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2012/05/28 (Mon.)

F1 モナコ GP 2012

モナコGP決勝 ウェーバーがポールトゥウィンで今季初優勝 - GPUpdate.net

伝統の一戦モナコ GP。予選では波乱と言ったら良いのか、むしろようやく本領発揮と言ったら良いのか、メルセデスの M. シューマッハーが復帰後初のポールタイムを記録しました。
現役ドライバーで最もモナコを知り尽くした男の面目躍如で、最も華やかなグランプリでのポールタイム記録はミハエルらしいと言えばらしいですが、前戦スペインでのブルーノ・セナに対する追突のペナルティで 5 グリッドダウン。それがなければ「絶対に抜けないモンテカルロ」ではそのままポールトゥウィンを飾れていた可能性も高かっただけに、返す返すももったいないミスだったと思います。

優勝はそのミハエルから PP を譲られたウェバーがポールトゥウィンで今季初優勝。とはいえトップ 5 がトレイン状態に連なってのゴールで、勝敗を分けたのはマシン性能の差ではなく予選タイムとピット戦略の差だったと言って良いでしょう。その証拠に、13 番グリッドから果敢にポイント圏内を狙う走りを見せていたバトンが、ピットアウト後にあろうことかケータハムのコヴァライネンに引っかかり、そのままポイント獲得が絶望的なペースに付き合わされた挙げ句、強引なオーバーテイクに失敗して接触、そのままリタイアという結果に。毎年、予選グリッドが全てと言われてきたモナコですが、今年はソフトタイヤとスーパーソフトタイヤの性能差が微妙だったこともあって、余計にコース上でオーバーテイクすることが難しいレースになったと言えます。

事実上 1 コーナーでの接触で終わってしまった小林可夢偉のレースも残念でしたが、それ以上に残念だったのはロータス。グロジャンはその 1 コーナーの接触の元凶になってリタイア第 1 号となりましたが、ライコネンもひどいレースでした。序盤は 7 番手につけてヴェッテルを追いかけるレースだったものの、雨が降るという予報のためにタイヤ交換を引き延ばしに引き延ばされ、結局まともに雨が来なかったがためにピレリタイヤが完全にクリフから転げ落ち、そのままズルズル。最終的に何とか 9 位をもぎ取ったものの、もっと早くピットインする判断ができていれば・・・というレースでした。まあ雨に賭けたギャンブルの結果なので文句は言えないのでしょうが、今年のライコネンはこういうコンサバなピット戦略でダメになるレースが多いように見えて、非常にもったいないです。キミがマクラーレン時代から絶大なる信頼を置き、ロータスに引っ張ってきたレースエンジニアのマーク・スレードの判断がコンサバなのか、それともチームのレースストラテジストの問題なのか。今季はロータスといい、ザウバーといいピット戦略が微妙ですね・・・。

あと、モナコで特筆すべきはフェラーリが復活の兆しを見せたことでしょうか。いや、アロンソはスペインでも速かったし、ムジェロテストの効果が着実に現れているということなのでしょうが、ここまで全然ダメだったマッサがアロンソに迫る速さを見せていたのが印象的でした。まあモナコは他のサーキットとは明らかに特性が違い、タイヤのグリップも違えば空力がタイムに及ぼす影響もパーマネントサーキットに比べると遙かに小さいので、この結果をもってフェラーリ復活と結論づけるのは早すぎますが、何かきっかけを掴んだように見えたのは確かです。
とはいえ、今季はここまでグランプリごとに異なるヒーローが生まれ、ポディウムの顔ぶれもほとんど違った面々というレースが続いているので、明日はフェラーリがまた勢いを失い、別のチームが上位に食い込んでいる可能性も十分に考えられます。結局、そのサーキットにマシン特性が合っているか、タイヤとの相性がいいかどうか、セッティングをうまく合わせ込めるか、ピット戦略を適切に立てて臨機応変に動けるか、ということでレースごとに勢力図が大きく変わってくるということでしょう。どれもレースにおいては基本的かつ超重要な要素ではありますが、今年のようにマシン性能が拮抗し、開発の方向性の正解がまだ見えておらず、タイヤの特性も掴みきれないという状況では、そういった基本的な戦い方の部分が及ぼす影響が大きい、ということでしょうね。

次のグランプリはこれまた荒れるレースになることで有名な、カナダ・モントリオール。今季 7 人目のウィナーは現れるのでしょうか。

投稿者 B : 00:28 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/05/14 (Mon.)

F1 スペイン GP 2012

スペインGP決勝 マルドナドが初優勝を飾る!! - GPUpdate.net

ヨーロッパラウンドの開幕戦、スペイン GP は大番狂わせ。週末が始まった時点で、ウィリアムズの P. マルドナドが初優勝を飾るとは誰が予想したでしょうか。いや、ウィリアムズチームもマルドナド本人でさえもしていなかったに違いない(笑。

まず、このリザルトは予選の段階から始まっていたと言っても過言ではありません。予選 Q2 でライバルのタイムの伸びを読み誤ったウェバーとバトンがなんと脱落。Q3 ではヴェッテルとミハエルがタイムを出さず、トップ 3 はハミルトン-マルドナド-アロンソの順。2・3 位は予想外の顔ぶれではありましたが、これならば現時点での最速マシンを駆るハミルトンが先行逃げ切りか・・・と思いきや、ハミルトンは燃料不足で失格、予選タイム剥奪。マルドナドが PP からスタートという形になりました。
しかしうまくホールショットを決めたのはアロンソ。そのまま中盤までトップを堅守しますが、マシンに引き離せるだけのスピードがなく、レースをコントロールできているとは言いがたい状況。そして最後のピットストップでマルドナドが先にピットイン、アンダーカットに成功してトップを奪取。フェラーリはピットタイミングをウィリアムズに合わせ込みに行けばマルドナドの頭を抑えられた可能性はありますが、ちょっとコンサバティブな戦略を採りすぎましたね。アロンソは終盤 20 周近くマルドナドを追い回したものの、王者のプレッシャーにも負けずに抑えきったマルドナドが今季初勝利。F1 のポディウムに初めてベネズエラ国歌が流す快挙を成し遂げました。
マルドナドは昨シーズンから速さを見せていましたが、今季はマシン性能が向上したこともあってトップ 10 争いの常連には顔を出していたものの、自身のミスやマシントラブルなどツキに恵まれてきませんでした。それが今回は全ての状況がパーフェクトに揃っての初勝利。嬉しそうな顔を見せてはいたものの、ウィニングラップでも FIA の会見でもはしゃぎすぎることなく、冷静そのもの。この冷静さが最後まで王者を封じ込めた走りに繋がったのだと思います。南米人だからって感情的なキャラだと勝手に思い込んでて本当にすみませんでした(笑。

ウィリアムズの今年のマシン・FW34 はなかなかよくまとまっていますね。最速ではないけれど、サーキットとの相性が良ければ安定して速い。昨年チームに加入したマイク・コフランやマーク・ギランのマシン開発がうまくいっているということでしょうが、昨年ウィリアムズを更迭されたサム・マイケル(現マクラーレン)が方向性を示した極小ギヤボックスによる空力アプローチが正しかったことの証左でしょう。このギヤボックスは昨年までのコスワースエンジンでは本領を発揮できていませんでしたが、ルノーエンジンを得てようやく日の目を見た印象があります。それでも、光るものを持っているマルドナドというドライバーと、刷新されたチームスタッフによる攻めたレースオペレーションの双方があってこそのリザルトだと思いますが。

一方で残念だったのはフェラーリとロータス。フェラーリはアロンソが鮮やかなスタートを見せてトップを奪い、地元スペインのファンの目の前で勝利を飾るか・・・と思いきや、ピット戦略で沈没。ロータスもライコネンが良い走りを見せていたものの、ライバルのピット戦略の読み違い(マルドナドとアロンソがあと 1 回ピットに入ると思っていたもよう)で優勝争いに絡むチャンスを失いました。最後のピットをあと 5~6 周早く済ませていれば、終盤に追いついて仕掛けられるところまで持って行けた可能性も高いだけに、残念です。この両チームはピット戦略で勝てるレースを落としたと言って良いでしょうね。
マクラーレンは、バトンのマシンバランスが良くなかったようで見せ場のないレース。ハミルトンは予選での失格がなければ十中八九勝てていただけに、こちらもチームの戦略ミスで負けたと言って良いと思います。

我らが可夢偉は・・・厳しい条件の中では健闘したと言えるのではないでしょうか。予選 Q2 突破が確定した直後にマシントラブルでストップ、Q3 に出走できずに 10 番手(ハミルトンの失格により 9 番グリッド)スタート。途中、ペースの上がらないバトンに長々と付き合わされ、さっさとアンダーカットしちゃえばいいのにいつまで経ってもピットに入らずに時間を無駄にしました。それでも素晴らしいブレーキングでバトンとロズベルグをコース上でパスし、自力でもぎ取った自己最高タイの 5 位。フリー走行までの内容が良かっただけに、Q3 で走れていれば、とか、もっと柔軟なピット戦略が組めていれば、とか、いろいろとタラレバを考えたくもなる内容でしたが、それでもこの抜けないカタロニアサーキットで、可夢偉自身の力でこのリザルトまで持ってこれたのは立派。というか、ストラテジストのダラーラを誰か一刻も早く解雇してください(´д`)。

それにしても、ウィリアムズとマクラーレン、フェラーリ、ロータスが優勝を争う F1 なんて、まるで 1987 年の F1 を見ているようじゃないですか。ロータスは当時のロータスとは直接関係ないとはいえ、古い F1 ファンとしては感無量の思いです。
それに加えて、今シーズンはさらにレッドブルとメルセデスがすでに 1 勝を挙げていて、ザウバーも勝利に肉薄したという。こんなに面白いシーズンは史上初めてかもしれません。何と言ってもここまで 5 レースを終えて、その全てのレースで違うチームとドライバーが勝利しているというのも、史上稀なことです。次あたりそろそろロータスかザウバーにお鉢が回ってきても良い頃じゃないかと勝手に期待しているのですが(笑)、その次戦は F1 随一のドライバーズサーキットたるモナコ。乱戦が続く今シーズンにおいて、真に強いドライバーが誰かが、いよいよ白日の下に晒されることになります。

投稿者 B : 01:16 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/04/23 (Mon.)

F1 バーレーン GP 2012

バーレーンGP決勝 ヴェッテルが今季初優勝!ライコネンが2位 - GPUpdate.net

開幕から混戦が続く 2012 年シーズンの F1。内戦により開催が危ぶまれたバーレーン GP でしたが、無事(と言えるのかどうか)開催されました。
まあそもそもが体制派(王室)によるスポーツの政治利用的な側面が強かったグランプリを、内戦状態にある中で決行してしまった FIA/FOM の姿勢は問題にされるべきでしょうし、チームスタッフが内乱の小競り合いに巻き込まれかけたり、F1 開催への抗議デモで死者も出ていることから、少なくとも何事もなかったとは言えないわけで。日本での中継もフジテレビがスタッフの派遣を取りやめたようですが、これらの事態は重く見るべきではないかと思います。さすがに FOM から権利を買っている放送の中で批判めいた発言はできないでしょうが・・・。

さて、本題。予選はディフェンディングチャンピオンのヴェッテルが今季初 PP。レッドブルに秘策があったわけではなく、純粋にマシン開発の進歩とセッティング、およびドライバーとのマッチングが進んだ成果でしょうが、ヨーロッパラウンドを前にしてようやく本命が本来の速さを取り戻し始めたように見えます。
決勝でも RB8 の速さには翳りがなく、空力を乱されない最前列での走行で余裕の逃げを打つ・・・ように見えましたが、そこに現れたのがダークホースのロータス・ルノー。ストレートを伸ばすセッティングが功を奏した E20 でグロジャンとライコネンがヴェッテルを追い立てます。特にタイヤを温存して予選 11 位からスタートし、新品のソフトタイヤでダッシュを決め、その後のタイヤも全てキレイに使い切ったライコネンが中盤以降ヴェッテルの背中にピタリ。「いつでも抜ける」と言わんばかりの余裕のある走りでヴェッテルにプレッシャーをかけましたが、今一歩抜ききれず。最後のピットストップでヴェッテルを交わせなかったところで、実質的なゲームオーバーとなりました。

ライコネンが勝てなかった原因としては、本気で仕掛けていれば抜けそうなポイントがいくつかあったのに抜ききらなかったこと、そもそもグロジャンをパスするのに時間を要したこと、そして最後のピットストップがヴェッテルと同時になってしまった(アンダーカットするなりステイアウトするなりの選択肢はあった)こと、などいくつかの要因はあります。ただ今回のレースに関して言えば、ロータスとライコネンがミスをしたというよりも、あれだけライコネンにプレッシャーをかけられ続けたヴェッテルが「ミスをしなかった」ことが最大の要因ではないでしょうか。ゴール直後にマシンを止めるほど薄氷の勝利でありながら、最後まで選択肢を間違えなかった王者の底力の勝利。そんなレースに見えました。
いっぽう勝てなかったライコネンについては、私はミハエルと違って今年中に優勝争いに絡んでくるレースがいくつかあるだろう、と思ってはいましたが、復帰して 4 戦目で優勝の目前にまで来るとはさすがに思っていなかったので、驚きました。でも、あのライバルを追い詰めていくときの狼のような仕掛け方を 2 年ぶりに見ることができて、こんなに嬉しいことはありません。ライコネンが優勝できる可能性が極大になるのはおそらく最も得意とするベルギー GP でしょうが、その前に別の勝利のチャンスが巡ってくる可能性は大いにあると思います。ロータス E20 は飛び抜けて速いクルマではないけれど、素性が良く、コースとセッティングの相性次第ではトップクラスの速さを備えていることは、今回グロジャンが 3 位に入ったことで証明されました。

しかし今シーズンは本当に面白いですね・・・昨シーズンも面白いと思っていましたが、今シーズンは本当に各チームの実力が僅差で、結果が予想できません。こんなシーズンは私の長い F1 ファン歴の中でも初めてではないでしょうか。4 戦終わって勝者 4 人、そして毎レース終わるごとにポイントリーダーさえも入れ替わる。レッドブルの圧倒的優位性は失われ、今のところ総合力ではナンバーワンだと思われていたマクラーレンでさえも盤石ではなく。そこにメルセデス、ロータス、ザウバー、そして孤軍奮闘のアロンソが絡んできて、本当に予測がつかないシーズンになっています。

それにしても今回も可夢偉。予選アタックに失敗して Q2 敗退、ミディアムタイヤでスタートしてピット戦略に賭ける・・・まではいいとして、あのピット戦略は何なんですか。ミディアムスタートを決めたならスタートダッシュは多少諦めてもロングスティントで粘り、最終スティントのソフトタイヤで攻める・・・が定石のはずが、2 本のミディアムタイヤをいずれも早々に諦めてソフトタイヤを早めに履き、それも履き潰して結局 3 ストップになった挙げ句のポイント圏外・・・とか、素人でもやらないだろうという采配。マシンバランスが悪くてミディアムタイヤをうまく使えなかった、という可能性もありますが、去年といい今年といいザウバーは(中でも特に可夢偉は)ピットストラテジーで駄目になってしまうレースが多すぎます。本当に、可夢偉にはもう少し戦略がマシなチームに移らせてあげたい・・・。

次のレースは 3 週間後のスペイン GP。いよいよヨーロッパラウンドの幕開けです。そろそろトップ 5(レッドブル、マクラーレン、メルセデス、ロータス、フェラーリ)とそれ以外の差がつき始めたかな、というのが感じられたバーレーンでしたが、各チームが大型アップデートを持ち込むスペインからはその格差がさらに広がる可能性も高く。そういう意味では、バーレーンまでの間に結果が残せなかった可夢偉は今後厳しい戦いを強いられるでしょう。そう考えるとなんだか暗澹たる気持ちになってくるのですが、ザウバーのアップデートがポジティブなものであることに期待しつつ、3 週間待つしかありません。

投稿者 B : 01:04 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/04/16 (Mon.)

F1 中国 GP 2012

中国GP決勝 ロズベルグがF1初優勝を飾る! - GPUpdate.net

混戦模様の 2012 年シーズン。3 戦目はまたしても違うウィナーが誕生しました。メルセデス GP のロズベルグが、チームにとっても自身にとっても初めてのポールポジションと優勝を果たしました。

オフスロットルブローの禁止でレッドブルを筆頭に多くのトップチームからアドバンテージが削がれ、かなりのダンゴ状態になっている今シーズン。唯一「秘策」と言って良い機構を持っているのがメルセデスではないでしょうか。「W ダクト」とか「DRS エクステンダー」とか言われた秘密兵器――どうやら「ダブル DRS」という呼称に落ち着くようですが――のおかげで DRS の恩恵を他チームより多く受けられるのが W03 というマシン。ストレートスピードが伸びることと、DRS に使用制限のない予選でのパフォーマンスが特に高いことがこれまでのレースで実証されていましたが、長いストレートをもつ上海でさらにそれが活きた格好になりました。予選ではシューマッハーとともにフロントロウを独占、そのシューマッハーは初回ピット時にタイヤが正しくセットされておらず、ピットアウト直後にリタイアしてしまいましたが、ロズベルグはポールから他を寄せ付けることなく完勝。F1 デビュー戦で初入賞と史上最年少ファステストラップを記録した「期待の新人」だったロズベルグも、参戦 7 年目・111 戦目での念願の初優勝。待たされたという意味ではバトン(113 戦目)と同じくらい待たされた感はありますが、今までマシンに恵まれてこなかったし、この 6 年で 5 人のチャンピオンが誕生している群雄割拠の F1 界ではやむを得なかったかと。むしろ、これで「勝ち方を知った」ことで、一皮むけてくる可能性はあると思います。
メルセデス W03 も、これまで「ストレートと予選は速いけど、タイヤに厳しくレースでは苦しいマシン」という評価でしたが、サーキットとの相性はあるものの、そのポテンシャルの高さはこのレースで 2 台とも速かったことで証明できたかと(ミハエルは決勝のペースはちょっと苦しそうでしたが)。

そんなことよりも今回は可夢偉ですよ。前回のマレーシアで僚友ペレスに目の前で 2 位表彰台を獲られて、悔しくないわけがない。開幕戦では良い走りができていたわけだし、マレーシアでもセットアップやマシントラブルの問題で結果にはならなかったけれどクルマが遅いわけでもない。今回の予選 4 位、ハミルトンのギアボックス交換によるグリッド降格ペナルティによる 3 番手グリッド獲得は、まぐれではなく実力で勝ち取ったものと言って良いでしょう。前回のマレーシアでのペレスのように、前を走るのがマクラーレンやレッドブルでなければ互角にやり合える可能性はあり、レースペースに不安のあるメルセデスが相手なら優勝の目もある・・・!と思っていました。
が、蓋を開けてみるとスタートに失敗してズルズルと後退。可夢偉は後方グリッドからのスタートではスルスルと順位を上げるのが得意なのに、上位グリッドからスタートするとクイックに発進できないというジンクスがあるようで、今まで上位からいいスタートができた試しがありません。
それでも奮闘していた可夢偉ですが、中盤で履いたミディアムタイヤにうまく熱を入れることができなかったのかペースが上がらず、2 ストップ作戦のペレスにまで先行されてしまいます。その後もマッサ率いる集団の遅いペースに付き合わされてしまい、少しだけ速くピットインしてアンダーカットに成功した、かと思ったら・・・他車はタイヤがメタメタになりながらもそのまま最後までノーピットで走りきり、チェッカーを受けた時点では可夢偉は 10 位。何とも言えない残念なリザルトになりました。

前々から思っていたことですが、個人的にはザウバーのヘッド・オブ・トラックエンジニアリング(いわゆるストラテジスト)であるジャンパオロ・ダラーラを一刻も早く更迭したいです。以前からザウバーのピット戦略は予選で下位に沈んだときの 1 ストップ作戦のような苦し紛れの戦略がドライバーの頑張りで大当たりすることがたまにあっても、荒れない混戦のレースになったときに大外しする(というか臨機応変にできない)ことが多すぎ。今回ももっと早くアンダーカットさせるなり、最後まで走りきらせるなりどちらかを取っていれば 6~7 位のリザルトが得られた可能性は高かったと思いますし、これまでそれで取りこぼしてきたレースが多すぎる。もちろん今回のレースはスタートの失敗が全て(ポディウムを狙えなかったという点においては)だったとは思いますが、勝てるチームになれるかどうかはレース中の咄嗟の判断力によるところが大きいです。

小林可夢偉もフル参戦 3 年目、そろそろトップチームの扉を開けなければこれ以上を目指すのは難しい時期に入ってくると思います。特にヨーロッパ人でもラテンアメリカ人でもない人種にとって、F1 の世界で長期的に結果を残していくのは至難の業。ペレスが表彰台を獲得し、フェラーリへの抜擢が秒読み段階とさえ言われている以上、今シーズンの可夢偉はそれ以上の結果を出すか、ドライバーズランキングでペレスを抑えて 10 位以内に入ることが、来季トップチームから声がかかるかどうかの分かれ道であり、その先のキャリアを発展させていけるかどうかの分水嶺であると思っています。そうでなければおそらくザウバー以上のチームで走れることはないし、今以上のリザルトを残せることもないと言って良いでしょう。これまでの日本人ドライバーとは違い、実力で F1 に残っている可夢偉だからこそ、そこまでを期待したい。
ヨーロッパラウンドが始まってしまえばレッドブルは間違いなくパフォーマンスを上げてくるでしょうし、ロータス、ウィリアムズ、フォースインディア、トロロッソといったミッドフィールダーも大規模なマシンアップデートを施してくることは確実。少なくとも「表彰台が狙える」と息巻いていられるのは、来週のバーレーン GP が最後になると思います。ザウバーと可夢偉には、もうヘタは打てない、というつもりで本気でポディウムを獲りに行く戦いを見せてほしいです。

投稿者 B : 00:57 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/03/25 (Sun.)

F1 マレーシア GP 2012

マレーシアGP決勝 アロンソがウェットレースを制す! - GPUpdate.net

雨で始まったマレーシア GP は、赤旗中断を挟む大雨でのレースとなり、案の定の波乱が起きました。ウェットコンディションに滅法強いバトンが今回もタイヤマネジメントで勝利をもぎ取るのでは・・・とも予想したのですが、それとは大きく異なるリザルトが待っていました。

勝ったのはアロンソ。いくつもの幸運が重なったとはいえ、とても優勝争いができるとは思えない戦闘力しかない F2012 で勝ってしまうのはアロンソの地力としか言いようがありません。僚友マッサは 15 位止まり、本来ならこのあたりがこのクルマのポジションと言っても過言ではないはずです。
このリザルトの立役者はチームメイトのマッサと、あと一人は間違いなく HRT のカーティケヤンでしょう。セーフティカー明け早々のピットインラッシュでアロンソの直後にマッサがピットインしてきたことにより、先にピットインしていたはずのハミルトンが出られずアロンソが先行。その直後にはバトンがカーティケヤンに接触してフロントウィングを壊され、緊急ピットイン。アロンソはこれで労せず事実上のトップを得ました。カーティケヤンは終盤にもヴェッテルと絡み、彼のタイヤをパンクさせて表彰台争いから引きずり下ろしてしまうという、故意にではないにせよチャンピオン候補二人のポイントをフイにするアクシデントに介在することになりました。これがシーズン終盤にどういう意味を持ってくるのか、今から憶えておきたいと思います。

そしてこのレースにおけるアロンソ以上のヒーローは間違いなくザウバーのセルジオ・ペレス。小林可夢偉のチームメイトであります。
スタート直後にピットインしてインターミディエイト→ウェットにタイヤ交換したのが功を奏し、ヘビーレインコンディションで最速ラップをたたき出して 3 位に浮上。赤旗中断→SC 先導での再スタート後もポジションをキープし、ラップリーダーを記録した周回も。今回はマシンバランスが非常に良く、中盤以降はインターミディエイトタイヤでファステストラップを連発し、首位のアロンソと 5 秒以上あった差を一気に詰めます。しかし一つめのターニングポイントは終盤のドライタイヤへの交換時期で、1 秒差まで迫ったところでアロンソが先にミディアムタイヤへチェンジ、ペレスは 1 周ステイアウト後にハードタイヤへチェンジ。結果的にタイヤ選択は間違っていなかったものの、ここで同時にピットに入っていれば結果は違ったかもしれません。そして二つめのターニングポイントは残り 6 周となったところ。DRS を使用してテールトゥノーズとなり、次周の DRS ゾーンでは・・・!と思った瞬間、コーナリングでミスをして大きくコースオフ。復帰はでき、その後も追い上げを続けたものの、事実上ここで優勝は決まってしまいました。

正直なところ、ペレスは勝てるレースを落としたと言っても間違いではないと思います。いくつかのポイントで間違った選択をしていなければ、あのペース差があれば勝てていたはず。その壁を越えられるかどうかが勝てるドライバーになれるかどうかの境目でもありますが、逆に言えば、アロンソはああいった状態で絶対にミスをしないドライバー。だからこそ、今回だけでなく 2008 年のルノーや昨年のフェラーリのような勝てないマシンでも、チャンスがあれば力強くもぎ取る。そういう意味では、今回ペレスではなくアロンソが勝ったのは必然と言えるのかもしれません。
しかしながら、レースペースはウェットでもドライでもザウバーのほうが確実に速かったのも事実。ただセットアップ屋台や管理に失敗した可夢偉と F2012 を乗りこなせていないマッサがともに下位に沈んだとおり、同じマシンでも少し歯車が狂っただけで大きく落ち込んでしまうのが、チーム間の戦力差が僅少な今シーズンの傾向でもあります。でも少なくともシーズン中の開発力の差が現れない序盤戦ならば、可夢偉にも十分にチャンスはある、とも言えるはず。ペレスの表彰台獲得にペーター・ザウバーおじさんは涙していましたが、もっと泣かせる結果を目指してほしいところ。

残念ながらペレスは今回勝ちにつなげられませんでしたが、2006 年のバトンの初優勝、2008 年のクビサそしてヴェッテルの初優勝、2009 年のブラウン GP の初優勝など、新しいチームやドライバーが初めて勝ちそうな瞬間というのはドキドキするものです。私も可夢偉よりも先にペレスに表彰台に乗られるのは悔しいと思いつつ、中盤以降は完全にペレスを応援してしまっていました(笑。これで間違いなくティフォシの間ではマッサ降ろしの論調に勢いがつくでしょう。

それにしても今季は誰がまだ勝つか分からなくて面白いですね。パーマネントサーキットである今回のセパンでもう少し見えてくるかと思ったら、雨のおかげで結局分からなかったし。現時点での戦力としてはやはり 2 戦連続フロントロウ独占のマクラーレンに分がありそうですが、ヴェッテルは間違いなく何度か勝つでしょうし、ライコネンもそのうちズバッと優勝しちゃいそうだし(やっぱり得意のスパは注目でしょう)、グロジャンとマルドナドも表彰台には絡んでくる可能性が高い。メルセデス W03 のレースペースがイマイチなのがちょっと残念ではありますが、今シーズンはしばらくレースごとに表彰台の顔ぶれが入れ替わってもおかしくなく、毎度ワクワクしながら観戦できそうです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/03/18 (Sun.)

F1 オーストラリア GP 2012

オーストラリアGP決勝 バトンが開幕戦を制す! - GPUpdate.net

2012 年シーズンのこけら落としはまず J. バトンがフロントロウからの優勝を飾り、幸先のいいスタートを切りました。
バトンの好調ぶりはまるで 2009 年のブラウン GP 時代前半を思わせる完勝で、スタートでハミルトンを交わしてからは 2 位以下に 10 秒近いマージンをキープしたまま、レースを支配しました。後半にセーフティカー導入でヴェッテルに直後に着かれても動ぜず、落ち着いたレース展開。個人的には去年の 3 度の優勝のような戦略勝ちのほうが観ていて興奮しますが、このレースでの勝ち方のほうがバトンらしいというか。別に後続が遅くてラクなレースだった、というわけではなく、バトンがペースとタイヤを完璧にマネジメントした結果だと言えるでしょう。
ヴェッテルも決して遅かったわけではありませんでしたが、このアルバートパークサーキットの特性がマクラーレン MP4-27 の方に合っていたことが大きいでしょう。今シーズンは、少なくともレッドブルとマクラーレンの関係性に限って言えば、昨シーズン終盤の勢力図をそのまま持ち越したような状況になっていると言えそうです。昨シーズン、開幕直前にマシンの空力コンセプトを根本から変更しながら、後半にはほぼレッドブルと遜色ない速さを見せていたマクラーレンが、開幕から速さと信頼性を備えたマシンを投入してきたのだから、今季のレッドブルの苦戦は必至と言えそうです。

今回、予選で速さを見せたのは間違いなくロータス(グロジャン)とメルセデス(ミハエル)。どちらも序盤でリタイアしてしまったのは残念でしたが、それぞれチームメイトのライコネンとロズベルグが最後までポイント争いを繰り広げたことも考慮すると、マシンのポテンシャルは高そうです。ただメルセデスは一発の速さはあるもののロングランのペースに不安があるようですが、ロータスは予選・決勝ともにコンスタントに速く、うまくすれば表彰台争いの常連に顔を出しそうな勢いです。ライコネンがミスで Q1 落ちしていなければ今回もどうなっていたか分からない部分はあるので、今季のダークホース・ロータスの動きには今後も注目でしょう。
あとこのレースでの台風の目と言えそうなのは、ウィリアムズのマルドナド。最終ラップにまさかの単独クラッシュでレースをフイにしていなければ 6 位フィニッシュ、しかもあわよくばアロンソを喰って 5 位に食い込もうという走りには驚きました。マルドナドは昨シーズンも速さの片鱗を見せてはいましたが、大方の予想に反して今年のウィリアムズ・ルノーのマシンはまとまりが良さそうです。技術部門の統括があのスパイ事件で一時 F1 界を追放されていたマイク・コフランというのがイメージ悪いですが、長きにわたるフランク・ウィリアムズ+パトリック・ヘッド体制を脱して新生ウィリアムズチームを確立するシーズンとできるかどうか。

逆にイマイチパッとしなかったのがフェラーリとフォースインディア。フェラーリはマッサの不甲斐なさを見る限り、やはりマシンは厳しそう。アロンソが暴れ馬を抑えつけて 5 位入賞したのはさすがといったところですが、今年もアロンソ一人しか稼げないシーズンになるのかどうか。場合によってはマッサのシーズン中更迭もあるんじゃないかというくらいの体たらくですが、後任候補と言われるペレスがシーズン途中にザウバーを離れてしまうのは、ザウバーの財政事情的にそれはそれで不安です(もしそうなった場合、フェラーリがそれなりの金額で契約を買い取るのでしょうが・・・)。
フォースインディアは昨年終盤の勢いが感じられない、パッとしないレースでしたね。ディ・レスタがファイナルラップの混乱をうまくすり抜けてポイントフィニッシュしましたが、去年の流れからすると今年はトップ 5 を狙える位置に来ると思っていただけに、肩透かしでした。まあ今回は市街地サーキットという特殊性を割り引いて評価する必要はあるでしょうが。
あと、トロロッソは新人 2 人という体制でいきなり 9-11 位フィニッシュというのはなかなか。リチャルド+ヴェルニュの 2 人はそれなりに安定感のあった昨年までのブエミ+アルグエルスアリとはまた違った勢いを感じるので、今後が楽しみです。

最後に我らがザウバー。ファイナルラップの混乱でわけがわからないことになりましたが、終わってみれば可夢偉 6 位、ペレス 8 位という堂々たるリザルト。ペレスのギヤボックス交換ペナルティによる最後尾スタートからの 8 位フィニッシュというのも立派ですが、可夢偉のレース全般にわたってライコネンやロズベルグとやり合った結果の 6 位というのはとても価値があると思います。少なくとも現時点ではロータスやメルセデスと渡り合えるだけのポテンシャルを持ちつつ、1 ストップ作戦もこなせるタイヤに優しいマシンであることが証明されたことは、大きな収穫と言えるのではないでしょうか。逆に言えば、今シーズンは昨年以上に中団グループの差が小さく、どこも突出したチームはないということでもあるので、毎年の例に漏れず資金難で、さらに開幕直前に TD のジェームズ・キーが離脱した状況下では、シーズン後半には失速してしまう可能性が限りなく高い。ということで、ザウバーの 2 人には序盤戦の戦力差が確定していない段階でできるだけポイントをもぎ取っていってほしいところです。

シーズンはいよいよ始まったわけですが、今日のところはまだまだ市街地サーキットでの勢力図が明らかになったにすぎません。第 2 戦はさっそく来週、高温多湿のパーマネントサーキット、マレーシアはセパン。中高速コーナーが多く、レッドブルが本領を発揮できるサーキットでもあります。おそらくここでヨーロッパラウンド前までの真の勢力図が見えてくることでしょうし、要注目です。

投稿者 B : 22:06 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/03/17 (Sat.)

F1 2012 シーズン開幕

オーストラリアGP予選 マクラーレンがフロントロー独占! - GPUpdate.net

2012 年の F1 がいよいよ開幕しました。今年はブローディフューザー禁止で、昨シーズン最もその恩恵を受けたレッドブルの速さがある程度抑えられる可能性が高まり、またピレリタイヤの性能向上などもあってチーム間の戦力差が縮まって、より接戦になる見込み。ということで、毎年言っていますが今年も楽しみなシーズンです。

オーストラリア GP ではプレシーズンテストからの評判どおり、メルセデス AMG やロータス(旧ルノー)のポテンシャルが高いことが明らかになりました。またレッドブルも昨年序盤ほど圧倒的ではないものの相変わらず速く、昨年序盤は苦戦気味だったマクラーレンも今年は開幕から完成度の高いクルマを送り込んできています。
唯一「ハズレ」と言えそうなのはフェラーリくらい。フェラーリは技術部門を一新し、従来のコンサバなマシン作りと訣別して攻めたマシン作りを行ってきましたが、冬季テストでも言われていたとおりそのギャンブルはどうやら今のところ失敗と言えそうな状況。乗りにくいマシンだと全くもって遅いマッサは当然として(ぉ)、多少乗りにくくても速いマシンでさえあればねじ伏せて走ってしまうアロンソも、今回は予選 Q2 で好タイムをマークした直後にスピンしてグラベルに突っ込むという状況。開幕戦の予選が終わっただけの段階で結論づけるわけにもいきませんが、楽観視はできなさそうです。

その予選は約 3 年ぶりにマクラーレンがフロントロウ独占という結果になりました。レッドブルは決して遅いわけではないにせよ、今回は 3 列目からのスタート。2 列目にはロータスのグロジャンとメルセデスのシューマッハーという、これも下馬評どおりのマシンが割り込んできています。ライコネンが Q1 の最終アタックでコースオフしてそのままノックアウト、というハプニングはありましたが、今年はメルセデスとロータスが良さそう。これはもしかするとメルセデスのコンストラクター復帰後初優勝、ミハエルも現役復帰後初優勝、というのもあり得るかもしれません。
また Q1~Q2 を見る限りでは 1~15 位くらいまでが 1.5 秒の間にひしめき合うなど、やはり予想されたとおり今年はここ数年でも稀に見る激戦。オーストラリア GP は市街地コースで他のパーマネントサーキットとは特性が違うため、この 1 戦だけでシーズン全体を占うのは無理がありますが、それでも激戦ぶりだけは明らかになりました。

ただ Q3 のタイムを見る限り、メルボルンではマクラーレンの 2 台が頭半分くらい抜け出しているようにも見えます。この勢いがレースまで保てるものかどうか(テストの内容を見る限り保っちゃいそうですが)、明日の決勝レースも楽しみです。

投稿者 B : 16:47 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/02/07 (Tue.)

RedBull RB8

今週はヘレスにて 2012 年初のプレシーズンテストが開催されるということで、先週に引き続き立て続けに各チームの新車が発表されています。

まずはルノー改めロータス。

ロータス E20を発表 - GPUpdate.net
最新画像 ロータスE20 - GPUpdate.net

レギュレーション改定により昨シーズン採用した前方排気を放棄せざるを得なかったロータスは、ほぼゼロからのマシンコンセプトの見直しを強いられました。ここ数年はダウンフォース獲得に苦心しているのが明らかに見えていましたが、今季のマシンは少なくとも外観からはオーソドックスな作りをしてきた印象で、比較的扱いやすそうにも見えます。
問題のフロントノーズはやはり段差型ですが、デザイン上の処理がうまいのか、カラーリングがブラックだからか分かりませんが(笑)それほど醜いという印象も受けず、まあ許容範囲。

去年のマシンパフォーマンスが参考にならないほどの変化なので、こればかりは走らせてみないことには速いか遅いか分かりませんが、心配なのはむしろドライバーラインアップでしょう。ドライバーの速さというよりも、マシン開発に首を突っ込みたがらないライコネンと若手のグロジャンというラインアップでは、ここからのマシンの熟成に疑問が残りそうです。ライコネンも WRC を経験してそのあたりのスタンスが変わって・・・いないだろうなあ(笑。

ザウバー C31を発表 - GPUpdate.net
最新画像 ザウバーC31 - GPUpdate.net

続いてザウバー。これまた、フェラーリに勝るとも劣らない段差ノーズ(´д`)。でも、これだけ立て続けに段差ノーズなマシンを見てくると、このデザインにもすぐ見慣れるんじゃないかという気すらしてきました・・・。とはいえ、去年の C30 は(後半戦の失速はさておき)マシンポテンシャルもそこそこあり、なおかつデザインの美しさが個人的に気に入っていたので、そこからの大幅な劣化はやはり残念です。

美しさといえばカラーリングも。何なんでしょうかこの、ノーズとお尻が黒くて真ん中だけ白い、腹巻きのようなカラーは(´д`)。でもそれ以上に気になるのはスポンサーロゴの少なさです。BMW 撤退後のザウバーはスポンサー不足が深刻で、去年のペレスの加入に伴うメキシカンマネーの流入で救われたようなものですが、そこからほとんどスポンサーが増えていないという。これでは今年も後半戦の失速は想像に難くないわけで、どこか日本企業がスポンサードしてくれよ・・・とは思いつつも、先週の大企業の相次ぐ一千億単位の赤字決算を見ていると、そうも言えなくなってしまいます(´д`)。

同チームでさらに心配なのは、テクニカルディレクターのジェームズ・キーが離脱したこと。この C31 の設計までは担当したのでしょうが、その張本人がいなくなってしまうということに。ザウバーチームが BMW と袂を分かった際、フォースインディアから移籍し、2010 年シーズン後半からのチーム躍進を支えてきた実力派エンジニアだけに、残念であると同時に、ザウバーの今季がますます不安です。

レッドブル RB8を発表 - GPUpdate.net
最新画像 レッドブルRB8 - GPUpdate.net

最後は大本命、レッドブル。このレギュレーション下でエイドリアン・ニューウェイがどんなマシンをデザインしてくるか期待していたんですが・・・残念ながらここも段差ノーズ(´д`)。
とはいえ、レッドブルは数年前から既に「ツノ付き」の変形ノーズを採用してきていたこともあって、そこまで違和感があるというほどでもありません。そして特筆すべきはこの段差にエアインテークらしき処理を行ってきたこと。そういえば、2008 年のフェラーリがノーズに穴を開けてダウンフォースを稼ぐということをやっていましたが、RB8 のこの穴は何の目的で空いているのでしょうか。「全てのデザインを空力のためにやる」ニューウェイのことだから、間違いなくダウンフォース獲得を狙ってのことなんでしょうが。

さて、この段差ノーズですが、どうしてこうなった・・・という解説がこちら。

2012年F1マシン、なぜ段差ノーズがトレンドに? 【 F1-Gate.com 】

安全性向上のためのレギュレーション改定と空力の調整の産物ということですが、この段差が空力に与える影響って大したことはないんでしょうか。まあ、今のところマクラーレンを除く全チームが段差ノーズを採用していることを考えると、段差ノーズのほうが速いことがほぼ分かっている、ということなのでしょうが。
今季はテクニカルレギュレーションがそれほど大幅に変わらないからマシンの外観もエキゾースト周り以外はあまり変わらないだろうな、と思っていたんですが、予想外に大きく変わってしまうシーズンとなりました。どのマシンが本当に速いかは、結局開幕戦の予選が始まってみないことには分かりませんが、とりあえずテストの様子だけでもじっくり観察して、どこが速いのか探ってみたいと思います。

投稿者 B : 00:08 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/02/04 (Sat.)

2012 新車発表ラッシュ開始

ケータハム CT-01 に続き、F1 の 2012 年の新車発表ラッシュが始まりました。今週発表されたのは、マクラーレン MP4-27、フェラーリ F2012、フォースインディア VJM05 の 3 台。

マクラーレン、MP4-27を発表 【 F1-Gate.com 】
マクラーレン MP4-27 【 F1-Gate.com 】

まずはマクラーレン。昨年後半の速さやチームの総合力から考えて、打倒レッドブルの最右翼はやはりこのチームでしょう。
新車 MP4-27 は、ケータハムに見られたような「段差ノーズ」ではなく、マクラーレンらしい、美しいストレートノーズに見えます。レギュレーションの改定により昨年よりもノーズ先端は低くなっているようですが、それほどデザイン的に無理した印象はありません。

逆に気になったのはサイドポンツーンの処理。昨年はサイドポンツーンの内側が抉れたというか、外側がフェンス状になっていてサイドポンツーンの上面をトンネル状に気流が抜ける仕組みになっていたのが、今年はいたって普通の形状。その代わり、レッドブルのようにリヤエンドを急激に絞り込んだデザインになっており、エキゾーストブローの制限や昨年の反省を元にコンセプトの大きな見直しを図ってきたと言えそうです。

マクラーレンといえば F ダクトや昨年のサイドポンツーンなど、空力的な奇策をマシンに取り込んでくるのがマシン開発の特徴。どうもエキゾーストやディフューザー周りに何か隠しているらしいという噂も出ていますが、現状のマシンを見る限り、どちらかというとレッドブル的な「マシン自体のダウンフォースが強く、ポテンシャルが高い」方向性を目指してきたのかなという印象です。

フェラーリ、F2012を発表 【 F1-Gate.com 】
フェラーリ F2012 【 F1-Gate.com 】

続いてフェラーリ。これまた何というか・・・ケータハム以上にあからさまな段差ノーズで、これが今まで流麗なボディラインを誇ってきたフェラーリの新車なのか・・・と目を疑いたくなるようなデザインです。まあいろいろと検討した結果「これが最も速い」と判断しての採用なのでしょうが、この形状じゃ、それにしても・・・とも言いたくなりますね。
今年のマシン開発はマクラーレンから引き抜いたパット・フライ率いる技術部門が開発し、昨年までのコンセプトとはガラッと変わった「アグレッシブなマシン」ということなので、コンサバな空力、温まりにくいタイヤ、というフェラーリの持病克服を目指したのだろうと思います。でもこればっかりは実際に走らせてみないと何とも言えないなあ。これで遅ければ「フェラーリ史上最も醜いマシン」の烙印を押されかねないでしょう。

フォース・インディア、VJM05を発表 | Force India | F1ニュース | ESPN F1

フォースインディアも段差ノーズ。とはいえフェラーリに比べればマイルドなデザインだし、クルマ全体もあまり奇をてらったように見えないので、ここ数年のフォースインディアのとおり素性は悪くなさそうに見えます。まだあまり情報が出てきていないので詳細は分かりませんが、2/7 からのヘレステストでその実力の一端がつまびらかにされるでしょうか。

残りのチームのうち、レッドブル、トロロッソ、ロータス、ザウバー、ウィリアムズの 5 チームもヘレステストまでに順次新車発表の見込み。今のところマクラーレン以外は全て段差ノーズですが、他チームがどのようなアプローチに出てくるか。楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 00:00 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

2012/01/29 (Sun.)

Caterham CT-01

今年も F1 新車発表の時期がやってきました。まずはケータハム F1(旧チーム・ロータス)から。

ケータハム、CT01を発表 【 F1-Gate.com 】
ケータハム CT01 紹介 by マイク・ガスコイン 【 F1-Gate.com 】
ケータハム CT01 【 F1-Gate.com 】

うわ、死ぬほどカッコ悪い・・・。途中に段差のあるカモノハシ風ノーズが醜いなあ。

一昨年のカクカクした時代遅れなデザインの T129 はともかく、トレンドを取り入れて現代的なった T130 は個人的には悪くないデザインだと思っていたんですが、これはカッコ悪い。ただ、今季のレギュレーション(ノーズの先端を最大 550mm 以下にしなくてはならない)による変更ということなので、苦肉の策といった感が強いです。噂によるとフェラーリの新車もノーズに段差があってカッコ悪いという話ですが、レギュレーションを遵守しつつ最大限にシャシー下面に気流を取り込もうと思ったら、こういう段差ノーズにせざるを得ないんでしょう。
いっぽうでリヤエンドは昨年のレッドブル風に仕上がっており、最新のトレンドに追いついているように見えます。まあ同チームはレッドブルからギヤボックスの供給を受けているので(エンジンもルノー製ということで、パワートレイン全体がレッドブルに近い)、似たような処理にするのが最も効果が高いということでしょう。
ケータハムは新興チームの中では資金力もあり、技術面はかつてルノーやトヨタで鳴らしたマイク・ガスコインが統括しているので、今季はさらなる飛躍が期待できそう。そろそろウィリアムズやトロロッソ、ザウバーの足元を脅かす存在になるんじゃないでしょうか。

ただ、私が知る限り醜いマシンが速かった試しがないので(速いマシンが次第に美しく見えるようになっていくだけかもしれませんが(笑))、この手のデザインのクルマが本当にどの程度速いかは見物です。同時に、こういうデザインを強いる今季のレギュレーションの中で、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイがどれほど美しいマシンを描いてくるのかにも興味がありますね。

投稿者 B : 00:20 | F1 | Season 2012 | コメント (0) | トラックバック

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