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2018/12/09 (Sun.)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 @109 シネマズ川崎

『ファンタスティック・ビースト』シリーズの最新作を観てきました。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

本当は IMAX で観たかったんですが、109 シネマズではムビチケ(前売券)が利用できるのは通常上映のみで、IMAX は通常決済しかできないらしく、ムビチケ購入済みだった私は泣く泣く通常の 2D 上映を観てきました。他系列なら IMAX でもムビチケ使えるのに...こんなことならいつもの品川に行けば良かった。

さておき、本作は原題のロゴで "Fantastic Beasts" よりも "The Crimes of Grindelwald" の方が圧倒的に大きいことからも分かるように(笑)、前作とは打って変わって魔法動物はそこまでフィーチャーされません。それ以上に主人公であるはずのニュート・スキャマンダーの存在感さえも薄く、完全にグリンデルバルトが主役だったと言って良いでしょう。なんか『ハリー・ポッター』シリーズを観た、というよりジョニー・デップ映画を観た感覚の方が強い(ぉ。まあ、この先は『ハリー・ポッター』本編に繋がる前日譚としてダンブルドア(ジュード・ロウ)とグリンデルバルトの対決の話が描かれていくんでしょうから、ニュートは狂言回し的な役割が強くなりそうではあります。

映画は前作のラストで米魔法省に拘束されたグリンデルバルトが、イギリスへの移送中に脱走するところから始まります。ここからしてダークな作風になる雰囲気マンマン。そして前作の最後にバラバラになった四人のメインキャラが再集結し、前作で死んだと思われていたクリーデンス少年が実は生きていたことと、その出生の秘密を追う...という情報量的にはけっこう詰まった展開。前作では世界観やキャラクターの紹介、魔法動物の描写など導入部が少し冗長なくらいだったのに対して、今回は観客が一通りのことを知っている前提でどんどん話が進んでいきます。さらには物語の舞台としてホグワーツも登場。あの城の映像とテーマ曲がかかった瞬間には何とも言えない懐かしさがこみ上げてきました。前作では『ハリー・ポッター』本編との繋がりは単にキーワードとして示されるに過ぎませんでしたが、いよいよ本編に繋がっていくことが実感できると興奮するものです。映画としても展開早め、アクション多めの濃い内容だったこともあり、第一作目よりグッと面白さが増しています。

ラストには「今まで(『ハリー・ポッター』シリーズの中で)聞いてたんと違う新事実」も出てきて、気を持たせる終わり方。全五部作で続きは二年後とのことですが、三作目が今から楽しみになりました。

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2018/11/19 (Mon.)

ボヘミアン・ラプソディ [ATMOS] @TOHO シネマズ日本橋

私が普段聴く洋楽はブラックミュージック系ばかりだし、世代もちょっと違うから Queen については有名な楽曲くらいしか知らないのですが、音楽映画好きとしては観に行くべき作品だと予感したので劇場に足を運んできました。

ボヘミアン・ラプソディ

ボヘミアン・ラプソディ

最も偉大なロックミュージシャンの一人であるフレディ・マーキュリーの生涯とロックバンド「Queen」について描いた音楽ドキュメンタリー映画。
音楽映画というと被差別を含む底辺の生活からグループ結成、ブレイクからの生活の一変、成功したことで周りが見えなくなってのメンバーや友人との決裂、いったん落ちぶれてからの再起...というところまでがテンプレート。本作も、フレディ自身の生まれがそこそこ裕福な家庭だったというスタート地点を除いてはほぼその流れに沿っています。むしろフレディ自身の心情を描写する場面が少ないこともあり、他の音楽映画に比べるとドラマパートは凡庸と言っていい(私が Queen にあまり思い入れがなかったせいもあるかもしれません)。
しかしそれを補って余りあるのがレコーディングやコンサートなどの演奏シーンであり、音楽を通じてフレディが生きた時代を追体験できる点がこの映画の本質であると言えます。ラミ・マレックが演ずるフレディのパフォーマンスは本人そのものにしか見えないし、楽曲は Queen のマスター音源を使用しているというだけあって圧巻。"We Will Rock You" や "We Are The Champions" などのシーンでは、私もライヴ観客の一人となって歌い出したくなる感覚に襲われました。これ、音楽映画におけるライヴシーンとしては史上最高レベルなんじゃないでしょうか。個人的には『ブルース・ブラザース』に匹敵するパフォーマンスだと思います。

こういう映画だからこそ BD や配信を待たずに劇場で観るべきなのですが、単に劇場に行くだけでなく音の良い設備にはこだわりたい。そうなると IMAX かドルビーアトモスが導入されているシアター、あるいは関東ならチネチッタの LIVE ZOUND またはシネマシティの極上音響上映のいずれかが候補になります。私は最後まで LIVE ZOUND にするか迷った挙げ句、きっとスタジアムライヴの熱狂が味わえるに違いないと信じて久々にドルビーアトモスが導入されている日本橋 TOHO を選択。結果的に、期待したとおりに密度の高いサラウンド感が得られ、スクリーンの中にいるはずのスタジアムの観客たちとの一体感を味わえました。LIVE ZOUND や極音上映ではきっとまた違った感じで、ライヴ会場の PA を通したようなサウンドが楽しめるんじゃないかと思うので、機会があればそちらも聴きに行ってみたい(もはや映画を観るのではなくライヴを聴きに行く感覚)。

劇中に登場した楽曲はほとんどが聞き覚えのあるものばかりで、さすが大ヒット曲を多数もち日本でも馴染みの深い Queen の映画。これはファンでなくとも楽しめる、音楽好きならば観ておく価値があると言えます。私はまんまとサントラが欲しくなってしまいました。

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2018/10/24 (Wed.)

2001 年宇宙の旅 [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

この映画が劇場で、しかも IMAX で観られるとあれば行くしかないじゃないですか。

2001 年宇宙の旅

2001 年宇宙の旅

今年はこの映画が公開されてちょうど五十年という節目にあたります。今月前半にはオリジナルネガからのアンレストア・ニュープリント版が限定上映されましたが、残念ながらそちらには行けず。この IMAX 版も短期間限定での上映になるようですが、この機を逃すな!とばかりに行ってきました。劇場は当然都内の IMAX シアターではベストと言える T・ジョイ PRINCE 品川。
今回のために起こされたポスターの「五十年前、一つの映画が全ての映画を変えた」というコピーにジーンと来ます。

IMAX 版は 70mm ニュープリント版ではなく来月発売される UHD Blu-ray と共通のマスターを使用しているとのことで、残念ながら 70mm フィルム版の「五十年前と同じ状態での上映」ではありませんが、4K リマスターを経たフィルム版以上の高画質が IMAX グレードのシアターで堪能できます。

映画の内容は今さらなので割愛しますが、何よりも IMAX の巨大スクリーンで『2001 年』の世界に没入することができ、自宅では難しい大音量で音響を堪能できるというのはやはり他ではできない体験。現代の音質に慣れた耳には録音はダイナミックレンジが狭いし、映像も高画質・大画面になった結果合成のアラが見えてしまうところはありましたが、何よりもあの宇宙空間や宇宙ステーション、ディスカバリー号に自分がいると錯覚するかのような体験にはお金を払う価値があると言えます。哲学的で難解と言われがちな映画ですが、きっと当時の観客の多くは内容以上に「宇宙に行ける体験」としてこの作品を受け止めたんじゃないか、と思いました。

私はこれまで、テレビ・DVD・BD と幾度となく『2001 年』を観てきましたが、映画館で鑑賞するのはこれが初めて。IMAX での上映方式はフィルム時代のお作法に倣ったもので、上映前に客電が薄く点いた状態で音楽のイントロが流れ始め、三分ほどかけて徐々にシアター内が暗くなり、真っ暗になったところで『ツァラトゥストラはかく語りき』と共に上映が始まります。また DVD 等では「INTERMISSION」と表示されるだけだった休憩時間もちゃんと 15 分の休憩が設けられていました。デジタル上映になりフィルムの掛け替えが不要になった現在では休憩を挟む必要はありませんが、そこまで再現してくれると逆に気分が高まるというものです。特に本作は二時間半にわたる大作でもあり、途中で一度トイレに立てるという意味でもありがたい(笑)。近年の大作映画も三時間近くあるものが少なくないですが、途中休憩を挟んでほしいと思っていたりします。
また終映後もエンドロールの後に『美しく青きドナウ』が流れ続ける中で客電がつき、まだ音楽が鳴っている中を退出する...というのも現代の映画ではまずない体験。五十年前の人たちはこういうスタイルで映画を楽しんでいたのか、という新鮮な感動がありました。

古い映画ということもあって空席が目立ち、他のお客さんはいかにも SF 映画好きそうなおじさんばかり(←オマエだって完全にその一人だ)でしたが、本作のファンの一人としては感激する、幸せな時間を過ごせました。この体験は UHD BD 版を買ったとしてもそうそう再現できるものではありません。『2001 年』に思い入れのある人なら期間中に観に行っておくべきだと思います。

投稿者 B : 20:01 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/17 (Wed.)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [Blu-ray]

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [4K UHD MovieNEX]

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 4K UHD MovieNEX(4枚組) [4K ULTRA HD+3D+Blu-ray+デジタルコピー+MovieNEXワールド]

ジェダイもフォースもほぼ登場しない『スター・ウォーズ』スピンオフシリーズ第二弾。魂にフォースを宿す者としては、もちろん BD が出たからには確保するわけです。一応将来のテレビ等買い換えを見越して UHD BD 同梱版を購入。

『ローグ・ワン』の熱量が高すぎた反動であまり評価されていない感のある本作ですが、私はけっこう好き。オリジナル三部作で語られていたハン・ソロとミレニアム・ファルコンに関する過去のエピソードについてきっちり描かれています。主演のオールデン・エアエンライクはハリソン・フォードのハン・ソロをよく研究していると思うし、ファルコンのスピード感のある映像も素晴らしい。物足りない原因は主に脚本が小さくまとまっているせいで、旧三部作に物語が繋がった瞬間のカタルシスが感じられないところにあるのではないかと思います。

できれば本作で食い足りない部分や投げっぱなしの伏線を回収する続編を製作してほしいところではありますが、オビ=ワンやボバ・フェットを主人公としたスピンオフ映画は製作凍結されたという噂のまま進展はないし、一方でボバに関係がありそうなキャラクターが主人公で時系列の異なる『The Mandalorian』というスピンオフ作品がテレビシリーズとして公開されることが発表されていたりして、今後のスピンオフ作品がどういう位置づけになるかはイマイチよく分かりません。

個人的に今作で一番微妙だと思っているのがドロイド「L3-37」の存在。SW の新作に個性的な新型ドロイドが登場するというのはお約束ですが、どうしてこういうキャラクター設定である必要があったのか。ドロイドにも自由と権利を、という思想を持つキャラクターというのは現代的だけど、SW という時系列が存在する作品の中でこういう前後の脈絡がないことをやる必要はなかったのではないか。やはりディズニー傘下になってからの SW シリーズは脚本に現代の社会性を絡ませることが目的化している。『最後のジェダイ』でも鼻につく部分はいくつもあったけど、それは「新しい時代の新しい価値観(血筋に関係なく誰でもヒーローになり得る)における SW の表現」としてであればある程度は受け容れられる。しかし当時の SW の世界観を掘り下げるための作品では、そういうことはすべきではないと思うのです。
そういう意味では、私は『ローグ・ワン』での K2-SO の最期には泣けたけど、今回の L3 にはなんか感情移入できませんでした。これは何度繰り返して観ても変わらないでしょう。だいいち L3 視点で見てもドロイドが自由と権利を求めて立ち上がった結果、ミレニアム・ファルコンに組み込まれて最速ルートを提示するだけのデータベース兼 AI に成り果てるって何の皮肉だよ。

まあ 40 年の歴史を持つシリーズだけに、上記のようなめんどくさいファンからのクレームも少なくないでしょうし、そんな中で興行的に成功させるのも大変に違いありません。主要キャストの世代交代や時代の変化もふまえつつ、なお現役のコンテンツであり続けることの難しさはガンダムシリーズ等にも通じるものがあります。長年のファンとしては、細かいツッコミどころはありつつも「今あるもので最大限楽しむ」というスタンスで今後も受け止めたいと思っています。

投稿者 B : 22:12 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/07/09 (Mon.)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [MX4D] @TOHO シネマズ新宿

公開直後に一度観に行きましたが、改めて MX4D で鑑賞。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

IMAX3D での上映は映像も音響も良かったんですが、同時に「これは 4D 上映のほうが合いそうだな」という直感がありました。
というのも、ハン・ソロが愛機ミレニアム・ファルコンと出合う映画なわけですよ。つまり、ファルコンの見せ場がふんだんに用意されているというわけ。MX4D は『最後のジェダイ』でも体験して、これはこれでアリだけど IMAX のほうが良かったかな...という感想でしたが、ミレニアム・ファルコンがこれだけ活躍する『ハン・ソロ』ならもっと合うだろうと思いました。

実際に体験してみると、冒頭のカーチェイスシーンからスピードを感じることができ、これは楽しい。でも何よりミレニアム・ファルコンですよ。ハン・ソロが初めてミレニアム・ファルコンに乗り込んでライトスピードを体験するシーン、「ケッセル・ランを 12 パーセク」で駆け抜けたブーストの感覚、そしてラストシーンのハン・ソロとチューイが二人でライトスピードに突入するシーン...いずれもあの加速度を自分でも感じられるのが嬉しい。まさに長編の「スター・ツアーズ」とでもいうような感覚で(シートの動きはあそこまで大きくないけど)、自分もハンと一緒にミレニアム・ファルコンに乗っているような気がしました。これは楽しい!

この映画はハン・ソロが主役で、プロモーション上はチューバッカも大きくフィーチャーされているけれど、本当の主人公はミレニアム・ファルコンなんだろうと思います。サイドストーリーも含めこれまでの『スター・ウォーズ』に必ず登場してきた R2-D2 も C-3PO もライトセーバーも登場しないけど、『スター・ウォーズ』のもう一つのシンボルであるファルコンの魅力を余すところなく体感できる。本作を本当に楽しみたかったら 4D 上映以外にないのではないか...とさえ感じました。

これでストーリーのほうももっとスッキリハッキリしていたら最高だったんだけどなあ。こればかりは別のサイドストーリーがちゃんと製作されて、そこで今回の伏線が回収されることに期待するしかありません。

1/144 スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン (ランド・カルリジアン Ver.)

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2018/07/01 (Sun.)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [IMAX3D] @T・ジョイ PRINCE 品川

楽しみにしていた映画を観に行ってきました。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

端的に感想を言うと...面白かった、んだけど期待値が高すぎてちょっと物足りなかった、というところでしょうか。

米国での興行が想定を下回ったせいか、日本での封切り前から酷評が多く、劇場に行く前からやや不安ではありました。実際のお客さんの入りも、公開初週末なのに品川の IMAX が埋まっていないというのは、前評判や「サイドストーリー含め濫発しすぎ」で注目度が下がっていることを裏付けているように感じました。

※まだ公開三日目につき、これから劇場に行くつもりの人は続きは鑑賞後に読むことをオススメします。










ストーリーは『スター・ウォーズ』シリーズの主要キャラであるハン・ソロの若き日を描いています。ナンバリングタイトルにも登場する、

  • 相棒チューバッカとの出会い
  • 愛用のブラスター入手の経緯
  • 悪友ランド・カルリジアンとの出会い
  • ミレニアム・ファルコン入手の経緯
  • 「ケッセル・ランを 12 パーセクで飛んだ」ファルコンの伝説
というくだりを初めて映像化したという意味では貴重な作品。今まではセリフで触れられるにすぎず、我々が脳内で補完するしかなかったエピソードが公式に語られます。 また天涯孤独の身だったただの「ハン青年」が「ハン・ソロ」を名乗るようになったくだりも描かれていますが、これがなんとも示唆的。邦題は『ハン・ソロ』とつけられていますが、原題『SOLO』のほうが本作のテーマには相応しいと言えます。劇中ではほとんどのキャラクターが「SOLO」であり、ラストシーンで生涯の相棒と居場所を得たハンがついに「SOLO」ではなくなって終幕、というのが実に深い。

本作の前評判を下げている要因の一つが「ハン・ソロがハリソン・フォードではない、少なくとも似てもいない」という点でしょう。これは確かにそうで、キービジュアルだけを見ていたときには私も違和感があったのですが、映画が始まったらほとんど気にならなくなりました。確かに顔は似ているとは言い難いけど、表情の作り方とかブラスターの構え方とか、かなりハリソン版ハン・ソロに寄せた役作りがされていて、確かにこれはハン・ソロの若い頃だね、と思えます。しかし、本作のハン・ソロは映画全編を通じてピュアな熱血漢であり、Episode IV 以降の「捉えどころのないニヒリスト」的な人物像への変遷が描き切れていないのがもったいないなあ、と。そうなったきっかけは描かれているんですけどね。

ハン・ソロの過去として必要なエピソードは網羅されているし、アクションシーンやミレニアム・ファルコンのチェイスシーンも個々にはとてもよくできていてカッコイイ。でも、なんか個々のエピソードを淡々と描いただけで、Episode IV に繋がっていく強いうねりのようなものが欠けていて、そこが物足りなかった要因なのかもしれません。『ローグ・ワン』のラストで Episode IV へのリンクが描かれたことで強烈なカタルシスを味わった身としては、他のサイドストーリーにも同じくらいの強さを期待してしまった。ジェダイやライトセーバーが登場しないのは時系列上しょうがないにせよ、単にキャラクターの過去を描くだけでなく「自分が知っているあのシーン」への繋がりを感じたかったのだと思います。

そういう意味では、本作は既存作品の何かに繋げて終わったわけではなく、いくつかの伏線を残したまま終幕しています。終盤で「意外なあの人」が登場したのはサプライズでしたが、あれは単なるサプライズだったのか、あるいはそこは別のサイドストーリーで語るつもりだったのか。本作の失敗で『スター・ウォーズ・ストーリー』シリーズの続編制作が打ち切られたという噂も出ていますが、続編ありきの脚本だったのだとしたらちょっと残念。どうやら「意外なあの人」はアニメ版『クローン・ウォーズ』には登場していて本作に至る経緯を知ることもできるようなのですが、あのバタ臭い絵で百話以上もあるアニメを観る気にはちょっとなれないんだよなあ...。

そんなわけで、面白かったんだけどやや消化不良感のある映画でした。ルーカスフィルムは毎年新作を出すことにこだわらなくていいから、一本一本をもっと大事に作ってほしいところ。

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2018/05/23 (Wed.)

グレイテスト・ショーマン [Blu-ray]

えっとなんかもう BD が発売されたんですが、これ劇場公開からまだ三ヶ月しか経ってないし、なんならまだ上映中ですよ(;´Д`)ヾ。

グレイテスト・ショーマン [4K ULTRA HD + Blu-ray]

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まあ楽しみにしていたから買いましたが。将来 4K 環境に移行したときのために UHD BD+BD パッケージ版です。

この映画、あまり冴えないけど夢だけはあった男が社会的弱者や曲者を集めて興行を始め、大成功する...というストーリーラインは『SING/シング』とほぼ同じ。差別や自己肯定といったテーマやショービジネスを扱った映画はそれだけ普遍的なものということなのかもしれません。が、脚本としてメインテーマの掘り下げがちゃんとできているのは『SING』のほうだと思います。本作はせっかく個性豊かなキャラクターが登場しているのに、彼らの扱いがほぼ「その他大勢」だし、差別も黒人差別くらいしか描けていないし、実にもったいない。最後にバーナムとサーカスのメンバーが和解するシーンもバーナムは特に何もしていないのに何となく和解してしまうし...。

それでもこの映画はその音楽と映像によって「傑作」と言って良いレベルに仕上がっているとも思います。サントラだけでも素晴らしいし、もうけっこう聴き込んだつもりだったのに、改めて映像付きで観るともう一度感動してしまう。『The Greatest Show』『This Is Me』の群衆によるダンスは観ているこちらまで高揚するし、『The Other Side』のバーナムとカーライル(+バーテンダー)による掛け合いは繰り返し観たくなるほど楽しい。『Never Enough』の心に響く歌声と『Rewrite The Stars』の映像の美しさはミュージカル映画史に残るシーンだろうと思います。
この Blu-ray には特典映像として楽曲のシーンだけを再生する機能がついているんですが、通しで観るのは週末にしてとりあえずいくつか気に入っている楽曲のシーンだけ観よう...と手をつけたところ、気づいたら全曲聴いてしまっていて小一時間が過ぎていました(;´Д`)。それくらい本作のミュージカルシーンは素晴らしい。

今週末にでも改めてじっくり鑑賞しようと思います。でも BD で観たらもう一度映画館の音響で観たくなってきてしまいました。さすがに BD の発売に伴って今週いっぱいで終映する劇場が多いようで、その前に行ってこようかな...。

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2018/05/20 (Sun.)

セッション [Prime Video]

以前から気になっていた映画が Amazon Prime Video の見放題リストに入っていたので鑑賞しました。

セッション

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ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督と名優 J・K・シモンズが助演(実質的には主演と言って差し支えないと思う)というところで注目していたのでした。

ジャズドラマーを目指す青年アンドリュー・ニーマンが、所属する音大で最高峰の指揮者テレンス・フレッチャーに才能を認められるものの、そこからの指導が地獄のような厳しさで...という話。「厳格なマネジャー」という点では J・K・シモンズらしさを存分に引き出す役どころですが、今までの J・K・シモンズのイメージすら覆すほどキレた役。指導中に怒号は当たり前、罵声や放送禁止用語、果ては椅子まで飛ぶ激しい指導。それは邦題にある『セッション』という愉しげなものではなく(この邦題の意味はラストシーンでようやく理解できました)、原題『Whiplash(ムチ打ち)』をそのまま当てるのが妥当と感じます。
私もかつて言葉の暴力や苛烈なプレッシャーでメンタルをやりかけた経験はあるだけに、このフレッチャーの強烈な圧力は見ていて辛いものがあります。しかし一方で「自分ができることは他人にもできて当然」というような要求を誰かにしたことがなかったかと言われると否定もできないわけで、自分が受けてきたプレッシャーと他人に与えてきたかもしれないプレッシャーをいろいろと思い浮かべながら観てしまいました。

一流のアスリートやプロ棋士の名言として「報われるか分からない努力を続けられることそのものが『才能』である」とか「努力を努力と思っているうちは真の努力ではない。人並み以上の努力を当たり前に継続できる者だけが何かを成し遂げることができる」という話を聞くことがあります。それ自体は確かに納得できるものだし、何者かになるために自分が自分に課す言葉として重みがあるものだと思いますが、果たして自分の教え子や後輩、あるいは子どもに常識外の努力を強いるための言葉として使って良いものかどうか。この作品におけるフレッチャーの指導は指導というよりもむしろ、自分が理想とする音楽を作り上げるための駒として教え子たちに強要しているものであり、ハラスメントに他なりません。フレッチャーは果たして教育者として正しかったのか。
が、芸術にせよスポーツにせよ世の中に影響を与えるほど強烈な成果というのは稀有な才能と非常識なほどの努力や無理の結果生まれることが多いのも事実。トップレベルであるほど踏み台や噛ませ犬となる「犠牲」も必要悪だし、そこに集まってくる人員も覚悟はできているのかもしれません。私(少なくとも今の年齢の)はそんなのはまっぴらごめんですが...。

そんなフレッチャーの自分の理想とする音楽への執着と、それに振り回されたニーマンの関係がどうなるかは、ラストシーンで示されます。フレッチャーの強烈な指導はニーマンという才能を開花させたけど、そこまでに多くの若者の人生を滅茶苦茶にしてきたであろうことを考えると、果たしてそれは良いことだったのかどうか。ジャズ界という括りの中ではそれは良かったことなのかもしれませんが。
ジャズを扱った映画ではありますが、人の生き方や価値観について考えさせられる映画でした。

そういえば本作も『ラ・ラ・ランド』もジャズをストイックに追い続けた男の話という点では共通点があるし、本作でフレッチャーを演じた J・K・シモンズが『ラ・ラ・ランド』ではセブ(ライアン・ゴズリング)にジャズを禁じクリスマスソングだけ演奏させる役どころというのも洒落が効いていて面白い。いろんな観点から楽しめる作品だと思います。

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2018/05/08 (Tue.)

オリエント急行殺人事件 [PS Video]

劇場公開時にちょっと気になりながら観れていなかった映画を VOD にて鑑賞。さすがに Prime Video には来ておらずペイパービューだけだったので、PS4+PS Video を利用しました。

オリエント急行殺人事件

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知らない人はいないほど有名な、アガサ・クリスティ原作サスペンスの映画化。あまりにも有名すぎて何度も映像化されているし、NHK でもイギリスのドラマ『名探偵ポワロ』の一エピソードとして何度も放送されている話です。

主演は『ハリー・ポッター』シリーズでのロックハート先生役や、近年では『ダンケルク』にも出演していたケネス・ブラナー。渋い配役だと思ったら、主演だけでなく監督も務めているとか。直近ではディズニーの実写版『シンデレラ』の監督も務めていたというから、監督としても実力派だったんですね。
そのほかの役者陣もジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ(『007』シリーズの「M」役)、デイジー・リドリー(『スター・ウォーズ』新三部作のレイ役)、ウィレム・デフォー(『スパイダーマン』のノーマン/グリーン・ゴブリン役)、ジョシュ・ギャッド(実写版『美女と野獣』のル・フウ役)と、顔を見ただけで役名ではなく本名の方が先に出てくるレベルの名優揃い。

『オリエント急行殺人事件』といえば私でもオチを知っているほどよく知られた話です。誰もが犯人やトリックを知っているようなミステリーを今さら映像化して何になる?という疑問が湧きそうなところですが、これはもはやサスペンスの古典であり「犯人が誰か」というよりは「この独特な話と個性的な登場人物を誰がどう演じるのか」を観るためのものであり、日本でいう落語や歌舞伎の古典のようなものと言ったほうが良いでしょう。なんたって本事件における被害者ラチェット(ジョニー・デップ)が、序盤で殺されてしまうにも関わらず他の出演者よりも圧倒的に印象に残っているほど存在感のある演技が観られるわけですから(笑)、物語よりも芝居を堪能するための映画なのです。

主役のエルキュール・ポアロ(ポワロ)探偵に関しては、日本人としては NHK で放送されていたドラマ版のデヴィッド・スーシェ(と熊倉一雄による吹き替え)の印象があまりにも強く、それがどうこの映画で上書きされるのかに興味がありました。スーシェ版ポワロは禿げ頭(+帽子)に黒いちょび髭のイメージでしたが、ブラナー版ポアロは豊かな銀髪にわざとらしいくらい立派すぎる口髭。この口髭には賢さよりも力強さを感じるわけですが、実際にスーシェ版ポワロにはなかったアクション的なシーンも所々に散りばめられ、ブラナー版ポアロは若々しい印象。カンバーバッチ版シャーロック・ホームズほど大胆な演出はありませんが、既存のポワロ像を脱皮させることに成功しています。
ただ、惜しいのは謎解きのシーンで、ポアロ自身が悩んだり伏線を一つ一つ解き明かしていく様子はあまり丁寧に描写されず、ポアロがその才能でいきなり事件の真相に辿り着いたかのように見えてしまったこと。もうみんなオチは知ってるんだからそこはいいでしょと言われているように感じましたが、やっぱりサスペンスを観てるんだからそこはちゃんと溜めていってほしかった。あと、他の俳優陣も要所要所でいい芝居をしているのに、全体の印象としてはケネス・ブラナーとジョニー・デップに持ってかれた感が強いのも微妙に惜しいですね...。

65mm フィルムで撮影されたという映像は本当に美しい。真っ白い雪の中を走るオリエント急行、薄暗い列車内に射し込む光、そしてときどきアクセント的に使われる鮮やかな青。謎解きシーンでこれまでの映像化作品にはなかった「最後の晩餐」を模した構図も示唆的だったし、作り込まれた映像と芝居の重厚さには圧倒されました。それだけに、謎解きがあっさりしているのが惜しい...。

同じケネス・ブラナー監督/主演で続編『ナイルに死す』も製作中とのことなので、こちらも公開されたら観てみようと思います。

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2018/05/01 (Tue.)

レディ・プレイヤー 1 [IMAX3D] @T・ジョイ PRINCE 品川

一部界隈で「オレはガンダムで行く!」が今年の流行語大賞にノミネートされそうな勢いの話題作をようやく観てくることができました。

レディ・プレイヤー 1

READY PLAYER ONE

スティーブン・スピルバーグといえば近年は史実をベースとした映画ばかりですっかり社会派になってしまった感がありましたが、本作は久しぶりにど真ん中のエンタテインメント作品。スピルバーグ作品で劇場公開を心待ちにしたのなんて『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』以来十年ぶりだし、感覚的には『ジュラシック・パーク』以来のスピルバーグが戻ってきてくれたのでは、という期待さえありました。またテーマは VR 世界での冒険ということで社会的にはタイムリーなネタであり、またスピルバーグらしい映像のアミューズメントパーク感が存分に発揮されそうな分野でもあります。

以下、若干のネタバレを含むのでこれから観に行く方はこのままそっと閉じて後日閲覧されることを推奨します。











本作の「仮想世界の創造主が残した謎を解くために主人公を含むスーパープレイヤー達が立ち上がる」「仮想世界の支配を企む悪者と、仮想と現実を行き来しながら丁丁発止やり合う」というストーリーは、近年の創作で比較的よく見る手法。『マトリックス』『サマーウォーズ』『ソードアート・オンライン』あたりを観たことがあればそろそろ使い古された話にも見えてくるでしょう。でもこの原作となった小説『READY PLAYER ONE(邦題:ゲームウォーズ)』は 2011 年であり、Oculus Rift も HTC Vive もこの世になかったタイミングで発表されたものであり、逆に本作(と『SAO』)が Oculus の原点のひとつになったという点で、重要な意味をもつ作品であると言えます。現実の未来というのは時折、小説や映像などの創作を起点として形作られるものです。

VR を体験していると、ふとした瞬間に「つまらない現実よりも、このまま VR の世界にずっと没頭していたい」と感じる瞬間がありますが、本作のスタート地点はまさにそこ。そこから、現在は技術的な制約により実現できていないけど将来的にこうなったら楽しいよね、と語られている VR が実現した未来の映像へと引きずり込まれていきます。

主に 1970~80 年代のポップカルチャーやサブカルチャーを過剰なほどにまぶした映像で、その時代をリアルタイムに過ごした世代にとってはたまらない作品でしょう。「あのキャラが一瞬映ってた!」「ああ、これはあの映画へのオマージュだな」という細かいネタが随所に隠されていて、ストーリーの本筋を忘れてそっちにのめり込みそうになります(笑。逆に言えば非常にハイコンテクストな映像でもあり、今の十~二十代がこれ観て楽しめるのだろうか?と疑問に思ったほど。まああまり深く考えずに「昔そういうのがいろいろあったのね」という理解で止めても楽しめる作品ではありますが。私も ATARI とかリアルタイムで知らないし...。
とにかくそれくらい、日米の人気 IP をカネとスピルバーグの影響力で引っ張ってきたかのような豪華映像が繰り広げられるわけですが、真性のガノタとしてはガンダムの扱いがどうにも気になりました。ファーストガンダムなのに登場シーンではダブルゼータの決めポーズを取るし、ビームサーベルの構え方が「アバンストラッシュ持ち」だし、スピルバーグ本当にガンダム観たことある?と突っ込みたくてしょうがなかった。他のキャラクターの扱いについてもその筋のマニアから見れば微妙なのかもしれないし、「仮想世界の創始者ハリデーの 1970~80 年代カルチャーへの愛を表現した世界」の割には詰めが甘いのでは...というのをガンダムを見て思ってしまいました。とはいえ、THE ORIGIN のプロジェクト完結により一年戦争編のリメイクが叶わなくなった今、CG ベースの RX-78-2 ガンダムがグリグリ動く姿をスピルバーグが見せてくれたというだけで感涙モノでしたけどね!(ぉ

ツッコミどころはいろいろあるけど、それでもとにかくスペクタクル・エンタテインメントとしては圧巻の 140 分でした。楽しかった。
もう一つ残念な点を挙げるとすれば、終盤で示された「リアルにこそ、仮想世界で得られない大切なものがある」というメッセージが、伏線がなさすぎてあまりにも取って付けた感があったことでしょうか。このあたりはさすがに原作小説を読んで補完するしかないのかなあ。電子書籍版も出ているようだし、とりあえず GW を使って読んでみるかなあ...。

アーネスト・クライン / ゲームウォーズ(上)(下) [Kindle]

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