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2016/01/13 (Wed.)

キングスマン [Blu-ray]

昨秋の劇場公開時に話題になっていた映画を、Blu-ray にて鑑賞しました。

キングスマン [Blu-ray]

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ある意味王道のスパイ映画。国家や企業に所属せず、世界の秩序と平和を守るために存在する極秘組織「キングスマン」を描いた物語です。

サミュエル・L・ジャクソン演じる、超大手 IT 企業のカリスマ経営者、リッチモンド・ヴァレンタインが「地球を存続させるために人類を粛清する」ことを目的に、世界中にある時限装置を仕掛けます。その企みを阻止するために「キングスマン」が動く、というお話。
アーサー王物語の「円卓の騎士」になぞらえられた「キングスマン」は、各人が究極の紳士でなければならず、行動の一つ一つがスタイリッシュ。でありながら、ジェームズ・ボンドやイーサン・ハントも顔負けのアクションを見せてくれ、スパイ・アクションとして非常に見応えのある映像にしあがっています。スパイ映画になくてはならないスパイ道具類も凝っていて、現代の映画らしいところでいえば AR を駆使した映像的演出もあって、非常にカッコイイ。ただ、途中で「名探偵コナンかよ!」とツッコミを入れたくなるベタベタのスパイ道具もあったりして、これが単なるシリアス一辺倒のスパイ映画とは一線を画す作品であることが示されています。

モブキャラまで含めかなり多くの登場人物が死ぬ映画なので、目を背けたくなる死亡シーンも随所にありますが、できるだけ残虐一辺倒にならないよう、映像や音楽を含めた演出で緩和されているのが印象的でした。クライマックスに出てくる、ヴァレンタインの賛同者や部下たちが一斉に死んでいくシーンでは、(不謹慎な話に聞こえるかもしれませんが)むしろ爆笑せざるを得なかったほど(笑。表現手法としては B 級スレスレの演出ですが、製作サイドの「これはエンタテインメントである」という意図の表れと感じました。
シナリオとしても「え、ここでこの人が退場しちゃうのか!」とか「こいつが裏切るとは思わなかった!」とか、裏をかかれる展開が多く、最後まで手に汗を握りっぱなし。最後までジェットコースターにでも乗っているような感覚で楽しめました。

ちょっと方向性は違うけど、どこか『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に通じる馬鹿っぽさ溢れるアクション映画でした。こういう映画も、たまにはいいですね。

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2015/12/27 (Sun.)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 @チネチッタ

遅ればせながら、私も覚醒してきました。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

いつもならフラッグシップ館で 3D 字幕版を観るところですが、今回は 2D 吹替版で鑑賞。というのも、すっかり独りで観に行くつもりだったところ、テレビに影響された娘たちが「BB-8 観たい!」と言い出したので、子ども二人連れでの鑑賞となったからです。それでも生粋の SW ファンとしては、最近増えているという「映画を観たこともないのにキャラグッズを身につけているにわかファン」にするわけにはいかないと思い、事前に BD-BOX で教育(といっても旧三部作だけだけど)してから臨みました。

『ジェダイの帰還』から三十年後。再び勢いを増す帝国軍残党「ファースト・オーダー」に対抗する、レイア・オーガナ将軍率いる組織「レジスタンス」。かつての英雄ルーク・スカイウォーカーは行方不明になっており、レジスタンスは彼を探して銀河系を調査している...というのが物語の始まり。旧三部作の主役三人が再登場するという事前情報を耳にしてから、映画館で彼らに再会できる日をずっと楽しみにしてきました。
が、いっぽうで今回から製作体制が変更となり、配給はディズニーに、監督は J・J・エイブラムスに引き継がれています。最大の不安要素はそこだよなあ...と、万一裏切られたときのために少し斜に構えながら劇場に足を運びました。

結論から言うと「私はこういう SW が観たかった」。結果的に、不安要素は全て杞憂でした。

まずは映画の構造。出会い、旅立ちからラストに至る流れまで、EP4 だけでなく EP1 でも使われた「三部作の一作目」のフレームワークを今回も踏襲してきました。どこかで見たような場面や展開も多く、それが逆に新たな世代の三部作の始まりを感じさせます。オリジナルの主役三名を登場させながらも、世代交代させるための物語。そのために今一度この展開をやる必要があった、と。そしてまた、ストーリーの構造を踏襲することで、「我々こそが SW の正当な継承者である」ことを明示したい、という製作サイドの決意めいたものも感じました。
また、新たな主役の三名(と言って良いのかな?)が旧作の登場人物たちと真正面から渡り合えている演技も良かった。

それから、設定や演出、美術周りに至るまでが「ちゃんとわかってる」。言い換えればあざといほどに「こういうのが観たかったんでしょう?」と問いかけてくるようで、古くからのファンの心理を理解し、何が喜ばれるかを考え抜いて作られた作品だと感じました。それはもしかすると迎合と紙一重かもしれませんが、少なくとも私はワクワクした。従来のエピソードと比べても展開が早く、内容が濃かったことを差し引いても、お腹いっぱい感がありました。

おまけに、「ディズニーもちゃんとわかってた」。オープニングはルーカスフィルムのロゴのみで、ディズニーのディの字も出てきません。ディズニー配給であったことを思い出したのは、エンドロールの終盤になってからのこと。欲を言えばルーカスフィルムロゴの後に 20 世紀 FOX のファンファーレが欲しかったところですが、さすがにそれは無理か(笑。
とにかく、ディズニーは SW の世界観やファンの心理を最大限に尊重した上で新作に出資したんだなあ、ということがよく分かりました。それに引き替え、日本の映画業界(全部ではないにせよ)の残念なことといったら。

これは期待以上の出来だった、と言うほかありません。
冬休み中に IMAX3D 字幕版でもう一度観に行ってこようと思います。

投稿者 B : 23:57 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2015/09/14 (Mon.)

ピクセル @TOHO シネマズ日本橋

以前たまたま映画館で予告編を見てから密かに楽しみにしていた映画を、観に行ってきました。日本橋の TCX/3D にて鑑賞。

ピクセル

ピクセル

映画の長い歴史上、異星人が地球を侵略しに来た映画は数あれど、その異星人がギャラガ(それもドット絵の)という作品なんて聞いたことがありません(笑。ファミコンど真ん中世代としては、トレーラーを見せられた時点でもう観に来ること確定でした。

1980 年代、NASA が地球外生命体へのメッセージとしてアーケードゲームを含む当時の地球の映像を宇宙に送ったところ、それを宣戦布告と誤解した異星人がゲームのキャラクターを模した兵器を地球に送り込んできた...というお話。この設定からして B 級映画くさいわけですが(笑、それをハリウッドが本気で作ったらここまでエンタテインメントになるのか、という驚きがありました。
実写映像の中にドット絵のゲームキャラが立体化されて登場し、しかも動きがギャラガのゲームそのまま、加えて音まで当時の FM 音源のままついている...という異星人の登場シーンを見た瞬間に、もう難しいことを考えるのやめようと思いました(笑

登場するゲームはギャラガのほかにもパックマン、ドンキーコングなど、ファミコン世代には懐かしいものばかり。私は当時年齢的にアーケードゲームとは縁がなかったので、よく知らないものもありましたが、おそらく三十代後半~四十代くらいのファミコンやゲームセンター、喫茶店ゲーム世代にはストライクじゃないでしょうか。他にもテトリスがビルを「消して」いたり、チョイ役としてマリオがちらっと映っていたり、あとから BD でコマ送りしてネタチェックしたくなるほどに細かい仕込みがたくさん。これら登場するゲームのほとんどはナムコや任天堂といった日本のゲームメーカーが生み出したものですが、あるゲームの開発者ご本人の役柄の人物も登場するなど、'80 年代ビデオゲームへの愛とリスペクトに溢れた作品です。
映画としてみると、ストーリーは 2015 年の映画というよりは '80 年代のハリウッド製アクションコメディのような、少し懐かしくもシンプルでわかりやすいもの。設定とゲームキャラが最大のギミックと言える作品なので、他の部分をややこしくする必要はないということでしょうが、それが逆にこの '80 年代ゲームの世界観とマッチしています。世界が滅びそうなのに全然悲壮感がないところも含め、この映画そのものがゲームの世界観を隠喩しているのかもしれません。

とにかくくだらないけどそれが面白い映画です。私も精神年齢を三十歳くらい巻き戻して、見入ってしまいました。
かつてゲームに心奪われた時代をもつ人であれば、一度観て損はない映画だと思います。楽しかった!

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2015/07/29 (Wed.)

マッドマックス 怒りのデス・ロード @丸の内ピカデリー

遅ればせながら、この夏の話題作を観てきました。

マッドマックス 怒りのデス・ロード

マッドマックス 怒りのデス・ロード

私はオリジナルをリアルタイムで観た世代じゃないし、そもそもバイオレンス系の映画はそんなに好きじゃないのでスルーしてたんですが、私の中では理知的な人と位置づけていた人々までもが、観てきた挙げ句「ヒャッハー!」「V8!V8!V8!V8!」と煽ってくるので(ぉ、ついに観念して劇場へ。
これは絶対 3D か 4DX で観た方がいいよなあ、と思ったんですが、さすがに公開から一ヶ月も経つと 4DX 上映は終了しており、3D でやっている劇場も限定的。残っていた映画館の中で規模が大きめな丸の内ピカデリーに行ってきました。

ストーリーに対する感想とか、そういう次元の映画じゃないですね。Twitter か何かで「これは映画じゃなくてある種の体験だ」という論評を見かけましたが、まさにそんな感じ。だって、予告編のトレーラーって普通、映像的に盛り上がるシーンを切り貼りして作るじゃないですか?でも、この映画は最初から最後までトレーラー並みのテンションの映像が途切れないんだぜ?

とにかく全編を通して改造車で爆走しまくり、銃を撃ちまくり、武器を振り回しまくり。おいお前ら資源が足りなくて困ってるはずなのになんで無駄にクルマとか楽器から火を噴いてガソリン無駄遣いしてるんだよ、とかそういうツッコミどころ満載な部分まで含めて、究極に馬鹿なことをやりきった映画です(褒め言葉)。
バイオレンスなので目を背けたくなるような痛いシーンも随所にありますが、監督自ら「映像だけで理解できる作品を目指した」と言っているとおり、セリフを聞いてなくても字幕をちゃんと観てなくても、映像と演技だけで各キャラクターの人生観まで見えてくる気がしました。個人的には、ニュークス役のニコラス・ホルトの芝居がとても良かった。

先に観ていた某氏が「映画館を出るときに『あーすごく良かった!でもディスクは買わないな』と思った」そうですが、確かにその通り(笑。これは大画面と大音響で観てナンボ、BD が出てから家で観たってしゃーない、と思います。字幕を読み込む必要もないのでこれは 3D 上映推奨。気になっててまだ観てない、という人は今からでも観に行くことをお勧めします。頭カラッポになれるよ(笑。

投稿者 B : 22:22 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2015/06/12 (Fri.)

ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男 @シネクイント

音楽映画(中でもブラックミュージック系の)好きとしては外せません。

ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男

ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男

渋谷パルコ上のシネクイントにて鑑賞。渋谷のパルコなんて入ったの人生で三度目くらいですよ...この場違い感(;´Д`)ヾ。これだけ有名なミュージシャンを扱った映画なのに小さめの映画館でしか上映されておらず、他にあまり選択肢がありませんでした。

ともかく、ジェームス・ブラウン。名前だけなら知らない人はいない、というほどに有名な「ファンクの帝王」。とはいえ私もテレビ等を通じて耳にしたことはあっても、リアルタイムではちゃんと聴いたことがない...けど、ブラックミュージック好き的には、JB の影響を受けたミュージシャンや、さらにその影響を受けたミュージシャンの楽曲には数多く触れてきており、現代のファンク/R&B/ソウルの始祖とでも言うべき尊敬の念を抱いています。これは、その JB の人生を描いた伝記映画。
プロデュースを手がけたのがローリング・ストーンズのミック・ジャガーというから「何それ!?」と思いましたが、映画を観てその理由に納得。

主演は『42 ~世界を変えた男~』でジャッキー・ロビンソン役を主演した、チャドウィック・ボーズマン。今回もまた実在の人物の伝記映画で主役を張っているわけですが(アメリカの歴史において黒人に希望を与えた偉人二人を続けて演じる、というのもすごいことだと思う)、ジャッキー・ロビンソン役と同一人物が演じているとは思えないほどのハマりっぷり。JB の受け口を再現するために入れ歯を入れたり特殊メイクをした、という外見上の演出もさることながら、口調や身振り、ダンスまで完全に JB 本人だと思えてしまうほどの再現ぶり。これは、『Ray』でジェイミー・フォックスが演じたレイ・チャールズに匹敵するレベルではないでしょうか。

ブラックミュージックの世界では絶対的な存在である JB ですが、麻薬をはじめとする逮捕歴も多く、決して聖人君子ではありません。映画ではそのへんもしっかり描かれていて、妻への DV、バンドメンバーへの独善的な態度など、JB 本人よりも周囲の人々に同情したくなる場面もしばしば。JB は絶対的な自信家として描かれていますが、その成功の裏には相棒のボビー・バード、マネージャーのベン・バートをはじめ、数多くの人々に支えられてスターダムをのし上がったというのが本当のところでしょう。それでも表向きには他社を認めず独善を貫いたのは、幼少期に両親に捨てられ、その後の育ての親からも見捨てられた体験が、JB を抜け出せない孤独の中に追い込んだのかもしれません。DV にしてもそうですが、やはり幼少期に刷り込まれた観念というのは、良いことも悪いことも一生ついて回るものです。

ちなみに、JB が初めて音楽に目覚める瞬間というのが、教会でゴスペル(といっても一般的にゴスペルと言われて想像するようなのじゃなく、かなり激しいやつ)に出会ったシーン。ここで音楽の持つパワーに衝撃を受けたリトル・ジュニア少年(JB)が、映画『ブルース・ブラザース』において、教会でイエス・タップダンシング・キリストの啓示を受け、バンド設立に走ったジェイク・ブルース(ジョン・ベルーシ)そのもの。そのシーンでファンキーすぎるクレオファス神父を演じていたのがジェームス・ブラウン本人なわけですから、狙ったのかどうか分からないけれど思わずニヤリとしてしまいます。
そして...JB の才能を最初に見抜き、長年にわたって支え続けたマネージャーのベン・バート役は、その『ブルース・ブラザース』でエルウッドを演じていたダン・エイクロイドその人。当時とはあまりにも見た目の印象が変わったためにエンドクレジットを見るまで気がつきませんでしたが、かつて JB と映画で共演したダン・エイクロイドが JB の伝記映画に出演するというのも、また胸が熱くなります。

そんなわけで、JB のファンやブラックミュージックのファンはもちろんのこと、『ブルース・ブラザース』のファンならば、一度観て損はない映画です。他の音楽映画と違って楽しいばかりではありませんが、音楽の力と人の縁がもたらすものを感じさせてくれる名作だと思います。

投稿者 B : 23:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2015/04/27 (Mon.)

ホビット 決戦のゆくえ [Blu-ray]

ここのところ欲しい BD のリリースが続いていてお財布的には苦しい。でもこれは買っとかないといかんでしょう。

ホビット 決戦のゆくえ 3D&2D [Blu-ray]

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『ホビット』三部作の主要な登場人物はホビット&ドワーフ、悪役もメインはオーク、と LOTR 本編に比べて地味め。原作にないレゴラスの登場シーンを追加したくなる製作サイドの気持ちも解りますが(笑、戦闘シーンの迫力に関してはこちらのほうが上じゃないでしょうか。まあ CG の技術も『LOTR』からは 10 年以上進歩しているわけですからね。ちなみにジャケット画像にはビルボが「つらぬき丸」を構えている絵が使われていますが、本編ではビルボが戦うシーンはありません(ぉ

戦闘シーンに圧倒されがちな作品ですが、ちょっと勿体ないと感じたのはドワーフの王・トーリンの心理描写について。まあエレボール奪還とアーケン石に執着するところまでは分からなくもないのですが、そこからの改心が唐突すぎる印象。原作には出てこないはずのレゴラスとかサウロンを登場させる暇があったら、もうちょっとここを丁寧に描いてほしかったかなあ。映画としての派手さは嬉しいけど、構成と脚本にがそれを消化し切れていないのが残念です。このへんは、BD エクステンデッド・エディションで補完されるのかもしれませんが...。
逆に、主人公のキャラクターという点では『LOTR』のフロドよりも『ホビット』のビルボのほうが感情移入しやすいかな。フロドは指輪に翻弄される役回りでその人となりについてはあまり描かれていませんでしたが(代わりに相棒サムの好感の持てるキャラクターはとても良かった)、コミカルながらも誠実で前向きなビルボ・バギンズという人物像は、こういうファンタジー作品の主人公に相応しいものだと思います。このあたりはマーティン・フリーマンの演技によるところも大きいのでしょうね。

音響については、戦闘シーンを中心に音がグルグル回り込むように作られているので、5.1ch のサラウンド環境の本領発揮といったところ。音声トラックとしては英語版が 7.1ch DTS-HD Master Audio で収録されているので多チャンネル環境であるほど恩恵を受けられますが(日本語吹き替えはドルビーデジタル 5.1ch)、劇場公開時に観た TCX&ドルビーアトモスの臨場感を思い出すと、やっぱりこの映画はできるだけ設備の良い映画館で観てこそなんだと思います。

この作品も LOTR と同じく「エクステンデッド・エディション トリロジー BOX」とか、LOTR 三部作と合わせて「エクステンデッド・エディション ダブル・トリロジー BOX」とかが後日発売されるんでしょうが、そろそろ LOTR 関連のディスクだけでいくらかけたんだよ!という状態になりつつあるので、これで打ち止めにするつもり(´д`)。

投稿者 B : 22:30 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2015/04/14 (Tue.)

インターステラー [Blu-ray]

これはもう劇場で観たときから BD を買うことに決めてました。

インターステラー ブルーレイ スチールブック仕様 [Blu-ray]

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宇宙モノでこの映像美とリアリティを超える作品は当分出てこないんじゃないか、とさえ思える名作だと思います。宇宙空間をゆったりと航行する宇宙船・エンデュランスの映像は、今後の SF 作品の一つのマイルストーンになり得るでしょう。

今回は、初めて Amazon 限定のスチールブック仕様を買ってみました。

インターステラー ブルーレイ スチールブック仕様

DVD 時代に比べると BD は限定版であってもパッケージが簡素なことが多く、所有欲という点では残念な思いをしたことが少なくありません。豪華ならば良いというわけではありませんが、コレクション性はあってほしいもの。その点、このスチールブック仕様は質感が高く、所有欲をくすぐりますね。私のライブラリの中でも『2001 年~』とか『ブレードランナー』といった特に思い入れの強い作品は、スチールブック仕様で揃えたくなります。

ただ、今回のスチールブックは、付録のブックレットがパッケージ内に収まらないから収納性に難があるのと、ジャケット画像が「水の惑星」のシーンである、という二点が残念。特に後者は他にも宇宙空間を征くエンデュランスとかブラックホールとか、宇宙船内のクーパーなりアメリアなりといった象徴的なシーンが数多くあるにも関わらず、このシーンというのが残念でなりません。もうちょっとなんとかならなかったものかなー。

インターステラー ブルーレイ スチールブック仕様

あとディスクは本編ディスクをまずは取り出しやすいように入れておいていただけませんかね...。
パッケージ以外は通常版と変わらずに価格プレミアムを乗せているだけにいろいろと注文をつけたくなるし、何でもかんでもスチールブック仕様で買おうとは思いませんが、DVD/BD 併せて数百枚買ってきたコレクター魂を刺激されるブツであることは確かです。

ちなみにこの映画、長いし内容は重めなので観るのに気合いが必要です。一度観始めてしまえばあとは最後まで一気に行けてしまうパワーを持っているものの、気合いがないときはなかなかディスクをトレイに置くところまで辿り着けません。でも先週末にさっそく一度、再生してみました。
やっぱりこの映画は、SF として極上の映像表現という皮を被せた、本質的には人間ドラマなんですよね。親、子、恋人、科学者、視点を変えるとまた随分違った見え方になってくる映画だと思います。そして私はこの映画を観て、谷川俊太郎の詩を思い出しました。

万有引力とは、ひき合う孤独の力である。

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2015/03/28 (Sat.)

アメリカン・スナイパー @TOHO シネマズ日本橋

ようやく観に行くことができました。

アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー

ジャージー・ボーイズ』から間髪を置かずの新作公開にはちょっと驚きましたが、クリント・イーストウッド作品のファンとしては観ないわけにはいきません。が、どう見ても重そうなテーマの映画だけに、ちゃんと時間が取れて自分の体調やメンタルが良いときに観ようと思っていたら、そろそろ上映規模も縮小される時期になってしまいました。

先のイラク戦争で米軍ネイビー・シールズに狙撃手として参加し、「英雄」と謳われるほどの戦果を挙げた軍人クリス・カイルの伝記を映画化した作品です。つまり、ごく最近の史実を元にした映画ですね。
イーストウッドは過去にも戦争やそれによって生き方を歪められてしまった人物の映画を作っていますが、本作もその一つと言えます。

米軍の英雄を題材にした映画ではありますが、これは立派な反戦映画のひとつと言えます。個人的にはアメリカの戦争映画はプロパガンダ風味が強くてあまり好きではありませんが、これは観て良かったかな。『ジャージー・ボーイズ』は大好きな映画でしたが、やっぱりこういう手触りの映画のほうがイーストウッドらしい、と思います。

この映画、戦闘シーンの描写のリアリティもさることながら、クリス・カイルという一人の人物にフォーカスを当てて描かれていて、戦争映画が苦手な私でも深く感情移入することができました。「伝説」と呼ばれるスナイパーであっても相手によっては躊躇うことだってあるし、逆に仲間をやられた場合には冷静さを失って行動することもある。そういう人間味の表現はイーストウッドらしいところだと思います。
そして、クリス・カイルが次第に戦争に精神を蝕まれ、心を病んでいく様子が見ていてとても痛ましい。本作は、戦闘シーンの音響の作り込みがとても臨場感溢れていて、映画を観ているだけなのに、自分自身が戦地の銃撃戦のまっただ中にいるかのような緊張感があり、PTSD を病んでいくカイルの気分が自分のことのように感じられました。これ、上映初期に一部劇場でやっていたドルビーアトモスで観ていたら、もっと辛かったでしょうね...。

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2015/03/14 (Sat.)

グラン・プリ [AIV]

グラン・プリ

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F1 の 2015 年シーズンもいよいよ開幕、オーストラリア GP の予選が終わったところですが、こちらは約 50 年前の F1 をモチーフにした映画です。1960 年代、まだ F1 マシンが葉巻型だった頃、ホンダが第 1 期 F1 参戦中だった頃のお話。

最近いろんな VOD サービスを試してみていますが、今回は何かの BD を買ったときのクーポンがあったので、Amazon Instant Video にて鑑賞。

昔の F1 を扱った映画としては昨年のドキュメンタリー作品『ラッシュ』もありますが、『グラン・プリ』はフィクション。とはいえフェラーリや BRM、ブラバム、ロータスといった名門チームは実名で登場し、撮影も本物のサーキットで行われているので、かなりリアリティ高い作品に仕上がっています。近代化される前のスパやモナコ、そして現在は使われていないモンツァのオーバルコースなどの映像は必見と言っていいでしょう。また、現代では滅多に見られないフェラーリのファクトリー内での撮影まで行われているという豪華さ。当時の F1 の映像(特に動画)はかなり古びたものしか残っていないので、映画用のフィルムで撮影された高画質な 1960 年代 F1 の様子が見られるという意味でも、貴重な作品と言えます。

舞台はおそらく 1965 年前後、4 人のドライバーが最終戦までチャンピオン争いを繰り広げる、熱戦のシーズン。主人公の一人であるピート・アロンは BRM を解雇され、日本から参戦している「ヤムラ」チームに移籍します。この「ヤムラ」はもちろん第 1 期 F1 参戦当時のホンダをモチーフとしたもので、本田宗一郎をモデルとしたチームオーナー「矢村」を演じるのはなんと三船敏郎(ちなみにこれが三船敏郎のハリウッドデビュー作)。和服が似合うダンディな日本人実業家のイメージで、本田宗一郎としてはちょっと美化しすぎな気もしますが(笑)我らがホンダ・チームをここまで大きく扱ってくれると嬉しい。名前が似ていることもあって「ヤムラのアロンが優勝」というのを、つい「ホンダのアロンソが優勝」とダブらせてしまいます。

映画はなんと 3 時間近い長さで、インターミッションまで設けられている大作。とはいえ演出は古いヨーロッパ映画的なゆったりした感覚で、ドラマシーンはちょっと眠くなります。
しかしそれとは対照的に、レースシーンの映像は圧巻。当時はなかったはずのオンボード映像を先取りしていて、現代 F1 の国際映像に勝るとも劣らない迫力があります。まるで本当のレース映像を観ているようで、つい力が入ってしまいました。現代とは違って空力をほとんど考慮しない葉巻型のマシンの走る姿はシンプルで、むしろ力強ささえ感じます。が、安全性も現代とは比べものにならず、常に死と隣り合わせという恐怖も伝わってきます。

古い映画なので正直あまり期待していませんでしたが、映像の良さもあって深く堪能できました。『ラッシュ』と並び、F1 ファンなら一度観ておくべき映画と言えるでしょう。

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2015/02/10 (Tue.)

ジャージー・ボーイズ [Blu-ray]

ジャージー・ボーイズ Blu-ray&DVD セット

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劇場で鑑賞してとても良かったので BD を購入。数年ぶりに 5.1ch 環境を復活させた我が家のホームシアターで鑑賞しました。

映画の感想としては劇場観たときに一度書いていますが、音楽もののサクセス・ストーリーとして王道を行く展開。クリント・イーストウッド監督作品らしいじんわりくる感傷が良いのはもちろんですが、ブロードウェイ・ミュージカルからの映画化ということで、映画よりも舞台寄りの演出がなされており、それが映画の雰囲気にとても良く合っています。

今回は珍しく(?)特典映像までじっくり堪能しました。これを観て初めて知ったんですが、この映画に出てくる俳優陣はほとんどがブロードウェイほかあちこちの舞台でこのミュージカルを実際に演じてきた舞台俳優が採用されているとのこと。確かにほとんどが今までどんな映画でも見たことがない顔だし、そのくせに演技もできながら歌もむちゃくちゃ上手い、その理由がようやく解りました。そしてイーストウッドが舞台をできるだけ忠実に映画化しようとしたことと、その過程が非常に面白かった。オフショットでは、今までの映画ではほとんど見られなかったイーストウッドの屈託のない笑顔がたくさん見られ、得したような気分になりました。

イーストウッド作品だけあって人間関係に焦点が当てられた映画ではあるけれど、やっぱり音楽のシーンが最高に楽しい。これは全体を通してでもいいし、部分的にでも BD で繰り返し鑑賞する価値のある作品だと思いました。ステージもいいけど、特にストリートの街灯の下でのハモりからなだれ込むエンディングのダンスシーンが堪らない。音楽好きならば、一度ならず観る価値がある映画だと思います。

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