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2008/05/06 (Tue.)

スーパーアグリが F1 から撤退

スーパーアグリF1チームからの声明 (SUPER AGURI F1 TEAM)
亜久里代表、「F1即時撤退」を発表 (F1-Live.com)

2 年半のチーム活動に終止符。

スーパーアグリF1チーム(SAF1)は、本日、F1世界選手権から撤退することを決定した。2006年からプライベーターチームとしてF1に参戦し、昨年はチーム結成22戦目(スペインGP)で初ポイントを獲得、2007年のランキング9位という成績を残したSAF1のF1における活動は本日、その幕を閉じることになる。
この短期間にこれだけ成功と挫折を繰り返したチームも近年なかったのではないでしょうか。
ホンダから支援を受けながら、なんとか今日まで持ちこたえてきたが、現在のF1を取り巻く環境の中で、今後も安定的に活動を継続していく目処が立たず、本日、F1から撤退するという苦渋の決断をくだすこととなった。

ここまでチームを支えてくれたホンダ、ブリヂストン、そしてスポンサーの皆様、いろいろな状況の中でアドバイスを頂いたF1関係者の皆様、チームが苦しい状況の中でも、モチベーションを絶やさず働いてくれたチームスタッフ、厳しい状況の中でも頑張ってくれたアンソニー、チーム立ち上げから一緒に戦いチームを引っ張ってくれた琢磨、そして、これまでSAF1を応援してくれてきた世界中のファンの皆様に最大の感謝を表したい

スーパーアグリF1チームの発表を受けて (Honda)

どちらもリリース文中では Weigl Group との交渉は「なかったこと」になってますが、たぶんこっちが既定路線だったということなのでしょう。Magma との交渉が決裂して大規模な資金調達が絶望的になった時点で撤退は内部的には決定事項だったところ、SAF1 側がギリギリまでパートナー探しに奔走した結果出てきたのが Weigl Group、しかしホンダ側とは撤退へのシナリオが出来上がっていたので認められず・・・というのが実際のところだったのではないかと思います。いずれにしても、このような泥沼の形での幕切れは誰が期待したでしょうか。

おそらく日本国内のファンからは 2005 年の琢磨放出時と同等かそれ以上のバッシングがホンダに浴びせられることになるんでしょうが、これをかわすには多分ニック・フライ更迭→バリチェロ(遅くとも)今季限り引退 or 放出→琢磨 HRF1 復帰くらいしかない気がしますが、実際にそうなるかどうか。少なくとも今のフライ・ブラウン体制による HRF1 は日本チームとしての対面よりは独立した F1 チームとしての戦力向上に意識があるはずで、仮にバリチェロがいなくなったとしても別の若くて勢いのあるドライバーに興味を持ちそうに思えます。そうはいってもホンダという会社の後ろ盾があってこそ成り立っているチームでもあるわけで、親会社からの意向があればシートの片方くらいは空けざるを得ないはずですが、そのホンダが琢磨に今どれだけ興味を持っているかが分からないので・・・。あと、デビッドソンとロシターももう行き場がなさそうなのも気がかりです。とりあえずこんな状況下でダニカ・パトリックをテストドライバーに起用はちょっとないと思う。

F1 というスポーツに目を向けても、これで出走するマシンが 20 台に減ってしまうのは寂しいものがあります。カスタマーカーが最終的に認められなくなった今、プロドライブも結局参戦を断念してしまったし、レッドブルも 2010 年までにはトロロッソを売却する意向であることを考えると、近い将来これが 18 台に減ってしまう可能性も少なくありません。カスタマーカーの是非という問題はあるにせよ、もはや自動車メーカー系チームでなければまともに参戦できない F1 の現状もそれはそれで歪んでいると思います。

まあ、いずれにしても(チーム設立の原点が亜久里代表の夢ではなくむしろホンダの都合だったとしても、昨年の活躍が実質 RA106 改といえるマシンの性能によるものだとしても)SAF1 というチームがこれまでに我々に見せてくれたものは紛うことのない事実。ひとまずは、「お疲れさま」と言いたいですね。

投稿者 B : 21:20 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/05/05 (Mon.)

続報・SAF1

ホンダの真意、そして“ホンダ”とは誰か・その1 (F1キンダーガーテン)
ホンダの真意、そして“ホンダ”とは誰か・その2 (F1キンダーガーテン)
鈴木亜久里代表に聞く (F1キンダーガーテン)
スーパーアグリ イスタンブールのパドックから締め出される (GPUpdate.net)
スーパーアグリが緊急記者会見!! (F1キンダーガーテン)
スーパーアグリ継続困難、6日に会見 (nikkansports.com)
佐藤琢磨からのメッセージ (takuma Sato.com)

なんだかここ数日で状況が刻々と変化している感じですが。

SAF1 のトランポがイスタンブールに向け出発→ホンダからの指示(?)でサーキットから閉め出し→Weigl Group との契約交渉は最終的にホンダに決定権あり→6 日に SAF1 が緊急記者会見→琢磨からのメッセージが発表に、という流れ。
ここ数日の(主にホンダ側の)言動や会見会場がホンダ本社や青山周辺ではないこと(これは GW 中の緊急会見だから場所が取れなかっただけという可能性もあるし、「都内」とされているだけで青山じゃないと明記されているわけでもないけど)、琢磨自身のメッセージからするとあまり前向きな内容じゃなさそうな雰囲気。佐藤琢磨が「鈴鹿で開催される 2009 年日本 GP」に言及していることを考えると、もう今年は終わりってことになりそうな気配です。深読みすれば来季は HRF1 に復帰して鈴鹿で走る、ということなのかもしれませんが・・・。

いずれにしても明日の夕方にはひととおりのことが明らかになるはずなので、待つしかないですね。前戦スペインでの今宮さんの話しぶりや nikkansports.com のコラムあたりからすると、スペイン GP の前には内々にはもう全部決まっていて、発表のしかたを探っているだけという気もしますが。でも、仮にホンダの都合で作られたチームがホンダの都合で取り潰されるという結果になったら、今まで応援してきたファンをあまりにもバカにしているとは言えないでしょうか。

投稿者 B : 21:36 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/05/03 (Sat.)

二転三転する SAF1 の動向

スペイン実業家、SUPER AGURI救済の憶測再浮上 (F1-Live.com)
SUPER AGURI、ワイグル・グループと契約間近! (F1-Live.com)
フライ、ワイグル社との契約は“ありそうもない” (F1-Live.com)

トルコ GP まで一週間を切りましたが、SAF1 の動向に関してはここ数日だけでも様々な情報が錯綜する状況が続いてますね。一応、ドイツの「Weigl Group」なる自動車関連企業との契約交渉が最終段階に入ったことがチームと Weigl Group 双方からリリースとして出されていますが、Magma との交渉もほぼ確定段階でどんでん返しが起きたので、まだちょっと信じ切れないですねー。少なくとも私は正式決定の発表があるまでは SAF1 の体制については信用しないことにします。
金曜までに白紙撤回が決定しなければ今回もまた見切り発車で出走するんでしょうが、そろそろちゃんとした体制で走らせてあげたい・・・。

投稿者 B : 23:44 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/04/28 (Mon.)

F1 スペイン GP 2008

スペインGP決勝:ライコネンが今季2勝目!フェラーリが1-2フィニッシュ (GPUpdate.net)

ヨーロッパラウンドの初戦、アロンソの故郷オビエド・ブルー一色に染まったバルセロナはフェラーリが完璧な 1-2 勝利。これにハミルトン、クビサが続き、今シーズンの勢力図を忠実になぞったリザルトとなりました。

予選は地元で気を吐くアロンソが軽タンアタックでフェラーリの 2 台に割って入りフロントロウ獲得。決勝ではエンジンが息絶えてリタイアこそしましたが、やっぱりアグレッシブな今年のアロンソはいいですね。デビュー以来では今年のがんばってるアロンソが一番好きかも(いや今までもがんばってたんだとは思いますが、奮闘ぶりが伝わってくる今年は特に良い)。
フェラーリはバーレーンに続いての 1-2 となりましたが、むしろこの結果が今年のフェラーリの実力値ではないでしょうか。シーズン前の感触ではフェラーリが頭一つ飛び抜けていたので、むしろ開幕戦でのつまずきが例外だったというか。セナ・プロ時代のマクラーレンやミハエル全盛期のフェラーリでさえ年に 1 度以上は結果が出せなかったレースがあったくらいなので、今年はたまたまこれが緒戦に来てしまっただけだとも言えます(まあ、今後同様のレースがないとは言えませんが)。それくらい、アロンソが予選 2 番手に食い込んだこと意外にはほぼ誤算のなかったグランプリでした。チェッカー後にクリス・ダイアー(ライコネンの担当エンジニア)も無線で言っていましたが、こういう抜けないコースで確実にポールを獲り、またスタートを決められる今年のフェラーリはやはり強い。

マクラーレンに関しては、スタートでクビサを交わした以外には特に可もなく不可もないレースで順当に 3 位。コヴァライネンはマシンの前半分あまりがタイヤバリアにめり込むという激しいクラッシュで、一時は最悪の事態すら想像させましたが、なんと目立つような負傷もなく次戦トルコ GP にも出場の見込みとか。フロントノーズの潰れ方からして良くて脚部骨折しててもおかしくない状況でしたが、またしても F1 マシンのモノコックの安全性の高さが証明されたことになりました。しかし昨年のハミルトン、クビサに続き高速コーナーでの大クラッシュが続いてますね(今回はホイールトラブルとのことなので、昨年のハミルトンのケースに近い)。FIA が F1 のスピード削減と安全性向上を掲げるのもちょっと分かる気がします。

BMW もクビサはハミルトンにスタートで行かれた以外には特に問題のないレースで堅実に 4 位。とはいえレースペースではハミルトンとほぼ差がなかったようなので、BMW がマクラーレンに追いついたというのは間違いではないようです。ハイドフェルドも SC 中の給油(これは状況的に致し方なし)によるペナルティさえなければ・・・という状況だったので、もしかしたら当面は BMW のコンストラクターズ 2 位は揺るがないのかもしれません。
中団で今回輝いていたのはホンダのバトン。ノーズ先端につけた「ダンボウィング」を含め複数の空力アップデートで戦闘力の増したマシンで終盤はトップグループと遜色ない走りを見せ、今季初ポイントの 6 位。それ自体は喜ばしいんですが、昨シーズンからずっとテストしてきたこのダンボウィング、レッドブル(とルノーも今戦から)が採用してきた「シャークフィン」(エンジンカウル後端を背びれのように延ばした垂直フィン)同様、近年の F1 で採用された空力付加物の中でも群を抜いてカッコ悪いので、いくら速くてもやめてほしい(´д`)。

ウィリアムズの中嶋一貴は開幕戦以来の入賞(7 位)で 2 ポイントゲット。中盤以降はやや精彩を欠きながらも「中嶋家らしい」粘りの走りを見せてくれました。テストで走り込んでいるからか、今回はデビュー以来初めて予選~決勝を通じてロズベルグを上回ってみせました。現時点でのドライバーズランクは 5 ポイントで 11 位、アロンソに 1 ポイント差・チームメイトのロズベルグには 2 ポイント差という健闘ぶりなので、このまま今シーズンは着実にポイントを重ねていってほしい。

さて、今戦への参戦すら危ぶまれていた SAF1 ですが・・・スポンサーロゴやカラーリングがほとんど外された、まるでウィンターテスト仕様のようなマシンで何とか出走。例によっての最後尾ながら、琢磨は一時はポイント圏が見えそうなポジションで走っていたにも関わらず、2 度目のピット以降はペースを落とし最後尾フィニッシュ。どうやら破損したノーズの替えすらなく、壊れたマシンで走り続けるしかなかったようですが、あまりにも寂しい。それでも出走し、1 台が完走できただけでも今のチームにとっては望みうる最高の結果なのでしょう。報道されている内容(Magma Group とは交渉継続しているが望み薄、ホンダからもほぼ見限られた状態)や CS での今宮さんの話しぶりからすると、もうシーズン中のチーム消滅は決定的なのではないかと思います。1 週間後には何らかの発表があるらしい、という話ですが、どう考えても前向きなものとは思えないんですよね・・・今までチームに関して不利な報道を避けてきた日本のマスコミでも状況を隠しきれなくなったということだと思いますが、せめてあと 1 レースでも多く走ってくれることを期待します。琢磨にはせめて 1 シーズンだけでも違うチーム(もうホンダじゃなくてもいいです)のレギュラーシートを与えてあげたい。

という感じで、混迷する中団グループはともかく、少なくともトップ 3 とボトム 1 のポジションはほぼ確定的となったヨーロッパラウンドの幕開けでした。次は例年より早い開催となるトルコ、今までは比較的フェラーリが(特にマッサが)強いコースでしたが、ここでフェラーリがシーズンの独走を決定的なものとしてしまうのか、注目です。

投稿者 B : 21:19 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/04/17 (Thu.)

SAF1 の売却交渉が白紙に

スーパーアグリ 売却が白紙に、スペインGP不参加か (GPUpdate.net)
SUPER AGURI売却に向けた契約交渉が破談 (F1-Live.com)
SUPER AGURI、デッドラインまで3日 (F1-Live.com)

「交渉は 99% 完了。あとは細かな詰めと発表時期・発表方法を決めるだけ」と言われていた SAF1 の Magma Group への売却交渉が急転直下、白紙撤回に。
経緯はよく分かりませんが、まあ確かにいかに景気が良いオイルマネー絡みといえど今の SAF1 を買うのはリスクのほうが大きいのかもしれません。 今年は中団の争いが激しく、中位チームのテレビ露出はかなり高いですが、フォースインディアと SAF1 だけはほとんど(周回遅れでパスされるとき以外は)露出もなく、なおかつ 2010 年にはコンストラクターにならなくてはいけないとなると、自動車メーカー系以外ではうまみも少ないわけで。2 年前には F1 参戦の残る 1 枠を巡って熾烈な争いが繰り広げられましたが(プロドライブが勝ち取ったけど結局参戦断念)、カスタマーカー禁止の方向にある現在は新規参入の話もほとんど聞こえてきませんからね・・・。99% 云々はいつもの亜久里氏のリップサービスだったとしても、多少なりとも安心していたファンの落胆は大きいはずです。
来週のスペイン GP への出走も危うい模様。今シーズンを Magma Group との交渉成立を前提に見切り発車で参戦した同チームでしたが、テストすらまともにできない資金難では、正式に売却が決定するまではいよいよ参戦自体、チーム存続自体が危うい状況だと思います。せめて去年、一昨年、少しでもチームに勢いがあるうちにどこかの日本企業が支援の手を差し伸べてやれよ、と思っていましたが、今の日本の経済状況では見返りの少ない F1(いかに日本チームとはいえ下位チーム)へのスポンサードをするような酔狂な企業はほとんどいなかったようです。

チーム自体は今後も引き続き他企業と交渉を続けるとのことですが、ここまで状況が悪化しているとなると好転は望めないような気もします。ホンダ側もブラウン体制になってからはさらに SAF1 への支援をフェードアウトさせようとしているようで、こちらも望みは薄いのか。個人的には、もう琢磨ともどもホンダ陣営を離れても良いからマトモにレースができる体制になってほしいのですが・・・。
場合によってはこのまま F1 撤退、琢磨のシートもいよいよ空きがないという状況になりかねません。琢磨もそろそろいい歳だし、今は若手の層もかなり厚いし、もしかしたらこのまま行き場がなくなる可能性もあり。仮にそうなった場合、最後のマシンが「あの」RA107 改というのはあまりにも哀しすぎる・・・せめてあと 1 シーズンだけで良いから、もう少し競争力のあるマシンに乗せてあげたいのですが、叶わぬ願いでしょうか。

投稿者 B : 23:52 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/04/07 (Mon.)

F1 バーレーン GP 2008

決勝:マッサが優勝、3-4位に入ったBMWが首位に立つ (GPUpdate.net)

開幕フライアウェイ 3 連戦の〆はフェラーリがマッサ-ライコネンの 1-2 フィニッシュで完勝。跳ね馬がようやく下馬評どおりの強さを発揮したレースとなりました。
予選は開幕から好調のクビサがチーム・自身ともに初となる PP を獲得し、初優勝への可能性を感じさせたもののスタートを失敗しドロップダウン。スタートで首位に立ったマッサ、その後数周でクビサを交わしたライコネンが盤石の 1-2 体制を築きます。例によってライコネンがピットインを遅らせ、インラップでマッサを交わすかと思いきや、今回はライコネンのほうが先行してピットイン。マシンバランス的には今回はマッサに分があったようですが、結局最後までマッサがトップを譲らずにフィニッシュ。前戦マレーシアの借りを返し、ようやく今季初のポイントをゲットしました。
2 位ライコネン、3-4 位には BMW の 2 台が入り、現時点でコンストラクターズポイントはわずか 1 ポイント差ながら BMW がトップに。ここまでフェラーリ・マクラーレンともに勝つレースと同じくらい落としたレースもあるのに対し、BMW の安定感が際だった結果と言えるでしょう。これで BMW の初優勝も時間の問題、というには早計ですが、(2006 年のハンガリーのような)2 強が崩れる荒れたレースになれば勝てる可能性は十分にあり、チーム設立 3 年目にしてフェラーリへの挑戦権を得たと言えるのかもしれません。
ハミルトンが 13 位に終わったマクラーレンは全然いいとこなしのレース。日本勢も奮闘して 6 位に入ったトゥルーリ以外はいいとこなし。

レース的には序盤こそダスティな路面に足を取られるマシンが続出しましたが、レコードラインにラバーが乗り始めてからは特に荒れる様子もなく、非常に単調なレースでした。マッサが勝つときって決まってこういうつまらないレースになる気が・・・旅行で疲れていたこともあって、放送中何度か墜ちそうになりました(;´Д`)ヾ。

次は 3 週間空けてヨーロッパラウンドの開幕戦バルセロナ。各チームにようやく本格的なアップデートが施される見込みですが、大きくジャンプアップしてくるチームがあるかどうか。特に中団の争いは少しの差が大きく結果に影響するだけに、気になるところです。

投稿者 B : 22:46 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/03/23 (Sun.)

F1 マレーシア GP 2008

マレーシアGP決勝:ライコネンが今シーズン1勝目を飾る! (GPUpdate.net)

灼熱のセパンはライコネンが危なげない走りで今季初勝利。散々だった先週末とは打って変わって理想的なグランプリになりました。ファーストスティントは 2 位にきっちりつけてインラップでペースを上げ、ピットアウト時に交わすという往年のミハエルを見るような走りは、既に彼の勝ちパターンになりましたね。
チームメイトのマッサはポールポジションながらライコネンにトップを譲った(奪われた)あとに単独スピンで自滅。オープニングラップの 1 コーナー突入の際にも強くライコネンを牽制していましたが、勝つつもりで無茶をしすぎたのではないでしょうか。まあ、このへんの弱さがマッサだなあ・・・というところで、フェラーリがトロロッソからヴェッテルを引き抜いて、2009 年のマッサの契約を破棄してヴェッテルをセカンドドライバーに据えるなんていう噂も飛び交っていますが、この調子だと本当にそうなりかねませんね。

BMW は 2 戦連続の表彰台。今回はクビサの力強い走りが印象的でしたが、6 位ながらファステストラップを記録したハイドフェルドもなかなか。そろそろセカンドグループの先頭ではなくて「3 強」という表現をしたほうが良いのかもしれません。
惜しくも表彰台を逃したトゥルーリは、例によって軽タンで予選順位だけ狙ってきたのかと思いきや決勝でも悪くないペース。4 位はかなり久しぶりでは?この好調は、もしかしたらラルフが抜けてマシン開発の方向性が定めやすくなったこと(ラルフとトゥルーリのマシン特性の好みが全く違ったことは、あまりにも有名)も影響しているんですかね。スタートでズルズル順位を下げてしまう失態は犯したものの、マシン性能が拮抗している今季は予選順位が物を言うことが、証明された結果になりました。

マクラーレンはセカンドロウだったところ、Q3 の最後でハイドフェルドのアタックラップを妨害したペナルティでともに 5 グリッド降格。コヴァライネンはマッサ脱落の利を拾ってポディウムを獲得したものの、ハミルトンはギリギリのところでトゥルーリを攻略しきれずに 5 位フィニッシュ。あと 2 秒あればファイナルラップまでにトゥルーリを交わせていたはずなので、1 回目のピットでロスした数秒と 2 回目のピットでロスした 2 秒で 1 ポイントを失った結果に。この 1 ポイントが終盤のチャンピオンシップで効いてくることはハミルトンもチームも身にしみて分かっているでしょうが、果たして。

開幕戦で好調だったウィリアムズは今回突然の失速。前戦でのクビサへの追突で 10 グリッドダウンのペナルティを受けていた中嶋一貴にはがんばってもポイント獲得の目はないことは見えていましたが、ロズベルグも予選 16 位→決勝 14 位(グロックとの接触もありましたが)という失望の結果に。今季は中団の戦力が拮抗しているだけに、ちょっとしたマシンとサーキットの相性・セッティングの差・予選におけるタイムアタックのタイミングなどが大きく明暗を分けるということがよく分かりました。

HRF1 はノーポイントながら 2 台完走の安定したレース。バリチェロはまたピットレーンでの速度違反でドライブスルーペナルティ(´д`)。
SAF1 も 2 台揃っての完走。最後尾スタートかつトラブル(タイヤのパンク)を抱えて最下位となった一樹を除けばボトムフィニッシュですが、今のこのチームにとっては完走できただけでも「結果」でしょうか。

ということで、今季は「何もなければ」フェラーリ優位ながら、マクラーレンも決して侮れない(特にコヴァライネンが戦力になっている)こと、セカンドグループがグランプリごとに激しく順位を入れ替えそうなことが徐々に見えてきました。次は 2 週間後のバーレーンですが、この 2 週間の間に各チームがどの程度アップデートを入れられるか。フェラーリ以外はどこも高い信頼性を持っていそうなので、各チーム予選をどう組み立ててくるかがカギになりそうです。

投稿者 B : 23:55 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/03/16 (Sun.)

F1 オーストラリア GP 2008

オーストラリアGP決勝:リタイア15台の大荒れレースをハミルトンが制覇!! (GPUpdate.net)

いよいよ開幕した 2008 年の F1 チャンピオンシップ。予選でいきなりライコネンが Q2 出走できずというアクシデントがあり、波乱を予感させる幕開けとなりましたが、決勝もまさに大波乱のレースとなりました。
オープニングラップの第 1 コーナーで多重クラッシュが発生し、リタイア続出。その後もさまざまなマシンにクラッシュやマシントラブルが発生して、終わってみれば SC 出動 3 回、22 台中完走 7 台(+完走扱い 2 台)というすさまじいレースに。TC/OC が禁止されたことでコーナーでの飛び出しやオーバーテイク仕掛け時の絡みが増えた結果だと思いますが、その中でも勝ったハミルトンはやはり荒れたレースに強いですね(昨年のカナダといい富士といい)。

下馬評では圧倒的優位と言われたライコネンは予選・決勝ともにマシントラブルに見舞われる悲運ぶり。どうして彼はこうもマシンの信頼性に恵まれないのか・・・まあ、元々攻めているときには比較的ミスが多いドライバーなのに加えて TC/OC 禁止でリスクが高まったことや、今回のレースに関しては猛暑のさなか、後方からの追い上げでエンジンに負荷をかけすぎたのがトラブルの一因になったと思われますが、でも確実に 1 ポイントを取るのではなく目の前に他車がいる限り抜かないと気が済まないライコネンらしい結果なので、アリかと(笑。
マッサのリタイアもエンジンが原因(ついでに言えばフェラーリエンジンを搭載しているトロロッソのブルデーもエンジントラブルでリタイア)なので、今年もこのチームは信頼性に泣かされるのか。次戦マレーシアからは気候も変わるので多少条件は違うでしょうが、このまま信頼性の問題をクリアできなければ暑くなる 7~8 月に失速する可能性もありそうです。

逆にマクラーレンは盤石の速さ。今回はフェラーリとの直接対決が実質的になかったようなものなので、本当はどちらが速いのかは判断できませんが、今年もこのチームは安定していそうですね。ハミルトンだけでなくコヴァライネンも十分速そう。アロンソをぶち抜いてロン・デニスが珍しくガッツポーズをするシーンがありましたが(笑)、その直後に間違えてリミッタースイッチを押してしまいアロンソに抜き返され(´д`)。
しかしマクラーレンはマーク・スレードが担当するドライバー(ライコネン以降)は毎年黒×赤系のヘルメットデザインで、シーズン序盤は紛らわしいったらないですね。去年とはマシンが逆になったアロンソとコヴァライネンのバトルは途中からどっちがどっちだったかこんがらがってきました(;´Д`)ヾ。

オフテストの調子がイマイチだった BMW ザウバーは調子を取り戻した模様。空力付加物がゴテゴテで醜いマシンにはなってしまいましたが、ハイドフェルドもクビサも調子良さそうですね。予選空タンで上位グリッド→決勝早めにピットインは去年までもよく使った戦術でしたが、きっちりトップ下につけておいて隙さえあれば表彰台を獲ってくるハイドフェルドのうまさはさすが。やはりこのチームは今年もセカンドグループからは頭一つ飛び出しているような気がします。

ルノーはアロンソとピケ Jr. で明暗が分かれたグランプリになりました。というか、あまりパッとしないマシンをアロンソの力で乗っているといったほうが正しいかな?マクラーレンの 1 台を抑え込んだのは紛れもないアロンソの実力でしょう。個人的には、2005~2006 年のような優勝よりも 8 ポイントを確実に取りにくるアロンソは好きじゃないですが、こういう攻めているときのアロンソの走りには意志の強さみたいなものが感じられて好き。

ウィリアムズは予選 7 位・14 位から決勝 3 位・6 位という立派なリザルト。スピードも信頼性もドライバーの勢いもあって、今年の台風の目(優勝争いに絡むほどじゃないだろうけど)になりそうな雰囲気。ロズベルグは初表彰台で自信をつけただろうし、細かなミスは目立ったものの一貴も実質のデビュー戦で 6 位入賞(レース後バリチェロの失格で繰り上げ)は立派。これをもって父を超えたというのはちょっと早すぎますが、このまま経験を重ねれば毎レースポイントを狙っていけるポジションにはいると思います。

HRF1 は直前のへレステストがうまくいったのか、事前の予想に比べればはるかにマシな戦闘力を持っていそうな感じ。今年は昨年以上に中団の争いが熾烈なので、予選 Q3 に残るのはかなりハードルが高いですが、サーキットとの相性次第では不可能ではない感触です。決勝スタート早々ぶつけられてリタイアしたバトンはアンラッキーとしか言いようがないですが、バリチェロはピット作業が散々。給油リグが外れる前にロリーポップが上がってリグをつけたまま発進するわ(火災にならなくて本当に良かった)、その給油が SC 中だったためにドライブスルーペナルティを受けるわ、んでそのドライブスルーの際にピットレーン出口の赤信号を無視して失格になるわ。マシン以前にレース運営に問題があったレースでした。

トヨタはよく分かりませんが(ぉ、こちらも思ったほど遅くはなくポイントが狙えそうなマシンであることは分かりました。あと、グロックはもしかしたら波のあるトゥルーリよりも安定して結果を出しそうな気がします。

トロロッソのブルデーはデビューレースで 2 ポイントゲット。完走扱いリタイアの末、バリチェロの失格で 7 位という結果ではあるものの、荒れたレースを生き残るのもドライバーの才能のうち。僚友ヴェッテルは接触でリタイアとなったものの、二人とも十分に速いドライバーだし、マシンもそこそこ速くて信頼性もあるので、意外と親チームを喰うかも。
その親であるところのレッドブルですが、今回はまともなレースになりませんでしたね・・・。テストや予選の内容を見る限り、ダークホースになる可能性はありますが、やはり今年も信頼性やアクシデントに悩まされるのか。

フォースインディアはダブルリタイアで結果が出ませんでしたが、予選では完全に SAF1 より速いので、現在位置はセカンドグループの最後尾(というか、SAF1 だけがダントツに遅い)といったところでしょうか。現時点のポジションは大したことありませんが、経験豊富なガスコインとフィジケラが引っ張り、資金もあるチームなので、新車が出る 5 月に化ける可能性あり。ただ、白×金×蛍光赤というカラーリングは何とかしてほしい(´д`)。

そして、SAF1 は・・・。
とりあえずスターティンググリッドにつけただけで良しという状態でしょうか(;´Д`)ヾ。パーツが足りなくてクラッシュできないという状況らしいので、チーム事情としては相変わらずかなり深刻なのではないかと。予選は 20 位・22 位→ダブルリタイアというパッとしない結果ですが、スタートで 11 位まで上げた琢磨はよくがんばった。他チームとの差としては 2006 年当時の状態に戻ったようなものなので、しばらくは今回のようにスタートでジャンプアップ→その後じりじり後退というレースが続くでしょうね。
それでも SA08A(おおざっぱに言えば RA107 のモノコック、ボディ+RA108 のリヤエンド+SA07 のリヤウィングという構成)は去年の同時点の RA107 よりはマシなマシンらしいし、資金調達の目処はついたので今後ちゃんと開発はできるのでしょう。当分はテールエンダーという状況が続くでしょうが、RA108 ベースの SA08B(?)が出てくるであろう後半戦に期待。

ともあれ、今年もシーズンが始まりました。1 レース見ただけでは勢力図は見えませんが、なんとなくライコネンとハミルトンの一騎打ちになりそうな予感。そこにダンゴ状態の後続グループがどう絡んでいくか、が見所じゃないかと思います。次はさっそく来週末のマレーシア、楽しみです。

投稿者 B : 23:13 | F1 | Season 2008 | コメント (0) | トラックバック

2008/03/11 (Tue.)

SAF1 の 2008 年体制発表

スーパーアグリ売却 ドライバーは佐藤とデビッドソン (GPUpdate.net)

開幕戦メルボルンが今週末に迫っていますが、ようやく SAF1 の体制が発表に。少し前から噂に上っていた「Magma Group」という企業(なんだろう、投資会社?)に「売却」されたとのこと。「売却」なので過半数もしくは全数の株を売却し、チームそのものが Magma Group 傘下になったということでしょう。ただ、開幕直前というタイミングもあってかチーム名はそのまま。
どうやらホンダあるいは HRF1 が仲介したようなので、当面は鈴木亜久里代表体制は続きそうですが、長い目で見たらどうなることか。SAF1 自体がある意味 HRF1(当時の B・A・R)を放出された佐藤琢磨の受け皿として設立された側面を持つチームなので、もしかしてあと 1~2 年後に佐藤琢磨が移籍または引退した場合には、そのまま消滅してしまう可能性もなきにしもあらず、と個人的には考えていたりします。今年いっぱいでバリチェロ引退→琢磨が HRF1 移籍→SAF1 消滅とかいうシナリオだってあり得るわけで。ホンダが介在している以上はどんなオプションも考えられるなあと。
いずれにしても当面のマシンは RA107 改、仮にカスタマーカーが正式に認められても RA108 がパッとしない仕上がりである以上は、もう今年の SAF1 には大きな期待はできないかなあ。ライバルだったトロロッソもフォースインディアも去年よりチーム力が上がっているし、去年の最終戦からほとんどアップデートがないばかりか相対的には下がっている今年の SAF1 は、最後尾が定位置になってもおかしくない状況。

ホンダはブラウンが一からマシンを作る来年が本命で今年は半分捨て状態、SAF1 も最初からカスタマーカーが使える来年か完全コンストラクターとして再出発する必要がある再来年に期待、トヨタには最初から期待していない(ぉ)となると、今年の日本勢はもうウィリアムズの中嶋一貴しか応援しがいがあるチーム/ドライバーは残ってないですね。逆に一貴は今年のチーム力を考えると順当にいけばトップ 10 は射程圏内。緒戦はまず Q3 残留とポイントゲット、ドライバーズポイントで 8 位あたりにつけてくれれば大成功じゃないでしょうか。かなり期待しておきたいと思います。
下馬評ではもうライコネン連覇で決まりみたいに言われており、プレシーズンテストの内容を見る限り可能性としては濃厚っぽいですが、昨年のような(スキャンダルは勘弁)エキサイティングなシーズンになってくれることを期待します。

投稿者 B : 23:33 | F1 | Season 2008 | コメント (2) | トラックバック

2008/02/22 (Fri.)

富士日本 GP 2008 概要発表

富士スピードウェイが記者会見を開催 (F1-Live.com)
富士スピードウェイ、2008年は観客数を制限 (F1-Live.com)
トヨタの富士スピードウェイF1グダグダ運営

今年の富士日本 GP の概要が富士スピードウェイから発表に。

昨年の反省をふまえ、観客からの改善要望として挙がっていたポイントのほぼ全てに何らかのメスが入るとのことですが、果たしてどの程度改善されるのか。最大の問題と言われた「チケット&ライド」に関しては基本的には今年も踏襲、バスの待ち時間についてはシャトル方式ではなく留め置き(とりあえず駐車場にいるバスに順次乗って待ってて良いよ方式)になるそうですが、バスが発車するまでの時間が短縮されるかどうかは未知数。留め置き中にトイレに行きたくなったらどうすれば・・・とか、実際に行ってみたときの行動を想定してみるだけでも不安は尽きません。チケットの発行数を 14 万→11 万(決勝日)に減らすことで混雑を減らすとのことですが、なんかそれでもチケット余りそうな気も。

いずれにしても、今掲げている改善点が全てうまくいってやっとマイナスがゼロになるレベルだと思うので、実際にサーキットに足を運ぶ観客をして「成功」と言わしめるグランプリにするのは相当困難なことではないかと。改善点が具体的にどこをどう変えるか、それによってスムーズになる運営のシミュレーションが観客に対しても「見える化」されていないと、まだ安心はできないと思います。F1 のレースシミュレーションと違って、こればかりはどれだけシミュレートしてみても実際に開催してみるまでは分からない部分もあると思いますが・・・。

そんなわけで不安の方が大きい今年の富士。少なくとも来年の鈴鹿に行くことは現時点でもう決めているのですが、今年の富士はまだかなり迷ってます。5/12 の申込受付までに一緒に行く人が見つからなかったら、今年は自宅の 46inch で観戦かなあ・・・。

投稿者 B : 22:02 | F1 | Season 2008 | コメント (3) | トラックバック