2015/12/05 (Sat.)
東京都江東区亀戸の純レバ丼
「ここはちょいと、やんちゃなメシをガツガツ食いたい気分」
ドラマ『孤独のグルメ Season5』聖地巡礼、今回も放送前に巡ってきました。昨夜放送されたばかりの第 10 話の舞台は亀戸。亀戸といえば、Season2 の砂町銀座回で甘味パートに登場した珈琲道場のある場所ですが、今回の聖地は駅の反対側。亀戸と錦糸町のちょうど中間地点くらいにある、天神橋を渡ってすぐの中華料理店です。
放送前だからまだ空いてましたが、これ今日からしばらくはこの狭い歩道が行列になっちゃうんだろうなあ。
この佇まい。いかにも地元に昔からあるラーメン屋、という感じ。
どうしてこういう店の暖簾には必ず「味自慢」って書いてあるんだろう(笑
午前 11 時半から深夜 2 時までやってるのか。飲んだ帰りにこういうところのタンメンで締めたくなる感じの店だ。
赤カウンターの正当派ラーメン屋。よし。
喫煙可らしく、ヘビースモーカー用の灰皿(皿っていうより缶だけど)が置いてあるけど、私が行ったときには誰もタバコを吸ってませんでした。
劇中でゴローちゃんの喫煙シーンがあるかなと思ったら、それもなし。退院直後という設定なら、そりゃそうか。
「知ってる?菜苑 食べてる!純レバ」。この妙にフレンドリーなメニューは何だろう(笑。
純レバ、亀戸のローカルフーズ?それともここのオリジナル?
よし、受けて立とう。
まずはビール亀戸ソーダ。こういう古き良きラーメン屋には、生ビールよりも瓶ビールですよ。
これにギョウザをつけることは言うまでもない。
ゴローちゃんと久住さんはこのギョウザをお酢とコショウで食べていたけど、放送前にそんなこと知る由もなく、普通に醤油+酢+ラー油でいただきます。酢コショウギョウザは、今度どこかのラーメン屋に入ったらやってみよう。
これは野菜多めのあっさりとしたギョウザ、いかにもラーメン屋のギョウザ。だがそれがいい。
そこに本日の主役、純レバ丼のお出ましだ。
ライス多し。亀戸ソーダと一緒なら、丼じゃなくて純レバ炒め+半ライスくらいでも良かったかも。でも、そのものを食べないと聖地巡礼したことにならないので(笑。
これが純レバ丼。
ネギ、盛りすぎ。ネギの雪山讃歌。
どんぶり版ラーメン二郎か、と言いたくなるほどの山盛り。これは食べきれるのかな...。
いかん、見た目に気圧されてた。
食べるんだ、そこに山があるのなら。
ひとまずレバー単体で食べてみよう。
うわ...濃い!まさにガツンだ。
予想以上のやんちゃメシだ。
でも、全然レバーくさくない。これは鶏のレバーか。
こいつはいいや。これぞ、娑婆の味。
続いてご飯と一緒に。混ぜて食べると、濃いたれがご飯に絡んで、レバー単体よりもうまさアップ。
特濃、甘辛。甘みに辛みが勝ってるのが、俺好み。
食べ始めているのに、さらに腹がへっていくかのようだ。
そして、ビールも進む。
このガツンと濃い味どんぶりメシが、俺の五臓六腑に火をつけた。
どんなメシとも真っ向勝負できる幸せ。
おいしいは健康の証。味とは生きている実感だ。
完・食。タレの味付けで一気に食べさせられてしまった。あのネギの山をたやすく登り切れたとは。
いやあ...燃えたぜ、純レバ丼。
正統派のラーメン屋に、異色の看板料理を見つけた。
こういう味、ときどき無性に食べたくなるんだよなあ。
ごちそうさまでした。
ちなみにこのお店、姉妹店が浅草の方にもあるようなので、放送後しばらくの間はそっちに行くのも手かもしれません。
投稿者 B : 21:56 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック
2015/11/29 (Sun.)
炭火焼肉 本牧亭 再訪
半年ぶりに、長原の焼肉店・本牧亭に行ってきました。
前回行ってとても気に入ったので、何かの機会にまた行きたいとずっと思っていました。「いい肉の日」なら、これ以上相応しい日はないと思い(ぉ
ここは私が今までに行った焼肉店の中でも、トップクラスに属する店です。けっこういい値段するけど、同じくらいの味でもっと高い店はたくさんあるので、肉の質からすると決して高くはない。
店内にはスポーツ選手をはじめとした有名人のサインがビッシリ。最近プロ野球は見ていないので名前を知らない選手のほうが多いんですが、元ジャイアンツの元木選手やレスリングの吉田沙保里選手など、名を知った人のサインもたくさん。色紙の日付を見ると月に数度は有名人が訪れているようなので、遭遇するチャンスは多そうです。
まずは大ジョッキ。1 リットルくらいある大ジョッキで飲みごたえあります。しかも、この大ジョッキがしっかり凍っているので、ビールがうまい!最近ビールを少し控えている身としてはちょっと背徳感あるけど、今日くらいはいいか(ぉ
肉は前回もいただいた「ファミリー盛り」から。薄切り肉・カルビ・ロース・ハラミをセットでいただける、これだけでもけっこう満足感高いやつです。写真の量で、二人前。
最初は薄切り肉から焼いていきます。すぐに火が通ってしまうので、二つ折りにして表面だけ焼く程度でじゅうぶん。お店で一頭買いしている新鮮な牛肉なので、ちょっと赤すぎるかなと思うくらいがおいしい。
で、焼けたらタレをつけた上で、生卵に通してすき焼きっぽくいただきます。やっぱりこれはたまらない。
薄切り肉の枚数に対して卵の量が多いので、ここでライスを頼んで TKG を作成し、焼いたカルビを TKG に乗せて食べてもまたうまい。
そしてカルビ、ロース、ハラミと順に焼いていきます。どれも、サシがよく入った上質な肉なのに、かといって脂っこすぎず、胃に重くない。本当にうまい肉ってこうなんですよね。
野菜焼きも、普通にタマネギとピーマンとニンジン...というわけではなくて、その季節の旬の野菜を持ってきてくれるのがうれしい。今回はギンナンだったりパプリカだったり、あとトマト焼きがあるのも珍しい。
でもそれ以上に驚いたのが、このアルミ容器に入ったやつ。右のアボカドバター焼きは前回もありましたが、左はなんと栗。栗をバターとブランデーに浸けたもので、焼くとバターの甘みとブランデーの深みが栗に染みこんで、まるで濃い味のモンブランをいただいているかのような、絶品のうまさ。ただし重めのスイーツを食べているような感覚でお腹に来るので、むしろデザートに取っておきたい感じです。
そこにキムチ三種盛り。けっこうしっかり辛いキムチだけど、肉三昧の口の中をリセットしてくれる、重要な役どころ。
飲み物は赤ワインに移っていきます。ハイボールとか焼酎もいいけど、ここの肉はワインが飲みたくなる感じ。
ものによって使われるグラスも違ったりして、ちゃんとしてます。
ちょっとこだわりの部位をいただきたくなったので、肩サンカクをわさび醤油で。サンカクといえば、沼袋の平和苑にもあって、あれもうまかったよなあ。わさび醤油でいただくと、あのわさびカルビを思い出します。
そして最近お気に入りのホルモン。ホルモンってけっこう脂っこい部位だけど、ここのは脂分にうまみは凝縮されているものの、他の部位と同様に全然もたれない感じ。上等で上品なホルモン、おいしいです。
ホルモンから、改めて普通の焼肉に戻ってみたり。
この店、けっこう細かく網を替えてくれるので、常に最良の状態で肉がいただけます。さらには何も言わなくてもこまごまと焼きのサポートまでしてくれて、質の良い肉を最高の焼き加減で提供したいという思いが伝わってきます。
俺は今、本当にうまい焼肉を食らっている。うおォン!
最後はユッケジャンクッパで〆。
いやあ、今日もいい肉の日だった。
予約を取りづらいお店だからそうそう来れないけど、ここは間違いなくいい肉の店。次はいつ来ようかなあ。
ごちそうさまでした。
投稿者 B : 23:29 | Dinner | Gourmet | コメント (0) | トラックバック
2015/11/27 (Fri.)
東京都渋谷区代々木上原のエマダツィとパクシャパ
「間違いなく、トウガラシが国王。全ての食材がトウガラシのために働いている」
ドラマ『孤独のグルメ Season5』聖地巡礼も順調に回ってきていますが、今回は先週放送されたばかりの代々木上原、ブータン料理の聖地に来てみました。
代々木上原自体にも久しぶりに来たんですが、劇中にもあったとおりここは坂と路地の街。比較的大きな駅のはずなのに、ロータリーとか広場的なものはなく、駅を出たところからいきなり上り坂が始まります。この坂がまた、実に走りたくなる坂である(ぉ
南口の坂を登り切ったあたりにちょこんと存在するのが、都内には一軒しかないというブータン料理の店「ガテモタブン」。
ブータン料理...俺の胃袋の辞書にはない国だ。
ブータン料理は世界一トウガラシを使う料理とのこと。激辛回としてはこれまでにも池袋の楊、京成小岩の珍々、神宮前のシャンウェイなどが登場しましたが、映像を見た限りでは今回が歴代最辛と言って良さそう。辛い物好きを自認する俺だけど、今回ばかりは食べきれるんだろうか。
一期一会、ブータンが俺を呼んでいる。
ゴローちゃんが翻弄されたメニューの実物はこんな感じ。
「ホゲ」「ギュン チャン パ」「ツェム」...雲をつかむような料理名だ。
ブータン料理、イメージが全く湧かない。写真がついてなければオーダーすることさえできなかったに違いない。
黒板メニューにも、気になるものがいろいろ。「ポークスペアリブ山椒風味」とかスッゴク食べてみたいけど、この日はあいにく売り切れでした(´д`)。
そして「エマオムレツ」ってこの店にしちゃあ優しそうな料理だな...と思ったら、これにも唐辛子入り!
ゾンカ語(ブータンの公用語)では「エマ」はトウガラシの意味らしい。
ワインも気になるけど、唐辛子まみれの舌でワインの味の違いなんて分かるんだろうか...。
メニューを読んてただけで喉が渇いてきた。
とりあえず、ビールで潤そう。
今日はこの後、きっとこのビールが湧水のように感じられるんだろうなあ(笑
まずはモモから。ブータン流餃子。
見るからにモチモチしておいしそうだけど、この複雑な包み方、どうやって作ってるんだろう?
添えられている赤い薬味は「エヅェ」で、モモ自体は辛くないけど、このエヅェが辛い、という。
あと「チーズモモ+チーズエヅェ」がおいしそうだったので、それも。
こっちは餃子というよりは、小籠包みたいな感じだ。
まずは、お手並み拝見。
おぉ...こうきたか。
皮、もっちり。
おっ、トウガラシがジャブを出してきた。
でもうまい。噛むほどに肉汁が。こういう餃子的おいしさがあったか。
メニューを見て、チーズ入りのほうがマイルドに違いないと思ったら、チーズ入りのほうが鋭い辛さ!逆に、ノーマルモモのほうが予想の範囲内の辛うまさ。これは完全に逆を突かれたな。
ホゲ、なんとも情けない名前からは想像できない鮮やかさ。
「ホゲ」って、1990 年代にプログラミングやってた人ならば絶対テストコードに「hogehoge」って入れた経験があるに違いない(笑
サラダ的な位置づけにもかかわらず、山椒がしっかり入っていて、味覚がおかしくなっちゃう感じだ。
ホゲ~ッ!これ、全然箸休めじゃないぞ。
でも、妙にくせになるうまさだ。
いいぞお、ホゲ。
なんだか楽しいぞ、ブータン。
エマダツィ、ブータンの真打ち登場。
赤と緑、まんまトウガラシ。それがびっしり。見た目だけで判断するなら、罰ゲーム的な何かにしか見えない(笑
合わせるのは赤米と白米の二色ライス。
ブータンでは、少量の味の濃いおかずで米をたっぷり食べるのが流儀らしい。
メシに合うトウガラシってことは、そんなに辛くないのか...?
よし、心の準備はできた。
ライスにエマダツィをかけるようにして、いただきます。
この白いスープみたいなの、実は溶けたチーズなのか。このチーズ、濃くてすごくおいしい。
全然、辛くない。もしかして...辛いのは見た目だけ?
ん...ん、なんだ?
おっ、おっ、来たぞ?本気がやってきたぞ...!!
日本では薬味のトウガラシが、まさかの主役。
これは辛い。今まで味わったことのない辛さ、いや辛(つら)さだ。
迂闊にたくさん食べたら、それこそ失神してしまいそうだ。
これを食べた後だと、山椒が強烈だと思っていたホゲが、まさかの爽やかさ。これは箸休めになるぞ。
ホゲ~、おまえがいて、助かった。
続いて久住's セレクションから、ジャシャパ。
鶏肉とキャベツに、当然のようにトウガラシが入った炒め煮。
これも確かに辛いけど、エマダツィに比べたら全然普通。
鶏肉とキャベツの炒め物なら日本でも一般的だから、ようやく自分の得意な戦場に持ち込めたような感覚で、ちょっと安心(笑
あっという間におかわりしてしまったご飯がさらに進みます。
自家製のレモンチェッロ。ブータン関係ないけど(笑
自家製というだけあって、レモンの酸っぱさ全開。
でも、この辛さの中では、口の中をリセットするのにちょうどいい存在だ。
干し肉のパクシャパ。そのど真ん中に、真っ赤なトウガラシが鎮座。うわあ、いるいる。
干し肉、一見角煮的な柔らかさを想像するけど、食べてみると噛み応えあり。
そして、干し肉のうまみがしっかりしみた大根がうまい。これ、ブータンのブリ大根的な何かか。
あ~、これは...大根の甘みとトウガラシの辛さが、口の中で丁々発止の戦いをしている。
ん~、なんだか、だんだんカラダがトウガラシに慣れてきたような...。
ここで改めてエマダツィを食べてみると、実際さっきのめまいがするような辛さを感じない。むしろトウガラシのうまみを感じるとは...。
まるでロンダルキアについた瞬間にはモンスターに一撃で瀕死のダメージを受けていたのが、はぐれメタルを倒しまくっているうちにレベルが上がったかのようだ(何
タイのウィスキー「メコン」のソーダ割り。
スコッチやバーボンとは全然違うと思ったら、サトウキビと米を原料に、タイのスパイスで香りをつけたものなのか。
これ、合う。ブータン料理にものすごく合う。
「シャダフィン」。見てのとおり、鶏肉と春雨のスープ。そして言うまでもなく、トウガラシ。
中華料理の春雨スープの亜流みたいな感じで、なじみのある味。
とはいえ自分の辛さ耐性が高まった状態で食べているので、実際どれくらい辛いかは不明(笑
「ケワダツィ」。「エマ」ダツィはトウガラシのチーズ煮込みだったけど、「ケワ」ダツィはジャガイモのチーズ煮込み。
エマダツィのチーズがすごくおいしかったので、これの辛さマイルド版があったらいいと思ったけど、それがまさにこれ。
チーズの濃い味がむちゃくちゃうまい。これ、何のチーズを使ってるんだろう?
トウガラシも控えめだし、最初はこれから始めれば良かったかも。
〆は「チョーメン」。ブータン風焼きそば。
これ自体は辛くなくて、パクチー等でオリエンタルな香味をつけた普通のソース焼きそばという感じ。
でも、一緒に出てくる特製ケチャップをかけると、一瞬にしてトウガラシ味(笑
辛い、けど、止まらない!まるでブータンの魔法にかかったようだ。
ブータン料理、日本の味付けとは違う意味で、これ以上ご飯が進む料理を知らない。
今、俺の中で、トウガラシ・パラダイムシフトが起こっている。
胃袋からブラボーの拍手鳴り止まず。
ああ、辛うまかったぁ~っ。
ブータンのトウガラシ愛、食の世界をくまなく照らしている。
ああ、でも、こういう満足感、生まれて初めてだ。
ごちそうさまでした。
ドラマを観た直後は、ゴローちゃんが素の松重豊さんとして本気で辛がっているように見えたので(笑)、これはネタ回的な位置づけで、一回行けば十分かな...と思っていましたが、最後には想像以上にうまかった。ここは、再訪ありだな。
次回来ることがあったら、今度はもう少しスロースターターになるように、順番考えて頼もう(笑
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投稿者 B : 23:58 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック
2015/11/14 (Sat.)
東京都世田谷区千歳船橋のラム肩ロースとラムチョップ
「ちょっと疲れが溜まってるな。なんかパワー系なもの、入れたいなあ」
ドラマ『孤独のグルメ Season5』の聖地巡礼も、早くも 4 軒目。今回は、昨夜放送されたばかりの第 7 話の舞台、千歳船橋に放送前巡礼してきました。紛らわしいけど、千歳船橋は北海道でも千葉でもなく、世田谷区です(笑
年々ドラマの人気が高まっていることもあって、今シーズンはいつもより早く放送前の巡礼を心がけていますが、この店は特に人気が出そうなので、早く行っておきたかった。だって東中野、木場、西荻窪とこれまでのラム回の店にハズレなし。今回はさらにラムで焼肉とあっては、うまくないはずがないわけです。
ちなみに↑の写真は「孤独カット」(「腹が減った」の三段引きカット)でゴローちゃんがヨガの「木のポーズ」をしていた場所。
え...?これ店なんだ。
ジンギスカンね...忘れていたアイテム。
静かな住宅街のカドにぽつんと存在する、ファンシーな外観のお店が今回の聖地。羊に見守られている店舗だ。
どうやらこのお店、札幌のだるまで食べたジンギスカンの味に感動し、東京にないなら自分で作ってしまえ!という勢いでオープンしたお店だそう。だからこんなに羊愛に溢れた建物なのか。
店内、こぢんまり。
カウンター中心で、テーブルが一席だけ。予約すれば二階席もあるようですが、二階に行くには建物の外から階段を上がるようで、さすがに未確認(笑
通されたのはゴロー席でした。今シーズンここまで、放送前巡礼も含め全てゴロー席を引き当てているこの強運!
なお、この日は放送前ながら予約で満席、飛び込みで来て断られているお客さんも数組いらっしゃいました。普段から人気店みたいですが、事前巡礼のお客さんも増えてきているようですね...。
おしながき。なんか、いろいろあるなぁ~。
ジンギスカンって、そんなバリエーションあったっけ。
札幌のジンギスカンは、肉といったら一種類しかなかったような気がするけど、これは興味津々。
ジンギスカン鍋、一人にちょうど良い大きさじゃないか。
炭に火が入り、脂が塗り込まれて、こちらのテンションも高温になっていきます。
そんなジンギスカン鍋を眺めながら、まずは生ビールを一杯。
札幌の夜、思い出すなあ~っ。
今回は放送前で、メニュー的に予告映像では何の肉を食べたのかも微妙に判らないので(汗、ここは勢いに任せて、後は流れで。
最初はビールのつまみっぽく、ラムソーセージ 3 種盛りをいただきます。
そのままでも食べられるけど、炭火であぶるとなおうまし。
3 種はあらびき、ガーリック、チョリソーらしいけど、ハッキリ味が違うというよりはラムっぽい味と香りが先に立って、後から味の違いが分かる感じ。
そして羊のタン。牛タンは好きだけど、羊のタンって初めて。
見た目からして、普通の焼肉屋で食べる牛タンとはずいぶん違う。
羊のタン、想像していたような弾力性はあまりなくて、滑らかな感じ。
そして羊っぽいくさみが全然ない。おいしいです、これ...。
...と、タンを食べていたところで、カウンターの奥に黒板メニューがあることを発見。
レギュラーメニュー以外にもいろいろあるのか。
レバーにハツに脂身だ?
それに、ラムタン原木。ドラマでは「ふらっと QUSUMI」コーナーで久住さんが食べてましたが、あれもうまそうでした。
これに気づいていれば、最初からこっちにしたのに(;´Д`)。
謎のメニューが後から後から現れる。
この店、底知れないぞ...!
今回の主役のひとつ、やわらか肩ロースが出てきました。
おお...思ってたよりボリューム感ある肉だ。
ゴローちゃんは肩ロース+ランプ+焼き野菜の「A セット」を頼んでいたけど、放送前だから当然見ていないし、最初は「だるま」っぽくシンプルにいきたかったので、肩ロース単品+玉ねぎで。
肉の前に、まずは玉ねぎを鍋の周囲に配置して、先に火を通していきます。
そして、まるで玉座のような中央の空間に、肩ロース。
あぁ...この匂い、腹がどんどん減っていく。
世田谷の住宅街にあって、ここだけすすきのがやってきたかのようだ。
いただきます。
ロースとタマネギは、タレ。
えっ...何これ、うまし!実にうまし。
牛でも豚でもないロース、めちゃくちゃうまい。
タマネギも甘くておいしい。
劇中じゃ、淡路島のこだわりタマネギって言ってたなあ。
これがランプ(腰からお尻にかけての部分)。
クミン塩でいただきます。カレーの香りのもとになるクミン、なじみ深いスパイス。
おー、ちょっとこれ、感動。
ランプ、すごい。クミン、反則。やばいよこれ。
脂分は少なめだけど、柔らかいし、ラム肉の味がよく分かる。
こういううまさが肉の世界にはまだ隠れていたのか。
ここのラムロースは間違いなくおかわりしたくなる。
ゴローちゃんは「旨くちロースタレ」でおかわりしてたけど、私は「ネギ塩ラムロース」で。
ネギ塩って、牛カルビとは焼くことがあるけど、ラムロースだとどうなっちゃうんだろう。
「片面が焼けたら肉でネギを巻いて食べてください」と言われたけど、ロースが分厚くてネギが巻けない(笑
仕方ないので、ネギのせラムロースでいただきます。
うっほ、これもいい。
ネギ塩とラムロースが秘めたうまさを互いに引き出し合っている。
まだ全然イケるぞ。
この店の羊、レベルたかし君。
これはちょっと、飲み物のペースも上がらざるを得ないというものです。
ビールの次はハイボールでも良かったけど、ちょっとガツンとしたのが欲しくなったので、最強のレモンサワー「MASSA 酎」にしてみました。マッサチュー...工科大学?
これがまた、しっかり炭酸と強めの酸っぱさで、パワフルなラム肉と好相性。だけど、お店を出た頃に自分が思っていた以上にアルコール回った感があり、迂闊に飲んだらあかんやつや。
おっ!来たな、ラスボス。
というわけで、ラムチョップですよ。
骨付き肉って、見ただけで興奮してくるよなあ。はじめ人間的な何かが遺伝子に組み込まれているとしか思えない。
ここで、目の前で炭の交換。
劇中でも「タレの味がついちゃうから」と言ってラムチョップの前に網を替えるくだりがありましたが、これってラムチョップ前の何かの儀式なのか。
新しくなった炭の上で、じっくりじっくり、焼いていきます。
「片面 2 分ずつ、5~6 回」という劇中の説明はありませんでしたが、大きめの骨付き肉だし、腰を据えてじっくりと。
うまいラムチョップへの道のりは、長く険しい。
これは修行だ。
ラムチョップ、完成。
長い道のりだった。よく頑張った、俺。
「箸袋を骨に巻いて」という説明も特になかったので、骨をそのまま手づかみで、いただきます。
くわぁ~っ、これは良いチョップ。
胸にバシィィーン!と、来たよ。
俺は狼だ。羊を襲う狼だ。
野生の血が、肉を喰らい血をすすり、骨の髄までしゃぶり尽くす。うおォォォン!
〆は、メニューにあって最初から気になっていた、「ネコ飯」。
見た目はごく普通の鰹節ねこまんまそのものだけど、一口食べてみると、うまみ炸裂。何入ってるんだこれ。
って、鰹節に、秘伝のタレとバター、ね。
Wikipedia によると「北海道では醤油にバターが加えられることが多い」ということで、北海道流のねこまんまなのか。なるほどね。TKG に続く〆ご飯のヒット作、これ今度自宅でも真似してみよう(笑
すごい店だった。
羊のピラミッドパワーで、エネルギー充填。疲れ、蒸発!
食いたいものを食いたいように食いたいだけ食う以上に、元気が出ることはない。
事前に想像していたとおり、リピートしたくなる店。ラム好きとしては特に外せない。
放送前巡礼だったがゆえに今回は食べなかった「五郎's セレクション」があるので、放送後しばらくして客足が落ち着いた頃に、未踏のメニューに再挑戦しに来ようと思います。
ごちそうさまでした。
投稿者 B : 21:56 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック
2015/11/08 (Sun.)
東京都目黒区大岡山のなめろう冷茶漬
「こんなときはうまいもんを、食いたいだけ食うに限る」
前回に引き続き、ドラマ『孤独のグルメ Season5』大岡山編の聖地巡礼です。こないだは九絵定食だけで満腹になってしまったので(笑)、今度は夜に改めて来てみました。放送前に二度も聖地巡礼するのは、さすがにこれが初めて。
お店の隣がカラオケスナック、というあたりも昭和ローカル感があって、いいじゃないの(笑
お昼に来たときには気がつかなかったのですが、店内は漁船の集魚灯タイプの照明が使われていて、いかにも漁師料理の店という雰囲気ビンビン。改めて、気分が高まります。
蛍光灯にかけられたスノコとか、棚にズラリと並べられた焼酎とかも、いいじゃないか。山の上じゃなくて、三陸か三崎の港にでもいるような気がしてくる。
なぜだか一漁終えた後みたいな感覚になって、生ビールが欲しくなるわけです。
ビールはスーパードライとプレモルがありましたが、意外にもプレモルが瓶、スーパードライのほうが生で提供されるということで、スーパードライで乾杯。
ま、ヱビスって雰囲気の店でもないし、これぐらい気安いほうがちょうどいい。
さて、つまみは何にするかな。
こういう黒板メニューだと、なんでも美味しそうに見えてくるのは何故なんだろう。
なお、メニューに書かれていても早々になくなってしまうものも少なくないもよう。
くじらのユッケ、食べたかったな...。
こっちは...おっと、ランチメニューだったか。
でも、サンマのねぎまなべ定食とか、カレーもいいなあ。劇中で体育会系の学生さんも頼んでたけど、気になるなあ。
さておき、料理はやっぱり刺身からでしょう。いろいろ食べたいので、刺盛り。
頼もうとしたところで「刺盛りは 3,500 円のと 5,000 円のがあるけど、どっちにしますか?」と。黒板に書いてない 5,000 円の刺盛り、そういうのもあるのか!
違いを聞いてみると、大将自ら「5,000 円のほうはマグロのうまいところが入ってて、こっちが絶対おすすめ」。
そう言われてしまったら、迷わずに高い方を頼まざるを得ないってものです。
ネタは日によって違うんでしょうが、この日はマグロ(トロ)、マグロ(赤身)、ブリ、カンパチ、ヒラメ、サーモン、イカ、イクラ。定食と同じく、刺身のツマ代わりに野菜サラダ。
このトロが、舌の上でとろけていく感じで至高。値段的にまずいわけがないんだけど、確かにうまい。
個人的にはその次はヒラメが当たり。ブリも美味しいけど、これの旬はあと 2~3 週間経ってからが本番かな、という感じ。
ブリ大根。富山人的には、ふるさとの味。
昼の煮付けもうまかったけど、このブリ大根もまたいい。この店、やっぱりあの大鍋で煮込んでる料理に外れなしだなあ。
大根はちょっと歯ごたえを残してあって、個人的にはもっとほろほろに煮込まれているほうが好みだけど、そうするとブリのほうの旨味が抜けてしまうので、バランスが難しいところ。
こうなると日本酒ですよ。
女将さんのおすすめに従って、日高見純米(宮城)・小左衛門(岐阜)・緑川 純米吟醸「緑」(新潟)のジェットストリームアタック。おすすめだけあって、いずれも魚料理に最適。
枡とか凝ったグラスじゃなくて、こういういかにもな「コップ」で出てくるぶっきらぼうさが、この店では逆にいい。
と、なぜかこのタイミングで突き出しの登場(笑。まさか中盤になって出てくるとは思いませんでした(笑
厚揚げ・厚焼き玉子・おひたしの三点セットは、お昼の定食と全く同じもの。
突き出しにしてはかなりボリューム感があって、これと刺身と白飯があれば食事になってしまうレベル。
ここで揚げ物。黒板を見ていたら、アジフライと生カキフライの魅力に、どうしてもあらがえず。大皿にまとめて出てきました。
しかしこの店、刺身にも揚げ物にもこのサラダがついてくるんですね。テーブルに常備されている胡麻ドレッシングで、スタッフが残さずいただきました。
アジフライは、フワッとした身をカラッと揚げてあって、かるーい食感。
お店で揚げたてのアジフライを食べる瞬間って、至福だよなあ。
カキフライは小ぶりだけど、生ガキというだけあって引き締まった身にうまみがギュッと凝縮されていて、これまたうまい。
新鮮な魚介って、生で食べて良し、煮て良し、焼いて良し、揚げて良し。
海に囲まれた国に生まれた、この幸せ。魚ォン!俺はまるで人間水力発電所だ(ぉ
こういううまいフライに煽られて、日本酒からハイボールに戻ってきてしまうわけです。
ちなみに、隣のテーブルのお客さんが頼んでいたとんかつがやたらうまそうで。漁師料理の店なのにとんかつ?と思ったけど、頼もうとしたら「今ので肉全部終わっちゃったのよー」と女将さん。
まいったな...ピーンときたのになぁ。
ま、気を取り直して、本命のアレ、いっときますか。
前回食べ損ねた「なめろう冷茶漬」。二人前頼んだら、冷や汁が鍋で出てきました(汗
氷が入った味噌汁、ってなんだかすごい絵だな。
そして、なめろう。お約束の野菜サラダがここにも(笑
ただし、この日はカツオの仕入れがなかったということで、代わりにブリのなめろう。
大将によると、価格高騰によりたぶん 12 月いっぱいくらいまでカツオのなめろうは出せなさそう、とのこと。
でも、「なめろうはカツオが一番うまい」ということなので、これは日を改めて食べに来たいところ。
まずは、なめろう単品で。その次に、白いご飯になめろうを載せて、いただきます。
ちなみにこの白飯、茶碗っぽく見えるけど丼です。九絵定食の後に入れられる量じゃない(笑
うわ、何これ、うまっ!
サンマのなめろうもおいしかったけど、ブリもいい。なめろうにすると、それぞれの魚の持ち味がさらに引き出されるかのようだ。
で、冷や汁をジャブジャブと。
おお~っ、こうなるかあ。こ れ は ...。
うん、冷たいのがいい。スルスル入る。これはたまらん。
これ、好きです、俺。ずっと前から好きだったけど、今日初めて二人だけで話した、って感じ。
それとカレーうどん。
私が頼んだものじゃないけど一口分けてもらったら、口に入れた瞬間はマイルドだけど、後からしっかりした辛口が追いかけてくる感じ。
店が店なら、これだけでランチの主力を張れるんじゃないだろうか。
食べている間も、女将さん(ミユキちゃん)が大将にダメ出しをしっぱなし。劇中よりも口調はきつめだけど、そういうのも含めて夫婦仲がとても良い証拠、ってことなんだろうなあ。
ちなみに、この日はちょっと早い時間に他のお客さんが引け、我々だけになったところで、大将と女将さんが話しかけてきてくれました。ここには書けないような内容も含め、撮影当日の話とか、(魚料理の店なのに)なぜか美味いとんかつの揚げ方の話とか(笑
お二人の「お客さんにうまいもんを食わせたい」という想いが伝わってきました。
この店には、無言の誠意があふれている。
毎日を精一杯生きている朗らかさに満たされている。
いい店だった。
次は、聖地巡礼の客足が少し落ち着いた頃に、カツオのなめろうととんかつをいただきに来よう。
ごちそうさまでした。
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2015/11/05 (Thu.)
鳥取 味処 くさかべ
スラーメンとかカレーとかすなば珈琲とかもいいけど、やっぱり旅したからにはその土地のものを味わいたい!というわけで、独り店を探してうろうろと。俺は今、何を入れたいんだ...?
鳥取も日本海に面した港町と考えると、海の幸がうまいに違いない。じゃあ、そのへんがうまそうな居酒屋はないか...といったところで、良さそうな店を見つけました。
大通りから一本ずれた道沿い、チェーン系じゃなく、それなりに年季の入った店構え。暖簾は扉の幅に足りてないけど(笑、それも味があっていいじゃないか。よし、ここにしよう。
カウンター+座敷という、オーソドックスな作りの居酒屋で、基本的には家族経営なのかな?手作り感のある、いい雰囲気。
寡黙そうなマスターと息子さん(と思われる)がカウンターの中で黙々と調理し、おかみさんが料理やお酒を出しているようです。
とりあえず生ビールから。
この店、プレモルのサントリー認定超達人店とのことで、確かに注ぎ方が絶妙。
お通しは魚の煮付け系小鉢。こういうのをお通しに出してくる店なら、経験上魚料理に外れはないはず。これは期待できます。
料理はまずさっといただけるものを、ということで冷奴。
想像していたのとちょっと違って、生姜、鰹節、葱、桜海老、大葉、と薬味たっぷり。
でも豆腐のほうも薬味に負けず、豆の味がしっかりするお店の手作り豆腐。おお、いきなり冷奴から高得点を取ってくるとは。この店、やっぱり「あたり」っぽいぞ。
それから、メニューを眺めていたらビールのつまみにちくわが欲しくなってしまったので、ちくわの二種盛り。
白いのが「とうふちくわ」で、色の濃いのが「あごちくわ」。しまった、冷奴とちくわで豆腐がダブってしまった(ぉ
とうふちくわは、見た目通りふわっふわ。ちくわというよりはんぺんみたいな食べ応えで、嬉しくなる感じ。
あごちくわは、あご(トビウオ)を原料にしているというだけあって、魚の濃い味が感じられて、とうふちくわとは対照的。これ、どっちもおいしい。
後で調べたら、鳥取県はちくわの消費量日本一ということで、こんな変わったちくわが発明されるのも納得です。
カレーといいちくわといい、鳥取の食パワー、あなどれない。
鳥取は地酒もなかなか馬鹿にできません。というわけで、ビールの次は日置桜の強力を冷酒で。
そして、魚料理に繋いでいくわけです。
刺身は何にするか迷ったので、結局刺盛りに。甘海老、カンパチ、本鯛、白いか等々、とまるで私の故郷・富山で出てくる刺盛りのような顔ぶれ。
これらの多くが地物ということで(これまた調べてみたら、ホタルイカさえも近海で獲れてしまうらしい)、北陸から遠く離れていても日本海で繋がっているんだなあ、と実感します。知らない土地に来たという感覚が全くない。
懐かしさを感じる魚の味に強力をスイスイといってしまったので、お酒は瑞泉の純米に移行。
そろそろ燗酒が美味しい季節になってきたけど、私は基本的に冷酒派です。
日本酒と刺身の間に挟む箸休め的なものがつい欲しくなって、長芋の短冊を追加。
この長芋が、らっきょうと並ぶ鳥取砂丘の名産品とのこと。やっぱりこういう地のものを食べてこそ、旅して来た気分が味わえるというものですよ。
ちなみにカウンターの上にはお店で漬けられたと思われるらっきょうもありましたが、メニューには書かれておらず。
ダメモトで聞いてみるべきだったか...(とりあえず帰りの空港でお土産には買いました)。
さあて、メインはやっぱりガツンと肉を入れたい。鳥取といえば大山鶏、ここは鶏料理をいっとくべきでしょう。
定番のからあげもいいけど、鶏肉自体の味を堪能するなら味噌焼かこしょう焼もいいな。蒸し鶏も捨てがたい...って、なんだ?「塩ヨーグルト焼」って。
おかみさんに聞いてみたところ「塩焼きした鶏にヨーグルトソースを和えたものです」とのこと。
これはもしかするとギャンブルかもしれないけど、ここまで気になったからにはちょっとチャレンジしてみよう...。
出てきました。って、まさかのカジュアルフレンチ風(笑
この店の雰囲気と全然違う。もしかして、息子さんがフレンチか何かのお店でかつて修行してきたとか、そんな感じなんでしょうか。
でも、食べてみるとこれがまたうまい!
鶏肉のうまみを感じられるしっかりした肉感に、甘酸っぱいヨーグルトソースがよく合います。シンプルに味噌やこしょうもいいけど、塩ヨーグルト焼、これはアリだな。
ちょっとワインが欲しくなってしまったところですが、さすがにメニューになかったので(笑)山崎のハイボールと一緒にいただきました。
予備知識なしで飛び込んでみたけど、いいお店でした。一期一会でこういう店に巡り合えると、幸せな気持ちになります。
ただ私にしては食べたものの絵面がちょっと地味でしたかね(笑。でも、どれもちゃんと想いを込めて作られた、美味しい料理でした。
ごちそうさまでした。
投稿者 B : 01:00 | Dinner | Gourmet | コメント (0) | トラックバック
2015/10/31 (Sat.)
東京都杉並区西荻窪のラム肉のハンバーグ
「すっかり飲んべえタイムだ。下戸お断りと言わんばかりの空気...」
漫画『孤独のグルメ』の第 10 話「東京都杉並区西荻窪のおまかせ定食」などにも取り上げられた、久住ワールド的によく登場するエリアがここ西荻窪、通称・西荻。ドラマ Season5 でも第 3 話の舞台となったため、さっそく聖地巡礼してきました。
駅の南口を降りて右に折れるとすぐに遭遇するのが、劇中で角田信朗氏演ずる「先輩」が飲んでいた、「やきとり戎」。この店、一店舗だけなのかと思ったら、この路地ほぼ全体が店舗なんですね(笑。
この飲んべえ小路を抜けて、ちょっと寂しい線路沿いの道をしばらく歩いたところにあるのが、モロッコ料理の「タムタム」。
住宅街にぽつんと存在する、小さなお店。テーブルも四人席×2+二人席×2 しかなく、こどグルドラマ史上でもトップクラスに小規模な店舗ですが、むしろそれが西荻っぽい。
すいませーん、予約した者ですけどー。
お店はドラマと同じく、お母さんと二人姉妹の三人で営まれています。ちなみにドラマに登場していた妹の真理安さんは、ご自身が本人役で出演。お店でご本人に会える、というのもなかなか感激しますね。
店内はとても手作り感あふれるエスニック。「異国情緒」って、まさにこういうののためにあるような言葉だなあ。
カウンターの上には様々なデザインが楽しいタジン鍋も並べられています。モロッコ料理といえばタジン、個人的にもタジンには思い入れがあるので、これは頼まないわけにはいきません。
とりあえずの飲み物は、久住さんも飲んでいたカサブランカジュースビールにしようと思ったら、「さっき冷蔵庫に入れたばっかりで、まだ冷えてない」とのこと。やっぱりみんな久住さんの真似して飲んでるってことですか(笑。
仕方がないので、一杯目はチュニジアビール「Celtia」から。ちょっとスッキリめのクラフトビールっぽい味で、なかなか飲みやすい。でも、日本のビールとは確かに違う味。面白い。
さて、何を食うか。
モロッコ風イカめしとか、ベルベルオムレツとか、名前からして気になる料理が目白押し。
ローストビーフのスペアリブってのも、強力な引力を放ってくるな~。
でも、まずは規定演技からかな。
最初はモロッカンサラダ。モロッカンって、初めて聞いたけどいい響き。
一見普通のグリーンサラダっぽいけど、ドレッシングに普通とは違うスパイスが使われているのかな。アンチョビも効いていて、もろ、モロッカンって感じ。
あ~、胸に草原広がるわ。これ、癒やされる。
とても気になっていたハリラスープ。
久住さんに「シリーズの中でも三本指に入るくらいおいしい」と言われたら、飲んでみたくなるじゃないですか。
おおっ、このスープ、相当いいぞ。
トロッとしていて、スパイスっぽいんだけど、優しくてほっとする味。
こういうのが、モロッコのおふくろの味なんだろうなあ。
この時点で既にこの店、当選確実の花がついた。
ビールはレバノンの「almaza」に移ります。カサブランカ、早く冷えてくれ(笑
こいつは材料にカラメルが使われているということで、独特の香りと苦味があって、これまたおいしい。
ベルベルオムレツ。これはゴローは食べてなかったけど、頼まずにはいられないその名前のせいで、どんなものか気になって(笑
野菜たっぷり、優しい味で、このお店のお母さんの人柄がそのまま表現されているかのような包容力のある味わい。ベルベル感がどのあたりにあるか分からないけど(ぉ)おいしい。
モロッコ料理ってもっとストレートにガツンとくる感じなのかと思ったけど、こういう感じなんだ。へええ。
後ほど出てくるハンバーグにセットのパンだけ、先に出てきました。
このパンも手作りらしく、ほっとする味。ちょっと粗めの食感が、ハリラスープとかタジンの汁なんかに浸して食べるのにもいい。
パンにつけるフムス。ひよこ豆のペーストってことらしいですが、甘みとか塩気とかもあんまりなくて、豆の味を感じながらパンをいただくような食べ方になります。
フムフムス、こんな感じなのか。
ワインが気になったので一杯いただいてみました。メダリオン・カベルネレッド、モロッコの赤ワインです。
アフリカのワインって初めて飲んだけど、味も香りもしっかりしていて、肉料理にぴったり。よく考えたら、モロッコってスペインとは目と鼻の先なんだから、ワインがまずかろうはずがない。ボトルで買ってもそんなに高くないみたいだし、これは良いワインと出会ったかも。
モロッコ流揚げ春巻き、ブリック。
とろ~りが、おいでなすった。
パリパリッとした食感が良い皮を割ると、その中からは...
このとろ~り卵ですよ!
うひゃ~、これはたまらん。
ナイフとフォークで食べてみたけど、これはゴローばりに勢いよくガブリック、と行ったほうがよりうまさを満喫できたかもなあ。
これ、最高じゃないですか。
そういえばベルベルオムレツもタジン鍋に入って出てきたけど、本流のタジンもいっとこう。ということで、ミートボールのタジンを。
肉感にあふれるミートボールにたっぷりの野菜、中心にはまたとろ~り卵が収められた、幸福な料理。
自分がモロッコの子どもだったら、母親に毎日でもこれをリクエストしちゃうだろうなあ。
そしてやっと冷えてきました、カサブランカジュースビール。
これまたスッキリ美味しいラガービール。でも、飲む順番的にはカサブランカ→チュニジア→レバノンが正解だったかも。まあ冷えてなかったものは仕方ない。
いよいよ本命登場、ラム肉のハンバーグ。
うーん、匂いがもうご馳走だ。
肉の表面から肉汁があふれ出ているけど、ナイフを入れると、中からはさらにジュワーっと肉汁。
うまいラムって、挽肉にするとこんなになっちゃうのか。知られざるモロッコの世界。
ちょっと驚いた、ラムバーグ。
俺の中のハンバーグ感が、解体再構築されていくようなうまさだ。
ここでそろそろ〆のクスクスと、最後にハリラスープをおかわりしたいな...と思っていたら、なんと料理を満喫している間にラストオーダーの時間が過ぎている、という大失態を犯してしまいました。
スタートの時間が遅かったというのもあるけど、この手のミスは私の聖地巡礼史上でも初めて。これは悔やまれますorz
だけど、本当にうまかった、西荻のモロッコ。
店自体がまるで、大きなタジン鍋みたいだった。
ドラマ『孤独のグルメ』は基本的に焼肉回と中華回に外れなし、と思っていたけど、最近の傾向からするとラム回もそれに負けない名店揃いだなあ。
クスクスを食べられていないこともあるし、現時点でもう再訪決定。ここは繰り返し食べに来る価値のある店だと思います。
ただ当面は激混みだろうから、次回は少し時間をおいてからにしようかな。
ごちそうさまでした。
投稿者 B : 21:56 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック
2015/10/19 (Mon.)
品川区大井町のハムエッグとサンマの塩焼
THE ORIGIN II プレミア上映会の後にごはんを食べて帰るのに、どこにしようかなあと。私は豊洲からだと有明~大井町経由で帰ることになるので、これは久しぶりにいわしの聖地・だるまやに行くチャンス!と思ったら、悔しいことに満席で入れず。それならということでもう一つの聖地・立ち食い中華に行ってみるも、こちらも満員。完全に当てが外れて、途方に暮れてしまいました。
俺がちょっと飯を入れていくような店ってもうないのか?と思いつつ、東急大井町駅すぐのところにあるディープな飲食店街「東小路」をフラフラと。すると、原作の聖地・永楽の向かいに、気になるたたずまいの店を見つけちゃったじゃないですか。
「まんぷく食堂」、グッとくるネーミング。焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ。
小洒落た感じの店構えに、10 人も座ればいっぱいになってしまうカウンター席だけの店内(二階にはテーブル席も一応あるもよう)。歴史ある東小路に店を構えるからには、うまいに違いない、ということで、暖簾をくぐってみました。
とりあえず生ビールで乾杯。
店構えだけで決めたので、何を入れるかはメニューを見ながら悩もう。
ご飯セット...おにぎり...茶づけ...って、こういうカウンターだけの狭い店でお茶づけと言われると永谷園が出てくるんじゃないか、と思ってちょっと期待不安になってしまうこどグル脳(ぉ
なめこ汁...ここはナメコ汁で決めようか?ハムエッグというのも渋い。なんだここは、こどグル脳を刺激するメニューだらけじゃないか(笑
まあ、まずは酒盗クリームチーズでビールをいただこうじゃないか。
このへんはどんな店でも外れがない、鉄板のおつまみ。
豆腐サラダ。
味は普通だけれど、一人だとこれだけでお腹いっぱいになりそうなボリューム。豆腐が大ぶりなのも嬉しい。
ここはビールはそこそこに済ませて、ハイボールに飲み進めるわけです。
定食屋の定番中の定番、豚肩ロース生姜焼き。けっこう厚めに切られたロース肉が濃いめの生姜だれで味付けられていて、ガツンと美味しい。
見た目は完全にぶた肉炒めですが、他にロースニンニク焼きなんかもあって、もはや孤独のグルメを観ながらメニュー決めてるんじゃないかとさえ思えてきます(笑
メニューの中でもひときわ光を放っているように見えた、イワシつみれ団子串焼。たまらずに頼んでしまいました。
手作りっぽいイワシつみれをじっくり焼いた一品。
口に入れると火傷しそうなくらいアツアツ。身はぷりっとしていて、生姜醤油をつけるとイワシそのものの味がシンプルに味わえて、これはうまい!
だるまやには振られちゃったけど、代わりにここで文字通り珠玉のイワシに出会えた。
これまた頼まざるを得なかった、ハムエッグ。レストラン アトムのものがそのまま出てきたかのようなハムエッグで、軽く戦慄(笑。
これは見た目通り、期待を裏切らないハムエッグ。でも、夜にハムエッグを食べるのって、なんだか新鮮だな。
飲み物は芋焼酎・伊佐大泉をロックで。
ハムエッグとの組み合わせで写真を撮ると、この違和感(笑
焼酎のアテに、白菜のお新香。浅漬けだけど、ちょっと濃いめの塩っぱさが焼酎にはちょうどいい。
さらに肉豆腐。いかん、豆腐サラダと肉豆腐で、豆腐がダブってしまった(ぉ
ちょっと寒くなってきたこういう時季に嬉しい、落ち着く味。改めてここ、いい店認定確定です。
メニューを見てどうしても食べたかった、サンマの塩焼を。そろそろ旬も終わりかけなので、最後に食べられて良かった。
やっぱり日本人の秋はサンマの塩焼だなあ。これを食べておかないと、冬が迎えられる気がしません。
サバ焼も、豪快に半身でドン。サバって切り身程度で出てくることが多いので、サバ好きとしてはこれも嬉しい。
派手さはないけど、ひとつひとつが丁寧に仕事をされた、そしてボリューム満点の料理揃いで満足。お腹も心も、店の名前通り「まんぷく」になりました。
これはいい店を見つけたなあ。独りで入るのに躊躇が要らない店だし、今後ちょいちょい利用しようと思います。
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投稿者 B : 22:15 | Dinner | Gourmet | コメント (0) | トラックバック
2015/10/10 (Sat.)
東京都江東区清澄白河のポパイベーコンとサンマクンセイ刺
「仕事がうまくまとまったら、深川めしもいいな」
ドラマ『孤独のグルメ Season5』、ついに始まりましたね。今期ももちろん、聖地を巡っていくわけですが...今シーズンはついに初の海外編も予定されているということで、今までよりもさらに巡礼のハードルが高まっています。これは大変だ...。
ともあれ、Season5 はまずは第 2 話に登場した清澄白河から。事前情報でさんざんこの清澄白河回が取り上げられていたのでてっきり初回なんだろうと思い、初回放送の翌週金曜でお店の予約を取ってみたら、まさかの第 2 話だったという(;´Д`)ヾ。私の聖地巡礼史上初の放送前巡礼ということになってしまいました。まあ、予告編で頼んだものの雰囲気は分かったので、なんとかなるでしょう。お店に行って帰宅したらそのままドラマが放送開始、というのも悪くない(ポジティブ思考
清澄白河エリアといったら深川めしだけど、今回の舞台は昭和の雰囲気満載の居酒屋。そういえば Season4 でも木場にいながらあえてのインドカレー、という回がありましたが、ゴローちゃんはなかなか深川めしに縁がありませんね...。ま、何も名物にとらわれなくてもいいじゃないか、おいしけりゃそれで。
だるま...縦から見ても横から見ても、居酒屋だよなぁ~。
この年季の入った、風情のあるたたずまい。店構えからしてもう楽しそうだ。
よし、導かれてみようか。
店内には松重さんや久住さんのサインは見当たりませんでしたが、ドラマ登場予告の貼り紙が。
その隣の貼り紙によると、つい最近別の番組にも取り上げられたようで、人気店なんですね~。
通されたのはカウンター。三人だとちゃんとカウンターの角を空けてくれる心遣いが嬉しい。そして私が座ったのが、ほぼゴロー席!放送を見る前にゴロー席に導かれるとは、これまで聖地巡礼を繰り返して功徳を積んできた甲斐があるというもの(違
いかにも東京の下町っぽい額の下に、スペイン産ワイン、ラスク、オニオンロールパン...何なんだこの店?!何屋さんなんだ。
この店、ほんと何でもありだな。
しかしその下には無情にも「本日オニオンロールパン売切です」の貼り紙が(;´Д`)。今日のメイン料理のひとつだったはずなのに...。私もオニオンロールパンを刺身っぽく楽しんだり、煮込みに浸して食べたりしたかった(笑。
コの字型のカウンターに、壁にはズラリと貼り尽くされたお品書き。
お店の雰囲気としては、原作に登場した赤羽のまるます家に通ずるものを感じます。
おお~、メニューが押し寄せてくるぞ。
定番の品々も捨てがたいけど、ホワイトボードの「本日おすすめ品」も見逃せない。しかも、どれも安い!ワンコインでおつりが来るものばっかりだ。
ここは焦らず、じっくりとメニューを読み込もう。
え~、なんだなんだなんだ?常連客のカバン置き場は、ここなのか。
「ふらっと QUSUMI」の中で「この店は昔はスーパーをやっていた」という話がありましたが、おそらくそのスーパーの名残のショーケースなんだろう。そこに、食器と、お通しと、何故か柿と(笑)、お客さんの荷物。ガヤガヤ騒がしい店内をさらに凝縮したかのようなカオスっぷり。
でも、この市場のごとき喧噪、嫌いじゃない。
静かな店より、こういう中に紛れ込んでいたほうが落ち着くときがある。
他愛ない他人の会話が、心地いい。
...なんて言ってる場合じゃない。
生ビールが来ちゃったからには、早く飲まないと、自分の中ののんべえちゃんが暴動を起こすぞ。
日替わりのお通し、この日はひじきの煮物。
ぽいぽい、こういう店のお通しっぽい。シブい球を放ってくる。
まずはポテサラから。ちょっと甘みがあって、懐かしい味。
この店の大将やおかみさんの人柄が練りこまれているかのような、優しさを感じる。
いつもならビールの次にはハイボールに行くところだけど、メニューに見当たらなかったので、珍しく酎ハイに移行。
でも、こういう店ならハイボールよりも酎ハイの方がよく似合う。
本日の主役、サンマクンセイ刺。これが燻製...?
青魚好きの燻製好きとしては、これは来る前から楽しみにしていました。
いつだったか、鯖の燻製を食ったときもびっくりしたけど、サンマのクンセイの刺とは...居酒屋の海も底が知れない。
おお~っ、燻製だ、確かにクンセイ。
燻製でありながら、確かに刺身でもある。
サンマって、塩焼きか刺身がいちばんうまいと思っていたけど、こういう食べ方もあったのか。
この店、侮れんぞ。
そしてポパイベーコン。名前からするとエノキと卵まで入っているとは想像できなかったけど、こう来ると完全に家庭料理。
このぶっきらぼうな盛り付けが、気取らずわしわし食えと言っている。
うん、いい。かなりポパイ。全然名前負けしてない。
こ~れはポパイ飯。さあ来いブルート、って感じ。
続いて焼鳥シリーズ。まずは正肉の焼鳥をタレで。うん、良くも悪くも普通においしい(笑
でも、こういう気取らない普通っぽさがこの店には合ってる気がする。
で、皮を塩で。こっちはカリッと焼き上げられていて、塩との相性抜群。
正しい居酒屋のつまみだ。
お店のほうは満員御礼で頼んだ料理がなかなか出てこなかったのが、出てくるときは一気に出てきて、狭いカウンターがまさに「なんだかすごいことになっちゃったぞ」状態に。
肉豆腐。これまたこういう店に似つかわしい一品。
出汁のよくしみた豆腐と、優しい味の汁がいい。「俺、歳とったらこういう肉豆腐と白い飯があればそれでいいや」とすら思えてきます。
ちょっとこの店の無軌道ぶりに乗じてみるか、的なスペイン産赤ワイン。
赤ワインをグラスまでしっかり冷やして出してくるあたりがこういうお店らしいところですが(笑)、それもそれで良し。この赤ワイン、以外と侮れずうまい。
...からの、キス天ぷら(ぉ
ふんわり揚げられた一口大のキス、尻尾まで残さずいただいちゃいます。
そーなると飲み物はホッピーでしょ。
この手のカウンターにはホッピーがよく似合う。
ちなみにここのホッピー、中(焼酎)は注ぐ人によって分量が全然違うので要注意(笑
煮込み、飲んべえちゃんたちの大好物。
基本的に、こういう店の煮込みに外れなし。
ああ...この汁、いいわ。
これ、本当においしい。年季を感じる煮込み。
そしてまた変化球の、生ハム(笑。今思うと、赤ワインと一緒に頼めば良かった。
確かに生ハムなんだけど、私の知っている生ハムとなんか明らかに違う(笑。
でも、ホッピーと一緒なら許せてしまう、この店へのなじみ感のある生ハム。
メニューにハイボールがない、と思っていたのに、常連さんが普通に頼んでいたのをめざとく見つけて(笑)ハイボールを注文。
この手の居酒屋でハイボールといえば角瓶かトリスと相場が決まっているようなところ、ここのはキリン富士山麓のハイボール。アルコール度数高めで、安く酔っ払えるコスパ高いハイボールでした(笑。
オニオンロールパンの代わり、というわけではないけれど、〆に向かってチーズグラタン。
ドラマ観る前だったので何も知らずに頼んだ結果、「グラタンは、チンか(笑)」というゴローさんと同じリアクションを取る始末(;´Д`)ヾ。
いや、これはこれで楽しいぞ。子どもの頃、母親が忙しいときに買っておいてくれた冷凍食品の、懐かしい味(笑
〆は焼ビーフン。ここだけ、突然アジアンテイスト。
でも、〆に相応しいしっかり味。
ごちそうさまでした。
いや~、いい飯だった。
お客さんが増えてくるとカウンターの席を詰めてくれる常連さんのあったかさとか、料理を出すときに、店員さんがどこの席の料理かを把握してなくていちいちお客さんに聞いてる(笑)そのやりとりとか、まさにドラマそのまんまの、地元に愛された居酒屋。ちなみにドラマに登場した浅野温子さん演じる「スーさん」は実在の人物で、おかみさん以上にホールを掌握している感のあるしっかり者でした。
なお、帰り際に大将と軽く話をしたところによると、放送後はしばらくの間予約は取らない予定とのこと。確かに放送前でこの混雑だとさらなる混乱は必至でしょうし、常連さんが入れなくなってしまうのもお店としては避けたいところでしょう。今後巡礼予定の方は、そのあたりご理解の上、お互い楽しく利用できればと思います。
俺も今度はチョコレートラスクをおかずにご飯...いや、それはない。
ごめんね深川めし、今度ね。
投稿者 B : 22:56 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック
2015/09/26 (Sat.)
純米酒専門 粋酔
以前からずっと行ってみたいと思っていた店に、ようやく行ってきました。
日本橋にある、純米酒の専門店。毎週のように通っている某氏の写真がいつも美味しそうで、ずっと行きたいと思っていたんですが、先日ついに連れて行っていただきました。
ちなみにいただいた料理は常連さん向けの料理長おまかせコースだったので、レギュラーメニューとはちょっと違うようです。
純米酒専門店だけあって、乾杯はとりあえずビール、ではなく「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」の純米から。
スッキリとした辛口で、一杯目からスルリと入ってくる、飲みやすいお酒です。
本日のお通し三品盛り。いくらおろし、おぼろ豆腐、鴨。少量ずつですが、間違いなく日本酒の友、という品揃えです。
日本酒も基本的に全てお店側のおまかせで出てくるわけです。このお通しに合わせるのは「中野中」という、変わったラベルのついた二種類のお酒。
ともに若手、気鋭の杜氏である「ちえびじん」の中野氏と「東鶴」の野中氏という二人が、米・作り方・仕込み日を同一条件に揃えて仕込んだもの、とのことです。
飲み比べてみると、方や、しっかりした辛口。もう一方は、まろやかな口当たり。同じように作っても蔵元が違うだけでこんなに変わるものなのか!という驚きがあります。目から鱗が落ちる体験を、日本酒のお店ですることになろうとは。
本日のお造り。一人前はそれぞれ一切れずつ、という軽さですが、それぞれの魚に対して山葵、酢橘、レモン、蓼、大葉、と細かく薬味を分けてつけてくれています。
良い素材を丁寧に仕込んだ仕事ぶりが伝わってきて、ひとつひとつ美味しい。
刺身に合わせる日本酒も二種類。
「はくろすいしゅ 純米大吟醸」は夏に飲みやすい感じの銘柄ながら、今くらいの時季に飲んでも美味しいはず、とあえて一本だけ残してあったもの、とのこと。
「乾坤一 純米吟醸原酒 『ひより』」は、宮城県産の貴重な酒米「ひより」を使ったやさしい旨味が特長。ふくよかな辛口で、これとても私好みの味。
秋野菜の和え物。
シンプルに胡麻だれで和えただけのものですが、素材の味を大切にした味付けで、これも日本酒と一緒にいただくのに最適な感じ。
秋野菜にも、また違う日本酒を合わせます。「天吹 純米 雄町 ひやおろし」。
「天吹」という蔵元自体、花酵母で醸造する蔵元らしいのですが(これも今回初めて知った)、このひやおろしはコスモス酵母で造ったものだそうです。それなら秋野菜にも合わないわけがない。華やかな香りの日本酒で、今まであまり飲んだことのないタイプ。
今回の料理で最もインパクトがあった見た目の、鮎の塩焼き。
都内の居酒屋で魚がうまい店は数あれど、鮎の塩焼きを出してくれるところってそうそうないですよね?こういうものが出てくると思わなかったので、嬉しい驚きでした。
蓼酢をつけていただきます。
さっきからいただいている料理、どれも居酒屋ではなくて料亭に来ているかのような内容とクオリティ。これは満足度高いです。
鮎と一緒にいただくのは、「すっぴん るみ子の酒 あらばしり 生原酒」。
ラベルは『夏子の酒』の尾瀬あきら先生が描いたもの。女性杜氏が造っている蔵元で、『夏子の酒』とよく似た環境であることに共鳴した尾瀬氏が命名から行った銘柄です。
そして本日の揚げ物、茄子や穴子の天ぷら。シンプルに塩でいただきます。
穴子がホクホク柔らかく、これまた絶品。思わず「おかわり」を言いたくなる、良い仕事ぶり。
「天ぷらに負けない日本酒を」ということで出てきたのは、「而今(じこん) 純米吟醸 千本錦火入」。
未開封の一本を、最初の一杯目からいただきました。
これは確かに、天ぷらに負けない、濃く力強い味わい。口に含んだ瞬間に、自分の中の芯がぎゅっと引き締まるような感覚さえあります。こんな日本酒があったとは。
天ぷらと力強い日本酒から打って変わって、ハタの煮物。
優しい味つけの煮物で、お吸い物のように汁まで残さず飲みたくなる味。三ツ葉の香りもとてもよく効いています。
お酒は「出雲富士 純米秋雲」をぬる燗で。
しっとりした旨味が確かに「秋雲」らしく、ぬる燗の温度もちょうど良い。煮物と地続きな感覚で、スッと入ってきます。
〆のご飯ものは牛すじチャーハン。ここまで丁寧で上品な料理が続いてきたところに、最後だけパンチのある味付けとボリュームで、これは有無を言わさず締まります。
とろとろになるまで煮込まれた牛すじと、濃いめの味付けがうまい。
この牛すじチャーハンにさえ、合わせられる日本酒があります。
この「まつのことぶき 八割八分」は、その名の通り 88% の低精米で造られた日本酒。ぬる燗でいただくと、低精米ゆえかいろんな味と香りが感じられて、まるで「日本酒をおかずにご飯を食べる」ような感覚さえあります。これもまた、目から鱗。
デザートは、葡萄のゼリーとフレッシュチーズ的な何か。
スッキリ甘口のゼリーと、甘酸っぱくてとろけるチーズ、どちらもおいしい。こんなデザートまで用意されているとは。
ご飯に合う日本酒があったからには、デザートワイン的な日本酒だって当然あるわけです。
この「33」という日本酒は、別に長嶋茂雄名誉監督リスペクトではなく(ぉ)女性杜氏の「みさ」さん(ささ、ではない)が造ったお酒で、まさにデザートワインのような、フルーティな甘みのある日本酒。いや、これは日本酒の味というよりは、ドイツワインに近いような気がします。
こちらは店長からのサービスということで、もうひとつ別方向の甘口「水もと 三諸杉」。こちらはヨーグルトとか発酵乳のような、甘みと酸味が絡み合った味。
日本酒といえば「米の味と香り」をいかに活かすか、みたいな方向性しか知らなかったけど、こういう世界も広がっていたのか...。
料理も日本酒もとても美味しくて、とても楽しいお店でした。
お酒の種類としては一度にこんなに飲んだのは初めてというほどたくさん飲みましたが、それぞれお猪口に 1~2 杯程度で、悪酔いすることもなく、いろんな味が楽しめた満足感のほうが高いです。
店長さんはとても若い印象を受けましたが、日本酒のことをとてもよく知っているだけでなく、日本酒のことが本当に好きなんだろうな、ということが伝わってくる接客。銘柄を紹介するときに「ここはぜひ応援してあげてほしい蔵です」ということを言われたお店は初めてではないでしょうか。
期待通りの良いお店だったので、ここはもうリピート決定です。日本酒とうまい肴が好きなあの人やあの人を誘って来てみたいな、というのが、飲みながら想像できるお店でした。
ただ、次回は料理長スペシャルではなくて、レギュラーメニューの実力も見てみたいところ。
ごちそうさまでした。また来ます。
投稿者 B : 23:23 | Dinner | Drink | Gourmet | コメント (0) | トラックバック