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2014/12/28 (Sun.)

インターステラー @109 シネマズ川崎

かなり乗り遅れ気味ですが、ようやく観に行ってきました。

インターステラー

インターステラー

観た人の評判がすこぶる良かったのでずっと気になっていた映画。ただ、上映時間が 3 時間に及ぶとなるとなかなか時間も取れず、この時期になってしまいました。劇場は、こういう作品は絶対に大画面で観た方がいいと思ったので、IMAX(2D)を選択。

異常気象により人類滅亡の危機にある近未来の地球。主人公である元宇宙飛行士クーパーは、科学好きで勘の良い娘マーフとともに何者かからのメッセージを受け取り、そのメッセージが示す地点に赴く。そこはかつて解体されたはずの NASA の秘密基地で、クーパーは NASA の研究者たちとともに土星付近に出現したワームホールを通り、外宇宙に人類が移住可能な惑星を探す旅に出る...という壮大なストーリー。SF 好きにとっては定番中の定番、ど真ん中ストレートの SF 映画です。

この映画を観て感じたのは、映像表現が『2001 年宇宙の旅』を下敷きに、現代科学と映像技術を使って現代版の『2001 年~』を作ろうとしたんだろうな、ということです。それくらい、宇宙に関する表現が他の SF 作品とは次元の違う美しさと確からしさ(自分で宇宙に出たことがないので「理論的に正しいだろう」という想像しかできないわけですが)を備えています。ただ『2001 年~』と大きく違うのは、『2001 年~』は(冷戦時代という背景はありながらも)明日は今日よりもきっと良い日、という期待に溢れたポジティブな時代であったのに対して、現代は様々なことに閉塞感がある、抑圧された時代であるということ。映画の世界観が現代の延長線上にあると思えることで、この映画そのものが閉塞された現代から未来への希望を繋ぐ方舟のように感じられます。

『2001 年~』の終盤は説明を省いた抽象的かつ哲学的な映像表現で人間がスターチャイルドに進化する過程が描かれましたが、本作は(似たような要素はあるものの)ラストはクーパーたちの所期の目的がどうなったか、をちゃんと描いているので、納得感のあるラストになっています。『2001 年~』のほうは自分なりの解釈ができるようになるまで 5 回は観る羽目になりましたから!(ぉ
ただ、この映画は最新鋭の SF 作品でありながら、その本質は親子愛を描いています。外宇宙探索はそれに説得力を与えるための周辺設定、と言っても過言ではないくらい。この映画は、子を持つ親か否かで大きく異なる感想を持つのではないでしょうか。我が子を含む人類を救うために、我が子と二度と会えなくなる可能性が高い旅に出ることができるか?仮に私がその状況に置かれたら、どういう答えを出すだろうなあ。

結局、3 時間という長丁場にもかかわらず、最後まで気が抜けることなく没入してしまいました。この映画はやっぱり IMAX で観て正解でした。視野がほぼ全て宇宙になるスクリーンと臨場感のあるサラウンドが最適。Blu-ray も買うでしょうが、自宅ではこの感覚は得られないでしょう。

今年いろいろ観た映画の中でも、この作品がベストだったと言って良いでしょう。そろそろ上映期間も終わりに近づきつつありますが、まだの方はこのお正月休みにでも観てみることをお勧めします。

投稿者 B : 23:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/26 (Fri.)

『機動戦士ガンダム UC FILM&LIVE the FINAL』が BD 化

「機動戦士ガンダムUC」完結記念、音楽&映像&生朗読の融合ライブがBlu-ray化 - AV Watch
機動戦士ガンダム UC FILM&LIVE the FINAL "A mon seul desir" [Blu-ray]

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うわああ、これ BD 化するんですか。UC は最後までファンの財布から絞れるだけ絞ってきますね(;´Д`)ヾ。

今年 7 月に開催されたガンダム UC のコンサートイベント『機動戦士ガンダム UC FILM&LIVE the FINAL "A mon seul desir"』。私は運良くチケットが入手できたので聴きに行きましたが、確かに良かった。澤野弘之の音楽が生演奏で聴けるというのも嬉しかったですが、ep7 のラストシーンでミネバ・ザビが演説しながら胸に秘めていた願いをこのコンサートの中でモノローグとして朗読する、というのが特に感動的でした。このミネバの想いを想像しながら観るかどうかで、ラストシーンに抱く印象はずいぶん違ったものになると思います。

それにしても、今まで新エピソードの公開に合わせて行われてきたイベントは基本的に BD やゲームの特典映像として収録されたり ANIMAX で放送されたことはあっても、パッケージ作品として単品販売された例はありませんでした。今回は関連する映像作品やゲームの発売がないという背景もあるでしょうが、主要な楽曲の網羅性も高く、かつコンサートとしての完成度も高かったことで、単品発売に至ったのではないでしょうか。
私は 3 階席で残念ながらステージがよく見えなかったので、この BD は購入して改めて堪能したいと思います。ただ、生演奏の良さは現地にいないと味わえなかったわけで、そういう意味では貴重な体験ができて良かったです。

そういえば、朗読劇『白の肖像』については予告だけした後は音沙汰がありませんが、企画は進んでいるのでしょうか...?

投稿者 B : 23:35 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/17 (Wed.)

孤独のグルメ Season4 Blu-ray BOX

「おいおいおい、ここ、ひょっとしてひょっとする店なんじゃないの?」

孤独のグルメ Season4 Blu-ray BOX

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ドラマ『孤独のグルメ Season4』の Blu-ray BOX が発売されました。当然、今回もちゃんと買ったわけです。

7~9 月クールに放送されて年末に BD 発売、というのは去年と全く同じなので、ちょっとした既視感。

孤独のグルメ Season4 Blu-ray BOX

デジパック+ふろく冊子という構成も、Season1 から伝統的に続いてきているスタイルです。

孤独のグルメ Season4 Blu-ray BOX

劇中に登場した料理をあしらったピクチャーレーベルも健在。Disc 1 は箱根のステーキ丼ですね。これ、写真を見るだけで腹が減って、また食べたくなるんだよなあ...。

ただし、残念なことに特別番組として放送された「真夏の博多出張スペシャル」は本 BD-BOX には未収録でした。ちゃんと録画してあるからいいけど、これがないとちょっと寂しい。

孤独のグルメ Season4 Blu-ray BOX

毎回少しずつ趣向を変えてくる特典映像、今回はこんな感じ。メイキング映像は 1 時間にも及ぶ大作で、今やこのために BD-BOX を買っていると言ってもいいほど。Season4 ともなると松重さんとスタッフの間柄も慣れたもので、カットがかかった瞬間に面白いことを言い始める松重さんが面白い(笑。実食シーンは、それまで食事抜き状態で撮影に挑んだ松重さんが演技をしながらもマジ食いし、カットがかかった瞬間に表情が綻んで「これうまいね~!!」というのがまたいい。

また、撮影も箱根での五郎のブランコジャンプが松重さんのアドリブで生まれたシーンだったり、銀座の「なじみ亭」では当初外のシーンの予定だけだったところが雨のため急遽店内のシーンが追加されたり、日間賀島では初日が雨で寸劇シーンがまともに収録できず、五郎が自転車で島を疾走するシーンは翌朝 5 時から撮ったものだったり、まさに「現場は生き物」であることを実感できます。でも、どのシーンも本当にみんな楽しそうなんだよなあ。

あと、まさかの「ふらっと QUSUMI」未公開シーン集まで収録されているという豪華さ(笑。番組のファンであればこの豪華さが解るに違いない。

孤独のグルメ Season4 Blu-ray BOX

ふろく冊子の恒例「吉見 P のロケハン日記」も Season3 までとは明らかに趣が異なります。もう最初から最後までスケジュールがみっちり!
それもそのはず、去年までのロケハンは基本的に吉見 P が一人でやっていたのが、今年は製作スタッフ総出で、それも 1 月から始動していたとのこと。このロケハン日記に書かれている実績もかなり省略してこれ、という状況のようです。今やテレ東の看板ドラマのひとつになってしまいましたし、ともすると「マンネリ」と言われかねないし、お店はお店でこどグルの取材が来たら対応しきれないところも少なくないだろうし、ロケハンや取材交渉も一筋縄ではいかないということでしょう。

孤独のグルメ Season4 Blu-ray BOX

そして今回の付録は箸置き(笑。なんか雰囲気がカプセルトイと通ずるものがありますね。

まだ流しでしか観られていませんが、これは年末年始にじっくり楽しみたいと思います。ただ年末年始はこれを観てうまいものが食べたくなっても、開いていない店が多いのが問題なんだよなあ(´д`)。

投稿者 B : 23:58 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/15 (Mon.)

楽園追放 -Expelled from Paradise- [Blu-ray]

いやマジで、円盤の発売にこんなに振り回されたのは久しぶりですよ。

楽園追放 -Expelled from Paradise- 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

楽園追放 -Expelled from Paradise-

ええ、発売日に Amazon から konozama されたクチですが何か(´д`)。

発売日 1 週間前になって Amazon から「お届け予定日:12/14-16」というメールが届いて焦り、これは前日にヨドバシに行ってフラゲするしかないか...と思って退社後にヨドバシ川崎に行ってみたら、発売前日にもかかわらず完売!発売前日に完売なんて前代未聞だろう、と駅向こうのビックカメラに行っても跡形もなく。そしてなぜか仕事上がりのクマデジさんと川崎駅周辺の販売店を手分けして探したものの、結局どこでも手に入らず(その節はありがとうございました)。

最終的にそのまま Amazon からの発送を待つことにしたら、予定日よりも早く(ただし発売日は過ぎて)12/12(金)に自宅に届きました。が、週末はなんだかんだ忙しくて観る時間が取れず、今ようやくざっと流し観たところです。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

買ったのはもちろん完全生産限定版。同梱物は、主題歌『EONIAN』の英語版を含むサウンドトラック CD、虚淵玄によるシナリオ決定稿冊子、そして劇場販売のパンフレット縮刷版の三種。パンフレットは劇場でも売り切れ続出で私も買えていなかったので、実質パンフの価格分=通常版と完全生産限定版の差額になっていることを考えれば、悪くない買い物かと。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

パンフレットは 72P(表紙含む)という大作で、これはもう映画のパンフというよりちょっとしたムックと呼べるレベル。監督やキャストへのインタビュー、設定画集はもちろんのこと、3D 作画系のスタッフにまでしっかりとインタビューを取っており、かなり読み応えのある内容になっています。単なる鑑賞記念にとどまらず、これは劇場で売り切れるのも理解できます。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

3DCG のキャラクターにまるで手描きアニメのような表情を与えたフェイス UI の解説まであって、これだけでもパンフを読む価値があるというもの。
ちなみに BD の特典映像には約 30 分におよぶメイキング映像も収録されています。これがパンフレットよりもさらに深掘りした内容になっており、とても面白い。通常、メイキングというと苦労話とか浪花節っぽい内容になりがちですが、徹底してこの作品における表現の意図とその実現手法にフォーカスしていて、アニメーション製作技術という側面から本作の理解を助けてくれます。

そういうのも踏まえ改めて本編を BD で鑑賞すると、初見時には気づかなかったいろいろな発見があってさらに楽しめますね。ディーヴァとリアルワールドの風景の描写の違いとか、キャラクターの細かい動きに込められた意図とか。この作品はやっぱり BD で繰り返し味わうのに向いている作品だと思います。が同時に、BD で細かい部分が見えてくると、改めて劇場の大画面でもう一度鑑賞したくもなってきます。劇場公開中に BD が発売されると、そういう楽しみ方ができるというのは新しいかも。上映が続いているうちに、もう一度くらい観に行きたくなってきました。

楽園追放 -Expelled from Paradise- 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

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投稿者 B : 23:47 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/13 (Sat.)

ホビット 決戦のゆくえ @TOHO シネマズ日本橋

ホビット 決戦のゆくえ

ホビット 決戦のゆくえ

本日封切りのところ、さっそく観に行ってきました。劇場は最近お気に入りの日本橋、当然 TCX&ドルビーアトモスによる 3D 字幕版にて。

二作目のラストがものすごくいいところで終わってしまったので、今作は前置き的なものも何もなく、いきなりその続きから始まります。
火竜スマウグとの戦いがかなり盛り上がるんだろうなと思っていましたが、確かに盛り上がったものの、思ったよりもあっさり。二作目であれだけ引っ張ったのならスマウグをもう少し見せてくれても良かったのに、と思います。ただ、むしろその後の展開のほうが密度が濃く、全体を通した「お腹いっぱい感」は十分。三部作の完結編だけのことはありますね。

結局最後まで主要キャラがほとんど死ななかった LOTR とは違い、今作では辛いシーンがかなり多い。しかも重要なキャラが死んでいったりするので、最後までハラハラドキドキ、観ていて肩が凝ったほどです。まあ、この後に LOTR が続くわけで、少なくとも LOTR に出てくるキャラは死なないと思える分には安心感がありますが...。

『決戦のゆくえ』のサブタイトルどおり、もう序盤からラストまでバトル続き。前二作にあったようなコメディシーンもほとんどなく、緊迫したシーンが続きます。
戦闘シーンは二作目とは違って『LOTR』シリーズらしい多対多の乱戦が中心。例によってトーリン無双、レゴラス無双、そして魔法使いなのに物理で殴りまくるガンダルフ無双(笑)です。そんなわけで映像も見慣れた雰囲気ですが、戦闘シーンに仕込まれたギミックが従来のシリーズのものより凝っていて、「えーそこからそうやって攻撃するの!」的な驚き...を超えて逆に笑ってしまうような場面も多々ありました。どういうことかというと、

あ...ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは 『戦国無双』をプレイしていたと思ったら いつのまにか『ワンダと巨像』をプレイしていた」
な...何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった...
という感じ(ぉ。説明しても解らないと思うので、答えはぜひ劇場で(笑

画音質の話をすると、こういう広さのある舞台に多数のキャラクターが動き回る映像は TCX 向きだし、ドルビーアトモスも必要以上にサラウンドを意識させることなく、戦闘のその場に自分がいるかのような臨場感を自然に演出してくれていました。この映画こそ、TCX+ドルビーアトモスで観るべき、と言えるのではないでしょうか。これはそんじょそこらのホームシアターでは再現しきれないはずです。

2 時間半という長丁場でしたが、途中でだれることなく、疲れを感じることもなく走りきったような上映でした。観終わった後にどっと疲れを実感したのは、鑑賞中ずっと緊張していたからでしょう。
三部作の完結に相応しい仕上がりだと思います。ストーリーに詰め込みすぎ感がない分、LOTR よりもとっつきやすくはあるのかも。ただ、これを観たことでまた LOTR を最初から観返したくなりましたが、BD-BOX を最初から観ると 12 時間コースなんだよなあ(´д`)。

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/07 (Sun.)

EAMES FILMS: CHARLES & RAY EAMES

EAMES FILMS: チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD]

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「イームズ」といえば、インテリアデザイナー、特に椅子のデザイナーとしてあまりにも有名で、ちょっとお洒落なオフィスやショールームであればかなりの確率でイームズのチェアが置かれています。でも彼ら(夫婦で活動していたそうです)の活動は単なるインテリアデザインにとどまらず、グラフィックデザインや映画製作など、かなり多岐にわたっていた、ということを最近初めて知りました。この映像作品集の存在も最近まで知らなかったのですが、デザイン界隈の人にはかなり有名だそう。

中でも特にインパクトが強いのが「POWERS OF TEN」という、科学的な映像作品。

ピクニック場で昼寝をしている男性の俯瞰視点から、10 秒ごとに 10n メートルずつカメラが引いていき、次第に地球の大気圏を抜けて宇宙へ、そして銀河の外へ...と出ていきます。宇宙の果てまで到達したところで、今度は逆に 10 秒ごとに男性の肉体を 10-n メートルずつ拡大していき、人間の組織から細胞、そして原子サイズへと突入していきます。この宇宙は相似形の連鎖でできていることを、一目瞭然に見せてくれます。
ほんの 10 分にも満たない短編ではありますが、科学を映像化したという意味でも、映像の美しさという意味でも、どこか『2001 年宇宙の旅』序盤の無重力空間の表現を彷彿とさせます。SF 好きならばグッと来るのではないでしょうか。

個人的に印象深いのが、引きのシーンである時点までは星が止まって見えるのに、ある瞬間からはその星々が銀河という単位で認識できるようになり、宇宙は銀河の集まりでできている、と解ること。無限後退的な見方ではありますが、示唆に富んでいる見方でもあります。例えば物事を引いて見たときや中に入り込んで見たときに、ある深さまでは見え方があまり変わらないけど、ある閾値を越えると急にその物事を覆っている違う構造が見えてくる、というように。

この映像のオリジナル版が作られたのが、アポロ 11 号が月面に到達する前年の 1968 年。カラー版の製作は私が生まれたのと同じ 1977 年、という時間を考えると、映像表現としては確かに画期的。今でも多くの人に語り継がれる理由が分かる気がします。

投稿者 B : 22:57 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/04 (Thu.)

映画『寄生獣』 @TOHO シネマズ日本橋

映画『寄生獣』

寄生獣

TCX スクリーンにて鑑賞。

漫画『寄生獣』を読んだのは確か、大学時代に部室に単行本が一式置いてあったからじゃなかったかな。何気なく手に取ってみたら引き込まれ、一気に読まされてしまったのを覚えています。描写はグロいし展開はハードだけど、いろいろ考えさせられる哲学的な内容で、それまで読んできた漫画とは一線を画する作風が強く印象に残りました。
その『寄生獣』が映画化するというので...基本的にコミック原作の日本映画には否定派な私ですが、気になるわけです。で、平行して放送されているアニメ『寄生獣 セイの格率』のほうを試しに見てみたら、思っていたより全然悪くない。これなら、映画もそこまで悪くないだろうと思って、映画館に足を運んでみました。

映画は前後編の二部構成。後編は来年 4 月公開予定とのことです。前半は、パラサイトの登場から「島田事件」~広川登場まで。人間社会にパラサイトの存在が公知となるまでが描かれており、後編では人類とパラサイトの全面対決が描かれることになるようです。
物語は前後編の 4 時間に収まるようかなり改変が加えられています。けっこうな数のキャラクターやエピソードが省略され、話の順序や設定まで含め大胆に再構成されているにもかかわらず、それほどひどい改悪という印象はなく、むしろうまく組み直してきたように思います。まさかアイツがアイツになる、なんて設定変更は予想していなかったので驚きましたが...。全体的に母性というか母子の関係性に焦点を当てた脚本になっていて、原作とは少し違うメッセージ性が込められています。

難点を挙げるとすれば、主役の三人かなあ。新一と里美の二人は現代風のキャラクターになっていて原作ほどの重みが感じられないし(逆に今の若者からは感情移入しやすいのかも)、何よりミギーの声が「ミギーらしくない」。阿部サダヲという俳優自体は個性的で好きなんですが、ミギーを演じるにはコミカルすぎで、感情が前面に出過ぎな印象。役回り自体が原作とは違ってマスコットキャラ寄りに位置づけられているようですが、もっと抑揚のない冷たい声で無感情に喋るほうが合っていると思います。そういう点では『セイの格率』の平野綾の声のほうがハマッていますね。

でも脇を固めている俳優陣は錚々たる顔ぶれだし、映像は全体的に重いし、戦闘シーンはかなり原作イメージ通りだし、『寄生獣』の実写映画化としては成功と言えるレベルだと思います。個人的には、ホラーは嫌いじゃないけどグロが苦手なので、漫画やアニメ以上に直視できないシーンがちょっと多かったですが...。

ここから後編はどういう展開になっていくのか。楽しみな反面、前編のテーマ改変具合からすると、もしかするとヒューマンドラマ寄りのオチにされてしまいそうなのがちょっと不安ではあります。必ずしもスッキリしない、深く考えさせられるラストになっていてくれるのを期待しています。

投稿者 B : 23:00 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/11/30 (Sun.)

楽園追放 -Expelled from Paradise- @新宿バルト 9

楽園追放 -Expelled from Paradise-

楽園追放 -Expelled from Paradise-

劇場公開されるまで完全にノーマークだった映画ですが、観て来た人たちが口を揃えて「面白かった!」と言っていたので、急に気になって観て来ました。

脚本は『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄、監督は『機動戦士ガンダム 00』の水島精二、という実力派によるタッグ。声の出演もメインどころが釘宮理恵、三木眞一郎、神谷浩史という現代を代表する声優陣が務めています。これだけ豪華なのに全然チェックしていませんでした...。

物語は未来の地球圏。人類は荒廃した地球を棄て、さらには肉体も棄てて精神をデータ化し、仮想世界「ディーヴァ」で生活していた。そこにある日「フロンティアセッター」を名乗るハッカーが不正アクセスを仕掛けてきた。フロンティアセッターは荒野となった地球からアクセスしてきていると思われ、ディーヴァの捜査官アンジェラ・ザルバックは培養された肉体マテリアル・ボディに精神データを移し、地球に降下する...。
ストーリーはいかにもな SF。『マトリックス』と『2001 年宇宙の旅』と『ガンダム 00』を混ぜ合わせたような世界観で、特に予備知識がなくとも物語に入り込め、また SF 好きのツボを突いてきます。ただ、序盤でいきなり予想される展開を裏切ってくるのが虚淵脚本。世界観と登場人物の説明的なくだりが終わり、ここからグリグリ動くロボットアクションが始まるのかと思った次の瞬間には、全く違う話が始まります。

この作品の技術的な見どころは、全編 3DCG によるセルルックアニメーションで製作されていること。最近ではアニメにセルルック CG が使われることがかなり増えており、動きの多いシーンなどではもはや手描きアニメを凌駕している部分もありますが、ほとんどの作品で 3DCG はあくまで手描きアニメの補完として使われるに留まっています。一部でフル CG のアニメ作品というのもありますが、アクションシーンならともかく普段の芝居のシーンでは逆に不自然さが出ていることも多く、全編セルルック CG ってどうよ...と思っていたのは事実。が、本作では芝居のシーンでもちょっとした仕草や顔の表情がちゃんとセルアニメ的に作り込まれていて、観ていて 3DCG であることを忘れそうになるほどです。ただ、あまりによく動くが故に、却って動きがカクついて見えるところもありましたが、それも途中から気にならなくなりました。これはもしかしたら、この作品が日本のアニメーション製作のターニングポイントになるのかもしれません。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

話の展開は今までに何かの SF 映画やアニメ作品で見た覚えがあるようなものの組み合わせのような感じで新鮮味はありませんが、だからこそ安心して登場人物たちのドラマとクライマックスのアクションに集中することができるというものです。虚淵脚本なのに鬱展開への切り替わりがないのが最大の裏切り、かもしれません(笑。チョイ役の声優さんに至るまで超豪華で、カレーとハンバーグとエビフライがいっぺんに出てきたような、「こういうのが観たかったんだろ?んん?」と言われているようなあざとさはちょっと気になりましたが、2 時間足らずという短い時間でお腹いっぱいにしてくれるだけの密度をもった王道の SF 作品に仕上がっています。全体的にガンダム 00 風味ではありますが(笑。

SF 好きならばこれは観ておいて損はないと思います。私はもっと細かいところまで観てみたいので、来月発売される BD も買おうかなと。

楽園追放 -Expelled from Paradise- 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

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投稿者 B : 22:30 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/11/22 (Sat.)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 青い瞳のキャスバル』公開日決定

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」第1話が'15年2月にイベント上映。BDの先行販売も - AV Watch
機動戦士ガンダム THE ORIGIN

アニメ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 青い瞳のキャスバル』の公開日が来年 2/28 に決定しました。公開方法は UC のときと同様、イベント上映+VOD 配信→後日 BD 発売、という形になります。

ずっと気になっていたキャストもようやく発表。

  • シャア・アズナブル(青年期):池田秀一
  • キャスバル・レム・ダイクン(少年期):田中真弓(『天空の城ラピュタ』パズー)
  • アルテイシア・ソム・ダイクン:潘めぐみ(『ハピネスチャージプリキュア!』キュアプリンセス)
  • ジオン・ズム・ダイクン:津田英三(洋画吹き替え多数)
  • アストライア・トア・ダイクン:恒松あゆみ(『機動戦士ガンダム 00』マリナ・イスマイール)
キャスバル少年の配役は本当に意外なところになりました。ラピュタのパズー、ドラゴンボールのクリリン、ワンピースのルフィなど主役級を張る大御所ではありますが、パズーが声変わりしてシャアになる、というのはちょっと想像できない(;´Д`)。公式サイトで公開されている最新版 PV に少しだけ声が出ていますが、明らかにキャスバルというよりルフィですね...。映像として完成された際には、もう少し違和感がなくなるのでしょうか。やや不安ではあります。 アルテイシア役の潘めぐみさんは、かつてララァを演じていた潘恵子さんの娘さん。親子でファーストガンダムに携わるというのが、35 年の歴史を感じさせます。

その他のキャストは、ギレン役は安定の銀河万丈氏。ドズル役が玄田哲章氏でないのはちょっと意外でしたが若々しさを出したかったのでしょうか。初登場となるジンバ・ラル役は二代目波平で知られる茶風林氏。ハモン役の沢城みゆき氏(『ヱヴァンゲリヲン:Q』の鈴原サクラ、『化物語』の神原駿河など)というのも意外でしたが、最近では峰不二子役もこなしていたりするし、確かに若い頃のハモンというのは納得です。

新 PV を見ると、作画は思っていたほどは重々しくなく、安彦良和氏が描く表情豊かなキャラクターをうまくアニメ化している印象。安彦氏自身が総監督を務めるわけだから、当然ですが。音楽担当として発表された服部隆之氏は、三谷映画の劇伴のイメージが強いですが、荘厳さとコミカルさが共存する安彦画の抑揚とうまくマッチしそうです。

商業的な展開手法は UC と同様ながら、作風としては UC とはずいぶん違った映像作品に仕上がりそう。公開まであと 3 ヶ月余り、今から楽しみでなりません。

安彦 良和 / 愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN V -シャア・セイラ編-

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投稿者 B : 12:00 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/10/11 (Sat.)

グッドモーニング,ベトナム

グッドモーニング,ベトナム

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2 ヶ月前に急逝したアメリカの名優、ロビン・ウィリアムズの代表作のひとつを観てみました。

同氏出演の映画では『グッド・ウィル・ハンティング』が大好きなんですが、むしろこの『グッドモーニング,ベトナム』のほうが、ロビン・ウィリアムズ本来の持ち味が出ています。独特の節回しが印象的なマシンガントークが活きるコメディ、でありながら、観る者に深い感動を与えるヒューマンドラマ。そんな作品です。

ベトナム戦争当時、戦地に送り込まれた空軍兵の DJ、クロンナウア(ロビン・ウィリアムズ)。彼のやや下品ながらも風刺の効いたトークが兵士たちの心をとらえ、人気を博すものの、軍の規律を重視する上官たちとの折り合いは悪化。いっぽうで、現地民の少女に一目惚れしたことをきっかけに、ベトナム人たちとも分け隔てなく付き合い、少女の兄・ツアンを親友と認めるようになっていきます。そんなある日、クロンナウアがビールを飲んでいたバーで爆弾テロが発生、その事件の情報を隠蔽しようとした軍部に反抗して、自身のラジオ番組内で事件のことを伝え...。
クロンナウアのラジオでの喋りは、下ネタが苦手な私にとってはちょっとうんざりするほど下品な内容でしたが(笑、故に軍やアメリカ・ソ連に対する皮肉が効いていて、たたみかけるようで妙にリズミカルな喋りも相まって、次第にクセになっていく感覚があります。それに合わせた映像も、力任せに感動させてやろうというものではなく、一見何気なく見えるけどじわりと来るものが多く、強く印象に残りました。特に、戦線が拡大していく映像の背景に流れる音楽がルイ・アームストロングの "What a Wonderful World" だったときには、何とも言えない気持ちになりましたね。

ベトナム戦争を題材にした映画というと『地獄の黙示録』を筆頭に重苦しい作品が多く、今までは敬遠していましたが、これはそれらの映画とは違い、反戦とは少し違った切り口から平和...というより、人と人とがわかり合うことの大切さを描いた名作だと思います。戦闘を直接描かなくても、戦争をテーマにしたこんなにいい映画が作れるものなんですね。
今さらではあるけれど、ロビン・ウィリアムズの出演作、他にもいくつか観てみようかなあ。

投稿者 B : 23:13 | Foreign Movie | Movie | コメント (4) | トラックバック