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2014/11/24 (Mon.)

F1 アブダビ GP 2014

アブダビGP決勝 ハミルトンが完璧な勝利でチャンピオンに輝く

2014 年の最終戦、アブダビ GP。ハミルトンが圧倒的有利な状況で迎えはしたものの、最終戦ダブルポイント制のおかげでロズベルグの大逆転は「あり得る」状態。ハミルトン的には 2 位以上であれば自動的にチャンピオンが確定するとはいえ、最終戦までハミルトンとロズベルグの優勝をかけた一騎打ちになるんだろうなと思っていましたが、もう予選からその通りの戦いになりました。

今シーズン、予選ではハミルトンに勝ち越しているロズベルグ。ここアブダビでは、予選から有利な状況を作りに行くという戦いが今まで以上に明確で、結果ハミルトンを抑えて PP 獲得。しかし、ハミルトンもしっかり 2 番手につけます。ロズベルグとしてはウィリアムズの少なくともどちらかに割って入ってほしかったところでしょうが、それすら許さないのが今年のメルセデスの速さです。

で、決勝。今季幾度となくスタートでハミルトンの先行を許しているロズベルグですが、今回もスタートで出遅れ...というより、ハミルトンのラウンチが素晴らしすぎて、ターン 1 では完全にロズベルグを置き去りにしていました。以後は見た目上のラップリーダーを譲ったことはあっても、実質的なトップを最後まで譲ることなく、ハミルトンがトップチェッカー。
対するロズベルグはなんと中盤に MGU-H にトラブルが発生してペースダウン。なんとか粘ろうとしてはいたものの、回生エネルギーの大半を担う MGU-H(さらにはメルセデス製パワーユニットのアドバンテージはこの MGU-H にあると言われている)がまともに使えなくては、さすがの W05 でも速さは維持できません。最終的には 14 位フィニッシュでノーポイントという結果に終わりました。

終わってみれば、最終戦ダブルポイントもあってハミルトン 384pt:ロズベルグ 317pt、でハミルトンが大差をつけてドライバーズチャンピオンを獲得。最終戦まで争ったとはいえ、19 戦中 11 勝を挙げたドライバーがチャンピオンに輝くのは当然の結果とも言えます。特に後半戦のハミルトンはメンタルも戦い方も落ち着いていて、今やアロンソに勝るとも劣らない「強いドライバー」に成長したと言えるでしょう。2007 年のデビューから昨年までは「一発の速さは現役 F1 ドライバー中でベストだけど波があるドライバー」という印象だったのが、今年後半は「レースウィークエンド全体を見渡して、日曜日に勝つための戦いをするドライバー」になったように思います。来季の勢力図がどうなるかはまだ分かりませんが、レギュレーションが大きく変わらない中でハミルトン+メルセデスという最速パッケージに変更がないことは、そのまま来季もハミルトンがチャンピオン最右翼であることを意味します。

このアブダビ GP はフェラーリのアロンソ、レッドブルのヴェッテル、そしておそらくケータハムの小林可夢偉にとっての最終戦という意味で、例年以上に感傷的なレースになりました。特にアロンソとヴェッテルに関しては長年所属したチームであり、チームとともに成長してきた側面もあるだけに、様々な思いが交錯したと思います。来季はハミルトン+メルセデスのタッグに挑戦状を叩きつけることになるのか、それとも体制固めで終わってしまうのか。特にマクラーレンはホンダとの初年度でもあり、どこまでのパフォーマンスが出せるかは未知数。明日からのアブダビテストもシステムチェックレベルに留まる見通しとのことなので、ポテンシャルが計れるのは新シャシーが登場する年明け以降、ということになるでしょう。
小林可夢偉の最終戦は...やっぱり残念でしたね。チームはなんとか最終戦への参戦にこぎつけたものの、チームメイトはエリクソンではなく資金持ち込みのウィル・スティーブンス。新パーツがスティーブンス側にあてがわれる状況はチームが管財人の管理下に置かれても変わりませんでしたが...、序盤からブレーキトラブルに見舞われ、中盤にはバイブレーションが発生。そのままリタイアという不完全燃焼なレースになってしまいましたが、可夢偉本人としては「これで F1 最後かもしれないから、しっかり走って終えたい」という思いでチームからの招集に応えたとのこと。来季のシートがほぼ絶望的な状況というのは、自身が過去にシートを喪失した際や、かつて佐藤琢磨がスーパーアグリ撤退時に置かれたときよりもさらに厳しいです。年齢的にももう三十代が見え始め、潤沢な持ち込み資金を持つ若手ドライバーとシート争いをするのも辛い状況。八方塞がりですが、来季はせめてリザーブドライバーのシートを確保して、なんとか再来年に望みを繋いでほしいところです。

とにかく、2014 年シーズンはこれにて終了。それは同時に 2015 年シーズンの始まりも意味します。まずはドライバーラインアップが未確定なマクラーレン・ホンダがどういう結論を出してくるのか。雰囲気的にはバトンにとって良い状況ではなさそう、ということですが、おそらくあと 1 週間もすれば正式発表があることでしょう。まずはそれを待ちたいと思います。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/11/10 (Mon.)

F1 ブラジル GP 2014

ブラジルGP決勝 ロズベルグがようやく優勝、地元マッサが3位表彰台

2014 年シーズンもいよいよ大詰めとなったブラジル GP。アメリカ GP までの流れだとチャンピオンシップの行方は完全にハミルトン、という雰囲気でしたが、ブラジルではロズベルグが巻き返しました。
まずは金曜フリー走行から土曜日の予選 Q1~Q3 まで、ロズベルグが全セッショントップタイムを記録。オースティンで自力優勝の可能性が消えて吹っ切れたということなのかもしれませんが、とにかくハミルトンに隙を見せたくない、自分はまだルイスに勝てるはずだ、と自分自身に言い聞かせるようにトップタイムを出し続けていたのではないかと思えます。

で、決勝もそのままロズベルグが最後まで逃げ切り。途中、オーバーカットしようとしたハミルトンがタイヤの限界を超えてスピンしたことに助けられた側面はあります。特に今季後半戦のハミルトンは「ロズベルグの後ろさえ走っていればレースのどこかで必ず抜ける」という自信を持っているように見え、今回もそれを実践する走りをしていたのですが、チームとのピット戦略の行き違いが文字通り足を掬った格好になりました。
それでも、ラスト数周に仕掛けようとしてきたハミルトンを最後まで抑えきったロズベルグの走りは見事。これまでのロズベルグとは雰囲気が違い、簡単に抜かれそうな気配もありませんでした。もうちょっと早くこの境地に達していれば後半戦はもっと僅差の戦いになったことでしょうが、それはそれ。

変わりやすい天候もあり、カレンダーの中でも特に荒れたレースになりやすいのがブラジルの特徴ですが、今年は珍しくほとんど波乱のないレースでした。でもそれで退屈したかというとそんなこともなく、ロズベルグとハミルトンのトップ争いに加えて、マッサ・バトン・マグヌッセン・ヴェッテル・アロンソ・ライコネンあたりの順位争いが非常にハイレベルで、見応えのあるレースとなりました。やはりチャンピオン経験者を中心に、駆け引きを見せてくれるクリーンなバトルは「これぞ F1」ですね。

今年も泣いても笑ってもあと 1 戦、2 週間後のアブダビを残すのみ。アメリカ GP 後の印象とは打って変わって、これは伯仲したチャンピオンシップ最終戦になりそうな気配が漂ってきました。まあ、18 戦中 10 勝したドライバーがまだ 2 位以上を獲らないとチャンピオン確定しない最終戦ダブルポイント制ってどうなのよ、という気はしますが、ハミルトンが 2 度目のチャンピオンに足る器であれば、文句なくチャンピオンらしい走りを見せてくれるはず。いずれにしてもメルセデスの 2 台についてこれるマシンはないわけで、ハミルトンのチャンピオン獲得に立ちはだかる最大の障壁はマシントラブルではないでしょうか。

とにかく、チャンピオンシップの行方が見応えのあるレースで終わることを願っています。

投稿者 B : 23:58 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/11/03 (Mon.)

F1 アメリカ GP 2014

アメリカGP決勝 ハミルトンが5連勝で今季10勝目

テキサス州オースティンで開催されている現在のアメリカ GP。クルマ文化が成熟した国ゆえか、まだ 3 年目の新興グランプリにも関わらず、サーキットがクラシックレースのような雰囲気に包まれているのがテレビ越しにも伝わってきて、私は好きなグランプリです。高低差のあるレイアウトも私好み。
ただ、今年はチャンピオンシップの趨勢が決まってしまったことに加え、可夢偉が参戦しないとあって、私のテンションは低め。いくらテールエンダーだとしても可夢偉の奮戦が見られるのと見られないのとでは大違いですよ(まあ、それ以前に安全性に問題のあるクルマに乗せられるのは言語道断だけど)。

しかし実際のレースは見どころ十分。3~12 位くらいまでは常にどこかで競り合っている感じで、いつもより 4 台少ないクルマの密度の薄さを感じさせない、濃いレース展開でした。中でも光ったのはリカルドのオーバーテイク。必ずしも優位とは言えないマシンを駆って、アロンソ・ボッタス・マッサを 1 台ずつ確実に仕留めた走りは賞賛に値します。これだけ気持ちの良いオーバーテイク劇を見せてくれるドライバーは近年稀に見ると言って良く(ここ 10 年だと全盛期のライコネンか 2010 年鈴鹿の小林可夢偉くらいでしょう)、いずれ間違いなくチャンピオン候補に名を連ねるドライバーになると思います。
今回のレースは最近にしては珍しく、マシンやドライバーによってタイヤの合う合わないがハッキリ出たことが、これだけ混戦に繋がったのではないでしょうか。単にクラスの違う 4 台のマシンが走っていなかったから、ということではないと思います(笑。

チャンピオンシップの行方という意味では、PP を獲ったはずのロズベルグはまたしても決勝で失速、ハミルトンに 25pt を持って行かれてしまいました。これでハミルトンは今季 10 勝目。対するロズベルグは今季 10 回目の PP から、今季 10 回目の 2 位フィニッシュ。シーズン終盤に来て明らかにハミルトン有利な展開にあるのも頷ける内容です。表彰台でのハミルトンは、既にドライバーズチャンピオンを確定させたかのような余裕さえ見せていました。
マクラーレン時代のハミルトンは、むしろ「一発は速いけど波があるドライバー」という印象でした。が、今季は「予選での最速にこだわらずに、決勝で確実に勝ちに来るドライバー」に変貌したように見えます。特に夏休み明けからの安定感はすさまじく、去年の後半戦のヴェッテルに似た「誰にも止められない感」を纏っています。愛車 W05 をモノにし、チームメイト以外に勝利を脅かすドライバーもなく、その上でチームメイトに対する勝ち方が見えた、ということなのかもしれません。最速のマシンというアドバンテージがあるとはいえ、今のハミルトンには速さだけではない、アロンソに匹敵する「強さ」を感じます。

ハミルトンとロズベルグの間は、残り 2 戦で 24pt 差。最終戦が最大 50pt なので、仮に次のブラジルでハミルトン優勝・ロズベルグノーポイントでも、ドライバーズタイトルは最終戦に持ち越される格好となりました。その点では最終戦ダブルポイント制はちゃんと仕事をした、ということになるのでしょうが(笑)、ハミルトン車にマシントラブルでも発生しない限り、ハミルトンは圧倒的優位に立った状況で終局を迎えることになります。オースティンで完敗を喫したロズベルグは、ブラジルでせめて一矢報いることができるのか。インテルラゴスは、もう今週末に迫っています。

投稿者 B : 23:44 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/27 (Mon.)

ケータハム&マルシャがアメリカ GP を欠場

ケータハム アメリカとブラジルGP欠場を許可
マルシアもアメリカGP欠場へ - GPUpdate.net

消滅寸前の状況にあるケータハム F1 チームですが、とりあえず今週末のアメリカ、そして翌週のブラジル GP の欠場が決まったようです。シーズンを通して 3 レース以上欠場すると放映権料の分配金がもらえなかったり違約金が発生したりするペナルティがあるらしいのでとりあえず 2 戦、ということのようですが、アブダビまでにチームの新しい買い手が見つからなければそのまま解散、という可能性もあるわけで。というかその可能性が限りなく高い状況なわけで。結局ここ最近のゴタゴタは途中撤退のペナルティをかわすためにあえて状況を複雑にしているだけじゃないだろうか...という疑念もよぎります。
まあ、可夢偉にしてみればもう安全性の担保がないマシンで走る必要がなくなったぶん良かった、ということにしておきましょうか。

加えて、マルシャもアメリカ GP 欠場との報。ロシアではマックス・チルトン 1 台のみでの出走となっていましたが、これは代役が見つからないというよりも鈴鹿で大破したビアンキ車の代わりとなるモノコックを用意できていない状態(ロシア GP のガレージに設置されていたクルマは中身が揃っていないモック?)だったのかもしれません。フェラーリからエンジン契約とバーターでシートを得たビアンキが出走できなくなったことで、未払いだったフェラーリエンジンの代金に対する言い訳ができなくなったのがとどめを刺した感じでしょうか。今のところ欠場はアメリカ GP のみとなっていますが、ロジスティックス的にはアメリカからそのままブラジルに渡るわけで、結果的にブラジルも欠場と見て間違いなさそうです。

どちらもいつ撤退してもおかしくない万年下位のプライベーターだからしょうがないよね...とも言っていられないのが今の F1。中堅チームでも、ザウバーとロータスあたりは来季のグリッドにマシンを並べられなくてもおかしくないほどに財政が逼迫しています。これはひとえに 2008~2009 年に多数の企業が撤退する状況を経ても、結局トップチームと FIA/FOM の都合だけで F1 の運営を続けてきたことのツケがいよいよ回ってきたということでしょう。来季からサードカーを走らせるという構想もありますが、今年のような勢力図ではトップチームが表彰台を独占し、余計にレースがつまらなくなるリスクも孕んでいるわけで、諸手を挙げて賛成できるものではありません(それで可夢偉がフェラーリなりマクラーレンなりのシートを得てくれれば、それはそれで嬉しいのも事実ですが)。
今季のテクニカルレギュレーション改定で、レースごとの使用燃料に上限を課し、エネルギー効率の良さを競うスポーツに変貌した F1 ならば、バジェットに上限を課して開発効率の良さを競うスポーツにも変わることができるはず。今の現実を直視して、より多様性のあるレース運営ができる方向にもっていってほしいところですが...。

投稿者 B : 23:29 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/23 (Thu.)

ケータハム F1 チーム、消滅寸前

ケータハムのファクトリーが事実上の閉鎖状態に - AUTOSPORT web

小林可夢偉が所属するケータハム F1 チーム周辺に、ここ 1 週間ほどでさまざまな動きが出てきています。

ことの始まりは夏休み明けのベルギー GP、いきなりエースドライバーの可夢偉に替えてロッテラーを走らせるという事態から。その後も可夢偉の参戦は安定的なものではなく、1 戦ごとに確定するという状況。で、日本 GP では直前にチームのファクトリーが押収されたというニュースが出て、一気に雲行きが怪しくなりました。その後もなんとかロシア GP までは出走を続けたものの、ここにきてチーム側の「元オーナー(トニー・フェルナンデス)が悪い」、トニー・フェルナンデスも「新オーナーが買収の代金を払わないのが悪い」という、責任のなすりつけ合い状態。穿った見方をすれば、責任の所在を有耶無耶にすることで撤退にまつわる諸々の違約金や未払いのパーツ代金の支払いから逃れようとしているのでは...とすら疑いたくなります。

次のアメリカ GP は来週末。遅くとも週明けにはマシンを現地に送り出せていないと参戦が危うくなってしまいます。しかし個人的には、まともにレースで戦うつもりがなく、安全性に問題さえ抱えるマシンでドライバーを走らせようとするチームにこれ以上参戦してほしくない。可夢偉の走りが見られなくなってしまうのは残念だけど、このままチームを畳んでくれたほうが F1 とファンにとっては良いことなんじゃないかと思います。可夢偉はこれまでよく頑張ったけど、今季こんなチームにしか可夢偉を乗せられず、そして乗せてしまったマネジメントの罪は重いと言わざるを得ませんね。

あと 3、4 日もすれば結論は出ることでしょう。静かにそれを待ちたいと思います。

投稿者 B : 22:36 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/12 (Sun.)

F1 ロシア GP 2014

ロシアGP決勝 ハミルトンが初開催のロシアGPを制す

初開催のロシア GP。ホームレースとなったマルシアは、エースドライバー:ジュール・ビアンキを欠いての凱旋となりました。ビアンキは事故直後の手術により一命は取り留めたもののまだ意識は戻らず、深刻な状況が続いているとのこと。ソチではサーキットにも各チームのマシンやヘルメットにもビアンキの快復を祈るメッセージが描かれていましたが、私も一日も早い快復を願っています。

レースはハミルトンが実質的に一度もトップを譲ることがないままポールトゥウィン。スタート直後、ロズベルグが 1 コーナーの飛び込みで先行しましたが、ビッグブレーキングでタイヤをロックさせてそのままターン 2 をショートカットし、タイヤにもフラットスポットを作って直後にピットイン。ハミルトンはチームメイトの自滅のおかげでやすやすと 4 連勝を決めました。
とはいえ、一度はほぼ最後尾にまで落ちてしまったロズベルグも、2 周目に履いたミディアムタイヤが結局最後までもってしまい、なんだかんだで 2 位。ピレリのタイヤ選択が間違っていてコースに対して易しすぎたというのもありますが、タイヤをほぼレースディスタンス全てもたせることができ、最後尾からでも表彰台に戻ってくることができるメルセデス W05 の圧倒的な性能が、改めて証明された格好になりました。

3 位以下のリザルトは、ボッタス→バトン→マグヌッセン→アロンソ→リカルド→ヴェッテル→ライコネン→ペレス、といった順。ボッタスはそろそろ表彰台の常連になってきた感があります。それよりも、今回は鈴鹿に続いてマクラーレンが良い位置につけたことがいいニュースでしょう。シーズン終盤までマシン開発が継続し、相対的なパフォーマンスが上がってくるのがこのチームの特長ですが、テクニカルレギュレーションが大きくは変わらない来季に向けて、シャシー側の熟成が進んできたことは、来季のホンダ製パワーユニット搭載に対する明るい材料と言えそうです。仮にホンダ製 PU が遅かったとしても、原因の切り分けがしやすくなるわけで。フォースインディアとのコンストラクターズ 5 位争いもいよいよ終局に向かっていますが、このまま好調を維持してほしいですね。
レース自体はオーバーテイクも少なく、ガードレールが近い割にはセーフティカーが出ることもなく、目立ったオーバーテイクも少ないやや単調な印象でした。ソチオリンピックの施設を流用しているから映像はとても美しいんですが、サーキットレイアウトがストップ&ゴー系なので、レースが大味な感じ。もうちょっとハプニングがあるかと思ったんですけどね。

でもって、可夢偉ですよ。

例によって直前まで出走できるかどうか分からず、出られたといっても新パーツは全てエリクソン用、可夢偉のマシンはかなり古いバージョンで、エリクソンのコンマ 5 秒落ちがやっとという状況。予選ではエリクソンがグロジャンの 0.25 秒差まで迫り、もう少しで Q2 進出という状況だったので、このクルマが可夢偉に与えられていれば今季初のケータハム Q2 進出もあったのでは...と考えると、悔やみきれません。
決勝は決勝で、マシントラブルが発生したわけでもないのにチームからガレージに呼び戻され、そのままリタイア。どうやらブレーキがオーバーヒートしていたために安全をとって停めたらしいですが、どうにも救われませんね。まともにレースをする気がなく、金で簡単にシートを売るチームに居続ける意味があるのかどうか。個人的には、もう無理してこのチームで走る必要はないんじゃないかと思います。

さておき、今回のロシアでメルセデスが悲願のコンストラクターズチャンピオンを確定させました。ブラウン GP を買収してから 5 年という時間を長いと見るか、短いと見るか。ホンダが棄てたチームが翌年にチャンピオンを獲り、そのチームを買収したメルセデスがチャンピオンを獲得した翌年にまたホンダが戻ってくる、というのもなんだか皮肉な話ではあります。ともかく、メルセデスはこれでようやくドライバー 2 人に自由に戦わせられる状況を得たわけで、次戦からはハミルトンとロズベルグの本気の争いが見たいですね。
次戦は 3 週間後のアメリカ・オースティン。その翌週はブラジル・インテルラゴス。中継時間的には日本からは辛いグランプリが続きますが、ドライバーズチャンピオンシップの行方を見守りたいと思います。

投稿者 B : 23:23 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/05 (Sun.)

F1 日本 GP 2014 決勝

日本GP決勝 雨の鈴鹿を制したのはハミルトン、2位ロズベルグ
ビアンキは「深刻な頭部損傷」 - GPUpdate.net

まずは事故に遭ったジュール・ビアンキの無事を祈ります。

断続的な降雨により SC スタート、開始 2 周で赤旗中断となったレース終盤に、スーティルがデグナーでクラッシュ。クレーンが出動してマシンの撤去作業を行っているところに、ほぼ同じ位置でビアンキのマルシャがコースオフしクレーンに激突、という通常ではあり得ない事故でした。現場付近で撮影された写真を見る限り、スピンしてリヤからクレーンの下部に潜り込むような形で激突したようです。そのまま付近の病院に救急搬送され、頭部の手術を受けて集中治療室に移されるようですが、まだ予断を許さない状況。
マシンとサーキット双方の安全性向上によって近年の F1 では深刻な事故が起きていませんでしたが、さすがの F1 マシンも作業車との衝突までは想定していないはずで、不運な事故としか言いようがありません。欧州での視聴率重視でレーススタートが 15 時になっていたり、天候の悪化に伴いレースを途中終了させるという判断もあったんじゃないかなどの批判もありますが、とにかく今はビアンキが生還してきてくれることを祈るのみです。

気を取り直して...レースは降雨あり、SC あり、タイヤ選択やピット戦略の妙あり、数々のオーバーテイクあり、という非常に見応えのある内容でした。特に僚友ロズベルグを交わしたハミルトンの 1 コーナーでの鮮やかなオーバーテイクと、数々のオーバーテイクを決めて 3-4 フィニッシュに持っていったレッドブル 2 台の走りが良かった。特にヴェッテルは得意の鈴鹿とは言いながらも、今回のマシンの仕上がりを考えれば望み得る最高の結果、と言えるでしょう。
ただ、シャンパンファイトがなく、ドライバーの笑顔もない表彰台はどうにも沈痛で、1 年ぶりに帰ってきた日本 GP の締めとしては、何とも後味の悪いものでした。

小林可夢偉は旧仕様のマシンではどうにもならず、実質的には最後尾フィニッシュ。ただでさえ安定しないマシンをウェットコンディションの中、フィニッシュ(チェッカーではなくレッドフラッグ、というのが悲しいけれど)まで持って行くだけで精一杯だったことでしょう。昨日の前夜祭で可夢偉自身が「右フロントサスの予備パーツがなく、FP2 でのクラッシュでそれを壊していたら出走できなかった」という発言をしていましたが(!)、チーム側がそういう状況なので来週のロシア GP に出走できるのかどうかさえ怪しい。とりあえずでもいいのでマルシャでビアンキ復帰までの代役、とかいう話が転がり込んできたりしないでしょうか...。

来週のロシア GP は初開催。誰が有利なのかも全く未知数のサーキットですが、公道系なのでオーストラリア、モナコ、シンガポールで良い走りをしていたドライバーは強そう。リカルドやヴェルニュあたりは良い仕事をしそうですね。
でもその前に、ロシア GP までにビアンキに関する少しでもいいニュースが聞けることを願ってやみません。

投稿者 B : 22:03 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/10/04 (Sat.)

F1 日本 GP 2014 予選

日本GP予選 ロズベルグPP、ハミルトン2位

今年も F1 が鈴鹿にやって来ました。予選はメルセデス圧倒的有利という予想通り、フロントロウを独占。ただいつもと違うのは、ロズベルグがハミルトンに約 0.2 秒の差をつけて PP を獲得したことでしょう。金曜のフリー走行からロズベルグ有利で進んできており、鈴鹿サーキットと今年のマシンの組み合わせでは、ハミルトンのアグレッシブな走りよりもロズベルグの比較的スムーズなドライビングのほうが適している、ということかと思われます。ま、最終的に決勝でどちらが勝つかが大事なので、現時点での有利不利にすぎませんが。
グリッドはメルセデスの後ろにウィリアムズの 2 台、そしてアロンソと続き、今の勢力図をそのまま反映した順位と言えそうです。ここ 5 年間鈴鹿を席巻してきたヴェッテル+レッドブルの組み合わせは 9 位に沈みました。もう少し行けるかと思ったんだけどなあ...。

直前まで出走が不明だった小林可夢偉は、水曜になってようやく鈴鹿への出走が確定。その直後にリーフィールドのチームファクトリーが差し押さえられたという報道が出るなど、不安定な状況に変わりはないようですが、少なくとも明日の決勝まではもちそう。今回ようやく投入された新しいエアロパッケージを金曜のクラッシュで壊してしまい(予備パーツがなく)、予選では可夢偉だけ旧パーツで走らなくてはならなかったなど、厳しいのは事実です。予選タイムはスーパーフォーミュラより遅いというのも情けないですが、決勝では可夢偉がどれだけ気を吐いてくれるか、だけに期待したいと思います。金曜の FP2 で不可解なコースオフを喫したことからも分かるとおり、コース上にマシンを留めているのがやっとというマシン状況のようなので、多くは望めないとは思いつつ(´д`)。

そんなことより、今日一番驚いたのはこのニュースですよ。

ヴェッテル 今シーズン末にレッドブル離脱
ホーナー ヴェッテルのフェラーリ移籍を認める

昨年までの 4 年連続ドライバーズ&コンストラクターズチャンピオンを獲得してきたヴェッテルが、今季限りでのレッドブルチーム離脱を突然発表しました。「ヴェッテルは将来のフェラーリ移籍を望んでいる」とか「マクラーレン・ホンダがアロンソ or ヴェッテルの獲得を狙っている」といった噂は以前からありましたが、それが唐突に現実のものとなった格好です。少なくとも来季のトップチームにはいずれも既存の契約があり、主だったドライバーラインアップは変わらないだろうと思っていただけに、大きな衝撃。
確かにヴェッテルはレッドブルで 4 回のワールドチャンピオンを獲ったとはいえ、今季からレギュレーションが一変して従来のアドバンテージは消滅。ルノーが来季いきなりメルセデスに伍するパワーユニットを作れる可能性は高くなく、加えて常勝マシンを作り続けてきたエイドリアン・ニューウェイも今季限りでマシン開発の一線を退くとあっては、今こそフェラーリ行きを実行に移すべき時、という判断も理解できます。フェラーリはフェラーリで、シューマッハー離脱後のアングロ・イタリアン体制が今季のステファノ・ドメニカリ(チーム代表)とルカ・ディ・モンテゼーモロ(フェラーリ会長)の相次ぐ更迭で終焉し、来季はフィアット直轄体制でより合理的な組織に生まれ変わる望みはあります。再びドイツ人のエースドライバーを得て、シューマッハーによるチーム再建劇の再演となるかどうか。

当のフェラーリは現在のアロンソ/ライコネンというダブルエースのどちらかが離脱することになります。アロンソは昨シーズン以来チームとの折り合いが悪くなってきており、かつシューマッハー的な絶対エース待遇をチームに求めているとも言われているため、アロンソとヴェッテルが同じチームでジョイントナンバーワン体制を築くとは考えにくい(ライコネンもエースドライバー格ではあるけど、性格・年齢を考えてアロンソが例外的に受容したものと思われます)。そうするとアロンソ離脱の線が濃厚でしょうが、今日の予選のテレビ中継で川相ちゃんが「木曜日に東京でアロンソ、ロン・デニス、ホンダの幹部が来季の契約書にサインした、らしい」という話をしていたので、もう確定的でしょう。来季のマクラーレン・ホンダのエースシートにはアロンソが座るものと見られます。

現時点ではフェラーリからもマクラーレンからもプレスリリースが出ていないため、確定しているのは「ヴェッテルがレッドブルを離脱」という事実のみですが、これを契機に来シーズンに向けたストーブリーグが一気に加速していくことは間違いありません。

投稿者 B : 21:21 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/09/22 (Mon.)

F1 シンガポール GP 2014

シンガポールGP決勝 タイヤ戦略の戦いを制してハミルトンが優勝

ドライバーズポイント上はロズベルグ優勢ながら、おそらくメンタル的にはハミルトン優勢な状態でやってきたシンガポール GP。予選はメルセデスの 2 台だけでなくレッドブル、フェラーリ、ウィリアムズまで絡んで白熱した PP 争いになりましたが、最後に僚友を 7/1,000 秒差で下したハミルトンが見事 PP。

決勝はロズベルグがまさかのマシントラブルでフォーメーションラップに出られず、2 番手だったはずのところがピットスタートに。結局その後もペースが上がらず...というかトラブルが根本的に解決せず、DRS も ERS も動作しないという散々な状況のままリタイアしてしまいます。対するハミルトンは最大のライバルが早々に戦線離脱したため、難なく完勝。
これでドライバーズポイントはハミルトンがついに逆転、ロズベルグに 3pt 差をつけてトップに立ちました。こういう展開があるから結局最終戦まで分からない戦況が続くことでしょうが、当面の流れがハミルトンにあることは間違いないでしょうね。

チャンピオン争い以外のレースは、抜けないサーキットらしく前半はやや眠くなるレース展開でした。が、「セーフティカーが入るかは入らないかではなく、どのタイミングで何回入るか」が問題と言って良いシンガポール。結局 2 回の SC 導入でポジションや戦略がシャッフルされてからが面白くなりました。今季最高位となる 2 位に入ったヴェッテルはセーフティカーに助けられただろうし(今季のヴェッテルは僚友リカルドに比してタイヤライフに苦しむことが多い)、逆にウィリアムズのボッタスは SC 導入に伴いピット戦略を変更したことが裏目に出た格好。何にせよ、今季ここまでとは少し違ったリザルトになったことが、結果的に面白いレースだった証と言えそうです。
個人的には、5 秒ペナルティが確定してからのヴェルニュが、失うものがなくなった状況(そのまま走っていてもタイム加算でポイントを失うだけ)から死にもの狂いのアタックに出て、最終的に 3 台オーバーテイクして 6 位に入った走りにはシビレるものがありました。ヴェルニュはリカルドほどの強さはないとはいえ、少なくとも中団で埋もれている何人かのドライバーよりは明らかに才能を持っているだけに、今季いっぱいでのトロロッソ解雇が確定しているのが残念でなりません。他のチームに拾ってもらえると良いんですけどね。

でもって...可夢偉ですよ。今回も直前まで可夢偉にレースシートが与えられるかどうか不透明な状況で、結果的にシートには座れたものの、決勝のフォーメーションラップ中にマシンから白煙が上がって、スターティンググリッドにさえつけずにリタイア。もうね、ここまで来るとケータハムの情けなさに言葉も出ません。
そのケータハム、このシンガポール GP では予選後にドライバーを除いたチームスタッフで緊急ミーティングが開かれたり、可夢偉本人からも「チーム、なくなるんじゃないですか」という半ば自棄になったようなコメントが出ていたり、不透明な状況が続いています。というか、可夢偉が出る出ない以前に来週末の日本 GP までチームが存続しているかどうかすら怪しい、と言っても良いでしょう。あの表彰台以来、2 年ぶりの母国凱旋を前にあまり考えたくないことではありますが...何とか鈴鹿のスターティンググリッドに着いていてくれることを祈るばかりです。

投稿者 B : 23:11 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/09/08 (Mon.)

F1 イタリア GP 2014

イタリアGP決勝 ハミルトンが優勝、メルセデス1−2勝利

F1 サーカス随一のスピードサーキット・モンツァで開かれるイタリア GP。今季最強のパワーユニットを要するメルセデス陣営の圧勝だろうな、との予想通り、メルセデス&ウィリアムズによる 1-2-3-4 フィニッシュとなりました。メルセデスの 1-2-3-4 はオーストリア GP 以来、今季 2 回目。1987 年のホンダ・ターボ全盛期を彷彿とさせる強さを見せつけています。

ベルギーでのメルセデスの同士討ちは、その後チーム内で話し合いの場が持たれたようで、少なくとも表向きには両ドライバーの間にある程度の秩序が守られているように感じました。予選はハミルトンが完勝、しかし決勝のスタートで出遅れ、追い上げる展開に。毎周コンマ 2 秒ずつ詰めてくるハミルトンのプレッシャーに負けたのか、ロズベルグはターン 1 で二度も止まりきれず、二度目にハミルトンの先行を許してしまいます。
チャンピオンシップはこれで 29pt→22pt に差が縮まりました。単純な速さだけでいったらハミルトンのほうが一枚上手なこと、過去二度のチャンピオン争い(うち一度は勝っている)の経験から戦い方を知っていること、追う立場のほうが精神的に楽なこと、など依然ハミルトンに分がある戦いに見えます。ロズベルグにとっては、ハミルトンのプレッシャーに冷静に対処し、逆に相手のミスを誘発するような戦い方ができるかどうか、にかかっていると言えるでしょう。

そういう精神戦も含めたトップ争いもなかなか見応えがありましたが、今回は個人的に今季のニューヒーロー、リカルドとボッタスの走りに注目していました。どちらも序盤から追い上げていくレースで、持ち味である思い切りの良いオーバーテイクを連発。表彰台こそならなかったものの、ボッタスは最終的に僚友に続く 4 位、リカルドはヴェッテルを交わしての 5 位につけました。リザルト以上に内容の濃い、表彰台に匹敵する走りだったと思います。この二人、2~3 年のうちに間違いなくチャンピオン争いに絡んでくるでしょうね。

我らが小林可夢偉は紆余曲折の末、このイタリア GP でレースドライバーに復帰。先日チーム代表に就任したばかりのアルバースが突然チームを離脱するなど、相変わらずゴタゴタしていることは間違いないですが、そんな中も予選・決勝ともにきっちりマルシャの 2 台に勝ってくるところはさすがですね。ベルギーでアップデートされたマシンも、「以前よりはマシ」程度ではあるものの改善されているようで、このまま少しでも上昇の機運を掴んでほしいところ。とはいえコンストラクターズ争いに関しては、マシンよりもドライバーの力量の比重が高く、セーフティカーの出動回数も多い次戦シンガポールが事実上最後のチャンス。ここでペイドライバーにシートを奪われることなく、ポイントは取れないまでもザウバーを上回る結果を残して、来季に望みを繋いでくれることを期待します。

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2014/08/25 (Mon.)

F1 ベルギー GP 2014

ベルギーGP決勝 リチャルドが優勝、ロズベルグは2位

夏休み明けの F1 サーカス、ロズベルグ vs ハミルトンの戦いの漁夫の利を得たのはまたしてもダニエル・リカルド――。

F1 グランプリ屈指のドライバーズサーキットであるベルギー、スパ・フランコルシャン。とはいっても現在はかなりの高速サーキットであり、マシン特性からいってもほぼ確実にメルセデスの 2 台の優勝争いになるだろう、大穴的にはトップスピードに優れるウィリアムズのボッタス初優勝の目もあるか、と見ていました。が、蓋を開けてみるとフロントロウを占めたメルセデスの 2 台がスタート 2 周目にして接触。ロズベルグがフロントウィングを交換している隙にトップに立ったリカルドが後続を寄せ付けず、前戦ハンガリーに続く 2 連勝をマークしました。

従来、レッドブルのマシンは高いダウンフォースに支えられたコーナリングスピードを武器としていて、逆にストレートはさほど速くなかったのが、今回はトップスピード重視のセッティング。メルセデスエンジン勢にストレートで追いつかせないほどの速さを得ていたのが、勝因のひとつだと思われます。それも、単にリカルドが速かっただけでなく、リカルドの後ろについたヴェッテルが最高速を活かして後続を抑え込んだことが、強力なアシストになりました。
とはいえ、トップに立ってからほとんど国際映像に映りさえしなかったリカルドの安定した速さはさすが。去年までのヴェッテルを見ているような勝ち方で、いよいよその大器を開花させつつあるようです。メルセデスの同士討ちがあったにせよ、そういうときに勝ちに行けるチーム力はさすがチャンピオンチーム、ですね。とはいっても、レッドブルが今季 3 勝、それもヴェッテルではなくリカルドが 3 勝するとは思ってもみませんでしたが。

メルセデスは...レース後に早速「ロズベルグがぶつけたのは故意かどうか」という論戦が始まっているようです。前後のロズベルグの動きには若干怪しい部分もあったものの、起きた状況だけ見ればレーシングインシデント。ただ、今季これまでに発生した二人のドライバー間の確執、特にハンガリーでのハミルトンのチームオーダー無視が尾を引いていることも事実で、チーム側が明確なルールを決めて線を引かない限り、レース中の「事件」は今後も収束することはないでしょう。
とはいえ、フロントウィング破損・壊れたタイヤ繊維のコクピット前方への付着・左前輪のフラットスポット発生といったアクシデントが重なっても 2 位を獲れてしまうメルセデスの速さには、改めて驚かされましたが。

チャンピオンシップはこれで再び 29pt 差。とはいえ今回のようなことがある限り、今後のレースもメルセデスの二人がクリーンに戦うとは限らないわけで、まだまだ何が起こるか分かりません。特に、今季は最終戦がポイント二倍となれば、現在トップから 64pt 差のリカルドも、残りレースで 50pt 差以内に縮めることができれば「奇跡の大逆転」もあり得ます。むしろそれくらい混戦になってくれたほうが面白いのですが(笑)、それもこれもメルセデスのチームガバナンス如何にかかっていると言えるでしょう。個人的には、混乱に乗じてでもいいから、ボッタスが 1 勝くらいしてくれないかなあ、と思っていたり。

それから可夢偉がレースシートを喪ったケータハム。替わったロッテラーは決勝が始まって数周でリタイアするという残念な結果に。これではロッテラーのみならず、シートを譲った可夢偉も浮かばれません。ケータハムチーム自身は、もう継続的な開発とかリザルトの向上を志向していないのでしょうが、何ともやりきれませんね。
いろいろ流れてきている情報によると、次戦モンツァでも可夢偉の復帰は厳しく、別のペイドライバーに置き換えられる可能性が高いようです。となると、現実的には可夢偉が次に走れるのは日本グランプリということになるでしょうか。もはや完全に手詰まりの状況にも思えますが、せめて出走するチャンスでは来季につながる走りを見せてほしいですね...。

投稿者 B : 22:45 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/08/21 (Thu.)

可夢偉がベルギー GP のレースシートを喪失

ケータハム 可夢偉に替えてロッテラーをベルギーGPに起用
可夢偉 「ファンに申し訳ない」 - GPUpdate.net

今週に入ってから不穏な噂が流れ始め、とてもとても不安でしたが、ベルギー GP の開幕を目前にしてケータハムがベルギー GP で小林可夢偉に替えてアンドレ・ロッテラーをレースドライバーに起用することを正式に発表しました...。

正直、この人事には「なぜ」という疑問がいろいろと拭えません。まあチーム自体がトニー・フェルナンデスから謎の投資グループに売却され、当初のドライバー契約がいつ反故にされてもおかしくない状況ではありました。それに、チームとしても持参金つきのドライバーを確保したい思惑もあったことでしょう。が、ロッテラーといえば日本の国内レースで活躍するベテランドライバーですよ?年齢的にもこれから F1 にステップアップしようという時期じゃないだろうし、記念レース的なスポット参戦のための資金持ち込みだとすると、どうにも釈然としないものがあります。

ケータハムチーム的には夏休みを挟んでようやくシーズン初めてのまともなマシンアップデートが実施され、以前のマシンを知るドライバーとともに煮詰めていかなくてはならないタイミング。新人のエリクソンでは荷が重いだろうに、マシン開発よりも資金持ち込みを優先するということは、もはや今シーズンの成績向上は捨ててかかっているとしか思えません。今からマルシャに追いつくことは不可能に近いですが、同じくノーポイントのザウバーであれば、レース展開次第では逆転はあり得ます。ロッテラーは今回のみの出走になる可能性が高いため、次のモンツァでは再び可夢偉がレースシートに座るのかもしれませんが、また別の持参金つきドライバーが現れないとも限らないわけで。

結局、まともなマネジメント体制も持たずに F1 チームとの交渉を続けて、シーズン当初から売却を前提としていたチームに無償奉仕の形で加入した時点から間違っていたということでしょう。少なくともこれまで、中堅以上のチームからテールエンダーに移籍して再び日の目を見たドライバーは、F1 には皆無。ケータハムの来季のシートはもう考えない方が良さそうだし、ポジティブな要素が浮かびませんね。ひとまずは、モンツァ以降でもう一度走るチャンスを掴み、鈴鹿に戻ってきてくれることを祈るばかりです。

投稿者 B : 23:11 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/27 (Sun.)

F1 ハンガリー GP 2014

ハンガリーGP決勝 波乱のレースでリチャルド2勝目!

夏休み前最後のレースであるハンガリー GP。比較的初優勝を生みやすい、荒れやすいサーキットであり、低速でマシン性能の差が出にくいサーキットでもあるので、何か波乱があるんじゃないかと期待していました。

波乱の予兆は予選 Q1。フリー走行全セッションでトップタイムを記録していたハミルトンが、Q1 の序盤にマシンから発火してノータイム。ダメージが大きかったためほぼ「全取っ替え」での決勝を余儀なくされ、ピットレーンからのスタートとなりました。今季ここまで、マシントラブルはハミルトンの側に集中していて、ツキに見放されている印象を受けます。とはいえ、前戦も 20 番手スタートからの 3 位、今回もピットレーンスタートからの 3 位なので、最も悪運が強いという見方もできますが...。
逆に PP から圧勝かのように思われたロズベルグ。序盤はまさに独走の様相を呈していましたが、セーフティカー導入による混乱でトップを明け渡し、その後もしばらくはペースに伸び悩んでアロンソに抜かれるなど、苦しいレースになりました。ヴェルニュをなかなか抜けず、早めのピットインでアンダーカットには成功したものの、その後はタイヤ交換を引っ張っていたハミルトンに数周にわたって抑え込まれ、リカルドとアロンソを追撃するチャンスを奪われます。ハミルトンとしてはロズベルグに 1pt でも多く与えたくなかったためにチームの指示を無視して僚友を抑え続けたのでしょうが、結果的にはここでハミルトンが譲っていたら、最後にはロズベルグに先行されていた可能性が高いので、ハミルトン個人にとっては正しい選択をしたと言えます。まあ、これでロズベルグやチームとの溝がさらに深くなったことも間違いないでしょうが。

2 位のアロンソは、最後フレッシュタイヤで勢いのあるオーバーテイクを仕掛けてきたリカルドには勝てなかったものの、ハミルトンがアロンソへの攻撃よりもロズベルグへの防御を優先したこともあり、今季最高位をゲット。アロンソは常にマシン性能以上のリザルトを持ち帰ってきますが、今回もその能力を遺憾なく発揮したと言えます。マシン性能に劣り、タイヤライフも尽きた状況でリカルドにしか抜かれなかった走りは現代 F1 随一のテクニック。ピット戦略も、フェラーリにしては珍しくギャンブルに出ましたが、それが功を奏した形になりました。現在の戦力では逆立ちしたって勝てないんだから、いつもの杓子定規な戦い方じゃなくて、こういう奇策こそ今のフェラーリには必要なんですよ。そして、アロンソにはその奇策を実行できるだけの能力があります。
ライコネンも、その杜撰なストラテジーのせいでまたしても Q1 落ちの憂き目に遭いましたが、久しぶりにライコネンらしい走りを披露して 6 位入賞。マシンのセットアップもようやくまとまり始め、ライコネン自身が今季のブレーキシステムにも馴染んできたのか、フェラーリチーム自体にようやく上昇傾向が見えてきました。

そして素晴らしかったのはやはりリカルドですよ。初優勝のカナダといい、このハンガリーといい、オーバーテイクが難しく SC が導入されやすいサーキット。言い換えれば「何かが起きたときにいいポジションにいないと勝てないサーキット」でもあります。こことモナコで勝てるドライバーは底力があり、かつ「持ってる」ドライバーだと思うわけで、そういう意味ではリカルドは間違いなく「持ってる」。終盤にハミルトンとアロンソを立て続けに料理したオーバーテイクは、じつに創造性に溢れていました。
今季ここまで、完全にチャンピオン・ヴェッテルを食ってしまっていますが、この流れを維持すればチームからもエースドライバーと見なしてもらえる可能性も高いのでは。今季のチャンピオンシップはもうほぼ目がない状況ですが、来季は十分にチャンピオンシップに絡める資質を持っています。そうなったときに、僚友ヴェッテルとの関係がどうなるか、というのも興味深いところ。

F1 はこれから 3 週間あまりの夏休みに入ります。とはいえこの間にもマシン開発は続くわけで、明けたベルギーでどう勢力図が書き換わっていることでしょうか。そして、この間にメルセデスは二人のドライバーの関係をどう修復するのか、あるいは何もしないのか。同門対決となったときにドライバーの人間関係が泥沼化するのはもう避けようもないことは歴史が証明していますが、一時のマクラーレンやレッドブルのような後味の悪い状況にだけはならないでほしいものです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/21 (Mon.)

F1 ドイツ GP 2014

ドイツGP決勝 ロズベルグが優勝、ボタスが2位、ハミルトンは3位

サッカーワールドカップの優勝に次いで、自国 GP で自国チームの自国人ドライバーが優勝というのは、母国民にとっては何物にも代えがたい喜びではないでしょうか。もし日本でそういうことが起きたとすると、自分自身も勇気をもらえるだろうし、国そのものの活気にさえ影響しそうです。

というわけで、ロズベルグは母国グランプリを PP からいつも通り危なげなく初勝利。前戦ではマシントラブルによりハミルトンの母国優勝を許してしまいましたが、その次のレースで雪辱を果たしました。
このドイツから、メルセデスの技術的優位性のひとつとされてきた FRIC サスペンション(前後のサスペンションを連動させることでクルマの姿勢を調整して、ブレーキング中は前傾姿勢を強めてダウンフォースを増し、逆にストレートではフラットな姿勢にすることでドラッグを抑制して最高速を伸ばす仕組み)が突如禁止されました。それに各チームのテクニカルアップデートもあって、予選タイムを見る限りではメルセデスと他チームとの差は少し埋まったようには見えますが、スタート直後から誰にも脅かされることなく勝ったロズベルグや最後尾から 3 位に食い込むハミルトンの走りを見ると、やはり今後もそうそう他チームが追いつけるとは思えません。結局、最終戦までロズベルグとハミルトンの一騎打ちの構図は変わらないでしょうね。

イギリス GP での勝利により、ロズベルグに 4pt 差まで迫ったハミルトンには、予選 Q1 で今回もハミルトンだけにトラブルが発生。コーナリング時にリヤのブレーキが抜けてしまい、ウォールに激しく激突して Q2 出走ならず、ギヤボックス交換からの 20 番手スタートとなりました。しかも途中接触により手負いのマシンとなりながらも 3 位という結果は、W05 の速さとハミルトンのアグレッシブな走りによって達成された、優勝にも等しい敢闘でしょう。ただし中盤のピットタイミングがもう少し良かったり、接触によるエアロバランスの悪化がなければ 2 位も十分あり得たので、そういう意味ではもっとやりようが合ったのでは...とも思います。
ロズベルグとの差はまた 14pt に開いてしまいましたが、まだ中盤戦だし、最終戦ポイント 2 倍というクイズ番組のような今季ルールを鑑みれば、この差はほぼないも同然。個人的に、F1 では勝っているドライバーよりも追いかけているドライバーを応援したくなってしまう性分なので(笑)、ハミルトンが今後どのようにロズベルグに挑んでいくか、非常に興味深く見ています。

そのハミルトンを抑えて 2 位を獲得したのはウィリアムズのボッタス。デビュー 2 年目にして 3 戦連続の表彰台というだけでも立派ですが、さらに今回はメルセデスの一角がリタイアしたわけではなく、終盤ハミルトンを抑えきっての 2 位なので、ここまで 3 回の表彰台で最も価値があると言えます。そろそろ持ち前の速さに安定感が備わり始め、表彰台争いをする走り方が解ってきた印象。メルセデス W05 の速さが圧倒的なので、実力だけで勝つことは難しいでしょうが、このポジションを今後もキープできれば、メルセデス側にトラブルがあったときの棚ぼたは十分にあり得ます。早ければ今季中にも初優勝の目はあるんじゃないですかね。
同郷のライコネンが今季まったく精彩を欠いているので、「フライング・フィン」の称号はそろそろボッタスのもの、と言って良いんじゃないかな。

今回はハミルトンがテールエンドからのスタートになったことで優勝争いとしては退屈なレースでしたが、各チームのクルマが煮詰まり始めたのか、中盤の争いが激しくなってきて、たいへん見応えがありました。特に 3 位以下でのヴェッテル、アロンソ、ライコネン、バトンをハミルトンが追い上げていくワールドチャンピオン同士の戦い、そこにボッタス、リカルド、ヒュルケンベルグあたりも絡んで手に汗握るオーバーテイク合戦。サイドバイサイドのみならず、3 台が横並びでコーナーに突入していく駆け引きとか、世界最高レベルのバトルはさすが F1。来季はレギュレーションの変更が大きくないためマシン開発は継続的に行われるでしょうし、この状況が続けば終盤戦まで飽きずに楽しめそうです。

夏休み前最後のレースは来週のハンガリー。F1 屈指の低速サーキットで、初優勝が生まれやすい場所でもあります。個人的にはそろそろボッタスの初優勝が見たいところですが、ストレートスピードが物を言うコースではないので、やっぱりメルセデスのどちらかかなあ...。

投稿者 B : 10:37 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/07 (Mon.)

F1 イギリス GP 2014

イギリスGP決勝 ハミルトンが波乱のレースを制し地元優勝を果たす

ロズベルグが 29pt リードで迎えた伝統のイギリス GP。このままシーズンがロズベルグの流れになるか、ハミルトンが反撃の狼煙を上げるかの分かれ目になると言えたレースでしたが、予選の雨が波乱を呼びました。

予選 Q1 は雨、出走のタイミングの関係で何とウィリアムズとフェラーリが Q1 落ち。そしてマルシャの 2 台が Q2 に進むという、驚くべき結果となりました。マルシャはさらに Q3 進出の一歩手前(ビアンキが 12 番グリッドを獲得)という番狂わせ。まあ、ビアンキは若手の中でも実力のあるドライバーですし、昨年パット・シモンズが作り上げたチームの地力が高まってきてテールエンダーから脱しつつあるとはいえ、これにはさすがに驚き。
そして、PP ロズベルグとハミルトンの間にはヴェッテル、バトン、ヒュルケンベルグ、マグヌッセンの 4 人が入り、ハミルトン 6 番手。これも Q3 中のピットインタイミングの読み誤りが原因ですが、これで今回もロズベルグのレースになり、シーズンの流れを決定づけるのかとこの時点では思っていました。

が、決勝は予選以上に波乱の展開に。スタート直後の混戦でライコネンがコースアウト→スピンし、その事故にマッサも巻き込まれる形で 2 台がリタイア。その後 1 時間以上の赤旗中断を挟んでレースが再開するわけですが、中断した時点で 4 位までポジションを上げていたハミルトンが、リスタート後に難なく 2 位にジャンプアップ。その後はいつもの 2 台のマッチレースになりました。
今シーズンここまでの流れからいくと、メルセデス W05 同士であれば基本的には前を走っているほうが空力的に有利でなかなか抜くことは難しく、また信頼性の問題から本気のバトルはさせないチーム方針であることも考えると、このままの体勢でゴールまで進むのか、と思いました。が、中盤にギヤボックストラブルでロズベルグが突然のスローダウン!そのままリタイアとなり、ハミルトンがロズベルグとの差を一気に 25pt 詰める結果になりました。

いやあ、前戦終了時点での 29pt 差が「1 レース無得点で終えても、まだトップを守っている状態」とは書きましたが、それが次戦でいきなり 4pt 差にまで縮まるとは。これこそがレース、何が起こるか判らないものです。
特に、今季はここまでハミルトンの側にトラブルが発生する率が高く、ロズベルグは比較的トラブルフリーで来ていたのが、ここに来ての単独トラブル。こういうときに勢いに乗るのがハミルトンというレーサーだし、こういう展開に焦りそうなのがこれまでのロズベルグのキャリア。ロズベルグのホームグランプリとなる次のドイツでハミルトンが勝ったとすれば、大きなアドバンテージを築くことができそうです。二人の心理戦、という意味では、実に面白い状況になってきました。

今回は 2 位以下のバトルもなかなか熱かったですね。前戦で初表彰台を獲得したボッタスが、自身の最高位を更新する 2 位表彰台。3 位にも今季気を吐いているリカルドが入り、今後この二人は表彰台の常連になっていきそうな気配を感じます。残念ながら母国でのポディウムはならなかったバトンも、なかなか速くならないクルマ(空力の良し悪しもあるけど、他のメルセデスユーザーとは違ってメルセデス側から必要な技術提供やソフトウェアアップデートを受けられていない、という話も聞きます)で健闘し、4 位フィニッシュ。5-6 位のヴェッテルとアロンソの鍔迫り合いも熱かった。最終的にヴェッテルが勝ったとはいえ、アロンソらしい「いやらしい」(誉め言葉)ブロッキングでヴェッテルを翻弄しました。が、接触すれすれでありながらもクリーンでレベルの高い丁々発止が見られたのは、現役最高のドライバー二人のバトルであったからこそと言えるでしょう。

現代的なティルケサーキットもいいけど、やっぱりレースはドライバーの力量が問われるクラシカルサーキットや公道サーキットが面白いんだなあ、というのを改めて実感したイギリス GP でした。

投稿者 B : 01:01 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/07/03 (Thu.)

ケータハム F1 チームが身売り

フェルナンデス ケータハムF1チームを売却

ああ...orz

開幕前からチームオーナーのトニー・フェルナンデスが「今季結果が出なければ撤退する」と明言しての参戦だったので、その可能性は十分にあったケータハムのチーム売却。シーズンの折り返し地点を待たず、チームの本拠地であるイギリス GP を控えての発表となりました。
まあ、直近のライバルであるマルシャが荒れたモナコ GP で 9 位入賞、現在のチーム力を考えるとこれからの逆転は絶望的という状況にあっては、まだ来季に向けた準備が本格化する前の売却決定は、チームの来シーズンにとっては良い判断と言えます。が、これから今季の成績を上げるために資金を注入してくれる人がいない(新しい経営陣も投資は来季のためにするでしょうし)という状況は、今季がおそらく最後の勝負の年となる可夢偉にとっては絶望でしかありません。

新しいチームオーナーはスイスと中東の投資家グループ。投資家に買われた F1 チームが成功した試しはなく(短期的には、ジェニイ・キャピタルに買収された現在のロータスが過去 2 年は悪くない成績を残したものの、今季は資金難で売却間近とさえ言われている)、さらにアドバイザーとして元スパイカー/HRT のコリン・コレス、チーム代表は 2005~2007 年にミナルディ~MF1~スパイカーのドライバーだったクリスチャン・アルバース。顔ぶれからしても、どうにも成功する気がしません(´д`)。

今季ここまでで最も意気消沈するニュースにがっかりしていますが、コンストラクターズ的にはマルシャはともかくザウバーの尻尾は見えている状況。実力でオーバーテイク、はそれでも難しいですが、レース展開次第では上回れる可能性もあります。イギリス GP での可夢偉の発奮に期待したいと思います...。

投稿者 B : 23:26 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/06/23 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2014

オーストリアGP決勝 ロズベルグが優勝、ボタスが3位表彰台を獲得

11 年ぶりの開催となったオーストリア GP。結果だけ見ればメルセデスの 1-2 といういつも通りのリザルトではありますが、内容的には前戦カナダに並ぶ面白いレースになりました。

波乱はまず予選から。今季の直線番長・ウィリアムズ FW36 とレッドブル・リンクの相性が良く、フリー走行から上位タイムを占めていました。が、メルセデス有利は変わらず...と思いきや、メルセデスの 2 台がお互いを意識するあまりか、ハミルトンが予選 Q3 ノータイム(1st アタックが白線越えででタイム抹消、2nd アタックではブレーキトラブル?でスピン)、ロズベルグがハミルトンのスピンの煽りを喰って 2nd アタック時にタイムを出せない、というアクシデントが発生。その結果、ウィリアムズがフロントロウを独占する、という予想だにしなかったグリッド順に。まさに、カナダで起きた「メルセデスの二台が競った結果、他者が漁夫の利を得る」という状況の再現になりました。

決勝は、3 番グリッドからスタートでボッタスをかわし、1st スティントでアンダーカットを成功させたロズベルグが難なく勝利。予選ノータイムで 9 番手スタートとなったハミルトンもスタートでジャンプアップし、最終的にはロズベルグの背後にまで迫ったものの、2 位フィニッシュ。そして、ボッタスがキャリア初となる 3 位表彰台を獲得しました。ボッタス、おめでとう!
ウィリアムズは 3-4 フィニッシュを果たし、メルセデスだけ別カテゴリに近い力関係の中では実質優勝にも等しい健闘と言えます。が、ピット戦略を間違えなければ勝てる可能性は十分にあったし、悪くても 2 位は獲れていた可能性は高く、その意味で課題の残るレースだったと思います。中継の中で森脇さんが仰っていたように、ロズベルグがアンダーカットに来たときに、ポジションキープのために同時にピットに入れていたら、そのまま優勝の目はあっただろうし、仮にどこかで抜かれていたとしても、メルセデスに食らいついていくことで前戦のリカルドのように相手のトラブルを誘発していたかもしれません。ウィリアムズの現在の課題は、勝つための思考をもってレース戦略の組み替えができないことにあります。前戦でも、メルセデスの 2 台にトラブルが発生したときに焦ってマッサをピットに入れていなければ、リスクもあったけど勝てるチャンスではあった。メルセデスがいるから 3-4 位でいい、ではなく、勝てるときに勝ちに行かなくては、この上はありません。まあ、ウィリアムズがメルセデスエンジンユーザーであり、かつチームの主要株主の一人がメルセデスチーム CEO のトト・ウォルフである、という事情が何かを遠慮させているのかもしれませんが...、かつての名門復活の最大のチャンスが来ている状況でこれ、というのはいかにも残念。

話をメルセデスに移すと、ハミルトンは予選 9 位から 2 位フィニッシュ、というのは優勝が同じマシンに乗るチームメイトであることを考えれば、望むべき最高の結果を得られたと言えます。しかし、チャンピオンシップにおけるロズベルグとの差が 29pt に開き、ロズベルグにとっては 1 回ノーポイントに終わってもまだ首位をキープできる、という状況が精神的な余裕を生むはず。私はこの先のロズベルグとハミルトンの戦いは最後まで冷静さを失わなかったほうが勝つとみているので、この状況の変化は興味深いですね。今回のグランプリでは、予選 3 番手でのインタビュー時にも、優勝後のポディウムでも終始ニコニコしていたロズベルグの余裕ぶりが印象的でした。

シーズン全勝が消えてもメルセデスの圧倒的優位は変わらないのが明らかになったオーストリア GP でしたが、ハミルトンとロズベルグの競り合いにより「付け入る隙がある」ことが、カナダ GP に続いて証明された形になりました。次のシルバーストンは高速サーキットなので、引き続きウィリアムズにも勝ち目があると言えそう。チームにとってのホームレースで、今回のような消極的なレースではなく、勝ちに行く戦略を見せてほしいところです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/06/10 (Tue.)

F1 カナダ GP 2014

カナダGP決勝 荒れたレースでリチャルド初優勝!

おめでとうリカルド!!!

カナダ・モントリオールといえば、「荒れたレース」になりやすいサーキット特性で、アレジ、ハミルトン、クビサなど伝統的に初優勝者を生みやすいサーキットでもあります。とはいえ、今シーズンここまでの流れから言って、メルセデスの二人以外から勝者が出るとは、素直に驚き。終盤はめまぐるしい展開で、今季もっとも面白いレースになったと言えます。

オープニングラップにセーフティカーが入り、ファイナルラップもまたセーフティカー導入でそのままチェッカー、という荒れたレース。完走扱い 14 台、うち実際にチェッカーフラッグを受けられたのは 11 台というサバイバルぶりで、下位チームにとっては前戦モナコ以上に絶好の入賞チャンスでした。が...、ケータハム、マルシャともに 2 台ともリタイア。可夢偉は相変わらず走らないマシンをプッシュして健闘していましたが、左リヤのトラックロッド破損によりリタイア。他のサーキットに比べ縁石の段差が大きいサーキットなので縁石乗り越え時にダメージがあったのかもしれませんが、F1 マシンの信頼性としてあり得ないレベルですよね...。ケータハムには、シーズンの進行に伴い落胆させられることばかりです。

さておき、上位陣の話。今回のリカルドの勝因は...こう言ってしまうと身も蓋もありませんが(笑)、メルセデスの 2 台が競い合ったこと、にあります。グリップレベルが低いにもかかわらずストップ&ゴーでブレーキに厳しいサーキットで、2 台が本気でバトルを繰り広げた結果、MGU-K(回生ブレーキ)の耐久値の限界を超えてしまった、というのが、メルセデス失速の原因かと思われます。いかにこれまでのレースでは余力を残していたかと考えると恐るべきポテンシャルと言わざるを得ませんが、逆に、2 台ともにほぼ同時に同じトラブルが出たことで、メルセデスの品質コントロールレベルの高さも思い知らされました(笑。
それでも、同じマシンを駆るチャンピオンよりも速く走り、ストレートスピードに勝るフォースインディアを抑えきったのは間違いなくリカルドの実力なわけで、そこには素直に賞賛を送りたいですね。現役 F1 ドライバーの中でも最も嫌みの少ないキャラクターで、以前から応援していましたが、屈託のない笑顔が中央に立った表彰台は、今シーズンの他のレースとは違う爽やかさに満ちていました。

とはいえ、今後もリカルドに優勝のチャンスが巡ってくるかというと、そうそう甘い話でもないでしょう。今回のようなトラブルが出ない限り、メルセデスの 2 台がスピードも信頼性も群を抜いていることは間違いなく、メルセデスは今後技術的な改善、あるいはリミッター等の設定、もしくは 2 台の直接対決を避けるルール(かつてのマクラーレンのように、オープニングラップをリードした者に優先権を与えるなど)といった対策で、同様のトラブルを回避してくるのではないかと思います。今回のようなチャンスはモントリオールという特殊なサーキットならでは、と考えるべきかと。

今回のロズベルグ 2 位・ハミルトンノーポイントというリザルトにより、ドライバーズチャンピオンシップはロズベルグがハミルトンに 22pt の差をつけました。ハミルトンの 4 連勝により一時は精神的に追い詰められている感のあったロズベルグも、これで少し余裕ができたというところでしょうか。おそらく純粋な速さやレースでの強さという点ではハミルトンに優位があるはずなので、ロズベルグがチャンピオンを狙って行くにはこの点差を背にきっちり 2 位以上を獲っていく着実なレース運びと、できるだけハミルトンが嫌がるレース運びをするクレバーさが求められます。ハミルトンは精神的に安定していれば滅法強いけど、ひとたびネガティブ思考に入ると乱れ始めるドライバーなので。一方のハミルトンは、多少のことでは動じない芯の太さ、あるいは周囲の騒音から護ってくれる信頼関係をレースチームとの間に築くこと、そしてロズベルグをねじ伏せる力強い走り、これに尽きるでしょう。ハミルトン 4 勝、ロズベルグ 3 勝と拮抗してきて、チャンピオン争いはいよいよまた分からなくなってきました。

次のレースはまた 2 週間後、11 年ぶりの開催となるオーストリア GP。レッドブルの初めてのホームレースとなります。とはいえ、これまでのレースを見る限り、RB10 はレッドブルリンクのような高速サーキットよりもストップ&ゴータイプを得意としているようなので、レッドブル有利...ということもなさそうですが。またちょっと混戦気味になってくれると面白いのですが、どうでしょうか。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/05/26 (Mon.)

F1 モナコ GP 2014

モナコGP決勝 ロズベルグが8台リタイアの荒れたレースを制する

F1 界のお祭り、モナコ GP。ドライバーの実力が試されるテクニカルサーキットでありながら、ロズベルグのポールタイムは 3 位のリカルドに対して約 0.4 秒差(しかもモナコは他のサーキットに比べると 1 周が短いのに!)。ロズベルグやハミルトンの実力を疑うものではありませんが、マシンよりもドライバーの比重が大きなこのサーキットで、ここまでマシン性能の差がタイムに現れてしまうと、他チームにとってはもう今シーズンは絶望と言って良い状況ではないでしょうか。

予選は 2006 年のミハエル・シューマッハーによる「ラスカス事件」を彷彿とさせるロズベルグのストップでハミルトンのラストアタックが妨害され、ロズベルグが得意のモナコで PP 獲得。決勝はデッドヒートになったものの、終盤にハミルトンの目にゴミが入り、半ば片目が使えない状態でのレースを強いられたこともあって、ロズベルグが 2 年連続の優勝を飾りました。

3 位以下では相変わらずリカルドが元気だったり、ヴェッテルやライコネンが復活の相を見せていたり(どちらもトラブルで上位には残れなかったものの)、中団の争いが激化していたり、と「抜けないレース」にも関わらず見どころはありました。が、ここまで 6 戦をメルセデスが圧倒的優位で全勝、とあっては、さすがの私でもレースが面白くなくなってきたのは事実です。私が F1 を見始めたのは 1990 年ですが、1988 年のマクラーレン・ホンダ圧勝時代もマクラーレンファン以外は同じような気持ちだったんですかね...。

それよりも、今回のレースで何が悔しいって、これですよ。

可夢偉の決勝:「ペナルティどうなってんねん!」 - F1ニュース ・ F1、スーパーGT、SF etc. モータースポーツ総合サイト AUTOSPORT web(オートスポーツweb)

リタイア 8 台という今季ここまでで最も荒れたレース。コース上に残ってさえいれば入賞の目もある、という意味ではケータハムの 2 台はちゃんとチェッカーを受けたところまでは良かったですが、それ以上にマルシャにやられてしまいました。序盤は可夢偉が走らないマシンを何とか走らせて、一時は入賞圏に手が届くか...というところまで行っていました。が、中盤にビアンキに当てられ、マシンに大きなダメージを受けて後退。一方のビアンキは 5 秒ストップペナルティを無視して走り続け(まあ、レギュレーション上は 5 秒ストップは必須ではなく、その場合レース後に 5 秒タイム加算される)結果的に 9 位入賞ですよ...。
実際のところ、ぶつけ方はけっこうえげつなかったですし、その後もペナルティを受けない姿勢はレースを見ている間は頭にも来ましたが、それよりもケータハムがマルシャにここまで差をつけられてしまったこと自体が、たいへん悔しい。あのインシデントがなかったとしても、マシン性能の差で可夢偉はビアンキに抜かれていた可能性は高いですし、可夢偉もそのまま走り続けていても 10 位に入れた可能性は必ずしも高くありません。そして、もはやザウバーを射程圏に捉えたマルシャ(実際に今回の 2pt でザウバーを抜いてコンストラクターズ 9 位に浮上)に対して、さっぱり向上の見られないケータハムのマシン。この先のグランプリで可夢偉が 9 位以上に入賞できるとしたら、公道サーキットで今回以上の荒れた展開になる以外にはもうあり得ないのではないでしょうか。
ケータハムはオーナーのトニー・フェルナンデスが「今季結果が出なかったら撤退」と名言し、ある意味そのためのチームリーダーとして抜擢されたのが小林可夢偉です。可夢偉の奮闘もむなしく、このまま行けばケータハムが今季限りで F1 を撤退してしまう可能性は限りなく高い。そして、上位チームから移ってきた他のドライバーと同様に、可夢偉にとってこの先に F1 のシートが残されている可能性も低い、と言わざるを得ないのではないでしょうか。

もちろん最後まで諦めはしませんが、暗澹たる気持ちしか残らなかったモナコ GP でした。

投稿者 B : 23:06 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/05/11 (Sun.)

F1 スペイン GP 2014

スペインGP決勝 メルセデスが1−2勝利でハミルトン4連勝

ヨーロッパラウンドの開幕戦、スペイン GP。中国からの 3 週間で各チームにテクニカルアップデートがあり、勢力図に変化があるか...と思いましたが、少なくともトップは変わらず。メルセデスが開幕から 5 連勝、4 連続 1-2 フィニッシュの快挙を成し遂げました。

ハミルトンの速さと安定性は圧倒的。マシントラブルで戦線離脱した開幕戦以外全勝という結果ですから、もうハミルトンを止められるのはトラブルか周回遅れ追い越し時のアクシデントくらいじゃないかとさえ思います。
対するロズベルグは、初回ピットイン時に柔軟に戦略を変え、最終スティントにミディアムタイヤを温存する作戦が奏功し、ファイナルラップまでハミルトンを追い詰めることができましたが、結局そこまで。マレーシア以来全てハミルトンの後塵を拝し、ついにドライバーズチャンピオンシップでハミルトンに首位を奪われたとあっては、まだまだ 3 ポイント差の 2 位とはいっても複雑な心境でしょう。次戦モナコは昨年勝っている相性の良いサーキットだけに、モナコでの巻き返しができるかどうかでその後の展開が変わってきそうです。

カタロニアサーキットは F1 のテストでも使われるだけあってどのチームも研究が進んでおり、コースレイアウトも相まってドライバーの実力よりもマシン性能の差が如実に表れるサーキット。オーバーテイク自体数えるほどしか見られず、やや退屈なレースとなりました。リザルトを見ても、一部を除きほとんどチーム順という並びになっています。おそらくこの結果が現在の勢力図をそのまま反映したもの、と見て間違いないでしょうね。
圧倒的なメルセデス、今回のアップデートでようやく(大差がありながらも)メルセデスの次のポジションにつけてきたレッドブル、その後にウィリアムズ→フェラーリ→フォースインディア→マクラーレン、という感じ。ロータスの 2 台の順位が離れているので判断しづらいですが、ロータスもフォースインディアの後ろ、マクラーレンの前くらいというのがマシンの実力でしょうか。マクラーレンは開幕戦は良かったものの、以後は全然パッとしませんね...。

今回のレースでは個人的にリカルド、ヴェッテル、ボッタスの 3 人を評価しています。ヴェッテルはようやく本来最低限いるべきポジションに戻ってきた感じですが、それ以上にリカルドが良い。ボッタスも、今季の早い時期にマッサを食ってウィリアムズのエースになるだろうな、と思っていましたが、早くもそれを具現化しつつあります。リカルドもボッタスも、いい時期にいい場所にいるという幸運に恵まれた、ある意味「持ってる」ドライバーだと思いますね。リカルドはレギュレーションの大改定時にトップチームに移籍し、昨年までのマシンに慣れすぎたヴェッテルを尻目にニューマシンにいち早く適応しましたし、ボッタスは同じチームながらも去年とはまるで別物のマシンを手に入れ、チームメイトも学ぶべきものを持っている相手に変わった(笑)ことが大きいでしょう。アロンソ以来、毎年チャンピオンが入れ替わるシーズンを経て、ヴェッテル独走時代には様々な状況が固定化されてチャンピオン経験者以外が脚光を浴びることがない状況が続いていましたが、今季のレギュレーション変更がうまい具合に新風を呼び込んだ、と言えると思います。二人には、このままスターダムを駆け上がり、チャンピオン争いに絡めるドライバーに成長していってほしいところ。

次は伝統のモナコ。ある意味お祭りレースですが、このままハミルトンが独走態勢を固めるのか、それともロズベルグが挑戦状を叩きつけるのか。もう今季はそこにしか見どころが残っていないような気もしつつ(笑)楽しみにしたいと思います。

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2014/04/21 (Mon.)

F1 中国 GP 2014

中国GP決勝 ハミルトン3連勝、メルセデス3連続1ー2
フラッグエラーにより中国GP決勝結果に変更

もう誰もメルセデスを止めることができない中国グランプリ。ここまで 3 戦連続の 1-2 フィニッシュ、開幕 4 連勝という圧倒的な強さで、開幕後のフライアウェイ 4 戦を終えたことになります。気が早いですが、過去に開幕 4 連勝してチャンピオンを獲れなかったチームはないので、これはもうシーズンの趨勢は決まってしまったかな...という感じ。あとはハミルトンとロズベルグのどちらがドライバーズタイトルを獲るかが問題ですが、開幕戦でハミルトンが勝てなかったのはマシントラブルが一因であり、予選から決勝まで安定したパフォーマンスと勝負強さを誇るハミルトンが大本命だろうな、という見方が確定的です。

3 位には今季初の表彰台を獲得したアロンソがレッドブルを抑えて割り込みました。ライコネンが 8 位に沈んだことを考えると必ずしもマシンの調子が上向いてきたわけではないと思われますが、やっぱり「走らないマシンでも何とか走らせてしまうアロンソ」のウデは健在と言えるでしょう。ただ、F14 T が他チームを凌駕するアップデートを見せない限り、どんなにがんばっても今後これ以上のリザルトを得るのは難しそう。
レッドブルは 4-5 フィニッシュ、と良くも悪くもない結果。開幕前の状況を考えると驚くべき進歩で、走りにも安定感が見られることから、おそらく空力をはじめとしたシャシーの仕上がりは悪くないのでしょう。あとはルノーのパワートレインの性能がどれだけ上げられるか、の問題だと思います。あとは今シーズンここまで全体的にヴェッテルよりもリカルドが先行しているのが気になるところ。リカルドがいきなり活躍していることはとても喜ばしいと思いますが、ヴェッテルが昨年の RB9 ほど乗りこなせていないということでしょうか。このままリカルドの後塵を拝すようなことが続けば、チーム内のパワーバランスも変わってきかねません。

可夢偉は...がんばってますね。3 ストップ戦略を決めてファイナルラップにビアンキをオーバーテイクしたのがハイライトでしたが、チェッカーのミスで 1 周早くレースが終了してしまったためにオーバーテイクは無効、というあり得ない話(´д`)。中国 GP、10 年続いてまだこのクオリティですか...。
さておき、明らかにマルシャよりも劣っているように見えるポンコツ CT05 をよくここまで走らせているな、というのが贔屓目を抜きにしても今年の可夢偉に抱いている印象です。タイヤ交換直後に、タイヤのタレてきたヴェッテルをオーバーテイクしてラップダウンを戻した行為はバックマーカーとしてどうか?という批判もあるかもしれませんが、今の可夢偉には印象に残る走りをパドックに見せつけることが最重要。国際映像にも滅多に映りませんが、この調子でがんばってほしいところ。特に、新レギュレーション 4 戦目にして完走 20 台という信頼性を各チームが獲得し始めたので、今後上位を狙えるチャンスはさらに減っていくでしょうからね...。

次は GW 明け、ヨーロッパラウンド開幕戦のスペイン。各チームが大規模アップデートを施し、ようやく真の開幕と言えるレースになります。メルセデスとのギャップを各チームが縮めてくるのか、それとも勢力図に大きな変化はないのか。これから 3 週間の F1 ニュースもチェックしていきたいと思います。

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2014/04/08 (Tue.)

F1 バーレーン GP 2014

バーレーンGP決勝 ハミルトンが優勝、ペレスが3位表彰台

今季からナイトレースとなったバーレーン GP。今までのバーレーンとはずいぶん雰囲気が変わって、アブダビ GP に近い風景の中を F1 マシンが走ります。それに伴いスタート時間が遅くなったので、深夜の生観戦は厳しい(;´Д`)。アメリカ大陸でのレースほどじゃないけど...。

レースのほうは、予選決勝ともにメルセデスの独壇場。予選ではロズベルグが、決勝ではハミルトンが先を行くという状況で、いかに 2 人のパフォーマンスが拮抗しているかが分かる内容でした。開幕 2 戦はどちらかのマシンに不調があったりして 1 台が独走というパターンでしたが、今回は双方のマシンのセットアップがうまく行っていたことと、途中でセーフティカーが入って差が縮まったことにより、もろにメルセデス 2 台のマッチレース。逆に言えば、前 2 戦はトップのマシンに燃料やタイヤをセーブする余裕があったのが、今回は 2 台がデッドヒートを繰り広げた結果、後続とのギャップがどんどん開き、他チームとの戦力差が浮き彫りになったと言って良いでしょう。

3 位以下のチームも、ものの見事に同チームの 2 台が連なってフィニッシュする結果となり、現状のマシンパフォーマンスの差が明確になりました。メルセデスが圧倒的な速さを誇り、その後ろにフォースインディア、ウィリアムズ、レッドブルが続き、ちょっと遅れてマクラーレンとフェラーリ...という勢力図。やはりメルセデスのパワートレインが性能も信頼性も随一、ということになるのでしょうが、ルノーはレッドブルだけがようやくまともにパワートレインを使いこなせし始めた状況、フェラーリに至ってはワークスでさえマシンに良いところが一つもない状況。
メルセデスの独走ぶりを見るに、どうも 2009 年のブラウン GP を見ているような気分です。少なくとも前半戦はこのままメルセデスがアドバンテージを保ち、他チームが追いついてきた後半戦でもそれまでに築いたポイント差で逃げ切る...という構図。もうハミルトンとロズベルグのどちらがチャンピオンになるか、くらいしか見どころがなかった、というシーズンになっている可能性もあります。もちろん、新しいパワートレインがどのように熟成されていくか、という技術的な注目点もありますが。

可夢偉は今回も完走こそしたものの、15 位フィニッシュ。直近のライバルであるマルシャが 13 位フィニッシュしたことで、コンストラクターズランキングで逆転されるという、悔しい結果になりました。レース戦略として、周回遅れになることを想定してレース距離よりも 1 周分少ない燃料しか搭載しなかったところ、終盤のセーフティカー導入で周回遅れがリセットされ、最後は極端な燃費走行を強いられた結果マルシャに先行されてしまった...というのが実態らしいですが、なんとも間抜けな話。どのチームもマシンの信頼性が煮詰まらない中で、しかもナイトレースだったにも関わらず、セーフティカー導入を想定しない...というのは。まあ、失うものが何もないチームでマルシャ相手に守りの戦略を採っても仕方がないのですが、次は結果に繋げてほしいところ。

次は 2 週間後の中国 GP。例年雨が降りやすく、ウェットになるとマシンパフォーマンスよりもドライバーの力量によるところが大きくなるので、可夢偉にも活躍のチャンスがあるのではないでしょうか。期待しましょう。

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2014/03/31 (Mon.)

F1 マレーシア GP 2014

マレーシアGP決勝 メルセデス1−2、ヴェッテルが3位

第 2 戦マレーシア、セパン。今季チャンピオン最右翼のハミルトンが、今回はマシントラブルもなく、非の打ち所のない走りで鮮やかにポール・トゥ・ウィン。ロズベルグも 2 位につけて、2010 年のチーム設立以来初の 1-2 フィニッシュを飾りました。いやあ、トラブルさえ起きなければメルセデスの強さは本物ですね。ロズベルグのペースがそれほど上がらず、ハミルトンとの差が開いてしまったことが少し不安要素でしょうが、2009 年のブラウン GP のような勢いを感じます。ヨーロッパラウンド開幕までこの勢いを維持できれば、そのまま逃げ切りも見えてくるでしょう。

しかし、3 位につけたレッドブルも侮れません。オーストラリアでもリカルド 2 番手フィニッシュ(規定違反で失格にはなったものの)、今回はヴェッテルが 3 位表彰台と、プレシーズンテスト時の状況からすると想像以上にリカバリーが早い。それでもメルセデスとの差はまだ大きいように見えますが、フェラーリよりはスピードもありそうだし、ヨーロッパラウンドに戻るまでの間にどこまでメルセデスに食い下がれるか、がシーズンの行方に大きな影響を与えそうです。
前戦失格のリカルドは、今回も 5 位につけていながらピット作業のミスで発車時に左フロントタイヤが脱落しかけ、大きくタイムロス。5 秒ペナルティを受けた後にフロントウィングを縁石にヒットさせ、その後もしばらく走り続けていましたが結局リタイア。さらには「危険なリリース」のペナルティで次戦 10 グリッドダウンペナルティ...と散々な結果となりました。まあ、走りの内容だけを見れば全然悪くないし、めげずにアタックしていってほしいところ。個人的には、他のどんな F1 ドライバーとも違うあの屈託のない笑顔も好感度が高いですし、応援しています。

ほかに特筆すべきは、新人のマグヌッセンとクビアトがデビュー早々に 2 戦連続の入賞、というのも見逃せません。ウィリアムズのボッタスも、早くもチームメイトを凌駕する走りをし始めていますし、これは本格的に F1 の世代交代が始まる予感。廄

で、可夢偉。開幕戦はブレーキトラブルでスタート直後にリタイアせざるを得ませんでしたが、今回は無事 13 位完走。後ろには僚友のエリクソンとマルシアのチルトンしかいなかったものの、2 ストップ作戦を成功させて一時はポイント圏内を走るほどの健闘でした。明らかにマシン性能に勝るロータスのグロジャンを相手に、一つ目の DRS ゾーンでわざと先行させて二つ目の DRS で抜き返す、といったテクニックには震えましたね。ここまで、予想していたほどはマシントラブルで脱落するマシンが多くありませんが、少なくとも 12~13 番手につけていれば、入賞が転がり込んでくることもある。逆に言えば、現在のケータハムのマシンではそういう展開をうまく拾わないとポイント獲得は難しい、ということでもありますが...諦めずに、しぶとくポイントを狙いにいってほしいものです。

次は連戦でバーレーン。ほとんどマシンアップデートなしで臨まなくてはならないグランプリなので、信頼性という点ではマレーシアと大差ないことでしょう。可夢偉には次回もまだまだチャンスはあるはず。次回も、諦めない走りを見せてほしいところです。

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2014/03/18 (Tue.)

F1 オーストラリア GP 2014

オーストラリアGP決勝 ロズベルグが優勝、新人のマグヌッセンが表彰台獲得
リチャルド オーストラリアGP失格 - GPUpdate.net
レッドブル リチャルド失格に抗議 - GPUpdate.net
ケータハム シーズン初戦はトラブルによるダブルリタイア

大変革の F1、2014 年シーズンがついに開幕しました。今季の F1 の最大の注目は、パワーユニットの変更。昨年までの 2.4l V8 自然吸気エンジンから、1.6l V6 ターボエンジン+MGU(モータージェネレーターユニット)を統合したパワートレインへ。昨年までの KERS(回生ブレーキ)があくまでエンジンの補助的な役割しか果たしていなかったのに対して、今年の MGU は MGU-K(ブレーキによる運動エネルギー回生)+MGU-H(熱エネルギー回生)の二段構えで出力も大幅に向上し、駆動系としてはエンジンと半々の重要性を担う、完全なるハイブリッドシステムに生まれ変わりました。
これはクルマの作りが昨年までとは全く変わってしまうことを意味し、昨年までは空力最優先+いかにタイヤをうまく作動させるか、の戦いだったのに対して、今年はパワーユニットの完成度が空力以上の意味を持つシーズンになっています。ある意味、ニューウェイイズムが席巻した 1990~2000 年代の F1 から、エンジンがレースを決めた 1980 年代の F1 に戻ったとも言える。また、マシン開発の最適解が見つかり、どのチームも同じような方向性を向くようになるまでの間は、コンストラクターごとに性格の異なるマシンが混在する、テクノロジー好きにとってもたまらないシーズンになりそうです。

そんなシーズン開幕戦を制したのは、プレシーズンテストの下馬評通り、メルセデスのロズベルグ。スタート直後にトップを獲ってからは誰も追いつけない一人旅で、危なげなくチェッカーまでクルマを運びました。とはいえ PP を獲得したチームメイトのハミルトンが序盤にマシントラブルでリタイアするなど、パフォーマンスはともかく信頼性に関しては決して盤石とも言えなさそう。少なくともシーズン前半は優位な状態が続くでしょうが、このままどちらかが独走でチャンピオンシップを制すか、と言われれば、その結論を出すにはまだ早すぎます。

驚いたのが、2 位に食い込んだ(レース後に失格の裁定が下されたとはいえ)のダニエル・リカルド。リカルド自身の速さについて疑うものではありませんが、プレシーズンテストで散々な状態だったマシンを開幕戦でここまで競争力のある状態にまとめてきたのは、さすがレッドブルとしか言いようがありません。ヴェッテルは予選からセットアップが決まらず、決勝でも早々にリタイアしてしまったことから、パワーユニットはまだ完全と言える状態からは程遠いのでしょうが、思っていたよりも早期にトップ争いに絡んでくる可能性があります。まあ、それも失格処分の原因となった燃料流量の違反がどの程度パフォーマンスに影響していたか次第ですが。

3~4 位(リカルドの失格により最終的には 2~3 位)は、これもまた順当に下馬評通りマクラーレンの 2 台。でも、先にゴールしたのがバトンではなく新人のマグヌッセンというのが驚き。今回はバトルらしいバトルがなかったのでインパクトのある走りではありませんでしたが、逆にデビュー戦で、それもここまで荒れたレースで、これだけ落ち着いた走りができるのがすごい。これはもしかすると、マクラーレンはハミルトン以来の逸材を引き当てたのかもしれません。いずれにしても、最悪のシーズンとなった昨季から、マシンの仕上がりもドライバーラインアップも上々とくれば、来季のホンダ参戦に向けて期待が高まりますね(←さすがに気が早すぎ)。
メルセデス勢ではウィリアムズのボッタスが光る走りで 6 位入賞を果たしていますし(個人的には、ボッタスは今季最終的にマッサを下して頭角を顕すと思う)、フォースインディアも 2 台完走でヒュルケンベルグが 7 位入賞。フェラーリ勢もイマイチパッとしないし、ルノー勢に至ってはトロロッソが比較的悪くない結果(9・10 位)だった以外はトラブル続きで散々な結果。パワートレインによってこれだけ明暗が分かれてしまうと、逆にシーズンが面白くなくなるのではないかと不安になります。

そして、1 年ぶりに F1 に戻ってきた我らが可夢偉ですが...ブレーキトラブルにより 1 周もできずに、それもマッサを巻き添えにしてのリタイア(´д`)。チームメイトのエリクソンもパワートレインのトラブルでリタイアしているので、仮に 1 周目のトラブルがなくても走りきれなかった可能性の方が高いでしょうが、かえすがえすも残念です。ブレーキトラブルといっても MGU-K の回生ブレーキ制御周りでしょうから、ルノーのパワートレイン問題の根がいかに深いか、ということの証左でもあります。それに、空力よりもパワートレインやセッティングの自由度が重要となる今季において、マクラーレンでさえ 1 シーズンで放棄したフロントプルロッドサスペンションを空力のために今季から導入するというのも、裏目に出るとしか思えません。今年の可夢偉が活躍できるとしたら、ほとんどのチームで信頼性が確立しない序盤戦(少なくともヨーロッパラウンドが始まる前まで)に石にかじりついてでも完走し、荒れたレースでポイントを拾うくらい。パフォーマンスも信頼性もないマシンで戦わなくてはならない可夢偉には、これから辛い 1 年が待っていそうな気がしてなりません。

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2014/02/01 (Sat.)

F1 2014 プレシーズンヘレステスト

ヘレステスト初日 ライコネンがファステスト
ヘレステスト2日目 バトンがトップタイム
ヘレステスト3日目 マグヌッセンがトップタイム
ヘレステスト最終日 マッサがファステスト

2014 年シーズンに向けたプレシーズン合同テストがスペイン・ヘレスで開催されました。ここまで新車発表を行わなかったチームのマシンお披露目と、現時点での各チームの戦力分布が見える、注目のテストです。

4 日間を通じてメルセデス勢が安定したパフォーマンスを発揮し、マイレージを稼ぐと同時に連日のトップタイムを記録。パワートレインの重要性が増す今シーズンにおいて、現時点から高い完成度にあるというのは大きなアドバンテージではないでしょうか。いっぽうで、昨年まで圧倒的な速さを誇ってきたレッドブルをはじめとするルノー勢が、パワートレインのトラブルでまともに集会を重ねられていない、というのが気になります。
開幕まであと 1.5 ヶ月。開発を進める時間はあるとはいえ、周回を稼げているメルセデス勢と、まともに走れていないルノー勢で、テスト期間中にさらに差が開いてしまっているようにも見えます。これが開幕までにどの程度の差として現れるか。思い出すのはレギュレーションの大改定があった 2009 年。シーズン後半の最速は間違いなくレッドブルだったものの、ダブルディフューザーによりシーズン序盤に圧倒的なアドバンテージを稼いだブラウン GP が結局逃げ切ったことは、今も記憶に新しいところです。おそらくレッドブルはシーズンのどこかで追いついてくるでしょうが、メルセデスやマクラーレンにとっては今のうちにどれだけ差を作っておけるか、が今季の焦点になりそう。

我らが小林可夢偉もテスト最終日に新しい緑色のレーシングスーツに身を包み、54 周を走行したとのこと。ルノー陣営なのでやはりトラブルには見舞われたようですが、ウェットコンディションとはいえルノー勢の中では最も周回をこなし、同じパワートレインを使うレッドブルやトロロッソよりも速かったというのは朗報でしょう。シーズン中はこうはいかないでしょうが、このパフォーマンスが 2015 年に繋がる、と信じたいものです。

次回テストは 2/19 のバーレーン。それまでにこの差は縮まるのか、それとも逆に広がるのか。

投稿者 B : 20:14 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/01/28 (Tue.)

F1 2014 年の新車続々発表

ウィリアムズ 新車の画像を公開 - GPUpdate.net
マクラーレン MP4ー29を発表 - GPUpdate.net
ロータス 新車E22の画像を公開 - GPUpdate.net
フェラーリ F14 Tを発表 - GPUpdate.net
ザウバー C33を発表 - GPUpdate.net

29 日からのヘレステストを前に、F1 各チームから新車発表が続いています。ここまで発表したのウィリアムズ、マクラーレン、ロータス、フェラーリ、ザウバーの 5 チーム。コスト削減の折、年々発表会の規模を小さくしたりオンラインのみでの発表とするチームが増えていますが、今のところ今年は全体的に近年で最も地味な新車発表となりそうです。

今季のテクニカルレギュレーション最大の変更点は、マシンの動力。エンジンが V6 ターボに変更されることに加え、回生エネルギー(ERS)も採用するのがポイントです。今までも KERS はありましたが主にオーバーテイク目的の補助的な役割しか担っていませんでした。今年は ERS が昨年の KERS に比べて最大出力で 2 倍、エネルギー放出量で 10 倍となり、重要度がエンジンに匹敵するレベルになります。このパワートレイン(エンジン+ERS)をどう仕上げ、マシンというパッケージにまとめてくるか、が各チームの開発力の見せ所となります。
その他のポイントとしては、最低重量の増加、フロントウィングの狭幅化、モノコック先端高・ノーズ高の低減、排気管の位置・数・排気方向の制限という感じで、パワートレインの根本的な変更ほどのインパクトはありませんが、昨年までのコアンダ・エキゾーストが事実上使用できなくなったこと(まあ、何らかの形で同様の効果を狙った開発は継続されるでしょうが)により、空力の考え方が昨年までとは異なってきます。

ここまで発表されてきた各チームのマシンを見ると、まず目につくのはノーズの形状。ノーズ高が 550mm→185mm と今季より大幅に制限されたことを受け、どのチームも先端が極端に下がった異様なノーズを採用してきています。ルノーはかつてのウィリアムズ FW26 のセイウチノーズを彷彿とさせるフォーク型、フェラーリは単純に先端だけを低くしたカモノハシ型、マクラーレンとザウバー、ウィリアムズは先端だけが異様にすぼまったアリクイ型。フェラーリ以外は従来のノーズの高さに当たる部分からを事実上のノーズととらえて、それよりも前の部分を空力的に極力邪魔しないように、という考え方なのでしょう。しかし、2012 年のステップドノーズ以上の醜さを、残念ながら感じてしまいます。「速く走りさえすればカッコ良く見える」というのもある種の真実ですが、ステップドノーズは結局最後まで美しいと思えなかったからなあ。

という感じで、どうしてもノーズ周りに目が奪われがちですが、まず重要なのはパワートレインと空力。こればっかりは走り出してみないと分からないので(まあレースで同条件で走らせてみるまで分からないわけですが)、とりあえず他チームの新車発表とへレステストの状況に引き続き注目していきたいと思います。

投稿者 B : 00:24 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2014/01/22 (Wed.)

小林可夢偉がケータハムで F1 復帰へ

ケータハム 可夢偉とエリクソンをレースドライバーに起用

2014 年の F1 レースシートの最後の二つ、ケータハムのドライバーラインアップが発表されました。そこに名前が挙がったのは我らが小林可夢偉と、スウェーデンの新人マーカス・エリクソン。可夢偉がケータハムと交渉していることはしばらく前から明らかになっていましたが、ようやく正式発表となりました。

いやー、長かった。昨年、ザウバーのシートを失った可夢偉が WTCC フェラーリワークスのシートを獲得したときはマッサの後釜としての 2014 年の可能性を夢見たものでしたが、アロンソ&ライコネンというラインアップを見てしまっては、どちらかがチームと決定的な決裂でもしない限り、可夢偉が入り込む余地はなさそうということは、火を見るより明らかでした。その後、ロータスやフォースインディアとも交渉していたようでしたが結局かなわず、最終的にケータハムでまとまったわけです。我々が期待した中ではもっとも地味な結果ではありましたが、昨年ライコネンがシーズン半ばにしてロータスを離脱した際にコヴァライネンが抜擢されたことからも分かるとおり、今の F1 では少なくともパドックで存在感をアピールすることが重要。コヴァライネンは結局レースで結果を出せず、スポンサーも持ち込めずで 2014 年のレースシートを獲得できませんでしたが、WTCC にいてはそもそもその可能性にすら辿り着けなかったわけで、例えテールエンダーでもマシンに乗っていることがいかに重要か、ということでしょう。今はとにかく、その状況に到達したことを喜びたい。

まあ実際には 2014 年シーズンのケータハムには厳しい現実が待ち構えているものと思われます。最大限前向きに解釈すれば、ルノー製パワートレインとレッドブル製ギヤボックスという最強の遺伝子を受け継ぎ、2013 年シーズンを捨てて 2014 年向けの開発にリソースを振り向けてきた結果がどう出るか、という側面もありますが、レース運営という点ではパット・シモンズによって鍛えられたマルシャに 2013 年の間に差をつけられてしまったことも事実。そう簡単に可夢偉がトップチームの目に留まる活躍ができるとも思えませんが、まずは改めてスタートラインに立つことができた状況、と言えるでしょう。

これを契機に 2015 年にはマクラーレン・ホンダのシートを、という妄想はいかにも虫が良すぎる気はしますが、少なくとも入賞圏が狙えるチーム、できれば表彰台が争えるチームへの移籍に向けて。小林可夢偉、勝負の一年となりそうです。

投稿者 B : 01:05 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

2013/12/11 (Wed.)

F1 最終戦のポイントが 2 倍に

2013 年シーズンが終わって一抹の寂しさが残る F1 ですが、コース以外のところでは引き続きいろいろと動きがあり。
  • ロス・ブラウンがメルセデス GP を離脱
  • そのロス・ブラウンにガーデニング休暇後のマクラーレン入りの噂
  • 一方でそのマクラーレンにはロン・デニスのチーム代表復帰の噂
  • ロータスのドライバーラインアップはグロジャン&マルドナドで確定
  • ヒュルケンベルグはフォースインディアに出戻り
  • ザウバーのドライバーラインアップはまだ未確定
  • ロシアマネーつながり(?)でザウバーとマルシャに合併の噂
などなど。ホンダが復帰する 2015 年を見据えるとどうしてもマクラーレンの動向が気になってしまうところですが、最悪の 2013 年シーズンを終えて、来季は少しでも上向くことを期待しましょう。

そんな折、レギュレーションの変更に関する唐突な決定事項が。

最終戦ダブルポイントシステム導入へ - GPUpdate.net

えーーー、何それ。なんかのクイズ番組かよ!という(´д`)。

2013 年こそヴェッテルの独走で早々にダブルタイトルが確定してしまいましたが、近年の F1 は 2007・2008・2010・2012 と最終戦までチャンピオンシップがもつれ込むことが非常に多い。終盤戦を消化試合にせず、最後まで競争を盛り上げたいという意図は分からなくはないですが、「1 勝の重み」に名誉(例えばモナコとか)以外の差を設けるのはどうなのか。第 18 戦を終えた時点でドライバーズランク首位に 49 ポイント差をつけられていても、最終戦で勝ったら逆転チャンピオンの目がある、というのはいくらなんでも興ざめではないでしょうか。
もう導入は承認されてしまったようなので、今から言っても仕方ありませんが、なんだかなあ。

予算制限とドライバー固定番号が導入 - GPUpdate.net

あと、バジェットキャップとカーナンバー固定制。

2015 年から導入されるバジェットキャップ制は、2010 年に一度導入の動きがあったものの、FOTA(F1 チーム側の連合組織)からの反発に遭って最終的にはチーム間の自主的なリソース制限協定(RRA)として導入された経緯をもつものです。その RRA も抜け道だらけで事実上の骨抜き状態。まあ、下位チームならまだしも、ロータスやザウバーのような中堅チームでさえ資金難にあえぎ、ペイドライバーを採用せざるを得ない状況を考えれば、ある程度のバジェット制限は F1 の健全な存続のために必要なのだろうと思います。

カーナンバー固定制はこれまた唐突に 2014 年からの導入。
F1 のカーナンバーは、1996 年に現在の「1 番は前年のドライバーズチャンピオン、2 番はそのチームメイト、3 番以降は前年のコンストラクターズランク順」というレギュレーションが導入されましたが、それ以前はチーム単位でのカーナンバー固定制が長らく使われていました。3・4 がティレル、5・6 がウィリアムズ、7・8 がマクラーレン、27・28 がフェラーリ、という数字はマシンカラーと同じくらいそのチームの個性を表す番号だったし、ナイジェル・マンセルのように 1 チームに長く在籍していたドライバーにとっては「レッドファイブ」はニックネームと同義でした。
そういう意味では、現在の無味乾燥なナンバリングよりは愛着が持てるというものですが、当時と違うのは「ドライバーごとに固定番号になる」ということ。有力ドライバーならまだしも、印象の薄いチームだと「どっちがどっちだっけ」となりやすいので、ややこしい(笑。まあ、現在の F1 マシンはスポンサー枠が細かく設定されすぎていて、カーナンバーの掲出自体が小さかったりデザイン的に埋もれてしまったり、という問題もあります。カーナンバー固定制を有意義に使うためにも、カーナンバー自体を目立たせるようなデザインも重要だと思うんですけどね。ただ、「ロゴのプライオリティをどうするか」というのは広告的にはすごく重要な話でもあるので、スポンサーからの反発は必至でしょう。

ともあれ、来年は誰がどの番号をつけて走ることになるのでしょうか。個人的には、アロンソは 5 番のマシンを駆っているシーズンが多いせいで、5 番のイメージが強いんですが。

投稿者 B : 00:09 | F1 | Season 2014 | コメント (0) | トラックバック

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