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2018/05/14 (Mon.)

F1 スペイン GP 2018

F1:スペイン決勝:ハミルトン完勝。ガスリーは事故に巻き込まれリタイア |motorsport.com日本版

ヨーロッパラウンドの始まりを告げ、「第二の開幕戦」と呼ばれるスペイン GP。多くのチームがマシンアップデートを持ち込み、中でもマクラーレンの新型ノーズとフェラーリのハロから吊り下げられたバックミラー(その上につけられているウィングレットは次戦から使用禁止されるようですね)が目に付きます。

しかし予選から圧倒的な速さを見せつけたのはメルセデス。フェラーリやレッドブルも決して遅くはなかったとはいえ、メルセデスは次元の違う速さで予選から決勝までを席巻しました。フロントロウ独占からの 1-2 フィニッシュは完勝と言って良く、イマイチだった開幕四戦とは打って変わって「これが今季メルセデスの実力」というのを誇示されたかのようでした。
実際には好スタートを決めたヴェッテルがボッタスに先行し、ボッタスはペースではフェラーリを上回りながらもヴェッテルを抜きあぐねます。これは抜きどころが少ないカタロニアの特性によるものでしょう。またタイヤ交換のタイミングでもオーバーカットに失敗し(メルセデスはあと 2~3 周ピットインを遅らせても良かったと思う)、万事休すかと思われたものの、終盤のバーチャルセーフティカー導入のタイミングでヴェッテルが想定外のピットインを行い、ボッタスは難なく 2 位のポジションを取り戻します。あとは全くヘタる兆候を見せないミディアムタイヤの良さもあって、苦労せず 1-2 でチェッカーを受けました。ピット戦略に拙さこそ残ったものの、メルセデスが総合力で完勝したレースでした。

アゼルバイジャンでのハミルトンの勝利はラッキーとしか言いようがないもので、序盤四戦はメルセデスどうしちゃったの?という噛み合わないレース続きだったのに対して、スペインではいきなり完璧なレース。他チームに比べるとマシンアップデートが地味に見えることも考えると、冬季テストで走り慣れたサーキットでようやくセットアップの最適解が見えたということなのかもしれません。メルセデス W09 は本来ならば今季も最速マシンであるはずで、もしかするとこれを契機に今後のシーズンは改めてメルセデスが席巻する可能性もあります。開幕戦オーストラリアの予選でもハミルトンだけ異次元のスピードを見せつけたことですし...。

フェラーリは残念でしたね。ヴェッテルがいいスタートで 2 番手につけ、ピットインのタイミングでもバックマーカーに対する DRS をうまくつかってボッタスのオーバーカットを阻止したところまでは良かったけど、一回余計にピットインしたことで表彰台のチャンスを逃してしまいました。ミディアムタイヤのもちを考慮すれば(結果論ですが)少なくとも 3 位を獲得できていた可能性はありますが、フェラーリとしてはリスクを避けたのでしょう。長いシーズンをみたときにここで確実性を取ったことが最終的に吉と出るか凶と出るか。

トロロッソ・ホンダもまた残念でした。外から見る限りマシンアップデートがあまりなく、今回はセットアップの範疇で戦っているように見えた中では、ガスリーの予選 12 番手(大規模アップデートを持ち込んだマクラーレンの次)というのは上々のパフォーマンス。しかしスタート直後にグロジャンのスピンに巻き込まれ、ヒュルケンベルグと共に何もできないままリタイア。そのまま走り続けていれば入賞の可能性も高かったと思えるだけに悔しい結果です。
一方のハートレーは FP3 で大クラッシュを喫し、PU とギヤボックスを丸々失います。そのまま予選には出走できなかったものの、大破したマシンを決勝で走れる状態にまで修復。しかし入賞を争える速さはなく、終盤にエリクソンをオーバーテイクして 12 位完走がやっとの状態。ハートレーはガスリーに比べるとミスが多く速さも足りない印象で早くも更迭の噂が立ち始めていますが、少なくともガスリーに匹敵するパフォーマンスを見せられない限りはそのポジションは危ういと言わざるを得ません。個人的には、マシン開発やセットアップのことも考えると一人は経験あるドライバーにすべきだったのでは...という気もしています。

次は二週間後のモナコ GP。マシン性能の差が出にくいサーキットなのでトップ 6 のうち誰が勝ってもおかしくはありません。逆にストリートサーキットが苦手なトロロッソにはまた厳しいレースになるかもと思いつつ、ガスリーの持つ高いポテンシャルには密かに期待をしています。

投稿者 B : 22:30 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック

2018/05/02 (Wed.)

F1 アゼルバイジャン GP 2018

F1アゼルバイジャンGP決勝レポート:SC2回出動の大波乱。ハミルトン大逆転優勝、レッドブル同士討ち、トロロッソ・ホンダはハートレー10位入賞

今季は春開催に移されたアゼルバイジャン GP は公道コースらしい大波乱のレースになりました。

まず予選はフェラーリがまさかの三戦連続 PP。開幕戦以来メルセデスに予選首位を明け渡しておらず、マシンの速さではもはやメルセデスに圧倒的優位はないことを証明しています。そしてまたしてもライコネンがあわや PP という予選アタックを見せ、今季「乗れている」ことを示してきました。チーム戦略や不運もあってここまで勝てていませんが、歯車さえ噛み合えば今季は何勝かしてもおかしくないんじゃないですかね。

決勝は、中盤までは上位陣に大きな入れ替えもなく落ち着いたレース。むしろ中団の激しい順位争いに注目が集まっていましたが、最後のピットストップから急に慌ただしいレースに変貌しました。序盤からずっとやりあっていたレッドブルの二台がまさかの同士討ち!2010 年のトルコ GP(ヴェッテルとウェバーの同士討ち)を思わせる瞬間でした。チームによると「喧嘩両成敗」という処分らしいですが、映像を見る限りではオーバーテイクを仕掛けられているのに二度もレーンチェンジをしたフェルスタッペンに過失があるように思えました(F1 ではレギュレーション上、ブロックのためのレーンチェンジは一度までと定められている)。近い将来のチャンピオン候補とみられているフェルスタッペンですが、こういう無茶を続ける限りその資格はないと思うなあ。またレッドブルとリカルドは来季の契約を巡って微妙な関係にあるタイミングですが、今回の事件が今後の判断に影響を与える可能性もあります。個人的には、来季レッドブル・ホンダになるのであれば今の二人に乗ってほしいところではありますが...。

この事故を契機にセーフティカーが導入され、その SC ラン中にグロジャンの単独クラッシュでさらに SC が長引いたこともあり、最後は残り 4 周の超スプリントレースに。SC が入るタイミングでうまくピットインしていたボッタスがヴェッテルから首位を奪ったままでのリスタートに対して、ヴェッテルがターン 1 のブレーキングで勝負を仕掛けるものの失敗。コースアウトして順位を下げ、タイヤにフラットスポットを作ってしまったこともあって最終的には 4 位でゴールしました。これで楽になったボッタスが悠々トップチェッカーを受けるかと思いきや、50 周目にコース上のデブリを踏んでタイヤがバースト、そのままリタイアという大波乱。その時点で 3 位以下だったハミルトン、ライコネン、ペレスの順にポディウムに上がるという結果に。
ハミルトンは棚ぼたでようやく今季初勝利。ポイントランキングでも首位に躍り出ました。順当にいけば今回はボッタスかヴェッテルのレースだったわけで、ハミルトンが実力で勝ったわけではありませんが、それでも勝ちは勝ち。こういうところからでもリズムを取り戻してくるのがチャンピオン経験者の強さなわけで、もしかしたらこれをきっかけにまた勝ち始めるかもしれません。次は「第二の開幕」でもあるスペイン GP、各チームのマシンアップデートも出揃って勢力図が塗り替えられるレースでもあるだけに、チャンピオン争いはハミルトンとヴェッテルが 4pt 差で再スタートを切ることになります。

トロロッソは...予選から決勝まであまり良いところがありませんでした。まあ苦手な公道コースだしストレートは長いし、ある程度予想がついていた流れではあります。しかも予選ではあわや同士討ちというニアミスもあったし、経験の浅いドライバーのコンビであることの弱点が中国から続いている印象。PU もデプロイが足りず、マシンセットアップも決まり切らない良いとこ無しのレースでした。ハートレーが 10 位でキャリア初入賞したのも上位陣が続々リタイアした結果にすぎません。ガスリーが 4 位に入ったバーレーンが出来過ぎだったのは確かですが、もうちょっと結果に結びつけてほしいなあ。
一応、次のスペインは二人ともテストで走り込んでいるしデータも豊富なので、歯車が噛み合ってくれる可能性は高いと言えます。まあ、それは他チームも同条件なわけで、そんなに甘くはないのでしょうが...。

投稿者 B : 21:27 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック

2018/04/16 (Mon.)

F1 中国 GP 2018

中国GP決勝:リカルド&レッドブル、幸運と決断力で今季勝利を掴む

先週のバーレーンから二戦連続開催となった中国 GP。二連勝で勢いに乗るフェラーリが予選から速さを見せ、ヴェッテルがまたしてもコースレコードで PP。僅差でライコネンが続き、マシンの基本性能の高さを伺わせます。対するメルセデスは 3 番手ボッタス、4 番手ハミルトンというグリッドで、予選で圧倒的に速かったはずのハミルトンがまたしても後方に沈みました。

決勝はスタートでヴェッテルとライコネンの牽制のし合いがあり、その間にボッタスが漁夫の利を得てヴェッテル~ボッタス~ライコネンの順に。しばらく膠着状態が続き、このまま何の動きもないままレースが終わってしまうのかと思われました。しかし 19 周目、ヴェッテルよりも 1 周早くタイヤ交換に入ったボッタスがアンダーカットを成功させてトップに立ちます。
しかしそれに対してフェラーリはライコネンをステイアウトさせ、ボッタスがライコネンを攻略している間にヴェッテルがボッタスに追いつくという戦略を採ったところまでは良かったものの、29 周目にドラマが発生。タイヤ戦略の違いにより二台の順位を入れ換えようとしたトロロッソが、コミュニケーションミスから同士討ちでクラッシュ!二台ともその場でのリタイアは免れたものの、セーフティカーが導入されます。
ここでフェラーリとメルセデスは残周回数を考慮してトラックポジション優先のステイアウトを選択したのに対して、レッドブルは SC 導入時にすかさずタイヤ交換し、ポジションを落とさずにニュータイヤを手にします。ここからはリカルド&フェルスタッペンによるオーバーテイク・ショーで、退屈だった前半とは全く異なるレースになりました。リカルドは意外なところからズバッ!と抜いていくテクニックを駆使してフェラーリとメルセデスを手玉に取り、トップを奪取してチェッカー。フェルスタッペンも負けてはいませんでしたが、ヴェッテルをオーバーテイクする際に無理めに突っ込んでいった結果、クラッシュ。ペース的にはリカルドをも抜いて勝っていてもおかしくはないレースでしたが、ペナルティもあって 5 位に終わりました。

絶妙なタイミングで SC が導入されたという幸運はあったものの、リカルドの勝利は本当にリカルドらしい攻めの結果であり素晴らしいと思います。一方でフェルスタッペンは冷静さを保てていれば勝てたレースだけにもったいない。トップチームで三年目ともなればもう「若さが出た」という言い訳は通じないわけで、チャンピオンを目指すならば攻めるべきときと我慢すべきときの区別はできるようになる必要があります。リカルドは来季レッドブルを離脱するという噂もありますが、もし来年がレッドブル・ホンダ体制になるのであれば、個人的には安定感のあるリカルドにはせめて一年は残ってほしいところ。

チャンピオン争いに関して言えば、開幕三連勝していてもおかしくないと思っていたハミルトンがここまでまさかの未勝利。フェラーリの速さが際立っているとはいえ、ここにレッドブルも対抗できることが照明されたことで、俄然面白くなってきました。仮に次からメルセデスが勝ち始めたとしても、今季は終盤まで飽きずにチャンピオンシップが楽しめそうです。

前戦 4 位で歓喜したトロロッソ・ホンダは今回は対照的にほぼ最後尾に沈みました。予選も振るわず、決勝は前述の同士討ちでガスリー 18 位、ハートレーは出走全車中唯一のリタイア。接触がなくても下位であったことに変わりはなく、最初から最後まで歯車の噛み合わないレースでした。マシンとコースとの相性、セットアップ、タイヤ、ドライバーが全てハマればセカンドグループのトップを走れる速さはあるものの、どれか一つでも欠ければたちまち下位というのがトロロッソの現状のようです。まあそれはハース・ルノー・フォースインディア・マクラーレンの 4 チームにも言えることで、ここまでの三戦で各チームの浮き沈みはかなり激しい。でも上海で決して速いとは言えなかったマクラーレンでアロンソが 7 位に入っていることを考えると、そういう状況で少しでもいい結果が得られるかどうかはドライバーにかかっていると言えます。ドライバーの経験の浅さは今季のトロロッソについて回るでしょうね...。

上海はエンジンの全開率が高く、現在のホンダ製 PU には厳しいサーキットでもありました。次戦のアゼルバイジャン・バクーは上海よりはマシっぽいけど、公道サーキットの特性を考えるとオーストラリアのように苦戦する可能性もあります。昨年はランス・ストロールが 3 位表彰台を獲得する波乱がありましたが、公道ではそういう展開も案外期待できるもの。トロロッソの二人には経験の浅さを気にせず、アグレッシブに行ってほしいと思います。

投稿者 B : 22:40 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック

2018/04/10 (Tue.)

トロロッソ・ホンダグッズを購入

今年は久しぶりに F1 のチームグッズを買いました。

Scuderia Toro Rosso

かつて B・A・R ホンダ~ホンダレーシング F1(&スーパーアグリ)時代は毎年ピットシャツとキャップを購入していたんですが、新生マクラーレン・ホンダになってからのチームウェアのデザインが全く惹かれず、ここ三年はほとんどグッズを買っていませんでした。だってカラフルなウェアにスポンサーロゴがズラリと並んでいてこそ F1 という感じなのに、マクラーレンは白黒のウェアにほぼマクラーレンとホンダのロゴだけというあまりにも寂しいデザイン。イマドキ、高校の体操服の方がまだカッコイイわ!という感じで、買う気になれませんでした(´д`)。

でもトロロッソ・ホンダの今季のウェアは派手めでいかにもレースチームらしく、グッときました。販売開始を待って、とりあえずチームポロシャツのレプリカとランヤードを購入。

Scuderia Toro Rosso

ランヤード(ネックストラップ)は青地に赤いラインのインパクトあるデザイン。レッドブル/トロロッソのロゴはあるけどホンダロゴがないのがちょっと寂しいですが。
首後ろには安全パーツ(何かに強く引っ張られたときに分離するパーツ)がついているので、オフィス等でも安心して使えます。

Scuderia Toro Rosso

ウェアには T シャツとかフーディ(パーカー)とかレインジャケットとかあって迷ったんですが、レースシーズンは半袖で過ごすことが多いので、通年で使えそうなポロシャツにしました。ピットクルーやフランツ・トスト(チーム代表)、ホンダのスタッフともお揃いです。
青赤(+紺)の組み合わせはサッカー日本代表や FC 東京のユニフォームっぽくもありますが(笑)F1 以外のレースイベントに着ていっても違和感はなさそうです。

Scuderia Toro Rosso

背中には反射塗料で巨大なレッドブルロゴがプリントされています。
F1 へのスポンサー企業は一時期に比べると随分減ってしまって、トロロッソもその例外ではないのですが、派手なカラーリングとレッドブルロゴの存在感がトロロッソのチームウェアをパドックでもひときわ目立たせていると思います。

トロロッソについてはオーストラリア GP の結果があんまりだったので悲観的な見方もありましたが、バーレーンでの 4 位入賞によって俄然盛り上がってきました。私は今年も鈴鹿には行けそうもないのですが、代わりに東京近郊であるいくつかのモータースポーツイベントにはこれを着て参加しようと思います。

Red Bull Toro Rosso Honda 2018 ランヤード

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投稿者 B : 23:10 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック

F1 バーレーン GP 2018

バーレーン決勝:ベッテルが2連勝! ガスリーは4位入賞の大健闘
F1ニュース:トロロッソ代表、4位入賞を語る
F1ニュース:ガスリー「ホンダ復帰以来最高位は嬉しい」

おめでとうピエール・ガスリーとトロロッソ・ホンダ!!!

個人的には、今回は優勝したフェラーリよりもトロロッソですよ。
開幕戦で苦汁をなめたトロロッソ・ホンダでしたが、シャシーの空力アップデートを持ち込んだバーレーンではフリー走行から好タイムを刻み、予選ではガスリーが 6 位(ハミルトンのグリッド降格ペナルティにより決勝は 5 番手スタート)、ハートレーも 0.1 秒差で Q3 進出はならなかったものの 11 番手(アタック直前にバードストライクでウィングが一部壊れたのが敗因のようですね)。二台そろっての好結果は、この速さが偶然ではないことを照明しています。
オートスポーツの記事によると、今季の STR13 はレーキ角を見直してフロア下の空力が大きく変わり、ドラッグを抑えたままダウンフォースを向上させることに成功したようですね。

F1 Topic:予選6番手を獲得したトロロッソ・ホンダ。車体のアップデートに隠されたレーキ角と路面の相性

これならば STR13 が半公道サーキットのアルバートパークで奮わず、パーマネントサーキットのサクヒールで安定して速かった理由も納得できます。

バーレーンではマシンも良かったけど、ガスリーの果敢な攻めも良かった。スタート直後にハースのマグヌッセンに並びかけられた際に一歩も退かず、逆にマグヌッセンを弾き飛ばす勢い(とはいえクリーンファイトの範疇)でやり合った姿勢は◎。その後はフェラーリとメルセデスのペースにはついていけなかったものの、後続をジワジワと引き離つつ自分のペースでレースを続け、誰かにポジションを脅かされることもないまま 4 位フィニッシュ!第 4 期ホンダ F1 としての最高位を獲得しました。この成績はレッドブル 2 台とフェラーリ 1 台がリタイアした結果とはいえ「三強以外のチーム」の中では安定して最速だったわけで、喜んでいい。ハートレーも二度のペナルティで下位に沈んだとはいえ、ペナルティがなければ入賞争いができていたはずで、改めて次戦以降に期待がかかります。

STR13 は小規模チームらしくサーキットによって相性はありそうですし(公道系のモナコやシンガポールでは苦戦しそう)、ドライバーも F1 での経験が浅いから浮き沈みはあるでしょうが、ようやく今季のトロロッソ・ホンダのベースラインがどのあたりかは見えてきました。このままハース・ルノー・フォースインディア・マクラーレンあたりと毎戦入賞をかけて争えるようであれば、面白くなりそうです。

一方で、優勝争い。オーストラリアではヴェッテルが勝ったものの運も半分あったので、バーレーンからはメルセデスが本領を発揮してくることを予想していました。が、意外にも(失礼)フェラーリとレッドブルも速い。特にフェラーリはヴェッテルだけでなくライコネンも「乗れている」のがいい兆候で、予選でももう少しで PP を獲得するところでした。最終的にヴェッテルが圧巻のアタックラップを見せて PP でしたが、隣にライコネンが並ぶ形でスターティンググリッド。メルセデスはボッタスが 3 番手、ハミルトンはペナルティもあって 9 番手スタートとなり、レースはボッタスが独りでフェラーリを突き崩せるか、そしてハミルトンがどこまでポジションを戻せるかという戦いになります。

スタートは蹴り出しの悪かったライコネンをボッタスが交わし、ヴェッテル-ボッタス-ライコネンの形でしばらく順位が膠着。しかし二回目のピットイン時にライコネンの左リヤタイヤが交換されないままピットアウトさせてしまうというミスがあり、ライコネンはそのままリタイア。つまらないミスでポイントを取りこぼすフェラーリの体質はなかなか直らないようで。ライコネンがいい走りを見せていただけに残念です。
メルセデスはソフト→ミディアムというタイヤ選択により 1 ストップ作戦を敢行し、コース上で抜けないフェラーリを戦略で抜きにかかります。ペース差とギャップを計算すると終盤にはボッタスがヴェッテルを交わし、ハミルトンの代わりに一矢報いることができるかも...という流れでしたが、対抗してヴェッテルもスーパーソフト→ソフトという無茶な 1 ストップ作戦に切り替え、ラスト数周でボッタスがヴェッテルの真後ろにつく展開に。タイヤがほぼ「終わりかけている」ヴェッテルをボッタスがいつオーバーテイクするか...と思われましたが、ヴェッテルが最後まで隙らしい隙を見せないままチェッカー。さすが 4 回のワールドチャンピオンという貫禄の走りに胸が熱くなりました。一方、チームとの契約更新には早く結果を出したいボッタスとしては残念どころか、メルセデス的には減点対象になり得るのでは。エースが勝てないときにライバルのポイントを確実に削るのがセカンドドライバーの本分なのに、その仕事が果たせないようでは...いや、今回はそれよりもヴェッテルの意地を賞賛しましょう。

結局今シーズンもメルセデス vs フェラーリの構図は変わらないようです。早々にダブルリタイヤしてしまったレッドブルの実力が測りかねますが、ルノーとの契約最終年であることも考えると、シーズン後半は(政治的な)PU 起因で失速してもおかしくはありません。フェラーリが例によってつまらないミスをしたり保守的な戦略で自滅したりしなければ、昨年以上に終盤まで面白いチャンピオン争いが見れるかもしれません。
三強以外の争いもさらに熾烈さを増してきました。今回「B クラスのトップ争い」にトロロッソが名乗りを上げたことで、毎レース 6~10 位あたりを 5 チーム 10 名程度のドライバーが争う形になりそう。バーレーンほどエキサイティングだったグランプリも久しぶりという印象ですが、次戦以降も熱い戦いが続いてくれることに期待です。

投稿者 B : 22:50 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック

2018/03/26 (Mon.)

Toro Rosso STR13 Prototype

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

昨日のパブリックビューイングの際、ホンダウェルカムプラザ青山内にトロロッソ・ホンダの「STR13 Prototype」が展示されていたので、じっくり見てきました。

まあ STR13 Prototype とはいっても、例によって昨年仕様の STR12 をベースにしたショーカーであり、実際にレースを走っている STR13 とはかなり仕様が異なるマシンではありますが。

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

チーム発足以来、濃紺ボディのエンジンカウルに手描き(!)の紅牛のアートを背負ってきたトロロッソのマシンですが、昨年からイメージを一新。高輝度のメタリックブルー×メタリックレッドの若々しいカラーリングになりました。これは国内未発売のレッドブルコーラをモチーフとしたデザインで、エアレースにもこのカラーリングの飛行機が出ていたりします。このカラーリングのシャシーにホンダのエンブレムが載ることで、昨年までのしがらみいっぱいの体制から、自由でチャレンジングな環境へと心機一転を図れそうな気がしてきます。

レッドブルコーラ、日本でも売られていたらトロロッソ応援の意味も込めて日常的に飲みたいんですが、発売されませんかね...。

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

STR13 のレースカーではノーズが一般的な突起あり形状になっているのに対して、この Prototype では昨年同様に出っ張りなしのショートノーズ。フロントウィングの形状を見ても、これが昨年型の STR12 ベースのショーカーであることが分かります。まあそもそも STR12 自体も今まではこうやって間近に見るチャンスはなかったわけで、まじまじと見つめてしまうわけです。

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

今シーズンから導入されたハロ(テレビ放送等では「ヘイロー」と発音されているようです)は Prototype にもちゃんと装着されていました。がレースカーではハロの上部に空力調整用のスリットが設けられていたのに対し、この Prototype はごくシンプルな形状。これはおそらく昨年のシーズン中に STR12 でテストされていたものを塗装してショーカー化したものと思われます。

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

サイドポッド付近。これも昨年のパーツではありますが、現行レギュレーション下では比較的自由度が高いのがバージボード周りのエアロ開発。かなり複雑な形状で後方とフロア下の気流を制御しているのが分かります。コクピット脇から生えているカナードは、レースカーではサイドポッド前端のウィングレットと接続される形に進化していて、この部分の開発にまだまだ余地が残されていることを匂わせます。

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

今季のレギュレーションに合わせ、昨年仕様のものからザクッと切り落とされた形になっているシャークフィン。禁止されたとはいえ、魚の背びれ程度のフィンはまだ認められているようですね。

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

リヤエンド。この手のショーカーにはパワーユニットは入っていないことも少なくないですが、写真を露出補正していったところ内部にエキゾーストマニフォールドらしきものが見えたので(笑)、これにはパワーユニットが搭載されている可能性があります。まあ仮に搭載されていたとしても今季のホンダではなく昨年のルノー製と思われますが。

Toro Rosso STR13 Prototype

[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]

青いボディにアクセントカラーとして引かれた赤いラインの端に「HONDA HYBRID」のロゴが入るのはカッコイイですね。ホンダのレースマシンの象徴である赤色と合わせてあり、使い方がうまい。これで速ければ言うことはないのですが、その真価は今後の発展に期待、としておきましょうか。

そういえばパブリックビューイングの当日はレッドブルのキャンペーンガールがエナジードリンクを無料配布していました。マクラーレン時代にはこういうマーケティングコラボは見られなかったので、その点でも随分体制が変わったのを感じます。レッドブルとホンダは近年 MotoGP やスーパーフォーミュラでもコラボレーションしており、モータースポーツ全般で協業関係が広まりつつあるようです。今やモータースポーツ全般に強い影響力をもつレッドブルとのコラボレーションがさらに発展していくことを祈っています。

投稿者 B : 22:13 | F1 | Photograph | Season 2018 | Vario-Tessar FE 24-70/F4 ZA OSS | α7 II | コメント (0) | トラックバック

2018/03/25 (Sun.)

F1 オーストラリア GP 2018

2018 年シーズンの F1 がいよいよ開幕。ホンダ F1 は新たにトロロッソとタッグを組み、新体制で再出発のシーズンとなりました。失意の三年間からいきなりの飛躍は望めないにしても、少しでも前向きな年にしてほしいとの思いから、青山のホンダウェルカムプラザでの公式パブリックビューイングに参加してきました。

Honda ウエルカムプラザ青山|FORMULA 1 2018 ROLEX AUSTRALIAN GRAND PRIX パブリック・ビューイング

F1 オーストラリア GP 2018

私がパブリックビューイングに足を運んだのはマクラーレン・ホンダ体制による参戦初年度となった 2015 年の開幕戦以来三年ぶり。それくらい今年はがんばってほしいと思っています。
今年は三年前ほど期待しているファンも多くないだろうしあまり早く行かなくても大丈夫かと思って(笑)11 時頃青山に着いたところ、一階席はそこそこ埋まっていましたがまだ席は残っていました。レーススタート時には二階席(スクリーンではなく大型テレビ×2)も埋まって立ち見が出るほどの盛況になっており、何だかんだいって注目度の高さが窺われました。

昨日の予選はメルセデス/フェラーリ/レッドブルの三強がしのぎを削る接戦でしたが、最終アタックでハミルトンが 2 位に 0.6 秒以上の大差をつけるコースレコードで PP 獲得。「今年もチャンピオンは俺だ」と言わんばかりの圧倒的速さで今季の行方を仄めかします。三強の次につけたのはまさかのハース、そこにルノー/マクラーレン/フォースインディアと続く格好で、現時点での勢力図が何となく見えます。トロロッソ・ホンダは 16・20 位と振るいませんでしたが、ハートレーは 15 位とは 3/100 秒差でしかなかったし、ガスリーも攻めた結果のミス。少なくとも予選での速さについては 11 番手のマクラーレンから最下位までかなりの団子状態ではあるようです。

F1 オーストラリア GP 2018

レースの方は、

ベッテル、運を味方にまさかの大逆転優勝。ハミルトン、VSCに泣く

スタートから快速で飛ばしたハミルトンがそのままラクに勝つかと思ったら、バーチャルセーフティカー~リアルセーフティーカー導入のドサクサでタイヤ交換を引っ張っていたヴェッテルが、ピットインのタイミングでまさかのハミルトンを逆転。メルセデスがセーフティカー導入時のピットインタイムロスを読み間違えていたせいもあるようですが、フェラーリにしては(?)素晴らしい判断でした。純粋な速さでいえばメルセデスが勝っていたはずのレースでしたが、アルバートパークは抜けないサーキット。そのままヴェッテルが抑えきり、二年連続での開幕戦ウィナーとなりました。
この様子だと今季もメルセデスの優位は揺るがないでしょうが、ハミルトンに比べるとボッタスが安定感の欠けるのに比べて今季のフェラーリはライコネンも良さそう。案外、ドライバーズタイトルはハミルトンが獲るけどコンストラクターズはフェラーリ、みたいな結末もあるかもしれません。

惜しかったのはハース。中盤に相次いでリタイヤするまでは 4-5 番手を走る速さと安定感を見せていました。「フェラーリのレプリカ」と揶揄する向きもあるようですが、それなら去年だって速くてもおかしくなかったはずで、フェラーリとのパーツ共用よりもむしろ昨年の開発を早々に止めて今季向けの開発にリソースを集中してきた結果と言えるでしょう。少なくとも序盤戦のうちはこの勢いを維持できるはずで、つまらないミスさえなければ夏までに大量得点してもおかしくない。ただ、二台のリタイヤの原因が共にホイールガンのトラブルというのがあまりにももったいない。ハースの本業って工具メーカーですよね?と突っ込みたくもなります(´д`)。次戦までにトラブルの原因を潰して、ドライバーには伸び伸びとレースをさせてあげてほしい。

マクラーレンの健闘は予想外でした。プレシーズンテストではトラブル続きでまともに走れず、ここメルボルンでも FP1 までトラブルに見舞われていましたが、蓋を開けてみれば予選以降はノートラブルでそれなりに速く、決勝は 5・9 位フィニッシュ。まあハースのつまらないリタイヤがなければバンドーンは入賞圏外だったし、アロンソも得意のロケットスタートで順位を上げただけで終盤は「トレイン」を作っていたことを考えると、純粋な速さではハースとルノーの次、10 位争いあたりが順当な実力値でしょう。それでも去年はトレインを作ることなく抜かれていた状況からすると、ホンダ製 PU よりはルノーの方がまだパワーがあることは受け止めざるを得ない事実と言えます。

で、トロロッソ・ホンダ。決勝はハートレーが 15 位完走(唯一の周回遅れで最下位)、ガスリーは 13 周目にパワーユニットのトラブルによりリタイヤ。プレシーズンテストの状況からするともっとやれると思っていたんだけどなあ...。テストの時点ではセットアップを信頼性に振りすぎてレースコンディションを想定し切れていなかった、ということかもしれません。まあ、ガスリーの PU トラブルは純粋なメカニカルトラブルではなくリタイヤ直前に縁石に強く乗り上げてダメージを受けた可能性があるし、ハートレーに関してはスタート直後のブレーキングによるフラットスポット→タイヤ交換後もパンクが発生、その後交換したウルトラソフトで残り周回数を走りきる必要があったことを考慮すればそりゃあ周回遅れにもなるわという感じではあります。今回はあくまでルーキーがアルバートパークの洗礼を受けた結果であって、マシンの速さと信頼性の問題はまだ表出していない、と思いたい。とはいえチームとドライバーは今回の結果を真摯に受け止め、また分析して、パーマネントサーキットであるバーレーンで仕切り直しをかけてほしいところ。

F1 オーストラリア GP 2018

コース特性上オーバーテイクはほとんどないし、トロロッソはほとんど映らないしでフラストレーションの溜まるレースではありましたが、意外な展開もあって最後まで目が離せない開幕戦でした。トロロッソについてはいろいろと課題が残るレースだったものの、最下位&リタイアで始まるシーズンは言い換えればこれより悪くなることはもうない、ということでもあります。私も粘り強く応援していこうと思います。

投稿者 B : 23:07 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック

2018/02/27 (Tue.)

Toro Rosso STR13 Honda

トロロッソ、ホンダPUを搭載した2018年型マシン『STR13』を正式発表
【F1ギャラリー】トロロッソ・ホンダSTR13
ホンダF1田辺氏「初日から93周走れたのは大きい。トロロッソとの開発作業は順調」/第1回テスト デイ1

F1 2018 年プレシーズンのバルセロナテストが始まり、新生レッドブル・トロロッソ・ホンダのニューマシン「STR13」もそのヴェールを脱ぎました。

今季のテクニカルレギュレーションはコクピット部のドライバー保護機構「ハロ」の搭載が目新しい程度で、それ以外は昨年から大きく変わっていません。カラーリングも昨年同様のメタリックブルーベースということもあり、STR12 の正常進化形にホンダ製 PU を搭載しただけに見えなくもないですが、ディテールを見ていくとノーズ先端が突起ありの一般的な形状に変更されていたり、後方の絞り込みが STR12 よりも大胆になって空力を稼いでいそうに見えます。特にリアの形状はホンダ製 PU のコンパクトさに起因するところも大きいはずで、少なくとも発表時点のマシンとしては素性は悪くなさそう、というのが第一印象。

それ以上に朗報と言えるのは、バルセロナテストの初日から 93 周の走り込みができていること。2015 年と 2017 年のホンダは開幕時点での信頼性が壊滅的で、まともに走れるようになるまで数ヶ月を要してしまったことを考えると、少なくとも去年までよりはマシな成長曲線を描いてくれるだろうという期待が持てます。車体は手堅い開発に定評のあるジェームス・キー、それにホンダのワークスとなったことで従来よりも開発資金に余裕ができるだけに、シーズン終盤までアップデートを緩めずに続けることができればそれなりの結果は出せるのではないか...と思えます。
まあライバルチームもルノーは急速に強くなっているし、ウィリアムズやザウバーも今季は体制を強化しているし、トロロッソだけがポジティブなわけではないんですが。とにかくマクラーレンにだけは負けないようがんばってほしい(←

このバルセロナテストで各マシンの素性が多少は見えてくるはずなので、ニュースに注目していたいと思います。

投稿者 B : 22:13 | F1 | Season 2018 | コメント (0) | トラックバック