b's mono-log

2012/06/28 (Thu.)

銀河英雄伝説 [DVD]

今日 Twitter で軽く『銀河英雄伝説』の舞台化の話題が出ていましたが、

実は、このタイミングで私も初めて OVA を観ていたりします。

銀河英雄伝説 Vol.1 [DVD]

B0000CBCC4

今、ようやく本伝の 2 期にさしかかったところなので、本伝の 1/4 程度といったところでしょうか。

ゴールデンウィークに ANIMAX で外伝を放送していて、そういえば有名な作品なのにちゃんと読んだことがなかったな・・・と思って、ツタヤで 1~2 週に 1 本借りてきては少しずつ観ています。世代的には私より 5~10 歳くらい上の人のほうがど真ん中だと思うので、私の青春時代にはあまり刺さってこなかったんですよね。
なぜこのタイミングで話題になっているのかと思ったら、今年は原作が完結して 25 周年らしく、それを記念していろいろ企画が行われている模様。宝塚で舞台化されたり、それ以外にも同時並行的にラインハルトをシンケンレッド役の松坂桃李ヤン・ウェンリーを LUNA SEA の河村隆一オーベルシュタインを access の貴水博之、というもはや誰に向けているんだか分からないようなキャストで舞台化していたり、人によっては原作に対する冒涜とも思いかねない状況になっていると言えます。

私はこの作品についてはハマッたというよりどちらかというと惰性で観てしまっているような状況ですが(笑)、かなり『スター・ウォーズ』の影響が見て取れますね。まあガンダムもスター・ウォーズがあったから生まれてきた部分が大きいので、それ自体の是非は言いませんが、アメリカ的なシンプルな『スター・ウォーズ』のストーリーに対して、こちらは史実や現実の社会問題などをモチーフに描かれているエピソードが多いのが大きな違いでしょうか。あと、戦闘は艦隊戦が中心なのでスター・ウォーズやガンダムのような派手なアクションもなく、淡々と描かれることが多い(むしろ宇宙戦の映像描写として今観ると稚拙)なのが特徴だと思います。基本的に、人間同士の駆け引きや化かし合いが物語の軸なので、戦闘そのものについてはそれほど重視されていないということでしょう。
個人的には、原作者である田中芳樹の「有能な者が無能な権力者や衆愚に振り回されることに対する強い不満」みたいなものがストーリー全体からにじみ出ているのが鼻につくというか、歴史小説の体で表現するならもう少し自己主張は抑えればいいのに・・・と思わなくもないです。原作を読んでいないので、小説だと違う表現になっている可能性はありますが。

アニメ作品として観たときの本作は、声優が非常に豪華で、声優マニアではない私でも知っている声優さんが多数出演している・・・というよりむしろ主要キャラはほぼ全員聞いたことがある声、というのがちょっとすごい。私の世代的には多くがガンダムシリーズやドラゴンボールなどのジャンプ系アニメで聞いた声で、ピッコロの親子がこんな形で共演してるよ!とか、アムロと冴羽獠がこんな情けない役なんて・・・とか、そういう観点で観ていくとなかなか面白い(笑)。中には既に故人となっている声優さんも少なくなく、主人公の一人ヤン・ウェンリー役の富山敬氏(初代さくら友蔵;個人的には多数の洋画吹き替えのイメージのほうが強い)、イワン・コーネフ/ケッセルリンク二役の鈴置洋孝氏(言わずと知れたブライト・ノア/天津飯)、オーベルシュタイン役の塩沢兼人(マ・クベ)など、改めて惜しい方々を亡くしたなあ・・・と。

ということで、話の中身にはそれほど強い興味はないんですが(ぉ)、引き続きダラダラ観ていこうと思います。

銀河英雄伝説 Blu-ray BOX1

B002N5P2QC

投稿者 B : 00:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/06/23 (Sat.)

コクリコ坂から [Blu-ray]

コクリコ坂から 横浜特別版 [Blu-ray]

B004GCJOFA

劇場公開時に観てとても気に入った作品なので、BD の発売も楽しみにしていました。だいたい公開から半年で BD 化する作品が多い中、ジブリは 1 年スパンを守ってきますね。そして BD の冒頭クレジットに圧縮担当として PHL(パナソニックハリウッド研究所)の柏木氏の名前が。丁寧かつ濃厚に描かれた動画を、これまた丁寧にエンコードされていて、画質の破綻を気にすることもなく作品に没頭できました。

コクリコ坂から 横浜特別版

「横浜特別版」って、パッケージデザインが通常版とは異なるのかと思ったら、特典ディスク+横浜ガイドマップのスリーブケースがオリジナルデザインになっているだけで、本編ディスクのケースはいつものジブリ BD フォーマットの単色+シルエット刷りのケースなのね・・・。ほとんど値段も変わらなかったので横浜特別版にしましたが、これなら別に通常版でも良かったかな。そして、毎度のごとく扱いに困る特典、オリジナル「縁結びお守り」(笑。

ともあれ、やっぱりこの作品は好いですね。往年のジブリ映画のような派手さはないけれど、大人がじんわりと感動を噛みしめられる優れた青春映画だと思います。似合わないと言われるでしょうが、私はこういうちょっとこっぱずかしくなるような青春映画が大好きなんですね・・・。
ひとつだけ不満を挙げるとすれば、時代背景的なものもあるのかもしれませんが、登場人物が皆優等生すぎて、その点で感情移入しきれないところでしょうか。もうちょっと欠点というか、クセを表現した描き方のほうが、より思い入れができるというものですが。ただ、本作でこれだけ横浜が持ち上げられていることからも分かるように、この映画は「コクリコ荘」「カルチェラタン」「昭和三十年代の横浜」という舞台そのものが主役で、登場人物はそれらを彩る群像に過ぎない、ということなのかもしれないなあ、と思います。それだけ、それぞれの舞台の情景描写も見事だし、そこに生きる人々の描写が活き活きとしていて、この時代に生まれていない宮崎吾朗氏が本当に監督をやったの?と要らぬツッコミを入れたくなるほどではあります(笑。

日本の季節はこれから真夏に向かおうとしていますが、毎年初夏の爽やかな時期に、決まって見返したくなる作品だと思います。

投稿者 B : 00:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/01/23 (Mon.)

映画「おおかみこどもの雨と雪」

映画「おおかみこどもの雨と雪」

あの『時かけ』『サマーウォーズ』の細田守監督の最新作『おおかみこどもの雨と雪』の情報が出てきました。現時点で公開されているのはタイトルとメインキャラクターのデザイン、および劇場公開日と予告映像くらいですが、今までの細田作品と同様にポジティブな雰囲気がイメージイラストや予告映像からも滲み出ていて、今から期待せざるを得ません。

ストーリーについてもほとんど明らかになっていませんが、映画.com の記事によると、富山が物語の舞台になるようです。

細田守監督最新作は「おおかみこどもの雨と雪」 新スタジオ設立も : 映画ニュース - 映画.com

これは、富山県出身の細田守監督ならではと言える映像表現が期待できそう。私も夏の帰省時に時間があれば聖地巡礼を(できるような内容であれば)してみたいところです。

細田監督の従来の 2 作品はどちらかというと SF(スペースファンタジーではなくサイエンスフィクション)寄りのストーリーでしたが、今回は作風からして微妙にジブリっぽさが感じられますね。一般層からすると、細田監督はまだまだ「知る人ぞ知る」という知名度だと思いますが、この作品の成否によってより一般に知られるアニメ監督になっていくかどうかが決まりそうな気もします。個人的には、あまりジブリ的にはならないでほしいなあ・・・とは思いますが。

ともあれ続報を楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 00:21 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/12/17 (Sat.)

映画けいおん! @TOHO シネマズ 六本木ヒルズ

映画けいおん!

今年は春に『まどマギ』を観て以来、ちょっと思うところもあり、最近の名作と言われるアニメをいろいろ観ています。でもゆるふわ日常系の作品があまり得意ではないので、『けいおん!』については今まで敬遠していたんですが、映画化にあたって深夜に再放送をしていたのをきっかけに観てみたら、面白いじゃないですか。
ということで、とりあえず第一期を観ただけの状態ではありましたが、劇場に足を運んできました。

『けいおん!』はその名の通り女子高の軽音楽部を題材にした作品ですが、実際に観てみると、まあさっぱり演奏しない(笑。テレビ版の一期でまともに演奏したのって 2~3 回?というくらい演奏のシーンがなくて、最終話まで主人公が魔法少女にならなかったまどマギを思い出してしまったほど(ぉ。
という感じで、軽音楽部の音楽活動ではなく軽音楽部所属の女子高生の緩い日常を主に描いた作品ではあるのですが、単に緩いだけじゃなくて、楽器や演奏の描写がやたらにこだわっているので、演奏しないのに観ていると何故か音楽がやりたくなるという、不思議な作品です(笑。OP/ED のミュージック PV 的な映像に誘発されている部分もあるんでしょうけれど。

で、映画になっても相変わらずあんまり演奏しないのは変わらないのですが(笑、それでもテレビ版よりは演奏シーンが多かったかな。この作品では、演奏シーンに意味を持たせていることが多いので、大事なシーンに挟んでくる感じ。

テレビ版を観ながら、これを劇場でやる意味ってあるのかな・・・と疑問に思っていたんですが、ロンドンの街並みをリアルかつスケール感をもって描写した映像とか、テレビでは味わえなかったマルチチャンネルサラウンドによるバンドの演奏表現とか、あー確かにこれは劇場で観る意味あるかも、と実感しました。特に六本木の TOHO は全般的に音が良いので、より実感できたのかもしれません。

劇場版を観て思ったのは、けいおんって実は青春ドラマだったんだなあ、ということです。全般的に緩いシーンが多いので気づきにくいんですが、逆に緩い日常の描写があるからこそ、なおさら青春っぷりが際立つということを、終盤の映像を観て感じました。というかけいおんで感動するとは思っていませんでしたよ・・・。

想像していた以上に面白い映画でした。これは二期の DVD を借りてくるしかないかな。

投稿者 B : 23:59 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/11/03 (Thu.)

東のエデン

これまた今さら観たシリーズですが。

東のエデン

TSUTAYA で『化物語』を借りたときに、アニメコーナーの棚で見かけて「そういえば、これちょっと観たいと思ってたんだっけ」というのを思い出して、借りてきました。2 年以上前の作品ですが(そういえば作品の舞台はまさに今年、2011 年だった)、まさに今の日本を象徴している作品と言えるような気がします。

閉塞しきった日本の状況を打破し、この国を救うために選ばれた 12 人の「セレソン」と、彼らそれぞれに与えられた、100 億円分の電子マネーと「物理的に起こせる事象ならばほぼ何でも実現可能」なコンシェルジュがついた「ノブレス携帯」。その 12 人の目的と利害が絡み合いながら進行する、日本を救うための「セレソンゲーム」。
テクノロジー的には AR やメタタグ、電子マネー、携帯電話向けパーソナルコンシェルジュサービス、といったようにここ 2~3 年で注目された要素を網羅していて、そのあたりの業界の人には興味深いところではないでしょうか。個人的には「ノブレス携帯」が劇中でどう使われるのかに興味を持って見始めた作品でしたが、観ていくうちにそれよりも現代の日本という国が抱えている構造的な病理をそれぞれのセレソンがどう解決しようとするのか、そちらのほうに興味が移りました。

日本の対外的な格差が大きかった時代に、とにかくがむしゃらに働けば国全体が右肩上がりで成長し、国内の支えるべき人々の割合も比較的小さかった時代と、先進国の仲間入りを果たし、様々なコストが高くなって単純労働の生産性では競争力がなくなったことに加えて、国民を支える年齢層に対して支えられる層の割合が大きくなりすぎてしまった現代。富を再分配してこれから成長する分野にリソースを投入するにはどうしたらいいか?を過激な方法論でやろうとする者と、穏当な手段を執ろうとする者。被害者を装って自らを人質に取り、他国に対して要求を通そうとする者。救国を自分の怨念晴らしにすり替える者。国家ではなく自分の目に見える範囲の人を救うことを考える者。資金を自らのためにだけ使おうとする者。それぞれのアプローチが非常にコントラストが効いていて、どのキャラクターも本当に魅力的。
私は、社会人になってから(特に、今の仕事に就いてから)いろんな物事を経済合理性をベースに考えるようになりましたが、特に今年の 3.11 以降は、その上で今後の日本がとるべき国家のカタチというのはどういうものか?というのを考えることが増えました。そういう意味では、個人的には主人公の最大のライバルであるセレソン No.1「物部」の考え方には、あまりにも過激ながら妙に共感してしまった部分もあり、非常に考えさせられました。私の社会や経済に対する視点が原作・監督である神山健治氏に近い、ということかもしれませんが。
こういう作品だと、最後は「結局、事態は前と大きくは変わらなかった、けど何かが確実に少し変わった」的な落としどころにもっていくことが多く、この作品のオチもそんなところですが、それだけじゃやっぱりダメなんじゃない?というのを、3.11 から半年あまりが経過した今の日本を見ながら思ったりもします。

とか、なんか話が大きくなってしまいましたが、私はこういうテーマが大きくて、謎解きや駆け引きの要素があって、なにより演出がいちいちカッコイイ作品が大好きなので、とても気に入りました。もっと早く観ておけば良かった。

ちなみに、この作品を観て以来、Edy や Suica で決済をするたびに「受理されました。今後も救世主たらんことを」と言う一人遊びが私の脳内で流行っています(ぉ。

東のエデン 1 [Blu-ray]

B0027BT1DC

投稿者 B : 23:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/10/29 (Sat.)

劇場版 マクロス F ~サヨナラノツバサ~ [Blu-ray]

発売日に届いていたのに全く観る時間と体力がなく、ようやく視聴しました。

劇場版 マクロス F ~サヨナラノツバサ~ Hybrid Pack [Blu-ray]

B005DVVV6S

作品の感想としては劇場上映時に書いたので、パッケージ周りの話を。

いつものことながら BD なので画音質、特に直視型ディスプレイで見たときのクッキリハッキリ感は劇場のプロジェクタではなかなか得られないものがあります。マクロスシリーズは特に戦闘シーンでのアクションが激しく、何がどうなってるか理解できない場面もありますが(笑)そういうのを繰り返したりスロー再生したりして堪能できるのも、パッケージメディアならでは(ネット配信でもそうですが)のメリットでしょう。

音については、劇場公開時の初見は川崎チネチッタだったのでやや残念なクオリティでしたが、実はそれに満足できずにその後横浜の 109 シネマズ MM21 の「「シアター 7」に 2 回目を観に行って、その音質に非常に満足しました。今回の BD では(夜間に大音量を出せないので)バーチャルサラウンドヘッドホンでの視聴だったので、音については残念ながらそこまで堪能できず。MDR-DS7000 はサラウンドヘッドホンとしてはけっこう気に入っているんですが、マクロスのように音楽が主体となる作品だと力不足ですね。バーチャルサラウンドを諦めて、2ch のオーディオヘッドホンで聴いた方が楽しめるかもしれません。ただ、ライヴ感あふれるこの作品の場合は、ヘッドホンよりもスピーカ、さらに言えば劇場上映向きと言えるかもしれません。改めて昼間に AV アンプを通した音で楽しみたいところ。

マクロス F という作品は、河森正治という監督のキャラなのか、兵器とか映像とかのディテールには滅茶苦茶こだわるくせに、ストーリーや設定には突っ込みどころが多く、最大限に良く言っても破天荒(ぉ。なので、引いた目線で観るとおかしな作品に見えてしまいます。が、いったんそれを受け容れてしまえば、音楽と映像の洪水で細かい矛盾やご都合主義はどうでも良くなってしまうという、得な作風だなあと思いますね。

ちなみに各所で話題になっていた、特典の生フィルムコマは私はこれでした。

劇場版 マクロス F 恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~

グレイス・オコナー。当たりでもなく、大ハズレというわけでもなく、微妙(´д`)。とはいえあの「NO MORE 映画泥棒」のコマが混入していたというのはさすがにネタだよね・・・?と思っていたら、どうやら本当のことっぽいようで(笑。

投稿者 B : 23:59 | Anime | Game | Movie | PS3 | コメント (0) | トラックバック

2011/10/10 (Mon.)

化物語

これまた今さらですが、このアニメ作品を観ました。

化物語 - 西尾維新アニメプロジェクト

春に観た『まどマギ』のインパクトが今でも強く、関連作品があったら観たいかも・・・と思っていたところ、とあるきっかけで監督(新房昭之)と制作会社(シャフト)が同じこの作品のことを知り、TSUTAYA で借りてきた次第。
これまた予備知識なしで観たんですが、私はホラー映画はあまり好きじゃないですが、こういうオカルト×コメディ的な作品は好きなんですよね。いや、もともと推理モノ好きだったのが、『トリック』を観てこういうホラー推理っぽいものにハマったというか。そんな私の好みにストライクな作品でした。

主人公が「怪異」と呼ばれるもの(妖怪や幽霊の類)が絡む事件に次々と巻き込まれ(というより自分から関わりにいき)、それらを解決していく(実際には、主人公が解決した事件は全くといって良いほどないわけだけれど)という作品でありながら、アニメ作品らしい派手なアクションはほぼ皆無。基本的には登場人物(それも各回に出てくるのはほぼ 3~4 人)の台詞回しだけで物語が進み、なおかつ無駄話も多いから実は内容はそんなにない(笑)のに、何故かそれぞれの回が妙に凝縮感がある、という不思議な作品です。
また、ところどころに出てくる、気持ち悪いけど強烈にインパクトがある「イヌカレー空間」はここでも健在で、作品の世界観をうまく拡張していると感じました。

というか・・・映像のことばかり言ってしまいましたが、台詞の言葉の選び方なんかを見る限り、もともとの原作が面白いのに加えて、新房監督×シャフト×イヌカレーの映像がマッチしている、ということなのかな、と、あまりこういうアニメ作品を追っかけていない身ながらに感じました。

「まどマギ」とはずいぶん違う作品ですが、映像表現や演出の上では共通点もかなり多く、あの作品にハマった人ならば気に入るのではないでしょうか。
私は DVD を借りて観ましたが、今月から TOKYO MX で再放送をやっているようです。映像の情報量が多い作品なので、HD で観るべし。ということで、私も再放送で改めて視聴するつもり。

化物語 Blu-ray Disc Box

B005N498SS

投稿者 B : 23:45 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/08/22 (Mon.)

耳をすませば [Blu-ray]

耳をすませば [Blu-ray]

B004W0XO5C

『耳すま』はジブリ映画の中でも私が特に気に入っている作品の一つです。ので、BD も発売後すぐに買っていたんですが、なかなか視聴する時間がなく。夏の間には見ておきたかったので、何とか時間を見つけて視聴しました。ま、DVD で何度となく観ている作品なんですけどね。

BD 版の批評としては例によって AV Watch の「買っとけ!」が安定のクオリティで素晴らしくまとまっているので、詳細はこちらで(ぉ

【買っとけ! Blu-ray/DVD】[BD]「耳をすませば」 -AV Watch

この映画は画質よりも、観ているこちらが赤面してしまうようなストレートな物語と、あとは登場人物たちのリアリティのある所作のひとつひとつだと考えているので、あえて BD でなくても DVD でも十分なんじゃ?とは少し思っていました。とはいえ、2002 年頃の DVD ってエンコード技術の問題から今観ると物足りない画質のものも多く、この『耳すま』の DVD もそういう部類。PS3 のアップコン機能を使っても輪郭がボヤボヤした印象で、改めて BD 版と観比べると、BD のスキッとしたヌケの良さ(それでいて、フィルムの質感もちょうど良い按配に残っている)を感じることができます。

もうひとつ画質面で言うと、BD になったことで画面全体の情報量が増し、主人公・雫の狭いアパートのごちゃごちゃとした生活感などが、この作品のキモである登場人物たちのリアリティを拡げています。が、それよりも解像度の向上が効果的に現れているのが、雫が「地球屋」に入った瞬間や、聖司に連れられて地球屋の裏手に回るシーン、そしてクライマックスの朝焼けを眺めるシーンなど、「主人公が今まで見たことのない、新しい世界に足を踏み入れる瞬間の、世界観がワッと広がる感覚」の表現だと感じました。こういう、テーマパークのような見知らぬ世界に足を踏み入れる瞬間の表現こそが「ジブリらしさ」のひとつだと思っているので、その表現力が向上しているという点で特に BD 版を買って良かったと思います。

こないだ観た『コクリコ坂から』も、近年のジブリ映画の中では特に秀でた作品だと思いましたが、やっぱり私の中では『耳すま』の存在感は大きいですね。というか、『コクリコ』の CM でも使われている自転車二人乗りのシーンは、明らかにこの作品へのオマージュですよね・・・。

で、誰ですか、私がこの映画が好きというのがイメージじゃない、という人は(´д`)。

投稿者 B : 23:45 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/07/25 (Mon.)

コクリコ坂から @TOHO シネマズ 六本木ヒルズ

観てきました。

コクリコ坂から

コクリコ坂から

宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏の監督第 2 作。しかし、前作『ゲド戦記』は内容的には私のジブリ内ワーストに位置づけられている作品で、事前の期待値としてあまり高くない状態で劇場に足を運びました。

私は映画を観るときに事前情報をあまり仕入れずに劇場に行くほうなのですが、それでも多少なりとも得ていた情報から「吾朗氏が生まれる前の日本が舞台の作品をどう描くのか?」「処女作では父親殺しの少年を描いた吾朗氏に、今度は幼くして父を亡くした少女を描かせる宮崎駿の意図は何だろうか?」とか、どちらかというと分析的なバイアスを持ってシートに座りました。それはもちろん、『ゲド戦記』のとても悪いイメージが頭にこびりついていたからに他ならないのですが、上映が始まって 15 分もした時点では、『ゲド戦記』のことも変な先入観も完全に忘れ、映画に見入っている自分がいました。

たくましさと芯の強さを持ち、団結力のある女たち。不器用ながらも一途な男たち。ジブリ映画ではもうお約束となった構図ですが、この作品でもそれは典型的に表現されています。女の園であり、生活感に溢れた「コクリコ荘」と、男たちがやや浮世離れした活動を営む学生会館「カルチェラタン」。物語は主にこの 2 つの舞台を中心に繰り広げられます。
私がまず圧倒されたのはこの「カルチェラタン」の描写で、小汚い学生会館でありながら、外の世界と切り離されたその内部はまるでアミューズメントパーク。『アリエッティ』における人間の家だったり、『千と千尋』における湯屋のように、これから何か事件や冒険が起きそうな未知の世界として表現されています。また、この「カルチェラタン」の内部に限らずですが、この映画では『アリエッティ』と同様に音響が非常に効果的に使われており、自分がこの学生たちの一員になったかのように錯覚する音響的ギミックが多く、しかしいやらしくない程度に仕込まれています。個人的には、講堂で学生たちが校歌(学生歌?)を斉唱するシーンの包囲感にやられてしまいました。また、音といえば武部聡志の音楽も非常に良く、いつもの久石譲とはまた違った雰囲気でありながらも、ジブリの絵とこの作品の世界観にマッチしていて、好ましく感じました。

作品の舞台となっている昭和三十年代というのは、おそらくまさに私の父が青春を過ごした時代で、私はその当時のことを知る由もありません。が、経済成長し始めた時代背景もあるのでしょうが「明日は今日よりもきっと明るい」と信じられる空気感、学生ながらにさまざまなことに真剣に取り組める真摯さ、そういったものに学生時代にあまり触れられずに過ごした私には、却って新鮮に映りました。ああ、自分もこの世界の一員になってみたい、と感じたほどに。

物語の軸は海と俊、少女と少年二人の爽やかな恋と出生の秘密。どこか『耳をすませば』にも似た甘酸っぱい手触りを持ちつつも、後半にはドラマチックな展開が待っています。上下関係や礼儀を重んじ、男女はけっこうきっぱりと分かれている、という学生観は今の時代には薄れてしまったものではありますが、おそらくどちらかというと古い私の恋愛観(笑)からすると、ストレートに迫ってくるものがありました。二人が電車を待つあのシーンには、正直、きゅんとした。

本作の全体を映画として見たときに、この作品はディテールの描写や活き活きとした人間の生活の描き方、あるいは男女の位置づけ、小さな世界でもワクワクを感じさせる世界観、そういったものの全てにおいて「とてもジブリらしい映画」と言えるのではないでしょうか。今の駿氏がこの映画を脚本だけでなく監督まで担当していたら、もしかしたら「昔は良かった」がもっと前面に出て、どこか説教くさい、小うるさいものになっていたような気がします。そういう意味では、吾朗氏が監督を担ったのは正解だったのかもしれません。『ゲド』のときとは吾朗氏自身も製作体制も変わっているので単純に『ゲド』と比較するわけにはいきませんが、個人的には『ゲド』のことは忘れて、新しい宮崎吾朗監督とスタジオジブリを評価しても良いように思いました。今なら、この映画を私のジブリ作品の中でのベスト 5 に入れられるような気がします。そう評価してもいいくらい、『コクリコ坂から』は素晴らしい作品でした。

『アリエッティ』『コクリコ坂から』と 2 作続けて完成度の高い作品が出てきたことで、スタジオジブリの後継者問題にはある程度出口が見えてきたと言っていいのではないでしょうか(これらの作品に宮崎駿、鈴木敏夫両氏が実際どの程度深く絡んでいるかにもよりますが)。ただ、これらの作品から言えるのは、今のジブリは『ナウシカ』や『ラピュタ』のジブリではなく、「アニメファンでなくても楽しめる、クオリティの高い作品を製作するスタジオ」という定義が相応しいようだ、ということです。確かに『アリエッティ』も『コクリコ坂から』も良い作品だし、ジブリという完成されたブランドを守っていくという意味ではそれも正しいような気はしますが、ジブリの若手スタッフ(吾朗氏が若手、と呼べるかはやや疑問ですが・・・)には、新しい時代のジブリにこそ期待したい。次あたりはラピュタを超えるような冒険もので、我々をワクワクさせてほしいところです。

投稿者 B : 00:44 | Anime | Movie | コメント (1) | トラックバック

2011/07/13 (Wed.)

鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星 @新宿ピカデリー

先日公開されたハガレンの新劇場版を観に行ってきました。

鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星

鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星

新宿ピカデリーではアルフォンスの実寸大フィギュアと主要キャラクターのパネルが展示されるなど、イチ押しであることが伝わってきました。あと、お客さんも女性比率がかなり高く(私が観た回は過半数が女性だったんじゃないかと思われる)、本作品の女性人気の高さを初めて認識しました。

『鋼の錬金術師』の原作は既に完結しており、しかもキレイに幕を引く終わり方だったので、劇場版をやるにしても後日談は蛇足にしかならないだろうなあ、やるとしたら本編の時間軸におけるサイドストーリーになるだろうなあ、と思っていたら、その通りの内容でした。そういう作りの話だと得てして微妙な内容になりがちなものですが、今作は本編の文脈をふまえつつ、単体の作品としてなかなか完成度の高い映画に仕上がっていると感じました。
冒頭から 30 分くらいはミステリー+アクションであっという間に過ぎ去るジェットコースター的展開。走行中の列車の屋根の上でのアクション等、アクションものとして定番のシチュエーションが多い印象ですが、演出のうまさとアクションの派手さでグイグイ引き込まれていきました。スタッフのコメントでも「本編では等価交換の原則をふまえて控えめに演出する必要があったが、映画ではその制約を取っ払った」的な話がありましたが、まさにそんな感じ。
また、物語は本編と同じく錬金術と賢者の石を巡る争いの話であり、舞台となるテーブルシティについては、地図を見た時点でどういう話になるかある程度想像がついてしまったのですが、予想通りになった部分と、良い意味で裏切られた部分(でもちゃんと伏線は張られている)があり、最後まで興が醒めずに楽しめました。

残念だった部分があるとすれば、これだけ壮大なストーリーでありながら、本編から見るとサイドストーリーのひとつに過ぎない(まあ、この映画自体が後付けですから)ということの矛盾がちょっともったいないかなあ、と。本編の最終回でエドワードが西方を旅する、と言っていたのが、ここでの事件がきっかけになったのかなあ・・・と想像を膨らませて楽しむくらいはできるでしょうが。
また、二人の主人公以外の本編キャラがほとんど出てこないか、出てきてもほんのチョイ役扱いなのは、それぞれのキャラクターのファンには残念でしょうが、その分映画側をきっちり描くことができているので、個人的にはそれがこの映画の完成度を高めていると感じました。

鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星

劇場でもらった特典は単行本の 11.5 巻。11 巻の頃の話、として扱われるこの映画にちなんで、原作・荒川弘の短いコミックと映画の設定資料集、プロデューサーの対談企画などが収録されています。これがないと楽しめないものではありませんが、荒川弘が描くハガレンがまた少しでも読めるとは(完結した時点では)思っていなかったので、ちょっと嬉しい。

投稿者 B : 23:59 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック