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2016/12/03 (Sat.)

ニコ・ロズベルグが突如 F1 引退を発表

F1新チャンピオンのロズベルグが5日後に電撃引退。「説明するのは難しい」

先週の最終戦で悲願の初戴冠を成し遂げたばかりのニコ・ロズベルグが、突如として F1 からの引退を発表しました。まじかー!

本人のコメントからは引退の真意については語られていませんが、やっぱり「疲れた」のかなあ、と。
少年時代から長年チームメイトとして、同時にライバルとしてルイス・ハミルトンと走ってきて、今は同じチームにいながら F1 の頂点をかけて互いに口もきかないような関係で争うというのは、想像以上に精神をすり減らす生活なんだろうと思います。ハミルトンならばそれでもチャンピオンを獲得することを最優先しそうですが、「いい人」ロズベルグにはそろそろ限界が来ていたとしても不思議はありません。このままだと来季も同じ状況が続くことは間違いなく、また今季はハミルトンに不運が続いたこともロズベルグ戴冠の要因の一つだった(つまりトラブルがなければハミルトンがチャンピオンだった可能性が高い)ことを考えれば、大願を成就させた今季を節目にクルマから降りるという決断は、理解できる気がします。

でも個人的にはとても残念。一度だけのチャンピオンであれば、さまざまな要因が重なることで「運良く獲れてしまう」こともあるでしょうが、複数回シーズンを制覇できるドライバーこそ「真のチャンピオン」だと私は思っています。ロズベルグの速さを否定するわけではありませんが、現役ドライバーだとアロンソやハミルトン、ヴェッテルとライコネンの違いを見ても分かるとおり、状況の異なる複数のシーズンで勝てるドライバーは、実力もメンタルも強い。特にロズベルグはここまでハミルトンを「ねじ伏せて」勝ったレースがないだけに、来季はチャンピオンとしてハミルトンと正面からぶつかってほしかったなあ。
とはいえキャリアの絶頂期でスパッと引退というのはなかなかできることではなく、その潔い決断もそれはそれで素晴らしいものだと思います。本当にお疲れさまでした。F1 は辞めるもののレースをやめるわけではないようなので、次は DTM かル・マンか、というキャリアなのでしょうか。

で。

唐突に「最強チーム」のシートに一つ空きが出たことになりますが、その後釜には誰が収まるんでしょうね?メルセデスとしては育成ドライバーのウェーレインかオコンを乗せたいところでしょうが、メルセデスのコンストラクターズ四連覇を託すにはまだちょっと経験が足りていないし、何よりハミルトンに潰されてしまうのではないかと思います。とはいえトップドライバーは既に来季シートを確定させており、契約解除込みで改めてシャッフルが発生するのか、それともフリーなドライバーから最良の選択肢を選ぶのか。今ごろマッサやバトンが「引退するなんて言わなければ良かったー!」と後悔している可能性もありますね(笑。
個人的には、実力とメルセデスとの関係からいって、トト・ウォルフが支援しているバルテリ・ボッタスの契約をウィリアムズから買い取ってメルセデスに乗せる、という可能性があるんじゃないかと思っています。ウィリアムズ的には今季のドライバーが二人とも抜けてしまうことになるので阻止したいところでしょうが...。あるいは、大逆転で小林可夢偉、とかないですかね(笑

Spark / 1/43 Mercedes F1 W07 Hybrid Australian GP 2016 N. Rosberg

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投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/29 (Tue.)

F1 アブダビ GP 2016

F1アブダビGP:新ワールドチャンピオン誕生。ロズベルグが父ケケに続く親子制覇

2016 年の F1 最終戦アブダビ GP。最低でも 3 位に入ればハミルトンの結果に関わらずチャンピオン確定、という圧倒的優位でレースに臨んだロズベルグが、今回も着実に 2 位を獲得して初戴冠という結果になりました。

この終盤戦におけるハミルトンの集中力はめざましく、今回も予選からロズベルグに 0.3 秒差をつけて PP 獲得。間違いなく今年最強のマシンで、同じクルマに乗りながらこれだけの差がつくというのは、ハミルトンの「仮にチャンピオンを逃したとしても最速はオレだ」という主張のように感じました。
決勝でもスタートで躓くこともなく、いつものレースならばこのまま逃げ切り完勝パターン。が、今回は勝つだけではチャンピオンになれない、ということでロズベルグに「仕掛けに」行くレースとなりました。

追うロズベルグは無難に走るだけでも 2 位になれるのは、今季ここまでのレースで嫌と言うほど見せつけられてきました。ただ、チャンピオン決定戦でそういう消極的なレースは見たくない。どうせならコース上でハミルトンを抜き去って実力を見せてほしい、というのが個人的な思いでした。最終的にそれは叶わなかったものの、1 ストップ戦略でロズベルグの前を走っていたフェルスタッペンに対してやや強引なオーバーテイクを仕掛け、3 位ではなく 2 位を勝ち取った今回の走りなら、確かにチャンピオンに相応しいと思えます。何しろフェルスタッペンはこれまで幾度となく他のドライバーと交錯するレースをしてきているので、ロズベルグとしては「最悪のケース」もあり得たオーバーテイク。去年のロズベルグが同じ状況だったら、そこで守りに入っていたのではないかと思います。

しかしレース後半、ロズベルグが 2 位に上がったところでハミルトンがあからさまなスローダウン。先頭集団のペースをコントロールし、後続のヴェッテルやフェルスタッペンが「追いつける」状況を作って何とかロズベルグを 4 位以下に落としたい、というのが見え見えの行為でした。まあハミルトンとしてはチャンピオン獲得のためには自分が勝つだけでは足りず、それ以外に選択肢がなかったのは事実。ハミルトンの性格を考えてもまあそうするよね、と思う一方で、フェアじゃないなあ、とも思ってしまいました。結果的にファイナルラップまでハラハラするレースを見せてもらいましたが(笑。
4 台がほぼ数珠つなぎになりながらもフェラーリやレッドブルにはメルセデスをオーバーテイクできるだけの速さがなく、結局そのままチェッカー。「ペースを上げろ」というチームの再三にわたる指示を無視したハミルトンの策略は不発に終わり、ハミルトンは王座とチームの信頼を同時に失う結果となりました。

ただまあ、コンストラクターズタイトルはとうの昔に確定し、ドライバーズタイトルもこの二人のどちらかにしか可能性がない、という状況であのチームオーダーを出す必要が本当にあったのかどうか。ハミルトンが最後まで苦しんだのも、今季はハミルトン車に信頼性を担保できなかったチームの責任でもあるわけだし、今回のチームオーダーはロズベルグ贔屓の結果という誹りは免れないのではないでしょうか。明確に二人の競争ルールを決めるでもなく、イコールコンディションを保証するでもない状況で、ジョイントナンバーワン体制はこれ以上続けられないと思うなあ。

ともかく、ロズベルグにはおめでとうと言いたいです。今季最速は間違いなくハミルトンでしたが、安定感があったのはロズベルグでした。年間賞理数はハミルトンのほうが 1 回多いけど、それでも年間 9 勝・2 位 5 回という実績はチャンピオンに相応しい。でもチャンピオン 1 回は運もあるけど、2 回以上獲るのが真のチャンピオン。来季、精神的にさらに強くなって戻ってくるだろうハミルトンと互角以上に戦えるかどうか、真価が問われます。

今回がラストレースとなったベテラン二人は明暗の分かれる結果になりました。マッサは国際映像にこそあまり映らなかったものの、安定感のある走りで 9 位フィニッシュ。コンストラクターズポイントでは残念ながらフォースインディアに及びませんでしたが、マッサ個人としては満足のいくレースだったのではないでしょうか。
一方バトンはレース序盤に縁石乗り上げ時のダメージと思われるサスペンション破損により、あえなくリタイア。しかしピットに帰っていく表情は晴れ晴れとしており、自分自身でもう F1 ではやりきったという思いなのだろうな、と見ているこちらの目頭が熱くなりました。

マクラーレン・ホンダはバトンが序盤でリタイアしたのに対してアロンソは粘り強く走り、10 位入賞。終盤戦はフォースインディアとウィリアムズに太刀打ちできない苦しいレースが続いていましたが、それでも終わってみればコンストラクターズポイントではトロロッソを上回る 6 位。上を見れば切りがありませんが、去年のことを考えればこの結果は躍進と言って良いでしょう。しかし課題がターボを含むエンジンパワーと空力にあることは明らかで、来季はそれをどこまで改善できるか、がカギになりそうです。

現行レギュレーションになって三年目、結局この三年はメルセデスが完勝でした。が、来季はシャシーレギュレーションが大きく変わり、よりエアロダイナミクスの重要性が高まるシーズンとなりそうです。そこで伸びてきそうなのは何と言ってもレッドブル。今一番元気が良い二人のドライバーとの相乗効果でメルセデスに歯止めをかけてほしい。車体の仕上がり次第では、フェルスタッペンの最年少戴冠もあり得るのでは、と思っています。
そしてマクラーレンは一にも二にも車体。このまま空力が向上できなければ、今年以上に厳しいシーズンになるはずです。しかしマクラーレンもホンダもレギュレーション大改定のある 2017 年をターゲットにしていた部分はあるでしょうから、その仕込みがどれくらい進んでいるか、に期待したいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/26 (Sat.)

ジェンソン・バトンが事実上の F1 引退宣言

バトン「これがF1ラストレース」と引退を示唆。復帰の意向は「今のところ」なし

今シーズン終了をもって一年間の休養期間を設け、来季は他カテゴリへの参戦とマクラーレン・ホンダのアンバサダー兼リザーブドライバーを務めるとしていたジェンソン・バトンが、最終戦アブダビを前にして事実上の引退を発表しました。おそらくこのアブダビが F1 での最後のレースになるだろう、とのこと。契約上は 2017 年でのレースドライバー復帰の可能性が残ってはいますが、本人としてはもうそれを行使する意志はない、ということのようです。

来季でマクラーレン・ホンダとアロンソとの契約が終了する後釜を狙っていたのかと思いましたが、本人は年齢的にももう十分、と判断したのでしょうか。B・A・R ホンダ時代からバトンの走りを見続け、ホンダ撤退後のブラウン GP での戴冠に心から喜んだ一人としては寂しいものがあります。長年ホンダとマクラーレンで走ってきたドライバーとして、マクラーレン・ホンダの復活を自身の走りで引き寄せてほしかった。
来季もマクラーレン・ホンダのパドックに姿を見せることはあるでしょうが、それがドライバーとしてではないというのは何とも残念。

今季はマッサとバトンという、2000 年代中盤から F1 のトップドライバーであり続けた二人がまとめて引退してしまうということで、寂しいですね。でも本当に今までありがとう、お疲れさまと言いたいです。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/18 (Fri.)

ロン・デニスがマクラーレン CEO を辞任

【正式発表】マクラーレンの顔、ロン・デニスが解任。「誤った決断」とデニスが怒りの声明

ブラジル GP の週末に話題になっていた、ロン・デニスのマクラーレン・グループの会長兼 CEO 解任の件が、ブラジル後に正式に発表されました。

ロン・デニスと共同株主であるマンスール・オジェおよびバーレーン王室との確執は数年前から伝えられていましたが、それがいよいよ白日の下に晒されたことになります。いったんは F1 の現場から身を引いたロン・デニスでしたが、二年前に後継者マーティン・ウィットマーシュを解任して強引に現場復帰し、次は株式買い増しによって経営の主導権を奪い返そうと目論んでいました。そこへ株主決定としての解任、しかも契約満了を待たずして即刻解任という強硬な決定。かなりの急展開であったことが想像されます。

ロン・デニスは 1981 年に自身の F2 チーム「プロジェクト 4」と合併する形でマクラーレン入りし、その後長年にわたってチームを率いてきました。TAG ポルシェ、ホンダ、(フォードやプジョーを経て)メルセデスというエンジンサプライヤーとの提携により F1 界で輝かしい実績を積み上げてきたことは、今さら言うまでもありません。また F1 のみならずロードカーの生産や自動車関連のテクノロジー企業(多くのレースカテゴリ向けに ECU(エンジン制御コンピュータ)を供給していたりする)の立ち上げ、近年では医療分野にも進出するなど、マクラーレンを一大テクノロジー企業へと進化させた張本人でもあります。
それが、今回のクーデター。まあ、近年のロンは今の F1 の現場を知らないのにチームに余計な口出しをしすぎるとか、マクラーレン F1 になかなかタイトルスポンサーがつかないのはロンに責任があるとか、そろそろ限界説が囁かれていたことも事実。それ以前にあまりにも厳しい完璧主義のせいで F1 ムラの中に敵が多かった、という話もよく耳にします。確かにそろそろ潮時であったのかもしれません。

でも、個人的には F1 に興味を持ったときに憧れていたチームの代表者であり、一抹の寂しさも感じます。実は先日の日本 GP の週に、スポンサー企業での講演でサーキットでも滅多に目にすることができない生ロン・デニスを初めて見てきましたが、まさかあれが事実上最後の機会になるとは。

F1 チームとしては今年夏にフォルクスワーゲンから招聘したヨースト・カピートがチーム CEO に就任したばかりですが、そこへの人事的な波及があるのかどうか。レギュレーションが大幅改定される来季こそは飛躍を図りたいマクラーレン・ホンダですが、この体制変更はちょっと影響が大きいんじゃないですかね...。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/11/15 (Tue.)

F1 ブラジル GP 2016

F1ブラジルGP:大雨、SC、赤旗......大荒れのレースをハミルトンが制し、逆転王座獲得へ望みをつなぐ

ハミルトンが最終ラップでの逆転チャンピオンを決めた 2008 年を筆頭に、波乱のレースになることが多いブラジル GP。しかし今年は近年まれに見る大雨で、大荒れのレースとなりました。
フルウェットでセーフティカー先導のスタートから、幾度となく黄旗、赤旗中断を挟んだ決勝。さすがに録画観戦だったのですが、まさかの放送時間延長で録画が途中で切れており、フジテレビ NEXT での再放送を改めて観ている途中何度寝落ちしたことか(;´Д`)ヾ。それだけ長く、中断も多いレースでした。

しかしこんなコンディションでもメルセデス、特にハミルトンは盤石。今回も予選は完璧、スタートでの失敗もなく、終わってみれば完勝。まあここまでのウェットであれば水煙の影響を受けないトップランナーが最も有利であることは事実ですが、この終盤戦で集中力を高めていけるメンタルはさすがの現役チャンピオンですね。逆に言えば夏休み明けから鈴鹿までのあのスランプは何だったんだろう、とさえ思います。数字上の不利には変わりはありませんが、何とかタイトル防衛への望みをアブダビへと繋ぎました。
対するロズベルグは、2 番手スタートから一度はフェルスタッペンに見事なオーバーテイクを決められてしまいましたが、最終的にはポジションを戻して難なく 2 位フィニッシュ。今回もしっかり選手権ポイントにおけるダメージコントロールを成功させ、最終戦アブダビでは「3 位以内に入れば自動的にチャンピオン確定」という状況に持ち込みました。ロズベルグは夏休み明けのベルギー以降の全戦で 3 位以内に入っていて、この安定感があればマシントラブルがない限り初戴冠は盤石、と言えるのではないでしょうか。不確定要素があるとすれば、レッドブルが 2 台揃ってトップ争いに絡めるほどの競争力を発揮できるか否か、がカギになりそうです。

しかし今回の MVP はフェルスタッペンを置いて他にないでしょう。序盤でロズベルグを大外から抜き去ったオーバーテイクを筆頭に、終盤まで見事なオーバーテイクの連発で、ここまでエキサイティングなレースは久しぶりに観た、という気分。これだけコンディションが悪い中での激走という意味では、アイルトン・セナのデビューイヤーである 1984 年のモナコ GP を思い出しました。とはいっても私もリアルタイムで観ていたわけではありませんが(笑)、今のフェルスタッペンにはそういう偉大なチャンピオンに重ねて見てしまうだけの才能を感じます。シューマッハーやヴェッテル、ハミルトンにも負けないポテンシャルを改めて感じました。
それだけに、今回のレッドブルのタイヤ戦略は惜しい。レース中に先んじてウェットタイヤからインターミディエイトタイヤに変更した(それも赤旗中断を挟んで二度も)アグレッシブな戦略は、その時点では面白い選択だと思いましたが、結果的にはタイヤ無交換を選択した(赤旗中断中に新品ウェットに交換)メルセデスの戦略が正しかった、ということになります。逆にフェルスタッペンも同じ戦略を採っていれば、あのペース差ならばフェルスタッペンが勝っていてもおかしくはなかったし、少なくともメルセデス二台に割って入ることでチャンピオンシップがさらに面白くなったことは確実でしょう。結果論ではありますが、レッドブルは二台の戦略を分けた方が良かったのでは、と思います。

そして今回は最後の母国 GP となったマッサが印象的でした。昔から雨に弱いドライバーでしたが、母国最終戦でも濡れた路面に足を取られてクラッシュ、という終わり方がいかにもマッサらしい(笑。まあ今季のウィリアムズはダウンフォースがないためウェットコンディションではその弱点が露呈しやすい点は差し引いて考えなくてはなりませんが、クルマを降りてから雨の中を涙を流しながら歩き、ファンやスタッフ(他チームも含む!)、そして家族に迎えられる姿がとても印象的でした。ブラジル GP の開催週には毎年チームを問わずカート大会を主催するなど、F1 自体のムードメーカーでもあったマッサだけに、パドックの人々から愛されていたんだなあ、というのがよく分かるレースでした。近年のドライバーで、引退に際してここまで惜しまれるドライバーというのも珍しいのではないでしょうか。

さておき、二週間後のアブダビが泣いても笑っても今季の最終戦となりました。今の流れだとロズベルグかな、というのが私の予想ですが、最後まで何があるか分からないのがレース。最終戦での逆転も珍しいことではありません。最強チームのどちらが勝つのか、見届けたいと思います。

投稿者 B : 22:20 | F1 | Season 2016 | コメント (2) | トラックバック

2016/11/03 (Thu.)

F1 メキシコ GP 2016

F1メキシコGP決勝:ハミルトンがタイトル獲得に望みをつなぐ2連勝、怒りのベッテルは3位表彰台
ベッテル、3位表彰台を失う。リカルドへの防御に違反行為ありとの裁定

メキシコ GP といえば、1965 年に第一期のホンダ F1 がリッチー・ギンサーの駆る RA272 で初優勝を挙げた記念すべきサーキット。長らくの休止期間を経て昨年から復活したグランプリですが、こういう場所ではマクラーレン・ホンダの奇跡を夢見ずにはいられません。
が、現実はそう甘くはなく。予選こそ 11・13 番手を確保し、前戦アメリカに続くダブル入賞に向けて幸先が良く見えましたが、決勝ではまったく振るわず 12・13 位フィニッシュがやっと。やはり空気の薄い高地での戦いは、パワーユニットの中でも特に内燃機関(エンジン)の燃焼効率が物を言うだけに、エネルギー回生はともかくエンジン性能で劣る今のホンダには厳しかったです。もちろんシャシーの性能に足を引っ張られている部分もあるわけで、結局今季のマクラーレン・ホンダはドライバー比重の高いサーキットでは競争力があっても、マシン比重の高いサーキットでは厳しいという特性が最後まで改善できないままでしたね。最終戦アブダビはともかく、次のブラジルはマシンの性能差が出にくいサーキットなので、今シーズン最後の期待がかけられるレースになると思います。

チャンピオン争いのほうは、まるで一週間前のオースティンの再現を見るかのような、ハミルトンにとって完璧な週末でしたね。予選から決勝までパーフェクト。鈴鹿での敗戦で後がなくなってから、ようやくハミルトン本来の集中力が戻ってきたように感じます。
対するロズベルグも堅実に 2 位を確保し、必要な仕事をこなしました。とはいえ一時はフェルスタッペンにあわやオーバーテイクされそうになる場面もあり、ロズベルグとしては肝を冷やしたのではないでしょうか。残り 2 戦、チャンピオンシップの行方はレッドブルの二台がどれだけトップ争いに絡んでくるかが握っていると言えます。フェラーリはそこには絡んでこれないでしょうが(笑

そして 3 位は...コース上でチェッカーを受けたのはフェルスタッペン。でも、表彰台に上ったのはヴェッテル。なのに、リザルトとして 3 位に記録されたのはリカルド、という前代未聞の状況が発生しました。終盤、ヴェッテルにオーバーテイクを仕掛けられたフェルスタッペンがコースオフし、コーナーをショートカットする格好でポジションを守ったことと、その直後にリカルドにオーバーテイクを仕掛けられたヴェッテルがリカルドに接触する形でポジションを守ったこと、がそれぞれレース後審議で 5 秒ペナルティ対象となったのが、その原因。フェルスタッペンはあそこは一旦ポジションを譲るべきでしたがそのまま行ったのは「若気の至り」としか言いようがない。ヴェッテルの接触に関しては、フェルスタッペンとのバトルからの一連の流れでの出来事のため単なるレーシングインシデントではないかとも思いますが、その後無線でスチュワードへの暴言を吐いたことが FIA の心証を悪くした側面もあったはず。結局はどっちもどっちであり、ミスをせずクリーンに戦ったリカルドに 3 位が転がり込むのは納得ではありますが、それがレース後の表彰式が終わった後、というのにどうにも消化不良感が残ります。近年の F1 はアクシデントに対してレース後審議で処分を下すことが多すぎる。観客にとって分かりにくいレースになってしまっては元も子もないので、もっと明確な基準を設けてレース中にペナルティを執行し、少なくともチェッカーを受けた順位が入れ替わるということがないようにすべきでしょう。こういうのが、近年の F1 をつまらなくしている一因なんだよなあ。

さておき、チャンピオン争いは 2 レースを残して 19 ポイントに詰まりました。それでもロズベルグは残りのレースを最低でも 2 位+3 位で終えればチャンピオン確定、ハミルトンの自力戴冠がない状況は変わっていません。個人的には、今年はどちらがチャンピオンを獲っても文句はありませんが、リカルド&フェルスタッペンがもうちょっと状況をかき回してくれることを期待しています(笑。

投稿者 B : 20:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/26 (Wed.)

F1 アメリカ GP 2016

F1アメリカGP決勝:ハミルトンが完勝、マクラーレン・ホンダは鈴鹿の不振を払拭するダブル入賞

チャンピオンシップにおいてロズベルグ圧倒的優位で迎えたアメリカ GP は、なかなか見応えのあるレースになりました。

追うハミルトンはこの週末はほぼ完璧。予選 Q3 では一人だけ 1 分 34 秒台をマークするという驚異的な速さで PP を獲得。今年後半戦は決勝のスタートで躓くことが多かったですが、今回はスタートダッシュまで完璧に決め、そのまま後続の追撃を許さず完勝。夏休み前を思い出させるような、強いハミルトンが帰ってきました。窮地に陥ったときに比類なき集中力を発揮するハミルトンの真価を見た気がします。鈴鹿での敗戦の後、嫌いなシミュレータを使って徹底的にスタートの練習をしたとのことで、いよいよ本気で逆襲の狼煙を上げた、というところでしょうか。
ロズベルグも決して悪くはありませんでしたが、今回はハミルトンが強すぎた。まあ、スタートでリカルドに先行されながら最終的に 2 位に戻ってきたのは(VSC 導入のタイミングに助けられたとはいえ)メルセデス+ロズベルグの実力なんでしょうし、今のロズベルグには消極的な理由ではなくチャンピオン獲得のために納得ずくで「2 位キープ」を優先しているようにも見えますから、これでいいのだと思います。

チャンピオンを争う二人がそれぞれ狙ったとおりの順位を持ち帰った結果、ポイント差は 26 に縮まって残り 3 戦。タイトル争いは最終戦までもつれ込むに違いありません。

レッドブルとフェラーリによる二番手ポジション争いですが、引き続きアグレッシブに攻めるレッドブルに対して、フェラーリは今回も消極的なレースでした。チーム内に最強のライバル・フェルスタッペンを迎えたダニエル・リカルドの今年の成長は目覚ましく、もはやメルセデスの二人と並んで表彰台に立つのが当たり前になった感すらあります。これでパワーユニットの性能がもっと高ければ、今年のタイトルはリカルドも加えた三つ巴の争いになっていたに違いない。残念ながらエンジントラブルで止まってしまったフェルスタッペンも完走できていれば 4 位は確実だったはずで、もはや完全にフェラーリを置き去りにした印象。
対するフェラーリは、今年ずっとこんな感じですがマシンもイマイチならば戦略にも積極性がなく、挙げ句の果てには全く焦る必要のないピット作業でライコネン車のタイヤを留め切らないまま発車させてしまい、4 位フィニッシュできたところをノーポイントという体たらく。ヴェッテルが代わりに 4 位を獲得したものの、アグレッシブに行っていればもっと多くのポイントを獲得できていたはずで、あまりにももったいない。個人的に今のフェラーリの二人は好きなドライバーだけど、今のチーム状況だとあまり応援しようという気になれませんね。

鈴鹿で今季最悪のレースをしてしまったマクラーレン・ホンダは、今回はあれが「たまたま悪い状況が重なっただけだった」ということを証明する健闘を見せてくれました。予選こそバトンが Q1 敗退という結果だったものの(でもあれはコースインのタイミングさえ悪くなければ Q2 進出できていたと思う)、決勝ではアロンソ・バトンともにベテランらしいスタートと闘志あふれるオーバーテイクを連発し、アロンソ 5 位・バトン 9 位という今季のほぼベストリザルトを記録。フェルスタッペンとライコネンのリタイアに助けられたとはいえ、フォースインディア・ウィリアムズ・トロロッソという直接のライバルを退けての 5 位入賞は評価に値すると思います。ドライバーがアロンソでなければあのワンチャンスをモノにしてオーバーテイクはできなかったでしょうが、あそこで自信を持って仕掛けられるだけのマシンに仕上がってきたということでしょう。

今週末開催されるメキシコ GP は、第一期ホンダ F1 が初優勝を飾ったサーキットでもあり、今回以上のミラクルを期待してしまいます。まあ高地で酸素が薄く、エンジン性能による差が出やすい場所ではあるので、ホンダ的にはちょっと厳しいところかもしれませんが...。

投稿者 B : 21:21 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/09 (Sun.)

F1 日本 GP 2016 決勝

F1日本GP鈴鹿はロズベルグが他を寄せ付けず圧勝。スタート失敗のハミルトンは3位に終わる

日本 GP 決勝。抜きにくいサーキットだけに、フロントロウに並んだ二台のメルセデスの勝負はスタートで趨勢が決するだろうと思っていましたが、果たしてその通りのリザルトになりました。ロズベルグが問題なくスタートを切った一方で、ハミルトンは蹴り出しに大失敗。一気に 2 位から 8 位までポジションを落とし、この時点でハミルトンの逆転勝利は絶望的になりました。
ロズベルグはそのままレースを支配し、2 位以下とのギャップを完璧にコントロールして優勝。完全に自分の勝ちパターンに持って行くことができたレースでした。

対するハミルトンはそれでも諦めず、先行するマシンを一台一台料理していったものの、終盤に争ったフェルスタッペンが手強かった。フェルスタッペンはスペイン GP で初優勝した走りを思わせる見事な防御でハミルトンに並びかけることさえ許しませんでした。ハミルトンはトップスピードの速さを活かしてターン 1 でのオーバーテイクを何度か試みたものの、フェルスタッペンは徹底的にターン 1 での防御に集中したドライビング。残り 2 周でハミルトンは戦略を変え、130R 後のシケイン飛び込みを狙ったものの抜ききれずオーバーラン、そこで万事休すとなりました。
抜けない鈴鹿で 8 位から表彰台まで戻ってきたハミルトンの速さも賞賛に値しますが、今回はそれ以上にフェルスタッペンが素晴らしかった。今回のマン・オブ・ザ・レースはフェルスタッペンでしょうね。

予選 3-4 番手を得たフェラーリでしたが、ヴェッテルが前戦で受けたペナルティで 3 グリッド降格、ライコネンもギヤボックス交換ペナルティで 5 グリッド降格と厳しいスタートとなりました。が、ヴェッテルが 3 位を走行していたところで不可解にもピットインタイミングを引き延ばし、その間にハミルトンに易々とアンダーカットを決められるなど、今回も微妙な采配で表彰台を逃してしまいました。まああのピットインが早かったとしても最終的に抜かれていた可能性は高いでしょうが、それ以前に戦わずして負けた印象。近年のフェラーリはこういうピット判断の拙さで失っているポイントが多すぎる。来季はトラックエンジニアを交代させたほうが良いんじゃないですかね。

というわけで、夏休み前の 4 連勝で流れを味方につけたハミルトンでしたが、対するロズベルグは夏休み明けの 5 戦で既に 4 勝をマークしており、チャンピオンシップは完全にロズベルグ有利。
ポイント差もこの時点で 33pt まで開き、残り 4 戦でハミルトンが全勝してもロズベルグが全て 2 位に入れば逆転は叶わない、つまりハミルトンの自力戴冠がなくなったことになります。シーズン前半のロズベルグには精神的な脆さも見えましたが、後半は安定感が光り、これを維持できれば確かにロズベルグにもチャンピオンの資格があると言えるでしょう。ハミルトンはとにかく全勝を狙い、あとは運を天に任せるしかありません。まあ 2008 年に最終戦の最終コーナーで初戴冠をもぎ取ったハミルトンの運の強さもまた侮れないものがありますが...。

我らがマクラーレン・ホンダですが、今週末は予選から決勝まで全く良いところなしのグランプリとなりました。予選は 15-17 番手、Q1 突破できなかったバトンは次戦投入予定だった新パワーユニットを先行投入し、パワフルなエンジンで最後尾から追い上げる戦略を採ります。しかし二台とも結局最後まで見せ場を作れないまま、16-18 位でフィニッシュ。順位だけ見れば「GP2 エンジン」を搭載していた去年よりも悪い結果です。つい最近までフォースインディアやウィリアムズと中団のトップを争っていたのに、本拠地鈴鹿でザウバーと良い勝負...というところまで落ちたのではちょっと救われませんね。ホンダの PU にまだまだ戦闘力がないのも事実だと思いますが、鈴鹿は車体が生み出すダウンフォースへの依存度が高く、マシン全体のパッケージングが問われるサーキット。改めて、マクラーレン製シャシーに競争力がないことが露わになった結果と言えるでしょう。ホンダ製 PU ばかり槍玉に挙げられてますが、実際マクラーレンもパディ・ロウがメルセデスに引き抜かれた 2013 年以降、速いマシンが全く作れていませんからね。
とはいえ今シーズンのマクラーレン・ホンダは尻上がりに競争力をつけてきていることは事実。コンストラクターズポイントでは 5 位のウィリアムズにはもう届かないでしょうが、トロロッソとの間の 15pt 差を守って 6 位でシーズンを終えられる可能性は十分にあります。残り 4 戦はそれぞれ性格の異なるサーキットが続きますが、手持ちの武器を最大限に使って入賞をもぎ取っていってほしいところです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/08 (Sat.)

F1 日本 GP 2016 予選

F1日本GP予選は僚友との争い制したロズベルグが3年連続でポールポジション獲得

今年も日本 GP の週末がやって来ました。アロンソに「GP2 エンジン」と言われた昨年と違い、今年はシーズンを通じてホンダ製パワーユニットの性能も随分向上して入賞の常連となりつつあるだけに、期待していました。私はまたしても子どもの運動会とかぶってしまいテレビ観戦ですが(泣)、それがなければ本当は現地で応援したかったところ。

マクラーレン・ホンダの予選はなんとバトンがいきなりの Q1 落ち。アロンソも 15 位に沈み、久しぶりに二台揃って後方グリッドからのスタートになります。鈴鹿と同じく高速テクニカルサーキットであるベルギーで好成績を収めていたため今回も期待していたんですが、やっぱり鈴鹿がマシンに求めるレベルは高かったかー。上位ではフェラーリの二台が久しぶりにレッドブル勢を抑える予選タイムをたたき出していることもあり、現在の鈴鹿は想像以上にパワーユニット依存度の高いサーキットになっているようです。
決勝では二人とも得意なスタートダッシュを決めて早いうちに順位を上げるなり、大胆なタイヤ戦略を採って上位を狙ってほしいところ。まあ言われなくてもホンダ的にはホームグランプリなわけで、入賞を狙う戦いを仕掛けてくれるでしょうが。

それにしても驚いたのはハースですよ。開幕から数戦は入賞もあって良かったものの、中盤以降はマシンの相対的な戦闘力が落ち、ポイント圏に名前を見かけることも減ってきていました。それが今回のマシンアップデートがうまく当たったにしても、二台揃っての Q3 進出にはさすがに驚き。でも、この鈴鹿はかつてグロジャンと現チーフエンジニアである小松礼雄氏が 2013 年に(当時はロータスに所属)同じコンビで 3 位表彰台を獲得したサーキット。マシン性能のアップ以上に、小松さんなりの鈴鹿攻略法があったに違いありません。今年の小松さんはもうドライバー担当ではありませんが、久しぶりに小松&グロジャンで鈴鹿を引っかき回すレースを見せてほしいところです。

熾烈なポールポジション争いは、1/100 秒差でロズベルグが制しました。夏休み明けてからのロズベルグは予選で滅法速い。ハミルトンがミスを犯したわけではないようなので、一昨年のロズベルグの一発の速さが戻ってきたようです。鈴鹿は抜きにくくグリッド順が物を言うサーキットだけに、決勝はスタートからターン 1 までを守り切ればロズベルグ有利な状況が生まれるでしょう。
いっぽうでハミルトンは鈴鹿は絶対に落とせないレース。ここでロズベルグに優勝されてしまうと、自力でのチャンピオン獲得が消える(残り 4 戦をハミルトンが全勝しても、ロズベルグは全て 2 位に入ればロズベルグのチャンピオンが確定)だけに大事な一戦となります。かつてのセナ・プロのようなアクシデントが起こってしまう可能性も否定できませんが、是非ともクリーンなレースで勝負をつけてほしいところ。

明日の鈴鹿はどうやら午前中は雨、そしてお昼から晴れていくという天気になる模様。スタート時点での路面がまだウェットなのか乾いているのか、によってもレース展開は全然変わってきます。一昨年のビアンキの事故のようなことは起きてほしくないけど、何かしら番狂わせが起きてくれることは期待してしまいますね。
来季の休養が決まっているバトンにとっても今回がいったん鈴鹿ラストランになるわけで、思い出に残るレースを見せてほしいと思います。

投稿者 B : 21:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/10/03 (Mon.)

F1 マレーシア GP 2016

マレーシアGP決勝 波乱のレースでレッドブル1ー2!

鈴鹿の前哨戦、マレーシア GP。そろそろチャンピオンシップも佳境に入り、ハミルトンとロズベルグがどのような戦いを繰り広げるのか...と思っていたら、まさかの伏兵レッドブルが 1-2 フィニッシュ!これにはちょっと驚きました。

予選は完全にハミルトンのターン。ロズベルグもレッドブル勢に脅かされながら何とか二番手につけましたが、スタート直後の混乱でヴェッテルがロズベルグに追突。ヴェッテルはそのままリタイア、ロズベルグも後方からの追い上げを余儀なくされます。
そのままハミルトンが楽勝か、と思いきや、残り 15 周で突然ハミルトン車のエンジンがブロー!目前にしていた 25 ポイントがゼロに。今季のハミルトンはとことんパワーユニットの信頼性に恵まれていませんね...。

勝ったのはその時点で 2 位につけていたリカルド。レッドブルの二台はタイヤ戦略の違いで、途中フレッシュタイヤを履いたフェルスタッペンがリカルドを抜きにかかる場面がありましたが、リカルドがそれをブロック。チーム的にはここでフェルスタッペンに先行させたほうがまだ優勝の可能性があるのでは、と思いましたが、リカルドにとっては結果的にそれが幸運を呼び込みました。チームとしても今季スペイン GP・モナコ GP でリカルドに与えられたはずの優勝をみすみす逃してしまった経緯があるだけに、最後はポジションをキープさせる選択をした側面もあったのでしょう。いずれにしてもレッドブルの二台の攻防はモータースポーツとして気持ちの良いもので、毎戦こういう優勝争いが繰り広げられてほしいものだ、と感じました。

3 位に入ったのは追い上げてきたロズベルグ。今季のメルセデスは後方からの追い上げでも必ず表彰台付近まで上がってきますね。もはや 1 チームだけ別カテゴリのレースを戦っていると言って良い状況。
チャンピオンシップは残り 5 戦で 23pt 差となりました。ハミルトンがあのまま勝っていればまたほとんどポイント差のない状況が生まれていただけに、ハミルトンとしては悔やんでも悔やみきれない結果でしょう。まだ 5 戦あれば十分再逆転できる差ではあるけれど、ハミルトンが改めて強さを見せるのか、ロズベルグがこの差を守り切るのか。いよいよ面白くなってきました。

マクラーレン・ホンダは今季三度目のダブル入賞で、鈴鹿に向けていい勢いがつきました。バトンは予選 9 位から一時は 4 位を走行していたにもかかわらず、バーチャルセーフティカー導入のアヤで順位を失いグリッド通りの 9 位というのが悔しいところではありますが、対照的にアロンソが素晴らしかった。翌週の日本 GP に向けて、いわば「鈴鹿スペシャル」とも言える最新アップデート版の PU をフリー走行に投入。しかしマイレージ節約のため予選では旧 PU に戻し、PU 交換ペナルティを受けて最後尾スタートとなります。決勝ではいつものようにジャンプスタートを決めて一気にポイント圏まで上がり、バトンとは逆にバーチャルセーフティカーのタイミングもうまくハマって 7 位入賞。あまり国際映像に映らなかったので気がついたらバトンの前にいたときには驚きましたが、最終的には二台ともフォースインディアと渡り合っての 7-9 フィニッシュは健闘したと言えます。今回のアロンソは旧 PU での結果ですが、鈴鹿ではさらに戦闘力が高まった PU で走れるのがさらに期待を持たせます(バトンは PU ローテーションの関係で鈴鹿の次、アメリカで新 PU 投入予定)。

波乱もあり、とても面白いレースでした。
そしてマクラーレン・ホンダにとってもう一つの母国 GP となる鈴鹿はもう今週末。既に今日から各チームは日本入りしているようなので、都内では明日~明後日あたりドライバーやチーム関係者に遭遇する機会があるかもしれません(笑。

投稿者 B : 22:56 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/09/20 (Tue.)

F1 シンガポール GP 2016

シンガポールGP決勝 ロズベルグ優勝、ランキングトップに

F1 はヨーロッパラウンドを終え、アジア方面への終盤戦フライアウェイに突入しました。ナイトレースのシンガポール GP、こういう公道コースはハミルトンが大得意とするところ。完勝でランキングトップを盤石のものにするかと思いきや、予想とは全く逆の結末になりました。

今回のレースは予選からロズベルグが速かった。Q3 ではハミルトン自身のミスもあり、かつストレートが少ないコース特性もあってレッドブルやフェラーリが健闘。ロズベルグ PP にリカルドが 2 番手につけ、ハミルトンは 3 番グリッドからのスタートになります。
決勝スタートはロズベルグもハミルトンも大きな失敗なく蹴り出したものの、後方でクラッシュがありスタート早々にセーフティカー導入。結果、上位のトラックポジションはスタート時のまま固定されます。そこへメルセデスの二台にブレーキの冷却トラブルが発生し、思った通りにペースが上げられないという問題に見舞われます。クリーンエアを受けながら走れる首位ロズベルグはまだしも、追い上げ展開となったハミルトンにこの状況は厳しい。中盤までこのまま膠着状態が続き、いっぽう後方からは予選でのマシントラブルでほぼ最後尾スタートとなったヴェッテルが猛烈なペースで追い上げてきています。
33 周目、ずっとチャンスをうかがっていたライコネンがハミルトンのミスを見逃さずに乾坤一擲のオーバーテイク!ハミルトンは 4 位に順位を落とします。このままでは表彰台すら逃してしまうハミルトンはピット戦略を変更し、その時点で履いていたタイヤを使い切るまでペースアップした後にスーパーソフトに交換。ポジションを守りたいフェラーリは、ギリギリまでタイヤ交換を迷った挙げ句ピットインしたところ、結果的にハミルトンにアンダーカットを許してしまいました。これは完全にフェラーリの判断が遅すぎた。今季のフェラーリ不振はマシン開発の停滞もさることながら、こういうオペレーションの拙さで落としているポイントがあまりにも多いことに原因があると思います。

終盤はリカルドが魅せてくれました。残り 13 周でピットインしスーパーソフトタイヤに交換すると、怒濤の追い上げで 1 周 2~3 秒ずつロズベルグとの差を詰めていきます。ロズベルグもタイヤ交換をして合わせに行くかと思われましたが、そのままステイアウト。これはもしかするとフェラーリのように判断が裏目に出るのでは...と思われましたが、リカルドが追いつくよりも先にスーパーソフトタイヤのパフォーマンスが落ち始め、わずか 0.5 秒差を守ったロズベルグがそのままトップチェッカー。
結果的にはメルセデスの 1-3 フィニッシュだったとはいえ、メルセデスがこうしてフェラーリにオーバーテイクされたりレッドブルに追い立てられたりするレースは久しぶりで、非常に見応えがありました。メルセデスのブレーキに不安があったのが一因ではありますが、これだけ面白いレースを魅せてくれたライコネンとリカルドには拍手を送りたい。

このレースの結果、チャンピオンシップでは再びロズベルグがランキングトップに返り咲きました。この期に及んでまだロズベルグがハミルトンを直接対決で下したと言えるレースがないのは気になりますが、いよいよ残り 6 戦、ロズベルグが今回のように予選から決勝まで完璧なレースを組み立てることができれば、彼岸のチャンピオン獲得の可能性は十分にあり得ます。いっぽうのハミルトンはまだ全く自信を失っていないでしょうから、トラブルなく自分らしい走りに集中できるかどうかにかかっていると言えます。

マクラーレン・ホンダは、予選は最近の定位置付近と言える 9・12 番手。マシン性能の差が出にくく、またセーフティカーがほぼ確実に導入されるレースで上位入賞が期待されましたが、バトンはスタート直後の接触が原因でほとんど走らない間にリタイア。アロンソは得意のジャンプスタートを決め中盤まで 5 番手を走行するなど、安定感ある速さを見せてくれました。その後ヴェッテルとフェルスタッペンに交わされたものの、後続を寄せ付けず 7 位フィニッシュ。6 位までは「三強」が順当に二台ずつ収まったことを考えると、確実に中堅チームのトップを争える実力がついていることが確認できたと言えます。さすがにこれから 50pt 差のあるフォースインディアやウィリアムズに追いつくことは難しいかもしれませんが、トロロッソを抑えてコンストラクターズ 6 位の座は確実なものにしてほしいところ。

次は 16 年ぶりの秋開催となるマレーシア GP。さらにその翌週には日本 GP が控えていることもあり、マクラーレン・ホンダのさらなる躍進に期待したいところです。

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2016/09/06 (Tue.)

F1 マッサが引退、バトンが一年休養へ

例年、いくつかのチームが来季の体制発表を行う F1 イタリア GP。今年はフェラーリが現行体制キープということでそのへんの動きはありませんでしたが、他チームのベテランドライバーによる発表がありました。

マッサ 今季限りでF1引退 - GPUpdate.net

まずはフェリペ・マッサ。長年フェラーリドライバーとして活動してきた思い入れが強いのか、M. シューマッハーが 10 年前に一度目の引退を発表したイタリア GP の場で、自信の引退を発表。数年前からシート喪失の噂があったので、思ったより長く現役でいられたなという印象の方が強いですが...若手の期待株としてフェラーリに抜擢された頃のことを思えば、長い年月が経ったんだなあと実感します。
ザウバーから「シューマッハーの弟子」的な位置づけでフェラーリ入りし、2008 年にハミルトンと最終戦最終ラップまでチャンピオン争いを演じた頃までがマッサのピークだったでしょうか。2009 年にレース中のアクシデントで一時休養したあたりから、速さよりも弱さが目立ちました。フェラーリにアロンソが加入してからは完全にセカンドドライバー扱い、ウィリアムズに移籍してからはしばらくチームの牽引役を担ってはいたものの、近年はボッタスの引き立て役になってしまっていることも多く、同郷の先輩バリチェロ同様にエースにはなりきれなかった星回りが不幸でした。それでもトルコ GP を三連覇するなど「ハマれば速い」のもマッサの印象でした。
思い返せばこの 10 年、トップチームのシートに座り続けたドライバーも二桁もいないわけで、そういう意味では近年の F1 を支えたドライバーの一人だったと思います。お疲れさまでした。

マクラーレン ファンドーネ昇格、バトンはリザーブに

続いてジェンソン・バトン。少し前までの噂では引退するマッサの後釜としてウィリアムズに移籍、空いたマクラーレンのシートにはストフェル・バンドーンが昇格すると言われてきましたが、意外にもバトンはウィリアムズには行かず、一年間のサバティカル(休暇)を取るとのこと。以前からバトンは「競争力のあるチームでなければ移籍はしない」と発言しており、去年までのウィリアムズならばマクラーレン・ホンダよりも条件は良かったと言えるでしょうが、今季のウィリアムズを見るとその速さに継続性があるかは疑問。マクラーレンはバンドーンにシートを与えたく、アロンソにはまだ契約があるとなれば、自ずと選択肢は限られてきます。イタリア GP の解説で川井ちゃんが「プライベートな問題もあって自分の時間を作りたいようだ」とコメントしていましたが、道端ジェシカさんと結婚してスピード離婚したのも、もしかするとそのプライベートの時間のなさに原因があるのかもしれません。
バトンは休暇中もマクラーレン・ホンダのリザーブドライバーとして契約を継続するとのことで、今年のバーレーン GP のようにレギュラードライバーに不慮の事態があった際には再びステアリングを握ることになります。また、アロンソのマクラーレンとの契約は 2017 年末までのため、競争力のあるチームで走りたいバトンとしては、三強以外のチームに移籍するくらいならアロンソ離脱後のシートに収まったほうがまだ勝てる可能性がある、と見ている可能性もあります。いずれにしても、長年ホンダとともに走ってきたドライバーがマクラーレン・ホンダの復活を見届けずに引退してしまうのは寂しい話なので、もうしばらくホンダのロゴを胸に掲げたバトンの姿が見られるというのは嬉しいところ。

これで来季のストーブリーグはメルセデス/レッドブル/フェラーリ/マクラーレンのシートが確定。ウィリアムズ/フォースインディア/トロロッソ/ハース/ザウバーは片方のシートが空いていると言われており、ルノー/マノーは白紙に近い状態。カギを握るのはペレスがどのチームに移籍するか、そして若手ホープであるウェーレインをメルセデスがどのチームに押し込むか、あたりから芋づる式にパズルのピースがはまっていきそうです。

投稿者 B : 22:10 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/09/05 (Mon.)

F1 イタリア GP 2016

イタリアGP決勝 ロズベルグ優勝、ハミルトンが2位

F1 きってのパワーサーキットであるイタリア・モンツァ。レース前から完全にメルセデスのためのグランプリになることは見えていましたが、結果的にそのとおりのワンサイドゲームになりました。

予選はハミルトンがこのサーキットとの相性の良さを見せつけて PP。2 番手にロズベルグがつけます。が、決勝のスタートでハミルトンが久々に失敗、ロズベルグに首位を奪われたばかりか、その間にフェラーリやウィリアムズが割り込んできてしまいます。前を走るウィリアムズのボッタスを料理するのに数周を要する間にロズベルグは大きなギャップを構築。他チームとは明らかにペースの異なるメルセデスのマシンとタイヤ戦略の違いもあって、ハミルトンは難なくフェラーリを交わして 2 番手に戻ったものの、最後までロズベルグとのギャップを詰め切れず。レース自体もオーバーテイクの少ない単調な展開のまま、1 位ロズベルグ・2 位ハミルトンでフィニッシュ。これでチャンピオンシップは 2pt 差、みたび振り出しに戻ったと言えます。
振り出しに戻るといえば、ハミルトンは前戦ベルギーで 55 グリッド分という莫大なペナルティ(ただし 1 戦のみでペナルティは消滅)を受けてフレッシュエンジン 3 基を手に入れ、残りレースを戦うためのパワーユニット数という点ではロズベルグとほぼ同条件。スタートのシステムに不安があるという点でも両者に差はないので、残り 7 戦という時点でほぼ完全にイコールコンディションでのチャンピオン争いとなります。残るレースもドライバーの実力が試されるサーキット揃いで、本当に強いドライバーはどちらか、直接対決を制したほうがチャンピオンを獲得することになります。ロズベルグが今度こそハミルトンというライバルを精神的に克服できるのか、改めてハミルトンが強さを見せつけるのか。

いっぽう、ベルギーで印象的な速さを見せたマクラーレン・ホンダですが、これだけパワーユニットへの依存度が高いサーキットではそこまでの力は示せませんでした。予選は 12・14 位、決勝はバトンとアロンソの順番が入れ替わったものの同じく 12・14 位。今のホンダ製 PU はデプロイメント(エネルギー回生)の効率はかなり向上しているため複合サーキットであればそれなりに実力を発揮できますが、こういうストレートスピードが物を言うサーキットではターボ性能でライバルに敵わない弱点が露呈しますね。
しかし決勝では終盤、アロンソが目先の順位を捨てて狙いに行った一発アタックで決勝レース中のファステストラップを記録!絞り出せばそれだけのポテンシャルがある PU であることを証明してみせました。アロンソは以前からこうやって単に完走するだけではないレースの戦い方を模索してきていましたが、これは終盤戦に向けてチームとファンを鼓舞するパフォーマンスだったと思います。少なくとも今のマシンであれば次のシンガポールは期待ができるし、ベルギーの状況を考えれば鈴鹿やテキサスのようなサーキットでもいい戦いができるはず。

二週間後のシンガポール GP はセーフティカーが入る確率が高く、番狂わせもあり得るサーキット。何が起きるか、見てみたいと思います。

投稿者 B : 22:19 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/08/30 (Tue.)

F1 ベルギー GP 2016

ベルギーGP決勝 ロズベルグ優勝、ハミルトン3位

F1 も夏休みが明けていよいよ後半戦。いきなりハイレベルなテクニカルサーキットであるベルギーからの再開となりました。

夏休み前についにチャンピオン争いでトップに立ったハミルトンですが、今回のレースでは今季 6 基目のパワーユニットを投入して、いきなりの 10 グリッドダウンペナルティが予選前から確定。予選も早々に Q1 からマイレージを温存する戦略で、ほぼ最後尾スタートが確定します。対するロズベルグは、レッドブルやフェラーリの猛攻に圧されながらも PP 獲得。しかしレッドブルもフェラーリもマシンの仕上がりは良く、決勝は激しい争いが予想されます。

が、スタート直後から波乱がありました。スタートに失敗した 2 番手のフェルスタッペンと、ロズベルグを追いかけたいフェラーリの二台が 1 コーナーでスリーワイドの競り合いの末に接触。あの狭いコーナーを二台で回ったら(しかも両端の二台は真ん中のライコネンの向こう側はほぼ見えていない)そりゃ行き場もなくなるよねという感じでしたが、これでこの三台は早々にトップ争いから脱落。三台はその後も因縁があるかのようにレース中ずっと競り合っている状況でしたが、みんな頭に血が上っているようで、それはそれで面白かった(笑
これで楽になったのはロズベルグ。ハミルトンもさすがに優勝争いに絡んで来れない状況では、難なくチェッカーまでクルマを運ぶだけの仕事でした。ロズベルグにとってはこういうときにちゃんとポイントを稼ぐことが大事。でも、直接対決でハミルトンを下さない限り、チャンピオンの資格は満たさないとも思いますが。

21 番グリッドからのスタートとなったハミルトンですが、こういうレースで運が回ってくるのがチャンピオンのチャンピオンたる所以なんですよね。スタートでガッツリ順位を上げつつ、6 周目のマグヌッセンの事故に伴うセーフティカー導入時にステイアウトした結果、赤旗中断となったために 5 位でタイヤ交換を済ませてリスタートできる状況に。その後も攻め続け、途中不可解なピットストップ(残り 22 周、ミディアムタイヤで走り切れそうなところを一回ソフトを挟んでミディアムに交換)はあったものの、なんと 21 番手から 3 位表彰台を獲得。ロズベルグとのポイント差は 10 点詰まって「9」となったものの、PU 交換のペナルティとしては最小限のダメージで食い止めた、と言って良いと思います。

フェルスタッペンとフェラーリ二台のバトルは面白かったけど、こういうレースでしっかり 2 位に食い込めるリカルドの実力も大したもの。今季はフェルスタッペンのインパクトにやや陰が薄れがちですが、持ち前の勝負強さに安定感が伴ってきて、このリカルドとフェルスタッペンというレッドブルのコンビは今の F1 で一番面白いですね。
そして見逃せないのは 4-5 位に入ったフォースインディア。終盤のハミルトンの追い上げにはさすがに敵わなかったものの、現時点で三強の次は間違いなくこのチームでしょう。気がつけば確実にポイント圏内を走り、ほぼ開発の止まったウィリアムズやトロロッソよりも明らかに競争力があると言えます。コンストラクターズポイントでもついに 4 位に浮上し、チーム設立以来最高のシーズンを形にしつつあります。

マクラーレン・ホンダは、望みうる最高の形ではなかったものの、トークンを使用したパワーユニットの大幅アップデートを実施。アロンソは Q1 でトラブルのためタイム計測さえできずに終わってしまいましたが、この高速サーキットでバトンが 9 番グリッドを獲得する大健闘。
決勝では、逆にバトンがオープニングラップでウェーレインに追突されてリタイアという残念な結果でしたが、今度はアロンソが最後尾スタートから 7 位フィニッシュ。一時は 4 番手を走行し、前を走る誰かにマシントラブルが発生したら表彰台か!?とさえ期待させてくれました。結局ハミルトンとフォースインディアのペースにはついて行けず順位を落としましたが、去年までは優勝を争っていたウィリアムズの二台を抑え込んだのは実力とみて良さそうです。これで予選のアロンソと決勝のバトンそれぞれのアクシデントがなければもっと上を狙えていたと思うと、今季の残りのレースには期待せざるを得ません。

とはいえ次は F1 で最もトップスピード依存度の高いイタリア GP なので過度な期待はできませんが(笑)、もしこのモンツァで今回のような結果が出せればいよいよこの速さは本物、ということになります。ちょっと期待せずにはいられません。

投稿者 B : 22:30 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/08/02 (Tue.)

F1 ドイツ GP 2016

ドイツGP決勝 ハミルトンが優勝、レッドブル2台が続く

夏休み前最後のレースとなったドイツ GP。昨年は開催されなかったため、二年ぶりにドイツの地で F1 が走ることになりました。

今回の焦点はハミルトンがここ数戦の勢いを継続させるのか、それともロズベルグがホームレースの利を活かして逆襲に待ったをかけるのか、でしたが、今回も完全にハミルトンのレースでした。まるでハンガリーのリプレイを見ているかのように、PP のロズベルグがスタートに失敗してハミルトンが先行逃げ切りという、チャンピオン争い的には盛り上がりに欠ける内容でした。

前半戦ではマシントラブルやスタート時のクラッチミート失敗が多く、流れを掴めずにいたハミルトンですが、ここに来てマシンの信頼性も高まり、スタートのシステム調整と本人の感覚がうまくリンクするようになったようで、昨年のような手のつけられない速さを再び発揮するようになりました。パワーユニットはレギュレーションで定められた年間 5 基を使い切ってしまっており、次の PU 投入時にはペナルティが科せられることになりますが、今回のレースではあえてパワーユニットを労って後続との差をキープしても余裕で勝てる、という面さえ見せつけられた感があります。今のハミルトンにはむしろ、この PU の状況さえちょうど良いハンディキャップになっているのかも。
ロズベルグはスタートに失敗しただけでなく、その後レッドブルの二台を抜きあぐねた結果、コーナリングの飛び込みでフェルスタッペンを押し出してしまい、5 秒のピットストップペナルティを科せられます。運の悪いことに、そのペナルティ実行時にストップウォッチが作動せず、10 秒近いストップになってしまった結果、レッドブルの後塵を拝す 4 位フィニッシュ。あそこで焦らずに落ち着いて対処していれば 2 位フィニッシュでダメージを最小限に抑えられた可能性が高かっただけに残念です。もはや完全に去年までのロズベルグに戻ってしまった印象ですが、よく考えればロズベルグ自身は何も変わっておらず、ハミルトンが本来の強さを取り戻しただけのようにも思えてきます。

ロズベルグの失策があったとはいえ、2-3 位を占めたレッドブルは賞賛されるべきでしょう。ハンガリーでもリカルド vs ヴェッテル、フェルスタッペン vs ライコネンのレッドブル vs フェラーリ対決をともに制しましたが、今回も二台揃ってフェラーリに先行し、ついにコンストラクターズランキングでフェラーリを逆転しました。正直、出力でフェラーリに劣るルノー製 PU を搭載してここまで健闘するとは開幕前には思ってもいませんでした。が、ルノー製 PU の性能向上もさることながら、シャシーを含めたマシン全体のパッケージングが優れていることと、若い二人のドライバーが切磋琢磨していることの効果が大きいのだと思います。片や、来季にフォーカスを移したかのように見えるフェラーリ。来年どうなるかは分かりませんが、少なくとも今年のレースを面白くしてくれているのはレッドブルだと思います。

ハンガリー GP で初のダブル Q3 進出を果たしたマクラーレン・ホンダ。とはいえハンガリーはマシン性能よりもドライバーの力が物を言うサーキットであり、これが今のチームの実力だとは思っていません。実際、全開率の高いここホッケンハイムでは、12-13 番グリッドを確保するのがやっとであり、これが順当な「一発の速さ」でみたマシン性能といったところでしょう。が、レースペースは決して悪くなく、終盤まで二台で 9-10 位をキープしたまま走り続けていました。先にタイヤがタレてきたアロンソが残り 3 周で残念ながらペレスに交わされ入賞圏外へと落ちてしまいましたが、バトンは逆に残り 2 周でボッタスをパスして 8 位にポジションアップし、チェッカーを受けました。従来ならホンダが苦手としてきたパワーサーキットで、終盤にウィリアムズをオーバーテイクできたのは、実力がついてきた証拠と言えます。
ホンダのパワーユニットは予選モードで走らせるとトップ 10 にはまだ一歩届かないパフォーマンスしかありませんが、レースペースと信頼性に関しては一定のレベルに達したと言えます。そして、昨年から今年序盤までなかなか上がってこなかったシャシー性能も、ここに来てようやく上向き、PU の性能向上と咬み合ってきました。マクラーレンは昔からシーズン中盤以降の開発力には定評があり、かつ他チームが来年を見据えて開発の手を止め始めたタイミングもあって、総合的なパフォーマンスではウィリアムズ、フォースインディアあたりと互角以上の戦いができるようになってきましたね。ウィリアムズもフォースインディアもマシン開発はもう止まってきているように見えますし、脅威だったトロロッソもフェルスタッペンをレッドブルに引き抜かれてからはあまり冴えていません。コンストラクターズポイントでは 6 位のトロロッソに 3pt 差と、完全に背中が見えた状態。夏休み明けのベルギー GP では内燃機関を刷新した PU の投入が確実視されていますし、ここからどれだけパフォーマンスを伸ばせるか。ウィリアムズやフォースインディアとの差はまだ大きいですが、最終的に「三強の次」のポジションを三つ巴で争える位置まで上がってきてほしいところです。

次は今月末のベルギーまで、F1 は少し短い夏休み。この間にマクラーレン・ホンダがどこまで開発を進められるか、期待して見守りたいと思います。

投稿者 B : 21:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/07/27 (Wed.)

F1 ハンガリー GP 2016

ハンガリーGP決勝 ハミルトンが優勝、ロズベルグ2位

モナコ以来、久しぶりの低速サーキットであるハンガロリンクでは、二つ注目ポイントがありました。一つはチャンピオン争いを 1pt 差まで詰めたハミルトンが、大得意のハンガリーでどのような逆転劇を見せるか。それからチーム力を徐々に上げてきたマクラーレン・ホンダが初の Q3 ダブル進出とダブル入賞を果たせる最大のチャンスでもあるわけで、期待の高まるレースでした。

予選は降雨の影響で中断に次ぐ中断。最終的には、イエローフラッグが振られたタイミングのアヤでロズベルグが PP を獲得しましたが、流れとしては完全にハミルトンでした。
決勝は、ロズベルグもスタートは悪くなかったものの、ハミルトンが久しぶりにいいスタートを決めてターン 1 にトップで飛び込みます。その後は最後までロズベルグとのギャップをコントロールし切り、難なくチャンピオンシップ首位に立ちました。

ハンガロリンクはマシン性能(特にトップスピード)の差が出にくいサーキットなので、もっとメルセデスとレッドブルやフェラーリとの差が縮まるのではないかと予想していました。が、スタート後からあっという間にメルセデスの 2 台が後続との差を広げて、まるで別カテゴリのようなレースを繰り広げていました。このサーキットでここまで差をつけられてしまうと、もう他チームは今季メルセデスに対してやれることは何もないのではないでしょうか。
そのメルセデスの中でも、ロズベルグは結局最後までハミルトンに攻撃らしい攻撃もできないまま、みすみすチャンピオンシップの主導権を奪われてしまいました。相手に勝てないときは 2 位を確実に獲り続けることが逆転へのセオリーではありますが、今のロズベルグにはハミルトンとの立場を入れ替えられる要素が見当たりません。一度でも直接対決でハミルトンを下すことができればまだチャンスはあると思いますが、ホームレースである次のホッケンハイムでそれが可能かどうか。

3 位以下も面白いレースでした。3-4 位はリカルドとヴェッテル、5-6 位はフェルスタッペンとライコネン、というどちらもレッドブル/フェラーリ対決。しかしどちらもレッドブルが制したことが、サーキット特性で差が縮まったとはいえ今はもうフェラーリよりもレッドブルのほうが速いことを証明していると言えます。ドライバー的にも勢いがあるのはレッドブル。コンストラクターズポイントでも 1pt 差に迫られ、レッドブルに逆転されるのも時間の問題のように思えます。フェラーリは既にマシン開発の焦点を来年に向けているようにも見えますが、今後の逆襲はあるのかどうか。

マクラーレン・ホンダは見事、現体制になって以来初の予選ダブル Q3 進出を果たしました。ハンガリー GP だけにマシン性能よりもドライバーの実力によるところが大きいでしょうが、チームにとっても大きな自信になったはず。決勝ではバトンこそマシントラブルでこのレース唯一のリタイアとなってしまいましたが、アロンソは最後までいい走りを見せ、7 位入賞。三強が一台も脱落せずにチェッカーフラッグを受けたことを考えると、少なくとも「それ以外のチームでのトップ」であったことは事実で、これもまた大きな自信になったのではないでしょうか。
今回はマシンの性能ではなくドライバーの力で結果を出せたとはいえ、こういう形で結果が出てくることで前に進む力になるのもまたチームスポーツ。とりあえず、鈴鹿に帰ってくるまでの間にこの「三強の次」のポジションを盤石にしてほしいものです。

次のレースはもう今週末、ドイツ・ホッケンハイムサーキット。夏休み前最後のレースですが、チャンピオンシップは誰が首位で折り返すことになるのか。なんかこのままハミルトンが独走態勢に入りそうな気がしないでもないですが、ロズベルグにはせめて地元で一矢報いてほしいところです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/07/12 (Tue.)

F1 イギリス GP 2016

イギリスGP決勝 ハミルトンが母国グランプリを制す - GPUpdate.net
ロズベルグに10秒ペナルティ - GPUpdate.net

2016 年シーズンの折り返し地点、イギリス GP。モナコ GP 以降はハミルトンのためのシーズンと思えるようなレースが続いていますが、ホームグランプリであるシルバーストンでも彼の強さが際立っていました。

予選から他者を寄せ付けない速さで PP。ウェットコンディションでセーフティカー先導によるローリングスタートとなった決勝も、最後までほぼ影をも踏ませない圧倒的な強さを見せつけて完勝。得意なコースにマシンが完璧に合い、一人だけ違うカテゴリのレースを走っているかのようでした。
対照的だったのがロズベルグ。予選こそハミルトンの後ろにつけたものの、決勝では濡れた路面でハミルトンのペースについて行けず、中盤には一度フェルスタッペンにオーバーテイクされる場面さえありました。最後はギヤボックストラブルで 7 速を失い、なんとか 2 位をキープしてチェッカーフラッグを受けたものの、ギヤボックストラブル発生時のピットとの無線通信がレギュレーション違反(今シーズンより、ドライバーは運転について無線による援助を受けてはいけない)と判定され、タイムペナルティを科されて 3 位に転落。その結果、ドライバーズチャンピオンシップはついにロズベルグとハミルトンが 1 ポイント差にまで近づきました。

個人的には、現行レギュレーションの無線規定はちょっと厳しすぎるし、制限を課すならチームオーダーを禁止したほうが F1 のショーアップのためには面白いんじゃないのとさえ思いますが、ルールはルール。負け始めると冷静さを欠くのがロズベルグの弱いところですが、もはや精神的にはハミルトンのほうが上位にいるんじゃないですかね。

いっぽうで見事だったのはフェルスタッペン。今シーズンのメルセデスをまともにオーバーテイクしたのはフェルスタッペンが初めてじゃないですかね。スペイン GP での初優勝後、ハミルトン以外のドライバーの中で最も勢いを感じるのがフェルスタッペンです。速いし冷静だしブロックも巧い。若さゆえのミスも時折見られますが、今のフェルスタッペンをメルセデスに乗せたらハミルトンすら凌ぐんじゃないか、とさえ思います。最終的に 2 位が転がり込んできたのは、最後まで諦めずにロズベルグを追いかけ続けた彼自身の成果でしょう。マシン性能も今やフェラーリを完全に超えているように見えますし、今季中にあと 1 勝しても不思議はありません。僚友リカルドも十分健闘しているはずですが、今のフェルスタッペンの勢いの前には霞んでしまいます。

マクラーレン・ホンダは残念なことにノーポイントフィニッシュ。予選では「もう大丈夫」という判断が早すぎてバトンが Q1 落ちという情けないピット判断もありましたが、マシンの総合力が問われるシルバーストンでアロンソが Q3 進出したことは、着実に速さがついてきている証拠でしょうし、Q1 での判断ミスもその自身の裏返しという見方もできます。そしてレース内容自体も決して悪くなかった。メルセデス製 PU を搭載したウィリアムズをオーバーテイクするなど、十分にバトルができていましたし、ピット戦略で奇襲をかけていればポイント争いにも絡めたはず。近年のマクラーレンはレース戦略がコンサバすぎて、どうせ失うものなんてないのになんでここで攻めないのか...というレースが少なくありませんが、今回はその悪い面が顕著に出てしまいました。
でも、この内容ならば鈴鹿でも 2 台揃っての Q3 進出やダブル入賞は狙えるポジションだと思うので、今後のさらなる伸びに期待です。

次戦ハンガリーは久しぶりの低速サーキット。マクラーレン・ホンダ的にもポイント獲得の可能性がさらに高まるサーキットですし、チャンピオンシップ面でもシーズンの半分を過ぎて「リセット」された状態で臨むグランプリ。波乱が起きることが少なくないサーキットですし、何か面白いことが起きてほしいところです。

投稿者 B : 22:01 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/07/04 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2016

オーストリアGP決勝 ハミルトン優勝、最終ラップでドラマ

レッドブルのホームレースであるオーストリア GP。とはいえメルセデス最速は変わらないだろう、という予想通りのレースにはなりましたが、それでも見所の多いグランプリでした。

まずは予選、Q2 の終わりに降り出した雨によりウェットからドライに変わっていくコンディションとなった Q3。こういう状況下で滅法強いのが、バトンとヒュルケンベルグです。バトンは初優勝を挙げた 2006 年のハンガリー GP がこんな天候だったし、ヒュルケンベルグはデビューイヤーの 2010 年ブラジル GP の予選で同様の状況下で初 PP 獲得。今回も、二人がそれを彷彿とさせる見事な戦略とドライビングで、戦闘力に劣るマシンながらヒュルケンベルグが 3 位、バトンが 5 位を獲得。しかもロズベルグとヴェッテルのギヤボックス交換ペナルティによりヒュルケンベルグが 2 番手、バトンが 3 番手グリッドを獲得するという金星を挙げました。
PP は例によってハミルトンでしたが、この時点で決勝への期待は高まります。

決勝はハミルトンが今回はスタートをうまく決め、トップのまま 1 周目を走破。しかしスタート時に履いていたウルトラソフトはライフが短く、一足先にピットインして代わりにヴェッテルが首位に立ちます。が、ヴェッテルもトップ走行中の 27 周目、突然のタイヤバーストでそのまま戦線離脱。今回のレースではおそらく勝てるペースはなかったにせよ、十分に表彰台を狙えるパフォーマンスはあっただけに残念です。今季のフェラーリはとにかく安定して上位入賞を続けられないですね...。
その後はロズベルグがトップを走り、タイヤ交換後に追い上げてきたハミルトンが後ろにつける序列に。とはいえ、ピット戦略的にはハミルトンはそのままゴールまで走りきれるライフのタイヤを履いており、ロズベルグのタイヤ交換の間に順序が入れ替わる計算。...かと思ったら、ロズベルグがタイヤ交換する 1 周前にハミルトンが 2 度目のピットイン!タイヤライフに自信がなかったのか、先にピットインしてアンダーカットを決めようという算段だったのか分かりませんが、結果的にこのピット戦略は失敗に終わり、共に最後のピットインを終えた段階でロズベルグが前。しかしその後のペースはハミルトンのほうが速く、どこで仕掛けるか手に汗握る展開となります。

そして事件が起きたのはファイナルラップ。ハミルトンがオーバーテイクを仕掛けたところでロズベルグと交錯し、ハミルトンがコース外に弾き飛ばされます。が、戻ってきたハミルトンとロスベルグが再度接触。ハミルトンは深刻なダメージもなくそのままチェッカーを受けられましたが、一方のロズベルグはフロントウィングが脱落してペースダウン、4 位でゴールがやっとでした。

これまでのレースではハミルトンがロズベルグをコース外に押し出した印象が強く、逆にロズベルグはハミルトンとあまり接触しないか、接触してもダメージを受ける側であったことが多いように思います。そういう意味では(故意だったかはさておき)「相手を押し出してでも勝つんだ」という意志を見せたことは進歩だと思いますが、結果的に自分がダメージを受けてしまうあたりがやっぱりロズベルグだなあ、と思います。やるなら素ポーティングレギュレーションに抵触しない範囲で相手にダメージを与えないと(笑。もちろん純粋な速さで勝つのが本来あるべき姿ですが、こういう接近戦になったときの強さもチャンピオンの器の一つであり、ハミルトンにはそれがあってロズベルグにはやっぱりない、というのが改めて明らかになったレースだったと思います。ロズベルグはまだ 11pt 差で首位を守ってはいますが、メンタル的にはもうハミルトンに負けているんじゃないですかね...。
しかし、むしろこの接触の原因を作ったのはドライバーではなくメルセデスチームではないかと。ハミルトンの二度目のピットストップは必要なかったはずで、あそこでハミルトンをステイアウトさせていれば問題なく 1-2 フィニッシュが飾れていたのではないか。もしかしたら実際にハミルトンのタイヤに問題が生じていた可能性もありますが、チームとしてはマネジメントすべきところだったんじゃないですかね。まあいちファンとしては、シーズンが荒れてくれたほうが面白いのですが(ぉ

今回は久しぶりに国際映像もトップ争いを中心に写していて、中団以下の状況が分かりにくかったですが、それでも再び表彰台に立ったフェルスタッペン、下位チームからのデビューイヤーで初ポイントを獲得したウェーレイン、そして何より自身の今季最高位である 6 位入賞を果たしたバトンなど、いつもとは違うレース内容で非常に楽しめました。特にマクラーレン・ホンダはアロンソこそマシントラブルで完走できなかったものの、バトンの 6 位というのが素晴らしい。3 位スタートで 6 位なのは通常ならポジティブではないかもしれませんが、これだけの高速サーキットで特にデプロイ切れもなく、他社と渡り合っての 6 位は立派だと言えます。まあこの前のカナダやアゼルバイジャンでも、同様に高速サーキットで入賞一歩手前の 11 位だったので、もはやパワーが足りないというわけではない(トップ争いできるレベルではないにしても)ということなのかもしれません。

次はマクラーレンのホームサーキット、イギリス・シルバーストン。引き続き高速サーキットになりますが、コース特性的には鈴鹿でのマクラーレン・ホンダのパフォーマンスが推測できる場所でもあります。またシーズンもちょうど折り返しとなり、ここでチャンピオン争いが再びイーブンに戻るのか否か。要注目のレースです。

投稿者 B : 23:33 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/06/20 (Mon.)

F1 ヨーロッパ GP 2016

ヨーロッパGP決勝 ロズベルグが優勝、3位にペレスが入る

モナコ~カナダでハミルトンが完全に勢いを取り戻し、チャンピオンシップの行方が分からなくなった状況で迎えたヨーロッパ GP。ヨーロッパといいつつ初開催のアゼルバイジャン、立地的には西アジアとか中東と言った方が正確な場所です。

しかし今回は F1 の決勝スタート直前にフィニッシュを迎えたル・マン 24 時間耐久レースが、初優勝に向けてひた走っていたトヨタが残り 3 分でストップという衝撃的な結末だったため、F1 観戦のほうにどうも集中できなかったという...。前半は呆然とした気持ちでテレビ画面を見つめていました(´д`)。

展開次第では今回のレースでハミルトンとロズベルグの選手権順位逆転もあり得る中ではありましたが...今回は珍しく予選からハミルトンがとっちらかっていました。今季のハミルトンは予選でマシントラブルが出るか決勝のスタートに失敗して順位を落とす、ということが多かったですが、予選 Q3 でクラッシュというのは今季初。初開催のサーキットだし、確かにモナコ以上に難しそうなコーナーも少なくなかったですが、こんなミスを犯すとは近年のハミルトンには珍しい。CS の解説では「プライベートで何かあったんじゃないですかね」というコメントも出ていましたが、まさにそんな感じの落ち着かなさでした。
これで圧倒的優位に立ったロズベルグが、果敢に挑んできたフェラーリやレッドブルを難なく退けて優勝。ハミルトンとのポイント差を再び 24 にまで広げました。まあ、まだシーズンは半分以上残っており、このくらいの差ならばないも同然ですが、ロズベルグ的にはこれで少しホッとできたんじゃないでしょうか。

レース前半はそんな感じで気もそぞろだったし、後半は後半でロズベルグが独走していると最近の私は寝落ちしそうになるのですが(ぉ)、フェラーリがメルセデスとまともに戦いに行っている姿勢は印象に残りました。ヴェッテルが果敢にリカルドをパスしてロズベルグを追撃する態勢に入ったり、ピット戦略の異なるライコネンがヴェッテルを先攻させるシーンがあったり、マシンがある程度まとまってきてパワーサーキットでもそれなりにメルセデストレースができる状況というのは、見ていて面白い。今季はここまでレッドブルの健闘が目立っていますが、そろそろフェラーリにも勝利のチャンスが訪れてもおかしくないんじゃないでしょうか。
それと 3 位に入ったペレス。彼はモナコでも 3 位に入っていて、市街地レースとの相性の良さをいかんなく発揮していますね。特に今季はチームメイトのヒュルケンベルグよりも光る走りを見せているレースが多く、パドック内での評価が高まってきているように思います。

マクラーレン・ホンダは、バトンが久々の予選 Q1 敗退。これが「久々の」と形容できるあたり、去年の今頃の状況を考えれば遙かにマシな状況ではありますが、それにしても悔しい。決勝では二台ともペースが上がらず、アロンソはギヤボックストラブルでリタイア。バトンがペースが悪いながらもなんとか 11 位につけたことは健闘と言えるでしょうが、それでもポイントを獲れる速さがなかったことには違いない。カナダでの PU 改良で出力は上がっているはずですが、やはりまだまだパワーサーキットで戦える速さはないようで...道のりは遠いですね。

次はオーストリア、その次はシルバーストン、と高速サーキットが続きます。マクラーレン・ホンダには我慢のときとなりそうです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/06/14 (Tue.)

F1 カナダ GP 2016

カナダGP決勝 ハミルトンが2連勝 - GPUpdate.net

カナダ GP といえば、ハミルトンが F1 初優勝を飾ったサーキットであり、自身が最も得意とするサーキットのひとつ。加えてパワーサーキットであり、マシン特性やタイヤとの相性を考えても、年間を通じてメルセデスのハミルトンが勝つ可能性が最も高いグランプリ、と言えます。

ハミルトンは予選からロズベルグを抑えて PP 獲得。そのままトップから逃げるかと思ったら、今季何度目か分からないスタート失敗!その隙にヴェッテルがトップを奪います。ハミルトンは 1~2 コーナーでロズベルグと交錯し、ロズベルグのほうがコースアウトして一気にポジションダウン。ハミルトンはそのままヴェッテルを追い、レースペースこそヴェッテルとほぼ互角だったものの、モナコ GP 同様にライバルよりも少ないピット回数で逆転。鮮やかに二連勝を決めました。序盤こそ盛り上がったものの、ハミルトンがトップを奪い返してからは比較的単調なレースでした。
パワーユニットの性能差が物を言うサーキットで、かつタイヤ戦略の自由度も高いメルセデスの本領が発揮されたレースだったと言えるでしょう。

2 位のヴェッテルは残念でしたが、マシンとの相性的に最初から勝てる可能性の低いレースだっただけに、序盤にハミルトンから首位を奪い、最終的に 2 位フィニッシュというのは上々の結果と言って良いと思います。しかしカナダ GP でこれだけハミルトンに迫れたということは、想像以上にメルセデスと他チーム...といってもフェラーリとレッドブルくらいですが...の差が縮まっているということではないでしょうか。この先 9 月のイタリア GP まで、ハンガリーを除くほとんどがパワーサーキット寄りのレイアウトですが、ハンガリー以外でメルセデス以外のチームが勝つ可能性も十分に考えられます。正攻法でなく、タイヤ戦略で奇襲をかけられるかどうかがカギになるでしょう。

5 位のロズベルグは惨敗と言っても過言ではない内容でした。1~2 コーナーでのコースオフはハミルトンに押し出されたという側面はもちろんありますが、そこで負けちゃうのがやっぱりロズベルグなんだよなあ。途中、マシンの不調でなかなかペースが上がらなかったりスローパンクチャーで予定外のピットインを強いられたり、挙げ句終盤にフェルスタッペンにオーバーテイクを仕掛けてスピン。トップを独走しているときは滅法強いけど、コース上でのポジションの取り合いには弱いのは相変わらずですね。ハミルトンのように強引にインにねじ込んでいくくらいの強さがなければ、今年も彼の上に王冠は輝かないと思います。
一時は 43pt 開いていたドライバーズポイントも、早くも 9pt 差。まだなんとかロズベルグが首位ではあるものの、ハミルトンとのポイント差はもうない、と考えて良いでしょう。ハミルトンにマシントラブルがなければ、次であっさり逆転という目もあるんじゃないでしょうか。

マクラーレン・ホンダには厳しいレースになるだろうと思っていましたが、予想通りの難しい結果に。予選はアロンソがギリギリ Q3 に進出できたものの、ここ数戦の定位置となっている 10-12 番グリッドからのスタート。決勝も序盤はポイント争いをしていましたが、バトンが序盤にエンジンブローして戦線離脱。アロンソもペースを上げることができず、ポイントまであと一歩の 11 位フィニッシュ。やはりパワーユニットへの依存度が高いサーキットでは苦しい戦いを強いられますし、他車のリタイアが少なければギリギリ入賞圏外というのが今のマクラーレン・ホンダの実力なんでしょう。今回はトークンを消費してターボユニットのアップデートと新しい燃料を投入したとのことですが、相対的なパフォーマンス向上が見られなかったのは残念というほかありません。次のレースではもう少しセットアップを煮詰めて、新ターボのポテンシャルが引き出されることを祈るしかありませんね...。

次のレースは早くも今週末、新規開催のアゼルバイジャン/バクー市街地コース。波乱が起きる要素は揃っているので、予想通りのレースにならないことに期待しましょう(笑。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/31 (Tue.)

F1 モナコ GP 2016

モナコGP決勝 雨のモナコをハミルトンが制する

スペインでのマックス・フェルスタッペンの劇的な初優勝を受けての、伝統のモナコ GP。全開率が低くパワーユニット性能の差が出にくいコース特性だけに、今回もレッドブル、あるいはフェラーリ勢にワンチャンあるんじゃと予想されましたが、そのとおり予選からとても面白い展開となりました。

予選では Q1 でフェルスタッペンがまさかのクラッシュを喫しノックアウト。初優勝の直後にこれ、というギャップが激しいですが、良くも悪くもこれが若さでしょう。一方でチームメイトのダニエル・リカルドが渾身のアタックを決め、メルセデスの 2 台を抑えて PP 獲得。スペインでもピット戦略に失敗しなければ自分が勝っていたはず、という思いもあったに違いありません。コクピットに収まっている間の表情からして鬼気迫るモノがありました。
リカルドの予選はタイヤ戦略も完璧で、Q2 をスーパーソフトで通過し(Q3 進出者は Q2 でベストタイムを記録したタイヤでスタートする決まり)、ウルトラソフトタイヤ勢に対して PP から長めのファーストスティントで逃げる構え。

しかし決勝はウェットコンディションとなり、リカルドの予選でのタイヤ戦略は不発に終わります。が、リカルドは決勝でも見事なスタートダッシュに成功。2 番手スタートのロズベルグのペースが上がらず、3 番手のハミルトンが抜きあぐねている間に独走態勢を築きます。
その状況が変わったのがレース中盤。雨が上がり、タイヤをウェットからインターミディエイト、そしてドライタイヤに交換していくタイミングが問われます。リカルドはメルセデスに先んじてインターに交換、しかし追うハミルトンはウェットタイヤを引っ張って一気にドライに交換することで、ピットインを 1 回減らす作戦に出ます。問題はコンディション変化によってウェットタイヤが相対的に遅くなることと、履き替えたウルトラソフトが 1 ストップでチェッカーまでもつか、の 2 点。リスクを取った選択でした。

いっぽうのリカルドはウェットからインター→ドライへの 2 ストップ戦略でも、1 ストップのハミルトンにポジションを奪われることなくレースを進められる、はずでした。が、インターからドライへの変更の際に、ピットインした時点で交換用のタイヤ準備が間に合っていないというアクシデントが発生。どうやら当初ウルトラソフトを準備していたのが、ハミルトンの動きを見てスーパーソフトに変更しようとしたところ、タイヤが準備できる前にリカルドが飛び込んできてしまった...というのが顛末らしいですが、これが痛恨のミス。結局リカルドがピットアウトするよりも一瞬早くハミルトンが目前をすり抜けます。その後、リカルドは幾度となくハミルトンの背後を脅かし、得意のビッグブレーキングで仕掛ける場面もありましたが、しかしここはモナコ・モンテカルロ、絶対に抜けない。最終的にはハミルトンを責め続けたリカルドのタイヤが先に音を上げ、ハミルトンは念願の今季初優勝を挙げました。

リカルドはこれで 2 戦続けて勝てていたはずのレースをピット戦略で落としているわけで、報われないでしょうねー。特に今のレッドブルはメルセデスに勝負を挑めるサーキットが限られているだけに、今季最も勝てる可能性が高かったモナコを落としたのは悔しいはずです。しかし今のレッドブルのリカルド&フェルスタッペンというコンビはフェラーリよりも面白いのは確かなので、今後もレースをかき回していってほしいところ。フェルスタッペンのほうもこの抜けないモナコで最後尾スタートから入賞圏に上がってきているあたり、スペインでの優勝がまぐれでないことを証明していると言えます。
いっぽうのフェラーリはパッとしませんね...。メルセデスとチャンピオンシップを争うなら、モナコでリカルドの位置にいるべきはヴェッテルでなくてはならなかったはず。しかし今回の戦略にはフェラーリにしては珍しくリスクを取る姿勢も見えたので、今後に期待です。

マクラーレン・ホンダは見事ダブル入賞。しかもアロンソが昨シーズンから通算しての最高位である 5 位フィニッシュ、というのはとても喜ばしい結果と言えます。しかしドライバーコメントによるとマシンの仕上がりは誉められたものではなかったようで、昨年同様にドライバーの頑張りでもぎ取ったダブル入賞、といったところでしょう。スペインに続いてアロンソが Q3 進出したのもポジティブですが、次からはそろそろ 2 台揃っての Q3 進出と 5 位前後の争いをコンスタントに繰り広げられるようになっていってほしいですね。

チャンピオンシップは引き続きロズベルグが首位ですが、点差は一気に詰まって 24pt。ハミルトンには今回も予選 Q3 でのマシントラブルがあり、信頼性に関する不安は尽きないところですが、そろそろ反攻に出るに違いありません。次のカナダはメルセデス優位なサーキットだけに、久しぶりにハミルトンとロズベルグによるガチの優勝争いを見たいですね。それが実現すれば、二人のどちらが真に今季のチャンピオンに相応しいかが分かるのではないでしょうか。

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2016/05/16 (Mon.)

F1 スペイン GP 2016

スペインGP決勝 18歳フェルスタッペン初優勝!!
フェルスタッペン 「信じられない」初優勝

おめでとうマックス!!!

ヨーロッパラウンドの開幕戦、スペインの地で F1 の新たな歴史を目撃するとは、誰が予想したでしょうか。
今回からクビアトとの入れ替えでレッドブルに昇格したばかりのマックス・フェルスタッペンが、移籍初戦でいきなりの優勝。これまでヴェッテルが保持していた F1 最年少優勝記録を大幅に塗り替える 18 歳での初優勝。今季からスーパーライセンスの発給条件が 18 歳以上に引き上げられたため、おそらく今後この記録が破られることはないでしょう。

スペイン GP は予選から熱い戦いが繰り広げられていました。
久しぶりに土曜日までノートラブルだったハミルトンが、Q3 で圧倒的な速さを見せて PP 獲得。いよいよハミルトンの逆襲が始まるか、という気配を感じさせます。
その後方ではレッドブルの 2 台が気を吐き、フェラーリを抑えてセカンドロウを確保。しかも、レッドブルは Q1 から Q3 の途中までフェルスタッペンがリカルドを凌ぐ速さを見せていたのが、Q3 のラストアタックでリカルドが意地の好タイムを出し 3 番手。マシンの仕上がり以上に強力なチームメイトの加入がレッドブルとリカルドのポテンシャルを絞り出したのでしょう。
メルセデスの独走は今回も変わらないまでも、その後方ではレッドブルとフェラーリによる熾烈な表彰台争いが繰り広げられるのだろう...と思っていました。

それが、ですよ。

メルセデスがスタート直後に 1991 年の鈴鹿を思わせる同士討ち。ハミルトンのスタートは悪くなかったものの、ロズベルグを意識しすぎたあまり 1 コーナーの飛び込みで先行を許し、その後抜き返そうとしたところで接触。
映像を見る限りではどちらが悪いとは言い難いレーシングインシデントだとは思いますが、ハミルトンにもロズベルグにも焦りがあったのでしょう。どちらにも余裕が感じられなかった一昨年を見るようなアクシデントで、この 2 台が 1 周ともたずに戦線離脱。

その後レースをリードしたのはリカルド。後ろにフェルスタッペンーサインツーヴェッテルーライコネンと続き、レッドブル勢が逃げる展開に。
フェラーリの 2 台はその後サインツを交わしたものの、レッドブルーフェラーリのオーダーは変わらず。
すると中盤にレッドブルは 2 台のタイヤ戦略を分け、リカルドを 3 ストップ、フェルスタッペンを 2 ストップとして展開します。それをカバーするかのようにフェラーリもライコネン 2、ヴェッテル 3 に分割。
このピット戦略は 2 ストップが正解で、リカルドの後退でトップに立ったフェルスタッペンがロングスティントでライコネンを抑えきる見事なドライビングで初優勝を挙げました。

フェルスタッペンは昨年のデビュー以来非凡な才能を見せ続けてきましたが、その実力が早くも証明されましたね。インパクトの強さで言えばまさにヴェッテル以来の逸材と言えるでしょう。
勝てはしなかったもののライコネンの最後まで緩めなかった追撃も、リカルドを抑えたヴェッテルの巧いブロッキングも、リカルドの果敢なオーバーテイクもどれも素晴らしかった。今の F1 もメルセデスがいなければこんなにエキサイティングな接戦が見られることを再確認しました(ぉ。

いっぽうでマクラーレン・ホンダは昨年の参戦以来初めての予選 Q3 進出を果たしました。
残念ながら 2 台揃ってとはいかなかったものの、ある程度スピードと信頼性の両立を果たして実力で中団を勝ち抜ける力がついてきたと言えます。
決勝ではアロンソ車にソフトウェアトラブルが発生してしまいましたが、バトンが粘ってなんとか 9 位入賞。いきなり表彰台争いは難しいと思うけど、この調子でコンスタントに入賞を重ね、後半戦に向けてさらに力を蓄えていってほしいところです。

次のレースは伝統のモナコ。パワーユニットの性能差が出にくいコースだけに、レッドブルには再度優勝のチャンスもあるでしょうし、マクラーレンも昨年の 8 位を上回るリザルトを残せる可能性が高い。どんなレースになるのか、今から楽しみです。

投稿者 B : 22:41 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/05/02 (Mon.)

F1 ロシア GP 2016

ロシアGP決勝 ロズベルグが開幕4連勝、ハミルトンが2位

ロズベルグの開幕 3 連勝から、そろそろハミルトンの巻き返しがあるかと期待されたロシア GP。
なんと今回も、ハミルトンに中国と同様の PU トラブルが発生して予選 Q3 に出走ならず。ここ数年、大事なときのトラブルは決まってロズベルグにばかり発生していましたが、今シーズンはハミルトンに集中していますね...。

レースのほうは結局ロズベルグが今回も難なく勝ち、開幕からの連勝を 4 に伸ばしました。ハミルトンも 10 番グリッドから追い上げたものの、ボッタスを交わして 2 番手に上がりロズベルグを追撃し始めたところで今度はエンジン冷却水にトラブル発生、あとはポジションを守ってマシンをチェッカーまで持って行くことに傾注。とりあえずダメージを最小限にとどめた格好になりました。
中国 GP までは、ハミルトンとロズベルグの実力差を考えるとこれくらいのポイント差はちょうど良いハンデだと思っていましたが、この時点で 43 ポイントの差がついてはハミルトンとしてもそろそろ余裕がなくなってきましたね。とはいえ今季は全 21 戦、まだまだ何が起きるか分かりません。ハミルトンの逆襲が始まったときに、ロズベルグが落ち着いた対処ができるかがポイントになりそうです。

3 位には今季好調のライコネンが入りましたが、僚友ヴェッテルはスタート直後にまたしてもクビアトに追突され、1 周もできないうちにレースを終えてしまいました。フェラーリが今季チャンピオン争いに絡んでいくとしたら、全戦でメルセデスの後ろにつけて、メルセデスにトラブルが発生したときに必ず 2 位、1 位を奪いに行くというやり方しかありません。今回は完全にもらい事故なので仕方がないとはいえ、今季メルセデス以外で唯一チャンピオン争いに絡めたはずのヴェッテルがここまで 4 戦で 2 リタイアときては、早くも挑戦権を失ったと言っても過言ではないかなあ。残念ですが、今季は「フェラーリがどれだけレースを面白くしてくれるか」に注目する方針に変更したいと思います(笑。

そしてマクラーレン・ホンダ、今季初ダブル入賞おめでとう!!
正直今回はパワーが物を言うサーキットなのであまり期待していませんでした。それが、1 ストップ戦略が功を奏したとはいえ、中団でちゃんとバトルを繰り広げながらアロンソ 6 位、バトン 10 位という成績は立派。マシン性能はまだまだ満足いくレベルではないものの、それなりに戦えることがこれで証明されました。過去 3 戦はセットアップやタイヤ戦略のまずさでマシンのポテンシャルを引き出せていなかったという部分もありましたからね。
今のところ、まだ一発の速さが身についていないようで Q3 の壁が厚いですが、ベテラン二人のスタート直後の混乱を抜けるうまさや変則的なピット戦略にも対応できる柔軟性が活きれば、こういうレースはできるということですね。モナコやハンガリーといった低速コースでなくても勝負できたというのは、マクラーレン・ホンダのスタッフにとっても自信になったことでしょう。

次はいよいよヨーロッパラウンドに突入。各チームがマシンに大規模アップデートを持ち込み、サーキットも総合力が試されるカタロニア。マクラーレン・ホンダにはもう一段の飛躍を期待したいです。

投稿者 B : 22:22 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/04/19 (Tue.)

F1 中国 GP 2016

中国 GP決勝 ロズベルグが3連勝 - GPUpdate.net

ロズベルグの開幕 2 連勝からの第 3 戦、中国 GP。ここでハミルトンの巻き返しがあるか...と思いきや、まずはハミルトン車のギヤボックス交換によりグリッドダウンペナルティが適用されることが、予選を待たずして確定していました。予選ではさらにそこへ Q1 からパワーユニットトラブルが発生し、出走すらできずに最後尾が決定、結果的に PU 交換でピットスタートという形になります。この時点でロズベルグの楽勝は決まったようなものでしたが、泣きっ面に蜂とはこのことで、スタート直後にハミルトンが他車と接触してマシンを破損しノーズ交換。その後もダメージの残るマシンで走り続け、7 位入賞がやっとという有様でした。
まあそれでも手負いのマシンで最後尾から追い上げて 7 位というのが今のメルセデスの強さを証明していると言えますが、それにしても今週のハミルトンにはつくづく運がありませんでしたね。

いっぽうロズベルグにはハミルトンの分の運までもが転がり込んできたんじゃないかと思えるほどの強運続きで、まず最大のライバルであるハミルトンが予選時点で脱落し、悠々 PP。スタートこそレッドブルのダニエル・リカルドに奪われますが、脅威と思われたフェラーリがスタート直後の同士討ち(まあ不可抗力でしたが)で早々に二台とも優勝争いから脱落、オープニングラップを制したリカルドについても DRS が解禁された 3 周目にあっさりオーバーテイクしてロズベルグがトップを奪い返し、さらには直後にリカルドのタイヤがバーストというおまけつき。セーフティカーの導入でいったんはリードを失ったものの、その後は 2 位に 30 秒差をつける圧倒的な速さで開幕 3 連勝を挙げました。
レースペースの差を見る限り、仮にフェラーリやレッドブルにアクシデントが起きていなくてもロズベルグが簡単に勝っていたことは間違いありませんが、それだけにハミルトンとの直接対決にならなかったことが残念でなりません。今季ここまでロズベルグが 3 連勝しているとはいってもハミルトンを直接対決で下して勝っているレースはなく、以降のグランプリでロズベルグが惑わずに自分の走りを貫けるのか、あるいはハミルトンとテールトゥノーズの争いになったときに再び馬脚を現すのか、次戦ロシアそしてヨーロッパラウンドに突入するスペインあたりが一つの正念場でしょう。過去二年間のハミルトンとロズベルグの力の差を見る限り、現時点で 36 ポイント差がついているくらいがハミルトンにとってはちょうどいいハンディキャップとも言えるわけで(笑)、これで今季は終盤戦までダレずに楽しめそうです。

今回は序盤にセーフティカーも入り、接触も多いレースでしたが、それでも全車完走という奇妙なレースでした。序盤の SC 導入で順位がシャッフルされた結果オーバーテイクも所々で見られ、見応えのある内容だったと言えます。ただでさえ中団の実力が拮抗しているシーズンでこういう状況が発生すると、面白いレースになりますね。また、今季は 3 種類のコンパウンドから選択可能になったタイヤレギュレーションが、さらに駆け引きを面白くしています。

しかしその波乱を味方につけられなかったのがマクラーレン・ホンダ。予選も Q2 で最後のアタックをかけようかというタイミングでイエローフラッグが発生し、アロンソの渾身のアタックがフイにされ二台揃って Q2 敗退。それでもダブル入賞は十分に狙えるポジションからのスタートでしたが、ベテラン二人のテクニック頼みでミディアムタイヤを軸とした 2 ストップ戦略が全くハマらず、ペースを上げることができずに結局スタート時と同じ 12・13 位でゴール。入賞争いはできるポテンシャルがありながらも、誰もリタイアしなければこのあたりなのがマクラーレン・ホンダの現在の実力、という現実は直視せざるを得ないでしょう。
それでも、昨年は最初から最後まで「エンジンパワーがー」「ERS のデプロイがー」「信頼性がー」という惨状だったことを考えれば、(依然としてライバルに比べてパワーで負けている側面があるとはいえ)車体側やセッティング、戦略まで含めた課題を議論することができることは、今後それだけ伸びしろがあるということでもあります。まずはアロンソが肋骨骨折からなんとか復帰し、二台揃ってちゃんと戦えるレースができたことを今は喜びたい。

次のロシア GP はコース特性的に中国やオーストラリアに似ているので引き続き厳しいレースになるでしょうが、その次のスペイン GP は比較的バランス型のサーキットだし、大規模アップデートも入るはずなので、そこに向けてチーム力を高めていってほしいところです。

投稿者 B : 23:38 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/04/06 (Wed.)

F1 バーレーン GP 2016

バーレーンGP決勝 ロズベルグが2連勝 - GPUpdate.net

第 2 戦バーレーン GP。開幕戦でのロズベルグ勝利からハミルトンがどう巻き返してくるか、が見物でしたが、予選は開幕戦に続きハミルトンが圧巻の走りで PP 獲得。予選の結果を見るに、マシン性能的にはやはりメルセデスが頭一つ抜けていて次にフェラーリが続き、その後はけっこう団子状態なのがハッキリと分かりますね。

決勝レースは、まずはフォーメーションラップ中に 3 番手のヴェッテルがパワーユニットから白煙を上げ、スターティンググリッドにすら並べずにリタイア。確実に表彰台に上がり続けることがヴェッテルにとって終盤戦までチャンピオンの可能性を残す唯一の手段だけに、2 戦目で後れを取ってしまったことは痛いと言わざるを得ません。まああと 19 戦あるので、それをどれだけ落とさずにポイントを稼ぐかが鍵になってくるでしょうが、年間 5 基制限のパワーユニットのうち 1 基をここで失ってしまったことは、後々響いてくるでしょうね。

スタートは前戦同様にハミルトンが蹴り出しに失敗し、大きく順位を落とします。その間にロズベルグが悠々と奪首、そのまま後続にポジションを脅かされることなくゴールし、二連勝を挙げました。これで昨年の終盤戦から数えて五連勝、いくらロズベルグといえどそろそろハミルトンを気にせず自分の走りができるようになっても良い頃でしょう。これがいい自信に繋がれば、今年のチャンピオンシップは面白くなるはずです。
出遅れたハミルトンはスタート後のボッタスとの接触でマシンにダメージを負いながらも猛烈な追い上げを見せ、なんとか 3 位フィニッシュでポディウムに登壇しました。これだけポジションを落としても表彰台に戻ってくるあたりが今のメルセデスの強さを表しています。ここ二戦ともに予選から決勝にかけて失敗しているのはスタートのみであり、それ以外はほぼ完璧な週末を過ごしているだけに、今年のチャンピオン候補筆頭の座は揺るがないと言えます。

また、ライコネンの走りにも光るものがありました。ハミルトン同様にスタートに失敗してポジションを落としたものの、その後はメルセデスに匹敵するレースペースを維持。全盛期を思わせる鋭いオーバーテイクも披露して 2 位表彰台。マシンとドライバーがガッチリ咬み合った結果でしょうが、ライコネンがこれだけ良かったのなら、ヴェッテルのマシンが壊れていなければどうなっていたか...とは考えてしまいますね。実力ではメルセデスに勝ちきれないまでも隙さえ突けばチャンスは十分にある今年のフェラーリ、信頼性と戦略を今後どれだけ高めていくことができるか。

そして、またしてもハースがやってくれました。グロジャンが開幕戦を上回る 5 位入賞!これは素晴らしい。前回は 1 ストップ戦略のちょうどいいところで赤旗中断が入り、記録上はピットストップなしで完走という運に助けられての入賞という側面がありましたが、今回は特に波乱もないレースでつかみ取った実力の 5 位。どうやら、予選ではあえて Q3 進出にこだわらずに新品のスーパーソフトタイヤを 2 セット温存して決勝に懸けていたとのことで、ちゃんと自分たちの実力を把握した上での勝負だったのでしょう。ハースをフェラーリのセカンドチームと揶揄する向きもありますが、クルマのポテンシャルが高いだけではこうはいきません。なんたって何もないチームにも関わらず昨年のスパで表彰台に上ったタッグ(グロジャン&小松礼雄)が引っ張っているわけですから、もはやハースを新規参入チームと思わない方が良さそうです。

マクラーレン・ホンダに関しては、前戦で大クラッシュを演じたアロンソが、実は肋骨を折っていたとのことでドクターストップ。リザーブドライバーのストフェル・バンドーンがスーパーフォーミュラのテストから急遽バーレーンに呼ばれ、レースシートに収まりました。予選ではバトンが 13 番手、バンドーンはそれを上回る 12 番手のグリッドを獲得。
決勝ではバトンがわずか 8 周でパワーユニットにトラブルが発生し、マシンを止めます。昨年に比べれば大きくパフォーマンスを向上させたホンダですが、やはりパフォーマンスアップと信頼性問題は表裏一体。まだダブルリタイアがないのがせめてもの救いで、このままパフォーマンスと信頼性を平行して高めていってほしいところです。
で、バンドーン。決勝ではあまり派手なシーンはなかったものの、安定したペースで周回を重ね、途中にはパワーユニットのパワーに勝るフォースインディアをオーバーテイクするシーンも見せて、最後は 10 位完走。なんと初出走にしてマクラーレン・ホンダの今季初ポイントを持ち帰ってしまいました。個人的にはいきなり入賞までは期待していなかったので、これは驚き。まあマシンも良かったのでアロンソが走れていたら、バトン車がトラブルに見舞われていなかったら...と妄想はしてしまいますが、少なくとも今回のバンドーンはアロンソの代役以上の結果を残したと言えるでしょう。バトンの今年限りでの現役引退も取り沙汰されていますが、その後任として当確に相応しい仕事だったと思います。

それにしても今年のバーレーンは 4 位以下のポジション争いが熾烈で、とても見応えのあるレースでした。やはり、レギュレーションが枯れてくるとチーム間の実力が拮抗して面白くなりますね。マクラーレン・ホンダにとってはようやく 1 ポイントを獲ったにすぎませんが、この競争が激しい中団においてポイントを争える実力が確認できただけでも御の字。中国では、ダブル入賞を狙っていってほしいところです。

投稿者 B : 22:36 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/03/22 (Tue.)

F1 オーストラリア GP 2016

オーストラリアGP決勝 ロズベルグが入賞、ハースが8ポイント獲得

2016 年の F1 世界選手権がいよいよ開幕。マクラーレン・ホンダとしては失意の再参入初年度を経て、改めて勝負をかけていくシーズンになります。

まずは予選。今回から新しい予選方式が導入され、90 秒ごとに最下位のマシンが脱落していくルールになりました。観ている方としては、Q1 の最初から本気のアタックが見られ、タイムリミットとの関係でハラハラドキドキするルールで、悪くないのではと思っています。が、90 秒ごとというリミットが厳しく、タイムアタックに入る前に時間切れになってしまうクルマが続出。また Q3 では早々にアタックをやめてしまうチームがほとんどで Q3 がつまらない、という状況に陥りました。そのため、次戦バーレーンからさっそく昨年のルールに戻すことになったとのこと。この辺は運営やチームの慣れの問題もあるし、Q3 だけ昨年のルールにする等、もう少し工夫すれば今までより面白い予選にできるのでは?と個人的に思うので、残念なところ。まあ今季は直前でこのルールが導入された経緯もあるし、来季仕切り直しで再導入される可能性もあるので、それまでの楽しみにしておきましょうか。
その予選はメルセデスが余裕のフロントロウ独占。その後にフェラーリが続くところまで大方の予想通りでした。マクラーレンは 12・13 番手ということで、本当は一桁グリッドを期待したところではありますが、これだけ中団以下の実力が拮抗したシーズンでそう簡単にいく話でもないでしょう。

決勝はなんとハミルトンがスタートに大失敗し、フェラーリが序盤の 1-2 体制を築き上げます。初回ピットインのタイミングでロズベルグがライコネンの前に出ましたが、ヴェッテルはなんとか首位をキープ。いくらメルセデスといえど今年のフェラーリをコース上で抜くのは難しいぞ、と思っていた 19 周目、グティエレスとそれをオーバーテイクしようとしたアロンソが激しくクラッシュ!レースは赤旗中断となります。
アロンソの MP4-31 はモノコック以外がグシャグシャになるくらいの大破でしたが、アロンソ自身はほぼ無傷で、現代 F1 マシンの安全性が改めて証明された形となりました。良かった...。

レース再開時のタイヤはヴェッテルが中古のスーパーソフト、追うロズベルグが新品のミディアム。2 台のギャップがゼロに戻った状態からのリスタートになるので、このままではヴェッテルがロズベルグに交わされるのは時間の問題と言えます。こういうとき勝負をかけに行かないフェラーリの体質というのは、見ていてもどかしいですね...。
まあ予想通りヴェッテルのほうが先にタイヤ寿命が尽きてピットイン、その間にロズベルグが悠々と首位奪取し、そのままゴール。ヴェッテルはピットインの間にハミルトンにも交わされ、終盤にこそ怒濤の追い上げを見せたものの、ファイナルラップ直前のコースオフで自滅し、3 位フィニッシュ。

リザルトだけ見れば、ロズベルグ-ハミルトン-ヴェッテルというポディウムは昨年と変わらず、ロズベルグが勝ったという点だけが昨年の序盤と違うところ。フェラーリにしてみれば赤旗がなければ勝てたかもしれないだけに、悔しいところでしょう(タイヤ戦略はやりようがあったと思いますが)。
しかし注目すべき点はたくさんあったレースだと思います。フェラーリがうまく出し抜きさえすればメルセデスと勝負ができそうだということもわかったし、今季の新タイヤルールのおかげで戦略的にも見所が増えました。特に昨年までは二人のドライバーを全く同じ戦略で戦わせていたメルセデスが、今季は別々の戦略も認めている、というのは大きな違いではないでしょうか。これでロズベルグにチャンピオン獲得の目が生まれたと言えますし、逆に去年「勝たせてもらえなかった」ようなレースでハミルトンが勝ち、楽々チャンピオンになる可能性もあると言えます。

そして今回のレースで殊勲賞をあげたいのは新規参入のハース。グロジャンがあまり目立たないながらも安定感のあるレース運びを見せ、参入初戦でいきなり 6 位入賞ですよ!ハースはフェラーリの技術支援が大きく、新規参入チームとは思えない完成度のマシンを持ち込んでいますが、それでも最後までノートラブルで入賞圏を走り続けたのは立派。大人のレースができるようになったグロジャンはもちろんのこと、小松礼雄氏をはじめとしたチームスタッフに最大限の賛辞を送りたいです。

マクラーレン・ホンダに関しては、アロンソの事故があったり、バトンに関してもピット戦略の不運(初回ピットイン直後に赤旗が入ったことで大きく順位を落とした)もあって、初戦をノーポイントで終えることになってしまいました。1 台のみ完走で 14 位というのは数字だけ見れば去年の開幕戦よりも悪いですが、少なくとも Q3 進出と入賞を争ってレースができる速さが今年はあることは確認できたと言えるでしょう。次戦以降もコンスタントにポイントを争い、終盤戦までには表彰台を狙うレースができるように進歩させていってほしいところです。

第 2 戦は暑いバーレーン。気温の関係で今回は出なかったトラブルが出てくる可能性もあり、まだまだいろいろありそうです。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2016/02/24 (Wed.)

F1 2016 ウィンターテストが開始

マクラーレン・ホンダ、『MP4-31』を正式に発表 - AUTOSPORT web

先週末からどわわっと各チームの新車が発表され、今週より F1 2016 年のプレシーズンテストが始まりました。

今季はルノー・チーム復活、ハースの新規参戦、いくつかのチームでのパワーユニットサプライヤーの変更(ルノー:メルセデス→ルノー、トロロッソ:ルノー→フェラーリ、マノー:フェラーリ→メルセデス)など注目点はいろいろありますが、やっぱり一番気になるのはマクラーレンの新車とホンダ製 PU の完成度ですよ。
マクラーレン・ホンダ MP4-31 は、パッと見は昨年の MP4-30 の後期型から大きく変わっていないように見えます。少なくとも昨年の「サイズ・ゼロ」パワーユニットのコンセプトは踏襲しているようです。が、じっくり見ていくとリヤサスペンションの構成が全く違うものになっていたり、昨年は当初ロングノーズ用に開発されていたシャシーを途中からショートノーズに変更したために最適化できていなかったのが最初からショートノーズ前提で設計されていたり、いろいろと変わっていますね。またサイドポンツーン後部の絞り込みが昨年よりも少しだけ緩和されているように見えるのも、PU 開発との妥協点を見出そうという意図の現れではないでしょうか。
昨年型との比較は、F1 Fanatic の記事にある比較画像がめちゃめちゃ見やすいのでオススメ。

Compare McLaren's new MP4-31 with their 2015 car · F1 Fanatic

あと、冬季テスト開始に合わせてホンダ側のプロジェクト体制の変更も発表され、F1 総責任者の新井康久氏の交代が明らかになりました。

新井氏が退任、ホンダF1プロジェクト新体制を発表 - AUTOSPORT web
新ホンダF1総責任者が新井氏と会見「夜も眠れない」 - AUTOSPORT web

ホンダの第四期 F1 プロジェクトを当初から率いてきた新井氏がこのタイミングで退任することには賛否あるでしょうが、昨年のあの成績ではホンダとして誰かが責任を取らなくてはならなかった、というのはやむを得ない話。新井氏のマクラーレン側との軋轢は以前から指摘されていた部分ですし、また開発状況に関して誇大的にコメントして実際のパフォーマンスが伴わないケースも多々あり(このへんは国内メディアが煽りすぎた側面もあると思いますが)、いろんな意味で風通しを良くし、現状を乗り越えていく上では必要な人事だったと思うことにします。
新リーダーの長谷川氏は、ホンダの第三期 F1 にエンジニアとして参加し、撤退がなければ中本修平氏の後任として責任者となる予定だった人物とのこと。ホンダの PU はすでに昨年とは違うと言えるだけの状況が整ってきているだけに、このまま開発を加速させてくれることを期待したいですね。

ホンダ84周、フェラーリ&ベッテルが首位発進 - AUTOSPORT web
ウルトラソフトのベッテルが2日連続で最速タイム - AUTOSPORT web
で、テストのほうは

  • フェラーリの新車が好調
  • レッドブルも昨年に比べれば大きく改善
  • メルセデスカスタマー勢は団子状態
  • 新規参入ハース&PU 変更組(ルノー&トロロッソ)はまだ信頼性不足
という感じでしょうか。メルセデスだけは昨年同様パフォーマンスランよりもロングランに重点を置き、他チームとは違う次元のテストをしているようなので、よーいドンで走ったらまた圧倒的に速いのではないか、と思われます。

そしてマクラーレン・ホンダ。
とりあえず初日だけで昨年のバルセロナテスト四日間の走行距離を超えており、二日目も順調にマイルを稼いでいるようなので、今年はまず初期の信頼性については問題なさそうです。さほど良いタイムが出ているわけではないのが気になりますが、テストプログラムも違うので何とも言えません。いずれにしても昨年最大の問題のひとつだった ERS のデプロイメントの問題は大きく改善しているようですし、去年の「走れないから何が問題なのかさえ分からない」状態に比べれば、開発のベースラインが見つけられる現状は遙かにマシと言えます。正直もっと悪い地点からのスタートだと思っていましたからね...。

実際のところはオーストラリア GP が開幕してみないことには分かりませんが、マノーと最下位争いだった昨年と違い、今年は序盤からメルセデスカスタマー勢とレースができるくらいの戦闘力には仕上げてきてほしいところです。

投稿者 B : 23:00 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2015/12/04 (Fri.)

F1 ルノーワークス復活が(ようやく)正式発表

ルノー、F1ワークス参戦を発表。ロータスを買収 - AUTOSPORT web

昨日、ロータスの小松礼雄エンジニアがハースに移籍する話を書いたところですが、今日はルノーによるロータス買収がようやく確定したことが発表されました。両チームの間で基本合意がなされたのがもう二ヶ月以上前のことなので、そうとう待たされた感があります。ルノーがロータスの株価がギリギリまで下がるのを待っていたという噂もありますが、どうなんですかね。
ルノーは 2010 年末に手放した自らのワークス・チームを買い戻し、5 年ぶりにオール・ルノー体制で F1 に参戦することになります。とはいえ、ロータス・チームが資金難にあえいでいたここ 2~3 年はスタッフの離脱も激しく、チーフデザイナーだったジェームズ・アリソン(フェラーリに移籍)や小松礼雄エンジニアなど、主要レベルの人員すら当時とは変わってしまっているという。そもそもパワーユニットの性能も現時点ではアレだし、戦闘力まで含めた意味でのルノー F1 復活は、ずいぶん先のことになる可能性が高いです。で、ドライバーは 2015 年はまともに完走さえできなかったマルドナドと新人のパーマーですからね。不安な船出ではあります。

レッドブル、ルノー製『タグ・ホイヤー』PUを発表 - AUTOSPORT web

で、2015 年までルノーのワークスチーム扱いだったレッドブルは、結局来季もルノー製パワーユニットの継続が決定。結局、ルノー以外のどのサプライヤーからも供給を取り付けることができず、消去法での確定となりました。でもルノー自身がワークス参戦する以上、カスタマー扱いでの供給となり、また両企業間の関係が決定的なまでに壊れてしまった今、ルノーや関連企業のブランドでエンジンを搭載することさえもかなわず、なぜか「タグ・ホイヤー」ブランドをつけたルノー製 PU を使う、という。
時計メーカーのバッジをつけた PU で走るのはちょっと違和感ありますが、かつてはマクラーレンが TAG ブランド(後年ホイヤー社を買収してタグ・ホイヤーとなる会社)のポルシェエンジンで走っていたこともあるくらいなので、妙に縁はあります。個人的には、長年マクラーレンをサポートしてきたタグ・ホイヤーがついにマクラーレンを見限るということのほうが残念に感じますね。

いずれにせよ、これでようやく来季体制もほぼ固まり、F1 は改めて冬休みに入ります。次は新車発表と冬季テストの時期まであまりニュースもないと思いますが、冬の間も開発は続く。ホンダが少しでも戦闘力を身につけてくれることを、今は願っています。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

2015/12/03 (Thu.)

ロータス 小松礼雄エンジニアがハース F1 に移籍

小松エンジニア、ロータスからハースへ移籍 - AUTOSPORT web

アブダビ GP 開催週のニュースになりますが、ロータスの小松礼雄チーフエンジニアが来季の振興チームであるハース F1 に移籍することが明らかになりました。

ハースと言えば、2014~2015 年にロータスのエースドライバーを務めたロマン・グロジャンが移籍することが決まっているチームでもあり、長年にわたってタッグを組んできた小松エンジニア&グロジャンのコンビが新天地でも継続することになります。新チームのポテンシャルは未知数ですが、技術的にはフェラーリのバックアップを受けることも決まっているため、初年度からそれなりの戦闘力を発揮する可能性があります(まあ、この 10 年に新規参戦したチームの多くも開幕前には同じように言われていたことが多いのも事実ですが)。

いっぽうでロータスはというと、いったんは内定したはずのルノーによるチーム買収がまだ実行に移されておらず、来シーズンの体制は未だ不透明。その上エースドライバーは 2015 年ろくに完走すらできなかったマルドナドとくれば、大きく期待できそうにありません。不安定なチームに居続けるよりも小松エンジニア&グロジャンを追ってハースに移籍するスタッフも少なくないと思われるので、来季はむしろハースがロータスを食う展開を見せてほしいほどです。その前に、ルノーがロータスを見捨てる可能性もまだ残っているわけですが...。

2015 年シーズンが終わり、ストーブリーグ自体もほぼ確定した状況ではありますが、両チームを巡る状況の変化には、冬休みの間もアンテナを張っておきたいところです。

投稿者 B : 23:59 | F1 | Season 2016 | コメント (0) | トラックバック

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