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2019/07/20 (Sat.)

天気の子 [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

公開初日の夜に早速観てきました。

天気の子

天気の子

新海誠作品って基本的には自分に合わないと思いつつ、初めてそこから逸脱した『君の名は。』のフォーメーションで作った新作ならば今回も期待して良いに違いない、と。いつも観てるような映画と明らかに客層が違うのが、三年前に社会現象になった監督の新作だけのことはあるなあ、という感じ。

上映が始まってみると、冒頭どころか直前の CM から始まるタイアップやプレイスメント(劇中にスポンサーの商品を登場させること)の嵐。これが商業的に成功するということか...と思い知らされます。
ただし見ようによってはプレイスメントは最初の 20 分できっちり終わり、それ以降は(要所要所では出てくるけど)基本的には物語に集中させる作りになっているのは「スポンサーのための時間はここまでで終わりですよ」と線引きしているようで、その点では好感が持てます(笑。しかしあまりにも金の匂いがしすぎたせいで、この 6~7 月に関東で異常なほど雨が続いたのもこの映画のプロモーションの一環だったのでは?などと訳の分からないことを考えてしまう始末(ぉ

ストーリーについては、私は『君の名は。』よりはこちらのほうが好きかな。空が晴れているだけで気分が明るくなるというのは本当にその通りだと思うし、その感覚を説得力のある映像で伝えてくるところは新海誠の真骨頂という感じ。前作のようなシナリオ上の仕掛けはありませんが、その分二人のラブストーリーにフォーカスしたシンプルな構造が逆に良かったです。
正直に言えば主人公・帆高と陽菜の家族に関する描写が(本編に登場する陽菜の弟の凪を除いて)希薄で、彼らの行動の動機がちょっと弱いのは気になりました。でもそこは物語をシンプルに二人の恋の物語にするためにあえて省略したのだろうな、と解釈することにしました。

後になって改めて考えるとシナリオはけっこう雑で、拳銃のくだりとか水の魚とか重要そうに見えて投げっぱなしな伏線は少なくないし、逆に陽菜が何を思って雨を終わらせようとし、帆高が何を考えて「晴れのほうがいい」と答えたのかなど先述の家族描写も含め心理的な伏線の配置が薄い。クライマックスに物語的なカタルシスがなく、終盤は映像と音楽の力で強引に感動させに来ている感があったのは事実です。
まあ、新海誠に丁寧な心理描写をさせるといつものグジグジした感じになってしまうだろうから、作品の構造としてはこれで良かったのかもしれませんが。

「この人と一緒にいられるなら、世界がどうなろうと知ったことじゃない」的な一途なラブストーリーはしばらく観ていなかったように思うので、終映後にこういう爽やかな気分に浸れたのは久しぶり。単に私がそういう作品を観る年代じゃなくなっただけかもしれませんが。
でも、近年は若い世代でも全体のために我慢することが求められがちで、それが社会としての閉塞感や諦観に繋がっているとも思うのです。それでも若いうちくらいは向こう見ずでもいいからもっと自分たち自身の幸せに対して我儘になっていいんじゃない?そういう個々の幸せの総和が社会としての充足に繋がっていくんじゃない?と背中を押すメッセージが込められた映画だと感じました。小さな世界でもいい、家族だろうと恋人だろうと仕事だろうと、自分の目に見える誰かに必要とされる実感こそ尊い。

前作が売れすぎたために賛否両論あるでしょうが、私は好きですよ、この作品。

投稿者 B : 21:00 | Anime | Movie | コメント (2) | トラックバック

2019/06/24 (Mon.)

ガールズ&パンツァー 最終章 第 2 話 [極爆] @シネマシティ

立川方面に行く用事があったので、ついでにシネマシティでガルパン最新作を観てきました。私もいつの間にかすっかりガルパンおじさんです。

ガールズ&パンツァー 最終章

ガールズ&パンツァー 最終章

ガルパンはいいぞ、で済ませるのもアレなので、あまりネタバレになりすぎない範囲でちょっと感想を書いておきます。

今回は第 1 話の続きで BC 自由学園との後半戦。前作では BC 自由学園の芝居に完全に翻弄されていた大洗女子が難局を乗り切り反攻に出る局面です。騙し討ちには騙し討ちを...という具合に得意のゲリラ的戦法で攪乱に出るのが大洗らしいところ。終盤はガチンコの撃ち合いもある激しい戦車戦が繰り広げられます。戦闘終盤のやり合いはかなりケレン味があって良かったなあ。
また BC 自由学園の隊長マリーが第 1 話では鷹揚な態度でケーキを食べているだけだったのが、第 2 話ではいろんな意味で見せ場が多い。キャラ立ちという意味ではあのダージリン様を超えてきたんじゃないでしょうか(笑。戦車戦パートで時折見せるリーダーらしい動きとギャグパートでのとぼけぶりの対比がすごくて、最終章からの新キャラでありながらガルパンが持つ「甘じょっぱい」世界観を凝縮したようなポジションだと思います。

大洗 vs. BC 自由学園の後は二回戦。第 2 話でも二回戦の途中までで「つづく」になります。どこと戦うかは劇場でのお楽しみということで伏せておきますが、対戦相手の名前を聞いたときに想像したのとは全く違う試合になっていて手に汗握る。シリーズ初の夜戦、かつ登場する戦車にも新機軸があって、今までのパターンとはまた違います。
二回戦の途中まで観て気付いたのは、テレビシリーズは無名の弱小校である大洗が奇策や奇襲を駆使して強豪校をどう倒すかでドラマを作っていたのに対して、最終章では既に王者である大洗がライバル校の挑戦を受けて立つ構図にすることで、ライバル校側の成長を描いているということです。まあ一度上り詰めてしまったらもう一度同じ構造の物語は作れないのがスポーツものの宿命だからこういう作りになるのは分かりますが、本作のラストシーンであの学校が見事なまでに変わることができた描写には、ちょっと感動してしまいました。

なお第 3 話については公開時期も含めまだ何も発表されていませんが、二回戦の決着が付いた後の三回戦の相手は継続高校では?と予想しておきます。

シネマシティ

なお今回視聴したハコはシネマ・ツーの b studio。G 列中央ちょい右というポジションで、スクリーンは見上げずに済む位置だけどあと 1~2 列前のほうが映像の迫力はあるかなあという印象。ただ音響的には G 列の方が中央に近い分サラウンド感は自然でしょう。
前作鑑賞時に利用した a studio とは機材の構成が違っていて、席数が少ない分 b studio のほうがスピーカは大人しめ。代わりにサブウーファはなんと 6 発(!)もあり、a studio に負けない勢いの重低音が腹底に響きました。

シネマシティの極上爆音上映は戦闘シーンは本当に迫力で、まるで戦車の主砲の口径がそれぞれ 1~2 段階ずつ上がったかのようなパワフルさがあります。また爆音なのに台詞等はボワつかずクリアに聞こえていいですね。やっぱり立川は遠いけどわざわざ観に来る価値がある。第 3 話上映の際にもなんとか機会を見つけて立川まで来れればと思います。

投稿者 B : 23:59 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/06/15 (Sat.)

河森正治 EXPO に行ってきました

東京ドームシティで開催中の河森正治 EXPO を見に行ってきました。

河森正治40周年企画 『河森正治EXPO』

河森正治 EXPO

マクロス関連の展示会には何度か行ったことがありますが、他の作品を含む河森正治監督自身の展示会はこれが初めて。プロデビュー 40 周年を記念したイベントということで、監督作品以外にもメカニックデザイン等で参加した作品から企画倒れになった作品まで(!)膨大な量の河森作品に触れることができる展示会になっています。私はリアルタイムではガンダムよりマクロスに触れて育った世代だけに、これは見に行っておきたかった。

河森正治 EXPO

入場してすぐのところにあるドーム型シアター(以前お台場にあったガンダムフロント東京の DOME-G を一回り小さくしたような感じ)で本イベント用の河森作品クロスオーバー映像(入場料とは別料金!)を観たらメインパビリオンに進んでいきます。
メインパビリオンは主に立体物中心の展示。実寸大とはいかないまでも大型(3m 弱くらい?)の立像が圧倒してきます。こちらは『劇場版マクロス F』のクライマックスに登場した YF-29 デュランダル、個人的には劇中で長く活躍した VF-25 メサイアを見せてほしかったけど、ディテール含めこだわりを感じる可変戦闘機の立体物を目にすると感激します。

河森正治 EXPO

こちらはアクエリオン EVOL の立像。河森作品といえば変形ロボですが、中でも三体が数パターンで変形合体するアクエリオンはバルキリーとはまた違った河森メカの真骨頂だと思います。これを机上の想像や CG によるシミュレーションではなくまずレゴブロックで試作検証するところから作る、というのがまたすごい。なおレゴブロックによる試作は過去のイベントでも展示されたことがありましたが、今回は初代マクロスの制作時にバルキリーの可変構造検討のために手作りしたペーパークラフト(!)が展示されていて、これまたのけぞりました。

河森正治 EXPO

ニルヴァーシュ(エウレカセブン)の立像の脇にさりげなく展示されていた AIBO ERS-220。子ライオンがモチーフだった ERS-210 をベースとしたバリエーションモデルですが、これもまた河森デザイン。ロボットをあくまでロボットとしてペット化するという概念は他の AIBO とは一線を画しており、また河森メカらしいフェイスデザインも相まって当時も強いインパクトを受けたのを憶えています。
なにげにこの展示会ではこの AIBO がいくつもの場所でフィーチャーされていたのが印象的でした。河森メカの中でも玩具ではなく実際に動作するロボットとして製品化されたのは今のところ唯一だし、河森監督的にもやっぱり思い入れあるんですかね。

河森正治 EXPO

歴代バルキリーのプラモデル。スケール違いやバリエーションモデルも含まれるとはいえ、これ全部独りでデザインしたものなんだからすごい。ガンダムだって作品によってデザイナー違いますからね。

なおこれらのプラモはバンダイをはじめとして現行キットばかりだったように見えますが、個人的には初期マクロスのプラモを販売していたアリイやイマイのものも見たかった。

河森正治 EXPO

VF-1 の着陸シーケンスを立体でコマ送り風に再現した展示。DX 超合金(ですよね)を並べただけといえばだけながら、きりもみしながらファイター→ガウォークに変形して着陸後にバトロイドになる一連の流れはテレビ版のオープニング映像を思い出させて、それだけで胸が熱くなります。

河森正治 EXPO

それまでほぼスーパーロボット系のアニメ・特撮や玩具にしか触れてこなかった自分にとって、ほとんど実在する戦闘機と同じ飛行機が二足歩行ロボットに変形するというのは子ども心にも衝撃でした。しかも VF-1 のデザインはバトロイド形態はさすがに時代を感じるけどファイターとガウォークは今見ても格好いい。プラモめっちゃ欲しかった記憶があります(確か一、二個だけ買ってもらえた)。

河森正治 EXPO

個人的にマクロス最大の発明だと思っているのがこのガウォーク。ファイターとバトロイドに加えて中間的なこの形態があることで、劇中でのバルキリーの芝居に広い幅が持たせられていると思います。

河森正治 EXPO

立体物の中でも圧巻だったのがこれ。アクエリオンの「無限拳」を河森作品関連のプラモの空き箱で作ったという展示です。河森監督自身はこれも立像化したかったそうですが、予算の都合で空き箱で組み立てることになったとのこと(笑。でも普通に立像化するよりもこういう展示のほうが、河森作品にある「一見馬鹿っぽいことでも全力でやりきる」という作風に通じるところがあって、なんかイイ。その対象がこの作風の真骨頂ともいえる無限拳なのがまたイイ。

河森正治 EXPO

有料の音声ガイドは河森監督、声優の東山奈央さん(『マクロス Δ』のレイナほか)、中村悠一さん(『マクロス F』のアルトほか)の 3 パターン。私はせっかくだから河森監督バージョンを利用しました。思っていたよりも(?)テンション高めのトークで楽しめましたが、3 バージョンで音声ガイドが聴けるポイントが違っていて、これなら追加料金払ってでもいいからあと 2 パターンも聴いてみたかった。

河森正治 EXPO

河森監督のデザイン画や絵コンテが展示されているクリエイティブパビリオンは残念ながら撮影禁止だったので、メインパビリオンに展示されていたキャラクターフィギュアの写真でお茶を濁します(ぉ。

このコーナーがまたメインパビリオン以上の物量で、圧倒される数の資料が壁中に貼られています。今までこういうアニメ系の展示会には何度か来ていますが、ここまでの物量があるイベントは初めてではないでしょうか。
中でも驚いたのは、マクロスシリーズでの作曲家への依頼メモにかなり具体的な内容が記載されていたこと。例えば『虹色クマクマ』のオーダーでは「魔法少女になったランカが不気味な(けど可愛い)モンスターを倒す」「アイテムとして鍵を持っている」「サビは観客と一緒に歌う」「リラメル・ララメル・ランルララン」「オープン・ランカ」など最終的に楽曲に取り入れられ、映像化されたキーワードに満ちています。マクロスシリーズの楽曲は半分は監督自身が作ったようなものだと言えるし、発注する時点で既に映像のイメージが出来上がっていてそれを逆算する形で必要な部品を集めていくスタイルで作品を作っていることがよく分かります。これはメカニックデザインや世界観のデザインについてもそうで、頭の中に一つの世界が出来上がっているという点では先日行ったシド・ミード展で触れたのと似た種類の衝撃を感じました。

河森正治 EXPO

河森監督といえば『機動戦士ガンダム 0083』にもメカニックデザインとして参加し、ガンダム GP01 と GP02 およびアルビオンのデザインを担当したことでも知られていますが、終盤に登場した GP03 だけはカトキハジメデザインだったのでした。が、この展示会の会期後半ではボツになったという河森版 GP03 のデザイン画が初公開されていて、私はこれを見るのを大きな楽しみの一つでした。
コーナー全体が撮影禁止だったため写真はありませんが、河森版 GP03 はまさかの「ネオ・ジオング」型!ネオ・ジオングも初登場時には想像の斜め上で驚きましたが、その二十年以上前にそういう斜め上の提案をしていたのが河森監督らしい(笑。

河森正治 EXPO

ここから写真撮影が再び OK になります。河森監督が若い頃にやっていた「大量のロケット花火を一斉に発射する遊び」の再現展示。こんなのまで大真面目に作り込んで展示する河森ワールド(笑。
でも後に板野一郎氏とこの話で盛り上がり、マクロス名物とも言えるミサイル一斉射「板野サーカス」に繋がるわけですから、貴重なエピソードです。ロケット花火のこの軌跡、まさに板野サーカスですよね。

河森正治 EXPO

ちなみに私は河森作品はマクロスシリーズとアクエリオンシリーズくらいしか観ていないんですが、メカニックデザイン等まで含めると「こんなものまで!?」と驚くほど数多くの作品に関わっていることに改めて気付きました。例えば河森監督がマクロスの前に仕事として関わったタカラ(現タカラトミー)の『ダイアクロン』、これは後にアメリカに渡ってあの『トランスフォーマー』シリーズに続くわけですが、この初期のメカデザインを二十代前半の河森監督が手がけていたとは!私、これ幼稚園くらいのときに持ってました(笑。そんな時代からお世話になっていたのか...。

河森正治 EXPO

高校時代の同級生に美樹本晴彦氏、細野不二彦氏、大野木寛氏という錚々たるメンバーに恵まれ、そのうち美樹本氏・大野木氏とともに『マクロス』を手がけることになるわけですからすごい話です。

またガンダムの前にガンダム的な世界観のロボットマンガを描き、ガンダムの同人誌まで作った上で『0083』にも参加するほどガンダム(とそれに近い世界観)を愛した河森監督ですが、『マクロス』の開始直前まで富野由悠季監督とともに『アステロイドワン』という作品の企画を進めていたそうで、その作品に関連する資料の展示もありました。その作品がもし世に出て成功していたら現在のように『ガンダム』と『マクロス』が長く支持されるのとは違った世界線になっていたかもしれませんが、観てみたかったなあ。

河森正治 EXPO

なお本イベントの展示には展示パネルに河森監督が直筆でいろんなコメントを記入していて、それを読むのも楽しみの一つ。加えてところどころに各作品に参加した他のクリエーターや声優さんのコメントやイラストも書かれていて、本当にみんなで楽しんで作り上げている展示会であることが伝わってきます。

河森正治 EXPO

また最近のニュースでは、AIBO 以来 18 年ぶりのソニー製品としてスマートウォッチ「wena wrist」のデザインを手がけることも発表されています。私は wena wrist には興味がありつつも自動改札を通るのに左手を差し出さなくてはならない(自動改札機の読取機は右側)というのが引っかかって今まで手を出さずにいたのですが、最近腕時計に興味が湧いているところでもありデザイン次第では河森モデル、買ってしまうかもしれません。

河森正治 EXPO

そして『マクロス Δ』の続編として完全新作となる『劇場版マクロス Δ 絶対 LIVE!!!!!!』の制作も発表されています。前作に輪をかけてもはやワルキューレが主役、場合によってはデルタ小隊も VF も出てこなくても可笑しくないくらい音楽を中心にしていることが伝わってきます(笑。ただ一つ気になるのは、今までのワルキューレの楽曲はタイトルや詩にメンバー五人にかけた「5」というキーワードを多用しており、最新曲『チェンジ!!!!!』でも!マークは五つだったのが、今回は「LIVE!!!!!!」にかかる!が六個。これはワルキューレに新メンバーが追加される予告なのではないでしょうか?とはいえ今から全くの新規キャラをメンバーに加えるとも考えにくいし、ここはひとつ旧劇場版で見せ場の少なかったミラージュがワルキューレ入りする説に一票入れたいと思います。過去にワルキューレ Ver. のフィギュアも作られたことがあるみたいですし(笑。

...と、このへんの写真を撮っていたところで、奥の方がやけにザワついてる。なんかあるのか?と振り向いてみたところ、

河森正治 EXPO

まさかの河森監督ご本人!!!!!

どうやら海外メディアの取材対応のタイミングに偶然出くわしたようですが、これにはさすがに取り乱しました。過去にイベントですごい遠くからご本人を見たことはあったんですが、今回は至近距離ですからね...。ほんの数分間の出来事でしたが、本当に行って良かった。

それにしても超おなかいっぱいになるイベントでした。絵コンテやデザイン画の写真撮影 NG だったのが本当に残念なくらいの展示物量には圧倒されました。全体で一時間ちょっとくらいのつもりで見に行ったところ、優に二時間は経っていたという(;´Д`)。河森作品のファンならば半日空けるつもりで見に行くべき展示会だと思います。

投稿者 B : 22:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/05/31 (Fri.)

STAR WARS: Galaxy's Edge

スター・ウォーズの世界を再現した巨大テーマランド「ギャラクシーズ・エッジ」 - AV Watch

米カリフォルニアのディズニーランドで今日からスター・ウォーズをモチーフとした「ギャラクシーズ・エッジ」エリアがオープンしたそうで。東京ディズニーランドに行けば毎回「スター・ツアーズ」に乗り映画との連動バージョンが稼動していると聞けば自ら家族を誘って TDL に行くほどの SW 好きとしては滅茶苦茶気になるわけです。だってミレニアム・ファルコンを自分で操縦できるアトラクションがあるなら乗りたくならないわけがないじゃないですか!!!

米本土のディズニーランドはちょうど 20 年前にフロリダのディズニーワールドのほうに一度行ったことがあって、折しも『ファントム・メナス』の公開直後だったこともあって SW 関連エリア以外も SW で盛り上がっていたことを覚えています。あれよりももっと濃い世界がエリア単位で繰り広げられるなら楽しいに違いない。

だってこれ↑ですよ。SW って映画では食事のシーンは多くないしあってもあまりおいしそうじゃないんですが(笑)、こういうのが出てくるならレストランじゃなくてパークサイドワゴンのほうが楽しそう。ライトセーバー型チュロスとか絶対あるか、そのうち出てくるに違いない。

このエリアがあるディズニーランドはカリフォルニア州アナハイムということで、LAX から私の最近の出張先への行き帰りに寄れないこともないという。週末にかぶせて出張を入れてみるか...?でも一人で本場のディズニーランドに行ったら家族から非難囂々だろうなあ(^^;;;。8 月にはフロリダにも同エリアがオープン予定とのことで、その流れでいずれ東京ディズニーランドにも展開されることを期待します。

投稿者 B : 21:40 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/05/25 (Sat.)

機動戦士ガンダム NT Blu-ray 豪華版

一般販路で購入した方のところにはフライングで届いたようですが、プレミアムバンダイで豪華版を購入した私には発売日(昨日)とどきました。

機動戦士ガンダム NT Blu-ray 豪華版(4K ULTRA HD Blu-ray 同梱)

機動戦士ガンダム NT

Blu-ray 豪華版は一万円超えとさすがに高価かったですが、買っちゃうんだなあ、これが!(←)今年こそ 4K 環境を導入したい自分のモチベーションを高める意味で UHD BD 同梱の豪華版以外の選択肢はありませんでした。
でも UHD BD が直販限定ってのはちょっとあこぎなことだと思うし、高価で割引きもない直販で買っているのに通常販路で買った人よりも後に届くというのは何だかなあ。せめてフライング販売と同日かちょっとくらい早く届けてくれるくらいの特典があっても良いのではないでしょうか。

機動戦士ガンダム NT

一枚目の写真ではめちゃくちゃ分厚いボックスに入っているように見えますが、BD と特典冊子が入っている金色の箱は実際にはこの半分弱。この金箱の中に一般売りと同じスリーブケースに入った 2K BD+特典ディスク、UHD BD+ドラマ CD、それと設定関連の冊子二冊が収まっています。スリーブケースは『UC』と同じデザインテイストになっているのが良いですね。このイラストでナラティブガンダム C 装備が思いっきりネタバレしてるのはどうかと思うけど(´д`)。

さておき、本編。クオリティ向上が図られたという作画に関しては、劇場公開時に感じられた(特にキャラクター周りにおける)作画の崩れが随分修正されているようで、全編を通して特にひどい作画崩壊シーンは見受けられませんでした。あとは単に私がこの金世俊氏のキャラクターデザインをあまり好きではないということだろうなあ...。

機動戦士ガンダム NT

豪華版パッケージの半分あまりを占める箱に収められていたのは、本パッケージ限定の FW GUNDAM CONVERGE ナラティブガンダム B 装備 パールメタリック ver. でした。私は今まで GUNDAM CONVERGE にはあまり興味がなかったんですが、SD ガンダムとはまた違った方向性でデフォルメされているこの感じ、悪くないですね。

機動戦士ガンダム NT

両腕に装備されているシールドはよく見ると『UC』でゼネラル・レビルに配備されていたジェガンや『F91』版のジェガンの装備品のカスタム版。『NT』の劇中でもナラティブガンダムの装備がユニバーサル仕様であるという台詞がありましたが、新造機ではなくルオ商会が不死鳥狩り作戦のためにあり合わせを用意した MS であることがこういう部分から感じられます。『UC』と『NT』の MS 群は前後の作品との技術的な継続性を意識して設定されている部分が多くて、ガノタ的には分析のし甲斐があるところ。

それと付属のドラマ CD について。『機動戦士ガンダム UC episode EX2 獅子の帰還』というタイトルを冠した、黒き獅子=リディ・マーセナス視点での『UC』後のストーリーが音声のみで描かれています。『NT』でミネバ・ザビとメガラニカがジオン共和国に身を寄せていた経緯やユニコーンガンダムとバンシィが解体封印されたいきさつなどを含む 40 分弱のエピソード。『UC』後のリディが一時的に『NT』にも登場したイアゴ隊に所属していたという設定や、アルベルトやカイ・シデンとの絡み具合がなかなか良い。しかしあんなことがあった後でもリディは相変わらずバナージにコンプレックスを抱いたままなのが、やっぱりリディだなと(笑)。そしてリディはやっぱり最後にそこに「帰還」するんですね...。
『NT』とこのドラマ CD を通じて、今後制作されるという『UC2(仮)』がどんな方向性のものか何となく想像できてきた気がしました。しかし同時並行的に『閃ハサ』のマフティー動乱が起きるわけだし、その後は『F91』に繋がっていくことを考えると持っていけるオチは選択肢が多いわけではありません。どんな物語になるんでしょうか。

しかしその前に次は今年末から公開される『閃ハサ』ですね。これはこれで救いようのない原作をどう映像化していくのか不安でもあり、楽しみでもあります。しばらくは『NT』をリピートしながら続報を待ちたいと思います。

投稿者 B : 21:39 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/04/26 (Fri.)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 [Blu-ray]

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 4K ULTRA HD&エクステンデッド版ブルーレイセット [Blu-ray]

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 4K ULTRA HD&エクステンデッド版ブルーレイセット (初回仕様/3枚組/

ゴールデンウィークを前にしてファンタビ第二話の BD が発売されたのでさっそく購入しました。
前作の BD は 4K+3D+2D/2K の三枚組だったのに(その 3D 版ディスクに不具合があったのも記憶に新しいところ)、今回は 4K UHD と 3D BD は別パッケージになっている(かつ 2D/2K ディスクはどちらにも付属)というのが、3D Blu-ray に対するニーズが着実に減っていることを感じさせます。私は今回も将来の 4K 環境の導入を想定して 4K UHD 版を購入。早く 4K で観たい...。

劇場公開時には展開早め、情報量多めの本編に引っ張られるように見入ってしまったわけですが、改めて観るとやっぱり一作目とのギャップが激しい。前作はニュート・スキャマンダーと魔法生物が主役のファンタジーという感じだったのに、今回はもう完全に悪役グリンデルバルトと若き日のダンブルドアに主役を取られ、ニュートも魔法生物も存在感が薄い薄い。前作のメインキャラだった四人の描写も意志があるというよりはどこか物語の都合で動かされているような印象で、二話目にして全く別の作品が始まったかのようでさえあります。それだけグリンデルバルト(ジョニー・デップ)とダンブルドア(ジュード・ロウ)の存在感が大きいということでもあるんでしょうが。
作風ももはや完全にダークファンタジー。『ハリー・ポッター』シリーズ本編も四話(炎のゴブレット)あたりまでは徐々にシリアスになりながらも魔法やクリーチャー、クィディッチなどの要素でワクワクもさせてくれたものでしたが、『ファンタスティック・ビースト』シリーズは二話目にしてここまで重い話にしてくるとは。まあ最終的に『ハリポタ』に繋がっていく話だから重くならざるを得ないし、登場人物の年齢層もハリポタより高めだからそうなるよね...という気はしますが、魔法生物につられて前作を見始めた若年層はちょっと引いちゃうのでは...とウチの次女のリアクションを見て思いました(´д`)。

一作目と続けて観るといろいろツッコミどころは感じますが、それ以上に映像のパワーと勢いを感じる作品ではあります。そして終盤にホグワーツの映像とあの象徴的なメロディが聞こえてきたときの高揚感...『スター・ウォーズ』新三部作と同じく結末が分かっている物語とはいえ、それがどんな形であの始まりに繋がっていくのか。改めて早く続きが観たくなりました。

投稿者 B : 22:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/04/17 (Wed.)

ボヘミアン・ラプソディ [Blu-ray]

ボヘミアン・ラプソディ [4K ULTRA HD + Blu-ray]

ボヘミアン・ラプソディ(2枚組)[4K ULTRA HD + Blu-ray]

ボヘミアン・ラプソディの BD が発売されたので購入しました。
海外版は 2 月に発売に発売されていて、字幕が要らないならそっちの方が安くていいか(UHD BD は北米版でも日本語字幕が収録されている模様)と思っていたんですが、もたもたしているうちに国内版まで発売されてしまったという。発表から発売まで二週間という、通常よりも大幅に唐突な発売で驚きました。

私は Queen はど真ん中世代ではないので本作の劇場公開時も「そこまで好きなわけじゃないけど知ってる曲多いし、ミュージカル映画として面白そうだから観ておくか」という感覚だったのですが、一度観てからはサントラを買ってしまうほどにこの映画に魅了されてしまいました。フレディ・マーキュリーと Queen のサクセスストーリーに関しては、フレディの病気のくだり以外はアメリカの音楽映画ではよくある展開だから新鮮味は感じなかったのですが、とにかく Queen の楽曲が良いのに加えて映像内での音楽の使い方とライヴパフォーマンスが素晴らしい。BD を購入したのもライヴシーンだけ繰り返し観る価値があると思ったからです。

実はまだ本編を再鑑賞する時間が取れていないんですが、BD 版の目玉ともいえる特典映像「ライヴ・エイド完全版」だけ先に観ました(笑。
劇場版のライヴシーンに 6 曲追加された完全版という特典映像は、映画のタイトル曲でもある "Bohemian Rhapsody" に始まって "Radio Ga Ga"、"Hammer To Fall" という劇場公開版どおりの流れを受け、未公開シーンの "Crazy Little Thing Called Love"(邦題『愛という名の欲望』)およびライヴパフォーマンスで最高に盛り上がる "We Will Rock You" を挟んで、最後に王道中の王道 "We Are The Champion" で締める 6 曲。特に "We Will Rock You" はスタジアムでのライヴシーンを是非観たいと思っていたので、これは嬉しいですね。
映画として全部観るとけっこうなボリュームのある作品なので、本編のライヴシーン+ライヴ・エイド完全版だけのプレイリスト的な再生ができるともっと嬉しいんだけどなあ。

今度の GW に改めてじっくり堪能しようと思います。音楽もサントラは買ったけどこれはある意味ベスト盤みたいなものなので、改めて時系列でアルバム単位で聴き込んでみたくなりました。

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/04/14 (Sun.)

STAR WARS: The Rise of Skywalker

この年末に上映を控えたスター・ウォーズ Episode IX の予告映像とサブタイトルが公開されました。

英語版のサブタイトルは「The Rise of Skywalker」。そのまま訳すとしたら「スカイウォーカーの復活」?前作で伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーがその生命をもってレジスタンスを救い、次からはレイ/フィン/ポーという「何者でもない者たち」が英雄になる物語がいよいよ始まるのかと思ったら、ここでまたスカイウォーカーですか。ディズニー傘下に入ってからの SW は脱スカイウォーカーを経て新たな物語として SW サーガを長く続けていこうとしていると私は推測していますが、それでもスカイウォーカーの血筋の物語を完結させるにはナンバリングタイトル三話分が必要だった、ということですかね。なお本作で映画シリーズとしての SW は小休止し、しばらくはテレビシリーズや配信向けの作品で繋いでいくようです。

予告映像の中身を見ると、レイがルーク・スカイウォーカーから受け継いだライトセーバー(改良済み?)、カイロ・レンのタイ・サイレンサー、修復されたカイロ・レンのマスク、BB-8 よりもさらに小さな新ドロイド D-O、ミレニアム・ファルコンでハン・ソロの代わりにチューバッカの隣に座っているのはメインメンバーに復帰したランド・カルリジアン、未公開映像を使って最出演したレイア(故キャリー・フィッシャー)、そして墜落したデス・スター II の残骸と最後に鳴り響く皇帝パルパティーンらしき笑い声...。少なくとも『最後のジェダイ』の展開をふまえて Episode IX に期待した要素とサプライズは一通り網羅されているように見え、期待を高めるに足る内容になっています。
と同時に、この動画からは複数の疑問も立ち上がってきます。ラストの笑い声は皇帝の復活を意味しているのか?ルークを喪ったレジスタンスはどう動くのか?そしてサブタイトルのとおり復活する「スカイウォーカー」とは誰を指しているのか?特に皇帝は『ジェダイの帰還』では直接的に絶命した描写がなかったので復活できなくもないとは思いますが、本当に復活してきたらそれはそれで興ざめだなあと(笑

まあ何にせよ公開前には期待が高まり、公開されたら賛否両論が渦巻くのが SW というもの。私も今から予想・妄想しながら公開日を楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 22:09 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/03/18 (Mon.)

運び屋 @T・ジョイ PRINCE 品川

『グラン・トリノ』以来約十年ぶりとなるクリント・イーストウッドの監督兼主演作品を観てきました。

運び屋

運び屋

監督としては毎年のように新作を発表し続けている一方で、一度は『グラン・トリノ』で俳優引退宣言をしたイーストウッド、『人生の特等席』以来二度目の俳優復帰(笑。

本作は五年前に新聞記事となった実際の事件をもとにしたフィクションです。90 歳の老人がメキシコの麻薬カルテルの運び屋として働いていた、という話。来年には 90 歳を迎えるイーストウッド自身がこの悲しい運び屋を演じています。

退役軍人であり、除隊後は園芸家として働いていたアール・ストーンは、家庭を顧みずに仕事に打ち込むあまり妻や娘と事実上の絶縁状態にあり、彼に心を開いていたのは唯一孫娘だけ。かつては仕事で成功していたアールも、時代の変化に伴って仕事が立ち行かなくなり、生活に困窮し始めます。しかし孫娘の結婚資金を出してやりたいという一心で始めた「運び屋」稼業が思いのほかうまくいき、金を稼ぐことで失った家族や仲間との関係を取り戻せる...と考えてどんどん深みにはまっていきます。そのうち自分がしている仕事のヤバさに気がついてももう後戻りはできない。最後に改めて「仕事か家庭か」の二択を迫られたときに、彼が選んだのは...というお話です。

というあらすじだけ書くとサスペンスっぽい印象を受けますが、上映時間の半分は「頑固じじいがマイペースに運び屋の仕事をやって、それにマフィアが振り回される話」。当初は予定通りに荷を運ばなかったら殺すと凄むようなチンピラやマフィアのボスも、いろいろ寄り道しながらもうまく警察を巻き、しっかり仕事を全うするアールにみんなほだされていきます(笑。シリアスな話のはずなのにどこかコミカルな描き方は先日観た『グリーンブック』に通ずるものがあって妙に和む。イーストウッド映画といえば重いテーマの作品が多くて元気がないと観れないものですが、これは肩肘張る必要のない、むしろ癒やし映画かもしれません。荷台に億単位の麻薬を載せて鼻歌交じりに走って行くイーストウッドがやけにかわいい(笑。

とはいえ「頑固で家族との距離の取り方が分からない不器用で孤独な老人」というキャラクターは、近年のイーストウッド主演作品に共通するもの。観れば観るほど、これは 90 歳の運び屋の話ではなくイーストウッド自身の家族に対する贖罪の物語なのではないだろうか?と思えてきます。本当に最近のイーストウッドは監督作では史実ものばかりだし、主演作は自身を投影したかのような役どころばかり。で、本作は監督兼主演だから(以下略。でも自分にも微妙に心当たりがあるように取り戻せない家族との時間をカネやモノで埋めようとしてしまうのは、彼に限らず働く男の悲しい性なのでしょう。
ラストシーンは必ずしもハッピーエンドではなかったかもしれませんが、アールの満足げな表情を見る限り、彼にとっては最後に家族との心の距離を埋めることができたことは幸せだったに違いない。

個人的にはイーストウッドがどことなく亡くなった祖父を思い出させるというのを以前書いた気がしますが(まああんなにカッコ良くないけど)、シャレや皮肉好きで、麦わら帽子で畑仕事に勤しむ姿やキャップと作業着みたいなブルゾンを纏ってトラックを乗り回す姿が生前の祖父と完全に同じで、スクリーンを見つめながら何度か涙がこぼれてきてしまいました(笑。妻子との距離感や孫を喜ばせるのに必死になる姿が本当に一緒なんだよなあ。

クリント・イーストウッドの監督作も主演作も、毎回「これが見納めになるかもしれない」と思いながら映画館に足を運んでいるわけですが、こんな「人生の最後に、何をもって幸せだったと言えるか」というテーマの作品を見せられると、本当にこれが遺作になってもおかしくないと思ってしまいます。でもこれからも一年でも長く元気に過ごして、また映画を作り続けてほしい。なんか勝手に孫目線で応援してしまっている自分がいます(笑。

投稿者 B : 22:28 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/03/15 (Fri.)

フロントランナー

先日の出張の機内ではもう一本映画を観ていました。

フロントランナー

『レ・ミゼラブル』『グレイテスト・ショーマン』と当たり続きのヒュー・ジャックマン主演映画とくれば気になるじゃないですか。しかし前二作と違い今回はミュージカル映画ではなく、史実を元にした政治スキャンダルもの。1988 年のアメリカ大統領選挙において、予備選をリードしていた民主党のゲイリー・ハートの物語です。
私は当時まだ小学生で、選挙についてもよく知らない間に大統領がレーガンからブッシュ(・シニア)に交代していたくらいなので、ゲイリー・ハートについてはよく知りません。もっと言えば物心ついたときにはレーガンが大統領で、彼がかつて俳優だったという事実も『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観て初めて知ったほどです(笑。でも私の世代的なものを抜きにしても、ゲイリー・ハートという人物は日本ではよく知られていないのではないでしょうか?少なくとも今日時点で日本語版 Wikipedia にはページが存在しませんでした。

「ジョン・F・ケネディの再来」と言われるほど高いカリスマ性を発揮し、選挙戦序盤をフロントランナー(最有力候補)としてひた走るゲイリー。しかしプレイボーイとしても知られていた彼は、選挙戦中に新聞に不倫スキャンダルをすっぱ抜かれる。政策とプライベートは関係ないとして引き続き選挙戦を戦おうとするゲイリーに対して、加熱する報道。そこで彼自身が、家族が、選挙スタッフが、不倫相手が、マスコミが取った行動とは...という群像劇的な構造になっています。ゲイリーの参謀として『セッション』やサム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズ等で圧倒的な存在感を見せた J・K・シモンズが、いつもとはちょっと違った渋めのキャラクターで登場しているのも印象的。

物語の描き方は叙事的で、様々な登場人物の動きを時系列で淡々と追っています。ゲイリーと参謀たちの思惑の違いや選挙スタッフとマスコミの駆け引きはなかなかにスリリング。ただ、ゲイリー・ハートという政治家のカリスマ性やプロパガンダの巧さは映像を通じて理解できたものの、彼がどういう信念で政治を行い何故そこまで高く支持されたのかについては登場人物の台詞の中で表現されるにすぎず、リアルタイムを知らない視点から見るとやや説得力に欠ける印象もありました。ゲイリーが何故大衆が政策とプライベートを分けて見てくれると思ったのか、もっと上手く立ち回ることはできなかったのか...が今一つ理解できず、ゲイリーに感情移入するよりも自分自身もこの事件の傍観者の一人という意識でスクリーンを見つめていました。ただ、ゲイリーが妻から突きつけられる台詞だけは、妻子ある身としては無茶苦茶痛い(;´Д`)。これ当事者として浴びせられたらたまらないだろうなあ...。

本作のテーマは「政治家は完璧に清廉潔白であるべきか」「加熱するスキャンダル報道の行く末」といったあたり。「政策よりもスキャンダルで動くこの政治は、まるでスポーツになろうとしている」というゲイリーの言葉は近年の米大統領選の状況を連想させるような部分もあるし、日本や東京の政治に重ねてもいろいろと思うところはあります。それでもスキャンダルの発端となったマイアミ・ヘラルド誌の編集長が「これが選挙の本質だ」(うろ覚え)と反論する一言は、良い悪いにかかわらず実情としては本質を言い当てているよなあ、とも思うわけです。だから何、というわけでもなく、その判断は観客それぞれに委ねられています。

面白かった...んだけど、「ヒュー・ジャックマンがカッコ良かった」以外の印象が薄い映画でもありました(ぉ。直前に観た『グリーンブック』の出来が良すぎたせいもあるのかもしれませんが。

投稿者 B : 22:27 | Foreign Movie | Movie | コメント (2) | トラックバック