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2017/04/20 (Thu.)

台湾台北市永楽市場の鶏肉飯

「胃袋問屋の在庫、ゼロ。倉庫、カラ。まずは何か食おう」

迪化街

というわけで羅東に続いて台北の聖地にやってきました。前回の訪台ではすぐ近くまで来ていながら甘味パートしか巡ることができなかったので、ここへの聖地巡礼は悲願でした。今回は台北の中心街からタクシーで来ましたが、地下鉄だと北門駅から徒歩でのアクセスになります。

迪化街

ともあれ、お店に入る前にちょっと周辺の散策を。ここ永楽市場は昔からの繊維市場とのことで、輸入雑貨商のゴローちゃんが仕事で訪れるという設定にも納得感があります。さらに隣接する迪化街は台湾最大の乾物市場で、活気があり歩いているだけでも楽しい。

迪化街

さまざまな乾物や香辛料が歩道にせり出すほどに並べられていて、商店街全体に不思議な香りが立ちこめています。
料理の香りとは違うとはいえ、この香辛料の香りはなかなか胃への刺激が強い。なんというか... 腹 が 、 減 っ た 。

永樂担仔麺

店を、探そう。

というわけで Google マップを片手に目的地を探すわけですが、ここと思われる場所にテレビで見覚えのある建物がなかなか見当たらない。
...が、注意深く見てみると、張り出されたビニール製の日除けによって看板が隠れていただけでした(笑。

永樂担仔麺

永樂担仔麺

あったあった、ここだ。永樂担仔麺。
この店、勢いがある。

お昼どきなだけあって、かなり活気あるなあ。

永樂担仔麺

店先ではせっせと仕込みが行われていて、これを見ているのも楽しい。
この雰囲気、どっかで感じたことがあるなあ...と思っていたら、赤羽のまるます家によく似ているんですよね。案外、番組スタッフがこの店を選んだきっかけも、それだったりして。

永樂担仔麺

ん、大陸妹?何ですかそれは。

という劇中のモノローグも、やらせではなく本当にこうやって無造作に段ボールが置かれていたことが分かる一コマ。

永樂担仔麺

店外の席がいっぱいだったので、店内に入って座らせてもらいました。

メニューは日本人フレンドリーな感じになっていて、ドラマ放送後に多くの日本人が訪れたことが窺えます。
そして日本のお店ならば「五郎さんセット」と書かれるところが「五郎特餐」!漢語で書かれると特別感がすごい(笑

永樂担仔麺

そんなわけで、五郎特餐。鶏肉飯(チーローファン)とおかずセットの組み合わせです。

おお...これが台湾式屋台スタイルか。
無造作な感じでありながら、強力に食欲を刺激してくる見た目。

永樂担仔麺

まずはおかずセットの、肉・油揚げ・煮玉子。

ほう!これはタレがいい。
メシが進んじゃうでしょ、こういう味で来られたら。

こういうのを気取らずにワシワシいけるのが、屋台メシの楽しいところ。
いいぞいいぞ。

永樂担仔麺

そして白菜。
白菜って、同じものでも和風だしと中華だしで全然味わいが違う。
ここの白菜は中華の味をしっかり受け止めていて、これだけで白米がイケそうだ。

青菜もグー。これが「大陸妹」かな?レタスの一種ってことらしいけど。
昨日の葱もうまかったし、台湾って野菜がうまいのか。
いい国じゃないか。

永樂担仔麺

でもって、鶏肉飯。
魯肉飯は食べたことあったけど、鶏肉飯はこれが初めて。

これもまたタレがいい。いいよ、この味。
タレの味でご飯を食べさせながらも、魯肉飯よりも軽い感じなんだな。
台湾のぶっかけご飯、ナイス。おかわりしたくなってきちゃったぞ...。

永樂担仔麺

おいしかったです。ハオツー。
このセットで 85 元(日本円にして 300 円ほど)って、ちょっとすごい。
安いし、うまいし、いい飯だった。

本当はもうちょっと食べたい気分もあったけど、聖地巡礼はもう一箇所残っているので、ここらで切り上げ。
また来る機会があったら、今度は麺、いってみようかなあ。

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投稿者 B : 00:12 | Gourmet | KODOGURU | Lunch | コメント (0) | トラックバック

2017/04/17 (Mon.)

台湾宜蘭県三星郷の葱餡餅

「ここが...羅東。台北とはやっぱり雰囲気が違う」

羅東

時間軸的には羅東の聖地巡礼から遡ること数時間。同エピソードの間食パートの聖地も巡ってきました。

宜蘭県羅東は地方都市という印象で、台北に比べてゆったりした時間が流れている感覚があります。新しい建物や高層ビルもなくて、台北からほんの一時間半も走ってきていないのに随分印象が変わります。でもこっちのほうが旅して来た感があって、なんかいい。

羅東

この羅東駅から間食パートの聖地までは、路線バスかタクシーくらいしか交通手段がありません。今回は時間がもったいなかったし、ゴローちゃんのようにタクシーで「腹が、減った」のシーンを再現したいという思いもあり(ぉ)タクシーで移動。

ちなみに台湾のタクシーはほぼ黄色で統一されていて、流しのタクシーを捕まえる際にも見つけやすい。もっとも日本と同じで、地方に来ると流しのタクシーもほとんど走っておらず、駅前で拾うことになりますが。
日本と違って高級車のタクシーはほとんどなく、大半が大衆車ベース。でも新しめの車両が多くて、アメリカのようにタクシーの質が低いということもありません。しかも運賃が安く、日本のタクシーの 1/3~1/4 くらいの感覚で、電車やバス代わりに気軽に利用できるのがありがたい。今回の訪台でも移動の大半にタクシーを使いました。

羅東

宜蘭からの道中。道沿いはほぼ田畑という感じで、台湾に来たという感覚があまりない(笑。日本の田舎と変わらないなあ。
まるで帰省してきたかのような、のどかな風景が続きます。

羅東

...かと思えば、合間にちょいちょいこういう屋根に派手な装飾が施された赤い建物が出てくるので、「おう、そういえばここ台湾だった」と思い出すことになるわけです(ぉ。
いや~、面白いなあ。

そんなわけで 30 分ほどタクシーを飛ばしたところで、目的地に到着しました。

三星青葱文化館

三星青葱文化館

ここか、青葱文化館。

宜蘭の西の方にある「三星郷」と呼ばれる農村。
中でも葱はブランド化されているようで、その象徴たる建物がこちらです。

三星青葱文化館

青葱の文化、その館。
...ゆるキャラ。

このひょろっとした姿が何とも言えない。
しかも、自転車のカゴには梨。そういえば道中、あちこちに梨畑もあったっけ。

三星青葱文化館

建物の中に入ると、また別のゆるキャラがお出迎え(笑。
しかもこのニワトリ、トウモロコシでできてるし。農作物のオールスター。

青葱文化館っていうから、三星における青葱の歴史や文化・風俗についていろいろ教えてくれる施設かと思ったら、中は半分ほどが地元の農産物関連の物販コーナーでした(笑。

葱明小舖

外に出ると、「葱明小舗」というはなれのような建物が。
そうそう、ここがゴローちゃんの間食ポイントです。

へ~、葱餡餅。
小腹も空いたし、食べてみるか。

葱明小舖

注文すると、目の前の鉄板で焼いてくれました。
一見クレープ屋さんのようだけど、焼いている生地にはしっかり青葱が挟まれてます(笑。
でも、この垢抜けなさが逆にいい。

葱明小舖

できました。
おお~っ、葱たっぷり。

表面はパリパリ、中はトロッとしていて、クレープともお好み焼きとも違う新食感。
醤油だれっぽいのと辛味噌だれの二種類の味が、葱の風味を引き出していて、これはいける、うまい。

いいじゃないか、いいじゃないか。
ばあちゃんのおやきを思い出す味。ばあちゃんにおやき作ってもらったことないけど(ぉ。

三星

ちょっとした間食のつもりが想像以上においしくて、おかわりもしたくなったけど、主目的の聖地巡礼のためにここでお腹を満たしてしまうのは得策ではない。
というわけで、少し三星の街を散策してみるか。

いや、実際にはタクシーかバスに乗ろうと思って周辺を探し回っていただけなんですけどね(笑

三星

三星は羅東よりもさらに田舎の農村で、妙に懐かしい感じ。自分が生まれ育った故郷も昔はこんな感じだったよなあ...。
台北の辺りは街並みは東京都あまり変わらないし、歩いているとあちこちで日本語が聞こえてくるくらい日本人も多いけど、このあたりは全然違う。古き良き台湾がまだ残っている感じ。どんなところか分からず不安だったけど、来てみて良かった。

ここからは路線バスでいったん羅東に戻って、そこからまたタクシーで今度は東へ。

国立伝統芸術中心

国立伝統芸術中心

こちらはゴローちゃんが羅東から台北に戻る前に訪問していた「国立伝統芸術中心」という場所。その名の通り、台湾の文化や伝統を集めたテーマパークとのことです。

しかし...実はこの日、行きのフライトが大幅に遅れた上に空港のイミグレで大混雑に見舞われ、当初の予定よりも 2~3 時間押しという状況でした。で、急いでここまで来てみたはいいけど、到着時点でほぼ施設の営業終了の時間だったことが発覚(;´Д`)ヾ。施設の方のご厚意で「中のお店はほとんど閉まっちゃってるけど、せっかく来たし見るだけなら...(意訳)」ということで、中だけ散策させてもらいました。

国立伝統芸術中心

本来は、ここで第 5 話の甘味パートに登場したトマト飴をいただくつもりだったんです。が、やってないものはしょうがない(´д`)。
しかしドラマを観たときはこの飴にどういう意味があるんだろう?と思っていましたが、この施設の装飾に使われている多連の提灯がモチーフだったんですね。

国立伝統芸術中心

この施設、立地も立地だしあまり派手さはないんですが、とても台湾らしい雰囲気が漂っていて、フォトジェニックな被写体もいろいろあって、けっこう楽しい。
これはやっぱりちゃんと営業してる時間帯に来たかったなあ。今後羅東に来る機会もそうそうないだろうけど、また近くに来るチャンスがあれば、改めて立ち寄りたい。

最後はちょっと残念でしたが、台北にいてはまず感じられない台湾らしさを実感できる小旅行。なかなかに楽しかった。
ゆったりした時間を感じることができて、少しリフレッシュできました。

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投稿者 B : 22:56 | Gourmet | Junk Food | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック

2017/04/16 (Sun.)

台湾宜蘭県羅東の三星葱の肉炒めと豚肉の紅麹揚げ

「久しぶりだ、このワクワク感」

台湾

ドラマ『孤独のグルメ Season6』の放送も既に始まっていますが、私としては一年半前の Season5 の聖地巡礼がまだ未完。去年たまたま出張で行った際にも甘味パートしか巡る余裕がなかったし、これを終わらせないことに Season6 の聖地巡礼に取り組むわけにはいきません。というわけで、満を持して再び台湾へやって来ました。

羅東

最初の目的地は宜蘭県羅東。現地の発音では「ルードン」と読むらしい、台北から南東に位置する海のすぐ近くの町です。台北からは電車または高速バスで 80 分ほど。電車のほうが早そうに思えますが、電車は海沿いをぐるっと回って行く(距離が長くなる=高い)のに対して、バスはほぼ直線的なルートで行くのでほぼ同じくらいの時間で行けてしかも安いので、バスルートを選択。しかしこのバスが高床型で、しかも高速道路は高架だったり山間だったりを走るので、高所恐怖症の身には怖い怖い(;´Д`)。これは電車にしておけば良かったかも...。

ともあれ、羅東駅から徒歩 10 分あまりのところに、今回の目的地はありました。

船家熱炒 99

このお店。劇中に登場したのは「全台小吃部」というお店でしたが、なんと放送翌日に店主が急逝してしまい(!)閉店していました。が、直後にほぼ同じ業態のお店が居抜きで入り、店名を変えて今でも営業しています。立地的にも、そんな経緯的にもこのお店にまで聖地巡礼に来ている人は、私が調べた限りではほとんどいないようで。でもここまで巡礼するか否かで敬虔さが問われると言えるでしょう(ぉ

それにしても長旅で、腹 が 、 減 っ た 。

いや、焦るんじゃない。俺は腹が減っているだけなんだ。
台湾人も腹が減る。人類、みな同じ。

船家熱炒 99

船家熱炒 99

現在の店名は「船家熱炒 99」。うまそうな字面じゃないか。
どうやらこのお店自身が漁船を持っていて、それで獲れた新鮮な魚介類を提供するというコンセプトの店らしい。
「熱炒」とは「ルーチャオ」と読み、ジャッと炒めてササッと出せるおつまみを中心とした居酒屋、くらいの意味らしい。
それを一品 99 元から提供しているから「船家熱炒 99」、なるほど。

船家熱炒 99

お店の前には大きな水槽と保冷ボックス。
ドラマに出てきたほうのお店では、この水槽に活きた魚介が並べられ、店頭にメニューが掲げられていましたが、今のお店ではメニューはなく、水槽もちょっと寂しい感じ。でも保冷ボックスには獲れたての魚が豪快に入っていて、注文が入るとそこからおもむろに食材を取り出していくのが、ちょっとしたショー感あります。

とにかく、店に入ろう。

船家熱炒 99

さて、メニュー的なものは...なるほど、これがメニューと注文票を兼ねているのか。
しかし、写真もなしに文字だけとは...これは難しすぎる。漢文のテストだ。

でもせっかくだから、別の店とはいえドラマに出てきたのに近い料理をできるだけ頼んでこその聖地巡礼だ。
日本だって漢字文化圏、雰囲気を頼りにそれっぽいのを頼んでみようじゃないか。
これで思ったようなのが出てきたら、台湾万歳だ。

船家熱炒 99

飲み物は...あ、あれか。
そうえばゴローちゃんもこの冷蔵庫から勝手にお茶を取っていたっけ。
よく見ると十六茶とかカルピスウォーターもあるし、けっこう日本の飲み物ってこっちでもメジャーなんだな。

船家熱炒 99

ま、こっちに来たからには台湾ビールでしょ。
薄味で水みたいにグイグイ飲めるのが、まさに暑いところのビールという感じ。この時季の台湾はまだ夏の気候じゃないけどジワリとくる暑さがあるし、こういうビールがありがたい。

船家熱炒 99

さあ、料理がおいでなすった。
三星葱の肉炒め、やっぱこれからでしょ。葱の名産地だけあって、今のお店でもちゃんとありました。

ドラマに出てきたのは臘肉(ベーコン)だったけど、今のお店は普通の肉。牛と羊が選べたので、迷った挙げ句牛にしてみました。

船家熱炒 99

おお、葱だ。葱が、改めてうまい。
さすがに三星葱、台湾のブランド葱なだけあって、しっかり存在感のあるネギ味。
食欲をそそるこのタレがまたいいんだよなあ。でも、これは牛肉よりも羊肉のほうがパンチがあって良かったかもしれない。

船家熱炒 99

そして、チャーハン。
何の変哲もないチャーハンだけど、本場に来たからにはこういう王道のチャーハンこそ食べたい。

おお...ちゃんと、チャーハン。
しかも、うんまい!!

看板の熱炒に偽りないおいしさです。

船家熱炒 99

これもちゃんとあった紅糟排骨(豚肉の紅麹揚げ)!
ドラマとは見た目が少し違ってパクチーが添えられたりもしているけど、これがあると思っていなかったので、本当に嬉しい。もしかして、この紅糟排骨ってけっこう台湾の定番料理だったりするんだろうか。

船家熱炒 99

おお~、肉の脂がガツンと来る。
日本ではちょっと味わえない肉味。

これはビールが進んじゃう味だなあ。
日本でもこれが食べられる店があったら、俺、通っちゃいそう。

最高、パイコー、最高!

船家熱炒 99

船家熱炒に入って海鮮頼まないのは、寿司屋に入って玉子とかんぴょう巻しかしか食わないで出るようなものか?
というわけで、海鮮も頼んでみました。これもドラマと同じメニューがあった、蛤仔湯(蛤スープ)。

船家熱炒 99

日本と同じ、海のものはうまいはず。
見た目も日本の蛤汁みたいだけど、刻み生姜が入っているのが台湾流。

ふんふん、蛤、ハオツー。
いいよいいよ。

船家熱炒 99

茹で烏賊。これはメニューに書いてなかったけど、漁船持ってるような居酒屋ならイカくらいあるだろ!と思ってダメモトで注文してみたら出てきました。スマホで写真を見せながら「魷魚(ヨウユー)」とか通じるか通じないか怪しい中国語を喋ってなんとかオーダー(;´Д`)。

そしたらドラマに登場した茹で烏賊とはだいぶ見た目の違うのが出てきて驚きました。まるで日本の鱧料理かのような、見事な細工包丁。
しかも見た目だけでなく、このイカ...うンまい!弾力性よりも柔らかさが勝っている感じのイカで、この細かな切り込みにワサビ醤油や辛ダレがよく絡んで、とてもうまい。

普段、イカって刺身、煮物、酢の物、フライ、乾き物...いろいろ食べるけど、こういうシンプルに茹でただけのイカ、って滅多に食べない気がする。
素材がいいからできることなんだろうけど、こんなにうまいと思ってなかった。台湾をなめてたか。

このイカ、やっぱりイカしてる。
あ~、止まらない。

船家熱炒 99

葱、米、肉、貝、烏賊、全部マル。
漢文テスト、全問正解じゃないか。
まさかお店が変わったにも関わらず、ゴローちゃんが食べたのとほぼ同じ料理がひととおりいただけるとは思ってませんでした。いずれも台湾の定番料理なのか、それともお店側が以前のお店を意識しているのか。真相は分からないけど、おいしけりゃそれでいいじゃないか。

台湾の熱炒、素晴らしい。
ハオツー、ハオツー。シェシェ、台湾。

あ~、うまかった。
ごちそうさまでした。

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投稿者 B : 21:56 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック

2017/02/22 (Wed.)

『孤独の中華そば「江ぐち」』と「みたか」

『孤独のグルメ』の原作者・久住昌之先生のエッセイのひとつに『孤独の中華そば「江ぐち」』という作品があります(正式にはエッセイではなく小説らしい)。

久住昌之 / 孤独の中華そば「江ぐち」

孤独の中華そば「江ぐち」

もともとは 30 年以上前、久住さんが 26 歳のときに書いた本らしいですが、その後絶版と復刊を二度繰り返し、三度目の刊行が行われたのが 2010 年。『孤独のグルメ』が最初のドラマ化をされる前のことですが、その時点では既に知る人ぞ知る存在になっていた『孤独のグルメ』から引用する形で復刊版のタイトルがつけられたのでしょう。

この「江ぐち」というのは、三鷹にかつて実在したラーメン店のことで、三鷹生まれの久住さんが若かりし頃に日常的に通っていたお店とのこと。なんたってこんな本を勝手に出したり、久住さんのバンド・スクリーントーンズで勝手にテーマソングまで作曲してしまうくらい思い入れのあったお店のようです。この本が三度目の刊行を行われた年に閉店してしまったそうですが、本書ではその「江ぐち」の在りし日の思い出が生々しく綴られています。

孤独の中華そば「江ぐち」

といっても、エッセイの内容は久住さんと悪友たちが店員に「タクヤ」「アクマ」「オニガワラ」などという渾名を勝手につけていた話とか(それも「タクヤ」は顔が久住さんの弟に似ているから、というしょうもない理由だったりする)、基本的には大学生のだらしない日常の話と、そこから脱線(しかもかなり話題が飛ぶ感じで)した話ばかり。それでも久住さんや悪友たちがお店の様子をよーく観察し、そこから妄想を膨らませたり、自分なりの「食べ方の流儀」にこだわったりするあたりが『孤独のグルメ』の原点なんだなあ...というのがとてもよく分かるエッセイになっています。

まるでドラマの「ふらっと QUSUMI」コーナーで隣の席に座って久住さんの飲み話を聞いているような、スクリーントーンズのライブで久住さんの脱線だらけの MC を聞いているような、そんな感覚が文章を読んでいても感じられます。私は紙の本を読んでいて吹き出してしまうことってまずないんですが、この本は数ページに一度くだらなすぎて吹く(笑。

孤独の中華そば「江ぐち」

このエッセイの中でも「お店のカウンターの中で店員が険悪なムードだと、料理が全くおいしく感じられない」という話をつらつらと書いていたりして(ちなみにこのエピソードは「江ぐち」のことではなく脱線した他の店の話)、漫画『孤独のグルメ』に登場したアームロック回のような経験が本当に許せないんだなあ、というのがよく分かります。
でも基本的には全編にわたって馬鹿話と妄想と脱線が繰り広げられていて、久住さんが食事している間の頭の中を覗き込んでいるような感覚。

で、先日たまたま仕事で三鷹方面に行く用事があり、しかも帰りが半端に遅くなってしまいました。南東京の住人としては中野よりも西、というのは妙に遠くて、これは帰るまでもちそうもない。仕方ない、この辺で何か入れていくか...と考えました。三鷹周辺は久住さんのホームグラウンドだけあって『孤独のグルメ』では原作、ドラマともに登場している町だし、私も何度か聖地巡礼に訪れています(全くの余談だけどコンビニ回では跡地の写真を撮るためだけに三鷹まで行った)。
お茶漬けの「みさと」は昨年末に閉店してしまったらしいけど、久しぶりに「」に行くかなあ...というところまで逡巡したところで、この店のことを思い出しました。

中華そば みたか

「江ぐち」と同じ場所で、「江ぐち」の若手職人が、「江ぐち」の店舗を居抜きで使って、「江ぐち」の味を受け継いだ店をやっている、という話。
確かに三鷹駅の正面の道を少し歩いたところのビルの地下に、そのお店は入っていました。

中華そば みたか

中華そば みたか

階段を降りると真正面にある「中華そば みたか」。これがその「江ぐち」の後継店です。

近代的なビルの並ぶ三鷹駅前の地下に、ここだけ昭和がそのまま時間を止めているかのような空間が広がっています。
店内のレイアウトとか、調理器具の様子とか、本当に久住さんのエッセイに書いてあったそのまんまで、ちょっと笑みがこぼれてしまうほど。

中華そば みたか

とりあえず一日の仕事が終わったところなので、瓶ビールで自分にお疲れさま。
でもラーメン屋でガッツリ飲んじゃうのも粋じゃないと思い、小瓶にしてみました。

中華そば みたか

で、ラーメンをいただく前に久住さんなら軽くつまんでから本丸に行くんだろうなと思って、「竹の子」をツマミにいただいてみました。
ここが普通のラーメン屋だったら「メンマ」あるいは「シナチク」と呼ばれるところだろうけど、この店では「竹の子」。噛み応えのあるメンマに大量の白ネギ、それにラーメンの醤油だれが絡んで、これはいいツマミだ。焼豚(チャーシュー、ではなく、チャシュー)にも心惹かれたけど、これは竹の子で正解だったかも。

中華そば みたか

そしてメインはチャシューメン。ツマミを竹の子でガマンしたので、ラーメンにはガッツリチャシュー。
この店、普通のラーメンが 450 円、このチャシューメンでも 700 円。イマドキそこらのラーメン屋ならチャシューメンで 1,000 円取る店もザラにある中で、この値段は嬉しい。

中華そば みたか

スープは澄んだ色の昆布だし&野菜系。カウンター内の寸胴鍋で人参や玉葱、キャベツなんかがゴロゴロ煮込まれた、見るからに美味しそうなスープ。
味は自己主張が強すぎず、ややスッキリめのやさしい味。初めての味なのにどこか懐かしい、昭和を思い起こさせるスープです。
最近の私はガッツリ豚骨とか煮干しとかよりも、こういうシンプルな醤油スープのラーメンこそ食べたいと思います。

チャシューはしっかりと味がついているけど、あまり脂っこくなく飽きずに味わえます。これもおいしい。
エッセイには、ツマミのチャシューはラーメンのと違って脂が冷めているのが「レーズンバター的な感じでツマミにいい」という話があったけど、確かにこのチャシューならそういう楽しみ方もアリだな。

中華そば みたか

麺は角張った形の自家製・中太ストレート。こういう麺を出す店ってあまり多くない印象だけど、こういう食べ応えある麺、けっこう好き。そしてこのスープならこの麺しかないだろうと感じる相性の良さ。飽きの来ない、いくらでも食べていられそうな中華そば。
この麺、見た目の印象どおりボリュームがあるようで、食べ終わった後にはけっこうお腹いっぱいになってしまっていました。

ここは美味しかったなあ...久住さんが毎週のように通っていたのも分かる気がします。
決してインパクトのある味ではないけれど、ジワジワと良さの分かる、毎日でも食べたくなるラーメンだと思います。自分で撮った写真見てたらまた食べたくなってきた。

今度三鷹に来る機会があったら、ツマミチャシューと五目そば、いってみようかな。

久住昌之 / 孤独の中華そば「江ぐち」

4895001342

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2017/02/09 (Thu.)

千葉県津田沼のリブステーキ

「肉の引力には勝てん、だったらステーキだ」

テキサス

先日の中野・蔡菜食堂に続いて、ドラマ『孤独のグルメ』お正月スペシャルのもう一つの聖地、京成津田沼のステーキの聖地へとやって来ました。津田沼って初めて降りたんですが、自宅からだとはるばる一時間半。私にとってはちょっとした旅行になりました(;´Д`)ヾ。
JR の津田沼駅とは違って京成津田沼側は住宅地のようで、周囲にはあまりお店も多くなく、静かな感じ。その中にひっそりと店舗があって、ゴローちゃんじゃなくても深夜に空いているめし屋がここしか見当たらなかったら、すがりたくもなりそうです。

私も長時間の電車旅ですっかり腹が減ってしまった。
もう後戻りはできない。ステーキに突っ込むぞ。

テキサス 津田沼店

テキサス

カウボーイハットや馬具、ライフルなどが展示されているウェスタン調の店内。そうそう、ステーキハウスってこうじゃないと。
ちなみに千葉県内や都内に「テキサス」と名のつくステーキハウスは何軒かあって、いくつかは支店やのれん分けっぽいですが、どこまでが系列なのかは正直分かりません。ステーキ屋で「テキサス」ってネーミングはベタベタだからなあ(笑

ドラマの放送から一ヶ月ほどということで混んでるだろうと思いきや、お客さんの入りはそこそこで寛げる雰囲気。立地的に都内からだとやる気が必要なのと、営業時間が長いことで他の聖地よりは巡礼客がバラけたんでしょうか。それでも席はずっと埋まっているような感じで、人気店であることが窺えます。

テキサス

ま、そんなことは置いておいてまずはビールから。
カールスバーグの生がありました。こういうお店の定番バドワイザーやコロナは瓶での提供になるようです。

さあ、それじゃあ料理のほうもいただきますか。

テキサス

ステーキが焼けるまでの間のツマミ的な位置づけで、まずはソーセージ盛り合わせ。
こういう店で鉄板に盛られたソーセージが出てくると、盛り上がるよなあ。

骨付き、チョリソ、粗挽きそれぞれに味と食感が違って、これはビールが進みます。

テキサス

これから肉をたらふく食べる前に野菜も採っておかないとね、とシーザーサラダ。
うん、これはオーソドックスなシーザーサラダ。

テキサス

からの、イタリアンサラダ(笑。どっちにするか迷った挙げ句、サラダにサラダをかぶせてしまった。

見るからに凄いボリューム感。チーズとソーセージが載っていて、食べ応えあり。
味も濃いめで、これはビールが進むサラダだ。テキサスに来てイタリアンサラダっていうのも変な感じだけど、これはこれでアリなマカロニウェスタン感。
シーザーサラダよりもこっちが当たりだった。

テキサス

さあ来ましたよ、名物ガーリックライス。

テレビ画面からもにおいが漂ってきそうだったけど、確かにすごいニンニクのにおい。これはやられる。
でも、これこれ。これですよ。

テキサス

店員さんが目の前でニンニクとタレを絡めて混ぜてくれるパフォーマンスつき。
見事な二丁スプーンさばき。これがさらにニンニクのにおいを漂わせるんだよなぁ~。

テキサス

というわけで完成、いただきます。

お~、きたきたきた。ニンニク襲来。
あ、でも、もっとニンニクの辛味がガツンと来る感じを想像していたら、むしろほんのり甘味を感じるやさしいお味。
こんなガーリックライスは初めてだけど、うまいじゃないか。

テキサス

ここで本命登場。テキサスリブステーキの 300g、ミディアムレア。
このボリューム感、この破壊力。

うお~、これは...いかんいかん、これはいかんやつじゃないか。

テキサス

粒マスタードにニンニクといった薬味類が傍に控える。
なるほど、これだけの量のステーキを、この薬味でいろいろと切り口を変えながら楽しめるわけか。

どーれ。

テキサス

うぉぁ...肉だ肉だ。
まごうかたなき牛の赤身肉だ。

この肉、思ってたよりずっと柔らかいし、脂が乗っている。
こういうウェスタンなステーキハウスって、肉質よりもとにかく量!という感じでちょっと歯ごたえのある赤身肉であることが多いけど、ここのリブステーキは本当にジューシー。
うん、こいつはなかなかいい肉だ。

いいじゃないか、いいじゃないか。
ステーキを粒マスタードで食べるというのも初めてだけど、これもいい。
はるばる津田沼にまで来た甲斐があるってもんだ。

テキサス

いちいちキコキコやって食うのが面倒になってきた。サイコロにしちまうか。
ニンニクはちょっと載せすぎたけど、でもそれがまた、たまらん。

うまいステーキを食ってる瞬間って、本当に幸せだよなあ。

テキサス

よ~しよし、拍車がかかってきた。
ガーリック・オン・ガーリック。知っててダブらせていくという攻め食いだ。
ガツンと力強い肉を、やさしいガーリックライスが受け止める。我ながら完璧な組み合わせだ。

ひたすら食うしかない、食い進むしかない。
月の荒野を爆走する幌馬車隊のように。

テキサス

最後はホットコーヒーで〆。ゴローちゃんと違ってこの後仕事が待っているわけでもないから、ステーキの余韻をゆっくり堪能できます。
ニンニク臭くなるのが分かってたから、金曜夜を狙って来たのもぬかりなし。

それにしても、腹が一杯だ。これ以上はもう食べられない。
今、俺の中で試合終了のゴングが鳴り響いている。

深夜じゃなくても、このステーキは反則級のうまさだった。

テキサス

店内には松重さんと店長役の和田正人さんのサイン、それに台本が展示されていました。
スペシャルドラマにもかかわらず、放送のほんの二週間前の収録だったようで、編集は突貫作業だったことが窺えます。

テキサス

それにしても満足度の高いステーキだった。食った食った。

機会があれば支店のほうにも行ってみたいなあ。
肉を食いたきゃ、テキサスを目指せ。ガンマンとなってリブステーキを狙い撃て。

ごちそうさまでした。

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

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投稿者 B : 00:08 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック

2017/01/14 (Sat.)

東京都中野のレバにら炒め

「おお、空腹を幸福に変える中華景色だ」

蔡菜食堂

久しぶりの『孤独のグルメ』聖地巡礼。年始に放送された「お正月スペシャル」に登場した、中野の中華の聖地にさっそく行ってきました。
JR 中野駅から割とすぐ、マルイの真裏にあるこぢんまりとした中華料理店。真っ赤な壁面に「蔡」だけフォントが異なる店名が良い味を出しているじゃないか。

上海家庭料理。
看板を見た瞬間、俺の中華魂に火がついた。

蔡菜食堂

蔡菜食堂

上海料理って、何があるんだっけ。

クリアフォルダに入ったレギュラーメニューの他に、ホワイトボードは日替わりメニュー系。
私はこのホワイトボード前の席(ゴロー席の左隣)でしたが、劇中のような女性客は少なく、残念ながら女性から熱い視線で見つめられることはありませんでした(ぉ

しかし、エビ、アワビ、ニンニク...魅力食材のオンパレード。いきなりグッとこさせるじゃないか。
腹の虫たちも狂喜乱舞している。

劇中で宮崎美子さんが演じていた店員さんは、中国出身の気さくで優しげなおかあさん。
「青菜の水餃子と...」と注文しかけたところで我々が巡礼客だとすぐに解ったらしく、「ああ、それとこれとあれね」的な話の早さ(笑

蔡菜食堂

乾杯は久住さんに倣ってスパークリングワイン。ちょっとした新年会を兼ねた集まりだもの、こういう特別感があったっていいじゃないか。
泡で気分が高まったところで、よ~し、あとは食うだけだ。

蔡菜食堂

で、いきなりスペアリブの黒酢ソース炒め。
他にもいろいろ頼んだけど、調理や盛り付けの都合でいきなりメインっぽいものが最初に登場(笑

五郎's セレクションではないけれど、これ食べたかったんだよなあ~。
この黒スペアリブ、ちょっと甘口の濃い味で、期待を裏切らない。肉にみっちりとこのソースが染み込んでいる。

メニューの星空からこれを選んだ俺、ナイス。

蔡菜食堂

順番が前後した感じでおつまみセットの登場。
メニューにも書かれていた前菜系から、アンチョビカレーポテトサラダ、揚げピーナッツ、新緑ザーサイ、お麩と木耳(きくらげ)の醤油煮、地鶏の老酒蒸し、菜の花のおひたしの六点。ザーサイはイメージと違う緑色っていうのが見た目通り新鮮だし、麩を木耳とこんな風に煮込んだのって食べたことがないし、ポテサラにアンチョビとカレーという組み合わせもそれは中華なのか?と思わなくもないけど、どれもお酒が進む進む。

これが上海家庭料理なのか。
酢豚エビチリとは、別世界交響曲。

蔡菜食堂

こんなおつまみセットを出されたら、そりゃあ紹興酒を頼まないと失礼というものでしょう。
甕から瓶に移し替えて出された感じの紹興酒が、なんだか気取らない感じでうまい。

蔡菜食堂

そこへ青菜の水餃子。
基本は三個セットだけど、一人二個×人数分にして最初から取り分けて出してくださいました。

青菜の餃子なんて初めて聞いた。
また新しい餃子の扉が開かれた。

蔡菜食堂

柔らかい皮の中から、ムギュッと凝縮された挽肉と青菜がこんばんは。
ニラとは全然違う、さわやかだ。青菜が餃子に合うとは大発見だ。

スープがこれまた優しい味で、まるでこの店の雰囲気をそのまま溶かし込んだかのようだ。

蔡菜食堂

こちらは白切鶏(バイツェーチ)。中華料理の定番のひとつと言えばやっぱり蒸し鶏。
ゴローちゃんは小を頼んでましたが、こちらは人数もいるので大で。
まさに「パクチーの森」と称したくなる大盛りは、パクチー好きにはたまらんぞこれは。

おぉ~、蒸したてだ。これはうまい鶏だ。
一口に蒸し鶏といってもいろんな味つけがあれど、この白切鶏はパクチーとニンニク醤油と鶏が渾然一体となって、強烈なパンチを放ってくる。

これはクセになりそうだ。いいぞいいぞ。

蔡菜食堂

おかあさんのオススメに従って青菜炒めもいただいてみました。気をつけないとタンパク質祭りを開いてしまうところだった(笑
シンプルな炒め物なのに、ニンニクが効いていてこれまたうまい。さっきの優しい水餃子とはまた違った青菜の一面を見た。
これもお酒の進む一皿だなあ。

蔡菜食堂

こんな青菜炒めを出されたら、紹興酒もあっという間になくなるというものでしょう。
というわけで、紹興酒おかわり(笑

蔡菜食堂

五郎's セレクションから、トマト卵炒め。これぞ中国家庭料理の真髄とも言えるザ・シンプル。

ほ~ら、うまい。甘くてうまい。
トマトと卵だけで勝負してる潔さがいい。
これは俺、大好きかもしれない。

蔡菜食堂

そして「ふらっと QUSUMI」に登場したあわびシイタケ炒め。
ぷりっぷりのアワビをふんだんに使った贅沢メニュー。これはシイタケが苦手な私でもうまい。
思わず表情がほころびます。

蔡菜食堂

青島ビールだって欲しくなるというものです。
やっぱりこういう中華なら、日本のビールよりも中華ビールだよなあ。

蔡菜食堂

気になったメニューから一つ、海老と豆腐のうま煮。
こういうシンプル極まりない料理って逆に難しいものだけど、これは豆腐に海老と中華のうまみがうまい具合に乗っていて、おいしい。

うん、上海家庭料理、なかなかに楽しい。

蔡菜食堂

ここで真打ち、レバにら炒めがついにおいでなすった。

レバー、でかし。照りもよし。
食欲がギンギンにかき立てられているなう。

見た目は普通のレバニラだけど、このレバーが、レバーが!
表面は普通に焼けているのに、噛みつくと薄皮がぷちっと弾けて中からとろけるようなレバーが。
こんな食感のレバニラ、生まれて初めて食べたかも。

このレバー、すごい。すごすぎる。
これをレバニラというなら、俺が今までの人生で食ってきたレバニラをなんと呼べばいいんだ。

蔡菜食堂

これは酒を煽るレバニラだ。
思わず、赤ワインをボトルで入れちゃったじゃないか。
中華を食べに来てここまでガンガン飲むこともそうそうない。それくらいテンションの上がる中華。

蔡菜食堂

ワインをもらったらさらに食欲がノッてきたぞ。
というわけで、ここでまさかのレバにら炒めおかわり(ぉ
やっぱり、二皿目も同じくうまい。

なるほど、このレバニラ、タレがやばいんだ。
このタレ、レバー、ニラ、三位一体の破壊力。
俺は今、心の底で待ち焦がれていた人と、運命の出会いを果たしている。

蔡菜食堂

〆は久住さんも食べていた、ナンプラーとアンチョビの焼そば。中華にアンチョビを使うという発想が意外だけど、上海料理なら魚のうまみが活きないわけがない。
日本のソース焼そばとは似て非なる、深みのある味。これもまた、おいしいです。

蔡菜食堂

デザートはまず、杏仁豆腐。

見た目はまあ普通だけど、味のほうは...これまた、いたって普通(笑

蔡菜食堂

さらにごま団子。
とはいっても我々が「ごま団子」と言われて想像するのとは全然違う。
見た目は、単なる白玉。

もちもちっとした白玉の中に、ほんのり甘いごま餡が入ってる。なんだか、かわいいデザート。
味のほうは、これまたこの店らしい、やさしくてかわいらしいお味。

上海風ごま餡団子、おおいに気に入りました。

蔡菜食堂

ああ、食欲のクールダウン。お茶はあったかいけど。
満足度の高いお店だったなあ...そのせいで、いつもの聖地巡礼以上に食べ過ぎたし、飲み過ぎた(;´Д`)ヾ。
でも、おいしかったからいいか。

ありふれた家庭料理の中にこそ、本当にうまいものが隠れている。
それはきっと、世界中どこでも同じなんだろう。
そのことを、町の小さな中華屋さんが教えてくれた。

町中華の鑑のような店だったなあ。
ここはいずれまた来たい。次回は、ニンニク芽と豚肉炒めなんて美味しそう。オーソドックスに焼き餃子と炒飯なんかもいいな。

本当にごちそうさまでした。

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投稿者 B : 22:56 | Dinner | Gourmet | KODOGURU | コメント (0) | トラックバック

2016/11/02 (Wed.)

宮城県石巻市のサバだしらーめん

「さぁ頼んだぞ、軽トラ号」

軽トラ号

今回の東北編聖地巡礼では、劇中と同様にレンタカーを利用しました。とはいえ、時間の都合でドラマのように石巻でレンタカーを手配していては周り切れなさそうだったため、仙台のレンタカー店で借りてクルマで巡りました。ただ、仙台のレンタカー店では軽トラを貸し出していなかったため、写真の日産ノートを「軽トラ号」と名付けて運用(ぉ

※注:さっきビールを飲んじゃいましたが、運転は同行の某氏(シラフ)にお願いしています。いずれにしても私は十年以上ペーパードライバーだから怖くて運転できない(笑

ただ、それだけではちょっとつまらないと思い、

くるまや本舗

実際にドラマに登場したレンタカー屋にも巡礼してきました(ぉ
しかしここ、劇中ではまるで駅のすぐ近くにありそうな描写なのに、けっこう離れてるんですね。駅横にもレンタカー屋があるんだからそこで借りれば良いのに、撮影許可が下りなかった的なアレですかね。

ちなみにお店には軽トラのレンタカーは見当たりませんでした(ぉ。でも劇中で走っていた軽トラは「わ」ナンバーだったので、実際に貸し出しているものと思われます(笑

...さて。

今回の聖地巡礼で、ここだけは外せないと思っていた場所がありました。
それが、ここ。

女川港

女川港を望む駐車場で、ゴローちゃんが黙祷を捧げていた場所。ここと同じ場所で自分たちも黙祷を捧げ、同じアングルの写真を撮りたかったのです。
Season2 のジャケ写ロケを思い出しながら、事前に Google マップでロケ地を特定して(笑)ほぼ同じ構図で撮影。ドラマでは足場か何かを使って少し高いアングルから撮影されていたようで、実際に撮れたアングルが少し低かったのが残念ですが、それでも満足。

この場面で井之頭五郎が祈りを捧げていたのは、震災の犠牲になった人々への哀悼か、復興に身を捧ぐ人々への感謝と激励か、それとも時に脅威となる自然への畏怖か。あるいはその全部かもしれませんが、まだ震災の傷が癒えないこの港の光景を前に、自然と自分も祈りを捧げたい気分になりました。

女川港

だって、このフェンスから下を覗き込むと、この状況ですよ。
関東で生活している分には震災の影響を感じることはもう少ないけど、少なくともここはまだまだ復興の途上。この辺り一帯が丸ごと津波に呑まれてしまったことを思うと、涙が出てきそうになります。
さらにこの右手には慰霊碑と献花台があって、さすがにその写真を載せることは躊躇われます。津波に呑まれる前の風景写真も飾られていて、目の前の光景との対比が、あまりにも重い。

女川港

道中にも、津波の被害を受けて解体された商店街のアーケードだけが残っていたり、震災の生々しい痕をまだ目にすることができます。
仙台から石巻~女川とクルマで移動してくる間じゅう、土木作業用の大型トラックがあちこちを走っていて、震災から五年半が経ってもまだ復興のための作業が続いていることを感じます。

震災からこれまで、気仙沼までボランティアに行った方やその後に津波被災地を旅してきた方のエントリーを読んでそれなりに知った気になっていましたが、少し時間が経過したとはいえ自分の目で現地の様子を見る、という経験は全然違いますね。自然の力の前に人間はあまりに無力なことと、それでも人が力を合わせることでまた前に進めること、自分が家族や世の中のために何をしなくちゃならないかとか、重々しい気分の中でもいろんなことを考えました。


閑話休題。

レンタカー「軽トラ号(ぉ」に乗って、女川から石巻まで戻ってきました。
北上川のすぐ近く、昔ながらの商店街の中に、その店はありました。

食堂きかく

「サバだし」というインパクト。煮干系のラーメンは都内にも数え切れないほどありますが、サバというのは初めて聞きました。
女川でさんざん海鮮丼やら穴子天やらを食べた後に「締めラー」としてこのラーメンを発見する井之頭五郎、おそるべし。

食堂きかく

食堂きかく

いかにも創作ラーメンとか B 級グルメ系だから新しめの店なんだろう、と思っていたら、お店はもう何十年も前からこの地で構えているであろう歴史ある食堂でした。
我ながらちょっと東京のラーメン観に染まりすぎていたなあ、と反省。

ともかく、別腹の寄り道、いただきます。

食堂きかく

店内も本当に古き良き地元の食堂。実際に地元のおじいちゃんおばあちゃんの憩いの場になっているようです。
でも、びっくりするほどいろんな人のサインが貼られていて、昔から知る人ぞ知る有名店だったんだろうなあ。

女川からクルマを飛ばしてきて、14:00 閉店のところ 13:30 頃に何とか到着できました。計算上はけっこうギリギリでしたが、今回の旅程はとことん運がいい。

食堂きかく

「ずるびきあんかけグルメ」って、何だそれ!?

サバだしラーメンってだけでもインパクトあるのに、それに負けず劣らず気になるワード。
調べてみたら、このあたりに伝わる「ズルズルと汁をすすり、あんかけのとろみが糸を引く」という郷土料理のことらしい。
ポスターにもいかにも郷土料理っぽい写真が並んでいて心惹かれるけど、ここは初志貫徹だ。

食堂きかく

というわけで、本命はもちろんサバだしラーメン。

食堂きかく

このサバだしに関するうんちくがこちら。
へえ、けっこう手間をかけて作ってるんだなあ。サバっていうといかにも青魚って感じの匂いが気になりそうなもんだけど、臭みがなく仕上がってるのかあ。

って、何故にフォントが古印体(笑
文章の理解を妨げる、絶妙なホラー感。どういうセンスなんだ...。

食堂きかく

待つこと数分、出てきましたよサバだしラーメン。

「サバだし」というイメージとは裏腹に、澄んだスープに焦がしネギ。
これはちょっと見た目からは味が想像できないぞ。

食堂きかく

まずはちょっとスープからいってみよう。

お~~~、そうなるか。
この味、好き。

確かに魚介系のコクのあるスープなんだけど、カドのないスッキリした味で、生臭さが全然ない。
サバのだしって、優しいんだ。

そこに絶妙に柔らか~く炊かれたチャーシューと、ドカンと存在感のあるサバのつみれ。
このサバつみれが、スープにないサバらしさを補って、サバだしラーメンを食べた感を味わわせてくれる。

食堂きかく

細くて喉ごしの良いストレート麺がまた、このスープによく合ってる。
まるで石巻の人々の素朴な優しさに触れたようなラーメンだ。

サバだしラーメン、逃がしたら後悔するとこだった。
うまいなあ、東北。

食堂きかく

ちなみに、店内ではこのオーディオ機器からずっと懐メロがかかっているんですが、間にちょいちょいサバだしラーメンのテーマ曲が挟まれる謎演出。しかもこのテーマ曲、何パターンかあるし。
他のお客さんも含め、ちょうどサバだしラーメンが出てくるタイミングに限ってプロレスの入場曲よろしくテーマ曲が流れてくるとか、そんなん吹くに決まってるやろ(;´Д`)。

食堂きかく

ついでに、ゴローちゃんが他のお客さんが頼んだのをガン見していたソースカツ丼もいただいてしまいました。
ただのソースカツ丼と思いきや、これが今まで食べたどんなソースカツ丼とも違う斬新さ。

まず衣が、パン粉以外に何を使っているのか分からないけど、とんかつとは思えないほどサックサク。
ソースも普通のソースではなくサバだしを使ったソースとのことで、まるで鰻のタレのような深みのある味。
肉はしっとり柔らかい。

これ、ノーマークだったけどすっごく美味しいです。俺の中のソースカツ丼観が天地ごとひっくり返った。

食堂きかく

てっきりメインの後のおまけの一皿だと思っていたら、なんのなんの。これだけでドラマのレギュラー回一本分くらい作れてしまいそうな、実に奥の深い店でした。

宮城出張編、どの店も本当に美味しかったし、楽しかった。
きっとまた遊びに来ようと思います。

ごちそうさまでした。

孤独のグルメ Season5 Blu-ray BOX

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※Blu-ray BOX には「真夏の東北・宮城出張編」は収録されていません

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投稿者 B : 22:56 | Gourmet | KODOGURU | Ramen | コメント (0) | トラックバック

2016/11/01 (Tue.)

宮城県三陸女川町の海鮮五色丼

「地のものを食べられる喜び。そのかけがえのないおいしさが、俺の心と身体にみなぎっている」

女川港

ドラマ『孤独のグルメ』東北出張編の聖地巡礼は、もう一つのサブタイトルとなっている海鮮五色丼をいただきに、牡鹿郡の女川(おながわ)町へと足を伸ばしてきました。
私は宮城というと仙台~松島までは来たことがありましたが、女川は松島からさらに東。東北地方のリアス式海岸の南端に位置する町で、かの東日本大震災において最も甚大な津波被害を受けた地域の一つでもあります。劇中でも、震災からの復興に寄せたメッセージが強く感じられる回でした。

活魚ニューこのり

ニューこのり

今回の聖地「ニューこのり」も、当時この町で営業していた「このり」という食事処が震災の被害で営業できなくなってしまい、この場所にプレハブで作られた仮設店舗「ニューこのり」として営業再開した、という経緯をもつそうです。ドラマに登場したときには「なんでプレハブ!?」と思いましたが、そういうことだったんですね。震災の被害を受けてそのまま廃業するしかなかったお店も少なくなかったでしょうが、このお店は今でも力強く営業を続けています。

よし、たのもー。

ニューこのり

っていきなりコレか!(笑

このお店の名物、丼からはみ出す勢いの穴子丼をアピールするポスターが、強烈なインパクトをもって出迎えてくれました。

店内はほぼ満席に近い大盛況。お昼より少し早い時間に到着したわけですが、我々が入店した直後に行列ができ始めて、もうちょっと遅かったら危なかったあ。萃萃でギリギリ牛たんにありつけたことといい、今回はツイてる。

ニューこのり

どれどれ。
特選海鮮丼、極上海鮮丼...メニューが豊富すぎて目移りしてしまう。
う~ん、あれも気になるよなあ...迷わせるなあ~!

やはり海鮮丼だろう、ここは。
だが、組み合わせのセレクトが難しすぎる。

ニューこのり

とにかく、昼間だけどビール喉ごしを良くする液でここまでの旅の疲れを癒やします。
青みがかったグラスに注ぐとあんまり美味しそうに見えないのがちょっと惜しい。でも、昼酒ってうまい。

ニューこのり

きた!海鮮五色丼、まさにオールスター。
素晴らしい海鮮曼荼羅。

見るからに豪華な丼に加えて、豚汁(あら汁ではなかった)と小鉢に牡蠣の煮浸しっぽいのがついてくるのが嬉しい。

ニューこのり

ん?ウニ、イクラ...なんだ、六色以上あるぞ。
なんて幸せな計算ミス。

どのネタも新鮮でプリプリ、トロトロ。
三陸の海鮮って、日本海とも江戸前とも違う、雄大な海の恵みを感じます。

いろんな海の幸がご飯の上で和やかに集う海鮮丼は、この店の景色そのものだ。
俺は今、この店の海鮮の一部になって、この店のたくましさをいただいている。

ニューこのり

海鮮五色丼からの、穴子丼。フッ。

こんなに充実感のある穴子天ぷら、かつて食べたことがあったろうか。いや、ない。
もったいぶることなく、食べたいだけ穴子を食べられる贅沢を、今俺は手に入れた。

熱くてほわほわ、揚げたての穴子のうまさといったら。
これは今までに食べた穴子天の中でベストかも。
そしてタレがいい。米と穴子をがっちり結んでる。

ニューこのり

そして五郎's セレクション外から、女将さんお勧めの今が旬・カキフライ定食もいただいてみました。
自家製っぽいソースとタルタルソースの両方が楽しめる、というのが嬉しいじゃないか。

ニューこのり

穴子天と同じく、このカキフライも揚げたてでサクサク・ほわほわ。
そういえば以前松島で生牡蠣を食べたときも思ったけど、三陸の牡蠣って西日本のと比べると小ぶりだけど、その分ギュッと旨味が詰まってるんだよなあ。

あ~、こっちも負けず劣らずおいしいや。

ニューこのり

本当はここでゴローちゃんが食べてた殻ウニに行きたかったところが、牡蠣だけに夏季しかだしていないとのことで(ぉ)普通の生ウニ。
ウニ好きとしては海鮮丼分に加えての替えウニ。これぞ大人食い。

おぉ~、きたきたきた!磯が攻めてきた。
青く透明な三陸の海が見えたぞ。

ニューこのり

「ふらっと QUSUMI」を見てどうしても食べたいと思っていた、クジラ刺。
クジラの刺身って今までにも何度か食べたことがあるけど、こういうトロッとしたタイプは初めて。それにトイ(皮の下にある脂身)も初めて。こういうのは産地近くじゃないと食べられないからなあ。

ニューこのり

赤身とトイを重ねて、生姜醤油にちょっとつけていただきます。

見た目通りにトロッとした赤身に、最初はコリッとした食感なのに口の中で溶けてくるトイの食感がたまらない。
今までに食べたどんな肉とも魚とも違う感覚だ。

この複雑に入り組んだ味、たまりませんな。
舌の上がリアス式海岸になりそうだ。

ニューこのり

店内にはこの店を訪れた有名人のサインが飾られていました。
全て「ニューこのり」になってからのもので、震災後に応援を兼ねてこの地を訪れた方が多いことが分かります。

って、松重さんのサインが見当たらないけど...。

ニューこのり

と思ったら、その下にちゃあんと松重さん・久住さん・女将さん役の余貴美子さんのサインがあるじゃないですかー。
しかもよく見るとその後ろに、サザンオールスターズの桑田佳祐さん・原由子さんのサインまで!これは豪華。

なお「ニューこのり」は近日中に女川駅近くに移転して再オープンするとのこと。既に新店舗の上棟式を終えているとのことなので、年明け~春くらいですかね。いつの日かまた、新しいお店のほうにもお邪魔できるといいなあ。

食った食った。
我が胃袋も、本日大漁だ。

ごちそうさまでした。

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※Blu-ray BOX には「真夏の東北・宮城出張編」は収録されていません

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投稿者 B : 23:35 | Gourmet | KODOGURU | Lunch | コメント (0) | トラックバック

2016/10/30 (Sun.)

宮城県仙台市の牛たん定食

「いい仕事をするためにも、牛のパワーを注入しておきたい」

仙台

一年半ぶりにやって来ました仙台。ええ、もちろん来訪の目的は 8 月に放送されたドラマ『孤独のグルメ 真夏の東北・宮城出張編』の聖地巡礼のため。
長く暑かった今年の夏もようやく過ぎ、仙台はそろそろ薄手のコートを羽織りたくなる気候ですが、うまいもの食って熱くなるには、むしろそれくらいがちょうど良い。

さあ、仙台に来たからには、牛たんに挨拶しとかなきゃな。

牛たん萃萃(すいすい)

萃萃

この回で最初にゴローちゃんが訪れたのが、牛たんの名店「萃萃」。仙台には牛たんの有名店が数多く、複数店展開しているお店も少なくありませんが、この店は仙台の中心部からもちょっと遠く、老夫婦が二人で営んでいる、本当に知る人ぞ知る存在だったようです。

放送から少し時間が経ったこともあり、今回は予約を取っていなかったのですが、念のため当日に「今日の七時半頃行きたいんですけど、席の予約ってできますか?」と電話をかけてみたところ、女将さんから「分からないけど、たぶん七時くらいには終わっちゃうんじゃないかしらね」と言われ、五時半頃に慌ててタクシーに飛び乗りました(;´Д`)。

萃萃

着いてみると、店先にはホワイトボードに「本日 17:30~19:00」の文字が。食べログには「11:30~21:30」とランチから通しで営業しているように書かれていましたが、実際は材料が切れたら閉店してしまうようで、多くの場合 19:30 くらいには営業終了しているようです。この日も、常連さんを中心に予約のお客さんの分でほぼ材料が終わってしまい、我々が実質的に最後の客だったもよう。念のため電話してみて本当に良かった(汗

ちなみに、ランチは常に行列、土曜日のランチになると朝から並んでいるお客さんもいるようで、むしろ夕方早めの時間に予約を入れるほうが確実とのこと。

萃萃

店内には「しばらくの間牛たんセットのみの提供となります」との貼り紙が。劇中では「牛たんハンバーグは作るの面倒だから今やってない」という描写がありましたが、面倒云々以前に今はドラマの影響で客足が途絶えず、それ以外に手をかけている余裕がないそうです。
そして、

萃萃

無情にも「テール焼スペシャル 完売」の文字が...。牛たんよりもむしろテール焼のほうを楽しみにしていたのに(泣

女将さんによると、テール焼用のテール肉はスープに入れるものよりも全然大きいため、週に 30~50 程度しか用意できないとのこと。しかも、大半が常連さんの予約等で埋まってしまうため、現在ではほぼ幻のメニューになっているそうです。これは何週間か前から予約しておかないとありつけそうにないなあ。本当に残念だけど、今回は諦めるしかない。

がーんだな...出鼻をくじかれた。

萃萃

気を取り直して、生ビールとキムチで牛たんの焼き上がりを待ちます。
牛たんは一人前ずつ焼いているようで、複数人で行くと順番に出てきます。ちょっと待つけど、焼きたてを食べるのが一番うまいから、ここはガマン。

萃萃

来ましたよ、牛たんセット 1.5 人前。テール焼がないから牛たん多めで。

冷奴にとろろ、テールスープというオーソドックスな布陣。
牛たんといえば麦飯だが、この店はライスなんだ。

萃萃

牛たん焼、ごぶさたしてます。
お店によって牛たんも分厚いのから薄いのまでいろいろあるけど、ここのは薄すぎず厚すぎず、ちょうどいい厚さだ。

萃萃

おぉ~、これはいいタンだ。柔らかみが違う。
柔らかさとタンらしい弾力の絶妙なさじ加減。

そして、塩が効いてる。麦飯でなく白米なのが納得の味だ。
俺の中に、新しいタンのうまさが開発されていく。

萃萃

ここでテールスープだ。

テールのうまみがじっくり出た、胃の腑にしみる優しい味、だけど胡椒が後味を引き締めている。
胡椒が調味料というのでなく、味の一端をしっかり担っている。

ばかに存在感があるテール肉は、噛んだ瞬間にほぐれる柔らかさ。
これ、うまい。普通はおまけみたいな感じで入っているもんだが、こいつは肉としてしっかりうまいレベルだ。

テールスープの肉でこれだけうまいんだから、テール焼はさぞかしうまいに違いない(未練

萃萃

店内には、松重さんのほかに大将役のでんでんさん、女将約の松本海希さんのサインが貼られているだけでなく、宮城県出身のお笑いコンビ・サンドウィッチマンが他の芸人さんを連れて来たときのサインや写真が数多く飾られていて、ドラマに出る前から多くの人に愛されてきたお店であることがよく分かります。
そりゃあこれだけおいしいんだもの、一度食べたら誰だって好きになるに違いない。

あったかい白飯に、塩味牛たん、とろろ。
仙台牛たんには戦国時代を生き抜いて磨き上げられた、本物の強さがある。

予想を遙かに超えたものにありつけた。
仙台、ごちそうさまでした。

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2016/08/06 (Sat.)

練馬桜台 久松湯からの唐辛子餃子

「俺にとって人生の得といったら、これしかない」

久松湯

ここのところ出張等が続いていてですね。身体的にもけっこう疲労が溜まってきてます。そうなるとゆっくり温泉にでも浸かりに行きたくなるところですが、なかなかそうもいかない。そうなると、『昼のセント酒』の聖地巡礼がてら、ゆったりできそうな銭湯に行くのがちょうど良さそうじゃないですか。全 12 話放送されたドラマの中でも、いちばん来てみたいと思っていたのがここ、第 7 話に登場した桜台の「久松湯」。年季の入った施設が多い銭湯界にあって、数年前にデザイナーズ銭湯としてリニューアルしたばかりの、明るくキレイな銭湯です。建物からして本当に美術館と見まがわんばかりの美しさ。

練馬区桜台の天然温泉 久松湯

久松湯

番台ではなくフロントと呼びたくなるような、ちょっとしたホテル然としたエントランスをくぐると、大きな窓からたっぷりと光を取り込んだ、開放感ある浴室に続きます。日替わり風呂、ジェットバス、電気風呂、水風呂、サウナ(別料金)、そして露天風呂。スーパー銭湯ほどじゃないけどゆっくりいろいろ浸かれます。一般的な銭湯の密閉空間とは違う、心を広げてリラックスできる場所。これはいい。
客層も、他の銭湯に比べて若い人や家族連れが多く、常連でなくても気兼ねなく入れる雰囲気がいい。劇中でも「夜は混む」という話がありましたが、休日の真っ昼間でもだいぶ混んでいます。この快感は、家風呂では絶対に味わえない。だからわざわざ浸かりに来るんだよなあ。もう少しウチからアクセスしやすい立地だったら、自分も毎週末でも来たいくらいだ。

さて、さっぱりしたぞ。
よし、グイッと行きますか。

桜台の餃子家

はい発見!
ここが今回の本来の目的地である、餃子専門店。久松湯からは、本当に目と鼻の先にあります。

ああ、この疲れと汗を洗い流した肉体に、ビールを注ぎ込みたい。
しかしここは逸る気持ちを抑えて、焦らず、走らず。

桜台の餃子家

桜台の餃子家

外から見ても「餃子専門店」としか書かれていないけれど、ここの正式な店名は「桜台の餃子家」とのこと。
どちらかというと地元のお客さんの持ち帰りが主体なのか、店内は狭くてカウンター数席しかありません。
このこぢんまりとした佇まいは、どことなく富山のミッちゃん餃子を彷彿とさせるなあ。

桜台の餃子家

カウンターに着席。お客さんは私一人。ま、ランチにしてもちょっと遅い時間だしな。

メニューには餃子がたくさん。他にも中華そばやチャーハン、定食もあるのか。
なんかどれも超オーソドックスな感じでソソられるけど、ここは初志貫徹で餃子ビールで決まりでしょ。

桜台の餃子家

あ~!!うまい!!風呂上がりの、それも昼酒ってあたりがまたたまらない。

シュワッと爽やか、あー気持ちいい。
日々の愚痴や不満、悩みまでもが、泡と一緒に消えていくようだ。
しかし、俺がビールを愛するこの気持ちだけは、絶対に泡と消えることはない!

桜台の餃子家

そこにビールの最高の相棒、餃子!
サブタイトルになった唐辛子餃子は当然のこと、やっぱり本来のこの店の味も試しておくべきでしょう、ということで普通の餃子も一緒にいただいてみました。

桜台の餃子家

餃子自体は小ぶりだけど、薄めの皮のもっちり&パリッとした食感のコントラストがとてもイイ。
具もギュッとした凝縮感のある味で、これはうまい。ビールと一緒なら、何個でもバクバクいけそうだ。

桜台の餃子家

そして唐辛子餃子。ニュージェネレーション餃子のお出ましだ。

皮に唐辛子を練り込んでるのか。
練馬だけに、練りがいい。

いいですね、軽くつんときた。確かに唐辛子だ。最初の一口は普通の餃子っぽいんだけど、噛めば噛むほど唐辛子が追いかけてくる感じ。
これはビールが加速する~。

桜台の餃子家

いやあ、おいしかった。

帰り際、改めてふと店先を見てみると、今は亡き地井武男さんのサインが。「ちい散歩」でこのお店を訪れていたんですね。
確かに、ここは散歩のついでに餃子を軽くつまんで行きたくなる店だ。

銭湯も餃子も気に入ったし、近くに来る機会があったらまた寄りたいと思います。
ごちそうさまでした。

昼のセント酒 Blu-ray BOX

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