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2012/12/24 (Mon.)

34 丁目の奇跡 [Blu-ray]

34 丁目の奇跡 [Blu-ray]

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毎年クリスマスに必ず観ている映画。もちろん DVD は持っていたんですが、BD 版が出ているというコメントをいただいたので、慌てて買ってきました(笑。

サンタクロースは実在するか?という問いに対して法廷で争う、というちょっと荒唐無稽な話ながら、じんわり温かい気持ちになれる感動作です。非現実的な事柄を大真面目に法廷に持ち込む、という意味では三谷映画『ステキな金縛り』が好きな人なら気に入るのではないでしょうか。私の法廷劇好きは、たぶんこの映画にルーツがあると思います。

DVD から BD へのメディアチェンジという意味では、DVD 版も当時の DVD としてはそれほど悪い画質ではなかったと思いますが、BD になったことで一段階スッキリ、シャッキリして見えます。サンタクロースことクリス・クリングルの髭や皺、やサンタ衣装の白い毛皮といった質感は DVD では見られなかったもの。音声も DVD より抜けが良くなったことがテレビのスピーカを通しても分かります。ただ、解像感に関しては同時代の映画でももっと高画質なものも少なくないので、細部のディテールを見ると物足りないし、人物の輪郭も BD にしては甘い印象があります。まあ、レーベル側も旧作の BD 化の全てに手間をかけていられないということなのでしょうが、もうちょっとやりようはあったのでは?というのが正直なところ。まあ、2 枚で ¥2,500 で買える旧作 BD に贅沢を言うべきところではないのですが。

「経済的にすごく良かった時代のアメリカ」を象徴するような舞台で、登場人物もどこかステレオタイプなキャラクターばかり。だからこそ子どもにも分かりやすく、果てしなく優しく愛にあふれる映画です。独身時代には字幕でしか観ていませんでしたが、子どもが生まれてから吹替版を観るようになって、本作の主役の一人である弁護士ブライアンの声が故・鈴置洋孝氏(ブライト・ノア役があまりにも有名)ということに気づき、そういう意味でも深く味わえる作品。

大作ではないのであまり知られていませんが、クリスマスにはぜひ観てほしい作品です。
メリークリスマス。

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2012/12/07 (Fri.)

007 スカイフォール

話題になっているこの映画を、私も観ました。

007 スカイフォール

私は 007 シリーズにはそれほど思い入れがない、どころか『カジノ・ロワイヤル』が初めてまともに観た 007 だったりします。前作『慰めの報酬』はスルーしたんですが、今回は前評判が高かったので、観てみることにしました。

冒頭。いきなりカーチェイスから始まるハイテンションなオープニング。と思ったら、バイクチェイス→列車の屋根の上での捕り物という、アクション映画の見せ場のフルコースのような展開で、観てるこちらがアドレナリン分泌しまくり。むしろクライマックスでやることなくなるんじゃないのと心配になったほど(笑)、派手なアクション続きで圧倒されてしまいました。
まだ封切りからあまり時間が経っていないのでストーリー的なネタバレは避けますが、さらにカジノあり、エレベーターアクションあり、地下鉄での追跡劇あり、もうアクション映画の要素で網羅してないものはないんじゃないかというくらい、見せ場がみっちり詰まっています。舞台もトルコ→ロンドン→上海→マカオ→ロンドン→スコットランドと移り変わり、映像面でも楽しませてくれます。上海の、まるで 007 で現代の『ブレードランナー』を撮ったかのようなきらびやかなネオン、マカオの豪奢なカジノ、重厚なロンドン、そして...。本作は 4K デジタルで上映している映画館も少なくないですが、この映像美は 4K でこそ本領を発揮すると思います。

オープニングからフルスロットルでアクションを見せる作りになっていたので、ラストはどうなるのかと思っていましたが...こう来ましたか。これは、確かに 007 シリーズ製作 50 周年記念作品に相応しい内容で、おそらく古くからのファンをも唸らせるような演出まで仕込まれています。最近、ハリウッド系の超大作には食傷気味で少し距離を置いていましたが、これは久しぶりに満足できる「これぞ、エンタテインメント」だったんじゃないでしょうか。この流れで『慰めの報酬』の BD でも借りてこようかなあ。

投稿者 B : 00:07 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/12/04 (Tue.)

人生の特等席 @渋谷 HUMAX シネマ

人生の特等席

人生の特等席

グラン・トリノ』で引退したんじゃなかったんかい!という名優クリント・イーストウッドの最新主演作品を、劇場まで観に行ってきました。

年齢的な問題でチームから引退を勧告され、本人も視力を失いつつあるメジャーリーグのかつての名スカウトマンが、長らく疎遠だった娘を連れて最後のスカウトの旅に出る...というお話。日本だと野球はなかなか映画の題材になりませんが、こういう作品が出てくるところに、アメリカという国では野球が文化として根付いているんだなあ、ということを実感します。

イーストウッドの監督作品、というと近年はとても重い内容の作品が続いていますが、今回は監督ではなく俳優としての出演ということで、ストーリーや演出はちょっと軽め。でも、『グラン・トリノ』でも見せたがんこじじいっぷりは今作でも健在で、すっかりこういうキャラクターが板についちゃったなあ、と思います。まあ、昔気質の映画人、という意味では、本人の素に近いところで演技している部分もあるのかもしれません。

物語の争点は、イーストウッド演じるガスの目と耳、経験と勘に頼った昔ながらのスカウト手法と、データ中心の現代的なスカウト手法のどちらが勝つのか?というところなのですが、実際にはそこはそれほど重要なわけではなく。妻を亡くし、男手一つで娘を育てようとしてできなかった父と、捨てられたと思った娘の、お互いに対する思いや葛藤、を中心に回ります。個人的にはイーストウッドの芝居を観に行ったつもりでしたが、むしろ娘のミッキー(エイミー・アダムス)の視点で映画に入り込んでしまっていました。自分のできることと実現したいこと、認めてもらいたいこと、年齢、置かれた境遇、両親から与えられた能力、親と自分のそれぞれの人生、面と向かうと言えなくなってしまうこととか...どうにも客観的に観ることができませんでした。

助演のエイミー・アダムス、ってディズニーの『魔法にかけられて』でヒロインのジゼルを演じていた人ですが、ジゼルとは全く違うキャラクターで、映画を観ている間は気づかなかったほど。童話の世界から出てきたお姫様、ではなく、父親とのコミュニケーションがうまくできなくて悩んでいる三十代のキャリアウーマンという役どころで、私から見るとまさに等身大の生々しさがあり、イーストウッドに引けを取らない名演だったと思います。
いっぽうで、かつてガスに見出された投手であり、現在は引退してライバルチームのスカウトマンをやっているジョニー役のジャスティン・ティンバーレイク。この人は相変わらずどうにも薄っぺらくて、脚本のせいもあるかもしれませんが、なぜガスの信頼を得て、ミッキーと恋に落ちるのかが芝居からは理解できませんでした(´д`)。

抑揚が少なくてしんみりする映画ですが、たまにはこういうのもいいものですね。クリント・イーストウッドには失礼かもしれませんが、最近イーストウッドを見ると昨年他界した母方の祖父(イーストウッドとは一歳違い)を思い出します(笑。冬休みにはイーストウッドの過去作も観てみようかな。

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2012/11/28 (Wed.)

スペース カウボーイ [Blu-ray]

スペース カウボーイ [Blu-ray]

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秋の夜長に。

月がきれいな季節になると、決まって観たくなる映画のひとつです。今年は特にヱヴァ Q からの連想(テレビ版エンディングの "Fly Me to the Moon" や冒頭の宇宙戦)やちょうどクリント・イーストウッド主演の新作映画が公開されるタイミングだったり、で、改めて観てみたいと思って。もともと DVD は持っていたんですが、BD で 10 年ぶりくらいに観ました。
久しぶりに観ると、以前観たときにはカッコイイ爺ちゃんに見えていたトミー・リー・ジョーンズに、この 10 年の間に缶コーヒー「BOSS」の宇宙人ジョーンズのイメージがつきすぎていて、シリアスなシーンでも何故か可笑しい、というのはちょっと困りものですね(笑。

ストーリーは、宇宙から迫ってくる地球の危機を救う、そして最後にはお涙頂戴な誰かの自己犠牲つき...という、1990 年代後半にたくさん作られたハリウッド系 SF 映画によくある話、といえばそれ以上でもそれ以下でもありません。ただ、使われている技術が古すぎて現代の技術者の手に負えず、かつての技術者たちが招集される、というあたりは、IT 業界にいる人であれば何かしら似た経験があるのではないでしょうか(笑。
SF 軸で見てしまうとまさにありきたりな話ではあるんですが、個人的にこの映画が好きなのは、SF の枠を外して見たときに「お爺ちゃんたちが、諦めきれなかったかつての夢を再び叶えに行く物語」であるところに心打たれるからだと思います。現実の生活がありながらも、捨てきれない熱い想いを胸に抱いている、みたいなのにグッときます。
そして、この手の映画にありがちな「みんなの努力と主役(または準主役級)の自己犠牲で地球は救われた!結果ハッピー!でラストにエアロスミスでも流しておけばみんな感動するんでしょ?」といういかにもハリウッドな作りではなくて、ラストシーンの美しい映像からフランク・シナトラの "Fly me to the moon" に繋いでしっとりと終わっていくのにとてもじんわりします。

映像に関しても、DVD では見えなかったディテール、特に宇宙空間のクリアさが実感できる画質になっているのが良かったです。ラストの真空だからはっきりと見える宇宙服と、そのバイザーに映る青い地球が美麗な画質で視聴できただけでも、DVD からメディアチェンジした甲斐はあったと思いました。

この冬は、またイーストウッド映画にどっぷり浸かってみるのもいいかなあ。

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/08/21 (Tue.)

ブルース・ブラザース [Blu-ray]

Blu-ray Disc というメディアが出たときに、ああこれは我が家のラックに収められた大量の DVD もメディアチェンジしていく必要があるのだな・・・と思ったものでしたが、BD 視聴環境を整えて数年経った今、改めてラックを整理してみると、意外なほど BD に買い換えたタイトルは少ないことに気がつきました。私の中の映画の金字塔たる 2001 年スター・ウォーズBTTF あたりは当然買い換えましたが、それ以外はそこまでのモチベーションに至らなかったのだなあ、と。まあ私が DVD を収集していた当時は映画の内容よりもホームシアターの映像や音響を楽しみたくて、新しい音声フォーマットやハイビットレート映像が収録された作品から買う、という感じだったので、映画そのものに思い入れがない DVD もたくさんあるからなんですが。

最近では BD も一時期の DVD のように、旧作の廉価盤がどんどん出てきていますが、そんな中でもこれは BD で持っておきたいと思って珍しくメディアチェンジした映画がこれ。

ブルース・ブラザース [Blu-ray]

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この映画、大好きなんですよね。ミュージカル系の映画が好きということもあるんですが、コメディ好き、R&B 好きなど私のツボの至るところを刺激してくれる作品です。ちょうどホームシアターにハマり始めた時期に DVD を買ったので、当時はもう毎晩のようにライヴシーンを観ていたなあ。

旧作の BD 化にはあまり工数をかけずにがっかりする画音質のものも珍しくない中、この BD は古い映画の割に画質・音質ともに満足できるクオリティで、これなら DVD からメディアチェンジする価値は十分あったな、と思えます。ただ、DVD とは収録エディションが異なる(DVD:ディレクターズカット版、BD:劇場公開版)ので、DVD で見覚えのあるシーンがところどころカットされていたのはちょっと残念。

とはいえ、それがこの映画の楽しさ自体を妨げるものではないので、テンション上げたくなったらこの BD のライヴシーンを観て盛り上がりたいと思います。♪Everybody needs somebody....

投稿者 B : 23:48 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/07/07 (Sat.)

アメイジング・スパイダーマン @TOHO シネマズ渋谷

観に行ってきました。

アメイジング・スパイダーマン

アメイジング・スパイダーマン

3D 上映だったので、まずは 3D の話を。

東宝系の初期の 3D 上映は XpanD 方式だったので、『AVATAR』を観てそのクオリティの低さに落胆して以来敬遠してきましたが、いつの間にか別方式を採用していたことを、今回初めて知りました。私以外にも、3D 上映だとまず東宝は外すという人は少なくないと思うので(笑)、その認識は改めた方がよさそうです。
東宝が最近導入している 3D 方式は映画館によって異なるようですが、大半の劇場では MasterImage 3D、一部の劇場で Sony Digital Cinema 3D、および期間限定で RealD という内訳になっていて、いずれも円偏光方式の設備に切り替えてきている模様。当初は 3D を一挙に多館展開するために設備投資の少ない XpanD を採用したのでしょうが、やはり画質面で失ったもの(客も含む)が大きかったのか、1 年ちょっと前に方針を転換したようです。

まあ画質ならばやはり IMAX 3D が最高なのでしょうが、今回は私の未見だった MasterImage 3D か Sony Digital Cinema 3D で観てみようと思い、東宝系に行ってみることにしました。で、せっかくなので元祖 3D 大王がまだレビューしていない Sony Digital Cinema 3D を採用している TOHO シネマズ渋谷(旧渋東シネタワー)に行ってきました。調べてみたところ、この Sony Digital Cinema 3D で使用されているプロジェクタは、4K 上映にも対応した SRC-R320 を使っているようですね。4K を 2 分割してフル HD の左右チャンネル用映像を投影する仕組みで、3D 方式そのものは RealD の派生形という位置づけのようです。

Sony Digital Cinema 3D

これが劇場で渡された 3D メガネ。ソニーロゴも RealD ロゴも入っていない無印メガネですが、仕組み自体は RealD と同じ。なので、RealD のメガネを持って行けばそのまま使える(そして、メガネ分の ¥100 だけ値引きされる)ようです。

3D の感想としては、原理を同じくする RealD とさすがにほぼ同じようなものだと感じました。『ファントム・メナス 3D』を RealD で観たときのように、IMAX 3D に比べると少し明るさが落ちて微妙に青みが強くなるものの、画質としてはまあ許容範囲。解像感もじゅうぶんで、没入できる画質だと感じました。実は本編の前に挟まれた『アベンジャーズ』予告編の 3D がキツすぎて、これは長時間見るに堪えない・・・と思ったのですが、本編が始まってしまえばごく自然なレベルの立体視になったので、一安心。映画の作りとしては、基本的に人間ドラマの部分は立体視をあまり多用せず(メガネをときどき外しながら観ていましたが、字幕以外 3D になっていなかったシーンも多かった)、アクションシーンで効果的に使うというメリハリの効いた使用法で、むしろそれが有効だったんじゃないかと思います。
アクションシーンについては、スパイダーマンがターザンのように飛び回るシーン、スパイダーウェブを発射するシーン、そして当然リザードとのバトルシーンではこれでもかというくらいに多用。私は高所恐怖症なので、スパイダーマンが飛び回るシーンは背筋が凍るんじゃないかとしんぱいしていましたが、立体視の見せ方がうまいのか、落下シーン以外はとても心地良い浮遊感をおぼえたほどで、むしろ楽しめました。

正直なところ、自宅のテレビはそうそう買い換えられるものでもないので、3D はハレの日(映画館)のお楽しみということにして、自宅は別に 2D でもいいよね・・・と思っていたんですが、これの 3D BD が観られるなら自宅に 3D 環境を導入したいかも、とちょっと真剣に考えてしまいました。テレビの買い換えは難しいので、せめて HMZ-T1 の入手性が改善したら、検討してみようかなあ・・・。

さて、映画そのものの感想はネタバレを避けるため軽めにしておきますが、主人公ピーター・パーカー/スパイダーマン役は今回からアンドリュー・ガーフィールドになりました(今回から、というより、前回の三部作と今回のシリーズはパラレルワールド的な位置づけ)。彼は最近だと『ソーシャル・ネットワーク』で Facebook の共同創始者エドゥアルド・サベリンを演じていましたね。その印象がまだ強いのか、正直ちょっと「ピーター・パーカー」として見るのは無理があるような・・・。個人的には、前回のトビー・マグワイアの垢抜けないとっちゃん坊やっぷりがハマりすぎていたので、こんなモテそうなピーター・パーカーはちょっと違う。まあ、映画自体別物ですし、今までのピーター・パーカーとは別物として見れば、これはこれでアリだとも思えるんですが、ちょっといろんなところがスマートすぎるんだよなあ。

また、映画全体を通してのつくりも、従来のアメコミをそのまんま実写化したかのようなサム・ライミ節とは全く違って、なんかすっかり洗練されちゃったというか(笑。同じ原作を土台にして、基本的なストーリーは似ていながらも、観終わった後の感覚はダークヒーローものの代名詞としてのスパイダーマンではなく、王道ヒーローもののそれに近くて、良い意味で裏切られました。確かにちょっと洗練されすぎていて、スパイダーマンとして見るとそれが鼻につく部分もあるんですが(笑)、いかにもアメリカ映画らしい伏線/回収とクライマックスの盛り上げや、スピード感と爽快感のあるカメラワークが効いています。あとは、スパイダーマンならば、ラストシーンは一件落着、だけどなんだか心が痛む・・・みたいなのがあっても良かったような気はします。
あと、原作のスタン・リーがあんなところでカメオ出演していたとは!(笑)。観に行こうという方は、ぜひスタン・リーがどこにどう出てくるか、刮目したほうがいいと思います。

賛否両論ありつつも、個人的には、もしかしたら旧三部作よりこっちのほうが好きかもしれません。ただ、あの日本版エンドロールはいただけないでしょう(´д`)・・・。基本的に私はエンドロールはいかに長くても最後まで席を立たず、暗い劇場内でキャストやスタッフの名前を眺めながら余韻に浸りたいのですが、あのエンドロールは完全にぶち壊してくれました。BD リリースの際にはエンドロールは選択式にさせてほしい(´д`)。

投稿者 B : 23:53 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/03/31 (Sat.)

ウォール街 [DVD]

ウォール街 [DVD]

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昨年末に『ウォール・ストリート』を観たら、オリジナル版のほうも観たくなったので、DVD で視聴。

若手証券マンが「カリスマ投資家」ゴードン・ゲッコーに弟子入りして成功し、でも最後にゲッコーに裏切られて全てを失い、そこに残ったものは・・・というのは両作品に共通するストーリーですが、時代背景が違うのでメッセージ性が微妙に違いますね。『ウォール街』は株式投資を軸に価値や経済の捉え方、そして生き方を鋭く描いた作品でしたが、続編の『ウォール・ストリート』のほうは、投資や企業経営の話よりも親子や恋人といった人間関係のほうに少しフォーカスが移っていて、本筋の部分が表面的になってしまった印象。
というか、本作のほうはゲッコーが使ってる携帯電話が巨大すぎて懐かしい(笑)さすが 25 年前の作品・・・。

この映画は完全にマイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーの存在感が圧倒的で、当時ゲッコーに憧れて証券マンを目指したり、クレリックシャツ+サスペンダースタイルに身を包む若者が増えたというのも理解ができる気がします。
また、主演のチャーリー・シーンがやや向こう見ずで虚栄心が強い、この時代の典型的なアメリカの若者を演じているのが見事にハマッていますが、それに比べて続編のほうではシャイア・ラブーフの存在感が薄っぺらなのも、いい対比かと(笑。

『ウォール街』といえば、いまだに語り草になっている、あまりにも有名なこの台詞。

言葉は悪いかもしれませんが、"欲" は善です。
"欲" は正しい。
"欲" は導く。
"欲" は物事を明確にし、道を開き、
発展の精神を磨き上げます。
"欲" には、いろいろあります。
生命欲、金銭欲、愛欲、知識欲。
人類進歩の推進力です。
"欲" こそ・・・見ててください、
テルダー製紙だけでなく、
"株式会社 USA" を立て直す力です。
もしかすると、原語の "Greed is good." というフレーズの方が有名かもしれないくらいです。実際の映像を見たのは初めてでしたが、確かに心に響きますね・・・。

「必要は発明の母」という言葉もありますが、現状に満足せず、発展し続けることに対する渇望こそが人間の成長の源泉だと思います。世界の共産主義国家崩壊の例を見るまでもなく、もっと言えば近年の日本国内を見渡すだけでも分かることですが、成長に対する正当なインセンティブが与えられない環境は、人間のモチベーションを萎縮させ、社会が衰退していくのみ。じゃあ未来永劫無限の成長を前提とできるのか?といえばそれは別の話だと思いますが、少なくとも「今日の努力により、明日報われる可能性」を私は肯定したい。そう思っているので、ゲッコーのこの言葉は私を勇気づけてくれます。
だってこの台詞の「株式会社 USA」を「株式会社ニッポン」に置き換えたら、まさに今の日本のことを言っているわけじゃないですか。30 年前の米国と日本の関係は、現在の日本と中韓の関係に重なるわけで。

このあたりは、最近私がよく考えている「未来のこの国のカタチをどうしたいか」という話と根っこが同じなので、もし心が折れそうになったときには、この言葉がよりどころになってくれそうな気がします。

ともあれ、この台詞自体は真理だと思うのですが、それでもゲッコーにとっては株主に対する欺瞞にすぎないんですよね。"欲" そのものには実は善悪はなくて、それを何に転化するかで善にも悪にもなるというのが本質だと思います。資本主義を自分の利益を最大化するためのマネーゲームと捉えるか、その裏に個々の経済活動、人生を見るか。
もし、"欲" という単語のもつ負のイメージが強すぎるのであれば、かつてホンダが掲げた企業メッセージ「夢こそが、私たちのエンジンだ。」に置き換えても良いかもしれません。

ゴードン・ゲッコーの存在感ばかりが印象に残ったこの映画ですが、劇中で、ゲッコーとは正反対の人物として描かれている主人公の父、カール・フォックスの台詞もまた心に残ります。

安易な金より身のある人生だ。
他人の売り買いではなく、自分で創れ。
人間の、無限の "欲" を肯定して、それを成長の源泉とすること。でも、形のない「虚」を商売にするのではなく、自分で価値を創造すること。それは別に「額に汗して」とか「ものづくり」とかそういった表面的な意味ではなくて、自分の "欲" を正しく認識した上で、いかに価値のある仕事をして、自分と他人に有形無形の価値を分配していくか。今の時代は、ゴードン・ゲッコーだけでも、カール・フォックスだけでもなく、この二面性を併せ持った価値観で生きていかなくてはならないのではないか、と思います。

投稿者 B : 23:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/03/22 (Thu.)

スター・ウォーズ エピソード I 3D @ユナイテッド・シネマ豊洲

先週末公開されたところですが、スター・ウォーズファンとしては観に行っておかないといけないでしょう、ということで、行ってきました。

スター・ウォーズ エピソード I ファントム・メナス 3D

スター・ウォーズ・サーガは劇場版からテレビ放映、レンタルビデオやディスクメディアまで含めるともう何度観たか憶えていないくらい観ています。特に EP4~6 は代表的な台詞を英語で暗記してしまうくらい。
とはいえ、新三部作が完結して 5 年あまりが経ち、コンプリート・サーガ BD-BOX の発売をもって、私の中でも一区切りがついてしまった感がありました。でも、ホームシアターのせいぜい 80inch 程度の画面じゃなくて、劇場のスクリーンと音響で、さらに 3D で鑑賞できるなら、行っておかなきゃならないじゃないですか。

STAR WARS ep.I 3D

今回の EP1 3D では IMAX 3D での上映はなく、RealD、MasterImage 3D、Dolby 3D、XpanD の 4 方式から選択することになります。正直 XpanD で観る気はしないので(´д`)、それ以外の方式で観たかったのですが、XpanD 以外の方式を導入している劇場はそれなりに限られます。

最終的に私が選んだ劇場は、某 3D 大王のおすすめに従って、RealD 方式を採用しているユナイテッド・シネマ豊洲の 10 番スクリーン。3D 対応スクリーンとしては国内最大級となる 9.29×22.6m の巨大スクリーンで、こういう SF 映画を観るには最適ではないでしょうか。実際、私も中に入ってみてそのスクリーンの広大さに圧倒されました。私が今までに見た劇場のスクリーンの中でも間違いなく最大でしょう。
ちなみに、この劇場でも日程や時間帯によって小さめのスクリーンで上映される回もあるので、注意が必要です。

STAR WARS ep.I 3D

なお、RealD 方式の劇場では、自前の RealD 対応 3D メガネを持ち込むと、メガネ代¥100 が差し引かれて安くなります(大人一人¥2,000→¥1,900 に)。私はなぜか RealD メガネを一本持っていたので(ぉ、持ち込みました。電池駆動する XpanD あたりと違ってパッシブ方式でメガネのコストが低い RealD ならではだと思います。

STAR WARS ep.I 3D

ちなみに、劇場ではグッズとして EP1 でアナキンがポッドレースのときに掛けていたゴーグルを模した 3D メガネも販売されていました。まあ、メガネ部のデザインを似せただけで、微妙だったのでスルー(ぉ

STAR WARS ep.I 3D

劇場グッズといえば、あのライトセーバー箸も販売されていました。実物は初めて見ましたが、ダース・モール箸の柄が長かったり、ドゥークー伯爵箸の柄が曲がっていたり、なにげに芸が細かい(笑
類似品のビームサーベル箸と並んで、特に家庭持ちには買ってもどうしようもないものの筆頭なのでスルーしましたが(´д`)、独身だったら大人買いしていたかもしれません(^^;;

話を映画に戻しましょう。私はチケットをオンライン予約したので、ど真ん中ちょい前寄りのシートを確保できました。久しぶりの 3D 映画だったので最初は少し違和感がありましたが、15 分も観ていると慣れてきました。

もともとが 3D を想定せずに撮影された映画を、後加工で 3D 化していることもあって、良く言えばそれほど違和感のない自然な、悪く言えば立体感のやや乏しい映像になっています。効果のかけ方はシーンによって差があり、宇宙船の中など狭い空間のシーンではいわゆる「平面の書き割りを重ねたような映像」に見えることもありましたが、宇宙空間や広原での戦闘シーンなどでは奥行き感がありつつも不自然ではない程度の立体感のつけ方で、好感が持てました。メイキングなどを見ていても、今回の 3D 化では「飛び出す 3D よりも、奥行き感をもった 3D を目指した」ということなので、スクリーンの奥に向かって広がっていく画作りなのが、違和感の少ない 3D に仕上がった要因と言えそうです。
ただ、最近の 3D 前提で制作された作品では、3D を意識したカメラワークでうまく演出効果を出しているものが多い(やり過ぎて映画を見せたいのか映像を見せたいのか分からなくなっているものもありますが)ので、比較するとやはり少し物足りなさは感じますね。

でも、初見時は良かったけど何度か観るうちに冗長に感じるようになってしまったポッドレースやグンガン族対ドロイド大隊の戦闘シーンあたりが、3D による映像的な演出のおかげで再び観る価値のあるシーンに復活してきたのは、なかなかの収穫だと思います(笑。
あとは、最大の見せ場であるライトセーバーによる殺陣のシーン(個人的には、シリーズ全作を通してこの EP1 のクワイ=ガン&オビ=ワン師弟対ダース・モールのライトセーバー戦が殺陣としては最も燃える)にもっと立体感をつけてほしかったのですが、元が 2D だとここらが限界でしょうか。悪役としてはいいキャラを持ちつつもすぐに退場してしまったダース・モールの数少ない見せ場なので、もっと気合い入れてほしかったなあ。

RealD の画質面の話をすると、メガネを掛けることで少し明るさが下がってしまうのはまあ許容範囲としても、色味が少し青っぽくなってしまうのが気になりました。まあ完全に緑になってしまう XpanD に比べれば遥かにマシなレベルですが、タトゥイーンの赤茶けた砂の色とか、ダース・モールの瞳の禍々しい色とか、そういうのが微妙にくすんだ色味に見えてしまったのはもったいないです。メガネによって色味が変わってしまう 3D 方式では、メガネを掛けた状態でできるだけ制作者の意図に近い色味に見えるよう、あらかじめガンマ補正をかけてほしいくらいです。
また、RealD 方式の弱点なのか、この劇場のスクリーン固有の問題なのか分かりませんが、ポッドレース等で素早く横にパンするようなシーンでは、画面内に偏光方式特有の縦縞が少し見えるのは気になりました。

といった感じで、一度 IMAX 3D の映像を見てしまうとさすがに分が悪いですが、とはいえ RealD の映像も及第点をあげていいレベルではあると思います。個人的に、今まで見た 3 方式を比較するなら、IMAX 3D>>RealD>>>>>XpanD かな。

ちなみに、私が観に行ったのは平日夜という客の入りにくいスケジュールではありましたが、それでも 413 席あるこの 10 番スクリーンで、観客が私を含め 15 人程度しかいないという興行状況で、さすがに心配になりました。横一列私しかいないという大スクリーン貸し切り状態を満喫できたのは良いんですが、さすがに封切り後 1 週間経っていない作品で 400 席近い空席というのは異常ですよ。まあスター・ウォーズ自体がコンテンツとしては終わってしまったものではありますが、今回は明らかに国内向けのプロモーションが足りていませんし、配給元からしてやる気があるのかないのか分かりません。この調子だと、EP2 以降の 3D 化が中止されるのではないか、という心配すら出てきます。
しかし逆に言えば、慌てなくても今から良い席で観れるということでもあります(笑。EP4~6 に比べると EP1~3 は微妙、というファンも少なくないでしょうが、この 3D バージョンはちゃんとした劇場を選べば過去最高画質・音質でスター・ウォーズを鑑賞できる最後のチャンスかもしれません。スターウォーズ好きで 3D や AV に興味があるなら、一度観ておいても損はしないのではないでしょうか。

投稿者 B : 23:13 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/01/18 (Wed.)

英国王のスピーチ [DVD]

英国王のスピーチ コレクターズ・エディション

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前から気になっていた映画ですが、DVD で視聴しました。

第二次世界大戦直前のイギリスで、吃音症に悩む皇太子アルバート(後のジョージ 6 世)が治療のために言語聴覚士であるライオネル・ローグと出会い、その治療の過程で育まれる二人の心の交流を描いた物語。実話がもととなった映画です。

何かの映画を観に行ったときの、劇場での予告を観てから興味を持っていた作品でした。予告からしてこれはけっこう感動系の映画だろうなと思っていましたが、まあ予想通り。でも、吃音症治療のプロセスだったり、プライドの高いアルバートと我が道を行くライオネルとのズレたやりとりだったり、ところどころに笑いの要素が散りばめられていて、感動一辺倒ではなく観終わったあとに爽やかで愉しい感情が残る、良い映画でした。私は基本的にギャグではなくロジックで笑わせる笑いが好きなので、ツボにハマりましたね。

内容もさることながら、この映画の見どころのひとつは豪華なキャスト。ジョージ 6 世を支える妻役にヘレナ・ボナム=カーター(ベラトリックス役)、父ジョージ 5 世にマイケル・ガンボン(2 代目ダンブルドア校長役)、首相チャーチル役にティモシー・スポール(ペティグリュー役)というように、『ハリー・ポッター』シリーズの主要キャラとして登場した俳優陣が脇を固めていて物語の重厚感を増すと同時に、イギリス映画をほとんど観たことがない私でも入っていきやすい映像に仕上がっていたように思います。でも他の二人はともかくヘレナ・ボナム=カーターはベラトリックスとは顔つきが違いすぎて、エンドクレジットを観るまで確証が持てなかったほどでしたが(;´Д`)ヾ。
つか、Wikipedia を見て気づいたんですが、ライオネル役のジェフリー・ラッシュも『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの海賊バルボッサじゃん・・・。

この映画を観て自覚したんですが、私はきっと「生まれも育ちも現在の立場も違う二人が出会って心の交流をすることで、人間的に成長する」という内容の映画がとても好きなんだと思います。そういえば『ニュー・シネマ・パラダイス』『グラン・トリノ』『ショーシャンクの空に』『グッド・ウィル・ハンティング』などなど、SF やファンタジー以外で好きな映画といえばこんな話ばかり。私にこの手の映画をいろいろと奨めてくれる某氏の影響も少なからずあるとは思いますが(笑)、この映画も、それらと並びとても心に残る作品でした。

DVD でホームシアターを構築した当時は、サラウンドを楽しむ目的でアクションや CG バリバリのいわゆる「ハリウッド大作」的な映画ばかり観ていましたが、最近はそういうのもすっかり見飽きてしまいました。かといってカンヌやヴェネツィアで受賞するようなじとっとした感触の映画も苦手。こういう、派手すぎないけどじーんと心に残る、大人の男が楽しめそうな映画を他にも探しています。

投稿者 B : 00:30 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/12/04 (Sun.)

ウォール・ストリート [Blu-ray]

ウォール・ストリート [Blu-ray]

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以前、劇場で予告編を見て興味を持っていた作品でしたが、観に行く時間が取れないまま劇場公開が終わってしまったので、BD で視聴しました。

名作との呼び声が高いオリバー・ストーン監督の『ウォール街』の続編で、サブプライム問題発生前後の米国証券市場が舞台。私は金融関係のお話は苦手ですが(^^;;、最近社会人として企業価値と責任について興味が出てきていたり、今さらながら財務会計をちょっと勉強していたりすることもあって、観てみたいと思った次第。

ライバル会社の風説の流布によって自社株が暴落、破綻した証券会社に勤める若き証券マン(シャイア・ラブーフ)が、その事件がきっかけで自殺した師でもある社長の復讐を果たすべく、相手方の社長の誘いを受ける。彼のアドバイザーとして登場したのが、恋人の絶縁状態にあった父であり、伝説の投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)。それぞれの野望と陰謀に、米国全体の欲望の暴走がもたらしたサブプライムショックが襲いかかり・・・というストーリー。基本的には会話劇なのであまり派手さはありませんが、その分緊迫感のある演出で魅せてくれる映画です。
主演は『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』でインディ・ジョーンズの息子役を演じたシャイア・ラブーフ。『クリスタル~』ではインディを受け継ぐ新世代の役どころだったにも関わらず、脚本的にも演技的にも美味しいところを全てハリソン・フォードに持って行かれてしまっていましたが(笑)、今作では主演らしくビシッと決めてくれていました。が、今回も存在感では前作の主役であるマイケル・ダグラスにやっぱり敵わず(´д`)。この人は損な役回りが多いなあ・・・。

この映画のテーマは「モラル・ハザード」(よく誤用される「倫理観の欠如」のことではなく、金融機関がいざというときの公的資金注入を念頭に置くことで、自律を失った状態)に尽きるでしょう。これをベースとした 2000 年代アメリカの不動産バブルを描くことで、欲望がもたらすものが何かを視聴者に問いかけているのだと思います。それも、登場人物の誰かの視点に偏りすぎず、欲望の権化であるゴードン・ゲッコーさえも客観的に描写していることに、強いメッセージ性を感じました。

単独の作品としても面白い映画だとは思いますが、根本的なテーマとしてはやはりオリジナルの『ウォール街』から続いている作品なんだろうな、というのを観ていて強く感じました。これは旧作のほうも観ないといけないなあ。

投稿者 B : 00:35 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック