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2014/03/24 (Mon.)

ホビット 竜に奪われた王国 @109 シネマズ木場

ホビット 竜に奪われた王国

ホビット 竜に奪われた王国

公開を楽しみにしていた作品を、ようやく観に行ってきました。

ファンタジー世界に登場するさまざまな種族が活躍する LOTR 本編に比べると、ホビットとドワーフの冒険といういかにも地味な映像になってしまうのが『ホビット』三部作の傾向なんだろうな、というのは前作を観て感じていました。戦闘シーンもシリアスというよりコミカルな描き方になりがちで(『スター・ウォーズ』でいう C-3PO や R2-D2 の戦闘シーンに近い、と言えば分かるかな)単調な映画になるんじゃないかという懸念を抱いていましたが、とんでもない!今作は LOTR も含めたシリーズ中で最も戦闘シーンが白熱する(実際に灼熱するわけですが)映画ではないでしょうか。

今回の主な舞台はエルフの森からはなれ山まで。というわけで、エルフが登場する戦闘シーンもふんだんにあるわけですが、なんかコンセプトアートにレゴラス(オーランド・ブルーム)に似たエルフがいるな、と思っていたら、本当に本人じゃないですか(笑。原作(私は未読)には登場していないようですが、設定上はこの時代にも生きているはずで、ストーリーの解釈次第ではビルボ・バギンズの冒険に絡んでいても不思議はない。まあ、映像的にむさ苦しくてイケメン成分の足りない本シリーズに女性ファンを呼び込むためのサービス的な位置づけでしょうが、それにしてもレゴラス無双すぎる(笑。LOTR でもここまでの獅子奮迅ぶりではなかったはずで、しかもオーランド・ブルーム自身が当時より 10 年分の歳を取ったことも相まって、むしろ LOTR の後の時代の話に見えてしまったほど。おかげでアクションシーンは見応えがありましたが、レゴラスについてはファンをニヤリとさせる程度の扱いで十分だったのではないかと思います(笑。

でも、個人的にはアクションシーンはクライマックスの火竜(スマウグ)とのバトルが最も燃えました(いろんな意味で)。LOTR の戦闘シーンは基本的に多対多の混戦が多く、スピード感ある殺陣はそれはそれで魅力的なのですが、巨大なクリーチャーとの一対多のバトルは初。ドワーフたちの小ささを実感するような圧倒的な迫力と、「この炎に包まれたらもうダメだ」と思わせるファイアブレスの CG に圧倒されました。だからバトルはガチンコ勝負ではなく『ゼルダの伝説』的な頭脳戦になるのも目新しく、とても楽しめました。
ラストは三部作の二作目によくある「そこで終わるのかよ!」という食い足りなさでしたが、逆にそれがいい。三作目も楽しみになりました。

劇場は、前回が XpanD X103 を導入した HFR 3D で観たので、今回は IMAX 3D で観ようと思って木場まで足を運びました。ただ、前回観たのが 1 年以上前なので、正直比較のしようがない(笑。でも、やはり IMAX 3D らしい安定した明るさ・コントラスト・解像度。XpanD X103 も十分なクオリティだと感じましたが、IMAX はやはり安心感がありますね。そして、HFR(ハイフレームレート) 3D は通常の 24p が主流の映画館において、気持ち悪いくらい生々しい動きがスクリーン上に映し出されていて、今までの映画との世代の違いが感じられました。
映像的にも、前作同様に序盤で 3D らしいインパクトのある画作りをしておいて、徐々に馴染み感のある(自然な感じでありながら、効果的に 3D 表現を取り入れた)3D にしていっているのが印象的でした。

ちなみに、本作は劇場公開中であるにも関わらず、発売日未定ながらもう BD/DVD の予約が始まっているという...ここまで来るとちょっと異常とも思える状況になっています。自宅でじっくり鑑賞もいいですが、これは HFR 3D と劇場の迫力ある音響で堪能してこその映画でしょう。シリーズのファンのみならず、映画ファンであれば劇場で体感すべき作品だと思います。

ホビット 竜に奪われた王国 3D&2D [Blu-ray]

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2014/02/24 (Mon.)

ラッシュ/プライドと友情 @新宿ピカデリー

ラッシュ/プライドと友情

ラッシュ/プライドと友情

封切りのだいぶ前から楽しみにしていた映画を観てきました。F1 ってもう日本じゃすっかりマイナースポーツだし...と思っていたら、けっこうな量の TVCM も投下されていて、配給元的にはかなり力を入れているのか、それともバーニー・エクレストンあたりがプロモーションのバックアップをしているのか。

舞台は 1970 年代の F1。F1 がレース好きの集まりだった牧歌的な時代から、エクレストンが運営の実権を握って巨大な興行に変遷していこうとする時代です。私が生まれる前の話なので、私も文献で流れを知っているだけで、細かい部分はこの映画を通じて初めて知りました。

物語はこの時代の最高のライバル関係と言われた、ニキ・ラウダとジェームス・ハントのライバル関係を軸に描かれます。ラウダは現在でもメルセデス F1 の重役としてパドックに顔を見せていますし、ハントはキミ・ライコネンが一昨年の復帰以来モナコ GP でヘルメットのデザインにオマージュを入れており、ともにここ数年、再び名前が出てくるようになりました。ラウダのメディアへの発言などを見ると、晩節を汚しているような気がしなくもないですが(笑)、それだけ現代でも F1 での存在感、影響力を保っている証拠でしょう。

映画ということで多少の演出や脚色は入っているようですが、映像はまるでドキュメンタリーのようにリアリティがあり、ラウダとハントのライバル関係、と同時に結ばれた強い友情が明確に描かれています。レースシーンはあまり多くはないものの、レプリカを使ったリアルな、かつエキサイティングな実写で、しびれます。安全性が低かった時代の F1 だけに、現代の F1 レースよりも手に汗を握る緊迫感があります。エンジン音の再現にもこだわりが感じられ、これは BD ではなく劇場のサラウンドで堪能すべきだと思いました。

F1 に限らず、スポーツというものは刺激し合えるライバルの存在によって、互いに高め合っていけるもの。思えばラウダ・ハント以後の F1 も、そういったライバル関係がレースを面白くしてきたと思います。現在の F1 は、ヴェッテルが勝ちすぎで退屈に思える瞬間もありますが、それでもチャンピオン経験者 5 人がしのぎを削るという状況は、これまでの F1 でもほとんどなかった(セナ・プロスト・マンセル・ピケ時代以来?)群雄割拠。特に今年は車体レギュレーション改定で戦況がリセットされていますし、フェラーリのアロンソ・ライコネン体制がどういった結末を迎えるのか、など注目に事欠きません。この映画を観て、現代の F1 をリアルタイムに観られる世代で良かったな、と再確認しました。

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2014/01/21 (Tue.)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]

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年末年始にいろいろ観た映画のひとつ。すごく観たかったわけではないですが、TSUTAYA に行ったついでに何となくレンタル(笑。

劇場公開時にけっこう話題になっていた作品です。ブラッド・ピット主演の「生まれながらにして老人、そして加齢とともに若返っていく特異体質の男の一生」の映画。ブラピの演技は『マネーボール』でちょっと見直したので、アクションものよりもこういうドラマ系ならば私の好みなのかな、と。
そう思って観てみたんですが...、正直、微妙...。他者と同じ時間を過ごせない者の苦悩を描きたかったのだろうし、それはそれで分かるんですが、主人公ベンジャミン・バトンが生まれながらにいろいろなことを受け容れすぎていて悩む描写がなく、淡々と時間だけが過ぎていく。そんな話。苦悩するのはむしろ、普通の人間としての時間を過ごすが故にベンジャミンとすれ違ってしまうヒロイン、デイジー(ケイト・ブランシェット)のほうだという。 ケイト・ブランシェットは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズにおけるガラドリエル様のイメージが強すぎて、それを払拭できたという意味では良い芝居だったのですが(笑)...脚本自体に抑揚がなさすぎて、あまり心に引っかからない映画でした。設定が活かせてなくてもったいない。なんか、別に映像が美しいわけでもないフランス映画を見せられているような、そんな感覚。

ブラピやケイト・ブランシェットを若々しくも老人にも見せた特殊メイクの技術には感心しましたが、個人的にはそれだけの印象しか残らなかったなあ...。

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2013/11/19 (Tue.)

42 ~世界を変えた男~ @イオンシネマ板橋

42 ~世界を変えた男~

プロモーションにお金かかってる映画が多い今季においては比較的地味な作品ですが、ちょっと気になっていたので観に行ってきました。「メジャーリーグ初の黒人選手」としてチームのみならず米野球界に貢献し、殿堂入りを果たしたドジャースのジャッキー・ロビンソンの実話に基づいた映画です。
タイトルになっている「42」は、ジャッキー・ロビンソンの背番号。メジャーリーグに詳しくないので今回初めて知ったのですが、現在はメジャーリーグ全球団の永久欠番に指定されていて、デビュー日にあたる毎年 4 月 15 日にはメジャーの全選手が背番号 42 をつけてプレーするんだとか。こういうの、アメリカらしいロマンがあって、いいですね。

以前も書きましたが、『マネーボール』といい『人生の特等席』といい、メジャーリーグを題材とした名作映画が定期的に撮られ、こうして日本にまで流通してくるというのが、アメリカと日本での野球文化の違いなのだろうなと思います。

舞台は第二次世界大戦後のアメリカ。戦争終結によって当面の外敵がなくなったアメリカ...という時代背景もあるのでしょうが、まだまだ黒人差別が激しく、メジャーリーグも白人だけのものでした。そこに、当時としては革新的な考えを持つブルックリン・ドジャースの GM、ブランチ・リッキーが黒人選手を起用することを考え、ジャッキー・ロビンソンを見出して...というお話。
なぜリッキーが黒人起用に積極的だったかというのは、Wikipedia に記載があります。

リッキーが黒人選手を受け入れることに積極的であった理由としては、ブルックリンにおける黒人の人口の多さや将来的な黒人家庭の中産化を見越した上でのマーケティング戦略と、より効率的な選手の供給源の開拓のためであった。
まあ、今という時代から見るとその考えは真っ当だと思えますが、劇中にも人種差別、思想信条、既得権などさまざまな理由から黒人選手の台頭を忌避するような言動を多くの登場人物が行っていて、「そういう世の中」だったんだなあ、ということが私のような実感のない国民/世代からしても感じ取れます。 とはいえ、個人的な思い入れがあったにせよ(むしろあったからこそ)、その先の時代での白人以外の人種の台頭を感じ取り、新しい市場を開拓しようとしたリッキーの行動には強く共感するところがあります。結局、成熟した市場を存続させるには「変わること」しかなく、慣習や固定概念を守ることよりも「金が回ること」が市場の成長と、それに関わる人の生活(そして、金を求めて優秀な人材がそこに集まってくること)には重要なんですよね。

そんなわけで、私はついついマーケッターの視点で、主役であるジャッキー・ロビンソンよりもむしろブランチ・リッキーに注目してしまいましたが(笑)、ブランチ・リッキーの芝居がまたいい。だってブランチ・リッキー役、ハリソン・フォードですよ?つい 5 年前にはまだまだインディ・ジョーンズ役でやれるところを(ちょっと苦しいけど)見せていたハリソンが、不敵でドライなビジネスマン、だけど本心には誰よりも野球を愛する心を持ち、そのためにジャッキー・ロビンソンを導いていく、という重厚な演技を見せてくれるとは。この演技がこの映画での最大の見どころだった、と言って良いかもしれません。

主役の話に戻すと、ジャッキー・ロビンソンがあらゆる差別に堪え、チームの内外に少しずつ味方を増やしていくプロセスにはジーンと感動するものがあります。が、脚本上は差別や迫害を受けるシーンの直後に必ず誰かが励ましたり助けたりしてくれるシーンがあるので、事前に思っていたほど辛そうに見えない。実際のジャッキー・ロビンソンはこの映画の比ではないほどに苦しんだのでしょうが、映画的には思ったよりあっさり乗り越えられてしまったように見えたのが、物足りないと言えば物足りないでしょうか。

とはいえ、全体を通してみれば、長いけど「観て良かった」と思える、いい映画でした。やっぱり私は、お金だけかかってどかーん、ばかーんとやる映画よりも、こういう映画の方が好きなのだと思います。

投稿者 B : 23:42 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/09/21 (Sat.)

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

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ひさしぶりに古い洋画の話。DVD でも持っていた作品を、BD にメディアチェンジしました。

私の中では『ショーシャンクの空に』と並ぶ、監獄モノの名作中の名作。刑務所から逃れるために精神病を偽って精神科病院に入院したマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)が、院内での破天荒な振る舞いによって周囲の患者たちに影響を与え、やがて患者たちを完全に統制しようとする看護婦長との確執に繋がっていき...という話。外部から隔離された空間での、一般社会では特異と言える人々との交流、管理者への反抗、そして脱走、という構造は『ショーシャンクの空に』と通ずるところがあります。でも、私が生まれる前というくらいに古い映画だけあって、説明しすぎておらず、余白が広いぶん、『ショーシャンク』以上に心に引っかかるものがある映画でもあります。

この映画はジャック・ニコルソンだけでなく、脇を固める俳優陣の芝居がいい。昔すぎて知らない俳優のほうが多いですが、映画ファン的には若き日のクリストファー・ロイド(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役)が出ているのは見逃せません。

絶望的な状況の中でも、希望を捨てないことの重要さ。気持ちが前を向いているときでないとなかなかプレイヤーにディスクを入れる気合いが出ない作品ではありますが、たまに無性に観返したくなる作品でもあります。

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2013/08/06 (Tue.)

終戦のエンペラー @新宿ピカデリー

みんなが『風立ちぬ』を観に行っているのを尻目に、私はもう一本の観たかった映画を観てきました。

終戦のエンペラー

終戦のエンペラー

太平洋戦争の終結後、GHQ の統治下で「天皇の戦争責任を問うか否か」を判断するための証拠集めに奔走した米軍将校と、それに関わった人々の話。個人的には、映画の内容そのものもさることながら、キャストの顔ぶれを見て「観たい」と思っていた映画です。西田敏行、夏八木勲、伊武雅刀、中村雅俊、桃井かおり、極めつけはマッカーサー役にトミー・リー・ジョーンズですからね...。
しかしある程度予想はしていましたが、私が普段観ている映画に比べて他のお客さんの年齢層が明らかに高い(^^;;。

ストーリー自体は、日本人ならば誰もがその結果を知っているお話。ただ、私も含め、戦後生まれの日本人ならば、その経緯は詳しくは知らないのではないでしょうか。まあ、この映画も史実に基づいたフィクションなので、必ずしも全てが終戦にまつわる真実、というわけではありませんが。
戦争を題材にしたアメリカ映画は往々にしてアメリカのプロパガンダ的要素を含んでいるので、この映画もそうではないかとやや不安には思っていました。が、その期待はいい意味で裏切られ、この手のアメリカ映画にしては日米どちらかの視点に偏らず、フラットな描かれ方をしていました。まあ、戦後の日本の歴史観は占領下で作られた部分はあると思うので、この映画の内容が現代の日本人の歴史観にとって違和感がないことは当然かもしれませんが、日本を「理解できない相手」ではなく「理解できるかもしれない相手」とする描き方は、戦争/終戦映画の表現としては、ひとつの到達点に至っていると感じます。

開戦から終戦に至る流れを見て、この国を動かすのはやはり君主ではなく「空気」なのだなあ、ということは、現代人である私にとっても妙に納得のいくところ。その微妙な「空気感」が、脚本や演出の良さなのか、日本を代表する名優たちの演技の成果なのか、絶妙に表現されていました。昭和天皇が最後の最後まで登場しないことも、そういう日本の奥ゆかしさだったり「空気」が作る社会構造だったり、というのを実にうまく表しています。だからこそ、ラストのマッカーサーの態度や昭和天皇の台詞が、重い。こういう映画をアメリカが作り得るのだ、ということに(原作は日本のノンフィクションであり、製作にも日本人スタッフが多数関わっているものの)驚かされました。
映画で追加されたエピソードである、ボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)と島田あや(初音映莉子)の恋愛関係、というフィクションは、やや蛇足的というか...結果的に物語には大きな影響を与えずに終わってしまったのが残念ではありましたが、戦時下の恋物語としては、ああいう結末こそが戦争の無情さを表しているのかもしれません。

心に残る演技や名台詞が多い映画でしたが、トミー・リー・ジョーンズの存在感はやはり圧巻。『リンカーン』でのスティーヴンス役もそうでしたが、彼が演じると教科書でしか知らないような歴史上の人物も、実に人間くさくなる。まあ、それは「トミー・リー・ジョーンズ的な人間くささ」ではありますが(笑。

いい映画でした。日本人なら観て損はしないのではないでしょうか。

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2013/06/27 (Thu.)

レ・ミゼラブル ブルーレイ・コレクターズ BOX

レ・ミゼラブル ブルーレイ・コレクターズ BOX

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『レ・ミゼラブル』の BD が発売。劇場公開時に二度観に行った私ですから、当然満を持して買いました。BD の発売が待ちきれなかったのでサントラも購入したところ、その翌月に二枚組化して収録曲を増やした「デラックス・エディション」が発売されるというあくどい商売(´д`)。BD/DVD はたくさんのエディションがあってどれを買うか迷ったんですが、この「デラックス・エディション」相当のサントラ CD が同梱されている「ブルーレイ・コレクターズ BOX」にしました。

BD 発売にあたり、この作品はできる限りいい視聴環境で堪能したい!と思い、子どもが生まれて以来お蔵入りしていたサラウンドスピーカ(最近はフロント 3.1ch しか使っていなかった)を引っ張り出してきて設置しました。まあ、子どもにスピーカを落とされてしまう危険性がすごく高いので当面サラウンドスピーカは常設できませんが、数年ぶりに自宅でバーチャルじゃない 5.1ch サラウンドを堪能するいいきっかけになりました。やっぱり、この作品はクライマックスのコーラスの音圧に包み込まれてこその作品なので、2ch ステレオやバーチャルサラウンドヘッドホンでは物足りないんですよね。

歌劇の名作の中の名作がもとになった映画ですし、キャストもキャストなので良くないわけがないんですが、これは物語を完全に覚えていても、何度観ても強烈な感動に包まれますね。2 時間半を超える大作なので、通しで観る時間を取るのはなかなか大変ですが、パッケージメディアとして手元にあることで、好きなシーンだけを断片的に観たり繰り返し観たりできる、というのは、こういうミュージカル作品との相性がとても良いと思います。合唱の迫力につられて自分も歌い出したくなるほどで、これはちょっと楽譜まで欲しくなってきますね...。

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2013/05/11 (Sat.)

ショーシャンクの空に [Blu-ray]

ショーシャンクの空に [Blu-ray]

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DVD から BD に買い換えたシリーズ。今さら説明するまでもない名作ですが、これは BD で持っておく価値はあるでしょう。

無実の罪で終身刑となった主人公アンディ(ティム・ロビンス)の塀の中での生活と、脱獄までを描いた物語。監獄での生活に絶望し、いつの間にかそれに馴染んでしまう受刑者たちの中で、常に希望を持ち続けたアンディの姿と、他の受刑者たち...中でも親友と言える仲になったレッド(モーガン・フリーマン)との交流が心に残ります。
アンディの、絶望の中でも決して折れず、したたかに生き、執念ともいえる周到な計画によって脱獄と復讐を成し遂げた瞬間に強烈なカタルシスが訪れるわけですが、個人的には、そのときの爽快感以上に、「刑務所の屋根の上で看守のおごりでビールを飲むシーン」のような、常に緊張で満たされた映像の中にふっと弛緩できる場面が紛れ込むところに、この映画の何とも言えない良さを感じます。

派手なアクションも VFX もありませんが、最近の私の好みとしてはこういう作品こそ「映画」。完全に脚本と役者の芝居で創り上げられた作品です。
アンディ役のティム・ロビンスは、こういう「コミュニティからちょっと浮いたキャラクター」をやらせたら右に出る者はいませんね。『ミスティック・リバー』のデイヴ・ボイル役とは対称的ながら、染まらない人物像、という部分では共通点が見いだせます。
そしてやっぱりこの映画はモーガン・フリーマンあってこそですね。この映画ではモーガン・フリーマンはあくまで語り部的なポジションにすぎませんが、この映画を思い出すときにまず浮かんでくるのがモーガン・フリーマンというくらい、核になるキャラであり、配役だと思います。個人的には、モーガン・フリーマンが出ている映画に今のところハズレなし。そのくらい、画面を引き締めてくれる役者ですね。

BD として見たときには、さすがに 20 年近く前の作品であることを差し引いても、リマスタリングやエンコードがイマイチなのか...ちょっとディテールが失われてしまった残念な画質だと感じました。もちろん DVD よりは明らかに解像度が高いのですが、1980 年代の映画でももっと高画質な BD はたくさんあることを考えると、これだけの名作なのにいかにももったいない。まあ、BD 化されたのが BD パッケージビジネスとしては比較的初期の頃だったので、リマスタリングのノウハウが今ほどなかった、ということかもしれませんが。とにかくそこだけが残念なので、再リマスター版とか発売されませんかね...。

ともあれ、観終わった後に「いやぁ、映画って本当にいいものですね」と懐かしい台詞のひとつも言いたくなるのは、この映画以上にはなかなかないんじゃないでしょうか。何度観ても心にじーんと来る名作だと思います。

投稿者 B : 22:55 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/05/07 (Tue.)

リンカーン @TOHO シネマズ 六本木ヒルズ

ここのところアカデミー賞受賞作品の鑑賞が続いてますが、こちらは最新のアカデミー賞受賞作品。そして、スピルバーグの最新監督作品。とはいっても、意識して観たわけじゃなくて、まるで本人にそっくりなキービジュアルに興味を引かれて、観てみたくなりました。

リンカーン

リンカーン

リンカーンと言えば奴隷解放と南北戦争。「人民の人民による人民のための政治」という演説はあまりにも有名ですが、この映画はリンカーンの人生の中でも最後の 2 ヶ月に絞って書かれています。私はリンカーンも南北戦争も世界史の教科書に書かれている程度の表面的な知識しか持ち合わせていないので、どこまでついていけるかな...?と若干不安になりながらも鑑賞しました。

こういう誰もが結末を知っている話を映像化する場合は、「どうなったか」よりも「どのようにそうなったか」あるいは「どういう想いでそうしたのか」がどう表現されているかが重要。リンカーンは人種平等を叫び奴隷解放を推進した聖人だったのか?と言われれば、それはどうも必ずしもそうとは言えないようです。南北戦争の原因はどちらかというと、産業の近代化を進めるにあたって労働力の流動性強化が必要になった北部と、綿花栽培などの労働集約的産業中心で「安い労働力」として奴隷が必要な南部、それぞれの経済の都合によるところが大きかった(もちろん、心情的なものも多分にあるでしょうが)ようですね。とはいえ、そういった側面は映画の中ではあまり多く語られることはなく、鑑賞後に改めて調べたわけですが。
ただ、リンカーンの意志と、それを実現するまでの苦悩や苦労について強く印象に残る描かれ方になっていて、そこはとても良かった。それはひとえに、リンカーンを演じるダニエル・デイ=ルイスと、党内のタカ派のリーダー、サディアス・スティーヴンスを演じるトミー・リー・ジョーンズの芝居が良かったことに尽きるでしょう。ともに、実現したい信念と、それを何としても実現したいという意志が強く感じられる芝居でした。

この作品は、リンカーンと南北戦争について描かれた映画でありながら、重要なのはそれらがどういう顛末を辿ったか、ではなく、「真に実現したいことを実現するためにはどうしたらいいか」を描いた映画だと思います。何かを実現するには強い信念が必要だけど、正論だけでは周囲の協力は得られず、却って実現から遠のいてしまうことだって少なくない。そうではなくて、絶対に譲れないものは何か、そのために譲歩できるのは何かの優先順位をつけて、譲歩できる部分で味方を増やしていくことで初めてその実現に近づくことができるのが人間社会なのだ、ということ。言葉を換えれば「何かを実現したかったら、清濁併せ飲める強さを持て」ということを表現したかったのでしょう。そのことについて、これまでの人生においていろいろと身につまされるところのある私には、とても心に深く刺さる映画でした。

また法廷劇好きな私としても、下院での議員たちの言葉の応酬や駆け引きの表現がとても心地よく、楽しめる内容でもありました。奴隷解放のための憲法改正に至る経緯については、おそらくそれなりの脚色が加えられてドラマチックに仕立てられているのだろうなとは思いますが、自分が議事堂の中央にいるかのようなサラウンドの演出も相まって、背筋がゾクゾクするものを感じました。音響という点では、リンカーン大統領本人が使用していた懐中時計の音を使用したシーンなどもあり、映像が比較的おとなしめだったのに対して効果的な音響がとても印象的だった、ということも付け加えておきます。

日本でも、政権交代の後に憲法改正であったり消費税増税であったり、政治的な「決めごと」が今後続きそうな状況です。日本での政治というとどうしても政局報道先行で政策の本質に関する議論がなかなか伝わってこないのが実情ですが、与野党それぞれが実現しようとしていることは何で、何を譲歩することで実現に近づこうとしているのか...といった観点で見てみようと思います。そして、自分の人生においても、今まで以上にそういう意識を持つことで、信念がより研ぎ澄まされる...ということもあるのではないでしょうか。

そういえば、スピルバーグの社会派作品は今までなんだか食わず嫌いで、ほとんどまともに観ていなかったなあ。この映画はとても良かったので、他の作品も改めて観てみようかな。

投稿者 B : 22:22 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/05/01 (Wed.)

ロード・オブ・ザ・リング エクステンデッド・エディション トリロジー BOX [Blu-ray]

ホビット』の BD を観たら、改めて LOTR の三部作を観たくなって...結局 BD-BOX を買ってしまいました(ぉ

ロード・オブ・ザ・リング エクステンデッド・エディション トリロジー BOX [Blu-ray]

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LOTR のパッケージメディアは、DVD の通常版(コレクターズ・エディション)とその後に出たスペシャル・エクステンデッド・エディションも買ったので、パッケージとして買ったのはこれで 3 回目(ちなみに通常版は去年引っ越したときにさすがに手放しました)。BD-BOX は 2010 年に一度出たんですがこれが通常版の BOX(トリロジー BOX セット)。その後、2011 年末にエクステンデッド・エディション(DVD のスペシャル・エクステンデッド・エディション)の BD-BOX が出ていましたが、けっこういい値段するのでなかなか手を出せずにいました。それが今回、『ホビット』がきっかけになって、観念して購入。

ロード・オブ・ザ・リング エクステンデッド・エディション トリロジー BOX

届いた BD-BOX。金ピカのボックスに入っていて、けっこう高級感あります。厚みもあるし、何より「力の指輪」がどどんとデザインされた装丁がカッコイイ。

ロード・オブ・ザ・リング エクステンデッド・エディション トリロジー BOX

中には、かなり厚みのある BD 用プラスチックケースが 3 箱入っていました。いずれバラ売りすることも装丁したパッケージングなのかもしれませんが、そこはプラケースじゃなくてデジパックにしてほしかったところです。高いんだし...。

ロード・オブ・ザ・リング エクステンデッド・エディション トリロジー BOX

BD ケースの中身。説明書(物語の世界観とかではなくて、単純にディスクの仕様やナビゲーションマップが書かれている)と本編ディスク 2 枚、特典ディスク 3 枚という、一部につき 5 枚構成になっています。本編を 2 枚に分けるというのは DVD 版のスペシャル・エクステンデッド・エディションと同じですが、2D の BD で本編 2 枚って...。まあ長いし、英語と日本語の音声を DTS-HD Master Audio で収録、さらにオーディオコメンタリーも入っていたらそうなるということでしょう。
しかも特典映像は BD ではなく DVD。さすがに 10 年前の映画なので、特典映像の HD マスターまで残っていないということなのかもしれませんが、ここはちょっと残念。DVD の SEE 版の特典ディスクとも大半がかぶっているんだろうし。

ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション

ちなみに DVD の SEE 版のパッケージはこんな感じでした。当時はボックスセットではなくそれぞれ単品だった、ということもありますが、まるで上製本のような装丁だけでも所有感がありました。デジパックの仕様も凝ってたし...。この作品に限ったことではありませんが、旧作の BD 化にあたってはいかな大作といえど DVD に比べて見劣りするパッケージになってしまうことがほとんど、というのは、映画ファンとしては悲しい。もっと愛を注いでほしいなあ。

ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション

ともあれ、画質を比較してみましょう。こちらは DVD(SEE 版)。これでも当時としては高ビットレートで収録された DVD で(通常版よりも高ビットレートだった)、高画質に感激したものでしたが、今の HDTV で観るとさすがに DVD フォーマットの限界が見えてしまっています。輪郭は甘いし、字幕はガタガタ。上の写真のシーンはアップだから比較的マシなほうですが、戦闘シーンなど、引きのカットではさすがに見るに堪えません。

ロード・オブ・ザ・リング エクステンデッド・エディション トリロジー BOX

対して BD。サムネイルサイズの画像では違いが分かりにくいかもしれませんが(クリックで拡大表示できます)、輪郭がくっきりとしたのに加えて、画面全体のコントラストが大幅に向上して、キリッとした画になっているのが分かると思います。とはいえさすがに 10 年前の作品なので、『ホビット』を観た直後だと「あれ?BD といってもこの程度の画質なんだっけ?」と思ったものでしたが、DVD と比較すると差は一目瞭然。暗いシーンや動きの激しいシーンが多い本作では、やっぱり情報量は多ければ多いほど良いわけで。

とりあえず『旅の仲間』だけ観てみましたが、敵といってもせいぜいオークが魔狼(ワーグ)に乗って追っかけてくるだけの『ホビット』に比べると、いつどこから何が出てくるか分からない『LOTR』のほうがスリリングだし、展開も速くて引き込まれますね。『ホビット』を観た後だと、「ああ、『ホビット』のあのシーンがここにつながるわけか」ということに改めて納得できて、より楽しめます。
本編だけでも三部すべて観ると合計 12 時間コースの長丁場ですが(;´Д`)、GW 後半戦のおたのしみ、ということで、満喫したいと思います。

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