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2013/07/27 (Sat.)

東芝「E-CORE キレイ色」:色はどの程度正しく出ているか?

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東芝ライテックの高演色 LED 電球「E-CORE キレイ色」のレビュー、明るさの次は色味をチェックしていきたいと思います。「高演色」を謳うならばその実力がどれほどのものか、というのは当然気になるわけで。以前、高演色性を重視して東芝ライテックの蛍光灯を買った私としては、同じ東芝ライテック製品ということで、ここは特に期待していました。とはいえ、白熱灯、蛍光灯、LED ではそもそも発光原理からして違うわけで、蛍光灯の色味が良かったからといって LED も良い、とは限らない。ある程度しっかりチェックしてみることにしましょう。

LDA6L-D-H-E17/S

まずはランプを直視して比べてみました。手前(4 灯)が「E-CORE キレイ色」の電球色、奥(6 灯)が普段使っている電球型蛍光灯「ネオボール Z」(ホワイトバランスは「太陽光」で撮影)。どちらも暖かい電球色ですが、よーく見ると「E-CORE キレイ色」のほうが少し赤みが強く、ネオボール Z のほうが微妙に黄色みが強く見えます。

LDA6L-D-H-E17/S

で、こちらは RAW 現像でホワイトバランスを「白熱灯」に変更してみたところ。こうすると、手前の「E-CORE キレイ色」は素直なホワイトに補正されていますが、奥のネオボール Z は若干黄色がかぶっているのが分かります。かといって、ネオボール Z の色が生活していて気になるか、というと、普段過ごしている限りではとても落ち着く印象ではあるのですが、室内を撮影したときにホワイトバランスの調整がちょっと面倒、と感じることはよくあります。

では、もうちょっと細かくチェックしてみましょう。カラーチャートを使って、どの色がどう転ぶかを見てみます。とはいえ、ちゃんとしたカラーチャートは買うと高いので(笑)、とりあえず今回は光源による発色の違いを見れれば良いだろうと思い、Web 上で公開されているフリーのカラーチャートをプリンタで写真用紙に出力したものを使いました。

カラーチャートを作ってみました。|Kingdom Of Desire - 欲望の王国|Blog|alfread|Minkara - The Car & Automobile SNS

これで、カメラ(NEX-5R)のホワイトバランスを「太陽光」「電球」「オートホワイトバランス(AWB)」にしてそれぞれ撮ってみると、こんな感じ。

ホワイトバランスEFA15EL/13-E17(電球色)LDA6L-D-H-E17/S(電球色)
太陽光 EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S
電球 EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S
AWB EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S

こうやって比べるとけっこう違う。肉眼だと多少は色補正がかかって見えるので差が小さく感じますが、カメラのホワイトバランスは正直ですね。カメラのホワイトバランスを「電球」に設定するだけで「E-CORE キレイ色」はビシッと色補正されているのに対して、ネオボール Z のほうはグリーンがかっています。AWB にすると差は縮まりますが、それでも色かぶりは取り切れていない感じ。

見慣れていることもあって、普段の生活の中でネオボール Z の黄色みがかった色を不自然に感じることはないものの、室内で写真を撮ったときに、色補正がやや面倒に感じることは今までもよくありました。
対して「E-CORE キレイ色」の電球色はとても素直な発色で、補正もラク。この LED 電球の「演色性が高い」というのは、色が太陽光に近い昼白色タイプはともかく、電球色タイプはそもそも色味が太陽とは違うのでどういうことだろう、と思っていましたが、光のカラーバランスが良く、カメラのホワイトバランスが合わせやすい、ということは言えそうですね。

では実際の被写体でも比べてみましょう。

ホワイトバランスEFA15EL/13-E17(電球色)LDA6L-D-H-E17/S(電球色)
太陽光 EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S
電球 EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S

私は自宅内ではブツ撮り・食べ物撮り・子ども撮りが多いので、肌色のサンプルとしてフィギュアで比較。

やはり見慣れた人肌に近い色だと、カラーチャート以上に発色が自然か不自然か、が際立ちますね。肉眼での見え方に近いホワイトバランス「太陽光」では、ネオボール Z は黄色みがかった肌に見えるのに対して、「E-CORE キレイ色」では、より健康的な肌色に見えます。ホワイトバランス「電球」で撮ると、ネオボール Z のほうはどうしても緑かぶりが気になりますが、「E-CORE キレイ色」はまるで太陽光下で撮ったかのような、そのまま無調整で使えてしまいそうな色で撮れます。家族の健康な顔色を見たかったり、室内での写真撮影が多いなら、「E-CORE キレイ色」の発色はとても好ましいですね。

続いて、昼白色ランプ同士の比較。演色性の高さで以前から愛用している東芝ライテックの蛍光灯「メロウ Z PRIDE」(FCL32-40ENC-PDL2PN クリアナチュラルライト)と「E-CORE キレイ色」を比べてみました。蛍光灯のほうは別の部屋で撮っているので、厳密には光源の位置が揃っていませんが、ご容赦を。

ホワイトバランスFCL32-40ENC-PDL2PN(クリアナチュラルライト)LDA6N-D-H-E17/S(昼白色)
太陽光 メロウ Z PRIDE LDA6N-D-H-E17/S
昼白色蛍光灯 メロウ Z PRIDE LDA6N-D-H-E17/S

メロウ Z PRIDE、高演色タイプではない(スペック上は Ra84 と一般的な蛍光灯レベル)にも関わらず、やはり発色は素直ですね。「E-CORE キレイ色」と比べてもそれほど大きな差は感じませんが、じっくり見比べるとメロウ Z PRIDE のほうが少しだけ黄色かぶりしています。また、どの色を見ても「鮮やかさ」という点では「E-CORE キレイ色」に分があるように見えます。

ホワイトバランスFCL32-40ENC-PDL2PN(クリアナチュラルライト)LDA6N-D-H-E17/S(昼白色)
太陽光 メロウ Z PRIDE LDA6N-D-H-E17/S
昼白色蛍光灯 メロウ Z PRIDE LDA6N-D-H-E17/S

肌色での比較。メロウ Z PRIDE も決して悪くないですが、「E-CORE キレイ色」の肌色や白の透明感ある発色のほうが印象的ですね。蛍光灯と比べるとやはり影が強く出てしまうのが難点ですが、太陽光の色に近く、肌が美しく見えるという点で、例えば洗面台や鏡台の照明として使うと、女性ならばメイクも決めやすくなるのではないでしょうか。私的には、スタジオボックスあたりを使って光の硬さを和らげる前提で、ブツ撮り用のランプに最適なのでは、と思います。

いやあ、「キレイ色」の名は伊達ではないですね。期待してはいましたがここまで発色が良いとは思いませんでした。キレイに見える、というだけでなく、デジタルカメラとの相性も抜群。影の問題はつきまといますが、撮影用の光源としてもなかなか優秀なのではないでしょうか。

東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(電球色相当) LDA6L-D-H-E17/S
東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(昼白色相当) LDA6N-D-H-E17/S

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■関連リンク
高演色 LED 電球「E-CORE キレイ色」がやってきた
東芝「E-CORE キレイ色」:まずは明るさをチェック

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2013/07/23 (Tue.)

東芝「E-CORE キレイ色」:まずは明るさをチェック

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高演色 LED 電球「E-CORE キレイ色」のレビューを続けていきます。

電球や蛍光灯を LED に置き換えるときにまず気になるのは、演色性よりもむしろそれまでと同等の明るさが確保できるのか?ということではないでしょうか。以前書いたとおり、私もここが気になって導入に二の足を踏んでいる状況でした。カタログスペックで比べると、電球や蛍光灯に比べて LED のほうが光量が足りないことが多い。ただ、実効性能や明るさの経年変化、あるいは光の指向性の違いによって、LED でも体感的な明るさは変わらない可能性もあります。今回は自宅で試せるという絶好の機会をいただけたので、具体的に比較してみることにします。

今回借用した 2 本の LED 電球と、今までシャンデリアで使っていた電球型蛍光灯、「ネオボール Z EFA15EL/13-E17」で、明るさを比べてみましょう。

EFA15EL/13-E17(電球色)LDA6L-D-H-E17/S(電球色)LDA6N-D-H-E17/S(昼白色)
EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S LDA6N-D-H-E17/S

写真は撮影設定を同じにして、それぞれのランプを点灯させた状態(ネオボール Z は電源投入後時間をおいて安定させた状態)で撮影したものです。色味の違いを表すために、この写真のみホワイトバランス「太陽光」で撮影してみました。視覚的には、この写真よりも全体的に明るくかつ色味もマイルドに感じますが、「慣れによって差分が吸収されてしまう」こともあるので、こうやって比べるのがフェアかな。

色味の比較は別途やるとして、まずは明るさ。天井に回り込んだ光の様子を見る限り、ぱっと見の明るさはそれほど大きく変わらないように見えます。体感的にも、少なくとも電球色同士で比較する限り、光量そのものは同じくらいに感じます。スペック的にネオボール Z が 810lm、「E-CORE キレイ色」の電球色が 380lm・昼白色が 440lm なのでもっと大胆に違うかな?と予想していましたが、これは嬉しい誤算。

以降の内容は純粋に「明るさの比較」にするために、ホワイトバランスをオートに統一して、色味をできるだけ近づけた状態(それ以外の撮影設定は同じ)で比べていきます。

EFA15EL/13-E17(電球色)LDA6L-D-H-E17/S(電球色)LDA6N-D-H-E17/S(昼白色)
EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S LDA6N-D-H-E17/S

壁に掛けてある額縁を比べると、こんな感じ。ネオボール Z と「E-CORE キレイ色」の電球色では、色味が微妙に違うくらいで、明るさはほぼ同じ。昼白色はネオボール Z よりも少し明るいです。カメラを通して比較してもこれだけ違いますが、昼白色は発色自体が太陽光に近いので、視覚的にはもっと明るく見えています。

EFA15EL/13-E17
(電球色)
LDA6L-D-H-E17/S
(電球色)
LDA6N-D-H-E17/S
(昼白色)
EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S LDA6N-D-H-E17/S

ランプほぼ直下での直射光の比較。ランプ直下だと、ネオボール Z よりも「E-CORE キレイ色」電球色のほうが少し明るく感じるくらいですね。昼白色は明らかに明るく、カメラの露出換算で 1~1.3 段分くらい明るく見えています。電球色と比べてスペックで 15% くらい明るいので当然ですが、この明るさは事前予想からするとちょっと驚くレベル。私と同時期に E26 口金タイプの製品をレビューされている丁稚さんが「我が家に太陽がやってきた(^▽^;)」と評される気持ちもよく解ります(^^;;。

ただ、この明るさも手放しで喜べるものではなくて、

EFA15EL/13-E17(電球色)LDA6L-D-H-E17/S(電球色)LDA6N-D-H-E17/S(昼白色)
EFA15EL/13-E17 LDA6L-D-H-E17/S LDA6N-D-H-E17/S

この影を見れば一目瞭然、「電球に比べて光が硬い」んです。電球色タイプも昼白色タイプも、影の出方としては同様。
ウチの奥さん(強い光に関しては敏感なほう)が、電球色交換して開口一番「明るい!でも、眩しい!なんていうか、目に痛い」と言っていましたが、極端に言えばまさにそんな感じ。敏感な人にはちょっと辛いかもしれません。

E-CORE キレイ色

まあ、ランプのグローブの大きさからしてこれだけ違いますからね。ネオボール Z のほうはランプ自体の大光量を活かして広範囲に発光して、壁や天井の反射を利用して、マイルドな明るさを実現しているのでしょう。それに対して 「E-CORE キレイ色」は絶対光量が少ない分、下向きに指向性を持たせた発光をすることで体感上の光量を稼いでいるような印象。このこと自体は製品パッケージやリーフレットにも書かれているのでそれ自体は問題ありませんし、別途「光が広がるタイプ」という電球に近い無指向性の LED 電球もラインアップされています。どちらかというと柔らかめの光でリラックスしたいリビングやダイニングの照明は、むしろそういう光が広がるタイプのほうが適していると思います。また、我が家は娘がダイニングテーブルで宿題をやることが多いので、シーリングライトの指向性が強いと教科書やノートに顔や手の影が出てしまい、視力に影響が出る可能性もあるので、この LED 電球を使うなら、電気スタンドを併用したほうがいいかもしれません。

ともあれ、光の明るさと指向性についての傾向はこれで分かりました。次回は色味についてチェックしていきたいと思います。

東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(電球色相当) LDA6L-D-H-E17/S
東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(昼白色相当) LDA6N-D-H-E17/S

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高演色 LED 電球「E-CORE キレイ色」がやってきた

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2013/07/18 (Thu.)

高演色 LED 電球「E-CORE キレイ色」がやってきた

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リビングのシャンデリアの電球が切れたのをきっかけに、そろそろ LED 電球の導入を考えるかなあ...と思っていたところですが、示し合わせたかのように「みんぽす」で LED 電球のモニター企画が始まったので、迷わず応募してしまいました。

お借りしたのはこちらの製品。

東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(電球色相当) LDA6L-D-H-E17/S
東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(昼白色相当) LDA6N-D-H-E17/S

E-CORE キレイ色

以前蛍光灯を買い換えたときに、演色性の高さが気に入って以来指名買いするようになった東芝ライテックの LED 電球とあっては、応募しないわけにはいかないでしょう。こういうのは他の製品以上に、カタログスペックだけでは「自分の生活環境で使ったときにどうか」の実際のところが分かりにくいジャンル。実際の導入を検討している段階にあって「自宅で試せる」というのは、またとない機会です。

まず試したかったのはリビングの照明を LED 化したときにどうか、というところだったので、この照明に合う E17 口金の LED 電球を借用しました。電球色がメインですが、一部居室で使っている蛍光灯との発色の違いも確かめてみたいと思い、合わせて昼白色も。合計 8 本ものお貸し出しに対応いただき、ありがとうございます>東芝ライテックさん。

E-CORE キレイ色

今回お借りできた LED 電球は「E-CORE キレイ色」と呼ばれる高演色タイプの製品。高演色、というのは太陽光に近いスペクトル分布を持っていて、自然に見える色合いの光を発する、という意味です。スペック上は「平均演色評価数(Ra)」という数値で表現され、これが 100 に近いほど「太陽に近い色合いである」ということになります。
このあたりは以前もご紹介した miyahan.com さんの解説に詳しいので、リンクを張っておきます。

miyahan.com | 液晶ディスプレイとカラーマネージメント P.3

東芝ライテックの LED 電球でいうと、通常の製品は Ra70~80 が一般的なところ、この「キレイ色」シリーズは Ra90 を実現しているとのこと。業務用に使われる「色評価用蛍光灯」(Ra98 以上)ほどではありませんが、かなり理想的な色再現性を持っている、ということが言えそうです。

E-CORE キレイ色

一般的に言って、LED 光源は技術的に枯れた電球や蛍光灯に比べて色再現性を高めるのが難しいものです。こういうランプに使われる「白色 LED」は、そのものは白色ではなく、青色 LED に黄色の蛍光体(フィルタ)をかけて白色を再現しているものがほとんど。光の三原色の原理からすると、青色の光源には赤と緑のフィルタをかければキレイな白色光になるはずですが、黄色の蛍光体を使うことで「青み成分が強い白色光」になります。最近、PC やスマホの画面のブルーライトが問題になって PC 用メガネがもてはやされるのは、こういう理屈です。
最近では、液晶ディスプレイのバックライトにも RGB 三原色の微粒子を含むフィルタを使うことで広色域を実現した製品も出てきています。この「キレイ色」シリーズは公式サイトに技術的な解説がないので詳細は不明ですが、おそらく同様にフィルタに工夫をすることで高色再現性を実現した、ということなのだと思われます。

E-CORE キレイ色

ちなみに、この写真の左側にあるのが今使っているシャンデリアに入っているミニクリプトン球型蛍光灯。同じく東芝ライテックの「ネオボール Z EFA15EL/13-E17」というモデルです。
比較すると大きさの差が際立ちますが、このネオボール Z 自体、E17 型という小口径の口金に大きな電球をつけたちょっと特殊なサイズなので、E17 口金対応で同等の明るさをもつ LED 電球を探すこと自体が難しい、というのを具体的に買い換えを検討してみて初めて気づきました。分かっていれば、シャンデリアを選ぶときにもうちょっと汎用的なランプを使っているものを選んだかもしれないんだけど...と言っても後の祭りですが。

ともかく、この LED 電球が実際に既存電球の置き換えとして用をなすものかどうか、これからじっくり比較してみたいと思います。

東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(電球色相当) LDA6L-D-H-E17/S
東芝ライテック / LED 電球 ミニクリプトン形 E-CORE キレイ色(昼白色相当) LDA6N-D-H-E17/S

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2013/07/15 (Mon.)

Touit 32mm F1.8 レビューのまとめ

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Touit 32mm F1.8

カール・ツァイスからお借りしている Touit 32mm F1.8、借用期間はあと一週間ほど残っていますが、ここでいったん総括しておきたいと思います。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/2000 秒、ISO200

Touit 32mm F1.8 はミラーレス用としてはそれなりにコンパクトで軽量なレンズで、やはりこのレンズ一本だけつけて歩きながらスナップを撮る、というのに向いていると思います。最近の流行からすると 50mm 付近相当の画角でのスナップというのはややマイナーではありますが、広すぎないぶん構図には苦労しないので、あまり肩肘張らないスナップには逆にちょうどいいのではないでしょうか。焦点距離は 32mm なので多少振った構図にすればパースも活きてくるし、なかなか奥の深いレンズでもあると思います。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/3500 秒、ISO400

Planar といえば私の中ではボケが柔らかいレンズの代表、というイメージですが、このレンズはむしろシャープさのほうが際立っています。絞り開放からでも躊躇なく使っていける性能ですし、F2.8~5.6 くらいまでのシャープネスとボケのバランスはなかなか。周辺部の口径食や点光源が硬く撮れてしまうという弱点はありますが、レンズ設計自体はどちらかというとオリジナルの Planar をミラーレス向けにリバイバルすることを狙ったようなレンズなので、完璧な性能を求めるよりもむしろこの「味」を楽しむためのレンズ、と理解したほうがいいのかもしれません。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/1900 秒、ISO400

画作りしやすい画角、開放でも苦労しない性能、そして何よりツァイスらしさを満喫できる描写...そういう意味では、レンズを何本も持っている人よりもむしろミラーレスでレンズ交換を始めたい人に、キットレンズ以外の最初の一本として勧めるのも悪くないのでは、という気さえします。まあ、AF は遅いし価格的にはまったく初心者向けではありませんが(笑。ただ、X マウントにしても E マウントにしても、35mm 付近には定評が高く価格の比較的安い(笑)純正レンズが既に存在することを考えると、どうしてもこのレンズはツァイス信仰がある人向け、という位置づけになってしまいますが...。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/4000 秒、ISO400

自分で買った 12mm F2.8 も含め、Touit というレンズは今までの自分とは少し違う引き出しを開いてくれたような気がします。私にとっては新たなる気づきを与えてくれた、とても貴重なレンズ。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F5.6、1/28秒、ISO200

E マウントには中望遠相当のマクロレンズがラインアップされていないので、年末に出るという Makro-Planar は買ってしまう可能性が高いですが、この 32mm F1.8 もなんとかお金を工面して手に入れたいところです。まあ、12mm のほうも他に買う予定だったレンズを後回しにして買ってしまったくらいなので(笑)、当面欲しいものの優先順位を改めてつけ直さなくてはいけないなあ、と思っていたりしますが...。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mount

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■関連リンク
Carl Zeiss Touit 32mm F1.8
Touit 32mm F1.8:ファーストインプレッション
Touit 32mm F1.8 でメカの美しさを撮る
Touit 32mm F1.8:絞り値による描写の変化をみる
Touit 32mm F1.8 の挙動について
Touit 32mm F1.8 でスナップ写真

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投稿者 B : 00:03 | Minpos Review | Photograph | Touit 32/F1.8 | コメント (0) | トラックバック

2013/07/12 (Fri.)

Touit 32mm F1.8 でスナップ写真

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Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/170 秒、ISO200

Touit 32mm F1.8、どうもスナップ系の写真と相性がいいな、と感じていて、ここのところ集中的にスナップを撮っています。いつも出歩いている範囲から少し足を伸ばしてみて、ちょっと変わった被写体や気になるモノがあったら撮ってみる、という典型的なスナップ写真を。

絞りとボケのテストではレンズにとってはちょっと意地悪なシチュエーションで撮りましたが、画面いっぱいに点光源があるような構図でなければ、こういういかにも Planar らしいピント面と背景の対比を見せてくれるレンズです。これはまごうかたなく Planar だ。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/120 秒、ISO200

点光源多めの構図でも、F2.8 くらいならボケの大きさ、柔らかさ、周辺部の口径食の具合、のバランスがちょうどいいかな。絞り開放から躊躇なく使っていけるシャープさを持つレンズではありますが、個人的にはこのレンズは F2.8~4 くらいの描写が好ましいと思っています。気がつけばずっと F2.8 で撮っていた、というくらい、F2.8 が良い。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/250 秒、ISO400

これも F2.8。木肌の荒々しい質感が表現できているのは、やはり高コントラストなツァイスレンズならではだなあ、と感じます。それでいて暗部にちゃんと階調が残っているのもツァイスらしい。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/1300 秒、ISO400

最近、28~35mm 付近の単焦点レンズやコンパクトデジカメが流行っているので、50mm 付近のスナップ写真は影が薄い印象ですが、個人的には画面の整理が大変な広角系よりも、これくらい「切り取る」感覚のある画角のほうが画にしやすい。AF がやや緩慢なので散歩しながら何気なく撮るというよりも、気になるものがあったらちょっと立ち止まって構える、という向き合い方が必要なレンズではありますが、使い込むうちに返却するのがだんだん惜しくなってきました。E マウントの Touit 12mm F2.8 を買ったところではあるけど、32mm F1.8 も買ってしまおうかな...。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mount

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Carl Zeiss Touit 32mm F1.8
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Touit 32mm F1.8 の挙動について

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投稿者 B : 00:06 | Minpos Review | Photograph | Touit 32/F1.8 | コメント (0) | トラックバック

2013/07/11 (Thu.)

Touit 32mm F1.8 の挙動について

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Touit 32mm F1.8 ですが、フォーカシング周りの挙動などについて書いておきたいと思います。

Touit 32mm F1.8

32mm に限らず 12mm も含め、Touit は最近の AF レンズとしてはちょっと変わったフォーカスの挙動をしています。それは、「フォーカシングに伴って前玉が大きく動くこと」。

デジタルになってから一眼を始めたような人であれば、AF 時に前玉が動いたり回ったりしないのが当たり前で、むしろ前玉が動くレンズは見たことがない、という人も少なくないのではないでしょうか。これは、AF の高速化や小型化、ズームの場合は高倍率化を目的に、フォーカシング時には前玉よりも軽い後群のレンズを動かすリアフォーカス or インナーフォーカスのレンズが主流になっているためです。しかし、Touit は最近(の AF レンズ)では珍しくなった前玉が動く方式、全群繰り出し式でのフォーカシングになっています。

無限遠に合わせると前玉が最も奥まった状態になり、

Touit 32mm F1.8

前玉が最もせり出した状態が最短撮影距離。

全群繰り出し式にもメリットはあって、それはピント位置によって画角が変わらないことです。原理的に、インナーフォーカスやリアフォーカスでは撮影距離に応じて画角(撮影倍率)が変動してしまうことは避けられませんが、全群繰り出しならば画角は一定。おそらく、ツァイスは Touit でこの利点と、伝統的な Planar や Distagon のレンズ構成でそのまま AF 化が可能である点を重視して、全群繰り出し方式を選択したのではないでしょうか。その代償として AF スピードが犠牲になっているあたり、「利便性よりも画質が重視」されることの多いツァイスレンズらしい、と言えます(そのわりに、従来のツァイスだったらタブーとなりそうなボディ内収差補正を前提とした設計で作られているのは、確かに意外ですが)。

ただ、レンズの中で最も大きい前玉まで駆動するので、AF が遅いだけでなく動作音や振動もそれなりにあるのは難点ですね。X マウントはともかく、E マウントの方はシャッターボタン半押ししなくても断続的に AF の挙動を続けているため(そうすることで見かけ上の AF スピードを速く見せている)、電源を入れているだけでひっきりなしにモーターの振動が手に伝わってきて、精神衛生上あまりよろしくありません。

FUJINON XF35mm F1.4 R

それでも、X マウント純正の FUJINON XF35mm F1.4 R に比べると、Touit のほうが少しだけ AF が速いんですけどね(^^;;。おそらく XF35mm のほうも同じ全群繰り出し式で、F1.4 なぶん前玉が大きく重くなってしまい、それが AF が遅い原因なのでしょう。
Touit は今後もシリーズ展開していくようですが、今後も全群繰り出しにこだわるなら AF スピードは諦めざるを得ないし、前玉もあまり大きくできない(=望遠系では大口径レンズが期待薄、あるいはより AF が遅くなる)ということになると思います。

Touit 32mm F1.8

あと、フォーカスリングがちょっと軽すぎるかな...というのが気になっています。XF35mm に比べても途中のクリック感が軽く、左手で鏡筒に手を添えてカメラを構える間に F 値が意図しない設定に変わってしまう、という事故が撮影中に何度かありました。ここは、もうちょっとしっかりしたクリック感があっていいと思うんですけどね。

ま、ツァイスには「画質を重視するあまり、他の何かを犠牲にしたレンズ」が多く、欠点のない万能レンズというのはなかなかありません(まあ、他社でも不満のないレンズなんて滅多にありませんが)。こういう苦労もツァイスで撮る喜びのうち、と思って楽しんでいます(笑。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mount

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Carl Zeiss Touit 32mm F1.8
Touit 32mm F1.8:ファーストインプレッション
Touit 32mm F1.8 でメカの美しさを撮る
Touit 32mm F1.8:絞り値による描写の変化をみる

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投稿者 B : 00:45 | Camera | DSLR | Minpos Review | コメント (4) | トラックバック

Touit 32mm F1.8:絞り値による描写の変化をみる

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Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/3000 秒、ISO200

Touit 32mm F1.8 のレビューも、ただ漫然と撮っていてもレビューにならないので、ちょっと検証的な見方で描写をチェックしてみたいと思います。Planar といえば、今までも同構成のレンズの多くで絞り値によって描写が変化することで有名。開放付近ではソフトで柔らかくボケる、絞るとカリカリにシャープになる、という形容がされることが多いのが、Planar というレンズです。この Touit でも、その傾向は受け継がれているのかどうか。

まずは絞り開放、F1.8 の描写。ピント面でも若干緩いように見えなくもないですが、これはどちらかというとフォーカスが微妙にずれてしまったことが大きいかな(汗。背景の大きなボケの中にピント面が浮き上がったように見えるのは、紛れもなく Planar の描写です。あえて逆光で点光源の玉ボケを狙ってみましたが、やはり周辺部のボケの形に口径食がやや気になる。そして、他の Planar に比べるとボケはちょっと硬めな印象ですが、F1.8 ならこんなものでしょうか。でも F1.4 級の Planar と比べて開放からけっこうカリッと撮ってくれるレンズなので、安心して絞りを開けて使っていけるとは思います。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/3000 秒、ISO400

F2.8。手持ちなので微妙に構図がずれていますがご容赦を。F1.8 と比べるとピント面のシャープさはあまり変わりませんが、背景のボケが落ち着いてきましたね。私はこのくらいのバランスが好みです。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F4、1/1300 秒、ISO400

F4。玉ボケの口径食はずいぶん落ち着いて、周辺部でも真円に近い形になってきました。が、やっぱりボケの輪郭は固めで、このくらいの大きさのボケだとちょっとうるさく感じます。9 枚絞りの形もこのくらいの絞り値で最も顕著ですが、目くじらを立てるほどのことはないかな。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F5.6、1/640 秒、ISO400

F5.6。ボケの形と大きさは随分扱いやすいレベルになってきました。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F8、1/320 秒、ISO400

F8。このくらい絞ると、もう特に破綻はない感じ。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F11、1/150 秒、ISO400

F11 まで絞ると絞りすぎなのか、ジャングルジムに反射した光に光芒がうっすらと見えてきてしまいました。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F16、1/80 秒、ISO400

F16 だと光芒はもっとハッキリと出てきました。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F22、1/52 秒、ISO500

最大絞り、F22。でも被写体がかなり近いので、パンフォーカスではなく背景はまだボケています。

こうして見ると、Touit 32mm F1.8 はいかにも Planar らしい描写、というよりは Planar にしては若干硬めかな?という印象です。特に(構図や光源との距離にもよりますが)点光源の玉ボケはちょっと硬く、逆光で撮ることが多い人にはちょっと辛いかもしれません。でも今回はあえて極端な条件で撮ってみたので、こういう撮り方でもなければむしろ私が初めて撮った一枚にいきなり驚かされたように、絞り開放からガンガン使っていけるシャープなレンズ、という印象のほうが強いかな。今回のテストはあくまで特殊条件下での傾向を試してみたもの、ということで。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mount

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■関連リンク
Carl Zeiss Touit 32mm F1.8
Touit 32mm F1.8:ファーストインプレッション
Touit 32mm F1.8 でメカの美しさを撮る

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投稿者 B : 00:00 | Minpos Review | Photograph | Touit 32/F1.8 | コメント (0) | トラックバック

2013/07/06 (Sat.)

Touit 32mm F1.8 でメカの美しさを撮る

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Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/320 秒、ISO200

ちょっと間が空いてしまいましたが、Touit 32mm F1.8 のレビューを続けます。

35mm 判換算で 50mm 付近、というのはど真ん中の標準レンズなので、よく言えば何でも撮れる、逆に言えば「このレンズならこれ」という代表的な被写体のない、難しい焦点距離だと思います(その点、12mm F2.8 のほうは特徴的すぎるので被写体選びにはさほど苦労しない)。
何を撮ろうかなあ、といろいろ考えた挙げ句、コントラストが高くてシャープなレンズで、かつローパスレスな X-Pro1 ならば、梅雨どきだし雨に濡れた欧州車のエンブレムのような金属の質感をうまく表現できるんじゃないか...と雨が降るのを待っていたところ、サイカ先生に先を越されてしまったので(ぉ)ちょっと方向転換(笑。でも、金属の質感というのはテーマとして取り組んでみたいよなあ、と考えて、機械の美しさを撮ってみることにしました。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/1800 秒、ISO200

思ったとおり、いいじゃないですか。肉眼だと鮮やかな赤に見えていたベスパの塗装の、よく見ると微妙に古ぼけた質感が再現されていたり、金属の質感もいい。

F1.8 でも描写が暴れることもなく、絞り開放から躊躇なく使っていける性能です。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/1700 秒、ISO400

色乗りの良さと引き締まった黒の表現がツァイスの持ち味ですが、このレンズもしっかり「ツァイスらしさ」を持ち合わせています。

金属の光沢の鋭い感じとか、錆の部分の鈍い感じとか、イメージ通りに表現されています。開放だともっと色収差が出るかなと思っていたんですが、よく抑えられていますね。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F2.8、1/60 秒、ISO200

構図の中に、差し色的に鮮やかな色を入れると「映える」、そんなレンズです。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/850 秒、ISO400

画角は 48mm 相当と「ど標準」ですが、やはり焦点距離が 32mm なので、被写体に近づいてあおるように撮ると、それなりにパースがついて迫力がある画になります。フラットに撮ろうとすると扱いにくい瞬間もありますが、このパースを積極的に活かしていくことで、悩みがちな 50mm 前後の画角でも、印象に残る画作りができるのではないでしょうか。フルサイズセンサと 50mm レンズの組み合わせとはちょっと違う発想で撮るのがポイントかもしれません。私も 50mm 付近は普段あまり使わないので最初はちょっと悩みましたが、ひとつコツを見つけたような気がします。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mounticon

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Carl Zeiss Touit 32mm F1.8
Touit 32mm F1.8:ファーストインプレッション

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投稿者 B : 00:00 | Minpos Review | Photograph | Touit 32/F1.8 | コメント (0) | トラックバック

2013/06/23 (Sun.)

Touit 32mm F1.8:ファーストインプレッション

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Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/1000 秒、ISO200

Touit 1.8/32 をさっそく持ち出して撮ってみました。

まず撮ってみたのがこの白い紫陽花なんですが...試し撮りがてら何の気なしにカメラを向けて撮っただけですが、この描写。絞り開放(F1.8)で、花弁の脈まで写し取る精緻な描写力。私が今までに使ってきた「Planar」銘のレンズ群のイメージから、開放だとちょっと甘くなるかな...と思いながら撮ってみたんですが、撮れた写真を見て自分で驚いたほどです。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F4、1/2700 秒、ISO200

私は X-Pro1 ではフィルムシミュレーション「Velvia」モードで撮ることが多いんですが、高コントラストな Planar の特性が Velvia モードのリバーサルフィルム的な画作りをさらに強調するようで、真夏の風景によく似合います。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/1400 秒、ISO200

いっぽうこちらは「ASTIA」モード。手作りの看板の質感やちょうどよく古びた感じを出したかったので階調表現に優れたこのモードを使ってみたところ、Planar の柔らかめの描写と暗部階調の豊かさがよくマッチしてくれたと思います。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F1.8、1/400 秒、ISO200

ちょっと意地の悪いシチュエーションですが、木漏れ日を光源に背景のボケの出かたを試してみました。光源が多くてどうやってもうるさくなる構図なので写真としての良し悪しはともかく、これを見る限りでは口径食はそれなりにあり(画面の端に行くほど玉ボケの歪みが大きくなっている)、ボケの輪郭もちょっと固め。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F4、1/90 秒、ISO200

でも、点光源を積極的に使わなければ、ピント面からなだらかに落ちていく自然なボケ感や主題が浮き立ってくる立体感については、開放 F1.8 のレンズとしては悪くないと思います。F1.4 級のレンズは決まったときの描写には圧倒的な強さがありますが、絞り開放は使いこなすのが難しく、なんだかんだで F1.8~2.8 くらいで使うことが多かったりします。それに対して、このレンズは開放から積極的に使っていける扱いやすさがあります。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F5.6、1/800 秒、ISO200

AF については 12mm F2.8 と同じく、お世辞にも速いとは言えないし、モーターの駆動音や振動もそれなりにあります。でも E マウントの Touit 12mm F2.8 と比べると(比較対象とはレンズスペックも構成も違いますが)X マウントのほうが多少速い印象。AF 動作は X マウントのほうが最適化されているのかもしれません。

Touit 32mm F1.8

[ FUJIFILM X-Pro1 / Carl Zeiss Touit Planar T* 32mm F1.8 ]
F10、1/550 秒、ISO200

とりあえず、ファーストインプレッションとしてはこんなところです。今後もっと使い込んでみて、細かいところをチェックしていきたいと思います。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mounticon

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Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

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投稿者 B : 14:57 | Minpos Review | Photograph | Touit 32/F1.8 | コメント (2) | トラックバック

2013/06/21 (Fri.)

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

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先日 Touit 12mm F2.8 を買ったところですが、「みんぽす」のレビュー企画で今度は 32mm F1.8 を試用できることになりました!

というわけで、これからしばらくの間 Touit 32mm F1.8 のレビューをお届けします。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mount

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

今回お借りしたのは、Touit 32mm F1.8 のフジ X マウント用。12mm と同じく豪華なつくりの化粧箱に収められていました。しかも、この化粧箱に印刷されている製品写真が、E マウント用の箱には E マウント用の、X マウント用には X マウント用の写真がちゃんと使われているというのが、芸が細かい。さすがはツァイス、こういうところにも手を抜いていません。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

32mm F1.8 なので、APS-C 機で使うと 48mm F1.8 相当の画角になります。つまり、ほぼ標準単焦点レンズど真ん中のレンズ。ズーム全盛の時代にあっても、どのメーカーもちゃんとした単焦点レンズを用意している激戦区のセグメントですが、そこに参入一発目から王道のレンズを投入してくるあたり、ツァイスの本気がうかがわれます。典型的なダブルガウスタイプ、「誰がどう見ても Planar」という構成のレンズを AF で使えるというのは、やっぱり嬉しい。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

X マウントなので、鏡筒にはフォーカスリングのほかに絞りリングがついています。でも X マウントの絞りはあくまで電子絞りで、このリングは絞りのマニュアル調整をメカ的な操作でやるためだけに存在します。なので、絞りリングに「A(絞りオート)」の指標がついていて、プログラムオート/シャッタースピード優先として使いたいときにはリングを「A」に合わせます。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

私物の E マウント Touit 12mm F2.8 と。フードなしでのデザインは 32mm のほうが成立していますね。

よく見たら、前玉の縁の刻印が 12mm は「ZEISS」なのに、32mm のほうは「Carl Zeiss」...何か意味があって分けてあるんでしょうか?どうせなら統一しておいてほしいところですが、オールドレンズ厨的には旧東独ツァイスのレンズ銘板が出荷時期や仕向けによって「Carl Zeiss Jena」だったり「aus JENA」だったり「Ernst Abbe Jena」だったり混在していることを思い出します(笑。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

続いて X マウントの FUJINON XF35mm F1.4 R と。フジ純正のほうがスペック的には明るいにもかかわらず、Touit 32mm のほうが微妙に大きく重いという。まあ大きさ重さの差は微々たるものですが、開放 F 値の 1.4 と 1.8 はけっこう大きな差だと思います。これは Planar にこだわらないなら純正のほうがお買い得かもしれません。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

フィルタ径はどちらも 52mm ですが、XF35mm のほうが開放 F 値が明るい分、前玉は一回り大きくなっています。代わりといってはなんですが、Planar のほうには赤い T* の刻印が...!

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

マウント面はどちらも梨地加工。レンズマウントの仕上げはスピン加工にするメーカーのほうが多いと思いますが、梨地というのはけっこう珍しいような。Touit 32mm と XF35mm、鏡筒の形なども含めけっこう似たところが多いレンズです。試しにフードが流用できるか付け替えてみましたが、さすがにそれは無理でした(笑

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

X-Pro1 につけてみました。

それほど違和感はないですが、X-Pro1 のレトロ全開な本体デザインには、つるんとしたデザインの Touit よりもメカメカしいデザインの FUJINON のほうが似合うかなあ。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

MF で使うなら、フォーカスリングがゴムな Touit よりも、ローレットの完食が心地良い FUJINON のほうが写欲を刺激してくれる気がしますね。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

付属のフードはかなり長めで、フードを装着するだけでレンズの全長が 2 倍近くまで伸びてしまいます。持ち歩き時には逆向きにつければいいとはいえ、撮影時にはちょっと邪魔になるかも...。XF35mm のフードはこの半分くらいの長さなので、流用できればよかったんですが...。

Carl Zeiss Touit 32mm F1.8

というわけで、しばらく試用させていただきます。マニュアル志向の X-Pro1 で使う Planar は、他のマウントで使う Planar とはまた違った刺激を与えてくれそう。でも、50mm 前後は基礎にして最も難しい画角でもあるので、何を撮りに行くか、悩むなあ。

Carl Zeiss / Touit Planar T* 32mm F1.8 X-mounticon

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投稿者 B : 00:32 | Camera | DSLR | Minpos Review | コメント (0) | トラックバック