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2014/01/16 (Thu.)

真夏の方程式 [PlayStation Store]

真夏の方程式

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年末に発売・レンタル開始したばかりの作品で、もう一度観たいと思って TSUTAYA に行ったらやっぱり軒並み貸出中(´д`)。仕方がないのでネット配信で観るか、ということで、PlayStation Store のビデオストアで有料コンテンツを初めてレンタルしてみました。

劇場で一度観た作品ですが、その後原作を読んだこともあり、原作を知った視点でもう一度映像を見てみる価値はあるかな、と思い。原作との対比として見ると、一部の設定(登場人物)やエピソードが大胆にカットされていて、でもその分人間ドラマのほうに集中できる脚本になっているのだなあ、というのがよく分かります。ミステリーで重要な犯人捜しや謎解きの要素が薄れているのはミステリー好きとしてはちょっと物足りませんが...、ミステリーとしてではなく家族愛のひとつのありかたを描いた作品として、ある完成形を見せているなあと。原作よりもこの映画の方が好き、というファンも少なからずいそう。
でも、個人的にはこの作品の最大の見せ場はクライマックスではなく湯川と少年の心の触れ合いを描いた、中盤の「実験」のシーンだと思いますね。映像的にもじっくり作り込んであって、鑑賞後にあのシーンと玻璃ヶ浦の情景が最も心に残る、というのが製作サイドの狙いではないでしょうか。

今回は PS3 を経由して PlayStation Store での HD 配信をレンタル視聴しましたが、これが HD 版でもせいぜい 720p 配信でしかなく、解像感的にはもう一声、という感じ。DVD よりは明らかに解像感がありますが、BD に比べると今ひとつシャッキリしない。
今回はテレビでの扱いやすさ(PS3 なら常にテレビに繋がっている)から PS Store を利用しましたが、iTunes Store のほうは 1080p 配信にも対応しているので、玻璃ヶ浦の美しさを堪能したければ iTunes Store のほうが正解だったかも。今度買うほどではない映画を観るときには、PC をテレビに接続して iTunes Store を利用してみようかと。

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2014/01/10 (Fri.)

笑の大学 [DVD]

小説『清須会議』を読んだ流れで、三谷幸喜の世界観に浸りたくなってしまい、正月休み中に TSUTAYA で借りて鑑賞。

笑の大学 スタンダード・エディション [DVD]

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三谷幸喜監督作品ではなく、三谷幸喜原作・脚本の舞台を映画化した作品です。

第二次世界大戦前夜の昭和 15 年を舞台に、ある喜劇の台本の検閲を巡って繰り広げられる検閲官と脚本家のやりとり。「戦時に笑いなど不謹慎」と台本から笑いの要素を排し、戦意高揚を促す決まり文句を入れようとする検閲官・向坂(役所広司)と、直しを入れられても入れられても、要求には応えつつももっと笑える台本に書き換えてくる脚本家・椿(稲垣吾郎)。このやりとりを繰り返すうち、いつの間にか二人とも台本を直すことそのものに夢中になってしまい...というストーリー。あちこちに三谷幸喜らしい笑いが鏤められているのはもちろんのこと、生まれてこの方笑ったことがない、生真面目を絵に描いたような検閲官を演じる役所広司の、真面目であればあるほど面白い、という役どころもいかにも三谷幸喜。
でも、三谷映画と違うのは脚本がいかにも舞台的で、芝居もあえて舞台っぽさを残しているところ。手触りとしては、同じく三谷舞台の映画化である『12 人の優しい日本人』に近いものがあります。こうやって比べてみると、三谷幸喜は舞台と映画では手法を分けているんだなあ、というのが判ります。

この作品の見どころは、何と言っても役所広司の芝居に尽きるでしょう。厳格な、それも戦時中の警察官の強さと、途中からコミカルに変わっていく芝居のメリハリが面白い。それに対して稲垣吾郎の芝居はイマイチでしたが(笑、ほぼ全編二人芝居に近い状況の映画でここまで引き込まれたのは、やはり芝居の力が大きいと思います。
ラストはこれも小劇場っぽいもの悲しさが漂う結末でしたが(エンドロールの映像を見るに、最終的にはハッピーエンドだった、という解釈もできそう)、喜劇、という以上に芝居として面白い作品だと思います。三谷映画とはちょっと毛色の違う作品ですが、ファンならば見ておいて損はないでしょう。

この脚本、もともとは「二人芝居」の体裁の作品だったんですね。映画化にあたって登場人物が増やされたようですが、二人芝居の密室劇、という舞台ならでは、かつ三谷脚本が最も活きるシチュエーションの作品と言えるでしょう。舞台版では向坂を西村雅彦が、椿を近藤芳正が演じていたということで、これも観てみたかった。あまり流通していませんが、舞台の DVD も発売されているようなので、これはちょっと買ってでも観てみたいかも...。

笑の大学 [DVD]

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2013/12/05 (Thu.)

孤独のグルメ Season3 Blu-ray BOX

「俺ってつくづく酒の飲めない日本人だな...」

孤独のグルメ Season3 Blu-ray BOX

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ドラマ『孤独のグルメ Season3』も待望の Blu-ray BOX が発売されました。ここまで Season1Season2 と買ってきたので、もうドラマが続く限り買う所存(ぉ
まあ本放送のときに全て録画してあって、BD になったからといって画質が上がるわけでもありませんが、ドラマ続編製作に向けたお布施ですよこれは。

孤独のグルメ Season3 Blu-ray BOX

Season1 から変わらぬデジパック仕様で、そろそろ 3 シーズン分並べるとスター・ウォーズやロード・オブ・ザ・リングなど、私の大作映画 BD-BOX コレクションにも引けを取らない感じになってきました(笑。

ただ、ジャケットデザインの方向性は毎回がらっと変わっていて、今回は見るからに合成。ジャケット再現ロケができないというのは、それはそれで寂しいものがあります(ぉ

孤独のグルメ Season3 Blu-ray BOX

封入特典はコースター。今までの特典と比べるとちょっとインパクトが薄いかな...。

BD のピクチャーレーベルは相変わらず見事で、もうディスクをプレイヤーに入れる前からお腹が鳴ってきます。

孤独のグルメ Season3 Blu-ray BOX

シリーズを経るごとに豪華になってきているのが特典映像。今回は、第 8 話の鶯谷回のときに実施されたニコ生での実況の様子がビジュアルコメンタリーとして収録されています。この回、ニコ生も観てていたんですが、ドラマ本編のほうに集中していたのでニコ生はあまり覚えてないんですよね(笑。今改めて観るか...。

とりあえず、特典ディスクだけざざっと観ましたが、メイキング映像はだんだん内容が厚くなってきましたね。むしろこれのためにわざわざ BD-BOX を買っていると言っても過言ではないので、こういうのが嬉しいです。撮影現場の雰囲気がとても楽しそうだったり、井之頭五郎と本当は酒好きな松重豊さんとのギャップだったり。意外と現場でのアドリブで決まっていったり追加されていく部分もあるようで、西尾久の炎の酒鍋回では当初、〆に麦とろだけ食べる脚本だったところが、松重さんの「まだ食えるよ」という提案でとんかつまで食べることにしたという(笑。松重さん自身が、収録で食べることを楽しみにしているんだなあ、ということがよく伝わってくるエピソードだと思います。

孤独のグルメ Season3 Blu-ray BOX

恒例のふろく冊子に入っている吉見 P のスケジュール表は、収録の履歴をベースに BD-BOX の特典用に作られたもののようですが、このロケハンから撮影に至るまでの経緯よりもむしろ実際に取り上げなかったお店がどんなだったかが、妙に気になります。だってカレーラーメンの店を 2 軒もロケハンしているんですよ(笑

私のほうの聖地巡礼は、甘味パートが遠征系の 2 軒を除く東京近郊はもはやコンプ済み、本編の店もそろそろ折り返し地点、というところまで来ました。新潟と伊豆以外は近辺まではひととおり行ったことになるので、それをふまえて BD を観るとまた違った感慨がありますね。これから冬休みにかけてこの BD-BOX で復習しながら、残りの聖地を巡礼する算段を組みたいと思います。

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2013/11/24 (Sun.)

清須会議 @TOHO シネマズ 日劇

清須会議

清須会議

公開を心待ちにしていたこの映画。ようやく時間が取れたので、観に行ってきました。

三谷映画初の時代劇(大河ドラマで『新選組!』の脚本をやったことはありましたが)、それも史実を元にした作品ということで、どんな内容になるか楽しみにしていました。あまり事前情報を仕入れず、かつ日本史も学校の教科書に書いてあるレベルでしか知らないので、史実の「清須会議」についても名前くらいしか知りませんでした。でも、会議ものならば三谷幸喜が得意な密室劇の要素を含むんだろうし、法廷劇に近い部分もあるので、『12 人の優しい日本人』のファンとしては、期待も高まろうというもの。

こういう史実を元にした作品の場合、誰もが結末がどうなるかを知っているわけで、必然的にそのプロセスや関係者の心の動きに注目が集まるわけです。

キャストは、柴田勝家:役所広司、羽柴秀吉:大泉洋、丹羽長秀:小日向文世、池田恒與:佐藤浩市、織田信長:篠井英介、明智光秀:浅野和之など。この時代の話はこれまでもたくさんの映画や時代劇が作られてきたので、そういうものを通じてこれまで築かれてきたイメージがあるわけです。特に信長、光秀、秀吉、勝家あたりはそれぞれの時代を代表する名優たちが演じてきました。それに対して、大泉洋の秀吉はなんとなくイメージあるけど、役所広司は柴田勝家の猛々しいけど知性をあまり感じない、頑固で古い武将のイメージとはちょっと違う。というように、自分のイメージに合っているキャストもあればそうでもないものもあり、期待半分、不安半分という感じでした。
が...実際に観てみると、すごくいいじゃないですか。衣装や一部の特殊メイクによるところもありますが、やはり俳優陣の芝居がいい。秀吉は「一見お調子者だけど実は計算高く、人心掌握に長けた野心家」というイメージが想像通り大泉洋と重なっていたし、一方で役所広司は不器用だけど、実直で想いは強い...という柴田勝家をややコミカルに演じていました。脚本と演出と芝居がいい、というまさに演劇のお手本のような映画だったと思います。個人的には、鈴木京香が演じたお市の方の迫力と、中谷美紀が演じた寧の快活な芝居に圧倒されましたね。まあ、あのお市はどうみても 36 歳ではなかったと思いますが(笑。

時代劇のわりにほとんど殺陣らしい殺陣もありませんが、会話のやりとりと駆け引きで進んでいく、三谷幸喜らしい映画だと思います。大きな笑いがあまりないのでいつもの「三谷喜劇」を期待して行くと肩透かしを食うかもしれませんが、ちゃんと笑いどころは押さえてあるし、いつもはちょっと悪ノリが過ぎる(だから上映時間もやたら長くなる)と感じる部分もあるので、このくらいが実は良い塩梅なのではないでしょうか(笑。奸計が渦巻く清須会議を舞台にしながら、登場人物の誰もを嫌いになれないのは、それぞれのキャラクターがとても生々しい人間らしさを持っていて、どこか共感できる部分を感じるからだと思います。

いい映画でした。BD が出たら迷わず買おう。

三谷 幸喜 / 清須会議

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2013/11/21 (Thu.)

機動戦士ガンダム UC episode 7 公開日発表

「機動戦士ガンダムUC」最終の第7巻は'14年6月6日発売。イベント上映/BD先行販売は5月17日から - AV Watch

待ちに待っていた『ガンダム UC』の最終話、ep7 の公開日が発表されました。BD の通常販売は来年 6 月 6 日、イベント上映と上映劇場での先行販売、およびネット配信サービスでの先行配信が 5 月 17 日から、となります。

原作でも、巻数を重ねるにつれ本が厚くなっていったほど中身が濃い本作の特に最終話。主人公バナージとリディとの対決、フル・フロンタルとの決着、それから「ラプラスの箱」のタネ明かし、とやること満載のこのエピソードをどう収集つけるか興味深いところ。本編はシリーズ最長の 90 分になるようですが、それでも収まるかどうか心配になるレベルですね...。

イベント上映の劇場は一気に倍増して全国 35 会場。北陸は金沢を差し置いて富山と新潟で上映ですよ奥さん!(誰
ep6 のときに開催された世界最速上映会のような特別イベントについてはまだ発表されていませんが、もしあるなら今回も万難を排して応募したいところです。

それにしても、サイクル的には 3 月くらいかなあ、と思っていたら 5 月ですか。今から半年も先なんだなあ...と思っていたら、こんなコメントが。

おおう、「消費税アップ後」という時代の変わり目をまたぐと考えると、またずいぶん先な印象になりますね(;´Д`)。

とにかく今から楽しみでもあり、これで終わると思うとちょっと寂しくもあり。
BD は前回同様劇場で買えれば買うと思いますが、もし買えなかったときのために予約だけポチッとしておこう...。

機動戦士ガンダム UC episode 7 『虹の彼方に』 [Blu-ray]

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投稿者 B : 01:00 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/11/19 (Tue.)

42 ~世界を変えた男~ @イオンシネマ板橋

42 ~世界を変えた男~

プロモーションにお金かかってる映画が多い今季においては比較的地味な作品ですが、ちょっと気になっていたので観に行ってきました。「メジャーリーグ初の黒人選手」としてチームのみならず米野球界に貢献し、殿堂入りを果たしたドジャースのジャッキー・ロビンソンの実話に基づいた映画です。
タイトルになっている「42」は、ジャッキー・ロビンソンの背番号。メジャーリーグに詳しくないので今回初めて知ったのですが、現在はメジャーリーグ全球団の永久欠番に指定されていて、デビュー日にあたる毎年 4 月 15 日にはメジャーの全選手が背番号 42 をつけてプレーするんだとか。こういうの、アメリカらしいロマンがあって、いいですね。

以前も書きましたが、『マネーボール』といい『人生の特等席』といい、メジャーリーグを題材とした名作映画が定期的に撮られ、こうして日本にまで流通してくるというのが、アメリカと日本での野球文化の違いなのだろうなと思います。

舞台は第二次世界大戦後のアメリカ。戦争終結によって当面の外敵がなくなったアメリカ...という時代背景もあるのでしょうが、まだまだ黒人差別が激しく、メジャーリーグも白人だけのものでした。そこに、当時としては革新的な考えを持つブルックリン・ドジャースの GM、ブランチ・リッキーが黒人選手を起用することを考え、ジャッキー・ロビンソンを見出して...というお話。
なぜリッキーが黒人起用に積極的だったかというのは、Wikipedia に記載があります。

リッキーが黒人選手を受け入れることに積極的であった理由としては、ブルックリンにおける黒人の人口の多さや将来的な黒人家庭の中産化を見越した上でのマーケティング戦略と、より効率的な選手の供給源の開拓のためであった。
まあ、今という時代から見るとその考えは真っ当だと思えますが、劇中にも人種差別、思想信条、既得権などさまざまな理由から黒人選手の台頭を忌避するような言動を多くの登場人物が行っていて、「そういう世の中」だったんだなあ、ということが私のような実感のない国民/世代からしても感じ取れます。 とはいえ、個人的な思い入れがあったにせよ(むしろあったからこそ)、その先の時代での白人以外の人種の台頭を感じ取り、新しい市場を開拓しようとしたリッキーの行動には強く共感するところがあります。結局、成熟した市場を存続させるには「変わること」しかなく、慣習や固定概念を守ることよりも「金が回ること」が市場の成長と、それに関わる人の生活(そして、金を求めて優秀な人材がそこに集まってくること)には重要なんですよね。

そんなわけで、私はついついマーケッターの視点で、主役であるジャッキー・ロビンソンよりもむしろブランチ・リッキーに注目してしまいましたが(笑)、ブランチ・リッキーの芝居がまたいい。だってブランチ・リッキー役、ハリソン・フォードですよ?つい 5 年前にはまだまだインディ・ジョーンズ役でやれるところを(ちょっと苦しいけど)見せていたハリソンが、不敵でドライなビジネスマン、だけど本心には誰よりも野球を愛する心を持ち、そのためにジャッキー・ロビンソンを導いていく、という重厚な演技を見せてくれるとは。この演技がこの映画での最大の見どころだった、と言って良いかもしれません。

主役の話に戻すと、ジャッキー・ロビンソンがあらゆる差別に堪え、チームの内外に少しずつ味方を増やしていくプロセスにはジーンと感動するものがあります。が、脚本上は差別や迫害を受けるシーンの直後に必ず誰かが励ましたり助けたりしてくれるシーンがあるので、事前に思っていたほど辛そうに見えない。実際のジャッキー・ロビンソンはこの映画の比ではないほどに苦しんだのでしょうが、映画的には思ったよりあっさり乗り越えられてしまったように見えたのが、物足りないと言えば物足りないでしょうか。

とはいえ、全体を通してみれば、長いけど「観て良かった」と思える、いい映画でした。やっぱり私は、お金だけかかってどかーん、ばかーんとやる映画よりも、こういう映画の方が好きなのだと思います。

投稿者 B : 23:42 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/11/01 (Fri.)

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語 @109 シネマズ川崎

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

前後編の BD-BOX もまだちゃんと観れていないうちに劇場公開が始まってしまったので、観に行ってきました。

TV 版の内容を忠実になぞったまま映像をリメイクした[前編]/[後編]と違い、今回の[新編]は完全なる新作。かつ、[後編]から続く話になる...ということで、期待半分、不安半分で劇場に足を運びました。ネタバレしたくなかったので、事前情報完全シャットアウトで、予告映像すらまともに見なかったくらい(笑。

未見の人もいるでしょうから、できるだけネタバレしないように書きますが、どうしてもイヤな人は私のように何も読まないことをオススメします(ぉ

前半は、おそらくもう TV 版をひととおり観た人であれば「こういうのが観たかった」という流れに違いないでしょう。若干の違和感を抱えつつも、TV 版のストーリーをひととおり知っている人であれば、こういう展開でこそ逆に泣けてきてしまうかもしれません。それくらい、TV 版のファンの心情をうまく撞いた構成だと思います。いや、むしろ物語の起承転結「転」の入口ぐらいまで、ほぼ「こういうのが観たかった」で埋め尽くされていると言って良いかも。それくらい、何を足しても何を引いても完成しなくなってしまう TV 版の続編として「ここしかない一点」だったように思います。
それくらい順目のストーリーである以上は、「あの世界」を作り出したのが誰か、というのは割と予想がついてしまうところではありますが...あんなどんでん返しがあるとは。脚本が虚淵玄だということをすっかり忘れていたよ!(笑

でも、このストーリーは TV 版からこの劇場版[新編]に至るまで、基本的には魔法少女「暁美ほむら」の願いの物語なのだ、と考えると、全てしっくりきます。神と悪魔の表面的な意味ではなく、神と対をなす存在としての悪魔。相手との対比の中で、あるいは他者との違いを認識することで、初めて自分という存在が確立できるということ。鹿目まどかの復活と二人の世界を築くことではなくて、「みんなといる世界」を願い、その結果として「みんなの世界」の外側にいることを選択することになったのは皮肉としか言いようがありませんが、全編を通して見るとその結果も理解できる気がします。あー、やっぱりなんか半分ネタバレっぽくなってしまいましたが(笑

後半の急展開を観たときの印象はヱヴァ『破』あたりに近いものがありましたが、伏線がきれいに回収されている分、「あれはどういうことなの?」というのが少なく、一回でもけっこうお腹いっぱいになれる作りだと思います。ただ、細かい演出にまで意味を持たせていることが多いシリーズなので、二度目、三度目に観ると「ああ、これはこういうことだったのか」と納得できるものがありそう。ヱヴァのように何度も行くつもりはありませんが(笑、二度目は行っても良いかな...。

しかしこれ、いくらでも続編が作れそうな終わりかたでしたね。商業的にはまだまだ続けたいところなんでしょうが、今回のような余韻を残した、解釈の幅の大きな「The End」でも、それはそれでいいような。むしろ、これもこれで何を足しても蛇足にしかならないように思えるので、無理に続けてほしくないかもしれません(笑。

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2013/10/08 (Tue.)

鍵泥棒のメソッド [Blu-ray]

鍵泥棒のメソッド [Blu-ray]

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劇場で一度観た映画ですが、なんかあまり難しいことを考えずに笑える映画が観たいな、と思って、TSUTAYA で借りてきました。堺雅人といえば『半沢直樹』の大ヒットで今や飛ぶ鳥を落とす勢いですが、私は『半沢直樹』は観ていません(^^;;。

この映画を最初に観たいと思ったのは、キャストもさることながら、劇場で香川照之が銭湯で思いっきりすっ転ぶシーンの予告編を見たことがきっかけでした(笑)。主演の三人が、いつもはあまり演じない役どころを演じる、というのも見どころの一つ。三枚目の堺雅人とか、すり切れた感じのネルシャツにジーンズという香川照之とか、そのミスマッチからしてツボ。

ストーリーもじゅうぶんに伏線が張られていて、クライマックスに向けてパズルのピースがひとつひとつ嵌まっていくような構成が、なかなか痛快。この話のオチに途中で気がつく人はそうそういないんじゃないでしょうか。私はすぐに犯人やトリックが判ってしまう陳腐なミステリーは好きではありませんが、本作は完全にやられた感じ。
脚本、演出、演技で笑わせ、観客の裏をかくというコメディの王道のような映画で、私はこういう作りの映画が大好きです。内田けんじ監督の映画って今作が初めてだけど、他の作品も観てみようかなあ。

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2013/09/24 (Tue.)

許されざる者 @新宿ピカデリー

許されざる者

許されざる者

この映画、気になっていたんですよね。何とか時間を作って劇場に足を運んできました。『終戦のエンペラー』もそうでしたが観客の年齢層が高く、私と同世代のお客さんを見つけるのが難しかったほど。映画の時代設定もさることながら、渡辺謙って今やそういう位置づけの俳優なのか...と思いました。

タイトルからも分かるとおり、これはクリント・イーストウッドの代表作でもある同名の映画のリメイク。それも、舞台を明治初期の北海道に移す、という大胆なやり方で日本映画として仕立てています。こういう手法って、ともすると安っぽいものになりかねないものですが、1880 年代の西部と明治初期の北海道、というのが意外なほどにオーバーラップする部分が多く、思っていた以上に違和感がありませんでした。

ストーリーは、ディテールは少しずつアレンジされてはいるものの、ほぼオリジナルに忠実。ああ、これ原作をかなり大切にしながら日本版に焼き直したんだろうなあ、というオリジナルへのリスペクトを感じました。

配役は、イーストウッドが演じた主役を渡辺謙、相棒のネッド(モーガン・フリーマン)にあたる役を柄本明、二人について来る賞金稼ぎの若者役が柳楽優弥(これはあまりにもイメージと違いすぎて、エンドロールで名前を見るまで気がつかなかった)、ジーン・ハックマンが演じた保安官ダゲットにあたる大石一蔵役を佐藤浩市、大石にコテンパンにやられる賞金稼ぎイングリッシュ・ボブ(原作ではリチャード・ハリスが演じた)を國村隼、という、日本を代表する映画俳優陣。映画が始まった時点では、イーストウッドと渡辺謙ではちょっとイメージが違いすぎるし、モーガン・フリーマンに対して柄本明ではちょっと世俗的すぎでは、と思っていましたが、物語が進むにつれ、ガンマンではなく元幕府の伝説の人斬りならば渡辺謙の芯の太さが必要だっただろうし、登場人物の中でもっとも人間くさいキャラである馬場金吾(ネッド)には、日本ではどこか達観した空気をまとったモーガン・フリーマンよりも柄本明のほうが相応しい。そして、渡辺謙と柄本明の関係性が徐々にイーストウッドとモーガンに見えてくるのだから、不思議なものです。
ただ、配役に関して言えば、ジーン・ハックマンが演じた保安官ダゲットの厳格で冷徹なキャラクターに対して、佐藤浩市のイメージがそこまで冷たくなりきれないところだけが、ちょっと違ったかなあ。芝居は良かったですが...。

期待半分、不安半分で観に行った割には、想像以上によくできた作品でした。映像がときに目を背けたくなるほど凄惨で、鑑賞後の後味も必ずしもいいものではない、というオリジナルの手触りをうまく踏襲していると思います。この作品がオリジナルに勝っている部分を挙げるとすれば、「西部・ガンマン・賞金稼ぎ」という日本人には馴染みが薄く、作品のどこに自分の気持ちを置いていいか分からなかったオリジナルに対して、舞台を過去の日本に置き、日本人が演じたことで登場人物への感情移入がしやすくなり、作品に入り込んでいけるようになったことが、日本人にとっては良かったんじゃないでしょうか。
すごく重たく、救われない内容の映画なので、繰り返し観たいとはあまり思いませんが(笑、劇場に足を運んだ価値はあったかな。

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2013/09/21 (Sat.)

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

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ひさしぶりに古い洋画の話。DVD でも持っていた作品を、BD にメディアチェンジしました。

私の中では『ショーシャンクの空に』と並ぶ、監獄モノの名作中の名作。刑務所から逃れるために精神病を偽って精神科病院に入院したマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)が、院内での破天荒な振る舞いによって周囲の患者たちに影響を与え、やがて患者たちを完全に統制しようとする看護婦長との確執に繋がっていき...という話。外部から隔離された空間での、一般社会では特異と言える人々との交流、管理者への反抗、そして脱走、という構造は『ショーシャンクの空に』と通ずるところがあります。でも、私が生まれる前というくらいに古い映画だけあって、説明しすぎておらず、余白が広いぶん、『ショーシャンク』以上に心に引っかかるものがある映画でもあります。

この映画はジャック・ニコルソンだけでなく、脇を固める俳優陣の芝居がいい。昔すぎて知らない俳優のほうが多いですが、映画ファン的には若き日のクリストファー・ロイド(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役)が出ているのは見逃せません。

絶望的な状況の中でも、希望を捨てないことの重要さ。気持ちが前を向いているときでないとなかなかプレイヤーにディスクを入れる気合いが出ない作品ではありますが、たまに無性に観返したくなる作品でもあります。

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