヤ戦略の違いもあって終盤はハミルトンのほうが速かったから仕方ないかとは思いますが、それにしても残念。こういうのは一度勝ち方を覚えると続けざまに勝てるようになるものなので、ボッタスには一日も早く初優勝を決めて、ヴェッテルとハミルトンのチャンピオン争いに絡んでいってほしいところです。

ここまで 3 戦を見てきて、今季はヴェッテルとハミルトンの二人が選手権を主導する構図が見えてきました。そこにボッタスとライコネンがどう絡むかが、ドライバーズ/コンストラクターズ両方の動向を決めることになりそうです。レッドブルはドライバー二人は敢闘していると思うけど、残念ながらまだマシンの熟成がそこまで進んでいないようで、ヨーロッパラウンド以降の進化に期待、という感じ。当面はトラブルやアクシデントがなければ 1~6 位の顔ぶれはほぼ変わらないのではないか、というくらいに中堅以下のチームとの差は大きく見えます。

で、問題のマクラーレン・ホンダ。今回はフリー走行から予選までに合計 3 回も MGU-H のトラブルが発生した挙げ句、バンドーンがパワーユニットのトラブルで決勝をスタートすらできずにリタイア。決勝もアロンソが独りテールエンド付近の争いをずっと繰り広げた結果、残り 2 周というところで PU 起因と思われるトラブルでリタイア(記録上は完走扱い)。前戦までは PU 関連のトラブルが起きていなかっただけに、ここにきて多発しているのが不可解ですが、マクラーレンのシャシー以上にホンダの PU のパワー/信頼性不足は深刻な状況のようです。レース中にもアロンソがチームラジオで「こんなにパワーのないマシンで走ったのは初めてだ!」と悲鳴を上げていましたが、それだけひどい状況だということでしょう。ハッキリ言って二年前の今ごろよりもさらに厳しいように見えます。
PU がこれだけ壊れていると、年間 4 基の PU 使用制限を超えてしまうことは確実で(バンドーンに関しては次で既に 4 基目)、去年までのように「ペナルティ覚悟で捨てるレースを決め、新品の PU に入れ替えていく」という作戦を採らざるを得ません。何事もなければスペインかモナコあたりでアップデート版の PU を投入するスケジュールだったのでしょうが、次のロシアで 2 台のマシンに搭載される新 PU は新スペックのものなのか、旧型なのか。もう当面の間表彰台は期待しないので、毎レース新品 PU に交換して最後尾スタートになってでも、入賞圏内にまで上がってこれる PU を一日も早く用意してほしいところです。

なんというかもう、祈ることしかできません。今年は優勝争いが面白いことが、せめてもの救いだと思います。

投稿者 B : 22:59 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/04/12 (Wed.)

マクラーレン・ホンダとアロンソがインディ 500 参戦へ

アロンソがモナコGPを欠場しインディ500電撃参戦! マクラーレン、ホンダ、アンドレッティがトリオ

驚きのニュース。マクラーレン・ホンダがアンドレッティ・オートスポーツとのコラボレーションにより 6 月のインディ 500 に参戦し、そのステアリングはアロンソが握ることが発表されました。マクラーレンはロン・デニス体制から今年はザック・ブラウン体制に変わり、マーケティング的には今までにない手法を採ってくるだろうとは思っていましたが、これは驚いた。
マクラーレンとはいってもチームの母体は名門アンドレッティであり、かつて佐藤琢磨が KV レーシングに所属しながらロータスカラーのマシンで走っていたのと同様の位置づけになると思われます。とはいえマクラーレン・チームとしては 1970 年代にインディ 500 に参戦していた時代があり、約 40 年ぶりに「マクラーレン」の名前がインディ 500 に復活することになります。また、広義のアンドレッティ・チームとしては佐藤琢磨がアロンソと同じチームで走る、というのもなかなかアツい話。

これはこれで面白いニュースではあるのですが...代わりに悲しいのが、アロンソはスケジュール的にバッティングする F1 モナコ GP のほうを欠場するということです。モナコは F1 全戦の中でも特にマシン性能の差が出にくい(ドライバーの実力が出やすい)サーキットだけに、アロンソの力でポイント獲得が期待できたはず。それを捨ててまでインディ 500 に出場するというのは、今年のマクラーレン F1 におけるアロンソのモチベーションがそれだけ低いということに他なりません。こうでもして引き留めないとシーズン中のチーム離脱もあり得る、ということだったんでしょうかね...。

モナコでアロンソの代役を務めるドライバーはまだ決定していないとのことですが、順当に行くとすれば一応リザーブドライバーに名前が載っているジェンソン・バトンかテスト兼開発ドライバーの松下信治か。浪人中のドライバーでイマイチめぼしい名前がないことを考えると、この二人のどちらかなんですかね。個人的にはモナコでバトンの熟練の走りをもう一度見たい気もするけど、ホンダ的には松下信治に経験を積ませたいだろうしなあ。
ともあれ「楽しみ」以上に「がっかり」という印象のほうが強いニュースでした。マクラーレン・ホンダにはせめてアロンソが「やっぱりモナコ出ておけば良かった」と後悔させられるだけのマシンアップデートを用意してほしいところです。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2017 | コメント (2) | トラックバック

2017/04/09 (Sun.)

F1 中国 GP 2017

F1中国GP決勝:ハミルトンが今季初優勝!入賞圏内のアロンソは無念のストップ

開幕戦でのヴェッテル優勝で俄然面白くなりそうな今年の F1。第 2 戦中国 GP はウェットコンディションとなり、これまた波乱のレースが期待されました。

予選で圧倒的な速さを見せたのはハミルトン。しかしフェラーリもヴェッテルが 1/1,000 秒差でボッタスを交わしフロントロウの一角をもぎ取ると、今回もメルボルンの再現への期待が高まります。しかし、スタート後は序盤こそハミルトンのペースが上がらなかったものの、中盤以降は完全にペースコントロールをしているようなレース運びで完勝。やはり今季もメルセデスが強いことは変わりません。
しかし 2 位争いは面白かったですね。フェラーリが序盤にアンダーカットを狙った早めのピットインこそ不発に終わりましたが、いつもは決まり切ったピット戦略しか採れないフェラーリが攻撃的に動いたことは評価したい。そしていったんはポジションを落としたヴェッテルが猛攻を見せ、リカルドとホイールが接触するほどのデッドヒートの末に競り勝ち、フェルスタッペンにはブレーキング勝負で勝ち、実力で 2 位をつかみ取りました。レッドブル時代も含め「逃げて勝つ」印象の強いヴェッテルがここまで攻めたのは久しぶり、去年までは攻めが裏目に出ることが多かったことを考えると、今のフェラーリ×ヴェッテルは本当に勢いに乗れているということでしょう。

最終的な順位はハミルトン-ヴェッテル-フェルスタッペン-リカルド-ライコネン-ボッタスのオーダー。トップ 3 チームがきれいにポイントを分け合った形になっていて、やはり今季はこの 3 チームを軸にチャンピオンシップが進むことが示されました。ライコネンとボッタスが決勝でのレース運びにやや苦しみがちに見えますが、この二人も優勝争いに絡んでくるようになるともっと面白いんだけどなあ。

マクラーレン・ホンダは直線スピードが物を言うこの上海で、非力なパワーユニットをして序盤 7 位をキープし続けたアロンソの走りは流石としか言いようがありません。ウェットだったが故にマシン性能の差が埋められた部分はあったでしょうが、今のマクラーレン・ホンダは完全にアロンソが引っ張っていると言っても過言ではないでしょう。しかし結果はダブルリタイア。アロンソはドライブシャフト破損、バンドーンは燃料系のトラブルとのことですが、PU のパワー不足の問題はともかく、今回のトラブルの原因はシャシー側にあります。オーストラリアでもアロンソがサスペンショントラブルでリタイアしているし、昨年の最終戦でバトンがリタイアしたのもサスペンション破損。とかくホンダの信頼性不足ばかりが槍玉に挙げられますが、ここんとこレースで壊れてるのってシャシーばかりじゃないですか。今マクラーレンがすべきことは広報対応でホンダを悪者にすることじゃなくて、シャシーと PU 両方の完成度が低いことを認めた上で、一体となって改善の努力をすることじゃないですかね...。このままでは、いくらなんでもドライバーとホンダ技術陣が不憫すぎます。

次はすぐ来週末のバーレーン GP。どのチームもマシンのベースはそのままにセットアップ変更で臨むと思われるだけに、中国と大きく勢力図は変わらないと思われます。優勝争いは三強の誰が勝ってもおかしくないし、マクラーレン・ホンダは次もポイント獲得が現実的な目標となるでしょう。早くポイントを獲得して、コンストラクターズ最下位を脱出してほしいところです(´д`)。

投稿者 B : 22:19 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/03/26 (Sun.)

F1 オーストラリア GP 2017

F1オーストラリアGP決勝:フェラーリのベッテルがハミルトンを下し逆転優勝!

ついに開幕した F1 2017 年シーズン。今季は 2014 年以来のテクニカルレギュレーション大改定があり、マシンの見た目が去年までとは大きく変わりました。タイヤはよりワイドになり、車体も低重心化。前後ウィングも大型化したことで、1990 年代のような迫力のある外観になりました。タイヤのグリップ力向上とダウンフォース向上によりラップタイムも速くなる見込みで、近年の「燃費を守るために一定のペースで走る仕事」から久々にレースらしいレースが見られるようになる可能性があります。

でもそれ以上に期待されたのが、メルセデス一強だったここ三年間の勢力図が変わること。パワーユニットの性能と効率は現在もメルセデスに一日の長があることは間違いありませんが、空力周りに大きく手が入ることで再びレッドブルのようなチームに脚光が当たる可能性もあります。実際に蓋を開けてみたところ、残念ながらレッドブルの相対的な速さは昨年より向上してはいなさそうでしたが、代わりにフェラーリが大きく進歩してきました。
フェラーリは冬季テストの間から好タイムを出しており、今季はけっこういい戦いができるんじゃないの...?と期待していましたが、予選からメルセデスとがっぷり四つの戦いを見せてくれました。ポールポジションはハミルトンが取ったものの、実力で 2・4 番手を確保して二列目までをメルセデスと分け合えたのは十分健闘したと言って良いでしょう。

決勝はハミルトンが好スタートを決めたものの、昨年までとは違いその後もヴェッテルがハミルトンから 1 秒以内のギャップを保ったまま追走。初回のピットインはハミルトンが先行し、ここでヴェッテルがオーバーカットを決められるか...と思ったら、ピットアウト後のハミルトンがフェルスタッペンの後ろで詰まってしまい、難なくオーバーカットに成功。その後はタイヤとの相性の違いか、ヴェッテルがハミルトンに背後を脅かされることなく開幕戦を一年半ぶりの勝利で飾りました。
昨年までならばハミルトンは 3 周目までに後続に数秒のギャップを築いていたでしょうし、ピットアウト後も圧倒的な速さでポジションを取り戻していったものでした。が、今季はフェラーリがしっかりついて行けているし、レッドブルもメルセデスに簡単には抜かれないだけの速さがある。少なくとも、メルセデス・フェラーリ・レッドブルの三強の実力差は去年までに比べると縮まっていると言えそうです。去年までのフェラーリ・レッドブルは「メルセデスに何か失策があった場合は勝てるチャンスがある」という感じだったのが、今季は(サーキットによるでしょうが)フェラーリにも実力でメルセデスを倒せる可能性があることが判りました。こういうレースが続くようなら、今年の F1 は久しぶりに面白いものになりそうです。

三年目の挑戦となるマクラーレン・ホンダは、冬季テスト中から信頼性も速さも全然足りない、という不安なニュースばかりが流れてきましたが、開幕してもその状況は大きくは変わっていないようでした。予選ではバンドーンが Q1 中に燃圧トラブルのため満足な走りができず 18 番手、アロンソも 13 番手が精一杯。決勝は決して速くないマシンをアロンソが何とか入賞圏内まで持って行きましたが、残り数周でマシントラブルによりリタイヤ。客観的に言って去年の開幕時点よりも状況が悪化しており、ファンとしては厳しい現状を認めざるを得ません。パワーユニットもシャシーもどちらも決して良いようには見えませんが、現場責任者たるエリック・ブーリエがホンダの責任ばかりを対外的に明言しているのも本当に残念。今季はトークン制度が撤廃されたためパワーユニットの開発に制限はありませんが、年間 4 基という台数制限のため改良版の PU を投入できるのは早くてもヨーロッパラウンド以降になるはずで、しばらくは我慢のレースが続きそうです。

とりあえず現時点での力関係はフェラーリ・メルセデスにちょっと遅れてレッドブルの三強、その後ろにピンクの(笑)フォースインディア・ウィリアムズ・トロロッソが続き、ハース・ルノー・ザウバー・マクラーレンが団子状態、という感じでしょうか。マクラーレン・ホンダが残念ながらテールエンド争いに近い状況なのが悔しい限りですが、今季は新レギュレーション下での開発合戦。少なくとも例年よりはレースごとの力関係の変化が大きいはずで、PU 以外の部分での進歩に当面は期待するしかないでしょう。でもまあ久しぶりにかっこいいマシンでガチのレースが観られる F1、楽しみたいと思います。

投稿者 B : 21:42 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/02/26 (Sun.)

McLaren Honda MCL32

カラーリング一新。マクラーレン・ホンダF1、新車『MCL32』をアンベイル

週明けからのバルセロナ冬季テストを前に、F1 各チームが続々と新車を発表しています。

マクラーレン・ホンダはロン・デニス更迭に伴い新体制となり、ロン・デニス時代を通じて使ってきたシャシー名「MP4」シリーズを刷新し、今回からは「MCLxx」のネーミングルールが適用されます。ロン・デニス臭を消したいのならブルース・マクラーレン/テディ・メイヤー時代の「Mxx」に戻せばいいんじゃね?とも思いますが。

カラーリングもマールボロ時代以前に使われていたオレンジ色(ブルース・マクラーレンの出身国であるニュージーランドのナショナルカラー)が復活し、オレンジ×ブラックの精悍なイメージに一新されました。ビビッドなオレンジって私はけっこう好きなんですが、現代の F1 マシンに塗ると一昔前のスパイカー(フォースインディアの前身)やアロウズを思い出させてマクラーレンっぽくはないような。しかもスパイカーもアロウズもマシンが遅かったので、そのネガティブイメージが先行するきらいはありますね...。まあ、これで実際に速ければその印象も変わるでしょうが。
そういえば新カラーリングはお披露目されましたが、肝心のタイトルスポンサーは今年もつかないんですかね。今年は難しいが来年に向けて準備中という話もありますが、新しくエグゼクティブディレクターに就任したザック・ブラウンはこれまでもマクラーレンに限らず F1 関連の大型スポンサー契約をまとめてきた人物だけに、そこは大いに期待したいところです。

マシンのデザインは後退角のついた大型のフロントウィングにショートノーズ、極端に絞り込まれたリヤエンド、シャークフィン復活、後退角をつけつつ下方に向けて絞られ、取付位置も下がったリヤウィング、それにグッと太くなったタイヤが目を引きます。今季のレギュレーション変更に伴って全体的に車幅が大きくなり低重心化したことで、1990 年前後のマシンにあったフォーミュラカーらしいフォルムが戻ってきました。ラップタイムも 5 秒前後向上し、2005 年前後の水準に戻ってくる見込みとのことで、久しぶりにドライバーの体力を搾り取るようなスピード感あふれるレースが期待できそうです。
他チームのマシンもいくつか発表されてきていますが、レギュレーション大改定直後にも関わらずマシンの見た目がどれもよく似ている、というのは気になるところ。もっと独創的なアイディアや飛び道具を使ってくるチームがあるかと思っていたんですが、外観的には今のところどのチームも正攻法のように見えます。まあ 2009 年のダブルディフューザーのように正面からは分からないようなところに規則の裏をかいたギミックが隠されているのかもしれませんし、そもそも発表時点のマシンと開幕時点のマシンでは全く異なるパーツが取り付けられていることも珍しくないので、この時点で勢力図を予想することは難しい。むし年間を通して開発を続け、夏休み前後までに技術的なブレイクスルーを形にしたチームが優位に立つシーズンになるのではないでしょうか。

来週からのテストで各マシンのポテンシャルの一端くらいは見えてきますかね。テストリポートを楽しみにしています。

投稿者 B : 20:32 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/02/01 (Wed.)

F1 マノー・チームが消滅

マノーF1、新オーナー候補との交渉が決裂。スタッフを解雇しチーム消滅へ
消滅マノーF1、幻の2017年型新車を披露。スタッフが別れ告げる

昨シーズン終了以来、交渉が続いていたマノー・チームの買収話が破談に。2017 年のプレシーズンテスト開始を待たずにチーム消滅が決定してしまいました。
2017 年の参戦体制が確定しなかったためにシートは 2 つともまだ空き状態ではありましたが、マシン開発自体は進んでいて風洞モデルまで作られた段階にあったようです。

マノーといえば、2010 年にヴァージン・レーシングとして F1 に参戦。その後オーナーとチーム名をマルシャ→マノーと変えながら参戦を続けてきましたが、ここでついにその歴史に幕を下ろすことになりました。2010 年に参戦した新興 3 チームの中では最も長生きしたチームであり、故ジュール・ビアンキによる 2014 年モナコ GP での 8 位入賞、昨年のオーストラリア GP でのウェーレインの 10 位入賞など、若手ドライバーの育成チームとしてまずまずの成績と F1 への貢献を果たしてきただけに、残念です。近年はメルセデスのセカンドチーム的な役割も担っていましたが、おそらくその役割は今後フォースインディアが一部請け負っていくものと思われます。

どんなチームであれ、F1 のグリッドにマシンを並べてきたチームがなくなるのは寂しいものです。これで 2017 年は再び 10 チーム 20 台により選手権が争われることになりましたが、ザウバーやフォースインディアなどプライベーターには資金難の噂が絶えません(ザウバーは新オーナーに買収されたばかりなので当面は大丈夫なのでしょうが)。F1 の新運営会社であるリバティ・メディアには、独特の分配金ルールを見直すなど小規模チームでも存続が可能な仕組みを作っていくことが求められていると言えます。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/01/25 (Wed.)

「F1 界のドン」バーニー・エクレストンが引退

【正式発表】F1のボス、エクレストンがついに第一線退く。リバティ・メディアのF1買収完了で40年の時代に幕
ロス・ブラウンのF1復帰が発表。新体制F1でスポーツ面の責任者に

昨年秋に合意が発表されていた、米 Liberty Media による F1 の商業権買収が完了しました。これにより長年にわたり F1 の運営を取り仕切ってきたバーニー・エクレストンは現役を退き、その役割を 20 世紀 FOX の副会長であるチェイス・キャリーが新たに担うことになります。

これにより、実に 40 年以上にわたるエクレストン体制がこれでいよいよ終焉を迎えました。現在は F1 の解説者として知られる森脇基恭氏が 1977 年の日本グランプリ初開催(富士スピードウェイ)の交渉にあたった際には既に F1 の商業権を取り仕切っていたわけですから、ほとんどの日本人が F1 を知る前から今まで君臨し続けてきたと考えると、ちょっと信じられない長さ。
バーニーはしばしば「金の亡者」と評され、私も若かりし頃は「チームやファンの敵」というふうに考えていましたが、あまり組織的な運営がされているとは言いづらくまたヨーロッパ以外では知られていなかった F1 を現在の姿にまで成長させたのはバーニーなくしてはありえなかったわけで、F1 史上最大の功労者であることは間違いがありません。個人的にはフランク・ウィリアムズがチーム運営を娘クレアに移譲し、ロン・デニスがマクラーレン総帥の座を追われ、そしてバーニー・エクレストンが引退したことで、ついに F1 の一時代が終わったんだなあ...という思いが強い。

バーニーがここまで F1 を掌握できたのは、元ドライバーでありブラバムのチームオーナーでもあった経験を持つことで、商業面だけでなく F1 のスポーツ面も熟知していたことが大きいと言えます。商業面しか知らなければ的外れな施策を打って失敗する危険性もあるでしょうし、新オーナーにもそのリスクがないとは言えませんが、Liberty Media 側にはベネトン/フェラーリ/ホンダ/ブラウン GP/メルセデスで長年トップチームを運営してきたロス・ブラウンがスポーツ面の責任者として加入するとのことで、そのあたりは安心して良さそうです。
エクレストンも近年はグランプリの開催権や放映権の高騰、ネットや SNS の軽視など「それはどうか」と思うやり方が少なくなかったので、そのあたりを時代に合わせて軌道修正し、F1 を再び親しめるスポーツに復活させてほしいところ。特に日本国内ではグランプリの無料放送もなくなり、本当にコアファンだけが楽しむスポーツになってしまっているので、その辺の裾野を広げる施策を打ち出してほしいなあ。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2017/01/17 (Tue.)

F1 ボッタスのメルセデス入りが正式発表

【正式発表】メルセデスがボッタスと契約。マッサは引退取りやめ、ウイリアムズに復帰

新チャンピオン・ロズベルグの突然の引退発表を受けて、誰がその空席に座るのか注目されていたメルセデス F1 レースドライバーの座。私が予想していたとおり、メルセデスとの関係も深く実力もある V. ボッタスがそのポジションを射止めました。まあ最も高い可能性が選ばれた結果ではありますが、この裏にはウィリアムズ側の

  • エステバン・オコンのチームメイトとして経験あるドライバーを据えたい
  • 引退(?)するパット・シモンズの後任 TD としてメルセデスからパディ・ロウを引き抜きたい
という意向があり、政治的な調整の結果
  • 昨年限りで引退したマッサが引退撤回し、今年もウィリアムズでレースをする
  • パディ・ロウがガーデニング休暇なしでウィリアムズに移籍する
という形でボッタスの移籍が実現しました(パディ・ロウの件は未確定ですが、発表秒読み段階とみられる)。実質的に両チーム間でボッタスとパディ・ロウがトレードされたような格好になりますね。 マッサの復帰に関しては、あの去年のブラジル GP での感動は何だったんだ(;´Д`)ヾ、と思っている人が全世界に 10 万人くらいいそうですが(笑)、とりあえずは関係者全員が納得できる結論に落ち着いたのではないでしょうか。

ボッタスは間違いなく現在の F1 でもトップドライバーの一人であり、チャンピオンを獲得できる可能性を秘めています。ハッキネン以来のフィンランド人贔屓な私の目を抜きにしても、早く勝てるマシンに乗せたいドライバーでした。現代最強のマシン(まあ、今年はレギュレーションが大きく変わるけど)に乗ることでその真価が問われることになりますが、ハミルトンを焦らせるくらいの活躍を見せてほしいところです。まずは早期の 1 勝に期待します。

投稿者 B : 21:17 | F1 | Season 2017 | コメント (0) | トラックバック

2016/12/03 (Sat.)

ニコ・ロズベルグが突如 F1 引退を発表

F1新チャンピオンのロズベルグが5日後に電撃引退。「説明するのは難しい」

先週の最終戦で悲願の初戴冠を成し遂げたばかりのニコ・ロズベルグが、突如として F1 からの引退を発表しました。まじかー!

本人のコメントからは引退の真意については語られていませんが、やっぱり「疲れた」のかなあ、と。
少年時代から長年チームメイトとして、同時にライバルとしてルイス・ハミルトンと走ってきて、今は同じチームにいながら F1 の頂点をかけて互いに口もきかないような関係で争うというのは、想像以上に精神をすり減らす生活なんだろうと思います。ハミルトンならばそれでもチャンピオンを獲得することを最優先しそうですが、「いい人」ロズベルグにはそろそろ限界が来ていたとしても不思議はありません。このままだと来季も同じ状況が続くことは間違いなく、また今季はハミルトンに不運が続いたこともロズベルグ戴冠の要因の一つだった(つまりトラブルがなければハミルトンがチャンピオンだった可能性が高い)ことを考えれば、大願を成就させた今季を節目にクルマから降りるという決断は、理解できる気がします。

でも個人的にはとても残念。一度だけのチャンピオンであれば、さまざまな要因が重なることで「運良く獲れてしまう」こともあるでしょうが、複数回シーズンを制覇できるドライバーこそ「真のチャンピオン」だと私は思っています。ロズベルグの速さを否定するわけではありませんが、現役ドライバーだとアロンソやハミルトン、ヴェッテルとライコネンの違いを見ても分かるとおり、状況の異なる複数のシーズンで勝てるドライバーは、実力もメンタルも強い。特にロズベルグはここまでハミルトンを「ねじ伏せて」勝ったレースがないだけに、来季はチャンピオンとしてハミルトンと正面からぶつかってほしかったなあ。
とはいえキャリアの絶頂期でスパッと引退というのはなかなかできることではなく、その潔い決断もそれはそれで素晴らしいものだと思います。本当にお疲れさまでした。F1 は辞めるもののレースをやめるわけではないようなので、次は DTM かル・マンか、というキャリアなのでしょうか。

で。

唐突に「最強チーム」のシートに一つ空きが出たことになりますが、その後釜には誰が収まるんでしょうね?メルセデスとしては育成ドライバーのウェーレインかオコンを乗せたいところでしょうが、メルセデスのコンストラクターズ四連覇を託すにはまだちょっと経験が足りていないし、何よりハミルトンに潰されてしまうのではないかと思います。とはいえトップドライバーは既に来季シートを確定させており、契約解除込みで改めてシャッフルが発生するのか、それともフリーなドライバーから最良の選択肢を選ぶのか。今ごろマッサやバトンが「引退するなんて言わなければ良かったー!」と後悔している可能性もありますね(笑。
個人的には、実力とメルセデスとの関係からいって、トト・ウォルフが支援しているバルテリ・ボッタスの契約をウィリアムズから買い取ってメルセデスに乗せる、という可能性があるんじゃないかと思っています。ウィリアムズ的には今季のドライバーが二人とも抜けてしまうことになるので阻止したいところでしょうが...。あるいは、大逆転で小林可夢偉、とかないですかね(笑

Spark / 1/43 Mercedes F1 W07 Hybrid Australian GP 2016 N. Rosberg

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投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/29 (Tue.)

F1 アブダビ GP 2016

F1アブダビGP:新ワールドチャンピオン誕生。ロズベルグが父ケケに続く親子制覇

2016 年の F1 最終戦アブダビ GP。最低でも 3 位に入ればハミルトンの結果に関わらずチャンピオン確定、という圧倒的優位でレースに臨んだロズベルグが、今回も着実に 2 位を獲得して初戴冠という結果になりました。

この終盤戦におけるハミルトンの集中力はめざましく、今回も予選からロズベルグに 0.3 秒差をつけて PP 獲得。間違いなく今年最強のマシンで、同じクルマに乗りながらこれだけの差がつくというのは、ハミルトンの「仮にチャンピオンを逃したとしても最速はオレだ」という主張のように感じました。
決勝でもスタートで躓くこともなく、いつものレースならばこのまま逃げ切り完勝パターン。が、今回は勝つだけではチャンピオンになれない、ということでロズベルグに「仕掛けに」行くレースとなりました。

追うロズベルグは無難に走るだけでも 2 位になれるのは、今季ここまでのレースで嫌と言うほど見せつけられてきました。ただ、チャンピオン決定戦でそういう消極的なレースは見たくない。どうせならコース上でハミルトンを抜き去って実力を見せてほしい、というのが個人的な思いでした。最終的にそれは叶わなかったものの、1 ストップ戦略でロズベルグの前を走っていたフェルスタッペンに対してやや強引なオーバーテイクを仕掛け、3 位ではなく 2 位を勝ち取った今回の走りなら、確かにチャンピオンに相応しいと思えます。何しろフェルスタッペンはこれまで幾度となく他のドライバーと交錯するレースをしてきているので、ロズベルグとしては「最悪のケース」もあり得たオーバーテイク。去年のロズベルグが同じ状況だったら、そこで守りに入っていたのではないかと思います。

しかしレース後半、ロズベルグが 2 位に上がったところでハミルトンがあからさまなスローダウン。先頭集団のペースをコントロールし、後続のヴェッテルやフェルスタッペンが「追いつける」状況を作って何とかロズベルグを 4 位以下に落としたい、というのが見え見えの行為でした。まあハミルトンとしてはチャンピオン獲得のためには自分が勝つだけでは足りず、それ以外に選択肢がなかったのは事実。ハミルトンの性格を考えてもまあそうするよね、と思う一方で、フェアじゃないなあ、とも思ってしまいました。結果的にファイナルラップまでハラハラするレースを見せてもらいましたが(笑。
4 台がほぼ数珠つなぎになりながらもフェラーリやレッドブルにはメルセデスをオーバーテイクできるだけの速さがなく、結局そのままチェッカー。「ペースを上げろ」というチームの再三にわたる指示を無視したハミルトンの策略は不発に終わり、ハミルトンは王座とチームの信頼を同時に失う結果となりました。

ただまあ、コンストラクターズタイトルはとうの昔に確定し、ドライバーズタイトルもこの二人のどちらかにしか可能性がない、という状況であのチームオーダーを出す必要が本当にあったのかどうか。ハミルトンが最後まで苦しんだのも、今季はハミルトン車に信頼性を担保できなかったチームの責任でもあるわけだし、今回のチームオーダーはロズベルグ贔屓の結果という誹りは免れないのではないでしょうか。明確に二人の競争ルールを決めるでもなく、イコールコンディションを保証するでもない状況で、ジョイントナンバーワン体制はこれ以上続けられないと思うなあ。

ともかく、ロズベルグにはおめでとうと言いたいです。今季最速は間違いなくハミルトンでしたが、安定感があったのはロズベルグでした。年間賞理数はハミルトンのほうが 1 回多いけど、それでも年間 9 勝・2 位 5 回という実績はチャンピオンに相応しい。でもチャンピオン 1 回は運もあるけど、2 回以上獲るのが真のチャンピオン。来季、精神的にさらに強くなって戻ってくるだろうハミルトンと互角以上に戦えるかどうか、真価が問われます。

今回がラストレースとなったベテラン二人は明暗の分かれる結果になりました。マッサは国際映像にこそあまり映らなかったものの、安定感のある走りで 9 位フィニッシュ。コンストラクターズポイントでは残念ながらフォースインディアに及びませんでしたが、マッサ個人としては満足のいくレースだったのではないでしょうか。
一方バトンはレース序盤に縁石乗り上げ時のダメージと思われるサスペンション破損により、あえなくリタイア。しかしピットに帰っていく表情は晴れ晴れとしており、自分自身でもう F1 ではやりきったという思いなのだろうな、と見ているこちらの目頭が熱くなりました。

マクラーレン・ホンダはバトンが序盤でリタイアしたのに対してアロンソは粘り強く走り、10 位入賞。終盤戦はフォースインディアとウィリアムズに太刀打ちできない苦しいレースが続いていましたが、それでも終わってみればコンストラクターズポイントではトロロッソを上回る 6 位。上を見れば切りがありませんが、去年のことを考えればこの結果は躍進と言って良いでしょう。しかし課題がターボを含むエンジンパワーと空力にあることは明らかで、来季はそれをどこまで改善できるか、がカギになりそうです。

現行レギュレーションになって三年目、結局この三年はメルセデスが完勝でした。が、来季はシャシーレギュレーションが大きく変わり、よりエアロダイナミクスの重要性が高まるシーズンとなりそうです。そこで伸びてきそうなのは何と言ってもレッドブル。今一番元気が良い二人のドライバーとの相乗効果でメルセデスに歯止めをかけてほしい。車体の仕上がり次第では、フェルスタッペンの最年少戴冠もあり得るのでは、と思っています。
そしてマクラーレンは一にも二にも車体。このまま空力が向上できなければ、今年以上に厳しいシーズンになるはずです。しかしマクラーレンもホンダもレギュレーション大改定のある 2017 年をターゲットにしていた部分はあるでしょうから、その仕込みがどれくらい進んでいるか、に期待したいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/26 (Sat.)

ジェンソン・バトンが事実上の F1 引退宣言

バトン「これがF1ラストレース」と引退を示唆。復帰の意向は「今のところ」なし

今シーズン終了をもって一年間の休養期間を設け、来季は他カテゴリへの参戦とマクラーレン・ホンダのアンバサダー兼リザーブドライバーを務めるとしていたジェンソン・バトンが、最終戦アブダビを前にして事実上の引退を発表しました。おそらくこのアブダビが F1 での最後のレースになるだろう、とのこと。契約上は 2017 年でのレースドライバー復帰の可能性が残ってはいますが、本人としてはもうそれを行使する意志はない、ということのようです。

来季でマクラーレン・ホンダとアロンソとの契約が終了する後釜を狙っていたのかと思いましたが、本人は年齢的にももう十分、と判断したのでしょうか。B・A・R ホンダ時代からバトンの走りを見続け、ホンダ撤退後のブラウン GP での戴冠に心から喜んだ一人としては寂しいものがあります。長年ホンダとマクラーレンで走ってきたドライバーとして、マクラーレン・ホンダの復活を自身の走りで引き寄せてほしかった。
来季もマクラーレン・ホンダのパドックに姿を見せることはあるでしょうが、それがドライバーとしてではないというのは何とも残念。

今季はマッサとバトンという、2000 年代中盤から F1 のトップドライバーであり続けた二人がまとめて引退してしまうということで、寂しいですね。でも本当に今までありがとう、お疲れさまと言いたいです。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/18 (Fri.)

ロン・デニスがマクラーレン CEO を辞任

【正式発表】マクラーレンの顔、ロン・デニスが解任。「誤った決断」とデニスが怒りの声明

ブラジル GP の週末に話題になっていた、ロン・デニスのマクラーレン・グループの会長兼 CEO 解任の件が、ブラジル後に正式に発表されました。

ロン・デニスと共同株主であるマンスール・オジェおよびバーレーン王室との確執は数年前から伝えられていましたが、それがいよいよ白日の下に晒されたことになります。いったんは F1 の現場から身を引いたロン・デニスでしたが、二年前に後継者マーティン・ウィットマーシュを解任して強引に現場復帰し、次は株式買い増しによって経営の主導権を奪い返そうと目論んでいました。そこへ株主決定としての解任、しかも契約満了を待たずして即刻解任という強硬な決定。かなりの急展開であったことが想像されます。

ロン・デニスは 1981 年に自身の F2 チーム「プロジェクト 4」と合併する形でマクラーレン入りし、その後長年にわたってチームを率いてきました。TAG ポルシェ、ホンダ、(フォードやプジョーを経て)メルセデスというエンジンサプライヤーとの提携により F1 界で輝かしい実績を積み上げてきたことは、今さら言うまでもありません。また F1 のみならずロードカーの生産や自動車関連のテクノロジー企業(多くのレースカテゴリ向けに ECU(エンジン制御コンピュータ)を供給していたりする)の立ち上げ、近年では医療分野にも進出するなど、マクラーレンを一大テクノロジー企業へと進化させた張本人でもあります。
それが、今回のクーデター。まあ、近年のロンは今の F1 の現場を知らないのにチームに余計な口出しをしすぎるとか、マクラーレン F1 になかなかタイトルスポンサーがつかないのはロンに責任があるとか、そろそろ限界説が囁かれていたことも事実。それ以前にあまりにも厳しい完璧主義のせいで F1 ムラの中に敵が多かった、という話もよく耳にします。確かにそろそろ潮時であったのかもしれません。

でも、個人的には F1 に興味を持ったときに憧れていたチームの代表者であり、一抹の寂しさも感じます。実は先日の日本 GP の週に、スポンサー企業での講演でサーキットでも滅多に目にすることができない生ロン・デニスを初めて見てきましたが、まさかあれが事実上最後の機会になるとは。

F1 チームとしては今年夏にフォルクスワーゲンから招聘したヨースト・カピートがチーム CEO に就任したばかりですが、そこへの人事的な波及があるのかどうか。レギュレーションが大幅改定される来季こそは飛躍を図りたいマクラーレン・ホンダですが、この体制変更はちょっと影響が大きいんじゃないですかね...。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/15 (Tue.)

F1 ブラジル GP 2016

F1ブラジルGP:大雨、SC、赤旗......大荒れのレースをハミルトンが制し、逆転王座獲得へ望みをつなぐ

ハミルトンが最終ラップでの逆転チャンピオンを決めた 2008 年を筆頭に、波乱のレースになることが多いブラジル GP。しかし今年は近年まれに見る大雨で、大荒れのレースとなりました。
フルウェットでセーフティカー先導のスタートから、幾度となく黄旗、赤旗中断を挟んだ決勝。さすがに録画観戦だったのですが、まさかの放送時間延長で録画が途中で切れており、フジテレビ NEXT での再放送を改めて観ている途中何度寝落ちしたことか(;´Д`)ヾ。それだけ長く、中断も多いレースでした。

しかしこんなコンディションでもメルセデス、特にハミルトンは盤石。今回も予選は完璧、スタートでの失敗もなく、終わってみれば完勝。まあここまでのウェットであれば水煙の影響を受けないトップランナーが最も有利であることは事実ですが、この終盤戦で集中力を高めていけるメンタルはさすがの現役チャンピオンですね。逆に言えば夏休み明けから鈴鹿までのあのスランプは何だったんだろう、とさえ思います。数字上の不利には変わりはありませんが、何とかタイトル防衛への望みをアブダビへと繋ぎました。
対するロズベルグは、2 番手スタートから一度はフェルスタッペンに見事なオーバーテイクを決められてしまいましたが、最終的にはポジションを戻して難なく 2 位フィニッシュ。今回もしっかり選手権ポイントにおけるダメージコントロールを成功させ、最終戦アブダビでは「3 位以内に入れば自動的にチャンピオン確定」という状況に持ち込みました。ロズベルグは夏休み明けのベルギー以降の全戦で 3 位以内に入っていて、この安定感があればマシントラブルがない限り初戴冠は盤石、と言えるのではないでしょうか。不確定要素があるとすれば、レッドブルが 2 台揃ってトップ争いに絡めるほどの競争力を発揮できるか否か、がカギになりそうです。

しかし今回の MVP はフェルスタッペンを置いて他にないでしょう。序盤でロズベルグを大外から抜き去ったオーバーテイクを筆頭に、終盤まで見事なオーバーテイクの連発で、ここまでエキサイティングなレースは久しぶりに観た、という気分。これだけコンディションが悪い中での激走という意味では、アイルトン・セナのデビューイヤーである 1984 年のモナコ GP を思い出しました。とはいっても私もリアルタイムで観ていたわけではありませんが(笑)、今のフェルスタッペンにはそういう偉大なチャンピオンに重ねて見てしまうだけの才能を感じます。シューマッハーやヴェッテル、ハミルトンにも負けないポテンシャルを改めて感じました。
それだけに、今回のレッドブルのタイヤ戦略は惜しい。レース中に先んじてウェットタイヤからインターミディエイトタイヤに変更した(それも赤旗中断を挟んで二度も)アグレッシブな戦略は、その時点では面白い選択だと思いましたが、結果的にはタイヤ無交換を選択した(赤旗中断中に新品ウェットに交換)メルセデスの戦略が正しかった、ということになります。逆にフェルスタッペンも同じ戦略を採っていれば、あのペース差ならばフェルスタッペンが勝っていてもおかしくはなかったし、少なくともメルセデス二台に割って入ることでチャンピオンシップがさらに面白くなったことは確実でしょう。結果論ではありますが、レッドブルは二台の戦略を分けた方が良かったのでは、と思います。

そして今回は最後の母国 GP となったマッサが印象的でした。昔から雨に弱いドライバーでしたが、母国最終戦でも濡れた路面に足を取られてクラッシュ、という終わり方がいかにもマッサらしい(笑。まあ今季のウィリアムズはダウンフォースがないためウェットコンディションではその弱点が露呈しやすい点は差し引いて考えなくてはなりませんが、クルマを降りてから雨の中を涙を流しながら歩き、ファンやスタッフ(他チームも含む!)、そして家族に迎えられる姿がとても印象的でした。ブラジル GP の開催週には毎年チームを問わずカート大会を主催するなど、F1 自体のムードメーカーでもあったマッサだけに、パドックの人々から愛されていたんだなあ、というのがよく分かるレースでした。近年のドライバーで、引退に際してここまで惜しまれるドライバーというのも珍しいのではないでしょうか。

さておき、二週間後のアブダビが泣いても笑っても今季の最終戦となりました。今の流れだとロズベルグかな、というのが私の予想ですが、最後まで何があるか分からないのがレース。最終戦での逆転も珍しいことではありません。最強チームのどちらが勝つのか、見届けたいと思います。

投稿者 B : 22:20 | F1 | Season 2016 | コメント (2) | トラックバック

2016/11/03 (Thu.)

F1 メキシコ GP 2016

F1メキシコGP決勝:ハミルトンがタイトル獲得に望みをつなぐ2連勝、怒りのベッテルは3位表彰台
ベッテル、3位表彰台を失う。リカルドへの防御に違反行為ありとの裁定

メキシコ GP といえば、1965 年に第一期のホンダ F1 がリッチー・ギンサーの駆る RA272 で初優勝を挙げた記念すべきサーキット。長らくの休止期間を経て昨年から復活したグランプリですが、こういう場所ではマクラーレン・ホンダの奇跡を夢見ずにはいられません。
が、現実はそう甘くはなく。予選こそ 11・13 番手を確保し、前戦アメリカに続くダブル入賞に向けて幸先が良く見えましたが、決勝ではまったく振るわず 12・13 位フィニッシュがやっと。やはり空気の薄い高地での戦いは、パワーユニットの中でも特に内燃機関(エンジン)の燃焼効率が物を言うだけに、エネルギー回生はともかくエンジン性能で劣る今のホンダには厳しかったです。もちろんシャシーの性能に足を引っ張られている部分もあるわけで、結局今季のマクラーレン・ホンダはドライバー比重の高いサーキットでは競争力があっても、マシン比重の高いサーキットでは厳しいという特性が最後まで改善できないままでしたね。最終戦アブダビはともかく、次のブラジルはマシンの性能差が出にくいサーキットなので、今シーズン最後の期待がかけられるレースになると思います。

チャンピオン争いのほうは、まるで一週間前のオースティンの再現を見るかのような、ハミルトンにとって完璧な週末でしたね。予選から決勝までパーフェクト。鈴鹿での敗戦で後がなくなってから、ようやくハミルトン本来の集中力が戻ってきたように感じます。
対するロズベルグも堅実に 2 位を確保し、必要な仕事をこなしました。とはいえ一時はフェルスタッペンにあわやオーバーテイクされそうになる場面もあり、ロズベルグとしては肝を冷やしたのではないでしょうか。残り 2 戦、チャンピオンシップの行方はレッドブルの二台がどれだけトップ争いに絡んでくるかが握っていると言えます。フェラーリはそこには絡んでこれないでしょうが(笑

そして 3 位は...コース上でチェッカーを受けたのはフェルスタッペン。でも、表彰台に上ったのはヴェッテル。なのに、リザルトとして 3 位に記録されたのはリカルド、という前代未聞の状況が発生しました。終盤、ヴェッテルにオーバーテイクを仕掛けられたフェルスタッペンがコースオフし、コーナーをショートカットする格好でポジションを守ったことと、その直後にリカルドにオーバーテイクを仕掛けられたヴェッテルがリカルドに接触する形でポジションを守ったこと、がそれぞれレース後審議で 5 秒ペナルティ対象となったのが、その原因。フェルスタッペンはあそこは一旦ポジションを譲るべきでしたがそのまま行ったのは「若気の至り」としか言いようがない。ヴェッテルの接触に関しては、フェルスタッペンとのバトルからの一連の流れでの出来事のため単なるレーシングインシデントではないかとも思いますが、その後無線でスチュワードへの暴言を吐いたことが FIA の心証を悪くした側面もあったはず。結局はどっちもどっちであり、ミスをせずクリーンに戦ったリカルドに 3 位が転がり込むのは納得ではありますが、それがレース後の表彰式が終わった後、というのにどうにも消化不良感が残ります。近年の F1 はアクシデントに対してレース後審議で処分を下すことが多すぎる。観客にとって分かりにくいレースになってしまっては元も子もないので、もっと明確な基準を設けてレース中にペナルティを執行し、少なくともチェッカーを受けた順位が入れ替わるということがないようにすべきでしょう。こういうのが、近年の F1 をつまらなくしている一因なんだよなあ。

さておき、チャンピオン争いは 2 レースを残して 19 ポイントに詰まりました。それでもロズベルグは残りのレースを最低でも 2 位+3 位で終えればチャンピオン確定、ハミルトンの自力戴冠がない状況は変わっていません。個人的には、今年はどちらがチャンピオンを獲っても文句はありませんが、リカルド&フェルスタッペンがもうちょっと状況をかき回してくれることを期待しています(笑。

投稿者 B : 20:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/26 (Wed.)

F1 アメリカ GP 2016

F1アメリカGP決勝:ハミルトンが完勝、マクラーレン・ホンダは鈴鹿の不振を払拭するダブル入賞

チャンピオンシップにおいてロズベルグ圧倒的優位で迎えたアメリカ GP は、なかなか見応えのあるレースになりました。

追うハミルトンはこの週末はほぼ完璧。予選 Q3 では一人だけ 1 分 34 秒台をマークするという驚異的な速さで PP を獲得。今年後半戦は決勝のスタートで躓くことが多かったですが、今回はスタートダッシュまで完璧に決め、そのまま後続の追撃を許さず完勝。夏休み前を思い出させるような、強いハミルトンが帰ってきました。窮地に陥ったときに比類なき集中力を発揮するハミルトンの真価を見た気がします。鈴鹿での敗戦の後、嫌いなシミュレータを使って徹底的にスタートの練習をしたとのことで、いよいよ本気で逆襲の狼煙を上げた、というところでしょうか。
ロズベルグも決して悪くはありませんでしたが、今回はハミルトンが強すぎた。まあ、スタートでリカルドに先行されながら最終的に 2 位に戻ってきたのは(VSC 導入のタイミングに助けられたとはいえ)メルセデス+ロズベルグの実力なんでしょうし、今のロズベルグには消極的な理由ではなくチャンピオン獲得のために納得ずくで「2 位キープ」を優先しているようにも見えますから、これでいいのだと思います。

チャンピオンを争う二人がそれぞれ狙ったとおりの順位を持ち帰った結果、ポイント差は 26 に縮まって残り 3 戦。タイトル争いは最終戦までもつれ込むに違いありません。

レッドブルとフェラーリによる二番手ポジション争いですが、引き続きアグレッシブに攻めるレッドブルに対して、フェラーリは今回も消極的なレースでした。チーム内に最強のライバル・フェルスタッペンを迎えたダニエル・リカルドの今年の成長は目覚ましく、もはやメルセデスの二人と並んで表彰台に立つのが当たり前になった感すらあります。これでパワーユニットの性能がもっと高ければ、今年のタイトルはリカルドも加えた三つ巴の争いになっていたに違いない。残念ながらエンジントラブルで止まってしまったフェルスタッペンも完走できていれば 4 位は確実だったはずで、もはや完全にフェラーリを置き去りにした印象。
対するフェラーリは、今年ずっとこんな感じですがマシンもイマイチならば戦略にも積極性がなく、挙げ句の果てには全く焦る必要のないピット作業でライコネン車のタイヤを留め切らないまま発車させてしまい、4 位フィニッシュできたところをノーポイントという体たらく。ヴェッテルが代わりに 4 位を獲得したものの、アグレッシブに行っていればもっと多くのポイントを獲得できていたはずで、あまりにももったいない。個人的に今のフェラーリの二人は好きなドライバーだけど、今のチーム状況だとあまり応援しようという気になれませんね。

鈴鹿で今季最悪のレースをしてしまったマクラーレン・ホンダは、今回はあれが「たまたま悪い状況が重なっただけだった」ということを証明する健闘を見せてくれました。予選こそバトンが Q1 敗退という結果だったものの(でもあれはコースインのタイミングさえ悪くなければ Q2 進出できていたと思う)、決勝ではアロンソ・バトンともにベテランらしいスタートと闘志あふれるオーバーテイクを連発し、アロンソ 5 位・バトン 9 位という今季のほぼベストリザルトを記録。フェルスタッペンとライコネンのリタイアに助けられたとはいえ、フォースインディア・ウィリアムズ・トロロッソという直接のライバルを退けての 5 位入賞は評価に値すると思います。ドライバーがアロンソでなければあのワンチャンスをモノにしてオーバーテイクはできなかったでしょうが、あそこで自信を持って仕掛けられるだけのマシンに仕上がってきたということでしょう。

今週末開催されるメキシコ GP は、第一期ホンダ F1 が初優勝を飾ったサーキットでもあり、今回以上のミラクルを期待してしまいます。まあ高地で酸素が薄く、エンジン性能による差が出やすい場所ではあるので、ホンダ的にはちょっと厳しいところかもしれませんが...。

投稿者 B : 21:21 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/09 (Sun.)

F1 日本 GP 2016 決勝

F1日本GP鈴鹿はロズベルグが他を寄せ付けず圧勝。スタート失敗のハミルトンは3位に終わる

日本 GP 決勝。抜きにくいサーキットだけに、フロントロウに並んだ二台のメルセデスの勝負はスタートで趨勢が決するだろうと思っていましたが、果たしてその通りのリザルトになりました。ロズベルグが問題なくスタートを切った一方で、ハミルトンは蹴り出しに大失敗。一気に 2 位から 8 位までポジションを落とし、この時点でハミルトンの逆転勝利は絶望的になりました。
ロズベルグはそのままレースを支配し、2 位以下とのギャップを完璧にコントロールして優勝。完全に自分の勝ちパターンに持って行くことができたレースでした。

対するハミルトンはそれでも諦めず、先行するマシンを一台一台料理していったものの、終盤に争ったフェルスタッペンが手強かった。フェルスタッペンはスペイン GP で初優勝した走りを思わせる見事な防御でハミルトンに並びかけることさえ許しませんでした。ハミルトンはトップスピードの速さを活かしてターン 1 でのオーバーテイクを何度か試みたものの、フェルスタッペンは徹底的にターン 1 での防御に集中したドライビング。残り 2 周でハミルトンは戦略を変え、130R 後のシケイン飛び込みを狙ったものの抜ききれずオーバーラン、そこで万事休すとなりました。
抜けない鈴鹿で 8 位から表彰台まで戻ってきたハミルトンの速さも賞賛に値しますが、今回はそれ以上にフェルスタッペンが素晴らしかった。今回のマン・オブ・ザ・レースはフェルスタッペンでしょうね。

予選 3-4 番手を得たフェラーリでしたが、ヴェッテルが前戦で受けたペナルティで 3 グリッド降格、ライコネンもギヤボックス交換ペナルティで 5 グリッド降格と厳しいスタートとなりました。が、ヴェッテルが 3 位を走行していたところで不可解にもピットインタイミングを引き延ばし、その間にハミルトンに易々とアンダーカットを決められるなど、今回も微妙な采配で表彰台を逃してしまいました。まああのピットインが早かったとしても最終的に抜かれていた可能性は高いでしょうが、それ以前に戦わずして負けた印象。近年のフェラーリはこういうピット判断の拙さで失っているポイントが多すぎる。来季はトラックエンジニアを交代させたほうが良いんじゃないですかね。

というわけで、夏休み前の 4 連勝で流れを味方につけたハミルトンでしたが、対するロズベルグは夏休み明けの 5 戦で既に 4 勝をマークしており、チャンピオンシップは完全にロズベルグ有利。
ポイント差もこの時点で 33pt まで開き、残り 4 戦でハミルトンが全勝してもロズベルグが全て 2 位に入れば逆転は叶わない、つまりハミルトンの自力戴冠がなくなったことになります。シーズン前半のロズベルグには精神的な脆さも見えましたが、後半は安定感が光り、これを維持できれば確かにロズベルグにもチャンピオンの資格があると言えるでしょう。ハミルトンはとにかく全勝を狙い、あとは運を天に任せるしかありません。まあ 2008 年に最終戦の最終コーナーで初戴冠をもぎ取ったハミルトンの運の強さもまた侮れないものがありますが...。

我らがマクラーレン・ホンダですが、今週末は予選から決勝まで全く良いところなしのグランプリとなりました。予選は 15-17 番手、Q1 突破できなかったバトンは次戦投入予定だった新パワーユニットを先行投入し、パワフルなエンジンで最後尾から追い上げる戦略を採ります。しかし二台とも結局最後まで見せ場を作れないまま、16-18 位でフィニッシュ。順位だけ見れば「GP2 エンジン」を搭載していた去年よりも悪い結果です。つい最近までフォースインディアやウィリアムズと中団のトップを争っていたのに、本拠地鈴鹿でザウバーと良い勝負...というところまで落ちたのではちょっと救われませんね。ホンダの PU にまだまだ戦闘力がないのも事実だと思いますが、鈴鹿は車体が生み出すダウンフォースへの依存度が高く、マシン全体のパッケージングが問われるサーキット。改めて、マクラーレン製シャシーに競争力がないことが露わになった結果と言えるでしょう。ホンダ製 PU ばかり槍玉に挙げられてますが、実際マクラーレンもパディ・ロウがメルセデスに引き抜かれた 2013 年以降、速いマシンが全く作れていませんからね。
とはいえ今シーズンのマクラーレン・ホンダは尻上がりに競争力をつけてきていることは事実。コンストラクターズポイントでは 5 位のウィリアムズにはもう届かないでしょうが、トロロッソとの間の 15pt 差を守って 6 位でシーズンを終えられる可能性は十分にあります。残り 4 戦はそれぞれ性格の異なるサーキットが続きますが、手持ちの武器を最大限に使って入賞をもぎ取っていってほしいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/08 (Sat.)

F1 日本 GP 2016 予選

F1日本GP予選は僚友との争い制したロズベルグが3年連続でポールポジション獲得

今年も日本 GP の週末がやって来ました。アロンソに「GP2 エンジン」と言われた昨年と違い、今年はシーズンを通じてホンダ製パワーユニットの性能も随分向上して入賞の常連となりつつあるだけに、期待していました。私はまたしても子どもの運動会とかぶってしまいテレビ観戦ですが(泣)、それがなければ本当は現地で応援したかったところ。

マクラーレン・ホンダの予選はなんとバトンがいきなりの Q1 落ち。アロンソも 15 位に沈み、久しぶりに二台揃って後方グリッドからのスタートになります。鈴鹿と同じく高速テクニカルサーキットであるベルギーで好成績を収めていたため今回も期待していたんですが、やっぱり鈴鹿がマシンに求めるレベルは高かったかー。上位ではフェラーリの二台が久しぶりにレッドブル勢を抑える予選タイムをたたき出していることもあり、現在の鈴鹿は想像以上にパワーユニット依存度の高いサーキットになっているようです。
決勝では二人とも得意なスタートダッシュを決めて早いうちに順位を上げるなり、大胆なタイヤ戦略を採って上位を狙ってほしいところ。まあ言われなくてもホンダ的にはホームグランプリなわけで、入賞を狙う戦いを仕掛けてくれるでしょうが。

それにしても驚いたのはハースですよ。開幕から数戦は入賞もあって良かったものの、中盤以降はマシンの相対的な戦闘力が落ち、ポイント圏に名前を見かけることも減ってきていました。それが今回のマシンアップデートがうまく当たったにしても、二台揃っての Q3 進出にはさすがに驚き。でも、この鈴鹿はかつてグロジャンと現チーフエンジニアである小松礼雄氏が 2013 年に(当時はロータスに所属)同じコンビで 3 位表彰台を獲得したサーキット。マシン性能のアップ以上に、小松さんなりの鈴鹿攻略法があったに違いありません。今年の小松さんはもうドライバー担当ではありませんが、久しぶりに小松&グロジャンで鈴鹿を引っかき回すレースを見せてほしいところです。

熾烈なポールポジション争いは、1/100 秒差でロズベルグが制しました。夏休み明けてからのロズベルグは予選で滅法速い。ハミルトンがミスを犯したわけではないようなので、一昨年のロズベルグの一発の速さが戻ってきたようです。鈴鹿は抜きにくくグリッド順が物を言うサーキットだけに、決勝はスタートからターン 1 までを守り切ればロズベルグ有利な状況が生まれるでしょう。
いっぽうでハミルトンは鈴鹿は絶対に落とせないレース。ここでロズベルグに優勝されてしまうと、自力でのチャンピオン獲得が消える(残り 4 戦をハミルトンが全勝しても、ロズベルグは全て 2 位に入ればロズベルグのチャンピオンが確定)だけに大事な一戦となります。かつてのセナ・プロのようなアクシデントが起こってしまう可能性も否定できませんが、是非ともクリーンなレースで勝負をつけてほしいところ。

明日の鈴鹿はどうやら午前中は雨、そしてお昼から晴れていくという天気になる模様。スタート時点での路面がまだウェットなのか乾いているのか、によってもレース展開は全然変わってきます。一昨年のビアンキの事故のようなことは起きてほしくないけど、何かしら番狂わせが起きてくれることは期待してしまいますね。
来季の休養が決まっているバトンにとっても今回がいったん鈴鹿ラストランになるわけで、思い出に残るレースを見せてほしいと思います。

投稿者 B : 21:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/03 (Mon.)

F1 マレーシア GP 2016

マレーシアGP決勝 波乱のレースでレッドブル1ー2!

鈴鹿の前哨戦、マレーシア GP。そろそろチャンピオンシップも佳境に入り、ハミルトンとロズベルグがどのような戦いを繰り広げるのか...と思っていたら、まさかの伏兵レッドブルが 1-2 フィニッシュ!これにはちょっと驚きました。

予選は完全にハミルトンのターン。ロズベルグもレッドブル勢に脅かされながら何とか二番手につけましたが、スタート直後の混乱でヴェッテルがロズベルグに追突。ヴェッテルはそのままリタイア、ロズベルグも後方からの追い上げを余儀なくされます。
そのままハミルトンが楽勝か、と思いきや、残り 15 周で突然ハミルトン車のエンジンがブロー!目前にしていた 25 ポイントがゼロに。今季のハミルトンはとことんパワーユニットの信頼性に恵まれていませんね...。

勝ったのはその時点で 2 位につけていたリカルド。レッドブルの二台はタイヤ戦略の違いで、途中フレッシュタイヤを履いたフェルスタッペンがリカルドを抜きにかかる場面がありましたが、リカルドがそれをブロック。チーム的にはここでフェルスタッペンに先行させたほうがまだ優勝の可能性があるのでは、と思いましたが、リカルドにとっては結果的にそれが幸運を呼び込みました。チームとしても今季スペイン GP・モナコ GP でリカルドに与えられたはずの優勝をみすみす逃してしまった経緯があるだけに、最後はポジションをキープさせる選択をした側面もあったのでしょう。いずれにしてもレッドブルの二台の攻防はモータースポーツとして気持ちの良いもので、毎戦こういう優勝争いが繰り広げられてほしいものだ、と感じました。

3 位に入ったのは追い上げてきたロズベルグ。今季のメルセデスは後方からの追い上げでも必ず表彰台付近まで上がってきますね。もはや 1 チームだけ別カテゴリのレースを戦っていると言って良い状況。
チャンピオンシップは残り 5 戦で 23pt 差となりました。ハミルトンがあのまま勝っていればまたほとんどポイント差のない状況が生まれていただけに、ハミルトンとしては悔やんでも悔やみきれない結果でしょう。まだ 5 戦あれば十分再逆転できる差ではあるけれど、ハミルトンが改めて強さを見せるのか、ロズベルグがこの差を守り切るのか。いよいよ面白くなってきました。

マクラーレン・ホンダは今季三度目のダブル入賞で、鈴鹿に向けていい勢いがつきました。バトンは予選 9 位から一時は 4 位を走行していたにもかかわらず、バーチャルセーフティカー導入のアヤで順位を失いグリッド通りの 9 位というのが悔しいところではありますが、対照的にアロンソが素晴らしかった。翌週の日本 GP に向けて、いわば「鈴鹿スペシャル」とも言える最新アップデート版の PU をフリー走行に投入。しかしマイレージ節約のため予選では旧 PU に戻し、PU 交換ペナルティを受けて最後尾スタートとなります。決勝ではいつものようにジャンプスタートを決めて一気にポイント圏まで上がり、バトンとは逆にバーチャルセーフティカーのタイミングもうまくハマって 7 位入賞。あまり国際映像に映らなかったので気がついたらバトンの前にいたときには驚きましたが、最終的には二台ともフォースインディアと渡り合っての 7-9 フィニッシュは健闘したと言えます。今回のアロンソは旧 PU での結果ですが、鈴鹿ではさらに戦闘力が高まった PU で走れるのがさらに期待を持たせます(バトンは PU ローテーションの関係で鈴鹿の次、アメリカで新 PU 投入予定)。

波乱もあり、とても面白いレースでした。
そしてマクラーレン・ホンダにとってもう一つの母国 GP となる鈴鹿はもう今週末。既に今日から各チームは日本入りしているようなので、都内では明日~明後日あたりドライバーやチーム関係者に遭遇する機会があるかもしれません(笑。

投稿者 B : 22:56 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/09/20 (Tue.)

F1 シンガポール GP 2016

シンガポールGP決勝 ロズベルグ優勝、ランキングトップに

F1 はヨーロッパラウンドを終え、アジア方面への終盤戦フライアウェイに突入しました。ナイトレースのシンガポール GP、こういう公道コースはハミルトンが大得意とするところ。完勝でランキングトップを盤石のものにするかと思いきや、予想とは全く逆の結末になりました。

今回のレースは予選からロズベルグが速かった。Q3 ではハミルトン自身のミスもあり、かつストレートが少ないコース特性もあってレッドブルやフェラーリが健闘。ロズベルグ PP にリカルドが 2 番手につけ、ハミルトンは 3 番グリッドからのスタートになります。
決勝スタートはロズベルグもハミルトンも大きな失敗なく蹴り出したものの、後方でクラッシュがありスタート早々にセーフティカー導入。結果、上位のトラックポジションはスタート時のまま固定されます。そこへメルセデスの二台にブレーキの冷却トラブルが発生し、思った通りにペースが上げられないという問題に見舞われます。クリーンエアを受けながら走れる首位ロズベルグはまだしも、追い上げ展開となったハミルトンにこの状況は厳しい。中盤までこのまま膠着状態が続き、いっぽう後方からは予選でのマシントラブルでほぼ最後尾スタートとなったヴェッテルが猛烈なペースで追い上げてきています。
33 周目、ずっとチャンスをうかがっていたライコネンがハミルトンのミスを見逃さずに乾坤一擲のオーバーテイク!ハミルトンは 4 位に順位を落とします。このままでは表彰台すら逃してしまうハミルトンはピット戦略を変更し、その時点で履いていたタイヤを使い切るまでペースアップした後にスーパーソフトに交換。ポジションを守りたいフェラーリは、ギリギリまでタイヤ交換を迷った挙げ句ピットインしたところ、結果的にハミルトンにアンダーカットを許してしまいました。これは完全にフェラーリの判断が遅すぎた。今季のフェラーリ不振はマシン開発の停滞もさることながら、こういうオペレーションの拙さで落としているポイントがあまりにも多いことに原因があると思います。

終盤はリカルドが魅せてくれました。残り 13 周でピットインしスーパーソフトタイヤに交換すると、怒濤の追い上げで 1 周 2~3 秒ずつロズベルグとの差を詰めていきます。ロズベルグもタイヤ交換をして合わせに行くかと思われましたが、そのままステイアウト。これはもしかするとフェラーリのように判断が裏目に出るのでは...と思われましたが、リカルドが追いつくよりも先にスーパーソフトタイヤのパフォーマンスが落ち始め、わずか 0.5 秒差を守ったロズベルグがそのままトップチェッカー。
結果的にはメルセデスの 1-3 フィニッシュだったとはいえ、メルセデスがこうしてフェラーリにオーバーテイクされたりレッドブルに追い立てられたりするレースは久しぶりで、非常に見応えがありました。メルセデスのブレーキに不安があったのが一因ではありますが、これだけ面白いレースを魅せてくれたライコネンとリカルドには拍手を送りたい。

このレースの結果、チャンピオンシップでは再びロズベルグがランキングトップに返り咲きました。この期に及んでまだロズベルグがハミルトンを直接対決で下したと言えるレースがないのは気になりますが、いよいよ残り 6 戦、ロズベルグが今回のように予選から決勝まで完璧なレースを組み立てることができれば、彼岸のチャンピオン獲得の可能性は十分にあり得ます。いっぽうのハミルトンはまだ全く自信を失っていないでしょうから、トラブルなく自分らしい走りに集中できるかどうかにかかっていると言えます。

マクラーレン・ホンダは、予選は最近の定位置付近と言える 9・12 番手。マシン性能の差が出にくく、またセーフティカーがほぼ確実に導入されるレースで上位入賞が期待されましたが、バトンはスタート直後の接触が原因でほとんど走らない間にリタイア。アロンソは得意のジャンプスタートを決め中盤まで 5 番手を走行するなど、安定感ある速さを見せてくれました。その後ヴェッテルとフェルスタッペンに交わされたものの、後続を寄せ付けず 7 位フィニッシュ。6 位までは「三強」が順当に二台ずつ収まったことを考えると、確実に中堅チームのトップを争える実力がついていることが確認できたと言えます。さすがにこれから 50pt 差のあるフォースインディアやウィリアムズに追いつくことは難しいかもしれませんが、トロロッソを抑えてコンストラクターズ 6 位の座は確実なものにしてほしいところ。

次は 16 年ぶりの秋開催となるマレーシア GP。さらにその翌週には日本 GP が控えていることもあり、マクラーレン・ホンダのさらなる躍進に期待したいところです。

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2016/09/06 (Tue.)

F1 マッサが引退、バトンが一年休養へ

例年、いくつかのチームが来季の体制発表を行う F1 イタリア GP。今年はフェラーリが現行体制キープということでそのへんの動きはありませんでしたが、他チームのベテランドライバーによる発表がありました。

マッサ 今季限りでF1引退 - GPUpdate.net

まずはフェリペ・マッサ。長年フェラーリドライバーとして活動してきた思い入れが強いのか、M. シューマッハーが 10 年前に一度目の引退を発表したイタリア GP の場で、自信の引退を発表。数年前からシート喪失の噂があったので、思ったより長く現役でいられたなという印象の方が強いですが...若手の期待株としてフェラーリに抜擢された頃のことを思えば、長い年月が経ったんだなあと実感します。
ザウバーから「シューマッハーの弟子」的な位置づけでフェラーリ入りし、2008 年にハミルトンと最終戦最終ラップまでチャンピオン争いを演じた頃までがマッサのピークだったでしょうか。2009 年にレース中のアクシデントで一時休養したあたりから、速さよりも弱さが目立ちました。フェラーリにアロンソが加入してからは完全にセカンドドライバー扱い、ウィリアムズに移籍してからはしばらくチームの牽引役を担ってはいたものの、近年はボッタスの引き立て役になってしまっていることも多く、同郷の先輩バリチェロ同様にエースにはなりきれなかった星回りが不幸でした。それでもトルコ GP を三連覇するなど「ハマれば速い」のもマッサの印象でした。
思い返せばこの 10 年、トップチームのシートに座り続けたドライバーも二桁もいないわけで、そういう意味では近年の F1 を支えたドライバーの一人だったと思います。お疲れさまでした。

マクラーレン ファンドーネ昇格、バトンはリザーブに

続いてジェンソン・バトン。少し前までの噂では引退するマッサの後釜としてウィリアムズに移籍、空いたマクラーレンのシートにはストフェル・バンドーンが昇格すると言われてきましたが、意外にもバトンはウィリアムズには行かず、一年間のサバティカル(休暇)を取るとのこと。以前からバトンは「競争力のあるチームでなければ移籍はしない」と発言しており、去年までのウィリアムズならばマクラーレン・ホンダよりも条件は良かったと言えるでしょうが、今季のウィリアムズを見るとその速さに継続性があるかは疑問。マクラーレンはバンドーンにシートを与えたく、アロンソにはまだ契約があるとなれば、自ずと選択肢は限られてきます。イタリア GP の解説で川井ちゃんが「プライベートな問題もあって自分の時間を作りたいようだ」とコメントしていましたが、道端ジェシカさんと結婚してスピード離婚したのも、もしかするとそのプライベートの時間のなさに原因があるのかもしれません。
バトンは休暇中もマクラーレン・ホンダのリザーブドライバーとして契約を継続するとのことで、今年のバーレーン GP のようにレギュラードライバーに不慮の事態があった際には再びステアリングを握ることになります。また、アロンソのマクラーレンとの契約は 2017 年末までのため、競争力のあるチームで走りたいバトンとしては、三強以外のチームに移籍するくらいならアロンソ離脱後のシートに収まったほうがまだ勝てる可能性がある、と見ている可能性もあります。いずれにしても、長年ホンダとともに走ってきたドライバーがマクラーレン・ホンダの復活を見届けずに引退してしまうのは寂しい話なので、もうしばらくホンダのロゴを胸に掲げたバトンの姿が見られるというのは嬉しいところ。

これで来季のストーブリーグはメルセデス/レッドブル/フェラーリ/マクラーレンのシートが確定。ウィリアムズ/フォースインディア/トロロッソ/ハース/ザウバーは片方のシートが空いていると言われており、ルノー/マノーは白紙に近い状態。カギを握るのはペレスがどのチームに移籍するか、そして若手ホープであるウェーレインをメルセデスがどのチームに押し込むか、あたりから芋づる式にパズルのピースがはまっていきそうです。

投稿者 B : 22:10 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/09/05 (Mon.)

F1 イタリア GP 2016

イタリアGP決勝 ロズベルグ優勝、ハミルトンが2位

F1 きってのパワーサーキットであるイタリア・モンツァ。レース前から完全にメルセデスのためのグランプリになることは見えていましたが、結果的にそのとおりのワンサイドゲームになりました。

予選はハミルトンがこのサーキットとの相性の良さを見せつけて PP。2 番手にロズベルグがつけます。が、決勝のスタートでハミルトンが久々に失敗、ロズベルグに首位を奪われたばかりか、その間にフェラーリやウィリアムズが割り込んできてしまいます。前を走るウィリアムズのボッタスを料理するのに数周を要する間にロズベルグは大きなギャップを構築。他チームとは明らかにペースの異なるメルセデスのマシンとタイヤ戦略の違いもあって、ハミルトンは難なくフェラーリを交わして 2 番手に戻ったものの、最後までロズベルグとのギャップを詰め切れず。レース自体もオーバーテイクの少ない単調な展開のまま、1 位ロズベルグ・2 位ハミルトンでフィニッシュ。これでチャンピオンシップは 2pt 差、みたび振り出しに戻ったと言えます。
振り出しに戻るといえば、ハミルトンは前戦ベルギーで 55 グリッド分という莫大なペナルティ(ただし 1 戦のみでペナルティは消滅)を受けてフレッシュエンジン 3 基を手に入れ、残りレースを戦うためのパワーユニット数という点ではロズベルグとほぼ同条件。スタートのシステムに不安があるという点でも両者に差はないので、残り 7 戦という時点でほぼ完全にイコールコンディションでのチャンピオン争いとなります。残るレースもドライバーの実力が試されるサーキット揃いで、本当に強いドライバーはどちらか、直接対決を制したほうがチャンピオンを獲得することになります。ロズベルグが今度こそハミルトンというライバルを精神的に克服できるのか、改めてハミルトンが強さを見せつけるのか。

いっぽう、ベルギーで印象的な速さを見せたマクラーレン・ホンダですが、これだけパワーユニットへの依存度が高いサーキットではそこまでの力は示せませんでした。予選は 12・14 位、決勝はバトンとアロンソの順番が入れ替わったものの同じく 12・14 位。今のホンダ製 PU はデプロイメント(エネルギー回生)の効率はかなり向上しているため複合サーキットであればそれなりに実力を発揮できますが、こういうストレートスピードが物を言うサーキットではターボ性能でライバルに敵わない弱点が露呈しますね。
しかし決勝では終盤、アロンソが目先の順位を捨てて狙いに行った一発アタックで決勝レース中のファステストラップを記録!絞り出せばそれだけのポテンシャルがある PU であることを証明してみせました。アロンソは以前からこうやって単に完走するだけではないレースの戦い方を模索してきていましたが、これは終盤戦に向けてチームとファンを鼓舞するパフォーマンスだったと思います。少なくとも今のマシンであれば次のシンガポールは期待ができるし、ベルギーの状況を考えれば鈴鹿やテキサスのようなサーキットでもいい戦いができるはず。

二週間後のシンガポール GP はセーフティカーが入る確率が高く、番狂わせもあり得るサーキット。何が起きるか、見てみたいと思います。

投稿者 B : 22:19 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/08/30 (Tue.)

F1 ベルギー GP 2016

ベルギーGP決勝 ロズベルグ優勝、ハミルトン3位

F1 も夏休みが明けていよいよ後半戦。いきなりハイレベルなテクニカルサーキットであるベルギーからの再開となりました。

夏休み前についにチャンピオン争いでトップに立ったハミルトンですが、今回のレースでは今季 6 基目のパワーユニットを投入して、いきなりの 10 グリッドダウンペナルティが予選前から確定。予選も早々に Q1 からマイレージを温存する戦略で、ほぼ最後尾スタートが確定します。対するロズベルグは、レッドブルやフェラーリの猛攻に圧されながらも PP 獲得。しかしレッドブルもフェラーリもマシンの仕上がりは良く、決勝は激しい争いが予想されます。

が、スタート直後から波乱がありました。スタートに失敗した 2 番手のフェルスタッペンと、ロズベルグを追いかけたいフェラーリの二台が 1 コーナーでスリーワイドの競り合いの末に接触。あの狭いコーナーを二台で回ったら(しかも両端の二台は真ん中のライコネンの向こう側はほぼ見えていない)そりゃ行き場もなくなるよねという感じでしたが、これでこの三台は早々にトップ争いから脱落。三台はその後も因縁があるかのようにレース中ずっと競り合っている状況でしたが、みんな頭に血が上っているようで、それはそれで面白かった(笑
これで楽になったのはロズベルグ。ハミルトンもさすがに優勝争いに絡んで来れない状況では、難なくチェッカーまでクルマを運ぶだけの仕事でした。ロズベルグにとってはこういうときにちゃんとポイントを稼ぐことが大事。でも、直接対決でハミルトンを下さない限り、チャンピオンの資格は満たさないとも思いますが。

21 番グリッドからのスタートとなったハミルトンですが、こういうレースで運が回ってくるのがチャンピオンのチャンピオンたる所以なんですよね。スタートでガッツリ順位を上げつつ、6 周目のマグヌッセンの事故に伴うセーフティカー導入時にステイアウトした結果、赤旗中断となったために 5 位でタイヤ交換を済ませてリスタートできる状況に。その後も攻め続け、途中不可解なピットストップ(残り 22 周、ミディアムタイヤで走り切れそうなところを一回ソフトを挟んでミディアムに交換)はあったものの、なんと 21 番手から 3 位表彰台を獲得。ロズベルグとのポイント差は 10 点詰まって「9」となったものの、PU 交換のペナルティとしては最小限のダメージで食い止めた、と言って良いと思います。

フェルスタッペンとフェラーリ二台のバトルは面白かったけど、こういうレースでしっかり 2 位に食い込めるリカルドの実力も大したもの。今季はフェルスタッペンのインパクトにやや陰が薄れがちですが、持ち前の勝負強さに安定感が伴ってきて、このリカルドとフェルスタッペンというレッドブルのコンビは今の F1 で一番面白いですね。
そして見逃せないのは 4-5 位に入ったフォースインディア。終盤のハミルトンの追い上げにはさすがに敵わなかったものの、現時点で三強の次は間違いなくこのチームでしょう。気がつけば確実にポイント圏内を走り、ほぼ開発の止まったウィリアムズやトロロッソよりも明らかに競争力があると言えます。コンストラクターズポイントでもついに 4 位に浮上し、チーム設立以来最高のシーズンを形にしつつあります。

マクラーレン・ホンダは、望みうる最高の形ではなかったものの、トークンを使用したパワーユニットの大幅アップデートを実施。アロンソは Q1 でトラブルのためタイム計測さえできずに終わってしまいましたが、この高速サーキットでバトンが 9 番グリッドを獲得する大健闘。
決勝では、逆にバトンがオープニングラップでウェーレインに追突されてリタイアという残念な結果でしたが、今度はアロンソが最後尾スタートから 7 位フィニッシュ。一時は 4 番手を走行し、前を走る誰かにマシントラブルが発生したら表彰台か!?とさえ期待させてくれました。結局ハミルトンとフォースインディアのペースにはついて行けず順位を落としましたが、去年までは優勝を争っていたウィリアムズの二台を抑え込んだのは実力とみて良さそうです。これで予選のアロンソと決勝のバトンそれぞれのアクシデントがなければもっと上を狙えていたと思うと、今季の残りのレースには期待せざるを得ません。

とはいえ次は F1 で最もトップスピード依存度の高いイタリア GP なので過度な期待はできませんが(笑)、もしこのモンツァで今回のような結果が出せればいよいよこの速さは本物、ということになります。ちょっと期待せずにはいられません。

投稿者 B : 22:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/08/02 (Tue.)

F1 ドイツ GP 2016

ドイツGP決勝 ハミルトンが優勝、レッドブル2台が続く

夏休み前最後のレースとなったドイツ GP。昨年は開催されなかったため、二年ぶりにドイツの地で F1 が走ることになりました。

今回の焦点はハミルトンがここ数戦の勢いを継続させるのか、それともロズベルグがホームレースの利を活かして逆襲に待ったをかけるのか、でしたが、今回も完全にハミルトンのレースでした。まるでハンガリーのリプレイを見ているかのように、PP のロズベルグがスタートに失敗してハミルトンが先行逃げ切りという、チャンピオン争い的には盛り上がりに欠ける内容でした。

前半戦ではマシントラブルやスタート時のクラッチミート失敗が多く、流れを掴めずにいたハミルトンですが、ここに来てマシンの信頼性も高まり、スタートのシステム調整と本人の感覚がうまくリンクするようになったようで、昨年のような手のつけられない速さを再び発揮するようになりました。パワーユニットはレギュレーションで定められた年間 5 基を使い切ってしまっており、次の PU 投入時にはペナルティが科せられることになりますが、今回のレースではあえてパワーユニットを労って後続との差をキープしても余裕で勝てる、という面さえ見せつけられた感があります。今のハミルトンにはむしろ、この PU の状況さえちょうど良いハンディキャップになっているのかも。
ロズベルグはスタートに失敗しただけでなく、その後レッドブルの二台を抜きあぐねた結果、コーナリングの飛び込みでフェルスタッペンを押し出してしまい、5 秒のピットストップペナルティを科せられます。運の悪いことに、そのペナルティ実行時にストップウォッチが作動せず、10 秒近いストップになってしまった結果、レッドブルの後塵を拝す 4 位フィニッシュ。あそこで焦らずに落ち着いて対処していれば 2 位フィニッシュでダメージを最小限に抑えられた可能性が高かっただけに残念です。もはや完全に去年までのロズベルグに戻ってしまった印象ですが、よく考えればロズベルグ自身は何も変わっておらず、ハミルトンが本来の強さを取り戻しただけのようにも思えてきます。

ロズベルグの失策があったとはいえ、2-3 位を占めたレッドブルは賞賛されるべきでしょう。ハンガリーでもリカルド vs ヴェッテル、フェルスタッペン vs ライコネンのレッドブル vs フェラーリ対決をともに制しましたが、今回も二台揃ってフェラーリに先行し、ついにコンストラクターズランキングでフェラーリを逆転しました。正直、出力でフェラーリに劣るルノー製 PU を搭載してここまで健闘するとは開幕前には思ってもいませんでした。が、ルノー製 PU の性能向上もさることながら、シャシーを含めたマシン全体のパッケージングが優れていることと、若い二人のドライバーが切磋琢磨していることの効果が大きいのだと思います。片や、来季にフォーカスを移したかのように見えるフェラーリ。来年どうなるかは分かりませんが、少なくとも今年のレースを面白くしてくれているのはレッドブルだと思います。

ハンガリー GP で初のダブル Q3 進出を果たしたマクラーレン・ホンダ。とはいえハンガリーはマシン性能よりもドライバーの力が物を言うサーキットであり、これが今のチームの実力だとは思っていません。実際、全開率の高いここホッケンハイムでは、12-13 番グリッドを確保するのがやっとであり、これが順当な「一発の速さ」でみたマシン性能といったところでしょう。が、レースペースは決して悪くなく、終盤まで二台で 9-10 位をキープしたまま走り続けていました。先にタイヤがタレてきたアロンソが残り 3 周で残念ながらペレスに交わされ入賞圏外へと落ちてしまいましたが、バトンは逆に残り 2 周でボッタスをパスして 8 位にポジションアップし、チェッカーを受けました。従来ならホンダが苦手としてきたパワーサーキットで、終盤にウィリアムズをオーバーテイクできたのは、実力がついてきた証拠と言えます。
ホンダのパワーユニットは予選モードで走らせるとトップ 10 にはまだ一歩届かないパフォーマンスしかありませんが、レースペースと信頼性に関しては一定のレベルに達したと言えます。そして、昨年から今年序盤までなかなか上がってこなかったシャシー性能も、ここに来てようやく上向き、PU の性能向上と咬み合ってきました。マクラーレンは昔からシーズン中盤以降の開発力には定評があり、かつ他チームが来年を見据えて開発の手を止め始めたタイミングもあって、総合的なパフォーマンスではウィリアムズ、フォースインディアあたりと互角以上の戦いができるようになってきましたね。ウィリアムズもフォースインディアもマシン開発はもう止まってきているように見えますし、脅威だったトロロッソもフェルスタッペンをレッドブルに引き抜かれてからはあまり冴えていません。コンストラクターズポイントでは 6 位のトロロッソに 3pt 差と、完全に背中が見えた状態。夏休み明けのベルギー GP では内燃機関を刷新した PU の投入が確実視されていますし、ここからどれだけパフォーマンスを伸ばせるか。ウィリアムズやフォースインディアとの差はまだ大きいですが、最終的に「三強の次」のポジションを三つ巴で争える位置まで上がってきてほしいところです。

次は今月末のベルギーまで、F1 は少し短い夏休み。この間にマクラーレン・ホンダがどこまで開発を進められるか、期待して見守りたいと思います。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/07/27 (Wed.)

F1 ハンガリー GP 2016

ハンガリーGP決勝 ハミルトンが優勝、ロズベルグ2位

モナコ以来、久しぶりの低速サーキットであるハンガロリンクでは、二つ注目ポイントがありました。一つはチャンピオン争いを 1pt 差まで詰めたハミルトンが、大得意のハンガリーでどのような逆転劇を見せるか。それからチーム力を徐々に上げてきたマクラーレン・ホンダが初の Q3 ダブル進出とダブル入賞を果たせる最大のチャンスでもあるわけで、期待の高まるレースでした。

予選は降雨の影響で中断に次ぐ中断。最終的には、イエローフラッグが振られたタイミングのアヤでロズベルグが PP を獲得しましたが、流れとしては完全にハミルトンでした。
決勝は、ロズベルグもスタートは悪くなかったものの、ハミルトンが久しぶりにいいスタートを決めてターン 1 にトップで飛び込みます。その後は最後までロズベルグとのギャップをコントロールし切り、難なくチャンピオンシップ首位に立ちました。

ハンガロリンクはマシン性能(特にトップスピード)の差が出にくいサーキットなので、もっとメルセデスとレッドブルやフェラーリとの差が縮まるのではないかと予想していました。が、スタート後からあっという間にメルセデスの 2 台が後続との差を広げて、まるで別カテゴリのようなレースを繰り広げていました。このサーキットでここまで差をつけられてしまうと、もう他チームは今季メルセデスに対してやれることは何もないのではないでしょうか。
そのメルセデスの中でも、ロズベルグは結局最後までハミルトンに攻撃らしい攻撃もできないまま、みすみすチャンピオンシップの主導権を奪われてしまいました。相手に勝てないときは 2 位を確実に獲り続けることが逆転へのセオリーではありますが、今のロズベルグにはハミルトンとの立場を入れ替えられる要素が見当たりません。一度でも直接対決でハミルトンを下すことができればまだチャンスはあると思いますが、ホームレースである次のホッケンハイムでそれが可能かどうか。

3 位以下も面白いレースでした。3-4 位はリカルドとヴェッテル、5-6 位はフェルスタッペンとライコネン、というどちらもレッドブル/フェラーリ対決。しかしどちらもレッドブルが制したことが、サーキット特性で差が縮まったとはいえ今はもうフェラーリよりもレッドブルのほうが速いことを証明していると言えます。ドライバー的にも勢いがあるのはレッドブル。コンストラクターズポイントでも 1pt 差に迫られ、レッドブルに逆転されるのも時間の問題のように思えます。フェラーリは既にマシン開発の焦点を来年に向けているようにも見えますが、今後の逆襲はあるのかどうか。

マクラーレン・ホンダは見事、現体制になって以来初の予選ダブル Q3 進出を果たしました。ハンガリー GP だけにマシン性能よりもドライバーの実力によるところが大きいでしょうが、チームにとっても大きな自信になったはず。決勝ではバトンこそマシントラブルでこのレース唯一のリタイアとなってしまいましたが、アロンソは最後までいい走りを見せ、7 位入賞。三強が一台も脱落せずにチェッカーフラッグを受けたことを考えると、少なくとも「それ以外のチームでのトップ」であったことは事実で、これもまた大きな自信になったのではないでしょうか。
今回はマシンの性能ではなくドライバーの力で結果を出せたとはいえ、こういう形で結果が出てくることで前に進む力になるのもまたチームスポーツ。とりあえず、鈴鹿に帰ってくるまでの間にこの「三強の次」のポジションを盤石にしてほしいものです。

次のレースはもう今週末、ドイツ・ホッケンハイムサーキット。夏休み前最後のレースですが、チャンピオンシップは誰が首位で折り返すことになるのか。なんかこのままハミルトンが独走態勢に入りそうな気がしないでもないですが、ロズベルグにはせめて地元で一矢報いてほしいところです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/07/12 (Tue.)

F1 イギリス GP 2016

イギリスGP決勝 ハミルトンが母国グランプリを制す - GPUpdate.net
ロズベルグに10秒ペナルティ - GPUpdate.net

2016 年シーズンの折り返し地点、イギリス GP。モナコ GP 以降はハミルトンのためのシーズンと思えるようなレースが続いていますが、ホームグランプリであるシルバーストンでも彼の強さが際立っていました。

予選から他者を寄せ付けない速さで PP。ウェットコンディションでセーフティカー先導によるローリングスタートとなった決勝も、最後までほぼ影をも踏ませない圧倒的な強さを見せつけて完勝。得意なコースにマシンが完璧に合い、一人だけ違うカテゴリのレースを走っているかのようでした。
対照的だったのがロズベルグ。予選こそハミルトンの後ろにつけたものの、決勝では濡れた路面でハミルトンのペースについて行けず、中盤には一度フェルスタッペンにオーバーテイクされる場面さえありました。最後はギヤボックストラブルで 7 速を失い、なんとか 2 位をキープしてチェッカーフラッグを受けたものの、ギヤボックストラブル発生時のピットとの無線通信がレギュレーション違反(今シーズンより、ドライバーは運転について無線による援助を受けてはいけない)と判定され、タイムペナルティを科されて 3 位に転落。その結果、ドライバーズチャンピオンシップはついにロズベルグとハミルトンが 1 ポイント差にまで近づきました。

個人的には、現行レギュレーションの無線規定はちょっと厳しすぎるし、制限を課すならチームオーダーを禁止したほうが F1 のショーアップのためには面白いんじゃないのとさえ思いますが、ルールはルール。負け始めると冷静さを欠くのがロズベルグの弱いところですが、もはや精神的にはハミルトンのほうが上位にいるんじゃないですかね。

いっぽうで見事だったのはフェルスタッペン。今シーズンのメルセデスをまともにオーバーテイクしたのはフェルスタッペンが初めてじゃないですかね。スペイン GP での初優勝後、ハミルトン以外のドライバーの中で最も勢いを感じるのがフェルスタッペンです。速いし冷静だしブロックも巧い。若さゆえのミスも時折見られますが、今のフェルスタッペンをメルセデスに乗せたらハミルトンすら凌ぐんじゃないか、とさえ思います。最終的に 2 位が転がり込んできたのは、最後まで諦めずにロズベルグを追いかけ続けた彼自身の成果でしょう。マシン性能も今やフェラーリを完全に超えているように見えますし、今季中にあと 1 勝しても不思議はありません。僚友リカルドも十分健闘しているはずですが、今のフェルスタッペンの勢いの前には霞んでしまいます。

マクラーレン・ホンダは残念なことにノーポイントフィニッシュ。予選では「もう大丈夫」という判断が早すぎてバトンが Q1 落ちという情けないピット判断もありましたが、マシンの総合力が問われるシルバーストンでアロンソが Q3 進出したことは、着実に速さがついてきている証拠でしょうし、Q1 での判断ミスもその自身の裏返しという見方もできます。そしてレース内容自体も決して悪くなかった。メルセデス製 PU を搭載したウィリアムズをオーバーテイクするなど、十分にバトルができていましたし、ピット戦略で奇襲をかけていればポイント争いにも絡めたはず。近年のマクラーレンはレース戦略がコンサバすぎて、どうせ失うものなんてないのになんでここで攻めないのか...というレースが少なくありませんが、今回はその悪い面が顕著に出てしまいました。
でも、この内容ならば鈴鹿でも 2 台揃っての Q3 進出やダブル入賞は狙えるポジションだと思うので、今後のさらなる伸びに期待です。

次戦ハンガリーは久しぶりの低速サーキット。マクラーレン・ホンダ的にもポイント獲得の可能性がさらに高まるサーキットですし、チャンピオンシップ面でもシーズンの半分を過ぎて「リセット」された状態で臨むグランプリ。波乱が起きることが少なくないサーキットですし、何か面白いことが起きてほしいところです。

投稿者 B : 22:01 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/07/04 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2016

オーストリアGP決勝 ハミルトン優勝、最終ラップでドラマ

レッドブルのホームレースであるオーストリア GP。とはいえメルセデス最速は変わらないだろう、という予想通りのレースにはなりましたが、それでも見所の多いグランプリでした。

まずは予選、Q2 の終わりに降り出した雨によりウェットからドライに変わっていくコンディションとなった Q3。こういう状況下で滅法強いのが、バトンとヒュルケンベルグです。バトンは初優勝を挙げた 2006 年のハンガリー GP がこんな天候だったし、ヒュルケンベルグはデビューイヤーの 2010 年ブラジル GP の予選で同様の状況下で初 PP 獲得。今回も、二人がそれを彷彿とさせる見事な戦略とドライビングで、戦闘力に劣るマシンながらヒュルケンベルグが 3 位、バトンが 5 位を獲得。しかもロズベルグとヴェッテルのギヤボックス交換ペナルティによりヒュルケンベルグが 2 番手、バトンが 3 番手グリッドを獲得するという金星を挙げました。
PP は例によってハミルトンでしたが、この時点で決勝への期待は高まります。

決勝はハミルトンが今回はスタートをうまく決め、トップのまま 1 周目を走破。しかしスタート時に履いていたウルトラソフトはライフが短く、一足先にピットインして代わりにヴェッテルが首位に立ちます。が、ヴェッテルもトップ走行中の 27 周目、突然のタイヤバーストでそのまま戦線離脱。今回のレースではおそらく勝てるペースはなかったにせよ、十分に表彰台を狙えるパフォーマンスはあっただけに残念です。今季のフェラーリはとにかく安定して上位入賞を続けられないですね...。
その後はロズベルグがトップを走り、タイヤ交換後に追い上げてきたハミルトンが後ろにつける序列に。とはいえ、ピット戦略的にはハミルトンはそのままゴールまで走りきれるライフのタイヤを履いており、ロズベルグのタイヤ交換の間に順序が入れ替わる計算。...かと思ったら、ロズベルグがタイヤ交換する 1 周前にハミルトンが 2 度目のピットイン!タイヤライフに自信がなかったのか、先にピットインしてアンダーカットを決めようという算段だったのか分かりませんが、結果的にこのピット戦略は失敗に終わり、共に最後のピットインを終えた段階でロズベルグが前。しかしその後のペースはハミルトンのほうが速く、どこで仕掛けるか手に汗握る展開となります。

そして事件が起きたのはファイナルラップ。ハミルトンがオーバーテイクを仕掛けたところでロズベルグと交錯し、ハミルトンがコース外に弾き飛ばされます。が、戻ってきたハミルトンとロスベルグが再度接触。ハミルトンは深刻なダメージもなくそのままチェッカーを受けられましたが、一方のロズベルグはフロントウィングが脱落してペースダウン、4 位でゴールがやっとでした。

これまでのレースではハミルトンがロズベルグをコース外に押し出した印象が強く、逆にロズベルグはハミルトンとあまり接触しないか、接触してもダメージを受ける側であったことが多いように思います。そういう意味では(故意だったかはさておき)「相手を押し出してでも勝つんだ」という意志を見せたことは進歩だと思いますが、結果的に自分がダメージを受けてしまうあたりがやっぱりロズベルグだなあ、と思います。やるなら素ポーティングレギュレーションに抵触しない範囲で相手にダメージを与えないと(笑。もちろん純粋な速さで勝つのが本来あるべき姿ですが、こういう接近戦になったときの強さもチャンピオンの器の一つであり、ハミルトンにはそれがあってロズベルグにはやっぱりない、というのが改めて明らかになったレースだったと思います。ロズベルグはまだ 11pt 差で首位を守ってはいますが、メンタル的にはもうハミルトンに負けているんじゃないですかね...。
しかし、むしろこの接触の原因を作ったのはドライバーではなくメルセデスチームではないかと。ハミルトンの二度目のピットストップは必要なかったはずで、あそこでハミルトンをステイアウトさせていれば問題なく 1-2 フィニッシュが飾れていたのではないか。もしかしたら実際にハミルトンのタイヤに問題が生じていた可能性もありますが、チームとしてはマネジメントすべきところだったんじゃないですかね。まあいちファンとしては、シーズンが荒れてくれたほうが面白いのですが(ぉ

今回は久しぶりに国際映像もトップ争いを中心に写していて、中団以下の状況が分かりにくかったですが、それでも再び表彰台に立ったフェルスタッペン、下位チームからのデビューイヤーで初ポイントを獲得したウェーレイン、そして何より自身の今季最高位である 6 位入賞を果たしたバトンなど、いつもとは違うレース内容で非常に楽しめました。特にマクラーレン・ホンダはアロンソこそマシントラブルで完走できなかったものの、バトンの 6 位というのが素晴らしい。3 位スタートで 6 位なのは通常ならポジティブではないかもしれませんが、これだけの高速サーキットで特にデプロイ切れもなく、他社と渡り合っての 6 位は立派だと言えます。まあこの前のカナダやアゼルバイジャンでも、同様に高速サーキットで入賞一歩手前の 11 位だったので、もはやパワーが足りないというわけではない(トップ争いできるレベルではないにしても)ということなのかもしれません。

次はマクラーレンのホームサーキット、イギリス・シルバーストン。引き続き高速サーキットになりますが、コース特性的には鈴鹿でのマクラーレン・ホンダのパフォーマンスが推測できる場所でもあります。またシーズンもちょうど折り返しとなり、ここでチャンピオン争いが再びイーブンに戻るのか否か。要注目のレースです。

投稿者 B : 23:33 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/06/20 (Mon.)

F1 ヨーロッパ GP 2016

ヨーロッパGP決勝 ロズベルグが優勝、3位にペレスが入る

モナコ~カナダでハミルトンが完全に勢いを取り戻し、チャンピオンシップの行方が分からなくなった状況で迎えたヨーロッパ GP。ヨーロッパといいつつ初開催のアゼルバイジャン、立地的には西アジアとか中東と言った方が正確な場所です。

しかし今回は F1 の決勝スタート直前にフィニッシュを迎えたル・マン 24 時間耐久レースが、初優勝に向けてひた走っていたトヨタが残り 3 分でストップという衝撃的な結末だったため、F1 観戦のほうにどうも集中できなかったという...。前半は呆然とした気持ちでテレビ画面を見つめていました(´д`)。

展開次第では今回のレースでハミルトンとロズベルグの選手権順位逆転もあり得る中ではありましたが...今回は珍しく予選からハミルトンがとっちらかっていました。今季のハミルトンは予選でマシントラブルが出るか決勝のスタートに失敗して順位を落とす、ということが多かったですが、予選 Q3 でクラッシュというのは今季初。初開催のサーキットだし、確かにモナコ以上に難しそうなコーナーも少なくなかったですが、こんなミスを犯すとは近年のハミルトンには珍しい。CS の解説では「プライベートで何かあったんじゃないですかね」というコメントも出ていましたが、まさにそんな感じの落ち着かなさでした。
これで圧倒的優位に立ったロズベルグが、果敢に挑んできたフェラーリやレッドブルを難なく退けて優勝。ハミルトンとのポイント差を再び 24 にまで広げました。まあ、まだシーズンは半分以上残っており、このくらいの差ならばないも同然ですが、ロズベルグ的にはこれで少しホッとできたんじゃないでしょうか。

レース前半はそんな感じで気もそぞろだったし、後半は後半でロズベルグが独走していると最近の私は寝落ちしそうになるのですが(ぉ)、フェラーリがメルセデスとまともに戦いに行っている姿勢は印象に残りました。ヴェッテルが果敢にリカルドをパスしてロズベルグを追撃する態勢に入ったり、ピット戦略の異なるライコネンがヴェッテルを先攻させるシーンがあったり、マシンがある程度まとまってきてパワーサーキットでもそれなりにメルセデストレースができる状況というのは、見ていて面白い。今季はここまでレッドブルの健闘が目立っていますが、そろそろフェラーリにも勝利のチャンスが訪れてもおかしくないんじゃないでしょうか。
それと 3 位に入ったペレス。彼はモナコでも 3 位に入っていて、市街地レースとの相性の良さをいかんなく発揮していますね。特に今季はチームメイトのヒュルケンベルグよりも光る走りを見せているレースが多く、パドック内での評価が高まってきているように思います。

マクラーレン・ホンダは、バトンが久々の予選 Q1 敗退。これが「久々の」と形容できるあたり、去年の今頃の状況を考えれば遙かにマシな状況ではありますが、それにしても悔しい。決勝では二台ともペースが上がらず、アロンソはギヤボックストラブルでリタイア。バトンがペースが悪いながらもなんとか 11 位につけたことは健闘と言えるでしょうが、それでもポイントを獲れる速さがなかったことには違いない。カナダでの PU 改良で出力は上がっているはずですが、やはりまだまだパワーサーキットで戦える速さはないようで...道のりは遠いですね。

次はオーストリア、その次はシルバーストン、と高速サーキットが続きます。マクラーレン・ホンダには我慢のときとなりそうです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/06/14 (Tue.)

F1 カナダ GP 2016

カナダGP決勝 ハミルトンが2連勝 - GPUpdate.net

カナダ GP といえば、ハミルトンが F1 初優勝を飾ったサーキットであり、自身が最も得意とするサーキットのひとつ。加えてパワーサーキットであり、マシン特性やタイヤとの相性を考えても、年間を通じてメルセデスのハミルトンが勝つ可能性が最も高いグランプリ、と言えます。

ハミルトンは予選からロズベルグを抑えて PP 獲得。そのままトップから逃げるかと思ったら、今季何度目か分からないスタート失敗!その隙にヴェッテルがトップを奪います。ハミルトンは 1~2 コーナーでロズベルグと交錯し、ロズベルグのほうがコースアウトして一気にポジションダウン。ハミルトンはそのままヴェッテルを追い、レースペースこそヴェッテルとほぼ互角だったものの、モナコ GP 同様にライバルよりも少ないピット回数で逆転。鮮やかに二連勝を決めました。序盤こそ盛り上がったものの、ハミルトンがトップを奪い返してからは比較的単調なレースでした。
パワーユニットの性能差が物を言うサーキットで、かつタイヤ戦略の自由度も高いメルセデスの本領が発揮されたレースだったと言えるでしょう。

2 位のヴェッテルは残念でしたが、マシンとの相性的に最初から勝てる可能性の低いレースだっただけに、序盤にハミルトンから首位を奪い、最終的に 2 位フィニッシュというのは上々の結果と言って良いと思います。しかしカナダ GP でこれだけハミルトンに迫れたということは、想像以上にメルセデスと他チーム...といってもフェラーリとレッドブルくらいですが...の差が縮まっているということではないでしょうか。この先 9 月のイタリア GP まで、ハンガリーを除くほとんどがパワーサーキット寄りのレイアウトですが、ハンガリー以外でメルセデス以外のチームが勝つ可能性も十分に考えられます。正攻法でなく、タイヤ戦略で奇襲をかけられるかどうかがカギになるでしょう。

5 位のロズベルグは惨敗と言っても過言ではない内容でした。1~2 コーナーでのコースオフはハミルトンに押し出されたという側面はもちろんありますが、そこで負けちゃうのがやっぱりロズベルグなんだよなあ。途中、マシンの不調でなかなかペースが上がらなかったりスローパンクチャーで予定外のピットインを強いられたり、挙げ句終盤にフェルスタッペンにオーバーテイクを仕掛けてスピン。トップを独走しているときは滅法強いけど、コース上でのポジションの取り合いには弱いのは相変わらずですね。ハミルトンのように強引にインにねじ込んでいくくらいの強さがなければ、今年も彼の上に王冠は輝かないと思います。
一時は 43pt 開いていたドライバーズポイントも、早くも 9pt 差。まだなんとかロズベルグが首位ではあるものの、ハミルトンとのポイント差はもうない、と考えて良いでしょう。ハミルトンにマシントラブルがなければ、次であっさり逆転という目もあるんじゃないでしょうか。

マクラーレン・ホンダには厳しいレースになるだろうと思っていましたが、予想通りの難しい結果に。予選はアロンソがギリギリ Q3 に進出できたものの、ここ数戦の定位置となっている 10-12 番グリッドからのスタート。決勝も序盤はポイント争いをしていましたが、バトンが序盤にエンジンブローして戦線離脱。アロンソもペースを上げることができず、ポイントまであと一歩の 11 位フィニッシュ。やはりパワーユニットへの依存度が高いサーキットでは苦しい戦いを強いられますし、他車のリタイアが少なければギリギリ入賞圏外というのが今のマクラーレン・ホンダの実力なんでしょう。今回はトークンを消費してターボユニットのアップデートと新しい燃料を投入したとのことですが、相対的なパフォーマンス向上が見られなかったのは残念というほかありません。次のレースではもう少しセットアップを煮詰めて、新ターボのポテンシャルが引き出されることを祈るしかありませんね...。

次のレースは早くも今週末、新規開催のアゼルバイジャン/バクー市街地コース。波乱が起きる要素は揃っているので、予想通りのレースにならないことに期待しましょう(笑。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/31 (Tue.)

F1 モナコ GP 2016

モナコGP決勝 雨のモナコをハミルトンが制する

スペインでのマックス・フェルスタッペンの劇的な初優勝を受けての、伝統のモナコ GP。全開率が低くパワーユニット性能の差が出にくいコース特性だけに、今回もレッドブル、あるいはフェラーリ勢にワンチャンあるんじゃと予想されましたが、そのとおり予選からとても面白い展開となりました。

予選では Q1 でフェルスタッペンがまさかのクラッシュを喫しノックアウト。初優勝の直後にこれ、というギャップが激しいですが、良くも悪くもこれが若さでしょう。一方でチームメイトのダニエル・リカルドが渾身のアタックを決め、メルセデスの 2 台を抑えて PP 獲得。スペインでもピット戦略に失敗しなければ自分が勝っていたはず、という思いもあったに違いありません。コクピットに収まっている間の表情からして鬼気迫るモノがありました。
リカルドの予選はタイヤ戦略も完璧で、Q2 をスーパーソフトで通過し(Q3 進出者は Q2 でベストタイムを記録したタイヤでスタートする決まり)、ウルトラソフトタイヤ勢に対して PP から長めのファーストスティントで逃げる構え。

しかし決勝はウェットコンディションとなり、リカルドの予選でのタイヤ戦略は不発に終わります。が、リカルドは決勝でも見事なスタートダッシュに成功。2 番手スタートのロズベルグのペースが上がらず、3 番手のハミルトンが抜きあぐねている間に独走態勢を築きます。
その状況が変わったのがレース中盤。雨が上がり、タイヤをウェットからインターミディエイト、そしてドライタイヤに交換していくタイミングが問われます。リカルドはメルセデスに先んじてインターに交換、しかし追うハミルトンはウェットタイヤを引っ張って一気にドライに交換することで、ピットインを 1 回減らす作戦に出ます。問題はコンディション変化によってウェットタイヤが相対的に遅くなることと、履き替えたウルトラソフトが 1 ストップでチェッカーまでもつか、の 2 点。リスクを取った選択でした。

いっぽうのリカルドはウェットからインター→ドライへの 2 ストップ戦略でも、1 ストップのハミルトンにポジションを奪われることなくレースを進められる、はずでした。が、インターからドライへの変更の際に、ピットインした時点で交換用のタイヤ準備が間に合っていないというアクシデントが発生。どうやら当初ウルトラソフトを準備していたのが、ハミルトンの動きを見てスーパーソフトに変更しようとしたところ、タイヤが準備できる前にリカルドが飛び込んできてしまった...というのが顛末らしいですが、これが痛恨のミス。結局リカルドがピットアウトするよりも一瞬早くハミルトンが目前をすり抜けます。その後、リカルドは幾度となくハミルトンの背後を脅かし、得意のビッグブレーキングで仕掛ける場面もありましたが、しかしここはモナコ・モンテカルロ、絶対に抜けない。最終的にはハミルトンを責め続けたリカルドのタイヤが先に音を上げ、ハミルトンは念願の今季初優勝を挙げました。

リカルドはこれで 2 戦続けて勝てていたはずのレースをピット戦略で落としているわけで、報われないでしょうねー。特に今のレッドブルはメルセデスに勝負を挑めるサーキットが限られているだけに、今季最も勝てる可能性が高かったモナコを落としたのは悔しいはずです。しかし今のレッドブルのリカルド&フェルスタッペンというコンビはフェラーリよりも面白いのは確かなので、今後もレースをかき回していってほしいところ。フェルスタッペンのほうもこの抜けないモナコで最後尾スタートから入賞圏に上がってきているあたり、スペインでの優勝がまぐれでないことを証明していると言えます。
いっぽうのフェラーリはパッとしませんね...。メルセデスとチャンピオンシップを争うなら、モナコでリカルドの位置にいるべきはヴェッテルでなくてはならなかったはず。しかし今回の戦略にはフェラーリにしては珍しくリスクを取る姿勢も見えたので、今後に期待です。

マクラーレン・ホンダは見事ダブル入賞。しかもアロンソが昨シーズンから通算しての最高位である 5 位フィニッシュ、というのはとても喜ばしい結果と言えます。しかしドライバーコメントによるとマシンの仕上がりは誉められたものではなかったようで、昨年同様にドライバーの頑張りでもぎ取ったダブル入賞、といったところでしょう。スペインに続いてアロンソが Q3 進出したのもポジティブですが、次からはそろそろ 2 台揃っての Q3 進出と 5 位前後の争いをコンスタントに繰り広げられるようになっていってほしいですね。

チャンピオンシップは引き続きロズベルグが首位ですが、点差は一気に詰まって 24pt。ハミルトンには今回も予選 Q3 でのマシントラブルがあり、信頼性に関する不安は尽きないところですが、そろそろ反攻に出るに違いありません。次のカナダはメルセデス優位なサーキットだけに、久しぶりにハミルトンとロズベルグによるガチの優勝争いを見たいですね。それが実現すれば、二人のどちらが真に今季のチャンピオンに相応しいかが分かるのではないでしょうか。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/16 (Mon.)

F1 スペイン GP 2016

スペインGP決勝 18歳フェルスタッペン初優勝!!
フェルスタッペン 「信じられない」初優勝

おめでとうマックス!!!

ヨーロッパラウンドの開幕戦、スペインの地で F1 の新たな歴史を目撃するとは、誰が予想したでしょうか。
今回からクビアトとの入れ替えでレッドブルに昇格したばかりのマックス・フェルスタッペンが、移籍初戦でいきなりの優勝。これまでヴェッテルが保持していた F1 最年少優勝記録を大幅に塗り替える 18 歳での初優勝。今季からスーパーライセンスの発給条件が 18 歳以上に引き上げられたため、おそらく今後この記録が破られることはないでしょう。

スペイン GP は予選から熱い戦いが繰り広げられていました。
久しぶりに土曜日までノートラブルだったハミルトンが、Q3 で圧倒的な速さを見せて PP 獲得。いよいよハミルトンの逆襲が始まるか、という気配を感じさせます。
その後方ではレッドブルの 2 台が気を吐き、フェラーリを抑えてセカンドロウを確保。しかも、レッドブルは Q1 から Q3 の途中までフェルスタッペンがリカルドを凌ぐ速さを見せていたのが、Q3 のラストアタックでリカルドが意地の好タイムを出し 3 番手。マシンの仕上がり以上に強力なチームメイトの加入がレッドブルとリカルドのポテンシャルを絞り出したのでしょう。
メルセデスの独走は今回も変わらないまでも、その後方ではレッドブルとフェラーリによる熾烈な表彰台争いが繰り広げられるのだろう...と思っていました。

それが、ですよ。

メルセデスがスタート直後に 1991 年の鈴鹿を思わせる同士討ち。ハミルトンのスタートは悪くなかったものの、ロズベルグを意識しすぎたあまり 1 コーナーの飛び込みで先行を許し、その後抜き返そうとしたところで接触。
映像を見る限りではどちらが悪いとは言い難いレーシングインシデントだとは思いますが、ハミルトンにもロズベルグにも焦りがあったのでしょう。どちらにも余裕が感じられなかった一昨年を見るようなアクシデントで、この 2 台が 1 周ともたずに戦線離脱。

その後レースをリードしたのはリカルド。後ろにフェルスタッペンーサインツーヴェッテルーライコネンと続き、レッドブル勢が逃げる展開に。
フェラーリの 2 台はその後サインツを交わしたものの、レッドブルーフェラーリのオーダーは変わらず。
すると中盤にレッドブルは 2 台のタイヤ戦略を分け、リカルドを 3 ストップ、フェルスタッペンを 2 ストップとして展開します。それをカバーするかのようにフェラーリもライコネン 2、ヴェッテル 3 に分割。
このピット戦略は 2 ストップが正解で、リカルドの後退でトップに立ったフェルスタッペンがロングスティントでライコネンを抑えきる見事なドライビングで初優勝を挙げました。

フェルスタッペンは昨年のデビュー以来非凡な才能を見せ続けてきましたが、その実力が早くも証明されましたね。インパクトの強さで言えばまさにヴェッテル以来の逸材と言えるでしょう。
勝てはしなかったもののライコネンの最後まで緩めなかった追撃も、リカルドを抑えたヴェッテルの巧いブロッキングも、リカルドの果敢なオーバーテイクもどれも素晴らしかった。今の F1 もメルセデスがいなければこんなにエキサイティングな接戦が見られることを再確認しました(ぉ。

いっぽうでマクラーレン・ホンダは昨年の参戦以来初めての予選 Q3 進出を果たしました。
残念ながら 2 台揃ってとはいかなかったものの、ある程度スピードと信頼性の両立を果たして実力で中団を勝ち抜ける力がついてきたと言えます。
決勝ではアロンソ車にソフトウェアトラブルが発生してしまいましたが、バトンが粘ってなんとか 9 位入賞。いきなり表彰台争いは難しいと思うけど、この調子でコンスタントに入賞を重ね、後半戦に向けてさらに力を蓄えていってほしいところです。

次のレースは伝統のモナコ。パワーユニットの性能差が出にくいコースだけに、レッドブルには再度優勝のチャンスもあるでしょうし、マクラーレンも昨年の 8 位を上回るリザルトを残せる可能性が高い。どんなレースになるのか、今から楽しみです。

投稿者 B : 22:41 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/02 (Mon.)

F1 ロシア GP 2016

ロシアGP決勝 ロズベルグが開幕4連勝、ハミルトンが2位

ロズベルグの開幕 3 連勝から、そろそろハミルトンの巻き返しがあるかと期待されたロシア GP。
なんと今回も、ハミルトンに中国と同様の PU トラブルが発生して予選 Q3 に出走ならず。ここ数年、大事なときのトラブルは決まってロズベルグにばかり発生していましたが、今シーズンはハミルトンに集中していますね...。

レースのほうは結局ロズベルグが今回も難なく勝ち、開幕からの連勝を 4 に伸ばしました。ハミルトンも 10 番グリッドから追い上げたものの、ボッタスを交わして 2 番手に上がりロズベルグを追撃し始めたところで今度はエンジン冷却水にトラブル発生、あとはポジションを守ってマシンをチェッカーまで持って行くことに傾注。とりあえずダメージを最小限にとどめた格好になりました。
中国 GP までは、ハミルトンとロズベルグの実力差を考えるとこれくらいのポイント差はちょうど良いハンデだと思っていましたが、この時点で 43 ポイントの差がついてはハミルトンとしてもそろそろ余裕がなくなってきましたね。とはいえ今季は全 21 戦、まだまだ何が起きるか分かりません。ハミルトンの逆襲が始まったときに、ロズベルグが落ち着いた対処ができるかがポイントになりそうです。

3 位には今季好調のライコネンが入りましたが、僚友ヴェッテルはスタート直後にまたしてもクビアトに追突され、1 周もできないうちにレースを終えてしまいました。フェラーリが今季チャンピオン争いに絡んでいくとしたら、全戦でメルセデスの後ろにつけて、メルセデスにトラブルが発生したときに必ず 2 位、1 位を奪いに行くというやり方しかありません。今回は完全にもらい事故なので仕方がないとはいえ、今季メルセデス以外で唯一チャンピオン争いに絡めたはずのヴェッテルがここまで 4 戦で 2 リタイアときては、早くも挑戦権を失ったと言っても過言ではないかなあ。残念ですが、今季は「フェラーリがどれだけレースを面白くしてくれるか」に注目する方針に変更したいと思います(笑。

そしてマクラーレン・ホンダ、今季初ダブル入賞おめでとう!!
正直今回はパワーが物を言うサーキットなのであまり期待していませんでした。それが、1 ストップ戦略が功を奏したとはいえ、中団でちゃんとバトルを繰り広げながらアロンソ 6 位、バトン 10 位という成績は立派。マシン性能はまだまだ満足いくレベルではないものの、それなりに戦えることがこれで証明されました。過去 3 戦はセットアップやタイヤ戦略のまずさでマシンのポテンシャルを引き出せていなかったという部分もありましたからね。
今のところ、まだ一発の速さが身についていないようで Q3 の壁が厚いですが、ベテラン二人のスタート直後の混乱を抜けるうまさや変則的なピット戦略にも対応できる柔軟性が活きれば、こういうレースはできるということですね。モナコやハンガリーといった低速コースでなくても勝負できたというのは、マクラーレン・ホンダのスタッフにとっても自信になったことでしょう。

次はいよいよヨーロッパラウンドに突入。各チームがマシンに大規模アップデートを持ち込み、サーキットも総合力が試されるカタロニア。マクラーレン・ホンダにはもう一段の飛躍を期待したいです。

投稿者 B : 22:22 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/04/19 (Tue.)

F1 中国 GP 2016

中国 GP決勝 ロズベルグが3連勝 - GPUpdate.net

ロズベルグの開幕 2 連勝からの第 3 戦、中国 GP。ここでハミルトンの巻き返しがあるか...と思いきや、まずはハミルトン車のギヤボックス交換によりグリッドダウンペナルティが適用されることが、予選を待たずして確定していました。予選ではさらにそこへ Q1 からパワーユニットトラブルが発生し、出走すらできずに最後尾が決定、結果的に PU 交換でピットスタートという形になります。この時点でロズベルグの楽勝は決まったようなものでしたが、泣きっ面に蜂とはこのことで、スタート直後にハミルトンが他車と接触してマシンを破損しノーズ交換。その後もダメージの残るマシンで走り続け、7 位入賞がやっとという有様でした。
まあそれでも手負いのマシンで最後尾から追い上げて 7 位というのが今のメルセデスの強さを証明していると言えますが、それにしても今週のハミルトンにはつくづく運がありませんでしたね。

いっぽうロズベルグにはハミルトンの分の運までもが転がり込んできたんじゃないかと思えるほどの強運続きで、まず最大のライバルであるハミルトンが予選時点で脱落し、悠々 PP。スタートこそレッドブルのダニエル・リカルドに奪われますが、脅威と思われたフェラーリがスタート直後の同士討ち(まあ不可抗力でしたが)で早々に二台とも優勝争いから脱落、オープニングラップを制したリカルドについても DRS が解禁された 3 周目にあっさりオーバーテイクしてロズベルグがトップを奪い返し、さらには直後にリカルドのタイヤがバーストというおまけつき。セーフティカーの導入でいったんはリードを失ったものの、その後は 2 位に 30 秒差をつける圧倒的な速さで開幕 3 連勝を挙げました。
レースペースの差を見る限り、仮にフェラーリやレッドブルにアクシデントが起きていなくてもロズベルグが簡単に勝っていたことは間違いありませんが、それだけにハミルトンとの直接対決にならなかったことが残念でなりません。今季ここまでロズベルグが 3 連勝しているとはいってもハミルトンを直接対決で下して勝っているレースはなく、以降のグランプリでロズベルグが惑わずに自分の走りを貫けるのか、あるいはハミルトンとテールトゥノーズの争いになったときに再び馬脚を現すのか、次戦ロシアそしてヨーロッパラウンドに突入するスペインあたりが一つの正念場でしょう。過去二年間のハミルトンとロズベルグの力の差を見る限り、現時点で 36 ポイント差がついているくらいがハミルトンにとってはちょうどいいハンディキャップとも言えるわけで(笑)、これで今季は終盤戦までダレずに楽しめそうです。

今回は序盤にセーフティカーも入り、接触も多いレースでしたが、それでも全車完走という奇妙なレースでした。序盤の SC 導入で順位がシャッフルされた結果オーバーテイクも所々で見られ、見応えのある内容だったと言えます。ただでさえ中団の実力が拮抗しているシーズンでこういう状況が発生すると、面白いレースになりますね。また、今季は 3 種類のコンパウンドから選択可能になったタイヤレギュレーションが、さらに駆け引きを面白くしています。

しかしその波乱を味方につけられなかったのがマクラーレン・ホンダ。予選も Q2 で最後のアタックをかけようかというタイミングでイエローフラッグが発生し、アロンソの渾身のアタックがフイにされ二台揃って Q2 敗退。それでもダブル入賞は十分に狙えるポジションからのスタートでしたが、ベテラン二人のテクニック頼みでミディアムタイヤを軸とした 2 ストップ戦略が全くハマらず、ペースを上げることができずに結局スタート時と同じ 12・13 位でゴール。入賞争いはできるポテンシャルがありながらも、誰もリタイアしなければこのあたりなのがマクラーレン・ホンダの現在の実力、という現実は直視せざるを得ないでしょう。
それでも、昨年は最初から最後まで「エンジンパワーがー」「ERS のデプロイがー」「信頼性がー」という惨状だったことを考えれば、(依然としてライバルに比べてパワーで負けている側面があるとはいえ)車体側やセッティング、戦略まで含めた課題を議論することができることは、今後それだけ伸びしろがあるということでもあります。まずはアロンソが肋骨骨折からなんとか復帰し、二台揃ってちゃんと戦えるレースができたことを今は喜びたい。

次のロシア GP はコース特性的に中国やオーストラリアに似ているので引き続き厳しいレースになるでしょうが、その次のスペイン GP は比較的バランス型のサーキットだし、大規模アップデートも入るはずなので、そこに向けてチーム力を高めていってほしいところです。

投稿者 B : 23:38 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/04/06 (Wed.)

F1 バーレーン GP 2016

バーレーンGP決勝 ロズベルグが2連勝 - GPUpdate.net

第 2 戦バーレーン GP。開幕戦でのロズベルグ勝利からハミルトンがどう巻き返してくるか、が見物でしたが、予選は開幕戦に続きハミルトンが圧巻の走りで PP 獲得。予選の結果を見るに、マシン性能的にはやはりメルセデスが頭一つ抜けていて次にフェラーリが続き、その後はけっこう団子状態なのがハッキリと分かりますね。

決勝レースは、まずはフォーメーションラップ中に 3 番手のヴェッテルがパワーユニットから白煙を上げ、スターティンググリッドにすら並べずにリタイア。確実に表彰台に上がり続けることがヴェッテルにとって終盤戦までチャンピオンの可能性を残す唯一の手段だけに、2 戦目で後れを取ってしまったことは痛いと言わざるを得ません。まああと 19 戦あるので、それをどれだけ落とさずにポイントを稼ぐかが鍵になってくるでしょうが、年間 5 基制限のパワーユニットのうち 1 基をここで失ってしまったことは、後々響いてくるでしょうね。

スタートは前戦同様にハミルトンが蹴り出しに失敗し、大きく順位を落とします。その間にロズベルグが悠々と奪首、そのまま後続にポジションを脅かされることなくゴールし、二連勝を挙げました。これで昨年の終盤戦から数えて五連勝、いくらロズベルグといえどそろそろハミルトンを気にせず自分の走りができるようになっても良い頃でしょう。これがいい自信に繋がれば、今年のチャンピオンシップは面白くなるはずです。
出遅れたハミルトンはスタート後のボッタスとの接触でマシンにダメージを負いながらも猛烈な追い上げを見せ、なんとか 3 位フィニッシュでポディウムに登壇しました。これだけポジションを落としても表彰台に戻ってくるあたりが今のメルセデスの強さを表しています。ここ二戦ともに予選から決勝にかけて失敗しているのはスタートのみであり、それ以外はほぼ完璧な週末を過ごしているだけに、今年のチャンピオン候補筆頭の座は揺るがないと言えます。

また、ライコネンの走りにも光るものがありました。ハミルトン同様にスタートに失敗してポジションを落としたものの、その後はメルセデスに匹敵するレースペースを維持。全盛期を思わせる鋭いオーバーテイクも披露して 2 位表彰台。マシンとドライバーがガッチリ咬み合った結果でしょうが、ライコネンがこれだけ良かったのなら、ヴェッテルのマシンが壊れていなければどうなっていたか...とは考えてしまいますね。実力ではメルセデスに勝ちきれないまでも隙さえ突けばチャンスは十分にある今年のフェラーリ、信頼性と戦略を今後どれだけ高めていくことができるか。

そして、またしてもハースがやってくれました。グロジャンが開幕戦を上回る 5 位入賞!これは素晴らしい。前回は 1 ストップ戦略のちょうどいいところで赤旗中断が入り、記録上はピットストップなしで完走という運に助けられての入賞という側面がありましたが、今回は特に波乱もないレースでつかみ取った実力の 5 位。どうやら、予選ではあえて Q3 進出にこだわらずに新品のスーパーソフトタイヤを 2 セット温存して決勝に懸けていたとのことで、ちゃんと自分たちの実力を把握した上での勝負だったのでしょう。ハースをフェラーリのセカンドチームと揶揄する向きもありますが、クルマのポテンシャルが高いだけではこうはいきません。なんたって何もないチームにも関わらず昨年のスパで表彰台に上ったタッグ(グロジャン&小松礼雄)が引っ張っているわけですから、もはやハースを新規参入チームと思わない方が良さそうです。

マクラーレン・ホンダに関しては、前戦で大クラッシュを演じたアロンソが、実は肋骨を折っていたとのことでドクターストップ。リザーブドライバーのストフェル・バンドーンがスーパーフォーミュラのテストから急遽バーレーンに呼ばれ、レースシートに収まりました。予選ではバトンが 13 番手、バンドーンはそれを上回る 12 番手のグリッドを獲得。
決勝ではバトンがわずか 8 周でパワーユニットにトラブルが発生し、マシンを止めます。昨年に比べれば大きくパフォーマンスを向上させたホンダですが、やはりパフォーマンスアップと信頼性問題は表裏一体。まだダブルリタイアがないのがせめてもの救いで、このままパフォーマンスと信頼性を平行して高めていってほしいところです。
で、バンドーン。決勝ではあまり派手なシーンはなかったものの、安定したペースで周回を重ね、途中にはパワーユニットのパワーに勝るフォースインディアをオーバーテイクするシーンも見せて、最後は 10 位完走。なんと初出走にしてマクラーレン・ホンダの今季初ポイントを持ち帰ってしまいました。個人的にはいきなり入賞までは期待していなかったので、これは驚き。まあマシンも良かったのでアロンソが走れていたら、バトン車がトラブルに見舞われていなかったら...と妄想はしてしまいますが、少なくとも今回のバンドーンはアロンソの代役以上の結果を残したと言えるでしょう。バトンの今年限りでの現役引退も取り沙汰されていますが、その後任として当確に相応しい仕事だったと思います。

それにしても今年のバーレーンは 4 位以下のポジション争いが熾烈で、とても見応えのあるレースでした。やはり、レギュレーションが枯れてくるとチーム間の実力が拮抗して面白くなりますね。マクラーレン・ホンダにとってはようやく 1 ポイントを獲ったにすぎませんが、この競争が激しい中団においてポイントを争える実力が確認できただけでも御の字。中国では、ダブル入賞を狙っていってほしいところです。

投稿者 B : 22:36 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/03/22 (Tue.)

F1 オーストラリア GP 2016

オーストラリアGP決勝 ロズベルグが入賞、ハースが8ポイント獲得

2016 年の F1 世界選手権がいよいよ開幕。マクラーレン・ホンダとしては失意の再参入初年度を経て、改めて勝負をかけていくシーズンになります。

まずは予選。今回から新しい予選方式が導入され、90 秒ごとに最下位のマシンが脱落していくルールになりました。観ている方としては、Q1 の最初から本気のアタックが見られ、タイムリミットとの関係でハラハラドキドキするルールで、悪くないのではと思っています。が、90 秒ごとというリミットが厳しく、タイムアタックに入る前に時間切れになってしまうクルマが続出。また Q3 では早々にアタックをやめてしまうチームがほとんどで Q3 がつまらない、という状況に陥りました。そのため、次戦バーレーンからさっそく昨年のルールに戻すことになったとのこと。この辺は運営やチームの慣れの問題もあるし、Q3 だけ昨年のルールにする等、もう少し工夫すれば今までより面白い予選にできるのでは?と個人的に思うので、残念なところ。まあ今季は直前でこのルールが導入された経緯もあるし、来季仕切り直しで再導入される可能性もあるので、それまでの楽しみにしておきましょうか。
その予選はメルセデスが余裕のフロントロウ独占。その後にフェラーリが続くところまで大方の予想通りでした。マクラーレンは 12・13 番手ということで、本当は一桁グリッドを期待したところではありますが、これだけ中団以下の実力が拮抗したシーズンでそう簡単にいく話でもないでしょう。

決勝はなんとハミルトンがスタートに大失敗し、フェラーリが序盤の 1-2 体制を築き上げます。初回ピットインのタイミングでロズベルグがライコネンの前に出ましたが、ヴェッテルはなんとか首位をキープ。いくらメルセデスといえど今年のフェラーリをコース上で抜くのは難しいぞ、と思っていた 19 周目、グティエレスとそれをオーバーテイクしようとしたアロンソが激しくクラッシュ!レースは赤旗中断となります。
アロンソの MP4-31 はモノコック以外がグシャグシャになるくらいの大破でしたが、アロンソ自身はほぼ無傷で、現代 F1 マシンの安全性が改めて証明された形となりました。良かった...。

レース再開時のタイヤはヴェッテルが中古のスーパーソフト、追うロズベルグが新品のミディアム。2 台のギャップがゼロに戻った状態からのリスタートになるので、このままではヴェッテルがロズベルグに交わされるのは時間の問題と言えます。こういうとき勝負をかけに行かないフェラーリの体質というのは、見ていてもどかしいですね...。
まあ予想通りヴェッテルのほうが先にタイヤ寿命が尽きてピットイン、その間にロズベルグが悠々と首位奪取し、そのままゴール。ヴェッテルはピットインの間にハミルトンにも交わされ、終盤にこそ怒濤の追い上げを見せたものの、ファイナルラップ直前のコースオフで自滅し、3 位フィニッシュ。

リザルトだけ見れば、ロズベルグ-ハミルトン-ヴェッテルというポディウムは昨年と変わらず、ロズベルグが勝ったという点だけが昨年の序盤と違うところ。フェラーリにしてみれば赤旗がなければ勝てたかもしれないだけに、悔しいところでしょう(タイヤ戦略はやりようがあったと思いますが)。
しかし注目すべき点はたくさんあったレースだと思います。フェラーリがうまく出し抜きさえすればメルセデスと勝負ができそうだということもわかったし、今季の新タイヤルールのおかげで戦略的にも見所が増えました。特に昨年までは二人のドライバーを全く同じ戦略で戦わせていたメルセデスが、今季は別々の戦略も認めている、というのは大きな違いではないでしょうか。これでロズベルグにチャンピオン獲得の目が生まれたと言えますし、逆に去年「勝たせてもらえなかった」ようなレースでハミルトンが勝ち、楽々チャンピオンになる可能性もあると言えます。

そして今回のレースで殊勲賞をあげたいのは新規参入のハース。グロジャンがあまり目立たないながらも安定感のあるレース運びを見せ、参入初戦でいきなり 6 位入賞ですよ!ハースはフェラーリの技術支援が大きく、新規参入チームとは思えない完成度のマシンを持ち込んでいますが、それでも最後までノートラブルで入賞圏を走り続けたのは立派。大人のレースができるようになったグロジャンはもちろんのこと、小松礼雄氏をはじめとしたチームスタッフに最大限の賛辞を送りたいです。

マクラーレン・ホンダに関しては、アロンソの事故があったり、バトンに関してもピット戦略の不運(初回ピットイン直後に赤旗が入ったことで大きく順位を落とした)もあって、初戦をノーポイントで終えることになってしまいました。1 台のみ完走で 14 位というのは数字だけ見れば去年の開幕戦よりも悪いですが、少なくとも Q3 進出と入賞を争ってレースができる速さが今年はあることは確認できたと言えるでしょう。次戦以降もコンスタントにポイントを争い、終盤戦までには表彰台を狙うレースができるように進歩させていってほしいところです。

第 2 戦は暑いバーレーン。気温の関係で今回は出なかったトラブルが出てくる可能性もあり、まだまだいろいろありそうです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/02/24 (Wed.)

F1 2016 ウィンターテストが開始

マクラーレン・ホンダ、『MP4-31』を正式に発表 - AUTOSPORT web

先週末からどわわっと各チームの新車が発表され、今週より F1 2016 年のプレシーズンテストが始まりました。

今季はルノー・チーム復活、ハースの新規参戦、いくつかのチームでのパワーユニットサプライヤーの変更(ルノー:メルセデス→ルノー、トロロッソ:ルノー→フェラーリ、マノー:フェラーリ→メルセデス)など注目点はいろいろありますが、やっぱり一番気になるのはマクラーレンの新車とホンダ製 PU の完成度ですよ。
マクラーレン・ホンダ MP4-31 は、パッと見は昨年の MP4-30 の後期型から大きく変わっていないように見えます。少なくとも昨年の「サイズ・ゼロ」パワーユニットのコンセプトは踏襲しているようです。が、じっくり見ていくとリヤサスペンションの構成が全く違うものになっていたり、昨年は当初ロングノーズ用に開発されていたシャシーを途中からショートノーズに変更したために最適化できていなかったのが最初からショートノーズ前提で設計されていたり、いろいろと変わっていますね。またサイドポンツーン後部の絞り込みが昨年よりも少しだけ緩和されているように見えるのも、PU 開発との妥協点を見出そうという意図の現れではないでしょうか。
昨年型との比較は、F1 Fanatic の記事にある比較画像がめちゃめちゃ見やすいのでオススメ。

Compare McLaren's new MP4-31 with their 2015 car · F1 Fanatic

あと、冬季テスト開始に合わせてホンダ側のプロジェクト体制の変更も発表され、F1 総責任者の新井康久氏の交代が明らかになりました。

新井氏が退任、ホンダF1プロジェクト新体制を発表 - AUTOSPORT web
新ホンダF1総責任者が新井氏と会見「夜も眠れない」 - AUTOSPORT web

ホンダの第四期 F1 プロジェクトを当初から率いてきた新井氏がこのタイミングで退任することには賛否あるでしょうが、昨年のあの成績ではホンダとして誰かが責任を取らなくてはならなかった、というのはやむを得ない話。新井氏のマクラーレン側との軋轢は以前から指摘されていた部分ですし、また開発状況に関して誇大的にコメントして実際のパフォーマンスが伴わないケースも多々あり(このへんは国内メディアが煽りすぎた側面もあると思いますが)、いろんな意味で風通しを良くし、現状を乗り越えていく上では必要な人事だったと思うことにします。
新リーダーの長谷川氏は、ホンダの第三期 F1 にエンジニアとして参加し、撤退がなければ中本修平氏の後任として責任者となる予定だった人物とのこと。ホンダの PU はすでに昨年とは違うと言えるだけの状況が整ってきているだけに、このまま開発を加速させてくれることを期待したいですね。

ホンダ84周、フェラーリ&ベッテルが首位発進 - AUTOSPORT web
ウルトラソフトのベッテルが2日連続で最速タイム - AUTOSPORT web
で、テストのほうは

  • フェラーリの新車が好調
  • レッドブルも昨年に比べれば大きく改善
  • メルセデスカスタマー勢は団子状態
  • 新規参入ハース&PU 変更組(ルノー&トロロッソ)はまだ信頼性不足
という感じでしょうか。メルセデスだけは昨年同様パフォーマンスランよりもロングランに重点を置き、他チームとは違う次元のテストをしているようなので、よーいドンで走ったらまた圧倒的に速いのではないか、と思われます。

そしてマクラーレン・ホンダ。
とりあえず初日だけで昨年のバルセロナテスト四日間の走行距離を超えており、二日目も順調にマイルを稼いでいるようなので、今年はまず初期の信頼性については問題なさそうです。さほど良いタイムが出ているわけではないのが気になりますが、テストプログラムも違うので何とも言えません。いずれにしても昨年最大の問題のひとつだった ERS のデプロイメントの問題は大きく改善しているようですし、去年の「走れないから何が問題なのかさえ分からない」状態に比べれば、開発のベースラインが見つけられる現状は遙かにマシと言えます。正直もっと悪い地点からのスタートだと思っていましたからね...。

実際のところはオーストラリア GP が開幕してみないことには分かりませんが、マノーと最下位争いだった昨年と違い、今年は序盤からメルセデスカスタマー勢とレースができるくらいの戦闘力には仕上げてきてほしいところです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2015/12/04 (Fri.)

F1 ルノーワークス復活が(ようやく)正式発表

ルノー、F1ワークス参戦を発表。ロータスを買収 - AUTOSPORT web

昨日、ロータスの小松礼雄エンジニアがハースに移籍する話を書いたところですが、今日はルノーによるロータス買収がようやく確定したことが発表されました。両チームの間で基本合意がなされたのがもう二ヶ月以上前のことなので、そうとう待たされた感があります。ルノーがロータスの株価がギリギリまで下がるのを待っていたという噂もありますが、どうなんですかね。
ルノーは 2010 年末に手放した自らのワークス・チームを買い戻し、5 年ぶりにオール・ルノー体制で F1 に参戦することになります。とはいえ、ロータス・チームが資金難にあえいでいたここ 2~3 年はスタッフの離脱も激しく、チーフデザイナーだったジェームズ・アリソン(フェラーリに移籍)や小松礼雄エンジニアなど、主要レベルの人員すら当時とは変わってしまっているという。そもそもパワーユニットの性能も現時点ではアレだし、戦闘力まで含めた意味でのルノー F1 復活は、ずいぶん先のことになる可能性が高いです。で、ドライバーは 2015 年はまともに完走さえできなかったマルドナドと新人のパーマーですからね。不安な船出ではあります。

レッドブル、ルノー製『タグ・ホイヤー』PUを発表 - AUTOSPORT web

で、2015 年までルノーのワークスチーム扱いだったレッドブルは、結局来季もルノー製パワーユニットの継続が決定。結局、ルノー以外のどのサプライヤーからも供給を取り付けることができず、消去法での確定となりました。でもルノー自身がワークス参戦する以上、カスタマー扱いでの供給となり、また両企業間の関係が決定的なまでに壊れてしまった今、ルノーや関連企業のブランドでエンジンを搭載することさえもかなわず、なぜか「タグ・ホイヤー」ブランドをつけたルノー製 PU を使う、という。
時計メーカーのバッジをつけた PU で走るのはちょっと違和感ありますが、かつてはマクラーレンが TAG ブランド(後年ホイヤー社を買収してタグ・ホイヤーとなる会社)のポルシェエンジンで走っていたこともあるくらいなので、妙に縁はあります。個人的には、長年マクラーレンをサポートしてきたタグ・ホイヤーがついにマクラーレンを見限るということのほうが残念に感じますね。

いずれにせよ、これでようやく来季体制もほぼ固まり、F1 は改めて冬休みに入ります。次は新車発表と冬季テストの時期まであまりニュースもないと思いますが、冬の間も開発は続く。ホンダが少しでも戦闘力を身につけてくれることを、今は願っています。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2015/12/03 (Thu.)

ロータス 小松礼雄エンジニアがハース F1 に移籍

小松エンジニア、ロータスからハースへ移籍 - AUTOSPORT web

アブダビ GP 開催週のニュースになりますが、ロータスの小松礼雄チーフエンジニアが来季の振興チームであるハース F1 に移籍することが明らかになりました。

ハースと言えば、2014~2015 年にロータスのエースドライバーを務めたロマン・グロジャンが移籍することが決まっているチームでもあり、長年にわたってタッグを組んできた小松エンジニア&グロジャンのコンビが新天地でも継続することになります。新チームのポテンシャルは未知数ですが、技術的にはフェラーリのバックアップを受けることも決まっているため、初年度からそれなりの戦闘力を発揮する可能性があります(まあ、この 10 年に新規参戦したチームの多くも開幕前には同じように言われていたことが多いのも事実ですが)。

いっぽうでロータスはというと、いったんは内定したはずのルノーによるチーム買収がまだ実行に移されておらず、来シーズンの体制は未だ不透明。その上エースドライバーは 2015 年ろくに完走すらできなかったマルドナドとくれば、大きく期待できそうにありません。不安定なチームに居続けるよりも小松エンジニア&グロジャンを追ってハースに移籍するスタッフも少なくないと思われるので、来季はむしろハースがロータスを食う展開を見せてほしいほどです。その前に、ルノーがロータスを見捨てる可能性もまだ残っているわけですが...。

2015 年シーズンが終わり、ストーブリーグ自体もほぼ確定した状況ではありますが、両チームを巡る状況の変化には、冬休みの間もアンテナを張っておきたいところです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

F1 アブダビ GP 2015

アブダビGP決勝 ロズベルグが3連勝! - GPUpdate.net

2015 年の F1 最終戦アブダビ GP。例によって忙しく、ようやく録画視聴できました。

最終戦もメキシコ・ブラジルと同様に、ロズベルグが PP からポジションを譲らずに優勝。終盤戦に関して言えば、ロズベルグは 6 連続 PP に 3 連勝と、今季のチャンピオンを獲っていてもおかしくない成績を上げています。まあ、裏を返せば PP からの勝率が 50% というのが、ここ二年のロズベルグの敗因でもあるわけですが。
後半戦、特にピレリのタイヤ内圧設定が変更されて以降のハミルトンはピリッとせず、逆にロズベルグのほうが新しいタイヤ内圧に適応できていた印象で、このアブダビでもハミルトンは精彩を欠いていました。それでも、オープニングラップを制した者にそのレースの勝利券が与えられる(と言われる)メルセデスのチーム内ルールによって「管理された」レースでは、いかに中団の争いが白熱していようと、レースそのものに緊迫感が欠ける感は否めず。終盤戦は退屈なレースが続きました。まあ、パワーユニット制が導入されてからの 2 シーズンは、ヴェッテルが 4 連覇していた頃以上にワンサイドゲームが続き、退屈だったのは事実ですが。

とはいえ、ロズベルグが自信喪失したまま来シーズンに突入していてはまた退屈な今年の繰り返しにしかならないし、現時点で(マシンも含めてという意味で)ハミルトンに唯一勝てる可能性があるロズベルグに自信を持たせることはとても重要。メルセデスはラスト 3 戦の面白さを棒に振ってでも、来シーズンを盛り上げるために尽力した、とポジティブに解釈しておくことにします(ぉ

マクラーレン・ホンダも、結局最後まで戦闘力を上げることは叶わず。実際には進歩しているのでしょうが、どんなに悪くてもシーズン終盤にはポイント争いの常連になっていてほしいという願いも空しく、予選 Q3 進出すら一度も叶わないまま終戦。ライバルチームも進化しているので、ライバル以上に進歩しないと相対的にはポジションが上がらないわけですよ。今回のレースは大本営発表としてはポジティブな内容になっているようですが、とても素直には受け取れませんね。アブダビで走っていたマシンには来季の先行開発パーツが数多く取り付けられていたとしても。結局、今季をまるまる費やした実戦テストがうまくいったかどうかは、来季のチャンピオンシップが開幕してみないことには判らないでしょう。

今季は予想通りのワンサイドゲームだったし、資金力に乏しいロータスやザウバーが後半戦に失速するのも予想できた話。番狂わせと言えばフェラーリがここまで復活してくるとは思わなかったことと、マクラーレン・ホンダが最後まで戦闘力を身につけられなかったことくらいでしょうか。ドライバーに関しては、マックス・フェルスタッペンが予想以上に活躍したことと、後半戦にペレスがとても成長したことがポイントでした。
マクラーレン・ホンダは、来季は「サイズ・ゼロ」コンセプトを見直して、まずは空力よりもパワーユニットの性能を引き出せる設計にすることと、車体・PU ともに信頼性を高めることが急務でしょうね。空力優先で PU を疎かにしたという点では昨年のフェラーリやレッドブルとよく似た状況でしたし、少なくとも PU 開発を優先したフェラーリに関しては、今年は躍進できたので。空力重視はレギュレーションが大きく変わる 2017 年以降でいいと思います。

ひとまずはこれにてシーズン終了。引き続きアブダビで行われているオフシーズンテストではマクラーレン・ホンダが最速タイムを記録したというニュースも流れているので、あまり期待しすぎない程度に期待して(笑)来季を待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:45 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/11/20 (Fri.)

F1 ブラジル GP 2015

ブラジルGP決勝 ロズベルグが優勝 - GPUpdate.net

転職したら急に忙しくなってしまい、ようやくブラジル GP の録画観戦を完了しました。

メキシコからの好調を維持するロズベルグが、ブラジルも予選から決勝まで席巻して完勝。といってもロズベルグがハミルトンを完全に上回ったというよりは、チーム方針によって勝たせてもらったという意味合いの強い勝利でした。もともと、昨シーズンに二人の関係が悪化したあたりから「オープニングラップを制したドライバーが勝利の権利をもつ」という暗黙のルールがメルセデス・チーム内にはあるように見受けられます。今季はチャンピオン争いの間はそれでもハミルトン側からの仕掛けがいろいろとあり、結果ロズベルグがそのプレッシャーに負けて自滅、というレースが多かったですが、アメリカ GP でドライバーズタイトルが確定して以来、いよいよこのルールが厳格に適用されるようになった...言い換えれば、ロズベルグに優先権のあるレースでハミルトンが勝とうとすることが許されなくなったようです。

チームとしては、現在のハミルトン+ロズベルグが理想的な布陣であり、ロズベルグがチームに対する不満を溜めて離脱するような状況は避けたいため(代わりに来るのがヴェッテルやアロンソクラスだったとしてもロズベルグ以上の確執の種になるし、明確なセカンド級ドライバーだと現在よりチーム力が下がってしまう)、ここでロズベルグのガス抜きをしつつ自信を取り戻させたい、といったところでしょうか。
ハミルトン的には勝てる可能性のあるレースで何もさせてもらえず、ロズベルグが勝つのを見ているだけ、というのはフラストレーションが溜まるでしょう。チャンピオン獲得決定後であってもレースはレース、とにかく勝ちたいというのはレーサーとしては当然の欲求だし、理解できます。でもそれ以上にいち F1 ファンとして、こういうレースは面白くない。現時点でメルセデスに対抗し得るマシンはメルセデスだけであり、その二台のデッドヒートこそ観たいわけですよ。
中団はコンストラクターズランク争いが佳境に入り、今回もヒュルケンベルグやグロジャン、フェルスタッペンらのポイント争いは見応えがありましたが、全体的には動きの少ない、単調なレースでした。

マクラーレン・ホンダは今回も...orz。終盤戦向けに投入したパワーユニット「スペック 4」も大きなパフォーマンスアップを果たしたとは言いにくく、信頼性に関する問題も相変わらず出続けているという八方塞がり。せめて、レースごとに少しずつパフォーマンスが上がり、それに伴ってときどき信頼性トラブルが発生する、というようなサイクルであればまだ希望も持てるというものですが、信頼性もパフォーマンスもずっと低いまま、では今後の展望もへったくれもないわけです。最終戦アブダビ...も辛いんだろうなあ...。

投稿者 B : 23:23 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/11/03 (Tue.)

F1 メキシコ GP 2015

メキシコGP決勝 ロズベルグが復活のレースを制す

23 年ぶりに復活したメキシコ GP。前回のレースは 1992 年、あのナイジェル・マンセルがウィリアムズ・ルノーで勝ちまくり、初戴冠した年(さらに言えば第二期ホンダ F1 の最終年)なわけで、そうとう久しぶりにメキシコでの F1 が復活したことになります。メキシコからペレスやグティエレスを F1 に送り込んだ大富豪、カルロス・スリムさまさまといったところですね...。
あまりに久しぶりすぎてどんなサーキットだったかも忘れていたんですが、そうそう、一部をオーバルコースと共有した、直線主体のサーキットでした。レイアウトとしてはイタリアのモンツァに近い高速サーキットですが、路面がバンピーだったり、高地ゆえに空気が薄く、エンジンにも厳しいなど、難しさもあります。

今回は久しぶりにロズベルグのためのレースでした。ポールトゥフィニッシュは実に半年前のスペイン GP 以来で、今季のロズベルグがいかに PP を優勝に結びつけられなかったか(しかもそれがワールドチャンピオンを逸した大きな原因となった)を物語っています。シーズンのもっと早い時期にこういうレースができていればと思いますが、残り二戦でもこういう走りを続けて、来季改めてハミルトンに挑戦していってほしいところ。終盤、トップ走行中に一度コースオフする場面があり、また自滅してハミルトンに抜かれるか?というシーンがありましたが、直後にハミルトンもコースオフしたことで救われました。それだけ路面が読みづらく、またブレーキに厳しいサーキットだということでしょう。
対するハミルトンの走りも悪くはありませんでしたが、レース中にある程度以上ロズベルグに近づくことができないまま 2 位フィニッシュ。自分と同じマシンをオーバーテイクするのは本来とても難しいということを、久しぶりに見せつけられた気がします。

一方で、どうしちゃったの?という感じだったのがフェラーリの二台。ヴェッテルはスタート直後にリカルドと接触し、タイヤをパンクさせて緊急ピットイン。その後はなんとか追い上げを見せていたものの、18 周目に単独スピン、52 周目にもコントロールを失ってウォールに激突。ブレーキや路面の問題かもしれないし、来季向けの開発パーツを投入したことでバランスが狂ったという可能性もありますが、ヴェッテルにしては珍しいミスの連発だったのが気になります。
また、ライコネンは 22 周目にボッタスと接触。後ろからインに入り込んできたボッタスに対して、ちょっと無理にドアを閉めすぎたために起きたクラッシュで、ライコネンはそのままリタイア。フェラーリ残留が決まったイタリア GP あたりからしばらく好調だったライコネンですが、ここ数戦は若手ドライバーとの接触が続いていて、何か焦ってるの?と感じるような落ち着きのない走りなのが気になります。両ドライバーともにチャンピオン経験のあるベテランらしくないミスが目立ったレースでした。

マクラーレン・ホンダはトラブル続きで全くいいところなしのグランプリでした。まず予選ではバトンがパワーユニットのトラブルで Q1 に出走できず、最後尾からのスタートが確定。アロンソも Q1 突破ならず、16 番手からのスタートとなります。決勝も決勝で、スタート前からアロンソ車のパワーユニットに問題があることが発覚、スタートして 1 周だけ走ってそのままガレージに格納...という残念な結果に。バトンのほうも、決勝はほとんど良いところがなく、マノーの前という定位置でのフィニッシュ。トラブル続きだったにも関わらずなんとか完走できた、というのが唯一の「いいニュース」でしょうか。
性能向上のために PU に手を加えるということは、一時的には信頼性を犠牲にすることなので仕方ないとはいえ、改良を加えてもトラブルが多発するばかりでそれほどパフォーマンスが向上していかない、という厳しい状況に陥っているのが今のホンダ。残り 2 戦を来季の先行開発と割り切るにしても、ここまでトラブル続きだとその開発も覚束ないわけで。期待したかった来季についても、現時点で黄信号が灯っているのでは...と悲観的になってしまいますね。

今季の残り 2 戦は、ブラジル~アブダビとあまり一般的ではないタイプのサーキットが続きます。いずれも波乱の起きやすいサーキットなのでマクラーレンの入賞にも期待がかかりますが、それよりもきっちりとテストをし、データを蓄積することを優先してほしいですね...。

投稿者 B : 17:30 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/10/26 (Mon.)

F1 アメリカ GP 2015

アメリカGP決勝 ハミルトン優勝で3度目タイトル獲得!

2015 年シーズンも終盤にさしかかった F1、最後のアメリカ大陸遠征ラウンド初戦でハミルトンがついに三度目のドライバーズチャンピオンを確定させました。

ハリケーンの上陸でフリー走行から荒れに荒れた、オースティンの天候。土曜日には予選が実施できず、日曜日の午前中に順延。その上 Q3 までもが中止され、Q2 でのタイム順でスターティンググリッドが決まる、というなかなかシビレる展開。そこで PP を射止めたのはロズベルグでしたが、スタート直後のデッドヒートでハミルトンにコース外に押し出され、ハミルトンが首位に。
その後はなかなか回復しない路面状況において、ダウンフォースとメカニカルグリップに優れるレッドブルの二台がレースを面白くします。濡れた路面での回頭性が明らかにメルセデスよりも高く、クビアトとリカルドが交互にハミルトンを攻め立てた結果、リカルドがトップに。しかし路面が乾き始めると形勢逆転し、あっという間にメルセデスが逆転。前半と後半で、まるで異なるレースを観ているかのようでした。結局ドライコンディションなら戦略もテクニックもなくパワーユニットの優劣でレースが決まってしまうのね、というのが如実に見えて、なんだかなあ、という。

中盤はロズベルグがレースを引っ張ったものの、自らのミスによってハミルトンに逆転を許してからは、完全にハミルトンのレース。その後は後続に影を踏ませることなく、いつものような余裕を持ってチェッカーを受けました。とはいえ、ハミルトンにとっては前半が苦しみに苦しんだレースであり、実力で勝ち取った勝利。やはり、今シーズンのチャンピオンは文句なしにハミルトンだと言えます。個人的にはこういう悪天候のレースならもっと順位にシャッフルがあってほしかったところですが、ポディウムに立った三人はいずれも今季の優勝経験者であり、結果として勝つべき人が勝ったレースでした。

マクラーレン・ホンダに関しては、まずは今季ベストリザルトとなる 6 位入賞おめでとう!と言いたいです。
この週末の戦い方としては、まずは前戦ロシアで動作チェックまで済ませた新スペックのエンジンをアロンソ車だけに本格投入。その成果もあってか、アロンソは今季予選ベストの 11 番グリッドを獲得。スタートもうまく決め、一気に順位を上げたかに見えましたが、ウェット路面が苦手なマッサ()にぶつけられてほぼ最後尾にまで後退。それでも何とか順位を上げて、一時は 5 位を走行したりもしましたが、最後はタイヤがもたずにポイント圏外の 11 位フィニッシュがやっと。とはいえ、終盤にセーフティカーが導入された際にアロンソとバトンで戦略を分け、アロンソをステイアウトさせた結果(、バトンが 6 位入賞できた)なのでこれはやむを得ません。
バトンに関しては、初優勝の 2006 年ハンガリー GP の例を出すまでもなく、現在の F1 界随一のウェットの達人。路面状況の変化に合わせていち早くドライタイヤを試し、半濡れの路面でコントロールしきったことが入賞を引き寄せたと言えます。新型パワーユニットのアロンソではなく旧型のバトンが入賞したことはちょっと皮肉ですが、予選・決勝ともに今季最高の結果を残せたことは、このシーズン終盤にあっては来季に向けた好材料でしょう。

コンストラクター・ドライバーの両タイトルが確定したことで、残り 3 レースは消化試合となってしまいましたが、逆に言えばここから 3 戦は来季に向けた先行テストを兼ねるわけで。来シーズンの勢力図の変化を占う意味では、引き続き見逃せないレースです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/10/12 (Mon.)

F1 ロシア GP 2015

ロシアGP決勝 ハミルトンが優勝、PPスタートのロズベルグはリタイア
最終ラップのクラッシュでライコネンにペナルティ
マクラーレン 運も味方してポイント獲得 - GPUpdate.net

二年目の開催となったロシア GP。鈴鹿から 2 戦連続でロズベルグがポールポジションを奪い、チャンピオンシップ争いでハミルトンに一矢報いるか...と思われましたが、スタートこそ良かったものの序盤でロズベルグ車にスロットルペダルのトラブルが発生。あっけなくハミルトンに首位を譲り、本人はそのままスローダウンしてリタイア...という、何とも残念な結果になりました。
一方のハミルトンは、ロズベルグからトップを奪ってからは危なげないレース。1 ストップ作戦を採ったペレスにも追いつかれることなく、最後までレースをコントロールしきってヴェッテルに並ぶ通算 42 勝目を挙げました。

勢いに乗っているドライバーにはシーズンを通してほとんどノートラブル、逆にチームメイトの方にばかりトラブルやアクシデントが続く、というのは F1 ではよくあること。最近ではレッドブルのヴェッテルとウェバーの関係だったり、フェラーリでのシューマッハーとバリチェロの関係だったり。それもレースだし勝負であるのが非情なところです。
結果として、残り 4 戦でハミルトンとロズベルグは 73pt 差。むしろ今回 2 位に入ったヴェッテルがロズベルグを逆転して、ハミルトンと 66pt 差、という状況になりました。ロズベルグは残り 4 戦中 3 勝してハミルトンがノーポイントでようやく逆転できるようなポイント差がついてしまいましたし、ヴェッテルにしてももはや自力チャンピオンはない(残り全勝してもハミルトンが全て 2 位だったら逆転はできない)という、もはや「誰がチャンピオンになるか」ではなく「ハミルトンがどのグランプリでチャンピオン防衛を確定させるか」に移った、と言って良いでしょう。ちなみに、コンストラクターズ部門は今回のライコネンへのペナルティにより、本グランプリでメルセデスの連覇が確定しました。

今回は(今回も)国際映像がハミルトンを映すことがほぼないくらいの独走状態でしたが、むしろ面白かったのは中団争い。フェラーリとウィリアムズの争いに、1 ストップ作戦を採ったペレスが絡んでくるなど、久しぶりにタイヤ戦略に違いによる駆け引きを堪能できたレースだと思います。接触も多かったですが、それだけ拮抗していたことの裏返しでしょう。

マクラーレン・ホンダに関しては...まず予選はバトンが Q2 進出して 13 位グリッドを獲得。これ自体は凡庸な結果ですが、これでも今季の予選結果の中ではかなり出来が良いほう。順位よりも良かったのはタイムのほうで、Q1 突破タイムでは 10 番手タイムのコンマ 1 秒落ち、というのは希望の持てる内容です。
アロンソは Q1 敗退だったものの、フリー走行では最後の開発トークンを投入したパワーユニットを持ち込んでおり(予選~レースでは不使用)、チームとしてもこの新 PU の手応えは掴めたということなので、これまた期待が持てます。まあ、期待が持てるといっても今季の残りレースではなく、来季に向けてではありますが(泣
決勝は、スタートでうまく順位を上げたバトンが一時ポイント圏内を走行したものの、例によってアロンソと共にズルズルと後退。これはもう今季見慣れた展開になってしまったので何も言いませんが、根気強く走り続けた結果、(他車のリタイア等にも助けられて)バトンが 9 位 2pt を獲得。アロンソもコース上では 10 番手フィニッシュをしたものの、レース後のペナルティで 5 秒加算されて残念ながら 11 位。目先のマシン状況は相変わらず苦しいものの、今後に向けていろいろと希望が持てるレースだった、と言えるでしょう。

次からはアメリカ、メキシコ、ブラジルのアメリカ大陸三連戦。リアルタイム観戦が厳しいレースが続きますが、録画視聴するまでできるだけ情報をシャットアウトして臨みたいと思います(汗。

投稿者 B : 22:36 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/10/02 (Fri.)

F1 グロジャンのハース入りが正式発表

ハース レースドライバーにグロージャンを起用

ルノーによるロータス買収発表時にチーム離脱が濃厚視されていた R. グロジャンが、来季新規参戦するハース F1 チームへの移籍を発表しました。

グロジャンにしてみれば、長年サポートしてくれた母国の石油企業トタルとの関係もあるし、もちろんフランス人ドライバーとしてはオール・ルノーチームで走りたい思いはあったはずですが、いつ消滅してもおかしくないチームへの残留に望みをかけるよりは来季のシートを確保することを優先したのでしょう。一度居場所を失ったらカムバックは並大抵のことではできない、というのは小林可夢偉の先例を見ても明らかですし。

もちろん、グロジャン自身が言及しているとおり、ハースはチーム設立当初からフェラーリの支援を受けており、事実上フェラーリの B チームと言ってもいい体制で、マシンも多くの部分にフェラーリ製コンポーネントを搭載予定、などポジティブな要素は数多くあります。1~2 年後にやってくるであろうライコネンの引退を見据えてフェラーリ・ファミリーに加わっておきたい、という目論見もあるはず。その際にはヒュルケンベルグやグティエレスとシートを争うことになるでしょうが、確かにこの三人の中であれば、今はグロジャンが駆る紅いマシンを見てみたい気はします。

ただ、いずれにしても参戦初年度は苦労するでしょう。フェラーリのパーツが使えると言っても、例えば今はなきケータハムだって、エンジンとギヤボックス、リヤサスペンションあたりまでの主要コンポーネントが当時の最強レッドブルと同等(型落ちのものもあったんでしょうが)だったにも関わらずあの体たらくでした。結局は、マシン全体の開発が最適化できて、レースでのセットアップまで含めて仕上げられなければポテンシャルを活かし切れない、ということかと。それならば、来季メルセデス製 PU にスイッチするマノーのほうがよほど健闘するんじゃないかと思います。
B チーム化という意味ではマノーも事実上メルセデスの B チームとなる可能性が高く、近年何度か浮かんでは消えている「カスタマーシャシー制」が事実上解禁になる日も近いのかもしれません。そうすると、先日の日本 GP 前夜祭で鈴木亜久里氏が言っていた「次は(佐藤)琢磨がチーム作れ。名前は『スーパータクマ』で」という冗談が、マクラーレン B チームとして実現する可能性が(ない

さておき、ルノーによるロータス買収決定以降、いろいろなことが玉突き的に決まってきました。ということで、現時点で分かっていることをまとめてみました。

チームパワーユニットドライバー
2015201620152016
メルセデスメルセデスL. ハミルトン、N. ロズベルグ
フェラーリフェラーリS. ヴェッテル、K. ライコネン
ウィリアムズメルセデスF. マッサ、V. ボッタス
レッドブルルノー○フェラーリD. リカルド、D. クビアト
フォースインディアメルセデスN. ヒュルケンベルグ、S. ペレス
ロータスメルセデス◎ルノーR. グロジャン、P. マルドナド◎P. マルドナド、△J. パーマー
トロロッソルノー△ホンダM. フェルスタッペン、C. サインツ
ザウバーフェラーリM. エリクソン、F. ナッサ
マクラーレンホンダF. アロンソ、J. バトン
マノーフェラーリ◎メルセデスW. スティーブンス、R. メリ/A. ロッシ△P. ウェーレイン、?
ハース未参戦◎フェラーリ未参戦◎R. グロジャン、○E. グティエレス
◎:確定、○:濃厚、△:可能性あり

もう来季の体制はほとんどが決まってきましたね。あと注目はレッドブル陣営の PU がどこになるかと、ルノーのセカンドドライバーくらいでしょうか。
レギュレーション的には来季までは大きな変更はない見込みで、自ずと勢力図も今季と大きくは変わらないはず。そうなると、やっぱりレッドブル陣営がどこの PU を採用して、それがシャシーとの組み合わせでどの程度のパフォーマンスを発揮してくるか、がシーズンの行方を左右しそうです。トロロッソ・ホンダ、もしかするとマクラーレンよりもうまく PU を使いこなしてくれそうで、面白そうなんだけどなあ。

投稿者 B : 21:45 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/09/28 (Mon.)

ルノーによるロータス F1 買収が正式発表

ルノーF1復活、ロータス買収の基本合意を発表 - AUTOSPORT web

しばらく前から噂になっていた、ルノーによるロータス F1 チームの買収が正式に発表されました。

ロータスは昨年あたりから深刻な財政難にあり、特にここ数戦はレースごとに参戦できるかどうか微妙な状況という、撤退直前のスーパーアグリやケータハムに匹敵する危機に陥っていました。開幕以来まともに開発が進まず、せっかくのメルセデス製 PU を活かし切れないマシンながらも、ベルギーでグロジャンが表彰台獲得、鈴鹿ではダブル入賞、とレースではいいところを見せていたので、なんとかチーム消滅だけは避けてほしい...と祈るような気持ちで見守ってきましたが、ようやく救済の手が差し伸べられたことになります。

イギリスはエンストンにファクトリーを置くロータス F1 チームは、言わずと知れた元「ルノー F1 チーム」。さらに遡ればトールマン~ベネトンを前身とし、セナやシューマッハー、アロンソを輩出した名門チームです(かつて中嶋悟が在籍したロータスとは全くの別チーム)。ルノーがレッドブルとのジョイントに軸足を移して自前チームから手を引き、ロシア資本が入って現在のロータス・チームになりましたが、結果的にルノーがこのチームを買い戻した格好になりました。
ルノーとしては、レッドブルと組んで勝ちまくっている間はチームと車体ばかりが脚光を浴び、レギュレーションが変わって勝てなくなったとたんに「パワーユニットのせい」というバッシングを一身に背負うことに我慢がならなくなった、ということでしょうが、そこで F1 そのものから撤退という選択肢を採らないあたりが、ルノーにとって F1 がまだまだマーケティングツールとして有効であることの証左であるように思います。

ここ数年の F1 の状況を見ると、ワークス・ホンダ撤退後にレッドブルと組んで F1 を席巻したルノーが、ホンダがマクラーレンとのジョイントで復帰した後にワークスチームに戻る、というのはなかなか皮肉なものがあります。フェラーリ、メルセデスに続く第三の自動車メーカー系コンストラクターの復活ということになるわけで、もし今後アウディが噂になっているレッドブル買収で参戦してきたりしたら、2008 年以来の自動車メーカーの代理戦争という構図になってきます(まあ、アウディ・グループは VW の排ガス規制逃れ問題でそれどころではなくなりそうですが)。

ドライバーは現在の P. マルドナドの残留が発表済みですが、現チームメイトの R. グロジャンは離脱が濃厚。明日にも新興チームのハース F1 への移籍が発表されるとも言われています。フランス系チームになるのにフランス人ドライバーが離脱するというのも皮肉な話ですが、グロジャンにしてみればいつ消滅してもおかしくないチームと命運を共にするより、早く来年のシートを確定させたかったということでしょう。ルノーとしても近年の F1 参戦では特にフランス人ドライバー起用にはこだわっておらず、順当にいけば現ロータスのリザーブドライバーであるジョリオン・パーマーあたりが昇格してきそうです。

個人的には、ルノーのパワーユニット開発責任者は徳永直紀氏(最近名前を聞きませんがまだ更迭されてませんよね)、現ロータスのチーフエンジニアは小松礼雄氏と、それぞれ現在の体制から変わらなければ来季は二人の日本人がトップエンジニアとして活躍するチームになるはずで、そういう意味でも応援したいチームです。

チーム体制に関して言えば、ルノーが引き上げるレッドブル/トロロッソの PU がどこになるかにも注目。レッドブルはメルセデス PU の獲得話が破談になってフェラーリでほぼ確定っぽいですが、トロロッソにはホンダが PU を供給する、という噂も妙に現実味を帯びてきました。実現すればホンダ PU の開発スピードもこれまで以上に上がってくるはずで、そのあたりもストーブリーグ向けの話題としては見逃せそうにありません。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/09/27 (Sun.)

F1 日本 GP 2015 決勝

日本GP決勝 ハミルトン優勝、メルセデス1ー2

日本グランプリ決勝。優勝の行方は八割方スタートで決まるだろうな、と思っていましたが、その通りの結果に。明け方の雨で奇数グリッド側のラバーが流れ、イコールコンディションになったフロントロウからメルセデスの二台がホイールトゥホイールのまま 1-2 コーナーに突入し、2 コーナー途中でアウト側のロズベルグがコース外に弾き出される格好となって勝負あり。その後は後続に影をも踏ませなかったハミルトンが、国際映像にさえほとんど映らない一人旅で圧勝を決めました。

ロズベルグはいったん 4 位まで順位を落としたものの、初回ピットストップ時にアンダーカットを成功させて挽回、2 位フィニッシュ。チャンピオンシップ上のハミルトンに対する失点をなんとか最小限に抑えましたが、スタートでハミルトンを抑えきれなかった時点でこれが今日望みうる最高の結果だったと言えるでしょう。
3-4 位はヴェッテル、ライコネンというこれまた順当なリザルト。ヴェッテルは初回ピットストップをあと 1 周早くしていればロズベルグを抑え込める可能性もありましたが、そういうところまで含めてチーム力と考えると、きわめて妥当な結果と言えるでしょう。むしろ、最速メルセデスの一台と終始同じペースで走り続けられたことが、残りのレースを戦っていく上ではポジティブに捉えるべき要素かと思います。

5 位のボッタスに関してもほぼ予想通りの順位。中盤からタイヤがタレてフェラーリに引き離されるかと思ったら、最終的にはライコネンから 3 秒遅れの 5 位、というのはセットアップがうまくいった証拠ですかね。
6 位ヒュルケンベルグの安定感、開発が止まったマシンで 7-8 位に食い込んだロータス、初挑戦の鈴鹿で 9-10 位のダブル入賞を果たしたトロロッソのルーキーコンビは、それぞれ敢闘賞をあげたい、良い走りだったと思います。

スタート直後の接触で下位に沈んだリカルドとマッサを除けば、全体的に現在のチーム/ドライバー力がそのままレース結果となって表れた、とても分かりやすいレースだったと思います。さすが、マシンとドライバーとチーム運営、その総合力が問われる鈴鹿らしいグランプリになったと言えるのではないでしょうか。

マクラーレン・ホンダに関しては、明らかにエネルギー回生が足りておらず、ストレートが遅いという、鈴鹿でのレースとしては致命的な状況。レース中にアロンソが無線で「GP2 のエンジンかよ!」と絶叫するシーンもありましたが、ホームレースにも関わらずストレートで為す術なく抜かれていくマクラーレン・ホンダを見るのはさすがに辛いモノがあります。それでもアロンソが序盤、絶妙なブロックラインで後続を抑え込み、しばらくの間ポイント圏内をキープした走りは流石としか言いようがありません。
結果はアロンソ 11 位、バトン 16 位。ノーポイントレースであり、順位だけ見ると開幕戦オーストラリアから進歩していないように見えますが、レッドブルやトロロッソとまともにバトルし、しかも 4 年ぶりの全車完走レース(ザウバーのナッサのみ完走扱いのリタイア)で 20 台中の 11 位というリザルトは、現状のマシンとパワーユニットからすると、これ以上やれないくらいに健闘したと言って良いでしょう。

日本 GP が終わり、コンストラクターズチャンピオンはもはやメルセデスが王手、ドライバーズチャンピオンもハミルトン圧倒的優位という状況で、個人的には残りのレースは消化試合に近い感覚ですが(笑、それでも残りはまだ 5 レースも残っています。多くのチームは、残りのレースにそろそろ来季に向けた開発パーツを試験的に投入してくるはず。来週にはルノーによるロータス・チーム買収や新生ハース・チームに関する発表もあると言われており、ストーブリーグに関しても玉突き的な動きが始まりそう。今季の趨勢はほぼ見えてきましたが、来季への動向を見ていくという意味では、残りのレースも含め、まだまだ見逃せない時期が続きそうです。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/09/26 (Sat.)

F1 日本 GP 2015 予選

今週は F1 日本グランプリウィーク。現地観戦できなくても、お祭り気分になるものです。

日本GP予選 クビアトクラッシュでロズベルグがPP

先週のシンガポール GP では、メルセデスがまさかの失速。残りのシーズンを占う上では鈴鹿でメルセデスがどの程度速さを取り戻してくるかがキモでしたが、タイヤ内圧の制限問題をセットアップ等である程度クリアできたのか、予選は圧巻の走りでフロントロウを独占。とはいえ、イタリア GP 以前の状況を考えればフェラーリやウィリアムズとの差は小さく、これまでのような楽勝レースとはいかないでしょう。
2 列目以降はフェラーリ、ウィリアムズ、レッドブルが僅差で並んでいて、どのチームもマシンの熟成が進んできたことを物語っています。ただこの中ではフェラーリが先週の勢いを保ったまま鈴鹿に乗り込んできた感があり、頭一つ出ているかな。ただレッドブルもマシンのスタビリティが高く、リカルドがスムーズなステアリングを見せていることから、侮れない存在と言えます。

今回の予選では Q1 でフェルスタッペンがスピンして黄旗、Q3 でクビアトが大クラッシュを演じて赤旗。クビアトは本人が無傷だったのが不幸中の幸いというレベルでマシンを大破させ、おそらく明日の決勝では少なくともギヤボックス交換は避けられないでしょう。鈴鹿というサーキットの難しさが改めて証明された予選となりました。
これで Q1 ではバトンが最終アタックを果たせず敗退、逆にアロンソは労せず Q1 突破を果たすという皮肉な結果になりました。Q3 も赤旗中断(そのまま予選終了)がなければ上位グリッドはもう少し入れ替わりがあったかもしれませんが、それもこれもレースのうち。バトンに関しては、黄旗以前にチーム側のミスにより最初の計測ラップでも本来のタイムが出せないというトラブルが発生しており、ホンダのホームレースとしてはあり得ない失態。抜きにくいサーキットに抜けないクルマで、明日はガマンのレースになりそうです。

明日の決勝レースに向けて各チームに関する所感など。

■メルセデス
ロズベルグが今季ようやく 2 回目の PP を獲得し、優勝に向けて最良の位置からのスタートとなります。明日の最大の見所はおそらくスタート、今季スタートで躓くことが少なくないメルセデスが鈴鹿でスタートダッシュを決められるか。ターン 1 に最初に飛び込んだマシンが優勝の最右翼になるはずで、それをシルバーアローのどちらが獲るのか、にまずは注目したいところ。

■フェラーリ
ヴェッテル、ライコネンともに今年の鈴鹿は乗れている印象。予想していたほどメルセデスとの差は大きくはないものの、勝てるチャンスはせいぜい一度。まずはスタートでメルセデスの前に出られるか否か。出られなければ厳しい戦いになるでしょう。

■ウィリアムズ
予選でこそフェラーリと競う位置につけていますが、今季特に後半戦は決勝でペースが上がらない展開が目立つため、ダウンフォースが不足がちなマシンでどうタイヤを持たせられるかがキモになるでしょう。フェラーリの二台にじわじわ引き離される展開になると予想。

■レッドブル
フリー走行からリカルドの走行ラインの美しさが際立っていたので、今回のダークホースになりそう。優勝争いは難しいかもしれませんが、ストレートでフェラーリやウィリアムズに離されることがなければ、表彰台に食い込んできてもおかしくありません。クビアトはギヤボックス等交換のペナルティで下位からの追い上げになるはずなので、早いうちにどれだけオーバーテイクを決められるか、がポイント。

■ロータス
日本人チーフエンジニア小松礼雄氏の采配と、二年前にレッドブルを追い回したグロジャンの走りに注目。グロジャンは来季のハース・チーム移籍が濃厚と言われており、鈴鹿で上位を争う姿はもうしばらく見られなくなるかもしれません。資金枯渇で開発ができていないマシンでどこまでやれるか、おそらくはメルセデス PU の性能に頼ったレースになるでしょう。

■フォースインディア
予選ではそれほど国際映像に映らなかったのでパフォーマンスが見えにくいのですが、二台とも中団からのレースとなり、追い上げていきたい他チームのドライバーからすると「いやな壁」として映る予感。

■トロロッソ
二人のルーキーは荒削りながらもキレの良い走りを見せていて、中団の最注目株。スタートでポジションを上げることができれば、ダブルポイントも射程圏内に見えてくるはずです。

■マクラーレン・ホンダ
14・16 番手からのスタートというのはまあ予想の範囲内。直近のレースと大差ないグリッドではありますが、ベルギーやイタリアほど上位との差は開いておらず、ホンダ側が懸命の改良を施した成果が現れているといえます。とはいえポイント争いさえ厳しい状況には変わりがないので、ガマンのレースになるでしょう。とにかくゴールを目指して着実に走ってさえいれば、あるいは...。

■ザウバー
ロータス同様に進化の止まったマシンに苦しみ、17・18 番手からのスタート。とはいえフェラーリ製 PU のパワーは侮れず、マクラーレン・ホンダにとってはイヤな相手になりそうです。

■マノー
昨年の事故が原因で、エースドライバーだったビアンキを喪うことになった因縁のグランプリ。いつも通りひたすら完走を目指すだけのレースになるでしょうが、ビアンキのためにも二台揃ってチェッカーを受けてほしいところ。

明日の決勝は、昨年より一時間早まって 14 時のスタート(去年あんなことがあったから当然ですね...)。スカパー!では 5.1ch サラウンド音声での放送になるので、環境を準備して観戦に臨みたいと思います!

投稿者 B : 21:27 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/09/21 (Mon.)

F1 シンガポール GP 2015

シンガポールGP決勝 ヴェッテル優勝、ハミルトンはリタイア

前戦イタリアでヨーロッパラウンドを終え、これからはフライアウェイで終盤戦に向かっていきます。

シンガポール GP もハミルトンが猛威を振るう...かと思いきや、今回はなんとフェラーリの独壇場。イタリア GP でのマシンアップデートによって SF15-T のパフォーマンスが大きく底上げされたこともありますが、むしろメルセデスの戦闘力低下が大きい。この大部分はイタリア GP で問題となったメルセデスのタイヤ内圧設定に起因すると思われ、ピレリの指定内圧を厳格に守ることが求められた結果、W06 がこれまで発揮してきたパフォーマンスを再現できなくなったものと思われます。

とはいえ、優勝したヴェッテルの走りは圧巻でした。予選では既に PP が確定しているにも関わらず、最後のアタックで一人 1 分 43 秒台に突入する圧倒的な速さを見せつけます。レッドブル時代から「必要以上にぶっちぎりたい」というのがヴェッテルの性質でしたが、大好きなフェラーリで、チームを鼓舞するためにもこういう予選がやりたかったんだろうなあ、というのがよく分かるパフォーマンスでした。
決勝でもその勢いは衰えず、スタートからゴールまで一度もトップを脅かされることのない完全勝利。初回ピットストップに近いタイミングでセーフティカーが導入されたため、アンダーカットを狙っていた 2 位リカルドの戦略がハマらなかった、というラッキーはあったにせよ、全ての状況がピタリとハマった PP からのぶっちぎり優勝、という久々にヴェッテルらしいレースだったと思います。

対するメルセデスはハミルトンが PU のトラブルでリタイア、ロズベルグが 4 位がやっとという状況。もともと全開率が低くて PU の性能差が現れにくいサーキットとはいえ、ここまで戦闘力が発揮できなかったのはタイヤの内圧設定によるところが大きいでしょう。それにしてもこえだけパフォーマンスが落ち込むとは予想していなかったので、正直驚きました。
これでチャンピオンシップはハミルトン 252pt、ロズベルグ 211pt、ヴェッテル 203pt で数字上はヴェッテルにもまだまだ可能性は残されています。とはいえ残りのレースは高速サーキットが中心で、メルセデスが再び競争力を取り戻してくる可能性も高く、楽観視はできないでしょう。どちらかというと今回のパフォーマンスダウンの原因のうちタイヤ内圧がどれだけの割合を占めているか、そしてサスペンションのセットアップ等でどの程度吸収できる問題か、によってメルセデスの今後の復活度合いも変わってくるかと。もう少し終盤までもつれ込んでくれると、ファンとしては楽しめるのですが。

いっぽう、マクラーレン・ホンダにとっては今回がおそらく今季最後の「現実的にポイントが狙っていけるサーキット」。予選は 12・15 番手につけ、クラッシュの多いコース特性的にはダブルポイントもじゅうぶん狙える位置からのスタートでした。中盤、着実にポジションを上げ、一時は 2 台揃ってポイント圏内を走行したものの、相次ぐギヤボックストラブルにより 2 台ともにリタイア。
正直なところ、これまでのホンダ製 PU は公約通りのパフォーマンスアップを果たせておらず、期待を裏切る状況が続いてはいますが、今回のギヤボックストラブルは車体側の問題。なかなか噛み合いませんね...。コース特性からいえば今季はもう残り全戦ノーポイントでもおかしくないので、これは痛い。次の鈴鹿は PU 的には厳しいでしょうが、セットアップとベテランドライバー二人の実力でどこまで上位に迫れるかに期待するしかないでしょう。

日本 GP はもう今週。今年は鈴鹿には行けませんが、メルセデスに対するフェラーリ/レッドブル勢の対抗と、マクラーレン・ホンダの発奮に注目したいと思います。

投稿者 B : 22:30 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/09/12 (Sat.)

F1 イタリア GP 2015

イタリアGP決勝 ハミルトン優勝、ヴェッテル、マッサが表彰台

帰省していたためリアルタイム観戦できなかったイタリア GP をようやく録画観戦しました。本当はリモート視聴できる準備までは整えていったものの、さすがにそんなことができる状況ではなく(;´Д`)。

レースはメルセデス・ハミルトンの圧勝。予想できすぎた流れではありますが、今回はロズベルグもウィリアムズ勢も全く歯が立たず、今季ハミルトン一人が別次元の速さにいることが改めて浮き彫りになりました。終盤、タイヤの内圧が規定値に届いていないことが判明して少しざわついたものの、最終的にはお咎めなし。どんなタイプのサーキットでもハミルトンは安定して速く強く、もはや 2017 年のテクニカルレギュレーション改訂までハミルトンの時代が続いてしまうのでは、とさえ思えてきます。
対するロズベルグは、まず予選でハミルトンとの間にフェラーリの二台に割って入られた時点で苦しくなりました。スタートに失敗したライコネンはともかくヴェッテルはレース中も抜ける隙がなかったのに加えて、スタート直後にウィリアムズの二台にまで先行されては、もう逆転の目は潰えたも同然。最終的には表彰台圏内まで復帰してきたものの、シルバーストンからスパといった高速サーキットで酷使してきたエンジンが、残り 6 周というところで火を噴いて絶命。序盤から二番手につけてもう少しエンジンを労れていれば...というところではありますが、そもそもライフ間際のエンジンでは、最初からハミルトンに勝つのは難しかった、とも言えるでしょう。

2 位表彰台を獲得したヴェッテルはさすがの一言。今回投入したパワーユニットのアップデートがうまくハマッたというのもあるでしょうが、自身が初優勝を記録した相性の良いモンツァで、ここ一番で安定したレースができるのはチャンピオンならでは。そういえば、フェラーリ時代のアロンソもモンツァではいつも良いレースをしていましたが、やっぱり満員のティフォシの前では持てる力をいつも以上に引き出せるのかもしれません。そういえば、3 位のマッサも長年のフェラーリドライバーでしたよね。
久しぶりのフロントロウを獲得しながらもスタート失敗で追い上げる展開となったライコネンも、最終的には 5 位までポジションを戻してきました。メルセデス PU 勢を交わしての 5 位入賞は、ライコネンの実力もさることながら、やはり今回のアップデートの貢献が大きいことを物語っています。

3-4 フィニッシュを決めたウィリアムズは、重すぎる空力をつけて持ち前のトップスピードを殺してしまったスパの反省か、今回は軽いセットアップで最高速を重視し、終盤までロズベルグを苦しめたことが奏功したと言えるでしょう。やはりコース特性に合わせてマシンの良いところを伸ばすのがレースの鉄則ですね。二台のタイムが拮抗し、最後までチームメイトバトルを繰り広げていたのも、現状のマシンのポテンシャルをよく引き出せている証拠だと思います。と同時に、現時点ではここがウィリアムズの上限である、ということでもあるのでしょうが。久しぶりにミスらしいミスのないレース運びだったので、得意なサーキットでこういうレースを続けて、勝負どころで一気に賭けに出る戦い方が、久しぶりの優勝を引き寄せるのではないでしょうか。

で、マクラーレン・ホンダ。ベルギーに続くパワーサーキットで、厳しい戦いになることは最初から見えていました。それでもレッドブル勢のペナルティにより 15・16 番手からのレースになり、スタートでバトンがうまくジャンプアップを決められたことで、少し期待を持ちました。が、その後は結局いつもどおりズルズルと順位を下げ、定位置のマノー前に。最後は 51 ラップ目にアロンソがパワーを失ってリタイア、というあまり良いところのないグランプリでした。ほぼ予想通りの結果とはいえ、悔しいですね...。
次は一週間後のシンガポールを経て、新生マクラーレン・ホンダとして初めての鈴鹿凱旋。MP4-30 にとっては鈴鹿は厳しいでしょうが、シンガポールは波乱が起きやすいストリートサーキットであることもあり、展開如何ではポイントも期待できます。良い流れが来てくれることを祈りつつ、一週間待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:41 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/08/24 (Mon.)

F1 ベルギー GP 2015

ベルギーGP決勝 ハミルトン優勝、グロージャンが3位

夏休み明けの F1 はベルギー、スパ・フランコルシャンから。

大方の予想通り、パワーサーキットであるスパはメルセデス製 PU 圧倒的有利。その中でもハミルトンが終始無敵の強さを見せつけ、国際映像にすらほとんど映らない状態でポールトゥウィン。ハンガリーでの惨敗からしっかり切り替えてきました。今季のハミルトンはメンタル的に非常に安定していて、負けを引きずることなく次戦ではちゃんと立て直してくるのに対して、ロズベルグは負けを引きずったりハミルトンを意識するあまり他車に先行を許したり、不安定さが目立ちますね。同じマシンでこれだけ差がついてしまったら、もうあとは誰もハミルトンを止められないままシーズン終了してしまうしかありません。

優勝争いこそ、序盤にペレスがハミルトンに仕掛けに行った以外は見るべきところがありませんでしたが、今回のレースはポイント圏の戦いがとても熱かった。フェラーリ、ウィリアムズ、フォースインディア、ロータス、レッドブルがオーバーテイク合戦を繰り広げる、ドライバーズサーキットらしいレースだったと言えます。
今回こそメルセデスを食う展開があり得るかと思えたウィリアムズは、DRS が使える予選セッティングでは速かったのに決勝ではドラッグの大きい空力でトップスピードが伸びなかった上に、ボッタス車のピットインの際に一本だけ違う種類のタイヤを装着してしまうというあり得ないミス(!)で自滅。マシンの戦闘力が相対的に落ちてきているところでこんなことをやっているようじゃ、今季も優勝の目はないですかね...。対するフェラーリはライコネンがマシントラブルで消え、1 ストップ戦略がうまく機能したように見えたヴェッテルが、残り 2 周というところでタイヤをバーストさせ、惜しくもポイント獲得ならず。でも今回は終盤にヴェッテルを攻め立て、タイヤを壊すまでプレッシャーを与え続けたグロジャンの走りが、自ら表彰台を引き寄せたと言って良いでしょう。

ロータスは昨年のリザーブドライバーだったシャルル・ピックからの訴訟問題(契約不履行)を受け、もともと財政難なところにグランプリ期間中にマシン差し押さえの危機に瀕していました。最近ではかつてのチームオーナーであったルノーによる再買収話が出てきていて、買収実現も時間の問題とみられていたところに、チーム消滅の危機。なんとかレース出走にこぎつけた上でこの好リザルトは、チームの士気を改めて向上させただけでなく、ルノーによる買収に弾みをつける可能性があります。近年こそ浮き沈みの激しいチーム状況でしたが、もともとはシューマッハーやアロンソを擁して複数回のチャンピオンシップを獲得した名門であり、再び安定した運営基盤を取り戻してほしいところ。現在はチーフエンジニアに日本人の小松礼雄氏がついていることもあり、応援したいチームの一つでもあります。

マクラーレン・ホンダは今回開発トークンを投入した新パワーユニットを持ち込み、ホンダ F1 総責任者新井氏の言葉を借りると「フェラーリに匹敵する」とのことで期待が高まりましたが、実際に蓋を開けてみると従来通りのマノーの前、定位置に収まっただけでした。まあ PU としてはアップデートされているのでしょうしセットアップが煮詰められていないだけという可能性もありますが、結局はパワーサーキットではまだまだ三大エンジンメーカーと勝負にならない現実が露呈しただけ。なんともフラストレーションが溜まる週末でした。
次のモンツァは言わずもがなのパワーサーキット。次回もマクラーレンの快走は見られそうもありません。いっそその次のシンガポールまでは捨ててもいいから、少なくとも鈴鹿で今までよりいい結果を出すことに全力を注いでほしいところですが...鈴鹿もなんだかんだ言ってパワーサーキットだし、それを期待するのも酷かもしれません。ホンダファンとしては、なんとも苦しいシーズンがまだまだ続きます。

投稿者 B : 23:06 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/08/23 (Sun.)

フォーミュラ E デモラン at 六本木けやき坂通り

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

六本木のけやき坂通りで開催された、日本国内初のフォーミュラ E 公道デモランを見に行ってきました。

フォーミュラE日本初走行、六本木に大観衆集まる - AUTOSPORT web

初年度のフォーミュラ E はレースがあまりにも稚拙で、私は途中から見るのをやめてしまいましたが、実車が日本に初めて来るとなれば話は別。来季からは各チームでのパワーユニット開発が解禁されるということで、ようやく技術面でも見どころができるし、改めて観戦してみようかとも思っていました。というわけで、現地に足を運んでみました。
イベント開始の一時間ほど前に現地入りしたところ、場所取りの人もまだまばらで余裕。最終的には沿道に三列くらいの観客が集まりましたが、四年前に横浜でレッドブルが F1 デモランをやったときの大混乱の比ではなく、それなりの盛況といったところ。六本木ヒルズで開催中の夏祭りの流れで来ただけっぽいお客さんも多くて、まだまだフォーミュラ E の認知度が低いことを思い知ります(もちろんそのためのイベントでもあるんでしょうが)。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

デモランに使用されたマシンは昨シーズンの SRT_01E。昨シーズンはワンメイクレースだったので全チームがこのマシンを使ったわけですが、アムリン・アグリのマシンを持ち込むのかと思ったら、どのチームの所属でもないフォーミュラ E オフィシャルカラーのマシンが出てきました。
ドライバーは最終戦にアムリン・アグリから出場した日本人ドライバー・山本左近。一時期スーパーアグリから F1 参戦も果たした、日本を代表するドライバーの一人です。曇っていたこともあって、バイザー越しに表情の判る写真が撮れました。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

デモランはけやき坂通りを三往復というコース。道路幅的に回りきれないため、折り返しはスタッフが押して方向転換(笑。

フォーミュラ E はエンジンカーとは違って走行音がとても小さいため、観客のざわつきのほうが大きいほど。一往復目は近くに来ていることに気がつかず、シャッターチャンスを逃してしまいました(;´Д`)。しかも、走行速度は「徐行」ということだったので 5~10km/h くらいかな?と想定していたら、思っていたよりも速い上に距離が近すぎて、これ撮るの下手したらサーキットでレーシングスピードのマシンを撮るのよりも難しくないですかね...。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

それでも果敢に流し撮りに挑戦(笑。

距離が近いから望遠レンズは要らないだろうな、と思ってましたが(一応 70-200mm は持って行った)、ほぼ 16-70mm で事足りました。遠距離も想定して 18-200mm とかでも良かったかもしれませんが。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

本イベントのゲストはドライバーの山本左近選手のほか、チーム・アグリ(来季からアムリン・アグリ改めチーム・アグリとして参戦)代表の鈴木亜久里氏、フォーミュラ E の CEO・アレハンドロ・アガグ氏、そして自民党の古屋圭司衆議院議員(同党のモータースポーツ振興議員連盟会長として本イベントの招致、および今後のフォーミュラ E 日本 ePrix の招致に関わっている)が参加されていました。
アガグ氏はかつて経営難に陥ったスーパーアグリ F1 チームの救済に名乗り出たこともあり、鈴木亜久里氏とは浅からぬ間柄。今回のイベントでも日本 ePrix の実現に向けた意気込みを語っていましたが、もしかすると来年、再来年あたりには実現するのかもしれません。それまでに国内のモータースポーツが今より少しでも盛り上がっていると良いんですけど。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

イベントが一通り終了し、プレス向けフォトセッションが始まった瞬間、私がいた場所がフォトセッションの真裏にあたることが発覚(;´Д`)。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

改めて、フォーミュラ E カー。初年度だし、ワンメイクだから技術競争もなく、正直まだまだこなれていない印象を受けます。最高時速で 200km/h そこそこ、公道コースの狭さを考えると実際のレーシングスピードは 100km/h 台で走っていることのほうが多いでしょうから、空力の効果もたぶん限定的で、ウィングの類も半分は飾りなんだろうな...。
ラッキーなことにマシンの脇に亜久里・左近の両名が立ってくれたので、ちょっとしたフォトセッション風の写真になりました(笑。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

デモラン終了後、マシンはカウルが外されて内部が露わになっていました。
F1 だとヘッドレスト上部のインダクションポッドからはエンジンの燃焼と冷却用の空気が取り込まれ、ダクトを通じてエンジンまで導かれる構造になっているところが、フォーミュラ E ではこれは単なるロールフープ(転倒時などにドライバーの頭部を保護するための強化部材)にすぎないというのが、電気自動車らしいところ。インダクションポッドにあたる部分には、ダクトの代わりに ECU(制御用コンピュータ)が配置され、その下に 300kg の重量をもつバッテリが搭載されています。

フォーミュラ E デモラン in 六本木

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS ]

退場する鈴木亜久里氏を激写!子どもの頃、日本人初の F1 表彰台を見せてくれた私にとってのヒーローだけに、ちょっと感激。しかし、想像以上の色黒で、驚きました(笑。
山本左近選手がイベント後も熱心にファンサービスをしていたのが印象的でした。対して亜久里氏はずっと忙しそうな感じで、ファンサービスもちょっと淡泊め(笑。

昨シーズンは亜久里氏もレースに行ったり行かなかったりと関与度がよく分からない感じでしたが、来季はチーム名も刷新し、どういう体制になるんでしょうか。マシン開発がどのように行われ、レースがどう変わるかも含め、とりあえず 10 月からの序盤数戦はじっくり観戦しようと思っています。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Photograph | Vario-Tessar E 16-70/F4 ZA OSS | α6000 | コメント (0) | トラックバック

2015/07/27 (Mon.)

F1 ハンガリー GP 2015

ハンガリーGP決勝 ヴェッテル、ビアンキに捧げる優勝

2015 年シーズン前半戦のラスト、ハンガリー GP。前週に、昨年の日本 GP で重傷を負ったジュール・ビアンキが還らぬ人となる、辛い出来事の直後だっただけに、パドックには独特の空気が流れているように(テレビ画面を通しても)見えました。F1 でレース中の事故による影響でドライバーが亡くなったのは 21 年前のセナ以来であり、いち F1 ファンとしてもとても悲しい。

そんな空気が反映されてかどうか、レース内容は大荒れ。まずロケットスタートを決めたフェラーリの二台がメルセデスを抑え込み、1-2 体制を築きます。追うメルセデスの二台はコーナーで同士討ちを演じる格好になってハミルトンがコースオフ。なんとか復帰したものの、大きく順位を落として追い上げるレースを強いられます。

追うレースでも冷静で、着実に一台ずつ仕留めていくのが昨年あたりからのハミルトンのスタイル。それが今回は、数年前のような接触も辞さない強引なオーバーテイクが目立ち、いったんは 4 位までポジションを戻したものの、中盤のセーフティカー明けリスタートでダニエル・リカルドと接触。フロントウィング交換のためのピットインに加えてドライブスルーペナルティも科せられ、最終的には 6 位フィニッシュがやっとというレースでした。それでも何度も後方に下がりながら 6 位まで上がってきたのはハミルトンの実力でしょうが、ロズベルグに対する失点を最小に抑えることを目的に落ち着いたレースができていれば、違う結果があったはずです。

しかしもっと残念だったのはロズベルグ。序盤フェラーリに全くついていけなかったのはマシンセッティングや戦略の違いがあるからだとしても、二回目のピットインの際に本来ソフトタイヤを履く戦略であるにも関わらず、追い上げてきているハミルトンと同じミディアムタイヤを選ぶという、完全に守りの戦略を採ったことが、最終的により悪い結果をもたらしてしまいました。ミディアムタイヤを履くことはフェラーリ追撃を諦めたところでセーフティカーが導入され(ソフトタイヤを履いていたらここでフェラーリに対して一気に仕掛けることができたはず)、逆に追い上げてきたリカルドと接触してタイヤが破損。パンクしたタイヤでほぼ丸々 1 周を走る羽目になり、大きくポジションを落としました。結局、ハミルトンに対してポジションを守る戦略が、ハミルトンよりも後ろの 8 位フィニッシュを呼び込んでしまったことになります。結果論だけれど、守りに入った瞬間に負のスパイラルに陥るのもレース。以前から繰り返し書いていますが、こういうマインドを根本的に変えない限り、ロズベルグに逆転王者の目はないと断言できます。

逆に素晴らしかったのはフェラーリ...と言いたいところですが、レース中に国際映像がヴェッテルを捉えるシーンはほとんどなく、実際にどうだったかはタイミングモニター経由でしか把握できませんでした。が、フリー走行ではなかなかセットアップを煮詰めきれなかったのを当日のコンディションにピッタリ合わせ込んできたチームの仕事と、セーフティカー後のリスタートで後続にチャンスを与えなかったヴェッテルの走りは見事。フェラーリ・ファミリーの一員だったビアンキの見えざる手が後押ししたのでは...と思えるほど、不思議な力強さに満ちていました。
ライコネン車に MGU-K のトラブルが発生しなければ 1-2 フィニッシュはほぼ手中に収めていただけに悔やまれますが、今シーズン残り少ない「勝てそうなサーキット」でしっかり 2 勝目を挙げたことは、現時点でのメルセデスとの戦力差を考えると立派。ウィリアムズとのコンストラクターズ 2 位争いにも、大きな弾みをつけました。前戦イギリスから続けて考えると、勝てるレースを着実にモノにできるフェラーリと、勝てるはずのレースで自滅するウィリアムズとの差が明確に顕れたこの二戦だったと思います。

そして、
マクラーレン・ホンダ今季初ダブル入賞おめでとう!!!

そもそも低速サーキットなのでマシン性能の差が出にくく、この結果をもって即マクラーレン・ホンダの戦闘力が上がったと言えないのは事実です。でも荒れたレースをノートラブルで終え、トロロッソやロータスと渡り合った上でのアロンソの 5 位、バトンの 9 位フィニッシュは現在考えられる最高のリザルトと言って良いでしょう。全開率が低い代わりにアキレス腱の MGU-K に厳しいサーキットを走りきったことは、今後の信頼性確立に向けてポジティブな要素だと思います。
後半戦に向けてコンストラクターズランクでザウバーを逆転できる可能性は十分にあると言えますし、次の課題はパワーユニットの戦闘力向上。夏休みの間もパワーユニットの開発は継続されますし、休み明けのスパで投入される新パワーユニットが、中団争いを十分可能にしてくれるレベルのものであることを期待しています。

投稿者 B : 22:55 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/07/06 (Mon.)

F1 イギリス GP 2015

イギリスGP決勝 雨に対する好判断でハミルトンが優勝

多くのチームやドライバーのホームグランプリとなるイギリス GP。現チャンピオンのハミルトンはもちろんのこと、メルセデスもチームの本拠地はイギリス。その地元ファンの前で、ハミルトンが改めて強さを発揮したレースでした。

スタートで先行したのはウィリアムズ。マッサがメルセデスの 2 台を抑えて 1 コーナーに飛び込むと、ハミルトンと競い合いながらボッタスも続きます。シルバーストンの抜きにくいサーキット特性も相まって、序盤のレースはウィリアムズの 2 台が支配します。
ボッタスを抜きあぐねたハミルトンは、20 ラップ目にウィリアムズに先んじてピットインし、アンダーカットに成功。翌周にマッサがピットから復帰したときには、軽々とトップを奪い返していました。
次のターニングポイントは 44 周目。降雨もあってペースダウンし、ロズベルグが 2 秒後ろに迫ってきたところで、インターミディエイトタイヤにチェンジ。このタイヤ交換のタイミングが絶妙で、1 周後にタイヤ交換したロズベルグ、マッサ、ボッタスとの間に大きなギャップを築くことに成功します。

終わってみればポールトゥウィン。いつもと変わらない結果ではありますが、ハミルトンの判断とチームとの連携がガッチリ決まった、現役チャンピオンらしい勝ち方だったと言えます。特に降雨時のタイヤ交換のタイミングはピットよりもドライバー判断によるところが大きいので、あのタイミングでピットに飛び込んだハミルトンの判断勝ちでしょう。いっぽうでロズベルグは後手に回った感が強く、順手で攻めても簡単には勝てず、かといって裏をかこうとすると逆にハミルトンとのポイント差が広がるリスクのほうが高い...というジレンマに苦しんでいるように見えます。こういうレースでは、やはり地力の違いがリザルトとなって出てきますね。

地力の違い、といえば勝負弱さが露呈したのがウィリアムズ。ウェットレースになった終盤のペースはダウンフォースに勝るメルセデスが明らかに速かったので、どうやっても負けていた可能性はありますが、その前にハミルトンがアンダーカットを成功させた時点で勝負がついてしまったというのは、いくらなんでも無策すぎます。例えば序盤はマッサよりもボッタスのほうがマシンの動きが良かったので、ボッタスを先行させてマッサをブロック役にし、メルセデスとのギャップを広げることができれば、もう少し展開も違ったはず。こういう年に一度勝つチャンスがあるかないかというチームでは、チャンスは最大限に活かす、それが私の主義だのが鉄則。マシン性能的には去年よりもメルセデスとのギャップが大きそうなだけに、この保守的なレース戦術を変えない限り、今季も優勝は遠いんじゃないですかね。
マシン特性から考えると、次に勝てるチャンスがあるとすれば夏休み明けのスパかモンツァ。コンストラクターズランクは 3 位でもう安泰な状況だし、もう 2 位や 3 位を何回獲るよりも 1 度の優勝でしょう。ギャンブルに出てもいいんじゃないですかね。

マクラーレン・ホンダは...積極的にアップデートパーツを持ち込んでいるようですが、ここ数戦の高速サーキットではほとんど結果が出せず。このシルバーストンでも、予選結果はマノーの前(17・18 番手)という惨憺たる結果。個人的にはヨーロッパラウンドが佳境に入る頃にはコンスタントにポイント争いに絡み、鈴鹿では表彰台を狙える位置にいてほしい...というのが望みでしたが、まだまだ全然そんな状況ではなさそうです。
決勝ではスタート直後にロータスの同士討ちの煽りを喰らい、アロンソがスピンしてバトン車のサイドにヒット、バトンはそのままリタイアというひどい結果。マクラーレン的には完全にもらい事故ですが、こういうアクシデントも含めてトラブルが多すぎ、走行距離が稼げなくてさらに開発が遅れる悪循環...。完走 13 台の荒れたレースで最後まで走りきったアロンソが 10 位 1 ポイントを手にしましたが、これもマシン性能のおかげというよりアロンソの粘り強い走りの賜物。マシン性能まで含めた総合力で上位入賞を狙うには、まだまだ時間がかかると言わざるを得ません。

次戦はモナコに次ぐ低速サーキットのハンガリー。マシン性能の差が出にくいコースであるが故にマクラーレン・ホンダにもポイント獲得のチャンスはあると言えますが、それってマシン開発とはあまり関係がない、というのが辛いところです。でも、少しずつでもポイントを積み上げていくことが、チームにとってもモチベーションの向上に繋がるのも事実。夏休みに向けて、良い結果を持ち帰ってほしいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/06/22 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2015

オーストリアGP決勝 ロズベルグが優勝、マッサが3位

気がつけばもう 2015 年シーズンも中盤戦のオーストリア GP。

マクラーレン・ホンダはマシンアップデートを施してレースに臨みます。とはいっても新パーツは一台分しかなく、今回はアロンソが試す番。見た目の印象が大きく変わったショートノーズほか、空力アップデートが施されています。
とはいえ、今回はアロンソ、バトンともに今季 6 基目となるパワーユニットを投入し、両者ともにペナルティによるグリッドダウンが前提でリザルトは期待できないレース。もともとホンダの現行パワーユニットは出力不足(おそらく MGU-H の回生がまだうまくないものと思われる)で、このオーストリアのような高速サーキットには不向きということもあり、最初から「捨てレース」としてデータ収集に費やすつもりだったはずです。

が...レースはオープニングラップでアロンソとライコネンがクラッシュ。それもライコネン車にアロンソ車が乗り上げるというあわやの大事故でした。アロンソにしてみれば完全にもらい事故で、かつ二人のドライバーに事故がなかったのは幸いでしたが、せっかくの新パーツの効果が実レースで測れなかったのは実に痛い。今週そのままオーストリアで行われている合同テストでこのレースで採れたデータを元に開発を進めるはずだったのが、そのまま遅れる形になったツケは次以降のレースで払わされることになります。
そしてほんの 10 周足らずで今度はバトンがリタイア。こちらは吸気系のトラブルとのことですが、相変わらずホンダの PU は至るところでトラブルが発生しますね...。パワーも信頼性も足りないとなると、まともに戦えるレースは本当に限られてきます。せいぜい低速なテクニカルサーキットであるハンガリー、ブラジル、あとは波乱の起きやすいシンガポールくらい?今季はほぼテストと割り切るにしても、カナダでアロンソが不満を口にしたように、まともに戦ったらどれくらいの競争力があるか試せるレースもないと、ファンとしても進歩の確認のしようがありませんからね。モナコまでは着実に進歩しているように見えたのが、ここ 2 戦で大きな壁にぶち当たっているように見えるのは、なんとももどかしい限りです。

さて、レースのほうはロズベルグが久しぶりに快走。乾坤一擲のスタートを決め、その後導入されたセーフティカー明けのリスタート競争も制した後は、ハミルトンの追撃を凌ぎきってトップチェッカー。モナコでの勝利は完全に棚ぼただったので、実力でハミルトンを抑えたのは 1 月半前のバルセロナ以来。スペイン GP に比べるとハミルトンの調子も決して悪くなかったので、久しぶりにロズベルグの実力での完勝と言えます。まあ、予選では最終アタック時にハミルトンは 1 コーナー、ロズベルグは最終コーナーでそれぞれコースオフを喫し、どちらもベストラップを逸したのは、二人とも限界ギリギリのところで強い精神的プレッシャーを受けながら戦っている証拠であり、人間らしさが垣間見えた部分でしたが。

3 位以下はヴェッテルがピット作業のミスの影響でマッサに先行されたことを除けば、ほぼマシンの実力通りの順序。ピットのミスとか SC 導入というトラブルでもなければレースを見なくても結果がだいたい分かってしまうというのは、ちょっと退屈なものがあります。次はテクニカルな高速サーキットであるシルバーストンなので、マシン性能の差を覆すドライバーの走りが見たいものです。

投稿者 B : 23:56 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/06/08 (Mon.)

F1 カナダ GP 2015

カナダGP決勝 ハミルトンがポールトゥウィンで今季4勝目

ハミルトンが大の得意とするカナダ、ジル・ヴィルヌーヴサーキット。マシントラブルやセーフティカーによる混乱がなければハミルトンの圧勝だろうなあ、と予想していましたが、本当にその通り、決勝では誰も寄せ付けない...と言ったら大げさになりますが、2 位ロズベルグとのギャップを完璧にコントロールした完勝を挙げ、今季 4 勝目をマークしました。

いつもならば間違いなく複数回のセーフティカーが導入されるのがカナダ GP。過去それによって数多くのドラマが生まれ、初優勝者を生み出してきたサーキットです。ハミルトンもそのモントリオールの女神の祝福を受けた一人ですが、今回はその女神の悪戯もなく、やや単調なレースでした。さすがに深夜 3 時からのレースなので録画観戦しましたが、リアルタイムで観ていたら寝落ち必至でした(´д`)。
でもそんな波乱のない、単調なレースでリタイアしたのがマクラーレン・ホンダとマノーだけ、というのは、いくらなんでも残念すぎます。

マクラーレンの 2 台は予選から散々な内容で、バトンはトラブルで予選出走すらできず、アロンソについてもマッサとヴェッテルのまさかの Q1 敗退がなければ Q2 進出は危うかったところ。決勝でも、ズルズルと抜かれていくばかりのレース展開で、最後は 2 台とも排気系のトラブルでリタイア。前戦モナコで入賞できたのはマシンよりもドライバーの力のほうが大きいですし、逆にこのモントリオールはマシン、特にパワーユニットの性能が物を言うサーキット。パワーも燃費もまだまだ厳しいホンダには辛い条件だったとはいえ、ここまで苦戦するとは思いもしませんでした。
カナダ GP を前に開発トークンを使用し、パワーユニットの開発を進めてきたホンダ。レース中の無線通信を聞くと、最初からこのレースは結果を求めずにテストと割り切って臨んでいたようなニュアンスもありましたが、実際にパワーユニットの特性に合っていないサーキットとして、勝負を捨てていたのでしょう。マクラーレン・ホンダの現状を考えると全てのレースで勝負できるポテンシャルはないわけで、戦いに行くレースとデータ収集に徹するレースを明確に分けることは間違っているとは言いません。が、カナダでザウバーやフォースインディアにも簡単に抜かれてしまうほどとはさすがにチーム側も予想していなかったのではないでしょうか。私もさすがにこの結果には暗い気持ちになりましたね...。

次のオーストリア GP ではマクラーレンの車体側にも大幅なアップデートが施されるとの噂。なので、次こそは勝負に行くレースであってほしいところですが、レッドブル・リンクも高速サーキットなので、ホンダ製 PU にはまだまだ厳しいような気もします。マクラーレン・ホンダに次回チャンスが訪れるとしたら、例によってドライバーの力量が試されるイギリス・シルバーストンか、その次の低速なハンガリー GP か、のどちらかですかね。

投稿者 B : 23:25 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/05/25 (Mon.)

F1 モナコ GP 2015

モナコGP決勝 ロズベルグが思いがけずモナコ3連覇

まずは何はともあれ、ジェンソン・バトン&マクラーレン・ホンダ今季初ポイント獲得おめでとう!

予選は前戦に続いての 2 台とも Q1 突破。しかしながら Q2 で電気系と思われるトラブル(アンチストールの誤作動?)でアタックラップを走る前にストップ。なかなか 2 台ともにベストコンディションで週末を過ごすことができません。が、バトンが 10 番手グリッドを獲得(予選 12 位ながら 2 台のペナルティに伴い繰り上げ)。ポイントの期待が高まります。

決勝はバトンにスタートでうまく順位を上げたアロンソが追いつき、中盤まで 9・10 位あたりを快調に走っていました。このままいけばダブルポイントも見えてくる...と思った矢先、アロンソがストップ。コーナーで止まりきれずにそのままレースをやめてしまったように見えたので、前戦スペインに続くブレーキトラブル、またはパワーユニットのどこかのトラブルと思われます。本当に安定しませんね...。
しかしながら一方のバトンは最後まで安定した走りを見せ、見事 8 位 4pt を手にしました。

まあポイントを取ったところでまだコンストラクターズ 9 位であることに変わりはありませんが、それでも開幕からここまで着実に結果を積み重ねてきていることは確か。ロータス、フォースインディア、ザウバーあたりは資金難で早くも開発が滞り始めていることもあり、今後の伸び代という意味ではこれらのチームは食える可能性が高い。まあ、今季の目標は最終戦までにフェラーリあたりと戦えるポジションを目指すところだと思うので、そこからすればまだまだですが、光明は見えてきました。一方で、どうしても信頼性が確立できないことは気がかりですが。

優勝争いに関しては、スペインでどうにもピリッとしなかったハミルトンが、モナコの土曜日以降は非常に安定した、開幕以来のハミルトンに戻ってきました。予選も軽く PP、決勝もスタートを決めてレースを支配。終盤にさしかかるまでは私も寝落ちしそうなくらいに動きのないレースでしたが、残り 15 周でフェルスタッペンとグロジャンが接触し、SC が導入されてからレースが大きく動きます。トップを独走していたハミルトンが SC の隙にタイヤ交換に入ってみると、ピットアウトしたときにはロズベルグとヴェッテルが先行。前の 2 台はそのままタイヤを換えずにチェッカーを受けたため、完全に勝っていたはずのハミルトンが 3 位、という驚きの結末となりました。
これには勝ったロズベルグもさすがに困惑したようで、表彰台でも少し神妙な表情を浮かべていましたが、負けてしまったハミルトンの心情はいかばかりか。今回はロズベルグに非はなく、完全にチームの戦術ミスですが、チームとの契約を更改した直後にまた新たな禍根を残す結果になりました。

これでドライバーズポイントは 27pt 差になるはずだったところ、逆に 10pt 差に詰まってきました。チャンピオンシップ的にはこれくらいのほうが面白いわけですが、こういうレースで差が縮まることは、ファンとしてもいささか微妙な思いです。どうせシーズンを面白くするなら、ロズベルグ自身にもっと奮起してもらわないと面白くないんですよ。
次のレースはハミルトンが大得意とするカナダ GP。今度こそハミルトンが圧倒しそうですが、波乱が起きるのもまたカナダ GP の特徴だったりします。今季まだ勝っていないチームやドライバーが意外なレースを見せてくれることに期待しましょう。

投稿者 B : 23:50 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/05/13 (Wed.)

フォーミュラ E 第 7 戦 モナコ

大混乱のFEモナコ決勝 ブエミがFEで2勝目 - AUTOSPORT web

F1 のシーズンに合わせるかのように、フォーミュラ E もヨーロッパラウンドに突入しました。でもこちらは F1 よりも一足先にモナコでの開催。

スタート直後、いきなりの多重クラッシュから始まります。F1 では近年ほとんど見なくなったレベルの多重クラッシュで、やっぱりこういうことが毎回のように起きるあたりが二流以下のカテゴリなんだよなあ...とテンションだだ下がり。

しかしその後は持ち直し、ブエミ、ディ・グラッシ、ピケ Jr.、サム・バードあたりがトップを争ってデッドヒートを繰り返す展開に。でもそこは抜けないモンテカルロ、なかなか状況は覆りません。
最後まで僅差の争いが続いたものの、結果的にはセバスチャン・ブエミが逃げ切り、初めての 2 勝目を挙げたドライバーとなりました。やはり F1 の中団以上のチームでモナコを走った経験があるドライバーがここでは速いのか、ドライバーズサーキットらしいリザルトと言えます。

でも事前に懸念していたとおり、コースがモンテカルロの半分しか使っていないレイアウトで、景観の美しさや走りの面白さという点ではやっぱり微妙。名物コーナーもなければトンネルもない、海もほとんど見えない、ひたすらにガードレールの隙間だけを走り続けているという印象で、なんでモナコでやっているのか疑問にすら思えるほど。こんなに退屈なモナコの映像は初めてでしたね...。

やはり、どのレースを観てもなかなか気持ちが盛り上がってこないので、残念ながら今季はそろそろ観るのをやめようと思います。来季レギュレーションが変わったらまた考えよう...。

投稿者 B : 23:03 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2015/05/11 (Mon.)

F1 スペイン GP 2015

スペインGP決勝 ロズベルグが今季初優勝

ヨーロッパに部隊を移し、いよいよ第二の開幕を迎えた F1。スペイン GP は、定説通りポールシッターのロズベルグが最後まで安定の速さを見せつけ、今季初優勝を飾りました。

バルセロナは PP からの優勝率が異様に高い、「抜けない」サーキット。マシンのセットアップがハミルトン以上に決まったというのもあるでしょうが、シーズンはまだ序盤ながら「ここで負けたらもう後がない」という思いもあったでしょうし、「PP さえ獲れば勝てる」という目論見もあったことでしょう。今季ここまでパリッとしなかったロズベルグがようやく真価を発揮し、終始にわたってレースを支配しました。
対するハミルトンはスタートでの出遅れが響き、ピット戦略でヴェッテルを抜き返すのがやっと。ロズベルグにまともに攻撃もできないまま、レースを 2 位で終えました。まあ、長いシーズンの間にはどうやっても勝てないレースというのはいくつかあるもので、マシンへの負担を抑えつつダメージも最小限に留めたという意味では、ハミルトンは今回もいい仕事をした、と言えるでしょう。

その後はフェラーリ、ウィリアムズと続き、さらに後ろにレッドブル、トロロッソ、ロータスが団子状態になっているのもアジアラウンドから大きくは変わらず。強いてポイントを挙げるとすれば、マシン性能の差が如実に出ると言われるこのサーキットにおいて、メルセデスがフェラーリに決勝レースで 45 秒の差をつけた、ということがチーム力の現状を物語っています。フェラーリがメルセデスに伍せるのはせいぜいタイヤに厳しいサーキット程度という状況は、今シーズンの最後まで続きそう。過去数年を遡ってみても、タイヤに優しいマシンがタイヤへの入力の強いマシンより年間を通して速かったことは少なく、またこの特性は一朝一夕に改善できるものでもありません。

マクラーレン・ホンダは、予選はとても良かったですね。今季初めてとなる 2 台揃っての Q1 突破は、素直に明るいニュースと言えます。まあそれでもスペインではせいぜい Q2 止まりだろうと思っていたので、予想の範囲内ではあります。少なくとも資金枯渇でマシン開発ができていないフォースインディアやロータスよりは今後の性能の伸びしろも大きいので、うまくすれば近いうちにレッドブルやトロロッソとまともに争える位置には来るのではないでしょうか。
ただ決勝では、中団を走っていたアロンソが 28 周目にブレーキトラブルでリタイア。一方のバトンもずっとドライバビリティの問題に悩まされ続け、マノーの前で完走するのがやっとという感じでした。

ホンダはここまで、徐々にパワーユニットのリミッターを緩めることで信頼性とパフォーマンスのバランスを向上させ、それは着実に進歩していると言えます。が、アロンソがおそらく MGU-K に関連するブレーキトラブルを抱えたところを見ると、まだまだエネルギー回生周りが煮詰まっていないのではないでしょうか。予選でのパフォーマンスが悪くない=短時間の回生なら問題が起きにくいことを鑑みると、レースディスタンスを通じて安定したエネルギー回生ができる信頼性が確立できていないのでは、と推定せざるを得ません。
予選の結果を見た時点では「これは決勝はまともに走り切れれば入賞が転がり込んでくるのでは?」と期待しましたが、予選とレースのパフォーマンスは分けて考える必要がありそうです。

例年言えることですが、やっぱりスペイン GP はオーバーテイクシーンが少なく、状況が膠着しがちで眠くなりますね...。しかし次は 2 週間後のモナコ。ここは他に比べればマシン性能の差が出にくいサーキットなので、アロンソ・バトンのベテラン 2 人のウデに期待したいところです。

投稿者 B : 00:01 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/04/20 (Mon.)

F1 バーレーン GP 2015

バーレーンGP決勝 優勝はハミルトン、ライコネンが逆転の2位

中国 GP からの連戦となったバーレーン GP。昨年からトワイライトレース化され、日本時間では日曜 24:00 スタートという、社会人には辛いスケジュールになりました(´д`)。

このレースも席巻したのは王者ハミルトン。相変わらず他を寄せ付けない速さで、同じメルセデス同士でもロズベルグとは違うマシンに乗っているかのようなスピードと安定感です。4 戦で 3 勝+2 位 1 回、ロズベルグには早くも 27pt の差をつけ、15 戦を残して「連覇はほぼ確定、あとはいつ決めるか」状態と言っても過言ではありません。
前戦でハミルトンに歯が立たず、「ハミルトンのスロー走行で自分のレースを台無しにされた」と負け惜しみを言うしかなかったロズベルグは、今回はヴェッテルやライコネンに果敢なオーバーテイクを何度も仕掛け、闘争心があるところを見せつけました。が、終始争っていたのはフェラーリの 2 台が相手であり、ハミルトンに直接対決を挑むシーンは皆無。やはり、昨シーズンを経て精神的な強さを身につけたハミルトンにレーサーとしての差をつけられてしまったということでしょうか。

対するフェラーリは、中国とは打って変わっての健闘を見せてくれました。特にライコネンは約 1 年半ぶりとなる表彰台獲得で、昨年が例外的に不振だっただけであることを証明してみせましたね。ミディアムを履いたセカンドスティンと、そしてソフトタイヤでアタックをかけてロズベルグを抜き去ったサードスティントの走りは見事でした。僚友ヴェッテルは中盤までロズベルグと 2 位争いを繰り広げていたものの、途中でノーズ交換にピットインしたためにポジションを落とし、その後はボッタスを抜きあぐねて 5 位に沈みました。
やはりフェラーリは気温の高いサーキットではタイヤを使いこなすことができ、ハミルトンは別次元ながらも戦略次第でロズベルグは食えることがここまでの 4 戦で明らかになったと言えます。これは、フェラーリ・チームにとって大きな自信になったと言って良いでしょう。自力でハミルトンを打ち負かすのは難しくても、メルセデスのマシンにトラブルがあったときに首位が転がり込んでくるポジションまでは何とか持っていける、ということになります。ヨーロッパ以降、ウィリアムズあたりのシャシーアップデートが大当たりでもしない限り、今季はこのまま二強体制(ただしハミルトンは別格)で進んでいきそうな勢力図が見えてきました。

マクラーレン・ホンダはアロンソとバトンで明暗がハッキリ分かれたレースになりました。バトンはフリー走行と予選でマシンに電気系のトラブルが発生し、予選 Q1 のタイムさえ記録できなかったばかりか、結局マシンの修復が間に合わずに決勝を欠場。対するアロンソは新生マクラーレン・ホンダとして初めて予選 Q2 に進出し、14 番グリッドからのスタートで決勝は 11 位フィニッシュ。10 位入賞にあと一歩及ばなかったのは開幕戦と同じですが、内容は全然違う。予選は Q1 を突破し、決勝も上位勢とまともなバトル(途中、周回遅れにされたはずのライコネンを抜き返すシーンさえあった)をした上で 10 位から 3 秒遅れの 11 位。4 戦目にしてポイント争いができるパフォーマンスにまで伸ばしてきたというのは、開幕時点ではちょっと考えられなかった状況です。ここまで 4 戦は、信頼性確認とパフォーマンステストのためのレースを交互に繰り返してきたような感じだったのでしょうかね。
とはいえバトン車に深刻な信頼性の問題が生じてしまったことも確かで、まだまだ楽観はできません。また、単なるポイント獲得がチームの目標であるわけでもないので、これもまた単なる通過点に過ぎないのでしょうが、進歩の階段を着実に一歩一歩上っていることは事実。これは、次も期待せざるを得ませんね...!

次は 3 週間空けて、いよいよヨーロッパラウンドに突入。ホンダも新パワーユニットを投入、噂によるとそれはこれまでのものとは「別次元」になるとも言われています。それで一気に表彰台...は難しいにしても、コンスタントにポイント争いができるマシンに進化してくれることを期待してやみません。

投稿者 B : 21:36 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/04/14 (Tue.)

F1 中国 GP 2015

中国GP決勝 ハミルトンが優勝、メルセデス1ー2

特性の異なるサーキットを走って 3 戦目を迎え、そろそろ序盤の勢力図が固まってきたように見える中国 GP。マレーシアではフェラーリがメルセデスへの挑戦権を手に入れたように見えましたが、今回はメルセデスがカウンターと言わんばかりの 1-2 フィニッシュで完勝を決めました。

トップ 6 がメルセデス→フェラーリ→ウィリアムズときれいに色分けされた形となり、それぞれのチーム内で大きなタイム差がなかったことを考えると、このリザルトが今のマシンの性能差をそのまま表していると言えそうです。フェラーリはタイヤに熱が入りやすいサーキットではメルセデスに挑めるけど冷えるサーキットでは太刀打ちできないということが白日の下にさらされました。これはやはり、シーズン全体を見るとメルセデス有利は変わらないでしょうね。7 位以下はやや混戦模様ですが、シャシー性能に足を引っ張られるロータス&フォースインディア勢とルノーエンジンの信頼性がネックなレッドブル&トロロッソ勢、という分類ができると言えます。

1-2 の完勝を果たしたメルセデスも盤石ではなく、3 戦目にして早くも昨年のようなチーム内での分裂の兆候が見え始めています。ハミルトンが意図的にペースを抑えてロズベルグとヴェッテルのバトルを誘発し、自分のポジションを守るという作戦に出たことに対して、ロズベルグが公式インタビュー内で口撃。チーム無線でもハミルトンに対して「ペースを上げないと先にロズベルグをピットインさせるぞ」という指示が出て実際にそういう判断がなされた局面もありました。確かにチームとしては肝を冷やしたシーンでしょうが、個人的にはハミルトンの「ロズベルグは遅いと思うならオーバーテイクを仕掛けてくるべきだったのに、そういう気配さえなかった」というコメントが全てだと思います。結局コース上で決着をつけられなければ、さらに強かになったハミルトンにロズベルグが勝てる道理がない。ロズベルグ側にヒールになる覚悟がなければ、今年もチャンピオンシップは去年以上にハミルトンが圧倒して終わるでしょう。

マクラーレン・ホンダは 12・14 位のノーポイントフィニッシュ。しかしながら今季初めて 2 台が完走を果たしたのは大きなニュースで、しかもロータスやフォースインディアとのバトルを繰り広げながらの完走、というのは朗報です(もっと上位でのバトルを観たいという思いもあるけど)。フリー走行では FP2 でバトンが 10 番手タイムを記録するなど、マレーシア以上の進歩を見せてくれました。
ホンダとしてはこれでようやくスタートラインに立てたに過ぎず、まずは予選 Q1 突破が当面の目標になるでしょう。予選全体を通したトップタイムからは 3.5 秒落ち、Q1 突破までもあと 1 秒は速くしなくてはならないというハードルは簡単ではありませんが、せめてスペイン GP ではそのポジションにつけていてほしいところ。とりあえず信頼性の確保が見えた中国 GP を終え、来週のバーレーンではパフォーマンス重視のセットアップを見せてほしいと思います。排熱に厳しいサーキットだからなおのこと難しい注文だとは解っていますが...。

投稿者 B : 01:14 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/04/08 (Wed.)

フォーミュラ E 第 6 戦 アメリカ/ロングビーチ

6戦で勝者6人。大激戦のフォーミュラE - AUTOSPORT web

だんだん惰性で観てるだけという感じになってきたフォーミュラ E。まあ 6 戦目ともなるとさすがに多少はこなれてきて、上位集団ではバトルらしい駆け引きは見られるようになってきました。それでも下位集団ではまだまだ下らないクラッシュも多いですが...。

レースはスタートダッシュに成功したネルソン・ピケ Jr. が圧倒的な速さでレースを支配してそのまま優勝。どうやったらワンメイクレースかつ消費電力も一定に定められている中でこれだけ一方的な勝ち方ができるのか不思議に思えるほどでした。前回もスコット・スピードが勝てはしなかったものの一人だけ別次元の速さを見せていたので、セットアップなり走り方なりで差を出せる部分はある、ということでしょうか。
しかしここロングビーチは 35 年前の F1 アメリカ西 GP で父ネルソン・ピケ Sr. が初優勝を飾ったコースだけに、親子で初優勝という話題を作ることで注目を集めようという主催者側のゴニョゴニョがあったんじゃないかと勘繰りたくなってしまいます(笑。

イマイチ盛り上がりに欠けるフォーミュラ E、私の周囲のレース好きにもほとんど話題にする人はいなくなってしまいました(´д`)。でも次のレースはモナコだし、せめてそこまでは観るか...と思ったら、サーキットはモンテカルロ市街地の F1 コースの半分しか使わないとのこと。ボー・リバージュの途中で右折してヌーベル・シケインから戻ってくるという中途半端な設定で、カジノ・スクエア、ミラボー、ロウズ・ヘアピン、トンネルというモンテカルロを最も堪能できるロケーションが全てカットされているという(;´Д`)ヾ。これ面白いのか...?

投稿者 B : 23:00 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2015/03/30 (Mon.)

F1 マレーシア GP 2015

マレーシアGP決勝 ヴェッテルがフェラーリ初優勝!

開幕戦オーストラリアの直後に「このまま今季もメルセデスの圧勝でもおかしくない」と書きましたが、その言葉を早くも撤回することになるとは思いませんでした。なんと、フェラーリのヴェッテルが移籍 2 戦目にして優勝。メルセデスの独走に待ったを掛けた形になりました。

遡れば予選でヴェッテルがフロントロウの一角に食い込んだこともありますが、特に大きな勝因となったのは 4 周目のセーフティカー導入でしょう。このタイミングでピットインしたメルセデスの 2 台とステイアウトしたヴェッテルで明暗が分かれたと言っても過言ではありません。さらにはマシンとタイヤがサーキットに合っていたフェラーリが最後までペースを落とすことなく、メルセデスを抑えきりました。逆にメルセデスはフェラーリよりもタイヤが厳しかったことに加え、初回のピットイン後にトラフィックに捕まってペースを上げられなかったことが大きい。今季のメルセデスはトップスピードを殺してコーナリング重視のセットアップに振っていることが、こういうトラフィックに捕まったときに DRS を使っても抜ききれないという状況を作ってしまったと言えます。いわば 2011~2014 年のレッドブル同様「トップを独走している間は圧倒的に速いけど、中団に沈むとなかなか浮上できない」マシンであると言えます。ヴェッテルに追いつけなさそうな状況になってきたときにレース戦略も含めガタガタになったメルセデスは、彼らとて盤石ではない、と感じさせるに十分な状態でした。

とはいえフェラーリだってラッキーで勝ったわけではなく、僚友のライコネンが一度はほぼ最後尾まで落ちながらも最終的に 4 位にまで戻ってきたことが、マシンの戦闘力の高さを証明していると言えます。おそらく全てのレースで今回のような戦いができるわけではないでしょうが、コース特性やピット戦略がマシン特性とドライビングスタイルにハマり、レースでちょっとしたハプニングが起きたときにはメルセデスと互角以上の戦いができる、ということは期待して良いでしょう。特に、表彰台の上で見るヴェッテルの心から嬉しそうな顔は本当に久しぶりで、トロロッソで初優勝したとき(あのときも表彰台でかかったのはドイツ国歌~イタリア国歌のメドレーでした)と同様に、このドライバーは応援したい、と自然と思えてきます。やっぱり F1 はフェラーリが優勝争いに絡んでこないと、本当の意味で面白くありません。

我らがマクラーレン・ホンダは残念ながらダブルリタイア。ようやくアロンソが復活して期待されたところだっただけに、残念です。しかしポジティブな側面もあって、前回はバトンが完走全車中で唯一の 2 ラップダウンだったのに対して、今回はレース全体の 3/4 を過ぎてバトンがリタイアするまでトップと同一周回を走り、さらにはポイント争いに絡む健闘を見せてくれました。おそらく前戦で本当にボトムラインのデータ収集ができて、今回は少し攻めたセットアップを試すことができた結果ではないでしょうか。
まあ結局 2 台とも今回のレースで 2 基目のパワーユニットを投入(シーズンを通して合計 4 基という正弦がある中で)することになり今後のやりくりが難しそうだったり、アロンソは ERS の、バトンはターボ関連の不具合でレースを中断せざるを得なくなったり、など今後に向けた不安材料は引き続き多いですが、思っていたよりも早く入賞争いに参戦してきてくれそうな予感はしてきましたね。

次の中国 GP は排熱もさほど厳しくはないでしょうし、新生マクラーレン・ホンダとしての初ポイント獲得に期待をしたいと思います。

投稿者 B : 00:17 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/03/20 (Fri.)

フォーミュラ E 第 5 戦 アメリカ/マイアミ

FEマイアミ決勝:接近戦を制しプロスト優勝 - AUTOSPORT web

F1 開幕戦の前日に開催されたフォーミュラ E 第 5 戦。舞台は北米に移り、マイアミ大会→ロングビーチ大会と続いた後にヨーロッパラウンドへと突入します。
ただ北米開催だと日本では完全に深夜になるのと、F1 開催週に重なるとフォーミュラ E のほうはどうしても後回しでの観戦になりますね...。

レースは中盤すぎくらいまでいたって単調。大きなトラブルもないまま、全車が数珠つなぎになって走り続けるというパレードラン状態で、正直眠くなりました。PP からトップを走っていたアンドレッティのヴェルニュ(元 F1 トロロッソ)がマシン乗り換えのためにピットインしてからレースが動き始め、それ以降は今回から参戦したアンドレッティのスコット・スピード(これも元トロロッソ)が台風の目となってレースをかき回したものの、最後はラスト 2 周でトップに立ったニコラス・プロストの初優勝で幕。プロストは開幕戦から優勝候補の一角と言われ続けましたが、5 戦目にしてようやく勝利を手にしました。

レース運営としてはだいぶこなれてきて、コース上でも下らない接触はなく、ようやく比較的落ち着いたレースができるようになったと言えるでしょう。その反面、見所としてはパワーマネジメントの良し悪しと乗り換えのタイミングくらいしか駆け引きがなく、終盤まで退屈なレースだったことも事実です。面白いところを見出すとすれば、エネルギーを効率良く使いながらあれだけのハイペースを続けられたスコット・スピードの速さの秘訣は何なのか?程度。
来季は独自マシンの開発が解禁されたりワイヤレス充電システムが導入される予定だったり、今よりも見所が増えるはずですが、今季はそろそろ観るのをやめてしまってもいいかな...という気がし始めています。

投稿者 B : 23:00 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2015/03/17 (Tue.)

HONDA RA272

HONDA RA272

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

ここのところ連日 F1 マシンの写真ばかりで、興味ない人はごめんなさい(^^;。こちらも先日ウエルカムプラザ青山で展示されていた、ホンダ RA272 です。

1965 年にリッチー・ギンサーのドライブでホンダの F1 史上初優勝をもたらした、記念すべきマシン。直前に映画『グラン・プリ』を観たばかりなので、余計にこの葉巻型のボディがカッコ良く見えます。

HONDA RA272

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

この頃の F1 はそれぞれのチームが各国代表的な位置づけで参戦していたので、マシンも基本的にナショナル・カラーで塗装されていました。現代ではほとんどのチームがインターナショナルな組織になってしまったので、堂々と描かれた日の丸が却って新鮮に映ります。まあ現代でも、B・A・R ホンダの LUCKY STRIKE マークや小林可夢偉が乗っていた頃のザウバーに描かれた赤い Claro マークを日の丸に見立てたくなるのは、やっぱり日本人の血でしょうか(笑。

HONDA RA272

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

コクピット内を覗くと、様々なパイプやシャフト類がほぼ剥き出しで装着されていて、そのメカメカしさに逆にソソられます。ほとんどのパーツが手作りで工作精度もさほど高くなかった時代に F1 マシンを造ることは、もしかすると現代以上に難しかったのではないかとさえ思えます。

HONDA RA272

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

今とは違って安全性もほとんど考慮せず、単に速く走ることだけを追求したマシンの、危うさに同居するストイックさに惹かれます。

エキゾーストパイプがボディ後端から大きく飛び出した形でついているのもまた印象的。

HONDA RA272

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

このギヤボックス、サスペンション/ダンパー、ドライブシャフトまでが剥き出しになった後部が男心を刺激します。これだけでご飯三杯いけるレベル(ぉ。現代のマシンは外観からだと空力パーツ以外にはサスペンションとエキゾーストパイプの端くらいしか見えませんからね。

HONDA RA272

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

ボディカウルはよく見ると表面が波打っていて、いかにも金属を板金加工して作りましたという感じ。カーボン製の平滑なボディと違って、こういうのを見るとなんか自分でも作れそうな気がしてくるから不思議です(無理

HONDA RA272

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

F1 マシンの展示というと、どうしてもマールボロ・カラーのマクラーレンにばかり目が行ってしまいますが、改めて 1960 年代のクルマを見ると、それはそれで美学があって楽しいものです。今改めて、もてぎのホンダ・コレクションホールに見学に行きたくなりました。

投稿者 B : 23:17 | F1 | Photograph | Vario-Tessar FE 24-70/F4 ZA OSS | α7R | コメント (0) | トラックバック

2015/03/16 (Mon.)

McLaren Honda MP4/5

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

青山での F1 パブリックビューイングイベントのエントリーの続きです。

ウエルカムプラザ青山の建物前では、F1 開幕を記念して第 1~3 期ホンダ F1 マシンが展示されていました。第 1 期のホンダ RA272(1965 年)、第 2 期のマクラーレン・ホンダ MP4/5(1989 年)、第 3 期最後のホンダ RA108(2008 年)の 3 台。RA108 は先日横浜で展示されていたものが移設されてきていただけなので割愛します(ぉ。
ちなみに、RA108 はよく見たらエンジンもギヤボックスもない、単なる展示用のガワだけでした。もてぎのコレクションホールに展示されているものは基本的に動態保存、かつダンボウィングやドーサルフィンまでフル装着されているはずなので、この展示車はあちこちのイベント用に使い回されている完全なるショーカーなのだと思われます。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

日曜日の都内はあいにく、時間帯によっては小雨がパラつく微妙な天候。ちょっと雨が降ってくるとスタッフの方々が裏手のピロティにマシンを移動させたり、晴れてきたらまた表に出してきたり、ちょっと慌ただしい感じでした。それでもやはりこのマールボロ・カラーのマシンは日本人にとって「最も F1 らしいカラーリング」なのか、通りすがりの F1 にさほど興味のなさそうな人まで次々とスマホで写真を撮っていたのが印象的でした。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

この MP4/5 は、前年に初戴冠したアイルトン・セナが初めてカーナンバー「1」をつけて走ったマシン。かつ、日本グランプリでのプロストとの接触事故の 1 回目を起こしたマシンでもあります。この年にチャンピオンを獲得したプロストがフェラーリに移籍したため、翌年のセナはマクラーレンとしては珍しい「27」をつけることにもなりました。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

細長ノーズの MP4/6 よりも、少し古めかしさを残した MP4/4~4/5B のボディラインのほうが当時のマクラーレンらしさが出ていると思います。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

マイナーチェンジモデルの MP4/5B とは当然よく似ていて見分けがつきにくいですが、サイドポッドの形状がけっこう違うので、カーナンバー以外ではそこで見分けることができます。
いずれにしても、基本設計を変えないまま 2 年続けてチャンピオンを獲得できたという点では、当時圧倒的なパフォーマンスを誇っていたシャシーです。まあその裏で他チームは空力と電子制御の時代に向けた研究開発をジワジワと進めてくるわけですが...。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

迫力のある幅広のスリックタイヤも、今見てもカッコイイ。当時はグッドイヤーこそが最高のタイヤメーカーだと思っていました。

近年でこそスリックタイヤが復活しましたが、グルーブドタイヤが導入されたときの残念感はこの上なかったですね。やっぱり F1 はぶっといゴムの塊を履いてナンボだと思います。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

バットマン・ディフューザーは翌年の MP4/5B のもので、MP4/5 では比較的大人しいディフューザーが採用されています。でも MP4/6 ではあっさり普通のディフューザーに差し戻されているので、バットマンは見た目のインパクトほどには効果がなかった、ということですね(笑。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

近年の F1 マシンはいくらカッコ良くてもせいぜいモデルカーが買いたくなるくらいですが、この時代の F1 マシンはなぜかプラモデルが作りたくなります。自分の子どもの頃の記憶がそうさせるのかもしれませんが、妙にそういう気持ちを呼び起こすロマンが 1990 年前後の F1 カーにはある気がします。

McLaren Honda MP4/5

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

マクラーレン・ホンダが再びカーナンバー「1」をつけて走る日は、向こう 2~3 年の間に来るのでしょうか。アロンソとバトンの二人ならばやってくれるはず、と信じて応援したいと思います。

McLaren Honda MP4-30

[ Sony α7R | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

ちなみにウエルカムプラザの建物内には、先日と同様に MP4-30 が展示されていました。私は渋谷西武でも見ているので、早くも三度目。
しかしこれ、発表当時は資料が少なくて分かりませんでしたが、レースの映像やいろんな資料写真を見てから実車を見ると、開幕戦仕様の MP4-30 とは随分違います。というより、ほぼ MP4-29 をベースにいくつかのパーツとカラーリングを差し替えただけのもので、MP4-30 とは呼べない気が...。公式には「MP4-30 の展示車両」ということになっていますが、通常こういうのは「マクラーレン・ホンダ 2015 ショーカー」という表記になるべきものなので、ちょっと看板に偽りありかと。シーズン中にレース仕様車がこんな場所に展示されることはまずないし、そんな余裕があるなら実車にパーツを回してほしいから贅沢は言いませんが、紛らわしい表記はあまりよろしくないですね...。

でも、MP4-30 の実車はこの展示車両よりもさらにボディ後端の絞り込みが強烈になっているようだし、空力パーツもよりアップデートされたものが持ち込まれているようなので、それらの機構が一日も早くスピードに直結するよう、期待したいと思います。

投稿者 B : 23:55 | F1 | Photograph | Vario-Tessar FE 24-70/F4 ZA OSS | α7R | コメント (0) | トラックバック

2015/03/15 (Sun.)

F1 オーストラリア GP 2015

今日は待ちに待った F1 2015 年シーズン開幕戦、オーストラリア GP の決勝日。ホンダのウエルカムプラザ青山にてパブリックビューイングが開催されるとのことで、参加してきました。

Honda ウエルカムプラザ青山|START 2015 F1™開幕戦 特別展示&パブリック・ビューイング

ホンダ F1 パブリック・ビューイング

当日朝 9 時から整理券が配布され、12 時開場・13 時開始(決勝は 14 時スタート)ということで、朝イチで青山一丁目へ。8 時過ぎには既にそれなりの行列ができていましたが、それでもまだ 50 人強といった人数でした。

ホンダ F1 パブリック・ビューイング

結局午前 9 時を過ぎてもまだ整理券は配っていたようでしたが、整理券の番号順の入場だったのと、後半の人は 2 階席での応援だったようなので、早く行って良かったかな。当初の案内では先着 200 名とのことでしたが、最終的には 1 階席で 220~230 人くらい+2 階席で 150~200 人くらいの入りがあったようです。

ホンダ F1 パブリック・ビューイング

結局入場から 4 時間くらいパイプ椅子に座っていたのでちょっとくたびれましたが、自宅で独りで観戦するのとは違った一体感が味わえて良かったです。サーキットには行けないけど、それに近い楽しみはありました。

レースの方はというと...、

オーストラリアGP決勝 ハミルトンが開幕戦を制す

当日になってウィリアムズのボッタスが椎間板の負傷で欠場。で、決勝直前のレコノサンスラップでマクラーレン・ホンダのマグヌッセンのマシンから白煙、そのままリタイア。直後にレッドブルのクビアトもストップ、というスタート前から荒れたレースが予想される展開に。15 台という近年稀に見る少ない台数でのスタート直後も、メルボルン特有の 1 コーナーでの混乱でロータスのマルドナドがリタイア。直後に同僚のグロジャンがリタイアすると、レース中盤までにフェルスタッペン、ライコネンまでもがマシントラブルで戦線離脱します。

完走 11 台という荒れ模様のレースは、結局メルセデスのハミルトンが危なげない走りで完勝、それに僚友ロズベルグが続く、という去年の圧勝劇そのままの結末となりました。去年との違いは、「むしろ今年のメルセデスの方がさらに強そう」ということ。フリー走行から他を寄せ付けない速さで、マシンセッティングもトップスピードを抑えてコーナリングスピードを狙ったものになっており、全盛期のレッドブルのような余裕を感じさせる強さ。他チームも昨年より大幅に改善されてきたとはいえ、これは一筋縄では崩せなさそう、このまま今季もメルセデスの圧勝でもおかしくないように見えます。

光明があるとすれば、昨年は全く良いところがなかったフェラーリのマシン性能が今年は高く、メルセデスには追いつけないまでもウィリアムズとコンストラクターズ 2 位争いを繰り広げそうなことと、全体的にマシン性能の差が縮まっていてコース上のあちこちで接近戦が見られそうなこと、でしょうか。特にフェラーリは同じパワーユニットを使うザウバーまでもが好調なので、パワーユニット改善の効果が如実に出ているということでしょう。逆に、レッドブル陣営は今回 2 チーム 4 台中の 2 台がパワーユニット or ギヤボックストラブルでリタイアしており、性能面でも信頼性においてもまだまだ課題が山積している状況が浮き彫りになっています。

で、マクラーレン・ホンダ。もともと冬季テスト中にまともに走り込めていないこともあり、レースディスタンスでの走行という意味ではぶっつけ本番でのレースになりました。完走できるだけでも十分だろうな、とは思っていましたが、まさか決勝レースを走る前に 1 台が消えてしまうとは、信頼性の問題はまだまだ解決されていないということのようです。今回リタイアしたマグヌッセンのエンジンが仮に完全なブローだとして、これが「マグヌッセン用のエンジン」という扱いになるのか「ホンダの 1 号車(つまりアロンソのマシン)のエンジン」という扱いになるかで今後の戦い方も変わってきます。何しろ今季は 19 戦を全 4 基のパワーユニットで戦わなくてはならないレギュレーションですからね...。
とはいえポジティブだったのは、完走 11 台中唯一の 2 周遅れとはいえ、バトンがぶっつけ本番の完走をやりきったこと。途中にはフォースインディアのペレスとのバトルも何度か見せてくれ、そこに関しては当初の期待以上の成果と言って良いでしょう。15 台でのスタートになった時点で「これは完走さえすれば入賞もあり得る」と思っていたので、そういう意味ではあと 1 台リタイアしてくれれば、と思わないこともありませんが(笑。

ホンダ F1 パブリック・ビューイング

今回のホンダ製パワーユニットは信頼性優先のためにあえて出力を制限したモードで走行したという話。どれくらいのマージンを残しているのかは分かりませんが、少なくとも走りを見る限りではシャシーそのものは素姓が良く、乗りやすいマシンに仕上がっているようです。これで信頼性の確保とセッティングの最適化が進めば、今はトップから 4 秒落ち(決勝ペースの場合)でも、シーズン後半までには戦えるマシンに進化してくる可能性は十分にあります。マクラーレンのドライバーとスタッフには、それまで決してめげず腐らず、前だけを向いて改善に取り組んでいってほしいところ。

でもまずは初戦お疲れさまでした。2 週間後のマレーシアにはアロンソは間に合うでしょうか。今回以上の好走を期待しています。

投稿者 B : 23:03 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/03/06 (Fri.)

McLaren Honda MP4/6

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

先日の MP4/4 に続き、横浜そごうにて展示されているマクラーレン・ホンダ MP4/6 を見に行ってきました。横浜そごうではこないだ年末年始にホンダ RA106 を展示していたばかりですが。

MP4/6 は 1991 年にセナが 3 度目のチャンピオンを獲得したマシン。日本での F1 人気が最も盛り上がった年のクルマなので、思い入れがある人も多いんじゃないでしょうか。

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

エンジンは前年までのホンダ V10 から V12 に変更。この裏にはホンダ(特に故・本田宗一郎)の強いこだわりがあったと言われています。ホンダのエンジンサウンドが「ホンダ・ミュージック」と呼ばれるようになった所以は第 1 期 F1 で採用された V12 エンジンにあるので、ホンダ側のこだわりは理解できる気がします。

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

MP4/6 のデザインは MP4/4~4/5B までの系譜とは随分違った印象になっています。エンジンが変更されたこともありますが、デザイナーがそれまでのゴードン・マーレイ+スティーブ・ニコルズ体制からニール・オートレイ+アンリ・デュラン体制に替わり、特に前年までフェラーリに在籍していたアンリ・デュランの影響により、直近のフェラーリのマシンによく似た形状になりました。同年プロストが乗っていたフェラーリ 642 と瓜二つ、といっても良いレベルで、フロントサスペンションもプルロッドからプッシュロッドに改められています。ホイールベースも長くなり、初めて見たときは子どもながらに「なんか間延びしたデザインになっちゃったなあ」と思ったのを覚えています。

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

フロントノーズの先端には、当時のスポンサーだった週刊少年ジャンプのロゴが。これも、子どもながらに「恥ずかしいからやめてほしい(´д`)」と思ってました(ぉ。当時の田宮模型のプラモとかでもちゃんとデカールで再現されているんですよね(笑。
しかし一説によるとこの大きさのロゴを載せるだけでスポンサー料 1 億、とも言われているので、当時の F1 のブランド力たるや...というものです。

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

あれから間もなく四半世紀が過ぎようとし、F1 マシンも当時とは全然違うものになりましたが、それでもこの Marlboro と Powered by HONDA ロゴ、それにブラジル国旗の組み合わせは私には特別な存在です。

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

タイヤ付近もよく見ると、MP4/4 の頃にはなかったブレーキフェアリングが追加されています。フロントウィングの巨大なエンドプレートで気流に壁を作り、それをできるだけタイヤの回転の影響を受けずに後方に流そう、という配慮の賜物でしょうか。ちょうど 1990~1991 年あたりが F1 がエンジンパワーから空力+電子制御に重点が移っていく時期なので、そういう視点でエアロ周りを見ると興味深いものがあります。この MP4/6 も、中盤戦以降はエイドリアン・ニューウェイ作のウィリアムズ・ルノー FW14 に苦しめられることになります。

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

その FW14 を駆るナイジェル・マンセルがモナコ GP で最後まで攻め続け、結局抜ききれなかった MP4/6 のテールエンド。この頃のマクラーレンで特徴的なのは MP4/5B の「バットマン・ディフューザー」でしょうが、その翌年にあたるこの MP4/6 では随分オーソドックスな形状に戻されています。

McLaren Honda MP4/6

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

MP4/6 はマクラーレン・ホンダのマシン開発哲学が時代遅れになっていく流れの中で生まれたマシンでしたが、それでも当時の史上初となるセナの開幕 4 連勝やモナコでのデッドヒート、鈴鹿での 1-2 フィニッシュなど、思い出の多い名車です。

HONDA RA108

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

それと、ついでと言っては何ですが(笑)、第 3 期ホンダ F1 最後のマシン、RA108 も展示されていました。

この年のことはもうあまり思い出したくもないのですが(´д`)...。

Honda Racing

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

ちなみに RA108 には、子ども限定でレーシングジャケットを着用し、RA108 のコクピットに収まって写真撮影ができる、という特典が用意されています。ちょっと羨ましいけど...並の大人ではコクピットに収まるだけでも一苦労だと思うので、仕方ないですね。こういうとき、男の子の親でないことがちょっと残念に思います。

HONDA RA108

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

RA108 は、前年に続いて空力で大迷走したマシンで、レースを経るごとにどんどん空力付加物が増えて醜くなっていったマシンでした。このショーカーはほぼデビュー当時に近いプレーンな状態で、ノーズ周りもスッキリしていて、それなりに見れるデザインにはなっています。

HONDA RA108

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

このサイドポンツーン周辺にごちゃっとつけられたエアロデバイスは、当時から好きになれなかったなあ(ホンダに限ったことではありませんでしたが)。隣に展示されている MP4/6 のシンプルさと見比べると、余計にそう思います。

HONDA RA108

[ Sony α6000 | Carl Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS ]

ともあれ、横浜そごうの展示はマシンが 2 台見られるという点では、なかなかお得かもしれません。ただし、造作や照明までしっかり作り込まれた池袋西武と違ってデパートの照明が地灯りになっているのと、周囲のテンポと空間的にそれほど区切られた感じでもないので、F1 の雰囲気を楽しんだりいい感じに写真を撮りたい気分を満たしてはくれないのが残念なところ。ちなみに MP4-30 が展示されている渋谷西武にも行ってみましたが(ぉ、7F の展示場はしっかり作り込まれているのに、肝心の MP4-30 が 1F のエスカレーター前に無造作に置かれている感じなのがなんとももったいない。展示の良さという点では、池袋がベストかな...。

なお、来週火曜日から 1 週間、青山のホンダ・ウエルカムプラザではマクラーレン MP4/5 とホンダ RA272(+RA108)の展示もあるようなので、これにも行ってこないと。

投稿者 B : 23:46 | F1 | Photograph | Vario-Tessar E 16-70/F4 ZA OSS | α6000 | コメント (0) | トラックバック

2015/03/04 (Wed.)

McLaren Honda MP4/4

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

来週末の F1 開幕を前に、池袋西武・渋谷西武・横浜そごうにてマクラーレン・ホンダの歴代 F1 マシンの展示が行われています。

Honda | F1展を西武池袋本店、西武渋谷店、そごう横浜店で開催

私は現行マシン MP4-30 は先日青山まで見に行ったので渋谷はとりあえずパスしつつ、まずは池袋西武に展示されている MP4/4 を見てきました。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

MP4/4 は、1988 年にアイルトン・セナとアラン・プロストという F1 史上最強のコンビを擁して 16 戦 15 勝という、未だ破られていない年間最高勝率を記録したマシン(年間最多勝という意味では昨年、19 戦 16 勝のメルセデスに抜かれてしまった)。私が F1 をまともに見るようになったのは 1990 年なのでこの年の活躍はリアルタイムでは見ていないのですが、このクルマは旧ターボエンジン時代最後かつ最強のマシンでした。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

現代のレギュレーションとは全く異なる時代のマシンなので、車高が低く、前後のウィングも巨大。代わりにボディ上の空力付加物はほとんどなく、シンプルでとても美しいデザインです。そして、白地に蛍光レッドのマールボロ・カラーは何年経って見ても惚れ惚れします。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

このシートにかつてセナが座っていたんだなあ...と思うと、つい目頭が熱くなります。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

ステアリングも当時と現代では全然別物になりました。ほとんど電子制御がなかった当時は、ステアリング上の操作ボタンも数えるほどしかありません。そういえばセミオートマが採用されてシフトチェンジがレバーではなくハンドル裏のパドルシフトになったのも、これより少し後の時代のことでしたね。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

この時代の F1 カーのフロントサスペンションはプルロッド式でした。現代ではフェラーリが空力を重視してプルロッドを採用していますが(マクラーレンも一時的に採用したもののもうプッシュロッドに戻している)、ハイノーズが主流な現代では可動域が狭くなるフロントプルロッドサスペンションは、空力的なメリットよりもメカニカル的なデメリットの方が大きいようです。逆に当時は現代ほどフロア下の空力が重視されていなかったので、ローノーズ+プルロッドのマシンがほとんどでした。上反角がついたサスペンションって、今見てもカッコイイんですよね。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

このクルマ、おそらくツインリンクもてぎのホンダコレクションホールに収蔵されているものだと思いますが、本当に美しい状態に保たれています。こうやって写真に撮って見ると、実車ではなくかつての F1 地上波中継のオープニングで『TRUTH』とともに流されていた CG 映像ではないか、とさえ思えてくるほど。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

これまでも何度か見たことのあるクルマですが、他で見るのと違って薄暗い場所でしっかり照明も当ててあるので、いつも以上にカッコ良く見えます。この展示はなかなかいい。

McLaren Honda MP4/4

[ Sony RX100 III ]

ホンダの第 4 期 F1 活動には、この頃のような栄光のシーズンは再び訪れるでしょうか。年齢的にはアロンソ+バトンのジョイント体制は続いて 2 年くらいなんじゃないかと思いますが、一日も早くどちらかがポディウムの中央に立つ姿が見たい。

Senna's Suit

[ Sony RX100 III ]

展示スペースには、マクラーレン・ホンダ時代(+ロータス・ホンダ時代)のセナのレーシングスーツやヘルメットも数点展示されていました。こちらは初戴冠した 1998 年のスーツ。

Senna's Helmet

[ Sony RX100 III ]

そして二度目の戴冠となった 1990 年のヘルメット。F1 レーサーのヘルメットデザインでは今でもこのカラーリングが一番カッコイイと思っています。それくらい強いインパクトがありました。

Honda Drivers' Suits

[ Sony RX100 III ]

それから第 3 期関連の展示も少し。2005 年 B・A・R ホンダの佐藤琢磨、2007 年ホンダのバリチェロ、2008 年ホンダのバトンのヘルメット+レーシングスーツの展示がありました。正直言って、2007~2008 年のホンダには良い思い出がなく、こういうのは見ていて逆に辛くなりますね。この頃はホンダよりもむしろスーパーアグリのほうにレーシングスピリットを感じていました。

McLaren Honda MP4-30

[ Sony RX100 III ]

MP4-30 の展示は渋谷西武ですが、池袋にもテスト時の写真展示と大画面でのテスト走行の映像上映コーナーが設けられていました。大画面で MP4-30 が走る姿を見るのはこれが初めて。速いかどうかは実際のレースにならないと判りませんが、少なくともデザイン的には美しいクルマだと思います。

ちなみに先日のバルセロナテストでクラッシュを喫したアロンソは、結局そのまま大事をとって開幕戦を欠場とのこと(´д`)。代役のマグヌッセンも決して悪いドライバーではありませんが、やはりマクラーレン・ホンダの復帰の幕をダブルチャンピオンで開けてほしかった気はします。
ともあれアロンソの復調を祈りつつ、チームの開幕戦での健闘に期待したいと思います。

投稿者 B : 23:44 | F1 | Photograph | Sony RX | コメント (0) | トラックバック

2015/03/02 (Mon.)

F1 2015 シーズン開幕直前

バルセロナテスト最終日 ボタスがトップタイム

この 2 週間続いて実施された、2015 年シーズン直前のバルセロナテストが終了。

全体を通して言えるのは、開幕時点でパフォーマンスが高そうなのは昨年に続いてメルセデスを筆頭に、ウィリアムズ→フェラーリあたりが続く構図になりそうだ、ということ。まあテストはテストなので実際の予選やレースとは異なるとはいえ、終盤ともなると実際の予選とレースを想定したラップも走行するわけで、ラスト 4 日間あたりはかなり実走に近いタイムを出しているはずです。おそらく序盤数戦はこの 3 チームが上位を争う状況になるんじゃないかと。

マクラーレン・ホンダは先日のヘレステストよりはまともにテストができたとはいえ、トラブル続きで他チームに比べると半分以下の周回がやっと、という状況。最も深刻なトラブルは MGU のシール(内蔵発電機の絶縁)の不具合で、アロンソがテスト中の事故で入院する羽目になった原因もここかもしれない、とさえ言われています。ほかにもハイドロ系を含め、去年の同時期に他チームが経験したトラブルの一通りを追体験しているような感じで、開幕戦でどこまで走れるか判らない、というのが現実かと。
タイム的にはトップチームから 2 秒落ちというのがテスト時点での状態ですが、マクラーレン・ホンダについてだけはテストでどれだけパフォーマンスランができたかも分からないので、実力値については判断のしようがありません。それでも参戦当初のスーパーアグリよりはまともなタイムを出しているようなので、とりあえず開幕 3 戦くらいを実質的な実装テストに充て、5 月のスペイン GP あたりからが真価の計りどころ、といったところでしょうか。

なにげに開幕戦まであと 2 週間を切っています。新生マクラーレン・ホンダのレースデビュー、過大な期待をしすぎず、でも楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:16 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/02/17 (Tue.)

McLaren Honda MP4-30

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

先週、国内向けに F1 への再参戦記者会見を実施した新生マクラーレン・ホンダ。その新車・MP4-30 が先週末限定で青山一丁目の Honda ウエルカムプラザ青山で展示されているということで、見に行ってきました。

マクラーレン・ホンダが青山で会見、成功を約束 - AUTOSPORT web

記者会見当日はもてぎから持ってきたセナ時代のマクラーレン・ホンダの名車が勢揃いだったそうですが、週末の展示は MP4-30 とホンダの国内参戦カテゴリのクルマが並べられているだけでした。まあ過去のマシンはこれまでも何度か見ているし、お目当ては国内初披露となった MP4-30 だからいいんです。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

展示周りはずっと人でごった返していて、写真を撮るのも一苦労という感じでした。でもこの機会を逃したら次に見られるのは日本グランプリの時期までないはず、と思って気合いの撮影を敢行。

これ、このまままたバルセロナに持っていってテストに実走するのかと思ったら、Exhibition Model(ショーカー)扱いなんですね。通常ショーカーというと旧型のシャシーを流用するものですが、明らかに昨年の不細工な MP4-29 とは別物(笑。実車には選別品のパーツを使って、こちらは余剰パーツを中心に組み上げたシャシー、という感じかと思います。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

非常にオーソドックスなスラントノーズ。奇を衒わない、基本に忠実なデザインです。

カラーリングこそ全盛期のマクラーレン・メルセデスそのものですが、ノーズ先端のホンダロゴが新時代の象徴ですね。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

マクラーレン的にはようやくトレンドを取り込み、多重フラップ&ディフューザー化されたフロントウィングになりました。
それでもエンドプレートの形状なんかはまだシンプルなので、これからもっと熟成されて複雑な形状に進化していきそうな気配を漂わせています。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

バックミラーの鮮烈な蛍光レッドが印象的。
サイドポッド入口上面の整流板あたりも、まだまだ進化の余地を残していそうな形状です。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

サイドポッド側面の抉り込みと、終端の絞り込みがかなり極端ですね。ベンチュリー効果狙いでここまで攻めたサイドポッドは数年前のトロロッソ以来じゃないでしょうか。
MP4-30 のコンセプトである「サイズ・ゼロ」の象徴がここに表れています。現在のハイブリッド規定になってからエンジン周りをここまで攻めたデザインのクルマはなかったので、これがどこまでの効果を生むのか注目です。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

よく見ると、コクピットの右側面にバトンのマーキング、左側面にはアロンソのマーキングが施されています。明らかに実車ではなく展示用だ、ということなのでしょう。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

近年のマクラーレンのクロームシルバーのカラーリングは露出が安定しないカメラ泣かせのデザインですが(笑、こうやって見ると極限まで絞り込まれた筋肉質な空力が実感できて、なかなかシビレますね。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

リヤエンド。規定通りの一本エキゾーストの他にエンジンカウル後端が大きく開口していて、排熱への配慮が覗えます。
昨年の醜かったリヤサス形状は改められ、こちらも非常にオーソドックスな形状になりました。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

1990 年代ほどではありませんが、一時期に比べると大型化されたディフューザーの存在感が、往年のマクラーレン・ホンダを思わせます。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

ショールーム内にはアロンソとバトンのサイン入り等身大パネルも展示されていました。
こうして見ると二人の身長差はけっこうありますね。これだけでもアロンソ有利に見えますが、実際のパフォーマンスではどちらが優位に立つでしょうか。

McLaren Honda MP4-30

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

というわけで、MP4-30 でした。
23 年ぶりの「マクラーレン・ホンダ」復活の序章をこの目に刻み込めて感激しました。あと 2 回のテストを経ての実戦、当初は苦戦するものと思いますが、一日も早く上位争いに加わってくれることを願っています。

投稿者 B : 02:00 | EF24-70/F4L IS USM | EOS 5D Mark III | F1 | Photograph | Season 2015 | コメント (2) | トラックバック

2015/02/05 (Thu.)

F1 2015 プレシーズンテストが開始

ヘレステスト初日 ヴェッテルがファステスト
ヘレステスト2日目 再びヴェッテルがトップタイム
ヘレステスト3日目 ナスルがトップタイム
ヘレステスト最終日 ライコネンがトップタイム

F1 の 2015 年プレシーズンテストがスペイン・ヘレスで実施されました。これに併せて全チームの新車も順次発表され、いよいよ 2015 年が始まる実感が高まってきました。

注目は、当然ながらマクラーレン・ホンダ MP4-30。トラブル多発で周回数も 4 日間合計で 79。タイムも全チーム中圧倒的最下位と、記録だけ見るとあまりポジティブには見えません。
が、去年の今ごろのテストで各チーム...特にルノー陣営がもっと酷い状況だったことを考えると、むしろゼロから作ったパワーユニットとしてはまだまともに動いていると言えます。チーム関係者のコメントが全般的にポジティブなのも、単なる虚勢ではないように感じます。タイムを出すためのテストではなく、最初のシステムチェックとして考えればまあ評価できる結果、ということなのでしょうか。

いっぽう他チームに目を向けると、フェラーリが連日好タイムを記録しているようで。同じパワーユニットを採用しているザウバーまでもが好調なところを見るに、パワーユニットの改善が進んだということでしょう。昨年のフェラーリはシャシー側の要求でパワーユニットの性能を妥協した結果、シャシー側のダウンフォースも全然出なかったために近年稀に見る酷いシーズンになってしまいましたが、今季は開発体制の変更もあり、根本的に見直しをかけているようです。
ただ、メルセデスだけは他チームとはスタート地点が違うようで。初日からいきなり 157 周を走行し、タイムを出すことよりもロングランの安定性・信頼性のテストに入っているように見えます。まあテストはテスト、各チームでメニューも違うので現時点でのタイムを云々言っても仕方ありませんが、やはりメルセデスは今年も一歩先を行っている匂いがプンプンしますね。

開幕までのテストは残すところあと 2 回、計 8 日間。マクラーレン・ホンダはその間に信頼性とスピードをどこまで伸ばすことができるでしょうか...。

投稿者 B : 23:32 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/01/29 (Thu.)

マクラーレン・ホンダ MP4-30

マクラーレン・ホンダMP4-30、正式発表! - AUTOSPORT web

今週末からのヘレステストを前に、F1 各チームから順次ニューマシンが発表されていますが、今日はいよいよマクラーレン・ホンダの新車・MP4-30 がお披露目されました。

カラーリングは従来のクロームシルバーを踏襲しつつ、ブラックの面積が増え、かつ 2013 年まで使われていたレッドの差し色が復活。これは往年のマクラーレン・ホンダの白赤を彷彿とさせたい意図もあるのかもしれませんが、フロントノーズの縁から延びる赤いラインは、むしろスーパーアグリの初代 SA05 っぽくも見え、日本人的には胸が熱くなるデザインです。

今のところタイトルスポンサーは発表されておらず、マシン上に掲げられたスポンサーロゴも大人しめ。ただしこれは開幕までに別途スポンサー発表がある可能性も残しているので、まだ何とも言えません(ホンダがタイトルスポンサー相当の金銭的支援をしている可能性も高いですが)。
エンジンカウルに記されたホンダのロゴは第二期の「Powered by HONDA」ではなく第三期同様の「HONDA」表記。単なるエンジンサプライヤーではなく、車体開発まで含めた協力関係が表れている、ということでしょうか。

パワーユニットをメルセデスからホンダにスイッチしたことでシャシー設計も大きく変わり、ノーズはオーソドックスなスラントタイプに、サイドポッドは MP4-29 よりも随分と絞り込まれてコンパクトになりました。また、昨年までなかなか開発が進まなかったフロントウィングは、ようやくトレンドのディフューザー型を採用し、ダウンフォースの増大とドラッグの低減を両立する形に。
しかし全体を見るとあまり奇を衒った意匠は感じられず、昨年のチャンピオンマシン・メルセデス W05 をよく研究した手堅いマシン、という印象。まあホンダのパワーユニットの本格的な開発もこれからなので、変に飛び道具に頼るよりはベースマシンとしての安定性と信頼性を重視するコンセプトは理解できます。

性能のほうは実際に走り出してみないと分かりませんが、今週末のテスト関連の記事を楽しみに待ちたいと思います。
とりあえずデザインはけっこう好きな感じだったので、これは久しぶりにモデルカーを買いたくなりました。

投稿者 B : 23:30 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2015/01/11 (Sun.)

フォーミュラ E 第 4 戦 アルゼンチン

アムリン・アグリ、フォーミュラE初優勝! - AUTOSPORT web

フォーミュラ E の第 4 戦、アルゼンチン・ブエノスアイレス大会は、まさかのアムリン・アグリが初優勝を飾るという結果に。ここまで 3 戦で表彰台すら獲得していなかったアムリン・アグリがいきなりの優勝ですよ。

とはいえかなり棚ぼた的要素が強い勝利だったことは事実で、まずはトップをほぼ独走状態だったブエミ(e.dams)がサスペンショントラブルでリタイア、続くディ・グラッシ(アウディ)もクラッシュ。その後レースを牽引したハイドフェルド(ヴェンチュリー)が残り 2 周というところでドライブスルーペナルティを受け、ずっと 3~4 位を争っていたはずのダ・コスタ(アムリン・アグリ)に優勝が転がり込んできました。まあ、上位陣が続々と自滅していく中、ミスを犯さずに順位を上げていくのも重要なスキルであり、F1 トロロッソのシート獲得寸前まで行っただけのことはあります(残念ながら格下だったはずのクビアトに直前で持って行かれましたが)。

アムリン・アグリの前身は言わずと知れたスーパーアグリ F1 チームであり、そのチームが別カテゴリで初優勝を飾ったことは素直に喜ばしいことです。チームプリンシパルのマーク・プレストン(元 SAF1 のテクニカルディレクター)の喜ぶ姿を見たのも SAF1 時代の 2007 年スペイン/カナダ GP 以来で、こみ上げてくるものがあります。

が...レースの内容自体はグダグダ。序盤こそ落ち着いていたものの、最初のセーフティカーが導入されてからの展開が酷すぎます。前述の上位陣の相次ぐ自滅もさることながら、終盤は無駄な接触やペナルティが多発し、元 F1 ドライバーが多数参戦するフォーミュラレースとは思えない内容。ここまで 3 戦も素人くさいレースが続いていましたが、今回は特に酷かったと言えます。F1 でアロンソやヴェッテルの「接触ギリギリのクリーンファイト」を見慣れていると、ちょっと見るに堪えないレースでしたね...。まあ、現行ワンメイクカーのサスペンション強度が弱すぎて縁石を乗り越えただけで壊れてしまう、という酷い仕様に翻弄された側面があるとはいえ。
さらに残念だったのは表彰式。アムリン・アグリが優勝したなら、表彰式でドライバーの母国歌(ポルトガル)の後には『君が代』が流れるところですよね?少なくとも現時点でフォーミュラ E 公式サイト上の表記では、アムリン・アグリの国籍は日本ということになっています。それなのに、チーム所在地であるイギリス国歌が流れるというのは、納得がいきません。まあ鈴木亜久里自身がこの初優勝したレースよりも東京オートサロンの仕事を優先したようですし、そもそもチームの公式サイトすら英語版しかなかったりしますけどね!(皮肉

そんな感じで、レースを重ねるごとに残念さばかりが浮き彫りになってくるフォーミュラ E。これならまだ他カテゴリを観戦したほうが面白いのかもしれませんね...。

投稿者 B : 21:00 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2015/01/02 (Fri.)

HONDA RA106

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

横浜そごうでホンダの 2006 年シーズンの F1 マシン、RA106 が展示されているということで、見に行ってきました。

Honda | F1写真展を横浜、渋谷、池袋で開催

RA106 は、ホンダが B・A・R のチーム株式を取得して「オールホンダ」体制を築いた初年度のマシン。今年からはホンダの F1 参戦第四期としてマクラーレンとのジョイント体制になるわけで、展示すべきは RA106 よりもむしろセナプロ時代のマクラーレン・ホンダ車ではないかという気もしますが、まあそれはそれ。
この RA106 はハンガリー GP でバトンが第三期ホンダにとっての、そして自身にとっても初優勝を挙げたクルマの実車です。おそらくもてぎのホンダコレクションホールに常設されているものが出張してきたことになるのでしょう。私はこのクルマを見るのは三度目ですが、思い入れの強いマシンなので嬉しいですね。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

レギュレーション変更によって前年の 3 リッター V10 から 2.4 リッター V8 にエンジンが変更された初年度のマシンです(現行レギュレーションは 1.6 リッター V6 直噴ターボ+ERS)。とはいえシャシーは前年の BAR007 をベースに V8 規格に適合させ、ゼロキールやチムニー排気などのトレンドを取り込んだ、マイナーチェンジとも言える仕様で、当時のルノーやフェラーリ、マクラーレンといったトップチームに比べるとコンサバな作りになっています。が、その後ブラウン→メルセデスと変遷していくチームの歴史を思えば、こういうローノーズで一見特徴のない、言い換えれば「手堅い」開発を行った年(かつ、レギュレーションも大きく変わった年)のほうが成績がいいのがこのチームのジンクスでもあります。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

レギュレーションによって最低地上高と全幅が制限されたフロントウィングは、今見るとやや不格好に見えますね。現代 F1 のフロントウィングは広く低く、かつ複合フラップ化が進んでウィングというよりも「フロントディフューザー」と呼ぶべき構造になっています。そういう意味では、RA106 のフロントウィングはカスケードウィングすら装備しない、牧歌的なつくりをしています。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

もはや撤退して久しいミシュランタイヤ。グルーブドタイヤも懐かしいです。
このタイヤはそれなりに使用感がありますが、さすがにハンガロリンクを走った現物というわけではないでしょうね...。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

サイドポッド前面の大型チキンウィングとか、懐かしいですね。当時のトレンドを思い出します。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

意外と、今の F1 マシンと最も違うのはこのサイドポッド後部じゃないでしょうか。この部分のごちゃごちゃとした空力付加物は現行レギュレーションでは禁止されていますし、エンジンの排気口もこの後ブローディフューザー→コアンダエキゾーストという空力応用に進化した挙げ句、2014 年からは空力利用が事実上禁止される形になりました。ここは 2004~2008 年くらいのマシンが最も複雑な形状をしていたのではないでしょうか。

そういえばエンジンカウルのロゴ、新生マクラーレン・ホンダでは「HONDA」になるのか「Powered by HONDA」になるのか、どっちなんでしょうね。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

マシン後端。当時はディフューザーの形状がレギュレーションで制限されていたため、後ろ姿はちょっと寂しいですね。やっぱり F1 マシンのお尻には巨大なディフューザーがついていないと物足りません。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

リヤウィング翼端板の内側には、細かい文字で人名がびっしり。これはおそらくチームスタッフの名前が列記されているということでしょうね。テレビ中継の映像ではなかなかここまでのディテールが見れないので、実車展示ならではの楽しみです。

HONDA RA106

[ Sony RX100 III ]

マクラーレン・ホンダの新車 MP4-30 は、来月 2/1(日)から開始されるヘレステストで初お目見えとなるようです。今シーズンもメルセデスの勢いは簡単には衰えないでしょうし、マクラーレン・ホンダの初年度は厳しいものになるでしょうが、少なくとも早期の表彰台獲得を期待したいですね。

F1 ART SCENE 写真展

横浜そごうでは、このマシン展示と併催する形で F1 の写真展も行われていました。

F1 ART SCENE 写真展

展示されている写真の多くは専門誌などに掲載された実績のあるもので、私も目にしたことがあるものがほとんどでしたが、プリントして展示されているのを見るのはまた違った感激があるものです。

キャプションにはグランプリ名のほかに、ご丁寧にも使用レンズまで明記されています。どうやらこの写真展自体、キヤノンマーケティングジャパンが協賛しているようです(笑。
よく見ていくとレース中の写真はほとんどが 600mm F4、500mm F4、400mm F2.8 で撮られたもの。少し引いた構図で 70-200mm F2.8 を使っていることもある、という感じでした。サーキットに行くと確かに、ビブスをつけた公式カメラマンは超望遠の単焦点と 70-200 をそれぞれつけたボディを二台ぶら下げていることが多いように思います。

F1 ART SCENE 写真展

意外だったのは、表彰台やパルクフェルメの写真はかなりの割合で 14mm F2.8 を使って撮影されていること。レース前後のシーンは多くのスタッフやカメラマンが押し寄せるのは確かですが、ここまで広角のレンズを使っていたとは。

F1 ART SCENE 写真展

使われているレンズは大半が望遠系か 14mm か、という感じでしたが、このハミルトンの写真は 85mm F1.2 を使って撮影されています。ポートレートレンズの王様ですが、こういう撮り方もできるんですね...これはいい写真。

F1 ART SCENE 写真展

展示パネルの撮影者プロフィールには、使用機材の一覧も掲載されていました。ボディは当然 EOS-1D X だとして、レンズはこれだけ持っていながらも実際によく使われるレンズはやっぱり偏るものですね。広角が 16-35mm でもまだ足りずに 14mm 中心ということですが、噂されている EF11-24mm F4L が発売されたら使い勝手の良さでそちらに乗り換えそうな気もします。
あと、記録メディアが SanDisk じゃなくて LEXAR というのも意外。しかもこの表記だけあとから貼られているところに、大人の事情を感じます(ぉ

F1 ART SCENE 写真展

ちなみに西武・そごうでは、今年の日本グランプリ観戦チケットつきホンダ応援福袋を販売しているそうです。グランドスタンド上の VIP ルームチケットで、なおかつマクラーレン・ホンダのピット訪問権つきとあっては、20 万円という価格も決して高くないように思えます。私はさすがに買えませんが(笑、これいいなあ...。

なお、横浜そごうでのマシン展示は 1/7(水)まで。1/8(木)~19(月)の期間は渋谷西武で展示されるとのことです。一見の価値があるイベントだと思うので、ファンの方はぜひ。

投稿者 B : 21:06 | F1 | Photograph | Sony RX | コメント (0) | トラックバック

2014/12/20 (Sat.)

フォーミュラ E 第 3 戦 ウルグアイ

フォーミュラE 第3戦ウルグアイ 結果:セバスチャン・ブエミが優勝 【 F1-Gate.com 】

この 1 週間、いろいろありすぎて録画してありながら全然観る余裕がありませんでした。まあこれが F1 なら多少無理してでも時間を作るところですが、そこまでのモチベーションが沸かないのが今のフォーミュラ E(笑

今回のハイライトは、今シーズン限りでトロロッソを離脱したジャン-エリック・ヴェルニュがアンドレッティから参戦したこと。しかもいきなり予選トップタイムを記録し、決勝でも終盤までトップ争いを演じるという活躍ぶり。ヴェルニュはトロロッソをクビになったのがもったいないほどの実力の持ち主ではありましたが、いきなり乗って結果を出せるあたりはさすが現役 F1 ドライバーですね。そしてさっそくフェラーリのテストドライバー就任が発表されていますし(ここはフェラーリの秘蔵っ子であったビアンキの復帰が絶望的なことも影響しているでしょう)、今後のさらなる活躍に期待したいところ。

ヴェルニュは終盤にブエミに対してオーバーテイクを仕掛けにかかったところ、残り 2 周というところでガス欠ならぬ電欠でリタイア。惜しかったですが、エネルギーをセーブしつつ最大限の速さで走るのがフォーミュラ E の戦い方なので(現行レギュレーションでいえば F1 も同様ですが)、その点は既に 3 戦目になるブエミに分があったということでしょう。

ここまでの 3 戦、ワンメイクながらやはり e.dams、アンドレッティ、アウディ、ヴァージンあたりが安定して強い印象。逆にアムリン・アグリはあまりパッとしませんね...。レースも比較的単調だし、DRS やタイヤレギュレーションによって F1 がいかに演出されたレースになっているかを改めて実感します。フォーミュラ E では唯一の演出と言える「ファンブースト」も、あまり機能しているとは言えませんし。
次は年をまたいで 1 月、アルゼンチン・ブエノスアイレスでのレース。ここまでを見る限りレース内容はイマイチですが、風光明媚なストリートを走るレースが多いので、映像は観ていて楽しい。ブエノスアイレス市街地でのレースというのは観たことがないので、楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 22:37 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2014/12/12 (Fri.)

マクラーレン・ホンダのドライバーラインアップが発表

マクラーレン、アロンソ&バトンを発表。ケビンも残留 - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

長らく待たされたマクラーレン・ホンダの来季ドライバーラインアップがようやく正式発表。レギュラードライバーはフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンのダブルチャンピオン体制となり、今季セカンドドライバーだったケビン・マグヌッセンはテスト兼リザーブドライバーに回ることになりました。スポンサーや株主の意向でもめていたようですが、結果的に最も順当なところに落ち着いた感があります。いっぽうで、同時発表があるのではと言われていたメインスポンサーの発表はなし。おそらくはホンダが資金面でもバックアップしているのでしょうが、今季のようにスポンサーカラーがほぼないマシンやチームウェアというのも寂しいので、一日も早く決まってほしいところ。ただし楽天だけは勘弁な!(ぉ

両ドライバーもコメントしているように、ホンダの参入初年度にいきなり勝つことは簡単ではないでしょうが、経験豊富な二人のフィードバックを得て着実に勝てるマシンに煮詰めていってほしいですね。

ヴェッテルのレッドブル離脱で大きく動いたストーブリーグも、これで来季のシートがひととおり埋まったことになります(参戦自体が不透明なケータハムを除く)。イコール、この人のシートがないことも確定的になったわけです。

SF岡山テスト初日、可夢偉と琢磨がトップバトル - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

当の小林可夢偉はスーパーフォーミュラのテストに参加。これをもって即 SF に参戦決定というわけではないでしょうが、F1 の次善の選択肢としては SF が現実的なところでしょうか。年齢的にも資金的にも F1 への再挑戦はそろそろ厳しくなってきたのは事実で、このまま国内レース転向の可能性は高いと思われます。中嶋一貴とのチャンピオン争いという展開になると胸が熱くなるいっぽうで、本当はこの二人にはもっと高いフィールドで争ってほしかったな...とも思うわけで、複雑な心境。

そろそろ久々に F1 観戦に行きたいところですが、来年までは日程的に厳しそう。でももし可夢偉が SF で走るなら、代わりに SF 観戦に行ってみても良いかなあ。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2015 | コメント (0) | トラックバック

2014/11/24 (Mon.)

F1 アブダビ GP 2014

アブダビGP決勝 ハミルトンが完璧な勝利でチャンピオンに輝く

2014 年の最終戦、アブダビ GP。ハミルトンが圧倒的有利な状況で迎えはしたものの、最終戦ダブルポイント制のおかげでロズベルグの大逆転は「あり得る」状態。ハミルトン的には 2 位以上であれば自動的にチャンピオンが確定するとはいえ、最終戦までハミルトンとロズベルグの優勝をかけた一騎打ちになるんだろうなと思っていましたが、もう予選からその通りの戦いになりました。

今シーズン、予選ではハミルトンに勝ち越しているロズベルグ。ここアブダビでは、予選から有利な状況を作りに行くという戦いが今まで以上に明確で、結果ハミルトンを抑えて PP 獲得。しかし、ハミルトンもしっかり 2 番手につけます。ロズベルグとしてはウィリアムズの少なくともどちらかに割って入ってほしかったところでしょうが、それすら許さないのが今年のメルセデスの速さです。

で、決勝。今季幾度となくスタートでハミルトンの先行を許しているロズベルグですが、今回もスタートで出遅れ...というより、ハミルトンのラウンチが素晴らしすぎて、ターン 1 では完全にロズベルグを置き去りにしていました。以後は見た目上のラップリーダーを譲ったことはあっても、実質的なトップを最後まで譲ることなく、ハミルトンがトップチェッカー。
対するロズベルグはなんと中盤に MGU-H にトラブルが発生してペースダウン。なんとか粘ろうとしてはいたものの、回生エネルギーの大半を担う MGU-H(さらにはメルセデス製パワーユニットのアドバンテージはこの MGU-H にあると言われている)がまともに使えなくては、さすがの W05 でも速さは維持できません。最終的には 14 位フィニッシュでノーポイントという結果に終わりました。

終わってみれば、最終戦ダブルポイントもあってハミルトン 384pt:ロズベルグ 317pt、でハミルトンが大差をつけてドライバーズチャンピオンを獲得。最終戦まで争ったとはいえ、19 戦中 11 勝を挙げたドライバーがチャンピオンに輝くのは当然の結果とも言えます。特に後半戦のハミルトンはメンタルも戦い方も落ち着いていて、今やアロンソに勝るとも劣らない「強いドライバー」に成長したと言えるでしょう。2007 年のデビューから昨年までは「一発の速さは現役 F1 ドライバー中でベストだけど波があるドライバー」という印象だったのが、今年後半は「レースウィークエンド全体を見渡して、日曜日に勝つための戦いをするドライバー」になったように思います。来季の勢力図がどうなるかはまだ分かりませんが、レギュレーションが大きく変わらない中でハミルトン+メルセデスという最速パッケージに変更がないことは、そのまま来季もハミルトンがチャンピオン最右翼であることを意味します。

このアブダビ GP はフェラーリのアロンソ、レッドブルのヴェッテル、そしておそらくケータハムの小林可夢偉にとっての最終戦という意味で、例年以上に感傷的なレースになりました。特にアロンソとヴェッテルに関しては長年所属したチームであり、チームとともに成長してきた側面もあるだけに、様々な思いが交錯したと思います。来季はハミルトン+メルセデスのタッグに挑戦状を叩きつけることになるのか、それとも体制固めで終わってしまうのか。特にマクラーレンはホンダとの初年度でもあり、どこまでのパフォーマンスが出せるかは未知数。明日からのアブダビテストもシステムチェックレベルに留まる見通しとのことなので、ポテンシャルが計れるのは新シャシーが登場する年明け以降、ということになるでしょう。
小林可夢偉の最終戦は...やっぱり残念でしたね。チームはなんとか最終戦への参戦にこぎつけたものの、チームメイトはエリクソンではなく資金持ち込みのウィル・スティーブンス。新パーツがスティーブンス側にあてがわれる状況はチームが管財人の管理下に置かれても変わりませんでしたが...、序盤からブレーキトラブルに見舞われ、中盤にはバイブレーションが発生。そのままリタイアという不完全燃焼なレースになってしまいましたが、可夢偉本人としては「これで F1 最後かもしれないから、しっかり走って終えたい」という思いでチームからの招集に応えたとのこと。来季のシートがほぼ絶望的な状況というのは、自身が過去にシートを喪失した際や、かつて佐藤琢磨がスーパーアグリ撤退時に置かれたときよりもさらに厳しいです。年齢的にももう三十代が見え始め、潤沢な持ち込み資金を持つ若手ドライバーとシート争いをするのも辛い状況。八方塞がりですが、来季はせめてリザーブドライバーのシートを確保して、なんとか再来年に望みを繋いでほしいところです。

とにかく、2014 年シーズンはこれにて終了。それは同時に 2015 年シーズンの始まりも意味します。まずはドライバーラインアップが未確定なマクラーレン・ホンダがどういう結論を出してくるのか。雰囲気的にはバトンにとって良い状況ではなさそう、ということですが、おそらくあと 1 週間もすれば正式発表があることでしょう。まずはそれを待ちたいと思います。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/11/23 (Sun.)

フォーミュラ E 第 2 戦 マレーシア

フォーミュラE 第2戦マレーシア 結果:サム・バードが優勝! 【 F1-Gate.com 】

開幕戦から 2 ヶ月ぶりの開催となった、フォーミュラ E 第 2 戦マレーシア・プトラジャヤ大会。フォーミュラ E は決勝が土曜日で、F1 と重ならないのがいいですね。

レースはなんか浮き足だってバタバタだった印象の開幕戦に比べると、少しはこなれてきた印象。とはいえクルマ同士の無用な接触も多く、F1 のバトルを見慣れているとまだまだレベルの低さを感じます。マシンやセットアップがまだ未成熟なこともあるでしょうが、全長が短く道幅も狭い一般道サーキットゆえ、どうしても接触しやすくなる要因はあります。あと、ドライバーも F1 で二流止まりだった人が中心ですしね...。

優勝はヴァージンのサム・バード。序盤から独走し、途中ピットインのタイミングでアウディのアブトに抜かれたものの、その後の怒濤の追い上げ(+アブトの電力不足によるパワーセーブ走行)であっという間にトップを奪い返し、そのまま余裕でチェッカー。F1 でのヴァージンの不甲斐なさを思うと「ヴァージンが優勝」というのはすごく違和感がありますが(笑)、一人だけカテゴリの違うクルマで走っているかのような圧勝でした。
ここまで 2 戦の戦いぶりを見た限りでは、チームではヴァージン、e.dams、アウディ、アンドレッティあたりが既にある程度マシンセットアップを掴み、他チームとの差をつけているという勢力図に見えます。ヴァージンを除けば他カテゴリで実績のあるチームばかりだから、それもまあ納得いく話ではありますが。他チームは今後どうキャッチアップしてくるか。

でもレース自体は多数のクルマが連なったパレード状の展開になってしまう時間が長いですし、スピードも遅くてちょっと退屈。今季はシャシー・パワーユニットともにワンメイクなので根本的な解決には来季を待たないといけないでしょうが、こういうレースがずっと続くようなら、途中で飽きてしまうかもしれません。

投稿者 B : 21:00 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2014/11/10 (Mon.)

F1 ブラジル GP 2014

ブラジルGP決勝 ロズベルグがようやく優勝、地元マッサが3位表彰台

2014 年シーズンもいよいよ大詰めとなったブラジル GP。アメリカ GP までの流れだとチャンピオンシップの行方は完全にハミルトン、という雰囲気でしたが、ブラジルではロズベルグが巻き返しました。
まずは金曜フリー走行から土曜日の予選 Q1~Q3 まで、ロズベルグが全セッショントップタイムを記録。オースティンで自力優勝の可能性が消えて吹っ切れたということなのかもしれませんが、とにかくハミルトンに隙を見せたくない、自分はまだルイスに勝てるはずだ、と自分自身に言い聞かせるようにトップタイムを出し続けていたのではないかと思えます。

で、決勝もそのままロズベルグが最後まで逃げ切り。途中、オーバーカットしようとしたハミルトンがタイヤの限界を超えてスピンしたことに助けられた側面はあります。特に今季後半戦のハミルトンは「ロズベルグの後ろさえ走っていればレースのどこかで必ず抜ける」という自信を持っているように見え、今回もそれを実践する走りをしていたのですが、チームとのピット戦略の行き違いが文字通り足を掬った格好になりました。
それでも、ラスト数周に仕掛けようとしてきたハミルトンを最後まで抑えきったロズベルグの走りは見事。これまでのロズベルグとは雰囲気が違い、簡単に抜かれそうな気配もありませんでした。もうちょっと早くこの境地に達していれば後半戦はもっと僅差の戦いになったことでしょうが、それはそれ。

変わりやすい天候もあり、カレンダーの中でも特に荒れたレースになりやすいのがブラジルの特徴ですが、今年は珍しくほとんど波乱のないレースでした。でもそれで退屈したかというとそんなこともなく、ロズベルグとハミルトンのトップ争いに加えて、マッサ・バトン・マグヌッセン・ヴェッテル・アロンソ・ライコネンあたりの順位争いが非常にハイレベルで、見応えのあるレースとなりました。やはりチャンピオン経験者を中心に、駆け引きを見せてくれるクリーンなバトルは「これぞ F1」ですね。

今年も泣いても笑ってもあと 1 戦、2 週間後のアブダビを残すのみ。アメリカ GP 後の印象とは打って変わって、これは伯仲したチャンピオンシップ最終戦になりそうな気配が漂ってきました。まあ、18 戦中 10 勝したドライバーがまだ 2 位以上を獲らないとチャンピオン確定しない最終戦ダブルポイント制ってどうなのよ、という気はしますが、ハミルトンが 2 度目のチャンピオンに足る器であれば、文句なくチャンピオンらしい走りを見せてくれるはず。いずれにしてもメルセデスの 2 台についてこれるマシンはないわけで、ハミルトンのチャンピオン獲得に立ちはだかる最大の障壁はマシントラブルではないでしょうか。

とにかく、チャンピオンシップの行方が見応えのあるレースで終わることを願っています。

投稿者 B : 23:58 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/11/03 (Mon.)

F1 アメリカ GP 2014

アメリカGP決勝 ハミルトンが5連勝で今季10勝目

テキサス州オースティンで開催されている現在のアメリカ GP。クルマ文化が成熟した国ゆえか、まだ 3 年目の新興グランプリにも関わらず、サーキットがクラシックレースのような雰囲気に包まれているのがテレビ越しにも伝わってきて、私は好きなグランプリです。高低差のあるレイアウトも私好み。
ただ、今年はチャンピオンシップの趨勢が決まってしまったことに加え、可夢偉が参戦しないとあって、私のテンションは低め。いくらテールエンダーだとしても可夢偉の奮戦が見られるのと見られないのとでは大違いですよ(まあ、それ以前に安全性に問題のあるクルマに乗せられるのは言語道断だけど)。

しかし実際のレースは見どころ十分。3~12 位くらいまでは常にどこかで競り合っている感じで、いつもより 4 台少ないクルマの密度の薄さを感じさせない、濃いレース展開でした。中でも光ったのはリカルドのオーバーテイク。必ずしも優位とは言えないマシンを駆って、アロンソ・ボッタス・マッサを 1 台ずつ確実に仕留めた走りは賞賛に値します。これだけ気持ちの良いオーバーテイク劇を見せてくれるドライバーは近年稀に見ると言って良く(ここ 10 年だと全盛期のライコネンか 2010 年鈴鹿の小林可夢偉くらいでしょう)、いずれ間違いなくチャンピオン候補に名を連ねるドライバーになると思います。
今回のレースは最近にしては珍しく、マシンやドライバーによってタイヤの合う合わないがハッキリ出たことが、これだけ混戦に繋がったのではないでしょうか。単にクラスの違う 4 台のマシンが走っていなかったから、ということではないと思います(笑。

チャンピオンシップの行方という意味では、PP を獲ったはずのロズベルグはまたしても決勝で失速、ハミルトンに 25pt を持って行かれてしまいました。これでハミルトンは今季 10 勝目。対するロズベルグは今季 10 回目の PP から、今季 10 回目の 2 位フィニッシュ。シーズン終盤に来て明らかにハミルトン有利な展開にあるのも頷ける内容です。表彰台でのハミルトンは、既にドライバーズチャンピオンを確定させたかのような余裕さえ見せていました。
マクラーレン時代のハミルトンは、むしろ「一発は速いけど波があるドライバー」という印象でした。が、今季は「予選での最速にこだわらずに、決勝で確実に勝ちに来るドライバー」に変貌したように見えます。特に夏休み明けからの安定感はすさまじく、去年の後半戦のヴェッテルに似た「誰にも止められない感」を纏っています。愛車 W05 をモノにし、チームメイト以外に勝利を脅かすドライバーもなく、その上でチームメイトに対する勝ち方が見えた、ということなのかもしれません。最速のマシンというアドバンテージがあるとはいえ、今のハミルトンには速さだけではない、アロンソに匹敵する「強さ」を感じます。

ハミルトンとロズベルグの間は、残り 2 戦で 24pt 差。最終戦が最大 50pt なので、仮に次のブラジルでハミルトン優勝・ロズベルグノーポイントでも、ドライバーズタイトルは最終戦に持ち越される格好となりました。その点では最終戦ダブルポイント制はちゃんと仕事をした、ということになるのでしょうが(笑)、ハミルトン車にマシントラブルでも発生しない限り、ハミルトンは圧倒的優位に立った状況で終局を迎えることになります。オースティンで完敗を喫したロズベルグは、ブラジルでせめて一矢報いることができるのか。インテルラゴスは、もう今週末に迫っています。

投稿者 B : 23:44 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/27 (Mon.)

ケータハム&マルシャがアメリカ GP を欠場

ケータハム アメリカとブラジルGP欠場を許可
マルシアもアメリカGP欠場へ - GPUpdate.net

消滅寸前の状況にあるケータハム F1 チームですが、とりあえず今週末のアメリカ、そして翌週のブラジル GP の欠場が決まったようです。シーズンを通して 3 レース以上欠場すると放映権料の分配金がもらえなかったり違約金が発生したりするペナルティがあるらしいのでとりあえず 2 戦、ということのようですが、アブダビまでにチームの新しい買い手が見つからなければそのまま解散、という可能性もあるわけで。というかその可能性が限りなく高い状況なわけで。結局ここ最近のゴタゴタは途中撤退のペナルティをかわすためにあえて状況を複雑にしているだけじゃないだろうか...という疑念もよぎります。
まあ、可夢偉にしてみればもう安全性の担保がないマシンで走る必要がなくなったぶん良かった、ということにしておきましょうか。

加えて、マルシャもアメリカ GP 欠場との報。ロシアではマックス・チルトン 1 台のみでの出走となっていましたが、これは代役が見つからないというよりも鈴鹿で大破したビアンキ車の代わりとなるモノコックを用意できていない状態(ロシア GP のガレージに設置されていたクルマは中身が揃っていないモック?)だったのかもしれません。フェラーリからエンジン契約とバーターでシートを得たビアンキが出走できなくなったことで、未払いだったフェラーリエンジンの代金に対する言い訳ができなくなったのがとどめを刺した感じでしょうか。今のところ欠場はアメリカ GP のみとなっていますが、ロジスティックス的にはアメリカからそのままブラジルに渡るわけで、結果的にブラジルも欠場と見て間違いなさそうです。

どちらもいつ撤退してもおかしくない万年下位のプライベーターだからしょうがないよね...とも言っていられないのが今の F1。中堅チームでも、ザウバーとロータスあたりは来季のグリッドにマシンを並べられなくてもおかしくないほどに財政が逼迫しています。これはひとえに 2008~2009 年に多数の企業が撤退する状況を経ても、結局トップチームと FIA/FOM の都合だけで F1 の運営を続けてきたことのツケがいよいよ回ってきたということでしょう。来季からサードカーを走らせるという構想もありますが、今年のような勢力図ではトップチームが表彰台を独占し、余計にレースがつまらなくなるリスクも孕んでいるわけで、諸手を挙げて賛成できるものではありません(それで可夢偉がフェラーリなりマクラーレンなりのシートを得てくれれば、それはそれで嬉しいのも事実ですが)。
今季のテクニカルレギュレーション改定で、レースごとの使用燃料に上限を課し、エネルギー効率の良さを競うスポーツに変貌した F1 ならば、バジェットに上限を課して開発効率の良さを競うスポーツにも変わることができるはず。今の現実を直視して、より多様性のあるレース運営ができる方向にもっていってほしいところですが...。

投稿者 B : 23:29 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/23 (Thu.)

ケータハム F1 チーム、消滅寸前

ケータハムのファクトリーが事実上の閉鎖状態に - AUTOSPORT web

小林可夢偉が所属するケータハム F1 チーム周辺に、ここ 1 週間ほどでさまざまな動きが出てきています。

ことの始まりは夏休み明けのベルギー GP、いきなりエースドライバーの可夢偉に替えてロッテラーを走らせるという事態から。その後も可夢偉の参戦は安定的なものではなく、1 戦ごとに確定するという状況。で、日本 GP では直前にチームのファクトリーが押収されたというニュースが出て、一気に雲行きが怪しくなりました。その後もなんとかロシア GP までは出走を続けたものの、ここにきてチーム側の「元オーナー(トニー・フェルナンデス)が悪い」、トニー・フェルナンデスも「新オーナーが買収の代金を払わないのが悪い」という、責任のなすりつけ合い状態。穿った見方をすれば、責任の所在を有耶無耶にすることで撤退にまつわる諸々の違約金や未払いのパーツ代金の支払いから逃れようとしているのでは...とすら疑いたくなります。

次のアメリカ GP は来週末。遅くとも週明けにはマシンを現地に送り出せていないと参戦が危うくなってしまいます。しかし個人的には、まともにレースで戦うつもりがなく、安全性に問題さえ抱えるマシンでドライバーを走らせようとするチームにこれ以上参戦してほしくない。可夢偉の走りが見られなくなってしまうのは残念だけど、このままチームを畳んでくれたほうが F1 とファンにとっては良いことなんじゃないかと思います。可夢偉はこれまでよく頑張ったけど、今季こんなチームにしか可夢偉を乗せられず、そして乗せてしまったマネジメントの罪は重いと言わざるを得ませんね。

あと 3、4 日もすれば結論は出ることでしょう。静かにそれを待ちたいと思います。

投稿者 B : 22:36 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/12 (Sun.)

F1 ロシア GP 2014

ロシアGP決勝 ハミルトンが初開催のロシアGPを制す

初開催のロシア GP。ホームレースとなったマルシアは、エースドライバー:ジュール・ビアンキを欠いての凱旋となりました。ビアンキは事故直後の手術により一命は取り留めたもののまだ意識は戻らず、深刻な状況が続いているとのこと。ソチではサーキットにも各チームのマシンやヘルメットにもビアンキの快復を祈るメッセージが描かれていましたが、私も一日も早い快復を願っています。

レースはハミルトンが実質的に一度もトップを譲ることがないままポールトゥウィン。スタート直後、ロズベルグが 1 コーナーの飛び込みで先行しましたが、ビッグブレーキングでタイヤをロックさせてそのままターン 2 をショートカットし、タイヤにもフラットスポットを作って直後にピットイン。ハミルトンはチームメイトの自滅のおかげでやすやすと 4 連勝を決めました。
とはいえ、一度はほぼ最後尾にまで落ちてしまったロズベルグも、2 周目に履いたミディアムタイヤが結局最後までもってしまい、なんだかんだで 2 位。ピレリのタイヤ選択が間違っていてコースに対して易しすぎたというのもありますが、タイヤをほぼレースディスタンス全てもたせることができ、最後尾からでも表彰台に戻ってくることができるメルセデス W05 の圧倒的な性能が、改めて証明された格好になりました。

3 位以下のリザルトは、ボッタス→バトン→マグヌッセン→アロンソ→リカルド→ヴェッテル→ライコネン→ペレス、といった順。ボッタスはそろそろ表彰台の常連になってきた感があります。それよりも、今回は鈴鹿に続いてマクラーレンが良い位置につけたことがいいニュースでしょう。シーズン終盤までマシン開発が継続し、相対的なパフォーマンスが上がってくるのがこのチームの特長ですが、テクニカルレギュレーションが大きくは変わらない来季に向けて、シャシー側の熟成が進んできたことは、来季のホンダ製パワーユニット搭載に対する明るい材料と言えそうです。仮にホンダ製 PU が遅かったとしても、原因の切り分けがしやすくなるわけで。フォースインディアとのコンストラクターズ 5 位争いもいよいよ終局に向かっていますが、このまま好調を維持してほしいですね。
レース自体はオーバーテイクも少なく、ガードレールが近い割にはセーフティカーが出ることもなく、目立ったオーバーテイクも少ないやや単調な印象でした。ソチオリンピックの施設を流用しているから映像はとても美しいんですが、サーキットレイアウトがストップ&ゴー系なので、レースが大味な感じ。もうちょっとハプニングがあるかと思ったんですけどね。

でもって、可夢偉ですよ。

例によって直前まで出走できるかどうか分からず、出られたといっても新パーツは全てエリクソン用、可夢偉のマシンはかなり古いバージョンで、エリクソンのコンマ 5 秒落ちがやっとという状況。予選ではエリクソンがグロジャンの 0.25 秒差まで迫り、もう少しで Q2 進出という状況だったので、このクルマが可夢偉に与えられていれば今季初のケータハム Q2 進出もあったのでは...と考えると、悔やみきれません。
決勝は決勝で、マシントラブルが発生したわけでもないのにチームからガレージに呼び戻され、そのままリタイア。どうやらブレーキがオーバーヒートしていたために安全をとって停めたらしいですが、どうにも救われませんね。まともにレースをする気がなく、金で簡単にシートを売るチームに居続ける意味があるのかどうか。個人的には、もう無理してこのチームで走る必要はないんじゃないかと思います。

さておき、今回のロシアでメルセデスが悲願のコンストラクターズチャンピオンを確定させました。ブラウン GP を買収してから 5 年という時間を長いと見るか、短いと見るか。ホンダが棄てたチームが翌年にチャンピオンを獲り、そのチームを買収したメルセデスがチャンピオンを獲得した翌年にまたホンダが戻ってくる、というのもなんだか皮肉な話ではあります。ともかく、メルセデスはこれでようやくドライバー 2 人に自由に戦わせられる状況を得たわけで、次戦からはハミルトンとロズベルグの本気の争いが見たいですね。
次戦は 3 週間後のアメリカ・オースティン。その翌週はブラジル・インテルラゴス。中継時間的には日本からは辛いグランプリが続きますが、ドライバーズチャンピオンシップの行方を見守りたいと思います。

投稿者 B : 23:23 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/05 (Sun.)

F1 日本 GP 2014 決勝

日本GP決勝 雨の鈴鹿を制したのはハミルトン、2位ロズベルグ
ビアンキは「深刻な頭部損傷」 - GPUpdate.net

まずは事故に遭ったジュール・ビアンキの無事を祈ります。

断続的な降雨により SC スタート、開始 2 周で赤旗中断となったレース終盤に、スーティルがデグナーでクラッシュ。クレーンが出動してマシンの撤去作業を行っているところに、ほぼ同じ位置でビアンキのマルシャがコースオフしクレーンに激突、という通常ではあり得ない事故でした。現場付近で撮影された写真を見る限り、スピンしてリヤからクレーンの下部に潜り込むような形で激突したようです。そのまま付近の病院に救急搬送され、頭部の手術を受けて集中治療室に移されるようですが、まだ予断を許さない状況。
マシンとサーキット双方の安全性向上によって近年の F1 では深刻な事故が起きていませんでしたが、さすがの F1 マシンも作業車との衝突までは想定していないはずで、不運な事故としか言いようがありません。欧州での視聴率重視でレーススタートが 15 時になっていたり、天候の悪化に伴いレースを途中終了させるという判断もあったんじゃないかなどの批判もありますが、とにかく今はビアンキが生還してきてくれることを祈るのみです。

気を取り直して...レースは降雨あり、SC あり、タイヤ選択やピット戦略の妙あり、数々のオーバーテイクあり、という非常に見応えのある内容でした。特に僚友ロズベルグを交わしたハミルトンの 1 コーナーでの鮮やかなオーバーテイクと、数々のオーバーテイクを決めて 3-4 フィニッシュに持っていったレッドブル 2 台の走りが良かった。特にヴェッテルは得意の鈴鹿とは言いながらも、今回のマシンの仕上がりを考えれば望み得る最高の結果、と言えるでしょう。
ただ、シャンパンファイトがなく、ドライバーの笑顔もない表彰台はどうにも沈痛で、1 年ぶりに帰ってきた日本 GP の締めとしては、何とも後味の悪いものでした。

小林可夢偉は旧仕様のマシンではどうにもならず、実質的には最後尾フィニッシュ。ただでさえ安定しないマシンをウェットコンディションの中、フィニッシュ(チェッカーではなくレッドフラッグ、というのが悲しいけれど)まで持って行くだけで精一杯だったことでしょう。昨日の前夜祭で可夢偉自身が「右フロントサスの予備パーツがなく、FP2 でのクラッシュでそれを壊していたら出走できなかった」という発言をしていましたが(!)、チーム側がそういう状況なので来週のロシア GP に出走できるのかどうかさえ怪しい。とりあえずでもいいのでマルシャでビアンキ復帰までの代役、とかいう話が転がり込んできたりしないでしょうか...。

来週のロシア GP は初開催。誰が有利なのかも全く未知数のサーキットですが、公道系なのでオーストラリア、モナコ、シンガポールで良い走りをしていたドライバーは強そう。リカルドやヴェルニュあたりは良い仕事をしそうですね。
でもその前に、ロシア GP までにビアンキに関する少しでもいいニュースが聞けることを願ってやみません。

投稿者 B : 22:03 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/04 (Sat.)

F1 日本 GP 2014 予選

日本GP予選 ロズベルグPP、ハミルトン2位

今年も F1 が鈴鹿にやって来ました。予選はメルセデス圧倒的有利という予想通り、フロントロウを独占。ただいつもと違うのは、ロズベルグがハミルトンに約 0.2 秒の差をつけて PP を獲得したことでしょう。金曜のフリー走行からロズベルグ有利で進んできており、鈴鹿サーキットと今年のマシンの組み合わせでは、ハミルトンのアグレッシブな走りよりもロズベルグの比較的スムーズなドライビングのほうが適している、ということかと思われます。ま、最終的に決勝でどちらが勝つかが大事なので、現時点での有利不利にすぎませんが。
グリッドはメルセデスの後ろにウィリアムズの 2 台、そしてアロンソと続き、今の勢力図をそのまま反映した順位と言えそうです。ここ 5 年間鈴鹿を席巻してきたヴェッテル+レッドブルの組み合わせは 9 位に沈みました。もう少し行けるかと思ったんだけどなあ...。

直前まで出走が不明だった小林可夢偉は、水曜になってようやく鈴鹿への出走が確定。その直後にリーフィールドのチームファクトリーが差し押さえられたという報道が出るなど、不安定な状況に変わりはないようですが、少なくとも明日の決勝まではもちそう。今回ようやく投入された新しいエアロパッケージを金曜のクラッシュで壊してしまい(予備パーツがなく)、予選では可夢偉だけ旧パーツで走らなくてはならなかったなど、厳しいのは事実です。予選タイムはスーパーフォーミュラより遅いというのも情けないですが、決勝では可夢偉がどれだけ気を吐いてくれるか、だけに期待したいと思います。金曜の FP2 で不可解なコースオフを喫したことからも分かるとおり、コース上にマシンを留めているのがやっとというマシン状況のようなので、多くは望めないとは思いつつ(´д`)。

そんなことより、今日一番驚いたのはこのニュースですよ。

ヴェッテル 今シーズン末にレッドブル離脱
ホーナー ヴェッテルのフェラーリ移籍を認める

昨年までの 4 年連続ドライバーズ&コンストラクターズチャンピオンを獲得してきたヴェッテルが、今季限りでのレッドブルチーム離脱を突然発表しました。「ヴェッテルは将来のフェラーリ移籍を望んでいる」とか「マクラーレン・ホンダがアロンソ or ヴェッテルの獲得を狙っている」といった噂は以前からありましたが、それが唐突に現実のものとなった格好です。少なくとも来季のトップチームにはいずれも既存の契約があり、主だったドライバーラインアップは変わらないだろうと思っていただけに、大きな衝撃。
確かにヴェッテルはレッドブルで 4 回のワールドチャンピオンを獲ったとはいえ、今季からレギュレーションが一変して従来のアドバンテージは消滅。ルノーが来季いきなりメルセデスに伍するパワーユニットを作れる可能性は高くなく、加えて常勝マシンを作り続けてきたエイドリアン・ニューウェイも今季限りでマシン開発の一線を退くとあっては、今こそフェラーリ行きを実行に移すべき時、という判断も理解できます。フェラーリはフェラーリで、シューマッハー離脱後のアングロ・イタリアン体制が今季のステファノ・ドメニカリ(チーム代表)とルカ・ディ・モンテゼーモロ(フェラーリ会長)の相次ぐ更迭で終焉し、来季はフィアット直轄体制でより合理的な組織に生まれ変わる望みはあります。再びドイツ人のエースドライバーを得て、シューマッハーによるチーム再建劇の再演となるかどうか。

当のフェラーリは現在のアロンソ/ライコネンというダブルエースのどちらかが離脱することになります。アロンソは昨シーズン以来チームとの折り合いが悪くなってきており、かつシューマッハー的な絶対エース待遇をチームに求めているとも言われているため、アロンソとヴェッテルが同じチームでジョイントナンバーワン体制を築くとは考えにくい(ライコネンもエースドライバー格ではあるけど、性格・年齢を考えてアロンソが例外的に受容したものと思われます)。そうするとアロンソ離脱の線が濃厚でしょうが、今日の予選のテレビ中継で川相ちゃんが「木曜日に東京でアロンソ、ロン・デニス、ホンダの幹部が来季の契約書にサインした、らしい」という話をしていたので、もう確定的でしょう。来季のマクラーレン・ホンダのエースシートにはアロンソが座るものと見られます。

現時点ではフェラーリからもマクラーレンからもプレスリリースが出ていないため、確定しているのは「ヴェッテルがレッドブルを離脱」という事実のみですが、これを契機に来シーズンに向けたストーブリーグが一気に加速していくことは間違いありません。

投稿者 B : 21:21 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/09/22 (Mon.)

F1 シンガポール GP 2014

シンガポールGP決勝 タイヤ戦略の戦いを制してハミルトンが優勝

ドライバーズポイント上はロズベルグ優勢ながら、おそらくメンタル的にはハミルトン優勢な状態でやってきたシンガポール GP。予選はメルセデスの 2 台だけでなくレッドブル、フェラーリ、ウィリアムズまで絡んで白熱した PP 争いになりましたが、最後に僚友を 7/1,000 秒差で下したハミルトンが見事 PP。

決勝はロズベルグがまさかのマシントラブルでフォーメーションラップに出られず、2 番手だったはずのところがピットスタートに。結局その後もペースが上がらず...というかトラブルが根本的に解決せず、DRS も ERS も動作しないという散々な状況のままリタイアしてしまいます。対するハミルトンは最大のライバルが早々に戦線離脱したため、難なく完勝。
これでドライバーズポイントはハミルトンがついに逆転、ロズベルグに 3pt 差をつけてトップに立ちました。こういう展開があるから結局最終戦まで分からない戦況が続くことでしょうが、当面の流れがハミルトンにあることは間違いないでしょうね。

チャンピオン争い以外のレースは、抜けないサーキットらしく前半はやや眠くなるレース展開でした。が、「セーフティカーが入るかは入らないかではなく、どのタイミングで何回入るか」が問題と言って良いシンガポール。結局 2 回の SC 導入でポジションや戦略がシャッフルされてからが面白くなりました。今季最高位となる 2 位に入ったヴェッテルはセーフティカーに助けられただろうし(今季のヴェッテルは僚友リカルドに比してタイヤライフに苦しむことが多い)、逆にウィリアムズのボッタスは SC 導入に伴いピット戦略を変更したことが裏目に出た格好。何にせよ、今季ここまでとは少し違ったリザルトになったことが、結果的に面白いレースだった証と言えそうです。
個人的には、5 秒ペナルティが確定してからのヴェルニュが、失うものがなくなった状況(そのまま走っていてもタイム加算でポイントを失うだけ)から死にもの狂いのアタックに出て、最終的に 3 台オーバーテイクして 6 位に入った走りにはシビレるものがありました。ヴェルニュはリカルドほどの強さはないとはいえ、少なくとも中団で埋もれている何人かのドライバーよりは明らかに才能を持っているだけに、今季いっぱいでのトロロッソ解雇が確定しているのが残念でなりません。他のチームに拾ってもらえると良いんですけどね。

でもって...可夢偉ですよ。今回も直前まで可夢偉にレースシートが与えられるかどうか不透明な状況で、結果的にシートには座れたものの、決勝のフォーメーションラップ中にマシンから白煙が上がって、スターティンググリッドにさえつけずにリタイア。もうね、ここまで来るとケータハムの情けなさに言葉も出ません。
そのケータハム、このシンガポール GP では予選後にドライバーを除いたチームスタッフで緊急ミーティングが開かれたり、可夢偉本人からも「チーム、なくなるんじゃないですか」という半ば自棄になったようなコメントが出ていたり、不透明な状況が続いています。というか、可夢偉が出る出ない以前に来週末の日本 GP までチームが存続しているかどうかすら怪しい、と言っても良いでしょう。あの表彰台以来、2 年ぶりの母国凱旋を前にあまり考えたくないことではありますが...何とか鈴鹿のスターティンググリッドに着いていてくれることを祈るばかりです。

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2014/09/14 (Sun.)

「フォーミュラ E」開幕戦 北京

フォーミュラE 北京:優勝はルーカス・ディ・グラッシ! 【 F1-Gate.com 】

世界初の電気自動車によるフォーミュラ・レース「フォーミュラ E」がいよいよ開幕。レース好き以外にはほとんど話題にもなっていませんが(汗、テレビ朝日系で放送されていたので、観戦してみました。
「電気自動車によるレース」以外の見どころとしては、鈴木亜久里率いる「アムリン・アグリ」(しかもスタッフの多くは元スーパーアグリのメンバー)が参戦していること、ドライバーの過半数をヤルノ・トゥルーリやニック・ハイドフェルドといった元 F1 ドライバーが占めていること、そしてアイルトン・セナの甥ブルーノとアラン・プロストの息子ニコラスが参戦して「現代のセナ・プロ対決」が観られることでしょう。...と思っていたら、開幕二日前になって急遽佐藤琢磨がアムリン・アグリから参戦することが決まった、というニュースが。琢磨自身はフォーミュラ E の開発ドライバーも務めていたので不自然ではありませんが、当初エントリーリストになかったので、嬉しい驚き。

フォーミュラ E のマシンは電気、つまりエンジンではなくモーターで駆動するということで、走行音はかなり静か。本格的にハイブリッド化された今季の F1 もかなり静かですが、その比ではありません。まるでラジコンカーでも走っているような細く甲高い駆動音で、なんだか少年時代が懐かしくなります(笑。
まあ、これからのクルマのありようを考えれば「レーシングカーは爆音とともに走るもの」という認識は過去のものになっていくはずなので、そこにこだわるつもりはありません。

で、レース。

今季はダラーラのシャシー+ルノーのパワーユニットによるワンメイクなのでマシン性能の差はなく、レースチームとドライバーの力がもろに試されるシーズンになっています(来季以降は各チームによる独自開発が認められる予定)。そういう意味では速さは拮抗していて、バトルもそれなりにあったものの...他のトップカテゴリのレースと比べると、何とも単調なレース。
というのも、開幕戦の舞台となった北京が五輪会場「鳥の巣」の周りを周回する公道コースなのですが、これがほぼストレートと直角コーナーを繋いだだけというあまりにもつまらないレイアウト。オーバーテイクポイントも限られていて、さほど速くないクルマがグルグル回り続けるのを観るだけ、というレースでした。これ、コースもうちょっとなんとかならなかったのか...。今後はモナコやロンドン、マイアミ、ブエノスアイレスといった歴史ある都市の市街地を走るレースもあるようなので、そこは期待ですが。

レース内容的にはスタートからトップを守り続けてきた e.dams のプロストがそのままトップを守りきるか、と思いきや、最終ラップの最終コーナーで仕掛けてきたヴェンチュリーのハイドフェルドに対して強引なブロックの末ハイドフェルドのマシンが宙を舞って大破、プロストも前輪のトラックロッドが折れてストップ。その漁夫の利をアウディのディ・グラッシが得る、という劇的な幕切れ。F1 時代は全く目立たなかったディ・グラッシが、この記念すべきフォーミュラ E の初代ウィナーに名を刻むとは誰が予想したでしょうか。
さておき、プロストは抜かれそうになったところを強引にブロックしてぶつける、とはやはり血は争えないんですかね...。

佐藤琢磨はやっぱりいきなり乗っていきなり結果を出す、というのも難しいのでしょう。予選 14 位、決勝では度重なるマシントラブルの末リタイア、という残念なレースに終わりました。今回は本来のドライバーであるダ・コスタが DTM 参戦のため欠場することになり、その代役としてのスポット参戦のようで、以降のレースで琢磨が走る予定はないようです。うーむ、これでは観戦する意味が半減なんですけど(´д`)。

それよりも今回最も不満だったのはテレビ朝日の放送ですよ。
そもそも放送スケジュールからしてテスト走行を BS、予選を CS、決勝を地上波(途中から BS)、って誰にどう見せたいんだか。中継も、解説の片山右京氏しかレース内容を理解しておらず、他のキャストはまともな実況になっていませんでした。フジテレビも CS はともかく地上波(もうやめちゃいましたが)の実況はひどいもんでしたが、テレ朝に比べれば百万倍マシ。
極めつけはファイナルラップに入るところで地上波が時間切れで放送ぶつ切り、というあまりにもあまりな対応。野球中継みたいに延長しろとは言いませんが、アクシデントの確率が高い公道レースなのに、セーフティカーが 2 回導入されただけで時間切れになってしまう枠しか取っていないとか、レースが分かっていないにもほどがあります。総合的に言って、電気自動車のレースだから自動車メーカーを中心にスポンサーが取れそうだから人気が出る前に放送権を押さえただけで、レースファンに向けてまともにレースを届ける気がないんじゃないかと。もうね、愛のなさと運営の杜撰さでいったら 2007 年の日本 GP の富士スピードウェイに匹敵するレベルだと思います。

放送のやり方はともかくとして、フォーミュラ E 自体はまだ始まったばかりだし、今後どう変わっていくか分かりません。こんなレースが続くようなら途中で飽きてしまうような気はしつつも、一度で結論を出してしまうのはまだ早いかな。F1 とはレーススケジュールがかぶらないようだし(フォーミュラ E は決勝が土曜日開催)、今季のチャンピオンが決まるくらいまではテレビ観戦するつもり。

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2014/09/08 (Mon.)

F1 イタリア GP 2014

イタリアGP決勝 ハミルトンが優勝、メルセデス1−2勝利

F1 サーカス随一のスピードサーキット・モンツァで開かれるイタリア GP。今季最強のパワーユニットを要するメルセデス陣営の圧勝だろうな、との予想通り、メルセデス&ウィリアムズによる 1-2-3-4 フィニッシュとなりました。メルセデスの 1-2-3-4 はオーストリア GP 以来、今季 2 回目。1987 年のホンダ・ターボ全盛期を彷彿とさせる強さを見せつけています。

ベルギーでのメルセデスの同士討ちは、その後チーム内で話し合いの場が持たれたようで、少なくとも表向きには両ドライバーの間にある程度の秩序が守られているように感じました。予選はハミルトンが完勝、しかし決勝のスタートで出遅れ、追い上げる展開に。毎周コンマ 2 秒ずつ詰めてくるハミルトンのプレッシャーに負けたのか、ロズベルグはターン 1 で二度も止まりきれず、二度目にハミルトンの先行を許してしまいます。
チャンピオンシップはこれで 29pt→22pt に差が縮まりました。単純な速さだけでいったらハミルトンのほうが一枚上手なこと、過去二度のチャンピオン争い(うち一度は勝っている)の経験から戦い方を知っていること、追う立場のほうが精神的に楽なこと、など依然ハミルトンに分がある戦いに見えます。ロズベルグにとっては、ハミルトンのプレッシャーに冷静に対処し、逆に相手のミスを誘発するような戦い方ができるかどうか、にかかっていると言えるでしょう。

そういう精神戦も含めたトップ争いもなかなか見応えがありましたが、今回は個人的に今季のニューヒーロー、リカルドとボッタスの走りに注目していました。どちらも序盤から追い上げていくレースで、持ち味である思い切りの良いオーバーテイクを連発。表彰台こそならなかったものの、ボッタスは最終的に僚友に続く 4 位、リカルドはヴェッテルを交わしての 5 位につけました。リザルト以上に内容の濃い、表彰台に匹敵する走りだったと思います。この二人、2~3 年のうちに間違いなくチャンピオン争いに絡んでくるでしょうね。

我らが小林可夢偉は紆余曲折の末、このイタリア GP でレースドライバーに復帰。先日チーム代表に就任したばかりのアルバースが突然チームを離脱するなど、相変わらずゴタゴタしていることは間違いないですが、そんな中も予選・決勝ともにきっちりマルシャの 2 台に勝ってくるところはさすがですね。ベルギーでアップデートされたマシンも、「以前よりはマシ」程度ではあるものの改善されているようで、このまま少しでも上昇の機運を掴んでほしいところ。とはいえコンストラクターズ争いに関しては、マシンよりもドライバーの力量の比重が高く、セーフティカーの出動回数も多い次戦シンガポールが事実上最後のチャンス。ここでペイドライバーにシートを奪われることなく、ポイントは取れないまでもザウバーを上回る結果を残して、来季に望みを繋いでくれることを期待します。

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2014/08/25 (Mon.)

F1 ベルギー GP 2014

ベルギーGP決勝 リチャルドが優勝、ロズベルグは2位

夏休み明けの F1 サーカス、ロズベルグ vs ハミルトンの戦いの漁夫の利を得たのはまたしてもダニエル・リカルド――。

F1 グランプリ屈指のドライバーズサーキットであるベルギー、スパ・フランコルシャン。とはいっても現在はかなりの高速サーキットであり、マシン特性からいってもほぼ確実にメルセデスの 2 台の優勝争いになるだろう、大穴的にはトップスピードに優れるウィリアムズのボッタス初優勝の目もあるか、と見ていました。が、蓋を開けてみるとフロントロウを占めたメルセデスの 2 台がスタート 2 周目にして接触。ロズベルグがフロントウィングを交換している隙にトップに立ったリカルドが後続を寄せ付けず、前戦ハンガリーに続く 2 連勝をマークしました。

従来、レッドブルのマシンは高いダウンフォースに支えられたコーナリングスピードを武器としていて、逆にストレートはさほど速くなかったのが、今回はトップスピード重視のセッティング。メルセデスエンジン勢にストレートで追いつかせないほどの速さを得ていたのが、勝因のひとつだと思われます。それも、単にリカルドが速かっただけでなく、リカルドの後ろについたヴェッテルが最高速を活かして後続を抑え込んだことが、強力なアシストになりました。
とはいえ、トップに立ってからほとんど国際映像に映りさえしなかったリカルドの安定した速さはさすが。去年までのヴェッテルを見ているような勝ち方で、いよいよその大器を開花させつつあるようです。メルセデスの同士討ちがあったにせよ、そういうときに勝ちに行けるチーム力はさすがチャンピオンチーム、ですね。とはいっても、レッドブルが今季 3 勝、それもヴェッテルではなくリカルドが 3 勝するとは思ってもみませんでしたが。

メルセデスは...レース後に早速「ロズベルグがぶつけたのは故意かどうか」という論戦が始まっているようです。前後のロズベルグの動きには若干怪しい部分もあったものの、起きた状況だけ見ればレーシングインシデント。ただ、今季これまでに発生した二人のドライバー間の確執、特にハンガリーでのハミルトンのチームオーダー無視が尾を引いていることも事実で、チーム側が明確なルールを決めて線を引かない限り、レース中の「事件」は今後も収束することはないでしょう。
とはいえ、フロントウィング破損・壊れたタイヤ繊維のコクピット前方への付着・左前輪のフラットスポット発生といったアクシデントが重なっても 2 位を獲れてしまうメルセデスの速さには、改めて驚かされましたが。

チャンピオンシップはこれで再び 29pt 差。とはいえ今回のようなことがある限り、今後のレースもメルセデスの二人がクリーンに戦うとは限らないわけで、まだまだ何が起こるか分かりません。特に、今季は最終戦がポイント二倍となれば、現在トップから 64pt 差のリカルドも、残りレースで 50pt 差以内に縮めることができれば「奇跡の大逆転」もあり得ます。むしろそれくらい混戦になってくれたほうが面白いのですが(笑)、それもこれもメルセデスのチームガバナンス如何にかかっていると言えるでしょう。個人的には、混乱に乗じてでもいいから、ボッタスが 1 勝くらいしてくれないかなあ、と思っていたり。

それから可夢偉がレースシートを喪ったケータハム。替わったロッテラーは決勝が始まって数周でリタイアするという残念な結果に。これではロッテラーのみならず、シートを譲った可夢偉も浮かばれません。ケータハムチーム自身は、もう継続的な開発とかリザルトの向上を志向していないのでしょうが、何ともやりきれませんね。
いろいろ流れてきている情報によると、次戦モンツァでも可夢偉の復帰は厳しく、別のペイドライバーに置き換えられる可能性が高いようです。となると、現実的には可夢偉が次に走れるのは日本グランプリということになるでしょうか。もはや完全に手詰まりの状況にも思えますが、せめて出走するチャンスでは来季につながる走りを見せてほしいですね...。

投稿者 B : 22:45 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/08/21 (Thu.)

可夢偉がベルギー GP のレースシートを喪失

ケータハム 可夢偉に替えてロッテラーをベルギーGPに起用
可夢偉 「ファンに申し訳ない」 - GPUpdate.net

今週に入ってから不穏な噂が流れ始め、とてもとても不安でしたが、ベルギー GP の開幕を目前にしてケータハムがベルギー GP で小林可夢偉に替えてアンドレ・ロッテラーをレースドライバーに起用することを正式に発表しました...。

正直、この人事には「なぜ」という疑問がいろいろと拭えません。まあチーム自体がトニー・フェルナンデスから謎の投資グループに売却され、当初のドライバー契約がいつ反故にされてもおかしくない状況ではありました。それに、チームとしても持参金つきのドライバーを確保したい思惑もあったことでしょう。が、ロッテラーといえば日本の国内レースで活躍するベテランドライバーですよ?年齢的にもこれから F1 にステップアップしようという時期じゃないだろうし、記念レース的なスポット参戦のための資金持ち込みだとすると、どうにも釈然としないものがあります。

ケータハムチーム的には夏休みを挟んでようやくシーズン初めてのまともなマシンアップデートが実施され、以前のマシンを知るドライバーとともに煮詰めていかなくてはならないタイミング。新人のエリクソンでは荷が重いだろうに、マシン開発よりも資金持ち込みを優先するということは、もはや今シーズンの成績向上は捨ててかかっているとしか思えません。今からマルシャに追いつくことは不可能に近いですが、同じくノーポイントのザウバーであれば、レース展開次第では逆転はあり得ます。ロッテラーは今回のみの出走になる可能性が高いため、次のモンツァでは再び可夢偉がレースシートに座るのかもしれませんが、また別の持参金つきドライバーが現れないとも限らないわけで。

結局、まともなマネジメント体制も持たずに F1 チームとの交渉を続けて、シーズン当初から売却を前提としていたチームに無償奉仕の形で加入した時点から間違っていたということでしょう。少なくともこれまで、中堅以上のチームからテールエンダーに移籍して再び日の目を見たドライバーは、F1 には皆無。ケータハムの来季のシートはもう考えない方が良さそうだし、ポジティブな要素が浮かびませんね。ひとまずは、モンツァ以降でもう一度走るチャンスを掴み、鈴鹿に戻ってきてくれることを祈るばかりです。

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2014/07/27 (Sun.)

F1 ハンガリー GP 2014

ハンガリーGP決勝 波乱のレースでリチャルド2勝目!

夏休み前最後のレースであるハンガリー GP。比較的初優勝を生みやすい、荒れやすいサーキットであり、低速でマシン性能の差が出にくいサーキットでもあるので、何か波乱があるんじゃないかと期待していました。

波乱の予兆は予選 Q1。フリー走行全セッションでトップタイムを記録していたハミルトンが、Q1 の序盤にマシンから発火してノータイム。ダメージが大きかったためほぼ「全取っ替え」での決勝を余儀なくされ、ピットレーンからのスタートとなりました。今季ここまで、マシントラブルはハミルトンの側に集中していて、ツキに見放されている印象を受けます。とはいえ、前戦も 20 番手スタートからの 3 位、今回もピットレーンスタートからの 3 位なので、最も悪運が強いという見方もできますが...。
逆に PP から圧勝かのように思われたロズベルグ。序盤はまさに独走の様相を呈していましたが、セーフティカー導入による混乱でトップを明け渡し、その後もしばらくはペースに伸び悩んでアロンソに抜かれるなど、苦しいレースになりました。ヴェルニュをなかなか抜けず、早めのピットインでアンダーカットには成功したものの、その後はタイヤ交換を引っ張っていたハミルトンに数周にわたって抑え込まれ、リカルドとアロンソを追撃するチャンスを奪われます。ハミルトンとしてはロズベルグに 1pt でも多く与えたくなかったためにチームの指示を無視して僚友を抑え続けたのでしょうが、結果的にはここでハミルトンが譲っていたら、最後にはロズベルグに先行されていた可能性が高いので、ハミルトン個人にとっては正しい選択をしたと言えます。まあ、これでロズベルグやチームとの溝がさらに深くなったことも間違いないでしょうが。

2 位のアロンソは、最後フレッシュタイヤで勢いのあるオーバーテイクを仕掛けてきたリカルドには勝てなかったものの、ハミルトンがアロンソへの攻撃よりもロズベルグへの防御を優先したこともあり、今季最高位をゲット。アロンソは常にマシン性能以上のリザルトを持ち帰ってきますが、今回もその能力を遺憾なく発揮したと言えます。マシン性能に劣り、タイヤライフも尽きた状況でリカルドにしか抜かれなかった走りは現代 F1 随一のテクニック。ピット戦略も、フェラーリにしては珍しくギャンブルに出ましたが、それが功を奏した形になりました。現在の戦力では逆立ちしたって勝てないんだから、いつもの杓子定規な戦い方じゃなくて、こういう奇策こそ今のフェラーリには必要なんですよ。そして、アロンソにはその奇策を実行できるだけの能力があります。
ライコネンも、その杜撰なストラテジーのせいでまたしても Q1 落ちの憂き目に遭いましたが、久しぶりにライコネンらしい走りを披露して 6 位入賞。マシンのセットアップもようやくまとまり始め、ライコネン自身が今季のブレーキシステムにも馴染んできたのか、フェラーリチーム自体にようやく上昇傾向が見えてきました。

そして素晴らしかったのはやはりリカルドですよ。初優勝のカナダといい、このハンガリーといい、オーバーテイクが難しく SC が導入されやすいサーキット。言い換えれば「何かが起きたときにいいポジションにいないと勝てないサーキット」でもあります。こことモナコで勝てるドライバーは底力があり、かつ「持ってる」ドライバーだと思うわけで、そういう意味ではリカルドは間違いなく「持ってる」。終盤にハミルトンとアロンソを立て続けに料理したオーバーテイクは、じつに創造性に溢れていました。
今季ここまで、完全にチャンピオン・ヴェッテルを食ってしまっていますが、この流れを維持すればチームからもエースドライバーと見なしてもらえる可能性も高いのでは。今季のチャンピオンシップはもうほぼ目がない状況ですが、来季は十分にチャンピオンシップに絡める資質を持っています。そうなったときに、僚友ヴェッテルとの関係がどうなるか、というのも興味深いところ。

F1 はこれから 3 週間あまりの夏休みに入ります。とはいえこの間にもマシン開発は続くわけで、明けたベルギーでどう勢力図が書き換わっていることでしょうか。そして、この間にメルセデスは二人のドライバーの関係をどう修復するのか、あるいは何もしないのか。同門対決となったときにドライバーの人間関係が泥沼化するのはもう避けようもないことは歴史が証明していますが、一時のマクラーレンやレッドブルのような後味の悪い状況にだけはならないでほしいものです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/21 (Mon.)

F1 ドイツ GP 2014

ドイツGP決勝 ロズベルグが優勝、ボタスが2位、ハミルトンは3位

サッカーワールドカップの優勝に次いで、自国 GP で自国チームの自国人ドライバーが優勝というのは、母国民にとっては何物にも代えがたい喜びではないでしょうか。もし日本でそういうことが起きたとすると、自分自身も勇気をもらえるだろうし、国そのものの活気にさえ影響しそうです。

というわけで、ロズベルグは母国グランプリを PP からいつも通り危なげなく初勝利。前戦ではマシントラブルによりハミルトンの母国優勝を許してしまいましたが、その次のレースで雪辱を果たしました。
このドイツから、メルセデスの技術的優位性のひとつとされてきた FRIC サスペンション(前後のサスペンションを連動させることでクルマの姿勢を調整して、ブレーキング中は前傾姿勢を強めてダウンフォースを増し、逆にストレートではフラットな姿勢にすることでドラッグを抑制して最高速を伸ばす仕組み)が突如禁止されました。それに各チームのテクニカルアップデートもあって、予選タイムを見る限りではメルセデスと他チームとの差は少し埋まったようには見えますが、スタート直後から誰にも脅かされることなく勝ったロズベルグや最後尾から 3 位に食い込むハミルトンの走りを見ると、やはり今後もそうそう他チームが追いつけるとは思えません。結局、最終戦までロズベルグとハミルトンの一騎打ちの構図は変わらないでしょうね。

イギリス GP での勝利により、ロズベルグに 4pt 差まで迫ったハミルトンには、予選 Q1 で今回もハミルトンだけにトラブルが発生。コーナリング時にリヤのブレーキが抜けてしまい、ウォールに激しく激突して Q2 出走ならず、ギヤボックス交換からの 20 番手スタートとなりました。しかも途中接触により手負いのマシンとなりながらも 3 位という結果は、W05 の速さとハミルトンのアグレッシブな走りによって達成された、優勝にも等しい敢闘でしょう。ただし中盤のピットタイミングがもう少し良かったり、接触によるエアロバランスの悪化がなければ 2 位も十分あり得たので、そういう意味ではもっとやりようが合ったのでは...とも思います。
ロズベルグとの差はまた 14pt に開いてしまいましたが、まだ中盤戦だし、最終戦ポイント 2 倍というクイズ番組のような今季ルールを鑑みれば、この差はほぼないも同然。個人的に、F1 では勝っているドライバーよりも追いかけているドライバーを応援したくなってしまう性分なので(笑)、ハミルトンが今後どのようにロズベルグに挑んでいくか、非常に興味深く見ています。

そのハミルトンを抑えて 2 位を獲得したのはウィリアムズのボッタス。デビュー 2 年目にして 3 戦連続の表彰台というだけでも立派ですが、さらに今回はメルセデスの一角がリタイアしたわけではなく、終盤ハミルトンを抑えきっての 2 位なので、ここまで 3 回の表彰台で最も価値があると言えます。そろそろ持ち前の速さに安定感が備わり始め、表彰台争いをする走り方が解ってきた印象。メルセデス W05 の速さが圧倒的なので、実力だけで勝つことは難しいでしょうが、このポジションを今後もキープできれば、メルセデス側にトラブルがあったときの棚ぼたは十分にあり得ます。早ければ今季中にも初優勝の目はあるんじゃないですかね。
同郷のライコネンが今季まったく精彩を欠いているので、「フライング・フィン」の称号はそろそろボッタスのもの、と言って良いんじゃないかな。

今回はハミルトンがテールエンドからのスタートになったことで優勝争いとしては退屈なレースでしたが、各チームのクルマが煮詰まり始めたのか、中盤の争いが激しくなってきて、たいへん見応えがありました。特に 3 位以下でのヴェッテル、アロンソ、ライコネン、バトンをハミルトンが追い上げていくワールドチャンピオン同士の戦い、そこにボッタス、リカルド、ヒュルケンベルグあたりも絡んで手に汗握るオーバーテイク合戦。サイドバイサイドのみならず、3 台が横並びでコーナーに突入していく駆け引きとか、世界最高レベルのバトルはさすが F1。来季はレギュレーションの変更が大きくないためマシン開発は継続的に行われるでしょうし、この状況が続けば終盤戦まで飽きずに楽しめそうです。

夏休み前最後のレースは来週のハンガリー。F1 屈指の低速サーキットで、初優勝が生まれやすい場所でもあります。個人的にはそろそろボッタスの初優勝が見たいところですが、ストレートスピードが物を言うコースではないので、やっぱりメルセデスのどちらかかなあ...。

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2014/07/07 (Mon.)

F1 イギリス GP 2014

イギリスGP決勝 ハミルトンが波乱のレースを制し地元優勝を果たす

ロズベルグが 29pt リードで迎えた伝統のイギリス GP。このままシーズンがロズベルグの流れになるか、ハミルトンが反撃の狼煙を上げるかの分かれ目になると言えたレースでしたが、予選の雨が波乱を呼びました。

予選 Q1 は雨、出走のタイミングの関係で何とウィリアムズとフェラーリが Q1 落ち。そしてマルシャの 2 台が Q2 に進むという、驚くべき結果となりました。マルシャはさらに Q3 進出の一歩手前(ビアンキが 12 番グリッドを獲得)という番狂わせ。まあ、ビアンキは若手の中でも実力のあるドライバーですし、昨年パット・シモンズが作り上げたチームの地力が高まってきてテールエンダーから脱しつつあるとはいえ、これにはさすがに驚き。
そして、PP ロズベルグとハミルトンの間にはヴェッテル、バトン、ヒュルケンベルグ、マグヌッセンの 4 人が入り、ハミルトン 6 番手。これも Q3 中のピットインタイミングの読み誤りが原因ですが、これで今回もロズベルグのレースになり、シーズンの流れを決定づけるのかとこの時点では思っていました。

が、決勝は予選以上に波乱の展開に。スタート直後の混戦でライコネンがコースアウト→スピンし、その事故にマッサも巻き込まれる形で 2 台がリタイア。その後 1 時間以上の赤旗中断を挟んでレースが再開するわけですが、中断した時点で 4 位までポジションを上げていたハミルトンが、リスタート後に難なく 2 位にジャンプアップ。その後はいつもの 2 台のマッチレースになりました。
今シーズンここまでの流れからいくと、メルセデス W05 同士であれば基本的には前を走っているほうが空力的に有利でなかなか抜くことは難しく、また信頼性の問題から本気のバトルはさせないチーム方針であることも考えると、このままの体勢でゴールまで進むのか、と思いました。が、中盤にギヤボックストラブルでロズベルグが突然のスローダウン!そのままリタイアとなり、ハミルトンがロズベルグとの差を一気に 25pt 詰める結果になりました。

いやあ、前戦終了時点での 29pt 差が「1 レース無得点で終えても、まだトップを守っている状態」とは書きましたが、それが次戦でいきなり 4pt 差にまで縮まるとは。これこそがレース、何が起こるか判らないものです。
特に、今季はここまでハミルトンの側にトラブルが発生する率が高く、ロズベルグは比較的トラブルフリーで来ていたのが、ここに来ての単独トラブル。こういうときに勢いに乗るのがハミルトンというレーサーだし、こういう展開に焦りそうなのがこれまでのロズベルグのキャリア。ロズベルグのホームグランプリとなる次のドイツでハミルトンが勝ったとすれば、大きなアドバンテージを築くことができそうです。二人の心理戦、という意味では、実に面白い状況になってきました。

今回は 2 位以下のバトルもなかなか熱かったですね。前戦で初表彰台を獲得したボッタスが、自身の最高位を更新する 2 位表彰台。3 位にも今季気を吐いているリカルドが入り、今後この二人は表彰台の常連になっていきそうな気配を感じます。残念ながら母国でのポディウムはならなかったバトンも、なかなか速くならないクルマ(空力の良し悪しもあるけど、他のメルセデスユーザーとは違ってメルセデス側から必要な技術提供やソフトウェアアップデートを受けられていない、という話も聞きます)で健闘し、4 位フィニッシュ。5-6 位のヴェッテルとアロンソの鍔迫り合いも熱かった。最終的にヴェッテルが勝ったとはいえ、アロンソらしい「いやらしい」(誉め言葉)ブロッキングでヴェッテルを翻弄しました。が、接触すれすれでありながらもクリーンでレベルの高い丁々発止が見られたのは、現役最高のドライバー二人のバトルであったからこそと言えるでしょう。

現代的なティルケサーキットもいいけど、やっぱりレースはドライバーの力量が問われるクラシカルサーキットや公道サーキットが面白いんだなあ、というのを改めて実感したイギリス GP でした。

投稿者 B : 01:01 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/03 (Thu.)

ケータハム F1 チームが身売り

フェルナンデス ケータハムF1チームを売却

ああ...orz

開幕前からチームオーナーのトニー・フェルナンデスが「今季結果が出なければ撤退する」と明言しての参戦だったので、その可能性は十分にあったケータハムのチーム売却。シーズンの折り返し地点を待たず、チームの本拠地であるイギリス GP を控えての発表となりました。
まあ、直近のライバルであるマルシャが荒れたモナコ GP で 9 位入賞、現在のチーム力を考えるとこれからの逆転は絶望的という状況にあっては、まだ来季に向けた準備が本格化する前の売却決定は、チームの来シーズンにとっては良い判断と言えます。が、これから今季の成績を上げるために資金を注入してくれる人がいない(新しい経営陣も投資は来季のためにするでしょうし)という状況は、今季がおそらく最後の勝負の年となる可夢偉にとっては絶望でしかありません。

新しいチームオーナーはスイスと中東の投資家グループ。投資家に買われた F1 チームが成功した試しはなく(短期的には、ジェニイ・キャピタルに買収された現在のロータスが過去 2 年は悪くない成績を残したものの、今季は資金難で売却間近とさえ言われている)、さらにアドバイザーとして元スパイカー/HRT のコリン・コレス、チーム代表は 2005~2007 年にミナルディ~MF1~スパイカーのドライバーだったクリスチャン・アルバース。顔ぶれからしても、どうにも成功する気がしません(´д`)。

今季ここまでで最も意気消沈するニュースにがっかりしていますが、コンストラクターズ的にはマルシャはともかくザウバーの尻尾は見えている状況。実力でオーバーテイク、はそれでも難しいですが、レース展開次第では上回れる可能性もあります。イギリス GP での可夢偉の発奮に期待したいと思います...。

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2014/06/23 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2014

オーストリアGP決勝 ロズベルグが優勝、ボタスが3位表彰台を獲得

11 年ぶりの開催となったオーストリア GP。結果だけ見ればメルセデスの 1-2 といういつも通りのリザルトではありますが、内容的には前戦カナダに並ぶ面白いレースになりました。

波乱はまず予選から。今季の直線番長・ウィリアムズ FW36 とレッドブル・リンクの相性が良く、フリー走行から上位タイムを占めていました。が、メルセデス有利は変わらず...と思いきや、メルセデスの 2 台がお互いを意識するあまりか、ハミルトンが予選 Q3 ノータイム(1st アタックが白線越えででタイム抹消、2nd アタックではブレーキトラブル?でスピン)、ロズベルグがハミルトンのスピンの煽りを喰って 2nd アタック時にタイムを出せない、というアクシデントが発生。その結果、ウィリアムズがフロントロウを独占する、という予想だにしなかったグリッド順に。まさに、カナダで起きた「メルセデスの二台が競った結果、他者が漁夫の利を得る」という状況の再現になりました。

決勝は、3 番グリッドからスタートでボッタスをかわし、1st スティントでアンダーカットを成功させたロズベルグが難なく勝利。予選ノータイムで 9 番手スタートとなったハミルトンもスタートでジャンプアップし、最終的にはロズベルグの背後にまで迫ったものの、2 位フィニッシュ。そして、ボッタスがキャリア初となる 3 位表彰台を獲得しました。ボッタス、おめでとう!
ウィリアムズは 3-4 フィニッシュを果たし、メルセデスだけ別カテゴリに近い力関係の中では実質優勝にも等しい健闘と言えます。が、ピット戦略を間違えなければ勝てる可能性は十分にあったし、悪くても 2 位は獲れていた可能性は高く、その意味で課題の残るレースだったと思います。中継の中で森脇さんが仰っていたように、ロズベルグがアンダーカットに来たときに、ポジションキープのために同時にピットに入れていたら、そのまま優勝の目はあっただろうし、仮にどこかで抜かれていたとしても、メルセデスに食らいついていくことで前戦のリカルドのように相手のトラブルを誘発していたかもしれません。ウィリアムズの現在の課題は、勝つための思考をもってレース戦略の組み替えができないことにあります。前戦でも、メルセデスの 2 台にトラブルが発生したときに焦ってマッサをピットに入れていなければ、リスクもあったけど勝てるチャンスではあった。メルセデスがいるから 3-4 位でいい、ではなく、勝てるときに勝ちに行かなくては、この上はありません。まあ、ウィリアムズがメルセデスエンジンユーザーであり、かつチームの主要株主の一人がメルセデスチーム CEO のトト・ウォルフである、という事情が何かを遠慮させているのかもしれませんが...、かつての名門復活の最大のチャンスが来ている状況でこれ、というのはいかにも残念。

話をメルセデスに移すと、ハミルトンは予選 9 位から 2 位フィニッシュ、というのは優勝が同じマシンに乗るチームメイトであることを考えれば、望むべき最高の結果を得られたと言えます。しかし、チャンピオンシップにおけるロズベルグとの差が 29pt に開き、ロズベルグにとっては 1 回ノーポイントに終わってもまだ首位をキープできる、という状況が精神的な余裕を生むはず。私はこの先のロズベルグとハミルトンの戦いは最後まで冷静さを失わなかったほうが勝つとみているので、この状況の変化は興味深いですね。今回のグランプリでは、予選 3 番手でのインタビュー時にも、優勝後のポディウムでも終始ニコニコしていたロズベルグの余裕ぶりが印象的でした。

シーズン全勝が消えてもメルセデスの圧倒的優位は変わらないのが明らかになったオーストリア GP でしたが、ハミルトンとロズベルグの競り合いにより「付け入る隙がある」ことが、カナダ GP に続いて証明された形になりました。次のシルバーストンは高速サーキットなので、引き続きウィリアムズにも勝ち目があると言えそう。チームにとってのホームレースで、今回のような消極的なレースではなく、勝ちに行く戦略を見せてほしいところです。

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2014/06/16 (Mon.)

ミハエル・シューマッハーの容態が快方へ

シューマッハ 昏睡状態を脱して退院 - GPUpdate.net

昨年末にスキー事故で意識不明の重体となっていたミハエル・シューマッハーが半年ぶりに昏睡状態を脱し、事故以来入院していたグルノーブル大学病院を退院したとのニュースが。
本人のコメントが出ていないので、どの程度コミュニケーション可能な状態なのか、そもそも後遺症がどれくらい残っているかも分からない状況ですが、とにかく良かった!

事故後、過熱する報道で不正確な情報もかなり出回ったものの、その後のご家族やマネージャーサイドの意向によって公式な発表以外の報道がシャットアウトされてきたこともあり、その後の経過がほとんど分からない状況が続いていました。最近では容態に関する報道もほとんどなくなり、その代わりにグランプリのたびに先頭をひた走るメルセデス W05 のコクピット周辺に掲げられた "#KeepFightingMichael" のハッシュタグを見るたびに、快復への祈りを新たにする...という日々でした。

ヘルメットが割れて脳の手術を余儀なくされ、半年間も意識を失うような事故だったので、ミハエルが完全に以前のような体調を取り戻す、ということももしかしたら難しいのかもしれませんが、それでも、一日も早く世界中のファンの前に再び姿を見せてくれる日が来ることを、改めて祈っています。

投稿者 B : 21:25 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2014/06/10 (Tue.)

F1 カナダ GP 2014

カナダGP決勝 荒れたレースでリチャルド初優勝!

おめでとうリカルド!!!

カナダ・モントリオールといえば、「荒れたレース」になりやすいサーキット特性で、アレジ、ハミルトン、クビサなど伝統的に初優勝者を生みやすいサーキットでもあります。とはいえ、今シーズンここまでの流れから言って、メルセデスの二人以外から勝者が出るとは、素直に驚き。終盤はめまぐるしい展開で、今季もっとも面白いレースになったと言えます。

オープニングラップにセーフティカーが入り、ファイナルラップもまたセーフティカー導入でそのままチェッカー、という荒れたレース。完走扱い 14 台、うち実際にチェッカーフラッグを受けられたのは 11 台というサバイバルぶりで、下位チームにとっては前戦モナコ以上に絶好の入賞チャンスでした。が...、ケータハム、マルシャともに 2 台ともリタイア。可夢偉は相変わらず走らないマシンをプッシュして健闘していましたが、左リヤのトラックロッド破損によりリタイア。他のサーキットに比べ縁石の段差が大きいサーキットなので縁石乗り越え時にダメージがあったのかもしれませんが、F1 マシンの信頼性としてあり得ないレベルですよね...。ケータハムには、シーズンの進行に伴い落胆させられることばかりです。

さておき、上位陣の話。今回のリカルドの勝因は...こう言ってしまうと身も蓋もありませんが(笑)、メルセデスの 2 台が競い合ったこと、にあります。グリップレベルが低いにもかかわらずストップ&ゴーでブレーキに厳しいサーキットで、2 台が本気でバトルを繰り広げた結果、MGU-K(回生ブレーキ)の耐久値の限界を超えてしまった、というのが、メルセデス失速の原因かと思われます。いかにこれまでのレースでは余力を残していたかと考えると恐るべきポテンシャルと言わざるを得ませんが、逆に、2 台ともにほぼ同時に同じトラブルが出たことで、メルセデスの品質コントロールレベルの高さも思い知らされました(笑。
それでも、同じマシンを駆るチャンピオンよりも速く走り、ストレートスピードに勝るフォースインディアを抑えきったのは間違いなくリカルドの実力なわけで、そこには素直に賞賛を送りたいですね。現役 F1 ドライバーの中でも最も嫌みの少ないキャラクターで、以前から応援していましたが、屈託のない笑顔が中央に立った表彰台は、今シーズンの他のレースとは違う爽やかさに満ちていました。

とはいえ、今後もリカルドに優勝のチャンスが巡ってくるかというと、そうそう甘い話でもないでしょう。今回のようなトラブルが出ない限り、メルセデスの 2 台がスピードも信頼性も群を抜いていることは間違いなく、メルセデスは今後技術的な改善、あるいはリミッター等の設定、もしくは 2 台の直接対決を避けるルール(かつてのマクラーレンのように、オープニングラップをリードした者に優先権を与えるなど)といった対策で、同様のトラブルを回避してくるのではないかと思います。今回のようなチャンスはモントリオールという特殊なサーキットならでは、と考えるべきかと。

今回のロズベルグ 2 位・ハミルトンノーポイントというリザルトにより、ドライバーズチャンピオンシップはロズベルグがハミルトンに 22pt の差をつけました。ハミルトンの 4 連勝により一時は精神的に追い詰められている感のあったロズベルグも、これで少し余裕ができたというところでしょうか。おそらく純粋な速さやレースでの強さという点ではハミルトンに優位があるはずなので、ロズベルグがチャンピオンを狙って行くにはこの点差を背にきっちり 2 位以上を獲っていく着実なレース運びと、できるだけハミルトンが嫌がるレース運びをするクレバーさが求められます。ハミルトンは精神的に安定していれば滅法強いけど、ひとたびネガティブ思考に入ると乱れ始めるドライバーなので。一方のハミルトンは、多少のことでは動じない芯の太さ、あるいは周囲の騒音から護ってくれる信頼関係をレースチームとの間に築くこと、そしてロズベルグをねじ伏せる力強い走り、これに尽きるでしょう。ハミルトン 4 勝、ロズベルグ 3 勝と拮抗してきて、チャンピオン争いはいよいよまた分からなくなってきました。

次のレースはまた 2 週間後、11 年ぶりの開催となるオーストリア GP。レッドブルの初めてのホームレースとなります。とはいえ、これまでのレースを見る限り、RB10 はレッドブルリンクのような高速サーキットよりもストップ&ゴータイプを得意としているようなので、レッドブル有利...ということもなさそうですが。またちょっと混戦気味になってくれると面白いのですが、どうでしょうか。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/05/26 (Mon.)

F1 モナコ GP 2014

モナコGP決勝 ロズベルグが8台リタイアの荒れたレースを制する

F1 界のお祭り、モナコ GP。ドライバーの実力が試されるテクニカルサーキットでありながら、ロズベルグのポールタイムは 3 位のリカルドに対して約 0.4 秒差(しかもモナコは他のサーキットに比べると 1 周が短いのに!)。ロズベルグやハミルトンの実力を疑うものではありませんが、マシンよりもドライバーの比重が大きなこのサーキットで、ここまでマシン性能の差がタイムに現れてしまうと、他チームにとってはもう今シーズンは絶望と言って良い状況ではないでしょうか。

予選は 2006 年のミハエル・シューマッハーによる「ラスカス事件」を彷彿とさせるロズベルグのストップでハミルトンのラストアタックが妨害され、ロズベルグが得意のモナコで PP 獲得。決勝はデッドヒートになったものの、終盤にハミルトンの目にゴミが入り、半ば片目が使えない状態でのレースを強いられたこともあって、ロズベルグが 2 年連続の優勝を飾りました。

3 位以下では相変わらずリカルドが元気だったり、ヴェッテルやライコネンが復活の相を見せていたり(どちらもトラブルで上位には残れなかったものの)、中団の争いが激化していたり、と「抜けないレース」にも関わらず見どころはありました。が、ここまで 6 戦をメルセデスが圧倒的優位で全勝、とあっては、さすがの私でもレースが面白くなくなってきたのは事実です。私が F1 を見始めたのは 1990 年ですが、1988 年のマクラーレン・ホンダ圧勝時代もマクラーレンファン以外は同じような気持ちだったんですかね...。

それよりも、今回のレースで何が悔しいって、これですよ。

可夢偉の決勝:「ペナルティどうなってんねん!」 - F1ニュース ・ F1、スーパーGT、SF etc. モータースポーツ総合サイト AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

リタイア 8 台という今季ここまでで最も荒れたレース。コース上に残ってさえいれば入賞の目もある、という意味ではケータハムの 2 台はちゃんとチェッカーを受けたところまでは良かったですが、それ以上にマルシャにやられてしまいました。序盤は可夢偉が走らないマシンを何とか走らせて、一時は入賞圏に手が届くか...というところまで行っていました。が、中盤にビアンキに当てられ、マシンに大きなダメージを受けて後退。一方のビアンキは 5 秒ストップペナルティを無視して走り続け(まあ、レギュレーション上は 5 秒ストップは必須ではなく、その場合レース後に 5 秒タイム加算される)結果的に 9 位入賞ですよ...。
実際のところ、ぶつけ方はけっこうえげつなかったですし、その後もペナルティを受けない姿勢はレースを見ている間は頭にも来ましたが、それよりもケータハムがマルシャにここまで差をつけられてしまったこと自体が、たいへん悔しい。あのインシデントがなかったとしても、マシン性能の差で可夢偉はビアンキに抜かれていた可能性は高いですし、可夢偉もそのまま走り続けていても 10 位に入れた可能性は必ずしも高くありません。そして、もはやザウバーを射程圏に捉えたマルシャ(実際に今回の 2pt でザウバーを抜いてコンストラクターズ 9 位に浮上)に対して、さっぱり向上の見られないケータハムのマシン。この先のグランプリで可夢偉が 9 位以上に入賞できるとしたら、公道サーキットで今回以上の荒れた展開になる以外にはもうあり得ないのではないでしょうか。
ケータハムはオーナーのトニー・フェルナンデスが「今季結果が出なかったら撤退」と名言し、ある意味そのためのチームリーダーとして抜擢されたのが小林可夢偉です。可夢偉の奮闘もむなしく、このまま行けばケータハムが今季限りで F1 を撤退してしまう可能性は限りなく高い。そして、上位チームから移ってきた他のドライバーと同様に、可夢偉にとってこの先に F1 のシートが残されている可能性も低い、と言わざるを得ないのではないでしょうか。

もちろん最後まで諦めはしませんが、暗澹たる気持ちしか残らなかったモナコ GP でした。

投稿者 B : 23:06 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/05/11 (Sun.)

F1 スペイン GP 2014

スペインGP決勝 メルセデスが1−2勝利でハミルトン4連勝

ヨーロッパラウンドの開幕戦、スペイン GP。中国からの 3 週間で各チームにテクニカルアップデートがあり、勢力図に変化があるか...と思いましたが、少なくともトップは変わらず。メルセデスが開幕から 5 連勝、4 連続 1-2 フィニッシュの快挙を成し遂げました。

ハミルトンの速さと安定性は圧倒的。マシントラブルで戦線離脱した開幕戦以外全勝という結果ですから、もうハミルトンを止められるのはトラブルか周回遅れ追い越し時のアクシデントくらいじゃないかとさえ思います。
対するロズベルグは、初回ピットイン時に柔軟に戦略を変え、最終スティントにミディアムタイヤを温存する作戦が奏功し、ファイナルラップまでハミルトンを追い詰めることができましたが、結局そこまで。マレーシア以来全てハミルトンの後塵を拝し、ついにドライバーズチャンピオンシップでハミルトンに首位を奪われたとあっては、まだまだ 3 ポイント差の 2 位とはいっても複雑な心境でしょう。次戦モナコは昨年勝っている相性の良いサーキットだけに、モナコでの巻き返しができるかどうかでその後の展開が変わってきそうです。

カタロニアサーキットは F1 のテストでも使われるだけあってどのチームも研究が進んでおり、コースレイアウトも相まってドライバーの実力よりもマシン性能の差が如実に表れるサーキット。オーバーテイク自体数えるほどしか見られず、やや退屈なレースとなりました。リザルトを見ても、一部を除きほとんどチーム順という並びになっています。おそらくこの結果が現在の勢力図をそのまま反映したもの、と見て間違いないでしょうね。
圧倒的なメルセデス、今回のアップデートでようやく(大差がありながらも)メルセデスの次のポジションにつけてきたレッドブル、その後にウィリアムズ→フェラーリ→フォースインディア→マクラーレン、という感じ。ロータスの 2 台の順位が離れているので判断しづらいですが、ロータスもフォースインディアの後ろ、マクラーレンの前くらいというのがマシンの実力でしょうか。マクラーレンは開幕戦は良かったものの、以後は全然パッとしませんね...。

今回のレースでは個人的にリカルド、ヴェッテル、ボッタスの 3 人を評価しています。ヴェッテルはようやく本来最低限いるべきポジションに戻ってきた感じですが、それ以上にリカルドが良い。ボッタスも、今季の早い時期にマッサを食ってウィリアムズのエースになるだろうな、と思っていましたが、早くもそれを具現化しつつあります。リカルドもボッタスも、いい時期にいい場所にいるという幸運に恵まれた、ある意味「持ってる」ドライバーだと思いますね。リカルドはレギュレーションの大改定時にトップチームに移籍し、昨年までのマシンに慣れすぎたヴェッテルを尻目にニューマシンにいち早く適応しましたし、ボッタスは同じチームながらも去年とはまるで別物のマシンを手に入れ、チームメイトも学ぶべきものを持っている相手に変わった(笑)ことが大きいでしょう。アロンソ以来、毎年チャンピオンが入れ替わるシーズンを経て、ヴェッテル独走時代には様々な状況が固定化されてチャンピオン経験者以外が脚光を浴びることがない状況が続いていましたが、今季のレギュレーション変更がうまい具合に新風を呼び込んだ、と言えると思います。二人には、このままスターダムを駆け上がり、チャンピオン争いに絡めるドライバーに成長していってほしいところ。

次は伝統のモナコ。ある意味お祭りレースですが、このままハミルトンが独走態勢を固めるのか、それともロズベルグが挑戦状を叩きつけるのか。もう今季はそこにしか見どころが残っていないような気もしつつ(笑)楽しみにしたいと思います。

投稿者 B : 23:35 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/04/21 (Mon.)

F1 中国 GP 2014

中国GP決勝 ハミルトン3連勝、メルセデス3連続1ー2
フラッグエラーにより中国GP決勝結果に変更

もう誰もメルセデスを止めることができない中国グランプリ。ここまで 3 戦連続の 1-2 フィニッシュ、開幕 4 連勝という圧倒的な強さで、開幕後のフライアウェイ 4 戦を終えたことになります。気が早いですが、過去に開幕 4 連勝してチャンピオンを獲れなかったチームはないので、これはもうシーズンの趨勢は決まってしまったかな...という感じ。あとはハミルトンとロズベルグのどちらがドライバーズタイトルを獲るかが問題ですが、開幕戦でハミルトンが勝てなかったのはマシントラブルが一因であり、予選から決勝まで安定したパフォーマンスと勝負強さを誇るハミルトンが大本命だろうな、という見方が確定的です。

3 位には今季初の表彰台を獲得したアロンソがレッドブルを抑えて割り込みました。ライコネンが 8 位に沈んだことを考えると必ずしもマシンの調子が上向いてきたわけではないと思われますが、やっぱり「走らないマシンでも何とか走らせてしまうアロンソ」のウデは健在と言えるでしょう。ただ、F14 T が他チームを凌駕するアップデートを見せない限り、どんなにがんばっても今後これ以上のリザルトを得るのは難しそう。
レッドブルは 4-5 フィニッシュ、と良くも悪くもない結果。開幕前の状況を考えると驚くべき進歩で、走りにも安定感が見られることから、おそらく空力をはじめとしたシャシーの仕上がりは悪くないのでしょう。あとはルノーのパワートレインの性能がどれだけ上げられるか、の問題だと思います。あとは今シーズンここまで全体的にヴェッテルよりもリカルドが先行しているのが気になるところ。リカルドがいきなり活躍していることはとても喜ばしいと思いますが、ヴェッテルが昨年の RB9 ほど乗りこなせていないということでしょうか。このままリカルドの後塵を拝すようなことが続けば、チーム内のパワーバランスも変わってきかねません。

可夢偉は...がんばってますね。3 ストップ戦略を決めてファイナルラップにビアンキをオーバーテイクしたのがハイライトでしたが、チェッカーのミスで 1 周早くレースが終了してしまったためにオーバーテイクは無効、というあり得ない話(´д`)。中国 GP、10 年続いてまだこのクオリティですか...。
さておき、明らかにマルシャよりも劣っているように見えるポンコツ CT05 をよくここまで走らせているな、というのが贔屓目を抜きにしても今年の可夢偉に抱いている印象です。タイヤ交換直後に、タイヤのタレてきたヴェッテルをオーバーテイクしてラップダウンを戻した行為はバックマーカーとしてどうか?という批判もあるかもしれませんが、今の可夢偉には印象に残る走りをパドックに見せつけることが最重要。国際映像にも滅多に映りませんが、この調子でがんばってほしいところ。特に、新レギュレーション 4 戦目にして完走 20 台という信頼性を各チームが獲得し始めたので、今後上位を狙えるチャンスはさらに減っていくでしょうからね...。

次は GW 明け、ヨーロッパラウンド開幕戦のスペイン。各チームが大規模アップデートを施し、ようやく真の開幕と言えるレースになります。メルセデスとのギャップを各チームが縮めてくるのか、それとも勢力図に大きな変化はないのか。これから 3 週間の F1 ニュースもチェックしていきたいと思います。

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2014/04/08 (Tue.)

F1 バーレーン GP 2014

バーレーンGP決勝 ハミルトンが優勝、ペレスが3位表彰台

今季からナイトレースとなったバーレーン GP。今までのバーレーンとはずいぶん雰囲気が変わって、アブダビ GP に近い風景の中を F1 マシンが走ります。それに伴いスタート時間が遅くなったので、深夜の生観戦は厳しい(;´Д`)。アメリカ大陸でのレースほどじゃないけど...。

レースのほうは、予選決勝ともにメルセデスの独壇場。予選ではロズベルグが、決勝ではハミルトンが先を行くという状況で、いかに 2 人のパフォーマンスが拮抗しているかが分かる内容でした。開幕 2 戦はどちらかのマシンに不調があったりして 1 台が独走というパターンでしたが、今回は双方のマシンのセットアップがうまく行っていたことと、途中でセーフティカーが入って差が縮まったことにより、もろにメルセデス 2 台のマッチレース。逆に言えば、前 2 戦はトップのマシンに燃料やタイヤをセーブする余裕があったのが、今回は 2 台がデッドヒートを繰り広げた結果、後続とのギャップがどんどん開き、他チームとの戦力差が浮き彫りになったと言って良いでしょう。

3 位以下のチームも、ものの見事に同チームの 2 台が連なってフィニッシュする結果となり、現状のマシンパフォーマンスの差が明確になりました。メルセデスが圧倒的な速さを誇り、その後ろにフォースインディア、ウィリアムズ、レッドブルが続き、ちょっと遅れてマクラーレンとフェラーリ...という勢力図。やはりメルセデスのパワートレインが性能も信頼性も随一、ということになるのでしょうが、ルノーはレッドブルだけがようやくまともにパワートレインを使いこなせし始めた状況、フェラーリに至ってはワークスでさえマシンに良いところが一つもない状況。
メルセデスの独走ぶりを見るに、どうも 2009 年のブラウン GP を見ているような気分です。少なくとも前半戦はこのままメルセデスがアドバンテージを保ち、他チームが追いついてきた後半戦でもそれまでに築いたポイント差で逃げ切る...という構図。もうハミルトンとロズベルグのどちらがチャンピオンになるか、くらいしか見どころがなかった、というシーズンになっている可能性もあります。もちろん、新しいパワートレインがどのように熟成されていくか、という技術的な注目点もありますが。

可夢偉は今回も完走こそしたものの、15 位フィニッシュ。直近のライバルであるマルシャが 13 位フィニッシュしたことで、コンストラクターズランキングで逆転されるという、悔しい結果になりました。レース戦略として、周回遅れになることを想定してレース距離よりも 1 周分少ない燃料しか搭載しなかったところ、終盤のセーフティカー導入で周回遅れがリセットされ、最後は極端な燃費走行を強いられた結果マルシャに先行されてしまった...というのが実態らしいですが、なんとも間抜けな話。どのチームもマシンの信頼性が煮詰まらない中で、しかもナイトレースだったにも関わらず、セーフティカー導入を想定しない...というのは。まあ、失うものが何もないチームでマルシャ相手に守りの戦略を採っても仕方がないのですが、次は結果に繋げてほしいところ。

次は 2 週間後の中国 GP。例年雨が降りやすく、ウェットになるとマシンパフォーマンスよりもドライバーの力量によるところが大きくなるので、可夢偉にも活躍のチャンスがあるのではないでしょうか。期待しましょう。

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2014/03/31 (Mon.)

F1 マレーシア GP 2014

マレーシアGP決勝 メルセデス1−2、ヴェッテルが3位

第 2 戦マレーシア、セパン。今季チャンピオン最右翼のハミルトンが、今回はマシントラブルもなく、非の打ち所のない走りで鮮やかにポール・トゥ・ウィン。ロズベルグも 2 位につけて、2010 年のチーム設立以来初の 1-2 フィニッシュを飾りました。いやあ、トラブルさえ起きなければメルセデスの強さは本物ですね。ロズベルグのペースがそれほど上がらず、ハミルトンとの差が開いてしまったことが少し不安要素でしょうが、2009 年のブラウン GP のような勢いを感じます。ヨーロッパラウンド開幕までこの勢いを維持できれば、そのまま逃げ切りも見えてくるでしょう。

しかし、3 位につけたレッドブルも侮れません。オーストラリアでもリカルド 2 番手フィニッシュ(規定違反で失格にはなったものの)、今回はヴェッテルが 3 位表彰台と、プレシーズンテスト時の状況からすると想像以上にリカバリーが早い。それでもメルセデスとの差はまだ大きいように見えますが、フェラーリよりはスピードもありそうだし、ヨーロッパラウンドに戻るまでの間にどこまでメルセデスに食い下がれるか、がシーズンの行方に大きな影響を与えそうです。
前戦失格のリカルドは、今回も 5 位につけていながらピット作業のミスで発車時に左フロントタイヤが脱落しかけ、大きくタイムロス。5 秒ペナルティを受けた後にフロントウィングを縁石にヒットさせ、その後もしばらく走り続けていましたが結局リタイア。さらには「危険なリリース」のペナルティで次戦 10 グリッドダウンペナルティ...と散々な結果となりました。まあ、走りの内容だけを見れば全然悪くないし、めげずにアタックしていってほしいところ。個人的には、他のどんな F1 ドライバーとも違うあの屈託のない笑顔も好感度が高いですし、応援しています。

ほかに特筆すべきは、新人のマグヌッセンとクビアトがデビュー早々に 2 戦連続の入賞、というのも見逃せません。ウィリアムズのボッタスも、早くもチームメイトを凌駕する走りをし始めていますし、これは本格的に F1 の世代交代が始まる予感。廄

で、可夢偉。開幕戦はブレーキトラブルでスタート直後にリタイアせざるを得ませんでしたが、今回は無事 13 位完走。後ろには僚友のエリクソンとマルシアのチルトンしかいなかったものの、2 ストップ作戦を成功させて一時はポイント圏内を走るほどの健闘でした。明らかにマシン性能に勝るロータスのグロジャンを相手に、一つ目の DRS ゾーンでわざと先行させて二つ目の DRS で抜き返す、といったテクニックには震えましたね。ここまで、予想していたほどはマシントラブルで脱落するマシンが多くありませんが、少なくとも 12~13 番手につけていれば、入賞が転がり込んでくることもある。逆に言えば、現在のケータハムのマシンではそういう展開をうまく拾わないとポイント獲得は難しい、ということでもありますが...諦めずに、しぶとくポイントを狙いにいってほしいものです。

次は連戦でバーレーン。ほとんどマシンアップデートなしで臨まなくてはならないグランプリなので、信頼性という点ではマレーシアと大差ないことでしょう。可夢偉には次回もまだまだチャンスはあるはず。次回も、諦めない走りを見せてほしいところです。

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2014/03/18 (Tue.)

F1 オーストラリア GP 2014

オーストラリアGP決勝 ロズベルグが優勝、新人のマグヌッセンが表彰台獲得
リチャルド オーストラリアGP失格 - GPUpdate.net
レッドブル リチャルド失格に抗議 - GPUpdate.net
ケータハム シーズン初戦はトラブルによるダブルリタイア

大変革の F1、2014 年シーズンがついに開幕しました。今季の F1 の最大の注目は、パワーユニットの変更。昨年までの 2.4l V8 自然吸気エンジンから、1.6l V6 ターボエンジン+MGU(モータージェネレーターユニット)を統合したパワートレインへ。昨年までの KERS(回生ブレーキ)があくまでエンジンの補助的な役割しか果たしていなかったのに対して、今年の MGU は MGU-K(ブレーキによる運動エネルギー回生)+MGU-H(熱エネルギー回生)の二段構えで出力も大幅に向上し、駆動系としてはエンジンと半々の重要性を担う、完全なるハイブリッドシステムに生まれ変わりました。
これはクルマの作りが昨年までとは全く変わってしまうことを意味し、昨年までは空力最優先+いかにタイヤをうまく作動させるか、の戦いだったのに対して、今年はパワーユニットの完成度が空力以上の意味を持つシーズンになっています。ある意味、ニューウェイイズムが席巻した 1990~2000 年代の F1 から、エンジンがレースを決めた 1980 年代の F1 に戻ったとも言える。また、マシン開発の最適解が見つかり、どのチームも同じような方向性を向くようになるまでの間は、コンストラクターごとに性格の異なるマシンが混在する、テクノロジー好きにとってもたまらないシーズンになりそうです。

そんなシーズン開幕戦を制したのは、プレシーズンテストの下馬評通り、メルセデスのロズベルグ。スタート直後にトップを獲ってからは誰も追いつけない一人旅で、危なげなくチェッカーまでクルマを運びました。とはいえ PP を獲得したチームメイトのハミルトンが序盤にマシントラブルでリタイアするなど、パフォーマンスはともかく信頼性に関しては決して盤石とも言えなさそう。少なくともシーズン前半は優位な状態が続くでしょうが、このままどちらかが独走でチャンピオンシップを制すか、と言われれば、その結論を出すにはまだ早すぎます。

驚いたのが、2 位に食い込んだ(レース後に失格の裁定が下されたとはいえ)のダニエル・リカルド。リカルド自身の速さについて疑うものではありませんが、プレシーズンテストで散々な状態だったマシンを開幕戦でここまで競争力のある状態にまとめてきたのは、さすがレッドブルとしか言いようがありません。ヴェッテルは予選からセットアップが決まらず、決勝でも早々にリタイアしてしまったことから、パワーユニットはまだ完全と言える状態からは程遠いのでしょうが、思っていたよりも早期にトップ争いに絡んでくる可能性があります。まあ、それも失格処分の原因となった燃料流量の違反がどの程度パフォーマンスに影響していたか次第ですが。

3~4 位(リカルドの失格により最終的には 2~3 位)は、これもまた順当に下馬評通りマクラーレンの 2 台。でも、先にゴールしたのがバトンではなく新人のマグヌッセンというのが驚き。今回はバトルらしいバトルがなかったのでインパクトのある走りではありませんでしたが、逆にデビュー戦で、それもここまで荒れたレースで、これだけ落ち着いた走りができるのがすごい。これはもしかすると、マクラーレンはハミルトン以来の逸材を引き当てたのかもしれません。いずれにしても、最悪のシーズンとなった昨季から、マシンの仕上がりもドライバーラインアップも上々とくれば、来季のホンダ参戦に向けて期待が高まりますね(←さすがに気が早すぎ)。
メルセデス勢ではウィリアムズのボッタスが光る走りで 6 位入賞を果たしていますし(個人的には、ボッタスは今季最終的にマッサを下して頭角を顕すと思う)、フォースインディアも 2 台完走でヒュルケンベルグが 7 位入賞。フェラーリ勢もイマイチパッとしないし、ルノー勢に至ってはトロロッソが比較的悪くない結果(9・10 位)だった以外はトラブル続きで散々な結果。パワートレインによってこれだけ明暗が分かれてしまうと、逆にシーズンが面白くなくなるのではないかと不安になります。

そして、1 年ぶりに F1 に戻ってきた我らが可夢偉ですが...ブレーキトラブルにより 1 周もできずに、それもマッサを巻き添えにしてのリタイア(´д`)。チームメイトのエリクソンもパワートレインのトラブルでリタイアしているので、仮に 1 周目のトラブルがなくても走りきれなかった可能性の方が高いでしょうが、かえすがえすも残念です。ブレーキトラブルといっても MGU-K の回生ブレーキ制御周りでしょうから、ルノーのパワートレイン問題の根がいかに深いか、ということの証左でもあります。それに、空力よりもパワートレインやセッティングの自由度が重要となる今季において、マクラーレンでさえ 1 シーズンで放棄したフロントプルロッドサスペンションを空力のために今季から導入するというのも、裏目に出るとしか思えません。今年の可夢偉が活躍できるとしたら、ほとんどのチームで信頼性が確立しない序盤戦(少なくともヨーロッパラウンドが始まる前まで)に石にかじりついてでも完走し、荒れたレースでポイントを拾うくらい。パフォーマンスも信頼性もないマシンで戦わなくてはならない可夢偉には、これから辛い 1 年が待っていそうな気がしてなりません。

投稿者 B : 00:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/02/01 (Sat.)

F1 2014 プレシーズンヘレステスト

ヘレステスト初日 ライコネンがファステスト
ヘレステスト2日目 バトンがトップタイム
ヘレステスト3日目 マグヌッセンがトップタイム
ヘレステスト最終日 マッサがファステスト

2014 年シーズンに向けたプレシーズン合同テストがスペイン・ヘレスで開催されました。ここまで新車発表を行わなかったチームのマシンお披露目と、現時点での各チームの戦力分布が見える、注目のテストです。

4 日間を通じてメルセデス勢が安定したパフォーマンスを発揮し、マイレージを稼ぐと同時に連日のトップタイムを記録。パワートレインの重要性が増す今シーズンにおいて、現時点から高い完成度にあるというのは大きなアドバンテージではないでしょうか。いっぽうで、昨年まで圧倒的な速さを誇ってきたレッドブルをはじめとするルノー勢が、パワートレインのトラブルでまともに集会を重ねられていない、というのが気になります。
開幕まであと 1.5 ヶ月。開発を進める時間はあるとはいえ、周回を稼げているメルセデス勢と、まともに走れていないルノー勢で、テスト期間中にさらに差が開いてしまっているようにも見えます。これが開幕までにどの程度の差として現れるか。思い出すのはレギュレーションの大改定があった 2009 年。シーズン後半の最速は間違いなくレッドブルだったものの、ダブルディフューザーによりシーズン序盤に圧倒的なアドバンテージを稼いだブラウン GP が結局逃げ切ったことは、今も記憶に新しいところです。おそらくレッドブルはシーズンのどこかで追いついてくるでしょうが、メルセデスやマクラーレンにとっては今のうちにどれだけ差を作っておけるか、が今季の焦点になりそう。

我らが小林可夢偉もテスト最終日に新しい緑色のレーシングスーツに身を包み、54 周を走行したとのこと。ルノー陣営なのでやはりトラブルには見舞われたようですが、ウェットコンディションとはいえルノー勢の中では最も周回をこなし、同じパワートレインを使うレッドブルやトロロッソよりも速かったというのは朗報でしょう。シーズン中はこうはいかないでしょうが、このパフォーマンスが 2015 年に繋がる、と信じたいものです。

次回テストは 2/19 のバーレーン。それまでにこの差は縮まるのか、それとも逆に広がるのか。

投稿者 B : 20:14 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/01/28 (Tue.)

F1 2014 年の新車続々発表

ウィリアムズ 新車の画像を公開 - GPUpdate.net
マクラーレン MP4ー29を発表 - GPUpdate.net
ロータス 新車E22の画像を公開 - GPUpdate.net
フェラーリ F14 Tを発表 - GPUpdate.net
ザウバー C33を発表 - GPUpdate.net

29 日からのヘレステストを前に、F1 各チームから新車発表が続いています。ここまで発表したのウィリアムズ、マクラーレン、ロータス、フェラーリ、ザウバーの 5 チーム。コスト削減の折、年々発表会の規模を小さくしたりオンラインのみでの発表とするチームが増えていますが、今のところ今年は全体的に近年で最も地味な新車発表となりそうです。

今季のテクニカルレギュレーション最大の変更点は、マシンの動力。エンジンが V6 ターボに変更されることに加え、回生エネルギー(ERS)も採用するのがポイントです。今までも KERS はありましたが主にオーバーテイク目的の補助的な役割しか担っていませんでした。今年は ERS が昨年の KERS に比べて最大出力で 2 倍、エネルギー放出量で 10 倍となり、重要度がエンジンに匹敵するレベルになります。このパワートレイン(エンジン+ERS)をどう仕上げ、マシンというパッケージにまとめてくるか、が各チームの開発力の見せ所となります。
その他のポイントとしては、最低重量の増加、フロントウィングの狭幅化、モノコック先端高・ノーズ高の低減、排気管の位置・数・排気方向の制限という感じで、パワートレインの根本的な変更ほどのインパクトはありませんが、昨年までのコアンダ・エキゾーストが事実上使用できなくなったこと(まあ、何らかの形で同様の効果を狙った開発は継続されるでしょうが)により、空力の考え方が昨年までとは異なってきます。

ここまで発表されてきた各チームのマシンを見ると、まず目につくのはノーズの形状。ノーズ高が 550mm→185mm と今季より大幅に制限されたことを受け、どのチームも先端が極端に下がった異様なノーズを採用してきています。ルノーはかつてのウィリアムズ FW26 のセイウチノーズを彷彿とさせるフォーク型、フェラーリは単純に先端だけを低くしたカモノハシ型、マクラーレンとザウバー、ウィリアムズは先端だけが異様にすぼまったアリクイ型。フェラーリ以外は従来のノーズの高さに当たる部分からを事実上のノーズととらえて、それよりも前の部分を空力的に極力邪魔しないように、という考え方なのでしょう。しかし、2012 年のステップドノーズ以上の醜さを、残念ながら感じてしまいます。「速く走りさえすればカッコ良く見える」というのもある種の真実ですが、ステップドノーズは結局最後まで美しいと思えなかったからなあ。

という感じで、どうしてもノーズ周りに目が奪われがちですが、まず重要なのはパワートレインと空力。こればっかりは走り出してみないと分からないので(まあレースで同条件で走らせてみるまで分からないわけですが)、とりあえず他チームの新車発表とへレステストの状況に引き続き注目していきたいと思います。

投稿者 B : 00:24 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/01/22 (Wed.)

小林可夢偉がケータハムで F1 復帰へ

ケータハム 可夢偉とエリクソンをレースドライバーに起用

2014 年の F1 レースシートの最後の二つ、ケータハムのドライバーラインアップが発表されました。そこに名前が挙がったのは我らが小林可夢偉と、スウェーデンの新人マーカス・エリクソン。可夢偉がケータハムと交渉していることはしばらく前から明らかになっていましたが、ようやく正式発表となりました。

いやー、長かった。昨年、ザウバーのシートを失った可夢偉が WTCC フェラーリワークスのシートを獲得したときはマッサの後釜としての 2014 年の可能性を夢見たものでしたが、アロンソ&ライコネンというラインアップを見てしまっては、どちらかがチームと決定的な決裂でもしない限り、可夢偉が入り込む余地はなさそうということは、火を見るより明らかでした。その後、ロータスやフォースインディアとも交渉していたようでしたが結局かなわず、最終的にケータハムでまとまったわけです。我々が期待した中ではもっとも地味な結果ではありましたが、昨年ライコネンがシーズン半ばにしてロータスを離脱した際にコヴァライネンが抜擢されたことからも分かるとおり、今の F1 では少なくともパドックで存在感をアピールすることが重要。コヴァライネンは結局レースで結果を出せず、スポンサーも持ち込めずで 2014 年のレースシートを獲得できませんでしたが、WTCC にいてはそもそもその可能性にすら辿り着けなかったわけで、例えテールエンダーでもマシンに乗っていることがいかに重要か、ということでしょう。今はとにかく、その状況に到達したことを喜びたい。

まあ実際には 2014 年シーズンのケータハムには厳しい現実が待ち構えているものと思われます。最大限前向きに解釈すれば、ルノー製パワートレインとレッドブル製ギヤボックスという最強の遺伝子を受け継ぎ、2013 年シーズンを捨てて 2014 年向けの開発にリソースを振り向けてきた結果がどう出るか、という側面もありますが、レース運営という点ではパット・シモンズによって鍛えられたマルシャに 2013 年の間に差をつけられてしまったことも事実。そう簡単に可夢偉がトップチームの目に留まる活躍ができるとも思えませんが、まずは改めてスタートラインに立つことができた状況、と言えるでしょう。

これを契機に 2015 年にはマクラーレン・ホンダのシートを、という妄想はいかにも虫が良すぎる気はしますが、少なくとも入賞圏が狙えるチーム、できれば表彰台が争えるチームへの移籍に向けて。小林可夢偉、勝負の一年となりそうです。

投稿者 B : 01:05 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2013/12/31 (Tue.)

ミハエル・シューマッハーがスキー事故で重体

シューマッハー、スキー中の事故で緊急搬送 - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)
重体のシューマッハー、頭蓋内圧迫の恐れも - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

年末になかなかショッキングなニュースが。元 F1 ワールドチャンピオンのミハエル・シューマッハーがフランスでのスキー中に事故に遭い、頭部に重傷。すぐに病院に搬送されたものの昏睡状態で、まだ予断を許さない状態とのこと。

岩にぶつかる事故とのことですが、ヘルメットを被っていてさえそれだけの重傷ということなので、どれだけのスピードが出た状態で激突したのか想像もつきません。F1 ドライバーといえど生身の人間ですからね...。300km/h 級のスピードでウォールに激突してさえほぼ無傷ということも少なくない F1 マシンがいかに安全か、ということを、このことで改めて認識もしようといものです。

さておき、偉大なチャンピオンがこんなことであっけなく命を落としてしまう、という悲しい結末だけは見たくありません。かつては「ターミネーター」と恐れられ、レース中の事故で右足を骨折してさえシーズン中に復帰できるまでの回復を見せた、屈強なアスリート。その強さを再び発揮し、我々の前に元気な姿を見せてくれることを、今は祈っています。

投稿者 B : 13:30 | F1 | コメント (0) | トラックバック

2013/12/11 (Wed.)

F1 最終戦のポイントが 2 倍に

2013 年シーズンが終わって一抹の寂しさが残る F1 ですが、コース以外のところでは引き続きいろいろと動きがあり。
  • ロス・ブラウンがメルセデス GP を離脱
  • そのロス・ブラウンにガーデニング休暇後のマクラーレン入りの噂
  • 一方でそのマクラーレンにはロン・デニスのチーム代表復帰の噂
  • ロータスのドライバーラインアップはグロジャン&マルドナドで確定
  • ヒュルケンベルグはフォースインディアに出戻り
  • ザウバーのドライバーラインアップはまだ未確定
  • ロシアマネーつながり(?)でザウバーとマルシャに合併の噂
などなど。ホンダが復帰する 2015 年を見据えるとどうしてもマクラーレンの動向が気になってしまうところですが、最悪の 2013 年シーズンを終えて、来季は少しでも上向くことを期待しましょう。

そんな折、レギュレーションの変更に関する唐突な決定事項が。

最終戦ダブルポイントシステム導入へ - GPUpdate.net

えーーー、何それ。なんかのクイズ番組かよ!という(´д`)。

2013 年こそヴェッテルの独走で早々にダブルタイトルが確定してしまいましたが、近年の F1 は 2007・2008・2010・2012 と最終戦までチャンピオンシップがもつれ込むことが非常に多い。終盤戦を消化試合にせず、最後まで競争を盛り上げたいという意図は分からなくはないですが、「1 勝の重み」に名誉(例えばモナコとか)以外の差を設けるのはどうなのか。第 18 戦を終えた時点でドライバーズランク首位に 49 ポイント差をつけられていても、最終戦で勝ったら逆転チャンピオンの目がある、というのはいくらなんでも興ざめではないでしょうか。
もう導入は承認されてしまったようなので、今から言っても仕方ありませんが、なんだかなあ。

予算制限とドライバー固定番号が導入 - GPUpdate.net

あと、バジェットキャップとカーナンバー固定制。

2015 年から導入されるバジェットキャップ制は、2010 年に一度導入の動きがあったものの、FOTA(F1 チーム側の連合組織)からの反発に遭って最終的にはチーム間の自主的なリソース制限協定(RRA)として導入された経緯をもつものです。その RRA も抜け道だらけで事実上の骨抜き状態。まあ、下位チームならまだしも、ロータスやザウバーのような中堅チームでさえ資金難にあえぎ、ペイドライバーを採用せざるを得ない状況を考えれば、ある程度のバジェット制限は F1 の健全な存続のために必要なのだろうと思います。

カーナンバー固定制はこれまた唐突に 2014 年からの導入。
F1 のカーナンバーは、1996 年に現在の「1 番は前年のドライバーズチャンピオン、2 番はそのチームメイト、3 番以降は前年のコンストラクターズランク順」というレギュレーションが導入されましたが、それ以前はチーム単位でのカーナンバー固定制が長らく使われていました。3・4 がティレル、5・6 がウィリアムズ、7・8 がマクラーレン、27・28 がフェラーリ、という数字はマシンカラーと同じくらいそのチームの個性を表す番号だったし、ナイジェル・マンセルのように 1 チームに長く在籍していたドライバーにとっては「レッドファイブ」はニックネームと同義でした。
そういう意味では、現在の無味乾燥なナンバリングよりは愛着が持てるというものですが、当時と違うのは「ドライバーごとに固定番号になる」ということ。有力ドライバーならまだしも、印象の薄いチームだと「どっちがどっちだっけ」となりやすいので、ややこしい(笑。まあ、現在の F1 マシンはスポンサー枠が細かく設定されすぎていて、カーナンバーの掲出自体が小さかったりデザイン的に埋もれてしまったり、という問題もあります。カーナンバー固定制を有意義に使うためにも、カーナンバー自体を目立たせるようなデザインも重要だと思うんですけどね。ただ、「ロゴのプライオリティをどうするか」というのは広告的にはすごく重要な話でもあるので、スポンサーからの反発は必至でしょう。

ともあれ、来年は誰がどの番号をつけて走ることになるのでしょうか。個人的には、アロンソは 5 番のマシンを駆っているシーズンが多いせいで、5 番のイメージが強いんですが。

投稿者 B : 00:09 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2013/11/27 (Wed.)

F1 ブラジル GP 2013

ブラジルGP決勝 ヴェッテル9連勝、レッドブル1ー2

2013 年の最終戦ブラジル。私はアメリカに続いての録画観戦でしたが、大方の予想通りヴェッテルが同一シーズン内 9 連勝という新記録、およびミハエル・シューマッハーに並ぶシーズン 13 勝の最多勝記録を打ち立てての終戦となりました。
ヴェッテルはスタートでこそロズベルグに先行されたものの、1 周目の最終コーナーの立ち上がりであやまたずロズベルグを捉えると、そのまま誰にもポジションを脅かされることなくチェッカーまでマシンを運びました。とはいえ、例によっていつ雨が降ってくるか分からないインテルラゴスで、しかもボッタスとハミルトンの接触を契機に慌てて入ったピットではタイヤが用意されておらず 10 秒以上のロス、というアクシデントもありました。とどめはレース終盤にどんどん天候が悪化する中、最後まで走りきれるのかどうか、という怖さもあり。5 年前のブラジルのように、ラスト数周で雨によるドラマが用意されていないとも限らないので、ちょっと手に汗握る展開ではありましたね。

結果的にはいつも通りヴェッテルが優勝、それも後半戦全勝という圧倒的な強さを見せつけたわけですが、2 位以下はなかなか熱い戦い。フェラーリ・メルセデス・ロータスと、マクラーレン・フォースインディア・ザウバーあたりのドライバー/コンストラクター順位を懸けた最後のレースだけに、力が入りました。その中でも際立ったのが、ラストレースとなったウェバーの気を吐いた走りと、いつも通り勝負所をわきまえたアロンソの走り、そしてスムーズに順位を上げていくバトンの走り、あたりでしょうか。今シーズン最終戦の表彰台がヴェッテル・ウェバー・アロンソという顔ぶれになったのは、今季を締めるという意味で象徴的だったと言えます。また、長らくそれぞれのチームに貢献してきたウェバーとマッサの別れを惜しむような表情にも、印象的なものがありました。

ともあれ、シーズンが終わったらもう気持ちは来季ですよ。テクニカルレギュレーションがガラリと変わるシーズンとはいえ、ここまで蓄積してきたヴェッテル&レッドブルの強さというのはそうそう覆せるものではありません。2 枚エース体制になるフェラーリはマシン開発とチームのガバナンスが、ロス・ブラウンが離脱すると言われるメルセデスは求心力・政治力と安定性のあるマシンパフォーマンスが、ロータスはそもそも資金が、そしてマクラーレンは技術部門の立て直しが鍵になると言えるでしょう。こうして見ると、よほど他チームが新パワートレインの開発で圧倒的なアドバンテージを築くか、例によってダブルディフューザーのようなレギュレーションの抜け穴を見つけるかでもしない限り、レッドブル優勢は変わらないように思えます。

ドライバー市場のほうは、結局資金のめどがつかないロータスがスポンサー持ち込みを欲し、いっぽうでペレスを放出するマクラーレンが提携関係にあるフォースインディアにペレスをねじ込もうとしていることで、そこから芋づる式に埋まっていきそうな気配。おそらくロータスはグロジャン&マルドナド、フォースインディアはヒュルケンベルグ&ペレス、ザウバーはスーティル&グティエレス or シトロキン、といった形で落ち着きそうです。新レギュレーションを全くの新ドライバーラインアップで迎えることは得策ではないと思いますが、資金確保とパフォーマンスの狭間で悩める中団チームにとっては、背に腹はかえられない状況ということなんでしょうね。

F1 はこれから約 3 ヶ月半の冬休みに入ります。とはいえ 1 月末くらいから順次新車が発表されていくでしょうし、来季はレギュレーション変革でクルマのスペックも見た目も現在とは大きく変わります。これだけ新車発表が待ち遠しいオフシーズンも久しぶり。どんなマシンが出てくるのか、今から楽しみです。

投稿者 B : 00:31 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/11/18 (Mon.)

F1 アメリカ GP 2013

アメリカGP決勝 ヴェッテル独走で8連勝 - GPUpdate.net

ヴェッテルの、史上初となる同一シーズン 8 連勝がかかったアメリカ GP...は、ごくごくあっさりとヴェッテルがポールトゥウィンを決め、ミハエル・シューマッハーの持つ記録を塗り替えました。記録が更新される瞬間って得てしてこういうもの、という気もしますが、それにしてもあっさり決まっちゃいましたね。振り返ってみれば今シーズンここまで 18 戦でヴェッテルが 12 勝、もはや誰もヴェッテルを止められない状況なので、このまま行けばブラジル GP ではアルベルト・アスカリのもつシーズンまたぎでの出場レース最多連勝記録、9 連勝に並ぶ可能性も限りなく高いと思います。同じマシンを駆るウェバーが今季ここまで 0 勝であることを考えると、RB9 の速さだけでなくいかに「ヴェッテル+RB9」というパッケージだけが抜きん出て強いか、ということですね...。

レースに関して言えば、やはりコンストラクターズランキング争いが熾烈で、ウェバーを抑えきったグロジャンの走りとか、相変わらず確実に抜いていくアロンソとか、独り敢闘するヒュルケンベルグとか、ようやく初ポイントをもぎ取ったボッタスとか、見どころは少なくないレースでした。が、やはり圧巻はもう誰も寄せ付けないヴェッテルの速さに尽きるでしょう。

ストーブリーグはまた少し動きがあって、マクラーレンでは来季からのペレスの離脱と新人マグヌッセンの加入が発表されたり、ライコネンが離脱したロータスのシートはひとまずコヴァライネンが埋めることになったけど来季のシートはコヴァライネンがそのまま据わるのか、やはりマルドナドが来るのか、実力でヒュルケンベルグなのか、メキシコマネーに物を言わせてペレスが割り込むのか...などまだ不透明。残るフォースインディア、ザウバー、ケータハムあたりのシートはロータスからの玉突きで決まってしまう部分もあるので、ここがどうなるかが一つの見どころだと思います。

さて今季も次でオーラス、今週末のブラジル GP を残すのみとなりました。またヴェッテルがあっさりと連勝記録を伸ばして行ってしまうのか、あるいは「インテルラゴス・ウェザー」が記録達成を阻むのか。もうそこだけがポイントと言っても過言ではないレースですが(笑)、楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/11/12 (Tue.)

F1 マッサがウィリアムズのシートを獲得

ウィリアムズ マッサとボタスのラインナップを発表 - GPUpdate.net

フェラーリ放出が確定していたマッサが来季ウィリアムズで走ることが明らかになりました。ウィリアムズ的には R. バリチェロ以来のブラジル人ドライバー起用となりますが、フェラーリで長年セカンドドライバーを務めた末にウィリアムズで、というキャリアを辿るのは偶然にしては似すぎていますね。ウィリアムズは今シーズン途中から TD に元ルノーのパット・シモンズを起用し、来季からはメルセデスのパワートレインを採用するなど、開発体制が大きく変わるタイミング。これが吉と出るか凶と出るかはまだ分かりませんが、少なくともチーム創設以来最悪のシーズンを過ごしている今年より悪いことはそうそうないでしょう。今季のマルドナド・ボッタスという経験の浅いコンビの片割れが入れ替わることで、開発が加速する可能性もあります。そういう意味では、ウィリアムズは来季の飛躍が楽しみなチームの一つ。

ウィリアムズを離脱したマルドナドは、PDVSA(ベネズエラ国営石油会社)の豊富な資金力をバックに来季のロータス入りが濃厚と言われています。資金難でライコネン離脱の原因となったロータス(結果的に、ライコネンは今シーズン 2 戦を残して事実上チームを離脱することになり、今週末の USGP は欠場するようです)には喉から手が出るほど欲しい大スポンサー。ただ、同じ石油企業としては現在トタルと契約しており、そのトタルが推すグロジャンとの関係も気になるところ。

ともかく、現時点でのラインアップ予想はこんな感じでしょうか。

レッドブル◎ S. ヴェッテル
◎ D. リカルド
フェラーリ◎ F. アロンソ
◎ K. ライコネン
マクラーレン◎ J. バトン
△S. ペレス
△ K. マグヌッセン
ロータス○ R. グロジャン
○ P. マルドナド
△ N. ヒュルケンベルグ
メルセデス◎ N. ロズベルグ
◎ L. ハミルトン
ザウバー○ E. グティエレス
△ N. ヒュルケンベルグ
○S. シトロキン
フォースインディア◎ A. スーティル
△ P. ディ・レスタ
△ N. ヒュルケンベルグ
ウィリアムズ◎ F. マッサ
◎ V. ボッタス
トロロッソ◎ J-E. ヴェルニュ
◎ D. クビアト
ケータハム△ H. コヴァライネン
△ C. ピック
マルシャ◎ J. ビアンキ
△ M. チルトン
△ K. マグヌッセン
残っているシートで競争力があるのは、マクラーレン・ロータス・ちょっと差があってフォースインディア・ザウバーといったところ。ドライバー的にはヒュルケンベルグがどこに行くか、が最大の注目ポイントでしょうか。マクラーレンは、2015 年からのホンダ加入を見据えて小林可夢偉を獲ってくれたりしないですかね(^^;;。

投稿者 B : 23:12 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/11/04 (Mon.)

F1 アブダビ GP 2013

アブダビGP決勝 ヴェッテルが7連勝を飾る - GPUpdate.net

前戦インドでダブルチャンピオンを決めたヴェッテル&レッドブルの勢いが止まらない。このアブダビでも、PP こそチームメイトのウェバーに譲ったものの、スタートでヴェッテルが先行し、そのまま一度もラップリーダーを譲ることなく優勝。同じマシンを駆る 2 位のウェバーに 30 秒以上の大差をつけての勝利で、もはやヴェッテルを止められるマシン&ドライバーはいないのでは...とさえ思えます。
インドではスタート 3 周でのタイヤ交換から怒濤のオーバーテイク連発で、ヴェッテルにしては珍しく追い上げる勝ち方をしましたが、アブダビではいかにもヴェッテルらしい勝ちパターン。ミハエル・シューマッハーに並ぶ同一シーズン内 7 連勝の記録まで打ち立てました。どんなサーキットでどんな戦い方でも勝てる、という強さは一時期のミハエルを思わせるものがあります。いや、ミハエルにはライバルと言えた存在はミカ・ハッキネンくらいのもので、ライコネンとアロンソが台頭してくるまでは渡り合えるドライバーがいなかったことを考えると、現在のヴェッテルは他に 4 人のチャンピオン経験者がグリッドに並ぶ状況でのこの結果。ドライバーとしての純粋な強さで言えば、もはやミハエルさえ超えようとしているような気もします。次はアルベルト・アスカリの持つシーズンをまたいでの連勝記録(9 連勝)も見えてきました。
今年は V8 エンジン最終年ですが、RB9&ヴェッテルの組み合わせは最終年に相応しい「V8 レギュレーション最強パッケージ」だと思いますね。圧勝で早々にチャンピオンを決めてしまった 2011 年の RB7 のときよりも、今シーズン後半戦の RB9&ヴェッテルのほうが圧倒的な安定感があります。

そんなわけで、独走すぎてほとんど国際映像にほとんど映らないヴェッテルに比べて、コンストラクターズランキング 2 位争いは熾烈を極めていますね。フェラーリ・メルセデス・ロータスに加えてそれぞれのコンストラクターズランクがかかるフォースインディア・ザウバーあたりも絡んで、コースのあちこちで丁々発止の駆け引きが見られ、なかなか楽しめました。ヴェッテルばかり映っていたら寝落ちしていたに違いないですが(笑)、おかげで退屈せずにすみました。
今年も残すところあと 2 戦、あとはアメリカ大陸シリーズになるのでリアルタイム観戦が難しいのですが、できるだけネタバレを避けて録画視聴したいと思います。

投稿者 B : 22:07 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/10/29 (Tue.)

F1 インド GP 2013

インドGP決勝 ヴェッテル優勝で4連覇達成! - GPUpdate.net

ヴェッテルのワールドチャンピオン確定がかかったインド GP は、いつもとは違うレース戦略でも圧倒的な速さを見せつけたヴェッテル&レッドブルがシナリオ通りの優勝。夏休み明け以降破竹の 6 連勝で、ドライバーズ&コンストラクターズでの 4 連覇を成し遂げました。

いつもならばポールスタートから 3 周の間に圧倒的なリードを築き上げて最後まで逃げ切るレッドブルですが、今回はなんと 2 周目にソフトタイヤを捨ててピットイン。そこからはミディアムタイヤで追い上げ、オーバーテイクして勝つ、というレッドブルらしからぬ戦略。スタート時に履いていたソフトタイヤが極端にもたないから、というのも理由の一つでしょうが、チャンピオンを決めに行くにあたり「こういう勝ち方も実はできる」ことを見せつけたかったのかな、と穿った見方をしたくもなります。加速重視のギヤレシオを選択しがちなセッティングでも、今回はオーバーテイクを前提にトップスピード重視にしてきた、というのも興味深いところ。
さりとてこの勝利も簡単なものではなく、中盤にウェバーがオルタネータートラブルでリタイア。その後、ヴェッテルにもピットから「ドリンクを使うのをやめろ」という指示が出るなど、同様のトラブルを抱えていた可能性はあります。終盤はペースセーブする場面も見られましたが、今季後半のヴェッテルはどんな戦略も遂行してしまう力強さと、悪運を寄せ付けない神がかり的な強さを兼ね備えていました。文句なく、4 年連続のワールドチャンピオンに相応しい。ヴェッテルばかり勝ちすぎると面白くない、と思う部分もありますが(笑)、この結果には素直におめでとうと言いたいです。

対称的なのはアロンソ。どんなマシンでもクルマの素姓以上の結果を残せる強さはヴェッテル以上だとは思いますが、ヴェッテルに比べると運のなさは否めないところ。今回もスタート直後に接触し、順位を大きく落とした時点でヴェッテルの戴冠はほぼ確定していたと言えます。来季はチームメイトにライコネンが来ることになりますが、発奮してより高い成績を残せるのか、それともフェラーリのモンテゼモロ会長との確執がより強まることになるのか。
ロータスは 2 台とも 1 ストップ戦略に出るというギャンブルを敢行。このまま手をこまねいていてはコンストラクターズランクでフェラーリとメルセデスに勝てないので、一発逆転のチャンスを狙ったというところでしょうが、これが成功。ライコネンはラスト数周でタイヤ・燃料ともに限界を迎え、2 位から 7 位に後退してしまいましたが、グロジャンが 3 位表彰台を獲得。なにげに韓国 GP からの 3 戦連続ポディウムで、最近高まってきている安定性を証明する結果になりました。来季のチームメイトはスポンサーの PDVSA 持ち込みでマルドナドが濃厚と言われていますが、この状況ならばグロジャンがエース待遇を受けてもおかしくありません。

両チャンピオンが決定して残り 3 戦は消化試合という形になりますが、それぞれのレース自体はまだまだ目が離せません。特に、メルセデス・フェラーリ・ロータスのコンストラクターズ争いと、ストーブリーグに向けて残り少ないシートを賭けた争いがさらに熾烈になりそうです。いっぽうで、チャンピオン争いの重圧から解き放たれたヴェッテルの切れた走りと、現役生活残り 3 戦となったウェバーが最後にもう一花咲かせるのか、にも注目していきたいところ。アブダビ GP は、もう今週末です。

投稿者 B : 00:00 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/10/14 (Mon.)

F1 日本 GP 2013 決勝

日本GP決勝 ヴェッテルが逆転優勝、2位はウェーバー - GPUpdate.net

日本 GP 決勝。最速の 2 台、ウェバーとヴェッテルのフロントロウ対決になるかと思われましたが、思わぬ伏兵・R. グロジャンがレースを面白くしてくれました。蹴り出しの悪かったレッドブルの 2 台を抑えて第 1 コーナーに飛び込み、終盤までレースを支配。グロジャンはピレリタイヤの構造が昨年型に戻されたシーズン中盤からマシンとの相性が合ってきたようで、尻上がりに成績を出してきていますね。

対するレッドブルはヴェッテルとウェバーでピット戦略を分け、グロジャン攻略に乗り出すわけです。ヴェッテルを 2 ストップ、ウェバーを 3 ストップにしたのはチーム側のヴェッテル重視の姿勢がよく現れていると思いますが(今年のピレリタイヤならば鈴鹿では 2 ストップのほうが速い)、最終的に両作戦ともを成功させ、予定通りの 1-2 フィニッシュに持っていったチーム力とドライバーの力量は、さすがの一言。特にヴェッテルは久しぶりの追い上げる展開からの優勝で、先行逃げ切りだけじゃないというところを見せつけました。タレてきたタイヤを持たせながらも攻める走りは見事でしたし、ウェバーもグロジャンを仕留めた一周の攻め方は素晴らしかった。

でも私は、今回のレースの主役にはグロジャンを挙げたいと思います。終盤、タイヤも燃料も限界を迎えたところでレッドブルの 2 台にオーバーテイクを許しはしたものの、マシン性能に勝るレッドブルの 2 台を 40 周にわたって抑え続けた走りは、昨年の「危険なドライバー」という印象を覆すに足るものだったと思います。これは、ライコネン離脱後のロータスを引っ張っていけるだけの力はあると言っても過言ではないのでは(チームメイトとしてヒュルケンベルグやマッサといった実力派の名前が取り沙汰されているので、実際にチームリーダーの役割を得るかは判りませんが)。
今回のリザルトには、担当レースエンジニアである小松礼雄さんとのコンビネーションも抜きには語れないでしょう。個人的には、日本 GP で日本人エンジニアがサポートするドライバーがポディウムの中央に立ってほしい、という思いから、むしろグロジャンにそのまま優勝してほしいと願ったほど。悔しくもそれは叶いませんでしたが、相手がレッドブルだったことを考えると、今回のグロジャンの走りは優勝に値するものだったと思います。

それ以外にも、アロンソ・ライコネン・ヒュルケンベルグ・リカルドあたりのポイント争いも、複数台のマシンが絡み合いながら差しつ差されつの展開で、本当に見応えがありました。これぞドライバーズサーキット、これぞ鈴鹿。このトラック上に小林可夢偉の姿がないことだけが、唯一の心残りだったと言っていいでしょう。今年の鈴鹿は、昨年に勝るとも劣らない素晴らしいレースでした。

日本に鈴鹿サーキットがあって、良かった。

投稿者 B : 13:11 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/10/13 (Sun.)

F1 日本 GP 2013 公式予選

日本GP公式予選 ウェーバーがPP、レッドブルがフロントロー独占 - GPUpdate.net

始まりましたねー日本グランプリ。私は今年は珍しくどのセッションも生で見られないのですが(´д`)、鈴鹿の映像を観るとそれだけでワクワクします。映像も日本のテレビに最適化されたフジテレビ収録なので、いつもの国際映像よりも画も音もキレイなのも嬉しいところ。

で、予選。鈴鹿と相性の良い最速のマシンを駆るヴェッテルがぶっちぎりのポール、状況によってはハミルトンとの真っ向勝負...かと思いきや、Q3 で KERS のトラブルが発生し、その影響でタイムを詰め切れず、チームメイトであるウェバーに先行されてしまいました。ミハエル・シューマッハーに並ぶ 5 年連続 PP もフイに。とはいえ、2 番グリッドならばスタートダッシュさえ失敗しなければ優勝はじゅうぶん狙える位置。鈴鹿ウィナー最右翼のポジションは変わらないと言えるでしょう。
対するウェバーのほうは、今年はマシンとの相性がよろしくないのか振るわないレースが続いていましたが、ようやく今季初 PP。「最速のマシンの片割れ」を手にしていることを改めて示してくれました。引退発表後の最後の鈴鹿、ドライバーズサーキットでの PP、花道としては素晴らしいんじゃないでしょうか。

アロンソとライコネンが 8・9 位に沈んだことで、スタートでの波乱がなければレッドブルの 1-2 がスタート直後からリードを築いていく、というお決まりの展開になってしまいそうな決勝レース。スタートに成功すればハミルトンやグロジャンがレッドブルに攻めかかる展開も見られるかもしれませんが、いずれにしてもヴェッテル独走よりも見応えのあるレースを期待したいところ。25 回目の鈴鹿、決勝を楽しみに待ちたいと思います。

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2013/10/07 (Mon.)

F1 韓国 GP 2013

韓国GP決勝 ヴェッテルが4連勝、ライコネン2位 - GPUpdate.net

F1 韓国グランプリは、数戦ぶりにちょっと荒れ気味のレースになりました。ディ・レスタのクラッシュとウェバーのもらい事故で計 2 度のセーフティカー導入。それにロズベルグのフロントウィング脱落、ペレスの右フロントタイヤトレッド剥離、などアクシデント満載。

そんな中、何者をも寄せ付けない安定感のあるレース展開で、堂々の 4 連勝、3 戦連続ポールトゥウィンを達成。夏休み明け後の RB9+ヴェッテルはもう手をつけられない速さを身につけていますね。空力とセットアップ、タイヤマネジメントの最適解を見出したようで、どんなサーキットでも強い、というオールマイティなマシンに仕上がっているようです。
ヴェッテルもヴェッテルで、一時期は全盛期のセナのように「とにかくポールからスタートして、最後まで速く走って大差をつけて勝つ」ことを楽しんでいたように見えましたが、今は「プッシュすべきときはプッシュする、セーブすべきときはちゃんと自分をコントロールする」ということができるようになってきたようです。特にスタート直後や SC が戻った直後のファストラップは見事。天性の速さに加えて、アロンソのお株を奪うような強さまでも身につけつつあるように見えます。
これでチャンピオンシップはアロンソに 77pt 差。残り 5 戦、次の鈴鹿で戴冠するためには自身が優勝、アロンソが 9 位以下でなくてはならないので、さすがに鈴鹿でのチャンピオン決定はないでしょうが、もはや決定的な状況になりましたね。

今回良かったのは意外にもロータスとザウバー。どちらも今季のマシン開発は事実上終了し、あとは「ありもので戦う」状態。ロータスはフェラーリやメルセデスについていけない状態、ザウバーはトロロッソに後れを取る状況になっていましたが、今回はロータスが 2-3 フィニッシュで表彰台獲得、ザウバーが今季初めて 2 台揃っての Q3 進出からのヒュルケンベルグ 4 位フィニッシュ。いずれもタイヤに優しいマシン特性とサーキットの相性が良かったこと、セットアップが決まったこと、2 度のセーフティカー導入にタイヤライフが救われたこと、など複数の要因が重なって得たリザルトであり、必ずしも現在のチーム力を反映した結果ではないでしょうが、これぞレース。特に、ヒュルケンベルグはハミルトン・ロズベルグ・アロンソ・バトンを抑えきっての 4 位であり、単純に運が良かっただけではありません。このヒュルケンベルグがなかなかトップチームのシートに恵まれないというのは、なんというか不遇ですね...。ライコネンが抜けるロータスのシートはヒュルケンベルグかマッサか、と言われていますが、今よりも争えるチームで走らせてあげたいところ。まあ個人的にはロータスのシートにはむしろ可夢偉に座ってほしいですが(笑。

今年で 4 回目の開催となった韓国 GP ですが、レース運営は相も変わらず杜撰ですね。サーキットの完成が初年度の開催にギリギリだったことから始まり、もともと関係者から不満は出ていたグランプリでしたが、今回特にひどかったのが事故車の扱い。残り少ない F1 でのレースの一つをスーティルからのもらい事故でフイにしてしまったウェバーには同情しかできませんが、コースマーシャルのもたもたした仕事(というよりしばらく放置されていた)で炎上した愛車の消化に時間がかかり、しかも粉末消化剤を使ったことで多くのパーツが使い物にならない状態に。これ、場合によっては全損でシャシーごと交換の必要もあるんじゃないでしょうか?シーズン終盤のフライアウェイでこの状況、というのは、ウェバーにとっては厳しいですよね...。

ともかく気を取り直して、来週は待ちに待った日本 GP。例年とは韓国 GP との開催順が逆になっていることで、ドライバーは既に日本に向けて移動を始めているようです。水曜日くらいまでを東京で過ごすドライバーも多いようで、これは月・火あたりに秋葉原や銀座ソニービルで待ち構えていれば、F1 ドライバーに遭遇できるチャンスもあるのでは。私は残念ながら仕事が休めそうにありませんが(´д`)。

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2013/09/24 (Tue.)

F1 シンガポール GP 2013

シンガポールGP決勝 ヴェッテルが余裕の3連勝 - GPUpdate.net

シンガポールのナイトレースは、予選から圧倒的な速さを見せつけたヴェッテルがレースを完璧に支配して圧勝。2 位アロンソに 60pt もの差をつけて、チャンピオンシップにおける優位性を確固たるものにしました。残り 6 戦、アロンソが全勝してもヴェッテルが 2 位を獲り続ける限りはアロンソに逆転の目はありませんからね...。

ヴェッテルはこれで夏休み明けから 3 連勝。今シーズンの勝率も 50% を超え、開幕当初の「レッドブルとフェラーリ、ロータスの実力が拮抗している」状況から、いまや「圧倒的に強いレッドブル(特にヴェッテル)」という状況になってきました。この間、新たなトリックデバイスを開発したわけでもなく、RB9 とピレリタイヤ、それにヴェッテルをマッチさせるセットアップの最適解を見つけた、ということなのでしょう。スパ、モンツァ、シンガポール市街地という特性の異なるサーキットで安定した速さを見せていることがそれを裏付けていると言えます。このままだと、来月の鈴鹿あたりでヴェッテルの四冠が確定してしまいそう。

2 位のアロンソも 3 位のライコネンも、スターティンググリッドから大きく順位を上げての表彰台で、その点では良い仕事をしたと言えます。特にライコネンは背中を痛めている中鎮痛剤を使ってのレースでこの結果、というのはさすが。しかし、それぞれ望み得る最高に近いレースを戦っても、まだヴェッテルに届かないのが実情。来季のレギュレーション変更を考慮すると、今のポイント差では最終戦まで今シーズン向けの開発を継続して戦うという判断もないでしょうね...。

シーズン終盤に向けて、中団のポイント争いがかなり激しくなってきていて、レースとしては見応えがあるグランプリが続いていますが、チャンピオンシップという点では「もう決着がついた」ことを実感した、そんなシンガポール GP でした。

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2013/09/13 (Fri.)

F1 ライコネンが来季フェラーリ復帰へ

フェラーリ ライコネン復帰を正式発表 - GPUpdate.net

リカルドのレッドブル招聘をきっかけに、俄に動き出した感のある来季 F1 のドライバー市場。長年の注目となっていたフェラーリのセカンドシートに、なんとライコネンの復帰が決定。おそらくマッサは今季限りなんだろうな...という気配は夏休み前くらいからありましたが、モンテゼモロ会長から半ばお払い箱にされたに近い形でフェラーリと決別したライコネンが再び紅いマシンのシートに収まる、というのは、さすがにちょっと驚き。

ロータスは今季の中盤戦にさしかかるあたりから資金難が指摘されていて(元をたどれば今季のタイトルスポンサーに決まりかけていたハネウェルとの契約をフイにしたことが大きい)、継続的なマシン開発に必要とされる資金力に疑問符がついていました。とはいえ、ルノー時代からコストパフォーマンスに優れた開発体制には定評があり、昨年から今年に至るまでの健闘を支えてきたわけですが、今季中盤からの戦闘力の伸び悩みは明らか。ライコネンは本人のギャラは気にしていないと言われていますが、「勝てるマシンを作り続けられるチームか否か」が決断の決め手となった、と言って良さそうです。他に勝てる可能性が高いチームといえばメルセデスとマクラーレンでしょうが、どちらも両ドライバーとの契約が残っていて、ライコネンにはレッドブルかフェラーリしか選択肢がなかった(その 2 チームが選択肢にあった、というのもライコネンの実力ゆえでしょうが)、というのが実情でしょう。

それにしてもフェラーリはアロンソ+ライコネンという、これまた思い切ったドライバーラインアップを選んだものですね。シューマッハー時代、アロンソ時代とエースドライバー絶対王政を敷いてきた近年のフェラーリから考えると、ここまで大物を揃えたジョイントナンバーワン体制というのは 1990 年のプロスト+マンセル時代以来ではないでしょうか。ライコネンはともかく、アロンソがこの状況を受け入れたとはちょっと考えにくいものがありますが、F1 ファンとしてはやはり「ヴェッテルとライコネンが同じマシンに乗ったら実際どっちが速いのか」「アロンソとライコネンが同じマシンに乗ったら実際どっちが強いのか」は、ずっと気になっていたところ(笑。これはこれで、来季が楽しみになりました。

これで他のドライバーマーケットも本格的に動き出すことになると思います。まずはライコネンが抜けたロータスですが、ここはヒュルケンベルグが濃厚ですかね?昨年、最後までグロジャンとシートを争った可夢偉にも、再びアプローチをかけていってほしいところ。ただ、チームの財政状態は相変わらずで、しかもマシン開発の指揮を執ってきた TD のジェームズ・アリソンは既にフェラーリに移籍済みとあっては、今季前半のような勢いを来季も見られるかどうかは微妙なところ。パワートレイン化でさらに高騰するルノーエンジンの使用料も、チームの財政を圧迫するでしょう。
そしてヒュルケンベルグが抜ける可能性が高いザウバー。フェラーリからパワートレイン開発目的でマッサが送り込まれるのでは、という噂が出ていますが、当のマッサはフロリダに住居を購入したらしく、これは先輩バリチェロを追って北米のレースに参戦しようという意志の表れのような気がします。そうすると、あるいは持参金つきでウィリアムズからマルドナドが移籍、とかあったりして。グロジャンやグティエレスという若手ペイドライバーの評価が今季は低いこともあって、以外と中堅チームの顔ぶれがガラッと入れ替わる可能性もありそうです。

いずれにしても、よほどアロンソとライコネンの間で確執でも生じない限り、F1 チームのシートに可能性のなさそうなフェラーリは早々に諦めて、可夢偉よそろそろドライバーマーケットに戻っておいで(笑。

投稿者 B : 00:23 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/09/09 (Mon.)

F1 イタリア GP 2013

イタリアGP決勝 ヴェッテルが余裕のレースで6勝目 - GPUpdate.net

イタリア GP。フェラーリに移籍してからのアロンソは、毎年このレースと地元スペインでのレースでは、マシンの実力以上のものを引き出して、必ず結果を出してきます。このレースでヴェッテルを上回るポイントを持ち帰れるかどうか、が、今シーズンの残りを決めると言っても過言ではないほどの、重要なグランプリ。

それが...予選からヴェッテルが手をつけられない速さを見せ、圧巻の PP。決勝でも、狙い通りにスタートから後続を引き離し、独走態勢に入ります。終盤、ウェバー車が 2 速→3 速へのギヤの入りが悪いというトラブルに見舞われ、どうやらヴェッテル車も似たようなギヤボックストラブルを抱えていたようで、必ずしも盤石の勝利だったというわけではなさそうですが、結果的にヴェッテルにとっては 100 点満点のレース。気がつけば今季ここまで 12 戦で 6 勝、圧倒的ではありませんか。
アロンソとのポイント差は 53pt、3 位ハミルトン以下とも 80pt 以上の差をつけたことになり、これはもはやヴェッテルに対抗できるのは誰か、ではなく、どのレースで 4 度目の戴冠を迎えるか、という観点に移り変わってきました。

対するアロンソは、マシンとサーキットとの相性的にも、雰囲気的にも圧倒的に有利なホームグランプリ。このモンツァで、予選ではマッサのスリップストリームを使わせてもらってすらレッドブルに届かず、決勝でも予選 5 番手からの 2 位は健闘とはいえ、「ヴェッテルに全く歯が立たない」というのが正直な現状ではないでしょうか。今季ほとんどのレースで 3 列目以降のグリッドから表彰台を得ているのはアロンソの力でしょうが、マシンがそれに応えきれていない。これではアロンソもたまらないでしょうね。

チャンピオンシップの行方が半ば確定的になってくると、あとは中団の激しいポジション争いを観戦しているほうが面白いものです(笑)。今回も、バトン・ハミルトン・ライコネンというチャンピオン経験者 3 人が絡んだ 10 位争いがアツかった。柔のバトン、剛のハミルトン、巧のライコネン、というドライビングスタイルの違いが攻防を生み、手に汗を握らせてくれます。本来は、10 位争いではなく表彰台争いで観たい戦いではありますが...。ともあれ、終盤にかけてはコンストラクターズ争いも気になってくるところで、フェラーリ・メルセデス・ロータスの争いと、これまた激しいマクラーレンとフォースインディアの争いも絡んでくるので、まだまだ目が離せません。

ここから先はアジアに舞台を移して、4 週間で 3 レースというハードスケジュール。マシンアップデートもほぼないため、レースチームも総力戦といったところでしょうが、ファンにとっては毎週のように楽しみがやってくる、燃える季節が始まります。

投稿者 B : 00:30 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/09/06 (Fri.)

F1 レッドブルが来季ダニエル・リカルドを起用

レッドブル レースドライバーにリチャルドを起用 - GPUpdate.net

マーク・ウェバーの引退発表を受けて、後任の人事が注目されていたレッドブルですが、トロロッソの育成ドライバー、ダニエル・リカルドの昇格を正式に発表しました。ライコネンかリカルドか?という噂が長らく続き、夏休み明けくらいにライコネンの移籍断念話が出たあたりからリカルドが当確と思われていましたが、やはりそうなりましたか。純粋に勝つことだけを考えればライコネンのほうが良かったかもしれませんが、ヴェッテルの No.1 待遇維持、育成チームとしてのトロロッソの位置づけ、そして今季のリカルドの成長と「ヴェッテルの後任としてのさらなる期待」といったあたりでリカルド起用、という流れになったのではないでしょうか。

毎年、イタリア GP の週にはフェラーリの来期体制が発表されるところですが、今季はまだない模様。まあアロンソの絶対王政は引き続き安泰で、ドライバーマーケットも買い手市場、かつマッサ続投も悪い選択肢ではないと来れば、まだしばらくはライバルチームの手札を見てから、となるのも不思議はありません。

今のところ、来季シートの噂話をまとめると、こんな感じ。

レッドブル◎ S. ヴェッテル
◎ D. リカルド
フェラーリ◎ F. アロンソ
△ F. マッサ
△ N. ヒュルケンベルグ
マクラーレン◎ J. バトン
◎ S. ペレス
ロータス○ K. ライコネン
△ R. グロジャン
メルセデス◎ N. ロズベルグ
◎ L. ハミルトン
ザウバー△ N. ヒュルケンベルグ
△ F. マッサ
△ E. グティエレス
フォースインディア○ P. ディ・レスタ
○ A. スーティル
ウィリアムズ○ P. マルドナド
△ V. ボッタス
トロロッソ○ J-E. ヴェルニュ
△ A. ダ・コスタ
ケータハム△ H. コヴァライネン
△ C. ピック
マルシャ○ J. ビアンキ
○ M. チルトン

やはりフェラーリとロータスのセカンドシートが誰になるか、で全てが動き始めそうです。とはいえビッグネームの移籍はほぼなく、ヒュルケンベルグとビアンキがどこに行くか(つまり、フェラーリのセカンドがどうなるか)が鍵になりそう、という程度でしょうか?個人的には、小林可夢偉の F1 復帰をまだ諦めたわけではないのですが、当のフェラーリが可夢偉を WTCC ドライバーとして囲い込みそうな気配なだけに、難しいかなあ。

投稿者 B : 23:53 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/08/27 (Tue.)

F1 ベルギー GP 2013

ベルギーGP決勝 ヴェッテルが今季5勝目、アロンソが2位 - GPUpdate.net

夏休みが明けて、注目のベルギー GP。この夏の間に最も進歩できたチームはどこなのか?が注目でしたが...どのチームのアップデートもそれなりの効果は挙げたものの、レッドブル有利は変わらない、という厳しい現実を他チームは見せつけられたレースでした。

雨絡みの予選は、今回もハミルトンが驚くべきタイムを刻んで 4 戦連続の PP。予選に強いマシンとハミルトンの「一発の速さ」の相乗効果が今季は猛威を振るっていますね。しかし、ここできっちり 2 番手グリッドを押さえたヴェッテルの、予選の戦いぶりとスタートダッシュがこのレースの全てだった、と言っても過言ではありません。
スタートで見事にハミルトンを交わした後は、ヴェッテルとレッドブルが最も得意とする先行逃げ切りのレース。オープニングラップで既にハミルトンを DRS 圏外に突き放していた走りは、アロンソに勝るとも劣らない「勝負どころでの強さ」だと思います。チャンピオンシップでヴェッテルを追うアロンソ、ライコネンともに予選での速さがなく、レースペースで追い上げる戦いを余儀なくされていますが、いくらレースペースが良くてもヴェッテルにこういう走りをされてしまってはもう勝ち目がない、のが本音ではないでしょうか。アロンソも予選 9 位から 2 位表彰台というのは素晴らしい戦いぶりだと思いますが、これからの後半戦は何としてでもヴェッテルの前でゴールし続けることが最低条件なわけで。

今回は夏休み前の勢力図がどう変わっているか、に注目していましたが、相対的に進歩したと言えるのはフェラーリとマクラーレンでしょうか。アロンソは力強い走りを見せていましたが...前述の通り、レッドブルに真っ向勝負を挑めるレベルには至っていないようで(次戦イタリアではなりふり構わず勝ちに来るでしょうが)。マクラーレンはようやくフロントプルロッドサスペンションを使いこなしてきたのか、今までのような箸にも棒にもかからない走りではなくなり、表彰台争いに絡めるまで競争力を取り戻してきました。が...、最後にコンサバなピット戦略を採ったことで、残念ながら 6 位フィニッシュ。ここはちょっと無謀でも表彰台を獲りに行ってほしかったところではあります。
ロータスは...タイヤに優しい、以上の武器がないようにも見えて、今後レッドブルを追い上げていくには厳しいですかね...と思っていたら、ライコネンがブレーキトラブルでリタイア。ここにきてノーポイント、ヴェッテルに対して 63pt のビハインドでは、事実上チャンピオンシップから脱落したと見るしかなさそうです。

もうそろそろチャンピオン争いはヴェッテルとアロンソの二人に絞られた、と言って良いでしょう。しかも、残り 8 戦(まだまだ 8 戦も残っている、という見方もできますが)でヴェッテルとアロンソの差は 46pt。ほぼまるまる 2 勝分の差が付いてしまい、マシン性能的にもレッドブル有利とあっては、半ば「勝負はついた」という状況に近いかと思いますが...V8 エンジンの最終シーズン、もうちょっと盛り上がってほしいところなので、モンツァでフェラーリがどう巻き返してくるか、レッドブルとの争いにメルセデスあたりがどう絡んでくるか、に注目したいと思います。

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2013/07/30 (Tue.)

F1 ハンガリー GP 2013

ハンガリーGP決勝 ハミルトンが今季初優勝 - GPUpdate.net

2013 年シーズンも折り返し地点。夏休み前最後のハンガリー GP は、ハミルトンがメルセデス移籍後初勝利を飾って締めました。

予選はヴェッテルが PP を獲とk...と思われたところで、そのヴェッテルのタイムを僅かに上回ったのがハミルトン。今季、予選ではメルセデスは圧倒的な速さを見せつけていますが、持ち前の直線スピードが活かせない低速な版画路リンクで PP、というのには恐れ入りました。
とはいえ、決勝ではスタートダッシュかピット戦略、タイヤへの入力の違いでヴェッテルに交わされるのは時間の問題、と思われましたが、最初のピットアウト後にヴェッテルがバトンの後ろで長時間引っかかってくれたおかげで、ハミルトンとしてはセーフティマージンを築くことに成功。その後も、ハミルトンはウェバーやグロジャンとの争いはあったものの、結局最後まで危なげないレース展開でポールトゥウィンを決めました。

結果的にはハミルトンが「抜けないハンガロリンク」での PP の優位を最大限に利用した形になりましたが、スペイン GP までのメルセデスならばどこかで失速していた可能性が高いでしょう。そういう意味では、問題となっている単独タイヤテストを経て、メルセデスの速さが本物になってきた成果、と言えるのかもしれません。
最終的に対抗となり得たのは、レース途中で 2 ストップ→3 ストップにタイヤ戦略を変更したロータスのライコネン。6 番手スタートから 2 位表彰台はタイヤに優しいこのクルマとライコネンのドライビングならではでしょうが、それでも予選 6 位ではこれが限界でしょう。よくやったと言えるでしょうが、今回のレースで最も利を得たのは、優勝したハミルトンを除けばやはりヴェッテルではないでしょうか。チャンピオンシップでは 2 位(このレースの結果、アロンソからライコネンに入れ替わった)に 34pt→38pt と差を広げ、さらに有利な状況に。圧倒的だった 2011 年(ハンガリー GP 終了時点で 2 位に 85pt 差)ほどではないにせよ、1 レースリタイアしてもまだ 13pt 以上は点差が残っているというのは、ヴェッテルにとって戦略の幅を広げてくれる武器になります。このままメルセデスの 2 台がアロンソとライコネンの間に割って入ってくれている限りは、今季はこのままヴェッテル有利で進んでいってしまうのではないでしょうか。これから 4 週間の夏休みの間に、(表向きは開発禁止期間となっているものの)各チームがどれだけキャッチアップしてくるか、休み明けのベルギーが見ものです。

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2013/07/08 (Mon.)

F1 ドイツ GP 2013

ドイツGP決勝 ヴェッテルが辛くも逃げ切り母国GP初優勝 - GPUpdate.net

タイヤ問題で荒れに荒れたイギリス GP の翌週ということで、引き続きタイヤに関しては不安の残ったドイツ GP。それでも、ピレリの見解によるとバーストの原因は「タイヤを左右逆に装着していた」「タイヤの内圧を下げすぎていた」ことで、該当するチームにのみ問題が発生していたと。確かに、メルセデスあたりは以前から左右逆装着をしたほうがパフォーマンスが上がることに言及していましたし、内圧を下げすぎて耐久性に問題を起こしていたことは過去に 2005 年のアメリカ GP でもあったわけで。まあピレリタイヤの信頼性に対する疑問符は消えませんが、タイヤの内部構造のベルトをスチールから昨シーズンのケブラーに戻す、という話もあるので、しばらく様子を見ましょうか。

予選は今回もメルセデス。ハミルトンが圧倒的な速さで PP をもぎ取りましたが、今回は完全に予選向きのセットアップにしたことが裏目に出て、レースではペースが伸びず。スタート直後にヴェッテルとウェバーがハミルトンを簡単に抜き去り、得意の 1-2 体勢を築きます。が...、ウェバーが初回ピットイン時に右リヤタイヤがちゃんと装着されていない状態で発車してしまい、そのままタイヤ脱落。つけ直して再スタートはしましたが、これでウェバーは完全に表彰台圏外へ脱落。

レース中盤、マルシャのチルトン車が白煙を上げてストップし、そのまま SC 導入。蓋を開けてみるとヴェッテル-グロジャン-ライコネンのオーダーになっており、タイヤ的にはロータス有利。それぞれがどういうピット戦略でチェッカーへ向かおうとしているかが注目されましたが、先に動いたのはグロジャン。それに合わせるように、ヴェッテルも翌週ピットに向かいます。
ここでライコネンがフライングラップを叩き出し、ヴェッテルを交わした上で新品タイヤでコースイン...かと思いきや、まさかのステイアウト。もしかしてこのまま無交換でチェッカーまで走りきる気か...?と思ったら、今度は 50 周目で不可解なピットイン、中古のソフトタイヤに交換します。
どうも、無線の不調でピットとの意思疎通が十分ではなかったようなのですが、ロングスティントで走りきるか、ヴェッテルの翌周にピットに入るか、のどちらかだったのでは。最後タイヤ交換をしなければ走りきれないという判断でピットインしたのでしょうから、ヴェッテルの翌周に新品ミディアムタイヤに交換するのが正解だった可能性が高いと思われます。
しかし、それでもライコネンにはファイナルラップまでにヴェッテルにギリギリ追いつける目算があったはず。実際、ラスト数周はコンマ 4 秒ずつタイムを詰めていくことに成功していました。それが...、僚友グロジャンの無駄ながんばりに数周付き合わされた挙げ句、チームオーダーで何とか譲ってはもらえたものの、最終的にヴェッテルとジャスト 1 秒差、2 位でのチェッカー。ロータスはセカンドドライバーの自己中心的な振る舞いによって開幕戦以来の勝利をフイにしたと言っていいでしょう。グロジャンのレースエンジニアである小松礼雄さんは少なくとも二度にわたってグロジャンにオーダーを伝えていたようですが、もっと強く伝えるべきだった。前戦イギリスでも SC 時のピット判断を誤ってライコネンの表彰台をフイにしてしまったし、ロータスはどうもレース戦術で失敗することが多いですね...。

結果的に、ヴェッテルにとっては直接のライバル 2 人とさらにポイント差を広げることができた、理想的なレースになりました。カナダ GP のときに 36pt あったアロンソとのポイント差は、イギリスで詰められたものの今回改めて 34pt 差となり、前回のリタイア分をきれいにカバーできたと言って良いでしょう。シーズンはまだ 10 戦残っていますが、アロンソから見れば「2 レース消化して 2pt しか詰められなかった」という状況で、なんだかんだ言って今シーズンもレッドブル+ヴェッテルは明らかに強い、ということだと思います。
昨年までに比べるとレッドブルのアドバンテージは大きくはなっていませんが、対するフェラーリ、ロータス、メルセデスともに「何かがちょっとずつ足りていない」状況。とはいえ、この後のハンガリー、ベルギーともにマシンパフォーマンスよりもドライバー要素が占める比重が大きなサーキット。アロンソやライコネンのドライバー力による逆襲に、期待したいと思います。

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2013/06/30 (Sun.)

F1 イギリス GP 2013

イギリスGP決勝 波乱のレースを制し、ロズベルグが優勝 - GPUpdate.net

良くも悪くもタイヤに演出されたグランプリでした。FP3 のペレスに始まり、決勝ではハミルトン、マッサ、ヴェルニュ、再度ペレスのタイヤが破裂、ヴェッテルのタイヤにも亀裂が見つかるというあり得ないレース。個別のマシンのタイヤがバーストするということは今までもありましたが、チームを問わずトラブルが発生するというのは、2005 年のインディアナポリス(タイヤの耐久性問題でミシュラン勢が決勝を不出走、同年唯一のフェラーリの勝利レース)以来ではないでしょうか。シルバーストンが F1 サーカス随一の高速サーキットである、という事情もあるでしょうが、今後路面温度は高まり、まだまだ高速サーキットも公道サーキットもあるという状況で、この先同様のトラブルが発生しないか、不安は募ります。今回のレースはたまたま単独事故と他のドライバーがうまく避けたという状況が重なった結果、大事に至っていないだけ、というのが現実でしょう。
ピレリはこの状況を重く見て早急に対策を打つ必要があるでしょうし、FIA からも指導が必要な状況だと思います。大惨事が起きてからでは遅い。ショーアップのためのタイヤパフォーマンスのコントロールは必要な部分もあるでしょうが、これならばワンメイクをやめて健全なコンペティションを起こしたほうが、却ってタイヤの安全性は高まるのではないかと思います。そう考えると、コンペティション下でもワンメイク下でも信頼性に大きな問題を起こさずに F1 参戦を完遂したブリヂストンの仕事って偉大だったんだなあ、と改めて感じます。

レースは圧倒的なタイムで PP を奪取したハミルトンがスタートを成功させ、2 番手のロズベルグを交わしたヴェッテルが追う、という前戦カナダと似たような展開で始まりました。ヴェッテルにしてみれば、序盤のうちにハミルトンの 1 秒以内につければ「勝ったも同然」なレース。逆にハミルトンとしては早くヴェッテルとの差を開けて DRS 圏外に追いやることが重要なレース。そんな状況が、ハミルトンをタイヤバーストの最初の犠牲者にした、と言って良いでしょう。
ヴェッテルもヴェッテルで、ハミルトンの後退後に首位を走っている中、突然のギヤボックストラブルでスローダウン。開幕から高い安定性を見せ、総合力でチャンピオンシップをリードしてきた RB9 も止まるときは止まるんだねえ、と思ってしまいました。

ヴェッテルのリタイアでセーフティカーが入り、46 周目から残り 8 周の超スプリント・レース。首位争いから中断に至るまで手に汗握るオーバーテイク合戦が繰り広げられましたが、その中でも白眉はやはりアロンソ。こういう乱戦になると最も落ち着いて確実なオーバーテイクを仕掛けられるドライバーだと思います。「鬼神のような走り」とでも表現したくなるようなオーバーテイク劇で、一気に 3 位へ。スタート直後に接触で後退したウェバー、タイヤバーストで下位に沈んでいたハミルトンの追い上げも凄まじかったですが、やはりヴェッテルがいなくなったレースでの、アロンソのポイント獲得へのこだわりが他を圧倒していました。

総括すると、ドライバーズポイントでヴェッテルとの差を 36pt から 21pt まで縮めたアロンソ。スペインでのタイヤテストの恩恵を最大限に受けて勝てるレースペースを身につけたメルセデスの 2 台。マシンと戦略の両面で詰めが甘く、ライコネンを活かしきれないロータス。そして、エースドライバーをサポートできないフェラーリとロータスのセカンドドライバー。そこそこの結果を残しつつも「そこそこ止まり」で、今季中に複数回表彰台に乗るくらいじゃないとウェバーの後釜には据えてもらえないよ、という感じのリカルド。そんなところでしょうか。
1 レースをノーポイントで終えてなお、ヴェッテルが有利な状況は変わっていませんが、メルセデスの 2 台がチャンピオンシップをかき回せる状態に仕上がってきたことで、シーズンは俄然面白くなってきました。それでもアロンソにしろライコネンにしろ、ヴェッテルへの挑戦権を得るためにはやはりセカンドドライバーの確実なサポートがなければ厳しいと思われますが、二人ともいまいちパッとしないんだよなあ...。ともあれ、次のドイツ GP は、すぐ 1 週間後に迫っています。

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2013/06/28 (Fri.)

マーク・ウェバーが今季限りで F1 引退へ

ウェバー、引退! | Red Bull | F1ニュース | ESPN F1
「F1残留は頭になかった」 | Red Bull | F1ニュース | ESPN F1

おおおおお...!

レッドブルのマーク・ウェバーが今季限りでの F1 引退と来季ポルシェチームからのル・マン参戦を発表。

ウェバーはこれまでも何度かチャンピオン獲得の可能性がありながら、最終的にはチームメイトのヴェッテルに敗れてセカンドドライバーの地位に甘んじてきました。2011 年以降は明らかにチーム内でヴェッテル優先の采配が行われていることは外から見ても明らかでしたが、とはいえウェバーにとっては他に勝てるチームへのナンバーワン待遇での移籍の可能性はなく(フェラーリからのオファーもあったようですが、それも明らかにアロンソのセカンド待遇だったようですし)、結局レッドブル残留がウェバーにとってもチームにとっても最良の選択、という状況が長く続いてきました。数年前から引退も囁かれてはいたものの、ここまで残留してきたのは、レッドブルにいればチャンピオンの可能性もある、という状況が続いてきたからでしょう。
本人は否定していますが、引退のきっかけの一つに今年のマレーシア GP でのチームオーダー問題(ポジションキープのチームオーダーが出ていたにも関わらずヴェッテルがそれを無視し、その後チームがヴェッテルへの問責を強く行わなかった)が影響していることは間違いないでしょう。チームがポスト・ウェバーを見据えて動いている状況も後押しした可能性があります。

個人的には、可夢偉応援のためにちらちら観ている WEC で今後もウェバーの活躍を観ることはできそうなので悲観はしていませんが、やっぱり気になるのはその後任。現時点ではロータスの資金問題と紐付ける形でライコネンが最有力、という見方が濃厚ですが、トロロッソからリカルドが昇格するという話もあるようです。個人的にはヴェッテルとライコネンを同じマシンに乗せてどちらが速いか観てみたい、という興味が強いですが(笑)、ロータスにはゆくゆくはホンダからのエンジン供給という噂も上がっていて、それまで残っていてほしい気もするので、悩ましいところ。

トップチームのシートは、フェラーリのマッサ、マクラーレンのバトン、ロータスの二人が今のところ今期末までの契約。願望としてはフェラーリの来季シートには可夢偉に座っていてほしいところですが、いずれにしても来季のシートは大シャッフルになる可能性もあり。シーズンはまだまだ中盤にさしかかったところながら、ここからストーブリーグ(って、本来はストーブが必要な時期に動く移籍話、という意味だったはずなのに)が一気に加熱していきそうです。

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2013/06/11 (Tue.)

F1 カナダ GP 2013

カナダGP決勝 ヴェッテルが優勝、2位争いはアロンソが制する - GPUpdate.net

サーキットのランオフエリアが狭く、毎年アクシデントとセーフティカー導入が多くて荒れたレースになりがちなカナダ GP。ここで初優勝を挙げるドライバーも少なくなく、一年のうちで最もドラマがあるグランプリと言っても過言ではないかもしれません。が...今年のカナダ GP は SC 導入もなく、比較的淡々と進んだレースでした。

優勝はポールトゥウィンでヴェッテル。いかにもヴェッテル+レッドブルという完璧な先行逃げ切りのレースで、他車を寄せ付けませんでした。今年の RB9 は全てのサーキットで最速ではないにしても、やはり全チーム中で最速の部類に入ることは間違いなく。特に今回は「予選とスタートでメルセデスを抑えきれば、あとはメルセデスが後続の蓋になってくれる」ことをうまく利用したレース運びとでも言うのでしょうか。レッドブルは今季での最も効率的な勝ちパターンを確立したのかもしれません(笑。

抑え込まれたメルセデスは、それでも何とか 3-5 フィニッシュ。決勝でズルズル落ちていく展開にはそれなりに歯止めがかかったように見えます。サーキットとの相性もあるかもしれませんが、これはスペイン GP 後にピレリと独自に実施したタイヤテストの結果、ピレリタイヤの使いこなし方を掴んできた、ということではないかと思います(それ故に他チームからは批判されているようですが)。今後、ロータスに代わってシーズンを引っかき回すのは、ハミルトンとロズベルグになるような気がします。
逆にロータスはライコネンがうまくポイントを稼ぎはしたものの、取り立てて弱点はない一方で際立った速さもないマシンのおかげで、速さを身につけてきたメルセデス、フォースインディア、トロロッソあたりとうまく戦えていない印象。ライコネンはミハエル・シューマッハーに並ぶ連続入賞記録を打ち立てましたが、このまま入賞圏ギリギリあたりを走っているライコネンを見るというのも辛いもの。得意のスパで、と言わず、今シーズンあと何勝かはしてほしいですが。

2 位のアロンソはまた「アロンソらしい」レース運び。6 番手から、前車のミスを見逃さずにキッチリ仕掛けて確実に順位を上げ、最終的にはヴェッテルの後ろでフィニッシュ。このレースでは望み得る最高の結果を持ち帰ったことになるのでしょうが、それでもヴェッテルにじわじわと差を広げられ、既に 36 ポイント差。アロンソにとっては自滅した 2 戦がいかに痛かったかが今になって分かる、といったところでしょう。マシン性能やチーム力以上に差が開いてしまっているように見えます。今後、夏に向かって暑くなっていくサーキットで、レッドブルよりもタイヤをうまく使えるマシン特性を活かせるかどうか。

どうも今季は思っていたよりも早く勢力図がハッキリしてきたようです。このまま大どんでん返しがなければチャンピオン争いはヴェッテルとアロンソの一騎打ちになりそう。そして、テクニカルレギュレーションの大改定を目前にした今季、これからマシン性能が根本から変わることはおそらくないでしょう(マクラーレンがフロントプルロッドサスペンションをモノにして、レースによっては優勝争いに絡んでくる可能性はあるにしても)。個人的には、もうちょっとロータスにがんばってほしいところですが...。
次は伝統的にレッドブルが強いシルバーストン。このままヴェッテルが独走に勢いを増す展開になるとちょっとつまらないな...と思いつつも、この 3 週間でライバルチームがどんなマシンアップデートを入れてくるか、レッドブルはそれにどう対抗するか、注目したいと思います。

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2013/05/27 (Mon.)

F1 モナコ GP 2013

モナコGP決勝 波乱のレースを制し、ロズベルグが優勝 - GPUpdate.net

60 回目、伝統のモナコ GP。これまでの流れからすると予選はメルセデスが獲るも、決勝で失速...という予想を良い意味で裏切られる結果になりました。

予選はウェットから乾いていくという、状況が刻々と変わる見応えのある内容。最終的にメルセデスの 1-2 で予選を終えましたが、タイミング次第で PP は変わっていただろう、とても面白い予選でした。

決勝は、メルセデスに続くレッドブル、ロータス、フェラーリから最も良いタイミングでアンダーカットを決めたドライバーが勝つんだろうな、と予想していましたが...蓋を開けてみると、メルセデスが「蓋」になることはほぼなく、ロズベルグがスタートから首位を明け渡すことなくチェッカーを受けるレースに。
これは意外でしたが、ひとつはメルセデスが「予選で速い=燃料搭載量が軽いと速い」という特性を持っていることが大きく影響しているでしょう。モナコという比較的燃費に厳しくないサーキットであれば、マシン特性を活かした戦い方ができる、という計算はあったのではないかと思います。而してその通りになったと。もう一つはモンテカルロという市街地サーキットの特性。オーバーテイクが不可能に近く、DRS の効果も小さいサーキット特性がロズベルグに有利に働いたのは間違いないでしょう。でも、モナコは他のどこよりも明確な「ドライバーズサーキット」。スタートからチェッカーまでレースをコントロールしきったロズベルグには、純粋に賞賛を送りたいです。

危なげないレースで 2-3 フィニッシュを決めたレッドブルは、チャンピオンシップを考えれば事実上このグランプリの勝者と言って良いかもしれません。直接のライバルであるライコネン、アロンソよりも確実に前でチェッカーをうけ、ポイント差を広げたわけですから。目先のレースにとにかく勝ちたいヴェッテルは悔しいでしょうが。

新人が多いシーズンのモナコは荒れた展開になりがちですが、今年もひどかったですね...。何台クラッシュしたか分かりませんが、特にマクラーレンのペレスとロータスのグロジャンがひどかった。結局、去年の批判から根本的には改善できていない、ということなのかもしれません。場合によっては、可夢偉のレギュラーシート獲得の可能性に繋がる話なので、引き続き注視していきたい(笑
フェラーリのマッサもフリー走行・決勝とクラッシュしていたようでしたが、テレビ放送を見る限りでは決勝のクラッシュで負ったダメージはけっこう重そう。あまりこういうことを言いたくはありませんが、代役として可夢偉にお声がかかる可能性もあるのでは...と思うと、日本人としては期待してみたくなるわけで(^^;;

というわけで、途中まではパレードで退屈なレースでしたが、中盤以降はなかなか見どころが多く、面白いレースでした。
次はまた波乱のレースになる確率が高いカナダ。新ウィナーが生まれやすいサーキットですが、誰がポディウムの中央に立つんでしょうね。

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2013/05/17 (Fri.)

ホンダ F1 復帰 正式発表!

ホンダ、2015年から「マクラーレン・ホンダ」としてF1復帰を正式発表 / エンジンユニット、エネルギー回生ユニットを開発・製造・供給 - Car Watch
ホンダ、2015年からのF1復帰記者会見リポート / 環境対応パワーユニットを供給し「マクラーレン・ホンダ」としてF1に参戦 - Car Watch

かれこれ半年以上前から噂され始め、今や F1 パドックでは「公然の秘密」と言われていたらしいホンダの 2015 年からの F1 復帰が正式に発表されました。しかも、ジョイント先はこれまた噂どおりマクラーレン。F1 史に燦然と輝く「マクラーレン・ホンダ」の名が、実に 23 年ぶりに蘇ることになります。かつてホンダだったチームが今やメルセデスのワークスチームになり、メルセデスのワークスチームだったマクラーレンとホンダが組む、というのはなんとも皮肉な話ではありますが。

というわけで、今回の参戦はシャシー製造まで含めた「コンストラクター」ではなく、あくまで「パワーユニットサプライヤー」としての参戦。「エンジンサプライヤー」ではなくあえて「パワーユニット」としているのは、2014 年からの F1 が単なるガソリンエンジンだけでなく、エネルギー回生システム「ERS」(運動エネルギー回生システム「ERS-K」(現在の KERS)と熱エネルギー回生システム「ERS-H」の複合体。現在の KERS よりも使用できるエネルギー量が大幅に引き上げられる)を動力源とするハイブリッドカーになるから。逆に言えば、市販車との技術交換が意味を持つ領域に F1 のテクニカルレギュレーションが変更されることで、ホンダが F1 に復帰する大義名分ができた、ということでしょう。もちろん、リーマンショック後の苦境を乗り越えた今だから、という経済的背景もあるでしょうが。

こうなると次に気になるのは当然ドライバーでしょう。バトンは 2014 年末でいったん契約が切れますが、ペレスは今年からの複数年契約、という条件しか明らかにされていないので、2015 年の契約が存在するかどうかは不明です。ただ、vodafone の撤退後には TELMEX がマクラーレンのタイトルスポンサーになるらしい、という状況を踏まえると、2015 年もペレスとの契約が存在している可能性は高いですが...。そうすると、バトンが 2015 年以降も契約を継続するのか、それともマクラーレンが別の有力ドライバーを引き抜くのか、あるいは「ホンダ枠」みたいなものが存在するのか。ワークス扱いの長期パートナーシップであれば「ホンダ枠」が存在してもおかしくありませんが、マクラーレンというチームのドライバーの扱いや日本人ドライバーに案外厳しいホンダという会社(笑)のことを考慮すると、そこに日本人ドライバーを...というのは現実的ではないでしょう。もしフェラーリがダメなら、可夢偉にマクラーレン・ホンダに乗ってほしい、という日本人としての願いはありますが...。

もう一つはカスタマーチームへのパワートレイン供給がどこになるのか。マクラーレンと技術提携しているマルシャに卸すのがもっとも現実的でしょうが、3 チーム目があるとすればどこか。ここはやっぱり「ロータス・ホンダ」「ウィリアムズ・ホンダ」にも期待してしまうところですね(^^;;まあロータスはグロジャンや elf といったフレンチコネクションが強いし、ウィリアムズは財政的にホンダと組めるのか、という問題があるので、どこになるかは分かりませんし、参戦初年度は 2 チーム供給、となる可能性もあります。

ともかく、2013 年の F1 もようやく欧州シリーズが始まったところだというのに、今から 2015 年の F1 が楽しみで仕方がありません(ぉ。我が家は 2016 年には次女が小学校に入学して、体育の日が運動会で埋まらなくなるので、そしたら久しぶりに鈴鹿に応援に行こうと思います(笑。

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2013/05/13 (Mon.)

F1 スペイン GP 2013

スペインGP決勝 アロンソが母国グランプリを制す - GPUpdate.net

ヨーロッパラウンドの幕開けスペイン GP。このサーキットの風景を見ると、いよいよ今シーズンも本格的な開幕だな、と毎年思います。

予選を制したのはメルセデスの 2 台。しかも圧倒的なタイムでのフロントロウ獲得で、予選番長もここまで来れば立派なものだ、と思いますが、例によってレースペースはぐだぐだ。終盤のペースは悪くなかったようなので、やはり燃料搭載時にスピードが出ないマシンバランスということなのでしょう。まあメルセデスが「蓋をする」ことで純粋なマシン性能に依らないレースになるので、これはこれで面白いのですが。

というわけで、このレースがメルセデスのためのレースにならないであろうことはスタート前からほぼ分かっていましたが、レッドブル・フェラーリ・ロータスのいずれが勝つのかは分からない状況。予選タイムだけを見ればヴェッテル有利でしょうが、フェラーリの安定性もロータスの対タイヤ性能も無視できない。最終的には戦略と状況に合わせられるチーム力が物を言うだろうな、と思っていましたが、結果的にそのとおりになりました。
個人的に注目していたのはロータスのライコネン。というか、今年はライコネン推しの私ですが、それを差し置いても「他の主力チームが 4 ストップ戦略を採る中で、3 ストップにできるマシンとドライビングを持っている」ことの可能性に注目していました。結果的にはフェラーリの終盤のペースとピット作業の速さに敗れた形にはなりましたが、他チームより切れるカードの枚数が多いことは戦略上有利。ピット回数が多くなる今シーズン、特にこれからの夏場のレースでは台風の目になるのではないでしょうか。チャンピオンシップも現時点でヴェッテルに 4pt 差の 2 位、というのが実に面白い。

勝ったアロンソは良いレースをしましたね。中盤はライコネン有利かと思いましたが、ピットタイミングをライコネンに合わせてきたチームのうまさと、プッシュすべきところでプッシュできるアロンソの強さが光ったレースでした。アロンソはスペインやイタリアのレースではいつも見せ場を作るので、今回もそういうシーンはあるだろうと思っていましたが、結局そのまま勝ってしまうとは。レッドブルがマシンをまとめてくるまでの間にどれだけアドバンテージを築けるかが今シーズンのキモでしょうが、これだけ良いレースができるだけにマレーシアとバーレーンでの「自滅」が痛い。これが終盤に響いてこなければ良いのですが...。

カタロニアはマシン性能がストレートに結果に出るサーキット。ここでフェラーリの 2 台がともに速く、ライコネンが 2 位表彰台。ヴェッテルが彼らについていけず 4 位、というのが――メルセデスのフロントロウ独占とレースでの没落も含め――現時点での勢力図を見事に表していると言えるのではないでしょうか。おそらく今季はこのままアロンソ、ヴェッテル、ライコネンの三つ巴で進んでいくのでしょうが、つまりはとても見応えのあるシーズンになる...ということでもあると思います。

翻って、次はドライバーの実力が物を言うモナコ GP。相変わらずメルセデスが予選では速いのか?決勝では「抜けないサーキット」で各チームどういう戦略を持ち込んでくるのか?スペインとは全く違ったレースになると思われるだけに、これまた楽しみです。

投稿者 B : 00:49 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/04/22 (Mon.)

インディカー 佐藤琢磨が日本人初優勝!

速報:佐藤琢磨、日本人初のインディカー優勝! - 海外フォーミュラニュース ・ F1、スーパーGT、SF etc. モータースポーツ総合サイト AUTOSPORT web(オートスポーツweb)
Honda | 佐藤琢磨が悲願のインディカー初優勝を飾る。Hondaドライバーが表彰台を独占し、1-2-3-4フィニッシュを達成
佐藤琢磨 インディカー初優勝 「言葉もありません。最高の気分です」 【 F1-Gate.com 】

月曜日の朝から元気の出るニュースでした。インディ参戦 4 年目にして、佐藤琢磨が日本人として初優勝!これはもう言葉になりません。

2008 年のスーパーアグリ撤退から 1 年の浪人生活を経て F1 でのシート獲得を断念し、2010 年からインディに参戦して 4 シーズン目。2011 年の初ポールポジション、2012 年の初表彰台(3 位→2 位)、とじわじわと結果を残してきましたが、ようやく初優勝。自身の走りがいいときにはピット作業やタイミングの問題でポジションを落とし、そうでないときには自身のミスで貴重なレースを落とし...と、イマイチ流れを掴み切れていない印象もありましたが、ようやくです。同じ 1977 年生まれでもあり、長年琢磨を応援してきたファンとしては、自分のことのように嬉しい。

私はインディは 2010 年2011 年の日本開催を観戦しに行きましたが、2011 年を最後に開催されなくなってしまいました。琢磨自身はスーパーフォーミュラ(旧フォーミュラ・ニッポン)へのスポット参戦という形で国内ファンの前でのレースは続けてくれていますが、やっぱりシーズンの中の一戦が観たいじゃないですか。インディはスカパー!の GAORA で中継されていますが、アメリカ開催で日本時間では月曜早朝になるので、観戦するのは厳しいという(;´Д`)。
佐藤琢磨の年齢的にはこれから F1 に復帰するという選択肢はもう残されていないでしょうが、この優勝に飽き足らずに、モータースポーツの歴史に名を残していってほしいところ。これまでだって、日本人初のイギリス F3 チャンピオン、F1 日本人最高位(3 位)、日本人初フロントロウ、ドライバーズチャンピオンシップ日本人最高位(8 位)、など歴史を作ってきたじゃないですか。

いっぽうで、先週の WEC 開幕戦で AF コルセの小林可夢偉も LM-GTE Pro カテゴリ 2 位表彰台を獲得しています。

可夢偉、2位表彰台に「1戦目としては最高の結果」 - F1ニュース ・ F1、スーパーGT、SF etc. モータースポーツ総合サイト AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

デビュー戦でいきなりですからね。これも素晴らしい。このまま結果を残していけばスクーデリア・フェラーリのシートへの道も開ける...かも?
WEC のほうはネット中継があるので、日本語解説さえ必要なければ無料でリアルタイム視聴できるというのは貴重です。耐久レースなので、ずっと観てるのは正直しんどいですが(;´Д`)。でも、カテゴリがまちまちとはいえ可夢偉の他にも中嶋一貴、アレックス・ブルツ、アンソニー・デビッドソン、ニック・ハイドフェルド、ブルーノ・セナなど F1 で馴染み深いドライバーが多数参戦している、というのも F1 より親しみやすいかも。

F1 だけでも年間 19 戦あると観戦する時間を取るのがけっこう大変だったりしますが、今季は他のカテゴリもできるだけ積極的に観ていきたいと思います。

投稿者 B : 23:45 | F1 | コメント (0) | トラックバック

F1 バーレーン GP 2013

バーレーンGP決勝 ヴェッテルが圧勝で今季2勝目 - GPUpdate.net

バーレーン GP はレッドブルのヴェッテルが、圧勝で今シーズン最初の 2 勝目ドライバーとなりました。
とはいえ内容的にはヴェッテルが独力で楽勝だった、というわけではなく、むしろフェラーリの自滅に救われたと言ったほうが正確ではないでしょうか。

PP はメルセデスのロズベルグ。しかしメルセデスは予選では速いもののレースペースに苦しみ、おそらくスタート直後にヴェッテルとアロンソに交わされるであろうことは想像に難くありませんでした。その後の展開としてはタイヤに厳しいレッドブルよりもフェラーリのほうが戦略の幅を持たせられる分有利で、アロンソがいつものレース巧者ぶりを発揮して中盤に逆転するのでは、と予想していました。が、アロンソはまさかの DRS トラブルで緊急ピットイン、いったんは DRS を応急処置したものの、ピットイン直後に再度 DRS を稼動させてみたらまた故障して再ピットイン。完全に余計なピットインが増えてしまったことで下位に沈み、8 位フィニッシュとなりました。
フェラーリのこれは完全にチーム側の失策で、緊急ピットイン時に完全に修理できた確証がなければ再度使わせるべきではなかった。それがなければ仮に DRS が使えなかったとしても表彰台を争えていたことを考えると、取れるポイントをみすみす逃してしまったことになります。マレーシア GP でのリタイアもピットイン指示のミスのようなもので、この 2 戦での失敗があとあとチャンピオンシップで大きな意味を持ってくるということは、過去の経緯を見れば明らかなこと。フェラーリは今季「どのサーキットでもそつなく速い」マシンの筆頭であり、得手不得手がハッキリしているライバルチームよりも有利な状況にあるだけに、こういう取りこぼしは良くないですね...。

勝ったヴェッテルはフェラーリに勝たせてもらったようなもの、ではありますが、アロンソが後退してからのレースは完全にレッドブルの勝ちパターンでしたね。やはり、このマシンはレッドブル伝統の「先頭を走っている限り誰も抜けないクルマ」でしょう。今季はギヤレシオを変えて追い上げるレースでも抜けるようなセッティングに変えてきているようですが(今までは PP スタートを前提に加速重視のギヤレシオにしていたため、先頭で走ると滅法速かった反面、追い上げる展開だと最高速が伸びず DRS を使っても抜けない、ということもままあった)、勝ちパターンに入れるかがポイントなのは変わっていないようですね。

2-3 フィニッシュを決めたロータスも良かった。「気がつけば表彰台」のライコネンの安定度は今回も群を抜いていましたが、良かったのはグロジャン。うまくライコネンから学ぶことができているのか、去年のクラッシャーのイメージは鳴りを潜め、ステディな走りができているように見えます。ここ一発の切れ味の鋭さみたいなものも少し鈍ってしまっているようにも見えますが、今のグロジャンに大事なのは安定性。これができれば、うまくライコネンをサポートして、チームとして両チャンピオンシップでそこそこいい戦いができるようになるのではないでしょうか。
いっぽうで、ちょっとひどいのはマクラーレンのペレス。マレーシアでチームオーダーが問題になった後で、しかももともとマクラーレンというチームの性格上もチームオーダーは出ないという状況の中ではあるとはいえ、今回のバトンへの仕掛けかたはいかがなものかと。無駄にタイヤを消耗させて他車に漁夫の利を与えたり、あまつさえバトンに接触してあわや両者リタイア、というシーンもありました。バトンよりも良い結果を出してチーム内での地位を盤石にしたい、という思いもあるでしょうが、グロジャンが F1 クオリティの走りを身につけてきたのに比べると、これでマクラーレンのセカンドドライバーは...と文句の一つも言いたくなります。

...ということもありましたが、今回のレースはコース上のあちこちで常にバトルが発生している、というとても見応えのあるレースでした。唯一、ヴェッテルだけがほぼ独走状態だったのが退屈でしたが(笑。
次はまた 3 週間空けてスペイン。いよいよヨーロッパラウンドの始まりです。各チーム、大規模アップデートを投入してくるはずですし、また勢力図が書き換わる可能性もあります。注目は悩めるマクラーレン、セットアップの最適解を見つけ出して戦えるマシンにまとめてくるかどうか。

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2013/04/14 (Sun.)

F1 中国 GP 2013

中国GP決勝 激戦を制してアロンソが優勝、2位ライコネン - GPUpdate.net

3 週間空けての第 3 戦、中国 GP。今年は去年よりも持たなくなったと言われるタイヤ戦略がキモなのは間違いありませんが、各チームともに予選から既にタイヤセーブモード。どのセッションも途中までなかなかクルマが走り出さず、なんとも寂しい土曜日でした。ほとんどのチームがワンアタックでタイムを出す中、Q3 に至っては 8 位バトン、9 位ヴェッテル、10 位ヒュルケンゲルグがまともなアタックさえせずにタイヤ温存策に出る始末。FIA はレースを面白くするために 2 種類のタイヤを使うレギュレーションを導入したはずですが、これでは本末転倒なのでは。予選時に使えるタイヤの本数を増やすとか、レギュレーションの見直しが必要なのではないかと思います。

ともあれ、決勝。ハミルトン-ライコネン-アロンソというスターティンググリッドがポディウムでは逆順という結果になりました。スタートダッシュを確実に決めてライコネンを抜き、ピットストップでハミルトンを抜き、最後にコース上でバトンをオーバーテイクしてトップに立ったアロンソの戦いぶりは流石の一言。最速でないマシンでもレース全体を見渡して「押さえるべきところを押さえる」走りをさせたら、おそらく F1 史上を見てもアロンソに勝るドライバーはいないのではないでしょうか。開幕時点でのマシンの仕上がりが昨年よりは明らかに良いので、ヴェッテルからタイトルを奪還する可能性が最も高いのはこのアロンソだろうと思います。
ライコネンは途中ペレスとの接触でフロントノーズにダメージを負っていなければ、このレース勝てていた可能性もありますが、スタートでアロンソとマッサに先行されたのが全て。それでもきっちり走って抜いて 2 位、チャンピオンシップでもヴェッテルに次ぐ 2 位につけているわけですから、ライコネンも去年以上にポテンシャルがあると言って良さそうです。ラリー転向前の「速いけど脆い」「モチベーションの高いレースと低いレースの内容が極端」といったピーキーなイメージとは変わって、今のライコネンは速さと安定性を兼ね備えていると思います。
ハミルトンも優勝こそ逃しましたが、移籍後 3 戦目で早速 PP 獲得というのがハミルトンらしい。今のメルセデスでどこまでチャンピオン争いに絡めるかは分かりませんが、レーサーとして「いい感じに脂が乗ってきた」と言えそうです。

レース全体をみるとまだまだマクラーレンが振るわなかったり、若手ドライバー(特にペレス、グティエレス、ヴェルニュあたり)が不甲斐なかったり...と気になる点もありますが、やっぱりチャンピオン経験者複数人が優勝を争い、誰が勝つか分からないレースは面白いですね。今季ここまで 3 戦で 3 人の異なる勝者が誕生、レッドブルも主にタイヤとの相性の点で盤石ではないようだし、当面はタイヤ戦略がマシン性能の差を埋めてくれるのではないでしょうか。
次のバーレーンは暑くなるでしょうし、タイヤに優しいクルマが有利になる可能性が高いと思います。ライコネンか、場合によってはヒュルケンベルグあたりにもチャンスが巡ってくるかもしれません。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/03/24 (Sun.)

F1 マレーシア GP 2013

マレーシアGP決勝 ヴェッテルがチームメイトバトルを制す! - GPUpdate.net

第 2 戦も雨が絡んだマレーシア GP。結果だけ見ればヴェッテルがポールトゥウィンでポディウムの中央に立ちましたが、その途中にはいくつものドラマがありました。

最大の見せ場は 1-2、3-4 フィニッシュを決めた 2 チームのチームメイトバトルでしょう。終盤、どちらもチームメイト同士がテールトゥノーズの態勢になり、両チームともに「ステイ」という判断であったにも関わらず、ヴェッテルはウェバーに仕掛け、ウェバーはウェバーでメインストレートでヴェッテルに幅寄せをするという危険な攻防がありました。メルセデスのほうはハミルトンの燃料がピンチでロズベルグのほうが明らかに速かったのにポジションキープの指示。いずれもアクシデントには繋がらなかったとはいえ、以後のレースには間違いなく禍根を残す形になりました。2010 年トルコ GP の例を見るまでもなく、こういうのは後を引きますからね...。

今回のレースでは、スタートが良くヴェッテルに仕掛けていけるかに見えたアロンソがまさかの自滅(昨シーズン、2 度のもらい事故以外に自らのミスでの失点はなかったにも関わらず)でリタイア、開幕戦に勝ったライコネンも予選の雨やトラフィックの影響で振るわず、ペナルティもあって 10 番手スタート→7 位がやっと、という結果。いずれもベストコンディションでトラブルもなければレース結果はもっと違っていた可能性はありますが、こういうのも序盤の混戦にはつきもの。おそらく、ヨーロッパラウンドに突入するまでは、昨年のようにサーキットとの相性やコースコンディションなどによってトップ 3~4 チームが勝者を入れ替えながら進んでいくシーズンになりそうな気配です。

そんな中で気になるのはマクラーレンの不甲斐なさ。まだまだフロントプルロッドサスを含めたセットアップに解が見つけられていないということでしょうが、2 戦ともポイント獲得がやっと、という状況はあまりにも芳しくない。とはいえ開発ペースの速い同チームのことですから、3 週間後の中国 GP までにはある程度改善してきそうな気もしますが。トップ争いが混戦になりそうな状況で、マクラーレンが出てこないとイマイチ盛り上がりに欠けるのが F1。個人的に今年はライコネン一押しですが、ここにマクラーレンも加わってきてほしいところです。

投稿者 B : 23:33 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/03/18 (Mon.)

ホンダ F1 復帰へ?

朝日新聞デジタル:ホンダ、F1復帰へ 15年にも エンジン開発に着手 - 経済・マネー
【新聞ウォッチ】「ホンダ 2015年にもF1復帰へ」の新聞報道、その狙いは? | レスポンス

今日の朝日新聞一面の記事。ホンダが 2015 年の F1 復帰に向けた開発に着手しているとのこと。エンジンの供給先はマクラーレンが濃厚で、実現すれば 1993 年以来 20 年以上ぶりに「マクラーレン・ホンダ」が実現することになります。当時とは状況が違うとはいえ今はウィリアムズ・ルノーのタッグやチーム・ロータス名も復活していて、往年のファン的には懐かしさがこみ上げてきます。

まあホンダの復帰話は昨年秋くらいから何度も噂になっている話で、実際にホンダの研究所スタッフが F1 の視察に訪れたり技術検討を始めたりしているのは事実らしいですが、まだホンダ側から正式発表されたものではありません。これまでの噂はファン側の願望に加えてホンダ内の F1 推進派が意図的にリークした話が混ざっているようで、今回の話も(レスポンスの記事にもあるように)他のプレス発表に向けた話題作りである可能性も否定できません。それでも、具体的な検討が行われていることは事実で、ファンとしては復帰を望んでいることも事実なので、期待をするなというほうが無理な話でしょう。

2015 年に復帰したとしてドライバーは誰が乗るのか?とかメインスポンサー(vodafone は今季限りで離脱、ペレスが連れてきた TELMEX が後釜になるとも言われていますが)はどこになるのか?シルバーがイメージカラーのメルセデスが外れることでカラーリングはどうなる?とか妄想の種は尽きませんが、まずは正式発表を待ちましょう。仮に 2015 年からの参戦として、タイミング的には今シーズン終了時点か、早ければ日本 GP のタイミングというのもあるかもしれません。それまでに、今よりも少しでも日本経済の状況が好転していることを祈るばかりです。

投稿者 B : 23:09 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/03/17 (Sun.)

F1 オーストラリア GP 2013

オーストラリアGP決勝:優勝はライコネン、2位アロンソ、3位ヴェッテル - GPUpdate.net

予選 Q2 以降が日曜日に順延となって慌ただしいレースになった開幕戦オーストラリア GP。予選は 1 回目のアタックで圧倒的なタイムを記録したヴェッテルがそのまま PP、例によって楽勝の展開か...と思いきや、決勝は去年までのレースとはちょっと違いました。スタート直後こそヴェッテルが逃げを打ったものの、RB9 はスーパーソフトタイヤのタレが他チームより大きく、逆にフェラーリのマッサ・アロンソに追われるレースに。これは、アンダーカットしてアロンソが逆転する流れもあり得るか...と思ったら、出てきたのは何とロータスのライコネン。他チームより少ない 2 ストップ戦略を見事に的中させ、復帰後 2 勝目を開幕戦優勝で飾りました。

ロータス E21 のタイヤへの優しさは特筆すべきもので、ライバルは 5 ラップ目から順次タイヤ交換に入る中、10 周→25 周→23 周というロングスティントをうまく機能させ、最後は特に危なげもなくトップチェッカー。ファステストラップを記録するおまけつきで(終盤に追い上げられたからペースを上げた、というのが実情らしいですが)、完勝と言って良い内容でしょう。
とはいえ、この結果はアルバートパークというサーキットの特性と降雨後というコンディションに助けられた部分は大きいと思います。予選での「一発の速さ」が圧倒的な RB9 に純粋な速さで勝っているとは言い難いので、路面状況のより良いパーマネントサーキットではまた状況は違ってくるでしょう。が、一昨年~昨年のザウバーのような「タイヤに優しく、セットアップや戦略の幅を広く取れるマシン」という特長は、昨年以上にタイヤのライフが厳しくなった今季においては有利に働く可能性は高い。ライコネンが今後も複数回優勝し、チャンピオンシップ争いに去年以上に絡んでくるという展開は、大いにあり得るのではないでしょうか。

2 位のアロンソは、勝てなかったまでも「アロンソらしい」レースの組み立てで最大のライバル・ヴェッテルの前でチェッカーを受けられて御の字でしょう。今年は最初からマッサの調子も良いようで、うまく援護射撃を受けられれば昨年以上にチャンピオンシップを優位に運べるはずです。まあ、今回のレースは序盤でアロンソの前を走り、ヴェッテルを追いかけていたマッサをもっと戦略的に動かせていれば、また違ったリザルトがあったかもしれませんが、それでも開幕戦で 2-4 フィニッシュというのは満足できる結果なのではないかと。
他のチームでは、ハミルトンを迎えたメルセデスが今季は開幕からマシンの仕上がりが悪くないようで、昨年のように失速しなければチャンピオンシップをかき回す存在になりそうな気もします。まあ、今年は昨年の W ダクトのような独自のトリックデバイスを使っていないようなので、真っ当な開発を続けていれば、ハミルトンとの相乗効果はあり得そう。マクラーレンはイマイチぱっとしないレースでしたが、大きくモディファイしたエアロとフロントプルロッドサスペンションが熟成されてくるまでの間は苦しそう。速さが出てくるのは 5 月のヨーロッパラウンドからだと思いますが、マシンの仕上がり以上に新加入のペレスがバトン以上にぱっとしなかったのが気がかりです。昨年までなら、スタイルの違うバトンとハミルトンがサーキットごとに浮き沈みして結果的にバランスが取れていたのが、今季はどちらもタイヤに優しいドライバーなので、ダメなときはどちらもダメ、となる可能性が高いですしね...。

でも、Q3 まで観た時点では「今年は去年以上の接戦と言われていたけど、こりゃあヴェッテルが独走しちゃうんじゃないか?」とまで思いましたが、やっぱりトップ 5 は接戦になりそうです。まだまだ全体的な勢力図は明らかになったとは言えませんが、すぐ来週のマレーシア GP も楽しみです。

投稿者 B : 23:30 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/03/16 (Sat.)

F1 2013 シーズン開幕

公式予選Q1 雨のセッションでロズベルグがトップ - GPUpdate.net
公式予選Q2とQ3が日曜日に延期 - GPUpdate.net

今年もいよいよ F1 のシーズンがやってきました。というか 11 月末まで昨シーズンのレースをやっていた(しかもチャンピオン決定が最終戦までもつれ込んだ)せいか、冬の間待たされた感があまりないという(;´Д`)ヾ。むしろ、チームのみなさんもドライバーさんもご苦労様です...としか。

さて、その開幕戦オーストラリア GP 予選ですが、アルバートパークにしては珍しく雨。しかも Q1 から降雨でディレイした挙げ句、Q2 以降は走れなくなって日曜日の朝に順延されることになりました。鈴鹿あたりでは驚かない天候ですが、オーストラリアでここまで、というのは珍しい。オールドファンとしては、むしろアデレード開催時代の 1989 年、中嶋悟が 4 位入賞した年のレースを思い出してしまいます(懐。

ただでさえ路面状況が厳しく、レースウィーク以外ではシミュレータでしか走り込めない半公道コースで開幕戦、しかも雨、というのは今季デビューの新人ドライバー達にはハードルが高かったようで、Q1 では新人ドライバーがスピンやクラッシュを喫しているシーンが何度も映し出されていました。その中でもひときわ派手にぶつけていたのが雨の苦手なフェラーリのマッサというのが(笑
そんなわけで、結局今日に至っても開幕時点での勢力図は明らかになっていないわけですが、フリー走行のタイムから推測すると上位 5 チームの戦闘力はそれなりに拮抗、中でもレッドブルが頭一つぶん抜けている、という感じなのかなと。いずれにしても、明日の Q2~Q3 から決勝にかけての戦いぶりでようやく見えてくることでしょう。

いっぽうで、今週頭にはこんなニュースもありました。

可夢偉、フェラーリと正式契約。今季はWEC参戦 - F1ニュース ・ F1、スーパーGT、Fニッポン etc. モータースポーツ総合サイト AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

結局 F1 では 2013 年のシートを見つけられなかった小林可夢偉ですが、今季はフェラーリのワークスドライバーとして WEC(耐久レース)に参戦することになりました。最近だと、F1 で浪人するドライバーはピレリのタイヤ開発ドライバーに収まるか DTM あたりにいったん転向するか、若手ならば GP2 に出戻ることが多いようですが、WEC とはまた珍しいですね。まあフェラーリと直接のコネクションができたことになるので、このままフェラーリの上層部にアピールを続けることができれば、マッサの後任としてお鉢が回ってくる可能性があるかもしれません。
テレビ観戦するならスカパー!の J SPORTS がありますが、これだけのために ¥2,400/月 というのはいくらなんでも高いよなあ...。

投稿者 B : 22:25 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/02/06 (Wed.)

F1 主要チームの 2013 年仕様車が出揃う

【新車解説】レッドブルRB9、最強コンセプトの最終ジェネレーション - F1ライフ
【新車解説】マクラーレンMP4-28、フロントエンド一新の野心作 - F1ライフ
【新車解説】フェラーリF138、空力熟成に心血を注いだ正常進化 - F1ライフ
【新車解説】メルセデスAMG F1 W04、粛々と空力の熟成を進める - F1ライフ
【新車解説】ザウバーC32、斬新アイディアでマシン後半部を刷新 - F1ライフ
【新車解説】フォースインディアVJM06、地味でも大刷新した脚回り - F1ライフ
【新車解説】トロロッソSTR8、新体制で中身は100%刷新 - F1ライフ

この 1 週間で 2013 年のニューマシンも主だったところは出そろい。あと主要チームで未発表なのはウィリアムズを残すのみ、となりました。

まだテスト前なので外観から判る変更点でしか判断できませんが、予想通りほとんどのチームが昨年型のキープコンセプト。まあレギュレーション大改定前のラストイヤー、ここでの投資が一年限りになる状況ではそうなるでしょうね。ディフェンディングチャンピオンのレッドブルがそうなるのは当然としても、ほとんどのチームで改善点がサイドポッド後端~リヤエンドの処理に集中しているというのが興味深い。昨シーズンの経験から、現行レギュレーション下ではコアンダ・エキゾーストとパッシブ DRS(いわゆるダブル DRS)に開発を集中するのが最も投資効率が高い、という判断なのでしょう。

その中で、興味深いのはマクラーレン。昨年の敗因はパフォーマンスが一貫しなかったことと信頼性に尽きるでしょうが、マシンのポテンシャル自体はレッドブルと肩を並べていたと思います。出遅れていた点があるとすれば、ローノーズを前提としたモノコックで序盤の開発の方向性を間違えてしまったこと。今回はハイノーズ前提のモノコックに変更し、さらにはフェラーリと同様にフロントプルロッドサスペンションを採用。現時点でフロントに手を入れている数少ないチームと言えます。昨年序盤は失敗と言われたフェラーリのフロントプルロッドサスも中盤戦以降は使いこなせるようになってきていたので、マクラーレンもプルロッド化することで失われるセッティングの幅よりも、空力的なゲインが大きいという考えなのでしょうが、伝統的に固いマクラーレンの足回りがさらに固くなることが、吉と出るか凶と出るか。
フロントプルロッドをコピーされた側のフェラーリは、基本的には昨年の正常進化形。とはいえ昨年の初期型と比べれば空力付加物は一新されていて、昨年一年間で熟成しきれなかった F2012 のコンセプトを踏襲しつつ、さらに完成度を高めることでまだまだ残されている開発の「伸びしろ」を使い切りたい、という狙いでしょうか。

今日(現地時間では昨日)から最初のヘレステスト。実際に走り出してみるまではどのマシンが本当に速いのか分かりません。以前までは「速いマシンは美しい。美しいマシンは速いことが多い」と考えていましたが、去年の段差ノーズでも速いマシンは速かったから、もう外観を見てもよく分からなくなりました(笑。
いつの間にやら開幕まであと 40 日ほどに迫っていますし、開発期間を考えるとテストの結果からある程度序盤戦の勢力図も予想できそう。テスト情報には目を光らせておく必要がありそうです。

投稿者 B : 00:28 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2013/01/30 (Wed.)

F1 2013 年新車発表スタート

ロータス E21を発表 - GPUpdate.net
ロータス ヴァルセッキをサードドライバーに起用 - GPUpdate.net
【新車解説】ロータスE21、打倒3強を目指す隠れた野心作 - F1ライフ

2013 年シーズンの新車発表、まずはロータスから始まりました。

パッと見の印象では昨年の E20 から大きな変化は感じられません。まあ冬季テスト中にどんどんアップデートが施される前提で、新車発表時の仕様にどれほどの意味があるのか、という議論もあるでしょうが、今季のようにレギュレーションの変更点が少なく、またオフシーズンが短い状況であれば、少なくとも開幕からヨーロッパラウンド前までは基本的にこのパッケージで戦うことになるでしょう。
この E21 は昨年の終盤アブダビ GP で優勝した後期型 E20 の正常進化形で、さらにトレンドのコアンダ・エキゾーストを搭載してきており、ベースラインのパフォーマンスがある程度保証されていると言って良いでしょう。昨年以上にレッドブルやマクラーレンと互角の戦いを見せられる可能性を秘めたマシンだろうと思います。そういう意味では、今季は昨年以上に混戦になる可能性も高い。トップチームでのドライバーのシャッフルはハミルトンくらいしかありませんでしたが、逆に熟成されたシーズンになりそうです。

このマシンを見て気がつくのは、カラーリングの「赤」が占める面積でしょうか。これはスポンサーであるトタルのイメージカラーで、つまりはフランスマネーが増額されたということ。グロジャン残留との関係性がここから推測できますね。そしていつの間にかフランスのニコラ・プロスト(アラン・プロストの息子)が開発ドライバーの座についているじゃないですか。
今さらこれで可夢偉のシートが...というつもりはありませんが、オールドファンの感傷としては、せっかくニコラ・プロストがここまで上がってきているときに、いっぽうのブルーノ・セナがウィリアムズのシートを失い、今季の F1 ドライブに黄信号が点っているというのは何とも残念な限り。まあ、この二人が F1 でチャンピオン争いをする可能性は高くはないでしょうが、もう一度「セナ・プロ」の名前を F1 のグリッドで見たかった気はします。

ともかく、この後 1 週間ほどの間でマクラーレン、フェラーリ、フォースインディア、ザウバー、レッドブル、メルセデス、と立て続けに新車発表が予定されています。開幕戦のレッドシグナルが消えるまでは真の勢力図は見えてこないとはいえ、マシンのデザインから想像するだけでも楽しいもの。注目していきたいと思います。

投稿者 B : 00:11 | F1 | Season 2013 | コメント (0) | トラックバック

2012/12/19 (Wed.)

小林可夢偉が 2013 年のシート獲得を断念

ロータス グロージャン残留を発表 - GPUpdate.net
可夢偉 2013年のレースシート喪失を報告 - GPUpdate.net
コバヤシ選手から、残念なお知らせ。だけど終わったわけじゃないので冷静に。 - F1ライフ

あああああああ。

ザウバーからの放出後、「上位が争えるチームへの移籍」の道を模索していた小林可夢偉が 2013 年のレースシート獲得を断念。おそらくほぼロータスに絞って交渉を続けていたものの、ロータス側がグロジャンの残留を発表したことにより、その望みが絶たれたということのようです。下位チームで走ってもトップチームの目に留まることがないことは、トゥルーリやコヴァライネンらが証明してしまっていますし、あとはフォースインディアくらいしか現実的な選択肢がなかったことも事実。そのフォースインディアもスーティルの復帰が濃厚と言われている状況でした。

可夢偉自身が企業からのスポンサードを取り付けた分に加えて募金プロジェクト「KAMUI SUPPORT」で集まったお金を合計して 10 億円近く、これだけあっても全然足りていないというのが F1 のシート獲得の現状。スポンサー持ち込みなしで乗れるのは、事実上フェラーリ・マクラーレン・レッドブル・メルセデスくらい、というのが今の F1 です。「ドライバーだってあくまで F1 を構成する要素のひとつ、資金を持ち込んでマシンやチームを強くすることも F1 ドライバーの実力のうち」という見方もあるでしょうが、それもそれで悲しい。
まあ、可夢偉サイドの敗因を挙げるとするならば、資金集めに動き始めたのが遅すぎた(おそらくスポンサー候補企業との交渉もザウバー残留が怪しくなってきたあたりから始めたのでしょうし、「KAMUI SUPPORT」も開始タイミングと準備期間を考慮すると、ペレスの移籍が決定した前後あたりから動き始めたのではないかと思われる)ということは言えそうです。もっと早く資金集めと他チームとの交渉を始めていれば、あるいは...と思える節もいくつかあるだけに、残念でなりません。

可夢偉は 2014 年のレースシート獲得を改めて目指すとのことですが、2013 年はどうするのか。残された選択肢は、下位チームのレースシートに座るか、上位チームのテスト/リザーブドライバーを狙うか、ピレリのタイヤ開発ドライバーとして一年を過ごすか。おそらく下位チームで走るセンはこれまでの経緯を考えるとないでしょうし、ピレリも 2014 年のタイヤ供給については現時点で白紙、つまり当面はピレリのタイヤテストの予定がないためドライバーも必要としていませんし、あとは上位チームのテスト/リザーブドライバーの席が空いているか、完全なる F1 浪人となるか、の二択になるような気がします。
いずれにしても、2013 年の F1 は本気で応援したいドライバーがいないので(可夢偉以外のドライバーについてはけっこうフラットな目線でレースそのものを楽しんでいるつもりなので)、テレビ観戦も張り合いがないなあ。むしろフジテレビ(BS/CS)での中継が今後どうなっていくのか、ということさえ不安になってしまいます。2014 年からホンダがエンジン供給で復帰、そこに可夢偉も...というストーリーがあってくれると嬉しいのですが...。

投稿者 B : 00:14 | F1 | Season 2013 | コメント (2) | トラックバック

2012/11/26 (Mon.)

F1 ブラジル GP 2012

ブラジルGP決勝 バトンが優勝、ヴェッテルが3連覇!! - GPUpdate.net

最終戦までもつれ込んだ 2012 年のドライバーズチャンピオンシップは、2008 年の最終戦を彷彿とさせる雨絡みの荒れたレースが演出してくれました。スタート前から降ったりやんだりのコンディションで、ほとんどのチームが天候に翻弄され、薄氷の上を走るようなレースで手に汗握る展開となりました。

レースの経過は割愛しますが、まずはスタートの蹴り出しが悪かったヴェッテルがブルーノ・セナに絡まれてスタート直後にスピン。チャンピオンの最右翼がほぼ最後尾からの追い上げ、という展開だけで胸が熱くなるものですが、雨が降ったりやんだりでピットインのタイミングがずれたこと、それからセーフティカーの導入などがさらに状況を複雑にして、観戦していても誰が実質的にどのポジションにいるのか分からなくなるほどでした。
個人的にシビれたのはフェラーリ。前戦アメリカ GP でもアロンソを奇数グリッドからスタートさせるためにわざとマッサのギヤボックスを交換してペナルティを受けるなど、もうなりふり構わないチームプレイに驚きましたが、今回も先行していたマッサが追い上げてくるウェバーを抑え込みつつ、後ろからアロンソがスリーワイドになりながら 2 台をごぼう抜きにしていく、という強烈な連携プレイを見せてくれました。チームオーダーが実質解禁されてから 2 年が経ちますが、こういう姿勢こそチャンピオン争いですよね!

最終的にはハミルトンとヒュルケンベルグの接触に助けられた面もありましたが、フェラーリが 2-3 フィニッシュ、ヴェッテルが 6 位入賞で、3 ポイント差でヴェッテルが 3 年連続の戴冠。アロンソは前戦 7 番手スタートからの 3 位、今回も 7 番手スタートからの 2 位という結果は、今シーズン 3 番目に速いにすぎないマシンでの戦いざまとしては素晴らしかったですし、ヴェッテルも最後尾スタートから自力入賞でチャンピオンを決めたという意味ではいい仕事をした。最終的に勝利の女神はヴェッテルに微笑みましたが、個人的には両者に、そして勝ったバトンに拍手を送りたいです。

そしてザウバーでの最終レースとなった小林可夢偉。予選こそ振るわなかったものの、決勝ではスタートの混乱をうまくすり抜けて入賞圏へ。ウェバーとの接触がありながらも可夢偉らしいオーバーテイクで 6 番手までポジションを上げます。うまくいけばドライバーズランキングで僚友ペレスをかわし、コンストラクターズランキングでもメルセデスを逆転できるのでは...!というところまで行きましたが、ピット戦略がイマイチうまくはまらなかったり、最後はこの三年間絡みまくったミハエル・シューマッハーと接触して万事休す。なんとか 9 位 2 ポイントを持ち帰ったものの、ペレスとメルセデスの逆転は叶わず、しかも上位入賞したヒュルケンベルグにもドライバーズランキングで抜かれる、という何とも残念なリザルトでシーズンを終えました。レースの内容は良かったのに戦略ミスと最後の最後で本人もミスをして結果に結びつかない...という、今シーズンの可夢偉をそのまま象徴するようなレースだったのは、悔しいというか言われてみれば納得というか。日本 GP 以降ノーポイントのドライバーがマクラーレン移籍で、これだけ走れるドライバーがシート喪失の危機、というのは納得がいきませんが、結局は結果を残すべきタイミングで結果を残せるドライバーでなければ生き残っていけない世界。まだロータスとフォースインディアのシートに可能性が残っていますが、オフシーズンの間に良いニュースが届くことを期待しましょう。

F1 至上まれに見る混戦となった 2012 年シーズンでしたが、結果的にはオフスロットルブロー禁止後のマシン開発に対する解を終盤で見つけてきたレッドブルがやはり強かった。マクラーレンは速さの一貫性に欠け、フェラーリはアロンソがチームを引っ張っていたものの、終盤戦までマッサが速さを取り戻せなかったことが敗因の一つだと思います。アロンソにミスらしいミスはなく、マシンの性能以上の結果を持ち帰っていたので、マッサの復調(マッサにも御しやすいマシン開発も含む)があと数戦早く、ライバルからポイントを奪っていれば、違う結末が待っていたんじゃないかと思いますが...。

ともあれ、長かったシーズンもようやく終わりました。でも気づけば間もなく 12 月。年明けには 2013 年の新車発表、と考えると、のんびりしてる暇なんてなくすぐに来シーズンが始まってしまうんだなあ...。一部チームではもう来季の先行開発パーツがフリー走行で試されていたりもしますし、2014 年のエンジンレギュレーション改定をふまえて来季は大きなレギュレーション変更がないため、今シーズンの延長線上として来季が始まりそうな流れ。このままだとまた三強の争いになるでしょうが、マクラーレンはドライバーの片割れが変わることもあって、勢力図はまたちょっと変わってきそうな気がします。とはいえ、まずはいったん小休止。各チームの皆さん、ドライバーの皆さん、お疲れさまでした。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/11/24 (Sat.)

小林可夢偉のザウバー離脱が確定

ザウバー グティエレスをレースドライバーに起用 - GPUpdate.net

今季の最終戦ブラジル GP 開幕直前になって、ザウバーが来季のセカンドドライバーとしてグティエレスの起用を正式発表しました。
まあ、論理的に考えてほぼ分かっていたこととはいえ、現実になるとがっくりきますね。あー。

来期のザウバーのエースドライバーになるニコ・ヒュルケンベルグは PP 獲得経験もあるし、確かにポテンシャルの高いドライバーだとは思いますが、今季ここまでの成績は小林可夢偉を下回っています。噂では将来のフェラーリ入りを前提とした、フェラーリからの支援つき加入という側面もあるようです。で、グティエレスはテルメックス(メキシコ)のスポンサーつき...という状況では、この 3 年間チームに貢献してきた可夢偉よりも金銭を取らなくてはならないザウバーの窮状が改めて浮き彫りになったと言わざるをえないでしょう。今季コンストラクターズ 5 位を狙っているチームでさえこの状況、というのは、F1 ファンとしては(純粋に速いドライバーがマシンに乗れるわけではない、という意味で)とても悲しいものがあります。

当の小林可夢偉は、ブラジル GP を前に今後の F1 活動への支援を集める募金活動を開始しました。タイミング的には可夢偉のチーム離脱と符合しますが、今さら脱落が決定したからといって始めた活動ではないでしょう。日本 GP の時点でもはやレース結果がザウバー残留の条件ではないことが明らかになっていた以上、既にいくつかの企業とスポンサーシップに関する交渉を進めていることに加え、他チームとの交渉も始めていたことは間違いないとみていいはずです。募金活動自体は、それでも資金が足りていない、という現状を示しているのではないでしょうか。

F1 ライターの米家峰起氏もこのような話をツイートされていますし...。

小林可夢偉はたとえばアロンソやライコネンほど突出して「持ってる」わけではないかもしれません。それでも、歴代の日本人ドライバーの中ではトップクラスのセンスと忍耐強さを兼ね備え、現役ドライバーの中でもトップ 10 を争える、秀でた F1 ドライバーだと思います。来季はできればロータス、最低でもフォースインディアのシートくらいには座っていてほしいものですが...。

投稿者 B : 23:25 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/11/21 (Wed.)

F1 アメリカ GP 2012

アメリカGP決勝 ハミルトンが優勝、タイトル争いは最終戦へ - GPUpdate.net

今シーズンの最終戦の一歩手前、アメリカ GP。さすがにアメリカ大陸のレースはリアルタイム視聴が厳しいので録画で...と思ったら、生放送の録画に失敗していて(´д`)ものすごくタイミングを逸しながらもようやく観戦しました。

予選は相変わらずヴェッテルが速くて PP 獲得。2 番手ハミルトン、3 番手ウェバー、というグリッドでしたが、偶数グリッドのグリップが悪くてスタート直後にはレッドブルの 1-2 体制。このままヴェッテルが逃げ切って三連覇確定してしまうんじゃ...と思ったら、ハミルトンが思いの外いい。ウェバーもヴェッテルもコース上でオーバーテイクして、イタリア GP 以来の優勝をチームにもたらしました。
レッドブルはウェバーがハミルトンに抜かれた後にオルタネーターのトラブルでリタイア。アロンソを抑えての走行だったところ、チームメイトのサポートをするどころか最悪の結果になりましたが、これは逆にヴェッテル車にトラブルが発生しなくて良かった、と考えるべきなのかな?いずれにしても、今季のレッドブルはオルタネータートラブルでのリタイアは少なくとも 3 回目なので、相変わらず信頼性がアキレス腱になっているのは変わらないようです。ヴェッテルはハミルトンが速くて抑えきれなかった、という側面もあるでしょうが、「少なくともアロンその前でゴールすれば良い」という判断で無理をしなかった、と見るべきかもしれませんね。圧倒的に勝っていても最後にファステストラップを獲りに行くようなヴェッテルでさえ、チャンピオン獲得のためにここは我慢した、ということでしょう(笑。

アロンソは予選 9 位ながらもグロジャンのギヤボックス交換ペナルティで 8 番手に繰り上げ。しかしながらクリーンサイドの奇数グリッドを取るために、予選 7 位だったチームメイトのマッサのギヤボックスをあえて交換してペナルティを受け、アロンソを 7 番グリッドスタートにするという力業に出ました。結果、アロンソはスタートで一気に順位を上げ、ウェバーのリタイアなどにも助けられて 3 位表彰台なのだから、今のフェラーリ&アロンソの維持の力は並大抵ではありません。
ヴェッテルは本当は勝って三連覇に王手をかけたかったところでしょうし、アロンソもヴェッテルの前でゴールしたかったところでしょうが、ヴェッテル的にはアロンソの前でゴールでき、アロンソもダメージを最小限に抑えて最終戦に望みをつないだ、という意味では、両者にとって「最低限のことはやった」というレースだったことでしょう。

アメリカ GP の開催は実に 5 年ぶり。個人的には、過去に開催されたフェニックス(懐)やインディアナポリスはいかにもアメリカ的な単調で面白くないサーキットだと思っていましたが、今回からのテキサス州オースティンサーキットはオーバーテイクも多くてテクニカルな面白いサーキットですね。エキサイティングなレースで非常に楽しめました。

さあ、あとは間もなく開催の最終戦ブラジル GP。13 ポイント差でヴェッテル優位には違いないですが、過去にいくつものドラマを作ってきたのがインテルラゴスサーキット。史上稀に見る混戦のシーズンが、どのような結末を迎えるか、見守りたいと思います。

投稿者 B : 23:30 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/11/05 (Mon.)

F1 アブダビ GP 2012

アブダビGP決勝 ライコネンが復帰後初の優勝を飾る! - GPUpdate.net

アブダビ GP は本当に見応えのある面白いレースでした。韓国~インドとヴェッテル圧勝すぎ、可夢偉残念すぎで退屈なレースが続いていたんですが、番狂わせが起きるとやはり興奮しますね。

まずは予選、3 番グリッドを手に入れたはずのヴェッテルが、燃料規定違反(予選後の燃料残量が規定未満だった)で予選失格のペナルティ、最後尾スタートとなりました。昔からレースは「圧倒的に速いマシンが後ろから追い上げる展開は面白い」と相場が決まっていますが、まさにその通りの展開に。序盤からものすごい勢いで追い上げていたにも関わらず、2 度のつまらない接触でフロントウィングを壊し、緊急ピットインで再び最後尾からのスタート。上位を争っていたウェバーもマルドナドとのくだらない接触がありましたが、今回のレッドブルはチャンピオンチームらしくもなく、チームにもドライバーにもしょうもないミスが目立ちましたね...。
それでもヴェッテルはセーフティカーに救われたこともあって、気がつけば上位に進出。最後は実力でバトンをパスし、なんと最後尾スタートからのポディウムを獲得してしまいました。いくらヴェッテル&RB8 が速いとはいえ、この結果には驚き。そして、PP からのスタートでなければヴェッテルの走りはこんなに面白いのか、と思わされました(笑。

2 位のアロンソも、絶対的なスピードがないながらうまいレース運びでした。きっちりペースを揃えて走りつつ、ここぞというところで確実にプッシュできるコントロールのうまさは現役ドライバー随一でしょう。要所要所でオーバーテイクを決め、ウェバーとマルドナドを実力で抜き去っての 2 位。「最低でもヴェッテルの前でゴール」を達成できたので、アロンソとしては今回は満足の結果だったんじゃないでしょうか。
そして復帰後初優勝となったライコネン。スタートから逃げを打って圧勝かと思われたハミルトンが突然のエンジンブローで消えて以来、最後までトップを守り抜きました。今季のライコネンはワンチャンスをモノにできればいつ勝ってもおかしくない状態でしたが、このシーズン終盤でそのチャンスがやってくるとは。そしてその勝利の美酒になるはずだったポディウムがノンアルコールというのは、もう皮肉としか思えません(笑

我らが可夢偉は日本 GP 以来久しぶりに見せ場を作ってくれました。予選は全くふるわず 15 位、決勝もスタートに成功して順位を上げたものの、チームメイトのペレスのペースにさえついて行けずずるずる下がるだけ...と思いきや、前を走るマシンたちのアクシデントをうまくすり抜けてスルスルとポジションアップ。ペレスの「自滅」にも助けられて、最終的には 6 位フィニッシュを果たしました。やっぱり、ザウバーはこないだの鈴鹿が例外的だっただけで、基本的には予選がダメでも決勝重視のセッティングでしぶとく走った方がうまくいく、ということなのかもしれませんね...。ともあれ、ガマンしてマシンをゴールまで運んだ可夢偉には天晴れと言いたい。
いっぽうで、ペレスはマクラーレン移籍が決まってからなんかおかしい。ちょっと調子に乗っているというか、以前の新人らしからぬクレバーな走りが一転、無謀なプッシュと言える走りが目立ってきましたね...無理なオーバーテイクを仕掛けた結果の接触で、自身のみならずウェバーとグロジャンを巻き込んでのリタイア。マクラーレン入りの前に一度冷静になっておかないと、一時期のハミルトンや今年のマルドナド、グロジャンのように「危険なドライバー」の烙印を押されることにもなりかねませんよ。特に今回は、ダブル入賞を果たしていればコンストラクターズポイントでメルセデスの逆転に王手をかけられただけに、チームとしても残念なリタイアでした。

ともあれ、2012 年の F1 も泣いても笑ってもあと 2 戦。アメリカ大陸での 2 連戦を残すのみとなりました。ひさびさの北米開催となるアメリカは F1 ではまだ誰も走ったことのないサーキット。どのクルマが一番速く、強いのでしょうか。

投稿者 B : 23:47 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/10/29 (Mon.)

F1 インド GP 2012

インドGP決勝 ヴェッテルが4連勝、アロンソが2位 - GPUpdate.net

インド GP。シーズン終盤のアジアラウンドに入ってから圧倒的な強さを発揮し始めた RB8&ヴェッテルの組み合わせがインドでも圧勝、シンガポールからの連勝を「4」に伸ばして選手権でのリードを広げました。

初開催となった昨年もヴェッテル圧勝でしたが、今回も似たようなレース。大きなアクシデントもなく、比較的単調なレースになりがちなサーキットなのかもしれません。地形を巧みに活かしたアップダウンのあるレイアウトで、曲率の違うコーナーを組み合わせて大きく回り込むコーナーを作るのはいかにもヘルマン・ティルケデザインのサーキット。ただ、コース全体としてはなんだか単調に見えるんですよね。

ともあれ、ヴェッテルは強い。RB8 の開発がようやく成熟し、ヴェッテルも乗りこなせるようになってきたということでしょうが、前半戦の苦戦が嘘のように、まるで昨シーズンのヴェッテルを見ているかのようなレース運びです。そして、ヴェッテルが強すぎるとレースがつまらないという(笑。
それでもアロンソはダメージを最小限に抑える 2 位フィニッシュは立派ですね。アロンソがウェバーを交わして 2 位に浮上した 48 ラップ目が、このレースの唯一の見せ場であったと言っても過言ではないくらい、追い詰め方も見事でした。ウェバーは KERS にトラブルを抱えていたとはいえ、安定性はともかく絶対スピードに欠ける今の F2012 でレッドブルの 1 台を喰うとは思えなかったので、驚かされましたね。

それでもヴェッテルとアロンソのポイント差は開き、現在 13pt のギャップで残り 3 戦。トラブル 1 つでなんとでもなってしまう点差とはいえ、ちょっと今のヴェッテルの勢いはそう止まりそうには見えないなあ。とはいえアブダビ GP もすぐにやってきます。そこでチャンピオンシップの趨勢が見えるか、それともまた振り出しに戻るか。アブダビ GP も単調なレースになりがちなサーキットですが、ハラハラさせてくれる展開に期待したいです(笑。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/10/14 (Sun.)

F1 韓国 GP 2012

韓国GP決勝 ヴェッテルが3連勝!レッドブル1ー2 - GPUpdate.net

感動の鈴鹿から連戦となった韓国 GP。我らが可夢偉...は、フリー走行からイマイチ苦しそうなマシン状況で予選 13 位。決勝では何とかポイント圏内フィニッシュが現実的な目標か...と思っていたら、スタート直後の第 3 コーナーでバトンと接触、バトンのフロントタイヤを壊してリタイアに追い込みつつ、自らも右リヤタイヤをバーストさせて緊急ピットイン。コースには復帰したものの、マシンにダメージが残っていたのか、最終的にはレースを諦めてガレージに車を戻してしまいました。バトンとの接触は他にもロズベルグやペレスがコース上に並んで行き場を失った結果であり、半ば不可抗力に近いものではありますが、鈴鹿での初ポディウムを得ながら来季のシートに黄信号が点っている可夢偉にとっては手痛いミスと言えるでしょう(とはいえ、可夢偉自身がそれなりのスポンサーを連れてくることができれば、今季の残りのレースの結果は来季のシートに影響しない、という状況ではありますが)。

この韓国でも圧倒的に強かったのはヴェッテル。PP こそウェバーに奪われたものの、スタートでトップに立ってからはウェバーの援護射撃もあって後続を全く寄せ付けず、完勝で今季ただ一人の 3 連勝を記録しました。シーズン 4 勝目というのも現時点での最多勝で、チャンピオンシップでもついにアロンソを逆転、6 ポイント差で首位に躍り出ました。
ヴェッテルは前半戦、ブローディフューザー禁止に伴う今季仕様の空力をなかなかモノにできず、苦しんでいました。が、マシンの開発が進み、ヴェッテルもそれにようやくアジャストできるようになったのか、シーズン終盤に来ての 3 連勝。この 3 戦はまるで昨シーズンの再現を観ているかのような完勝ぶりで、ようやく眠れる猛牛が目を覚ました感があります。

対するフェラーリは鈴鹿に続いて韓国でもマッサがいい走りを見せており、こちらもマシンの熟成が進んだ(かつ、ようやくマッサが F2012 にキャッチアップできてきた)ということだと思いますが、マシンの絶対性能的には明らかにレッドブルのほうが一段上。3-4 フィニッシュという悪くない結果を残しながらも、レッドブルに負けていてはアロンソのチャンピオン獲得はあり得ません。
マシンの絶対的なスピードであればマクラーレンもレッドブルに負けてはいないと思いますが、ここ数戦はセットアップの煮詰まり具合という点でレッドブルに後れを取っている印象が否めず、今回の韓国 GP をもってハミルトンもチャンピオン争いから事実上脱落したとみていいでしょう。もはや奇跡でもない限りはヴェッテルとアロンソの一騎打ち、それも状況としてはヴェッテル有利というのが現在の勢力図でしょうね。残っているサーキットとマシンの相性を考えても、ヴェッテルがミハエル・シューマッハー以来の三連覇、エイドリアン・ニューウェイも自身がデザインしたマシンとしては初の三連覇、という結末がいよいよ現実味を帯びてきたように思います。あとは今季大事なところで露呈しているマシンやエンジンの信頼性問題がどう出てくるか、がキモになりそうですが...果たして。

投稿者 B : 22:04 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/10/07 (Sun.)

F1 日本 GP 2012 決勝 -可夢偉初表彰台!-

日本GP ヴェッテルが優勝、小林が3位表彰台!!! - GPUpdate.net
可夢偉 歓喜の初表彰台 - GPUpdate.net

ついにこの日がやって来ました。

日本 GP 決勝は、小林可夢偉が 3 番グリッドからのスタート。課題だったスタートダッシュも今季最高の形で決め、ウェバーを抑えながら 2 位で 1 コーナーに入っていくことに成功しました。その後、ウェバーとグロジャン、アロンソとライコネンの接触があってセーフティカーイン。アロンソはそのまま後輪がパンクしてリタイア、ウェバーも下位に沈み、可夢偉にとっては理想的な状態でレースが始まりました。
とはいえ今回の可夢偉車はタイヤが厳しめで、後続のバトンやマッサに追われる展開。抜きにくい鈴鹿とはいえ、DRS ゾーンに入られたくはありません。バトンが早めのピットインでアンダーカットを仕掛けてきた翌周にザウバーも反応してピットインし、バトンを抑えることには何とか成功したものの、マシンの仕上がりが良かったマッサがその間にペースを上げて先行。タイミング的に両者ともどもを抑えるのは難しかったかもしれませんが、あそこでバトンに反応していなければもう少し違った展開があったかもしれません。
以降の可夢偉はマッサを追いかけながらバトンから逃げるレース。途中、バトンがギヤボックストラブルで少しペースを落とすシーンがあったものの、全体的にはフェラーリとマクラーレンのほうが速く、マッサには徐々に離され、バトンには少しずつ詰められる展開が続きました。それでもポジションをキープしたまま 2 回目のピットストップも済ませ、あとはコース上の勝負に。ピット作業の遅さが課題だったザウバーも、今回は完璧な作業で可夢偉をアシストしました。
終盤まで可夢偉とバトンは自己ベストを出し合いながら、最後までマシンとタイヤの性能を絞り出して競った結果、0.5 秒差で可夢偉が勝利。ピレリタイヤの「クリフ」がいつ来るかヒヤヒヤものでしたが、可夢偉はそれでもラスト 5 周のためにわずかな余力を残していたかのようにも見えました。

最終的に、可夢偉は日本人として 8 年ぶり 3 人目、日本グランプリでの日本人ドライバーとしては鈴木亜久里以来 22 年ぶりの 3 位表彰台を獲得。先人 2 人の場合はタナボタ的な要素もありましたが、今回の可夢偉は(アロンソとウェバーの脱落があったとはいえ)シーズンを通じて相応の実力があり、レースでも最後まで真正面から戦い、マクラーレンの 2 台を後ろに従えての 3 位なので、正真正銘の表彰台です。だって今年はワールドチャンピオン経験者が 6 人も走っているんですよ!?一昨年の鈴鹿でのオーバーテイクショーは後ろからのスタートだったのに対して、今年はオーバーテイクでの見せ場こそありませんでしたが、ポジションを守るレースができる状況になった、というのは大きな進歩だと思います。
可夢偉の来季の去就はまだ不透明なままですが、このまま残りのレースでも今回のような勝ちパターンを確立していって、来年に繋げてほしいですね。少なくともザウバーはペレスが離脱する今、チームや開発の継続性を断つべきではないと思います。

他のドライバーに目を向けると、今回もやってくれたグロジャン。2 番手スタートのウェバーに特攻したことを考えると、もしヴェッテルにグリッド降格ペナルティが課せられて可夢偉が 2 番手スタートだったら...と想像すると恐ろしいです(´д`)。今回は結果的にライコネンとグロジャンが可夢偉の表彰台を助けた格好になりましたが、あと一回同じような事故を起こすようなら、FIA はグロジャンの処遇を考えたほうがいいと思う。
チャンピオンシップという意味ではアロンソは悔やんでも悔やみきれないでしょうね。今季は自身にミスらしいミスはなく、2 回のリタイアはいずれももらい事故。それでレース前までヴェッテルと 29pt あったポイント差が、レースを終えた時点で一気に 4pt 差まで詰め寄られてしまいました。これはもうポイント差がないに等しく、次のレースでヴェッテルが勝ったら逆転されてしまうことを意味します。あとは現実的に可能性が残っているのはせいぜいハミルトンとライコネンまで。29pt 差であればアロンソは残りのレースで勝てなくても 2 位を続けていけばチャンピオン獲得の可能性は高い、と思っていましたが、こうなってくると直近のマシン性能的にはむしろヴェッテルのほうが可能性は高いのではないかとさえ思えます。なんだか 2010 年のチャンピオンシップ終盤の状況にだんだん似てきましたね...。

という複雑な状況を抱えながら、次は来週の韓国 GP がすぐにやってきます。ドライバーたちはほとんど休む暇もなく(とはいえ、多くのドライバーはこの後東京で 2 日間ほど過ごしてから移動するようですが)転戦していきます。でも、今は可夢偉に表彰台の喜びをじっくり噛みしめてほしい。おめでとう可夢偉!

投稿者 B : 22:57 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/10/06 (Sat.)

F1 日本 GP 2012 公式予選

日本GP予選 ヴェッテルが4年連続のPP! - GPUpdate.net
ザウバー 可夢偉が2列目を獲得 - GPUpdate.net

今年も始まった F1 日本グランプリ。10~11 月開催のグランプリが増えた今、チャンピオンシップにおける鈴鹿のドラマ的な重要性は以前に比べれば薄れていますが、それでもそろそろ大詰めの落とせないレースであり、鈴鹿がすべてのドライバーにとってチャレンジングなサーキットであることに変わりはありません。

チーム間の勢力図という意味では、ここ数戦は明らかにマクラーレンの流れ。レッドブルは主にトップスピードで伸び悩み、フェラーリも遅くはないけど最速ではない、という状況でしたが、昔から鈴鹿との相性が良いのがエイドリアン・ニューウェイがデザインしたマシン。そこに「鈴鹿の森の神に祝福された青年」ことヴェッテルが圧倒的な速さを見せつけて PP。Q3 アタック中のアロンソへの妨害と見なされる行為で審議対象になりましたが、グリッド順位に影響はなく、今季初のレッドブルによるフロントロウ独占となりました。
ここ鈴鹿でのマシン性能はおそらくレッドブル→マクラーレン→フェラーリ→ザウバー/ロータスといった順でしょうか。可夢偉は金曜プラクティスではセットアップがイマイチ決まり切らない様子だったものの、土曜日にはきっちりまとめてきました。ザウバーは 2 台揃っての Q3 進出を決め、Q3 最終アタック時のライコネンのコースオフによって最後のアタックの様子が分からなかったばかりか、複数のドライバーが黄旗無視で審議対象になるのでは?と危ぶまれましたが、結果的にいずれもお咎めなしで可夢偉は 4 番手タイムを記録。3 番手バトンのギヤボックス交換ペナルティにも救われ、明日の決勝は 3 番グリッドからのスタートとなりました!

レッドブルの 2 台は明らかに速いのでトラブルでもない限り勝負にならないでしょうが、今回の C31 は 2 台揃って好タイムを記録できていることからも、鈴鹿に合ったセッティングを見つけられたと見ていいでしょう。可夢偉にとっては今季ここまでの課題となっているスタートとピット戦略のミスさえなければ、現実的に表彰台を獲りに行ける状況だと思います。最も心配なのは、ベルギーでのスタートでチャンスを完全に潰してくれたグロジャンが隣のグリッドからスタートすることです(´д`)。

鈴鹿は偶数グリッドよりも奇数グリッドのほうがスタートで有利、というのは昔から言われている話。今回はもしかしたらベルギーよりも良い状態でスタートを切れるのではないでしょうか?日本 GP としては 1990 年の鈴木亜久里(3 位表彰台)を超えるリザルトを期待せざるを得ません。明日は気合い入れて応援しないと!

投稿者 B : 21:35 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/10/05 (Fri.)

M. シューマッハーが引退へ

シューマッハ 二度目の引退を発表 - GPUpdate.net

7 冠を誇る F1 界の絶対王者、ミハエル・シューマッハーが 2 度目の現役引退を発表しました。まあ先日のハミルトンのメルセデス移籍決定でほぼ確定的な状況になっていたとはいえ、実際に確定してしまうとちょっと寂しいですね。

今季のミハエルはようやく現行型マシンやタイヤの使い方が身についてきたのか、復帰以来最も元気が良い走りを見せていて、得意のモナコで復帰後初のポールタイムを記録(ペナルティで 6 番グリッドスタートだったとはいえ)したり、ヨーロッパ GP ではポディウムに上ったりしていました。が、いっぽうで不注意やミスが原因と思われる追突事故なども繰り返しており、そろそろ身体がついていかなくなってきているんだろうなあ...と思わせる部分もありました。一応、「復帰後 3 年以内に結果を出す」と宣言していた節目の年でもありますし、潮時なのかと。

そして今週末はいきなりミハエルの鈴鹿ラストランとなってしまいました。6 年前、最初の引退を発表した後の鈴鹿ラストランは観に行きましたが、今年は行けそうもないなあ。残念。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/09/28 (Fri.)

ハミルトンはメルセデスに、ペレスはマクラーレンに

メルセデス ハミルトンと3年契約 - GPUpdate.net
マクラーレン ペレスと複数年契約 - GPUpdate.net

日本 GP を前に、今週は F1 関係のニュースも一休みかな...と思っていた矢先に驚くべきニュースが。ハミルトンがマクラーレンを離脱し、メルセデス AMG と 3 年契約。入れ替わりにペレスがマクラーレンと複数年契約、という衝撃的な移籍が発表されました。

バトンがチームと複数年契約を交わしたのに対して、ハミルトンがマクラーレンと主に契約金の点で交渉がまとまっていないという噂は以前からありましたが、ハミルトンがテレメトリーデータを Twitter に投稿した事件など、昨今チームとの関係がうまくいっていないと思わせる言動や状況もいくつかありました。それでもメルセデス移籍の噂はマクラーレンとの交渉を有利に進めるためのブラフだろうと思っていたら、本当に移籍とは。
マクラーレンはハミルトンにとっては少年時代から接してきたチームでしたが、最大の支援者だったロン・デニスがチームを離れ、ハミルトンと同じくらい速くてワールドチャンピオンの肩書きを持つバトンが入ってきて、それまでのようにマクラーレン自体が「チーム・ハミルトン」でなくなってきたことは事実でしょう。それでも現に今シーズン最多タイとなる 3 勝を挙げ、最速マシンを擁するマクラーレンから、参入以来今季ようやく 1 勝を挙げたばかりのメルセデスに移籍するというのは、明らかに自身の 2 度目のワールドチャンピオンの可能性を潰してしまったようなもの。移籍先がレッドブルやフェラーリというならまだしも、常に撤退の噂がちらつくメルセデスですし、私がハミルトンの立場だったら、減俸を受け入れてでもチャンピオン獲得の可能性が高いチームに残るほうがレーサーとして得策だったと思うけどなあ(2007 年のアロンソのように、最速マシンでありながらチーム内で孤立した状況であれば、話は別だけど)。極端な言い方をすれば「金でレーサーとしての将来を棒に振った」という印象。

これでメルセデスはハミルトンとロズベルグの 2 人体制。自動的にミハエル・シューマッハーのシートがなくなったことになりますが、マッサの後任としてフェラーリに電撃復帰、というサプライズでもない限り、このまま引退→メルセデス F1 の幹部としてチームに残る、という可能性が最も高いのではないでしょうか。

そして同様に驚いたのがペレスのマクラーレン移籍。ペレスはデビューイヤーの昨年から印象的な走りを見せ、今季既に表彰台 3 回という結果を残していますが、フェラーリ・ドライバーズ・アカデミー出身のペレスがフェラーリではなくマクラーレンに移籍というのがまずサプライズ。ただ、アロンソが絶対王政を敷くフェラーリでセカンドドライバーに甘んじるのと、曲がりなりにも対等に扱ってくれるマクラーレンでバトンの経験に学ぶのとではどちらが良いか?そしてマシン開発の基礎体力としてどちらが優秀か?を考えれば、マクラーレンは最良の選択肢でしょう。ただ、個人的にはバトン+ハミルトンという長所短所が対照的なコンビがけっこう気に入っていたので、「二人ともタイヤに優しい」新しいコンビはメリハリがなくてつまらないなあ、とは思います。

ペレスの移籍で気になるのはやっぱり可夢偉の動向。仮にペレスが残留だった場合、「結果を残せてスポンサーも持ってるエースドライバー」がいるならある程度安定したポイント獲得は期待できるわけで、「けっこう速いけどお金持ってないセカンドドライバー」よりも「速さはそこそこだけどお金持ってるセカンドドライバー」のほうが特に台所事情が厳しいザウバーにとってはありがたいわけで。かつ、今季の好成績でザウバーのシートは買い手市場。正直言って可夢偉の残留はかなり難しいと思っていました。が、こうなってくると可夢偉は開発もできるエースドライバーとしてチームに残留し、セカンドはまたフェラーリの育成ドライバーか他チームからスポンサー持ち込みで...となる可能性が高いのではないでしょうか。可夢偉よりも実績のあるドライバーが市場に出て、結果総取り替えという可能性もありますが、ザウバーは比較的継続性を重んじるチームですし。

現時点での来季シート状況はこんなところでしょうか。

  • レッドブル: ◎ヴェッテル、◎ウェバー
  • マクラーレン: ◎バトン、◎ペレス
  • フェラーリ: ◎アロンソ、△マッサ?
  • メルセデス: ◎ハミルトン、◎ロズベルグ
  • ロータス: ○ライコネン、○グロジャン
  • フォースインディア: ○ディ・レスタ、○ヒュルケンベルグ
  • ザウバー: ○小林可夢偉、△アルグエルスアリ?/△ピック?/△グティエレス?
  • トロロッソ: ○リカルド、△ベルニュ?
  • ウィリアムズ: ○マルドナド、△ボッタス?
  • ケータハム: ○コヴァライネン
  • HRT: △カーティケヤン
  • マルシャ: △グロック、△ピック?

この中で空きが出ている/出る可能性が高く、競争率が高そうなのはフェラーリとザウバーのセカンドシート。場合によってはウィリアムズにも人気が集中しそうです。個人的には可夢偉にはロータスあたりに移ってほしい気もしますが、グロジャンはそれなりに結果を出していることと、フランス系スポンサー(トタル)との関係を考えるとグロジャン残留は濃厚だろうなあと。
可夢偉はチーム戦略との歯車が噛み合っていない印象ですが、ペレスが抜けることになった今、これまでのような「おりこうさん」ではなく、リーダーシップを発揮してチーム自体を可夢偉自身のために全力を尽くす組織に変えていかなくては、来季以降の結果もついてこないのではないかと思います。アロンソとフェラーリの関係のように、マシンが駄目でも自分が引っ張り、それにチームが応えていくような信頼関係を築くことが急務。まずは来週の鈴鹿で今季最高の結果を出すことからですね。

投稿者 B : 23:14 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/09/24 (Mon.)

F1 シンガポール GP 2012

シンガポールGP決勝 ヴェッテルが優勝、ハミルトンはリタイア - GPUpdate.net

F1 サーカスはヨーロッパからアジアへ。唯一のナイトレースであるシンガポール GP は、ヴェッテルが久々の優勝でようやく今季 2 勝目。ドライバーズランキングも 2 位に躍り出ました。

予選はハミルトンが圧倒的速さで PP。マクラーレンはこれで 4 戦連続の PP で、純粋な速さだけなら現時点での最速マシンと言えるのかもしれません。しかしここにきてマクラーレンはマシンの信頼性に疑問符がつき、前戦でバトンが、今回はハミルトンが、上位走行中にトラブルで単独リタイア。個人的には、2005~2006 年頃の「速いけど壊れる」マクラーレンが戻ってきたようでちょっとワクワクするんですが(ぉ)、チャンピオンシップを争っているチーム/ドライバーにとっては笑い事ではありません。今回のリタイアでハミルトンもアロンソに 52pt も離されてしまい、逆転に向けて一歩後退する状況となりました。

今回のレースで最も得をしたのは間違いなくアロンソでしょう。シンガポールでは滅法強いアロンソも、今回は絶対的なスピードが足りず、マクラーレンとレッドブルに追いつくことはできませんでした。ただこういうときにダメージを最小限に抑えることができるのがアロンソの強さで、今回もしぶとく 3 位表彰台。ヴェッテルにはポイント差を詰められたものの、当面のライバルであったハミルトンとの差を広げることに成功し、結果的にランキング 1 位の座を強固にしたと言えます。まだ 6 戦も残っている状況で断定的なことは言えませんが、ノーポイントレースが 1 回あってもまだまだ 1 位、というのは今後の戦い方の幅を考える上で、非常に意味のある状況だと思います。

可夢偉は本人も言っているとおりフリー走行から予選から全然スピードが足りず、どうにもなりませんでした。それでも粘りのレースを見せてくれてはいましたが、ピットインを減らした戦略が功を奏さず、タイヤがタレてきたところでそれまで抑えてきた後続に次々と襲いかかられ、ヒュルケンベルグとの接触で万事休す、という...。リタイアこそ免れましたが、最初からポイントがほぼ絶望的なレースで、見ていて辛かったです。
ただ、同じような状況でもチームメイトのペレスは Q2 に進出し、決勝でもウェバーへのペナルティの結果とはいえ 10 位入賞。ペレスは今季かなり成長していて、良いときにも悪いときにもそれなりの結果を持ち帰ることができるドライバーになりました。今季の可夢偉は残念ながらそれに見合う結果を残せていないのは事実で、やはり、このままペレスが来季も残留なら、ペイドライバーに取って代わられる可能性も高いと言わざるを得ないでしょう。次は毎年最高の結果を残している鈴鹿、ここでどこまでセッティングをまとめ上げて、週末を通じて可夢偉らしい走りを見せられるか...が、来季に向けての分水嶺となるのではないでしょうか。毎年、鈴鹿は最も楽しみなレースなのですが、今年ばかりはちょっと見方が違ってしまいそうです。

投稿者 B : 23:40 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/09/09 (Sun.)

F1 イタリア GP 2012

イタリアGP決勝 ハミルトンが優勝、バトン、ヴェッテルがリタイア - GPUpdate.net

ヨーロッパラウンドの最終戦、イタリアはモンツァ。スパでの勢いそのままにこの高速サーキットもマクラーレンが席巻、途中まで 1-2 フィニッシュの流れでしたが...バトン車に何の前触れもなくオルタネータートラブルが発生してリタイア。その少し後にヴェッテルの RB8 もほとんど同じような症状が出てストップし、ウェバーも単独スピンの後にスローダウンしてそのままガレージに戻ってしまいました。結果、ハミルトンは最後まで危なげなく走りきって優勝、ポイントリーダーのアロンソも予選 10 位からの「いかにもアロンソらしい」追い上げを見せて 3 位表彰台。序盤は半ばパレード走行で退屈なレースになるかと思われましたが、中盤以降は抜きつ抜かれつ、トラブルもありの非常に見応えのあるレース展開となりました。

チャンピオンシップはアロンソが 179pt でトップ、以下ハミルトン(142pt)、ライコネン(141pt)、ヴェッテル(140pt)、ウェバー(132pt)と続いていますが、せっかくベルギーで巻き返したはずのバトンが今回のノーポイントでチャンピオン争いからほぼ脱落と言って良い状況となり、そろそろ候補者が絞られてきた感があります。47pt 差となるとウェバーも現実的には苦しいでしょうし、現時点でのマシンの戦闘力を考えるとヴェッテルの三冠にも黄信号が点っていると言えそうです。事実上はここまで 3 勝しているアロンソとハミルトンの一騎打ち、もし得意の鈴鹿で復帰後初優勝を飾りでもすれば伏兵ライコネンがチャンピオンシップに名乗りを上げる、という展開でしょうか。ベルギーでのアロンソとハミルトンのもらい事故によって半分リセットされたかに思えたチャンピオンシップですが、今回で一気に絞られてきましたね。

で、そんなことよりもザウバーですよ。スパとは打って変わって 2 台ともセットアップが決まらない中、可夢偉がなんとかがんばって Q3 進出を果たし、他車のペナルティもあって 8 番手スタート。ペレスは 12 番手スタートで、どちらもペース的に決勝でも厳しそうだなあ...と思いきや、ハードタイヤでスタートしたペレスのペースが素晴らしく良い。ファーストスティントを長く引っ張れるくらいにタイヤを保たせて、最後はミディアムタイヤに交換してスプリント。マッサとアロンソを相次いでぶち抜く豪快なレース運びで、今季なんと 3 度目の表彰台獲得ですよ。
いっぽう、予選をがんばった可夢偉は決勝はミディアムスタート、しかも予選重視のセットアップが裏目に出て決勝ではペースが伸びず、後ろを抑えるのがやっと。何とか 9 位入賞を得たとはいえ、これはバトン・ヴェッテル・ウェバーが相次いでリタイアしたことによる望外の結果に過ぎません。セットアップや戦略の違い、予選結果による決勝タイヤ選択の違いなど理由はあるとはいえ、ペレスがアロンソを交わした映像の直後に可夢偉がディ・レスタに抜かれていくというのは、とても見ていられませんでした。チームは表向きには「カムイは運がなかっただけ、両ドライバーの実力に差はない」とはコメントしていますが、もうザウバー内でのドライバーの優先順位は決定的なものになったと言えるでしょう。かたや資金を持ち込んで表彰台 3 回、対して資金持ち込みなしで表彰台なし...となると、ザウバーの C. ピックとの交渉話もかなり現実味を帯びたものと考えざるを得ません。残留のためには、可夢偉は最低でも表彰台は必要とされているのではないでしょうか。
最後の日本人ドライバーとして、私は最後まで可夢偉を応援し続けますが、こうもペレスとの「持ってるものの差」をまざまざと見せつけられると、暗澹たる気持ちにもなってきます。可夢偉にはせめて、鈴鹿で結果を出してほしい。

投稿者 B : 23:43 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/09/02 (Sun.)

F1 ベルギー GP 2012

ベルギーGP決勝 バトンが開幕戦以来の優勝を飾る! - GPUpdate.net

はあ...もう言葉も出ません。

2 番手スタートで優勝の最大のチャンスを得た可夢偉でしたが、フォーメーションラップ中にタイヤから謎の白煙。どうもブレーキのオーバーヒートらしい症状でしたが、それが影響してかどうか、スタートで出遅れる→そこに多重クラッシュのマシンが突っ込んできて巻き込まれてしまう、という泣きっ面に蜂状態。リタイアこそ免れたものの、修復ピットのため最後尾からの追い上げになります。一時はトップグループと同等のペースを見せ、このまま行けばせめてポイント圏内には復帰できそう...と思いきや、結局クラッシュでマシンバランスが狂ってしまっていたのか、そこからペースが上がらず無得点フィニッシュ。ファンとしてはため息しか出ません...。
特にあのスタートは失敗さえしていなければバトンと同じく多重クラッシュを回避できていた可能性は高かったわけで、単に可夢偉がスタートに失敗した可能性はあるにせよ、最高の状態でマシンを送り出せなかったチームの責任は重いでしょう。その後もペースが落ちてきた可夢偉を早めにピットに呼び戻せておけば...など、チーム側の失策が今回も目立ったレースでした。勝ちたければ、最低限あの白煙の原因をしっかり調べて、二度と同じトラブルを起こさないようにしてほしい。
しかし、この上なくマシンの状態が良くて予選も良かったのにこういう結果になる、ということが続くと、可夢偉自身がそういうチャンスをつかめない星回りなのではないか、という気にさえなってきますね。速いけどツキに恵まれず結果が残せなかったドライバーは枚挙に暇がなく、いっぽうでアロンソあたりはツキがなくても自分でたぐり寄せるだけの強さを持っているので、そういう観点で比較すると悲観的にもなってきます。

優勝したバトンは開幕戦オーストラリア以来の完璧な週末をまとめ上げ、勝てこそしなかったものの素晴らしいオーバーテイクショーを見せてくれたヴェッテルとライコネン(特に、ライコネンがオー・ルージュでミハエルをぶち抜いて見せた瞬間には鳥肌が立ちました)がポディウムを占める、というリザルトは、屈指のドライバーズサーキットであるスパに相応しいのではないでしょうか。いっぽうで、相変わらずしょうもない接触が多いグロジャンやスタートでフライングするマルドナドあたりは、そろそろ「あのアグレッシブさが時には必要なんだ」とも言ってられない気がするんですが。

今回は多重クラッシュのもらい事故でアロンソが今季初の無得点に終わり、ドライバーズランキングは半分リセットされたような形になりました。まあそれでもバトンがチャンピオンを意識するには最低あと 1 回は勝たなくてはならないでしょうし、現時点で射程圏にいると言えそうなのは 4 位のライコネンくらいまででしょうが、それでもチャンピオン争いがますます面白くなったのは事実です。
ただ、今日ばかりはどうしてもレースが面白かったと言えない自分がいます(´д`)。本当にガックリ来ました...。

投稿者 B : 23:31 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/09/01 (Sat.)

ベルギー GP 予選、小林可夢偉が自身初のフロントロウを獲得

ベルギーGP予選 バトンがPP、可夢偉が2位を獲得! - GPUpdate.net

夏休みが明けて後半戦が開幕した F1。数あるコースの中でも随一のドライバーズサーキットであるベルギー・スパフランコルシャンで、我らが小林可夢偉が自身初、日本人としても佐藤琢磨に並ぶ最高位となる 2 位フロントロウを獲得しました!

今年のザウバー C31 はかつてない仕上がりで(とかいうと例年のボジョレー・ヌーヴォーみたいだな)、ライバルたちの力も強いながらも、サーキットとの相性やレース展開次第では表彰台を狙えるマシンであることは、セルジオ・ペレスがこれまでに 2 度証明してきました。いっぽうの小林可夢偉はここまで運がないというか、ペレスほどのツキに恵まれていない印象がありましたが、マシン的にもドライバー的にもスパは行ける、という感触は以前からありました。それが蓋を開けてみればバトンからコンマ 3 秒落ちの 2 位ですよ!これは嬉しいというかなんだか涙が出てきます。

PP のバトンは今季これまでにないくらいにマシンの仕上がりが良く、圧倒的な速さで Q2、Q3 を制しましたが、レースでは果たしてどうか。幸いにしてヴェッテルやウェバーが下位に沈んでいますし、マルドナドとライコネンにさえ気をつけていれば、決勝ではバトンと可夢偉の一騎打ち、という展開もあり得るのではないでしょうか。まずはスタートが勝負でしょうね。

今季に限らずザウバーは 2 台の戦略を分けることが多く、今季ここまではペレスの戦略のほうが当たりだったというレースが多かったですが、2 番手と 5 番手からのスタートならば、安全策を取りに行くよりも優勝と最大限のポイントを狙っていくべきでしょう。ザウバー的には、もちろんコンストラクターズランキングのために堅実にポイントが欲しいところでしょうが、今季既に 2 位を 2 回獲得しているなら、もうあとはポディウムの中央を狙いに行くだけですよね。少なくとも、今回のレースは今季においてはその最大のチャンスだと思います。2 台とも「勝つための戦略」で、思い切り良く行ってほしい。それでだめならしょうがないじゃないか、という気持ちです。

ああ、明日の決勝が待ちきれません。

投稿者 B : 23:18 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/07/30 (Mon.)

F1 ハンガリー GP 2012

ハンガリーGP決勝 ハミルトンがポールトゥウィンで今季2勝目 - GPUpdate.net

先週のドイツ GP からの連戦となったハンガリー GP。先週の勢いをそのままブダペストに持ち込んで・・・とそう簡単にはいかないのが、今年のチャンピオンシップの難しさです。前回表彰台に上がった三人のうち、だれ一人としてハンガロリンクのポディウムに上っていないのですから(ただし、ライコネンはヴェッテルのペナルティで前戦繰り上げ 3 位→今回 2 位、ではある)。

今回はひさびさにハミルトンの速さが光りました。得意のサーキットではありますが、混戦の今シーズンにおいて 2 位に 0.4 秒差の圧倒的 PP には目を見張るものがありました。決勝も、最終スティントでずっとライコネンからのプレッシャーを受け続けながらも、何とかタイヤマネジメントを成功させて最後まで隙を与えず。チームメイトに先立ち、今シーズン 3 人目のダブルウィナーとなりました。今季はマシン開発に苦しんで浮き沈みの多い状況ながらも、ここ 2~3 戦はようやくマシンポテンシャルが活きてきたようで、バトン共々復調の兆しを見せていますね。

2-3 フィニッシュを決めたロータスの 2 台も見事でした。予選 2 位を獲ったのはグロジャンでしたが、「振り向けばライコネン」と言わんばかりの走りで気がつけばライコネンが首位のハミルトンを追う展開に。トップスピード不足で攻めきれず、1 秒弱のギャップまで迫りながら仕掛けるところまではいかなかったのが残念でしたが、2005 年の鈴鹿ばりにファイナルラップでの見事なオーバーテイクを期待してしまいました。グロジャンはともかく、ライコネンは今季あまり浮き沈みのないシーズンを過ごしていて、これまでに 7 人のウィナーが誕生した今シーズンにおいて、まだ 1 勝も挙げていないながらチャンピオンシップでは 5 位につけているんですから、もう復帰後初勝利は時間の問題と言ってもいいのかもしれません。次は夏休み明けに最も得意とするベルギー GP ですから、ここが最大の勝利のチャンスなのではないでしょうか。

前戦の 4 位から今回は期待されたザウバー小林可夢偉は、マシンのパフォーマンスが全くふるわず下位に沈んでしまいました。同僚のペレスも似たようなリザルトだったので、もうドライバーの力ではどうしようもなかったということなのでしょうが、イマイチなレースでシーズンを折り返し夏休みに入る、というのは精神的にもネガティブになりがちなものです。休み中に心機一転して、ドライバーズサーキットが続く後半戦に賭けてほしいものです。

投稿者 B : 00:17 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/07/23 (Mon.)

インディ エドモントンで佐藤琢磨が 2 位表彰台

Honda | 佐藤琢磨が自己ベスト、日本人ドライバー最上位タイの2位フィニッシュ。最後まで激しいトップ争いを繰り広げ、2台の差はわずかに0.8367秒

小林可夢偉が自己ベストとなる 4 位入賞を果たしたすぐ後の、インディカー・エドモントンのレースで、佐藤琢磨が自己最高かつ日本人最高位タイとなる 2 位表彰台を獲得したというニュースが!

昨年の日本人初となるポールポジション獲得、今年に入ってからはサンパウロで初表彰台 3 位獲得伝統のインディ 500 で初優勝目前、ファイナルラップでのクラッシュと、徐々に結果が出るようになってきたので、期待はしていました。去年までは本人の走りが良くてもピットインのたびにポジションを落としたり、いいところで本人のミスが出たり、とレースをまとめ切れない印象でしたが、今季レイホールに移籍してからずいぶん上向いてきましたね。

今にして思えば、琢磨のドライビングスタイルには F1 よりもインディのほうが合っていたのかなあ、という気もします。ここから上のリザルトを残すのはそうそう簡単なことではないと思いますが、今季ここまでの戦いぶりを見るにチャンスはありそう。引き続き期待がかかりますね。
私もそろそろインディ観戦のために GAORA を契約しようかなとも考えているんですが、インディの生中継は深夜なので F1 よりも全然厳しいのがネックなんですよね(´д`)・・・。

投稿者 B : 22:14 | F1 | コメント (0) | トラックバック

ドイツ GP ヴェッテルのペナルティで可夢偉が 4 位に

ドイツ GP の結果に関する、小林可夢偉本人の深夜(といっても、ドイツ時間だと夕方か)のツイートに驚いて調べてみたら、

ヴェッテル 20秒加算のペナルティで5位に - GPUpdate.net

とのこと。ラスト 2 周でヴェッテルがバトンをオーバーテイクしたシーンで、追い抜いた瞬間はトラック上にいたものの、ヴェッテルがその後ランオフエリアを抜けながら加速していったのがペナルティ対象になるのでは・・・と見られていましたが、レース後の審議で最終的に 20 秒加算ペナルティが適用され、可夢偉のリザルトが 1 つアップ。本人としては初となる 4 位のリザルトを得ました。敵失によるラッキーとはいえ、こういうのをモノにするのも、速さがあっても不運で結果を失うのも、この世界では実力のうち。

今回の入賞でドライバーズランキング上は 10 位にまで上がってきましたが、チームメイトのペレス(9 位)にはまだまだ 14 ポイント差をつけられて負けている状況。ペレスが今期既に 2 回ポディウムに上がっていることを考えると、自己ベストタイとはいえ 5 位はそろそろ要らないでしょう、というのが現実です。もう次は本気でポディウムを獲りに行くしかない。勢力図が今のまま、すぐに次のレースとなる今週末のハンガリーが最大のチャンスです。タイヤに厳しいハンガロリンクはザウバーと可夢偉に合っているはずだし、もう戦略ミスも本人のミスもなく、完璧な週末を送ることだけを考えて、臨んでくれることだけを祈ります。

投稿者 B : 01:15 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/07/22 (Sun.)

F1 ドイツ GP 2012

ドイツGP決勝 アロンソがポールトゥウィンで今季3勝目 - GPUpdate.net

ここのところ、フェラーリ(特にアロンソ)がいいですね。勝者の顔ぶれが変わり続けてきた今シーズンにおいて、ここ数戦は常に優勝争いに絡んでいて、現時点ではただ一人の 3 勝目をマーク。相変わらず混戦模様のチャンピオンシップながら、シーズンが折り返し地点に来たこともあり、アロンソはそろそろ具体的なチャンピオン獲得に向けたポイント計算に基づいたクレバーな戦い方に切り替えて良いポジションに入ってきたのではないでしょうか。
レースの方はヴェッテルやバトンに追い上げられながらも、さほど危なげもなくポールトゥウィン。マシンの開発が熟成してきたこともありますが、アロンソ自身の戦いぶりが勝利を引き寄せているように見えます。自分自身は決して大きなミスを犯さず、相手のミスを誘う正確なドライビング。そして相手が追い上げてきたときや隙を見せた瞬間を逃さずにプッシュしてタイムを出せる走り。今季のアロンソはデビュー以来最も脂が乗っていると言って良いのではないでしょうか。まあ、今回はいったん周回遅れになったハミルトンが「破れかぶれ走法」で後続のヴェッテル以下を抑えてくれたから、というのも勝因としてはあると思いますが(笑

2 位のヴェッテル、3 位のバトンも健闘したと言えるでしょう。レッドブルはエンジンのトルクマップに違反容疑がかかっていて、とりあえずシロという判断が下りたようですが、他チームからの嫌疑はしばらく引きずりそう。とはいえ、悩んでいた排気の空力利用についてはある程度方向性が見えたことで、ここ数戦は常に優勝争いに絡めるレベルに復活してきました。そして悩めるバトンも今回の大規模アップデートで見事に復活を果たし、中国 GP 以来の表彰台。ウェバー、ハミルトン、ライコネンもチャンピオン争いに名乗りを上げてはいますが、やっぱりこの二人が出てこないと面白くないですよね。マシン性能的にはいい感じに拮抗しているようなので、ハンガリー GP でも面白いレースが観られそうです。

そしてやっぱり気になるのはザウバー&可夢偉。予選は・・・「走り出した者勝ち」の雨の Q2 で出遅れ、しかもウェットタイヤに履き替えるべきタイミングで遅くまでインターミディエイトで粘り、さらにはもう路面が濡れてタイムが伸びるわけないタイミングでウェットを履いてコースイン、というあり得ない戦いぶり。もう呆れるしかない状況で、案の定 2 台とも Q2 落ち。もうね、毎戦言ってるけどザウバーのレースストラテジストはどこかに消えてくれよ・・・。
で、決勝は中盤以降の可夢偉の走りが実に良い。ファステストラップまたは自己ベスト連発の走りで上位をどんどん交わし、最終的には自己ベストタイの 5 位でフィニッシュ。上位にトラブルがあれば表彰台か、という展開で、ひさびさに可夢偉関連で胸が熱くなりました。やっぱり今年のザウバーのマシンポテンシャルは本当に高い。レースにタラレバは禁物ですが、これで Q3 進出できていれば、確実にポディウムを争うレースができていたわけで、本当に予選の戦略ミス、いやもっと言うならば無為な予選、が悔やまれすぎます。
今季ここまで、ペレスはなんだかんだ言って絶好のチャンスを確実にモノにして 2 位 2 回(チームに台無しにされたレースもありましたが)。そういう大事なところで実力以上の結果を出せるかどうか、がこの世界の「さらに上」を狙っていくためには必須な能力だと思うのですが、可夢偉にそれが備わっているかどうかはおそらく今季中にこれ以上の結果が出せるかどうかで判るでしょう。正直なところ、ペレスに傾いていて、引き続き資金も欲しい現在のザウバーチームの状況を考えると、ブルーノ・セナあたりのペイドライバーに来季のシートを奪われても文句は言えません。今季は珍しくここまでマシンポテンシャルを維持できていますが、夏休み中のアップデート合戦がおそらくキモ。ある意味、夏休み前の次戦ハンガリー GP が大きな試金石ではないかと思っています。

ハンガリー GP は、6 年前にバトンがホンダのマシンを駆って『君が代』を聴かせてくれた記憶もまだ新しい土地。F1 屈指の抜けないサーキットでありながらも、バトンだけでなくコヴァライネンの初優勝など、番狂わせを演出してきたサーキットでもあります。次こそ可夢偉にはより高いリザルトを期待したいです。

投稿者 B : 23:57 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/07/09 (Mon.)

F1 イギリス GP 2012

イギリスGP決勝 ウェーバーが逆転で今季2勝目 - GPUpdate.net

鈴鹿とよく似たクラシックサーキットで、「抜けない」と言われるシルバーストンサーキットも、KERS/DRS と今年のピレリタイヤにかかればエキサイティングなオーバーテイクの舞台になり得ます。今年のイギリス GP は、シルバーストン史に残る接戦のひとつに数えられるレースになるんじゃないでしょうか。

レース自体は PP から終盤まで完璧にアロンソが支配しており、ただひとりの 3 勝目をマークしてチャンピオンシップに頭一つ抜け出すか、と思われましたが、ラスト 7 周というタイミングでアロンソのソフトタイヤがクリフに到達。3 秒近くあったウェバーとの差を瞬く間に詰められ、難なくパスされてしまいました。結果、レッドブルが 1-3 フィニッシュを決め、ウェバーが二人目となる今季 2 勝目。ドライバーズランクでは引き続きアロンソがトップではあるものの、レッドブルの二人もそう離されてはいない状況となっています。

そして今回もやっぱりザウバー。というか可夢偉。前戦でのペナルティで今回 5 グリッド降格が確定していた中にありながらも、マシンは今季中で最も完成度が高い状態といっても過言ではありませんでした。金・土を通じて唯一のドライセッションとなった FP1 で 2 番手タイムを記録し、これなら悪くても Q3 進出は確実、うまくすれば予選トップ 3 も狙えると思えましたが、予選はあいにくの雨で長時間の赤旗中断もあるという、荒れたコンディション。Q2 のラスト 6 分あまりの時点から予選再開されたところで、可夢偉は唯一のインターミディエイトタイヤ装着。これが完全に裏目に出て、アウトラップだけ走ったところでウェットタイヤに交換、しかしタイヤが温まりきらないうちにセッションが終了してしまい、12 番手。さらに前戦のペナルティ適用で 17 番グリッドという(´д`)。結果にタラレバを言ってもしょうがないですが、今回は正攻法でいっても Q3 進出できる可能性は高かったので、あえてリスクの高いギャンブルを打つ必要は全くなかったんじゃないかと。毎度毎度、ザウバーのトラックエンジニアリング責任者・ダラーラは何を考えているんだか解りません・・・。
まあ、可夢偉も可夢偉で、いいペースで追い上げていたからこのままいけば 8~9 位は争える・・・と期待が高まったところでピットストップ時にミス、停まりきれずにピットクルーを撥ねてしまって 12~13 秒のロスをしてしまったのが本当に痛かった。あれがなければ少なくとも 10 位 1 ポイントは確実、ゴール時点でのタイム差をそのまま当てはめれば 8 位になれていた可能性もあるので、一概にチームばかりを責められないのが今回のレースでした。しかし前戦のクラッシュといい、ここのところ本当に歯車が噛み合いませんね・・・。

F1 2012 年シーズンも中盤、混戦模様は続きながらも、そろそろ少しずつチーム感の戦力差がハッキリしてきたように思います。現時点ではレッドブル・フェラーリ・ロータスが「三強」、その少し後ろにマクラーレン・メルセデス・ザウバー・ウィリアムズ・フォースインディアあたりがダンゴ状態になっている、という現在のコンストラクターズランキングがそのまま勢力図を表していると言って良いでしょう。下馬評ではさんざんだったフェラーリも、ようやく開発の方向性が定まってきたのか、新規開発マシンの伸びしろの大きさをようやく活かしてこれているようです。
この先はホッケンハイム、ハンガロリンクというタイヤに厳しい中低速サーキットが続くので、マシン特性からするとレッドブルとロータスあたりが優勢そうですが、このまま現「三強」が差を広げるのでしょうか。夏休みに入るとまた勢力図が描き変わる可能性もありますが、追うチームにとってはこの 2 戦が正念場になるかもしれません。ザウバーにとっては、比較的マシンとの相性は良さそうなサーキットだと思うので、次こそ結果を出してくれることに期待しましょう。

投稿者 B : 00:59 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/06/25 (Mon.)

F1 ヨーロッパ GP 2012

ヨーロッパGP決勝 アロンソが劇的なレースを制す! - GPUpdate.net

ヨーロッパ GP はまさかの展開でまさかの人が優勝するという、とても劇的なレースになりました。

予選はここのところようやく RB8 との相性が合ってきたように見えるヴェッテルが、ラストアタックで驚異的な 0.5 秒を搾り出し、圧倒的なタイムで PP。決勝はスタート直後から逃げを打ち、3 ストップ作戦かと思いきや実は 2 ストップ作戦で、このままヴェッテルらしい圧勝展開か、やっぱりバレンシアは波乱がなくてつまらないなあ・・・と思っていたら、ケータハムとトロロッソの接触に起因するセーフティカー明け直後に、ヴェッテルのマシンが突然のスローダウン。おそらくトップ快走中は好調だったのが、SC 中のスロー走行あたりが原因でマシントラブルが発生したのだろうと思われます。さすがにヴェッテルはこの上なく悔しそうで、ニューウェイも頭を抱えていましたが、ニューウェイのマシンが圧倒的速さを誇りながらトラブルで自壊、というのは久々に見ましたね。それでこそニューウェイデザインだ!(ぉ

ヴェッテルのリタイアにより、トップは 11 位スタートからいつの間にかスルスルと順位を上げていたアロンソ。そこに好調のグロジャンが襲いかかるものの、アロンソは大事なところでちゃんとプッシュをかけて仕掛ける隙を見せません。DRS ゾーンに入ってもトップスピードに劣るロータスが仕掛けきれない周回を何度か繰り返すうちに、突如としてグロジャンがスローダウン。いつもは後ろからプレッシャーをかけて前車のミスやトラブルを誘うアロンソ・マジックは、前を走っていても有効なのか・・・と驚かされました。
前戦カナダではラスト数周でタイヤがクリフに達して表彰台を逃してしまったアロンソでしたが、今回はヴェッテルのトラブルに助けられたとはいえ、それ以外のレースコントロールは完璧。逆に前戦の勝者ハミルトンのタイヤが限界を超えて失速、という結果が、今シーズンの難しさを物語っていると言えます。

そのハミルトン。最後にタイヤが崖を越えるまでは悪くない走りをしていました。でもラスト 2 周での小競り合いの末のマルドナドとの接触はちょっとがんばりすぎたのではないかと。マルドナドのほうもいくらなんでも慎重さに欠ける動きだったので、どっちもどっちという気はしますが、ともに今季優勝を経験しているドライバーの走りとしては情けなかったですね。特にマルドナドは優勝したスペイン GP では全てがうまく行っていましたが、それ以外は終盤いい場所にいながらの自滅が目立ちます。それを克服すればもう一皮むけると思うのですが、ラテンの血にそれを求めるのは酷でしょうか。

それにしても今回の可夢偉は悔しすぎますね。コンマ 2 秒の間に 10 台がひしめき合う予選でアタックラップをうまくまとめて 7 番グリッド獲得、スタートもうまく決めて 4 番手、マシンのセットアップもうまくまとまっているようだし、今回こそ表彰台を本気で狙っていける!と思ったのですが、初回ピットで想像以上に時間を要してしまい、中団の隊列の中に戻ってしまったことがケチのつき始めでした。その後、オーバーテイクをかけに行ったところでブルーノと接触して緊急ピットイン、さらにはオーバーテイクを仕掛けたマッサとももろにぶつかってそのままリタイア、という散々な結果。初回のピットミスで歯車がズレたか・・・としか思えないような内容で、期待が持てる内容だっただけに、悔しすぎます。まあ可夢偉もブルーノに仕掛けに行ったところで、相手がアロンソやヴェッテルのような「ギリギリのラインを残す」駆け引きができる相手ではないことをもう少し考慮すべきでしたが、でも事の発端はピットのタイミングとピットミスじゃないでしょうか。チームメイトのペレスには、良いときには幸運なことしか起こらないので、その対比を考えれば考えるほど哀しいです。

さておき、今回の表彰台はアロンソ・ライコネン・ミハエルという、まるで 6 年前にタイムスリップしたかのような顔ぶれでした。ミハエルの 3 位は多分にラッキーが重なった結果とはいえ、ようやくこの位置に戻ってきてくれたことが嬉しいです。今年は特にポディウムの顔ぶれが一定せず、新顔もどんどん出てきていたので、こういう表彰台を見ると安心するというか。
しかし、今季 2 勝目一番乗りをアロンソが果たすとは、開幕時点で誰が予想していたでしょうか?しかも、現時点での選手権トップ。この混戦を見る限りではまだまだ誰が最後に笑うかは分かりませんが、絶対的な速さはともかく「強さ」という意味では、やはりアロンソが一番なんでしょうね。

次は 2 週間後のホッケンハイムリンク。バレンシアではアロンソが勝ちましたが、ドイツでは地元の現役王者や皇帝が目を覚ますのか。その次のハンガリーも含め、夏休み前の重要な 2 連戦です。

投稿者 B : 00:49 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/06/12 (Tue.)

F1 カナダ GP 2012

カナダGP決勝 ハミルトンが今季初優勝を飾る! - GPUpdate.net

日本時間では生放送でも深夜になるカナダ GP。最近はさすがに起きてられなくなってきたので、今年も録画観戦しました。

F1 史上初の 7 グランプリ 7 ウィナーという記録が打ち立てられた、その勝者はマクラーレンのハミルトン。予選こそヴェッテルに譲ったものの、決勝に向けてのセットアップとピット戦略が完璧にハマり、終盤にアロンソとヴェッテルがピットインを 1 回キャンセルして逃げ切ろうとしたところで猛プッシュ、毎周 1 秒を上回るペースで 2 台を追い立て、DRS を使って難なくオーバーテイク。待望の今季初勝利を飾りました。そういえば去年もバトンがヴェッテルを猛追してファイナルラップで劇的な逆転を果たしましたが、それに迫るモノがありましたね。
昨シーズンの不安定さとは打って変わって、今年は全般的に安定したリザルトを残してきていたので、勝利も時間の問題とは思っていましたが、今回はデビューイヤーともチャンピオンに輝いた 2 年目とも違う、安定した走りを見せてくれました。個人的にはハミルトンのアグレッシブさは評価しているので、精神的なもろささえ克服してくれれば、改めてチャンピオン獲得の目はあると思っています。ちょうど、今回のレースでアロンソを逆転し、選手権トップの座を奪ったことですし。

2 位・3 位にはそれぞれ 1 ストップ作戦を成功させたグロジャンとペレス。ともに今シーズン 2 回目、そしてデビュー以来 2 回目となるポディウム獲得で、高いポテンシャルを改めて証明したことになります。今季ここまでの表彰台はほぼ毎戦異なる顔ぶれが閉めていますが、それでもハミルトン・グロジャン・ペレスというポディウムは新鮮ですね。

いっぽうでこの 3 人との明暗がハッキリと分かれたのがそれぞれのチームメイト。ライコネンと可夢偉はポイント獲得できただけ良いとして、バトンはモナコに続いての 16 位ポイント圏外の期待外れなレース。というか、開幕戦で優勝し、3 戦目の中国で 2 位表彰台を獲得した以外はうまく行かないレースが続いています。いずれもセッティングだったりタイヤ戦略だったりピットアウト時にコース状に戻った位置だったり、ちょっとしたことの積み重ねの結果でしょうが、チームメイトが優勝し、チャンピオンシップでも首位に立っている状況を考えると、あまりにも残念です。
同じくライコネンと可夢偉もピット戦略の失敗で落としているポイントがあまりにも多くて、今季バトン・ライコネン・可夢偉の 3 人を主に応援している身としては残念すぎます。今季はあまりにもチーム感の戦力差が小さいために、些細なことでリザルトが大きく変わってしまうのがこの状況を生み出しているのでしょうが、そういう「引きの強さ」も実力のうちですからね・・・。

しかし、今回は 1 ストップ戦略を採ったドライバーの一部が成功したとはいえ、1 ストップ作戦はタイヤ交換のタイミングを戦況に応じて変えることが事実上できません。タイヤやレースの常用を見ながら臨機応変にピット戦略を変えていかなくてはならない今季の F1 において、戦略の柔軟性を欠く 1 ストップ作戦はリスクのほうが大きいと思うんですよ。今回はたまたまギャンブルに成功したにすぎず(もしかしたらカナダ GP の高いセーフティカー導入率を考慮したのかもしれませんが)、個人的にはザウバーのこの戦い方の幅が少ない戦略は、後半戦に向けて弱点になっていくと思っています。まあ、臨機応変な対応のできないジャンパオロ・ダラーラがストラテジストをやっている間は、戦略の幅なんてあってないようなものでしょうけどねー(棒

ともあれ、そろそろシーズンも 1/3 が経過し、さすがにチーム間の戦力差がそろそろ浮き彫りになってくるかな、と思いきや、相変わらずダンゴ状態が続いていますね。フェラーリもいよいよマシンの戦闘力が向上して、自力でそれなりに戦えるようになってきたようだし、今季はまだまだどうなるか分からない、というのがホンネです。
前戦モナコはウェバー得意のレース展開で退屈だったし、今回のカナダは 30~60 周目が寝落ちしそうなくらい単調でしたが、次は F1 サーカス屈指の退屈さを誇るバレンシアサーキット(ぉ。今年は接戦だし、ちょっとは面白いレースになってくれるといいんですが・・・。

投稿者 B : 00:33 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/05/28 (Mon.)

F1 モナコ GP 2012

モナコGP決勝 ウェーバーがポールトゥウィンで今季初優勝 - GPUpdate.net

伝統の一戦モナコ GP。予選では波乱と言ったら良いのか、むしろようやく本領発揮と言ったら良いのか、メルセデスの M. シューマッハーが復帰後初のポールタイムを記録しました。
現役ドライバーで最もモナコを知り尽くした男の面目躍如で、最も華やかなグランプリでのポールタイム記録はミハエルらしいと言えばらしいですが、前戦スペインでのブルーノ・セナに対する追突のペナルティで 5 グリッドダウン。それがなければ「絶対に抜けないモンテカルロ」ではそのままポールトゥウィンを飾れていた可能性も高かっただけに、返す返すももったいないミスだったと思います。

優勝はそのミハエルから PP を譲られたウェバーがポールトゥウィンで今季初優勝。とはいえトップ 5 がトレイン状態に連なってのゴールで、勝敗を分けたのはマシン性能の差ではなく予選タイムとピット戦略の差だったと言って良いでしょう。その証拠に、13 番グリッドから果敢にポイント圏内を狙う走りを見せていたバトンが、ピットアウト後にあろうことかケータハムのコヴァライネンに引っかかり、そのままポイント獲得が絶望的なペースに付き合わされた挙げ句、強引なオーバーテイクに失敗して接触、そのままリタイアという結果に。毎年、予選グリッドが全てと言われてきたモナコですが、今年はソフトタイヤとスーパーソフトタイヤの性能差が微妙だったこともあって、余計にコース上でオーバーテイクすることが難しいレースになったと言えます。

事実上 1 コーナーでの接触で終わってしまった小林可夢偉のレースも残念でしたが、それ以上に残念だったのはロータス。グロジャンはその 1 コーナーの接触の元凶になってリタイア第 1 号となりましたが、ライコネンもひどいレースでした。序盤は 7 番手につけてヴェッテルを追いかけるレースだったものの、雨が降るという予報のためにタイヤ交換を引き延ばしに引き延ばされ、結局まともに雨が来なかったがためにピレリタイヤが完全にクリフから転げ落ち、そのままズルズル。最終的に何とか 9 位をもぎ取ったものの、もっと早くピットインする判断ができていれば・・・というレースでした。まあ雨に賭けたギャンブルの結果なので文句は言えないのでしょうが、今年のライコネンはこういうコンサバなピット戦略でダメになるレースが多いように見えて、非常にもったいないです。キミがマクラーレン時代から絶大なる信頼を置き、ロータスに引っ張ってきたレースエンジニアのマーク・スレードの判断がコンサバなのか、それともチームのレースストラテジストの問題なのか。今季はロータスといい、ザウバーといいピット戦略が微妙ですね・・・。

あと、モナコで特筆すべきはフェラーリが復活の兆しを見せたことでしょうか。いや、アロンソはスペインでも速かったし、ムジェロテストの効果が着実に現れているということなのでしょうが、ここまで全然ダメだったマッサがアロンソに迫る速さを見せていたのが印象的でした。まあモナコは他のサーキットとは明らかに特性が違い、タイヤのグリップも違えば空力がタイムに及ぼす影響もパーマネントサーキットに比べると遙かに小さいので、この結果をもってフェラーリ復活と結論づけるのは早すぎますが、何かきっかけを掴んだように見えたのは確かです。
とはいえ、今季はここまでグランプリごとに異なるヒーローが生まれ、ポディウムの顔ぶれもほとんど違った面々というレースが続いているので、明日はフェラーリがまた勢いを失い、別のチームが上位に食い込んでいる可能性も十分に考えられます。結局、そのサーキットにマシン特性が合っているか、タイヤとの相性がいいかどうか、セッティングをうまく合わせ込めるか、ピット戦略を適切に立てて臨機応変に動けるか、ということでレースごとに勢力図が大きく変わってくるということでしょう。どれもレースにおいては基本的かつ超重要な要素ではありますが、今年のようにマシン性能が拮抗し、開発の方向性の正解がまだ見えておらず、タイヤの特性も掴みきれないという状況では、そういった基本的な戦い方の部分が及ぼす影響が大きい、ということでしょうね。

次のグランプリはこれまた荒れるレースになることで有名な、カナダ・モントリオール。今季 7 人目のウィナーは現れるのでしょうか。

投稿者 B : 00:28 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/05/14 (Mon.)

F1 スペイン GP 2012

スペインGP決勝 マルドナドが初優勝を飾る!! - GPUpdate.net

ヨーロッパラウンドの開幕戦、スペイン GP は大番狂わせ。週末が始まった時点で、ウィリアムズの P. マルドナドが初優勝を飾るとは誰が予想したでしょうか。いや、ウィリアムズチームもマルドナド本人でさえもしていなかったに違いない(笑。

まず、このリザルトは予選の段階から始まっていたと言っても過言ではありません。予選 Q2 でライバルのタイムの伸びを読み誤ったウェバーとバトンがなんと脱落。Q3 ではヴェッテルとミハエルがタイムを出さず、トップ 3 はハミルトン-マルドナド-アロンソの順。2・3 位は予想外の顔ぶれではありましたが、これならば現時点での最速マシンを駆るハミルトンが先行逃げ切りか・・・と思いきや、ハミルトンは燃料不足で失格、予選タイム剥奪。マルドナドが PP からスタートという形になりました。
しかしうまくホールショットを決めたのはアロンソ。そのまま中盤までトップを堅守しますが、マシンに引き離せるだけのスピードがなく、レースをコントロールできているとは言いがたい状況。そして最後のピットストップでマルドナドが先にピットイン、アンダーカットに成功してトップを奪取。フェラーリはピットタイミングをウィリアムズに合わせ込みに行けばマルドナドの頭を抑えられた可能性はありますが、ちょっとコンサバティブな戦略を採りすぎましたね。アロンソは終盤 20 周近くマルドナドを追い回したものの、王者のプレッシャーにも負けずに抑えきったマルドナドが今季初勝利。F1 のポディウムに初めてベネズエラ国歌が流す快挙を成し遂げました。
マルドナドは昨シーズンから速さを見せていましたが、今季はマシン性能が向上したこともあってトップ 10 争いの常連には顔を出していたものの、自身のミスやマシントラブルなどツキに恵まれてきませんでした。それが今回は全ての状況がパーフェクトに揃っての初勝利。嬉しそうな顔を見せてはいたものの、ウィニングラップでも FIA の会見でもはしゃぎすぎることなく、冷静そのもの。この冷静さが最後まで王者を封じ込めた走りに繋がったのだと思います。南米人だからって感情的なキャラだと勝手に思い込んでて本当にすみませんでした(笑。

ウィリアムズの今年のマシン・FW34 はなかなかよくまとまっていますね。最速ではないけれど、サーキットとの相性が良ければ安定して速い。昨年チームに加入したマイク・コフランやマーク・ギランのマシン開発がうまくいっているということでしょうが、昨年ウィリアムズを更迭されたサム・マイケル(現マクラーレン)が方向性を示した極小ギヤボックスによる空力アプローチが正しかったことの証左でしょう。このギヤボックスは昨年までのコスワースエンジンでは本領を発揮できていませんでしたが、ルノーエンジンを得てようやく日の目を見た印象があります。それでも、光るものを持っているマルドナドというドライバーと、刷新されたチームスタッフによる攻めたレースオペレーションの双方があってこそのリザルトだと思いますが。

一方で残念だったのはフェラーリとロータス。フェラーリはアロンソが鮮やかなスタートを見せてトップを奪い、地元スペインのファンの目の前で勝利を飾るか・・・と思いきや、ピット戦略で沈没。ロータスもライコネンが良い走りを見せていたものの、ライバルのピット戦略の読み違い(マルドナドとアロンソがあと 1 回ピットに入ると思っていたもよう)で優勝争いに絡むチャンスを失いました。最後のピットをあと 5~6 周早く済ませていれば、終盤に追いついて仕掛けられるところまで持って行けた可能性も高いだけに、残念です。この両チームはピット戦略で勝てるレースを落としたと言って良いでしょうね。
マクラーレンは、バトンのマシンバランスが良くなかったようで見せ場のないレース。ハミルトンは予選での失格がなければ十中八九勝てていただけに、こちらもチームの戦略ミスで負けたと言って良いと思います。

我らが可夢偉は・・・厳しい条件の中では健闘したと言えるのではないでしょうか。予選 Q2 突破が確定した直後にマシントラブルでストップ、Q3 に出走できずに 10 番手(ハミルトンの失格により 9 番グリッド)スタート。途中、ペースの上がらないバトンに長々と付き合わされ、さっさとアンダーカットしちゃえばいいのにいつまで経ってもピットに入らずに時間を無駄にしました。それでも素晴らしいブレーキングでバトンとロズベルグをコース上でパスし、自力でもぎ取った自己最高タイの 5 位。フリー走行までの内容が良かっただけに、Q3 で走れていれば、とか、もっと柔軟なピット戦略が組めていれば、とか、いろいろとタラレバを考えたくもなる内容でしたが、それでもこの抜けないカタロニアサーキットで、可夢偉自身の力でこのリザルトまで持ってこれたのは立派。というか、ストラテジストのダラーラを誰か一刻も早く解雇してください(´д`)。

それにしても、ウィリアムズとマクラーレン、フェラーリ、ロータスが優勝を争う F1 なんて、まるで 1987 年の F1 を見ているようじゃないですか。ロータスは当時のロータスとは直接関係ないとはいえ、古い F1 ファンとしては感無量の思いです。
それに加えて、今シーズンはさらにレッドブルとメルセデスがすでに 1 勝を挙げていて、ザウバーも勝利に肉薄したという。こんなに面白いシーズンは史上初めてかもしれません。何と言ってもここまで 5 レースを終えて、その全てのレースで違うチームとドライバーが勝利しているというのも、史上稀なことです。次あたりそろそろロータスかザウバーにお鉢が回ってきても良い頃じゃないかと勝手に期待しているのですが(笑)、その次戦は F1 随一のドライバーズサーキットたるモナコ。乱戦が続く今シーズンにおいて、真に強いドライバーが誰かが、いよいよ白日の下に晒されることになります。

投稿者 B : 01:16 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/04/23 (Mon.)

F1 バーレーン GP 2012

バーレーンGP決勝 ヴェッテルが今季初優勝!ライコネンが2位 - GPUpdate.net

開幕から混戦が続く 2012 年シーズンの F1。内戦により開催が危ぶまれたバーレーン GP でしたが、無事(と言えるのかどうか)開催されました。
まあそもそもが体制派(王室)によるスポーツの政治利用的な側面が強かったグランプリを、内戦状態にある中で決行してしまった FIA/FOM の姿勢は問題にされるべきでしょうし、チームスタッフが内乱の小競り合いに巻き込まれかけたり、F1 開催への抗議デモで死者も出ていることから、少なくとも何事もなかったとは言えないわけで。日本での中継もフジテレビがスタッフの派遣を取りやめたようですが、これらの事態は重く見るべきではないかと思います。さすがに FOM から権利を買っている放送の中で批判めいた発言はできないでしょうが・・・。

さて、本題。予選はディフェンディングチャンピオンのヴェッテルが今季初 PP。レッドブルに秘策があったわけではなく、純粋にマシン開発の進歩とセッティング、およびドライバーとのマッチングが進んだ成果でしょうが、ヨーロッパラウンドを前にしてようやく本命が本来の速さを取り戻し始めたように見えます。
決勝でも RB8 の速さには翳りがなく、空力を乱されない最前列での走行で余裕の逃げを打つ・・・ように見えましたが、そこに現れたのがダークホースのロータス・ルノー。ストレートを伸ばすセッティングが功を奏した E20 でグロジャンとライコネンがヴェッテルを追い立てます。特にタイヤを温存して予選 11 位からスタートし、新品のソフトタイヤでダッシュを決め、その後のタイヤも全てキレイに使い切ったライコネンが中盤以降ヴェッテルの背中にピタリ。「いつでも抜ける」と言わんばかりの余裕のある走りでヴェッテルにプレッシャーをかけましたが、今一歩抜ききれず。最後のピットストップでヴェッテルを交わせなかったところで、実質的なゲームオーバーとなりました。

ライコネンが勝てなかった原因としては、本気で仕掛けていれば抜けそうなポイントがいくつかあったのに抜ききらなかったこと、そもそもグロジャンをパスするのに時間を要したこと、そして最後のピットストップがヴェッテルと同時になってしまった(アンダーカットするなりステイアウトするなりの選択肢はあった)こと、などいくつかの要因はあります。ただ今回のレースに関して言えば、ロータスとライコネンがミスをしたというよりも、あれだけライコネンにプレッシャーをかけられ続けたヴェッテルが「ミスをしなかった」ことが最大の要因ではないでしょうか。ゴール直後にマシンを止めるほど薄氷の勝利でありながら、最後まで選択肢を間違えなかった王者の底力の勝利。そんなレースに見えました。
いっぽう勝てなかったライコネンについては、私はミハエルと違って今年中に優勝争いに絡んでくるレースがいくつかあるだろう、と思ってはいましたが、復帰して 4 戦目で優勝の目前にまで来るとはさすがに思っていなかったので、驚きました。でも、あのライバルを追い詰めていくときの狼のような仕掛け方を 2 年ぶりに見ることができて、こんなに嬉しいことはありません。ライコネンが優勝できる可能性が極大になるのはおそらく最も得意とするベルギー GP でしょうが、その前に別の勝利のチャンスが巡ってくる可能性は大いにあると思います。ロータス E20 は飛び抜けて速いクルマではないけれど、素性が良く、コースとセッティングの相性次第ではトップクラスの速さを備えていることは、今回グロジャンが 3 位に入ったことで証明されました。

しかし今シーズンは本当に面白いですね・・・昨シーズンも面白いと思っていましたが、今シーズンは本当に各チームの実力が僅差で、結果が予想できません。こんなシーズンは私の長い F1 ファン歴の中でも初めてではないでしょうか。4 戦終わって勝者 4 人、そして毎レース終わるごとにポイントリーダーさえも入れ替わる。レッドブルの圧倒的優位性は失われ、今のところ総合力ではナンバーワンだと思われていたマクラーレンでさえも盤石ではなく。そこにメルセデス、ロータス、ザウバー、そして孤軍奮闘のアロンソが絡んできて、本当に予測がつかないシーズンになっています。

それにしても今回も可夢偉。予選アタックに失敗して Q2 敗退、ミディアムタイヤでスタートしてピット戦略に賭ける・・・まではいいとして、あのピット戦略は何なんですか。ミディアムスタートを決めたならスタートダッシュは多少諦めてもロングスティントで粘り、最終スティントのソフトタイヤで攻める・・・が定石のはずが、2 本のミディアムタイヤをいずれも早々に諦めてソフトタイヤを早めに履き、それも履き潰して結局 3 ストップになった挙げ句のポイント圏外・・・とか、素人でもやらないだろうという采配。マシンバランスが悪くてミディアムタイヤをうまく使えなかった、という可能性もありますが、去年といい今年といいザウバーは(中でも特に可夢偉は)ピットストラテジーで駄目になってしまうレースが多すぎます。本当に、可夢偉にはもう少し戦略がマシなチームに移らせてあげたい・・・。

次のレースは 3 週間後のスペイン GP。いよいよヨーロッパラウンドの幕開けです。そろそろトップ 5(レッドブル、マクラーレン、メルセデス、ロータス、フェラーリ)とそれ以外の差がつき始めたかな、というのが感じられたバーレーンでしたが、各チームが大型アップデートを持ち込むスペインからはその格差がさらに広がる可能性も高く。そういう意味では、バーレーンまでの間に結果が残せなかった可夢偉は今後厳しい戦いを強いられるでしょう。そう考えるとなんだか暗澹たる気持ちになってくるのですが、ザウバーのアップデートがポジティブなものであることに期待しつつ、3 週間待つしかありません。

投稿者 B : 01:04 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/04/16 (Mon.)

F1 中国 GP 2012

中国GP決勝 ロズベルグがF1初優勝を飾る! - GPUpdate.net

混戦模様の 2012 年シーズン。3 戦目はまたしても違うウィナーが誕生しました。メルセデス GP のロズベルグが、チームにとっても自身にとっても初めてのポールポジションと優勝を果たしました。

オフスロットルブローの禁止でレッドブルを筆頭に多くのトップチームからアドバンテージが削がれ、かなりのダンゴ状態になっている今シーズン。唯一「秘策」と言って良い機構を持っているのがメルセデスではないでしょうか。「W ダクト」とか「DRS エクステンダー」とか言われた秘密兵器――どうやら「ダブル DRS」という呼称に落ち着くようですが――のおかげで DRS の恩恵を他チームより多く受けられるのが W03 というマシン。ストレートスピードが伸びることと、DRS に使用制限のない予選でのパフォーマンスが特に高いことがこれまでのレースで実証されていましたが、長いストレートをもつ上海でさらにそれが活きた格好になりました。予選ではシューマッハーとともにフロントロウを独占、そのシューマッハーは初回ピット時にタイヤが正しくセットされておらず、ピットアウト直後にリタイアしてしまいましたが、ロズベルグはポールから他を寄せ付けることなく完勝。F1 デビュー戦で初入賞と史上最年少ファステストラップを記録した「期待の新人」だったロズベルグも、参戦 7 年目・111 戦目での念願の初優勝。待たされたという意味ではバトン(113 戦目)と同じくらい待たされた感はありますが、今までマシンに恵まれてこなかったし、この 6 年で 5 人のチャンピオンが誕生している群雄割拠の F1 界ではやむを得なかったかと。むしろ、これで「勝ち方を知った」ことで、一皮むけてくる可能性はあると思います。
メルセデス W03 も、これまで「ストレートと予選は速いけど、タイヤに厳しくレースでは苦しいマシン」という評価でしたが、サーキットとの相性はあるものの、そのポテンシャルの高さはこのレースで 2 台とも速かったことで証明できたかと(ミハエルは決勝のペースはちょっと苦しそうでしたが)。

そんなことよりも今回は可夢偉ですよ。前回のマレーシアで僚友ペレスに目の前で 2 位表彰台を獲られて、悔しくないわけがない。開幕戦では良い走りができていたわけだし、マレーシアでもセットアップやマシントラブルの問題で結果にはならなかったけれどクルマが遅いわけでもない。今回の予選 4 位、ハミルトンのギアボックス交換によるグリッド降格ペナルティによる 3 番手グリッド獲得は、まぐれではなく実力で勝ち取ったものと言って良いでしょう。前回のマレーシアでのペレスのように、前を走るのがマクラーレンやレッドブルでなければ互角にやり合える可能性はあり、レースペースに不安のあるメルセデスが相手なら優勝の目もある・・・!と思っていました。
が、蓋を開けてみるとスタートに失敗してズルズルと後退。可夢偉は後方グリッドからのスタートではスルスルと順位を上げるのが得意なのに、上位グリッドからスタートするとクイックに発進できないというジンクスがあるようで、今まで上位からいいスタートができた試しがありません。
それでも奮闘していた可夢偉ですが、中盤で履いたミディアムタイヤにうまく熱を入れることができなかったのかペースが上がらず、2 ストップ作戦のペレスにまで先行されてしまいます。その後もマッサ率いる集団の遅いペースに付き合わされてしまい、少しだけ速くピットインしてアンダーカットに成功した、かと思ったら・・・他車はタイヤがメタメタになりながらもそのまま最後までノーピットで走りきり、チェッカーを受けた時点では可夢偉は 10 位。何とも言えない残念なリザルトになりました。

前々から思っていたことですが、個人的にはザウバーのヘッド・オブ・トラックエンジニアリング(いわゆるストラテジスト)であるジャンパオロ・ダラーラを一刻も早く更迭したいです。以前からザウバーのピット戦略は予選で下位に沈んだときの 1 ストップ作戦のような苦し紛れの戦略がドライバーの頑張りで大当たりすることがたまにあっても、荒れない混戦のレースになったときに大外しする(というか臨機応変にできない)ことが多すぎ。今回ももっと早くアンダーカットさせるなり、最後まで走りきらせるなりどちらかを取っていれば 6~7 位のリザルトが得られた可能性は高かったと思いますし、これまでそれで取りこぼしてきたレースが多すぎる。もちろん今回のレースはスタートの失敗が全て(ポディウムを狙えなかったという点においては)だったとは思いますが、勝てるチームになれるかどうかはレース中の咄嗟の判断力によるところが大きいです。

小林可夢偉もフル参戦 3 年目、そろそろトップチームの扉を開けなければこれ以上を目指すのは難しい時期に入ってくると思います。特にヨーロッパ人でもラテンアメリカ人でもない人種にとって、F1 の世界で長期的に結果を残していくのは至難の業。ペレスが表彰台を獲得し、フェラーリへの抜擢が秒読み段階とさえ言われている以上、今シーズンの可夢偉はそれ以上の結果を出すか、ドライバーズランキングでペレスを抑えて 10 位以内に入ることが、来季トップチームから声がかかるかどうかの分かれ道であり、その先のキャリアを発展させていけるかどうかの分水嶺であると思っています。そうでなければおそらくザウバー以上のチームで走れることはないし、今以上のリザルトを残せることもないと言って良いでしょう。これまでの日本人ドライバーとは違い、実力で F1 に残っている可夢偉だからこそ、そこまでを期待したい。
ヨーロッパラウンドが始まってしまえばレッドブルは間違いなくパフォーマンスを上げてくるでしょうし、ロータス、ウィリアムズ、フォースインディア、トロロッソといったミッドフィールダーも大規模なマシンアップデートを施してくることは確実。少なくとも「表彰台が狙える」と息巻いていられるのは、来週のバーレーン GP が最後になると思います。ザウバーと可夢偉には、もうヘタは打てない、というつもりで本気でポディウムを獲りに行く戦いを見せてほしいです。

投稿者 B : 00:57 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/03/25 (Sun.)

F1 マレーシア GP 2012

マレーシアGP決勝 アロンソがウェットレースを制す! - GPUpdate.net

雨で始まったマレーシア GP は、赤旗中断を挟む大雨でのレースとなり、案の定の波乱が起きました。ウェットコンディションに滅法強いバトンが今回もタイヤマネジメントで勝利をもぎ取るのでは・・・とも予想したのですが、それとは大きく異なるリザルトが待っていました。

勝ったのはアロンソ。いくつもの幸運が重なったとはいえ、とても優勝争いができるとは思えない戦闘力しかない F2012 で勝ってしまうのはアロンソの地力としか言いようがありません。僚友マッサは 15 位止まり、本来ならこのあたりがこのクルマのポジションと言っても過言ではないはずです。
このリザルトの立役者はチームメイトのマッサと、あと一人は間違いなく HRT のカーティケヤンでしょう。セーフティカー明け早々のピットインラッシュでアロンソの直後にマッサがピットインしてきたことにより、先にピットインしていたはずのハミルトンが出られずアロンソが先行。その直後にはバトンがカーティケヤンに接触してフロントウィングを壊され、緊急ピットイン。アロンソはこれで労せず事実上のトップを得ました。カーティケヤンは終盤にもヴェッテルと絡み、彼のタイヤをパンクさせて表彰台争いから引きずり下ろしてしまうという、故意にではないにせよチャンピオン候補二人のポイントをフイにするアクシデントに介在することになりました。これがシーズン終盤にどういう意味を持ってくるのか、今から憶えておきたいと思います。

そしてこのレースにおけるアロンソ以上のヒーローは間違いなくザウバーのセルジオ・ペレス。小林可夢偉のチームメイトであります。
スタート直後にピットインしてインターミディエイト→ウェットにタイヤ交換したのが功を奏し、ヘビーレインコンディションで最速ラップをたたき出して 3 位に浮上。赤旗中断→SC 先導での再スタート後もポジションをキープし、ラップリーダーを記録した周回も。今回はマシンバランスが非常に良く、中盤以降はインターミディエイトタイヤでファステストラップを連発し、首位のアロンソと 5 秒以上あった差を一気に詰めます。しかし一つめのターニングポイントは終盤のドライタイヤへの交換時期で、1 秒差まで迫ったところでアロンソが先にミディアムタイヤへチェンジ、ペレスは 1 周ステイアウト後にハードタイヤへチェンジ。結果的にタイヤ選択は間違っていなかったものの、ここで同時にピットに入っていれば結果は違ったかもしれません。そして二つめのターニングポイントは残り 6 周となったところ。DRS を使用してテールトゥノーズとなり、次周の DRS ゾーンでは・・・!と思った瞬間、コーナリングでミスをして大きくコースオフ。復帰はでき、その後も追い上げを続けたものの、事実上ここで優勝は決まってしまいました。

正直なところ、ペレスは勝てるレースを落としたと言っても間違いではないと思います。いくつかのポイントで間違った選択をしていなければ、あのペース差があれば勝てていたはず。その壁を越えられるかどうかが勝てるドライバーになれるかどうかの境目でもありますが、逆に言えば、アロンソはああいった状態で絶対にミスをしないドライバー。だからこそ、今回だけでなく 2008 年のルノーや昨年のフェラーリのような勝てないマシンでも、チャンスがあれば力強くもぎ取る。そういう意味では、今回ペレスではなくアロンソが勝ったのは必然と言えるのかもしれません。
しかしながら、レースペースはウェットでもドライでもザウバーのほうが確実に速かったのも事実。ただセットアップ屋台や管理に失敗した可夢偉と F2012 を乗りこなせていないマッサがともに下位に沈んだとおり、同じマシンでも少し歯車が狂っただけで大きく落ち込んでしまうのが、チーム間の戦力差が僅少な今シーズンの傾向でもあります。でも少なくともシーズン中の開発力の差が現れない序盤戦ならば、可夢偉にも十分にチャンスはある、とも言えるはず。ペレスの表彰台獲得にペーター・ザウバーおじさんは涙していましたが、もっと泣かせる結果を目指してほしいところ。

残念ながらペレスは今回勝ちにつなげられませんでしたが、2006 年のバトンの初優勝、2008 年のクビサそしてヴェッテルの初優勝、2009 年のブラウン GP の初優勝など、新しいチームやドライバーが初めて勝ちそうな瞬間というのはドキドキするものです。私も可夢偉よりも先にペレスに表彰台に乗られるのは悔しいと思いつつ、中盤以降は完全にペレスを応援してしまっていました(笑。これで間違いなくティフォシの間ではマッサ降ろしの論調に勢いがつくでしょう。

それにしても今季は誰がまだ勝つか分からなくて面白いですね。パーマネントサーキットである今回のセパンでもう少し見えてくるかと思ったら、雨のおかげで結局分からなかったし。現時点での戦力としてはやはり 2 戦連続フロントロウ独占のマクラーレンに分がありそうですが、ヴェッテルは間違いなく何度か勝つでしょうし、ライコネンもそのうちズバッと優勝しちゃいそうだし(やっぱり得意のスパは注目でしょう)、グロジャンとマルドナドも表彰台には絡んでくる可能性が高い。メルセデス W03 のレースペースがイマイチなのがちょっと残念ではありますが、今シーズンはしばらくレースごとに表彰台の顔ぶれが入れ替わってもおかしくなく、毎度ワクワクしながら観戦できそうです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/03/18 (Sun.)

F1 オーストラリア GP 2012

オーストラリアGP決勝 バトンが開幕戦を制す! - GPUpdate.net

2012 年シーズンのこけら落としはまず J. バトンがフロントロウからの優勝を飾り、幸先のいいスタートを切りました。
バトンの好調ぶりはまるで 2009 年のブラウン GP 時代前半を思わせる完勝で、スタートでハミルトンを交わしてからは 2 位以下に 10 秒近いマージンをキープしたまま、レースを支配しました。後半にセーフティカー導入でヴェッテルに直後に着かれても動ぜず、落ち着いたレース展開。個人的には去年の 3 度の優勝のような戦略勝ちのほうが観ていて興奮しますが、このレースでの勝ち方のほうがバトンらしいというか。別に後続が遅くてラクなレースだった、というわけではなく、バトンがペースとタイヤを完璧にマネジメントした結果だと言えるでしょう。
ヴェッテルも決して遅かったわけではありませんでしたが、このアルバートパークサーキットの特性がマクラーレン MP4-27 の方に合っていたことが大きいでしょう。今シーズンは、少なくともレッドブルとマクラーレンの関係性に限って言えば、昨シーズン終盤の勢力図をそのまま持ち越したような状況になっていると言えそうです。昨シーズン、開幕直前にマシンの空力コンセプトを根本から変更しながら、後半にはほぼレッドブルと遜色ない速さを見せていたマクラーレンが、開幕から速さと信頼性を備えたマシンを投入してきたのだから、今季のレッドブルの苦戦は必至と言えそうです。

今回、予選で速さを見せたのは間違いなくロータス(グロジャン)とメルセデス(ミハエル)。どちらも序盤でリタイアしてしまったのは残念でしたが、それぞれチームメイトのライコネンとロズベルグが最後までポイント争いを繰り広げたことも考慮すると、マシンのポテンシャルは高そうです。ただメルセデスは一発の速さはあるもののロングランのペースに不安があるようですが、ロータスは予選・決勝ともにコンスタントに速く、うまくすれば表彰台争いの常連に顔を出しそうな勢いです。ライコネンがミスで Q1 落ちしていなければ今回もどうなっていたか分からない部分はあるので、今季のダークホース・ロータスの動きには今後も注目でしょう。
あとこのレースでの台風の目と言えそうなのは、ウィリアムズのマルドナド。最終ラップにまさかの単独クラッシュでレースをフイにしていなければ 6 位フィニッシュ、しかもあわよくばアロンソを喰って 5 位に食い込もうという走りには驚きました。マルドナドは昨シーズンも速さの片鱗を見せてはいましたが、大方の予想に反して今年のウィリアムズ・ルノーのマシンはまとまりが良さそうです。技術部門の統括があのスパイ事件で一時 F1 界を追放されていたマイク・コフランというのがイメージ悪いですが、長きにわたるフランク・ウィリアムズ+パトリック・ヘッド体制を脱して新生ウィリアムズチームを確立するシーズンとできるかどうか。

逆にイマイチパッとしなかったのがフェラーリとフォースインディア。フェラーリはマッサの不甲斐なさを見る限り、やはりマシンは厳しそう。アロンソが暴れ馬を抑えつけて 5 位入賞したのはさすがといったところですが、今年もアロンソ一人しか稼げないシーズンになるのかどうか。場合によってはマッサのシーズン中更迭もあるんじゃないかというくらいの体たらくですが、後任候補と言われるペレスがシーズン途中にザウバーを離れてしまうのは、ザウバーの財政事情的にそれはそれで不安です(もしそうなった場合、フェラーリがそれなりの金額で契約を買い取るのでしょうが・・・)。
フォースインディアは昨年終盤の勢いが感じられない、パッとしないレースでしたね。ディ・レスタがファイナルラップの混乱をうまくすり抜けてポイントフィニッシュしましたが、去年の流れからすると今年はトップ 5 を狙える位置に来ると思っていただけに、肩透かしでした。まあ今回は市街地サーキットという特殊性を割り引いて評価する必要はあるでしょうが。
あと、トロロッソは新人 2 人という体制でいきなり 9-11 位フィニッシュというのはなかなか。リチャルド+ヴェルニュの 2 人はそれなりに安定感のあった昨年までのブエミ+アルグエルスアリとはまた違った勢いを感じるので、今後が楽しみです。

最後に我らがザウバー。ファイナルラップの混乱でわけがわからないことになりましたが、終わってみれば可夢偉 6 位、ペレス 8 位という堂々たるリザルト。ペレスのギヤボックス交換ペナルティによる最後尾スタートからの 8 位フィニッシュというのも立派ですが、可夢偉のレース全般にわたってライコネンやロズベルグとやり合った結果の 6 位というのはとても価値があると思います。少なくとも現時点ではロータスやメルセデスと渡り合えるだけのポテンシャルを持ちつつ、1 ストップ作戦もこなせるタイヤに優しいマシンであることが証明されたことは、大きな収穫と言えるのではないでしょうか。逆に言えば、今シーズンは昨年以上に中団グループの差が小さく、どこも突出したチームはないということでもあるので、毎年の例に漏れず資金難で、さらに開幕直前に TD のジェームズ・キーが離脱した状況下では、シーズン後半には失速してしまう可能性が限りなく高い。ということで、ザウバーの 2 人には序盤戦の戦力差が確定していない段階でできるだけポイントをもぎ取っていってほしいところです。

シーズンはいよいよ始まったわけですが、今日のところはまだまだ市街地サーキットでの勢力図が明らかになったにすぎません。第 2 戦はさっそく来週、高温多湿のパーマネントサーキット、マレーシアはセパン。中高速コーナーが多く、レッドブルが本領を発揮できるサーキットでもあります。おそらくここでヨーロッパラウンド前までの真の勢力図が見えてくることでしょうし、要注目です。

投稿者 B : 22:06 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/03/17 (Sat.)

F1 2012 シーズン開幕

オーストラリアGP予選 マクラーレンがフロントロー独占! - GPUpdate.net

2012 年の F1 がいよいよ開幕しました。今年はブローディフューザー禁止で、昨シーズン最もその恩恵を受けたレッドブルの速さがある程度抑えられる可能性が高まり、またピレリタイヤの性能向上などもあってチーム間の戦力差が縮まって、より接戦になる見込み。ということで、毎年言っていますが今年も楽しみなシーズンです。

オーストラリア GP ではプレシーズンテストからの評判どおり、メルセデス AMG やロータス(旧ルノー)のポテンシャルが高いことが明らかになりました。またレッドブルも昨年序盤ほど圧倒的ではないものの相変わらず速く、昨年序盤は苦戦気味だったマクラーレンも今年は開幕から完成度の高いクルマを送り込んできています。
唯一「ハズレ」と言えそうなのはフェラーリくらい。フェラーリは技術部門を一新し、従来のコンサバなマシン作りと訣別して攻めたマシン作りを行ってきましたが、冬季テストでも言われていたとおりそのギャンブルはどうやら今のところ失敗と言えそうな状況。乗りにくいマシンだと全くもって遅いマッサは当然として(ぉ)、多少乗りにくくても速いマシンでさえあればねじ伏せて走ってしまうアロンソも、今回は予選 Q2 で好タイムをマークした直後にスピンしてグラベルに突っ込むという状況。開幕戦の予選が終わっただけの段階で結論づけるわけにもいきませんが、楽観視はできなさそうです。

その予選は約 3 年ぶりにマクラーレンがフロントロウ独占という結果になりました。レッドブルは決して遅いわけではないにせよ、今回は 3 列目からのスタート。2 列目にはロータスのグロジャンとメルセデスのシューマッハーという、これも下馬評どおりのマシンが割り込んできています。ライコネンが Q1 の最終アタックでコースオフしてそのままノックアウト、というハプニングはありましたが、今年はメルセデスとロータスが良さそう。これはもしかするとメルセデスのコンストラクター復帰後初優勝、ミハエルも現役復帰後初優勝、というのもあり得るかもしれません。
また Q1~Q2 を見る限りでは 1~15 位くらいまでが 1.5 秒の間にひしめき合うなど、やはり予想されたとおり今年はここ数年でも稀に見る激戦。オーストラリア GP は市街地コースで他のパーマネントサーキットとは特性が違うため、この 1 戦だけでシーズン全体を占うのは無理がありますが、それでも激戦ぶりだけは明らかになりました。

ただ Q3 のタイムを見る限り、メルボルンではマクラーレンの 2 台が頭半分くらい抜け出しているようにも見えます。この勢いがレースまで保てるものかどうか(テストの内容を見る限り保っちゃいそうですが)、明日の決勝レースも楽しみです。

投稿者 B : 16:47 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/02/07 (Tue.)

RedBull RB8

今週はヘレスにて 2012 年初のプレシーズンテストが開催されるということで、先週に引き続き立て続けに各チームの新車が発表されています。

まずはルノー改めロータス。

ロータス E20を発表 - GPUpdate.net
最新画像 ロータスE20 - GPUpdate.net

レギュレーション改定により昨シーズン採用した前方排気を放棄せざるを得なかったロータスは、ほぼゼロからのマシンコンセプトの見直しを強いられました。ここ数年はダウンフォース獲得に苦心しているのが明らかに見えていましたが、今季のマシンは少なくとも外観からはオーソドックスな作りをしてきた印象で、比較的扱いやすそうにも見えます。
問題のフロントノーズはやはり段差型ですが、デザイン上の処理がうまいのか、カラーリングがブラックだからか分かりませんが(笑)それほど醜いという印象も受けず、まあ許容範囲。

去年のマシンパフォーマンスが参考にならないほどの変化なので、こればかりは走らせてみないことには速いか遅いか分かりませんが、心配なのはむしろドライバーラインアップでしょう。ドライバーの速さというよりも、マシン開発に首を突っ込みたがらないライコネンと若手のグロジャンというラインアップでは、ここからのマシンの熟成に疑問が残りそうです。ライコネンも WRC を経験してそのあたりのスタンスが変わって・・・いないだろうなあ(笑。

ザウバー C31を発表 - GPUpdate.net
最新画像 ザウバーC31 - GPUpdate.net

続いてザウバー。これまた、フェラーリに勝るとも劣らない段差ノーズ(´д`)。でも、これだけ立て続けに段差ノーズなマシンを見てくると、このデザインにもすぐ見慣れるんじゃないかという気すらしてきました・・・。とはいえ、去年の C30 は(後半戦の失速はさておき)マシンポテンシャルもそこそこあり、なおかつデザインの美しさが個人的に気に入っていたので、そこからの大幅な劣化はやはり残念です。

美しさといえばカラーリングも。何なんでしょうかこの、ノーズとお尻が黒くて真ん中だけ白い、腹巻きのようなカラーは(´д`)。でもそれ以上に気になるのはスポンサーロゴの少なさです。BMW 撤退後のザウバーはスポンサー不足が深刻で、去年のペレスの加入に伴うメキシカンマネーの流入で救われたようなものですが、そこからほとんどスポンサーが増えていないという。これでは今年も後半戦の失速は想像に難くないわけで、どこか日本企業がスポンサードしてくれよ・・・とは思いつつも、先週の大企業の相次ぐ一千億単位の赤字決算を見ていると、そうも言えなくなってしまいます(´д`)。

同チームでさらに心配なのは、テクニカルディレクターのジェームズ・キーが離脱したこと。この C31 の設計までは担当したのでしょうが、その張本人がいなくなってしまうということに。ザウバーチームが BMW と袂を分かった際、フォースインディアから移籍し、2010 年シーズン後半からのチーム躍進を支えてきた実力派エンジニアだけに、残念であると同時に、ザウバーの今季がますます不安です。

レッドブル RB8を発表 - GPUpdate.net
最新画像 レッドブルRB8 - GPUpdate.net

最後は大本命、レッドブル。このレギュレーション下でエイドリアン・ニューウェイがどんなマシンをデザインしてくるか期待していたんですが・・・残念ながらここも段差ノーズ(´д`)。
とはいえ、レッドブルは数年前から既に「ツノ付き」の変形ノーズを採用してきていたこともあって、そこまで違和感があるというほどでもありません。そして特筆すべきはこの段差にエアインテークらしき処理を行ってきたこと。そういえば、2008 年のフェラーリがノーズに穴を開けてダウンフォースを稼ぐということをやっていましたが、RB8 のこの穴は何の目的で空いているのでしょうか。「全てのデザインを空力のためにやる」ニューウェイのことだから、間違いなくダウンフォース獲得を狙ってのことなんでしょうが。

さて、この段差ノーズですが、どうしてこうなった・・・という解説がこちら。

2012年F1マシン、なぜ段差ノーズがトレンドに? 【 F1-Gate.com 】

安全性向上のためのレギュレーション改定と空力の調整の産物ということですが、この段差が空力に与える影響って大したことはないんでしょうか。まあ、今のところマクラーレンを除く全チームが段差ノーズを採用していることを考えると、段差ノーズのほうが速いことがほぼ分かっている、ということなのでしょうが。
今季はテクニカルレギュレーションがそれほど大幅に変わらないからマシンの外観もエキゾースト周り以外はあまり変わらないだろうな、と思っていたんですが、予想外に大きく変わってしまうシーズンとなりました。どのマシンが本当に速いかは、結局開幕戦の予選が始まってみないことには分かりませんが、とりあえずテストの様子だけでもじっくり観察して、どこが速いのか探ってみたいと思います。

投稿者 B : 00:08 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/02/04 (Sat.)

2012 新車発表ラッシュ開始

ケータハム CT-01 に続き、F1 の 2012 年の新車発表ラッシュが始まりました。今週発表されたのは、マクラーレン MP4-27、フェラーリ F2012、フォースインディア VJM05 の 3 台。

マクラーレン、MP4-27を発表 【 F1-Gate.com 】
マクラーレン MP4-27 【 F1-Gate.com 】

まずはマクラーレン。昨年後半の速さやチームの総合力から考えて、打倒レッドブルの最右翼はやはりこのチームでしょう。
新車 MP4-27 は、ケータハムに見られたような「段差ノーズ」ではなく、マクラーレンらしい、美しいストレートノーズに見えます。レギュレーションの改定により昨年よりもノーズ先端は低くなっているようですが、それほどデザイン的に無理した印象はありません。

逆に気になったのはサイドポンツーンの処理。昨年はサイドポンツーンの内側が抉れたというか、外側がフェンス状になっていてサイドポンツーンの上面をトンネル状に気流が抜ける仕組みになっていたのが、今年はいたって普通の形状。その代わり、レッドブルのようにリヤエンドを急激に絞り込んだデザインになっており、エキゾーストブローの制限や昨年の反省を元にコンセプトの大きな見直しを図ってきたと言えそうです。

マクラーレンといえば F ダクトや昨年のサイドポンツーンなど、空力的な奇策をマシンに取り込んでくるのがマシン開発の特徴。どうもエキゾーストやディフューザー周りに何か隠しているらしいという噂も出ていますが、現状のマシンを見る限り、どちらかというとレッドブル的な「マシン自体のダウンフォースが強く、ポテンシャルが高い」方向性を目指してきたのかなという印象です。

フェラーリ、F2012を発表 【 F1-Gate.com 】
フェラーリ F2012 【 F1-Gate.com 】

続いてフェラーリ。これまた何というか・・・ケータハム以上にあからさまな段差ノーズで、これが今まで流麗なボディラインを誇ってきたフェラーリの新車なのか・・・と目を疑いたくなるようなデザインです。まあいろいろと検討した結果「これが最も速い」と判断しての採用なのでしょうが、この形状じゃ、それにしても・・・とも言いたくなりますね。
今年のマシン開発はマクラーレンから引き抜いたパット・フライ率いる技術部門が開発し、昨年までのコンセプトとはガラッと変わった「アグレッシブなマシン」ということなので、コンサバな空力、温まりにくいタイヤ、というフェラーリの持病克服を目指したのだろうと思います。でもこればっかりは実際に走らせてみないと何とも言えないなあ。これで遅ければ「フェラーリ史上最も醜いマシン」の烙印を押されかねないでしょう。

フォース・インディア、VJM05を発表 | Force India | F1ニュース | ESPN F1

フォースインディアも段差ノーズ。とはいえフェラーリに比べればマイルドなデザインだし、クルマ全体もあまり奇をてらったように見えないので、ここ数年のフォースインディアのとおり素性は悪くなさそうに見えます。まだあまり情報が出てきていないので詳細は分かりませんが、2/7 からのヘレステストでその実力の一端がつまびらかにされるでしょうか。

残りのチームのうち、レッドブル、トロロッソ、ロータス、ザウバー、ウィリアムズの 5 チームもヘレステストまでに順次新車発表の見込み。今のところマクラーレン以外は全て段差ノーズですが、他チームがどのようなアプローチに出てくるか。楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 00:00 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/01/29 (Sun.)

Caterham CT-01

今年も F1 新車発表の時期がやってきました。まずはケータハム F1(旧チーム・ロータス)から。

ケータハム、CT01を発表 【 F1-Gate.com 】
ケータハム CT01 紹介 by マイク・ガスコイン 【 F1-Gate.com 】
ケータハム CT01 【 F1-Gate.com 】

うわ、死ぬほどカッコ悪い・・・。途中に段差のあるカモノハシ風ノーズが醜いなあ。

一昨年のカクカクした時代遅れなデザインの T129 はともかく、トレンドを取り入れて現代的なった T130 は個人的には悪くないデザインだと思っていたんですが、これはカッコ悪い。ただ、今季のレギュレーション(ノーズの先端を最大 550mm 以下にしなくてはならない)による変更ということなので、苦肉の策といった感が強いです。噂によるとフェラーリの新車もノーズに段差があってカッコ悪いという話ですが、レギュレーションを遵守しつつ最大限にシャシー下面に気流を取り込もうと思ったら、こういう段差ノーズにせざるを得ないんでしょう。
いっぽうでリヤエンドは昨年のレッドブル風に仕上がっており、最新のトレンドに追いついているように見えます。まあ同チームはレッドブルからギヤボックスの供給を受けているので(エンジンもルノー製ということで、パワートレイン全体がレッドブルに近い)、似たような処理にするのが最も効果が高いということでしょう。
ケータハムは新興チームの中では資金力もあり、技術面はかつてルノーやトヨタで鳴らしたマイク・ガスコインが統括しているので、今季はさらなる飛躍が期待できそう。そろそろウィリアムズやトロロッソ、ザウバーの足元を脅かす存在になるんじゃないでしょうか。

ただ、私が知る限り醜いマシンが速かった試しがないので(速いマシンが次第に美しく見えるようになっていくだけかもしれませんが(笑))、この手のデザインのクルマが本当にどの程度速いかは見物です。同時に、こういうデザインを強いる今季のレギュレーションの中で、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイがどれほど美しいマシンを描いてくるのかにも興味がありますね。

投稿者 B : 00:20 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/01/21 (Sat.)

ブルーノ・セナがウィリアムズのシートを獲得

ブルーノ、ウィリアムズ入り決定 | Williams | F1ニュース | ESPN F1

やはり最近 F1 情報の入手が 2~3 日遅れになってしまっている私ですが(汗)、ウィリアムズのシートが決まったようです。P. マルドナドのチームメイトはルノーのレースシートを失ったブルーノ・セナ。昨年、ハイドフェルドの後任として再デビューした直後はなかなか光る走りを見せていたものの、R31 の前方排気のポテンシャルが失われてからは完全に失速してしまっていました。今回の、同郷の大先輩バリチェロを押しのけてのウィリアムズ入りはスポンサー絡みと言われていますが、単に金で買ったシートではないことをレースで証明してほしいところ。

ウィリアムズといえば、叔父のアイルトン・セナが最後に走ったチームでもあります。1994 年のサンマリノで起きた悲しい事故のため、アイルトンがウィリアムズのシートに座ったレースはわずか 2 戦と 6 周にすぎませんが、それ以来ウィリアムズのフロントノーズ(ウィングステー)には今でもセナのロゴマークが記されています。
そのウィリアムズに甥のブルーノが乗る日を、私は当時から夢に見ていたのですが(もっと言えば、2014 年にホンダに F1 復帰してもらって、マクラーレン・ホンダを駆ってほしいという妄想もある(笑))、しかも今季のウィリアムズは当時と同じルノーエンジン搭載。まあ当時とはレギュレーションも違えばウィリアムズのチーム力やルノーエンジンの戦闘力も違うという環境で、さらにブルーノは残念ながらアイルトンほどの才能に恵まれているわけではなさそうに見えますが、心情的にはどうしても応援したくなってしまいますね。

あと F1 絡みのニュースをもう一件。

フジテレビ、地上波でのF1中継を終了 【 F1-Gate.com 】

FOM との契約更改がなかなか決まらなかったフジテレビがようやく F1 の放映権について契約を完了したようです。今年はなんと地上波での放送はなく、BS フジと CS(生放送はフジテレビ NEXT)での放送となるとのこと。

ここ数年の地上波 F1 中継は本当にひどくて、トヨタが F1 にいた頃は無謀すぎるほどのトヨタ贔屓でとても観る気になれず、日本チームが完全撤退してからはスポンサーの獲得にも苦労していたようで、放送が危ぶまれていました。一時は地上波は NHK が中継に興味を持っているという噂もあったほどです。
とはいえ F1 の放映権は FOM が「無料放送で視聴できること」を契約の条件としているため、フジテレビが有料の CS だけで放送するということはできません。無料放送は NHK、有料放送はフジテレビという契約形態も不可能ではなかったようですが、結局無料放送として BS フジで中継することでまとまったようです。

まあ私はいずれにしても完全生中継・CM なしの CS で視聴しているので直接影響はありませんが、地上波だと他の番組との兼ね合いで放送が深夜だったり、ひどいときにはダイジェスト版的な放送でしかなかったりしていたのが、BS だともう少しマシな放送になるのでしょうか。BS は地上波に比べるとどうしても視聴率が厳しいので、結果的に F1 の認知度が下がってしまうことがファンとしては悩ましいですが、今のままの地上波放送でファンが増えるとも思えないので、仕方のないところですかね。
いずれにせよ、今回のフジテレビと FOM の契約は 2 年ということなので、2 年後に今度こそフジテレビが F1 中継を投げ出してしまわないように祈るばかりです。まあ、もしなくなっても NHK あたりが拾ってくれればそれでもいいんですが・・・。

投稿者 B : 00:19 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/01/14 (Sat.)

ブリヂストンの浜島裕英氏がフェラーリに移籍

元ブリヂストンの浜島氏がフェラーリ加入 - GPUpdate.net

新車発表時期前のオフシーズンはただでさえ F1 のニュースをチェックする頻度が下がりがちで、今季はさらにストーブリーグもメインどころは早々に決まってしまったので全然チェックしていませんでしたが、チームスタッフ絡みでこんな大きなニュースがあったとは。国内の F1 中継でもおなじみ、「ハミー」ことブリヂストンの元モータースポーツタイヤ開発本部長・浜島裕英氏がフェラーリに移籍とのことです。

浜島氏といえば F1 におけるブリヂストンの「顔」であり、数多くのドライバーやチーム関係者から高い信頼を得ていることでよく知られています。中でも BS タイヤを履いてフェラーリの黄金時代を築いたミハエル・シューマッハーとの信頼関係は有名で、2006 年にミハエルが一度引退したときにはミハエルと浜島さんのエピソードがいろいろ語られたものでした。
2007 年からの BS ワンメイク時代の印象が強く「特定のチームに肩入れしない」イメージがついていたので、まだどこかのチームに所属するというのに違和感があるのですが(笑)、BS 時代はやはりフェラーリとの蜜月が長かったので、特定のチームに移籍するならばフェラーリ(または当時フェラーリだったロス・ブラウンとシューマッハーがいるメルセデス)というのは確かに順当な気はします。

フェラーリはマシン開発の方向性として伝統的に「タイヤに熱が入りにくい」マシンになることが多く、特に昨シーズンはピレリタイヤとのマッチングに苦労しました。そのあたりを浜島さんのノウハウでカバーしていきたいというのが狙いでしょう。ただ、今年は例年になくアグレッシブな開発を行ったマシンになるとのことでどんな特性のクルマが出来上がっているかまだ分からないこと、そして今年のマシンは基本的な部分の開発がほぼ仕上がってしまった段階だと思われることから、今季の開発に関して浜島さんの知見がどの程度活かされるかは未知数です。とはいえ少なくともレースでのセットアップにおいては、十分にそのノウハウが活かされるでしょうが。

あまり知られていませんが、F1 の世界では小林可夢偉以外にも多くの日本人が第一線で活躍しています。それなりに名の知れている人だけでも、マクラーレンの今井弘氏(タイヤエンジニア。ブリヂストンから移籍)、ルノーの徳永直紀氏(副テクニカルディレクター。いわば技術部門の No.2)・小松礼雄氏(昨年のペトロフ担当レースエンジニア)、フォースインディアの羽下晃生氏(マシン開発プロジェクトリーダー)・松崎淳氏(タイヤエンジニア。ブリヂストンから移籍)など、トップチームの要職に就いている人がたくさんいます。他にもホンダ、トヨタ、スーパーアグリ、ブリヂストンの撤退後に個人として他のチームに移籍して活躍しているエンジニアがまだまだいると思われます。今まではあまり国内で注目されることはありませんでしたが、浜島さんほどの有名人が活躍することで、そういった他の日本人エンジニアたちにも光が当たってくれることを願います。
実は他にも部品レベルで日本の製品や技術が F1 に使われているものって少なくないんですよね。ホイール(ENKEI、BBS(ドイツ企業だけど F1 用ホイールの製造は日本)、RAYS)、ブレーキ(曙)、スパークプラグ(NGK)、無線(ケンウッド)、ヘルメット(アライ)、マシンのモノコックやボディに使われるカーボン素材(東レ)、など多くのチームで採用されており、日本メーカーの製品がなければ F1 は走れないと言っても過言ではないでしょう。ホンダ時代の流れか、特にトップチームであるマクラーレンで日本製パーツの採用が多いのも特筆モノだと思います。

個人的にはホンダとスーパーアグリが撤退してから特定チームを贔屓にすることはなくなり、F1 は純粋にスポーツとして楽しむようになりましたが、逆に日本メーカー系のチームが存在しない今だからこそ、こういった日本人エンジニアや日本のサプライヤーを応援したいですね。

投稿者 B : 22:02 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2011/12/18 (Sun.)

トロロッソ、フォースインディアのシートが確定

トロロッソ リチャルドとヴェルニュをレースドライバーに起用 - GPUpdate.net
フォースインディア ディ・レスタとヒュルケンベルグを起用 - GPUpdate.net

年末も押し迫ってきて、F1 の 2012 年シーズンのシート確定も大詰め。この数日でトロロッソとフォースインディアのドライバーが決まりました。

トロロッソはなんと両ドライバーともに入れ替えとなり、現 HRT ドライバーのダニエル・リカルド、そしてレッドブルのリザーブドライバーだった J-E. ヴェルニュという、レッドブルのドライバー育成プログラムからの抜擢という形になりました。
従来のブエミ、アルグエルスアリはともに 3 年近くトロロッソのレースドライバーを務め、そこそこの結果を残してきていたため、今回の入れ替えはいささか大胆な決断にも見えます。が、トロロッソというチームはあくまでレッドブルのドライバー発掘のためのチームであり、チームそのものの成績を向上させることよりも、より才能のあるドライバーを見出し、第二のヴェッテルを作ることが目的。レギュラードライバー 2 年目にして初優勝を果たしてしまったヴェッテルに匹敵する実績を残せなかった以上、才能のある他の若手にポジションを奪われるのはやむを得ないでしょう。

個人的に、ブエミは今年の横浜の公道デモランイベントでドライバー本人だけ(泣)見てきたこともあって少し思い入れがあり、このまま F1 からいなくなってしまうのは残念な気がします。通常であれば彼らはこのままレッドブルのサポートを受けて他カテゴリに参戦するか、レッドブルを離れて他チームに移籍するかという選択肢になるでしょう。アルグエルスアリはスペイン繋がりで HRT のシートを狙うという噂もありますが、ブエミはどうでしょうね。

いっぽう、フォースインディアはかねてからの噂通りポール・ディ・レスタとニコ・ヒュルケンベルグというラインアップになりました。ヒュルケンベルグは 2010 年のブラジル GP でポールポジション獲得の快挙を果たしたにも関わらず翌年のシートがないという不運に見舞われましたが、改めてその才能を示せるか否か。ディ・レスタのほうは間違いなく 2011 年のベストルーキーだったので、この若い二人でどこまで健闘できるかに注目です。2011 年の同チームはシーズン後半につれてマシンの戦闘力が向上し、中団グループトップの座を確固たるものにしましたが、来年もこの勢いを堅持できるかどうか。

ということで、来シーズンの空きシートはいよいよウィリアムズ 1、HRT 1 と残り少なくなってきました。いっぽう今年のレギュラードライバーでシートを(リザーブさえ)確保できていないのはペトロフ、スーティル、バリチェロ、ブエミ、アルグエルスアリ、リウッツィ、カーティケヤン、ダンブロシオ。実績から考えてペトロフやスーティルあたりがどこかに拾われる可能性が高いでしょうが、両チーム共にスポンサー持ち込みドライバーを採用する可能性もあり、まだ何とも言えません。また他の下位チームもいったん確定したシートを変更する可能性がないとは言えないので、最終的には冬季テストが始まってからのお楽しみ、といったところでしょうか。

投稿者 B : 00:58 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2011/12/11 (Sun.)

ロータス・ルノーのシートが確定

ルノー、グロージャンと契約! | Renault | F1ニュース | ESPN F1
選択肢少ない中、自信をのぞかせるブルーノ | Renault | F1ニュース | ESPN F1

ライコネンとの電撃契約が発表されてからまだ 10 日ほどしか経っていませんが、ロータス・ルノーの来季のセカンドドライバーが今季のリザーブドライバーだったグロジャンに決定したようです。

グロジャンは 2009 年の終盤戦にルノーからピケ Jr. の代役としてレギュラー起用されていましたが、2010 年以降はリザーブ/テストドライバーに甘んじていました。以前から、同チームは来季にグロジャンを起用したがっていたと言われていたものの、スポンサーの持ち込みが期待できるペトロフやブルーノを優先していました。とはいえ同チームの主要スポンサーであるトタル(フランスの石油企業)の後押しもあって、フランス人ドライバーであるグロジャンの昇格に繋がったものと思われます。

今季それなりの活躍を見せていたペトロフとブルーノのシート喪失は残念なところ。現在はロシア系チームとなったロータス・ルノーからはじき出されてはペトロフの行き場はないようにも見えますが、2014 年に予定されているロシア GP が本当に開催されるのであれば、バーニー・エクレストンの後押しでどこかのチームに収まりそうな気もします。
いっぽう、ブルーノは今季もそれほど大きな結果を残せたわけではないので、厳しそう。現状でのシートの空きはフォースインディア(2)、トロロッソ(2)、ウィリアムズ(1)、HRT(1)といったところで、ブルーノとレッドブルグループとの関係を考えればトロロッソと言いたいところですが、同チームのシートはブエミ、アルグエルスアリ、ダニエル・リカルド、J-E. ヴェルニュあたりが激しく争っているので、入り込む余地はなさそうに見えます。あとは順当にスポンサー持ち込みでウィリアムズか HRT なら可能性はあるでしょうが、年齢的なことを考えてもあまり望みは厚くないでしょうか。そのままロータスのリザーブドライバーのセンが最も堅いような気がします。

そんな感じで来季のシートもずいぶん確定されてきました。

2012年ストーブリーグ情報 | Formula 1 | F1 特集 | ESPN F1

トップチームのドライバー変更が皆無なのであまり目新しさがないラインアップですが、やはり注目はライコネン。2 年のブランクからいきなり勝てるようになるとはさすがに思えないものの、6 人のチャンピオン経験者がグリッドに並ぶのはおそらく F1 史上でも稀(初?)なことでしょう。来季は今季以上に濃密なコンペティションが期待できそうじゃないですか。

投稿者 B : 23:45 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2011/11/29 (Tue.)

ライコネンがルノーから F1 電撃復帰!

ライコネン、来季F1復帰決定! | Renault | F1ニュース | ESPN F1
最新画像 ロータス・ルノー仕様のライコネン - GPUpdate.net


2011 年シーズンも終了したばかりの F1 ですが、いきなり驚きのニュースが。2009 年を最後に F1 を離れ、WRC に参戦していたキミ・ライコネンが来季、ロータス・ルノー GP(旧ルノーのほう)から F1 に復帰することが発表されました。

ルノーはエースドライバーであるロバート・クビサの治療が来シーズン開幕までに完了しないことが判り、来シーズンのシートはペトロフ、ブルーノ・セナ、グロジャンの 3 人で争うことになると思われていたところで、突然のライコネン復帰。シーズン終盤からライコネンはウィリアムズやルノーと交渉しているという噂だけはありましたが、以前から「勝てるチームでなければ乗らない」と公言し続けてきたライコネンのスタンスを考えると、あくまでそれぞれのチームが他ドライバーやスポンサーとの交渉を有利に進めるための情報操作だろう、と思っていただけに、この発表には驚かされました。つかライコネン、髪伸びたね(笑

そのロータス・ルノー(緑色のチーム・ロータスは来季から「ケータハム F1 チーム」に改称し、ロータスの名称権を放棄るため、ルノーは名実共にロータスと呼べる状況になる)ですが、今季は序盤こそ前方排気のマシン開発が功を奏して上位に食い込む活躍を見せましたが、各チームがエキゾーストブローの完成度を高めてきた後半戦は苦戦。かつ、来季は前方排気がレギュレーションで禁止されることで、コンセプトレベルからのマシン開発を余儀なくされています。この状況でどれだけ競争力のあるクルマができるかは未知数ですし、ライコネンはマシン開発に定評のあるドライバーではないので、少なくとも復帰初年度は苦戦するのではないかと思いますが・・・ライコネン的には長期参戦する意志があるのならば、この一年で速さをアピールして、トップチームのシートが空く 2013 年を勝負の年と見ている、ということなのかもしれません。
あとはチームメイトが誰になるか、ですが、主にロシアンマネーとブラジリアンマネーで成り立っている現在のチーム状況を考えると、ペトロフとブルーノのどちらかを選択する可能性が高いのではないでしょうか。実績だけを踏まえれば、ペトロフがセカンド、ブルーノはリザーブというのが妥当な線でしょうが・・・どうなるか。

投稿者 B : 22:08 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2011/11/28 (Mon.)

F1 ブラジル GP 2011

ブラジルGP決勝 ウェーバーが最終戦で今季初勝利! - GPUpdate.net

ヴェッテルのシーズン最多ポールポジション記録樹立で始まった最終戦ブラジル GP。勝ったのは今季初勝利となる「ミスターセカンド」M. ウェバーでした。

PP から逃げを打つかと思われたヴェッテルが、ギヤボックストラブルで思ったようなギャップを築くことができず、途中でウェバーに首位を明け渡し。20 年前にこの母国 GP で初優勝した A. セナのように(彼はギヤボックストラブルでレース終盤を 6 速ギヤのみで戦った)ギヤを失いながらもポジションを守りきってほしかったところではありますが、当時に比べるとレースのうちのドライバーの技量が占める割合は相対的に減っているので、そう簡単な話でもなく。それでもレースの大半、全てのコーナーをショートシフトで済ませながら 2 位を堅守した技量はさすがだと思います。
優勝したウェバーは、棚ぼたでの勝利ながらも、これは今年のレッドブルを陰から支え続けたことに対する報いと言えるのではないでしょうか。レースでヴェッテルを直接支援できたグランプリはさほど多くないですが、去年のようにヴェッテルとケンカすることもなく(笑)マシン開発やセットアップでチームを下支えし、時にはレースでライバルの壁となってヴェッテルを逃がす役割も果たし、マシントラブルのほとんどさえ彼が引き受けるという(笑)見事なセカンドドライバーぶり。ドライバーズランクはなんとかアロンソを交わして 3 位といったところでしたが、地味に良い仕事をした一年だったのではないかと思います。

我らが小林可夢偉は自分が果たすべき働きをきっちり果たし、16 番手スタートから 9 位フィニッシュで 2 ポイントゲット。自身のドライバーズランク 12 位、チームのコンストラクターズランク 6 位に大きく貢献しました。中盤以降マシン開発と戦略ミスで苦しんだ今シーズンでしたが、最終的にはほぼ期待通りの結果を残せたのではないでしょうか。あとは来季いかに上の結果を残して、可夢偉にトップチームの門戸を叩く権利をあげられるか、でしょうか。

今シーズンの F1 を総括すると、一見してレッドブル&ヴェッテル圧勝の一年だったわけですが、印象としてはやはりヴェッテルだけが強かったというよりは、どのレースも見応えがあり、近年稀に見るエキサイティングな一年だったと思います。いやここ数年は最終戦でチャンピオン確定というドラマチックなチャンピオン争いのシーズンばかりですが、レース内容としてここまでエキサイティングだった年は珍しいのではないかと。
これを実現した要素はやはりピレリタイヤ+DRS。ピレリタイヤは開幕当初はライフももたず、マーブルはひどいし性能が切れたときの落ち幅はすごいし・・・という印象だったのですが、このタイヤを使ったレースの見方(BS タイヤ以上にピットインのタイミングが重要)を理解してからは、F1 をショーと捉えるならばこのタイヤもアリだな、と思うようになりました。接触やデブリの影響以外ではパンク等の安全性に関わるトラブルも皆無だったし、ピレリは参戦初年度にしては実に良い仕事をしたと思います。
あとは何と言っても DRS ですね。確かに「作られたオーバーテイク」という印象は見ていても感じますが、(F1 速報 PLUS の最新号にも書かれていましたが)DRS の意義はそれによって起きたオーバーテイクそのものよりも、「オーバーテイクを仕掛けようというモチベーションをドライバー達に与えたこと」ではないかと思います。これによって今まで「抜けない」と当たり前のように言われていたサーキットやコーナーでもオーバーテイクが見られるようになり、レース全体としての面白さに繋がったのではないでしょうか。そういう意味では、DRS も本当に意味のあるレギュレーションだったと思います。

これを踏まえて来季は、エキゾーストブローの使用が原則禁止される(完全になくなるとは言えませんが、大幅に制限される)ことになるくらいしか大きなレギュレーション変更はありません。順当にいけばレッドブルは相変わらず速いだろうし、マクラーレンも今年終盤の勢いを維持できればチャンピオンシップは今年より接戦になるでしょう。フェラーリはコンサバな開発スタイルを棄てて来季はアグレッシブなマシンを開発しているというし、ルノーも前方排気が使えない来年は全くの新規マシンを開発することになります。また、メルセデスも W02 の延長線上にあるマシンでは勝ちに行けないだろうし・・・と考えると、引き続き速そうなレッドブルとマクラーレンに対して、続く 3 チームの新しいマシンコンセプトがどれだけ追いつけるか、が序盤の見どころになるでしょう。ドライバーの入れ替えが少ないシーズンでもあるので、見どころはテクニカルな側面に偏るように思います。

とはいえ今はもう 11 月末。例年だとニューマシンの発表は 1 月末頃からなので、来季のマシンのお披露目まであと 2 ヶ月程度しかありません。短い冬休みですが、今から来シーズンを楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2011 | コメント (0) | トラックバック

2011/11/14 (Mon.)

F1 アブダビ GP 2011

アブダビGP決勝 ハミルトンが優勝、ヴェッテルはリタイア - GPUpdate.net

アブダビ GP。ヴェッテルが優勝して奇跡の逆転チャンピオンを獲得した昨年とは違って、今年はヴェッテルの年間最多 PP 記録/年間最多勝記録がどうなるのか?と、フォースインディア/ザウバー/トロロッソのコンストラクターズランク争いの行方は?というのが注目ポイントとなりました。

フリー走行ではマクラーレンが好タイムを連発し、ヴェッテルの PP は危ういのでは?と思われましたが、最終アタックでヴェッテルが 0.14 秒の差をつけて難なく PP。1992 年のナイジェル・マンセルに並ぶ年間最多タイ記録を樹立しました。マシン性能的にはもう拮抗している(サーキットによっては劣っている)んじゃないかと思われるマクラーレン相手でも予選をまとめ上げられる実力はもう貫禄と言ってもいいレベル。ダブルチャンピオンを早々に確定できたことで、この記録はチームもろとも明らかに狙っていましたね。

で、決勝。ヴェッテルがあっけなくホールショットを決めて得意の逃げ切り展開に持ち込む・・・と思いきや、3 コーナーでまさかのスピン。よく見ると右リヤタイヤがパンクしていて、あとはゆっくりとピットに戻るほかありません。ほぼまるまる 1 周をパンクしたタイヤで走らざるを得なかった結果、タイヤ以外にもダメージが発生しており、そのままリタイア。今季初のノーポイントレースとなりました。

スタートでヴェッテルの直後につけていたのはハミルトン。終始アロンソに 3 秒程度後方からプレッシャーを受け続けていたものの、今回は久々にトラブルもアクシデントもなく、今季 3 勝目を飾りました。接戦になるとどうしても接触が目立つハミルトンですが、特に接触する相手が周囲にいなければ(ぉ)本来の速さが活きてきますね。今回の勝利はヴェッテルのトラブルによって棚ぼた的に得たものにすぎませんが、ポディウムの中央で久しぶりに良い笑顔を見せてくれました。これでもう少し自分を見つめ直して・・・というか、ちゃんとバックミラーを見る癖をつけて(ぉ)より強いドライバーに再度成長していってほしいものです。
2 位以下はアロンソ-バトン-ウェバーというほぼいつものオーダー。バトンは中盤までトラブルで KERS が使用できなかったことを考えると、3 位表彰台は健闘といったところでしょうか。

今回熱かったのはむしろ中団争い。ここに来てマシンも戦略もうまく回っているフォースインディアはコンストラクターズ 6 位死守に向けてトロロッソを抑えにかかっていますが、そのトロロッソにポイントで並ばれてしまったザウバーも必死。今回はブエミのリタイアにも救われた格好ではありますが、小林可夢偉がドイツ GP 以来の 10 位入賞。コンストラクターズポイントで 1 点、トロロッソに勝ち越しました。
このあたりの争いは、もともとストレートが速いマシン特性を生かして DRS で抜かれないようにセットアップするフォースインディア、総合性能で勝負するトロロッソ、マシン性能で見劣りする分タイヤ戦略で奇襲をかけるザウバー、という構図が非常にメリハリがあって見応えがあります。フォースインディアの 6 位はもう盤石と言って良い状況だと思いますが、ザウバーとトロロッソの激しい争いは最終戦でも続きそう。この結果が(チームへの分配金という意味で)来季のマシン開発にも影響してくるので、ザウバーには最後の頑張りに期待したいです。最終戦は狭くて抜きにくいブラジル・インテルラゴス。セーフティカーや雨など不確定要素も多いサーキットですが、基本的にはグリッド位置が物を言うレースになると思います。まずは予選ですね。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2011 | コメント (0) | トラックバック

2011/10/30 (Sun.)

F1 インド GP 2011

地上波放送前なので、お約束でネタバレ防止用の改行を入れておきます。











インドGP決勝 ヴェッテルが初代ウィナーに - GPUpdate.net

いやあヴェッテル強い強い。PP、優勝、ファステストラップのハットトリックで、なおかつラップリーダーを一度も奪われない完全なるポールトゥウィン。今季のヴェッテルが強いのは開幕時点から分かっていましたが、チャンピオンが確定してからさらに誰にも止められない速さを発揮し始めたようにさえ見えます。前戦韓国 GP でもこのインド GP でもファイナルラップでファステストを獲りに行ったことからも分かるように、今まではチャンピオン獲得を最優先してガマンしていた「とにかく誰よりも速く走って勝つ」というドライバーの本能を解き放った結果ではないでしょうか。
今年のヴェッテルはチームラジオでの会話や記者会見の受け答えの内容を聞いていても明らかに大人になったというか、むしろ悟りを開いたんじゃないかと思うくらい(笑)謙虚でしたが、そこはまだ 24 歳の青年(というか性根としてはもっと幼い部分があると思う)だと感じさせるここ 2 戦の勝ち方。だからこそ、この先まだまだ成長して勝利を重ねていくんだろうなあ、と感じます。

とはいえ、今回は 2 位だったバトンと 3 位のアロンソの走りも素晴らしく、それぞれのチームメイトが自滅していったのとは対照的でした。二人とも元チャンピオンに相応しいレースで、来年は(ヴェッテルも好きだけど、勝つのが分かっている人を応援しても面白くないので(笑))個人的にはバトンとアロンソをプッシュしたいかなと思います。特にバトンはマクラーレンのマシン、特に今年のピレリタイヤとの相性がとても良い。ブラウン GP 時代は「冷え性」のマシンに苦しんだ部分もありましたが、タイヤへの入力が高いマクラーレンのマシンとタイヤに優しいバトンのドライビングのマッチングが良いんでしょう。
一方で自滅したハミルトンとマッサ。最近接触事故が続く因縁の二人ですが、今回はハミルトンよりもマッサに非があるように見えました(実際にペナルティも喰らっているわけですが)。あの接触はマッサが報復のためにドアを閉めたんじゃないかなあ・・・と穿った見方をしたくなる動きだったと思います。ただ、ハミルトン側にもここまでマッサとの接触が続いたらもう少し警戒心があっても良かったんじゃないかとは思うけど。

で、可夢偉は・・・オープニングラップの第 1 コーナーでクラッシュしてレース終了。事故経緯としてはチームメイト同士でぶつかったウィリアムズのクラッシュに巻き込まれた形ではありましたが、近い位置からスタートしたペレスが 10 位入賞していたことを考えると、あまりにも残念すぎる。結局これでコンストラクターズランクとしてはトロロッソに並ばれてしまいましたし、現時点でのマシンの戦闘力からすると逆転されるのは時間の問題。さらに厳しい状況になってしまいました・・・。

ということで、もうすぐ 10 月も終わってしまいますが、今季の F1 はまだあと 2 レースも残っています。チャンピオンも確定したことだしさすがにちょっと長すぎないか、という気もしますが、誰一人として手を抜いていないレースが続いているので、まだまだ見応えはあるというもの。2 週間後のアブダビにも、引き続き注目です。

投稿者 B : 22:56 | F1 | Season 2011 | コメント (0) | トラックバック

2011/10/16 (Sun.)

F1 韓国 GP 2011

これを書いている時点で地上波は放送前なので、ネタバレ防止入れておきます。












韓国GP決勝 ヴェッテルが今季10勝目を飾る - GPUpdate.net

鈴鹿の興奮からわずか一週間、F1 サーカスは舞台を韓国に移しました。ドライバーズチャンピオンは決まりましたが、他のドライバーもランキングや来季のシートを賭けた戦いはまだまだ続きます。
その韓国 GP は、2011 年チャンピオンを確定させたヴェッテルが、鈴鹿での雪辱を果たすかのような貫禄勝ち。予選 PP こそ今季初めてチームメイト以外のドライバーに譲りましたが、そのハミルトンをオープニングラップで鮮やかに抜き去ってからはいつもの彼のレース。今季ずっと安定感があったヴェッテルにあって、駄目を押すようにチャンピオンの力というものを見せつけられました。

また、2 位以下はラスト数ラップを 5 秒の間で 4 台が争うという接戦。今回はハミルトンが抑えきりましたが、昨年も終盤までチャンピオンを争い、今年もチャンピオンシップ 2 位を賭けて争っているハミルトン・ウェバー・バトン・アロンソの 4 人が団子状態でチェッカーを受けるという、韓国 GP はまさに今シーズンの縮図のようなレースだったと言っていいでしょう。

今回のレースで注目はハミルトンでしょう。ここのところ無謀なアタックやブロックによる接触が続き、「危険なドライバー」のレッテルがすっかり定着してしまった感のあるこのドライバー。見るからに頑なになっていて、ここ数戦は上位を獲得しても喜びを表現せず、FIA などのインタビューを受けていても、どうも表情がおかしい。「誰も味方がいない」状況になっているのではないかと思います。
それでも今回、今シーズン開始からレッドブルのどちらかが獲り続けてきた PP を初めて奪った「一発の速さ」は本物でしょう。私もラフなところさえなければハミルトンのアグレッシブなドライビングには一目置いており、バトンとの性格の違いもあってマクラーレンというチームにいいバランスをもたらしているとは思っているので、そういうところは嫌いじゃない。今回、久しぶりの表彰台で少し和らいだ表情を見せてくれましたが、このレースをきっかけに少し変わってくれると良いのですが。ただ、自分を同じく「危険なドライバー」と言われたセナになぞらえ、決して自分の非を認めようとしない姿勢を続けるようならば、ロン・デニスも元マネージャーである実父アンソニー・ハミルトンも近くにいなくなった今、彼を諫めてくれる人は少なくともチーム内にはいないような気もします。

さて、我らが可夢偉。鈴鹿も落胆のリザルトでしたが、今回はそれ以上に存在感が空気でした。他車と接触してフロントウィングにダメージを負うシーンと、バックマーカーとして先頭集団に追い抜かれるシーンくらいしか画面にさえ映らず。今回はチームメイトのペレスも下位に沈んだので、これはもう戦略云々以前にマシンの戦闘力が決定的に足りなかったということ。直近のライバルであるフォースインディアやトロロッソとはレースにならず、ロータスにさえ追い立てられるような貧弱さで、残り 3 戦が心配になりました。このままだとコンストラクターズポイントでフォースインディアを追いかけるどころか、トロロッソに逆転されるのも時間の問題。今シーズンの開発はほぼ終了しており、どうにも苦しい状況となりました。

ただ、2 週間後のインド GP は初開催。まだ誰も走ったことがなく、そういう意味では全員に平等な条件。可夢偉にはここで久々のポイント獲得を見せてほしいところです。

投稿者 B : 21:59 | F1 | Season 2011 | コメント (0) | トラックバック

2011/10/09 (Sun.)

F1 日本 GP 2011 決勝

バトンが鈴鹿を初制覇! ベッテル3位でタイトル獲得! | 日本GP | F1ニュース | ESPN F1

日本グランプリ決勝。私の予想としては鈴鹿と相性が良いマシン、鈴鹿が大好きなヴェッテルの組み合わせが PP から逃げを打ってチャンピオン獲得に華を添える・・・という展開を予想していました。が、レースはタイヤに優しいバトンが巧みなタイヤ戦略によりヴェッテルをピットの間に交わし、そのまま最後まで走りきりました。
クラシックコースであり、高速サーキットでもある鈴鹿はタイヤに厳しい性格。ブリヂストンタイヤだったら今年もヴェッテルが完勝していた可能性は高かったでしょうが、今年のピレリタイヤとのマッチングという意味ではマクラーレン&バトンに分があった、ということでしょうか。思えば、予選でバトンがヴェッテルの 9/1,000 秒差に迫っていたところ、いやもっと言えば FP1 でバトンがトップタイムを出したところから、その兆候はありました。

スタートで成功したものの、すぐにタイヤを駄目にして最後まで伸びが見られず、また今回もバックミラーを見ていなかったことでマッサと接触したハミルトンとは対照的な、バトンの巧いレース。チャンピオンこそ逃したけれど、今季ここまでヴェッテルを追い詰めるレースをいくつも演出し、天候の読みやタイヤの扱いが難しいレースではしっかり勝つ。半ばマシン性能のおかげでチャンピオンを獲得できた 2009 年と比べても、今年のバトンは脂が乗っていて、今最も面白いドライバーだと思います。
マクラーレンというチームは伝統的に 2 人のドライバーをイコールコンディションで競わせる方針だし、昨年のバトン加入時はどちらかというとハミルトン寄りのチーム体制だったのは事実でしょうが、今季ここまでの実績、ハミルトンの落ち着かなさ、チームと複数年契約を結んだ事実などを考慮すると、バトンが現時点~来季における実質的なチームリーダーとして認められたとみて間違いないでしょうね。

2 位のアロンソは終盤まであまり中継に映ってきませんでしたが、例によってしぶといレース運びで気がつけば表彰台。ヴェッテルはピットの隙に交わしたようですが、最後まで RB7 を抑えきっただけでなく、ラスト数周はバトンを脅かす走りすら見せていたのは、ヴェッテルのひとつ前のダブルチャンピオンの意地とすら感じました。やはり、来季もチャンピオンシップはこの 3 人を中心に回っていくのでしょうか。

3 位のヴェッテルは楽なレースとはなりませんでしたね。まあこれまでも数字だけ見ればヴェッテルの圧勝シーズンでしたが、それぞれのレース内容を見ると接戦の末に勝ったグランプリも少なくなく、結局最後までライバル達とバトルを繰り広げることになりました。今回は序盤からリードを広げていくヴェッテルのスタイルと、タイヤに優しい走りを活かして尻上がりにペースを上げていくバトンとの比較で、後者に軍配が上がったということでしょうが、いっぽうで「クリーンエアで走れていないと本領を発揮できない」という RB7 唯一の弱点にはまってしまった側面もあるように思います。
ともあれ、2 人の先輩チャンピオンとともにポディウムに上がっての連覇達成は、文句のつけようがありません。昨年とは違ってミスらしいミスもほとんどなく、自分と周囲の状況がよく見えている。アロンソもバトンも最初のチャンピオンを獲ってから雰囲気が変わりましたが、やはり「勝ち方が分かる」とレーサーとしてはひとつ上のステージに行けるものなのかもしれませんね。ハミルトンは相変わらず周りが見えていませんが、あの年は最大のライバルがマッサだったしなあ(笑

で、我らが可夢偉。7 番手スタートで得意の鈴鹿、というこれ以上ない状況からのレースでしたが、スタートでストールしかけるという大失態。中団から追い上げる展開となり、一度は昨年を彷彿とさせるヘアピンでのオーバーテイクも見せてくれましたが、最終スティントで履いたプライムタイヤが早々にタレてしまい、そこでレース終了。ポイント圏からズルズルとポジションを落とし、期待外れのノーポイントレースとなってしまいました。
今回はスタート失敗という本人のミスに加えて、タイヤ交換時のピットのミス、そしてピット戦略の読み誤りなど、決勝レースではやることなすこと裏目に出てしまいました。が、一方で 17 番グリッドのペレスがプライムスタートから良い走りを見せ、終盤にオプションタイヤを履いて好タイムを連発して 8 位フィニッシュという、昨年の可夢偉ばりのレースを見せてくれたことを考えると、可夢偉のリザルトが残念でなりません。まあ、ルノーやメルセデスに後ろを脅かされる 7 番手スタートだった時点で、スタート時にオプションを履いて抑え込む戦略しか採りようがなかったのは理解しますが、もう少し臨機応変さがあっても良かったかなと。
可夢偉とザウバーは来季も契約が残っていて、それ以前に他チームに移る選択肢自体もほとんどなかったことを考えると、ザウバーチームには特に戦略のオプションの持ち方についてもっとがんばっていただきたい。また可夢偉にも「マシンが駄目でも走りで何とかする」だけでなく、「戦略が駄目でも走りでカバーする」ようなところをもっと見せてほしいですね。昨年終盤~今年前半の活躍に対して、今年後半は存在感が薄かったので、このままでは再来年のシートが不安になってきます。まあ、その前に今季の残り 4 戦ですが。

今季の残り 4 戦は、来季のテストを兼ねた消化試合という側面もありますが、今季ここまでの各レースが非常に面白かったことを考えると、まだまだひとつひとつのレースとして純粋に楽しめると思います。しかし鈴鹿が終わってまだ 4 戦も残っているとは、かつて鈴鹿が最終戦近辺にあった時代には、ちょっと想像ができなかった事態です。また近年は終盤までチャンピオンが決定しないことが多いので、鈴鹿でチャンピオンが決まるのもこれでほぼ見納めかなあ・・・と考えると、現役チャンピオン 3 人の接戦の末にチャンピオンが決まった今年の鈴鹿は、とても素晴らしいレースだあったなあ、と改めて感慨に耽ったりして。

投稿者 B : 21:07 | F1 | Season 2011 | コメント (0) | トラックバック

2011/10/08 (Sat.)

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