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2014/12/13 (Sat.)

ホビット 決戦のゆくえ @TOHO シネマズ日本橋

ホビット 決戦のゆくえ

ホビット 決戦のゆくえ

本日封切りのところ、さっそく観に行ってきました。劇場は最近お気に入りの日本橋、当然 TCX&ドルビーアトモスによる 3D 字幕版にて。

二作目のラストがものすごくいいところで終わってしまったので、今作は前置き的なものも何もなく、いきなりその続きから始まります。
火竜スマウグとの戦いがかなり盛り上がるんだろうなと思っていましたが、確かに盛り上がったものの、思ったよりもあっさり。二作目であれだけ引っ張ったのならスマウグをもう少し見せてくれても良かったのに、と思います。ただ、むしろその後の展開のほうが密度が濃く、全体を通した「お腹いっぱい感」は十分。三部作の完結編だけのことはありますね。

結局最後まで主要キャラがほとんど死ななかった LOTR とは違い、今作では辛いシーンがかなり多い。しかも重要なキャラが死んでいったりするので、最後までハラハラドキドキ、観ていて肩が凝ったほどです。まあ、この後に LOTR が続くわけで、少なくとも LOTR に出てくるキャラは死なないと思える分には安心感がありますが...。

『決戦のゆくえ』のサブタイトルどおり、もう序盤からラストまでバトル続き。前二作にあったようなコメディシーンもほとんどなく、緊迫したシーンが続きます。
戦闘シーンは二作目とは違って『LOTR』シリーズらしい多対多の乱戦が中心。例によってトーリン無双、レゴラス無双、そして魔法使いなのに物理で殴りまくるガンダルフ無双(笑)です。そんなわけで映像も見慣れた雰囲気ですが、戦闘シーンに仕込まれたギミックが従来のシリーズのものより凝っていて、「えーそこからそうやって攻撃するの!」的な驚き...を超えて逆に笑ってしまうような場面も多々ありました。どういうことかというと、

あ...ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは 『戦国無双』をプレイしていたと思ったら いつのまにか『ワンダと巨像』をプレイしていた」
な...何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった...
という感じ(ぉ。説明しても解らないと思うので、答えはぜひ劇場で(笑

画音質の話をすると、こういう広さのある舞台に多数のキャラクターが動き回る映像は TCX 向きだし、ドルビーアトモスも必要以上にサラウンドを意識させることなく、戦闘のその場に自分がいるかのような臨場感を自然に演出してくれていました。この映画こそ、TCX+ドルビーアトモスで観るべき、と言えるのではないでしょうか。これはそんじょそこらのホームシアターでは再現しきれないはずです。

2 時間半という長丁場でしたが、途中でだれることなく、疲れを感じることもなく走りきったような上映でした。観終わった後にどっと疲れを実感したのは、鑑賞中ずっと緊張していたからでしょう。
三部作の完結に相応しい仕上がりだと思います。ストーリーに詰め込みすぎ感がない分、LOTR よりもとっつきやすくはあるのかも。ただ、これを観たことでまた LOTR を最初から観返したくなりましたが、BD-BOX を最初から観ると 12 時間コースなんだよなあ(´д`)。

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/07 (Sun.)

EAMES FILMS: CHARLES & RAY EAMES

EAMES FILMS: チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD]

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「イームズ」といえば、インテリアデザイナー、特に椅子のデザイナーとしてあまりにも有名で、ちょっとお洒落なオフィスやショールームであればかなりの確率でイームズのチェアが置かれています。でも彼ら(夫婦で活動していたそうです)の活動は単なるインテリアデザインにとどまらず、グラフィックデザインや映画製作など、かなり多岐にわたっていた、ということを最近初めて知りました。この映像作品集の存在も最近まで知らなかったのですが、デザイン界隈の人にはかなり有名だそう。

中でも特にインパクトが強いのが「POWERS OF TEN」という、科学的な映像作品。

ピクニック場で昼寝をしている男性の俯瞰視点から、10 秒ごとに 10n メートルずつカメラが引いていき、次第に地球の大気圏を抜けて宇宙へ、そして銀河の外へ...と出ていきます。宇宙の果てまで到達したところで、今度は逆に 10 秒ごとに男性の肉体を 10-n メートルずつ拡大していき、人間の組織から細胞、そして原子サイズへと突入していきます。この宇宙は相似形の連鎖でできていることを、一目瞭然に見せてくれます。
ほんの 10 分にも満たない短編ではありますが、科学を映像化したという意味でも、映像の美しさという意味でも、どこか『2001 年宇宙の旅』序盤の無重力空間の表現を彷彿とさせます。SF 好きならばグッと来るのではないでしょうか。

個人的に印象深いのが、引きのシーンである時点までは星が止まって見えるのに、ある瞬間からはその星々が銀河という単位で認識できるようになり、宇宙は銀河の集まりでできている、と解ること。無限後退的な見方ではありますが、示唆に富んでいる見方でもあります。例えば物事を引いて見たときや中に入り込んで見たときに、ある深さまでは見え方があまり変わらないけど、ある閾値を越えると急にその物事を覆っている違う構造が見えてくる、というように。

この映像のオリジナル版が作られたのが、アポロ 11 号が月面に到達する前年の 1968 年。カラー版の製作は私が生まれたのと同じ 1977 年、という時間を考えると、映像表現としては確かに画期的。今でも多くの人に語り継がれる理由が分かる気がします。

投稿者 B : 22:57 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/10/11 (Sat.)

グッドモーニング,ベトナム

グッドモーニング,ベトナム

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2 ヶ月前に急逝したアメリカの名優、ロビン・ウィリアムズの代表作のひとつを観てみました。

同氏出演の映画では『グッド・ウィル・ハンティング』が大好きなんですが、むしろこの『グッドモーニング,ベトナム』のほうが、ロビン・ウィリアムズ本来の持ち味が出ています。独特の節回しが印象的なマシンガントークが活きるコメディ、でありながら、観る者に深い感動を与えるヒューマンドラマ。そんな作品です。

ベトナム戦争当時、戦地に送り込まれた空軍兵の DJ、クロンナウア(ロビン・ウィリアムズ)。彼のやや下品ながらも風刺の効いたトークが兵士たちの心をとらえ、人気を博すものの、軍の規律を重視する上官たちとの折り合いは悪化。いっぽうで、現地民の少女に一目惚れしたことをきっかけに、ベトナム人たちとも分け隔てなく付き合い、少女の兄・ツアンを親友と認めるようになっていきます。そんなある日、クロンナウアがビールを飲んでいたバーで爆弾テロが発生、その事件の情報を隠蔽しようとした軍部に反抗して、自身のラジオ番組内で事件のことを伝え...。
クロンナウアのラジオでの喋りは、下ネタが苦手な私にとってはちょっとうんざりするほど下品な内容でしたが(笑、故に軍やアメリカ・ソ連に対する皮肉が効いていて、たたみかけるようで妙にリズミカルな喋りも相まって、次第にクセになっていく感覚があります。それに合わせた映像も、力任せに感動させてやろうというものではなく、一見何気なく見えるけどじわりと来るものが多く、強く印象に残りました。特に、戦線が拡大していく映像の背景に流れる音楽がルイ・アームストロングの "What a Wonderful World" だったときには、何とも言えない気持ちになりましたね。

ベトナム戦争を題材にした映画というと『地獄の黙示録』を筆頭に重苦しい作品が多く、今までは敬遠していましたが、これはそれらの映画とは違い、反戦とは少し違った切り口から平和...というより、人と人とがわかり合うことの大切さを描いた名作だと思います。戦闘を直接描かなくても、戦争をテーマにしたこんなにいい映画が作れるものなんですね。
今さらではあるけれど、ロビン・ウィリアムズの出演作、他にもいくつか観てみようかなあ。

投稿者 B : 23:13 | Foreign Movie | Movie | コメント (4) | トラックバック

2014/09/30 (Tue.)

ジャージー・ボーイズ @丸の内ピカデリー

ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ

クリント・イーストウッドが監督を手がける、男性ヴォーカル・グループを題材とした音楽映画。という全てにおいて俺得な映画が公開されるとあっては、観に行かないわけにはいかないでしょう!というわけで、早速劇場に足を運んできました。

取り上げられているのは、1960 年代に一世を風靡した、ドゥーワップ系ヴォーカル・グループ「フォー・シーズンズ」。'60 年代に青春時代を過ごした人でなくても、"Sherry" をはじめとした代表曲は必ずどこかで聴き覚えがあるはずです。特に、"Can't Take My Eyes Off You"(邦題『君の瞳に恋してる』)は聴いたことがない人はいないほどに有名。まあ、日本ではオリジナルよりもむしろボーイズ・タウン・ギャングがカヴァーした '80 年代ディスコサウンドのほうで定着していますが。
事実上初めて白人ヴォーカル・グループとして成功した 4 人のサクセス・ストーリーなわけですが、2005 年にブロードウェイ・ミュージカルとして同題で舞台化されていたんですね。この映画は、その舞台の脚本に基づいているようです。

ストーリーは、同じく事実に基づいたミュージカル映画である『ドリームガールズ』の男声グループ版、といった趣で、メンバーの出会いから下積み時代、デビューからスターダムに上り詰め、メンバー間の確執とグループ分裂、家族と仕事の間での悩み...という、この手のサクセス・ストーリーの王道そのものを行く展開。それ自体は特に目新しいわけではありませんが、それぞれのシーンを繋ぐ楽曲と歌唱が素晴らしい。曲が終わるたびに、映画館であることを忘れて拍手をしてしまいそうになったほど、没入感のあるステージでした。また、リードのフランキー・ヴァリと家族、特に娘との関係については、同じ娘の父親としてグッと来るものがありました。
途中、劇中にもかかわらず登場人物がスクリーンのこちら側に向かってナレーション的に心境を吐露するシーンが至るところにあり、実写映画でこういうメタ視点的な描写が挟み込まれるのも珍しいなと思いましたが、舞台的な演出をそのまま映画に持ち込んだらこうなるのだろう、と納得。

イーストウッド作品としてみると、ほかの作品に共通する「重さ」がなく、上映後に良かった、楽しかったとじんわり感じられる珍しい映画だと思います。自身も作曲家であるイーストウッドの音楽への思い入れがそうさせたのかもしれませんが、『ドリームガールズ』あたりの「面白かったんだけどあまり残るものはなかったな」というのとは違う、イーストウッドらしい手触りはやっぱり何かある。

見終わった後に、「映画って、本当にいいもんですね」という水野晴郎氏の名言が、ふと頭に浮かんできました。
大ヒットする作品じゃないんだろうけど、いい映画。これは BD が出たら買おうと思います。

投稿者 B : 00:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/08/06 (Wed.)

ラッシュ/プライドと友情 [Blu-ray]

ラッシュ/プライドと友情 [Blu-ray]

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今年 2 月に日本公開された映画が早くもパッケージ化。劇場に観に行ってとても気に入ったので、BD の発売を楽しみにしていました。

ニキ・ラウダとジェームズ・ハントがチャンピオンを争っていた時代の F1 の物語。テーマとしては「実力を認め合えるライバルがいることで、互いにさらに成長することができる」というところでしょうか。スポーツに限らず、「アイツにだけは負けたくない」と思える相手がいることってすごく重要だし、そういう存在に恵まれることは幸せなことだと思います。

監督は『ダ・ヴィンチ・コード』『アポロ 13』などで有名なロン・ハワード。クライマックスでも盛り上げすぎず、どこか淡々とした生真面目な作風、というのが私が今まで観てきた作品の印象でしたが、この映画もその流れの中にあります。本作は実話に基づいていて、ある意味「誰もが結末を知っている話」なわけで、必要以上に盛り上げるよりはこのようにドキュメンタリー的に描くのが合っていたように思います。その映像を盛り上げ、緊張感とスピード感をもたらした音楽が改めて聴いてみるとすごく良いなあ...とクレジットを見てみたら、『グラディエーター』『ダークナイト』『ライオン・キング』『パイレーツ・オブ・カリビアン』など数多の対策を手がけてきたハンス・ジマーじゃないですか。近年の日本における F1 の扱いから、勝手にマイナー映画のイメージを持っていましたが、改めて見るとすごい製作陣ですね...。

この映画のすごいところは、基本的にはヒューマンドラマを軸としていながらも、F1 のディテールに一切手を抜いていないところです。登場する F1 マシンは映画のためにレプリカを作ったりショーカーを引っ張り出してきたりしたようですが(当然 CG 映像も混ざっているはず)、画作りも含めて私にとっては「文献に載っている写真でしか見たことのない当時の F1 が、そのまま動いてる」と言って良いほどのクオリティ。こだわりの細かさを言うなら、6 輪車として有名なティレル P34 が、富士スピードウェイで開催された F1 世界選手権イン・ジャパンのシーンだけ平仮名で「たいれる」と書かれているのまでわざわざ再現してあるくらいなんですから!BD で改めてそのディテールへのこだわりを発見して、驚かされました。
ストーリーは分かりやすく簡略化されているので F1 好きでない人にもオススメですが、F1 ファンなら一度は見ておくべき名作だと思います。私も繰り返し観よう。

投稿者 B : 22:33 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/07/28 (Mon.)

天使と悪魔 Mastered in 4K [Blu-ray]

天使と悪魔 Mastered in 4K [Blu-ray]

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もう 5 年も前の映画なのでちょっと古めですが、今まで観ていなかったのを BD で鑑賞。前作『ダ・ヴィンチ・コード』を観たのももう 7 年前だから、だいぶ内容を忘れてしまっていますが(笑

前作は、予備知識をつけずに「ダ・ヴィンチが生前に自身の作品に込めた謎を解く」という話だと思っていたら全然違っていて(笑)、しかも尺の割にストーリーが複雑すぎて途中からついて行けなくなったトラウマがあります。それが今までこの続編を遠ざけていた理由でもあるんですが、本作も「キリスト教と秘密結社」を扱っている割に、前作よりも物語の軸がシンプルで、比較的すんなり入っていくことができました。まあ「反物質」とか「イルミナティ」とか、設定が相変わらず中二病全開すぎて、ちょっと小っ恥ずかしくはありますが(笑。

物語のキーパーソンはユアン・マクレガー、言わずと知れた『スター・ウォーズ』EP1-3 におけるオビ=ワン・ケノービ役です。SW シリーズのファンであれば、最後の種明かしまでトリックを見抜けないに違いない(笑。そういう意味では、ユアン・マクレガーはハマリ役だったと言えるでしょう。
映画としては、複雑だった前作とは対照的に、謎解きよりも活劇要素がかなり強くなっているので、入り込みやすい反面原作読破済みの人にはこれでは食い足りないかもなあ、と思いながら観ていました。ダン・ブラウンの大作小説の映画化、というよりは娯楽作品として観るべき作品かもしれませんね。

今回は 4K マスタリングされた「Mastered in 4K」バージョンの BD で観てみましたが...正直、古い 46inch の液晶テレビでは 4K マスタリングの恩恵は得られていないような。比較視聴したわけではないのであくまで印象論ですが、4K マスターの BD は、50inch 超の 4K ディスプレイでもなければその本領を発揮できないように思います。

続編『インフェルノ』の映画化は来年末とのことですが、次は劇場に観に行ってみるかなあ。

投稿者 B : 23:51 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/07/14 (Mon.)

ホビット 竜に奪われた王国 [Blu-ray]

ホビット 竜に奪われた王国 3D&2D [Blu-ray]

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劇場公開から半年を待たずして BD/DVD が発売されたので、さっそく購入。今回も 3D 視聴環境がないにも関わらず、将来を見越しての 3D&2D 版です。

感覚的には「ついこないだ劇場で観た」という印象なので、満を持して BD を買ったという気もしないんですが、最後の戦闘シーンは個人的に LOTR も含めたシリーズ中で最もお気に入り。火竜スマウグがファイアブレスを吐く一瞬前に喉が赤く光り、次の瞬間に画面を埋め尽くす真っ赤な炎!この迫力が半端ないわけですが、そのスマウグとホビット/ドワーフの大きさの対比がいっそう気分を盛り上げます。
劇場から通算して二度目の鑑賞なので、わざとスマウグ視点で見てみると、最初にエレボールを乗っ取ったのはスマウグだとはいえ、安眠していた自宅に泥棒が入ってきて、その連れにトカゲ・ナメクジ・ミミズ呼ばわりされて散々追いかけ回された挙げ句、とどめにアツアツの溶けた黄金を全身に浴びせられるとか、スマウグにとっては災難としか言いようがない(笑。怒ってふもとの村を全滅させに行きたくなる気持ちも解らないではありません。

脚本的には緩急がついていて、冗長に感じた一作目よりも面白かったですね。ただ、映像が 3D に最適化して作り込まれているので、迫力という点では劇場で観たときのほうがはるかにインパクトが高かったです。やっぱりこの作品はテレビよりも 3D+スクリーンのほうが映えると思います。今のテレビも買ってかれこれ 7 年経ちますが、そろそろ 4K+3D に対応したものに買い換えたくなってきたなあ。

投稿者 B : 22:12 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/05/02 (Fri.)

アメイジング・スパイダーマン 2 @TOHO シネマズ日本橋

観てきました。

アメイジング・スパイダーマン 2

アメイジング・スパイダーマン 2

予備知識を仕入れずに観に行ったんですが、今回のヴィラン(悪役)の一人、エレクトロってジェイミー・フォックスだったんですね。予告編観ても特殊メイクのせいで全然気がつかなかった。TOHO シネマズ日本橋にはサイン入りのポスターが掲示されていましたが、皆達筆すぎて Jamie Foxx 以外読めず誰だか分からない(笑

以前映画化されたサム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズとはパラレルワールド的位置づけで、設定も随分違います。というわけで、サム・ライミ版で登場したグリーン・ゴブリンも再登場。でも、キャラクターデザインはアメコミに忠実だったライミ版とは違い、最近のハリウッド SF らしいデザインになっています。同じスパイダーマンでも、世界観がずいぶん違うんだな、ということが、同じヴィランが登場したことで改めて分かります。

ライミ版がスパイダーマンをモチーフにした青春物語だとするならば、マーク・ウェブ版は人間関係よりもむしろアクション映画としての映像表現にこだわった作品なのだろうな、というのがここまで 2 作を観て抱いた感想です。ライミ版ではそれぞれのヴィランにも共感するところがあり、悩めるピーター・パーカーとも相まって、絶妙なダークヒーローもののストーリーが展開されていましたが、マーク・ウェブ版では独善的な動機でヴィラン化する悪役が多く、勧善懲悪的な分かりやすさが重視されている印象。でも、変に考え込むよりは、圧倒的なスピード感と映像表現に浸ってください、と言われているように感じました。アクション映画で、ここまで映像表現に目から鱗が落ちたのは、もしかしたら 1999 年の『マトリックス』以来じゃないでしょうか。それくらい、アクションシーンのどれもが手を抜かず、徹底的に作り込まれています。アクション映画を観ているというよりも、何かのアトラクションを体験しに来たような感覚と言ったら良いでしょうか。そんなドキドキ感がありました。

今回鑑賞した劇場は、3 月末にオープンしたばかりの TOHO シネマズ日本橋。

TOHO シネマズ日本橋

独自規格による巨大スクリーン「TCX」(Toho Cinemas eXtra large screen)と、新しいサラウンドシステム「ドルビーアトモス」が導入されているということで、映画そのものよりもこのシステムを体感することを楽しみにしていました(笑。
スクリーンの大きさについては「でかいなあ!やっぱり映画館に観に来るなら大きなハコに入ってナンボだな」という感想でしたが、それよりも感動したのはドルビーアトモス。仕組みは AV Watch の本田雅一氏の記事に詳しいですが、

【本田雅一のAVTrends】サラウンドの常識を打ち破るドルビーATMOS -AV Watch

要約すると、従来のサラウンドは「●チャンネル」という表現でチャンネル数の多さを競っていたのが、ドルビーアトモスでは最大 64ch までのスピーカを使って、劇場に合わせた音場をリアルタイムレンダリングで生成できる、というもの。私が鑑賞した SCREEN 8 では、見た限り両サイドに 18ch、天井に 18ch、リヤに 8.2ch のスピーカが設置されていました(さらに、おそらくスクリーンの奥にフロント+センター+ウーファで 5.1ch 以上はあると思われます)。これによるサラウンドは、もはやどこにスピーカがあるというレベルではなく、リアルに、かつ自然なサラウンド感で、音に包囲されると言えば良いでしょうか。ああ、映画のサラウンドってまだここまで進化する余地が残っていたのか、という新鮮な驚きがありました。

TOHO シネマズ日本橋

このほか、チケットの発行はもはや対面カウンターではなく自動発券機がメインになっていて、

TOHO シネマズ日本橋

対面カウンターはあくまでバックアップ的な位置づけで、上映スケジュールすら掲示されていない簡易的・小規模なカウンターのみ。私は映画のチケットはもう多くの場合ネット予約してしまうので、自動発券機メインのほうが合理的だと感じます。

まだまだオープンして間がないせいか物販系スタッフの対応がこなれていない感じでしたが、シアターの設備は文句なし。これまでは、画音質にこだわって観たい作品は TOHO シネマズ六本木・新宿ピカデリー・109 シネマズ川崎(IMAX)のいずれかで観るようにしていましたが、これからは日本橋も有力な選択肢として加わりました。まあアトモス自体、まだまだメジャー映画会社のフラッグシップ級の作品にしか採用されていませんが、アトモス対応作品は積極的に日本橋で観るようにしたいと思います。

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2014/03/24 (Mon.)

ホビット 竜に奪われた王国 @109 シネマズ木場

ホビット 竜に奪われた王国

ホビット 竜に奪われた王国

公開を楽しみにしていた作品を、ようやく観に行ってきました。

ファンタジー世界に登場するさまざまな種族が活躍する LOTR 本編に比べると、ホビットとドワーフの冒険といういかにも地味な映像になってしまうのが『ホビット』三部作の傾向なんだろうな、というのは前作を観て感じていました。戦闘シーンもシリアスというよりコミカルな描き方になりがちで(『スター・ウォーズ』でいう C-3PO や R2-D2 の戦闘シーンに近い、と言えば分かるかな)単調な映画になるんじゃないかという懸念を抱いていましたが、とんでもない!今作は LOTR も含めたシリーズ中で最も戦闘シーンが白熱する(実際に灼熱するわけですが)映画ではないでしょうか。

今回の主な舞台はエルフの森からはなれ山まで。というわけで、エルフが登場する戦闘シーンもふんだんにあるわけですが、なんかコンセプトアートにレゴラス(オーランド・ブルーム)に似たエルフがいるな、と思っていたら、本当に本人じゃないですか(笑。原作(私は未読)には登場していないようですが、設定上はこの時代にも生きているはずで、ストーリーの解釈次第ではビルボ・バギンズの冒険に絡んでいても不思議はない。まあ、映像的にむさ苦しくてイケメン成分の足りない本シリーズに女性ファンを呼び込むためのサービス的な位置づけでしょうが、それにしてもレゴラス無双すぎる(笑。LOTR でもここまでの獅子奮迅ぶりではなかったはずで、しかもオーランド・ブルーム自身が当時より 10 年分の歳を取ったことも相まって、むしろ LOTR の後の時代の話に見えてしまったほど。おかげでアクションシーンは見応えがありましたが、レゴラスについてはファンをニヤリとさせる程度の扱いで十分だったのではないかと思います(笑。

でも、個人的にはアクションシーンはクライマックスの火竜(スマウグ)とのバトルが最も燃えました(いろんな意味で)。LOTR の戦闘シーンは基本的に多対多の混戦が多く、スピード感ある殺陣はそれはそれで魅力的なのですが、巨大なクリーチャーとの一対多のバトルは初。ドワーフたちの小ささを実感するような圧倒的な迫力と、「この炎に包まれたらもうダメだ」と思わせるファイアブレスの CG に圧倒されました。だからバトルはガチンコ勝負ではなく『ゼルダの伝説』的な頭脳戦になるのも目新しく、とても楽しめました。
ラストは三部作の二作目によくある「そこで終わるのかよ!」という食い足りなさでしたが、逆にそれがいい。三作目も楽しみになりました。

劇場は、前回が XpanD X103 を導入した HFR 3D で観たので、今回は IMAX 3D で観ようと思って木場まで足を運びました。ただ、前回観たのが 1 年以上前なので、正直比較のしようがない(笑。でも、やはり IMAX 3D らしい安定した明るさ・コントラスト・解像度。XpanD X103 も十分なクオリティだと感じましたが、IMAX はやはり安心感がありますね。そして、HFR(ハイフレームレート) 3D は通常の 24p が主流の映画館において、気持ち悪いくらい生々しい動きがスクリーン上に映し出されていて、今までの映画との世代の違いが感じられました。
映像的にも、前作同様に序盤で 3D らしいインパクトのある画作りをしておいて、徐々に馴染み感のある(自然な感じでありながら、効果的に 3D 表現を取り入れた)3D にしていっているのが印象的でした。

ちなみに、本作は劇場公開中であるにも関わらず、発売日未定ながらもう BD/DVD の予約が始まっているという...ここまで来るとちょっと異常とも思える状況になっています。自宅でじっくり鑑賞もいいですが、これは HFR 3D と劇場の迫力ある音響で堪能してこその映画でしょう。シリーズのファンのみならず、映画ファンであれば劇場で体感すべき作品だと思います。

ホビット 竜に奪われた王国 3D&2D [Blu-ray]

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2014/02/24 (Mon.)

ラッシュ/プライドと友情 @新宿ピカデリー

ラッシュ/プライドと友情

ラッシュ/プライドと友情

封切りのだいぶ前から楽しみにしていた映画を観てきました。F1 ってもう日本じゃすっかりマイナースポーツだし...と思っていたら、けっこうな量の TVCM も投下されていて、配給元的にはかなり力を入れているのか、それともバーニー・エクレストンあたりがプロモーションのバックアップをしているのか。

舞台は 1970 年代の F1。F1 がレース好きの集まりだった牧歌的な時代から、エクレストンが運営の実権を握って巨大な興行に変遷していこうとする時代です。私が生まれる前の話なので、私も文献で流れを知っているだけで、細かい部分はこの映画を通じて初めて知りました。

物語はこの時代の最高のライバル関係と言われた、ニキ・ラウダとジェームス・ハントのライバル関係を軸に描かれます。ラウダは現在でもメルセデス F1 の重役としてパドックに顔を見せていますし、ハントはキミ・ライコネンが一昨年の復帰以来モナコ GP でヘルメットのデザインにオマージュを入れており、ともにここ数年、再び名前が出てくるようになりました。ラウダのメディアへの発言などを見ると、晩節を汚しているような気がしなくもないですが(笑)、それだけ現代でも F1 での存在感、影響力を保っている証拠でしょう。

映画ということで多少の演出や脚色は入っているようですが、映像はまるでドキュメンタリーのようにリアリティがあり、ラウダとハントのライバル関係、と同時に結ばれた強い友情が明確に描かれています。レースシーンはあまり多くはないものの、レプリカを使ったリアルな、かつエキサイティングな実写で、しびれます。安全性が低かった時代の F1 だけに、現代の F1 レースよりも手に汗を握る緊迫感があります。エンジン音の再現にもこだわりが感じられ、これは BD ではなく劇場のサラウンドで堪能すべきだと思いました。

F1 に限らず、スポーツというものは刺激し合えるライバルの存在によって、互いに高め合っていけるもの。思えばラウダ・ハント以後の F1 も、そういったライバル関係がレースを面白くしてきたと思います。現在の F1 は、ヴェッテルが勝ちすぎで退屈に思える瞬間もありますが、それでもチャンピオン経験者 5 人がしのぎを削るという状況は、これまでの F1 でもほとんどなかった(セナ・プロスト・マンセル・ピケ時代以来?)群雄割拠。特に今年は車体レギュレーション改定で戦況がリセットされていますし、フェラーリのアロンソ・ライコネン体制がどういった結末を迎えるのか、など注目に事欠きません。この映画を観て、現代の F1 をリアルタイムに観られる世代で良かったな、と再確認しました。

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